説明

ソースドライバ、データ線の駆動方法、およびそれらを用いた液晶ディスプレイ装置

【課題】データ信号とクロックのタイミングを簡易に調節する。
【解決手段】波形整形部20は、輝度データDLの各ビットまたはクロックの少なくとも一方の波形を整形する。データラッチ部30は、波形整形部20から出力される輝度データDLおよびクロックCKを受け、クロックCKによって輝度データDLの各ビットをラッチする。波形整形部20は、輝度データDLの少なくともひとつのビットに含まれるキャリブレーションデータDcをクロックCKでラッチしたデータがその期待値と一致するように、輝度データDLの各ビットまたはクロックCKの少なくとも一方の波形を整形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルの駆動技術に関し、特にデータ線を駆動するソースドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルは、複数のデータ線と、データ線と直交するように配置される複数の走査線と、データ線および走査線の交点にマトリクス状に配置された複数のTFT(Thin Film Transistor)を備える。液晶パネルを駆動するために、複数の走査線を順に選択するゲートドライバ回路と、各データ線に輝度に応じた電圧を印加するソースドライバが設けられる。
【特許文献1】特開2002−176350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、液晶パネルを駆動する場合、複数のソースドライバが、液晶パネルの1辺に沿って設けられる。これらのソースドライバは、タイミングコントローラから出力されるRSDS(Reduced Swing Differential Signaling)規格に準拠した差動信号の輝度データを受け、データ線を駆動する。
【0004】
RSDS規格では、データ信号が差動クロックとともに伝送される。ソースドライバは、差動クロックのポジティブエッジとネガティブエッジの両方を利用して、データ信号をラッチし、その値を確定させる。たとえば、データ信号の周波数が85MHzの場合、差動クロックのポジティブエッジとネガティブエッジの時間差はわずかに5.5nsとなる。セットアップタイムやホールドタイムを考慮すると、データ信号と差動クロックのタイミングを非常に高い精度で行う必要がある。
【0005】
液晶パネルが大型化すると、ソースドライバを設置する位置によって、タイミングコントローラとの距離が変化する。したがって、データ信号と差動クロックのタイミングを、ソースドライバごとに調節する必要があった。そこで、液晶ディスプレイのメーカが、タイミングコントローラを調節することによって、最適化を行っているのが現状である。
【0006】
本発明は係る状況に鑑みてなされたものであり、そのひとつの目的は、データ信号とクロックのタイミングを簡易に調節可能なソースドライバの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、タイミングコントローラから出力される各画素の輝度を示す輝度データを、輝度データと同期したクロックとともに受信し、液晶パネルの複数のデータ線を駆動するソースドライバであって、輝度データの各ビットまたはクロックの少なくとも一方の波形を整形する波形整形部と、波形整形部から出力される輝度データおよびクロックを受け、クロックによって輝度データの各ビットをラッチするデータラッチ部と、データラッチ部によりラッチされた輝度データに応じた駆動電圧を生成し、データ線に供給する駆動部と、を備える。波形整形部は、輝度データの少なくともひとつのビットに含まれる所定のパターンを有するキャリブレーションデータをクロックでラッチしたデータがその期待値と一致するように、輝度データの各ビットまたはクロックの少なくとも一方の波形を整形する。
【0008】
「波形の整形」とは、信号の遅延、デューティ比の調節、立ち上がり、立ち下がりエッジの傾きの調整、信号の振幅や、ピーク値、ボトム値の調節など、波形の形状を何らかの形で変化させることをいう。
この態様によると、タイミングコントローラに所定のキャリブレーションデータを生成する機能を設け、このキャリブレーションデータを利用することにより、ソースドライバが自律的にタイミング調節を行うことができる。
【0009】
波形整形部は、輝度データの各ビット、またはクロックの少なくとも一方の遅延量を調節してもよい。
【0010】
キャリブレーションデータは、輝度データの全ビットに埋め込まれていてもよい。波形整形部は、輝度データの各ビットに可変遅延を与える複数のデータ用可変遅延素子と、複数のデータ用可変遅延素子ごとに設けられ、対応するデータ用可変遅延素子の遅延量を調節する複数のスキュー調節部と、を含んでもよい。データラッチ部は、複数のデータ用可変遅延素子によって遅延された輝度データの各ビットに含まれるキャリブレーションデータをクロックのエッジでラッチしてもよい。複数のスキュー調節部それぞれは、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、対応するデータ用可変遅延素子の遅延量を調節してもよい。
この場合、輝度データの全ビットのスキューを独立に調節することができる。
【0011】
キャリブレーションデータは、輝度データの所定ビットに埋め込まれてもよい。波形整形部は、輝度データの各ビットに可変遅延を与える複数のデータ用可変遅延素子と、複数のデータ用可変遅延素子の遅延量を制御するスキュー調節部と、を含んでもよい。データラッチ部は、データ用可変遅延素子によって遅延された輝度データの所定ビットに含まれるキャリブレーションデータをクロックのエッジでラッチしてもよい。スキュー調節部は、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、複数のデータ用可変遅延素子の遅延量を調節してもよい。
所定ビットにキャリブレーションデータを埋め込むことにより、回路を簡素化できる。
【0012】
キャリブレーションデータは、輝度データの全ビットに埋め込まれてもよい。波形整形部は、クロックに可変遅延を与えるクロック用可変遅延素子と、クロック用可変遅延素子の遅延量を調節するスキュー調節部と、を含んでもよい。データラッチ部は、輝度データの各ビットに含まれるキャリブレーションデータをクロック用可変遅延素子により遅延されたクロックのエッジでラッチしてもよい。スキュー調節部は、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、クロック用可変遅延素子の遅延量を調節してもよい。
【0013】
キャリブレーションデータは、輝度データの所定ビットに埋め込まれてもよい。波形整形部は、クロックに可変遅延を与えるクロック用可変遅延素子と、クロック用可変遅延素子の遅延量を調節するスキュー調節部と、を含んでもよい。データラッチ部は、輝度データの所定ビットに含まれるキャリブレーションデータをクロック用可変遅延素子により遅延されたクロックのエッジでラッチしてもよい。スキュー調節部は、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、クロック用可変遅延素子の遅延量を調節してもよい。
【0014】
波形整形部は、輝度データの各ビットまたはクロックの少なくとも一方のデューティ比を調節してもよい。
【0015】
キャリブレーションデータは、輝度データの全ビットに埋め込まれてもよい。波形整形部は、輝度データの各ビットのデューティ比を調節する複数のデータ用デューティ比調節素子と、複数のデータ用デューティ比調節素子ごとに設けられ、対応するデューティ比調節素子を制御する複数のデータ用デューティ比制御部と、を含んでもよい。データラッチ部は、複数のデータ用デューティ比調節素子によってデューティ比が調節された輝度データの各ビットに含まれるキャリブレーションデータをクロックのエッジでラッチしてもよい。複数のデータ用デューティ比制御部それぞれは、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、対応するデータ用デューティ比調節素子を制御してもよい。
【0016】
キャリブレーションデータは、輝度データの所定ビットに埋め込まれてもよい。波形整形部は、輝度データの各ビットのデューティ比を調節する複数のデータ用デューティ比調節素子と、複数のデータ用デューティ比調節素子を制御するデータ用デューティ比制御部と、を含んでもよい。データラッチ部は、複数のデータ用デューティ比調節素子によってデューティ比が調節された輝度データの所定ビットに含まれるキャリブレーションデータをクロックのエッジでラッチしてもよい。データ用デューティ比制御部は、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、複数のデータ用デューティ比調節素子を制御してもよい。
【0017】
キャリブレーションデータは、輝度データの全ビットに埋め込まれてもよい。波形整形部は、クロックのデューティ比を調節するクロック用デューティ比調節素子と、クロック用デューティ比調節素子を制御するクロック用デューティ比制御部と、を含んでもよい。データラッチ部は、輝度データの各ビットに含まれるキャリブレーションデータを、クロック用デューティ比調節素子によりデューティ比が調節されたクロックのエッジでラッチしてもよい。クロック用デューティ比制御部は、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、クロック用デューティ比調節素子を制御してもよい。
【0018】
キャリブレーションデータは、輝度データの所定ビットに埋め込まれてもよい。波形整形部は、クロックのデューティ比を調節するクロック用デューティ比調節素子と、クロック用デューティ比調節素子を制御するクロック用デューティ比制御部と、を含んでもよい。データラッチ部は、輝度データの所定ビットに含まれるキャリブレーションデータを、クロック用デューティ比調節素子によりデューティ比が調節されたクロックのエッジでラッチしてもよい。クロック用デューティ比制御部は、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、クロック用デューティ比調節素子を制御してもよい。
【0019】
キャリブレーションデータは、輝度データの少なくともひとつのビットのブランク期間に埋め込まれてもよい。ブランク期間を利用することにより、画像表示中であっても、波形整形を行うことができる。
【0020】
波形整形部は、輝度データの各ビットまたはクロックの少なくとも一方の遅延量とデューティ比を調節してもよい。
【0021】
本発明の別の態様もまた、ソースドライバである。このソースドライバは、タイミングコントローラから出力される各画素の輝度を示す輝度データを、輝度データと同期したクロックとともに受信し、液晶パネルの複数のデータ線を駆動する。このソースドライバは、輝度データとは別に、専用のデータ線を介してクロックと同期した所定のパターンを有するキャリブレーションデータを受信するよう構成される。
ソースドライバは、輝度データの各ビットおよびキャリブレーションデータ、またはクロックの少なくとも一方の波形を整形する波形整形部と、波形整形部から出力される輝度データ、キャリブレーションデータおよびクロックを受け、クロックのエッジにより輝度データの各ビットおよびキャリブレーションデータをラッチするデータラッチ部と、データラッチ部によりラッチされた輝度データに応じた駆動電圧を生成し、データ線に供給する駆動部と、を備える。波形整形部は、データラッチ部によりラッチしたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、輝度データの各ビットおよびキャリブレーションデータ、またはクロックの少なくとも一方の波形を整形する。
【0022】
この態様によれば、キャリブレーションデータが専用のデータ線により伝送されるため、画像データの伝送中であっても、任意のタイミングで波形整形を行うことができる。
【0023】
波形整形部は、輝度データの各ビットおよびキャリブレーションデータ、またはクロックの少なくとも一方の遅延量を調節してもよい。
【0024】
波形整形部は、輝度データの各ビットおよびキャリブレーションデータそれぞれに、同一の可変遅延を与える複数のデータ用可変遅延素子と、複数のデータ用可変遅延素子の遅延量を調節するスキュー調節部と、を含んでもよい。データラッチ部は、データ用可変遅延素子によって遅延されたキャリブレーションデータをクロックのエッジでラッチしてもよい。スキュー調節部は、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、複数のデータ用可変遅延素子の遅延量を調節してもよい。
【0025】
波形整形部は、クロックに可変遅延を与えるクロック用可変遅延素子と、クロック用可変遅延素子の遅延量を調節するスキュー調節部と、を含んでもよい。データラッチ部は、キャリブレーションデータをクロック用可変遅延素子により遅延されたクロックのエッジでラッチしてもよい。スキュー調節部は、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、クロック用可変遅延素子の遅延量を調節してもよい。
【0026】
波形整形部は、輝度データの各ビットまたはクロックの少なくとも一方のデューティ比を調節してもよい。
【0027】
波形整形部は、輝度データの各ビットおよびキャリブレーションデータそれぞれのデューティ比を調節する複数のデータ用デューティ比調節素子と、複数のデータ用デューティ比調節素子を制御するデューティ比制御部と、を含んでもよい。データラッチ部は、データ用デューティ比調節素子によってデューティ比が調節されたキャリブレーションデータをクロックのエッジでラッチしてもよい。デューティ比制御部は、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、複数のデータ用デューティ比調節素子を制御してもよい。
【0028】
波形整形部は、クロックのデューティ比を制御するクロック用デューティ比調節素子と、クロック用デューティ比調節素子を制御するデューティ比制御部と、を含んでもよい。データラッチ部は、キャリブレーションデータをクロック用デューティ比調節素子によってデューティ比が調節されたクロックのエッジでラッチしてもよい。デューティ比制御部は、ラッチされたキャリブレーションデータがその期待値と一致するように、クロック用デューティ比調節素子を制御してもよい。
【0029】
波形整形部は、輝度データの各ビットおよびキャリブレーションデータ、またはクロックの少なくとも一方の遅延量およびデューティ比を調節してもよい。
【0030】
本発明のさらに別の態様は、液晶ディスプレイ装置である。この装置は、液晶パネルと、液晶パネルのデータ線を駆動する上述のいずれかの態様のソースドライバと、液晶パネルの走査線を駆動するゲートドライバ回路と、を備える。
【0031】
本発明のさらに別の態様は、タイミングコントローラから出力される各画素の輝度を示す輝度データを、輝度データと同期したクロックとともに受信し、液晶パネルの複数のデータ線を駆動する方法に関する。この駆動方法は、輝度データの各ビットまたはクロックの少なくとも一方の波形を整形するステップと、波形整形後の輝度データの各ビットを、波形整形後のクロックのエッジによりラッチするステップと、ラッチされた輝度データに応じた駆動電圧を生成し、データ線に供給するステップと、を備える。所定のパターンを有するキャリブレーションデータが、輝度データの少なくともひとつのビットに含まれており、波形を整形するステップは、キャリブレーションデータをクロックでラッチしたデータがその期待値と一致するように、輝度データの各ビットまたはクロックの少なくとも一方の波形を整形する。
【0032】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、液晶パネルのデータ線を柔軟に駆動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0035】
本明細書において、「部材Aが部材Bに接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0036】
図1は、実施の形態に係るソースドライバ100を備えた液晶ディスプレイ200の構成を示す回路図である。液晶ディスプレイ200は、ソースドライバ100、ゲートドライバ110、液晶パネル120、タイミングコントローラ130を備える。
【0037】
液晶パネル120は、複数のデータ線と、複数の走査線を備え、データ線と走査線の交点にはマトリクス状に配置された画素回路が設けられる。ゲートドライバ110は、タイミングコントローラ130からのデータを受け、複数の走査線に順に電圧を与え、選択していく。ソースドライバ100は、タイミングコントローラ130から出力される各画素の輝度を示す輝度データDLを、輝度データDLと同期したクロックCKとともに受信し、液晶パネル120の複数のデータ線を駆動する。
【0038】
ソースドライバ100_1〜100_mは、液晶パネル120の1辺に沿って配置される。ソースドライバ100の個数mは液晶パネル120の解像度に応じて決定される。ソースドライバ100は、一つの半導体基板上に一体集積化された機能ICである。ソースドライバ100の複数の出力端子はそれぞれ、データ線と接続される。また、ソースドライバ100のデータ入力端子には、タイミングコントローラ130から画素ごとの輝度データが入力される。
【0039】
図2は、第1の実施の形態に係るソースドライバ100の構成を示すブロック図である。
【0040】
ソースドライバ100は、タイミングコントローラ130からRGBごとの輝度データDL(DR1〜DR3、DG1〜DG3、DB1〜DB3)と、クロックCKとを受ける。各輝度データDLおよびクロックCKはRSDS規格に準拠した差動信号として入力される。各輝度データDLは、クロックCKのポジティブエッジとネガティブエッジの両方のタイミングでラッチされる。したがって、図1のソースドライバ100において、RGBはそれぞれが6ビットのデータ量を有している。なお、本発明はこれに限定されず、任意のビット数に拡張可能である。また、データ転送方式も、RSDS規格には限定されない。
【0041】
ソースドライバ100は、入力ドライバ10、波形整形部20、データラッチ部30、駆動部40を備える。図2では、輝度データDRおよびDGに対する回路ブロックのみを示し、輝度データDBに対する回路ブロックを省略している。
【0042】
入力ドライバ10は、差動信号の輝度データをシングルエンドに変換する複数のデータ用入力ドライバDiと、差動信号のクロックをシングルエンドに変換するクロック用ドライバDckを含む。各ドライバの出力信号は、波形整形部20に入力される。
【0043】
波形整形部20は、入力ドライバ10からの出力信号を受ける。波形整形部20は、輝度データの各ビットDR1〜DR3、DG1〜DG3、DB1〜DB3(以下、必要に応じてDLと総称する)またはクロックCKの少なくとも一方の波形を整形する。
【0044】
データラッチ部30は、波形整形部20から出力される輝度データDL’およびクロックCK’を受ける。輝度データDL’、クロックCK’の少なくとも一方は、波形整形部20によって波形が整形されている。
【0045】
データラッチ部30は、波形整形部20から出力される輝度データDL’およびクロックCK’を受け、クロックCK’によって輝度データDLの各ビットをラッチする。データラッチ部30は、輝度データごとのラッチ回路を含み、データ端子に輝度データが、クロック端子にクロックCK’が入力されている。なお、ラッチ回路は、Dラッチ、RSラッチ、Dフリップフロップ、RSフリップフロップなどさまざまな回路素子を利用して構成可能である。輝度データDR1’〜DR3’はラッチ回路によってラッチされ、R画素に対する輝度データDR’’として後段の駆動部40へと出力される。同様に、輝度データDG1’〜DG3’、DB1’〜DB3’は、G画素、B画素に対する輝度データDG’’、DB’’として出力される。
【0046】
駆動部40は、データラッチ部30によりラッチされた輝度データDR’’、DG’’、DB’’に応じた駆動電圧Vdを生成し、データ線LD1〜LDmに供給する。駆動部40は、複数のデータ線LDごとに設けられた、デジタルアナログ変換器DACおよび出力ドライバDoを備える。データラッチ部30によりラッチされた輝度データDL’’は、対応するデータ線LDに対して分配される。デジタルアナログ変換器DACは、対応する輝度データをデジタル/アナログ変換する。出力ドライバDoは、デジタルアナログ変換器DACの出力電圧を、データ線LDへと供給する。画素ごとの輝度データにもとづくデータ線LDの駆動回路は、公知の技術を利用すればよい。
【0047】
本実施の形態において、タイミングコントローラ130から出力される輝度データDR1〜DR3、DG1〜DG3、DB1〜DB3の少なくともひとつには、ある期間において、所定のパターンを有するキャリブレーションデータDcが含まれている。波形整形部20は、キャリブレーションデータDcをクロックCK’でラッチしたデータが期待値と一致するように、信号の波形を整形する。たとえば、輝度データDR1がキャリブレーションデータDcを含むとき、波形整形部20は、輝度データDR1’をクロックCK’でラッチした結果が、期待値と一致するように波形整形を行う。キャリブレーションデータDcは、「101010」など、予め定められたパターンデータである。キャリブレーションデータDcは、すべての輝度データに含まれてもよいし、その中のいくつかに含まれていてもよい。
【0048】
本実施の形態に係るソースドライバ100によれば、以下の効果を得る。従来ではタイミングコントローラ側に、複数のソースドライバに出力される輝度データおよびクロックのタイミング等を、ソースドライバ単位で、さらには各輝度データごとに個別に調節していた。これに対して、本実施の形態に係るソースドライバ100によれば、タイミングコントローラ130に所定のキャリブレーションデータDcを生成する機能を設け、キャリブレーションデータDcを輝度データに埋め込むことにより、ソースドライバ100が自律的にタイミング調節を行い、ソースドライバ100とタイミングコントローラ130の間のデータ伝送のエラーレートを低減できる。また、液晶ディスプレイ200の製造者の負担を軽減することができる。
【0049】
以下、図2のソースドライバ100のさらに具体的な構成例について説明する。
【0050】
図3は、第1の実施の形態に係るソースドライバ100の第1の構成例を示す回路図である。キャリブレーションデータDcは、輝度データDLの全ビットに埋め込まれるものとする。図3のソースドライバ100aの波形整形部20aは、輝度データDLの各ビットの遅延量を調節する。図3には、波形整形部20aおよびデータラッチ部30の、R画素の構成のみが示されるが、G画素、B画素についても同様である。
【0051】
キャリブレーションデータDcは、輝度データのブランク期間に埋め込まれることが望ましい。あるいは、キャリブレーションデータDcは、液晶パネルに画像を表示しない期間に、輝度データに含まれてもよい。
【0052】
波形整形部20aは、輝度データDLの各ビットに可変遅延を与え、クロックCKには固定遅延を与えて、輝度データDL’とクロックCK’との相対的な位相差を調節する。波形整形部20aは、複数の可変遅延素子DLYおよび複数のスキュー調節部ADJを含む。
【0053】
複数の可変遅延素子DLYは、輝度データごとに設けられており、対応する入力ドライバDiからの輝度データDLに独立した可変遅延を与える。複数のスキュー調節部ADJは、複数の可変遅延素子DLYごとに設けられ、対応する可変遅延素子DLYの遅延量を調節する。スキュー調節部ADJは、対応する輝度データDLに含まれるキャリブレーションデータDcをクロックCK’でラッチしたデータDc’と、その期待値Dexpとを受け、2つの値が一致するように、対応する可変遅延素子DLYの遅延量を調節する。
【0054】
図3のソースドライバ100aによれば、輝度データごとに可変遅延を与えて、クロックCKとのタイミングを個別に調節するため、輝度データとクロック間のスキューを最適化できる。
【0055】
図3では、輝度データの全ビットにキャリブレーションデータDcが含まれる場合を説明したが、その一部のみに含まれてもよい。輝度データDLの所定ビット、たとえば輝度データDR1にのみキャリブレーションデータDcが含まれる場合、そのビットに対応するスキュー調節部ADJを設け、そのスキュー調節部ADJにより調節された遅延量を、全ビットの可変遅延素子DLYに設定すればよい。
【0056】
図4は、第1の実施の形態に係るソースドライバ100の第2の構成例を示す回路図である。キャリブレーションデータDcは、輝度データDLの所定ビット、たとえばR画素の3ビットDR1〜DR3に埋め込まれるものとする。図4のソースドライバ100bの波形整形部20bは、クロックCKの遅延量を調節する。図4には、波形整形部20およびデータラッチ部30のR画素の構成のみが示されるが、G画素、B画素についても同様である。
【0057】
波形整形部20bは、輝度データDLの各ビットに固定遅延を与え、クロックCKには可変遅延を与えて、輝度データDL’とクロックCK’との相対的な位相差を調節する。波形整形部20bは、クロック用可変遅延素子DLYckおよびスキュー調節部ADJを含む。
【0058】
クロック用可変遅延素子DLYckは、クロックCKに可変遅延を与える。スキュー調節部ADJは、輝度データDLに含まれるキャリブレーションデータDcを、遅延されたクロックCK’でラッチしたデータDc’と、その期待値Dexpとを受け2つの値が一致するように、クロック用可変遅延素子DLYckの遅延量を調節する。
【0059】
なお、キャリブレーションデータDcは、R画素の輝度データに加えて、G画素、B画素の輝度データの全ビットに含まれてもよい。この場合、スキュー調節部ADJは、データラッチ部30によってラッチされたG画素およびB画素の輝度データ(キャリブレーションデータDc’)を受け、これらが、期待値Dexpと一致するように、クロック用可変遅延素子DLYckの遅延量を調節すればよい。
【0060】
あるいは、キャリブレーションデータDcは、単一のビットのみに含まれてもよい。たとえば、キャリブレーションデータDcが輝度データDR1のみに含まれる場合、スキュー調節部ADJは、1ビットのキャリブレーションデータDcにもとづいて、クロック用可変遅延素子DLYckの可変遅延を調節すればよい。
【0061】
図4のソースドライバ100bによれば、クロックCKに可変遅延を与えることにより、輝度データとクロック間のスキューを最適化できる。図4のソースドライバ100bは、スキュー調節部ADJをクロックCKに対してのみ設ければよいため、回路面積の点で有利である。
【0062】
図3、図4のソースドライバでは、波形整形部20が輝度データもしくはクロックの少なくとも一方に可変遅延を与え、2つの信号間のスキューを調節する場合を説明した。
この変形例として、2つの信号間のスキューに替えて、またはこれに加えて、2つの信号のデューティ比を調節してもよい。たとえば図3の変形例として、データ用可変遅延素子DLYに替えて、またはこれに加えて、輝度データのデューティ比を調節するデューティ比調節素子DUTY(図3、図4ではDLYとして示される)を設けてもよい。さらに、デューティ比調節素子DUTYを制御するデューティ比制御部ADJを設けてもよい。図4の変形例として、クロック用可変遅延素子DLYckに替えて、またはこれに加えて、クロックCKのデューティ比を調節するクロック用デューティ比調節素子DUTYck(図3、図4ではDLYckとして示される)を設けてもよい。さらに、クロック用デューティ比調節素子DUTYckを制御するデューティ比制御部ADJを設けてもよい。
【0063】
図5(a)、(b)は、可変遅延素子およびデューティ比調節素子の構成例を示す回路図である。図5(a)は、図3、図4の可変遅延素子の構成例を示す。可変遅延素子DLYは、多段接続された複数のインバータ(NOTゲート)を含む。可変遅延素子DLYは、複数の経路を含み、経路ごとに異なる個数のインバータが設けられる。スイッチSWは、設定された遅延量に応じて接続状態が切りかえられる。
【0064】
図5(b)は、可変遅延素子とデューティ比調節素子の構成例を示す。インバータに替えて、NANDゲートを利用することにより、デューティ比を調節することができる。
【0065】
ソースドライバ100によって自律的に、輝度データまたはクロックの少なくとも一方のスキューに替えて、輝度データまたはクロックの少なくとも一方のデューティ比を最適化することにより、ソースドライバ100とタイミングコントローラ130の間のデータ伝送のエラーレートを低減できる。
【0066】
さらに、図5(b)の回路を利用し、あるいは別の回路構成を利用して、ソースドライバ100によって自律的に、輝度データまたはクロックの少なくとも一方のスキューを調節するとともに、輝度データまたはクロックの少なくとも一方のデューティ比を最適化することにより、ソースドライバ100とタイミングコントローラ130の間のデータ伝送のエラーレートをさらに低減できる。
【0067】
第1の実施の形態では、キャリブレーションデータDcが、輝度データDLに含まれる場合を説明した。第2の実施の形態では、キャリブレーションデータDcが、専用のデータ線を介してソースドライバ100に入力される場合を説明する。
【0068】
図6は、第2の実施の形態に係るソースドライバ100cの構成を示すブロック図である。図6のソースドライバ100cは、輝度データDLとは別に、専用のデータ線を介してキャリブレーションデータDcを受ける。
波形整形部20cは、輝度データDLの各ビットおよびキャリブレーションデータDc、またはクロックCKの少なくとも一方の波形を整形する。
データラッチ部30cは、波形整形部20cから出力される輝度データDL’、キャリブレーションデータDc’およびクロックCK’を受け、クロックCK’のエッジにより輝度データDL’の各ビットおよびキャリブレーションデータDc’をラッチする。
【0069】
波形整形部20cは、データラッチ部30cによりラッチしたキャリブレーションデータDc’がその期待値と一致するように、波形を整形する。
【0070】
本実施の形態に係るソースドライバ100cによれば、以下の効果を得る。従来ではタイミングコントローラ側に、複数のソースドライバに出力される輝度データおよびクロックのタイミング等を、ソースドライバ単位で、さらには各輝度データごとに個別に調節していた。これに対して、本実施の形態に係るソースドライバ100cによれば、タイミングコントローラ130に所定のキャリブレーションデータを生成する機能を設け、このキャリブレーションデータDcを輝度データとともに伝送することにより、ソースドライバ100cが自律的にタイミング調節を行い、ソースドライバ100cとタイミングコントローラ130の間のデータ伝送のエラーレートを低減できる。また、液晶ディスプレイ200の製造者の負担を軽減することができる。
【0071】
また、第1の実施の形態に比べると、以下の利点を有する。第1の実施の形態では、キャリブレーションデータを輝度データに埋め込んでいたため、輝度データが画像を表示するための情報を有する期間、波形整形を行うことができない。これに対して、第2の実施の形態では、任意のタイミングで波形整形を行うことができる。
【0072】
逆の観点から見れば、第2の実施の形態ではキャリブレーションデータDcを伝送するための線路が必要となるため、回路規模が増大するが、第1の実施の形態では、線路が増加しないという利点がある。
【0073】
図7は、第2の実施の形態に係るソースドライバの第1の構成例を示す回路図である。
【0074】
図7のソースドライバ100dにおいて、波形整形部20dは、輝度データDLの各ビットおよびキャリブレーションデータDcの遅延量を調節する。波形整形部20dは、輝度データDLの各ビットおよびキャリブレーションデータDcそれぞれに、同一の可変遅延を与える複数のデータ用可変遅延素子DLYと、複数のデータ用可変遅延素子DLYの遅延量を調節するスキュー調節部ADJを含む。クロックCKには、クロック用遅延素子DLYckによって固定遅延が与えられる。
【0075】
データラッチ部30dは、データ用可変遅延素子DLYによって遅延されたキャリブレーションデータDc’をクロックCK’のエッジでラッチする。スキュー調節部ADJは、ラッチされたキャリブレーションデータDc’’がその期待値と一致するように、複数のデータ用可変遅延素子DLYの遅延量を調節する。
【0076】
図8は、第2の実施の形態に係るソースドライバの第2の構成例を示す回路図である。図8のソースドライバ100eにおいて、波形整形部20eは、クロックCKの遅延量を調節する。
【0077】
波形整形部20eは、クロックCKに可変遅延を与えるクロック用可変遅延素子DLYckと、クロック用可変遅延素子DLYckの遅延量を調節するスキュー調節部ADJと、を含む。輝度データDLの各ビットおよびキャリブレーションデータDcには、同量の固定遅延が与えられる。
【0078】
データラッチ部30eは、キャリブレーションデータDc’をクロック用可変遅延素子DLYckにより遅延されたクロックCK’のエッジでラッチする。スキュー調節部ADJは、ラッチされたキャリブレーションデータDc’’がその期待値と一致するように、クロック用可変遅延素子DLYckの遅延量を調節する。
【0079】
図7、図8のソースドライバでは、波形整形部20d、20eが可変遅延を与え、信号間のスキューを調節する場合を説明した。
この変形例として、信号間のスキューに替えて、またはこれに加えて、デューティ比を調節してもよい。たとえば図7の変形例として、データ用可変遅延素子DLYに替えて、またはこれに加えて、輝度データおよびキャリブレーションデータのデューティ比を調節するデューティ比調節素子DUTY(図7、図8ではDLYとして示される)を設けてもよい。さらに、デューティ比調節素子DUTYを制御するデューティ比制御部ADJを設けてもよい。図8の変形例として、クロック用可変遅延素子DLYckに替えて、またはこれに加えて、クロックCKのデューティ比を調節するクロック用デューティ比調節素子DUTYck(図7、図8ではDLYckとして示される)を設けてもよい。さらに、クロック用デューティ比調節素子DUTYckを制御するデューティ比制御部ADJを設けてもよい。
【0080】
上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0081】
実施の形態では、「波形の整形」として、遅延量、デューティ比を調節する場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。波形整形部20は、立ち上がり、立ち下がりエッジの傾きの調整、信号の振幅や、ピーク値、ボトム値を調節してもよい。
【0082】
以上、実施の形態にもとづき、本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎないことはいうまでもなく、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を離脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施の形態に係るソースドライバを備えた液晶ディスプレイの構成を示す回路図である。
【図2】第1の実施の形態に係るソースドライバの構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係るソースドライバの第1の構成例を示す回路図である。
【図4】第1の実施の形態に係るソースドライバの第2の構成例を示す回路図である。
【図5】図5(a)、(b)は、可変遅延素子およびデューティ比調節素子の構成例を示す回路図である。
【図6】第2の実施の形態に係るソースドライバの構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態に係るソースドライバの第1の構成例を示す回路図である。
【図8】第2の実施の形態に係るソースドライバの第2の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0084】
10…入力ドライバ、20…波形整形部、30…データラッチ部、40…駆動部、100…ソースドライバ、110…ゲートドライバ、120…液晶パネル、130…タイミングコントローラ、200…液晶ディスプレイ、DLY…データ用可変遅延素子、DLYck…クロック用可変遅延素子、DL…輝度データ、CK…クロック、Dc…キャリブレーションデータ、ADJ…スキュー調節部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイミングコントローラから出力される各画素の輝度を示す輝度データを、前記輝度データと同期したクロックとともに受信し、液晶パネルの複数のデータ線を駆動するソースドライバであって、
前記輝度データの各ビットまたは前記クロックの少なくとも一方の波形を整形する波形整形部と、
前記波形整形部から出力される前記輝度データおよび前記クロックを受け、前記クロックによって前記輝度データの各ビットをラッチするデータラッチ部と、
前記データラッチ部によりラッチされた輝度データに応じた駆動電圧を生成し、データ線に供給する駆動部と、
を備え、
前記波形整形部は、前記輝度データの少なくともひとつのビットに含まれる所定のパターンを有するキャリブレーションデータを前記クロックでラッチしたデータがその期待値と一致するように、前記輝度データの各ビットまたは前記クロックの少なくとも一方の波形を整形することを特徴とするソースドライバ。
【請求項2】
前記波形整形部は、前記輝度データの各ビット、または前記クロックの少なくとも一方の遅延量を調節することを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項3】
前記キャリブレーションデータは、前記輝度データの全ビットに埋め込まれており、
前記波形整形部は、
前記輝度データの各ビットに可変遅延を与える複数のデータ用可変遅延素子と、
前記複数のデータ用可変遅延素子ごとに設けられ、対応するデータ用可変遅延素子の遅延量を調節する複数のスキュー調節部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記複数のデータ用可変遅延素子によって遅延された前記輝度データの各ビットに含まれる前記キャリブレーションデータを前記クロックのエッジでラッチし、
前記複数のスキュー調節部それぞれは、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、対応する前記データ用可変遅延素子の遅延量を調節することを特徴とする請求項2に記載のソースドライバ。
【請求項4】
前記キャリブレーションデータは、前記輝度データの所定ビットに埋め込まれており、
前記波形整形部は、
前記輝度データの各ビットに可変遅延を与える複数のデータ用可変遅延素子と、
前記複数のデータ用可変遅延素子の遅延量を制御するスキュー調節部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記データ用可変遅延素子によって遅延された前記輝度データの所定ビットに含まれる前記キャリブレーションデータを前記クロックのエッジでラッチし、
前記スキュー調節部は、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、前記複数のデータ用可変遅延素子の遅延量を調節することを特徴とする請求項2に記載のソースドライバ。
【請求項5】
前記キャリブレーションデータは、前記輝度データの全ビットに埋め込まれており、
前記波形整形部は、
前記クロックに可変遅延を与えるクロック用可変遅延素子と、
前記クロック用可変遅延素子の遅延量を調節するスキュー調節部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記輝度データの各ビットに含まれる前記キャリブレーションデータを前記クロック用可変遅延素子により遅延された前記クロックのエッジでラッチし、
前記スキュー調節部は、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、前記クロック用可変遅延素子の遅延量を調節することを特徴とする請求項2に記載のソースドライバ。
【請求項6】
前記キャリブレーションデータは、前記輝度データの所定ビットに埋め込まれており、
前記波形整形部は、
前記クロックに可変遅延を与えるクロック用可変遅延素子と、
前記クロック用可変遅延素子の遅延量を調節するスキュー調節部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記輝度データの所定ビットに含まれる前記キャリブレーションデータを前記クロック用可変遅延素子により遅延された前記クロックのエッジでラッチし、
前記スキュー調節部は、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、前記クロック用可変遅延素子の遅延量を調節することを特徴とする請求項2に記載のソースドライバ。
【請求項7】
前記波形整形部は、前記輝度データの各ビットまたは前記クロックの少なくとも一方のデューティ比を調節することを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項8】
前記キャリブレーションデータは、前記輝度データの全ビットに埋め込まれており、
前記波形整形部は、
前記輝度データの各ビットのデューティ比を調節する複数のデータ用デューティ比調節素子と、
前記複数のデータ用デューティ比調節素子ごとに設けられ、対応するデューティ比調節素子を制御する複数のデータ用デューティ比制御部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記複数のデータ用デューティ比調節素子によってデューティ比が調節された前記輝度データの各ビットに含まれる前記キャリブレーションデータを前記クロックのエッジでラッチし、
前記複数のデータ用デューティ比制御部それぞれは、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、対応する前記データ用デューティ比調節素子を制御することを特徴とする請求項7に記載のソースドライバ。
【請求項9】
前記キャリブレーションデータは、前記輝度データの所定ビットに埋め込まれており、
前記波形整形部は、
前記輝度データの各ビットのデューティ比を調節する複数のデータ用デューティ比調節素子と、
前記複数のデータ用デューティ比調節素子を制御するデータ用デューティ比制御部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記データ用デューティ比調節素子によってデューティ比が調節された前記輝度データの所定ビットに含まれる前記キャリブレーションデータを前記クロックのエッジでラッチし、
前記データ用デューティ比制御部は、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、前記複数のデータ用デューティ比調節素子を制御することを特徴とする請求項7に記載のソースドライバ。
【請求項10】
前記キャリブレーションデータは、前記輝度データの全ビットに埋め込まれており、
前記波形整形部は、
前記クロックのデューティ比を調節するクロック用デューティ比調節素子と、
前記クロック用デューティ比調節素子を制御するクロック用デューティ比制御部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記輝度データの各ビットに含まれる前記キャリブレーションデータを、前記クロック用デューティ比調節素子によりデューティ比が調節された前記クロックのエッジでラッチし、
前記クロック用デューティ比制御部は、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、前記クロック用デューティ比調節素子を制御することを特徴とする請求項7に記載のソースドライバ。
【請求項11】
前記キャリブレーションデータは、前記輝度データの所定ビットに埋め込まれており、
前記波形整形部は、
前記クロックのデューティ比を調節するクロック用デューティ比調節素子と、
前記クロック用デューティ比調節素子を制御するクロック用デューティ比制御部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記輝度データの所定ビットに含まれる前記キャリブレーションデータを、前記クロック用デューティ比調節素子によりデューティ比が調節された前記クロックのエッジでラッチし、
前記クロック用デューティ比制御部は、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、前記クロック用デューティ比調節素子を制御することを特徴とする請求項7に記載のソースドライバ。
【請求項12】
前記キャリブレーションデータは、前記輝度データの少なくともひとつのビットのブランク期間に埋め込まれることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のソースドライバ。
【請求項13】
前記波形整形部は、前記輝度データの各ビット、または前記クロックの少なくとも一方の遅延量およびデューティ比を調節することを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項14】
タイミングコントローラから出力される各画素の輝度を示す輝度データを、前記輝度データと同期したクロックとともに受信し、液晶パネルの複数のデータ線を駆動するソースドライバであって、
当該ソースドライバは、前記輝度データとは別に、専用のデータ線を介して前記クロックと同期した所定のパターンを有するキャリブレーションデータを受信するよう構成され、
前記輝度データの各ビットおよび前記キャリブレーションデータ、または前記クロックの少なくとも一方の波形を整形する波形整形部と、
前記波形整形部から出力される前記輝度データ、前記キャリブレーションデータおよび前記クロックを受け、前記クロックのエッジにより前記輝度データの各ビットおよび前記キャリブレーションデータをラッチするデータラッチ部と、
前記データラッチ部によりラッチされた輝度データに応じた駆動電圧を生成し、データ線に供給する駆動部と、
を備え、
前記波形整形部は、前記データラッチ部によりラッチした前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、前記輝度データの各ビットおよび前記キャリブレーションデータ、または前記クロックの少なくとも一方の波形を整形することを特徴とするソースドライバ。
【請求項15】
前記波形整形部は、前記輝度データの各ビットおよび前記キャリブレーションデータ、または前記クロックの少なくとも一方の遅延量を調節することを特徴とする請求項14に記載のソースドライバ。
【請求項16】
前記波形整形部は、
前記輝度データの各ビットおよび前記キャリブレーションデータそれぞれに、同一の可変遅延を与える複数のデータ用可変遅延素子と、
前記複数のデータ用可変遅延素子の遅延量を調節するスキュー調節部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記データ用可変遅延素子によって遅延された前記キャリブレーションデータを前記クロックのエッジでラッチし、
前記スキュー調節部は、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、前記複数のデータ用可変遅延素子の遅延量を調節することを特徴とする請求項15に記載のソースドライバ。
【請求項17】
前記波形整形部は、
前記クロックに可変遅延を与えるクロック用可変遅延素子と、
前記クロック用可変遅延素子の遅延量を調節するスキュー調節部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記キャリブレーションデータを前記クロック用可変遅延素子により遅延された前記クロックのエッジでラッチし、
前記スキュー調節部は、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、前記クロック用可変遅延素子の遅延量を調節することを特徴とする請求項15に記載のソースドライバ。
【請求項18】
前記波形整形部は、前記輝度データの各ビットまたは前記クロックの少なくとも一方のデューティ比を調節することを特徴とする請求項14に記載のソースドライバ。
【請求項19】
前記波形整形部は、
前記輝度データの各ビットおよび前記キャリブレーションデータそれぞれのデューティ比を調節する複数のデータ用デューティ比調節素子と、
前記複数のデータ用デューティ比調節素子を制御するデューティ比制御部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記データ用デューティ比調節素子によってデューティ比が調節された前記キャリブレーションデータを前記クロックのエッジでラッチし、
前記デューティ比制御部は、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、前記複数のデータ用デューティ比調節素子を制御することを特徴とする請求項18に記載のソースドライバ。
【請求項20】
前記波形整形部は、
前記クロックのデューティ比を制御するクロック用デューティ比調節素子と、
前記クロック用デューティ比調節素子を制御するデューティ比制御部と、
を含み、
前記データラッチ部は、前記キャリブレーションデータを前記クロック用デューティ比調節素子によってデューティ比が調節された前記クロックのエッジでラッチし、
前記デューティ比制御部は、ラッチされた前記キャリブレーションデータがその期待値と一致するように、前記クロック用デューティ比調節素子を制御することを特徴とする請求項18に記載のソースドライバ。
【請求項21】
前記波形整形部は、前記輝度データの各ビットおよび前記キャリブレーションデータ、または前記クロックの少なくとも一方の遅延量およびデューティ比を調節することを特徴とする請求項14に記載のソースドライバ。
【請求項22】
液晶パネルと、
前記液晶パネルのデータ線を駆動する請求項1から21のいずれかに記載のソースドライバと、
前記液晶パネルの走査線を駆動するゲートドライバ回路と、
を備えることを特徴とする液晶ディスプレイ装置。
【請求項23】
タイミングコントローラから出力される各画素の輝度を示す輝度データを、前記輝度データと同期したクロックとともに受信し、液晶パネルの複数のデータ線を駆動する方法であって、
前記輝度データの各ビットまたは前記クロックの少なくとも一方の波形を整形するステップと、
波形整形後の前記輝度データの各ビットを、波形整形後の前記クロックのエッジによりラッチするステップと、
ラッチされた前記輝度データに応じた駆動電圧を生成し、データ線に供給するステップと、
を備え、
所定のパターンを有するキャリブレーションデータが、前記輝度データの少なくともひとつのビットに含まれており、
前記波形を整形するステップは、前記キャリブレーションデータを前記クロックでラッチしたデータがその期待値と一致するように、前記輝度データの各ビットまたは前記クロックの少なくとも一方の波形を整形することを特徴とする駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−109953(P2009−109953A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284931(P2007−284931)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】