説明

ソレノイド・アクチュエータ

磁性粒子を受容する容器と、コア構成要素およびコア構成要素の少なくとも一部分の周りを巻回した電線コイルを含むソレノイド・アクチュエータとを用いる、流体アッセイ・システム、および流体アッセイ・システム内の磁性粒子を固定化する方法が提供される。ソレノイド・アクチュエータは、電線コイルを介する電流通電がコア構成要素を容器の方に移動させるように構成される。場合によっては、コア構成要素には、容器内に配置された1つまたは複数の磁性粒子を固定化する磁石が含まれる。ソレノイド・アクチュエータの実施形態には、コア構成要素を保持するテレスコープ形本体とテレスコープ形本体の少なくとも一部分の周りを巻回した電線コイルとが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的にソレノイド・アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の説明および例は、この‘背景技術’セクションに含まれることの故に従来技術であると認められるものではない。
【0003】
流体アッセイが、限定はされないが、生物学的スクリーニングおよび環境アセスメントを含む多種多様な目的のために使用される。しばしば、粒子が流体アッセイで使用され、試料内の対象検体を検出する助けとなる。特に、粒子は試料内の対象検体と反応するように構成された試薬を運搬する基質を供給し、その結果、検体が検出され得る。多くの場合に、磁性物質が粒子に組み込まれ、その結果、流体アッセイの調整および/または解析中に、粒子は磁界によって固定化できる。特に、実施形態によっては、粒子はアッセイ調整処理中に固定化することができ、その結果、差し迫ったアッセイに余分な過剰試薬および/または反応副産物をそこから除去することができる。加えてまたは代替として、場合によっては、粒子は流体アッセイの解析中に固定化でき、その結果、アッセイの対象検体に関するデータは固定目的から収集する(たとえば、イメージをとる)ことができる。
【0004】
いかなる場合でも、固定化は、アッセイを調整および/または解析するのに使用する時間の一部分の期間のみ一般的に実行することができ、その結果、粒子はアッセイ内に浮遊させてもよく、および/またはアッセイと共に流されてもよい。更に、固定化は、処理の仕様に応じて、流体アッセイの調整および/または解析中に一回または複数回実行することができる。このような理由から、磁性粒子を含む容器の近傍に磁気アクチュエータを断続的に導入および収縮させることが一般的に必要である。しかし、場合によっては、磁気作動装置を流体アッセイ・システム内に含有することは、システムの設計を複雑にする場合があり、特にアッセイ/試料/試薬プレートおよび/または容器をシステム内に導入する能力の妨げになる。
【発明の概要】
【0005】
そのため、流体アッセイ・システムの容器の近傍に磁気アクチュエータを断続的に導入および収縮するように構成し、システムの他の構成部品の邪魔にならないように更に構成した小型の装置を開発することは有利になるであろう。
【0006】
流体アッセイ・システム、ソレノイド・アクチュエータ、および流体アッセイ・システム内の磁性粒子を固定化する方法の様々な実施形態についての以下の説明は、添付の特許請求の範囲の対象を限定すると解釈されるものでは決してない。
【0007】
流体アッセイ・システムの実施形態には、容器と、コア構成要素およびテレスコープ形本体の少なくとも一部分の周りを巻回した電線コイルを保持するテレスコープ形本体を含むソレノイド・アクチュエータとが含まれる。ソレノイド・アクチュエータは、電線コイルを介して電流通電すると同時に、コア構成要素が容器の方に移動するように構成される。
【0008】
流体アッセイ・システムの別の実施形態には、容器と、永久磁石およびコアの少なくとも一部分の周りを巻回した電線コイルを備えたコアを含むソレノイド・アクチュエータとが含まれる。ソレノイド・アクチュエータは、コアが容器に対して収縮するとき、ソレノイド・アクチュエータが電線コイルの土台面からコアの対向する端部までおよそ15mm未満の厚さを含み、ソレノイド・アクチュエータが容器から少なくともおよそ10mmだけ間隔を置いて離れるように構成される。更に、ソレノイド・アクチュエータは、コアが容器の方に完全に伸長されるとき、永久磁石が容器に十分近い近傍にあり、中に配置された1つまたは複数の磁性粒子を固定化するように構成される。
【0009】
ソレノイド・アクチュエータの実施形態には、コア構成要素とテレスコープ形本体の少なくとも一部分の周りを巻回した電線コイルとを保持するテレスコープ形本体が含まれる。
【0010】
流体アッセイ・システム内の磁性粒子を固定化する方法の実施形態には、複数の磁性粒子を流体アッセイ・システムの容器に導入するステップと、容器と間隔を置いて隣り合ったソレノイド・アクチュエータの電線コイルを介して第1の電流を通電するステップとが含まれる。第1の電流の通電は、ソレノイドのコアを含む永久磁石を電線コイルから容器に十分近傍に押し戻すのに十分な電磁界を生成するものであり、その結果、永久磁石が複数の磁性粒子を固定化する。
【0011】
本発明の他の目的および利点は、以下の詳細説明を読み、添付図面を参照すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】ソレノイド・アクチュエータの磁性作動コアが収縮した流体アッセイ・システムの部分断面図である。
【図1B】磁性作動コアが伸長したときの図1Aに示した流体アッセイ・システムの部分断面図である。
【図2A】磁性作動コアが収縮したときの図1Aに示したソレノイド・アクチュエータの斜視図である。
【図2B】磁性作動コアが伸長したときの図2Aに示したソレノイド・アクチュエータの斜視図である。
【図3】磁性作動コア内に配置された異なった構成の磁石を有する図1Bに示した流体アッセイ・システムの部分断面図である。
【図4】磁性作動コア内に配置された更に別の異なった構成の磁石を有する図1Bに示した流体アッセイ・システムの部分断面図である。
【図5】図1Bに示した流体アッセイ・システムに対して異なった構成のソレノイド・アクチュエータを有する流体アッセイ・システムの部分断面図である。
【図6】流体アッセイ・システム内の磁性粒子を固定化する例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は様々な変更および代替形態が許されるが、そのうちの特定の実施形態が図面に例として示され、本明細書に詳細に説明される。しかし、図面およびそれに対する詳細説明は、本発明を特定の開示された形態に限定することを意図しておらず、むしろ、添付した特許請求の範囲によって規定されるように本発明の精神および範囲内に収まる全ての変更、同等、および代替を包含する。
【0014】
図面に目を移すと、ソレノイド・アクチュエータの例示的実施形態、そのようなソレノイド・アクチュエータを含む流体アッセイ・システム、およびそのようなシステムを用いる方法が示されている。特に、図1Aは、ソレノイド・アクチュエータ12の磁性作動コア14が容器16に対し収縮している流体アッセイ・システム10の部分断面図であり、図1Bは、ソレノイド・アクチュエータ12の磁性作動コア14が容器16に対し伸長している流体アッセイ・システム10の部分断面図である。更に、図2Aは、磁性作動コア14が収縮しているときのソレノイド・アクチュエータ12の例示的斜視図であり、図2Bは、磁性作動コア14が伸長しているときのソレノイド・アクチュエータ12の例示的斜視図である。図3から5は、特に異なった構成の磁性作動コア14に関する流体アッセイ・システム10の代替実施形態を示す。図6は、本明細書で説明するソレノイド・アクチュエータを使用している流体アッセイ・システム内の磁性粒子を固定化する例示的方法のフローチャートを図示する。図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。特に、一部図面の一部要素の縮尺は、要素の特徴を強調するために大きく誇張されている場合がある。加えて、全図面が同じ縮尺で描かれていないことにも更に留意されたい。本明細書で使用されている用語「ソレノイド・アクチュエータ」は、金属心の周りを巻回した電線コイルを含む装置を一般的に指す。用語「電磁的」は、磁化されていること、または磁化されるもしくは磁石によって引き付けられる能力を指す。用語「磁石」は、自然または誘導いずれかによる磁界に取り囲まれ、別の磁性物質を引き付けるまたは反発する性質を有する物体を指す。用語「永久磁石」は、磁化力を除去した後にその磁性を維持する磁石を指す。
【0015】
流体アッセイ・システム10は、流体アッセイを処理する(すなわち、調整および/または解析する)ように構成されたシステムを一般的に含む。流体アッセイには、1つまたは複数の対象検体の有無の判定を必要とする、任意の生物学的、化学的、または環境流体が含まれてよい。本明細書で説明する方法を促進するために、流体アッセイは磁性粒子を含むように処理され、そのため、流体アッセイ・システムの容器は複数の磁性粒子を受け入れるように構成してよい。図1Aおよび1Bに示すように、流体アッセイ・システム10の容器16には磁性粒子18が含まれる。磁性粒子18は容器16の流体内に一般的に含まれてよく、したがって、磁性作動コア14が図1Aに示されるように収縮したとき、容器16内に浮遊していてもよい。逆に、磁性粒子18は、磁性作動コア14が図1Bに示されるように容器16の近傍に伸長するとき、容器16の底に集まり固定化される場合がある。用語「粒子」は、マイクロスフェア、ポリスチレンビーズ、量子ドット、ナノドット、ナノ粒子、ナノシェル、ビーズ、マイクロビーズ、ラテックス粒子、ラテックスビーズ、蛍光ビーズ、蛍光粒子、着色粒子、着色ビーズ、組織、細胞、微生物、有機物、非有機物、またはその他業界で知られている任意の個別基質または物質を一般的に指すために本明細書で使用される。そのような用語はいずれも本明細書では交換可能に使用してよい。本明細書で説明する方法およびシステムのために使用される場合がある例示的磁性マイクロスフィアには、テキサス州オースティンのLuminex Corporationから市販で入手可能であるxMAP(商標登録)マイクロスフィアが含まれる。
【0016】
図1Aおよび1Bに示されるように、ソレノイド・アクチュエータ12には、ソレノイド・アクチュエータの土台を含み、コアが収縮したときに磁性作動コア14の周りの間隔を置いた距離に巻回した、電線コイル15が含まれる。電線コイル15は電流の経路として役目を果たし、その結果、磁界が磁性作動コア14に配置された永久磁石のベクトル場と一直線に生成される。生成された磁界は次に力を提供し、それによって磁性作動コア14を運動させる(すなわち、伸長させるまたは収縮させる)。より詳細には、電流が電線コイル15に通電され、その結果生じる磁界ベクトルが磁性作動コア14に配置された永久磁石の磁界ベクトルと逆方向に(すなわち、逆平行に)一直線になるとき、コアは容器16の方に、詳細には磁性粒子18を固定化するのに十分なだけ容器16の近傍に移動する。逆に、電流が電線コイル15に通電され、その結果生じる磁界ベクトルが磁性作動コア14に配置された永久磁石の磁界ベクトルと同じ方向に(すなわち、平行に)一直線になるとき、コアは移動して容器16から離れる(または収縮位置に留まる)。図1Aおよび1Bに示すように、電線コイル15は、上部(すなわち、容器16に最も近いソレノイド・アクチュエータ12の領域)より、底部(すなわち、容器16から最も遠いソレノイド・アクチュエータ12の領域)で、電線密度が大きくなるように巻回してよい。言い換えれば、電線コイル15は、磁性作動コア14の外向き運動の方向に対して電線密度を減らすように巻回してよい。これは、磁性作動コア14を容器16の方に伸長するとき、電線コイル15を介する電流によって生成された力ベクトルを上向きにさせる。この非対称性がなければ、力ベクトルに信頼できる方向はなくなる。
【0017】
ソレノイド・アクチュエータ12の構成および使用が上記通りであれば、磁性作動コア14は流体アッセイ・システム10内の二重目的の役目を果たす。特に、磁性作動コア14はソレノイド・アクチュエータ12を操作する力ベクトルを提供し、流体アッセイを処理するために磁性粒子18を固定化するように更に機能する。これは、磁性棒を用いる従来型ソレノイド・アクチュエータと著しい違いであると考えられる。特に、従来型ソレノイド・アクチュエータの磁性棒は、力ベクトルを提供し、ソレノイド・アクチュエータを操作する助けをすることはできるが、ソレノイドの土台から延長する機能は一般的に本来は機械的である。特に、磁性棒を用いる従来型ソレノイド・アクチュエータは、磁性棒の延長を一般的に用いて機械的スイッチとして作動する。
【0018】
上記のように、従来型磁気作動装置を流体アッセイ・システム内に含有することは、実施形態によっては、特にそのかさばる性質と、磁性粒子を含む処理容器の近傍にある必要から、アッセイ/試料/試薬プレートおよび/または容器をシステムに導入する能力の妨げになる。しかし、本明細書に記載のソレノイド・アクチュエータは、そのような問題を回避するように設計することができる。特に、本明細書に記載のソレノイド・アクチュエータは、粒子の固定化が必要でないとき、磁性作動コア14の少なくとも大部分を電線コイル15内に収縮するように構成することができる。本書に記載のソレノイド・アクチュエータは必ずしもそのように限定されていないが、そのような収縮を促進する1つの方法には、図1Aから5に示されるように磁性作動コア14を保持するテレスコープ形本体が含まれる。そのような設計構成で、電線コイル15を介して電流通電することから生成される磁界はテレスコープ形本体と共に磁性作動コア14を内側に向けておよび外側に向けて運動させることができる。このようにして、磁性作動コア14が収縮するとき、比較的大きい隙間をソレノイド・アクチュエータ12と容器16の間に維持することができ、その結果、アッセイ/試料/試薬プレートは妨害されずにシステム内に引き込み、またはシステムから引き出すことができる。下記のように、磁性作動コア14が収縮したときのそのような隙間のための例示的距離は、およそ10mmとおよそ20mmの間であってよいが、それより長いまたは短い距離が考慮されてもよい。
【0019】
実施形態によっては、ソレノイド・アクチュエータ12のテレスコープ形本体は、図1Aで寸法Y、および図1Bで寸法2Yとして表示されているように、磁性作動コア14を磁性作動コア14の長さの2倍より長い距離だけ伸長するように構成してよい。言い換えれば、ソレノイド・アクチュエータ12は、磁性作動コア14が電線コイル15内に収縮するとき、磁性作動コア14が少なくともその長さの2倍の距離だけ容器16から間隔を置いて離れるように、容器16に対して位置されてよい。いずれの場合でも、テレスコープ形本体は、図1Aおよび2Aに示されるように、その筒状セクションが隣接するソレノイド・アクチュエータ12の外表面からわずかに突出するようにその筒状セクションを入れ子にするように構成されてよい。しかし、他の実施形態では、テレスコープ形本体は、その筒状セクションが、ソレノイド・アクチュエータ12の隣接する外表面に対して同一平面上にある、またはわずかに奥まって位置するように、その筒状セクションを入れ子にするように構成されてよい。いずれの場合でも、下記の通り、場合によっては、磁性作動コア14が収縮したときのソレノイド・アクチュエータ12の高さ(または幅)は、およそ15mm以下であり、したがって、縮小されたときのテレスコープ形本体の長さは、場合によっては、およそ15mm以下であってよい。
【0020】
一般的に、磁性作動コア14および電線コイル15は、磁性作動コア14が容器16の方に伸長するとき、磁性粒子18が固定化されるように構成されてよい。そのような構成は、流体アッセイ・システムの異なった用途および異なった設計仕様によって広く変化してよく、したがって、本明細書で論じられる一般化に制限されるべきではない。電線コイル15のための例示的仕様には、比較的薄い絶縁層を有する30アメリカ電線規格ゲージの電線が含まれ、その結果電線は狭い空間に適合するように巻回することができる。他のおよび異なった電線の特徴付けも考慮してよい。たとえば、ソレノイド・アクチュエータ12の有効性は、磁性作動コア14の周りの電線の巻回数が増加するに連れて、一般的に増加することができ、したがって、電線コイル15を構成する巻回数は特定の設計仕様によって変化してよい。
【0021】
上記のように、磁性作動コア14には永久磁石が含まれる。永久磁石の構成は、図1A、1B、3、および4について更に詳細に論じるように用途によって変化し得る。特に、場合によっては、永久磁石は、図1Aおよび1Bに示すように、磁性作動コア14の全体を構成してよい。しかし、他の実施形態では、永久磁石は、図3および4に示すような、磁性作動コア14の全体より少ない部分を構成してよい。そのような説明図では、永久磁石は参照番号14aで表示され、非磁性材料でできた磁性作動コア14の残りの部分は参照番号14bで表示されている。実施形態によっては、図3に示すように、磁性作動コア14の遠位端部に永久磁石を位置することは有利であり得る。特に、そのような構成は、磁性作動コアが容器16の方に伸長するとき、容器16内の磁性粒子18の固定化を促進する助けになり得る。しかし、他の実施形態では、永久磁石は磁性作動コア14の遠位端部から離れて配置されてもよい。
【0022】
いずれの場合にも、永久磁石は、実施形態によっては、図4に示すような、磁性作動コアの大部分を構成してよく、または図3に示すような、コアの大部分より少ない部分を構成してよい。更に、永久磁石は、図3に示すように、磁性作動コア14の全幅に広がってよく、または、図4に示すような、コアの全幅より狭く広がってもよい。上記し、図3および4に図示した永久磁石14aの異なった構成は、必ずしも互いに矛盾しないことに留意されたい。特に、上記した特徴の任意の組み合わせが本明細書に記載のソレノイド・アクチュエータ内の永久磁石を構成してよい。一般的に、磁性作動コア14内の永久磁石の寸法および配置構成は、永久磁石、電線コイル15、および磁性粒子18によって生成される磁界の強さと、ソレノイド・アクチュエータ12が磁性粒子を固定化するために磁性作動コア14を伸長するように構成される距離とに依存してよい。図1Bおよび3から5の描写に反して、磁性作動コア14(またはコアを包み込むスリーブ)は、磁性粒子18を固定化するために、必ずしも容器16と接触する必要はないことに留意されたい。そのような特異性は、磁性作動コアおよび粒子の磁界の強さに一般的に依存し得る。更に、磁性作動コア14の端部は、図1Bおよび3から5に示すように、包み込まれる必要はないことに留意されたい。言い換えれば、磁性作動コア14の永久磁石は、場合によってはコアの端部で露出してもよい。
【0023】
磁性材料の強さ(すなわち、グレードまたは引力の大きさ)は、材料の余剰磁束密度(一般的にガウスで測定される)および材料の保磁力(一般的にエルステッドで測定される)の産物である、最大エネルギー積(別名、BHMAX)に一般的に基づいている。磁性作動コア14に関して上記で論じた永久磁石が、電線コイル15が電流通電を介して生成できるよりも高いBHMAXを有することは、一般的に有利である。特に、そのような閾値によって、永久磁石の磁気ベクトル場の方向が電線コイル15によって生成される電磁界によって変えられないことを確実にすることができる。本明細書に記載のソレノイドの構成にとって、およそ10.0より大きい、および実施形態によっては、およそ15.0より大きいBHMAXを有する永久磁石が一般的に適切であり得る。場合によっては、少なくともおよそ40.0のBHMAXを有する永久磁石は、多種多様な電線コイルの1つが永久磁石の磁界を超えることに警戒をしないで用いることができるので、特に有利であり得る。磁石のグレードはそのBHMAXに直接当てはまり、したがって、そのような実施形態では、磁性作動コア14用に考慮される永久磁石は少なくともグレード40(N40)の磁石を有してよい。
【0024】
希土類材料(別名、ランタニド材料または内部遷移元素材料)は、10.0を超える最大エネルギー積の範囲を一般的に示し、したがって、磁性作動コア14内に配置される永久磁石に特に適することができる。用語「希土類材料」は、本明細書で使用されるように、周期表のランタニウムからルテチウムまでの15の希土類元素のいずれかを含む材料を指す。例示的材料には、焼成または貼り合わせたネオジム−鉄−ボロン(NdFeB)、焼成または貼り合わせたサマリウムコバルト(SmCo)、およびそれらの任意の窒化物または炭化物が含まれる。他の希土類材料も磁性材料として存在し、磁性作動コア14内に配置される永久磁石に使用できる。
【0025】
磁性作動コア14および電線コイル15によって占有されるサイズおよび空間は、それぞれ、磁性粒子18を固定化する構成に寄与することができ、したがって、用途によって広く変化することもできる。図1Aから4を参照して説明したソレノイド・アクチュエータの開発に使用される磁性作動コア14の例示的寸法には、およそ0.25インチ(およそ6.35mm)の直径とおよそ0.5インチ(およそ12.7mm)の高さ(寸法Yとして表示されている)が含まれる。図1Aから4を参照して説明したソレノイド・アクチュエータの開発に使用される電線コイル15の例示的寸法には、およそ17mmの内径と、およそ35mmの外形と、およそ14.7mmの高さが含まれる。しかし、より大きいまたはより小さい寸法が、磁性作動コア14および電線コイル15用に考慮されてもよい。たとえば、本明細書に記載のソレノイド・アクチュエータの開発中に電線コイル15によって生成された磁界は、電線コイル15の内径が磁性作動コア14の固定した幅寸法に対して減少するので、一般的により速くかつより強く作ることができることが発見された。そのため、電線コイル15が、場合によっては磁性作動コア14の幅寸法の3倍より小さい内径を有することが、有利であり得る。
【0026】
いずれにしても、磁性作動コア14が収縮したとき(図1Aに寸法Xと表示されている)のソレノイド・アクチュエータ12の高さ(または幅)は、異なった用途およびシステムによっても変化してよい。言い換えれば、磁性作動コア14が電線コイル15内で収縮する量、または電流が通電されていないときに、磁性作動コア14が電線コイルから突出する量は、異なった用途およびシステムによって変化してよい。場合によっては、ソレノイド・アクチュエータ12のサイズ、したがってシステム内でソレノイド・アクチュエータ12が占有する空間を最小化するために、そのような寸法を最小化することは有利であり得る。たとえば、図1に表示した寸法Xは、場合によってはおよそ15mm以下であり得る。図1Aおよび2Aに示すように、ソレノイド・アクチュエータ12の幅のこのような最小化は、磁性作動コア14の全長近くまで収縮するようにソレノイド・アクチュエータを構成することで成し遂げることができる。他の場合には、ソレノイド・アクチュエータ12は磁性作動コア14の全長を収縮するように構成してよく、あるいは電線コイル15に対して磁性作動コア14を奥まって位置するように構成してもよい。そのような場合のいずれにおいても、電線コイル15の土台と磁性作動コア14の対向する遠位端部の間の距離は比較的短い場合がある。結果として、ソレノイド・アクチュエータ12は従来型ソレノイド・アクチュエータと比べて比較的圧縮できる。しかし、他の実施形態では、ソレノイド・アクチュエータ12は電線コイル15に対してその程度まで磁石作動コア14を収縮するように構成されることはできず、したがって、本明細書に記載のソレノイド・アクチュエータの構成は、必ずしも図面の描写に限定されない。
【0027】
上記で論じた磁性作動コア14および電線コイル15の構成に加えて、ソレノイド・アクチュエータ12と容器16の間の距離は異なった用途およびシステムによっても変化し得る。本明細書に記載の流体アッセイ・システムの開発のために使用されるソレノイド・アクチュエータ12(具体的には電線コイル15)と容器16の間の例示的距離は、一般的に少なくともおよそ10mm、場合によっては、少なくともおよそ20mmであった。磁性作動コア14が完全に伸長しないときに、磁性粒子18が誤って固定化されないことを確実にするために、このような距離が使用された。特に、粒子固定化のタイミングが、生物学的、化学的、または環境試料をアッセイへと適正に加工する、および/またはアッセイの適正な解析を保証するために重要であり、したがって、そのような距離は、固定化が必要でないときに、容器16から十分な隙間を許容し得る。更に、少なくともおよそ10mm、場合によっては、少なくともおよそ20mmのスペースは、流体アッセイ・システム内に配置された容器の近傍にかさ高い磁気アクチュエータを有する流体アッセイ・システムと比べて、アッセイ/試料/試薬プレートおよび/または容器が、流体アッセイ・システム10により容易に導入されることを可能にする通路を開けることができる。それでもなお、ソレノイド・アクチュエータ12と容器16の間のおよそ10mmよりも短い距離が、本明細書に記載のシステムのために考慮されてもよい。
【0028】
図1Aから4に示すように、それらに関連して記載したソレノイド・アクチュエータは、場合によっては、大量の磁性粒子を固定化するために使用することができる。そのような大量の固定化は、生物学的、化学的、または環境試料を複数の磁性粒子を使用するアッセイへと加工するように構成される流体アッセイ・システムに特に適する場合もある。しかし、場合によっては、アッセイを解析するために磁性粒子を個別に固定化することが、本明細書に記載のソレノイド・アクチュエータを使用するのに有利であり得る。検査のために粒子を固定化する流体アッセイ・システムは、一般的に静止システムと呼ばれる。そのようなシステムには、流体アッセイ、およびことによると他の流体を粒子試験室へ輸送するための流体取扱いシステムがまだ含まれることはできるが(したがって、まだ流体アッセイ・システムと呼ばれる場合もある)、検査室は検査のために流体アッセイの粒子を固定化するように一般的に構成することができる。そのような構成を有する例示的静止画像光学解析システムは、参照によりその全体が本明細書に記載されるように組み込まれる、2007年6月4日出願のRothらによる「1つまたは複数の材料の測定を実施するためのシステムおよび方法」という名称の米国特許出願第11/757,841号に記載されている。米国特許出願第11/757,841号に示されるように、その明細書に記載の静止システムは配列内の磁性粒子を固定化するように構成される。そのような構成の観点から、実施形態によっては、配列内の磁性粒子の固定化に適応するように、磁性作動コア14および電線コイル15の寸法を構成することが有益であり得る。図5は、そのようなことを考慮して、流体アッセイ・システムの例示的実施形態を図示する。
【0029】
特に、図5は、容器26と、電線コイル25および容器26内の配列の磁性粒子28を固定化するソレノイド・アクチュエータ22から伸長する磁性作動コア24を有するソレノイド・アクチュエータ22とを含む、流体アッセイ・システム20を図示する。寸法的構成以外に、ソレノイド・アクチュエータ22、磁性作動コア24、および電線コイル25の特徴には、ソレノイド・アクチュエータ12、磁性作動コア14、および電線コイル15について上記した特徴と同じ特徴が一般的に含まれる。その特徴は簡潔さのために繰り返さないが、あたかもその全体を明示したように参照される。図5に示すように、磁性作動コア24の幅寸法は、より詳細には磁性作動コア24に配置された永久磁石は、容器26の幅寸法と類似または同一であってよい。このように、磁性粒子28は、容器26内で一塊にならないで固定化することができる。そのような場合、容器26は流体アッセイ・システム20の検査室として役目を果たす。構成によっては、容器26は磁性粒子28を配列内に位置するように構成することができ、ソレノイド・アクチュエータ22は磁性粒子を確保し、そのような配置から解放するのに使用できる。
【0030】
本明細書に記載の流体アッセイ・システムは、図1A、1B、および3から5の説明図に制限されないことに留意されたい。特に、流体アッセイ・システム10および20には、限定はされないが、バルブと、ポンプと、流体をシステム内に導入およびシステムから排出するための流体経路とのアセンブリのような、他の構成要素も含まれることができる。更に、流体アッセイ・システム10および20は、図1A、1B、および3から5に描写されるような方法で位置されるソレノイド・アクチュエータ12/22および容器16/26を有することに制限されないことに留意されたい。特に、ソレノイド・アクチュエータ12/22および容器16/26は、磁性作動コア14/24が水平または水平に近い方向に運動するように、代替として位置されてよい。更に他の実施形態で、容器16/26の近傍で運動するとき、磁性作動コア14/24が実質的に下向き方向に運動するように、ソレノイド・アクチュエータ12/22は容器16/26の上方に配置されてよい。磁性作動コア14/24が実質的に水平位置で(すなわち、容器16/26の上方または下方で)運動することを許容されるように、容器16/26に対してソレノイド・アクチュエータ12/22を配置することが、実施形態によっては有利であり得ることに留意されたい。特に、重力が、そのような場合に、磁性作動コア14/24を容器16に対して少なくとも1つの方向に運動させる(すなわち、伸長させるまたは収縮させる)助けとなってよい。
【0031】
上記のように、本明細書に記載のソレノイド・アクチュエータは、図1Aから5に図示されるように、テレスコープ形本体を有することに必ずしも限定されない。むしろ、ソレノイド・アクチュエータは、流体アッセイの容器の近傍の固定スリーブに沿って磁性作動棒を摺動に伸長および収縮するように代替として構成されてもよい。更に、本明細書に記載のテレスコープ形の構成は、本明細書に記載のソレノイド・アクチュエータに必ずしも限定されないことに留意されたい。特に、他のソレノイド・アクチュエータが、ソレノイド・アクチュエータに含まれるコア構成要素および/または任意の他の構成要素の構成に関わらず、コア構成要素を収縮および伸長するテレスコープ形本体を用いることから恩恵を受けることができることを意図している。特に、テレスコープ形本体は、磁気作動、電気作動、および/または機械作動に使用されるソレノイド・アクチュエータのいくつかの異なった構成で用いることができると考えられている。
【0032】
本明細書に記載のソレノイド・アクチュエータを使用する流体アッセイ・システム内の磁性粒子を固定化する例示的方法のフローチャートが、図6に表示されている。特に図6は、複数の磁性粒子が流体アッセイ・システムの容器内に導入されるブロック40を含むフローチャートを図示する。複数の磁性粒子は、図1Aおよび1Bを参照して説明した磁性粒子18の記述に類似する場合がある。そのような説明は簡潔さのために繰り返さない。磁性粒子の導入に加えて、この方法には、図6のブロック32に示されるように、1つまたは複数の試薬を容器内に導入するステップが更に含まれてよい。より詳細には、この方法には、磁性粒子が容器内に導入される前、間、または後に、1つまたは複数の試薬が容器に導入されるステップが含まれてよい。実施形態によっては、この1つまたは複数の試薬には、限定されないが、生物学的、化学的、または環境試料、1つまたは複数の抗体、1つまたは複数の化学標識、および緩衝剤などの、流体アッセイの調整に使用される試薬が含まれてよい。他の実施形態では、1つまたは複数の試薬には、予め調整された流体アッセイが含まれてよい。
【0033】
いずれの場合にも、この方法は、容器と間隔を置いて隣り合ったソレノイド・アクチュエータの電線コイルを介して電流が通電され、ソレノイドのコアを含む永久磁石を電線コイルから容器の十分近傍に押し戻すのに十分な電磁界を生成し、その結果、永久磁石が複数の磁性粒子を固定化する、ブロック34に継続してよい。電流通電は、異なった用途によって広く変化することができる。ソレノイド・アクチュエータの開発に使用される例示的電流通電および本明細書に記載の方法には、およそ1.25アンペアが含まれたが、より大きいおよびより小さい電流通電が考慮されてよい。ブロック34に参照された電流通電中に、この方法には、ブロック36に示されるように、複数の磁性粒子に付着しなかった1つまたは複数の試薬の残余を容器からフラッシングするステップが含まれてよい。特に、未反応の試薬はシステム容器から除去されてよい。それに続いて、電流通電はブロック38に示されるように中断されてよい。実施形態によっては、そのような電流の中断は、永久磁石を含むソレノイドのコア構成要素が移動して容器から離れ、重力によって複数の磁性粒子を解放するのに十分であり得る。しかし、他の実施形態では、この方法では、ブロック40に示されるように、電流コイルを介する電流を逆方向に通電することを必要とする場合があり、その結果、永久磁石を含むコア構成要素が移動して容器から離れ、複数の磁性粒子を解放する。
【0034】
いずれの場合でも、この方法は、実施形態によっては、複数の磁性粒子を解放した後に終了する場合がある。しかし、他の場合には、この方法は、図6のブロック38および40からブロック32に延長する破線によって示されるように、1つまたは複数の追加試薬を容器内に導入して、継続する場合がある。そのような手順は選択自由であり、したがって破線によって図6に表示されていることに留意されたい。それに続いて、この方法は、1つまたは複数の追加試薬に対して、磁性粒子を処理するために、ブロック34から38、または34から40に継続してよい。そのような処理は任意の回数だけ繰り返してよい。本明細書に記載の方法は、図6に表示されたフローチャートに必ずしも制限されないことに留意されたい。特に、本明細書に記載の方法には、流体アッセイを調整および/または処理する1つまたは複数の追加のステップが含まれてよい。
【0035】
本発明がソレノイド・アクチュエータ、ソレノイド・アクチュエータを含む流体アッセイ・システム、およびそのようなシステムを用いる方法を提供すると考えられていることは、本開示の恩恵を受ける当業者には理解されよう。本発明の様々な態様の更なる変更および代替実施形態は、この説明の観点から当業者には明白であろう。たとえば、上記のように、本明細書に記載のテレスコープ形の構成は、本明細書に記載のソレノイドの構成に必ずしも限定されない。いくつかの異なったソレノイド・アクチュエータがテレスコープ形設計から恩恵を受けることができると考えられている。したがって、この説明は例証するためだけのものと解釈されるべきであり、当業者に本発明を実行する一般的方法を教示する目的のためのものである。本明細書に示すおよび記載の本発明の形態は、現在の好ましい実施形態として受け取られるべきであると理解されるべきである。本発明のこの説明の恩恵を受けた後では、当業者には全て明白となるように、要素および材料は本明細書に図示しかつ記載したものと置換することができ、部品および処理は逆にすることができ、本発明の特定の特徴は独立して利用することができる。以下の特許請求の範囲に記載のように本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の要素において改変がなされてよい。
【符号の説明】
【0036】
12 ソレノイド・アクチュエータ; 14 磁性作動コア;
15 電線コイル; 16 容器: 18 磁性粒子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体アッセイ・システムであって、
容器と、
ソレノイド・アクチュエータであって、磁性コア構成要素を保持するテレスコープ形本体、および、前記テレスコープ形本体の少なくとも一部の周りを巻回した電線コイルを含む、ソレノイド・アクチュエータと
を備え、前記ソレノイド・アクチュエータが、前記電線コイルを介して電流通電すると同時に前記磁性コア構成要素が前記容器の方に移動するように構成されている、
流体アッセイ・システム。
【請求項2】
前記テレスコープ形本体が、その収縮位置からの距離が前記磁性コア構成要素の長さの2倍より長く、前記磁性コア構成要素を伸長するように構成された、請求項1に記載の流体アッセイ・システム。
【請求項3】
前記磁性コア構成要素が前記容器に対して収縮するとき、前記ソレノイド・アクチュエータが前記容器から少なくともおよそ10mmだけ間隔を置いて離れる、請求項1に記載の流体アッセイ・システム。
【請求項4】
縮小したときの前記テレスコープ形本体の長さがおよそ15mm未満である、請求項1に記載のソレノイド・アクチュエータ。
【請求項5】
前記磁性コア構成要素が永久磁石を含む、請求項1に記載の流体アッセイ・システム。
【請求項6】
前記永久磁石が希土類磁石である、請求項5に記載の流体アッセイ・システム。
【請求項7】
前記永久磁石が前記磁性コア構成要素の対向する端部を含む、請求項5に記載の流体アッセイ・システム。
【請求項8】
前記永久磁石が前記磁性コア構成要素の大部分を含む、請求項5に記載の流体アッセイ・システム。
【請求項9】
磁性コア構成要素を保持するテレスコープ形本体と、
前記テレスコープ形本体の少なくとも一部分の周りを巻回した電線コイルと
を含む、ソレノイド・アクチュエータ。
【請求項10】
前記テレスコープ形本体が、その収縮位置からの距離が前記磁性コア構成要素の長さの2倍より長く、前記磁性コア構成要素を伸長するように構成された、請求項9に記載のソレノイド・アクチュエータ。
【請求項11】
前記電線コイルが、前記コイルが前記磁性コア構成要素の外向き運動の方向に電線密度を減らすように巻回されている、請求項9に記載のソレノイド・アクチュエータ。
【請求項12】
前記コイルの内径が前記磁性コア構成要素の幅寸法の3倍未満である、請求項9に記載のソレノイド・アクチュエータ。
【請求項13】
縮小されたときの前記テレスコープ形本体の長さがおよそ15mm未満である、請求項9に記載のソレノイド・アクチュエータ。
【請求項14】
前記磁性コア構成要素が永久磁石を含む、請求項9に記載のソレノイド・アクチュエータ。
【請求項15】
前記永久磁石が希土類磁石である、請求項14に記載のソレノイド・アクチュエータ。
【請求項16】
前記永久磁石が少なくともグレード40の磁石を含む、請求項14に記載のソレノイド・アクチュエータ。
【請求項17】
流体アッセイ・システム内の磁性粒子を固定化する方法であって、
複数の磁性粒子を流体アッセイ・システムの容器内に導入するステップと、
前記容器と間隔を置いて隣り合ったソレノイドの電線コイルを介して第1の電流を通電し、
前記ソレノイドのコアを含む永久磁石を前記電線コイルから前記容器の十分近傍に押し戻すのに十分な電磁界を生成し、その結果、前記永久磁石が前記複数の磁性粒子を固定化するステップと
を含む方法。
【請求項18】
前記第1の電流の通電を中断するステップを更に含み、前記第1の電流の通電を中断するステップが前記永久磁石を移動させて前記容器から離れさせ、重力によって前記複数の磁性粒子を解放する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の電流の通電を中断するステップと、
前記第1の電流と逆方向に前記電線コイルを介して第2の電流を通電し、
その結果、前記永久磁石が移動し前記容器から離れ、前記複数の磁性粒子を解放するステップと
を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の電流を通電する前に、1つまたは複数の試薬を前記容器に導入するステップと、
前記第1の電流を通電する前記ステップ中に、前記複数の磁性粒子に付着しなかった前記1つまたは複数の試薬の残余を前記容器からフラッシングするステップと
を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の電流の通電を中断し、その結果、前記永久磁石が移動し前記容器から離れ、前記複数の磁性粒子を解放するステップと、
前記第1の電流の中断に続いて、1つまたは複数の追加試薬を前記容器内に導入するステップと
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記1つまたは複数の追加試薬を前記容器内に導入するステップに続き、前記コイルを介して第2の電流を通電し、その結果、前記永久磁石が前記容器に十分近傍に移動し、前記複数の磁性粒子を固定化するステップと、
前記第2の電流を通電する前記ステップ中に、前記複数の磁性粒子に付着しなかった前記1つまたは複数の追加試薬の余剰を前記容器からフラッシングするステップと
を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
容器と、ソレノイド・アクチュエータとを備える流体アッセイ・システムであって、
前記ソレノイド・アクチュエータには、永久磁石を備えたコアと、そのコアの少なくとも一部分の周りを巻回した電線コイルとが含まれ、
前記ソレノイド・アクチュエータが、
前記コアが前記容器に対して収縮するとき、前記ソレノイド・アクチュエータが前記電線コイルの土台面から前記コアの対向する端部までおよそ15mm未満の厚さを含み、前記ソレノイド・アクチュエータが前記容器から少なくともおよそ10mmだけ間隔を置いて離れ、
前記コアが前記容器の方に完全に伸長されるとき、前記永久磁石が前記容器に十分近い近傍にあり、中に配置された1つまたは複数の磁性粒子を固定化するように構成されて成る、
流体アッセイ・システム。
【請求項24】
前記システムが流体アッセイを調整するように構成された、請求項23に記載の流体アッセイ・システム。
【請求項25】
前記ソレノイド・アクチュエータが前記コアを保持するテレスコープ形本体を更に含む、請求項23に記載の流体アッセイ・システム。
【請求項26】
前記コアが前記容器に対して収縮するとき、前記ソレノイド・アクチュエータが前記容器から少なくともおよそ20mmだけ間隔を置いて離れている、請求項23に記載の流体アッセイ・システム。
【請求項27】
前記ソレノイド・アクチュエータが前記容器の下方に配置される、請求項23に記載の流体アッセイ・システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−511273(P2011−511273A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544469(P2010−544469)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/032032
【国際公開番号】WO2009/094648
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(500174502)ルミネックス コーポレーション (15)
【Fターム(参考)】