ソルダ・マスクを形成するためのプロセス、そのための装置、および電気回路パターン付きの誘電体内層を形成するためのプロセス
ソルダ・マスクを形成するためのプロセスでは、キャリア・フィルムにフォトイメージャブル・インクが塗布されて、キャリア・フィルム上にフォトイメージャブル・インク層が形成される。フォトイメージャブル・インク層は、乾燥されてフォトイメージャブル・レジスト層が形成され、それによって少なくとも1つのフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムが形成される。フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムは、フォトイメージャブル・レジスト層の上面を基板と接触させるように、基板の少なくとも片側に積層される。フォトイメージャブル・レジスト層は、キャリア・フィルムを通して像様に露光される。キャリア・フィルムは、フォトイメージャブル・レジスト層から除去されて、露光済みレジスト層が形成される。露光済みレジスト層は、現像されて、現像済みレジスト層が形成される。現像済みレジスト層は、硬化されて、基板上にソルダ・マスクが形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路板や配線板などを製作するためのソルダ・マスクを形成するためのプロセス、およびソルダ・マスクを形成するためのプロセスを実施するための装置に関する。本発明はまた、電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成するためのプロセスにも関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路板業界や配線板業界では、例えば、プリント回路板や配線板内に高密度回路を使用する必要がある様々な装置の小型化に対する要求の高まりを受けて、ソルダ・マスク・インクがプリント回路板(PCB)や配線板の製作に加速的に使用されている。
【0003】
さらに、様々な装置の小型化に対する要求によれば、それらに実装されるべき部品の多くはボール・グリッド・アレイ(BGA)タイプであり、それに応じてますます厳しい要件がPCBに求められつつある。
【0004】
こうした状況では、例えば、PCB用ソルダ・マスクを形成するために、液体アルカリ現像型ソルダ・マスク・インクが、現在一般的に使用されており、いわゆる「ドライ・フィルム」もそのために使用されている。ソルダ・マスクの形成では、例えば、以下の要件が、PCBのソルダ・マスクに求められている。
【0005】
1.ブラインド・ビアホールおよびスルーホールの充填とそれらのテンティングが完全であること。
【0006】
2.ソルダ・マスクの形成後の平坦度が、できるだけ高く、例えば±5μm以下であること。
【0007】
3.高解像度かつ高精度の露光を実現するために非接触型露光ユニットおよび写真乾板が使用されたとき、いわゆる「ホワイト・ヘーズ(white haze)」問題のような問題が起きないこと。
【0008】
液体アルカリ現像型ソルダ・マスク・インクが、現在、スクリーン印刷、カーテン・コーティング、スプレー・コーティング、ロール・コーティングなど様々なコーティング法で塗布されているにもかかわらず、PCBに液体アルカリ現像型ソルダ・マスク・インクを塗布することによって、ブラインド・ビアホールおよびスルーホールの完全充填と100%テンティングとを実現するのは困難である。これとは対照的に、完全な充填およびテンティングは、真空ラミネータを用いてPCB上にドライ・フィルムを積層することによって、ほとんど実施されることができる。
【0009】
ソルダ・マスクの形成後の平坦度に関しては、PCB内に銅パターンおよびビアホールが存在するため、ソルダ・マスク・インクを用いて所要の平坦度を達成するのは困難である。これとは対照的に、ドライ・フィルムでは、所要の平坦度を達成することができる。
【0010】
現在市販されているアルカリ現像型ソルダ・マスク・インクは、ラジカル重合を利用しており、したがって、それが酸素から保護されない場合、ソルダ・マスクの形成に対する酸素の妨害が起こる。より具体的には、アルカリ現像型ソルダ・マスク・インクが酸素にさらされたとき、形成されたソルダ・マスクの表面が白色になり、ソルダ・マスクの機能が損なわれる。この問題は、「ホワイト・ヘーズ」現象と称される。
【0011】
このような酸素の妨害を防止するためには、ネガフィルムが塗布されたソルダ・マスク・インクと密着されうることから、ネガフィルムが使用され、したがって、塗布されたソルダ・マスク・インクは、酸素から保護される。しかし、高解像度かつ高精度の露光を得るためには、ネガフィルム自体が、使用中に伸び縮みし、ソルダ・マスク形成位置の確度および精度の問題を引き起こすので、ネガフィルムが必ずしも適しているわけではない。
【0012】
露光の位置確度および精度の問題を回避することによって高解像度かつ高精度の露光を実現するためには、ステップ・アンド・リピート型非接触露光ユニットのような非接触露光ユニットおよび写真乾板の使用が好ましいと考えられる。しかし、非接触露光ユニットおよび写真乾板が使用されたとき、乾板と塗布されたソルダ・マスク・インクとの間に若干のスペースが必然的に形成される。このスペースが上述の酸素妨害の原因になる。
【0013】
この意味では、現在使用されているソルダ・マスク・インクは、特に非接触露光ユニットおよび写真乾板が使用される場合に、高解像度かつ高精度でソルダ・マスクを形成するのには適さない。これとは対照的に、ドライ・フィルムは、ソルダ・マスクの製作に使用される間、酸素から保護されるので、ドライ・フィルムには、高解像度かつ高精度でソルダ・マスクを形成することに関する問題はほとんどない。
【0014】
ソルダ・マスク・インクが使用されるとき、ソルダ・マスクは通常、例えば、PCBにソルダ・マスク・インクを塗布するステップと、塗布されたソルダ・マスク・インクを乾燥させて、PCB上にフォトイメージャブル(photoimageable)・レジスト層を形成するステップと、形成されるべきソルダ・マスクに対応するように、フォトイメージャブル・レジスト層を像様に(imagewise)露光するステップと、露光済みフォトイメージャブル・レジスト層を現像して、現像済みレジスト層にするステップと、現像済みレジスト層を熱硬化させて、PCB上にソルダ・マスクを形成するステップとで調製される。
【0015】
このようなソルダ・マスク・インクは、20℃未満の温度の暗所に保存される場合に6カ月間使用されることができる。ソルダ・マスク・インクが使用されるとき、ソルダ・マスクのワークサイズおよび厚みは、要望どおりに変更されることができる。しかし、上述のように、このようなソルダ・マスク・インクが使用されるとき、スルーホールおよびブラインド・ビアホールをインクで完全に充填することは実施が困難であり、スルーホールを完全にテンティングすることも実施が困難である。
【0016】
ソルダ・マスク・インクを使用して得られる平坦度は、±20μm以上の範囲である。さらに、上述のように、非接触露光装置および写真乾板が使用されたとき、ソルダ・マスクの表面は、酸素妨害に起因する上述の「ホワイト・ヘーズ」現象により白くなる傾向がある。
【0017】
現在市販されているドライ・フィルムは、図11に示されるように多層構造を有し、このようなドライ・フィルムは、市販されるときにロール・フィルムの形をとる。
【0018】
図11では、参照符号10は、例えばポリエステル・フィルム製でもよいキャリア・フィルムを示し、参照符号20は、例えばフォトイメージャブル・ソルダ・マスク層として働く重合可能な層でもよいレジスト層を示し、参照符号30は、例えばポリエチレン・フィルムでもよい、レジスト層20を保護する保護層を示す。
【0019】
一般に、このようなドライ・フィルム・ロールは、例えば−20℃の冷凍状態で暗所に保存され、使用前に解凍される。
【0020】
このようなドライ・フィルムが実際に使用されるときは、例えば以下のステップが通常とられる。
【0021】
まず第1に、冷凍されているドライ・フィルムは、上述のように解凍される。その温度が例えば室温に達したとき、保護層30は、レジスト層20から剥がされる。
【0022】
次いで、保護層30が剥がされたドライ・フィルムから所望のサイズを有する部分が切り離される。
【0023】
次いで、この切り離された部分は、レジスト層20の上面がPCBと接触するようにPCBの上に重ね合わされ、レジスト層20の一方の端部20cは、図13に示されるように、タック・バー(tack bar)BによってPCBに仮留めされる(tacked)。
【0024】
次いで、レジスト層20は、キャリア・フィルム10を通して、形成されるべきソルダ・マスクに対応する光を像様に当てられる。次いで、キャリア・フィルム10は、レジスト層20から剥がされる。次いで、露光済みレジスト層20は、予熱され、室温に冷却され、その上に炭酸ナトリウム水溶液を吹き付けることによって現像され、続いて、水を使用してその上に水を吹き付けることによってレジスト層20を洗浄する。したがって、次いで、現像済みレジスト層20は熱硬化され、それによってPCB上にソルダ・マスクが形成される。
【0025】
一般に、このようなドライ・フィルムは、−20℃未満の温度の暗所に保存される場合に3カ月間使用でき、0℃未満の温度の暗所に保存される場合に2カ月間使用でき、20℃未満の温度の暗所に保存される場合には2日間しか使用できない。
【0026】
このようなドライ・フィルムが使用される場合、ボイドを形成することなく、スルーホールおよびビアホールを完全に充填し、スルーホールを完全にテンティングすることが可能である。
【0027】
ドライ・フィルムを使用して得られる平坦度は、±5μm以下の範囲である。非接触露光装置または写真乾板が使用されたときでも、「ホワイト・ヘーズ」現象は起こらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
しかし、ソルダ・マスクのワークサイズおよび厚みは、要望どおりに容易に変更されることはできない。ソルダ・マスクのワークサイズおよび厚みを変更するためには、いくつかの異なるドライ・フィルムが必要である。いくつかの異なるドライ・フィルムを使用してソルダ・マスクのワークサイズおよび厚みを変更することは、実際的な手順ではない。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の一態様によれば、ソルダ・マスクを形成するためのプロセスは、キャリア・フィルムにフォトイメージャブル・インクを塗布して、キャリア・フィルム上にフォトイメージャブル・インク層を形成することと、フォトイメージャブル・インク層を乾燥させて、フォトイメージャブル・レジスト層を形成し、それによって少なくとも1つのフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを形成することと、フォトイメージャブル・レジスト層の上面を基板と接触させるように、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを基板の少なくとも片側に積層することと、フォトイメージャブル・レジスト層にキャリア・フィルムを通して露光して、露光済みレジスト層を形成することと、露光済みレジスト層からキャリア・フィルムを除去することと、露光済みレジスト層を現像して、現像済みレジスト層を形成することと、および、現像済みレジスト層を硬化させて、基板上にソルダ・マスクを形成することと、を備える。
【0030】
本発明の他の態様によれば、ソルダ・マスクを形成するための装置は、塗布装置、乾燥装置、積層装置、露光ユニット、リムーバ、現像ユニット、および硬化ユニットを備える。キャリア・フィルム上にフォトイメージャブル・インク層を形成するためには、塗布装置を使用してキャリア・フィルムにフォトイメージャブル・インクが塗布される。乾燥装置は、フォトイメージャブル・インク層を乾燥させて、フォトイメージャブル・レジスト層を形成し、それによって少なくとも1つのフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを形成するように構成される。フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムは、前記フォトイメージャブル・レジスト層の上面を基板と接触させるように、積層装置を使用して基板の少なくとも片側に積層される。露光ユニットは、キャリア・フィルムを通してフォトイメージャブル・レジスト層を露光して、露光済みレジスト層を形成するように構成される。キャリア・フィルムは、リムーバを使用して露光済みレジスト層から除去される。現像ユニットは、露光済みレジスト層を現像して、現像済みレジスト層を形成するように構成される。硬化ユニットは、現像済みレジスト層を硬化させて、基板上にソルダ・マスクを形成するように構成される。
【0031】
本発明の他の態様によれば、電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成するためのプロセスは、キャリア・フィルムに誘電体材料のインクを塗布して、キャリア・フィルム上に誘電体材料インク層を形成することと、誘電体材料インク層を乾燥させて、誘電体材料層を形成し、それによって少なくとも1つの誘電体層を有するフィルムを形成することと、誘電体材料層の上面を基板と接触させるように、誘電体材料層を有するフィルムを基板の少なくとも片側に積層することと、誘電体材料層を熱硬化させて、硬化誘電体材料層を形成することと、硬化誘電体材料層からキャリア・フィルムを除去することと、硬化誘電体材料層にレーザ・ドリリングを行って、穴あけされた電気回路パターンを有するレーザ穴あけされた硬化誘電体材料層を形成することと、レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層にデスミア・エッチングを施すことと、および、レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層を導電性材料でめっきし、それによって電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成することと、を備える。
【0032】
本発明のより完全な理解とそれに付随する利点の多くは、それらが、添付図面に関して検討されるときに以下の詳細説明を参照することによって、より良く理解されるようになるので、容易に得られるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、実施の形態のいくつかについて、同様の参照符号が様々な図面を通じて対応するまたは同一の要素を示す添付図面を参照して説明される。
【実施例1】
【0034】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるソルダ・マスクを形成するためのプロセスを実施するための装置1001を概略的に示す。
【0035】
装置1001では、市販のキャリア・フィルム・ロール(LUMIRROR T−60、東レ株式会社製、フィルム厚38μmの2軸配向ポリエステル・フィルム)からキャリア・フィルム1Aが解放され、コーティング・チャンバ(coating chamber)101内の水平多孔質真空テーブル101aの上に移送される。
【0036】
図2および図3a〜3cに示されるようなステンシル印刷ユニット12を使用して、市販のフォトイメージャブル・インク2(PSR−4000BN/CA−40BN、2成分液体フォトイメージャブル・インク、TAIYO AMERICA,INC.製)が、キャリア・フィルム1Aにステンシル印刷によって塗布される。
【0037】
図2において、参照符号12aは、ステンシル印刷ユニット12のステンシル枠を示し、参照符号12bは、ステンシル印刷ユニット12の、厚みtが100μmの金属ステンシル板を示し、参照符号12dは、金属ステンシル板12b内に形成されたステンシル開口を示す。
【0038】
実施例1では、上述のステンシル印刷は、図2に示されるように、金属ステンシル板12bの上面に沿って矢印の向きに移動されるスクレーパ12cによって、ステンシル開口12dを介してフォトイメージャブル・インク2を圧搾し、キャリア・フィルム1Aに転写することによって行われる。
【0039】
図3a〜3cは、ステンシル印刷ユニット12の、実施例1に使用される上述のステンシル印刷の説明としての概略断面図である。図3bに示されるように、スクレーパ12cは、金属ステンシル板12bの上面に沿って矢印の向きに移動され、その結果、フォトイメージャブル・インク2は、スクレーパ12cによってステンシル開口12dを介して圧搾され、キャリア・フィルム1Aに転写される。フォトイメージャブル・インク2がキャリア・フィルム1Aに完全に転写されたとき、ステンシル印刷ユニット12は、図3cに示されるような矢印の向きに持ち上げられ、したがって金属ステンシル板12bはキャリア・フィルム1Aから分離され、フォトイメージャブル・インク層部分2aは、図3cに示されるように、ステンシル開口12dから取り出され、キャリア・フィルム1A上に留まる。フォトイメージャブル・インク層部分2aは、ステンシル開口12dの形に対応する。
【0040】
図4は、キャリア・フィルム1A上に形成されたフォトイメージャブル・インク層部分2aの概略斜視図である。
【0041】
このステンシル印刷プロセスは、図1および4に示されるように、複数のフォトイメージャブル・インク層部分2aが、キャリア・フィルム1A上のそれらの間に所定の空間を有して連続的に形成されるように、繰り返される。
【0042】
次いで、複数のフォトイメージャブル・インク層部分2aをその上に有するキャリア・フィルム1Aは、図1に示されるように、ドライ・チャンバ201内に移送される。ドライ・チャンバ201内では、キャリア・フィルム1A上に形成されたフォトイメージャブル・インク層部分2aは、80℃で30分間かけて乾燥され、それによって、50〜60μmの厚みを有するフォトイメージャブル・レジスト層部分2bが形成される。
【0043】
このようにしてキャリア・フィルム1A上に形成されたフォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、次いで、上述の乾燥ステップの後で室温に冷却される。
【0044】
次いで、図5に示されるように、キャリア・フィルム1Aの先端部分は、カッターAによって所定の長さの単一キャリア・フィルム部分に切断され、この部分の上には、1対のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bを有する。この切断は、図1に示されるように、切断タッキング・チャンバ(cutting and tacking chamber)301内でカッターAによって行われる。
【0045】
1対のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bをその上に有する単一キャリア・フィルム部分は、図5に示されるように、以下、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1aと称される。
【0046】
次いで、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1aは、各部分がその上に1つのフォトイメージャブル・レジスト層部分2bを有する状態で上側部分と下側部分の2つに折り曲げられ、図6に示されるように、1対のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bの間にパターン形成済みPCB(プリント回路板)4がサンドイッチ状に挟まれる。
【0047】
次いで、上下フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの各端部2cは、図6に示されるように、タック・バーBによってPCB4に仮留めされる。この仮留めは、図1に示されるように、切断タッキング・チャンバ301内でタック・バーBによって行われる。
【0048】
次いで、上下フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの間にサンドイッチ状に挟まれたPCB4は、図1に示されるように、真空ラミネータ・チャンバ401内に移送される。真空ラミネータ・チャンバ401内では、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、真空ラミネータ(VACUUMEX、Morton Co.Ltd.製)(図示せず)によって70℃で60秒間かけてPCB4上に積層される。
【0049】
次いで、PCB4の両側に積層されたフォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、例えば、市販の露光ユニット(ORC MODEL HMW680GW EXPOSURE UNIT)(図示せず)によって、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1aのキャリア・フィルム部分を通して、形成されるべきソルダ・マスクに対応する光を像様に当てられ、350mJ/cm2の露光エネルギーが与えられ、それによって露光済みレジスト層部分が形成される。
【0050】
次いで、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1aのキャリア・フィルム部分は、像様露光済みレジスト層部分から剥がされる。次いで、露光済みレジスト層部分は、10分間放置され、次いで、その上に30℃で1重量パーセントの炭酸ナトリウム水溶液を2MPa(メガパスカル)の噴射圧力で60秒間吹き付けることによって現像され、次いで、水を使用してその上に水を1MPaの噴射圧力で45秒間吹き付けることによって洗浄され、それによって現像済みレジスト層部分が形成される。
【0051】
このようにしてPCB4上に形成された現像済みレジスト層部分は、次いで、150℃で60秒間かけて硬化され、それによって、PCB4の両側にそれぞれソルダ・マスクが形成される。
【0052】
このようにして両側にソルダ・マスクが形成されて製作されたPCB4では、ブラインド・ビアホールおよびスルーホールが完全に充填され、100%のテンティングが達成される。
【0053】
さらに、ソルダ・マスクの平坦度は±5μm以下であり、高解像度かつ高精度の露光を実現するために非接触型露光ユニットおよび写真乾板が使用されたときでさえ、「ホワイト・ヘーズ」の問題はない。
【0054】
上述の第1の実施の形態では、例えば、金属ステンシル板12b内に形成されたステンシル開口は、それに適したステンシル印刷ユニットを使用することによって、所望の形状およびサイズに変更されることができ、したがって、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bも、所望の形状およびサイズに変更されることができる。言い換えれば、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、あらゆる形状およびサイズで調製されることができる。
【0055】
さらに、上述の第1の実施の形態では、100μm厚のステンシル板12が、ステンシル印刷ユニット12内で使用される。しかし、この厚み「t」は、要望どおりに変更されることもでき、したがって、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの厚みも、要望どおりに変更されることができる。
【0056】
さらに、フォトイメージャブル・インク2を異なるフォトイメージャブル・インクと交換することによって、あるいは2つ以上の異なるフォトイメージャブル・インクを例えば交互に使用することによって、様々なソルダ・マスクが、PCB4上に、例えばPCB4の各面上の別のソルダ・マスクと共に形成されることができる。
【0057】
さらに、この第1の実施の形態では、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1aは、1対のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bを有する。しかし、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1a上に形成されるべきフォトイメージャブル・レジスト層部分2bの数は、実施例1のように必ずしも2に限定されるものではなく、所望の数のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bが設けられてもよい。必要な場合、異なるインクもそのために使用できる。
【0058】
さらに、上述の第1の実施の形態では、積層化は、PCB4の両側に同時にまたは連続的に実施されてもよい。
【0059】
上述のプロセスに対する変更または修正は、ソルダ・マスクの形成プロセスを開始する前またはそのプロセスの過程のどちらで行われてもよい。
【0060】
従来のいわゆるドライ・フィルムの場合、上述のプロセスに対するそのような変更または修正は、実際には実施が困難である。これは、従来のいわゆるドライ・フィルムが、キャリア・フィルムと、その上に形成されたレジスト層と、このレジスト層の上に形成された保護層とを含み、レジスト層が、前述のように使用前にすでに、所定の配合物で所定の厚みに製作され、キャリア・フィルムと保護フィルムの間に挟まれているからである。さらに、従来のいわゆるドライ・フィルムは、一般に−20℃の冷凍状態で保存されたロールの形で市販されており、このフィルムは、使用前に解凍され、解凍後の所定の期間、通常は室温で1日ないし2日以内に使用される。
【実施例2】
【0061】
図7は、本発明の第2の実施の形態による、ソルダ・マスクを形成するためのプロセスを実施するための装置1002を概略的に示す。
【0062】
装置1002は、フィルム切断タッキング・チャンバ302を備え、第1の実施の形態の装置1001は、フィルム切断タッキング・チャンバ301を備える。
【0063】
本発明のこの実施の形態では、第1の実施の形態とほぼ同じステップが、コーティング・チャンバ101およびドライ・チャンバ201内で実行され、したがって、同じフォトイメージャブル・レジスト層部分2bが、ドライ・チャンバ201内でキャリア・フィルム1A上に形成される。次いで、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、実施例1と同じように室温に冷却される。
【0064】
次いで、キャリア・フィルム1Aは、図8に示されるように、キャリア・フィルム1Aの各切断部分の上に1つのフォトイメージャブル・レジスト層部分2bを有するように、カッターAによって連続的に切断され、この切断部分は、以下、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1bと称される。この切断は、図7に示されるように、カッターAによって切断タッキング・チャンバ302内で行われる。
【0065】
次いで、1対のフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1bはパターン形成済みPCB4の上に移送され、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1bのうちの一方が裏返しにされ、その結果、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの各上面がパターン形成済みPCB4の両側に密着し、それによって、パターン形成済みPCB4は、図9に示されるように、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの間にサンドイッチ状に挟まれる。
【0066】
フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの各端部2cは、図9に示されるようにタック・バーBによってPCB4に仮留めされる。この仮留めは、図7に示されるように、切断タッキング・チャンバ302内でタック・バーBによって行われる。
【0067】
次いで、1対のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bの間に置かれたPCB4は、図7に示されるように、真空ラミネータ・チャンバ401の中に移送される。真空ラミネータ・チャンバ401内では、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、実施例1で使用されたものと同じ真空ラミネータ(VACUUMEX、Morton Co.Ltd.製)(図示せず)によって、実施例1と同じように70℃で60秒間かけてPCB4上に積層される。
【0068】
次いで、PCB4の両側に積層されたフォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、実施例1で使用されたものと同じ市販の露光ユニット(ORC MODEL HMW680GW EXPOSURE UNIT)(図示せず)によって、実施例1と同じように、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1bの各々のキャリア・フィルム部分を通して、形成されるべきソルダ・マスクに対応する光を像様に当てられ、350mJ/cm2の露光エネルギーが与えられ、それによって露光済みレジスト層部分が形成される。
【0069】
次いで、上下キャリア・フィルム部分はそれぞれ、像様露光済みレジスト層部分から剥がされる。次いで、この像様露光済みレジスト層部分は、10分間放置され、次いで実施例1と同じように現像される。
【0070】
PCB4上に形成されこのように現像された現像済みレジスト層部分も、実施例1とほぼ同じように硬化され、それによってPCB4の両側にそれぞれソルダ・マスクが形成される。
【0071】
このようにして両側にソルダ・マスク形成されて製作されたPCB4では、ブラインド・ビアホールおよびスルーホールが完全に充填され、100%のテンティングが達成される。
【0072】
さらに、ソルダ・マスクの平坦度は±5μm以下であり、高解像度かつ高精度の露光を実現するために非接触型露光ユニットおよび写真乾板が使用されたときでさえ、「ホワイト・ヘーズ」の問題はない。
【0073】
上記第2の実施の形態では、第1の実施の形態のように、所望のあらゆる形状およびサイズのあらゆる厚みを有するフォトイメージャブル・レジスト層部分2bが調製されることができる。さらに、2つ以上の異なるフォトイメージャブル・インクが、例えば交互に使用されることができ、したがって、様々なソルダ・マスクが、PCB4上に、例えばPCB4の各面上の別のソルダ・マスクと共に形成されることができる。
【0074】
いわゆるドライ・フィルムが実施例1で論じられたのと同じ理由で使用されるとき、プロセスに対するそのような変更または修正は、実際には実施が困難である。
【0075】
本発明のプロセスの上述の第2の実施の形態では、ソルダ・マスクがPCBの片側だけに形成されるときは、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分のうちの一方を裏返しにして、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの各上面をパターン形成済みPCB4の両側に密着させる必要はない。
【0076】
さらに、フォトイメージャブル・レジスト層は、連続的な層の形をしていてもよく、図7に示されるように、フォトイメージャブル・レジスト層が、必ずしも複数の分離するフォトイメージャブル・レジスト部分2bを含む必要はない。
【0077】
さらに、本発明のソルダ・マスクを形成するためのプロセスの第2の実施の形態では、例えば、1対の装置1002が組み合わされて使用されてもよい。一方の装置1002では、キャリア・フィルム1Aが使用され、他方の装置1002では、キャリア・フィルム2Aが使用される。キャリア・フィルム1Aおよびキャリア・フィルム2Aは、同じでも異なっていてもよい。
【0078】
第2の実施の形態とまったく同じように、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1bは、図10に示されるように、2つの装置1002のそれぞれにおいて形成され、次いで、パターン形成済みPCB4の上に同時にまたは連続的に移送され、その結果、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの各上面がパターン形成済みPCB4の両側に密着した状態になり、それによって、パターン形成済みPCB4は、図9に示されるように、実施例2と同じようにフォトイメージャブル・レジスト層部分2bの間にサンドイッチ状に挟まれる。その後、第2の実施の形態と同じ手順が実行され、それによって、同じまたは異なるソルダ・マスクが、PCB4の両側のそれぞれに形成されることもできる。
【0079】
比較例
冷凍状態で保存される、図11に示されるような多層構造を有する市販のドライ・フィルム・ソルダ・マスク(PFR−800 AUS402、30μm厚、TAIYO AMERICA,INC.製)(以下、ドライ・フィルムと称される)は、室温で放置することによって解凍される。
【0080】
ドライ・フィルムの温度が室温に到達したとき、保護層30は、レジスト層20から剥がされる。次いで、このドライ・フィルムは、図12に示されるように、カッターAによって所定のサイズに切り離される。次いで、この切り離された部分は、図12に示されるようにレジスト層20の上面がパターン形成済みPCB4の表面と接触するように、パターン形成済みPCB4の上に重ね合わされる。次いで、レジスト層20の端部2cは、図13に示されるように、タック・バーBによってPCB4に仮留めされる。上述の手順を繰り返すことによって、PCB4は、2つのレジスト層20の間にサンドイッチ状に挟まれる。
【0081】
レジスト層20は、真空ラミネータ(VACUUMEX、Morton Co.Ltd.製)(図示せず)によって70℃で60秒間かけてPCB4上に積層される。
【0082】
次いで、積層されたレジスト層20は、市販の露光ユニット(ORC MODEL HMW680GW EXPOSURE UNIT)(図示せず)によって、キャリア・フィルム10を通して、形成されるべきソルダ・マスクに対応する光を像様に当てられ、420mJ/cm2の露光エネルギーが与えられる。
【0083】
次いで、キャリア・フィルム10は、像様露光済みレジスト層20から剥がされる。次いで、レジスト層20は、80℃で5分間熱処理にかけられ、次いでその温度が室温に到達するまで冷却される。
【0084】
次いで、露光済みレジスト層10は、その上に30℃で1重量パーセントの炭酸ナトリウム水溶液を2MPaの噴射圧力で120秒間吹き付けることによって現像され、次いで、25℃の水を使用してその上に水を0.1MPaの噴射圧力で45秒間吹き付けることによって洗浄される。したがって、PCB4上に形成された現像済みレジスト層20は、150℃で60分間かけて硬化され、それによって、PCB4の両側にそれぞれソルダ・マスクが形成される。
【0085】
このようにして両側にソルダ・マスクが形成されて製作されたPCB4では、ブラインド・ビアホールおよびスルーホールが完全に充填され、100%のテンティングが達成される。
【0086】
さらに、ソルダ・マスクの平坦度は±5μm以下であり、高解像度かつ高精度の露光を実現するために非接触型露光ユニットおよび写真乾板が使用されたときでさえ、「ホワイト・ヘーズ」の問題はない。
【0087】
上述の実施の形態では、基板は、硬質基板でもフレキシブル基板でもよい。このような基板は、硬質プリント回路板、フレキシブル・プリント回路板、あるいは以下の実施例3で製作されうる電子回路板が設けられた誘電体内層でもよい。
【実施例3】
【0088】
実施例1とほぼ同じように、キャリア・フィルム1Aは、実施例1で使用されたものと同じ市販のキャリア・フィルム・ロール(LUMIRROR T−60、東レ株式会社製、フィルム厚38μmの2軸配向ポリエステル・フィルム)からキャリア・フィルム1Aが解放され、コーティング・チャンバ101内の水平多孔質真空テーブル101aの上に移送される。
【0089】
誘電体材料インク層を形成するためには、市販の誘電体材料(HBI−200BC/TA−20BC、2成分熱硬化型インク、TAIYO AMERICA,INC.製)が、キャリア・フィルム1Aに実施例1と同じようにステンシル印刷によって塗布される。
【0090】
このようにして形成された誘電体材料インク層は、実施例1と同じように80℃で30分間かけて乾燥され、それによって誘電体材料層部分が形成される。その後、実施例1と同じ手順に従って、誘電体材料層部分は、真空ラミネータ(VACUUMEX、Morton Co.Ltd.製)(図示せず)によって、70℃で60秒間かけてPCB4の両側に積層される。
【0091】
次いで、誘電体材料層部分は、150℃で60分間の加熱で硬化されて、硬化誘電体材料層が形成される。次いで、キャリア・フィルムは、硬化誘電体材料層から除去される。次いで、硬化誘電体材料層は、レーザ・ドリリングが行われて、穴あけされた電気回路パターンを有するレーザ穴あけされた硬化誘電体材料層が形成される。次いで、レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層は、デスミア・エッチングが施される。レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層は、銅めっきされ、それによって電気回路パターンが設けられた誘電体内層が形成される。
【0092】
上述のめっきについては、銅の代わりに他の従来の導電性金属および他の導電性材料が使用されてもよい。
【0093】
上述の教示に照らして本発明の多くの変更形態および変形形態が可能であることは明らかである。したがって、特許請求の範囲内で、本発明が本明細書で具体的に記述された以外の方法でも実施されうることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるソルダ・マスクを形成するためのプロセスを実施するための装置の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に使用されるステンシル印刷ユニットの概略透視図である。
【図3a】図2に示されたステンシル印刷ユニットの、本発明の第1の実施の形態に使用されるステンシル印刷プロセスの一実施例の説明としての概略断面図である。
【図3b】図2に示されたステンシル印刷ユニットの、本発明の第1の実施の形態に使用されるステンシル印刷プロセスの一実施例の説明としての概略断面図である。
【図3c】図2に示されたステンシル印刷ユニットの、本発明の第1の実施の形態に使用されるステンシル印刷プロセスの一実施例の説明としての概略断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における、キャリア・フィルム上に形成されたフォトイメージャブル・インク層部分の概略斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の一実施例の概略断面図である。
【図6】パターン形成済みPCBを間に置くように2つに折り曲げられた、図5に示されたフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の概略断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるソルダ・マスクを形成するためのプロセスを実施するための装置の概略図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の概略断面図である。
【図9】パターン形成済みPCBが間に置かれた、図8に示された1対のフォトイメージャブル・レジスト層をのせたフィルム部分の概略断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の一実施例の概略断面図である。
【図11】従来のドライ・フィルムの概略断面図である。
【図12】図11に示された従来のドライ・フィルムの、PCB上にそれを積層する過程での概略断面図である。
【図13】一方の端部がタック・バーによってPCBに仮留めされた、図11に示された従来のドライ・フィルムのレジスト層の概略断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路板や配線板などを製作するためのソルダ・マスクを形成するためのプロセス、およびソルダ・マスクを形成するためのプロセスを実施するための装置に関する。本発明はまた、電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成するためのプロセスにも関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路板業界や配線板業界では、例えば、プリント回路板や配線板内に高密度回路を使用する必要がある様々な装置の小型化に対する要求の高まりを受けて、ソルダ・マスク・インクがプリント回路板(PCB)や配線板の製作に加速的に使用されている。
【0003】
さらに、様々な装置の小型化に対する要求によれば、それらに実装されるべき部品の多くはボール・グリッド・アレイ(BGA)タイプであり、それに応じてますます厳しい要件がPCBに求められつつある。
【0004】
こうした状況では、例えば、PCB用ソルダ・マスクを形成するために、液体アルカリ現像型ソルダ・マスク・インクが、現在一般的に使用されており、いわゆる「ドライ・フィルム」もそのために使用されている。ソルダ・マスクの形成では、例えば、以下の要件が、PCBのソルダ・マスクに求められている。
【0005】
1.ブラインド・ビアホールおよびスルーホールの充填とそれらのテンティングが完全であること。
【0006】
2.ソルダ・マスクの形成後の平坦度が、できるだけ高く、例えば±5μm以下であること。
【0007】
3.高解像度かつ高精度の露光を実現するために非接触型露光ユニットおよび写真乾板が使用されたとき、いわゆる「ホワイト・ヘーズ(white haze)」問題のような問題が起きないこと。
【0008】
液体アルカリ現像型ソルダ・マスク・インクが、現在、スクリーン印刷、カーテン・コーティング、スプレー・コーティング、ロール・コーティングなど様々なコーティング法で塗布されているにもかかわらず、PCBに液体アルカリ現像型ソルダ・マスク・インクを塗布することによって、ブラインド・ビアホールおよびスルーホールの完全充填と100%テンティングとを実現するのは困難である。これとは対照的に、完全な充填およびテンティングは、真空ラミネータを用いてPCB上にドライ・フィルムを積層することによって、ほとんど実施されることができる。
【0009】
ソルダ・マスクの形成後の平坦度に関しては、PCB内に銅パターンおよびビアホールが存在するため、ソルダ・マスク・インクを用いて所要の平坦度を達成するのは困難である。これとは対照的に、ドライ・フィルムでは、所要の平坦度を達成することができる。
【0010】
現在市販されているアルカリ現像型ソルダ・マスク・インクは、ラジカル重合を利用しており、したがって、それが酸素から保護されない場合、ソルダ・マスクの形成に対する酸素の妨害が起こる。より具体的には、アルカリ現像型ソルダ・マスク・インクが酸素にさらされたとき、形成されたソルダ・マスクの表面が白色になり、ソルダ・マスクの機能が損なわれる。この問題は、「ホワイト・ヘーズ」現象と称される。
【0011】
このような酸素の妨害を防止するためには、ネガフィルムが塗布されたソルダ・マスク・インクと密着されうることから、ネガフィルムが使用され、したがって、塗布されたソルダ・マスク・インクは、酸素から保護される。しかし、高解像度かつ高精度の露光を得るためには、ネガフィルム自体が、使用中に伸び縮みし、ソルダ・マスク形成位置の確度および精度の問題を引き起こすので、ネガフィルムが必ずしも適しているわけではない。
【0012】
露光の位置確度および精度の問題を回避することによって高解像度かつ高精度の露光を実現するためには、ステップ・アンド・リピート型非接触露光ユニットのような非接触露光ユニットおよび写真乾板の使用が好ましいと考えられる。しかし、非接触露光ユニットおよび写真乾板が使用されたとき、乾板と塗布されたソルダ・マスク・インクとの間に若干のスペースが必然的に形成される。このスペースが上述の酸素妨害の原因になる。
【0013】
この意味では、現在使用されているソルダ・マスク・インクは、特に非接触露光ユニットおよび写真乾板が使用される場合に、高解像度かつ高精度でソルダ・マスクを形成するのには適さない。これとは対照的に、ドライ・フィルムは、ソルダ・マスクの製作に使用される間、酸素から保護されるので、ドライ・フィルムには、高解像度かつ高精度でソルダ・マスクを形成することに関する問題はほとんどない。
【0014】
ソルダ・マスク・インクが使用されるとき、ソルダ・マスクは通常、例えば、PCBにソルダ・マスク・インクを塗布するステップと、塗布されたソルダ・マスク・インクを乾燥させて、PCB上にフォトイメージャブル(photoimageable)・レジスト層を形成するステップと、形成されるべきソルダ・マスクに対応するように、フォトイメージャブル・レジスト層を像様に(imagewise)露光するステップと、露光済みフォトイメージャブル・レジスト層を現像して、現像済みレジスト層にするステップと、現像済みレジスト層を熱硬化させて、PCB上にソルダ・マスクを形成するステップとで調製される。
【0015】
このようなソルダ・マスク・インクは、20℃未満の温度の暗所に保存される場合に6カ月間使用されることができる。ソルダ・マスク・インクが使用されるとき、ソルダ・マスクのワークサイズおよび厚みは、要望どおりに変更されることができる。しかし、上述のように、このようなソルダ・マスク・インクが使用されるとき、スルーホールおよびブラインド・ビアホールをインクで完全に充填することは実施が困難であり、スルーホールを完全にテンティングすることも実施が困難である。
【0016】
ソルダ・マスク・インクを使用して得られる平坦度は、±20μm以上の範囲である。さらに、上述のように、非接触露光装置および写真乾板が使用されたとき、ソルダ・マスクの表面は、酸素妨害に起因する上述の「ホワイト・ヘーズ」現象により白くなる傾向がある。
【0017】
現在市販されているドライ・フィルムは、図11に示されるように多層構造を有し、このようなドライ・フィルムは、市販されるときにロール・フィルムの形をとる。
【0018】
図11では、参照符号10は、例えばポリエステル・フィルム製でもよいキャリア・フィルムを示し、参照符号20は、例えばフォトイメージャブル・ソルダ・マスク層として働く重合可能な層でもよいレジスト層を示し、参照符号30は、例えばポリエチレン・フィルムでもよい、レジスト層20を保護する保護層を示す。
【0019】
一般に、このようなドライ・フィルム・ロールは、例えば−20℃の冷凍状態で暗所に保存され、使用前に解凍される。
【0020】
このようなドライ・フィルムが実際に使用されるときは、例えば以下のステップが通常とられる。
【0021】
まず第1に、冷凍されているドライ・フィルムは、上述のように解凍される。その温度が例えば室温に達したとき、保護層30は、レジスト層20から剥がされる。
【0022】
次いで、保護層30が剥がされたドライ・フィルムから所望のサイズを有する部分が切り離される。
【0023】
次いで、この切り離された部分は、レジスト層20の上面がPCBと接触するようにPCBの上に重ね合わされ、レジスト層20の一方の端部20cは、図13に示されるように、タック・バー(tack bar)BによってPCBに仮留めされる(tacked)。
【0024】
次いで、レジスト層20は、キャリア・フィルム10を通して、形成されるべきソルダ・マスクに対応する光を像様に当てられる。次いで、キャリア・フィルム10は、レジスト層20から剥がされる。次いで、露光済みレジスト層20は、予熱され、室温に冷却され、その上に炭酸ナトリウム水溶液を吹き付けることによって現像され、続いて、水を使用してその上に水を吹き付けることによってレジスト層20を洗浄する。したがって、次いで、現像済みレジスト層20は熱硬化され、それによってPCB上にソルダ・マスクが形成される。
【0025】
一般に、このようなドライ・フィルムは、−20℃未満の温度の暗所に保存される場合に3カ月間使用でき、0℃未満の温度の暗所に保存される場合に2カ月間使用でき、20℃未満の温度の暗所に保存される場合には2日間しか使用できない。
【0026】
このようなドライ・フィルムが使用される場合、ボイドを形成することなく、スルーホールおよびビアホールを完全に充填し、スルーホールを完全にテンティングすることが可能である。
【0027】
ドライ・フィルムを使用して得られる平坦度は、±5μm以下の範囲である。非接触露光装置または写真乾板が使用されたときでも、「ホワイト・ヘーズ」現象は起こらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
しかし、ソルダ・マスクのワークサイズおよび厚みは、要望どおりに容易に変更されることはできない。ソルダ・マスクのワークサイズおよび厚みを変更するためには、いくつかの異なるドライ・フィルムが必要である。いくつかの異なるドライ・フィルムを使用してソルダ・マスクのワークサイズおよび厚みを変更することは、実際的な手順ではない。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の一態様によれば、ソルダ・マスクを形成するためのプロセスは、キャリア・フィルムにフォトイメージャブル・インクを塗布して、キャリア・フィルム上にフォトイメージャブル・インク層を形成することと、フォトイメージャブル・インク層を乾燥させて、フォトイメージャブル・レジスト層を形成し、それによって少なくとも1つのフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを形成することと、フォトイメージャブル・レジスト層の上面を基板と接触させるように、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを基板の少なくとも片側に積層することと、フォトイメージャブル・レジスト層にキャリア・フィルムを通して露光して、露光済みレジスト層を形成することと、露光済みレジスト層からキャリア・フィルムを除去することと、露光済みレジスト層を現像して、現像済みレジスト層を形成することと、および、現像済みレジスト層を硬化させて、基板上にソルダ・マスクを形成することと、を備える。
【0030】
本発明の他の態様によれば、ソルダ・マスクを形成するための装置は、塗布装置、乾燥装置、積層装置、露光ユニット、リムーバ、現像ユニット、および硬化ユニットを備える。キャリア・フィルム上にフォトイメージャブル・インク層を形成するためには、塗布装置を使用してキャリア・フィルムにフォトイメージャブル・インクが塗布される。乾燥装置は、フォトイメージャブル・インク層を乾燥させて、フォトイメージャブル・レジスト層を形成し、それによって少なくとも1つのフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを形成するように構成される。フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムは、前記フォトイメージャブル・レジスト層の上面を基板と接触させるように、積層装置を使用して基板の少なくとも片側に積層される。露光ユニットは、キャリア・フィルムを通してフォトイメージャブル・レジスト層を露光して、露光済みレジスト層を形成するように構成される。キャリア・フィルムは、リムーバを使用して露光済みレジスト層から除去される。現像ユニットは、露光済みレジスト層を現像して、現像済みレジスト層を形成するように構成される。硬化ユニットは、現像済みレジスト層を硬化させて、基板上にソルダ・マスクを形成するように構成される。
【0031】
本発明の他の態様によれば、電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成するためのプロセスは、キャリア・フィルムに誘電体材料のインクを塗布して、キャリア・フィルム上に誘電体材料インク層を形成することと、誘電体材料インク層を乾燥させて、誘電体材料層を形成し、それによって少なくとも1つの誘電体層を有するフィルムを形成することと、誘電体材料層の上面を基板と接触させるように、誘電体材料層を有するフィルムを基板の少なくとも片側に積層することと、誘電体材料層を熱硬化させて、硬化誘電体材料層を形成することと、硬化誘電体材料層からキャリア・フィルムを除去することと、硬化誘電体材料層にレーザ・ドリリングを行って、穴あけされた電気回路パターンを有するレーザ穴あけされた硬化誘電体材料層を形成することと、レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層にデスミア・エッチングを施すことと、および、レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層を導電性材料でめっきし、それによって電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成することと、を備える。
【0032】
本発明のより完全な理解とそれに付随する利点の多くは、それらが、添付図面に関して検討されるときに以下の詳細説明を参照することによって、より良く理解されるようになるので、容易に得られるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、実施の形態のいくつかについて、同様の参照符号が様々な図面を通じて対応するまたは同一の要素を示す添付図面を参照して説明される。
【実施例1】
【0034】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるソルダ・マスクを形成するためのプロセスを実施するための装置1001を概略的に示す。
【0035】
装置1001では、市販のキャリア・フィルム・ロール(LUMIRROR T−60、東レ株式会社製、フィルム厚38μmの2軸配向ポリエステル・フィルム)からキャリア・フィルム1Aが解放され、コーティング・チャンバ(coating chamber)101内の水平多孔質真空テーブル101aの上に移送される。
【0036】
図2および図3a〜3cに示されるようなステンシル印刷ユニット12を使用して、市販のフォトイメージャブル・インク2(PSR−4000BN/CA−40BN、2成分液体フォトイメージャブル・インク、TAIYO AMERICA,INC.製)が、キャリア・フィルム1Aにステンシル印刷によって塗布される。
【0037】
図2において、参照符号12aは、ステンシル印刷ユニット12のステンシル枠を示し、参照符号12bは、ステンシル印刷ユニット12の、厚みtが100μmの金属ステンシル板を示し、参照符号12dは、金属ステンシル板12b内に形成されたステンシル開口を示す。
【0038】
実施例1では、上述のステンシル印刷は、図2に示されるように、金属ステンシル板12bの上面に沿って矢印の向きに移動されるスクレーパ12cによって、ステンシル開口12dを介してフォトイメージャブル・インク2を圧搾し、キャリア・フィルム1Aに転写することによって行われる。
【0039】
図3a〜3cは、ステンシル印刷ユニット12の、実施例1に使用される上述のステンシル印刷の説明としての概略断面図である。図3bに示されるように、スクレーパ12cは、金属ステンシル板12bの上面に沿って矢印の向きに移動され、その結果、フォトイメージャブル・インク2は、スクレーパ12cによってステンシル開口12dを介して圧搾され、キャリア・フィルム1Aに転写される。フォトイメージャブル・インク2がキャリア・フィルム1Aに完全に転写されたとき、ステンシル印刷ユニット12は、図3cに示されるような矢印の向きに持ち上げられ、したがって金属ステンシル板12bはキャリア・フィルム1Aから分離され、フォトイメージャブル・インク層部分2aは、図3cに示されるように、ステンシル開口12dから取り出され、キャリア・フィルム1A上に留まる。フォトイメージャブル・インク層部分2aは、ステンシル開口12dの形に対応する。
【0040】
図4は、キャリア・フィルム1A上に形成されたフォトイメージャブル・インク層部分2aの概略斜視図である。
【0041】
このステンシル印刷プロセスは、図1および4に示されるように、複数のフォトイメージャブル・インク層部分2aが、キャリア・フィルム1A上のそれらの間に所定の空間を有して連続的に形成されるように、繰り返される。
【0042】
次いで、複数のフォトイメージャブル・インク層部分2aをその上に有するキャリア・フィルム1Aは、図1に示されるように、ドライ・チャンバ201内に移送される。ドライ・チャンバ201内では、キャリア・フィルム1A上に形成されたフォトイメージャブル・インク層部分2aは、80℃で30分間かけて乾燥され、それによって、50〜60μmの厚みを有するフォトイメージャブル・レジスト層部分2bが形成される。
【0043】
このようにしてキャリア・フィルム1A上に形成されたフォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、次いで、上述の乾燥ステップの後で室温に冷却される。
【0044】
次いで、図5に示されるように、キャリア・フィルム1Aの先端部分は、カッターAによって所定の長さの単一キャリア・フィルム部分に切断され、この部分の上には、1対のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bを有する。この切断は、図1に示されるように、切断タッキング・チャンバ(cutting and tacking chamber)301内でカッターAによって行われる。
【0045】
1対のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bをその上に有する単一キャリア・フィルム部分は、図5に示されるように、以下、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1aと称される。
【0046】
次いで、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1aは、各部分がその上に1つのフォトイメージャブル・レジスト層部分2bを有する状態で上側部分と下側部分の2つに折り曲げられ、図6に示されるように、1対のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bの間にパターン形成済みPCB(プリント回路板)4がサンドイッチ状に挟まれる。
【0047】
次いで、上下フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの各端部2cは、図6に示されるように、タック・バーBによってPCB4に仮留めされる。この仮留めは、図1に示されるように、切断タッキング・チャンバ301内でタック・バーBによって行われる。
【0048】
次いで、上下フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの間にサンドイッチ状に挟まれたPCB4は、図1に示されるように、真空ラミネータ・チャンバ401内に移送される。真空ラミネータ・チャンバ401内では、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、真空ラミネータ(VACUUMEX、Morton Co.Ltd.製)(図示せず)によって70℃で60秒間かけてPCB4上に積層される。
【0049】
次いで、PCB4の両側に積層されたフォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、例えば、市販の露光ユニット(ORC MODEL HMW680GW EXPOSURE UNIT)(図示せず)によって、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1aのキャリア・フィルム部分を通して、形成されるべきソルダ・マスクに対応する光を像様に当てられ、350mJ/cm2の露光エネルギーが与えられ、それによって露光済みレジスト層部分が形成される。
【0050】
次いで、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1aのキャリア・フィルム部分は、像様露光済みレジスト層部分から剥がされる。次いで、露光済みレジスト層部分は、10分間放置され、次いで、その上に30℃で1重量パーセントの炭酸ナトリウム水溶液を2MPa(メガパスカル)の噴射圧力で60秒間吹き付けることによって現像され、次いで、水を使用してその上に水を1MPaの噴射圧力で45秒間吹き付けることによって洗浄され、それによって現像済みレジスト層部分が形成される。
【0051】
このようにしてPCB4上に形成された現像済みレジスト層部分は、次いで、150℃で60秒間かけて硬化され、それによって、PCB4の両側にそれぞれソルダ・マスクが形成される。
【0052】
このようにして両側にソルダ・マスクが形成されて製作されたPCB4では、ブラインド・ビアホールおよびスルーホールが完全に充填され、100%のテンティングが達成される。
【0053】
さらに、ソルダ・マスクの平坦度は±5μm以下であり、高解像度かつ高精度の露光を実現するために非接触型露光ユニットおよび写真乾板が使用されたときでさえ、「ホワイト・ヘーズ」の問題はない。
【0054】
上述の第1の実施の形態では、例えば、金属ステンシル板12b内に形成されたステンシル開口は、それに適したステンシル印刷ユニットを使用することによって、所望の形状およびサイズに変更されることができ、したがって、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bも、所望の形状およびサイズに変更されることができる。言い換えれば、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、あらゆる形状およびサイズで調製されることができる。
【0055】
さらに、上述の第1の実施の形態では、100μm厚のステンシル板12が、ステンシル印刷ユニット12内で使用される。しかし、この厚み「t」は、要望どおりに変更されることもでき、したがって、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの厚みも、要望どおりに変更されることができる。
【0056】
さらに、フォトイメージャブル・インク2を異なるフォトイメージャブル・インクと交換することによって、あるいは2つ以上の異なるフォトイメージャブル・インクを例えば交互に使用することによって、様々なソルダ・マスクが、PCB4上に、例えばPCB4の各面上の別のソルダ・マスクと共に形成されることができる。
【0057】
さらに、この第1の実施の形態では、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1aは、1対のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bを有する。しかし、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1a上に形成されるべきフォトイメージャブル・レジスト層部分2bの数は、実施例1のように必ずしも2に限定されるものではなく、所望の数のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bが設けられてもよい。必要な場合、異なるインクもそのために使用できる。
【0058】
さらに、上述の第1の実施の形態では、積層化は、PCB4の両側に同時にまたは連続的に実施されてもよい。
【0059】
上述のプロセスに対する変更または修正は、ソルダ・マスクの形成プロセスを開始する前またはそのプロセスの過程のどちらで行われてもよい。
【0060】
従来のいわゆるドライ・フィルムの場合、上述のプロセスに対するそのような変更または修正は、実際には実施が困難である。これは、従来のいわゆるドライ・フィルムが、キャリア・フィルムと、その上に形成されたレジスト層と、このレジスト層の上に形成された保護層とを含み、レジスト層が、前述のように使用前にすでに、所定の配合物で所定の厚みに製作され、キャリア・フィルムと保護フィルムの間に挟まれているからである。さらに、従来のいわゆるドライ・フィルムは、一般に−20℃の冷凍状態で保存されたロールの形で市販されており、このフィルムは、使用前に解凍され、解凍後の所定の期間、通常は室温で1日ないし2日以内に使用される。
【実施例2】
【0061】
図7は、本発明の第2の実施の形態による、ソルダ・マスクを形成するためのプロセスを実施するための装置1002を概略的に示す。
【0062】
装置1002は、フィルム切断タッキング・チャンバ302を備え、第1の実施の形態の装置1001は、フィルム切断タッキング・チャンバ301を備える。
【0063】
本発明のこの実施の形態では、第1の実施の形態とほぼ同じステップが、コーティング・チャンバ101およびドライ・チャンバ201内で実行され、したがって、同じフォトイメージャブル・レジスト層部分2bが、ドライ・チャンバ201内でキャリア・フィルム1A上に形成される。次いで、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、実施例1と同じように室温に冷却される。
【0064】
次いで、キャリア・フィルム1Aは、図8に示されるように、キャリア・フィルム1Aの各切断部分の上に1つのフォトイメージャブル・レジスト層部分2bを有するように、カッターAによって連続的に切断され、この切断部分は、以下、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1bと称される。この切断は、図7に示されるように、カッターAによって切断タッキング・チャンバ302内で行われる。
【0065】
次いで、1対のフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1bはパターン形成済みPCB4の上に移送され、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1bのうちの一方が裏返しにされ、その結果、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの各上面がパターン形成済みPCB4の両側に密着し、それによって、パターン形成済みPCB4は、図9に示されるように、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの間にサンドイッチ状に挟まれる。
【0066】
フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの各端部2cは、図9に示されるようにタック・バーBによってPCB4に仮留めされる。この仮留めは、図7に示されるように、切断タッキング・チャンバ302内でタック・バーBによって行われる。
【0067】
次いで、1対のフォトイメージャブル・レジスト層部分2bの間に置かれたPCB4は、図7に示されるように、真空ラミネータ・チャンバ401の中に移送される。真空ラミネータ・チャンバ401内では、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、実施例1で使用されたものと同じ真空ラミネータ(VACUUMEX、Morton Co.Ltd.製)(図示せず)によって、実施例1と同じように70℃で60秒間かけてPCB4上に積層される。
【0068】
次いで、PCB4の両側に積層されたフォトイメージャブル・レジスト層部分2bは、実施例1で使用されたものと同じ市販の露光ユニット(ORC MODEL HMW680GW EXPOSURE UNIT)(図示せず)によって、実施例1と同じように、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1bの各々のキャリア・フィルム部分を通して、形成されるべきソルダ・マスクに対応する光を像様に当てられ、350mJ/cm2の露光エネルギーが与えられ、それによって露光済みレジスト層部分が形成される。
【0069】
次いで、上下キャリア・フィルム部分はそれぞれ、像様露光済みレジスト層部分から剥がされる。次いで、この像様露光済みレジスト層部分は、10分間放置され、次いで実施例1と同じように現像される。
【0070】
PCB4上に形成されこのように現像された現像済みレジスト層部分も、実施例1とほぼ同じように硬化され、それによってPCB4の両側にそれぞれソルダ・マスクが形成される。
【0071】
このようにして両側にソルダ・マスク形成されて製作されたPCB4では、ブラインド・ビアホールおよびスルーホールが完全に充填され、100%のテンティングが達成される。
【0072】
さらに、ソルダ・マスクの平坦度は±5μm以下であり、高解像度かつ高精度の露光を実現するために非接触型露光ユニットおよび写真乾板が使用されたときでさえ、「ホワイト・ヘーズ」の問題はない。
【0073】
上記第2の実施の形態では、第1の実施の形態のように、所望のあらゆる形状およびサイズのあらゆる厚みを有するフォトイメージャブル・レジスト層部分2bが調製されることができる。さらに、2つ以上の異なるフォトイメージャブル・インクが、例えば交互に使用されることができ、したがって、様々なソルダ・マスクが、PCB4上に、例えばPCB4の各面上の別のソルダ・マスクと共に形成されることができる。
【0074】
いわゆるドライ・フィルムが実施例1で論じられたのと同じ理由で使用されるとき、プロセスに対するそのような変更または修正は、実際には実施が困難である。
【0075】
本発明のプロセスの上述の第2の実施の形態では、ソルダ・マスクがPCBの片側だけに形成されるときは、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分のうちの一方を裏返しにして、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの各上面をパターン形成済みPCB4の両側に密着させる必要はない。
【0076】
さらに、フォトイメージャブル・レジスト層は、連続的な層の形をしていてもよく、図7に示されるように、フォトイメージャブル・レジスト層が、必ずしも複数の分離するフォトイメージャブル・レジスト部分2bを含む必要はない。
【0077】
さらに、本発明のソルダ・マスクを形成するためのプロセスの第2の実施の形態では、例えば、1対の装置1002が組み合わされて使用されてもよい。一方の装置1002では、キャリア・フィルム1Aが使用され、他方の装置1002では、キャリア・フィルム2Aが使用される。キャリア・フィルム1Aおよびキャリア・フィルム2Aは、同じでも異なっていてもよい。
【0078】
第2の実施の形態とまったく同じように、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分1bは、図10に示されるように、2つの装置1002のそれぞれにおいて形成され、次いで、パターン形成済みPCB4の上に同時にまたは連続的に移送され、その結果、フォトイメージャブル・レジスト層部分2bの各上面がパターン形成済みPCB4の両側に密着した状態になり、それによって、パターン形成済みPCB4は、図9に示されるように、実施例2と同じようにフォトイメージャブル・レジスト層部分2bの間にサンドイッチ状に挟まれる。その後、第2の実施の形態と同じ手順が実行され、それによって、同じまたは異なるソルダ・マスクが、PCB4の両側のそれぞれに形成されることもできる。
【0079】
比較例
冷凍状態で保存される、図11に示されるような多層構造を有する市販のドライ・フィルム・ソルダ・マスク(PFR−800 AUS402、30μm厚、TAIYO AMERICA,INC.製)(以下、ドライ・フィルムと称される)は、室温で放置することによって解凍される。
【0080】
ドライ・フィルムの温度が室温に到達したとき、保護層30は、レジスト層20から剥がされる。次いで、このドライ・フィルムは、図12に示されるように、カッターAによって所定のサイズに切り離される。次いで、この切り離された部分は、図12に示されるようにレジスト層20の上面がパターン形成済みPCB4の表面と接触するように、パターン形成済みPCB4の上に重ね合わされる。次いで、レジスト層20の端部2cは、図13に示されるように、タック・バーBによってPCB4に仮留めされる。上述の手順を繰り返すことによって、PCB4は、2つのレジスト層20の間にサンドイッチ状に挟まれる。
【0081】
レジスト層20は、真空ラミネータ(VACUUMEX、Morton Co.Ltd.製)(図示せず)によって70℃で60秒間かけてPCB4上に積層される。
【0082】
次いで、積層されたレジスト層20は、市販の露光ユニット(ORC MODEL HMW680GW EXPOSURE UNIT)(図示せず)によって、キャリア・フィルム10を通して、形成されるべきソルダ・マスクに対応する光を像様に当てられ、420mJ/cm2の露光エネルギーが与えられる。
【0083】
次いで、キャリア・フィルム10は、像様露光済みレジスト層20から剥がされる。次いで、レジスト層20は、80℃で5分間熱処理にかけられ、次いでその温度が室温に到達するまで冷却される。
【0084】
次いで、露光済みレジスト層10は、その上に30℃で1重量パーセントの炭酸ナトリウム水溶液を2MPaの噴射圧力で120秒間吹き付けることによって現像され、次いで、25℃の水を使用してその上に水を0.1MPaの噴射圧力で45秒間吹き付けることによって洗浄される。したがって、PCB4上に形成された現像済みレジスト層20は、150℃で60分間かけて硬化され、それによって、PCB4の両側にそれぞれソルダ・マスクが形成される。
【0085】
このようにして両側にソルダ・マスクが形成されて製作されたPCB4では、ブラインド・ビアホールおよびスルーホールが完全に充填され、100%のテンティングが達成される。
【0086】
さらに、ソルダ・マスクの平坦度は±5μm以下であり、高解像度かつ高精度の露光を実現するために非接触型露光ユニットおよび写真乾板が使用されたときでさえ、「ホワイト・ヘーズ」の問題はない。
【0087】
上述の実施の形態では、基板は、硬質基板でもフレキシブル基板でもよい。このような基板は、硬質プリント回路板、フレキシブル・プリント回路板、あるいは以下の実施例3で製作されうる電子回路板が設けられた誘電体内層でもよい。
【実施例3】
【0088】
実施例1とほぼ同じように、キャリア・フィルム1Aは、実施例1で使用されたものと同じ市販のキャリア・フィルム・ロール(LUMIRROR T−60、東レ株式会社製、フィルム厚38μmの2軸配向ポリエステル・フィルム)からキャリア・フィルム1Aが解放され、コーティング・チャンバ101内の水平多孔質真空テーブル101aの上に移送される。
【0089】
誘電体材料インク層を形成するためには、市販の誘電体材料(HBI−200BC/TA−20BC、2成分熱硬化型インク、TAIYO AMERICA,INC.製)が、キャリア・フィルム1Aに実施例1と同じようにステンシル印刷によって塗布される。
【0090】
このようにして形成された誘電体材料インク層は、実施例1と同じように80℃で30分間かけて乾燥され、それによって誘電体材料層部分が形成される。その後、実施例1と同じ手順に従って、誘電体材料層部分は、真空ラミネータ(VACUUMEX、Morton Co.Ltd.製)(図示せず)によって、70℃で60秒間かけてPCB4の両側に積層される。
【0091】
次いで、誘電体材料層部分は、150℃で60分間の加熱で硬化されて、硬化誘電体材料層が形成される。次いで、キャリア・フィルムは、硬化誘電体材料層から除去される。次いで、硬化誘電体材料層は、レーザ・ドリリングが行われて、穴あけされた電気回路パターンを有するレーザ穴あけされた硬化誘電体材料層が形成される。次いで、レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層は、デスミア・エッチングが施される。レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層は、銅めっきされ、それによって電気回路パターンが設けられた誘電体内層が形成される。
【0092】
上述のめっきについては、銅の代わりに他の従来の導電性金属および他の導電性材料が使用されてもよい。
【0093】
上述の教示に照らして本発明の多くの変更形態および変形形態が可能であることは明らかである。したがって、特許請求の範囲内で、本発明が本明細書で具体的に記述された以外の方法でも実施されうることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるソルダ・マスクを形成するためのプロセスを実施するための装置の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に使用されるステンシル印刷ユニットの概略透視図である。
【図3a】図2に示されたステンシル印刷ユニットの、本発明の第1の実施の形態に使用されるステンシル印刷プロセスの一実施例の説明としての概略断面図である。
【図3b】図2に示されたステンシル印刷ユニットの、本発明の第1の実施の形態に使用されるステンシル印刷プロセスの一実施例の説明としての概略断面図である。
【図3c】図2に示されたステンシル印刷ユニットの、本発明の第1の実施の形態に使用されるステンシル印刷プロセスの一実施例の説明としての概略断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における、キャリア・フィルム上に形成されたフォトイメージャブル・インク層部分の概略斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の一実施例の概略断面図である。
【図6】パターン形成済みPCBを間に置くように2つに折り曲げられた、図5に示されたフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の概略断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるソルダ・マスクを形成するためのプロセスを実施するための装置の概略図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の概略断面図である。
【図9】パターン形成済みPCBが間に置かれた、図8に示された1対のフォトイメージャブル・レジスト層をのせたフィルム部分の概略断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における、フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の一実施例の概略断面図である。
【図11】従来のドライ・フィルムの概略断面図である。
【図12】図11に示された従来のドライ・フィルムの、PCB上にそれを積層する過程での概略断面図である。
【図13】一方の端部がタック・バーによってPCBに仮留めされた、図11に示された従来のドライ・フィルムのレジスト層の概略断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソルダ・マスクを形成するためのプロセスであって、
キャリア・フィルムにフォトイメージャブル・インクを塗布して、前記キャリア・フィルム上にフォトイメージャブル・インク層を形成することと、
前記フォトイメージャブル・インク層を乾燥させて、フォトイメージャブル・レジスト層を形成し、それによって少なくとも1つのフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを形成することと、
前記フォトイメージャブル・レジスト層の上面を基板と接触させるように、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板の少なくとも片側に積層することと、
前記フォトイメージャブル・レジスト層に前記キャリア・フィルムを通して光を当てて、露光済みレジスト層を形成することと、
前記露光済みレジスト層から前記キャリア・フィルムを除去することと、
前記露光済みレジスト層を現像して、現像済みレジスト層を形成することと、および、
前記現像済みレジスト層を硬化させて、前記基板上にソルダ・マスクを形成することと、を備えるプロセス。
【請求項2】
前記フォトイメージャブル・レジスト層が、連続的な層の形をしている、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項3】
前記フォトイメージャブル・レジスト層が、複数の分離するフォトイメージャブル・レジスト層部分を有する、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項4】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムが、複数のフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分を有し、前記フォトイメージャブル・レジスト層が、複数の分離するフォトイメージャブル・レジスト層部分を有し、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分がそれぞれ、その上に少なくとも1つの前記フォトイメージャブル・レジスト層部分を有する、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項5】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板の少なくとも片側に積層するステップの前に、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分のそれぞれが、その上に前記分離するフォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つを有するように、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを、複数の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分に切断することをさらに備える、請求項4に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項6】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを基板の少なくとも片側に積層するステップにおいて、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分が、前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つの上面を前記基板と接触させるように、前記基板の少なくとも片側に積層される、請求項4に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項7】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、前記基板が、少なくとも1対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の前記フォトイメージャブル・レジスト層部分の間にサンドイッチ状に挟まれるように、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムの先端部分を2つに折り曲げることをさらに備える、請求項4に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項8】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、前記基板に、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムの前記折り曲げられた先端部分における前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つの部分を仮留めすることをさらに備える、請求項7に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項9】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、少なくとも1対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の前記フォトイメージャブル・レジスト層部分の間に前記基板がサンドイッチ状に挟まれ、かつ前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つの部分が前記基板に仮留めされている間に、前記折り曲げられた先端部分を切断することをさらに備える、請求項8に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項10】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有する部分に付いている前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つを、前記基板の少なくとも片側と接触させるように、1対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有する部分の間に前記基板を置くことをさらに備える、請求項4に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項11】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、前記対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有する部分の間に前記基板が置かれている間に、前記基板に前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つの部分を仮留めすることをさらに備える、請求項10に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項12】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、少なくとも1対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の前記フォトイメージャブル・レジスト層部分の間に前記基板がサンドイッチ状に挟まれ、かつ前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つの部分が前記基板に仮留めされている間に、前記対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有する部分を切り離すことをさらに備える、請求項11に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項13】
前記基板が硬質基板である、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項14】
前記硬質基板が、その上に前記ソルダ・マスクが形成される前には硬質プリント回路板である、請求項13に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項15】
前記基板がフレキシブル基板である、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項16】
前記フレキシブル基板が、その上に前記ソルダ・マスクが形成される前にはフレキシブル・プリント回路板である、請求項15に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項17】
前記基板が、電気回路パターンが設けられた誘電体内層である、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項18】
ソルダ・マスクを形成するための装置であって、
キャリア・フィルムにフォトイメージャブル・インクを塗布して、前記キャリア・フィルム上にフォトイメージャブル・インク層を形成する手段と、
前記フォトイメージャブル・インク層を乾燥させて、フォトイメージャブル・レジスト層を形成し、それによって少なくとも1つのフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを形成する手段と、
前記フォトイメージャブル・レジスト層の上面を基板と接触させるように、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板の少なくとも片側に積層する手段と、
前記フォトイメージャブル・レジスト層に前記キャリア・フィルムを通して光を当てて、露光済みレジスト層を形成する手段と、
前記露光済みレジスト層から前記キャリア・フィルムを除去する手段と、
前記露光済みレジスト層を現像して、現像済みレジスト層を形成する手段と、
前記現像済みレジスト層を硬化させて、前記基板上にソルダ・マスクを形成する手段とを備える装置。
【請求項19】
電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成するためのプロセスであって、
キャリア・フィルムに誘電体材料のインクを塗布して、前記キャリア・フィルム上に誘電体材料インク層を形成することと、
前記誘電体材料インク層を乾燥させて、誘電体材料層を形成し、それによって少なくとも1つの誘電体層を有するフィルムを形成することと、
前記誘電体材料層の上面を基板と接触させるように、前記誘電体材料層を有するフィルムを前記基板の少なくとも片側に積層することと、
前記誘電体材料層を熱硬化させて、硬化誘電体材料層を形成することと、
前記硬化誘電体材料層から前記キャリア・フィルムを除去することと、
前記硬化誘電体材料層にレーザ・ドリリングを行って、穴あけされた電気回路パターンを有するレーザ穴あけされた硬化誘電体材料層を形成することと、
前記レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層にデスミア・エッチングを施すことと、および、
前記レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層を導電性材料でめっきし、それによって電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成することと、を備えるプロセス。
【請求項20】
前記導電性材料が銅である、請求項1に記載の電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成するためのプロセス。
【請求項21】
ソルダ・マスクを形成するための装置であって、
キャリア・フィルム上にフォトイメージャブル・インク層を形成するために、フォトイメージャブル・インクがそれを使用して前記キャリア・フィルムに塗布される塗布装置と、
前記フォトイメージャブル・インク層を乾燥させて、フォトイメージャブル・レジスト層を形成し、それによって少なくとも1つのフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを形成するように構成された乾燥装置と、
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムが、前記フォトイメージャブル・レジスト層の上面を基板と接触させるように、それを使用して前記基板の少なくとも片側に積層される積層装置と、
前記フォトイメージャブル・レジスト層に前記キャリア・フィルムを通して光を当てて、露光済みレジスト層を形成するように構成された露光ユニットと、
前記キャリア・フィルムが、それを使用して前記露光済みレジスト層から除去されるリムーバと、
前記露光済みレジスト層を現像して、現像済みレジスト層を形成するように構成された現像ユニットと、
前記現像済みレジスト層を硬化させて、前記基板上にソルダ・マスクを形成するように構成された硬化ユニットと、
を備える装置。
【請求項1】
ソルダ・マスクを形成するためのプロセスであって、
キャリア・フィルムにフォトイメージャブル・インクを塗布して、前記キャリア・フィルム上にフォトイメージャブル・インク層を形成することと、
前記フォトイメージャブル・インク層を乾燥させて、フォトイメージャブル・レジスト層を形成し、それによって少なくとも1つのフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを形成することと、
前記フォトイメージャブル・レジスト層の上面を基板と接触させるように、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板の少なくとも片側に積層することと、
前記フォトイメージャブル・レジスト層に前記キャリア・フィルムを通して光を当てて、露光済みレジスト層を形成することと、
前記露光済みレジスト層から前記キャリア・フィルムを除去することと、
前記露光済みレジスト層を現像して、現像済みレジスト層を形成することと、および、
前記現像済みレジスト層を硬化させて、前記基板上にソルダ・マスクを形成することと、を備えるプロセス。
【請求項2】
前記フォトイメージャブル・レジスト層が、連続的な層の形をしている、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項3】
前記フォトイメージャブル・レジスト層が、複数の分離するフォトイメージャブル・レジスト層部分を有する、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項4】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムが、複数のフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分を有し、前記フォトイメージャブル・レジスト層が、複数の分離するフォトイメージャブル・レジスト層部分を有し、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分がそれぞれ、その上に少なくとも1つの前記フォトイメージャブル・レジスト層部分を有する、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項5】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板の少なくとも片側に積層するステップの前に、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分のそれぞれが、その上に前記分離するフォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つを有するように、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを、複数の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分に切断することをさらに備える、請求項4に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項6】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを基板の少なくとも片側に積層するステップにおいて、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分が、前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つの上面を前記基板と接触させるように、前記基板の少なくとも片側に積層される、請求項4に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項7】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、前記基板が、少なくとも1対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の前記フォトイメージャブル・レジスト層部分の間にサンドイッチ状に挟まれるように、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムの先端部分を2つに折り曲げることをさらに備える、請求項4に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項8】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、前記基板に、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムの前記折り曲げられた先端部分における前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つの部分を仮留めすることをさらに備える、請求項7に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項9】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、少なくとも1対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の前記フォトイメージャブル・レジスト層部分の間に前記基板がサンドイッチ状に挟まれ、かつ前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つの部分が前記基板に仮留めされている間に、前記折り曲げられた先端部分を切断することをさらに備える、請求項8に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項10】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有する部分に付いている前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つを、前記基板の少なくとも片側と接触させるように、1対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有する部分の間に前記基板を置くことをさらに備える、請求項4に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項11】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、前記対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有する部分の間に前記基板が置かれている間に、前記基板に前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つの部分を仮留めすることをさらに備える、請求項10に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項12】
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板上に積層するステップの前に、少なくとも1対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルム部分の前記フォトイメージャブル・レジスト層部分の間に前記基板がサンドイッチ状に挟まれ、かつ前記フォトイメージャブル・レジスト層部分のうちの少なくとも1つの部分が前記基板に仮留めされている間に、前記対の前記フォトイメージャブル・レジスト層を有する部分を切り離すことをさらに備える、請求項11に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項13】
前記基板が硬質基板である、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項14】
前記硬質基板が、その上に前記ソルダ・マスクが形成される前には硬質プリント回路板である、請求項13に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項15】
前記基板がフレキシブル基板である、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項16】
前記フレキシブル基板が、その上に前記ソルダ・マスクが形成される前にはフレキシブル・プリント回路板である、請求項15に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項17】
前記基板が、電気回路パターンが設けられた誘電体内層である、請求項1に記載のソルダ・マスクを形成するためのプロセス。
【請求項18】
ソルダ・マスクを形成するための装置であって、
キャリア・フィルムにフォトイメージャブル・インクを塗布して、前記キャリア・フィルム上にフォトイメージャブル・インク層を形成する手段と、
前記フォトイメージャブル・インク層を乾燥させて、フォトイメージャブル・レジスト層を形成し、それによって少なくとも1つのフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを形成する手段と、
前記フォトイメージャブル・レジスト層の上面を基板と接触させるように、前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを前記基板の少なくとも片側に積層する手段と、
前記フォトイメージャブル・レジスト層に前記キャリア・フィルムを通して光を当てて、露光済みレジスト層を形成する手段と、
前記露光済みレジスト層から前記キャリア・フィルムを除去する手段と、
前記露光済みレジスト層を現像して、現像済みレジスト層を形成する手段と、
前記現像済みレジスト層を硬化させて、前記基板上にソルダ・マスクを形成する手段とを備える装置。
【請求項19】
電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成するためのプロセスであって、
キャリア・フィルムに誘電体材料のインクを塗布して、前記キャリア・フィルム上に誘電体材料インク層を形成することと、
前記誘電体材料インク層を乾燥させて、誘電体材料層を形成し、それによって少なくとも1つの誘電体層を有するフィルムを形成することと、
前記誘電体材料層の上面を基板と接触させるように、前記誘電体材料層を有するフィルムを前記基板の少なくとも片側に積層することと、
前記誘電体材料層を熱硬化させて、硬化誘電体材料層を形成することと、
前記硬化誘電体材料層から前記キャリア・フィルムを除去することと、
前記硬化誘電体材料層にレーザ・ドリリングを行って、穴あけされた電気回路パターンを有するレーザ穴あけされた硬化誘電体材料層を形成することと、
前記レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層にデスミア・エッチングを施すことと、および、
前記レーザ穴あけされた硬化誘電体材料層を導電性材料でめっきし、それによって電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成することと、を備えるプロセス。
【請求項20】
前記導電性材料が銅である、請求項1に記載の電気回路パターンが設けられた誘電体内層を形成するためのプロセス。
【請求項21】
ソルダ・マスクを形成するための装置であって、
キャリア・フィルム上にフォトイメージャブル・インク層を形成するために、フォトイメージャブル・インクがそれを使用して前記キャリア・フィルムに塗布される塗布装置と、
前記フォトイメージャブル・インク層を乾燥させて、フォトイメージャブル・レジスト層を形成し、それによって少なくとも1つのフォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムを形成するように構成された乾燥装置と、
前記フォトイメージャブル・レジスト層を有するフィルムが、前記フォトイメージャブル・レジスト層の上面を基板と接触させるように、それを使用して前記基板の少なくとも片側に積層される積層装置と、
前記フォトイメージャブル・レジスト層に前記キャリア・フィルムを通して光を当てて、露光済みレジスト層を形成するように構成された露光ユニットと、
前記キャリア・フィルムが、それを使用して前記露光済みレジスト層から除去されるリムーバと、
前記露光済みレジスト層を現像して、現像済みレジスト層を形成するように構成された現像ユニットと、
前記現像済みレジスト層を硬化させて、前記基板上にソルダ・マスクを形成するように構成された硬化ユニットと、
を備える装置。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−531266(P2007−531266A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504927(P2007−504927)
【出願日】平成16年3月23日(2004.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/006090
【国際公開番号】WO2005/104222
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(506322938)タイヨウ、アメリカ、インコーポレーテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】TAIYO AMERICA, INC.
【出願人】(506322949)リキッド、イメージ、システムズ、インコーポレーテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】LIQUID IMAGE SYSTEMS, INC.
【出願人】(591021305)太陽インキ製造株式会社 (327)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月23日(2004.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/006090
【国際公開番号】WO2005/104222
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(506322938)タイヨウ、アメリカ、インコーポレーテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】TAIYO AMERICA, INC.
【出願人】(506322949)リキッド、イメージ、システムズ、インコーポレーテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】LIQUID IMAGE SYSTEMS, INC.
【出願人】(591021305)太陽インキ製造株式会社 (327)
【Fターム(参考)】
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