説明

タイマー制御装置

【課題】負荷の出力レベルが過剰に高くされることを避けることができるタイマー制御装置を提供する。
【解決手段】予め設定された時刻に負荷をオンオフ制御するタイマー制御装置であって、負荷の出力が高いほど高い出力を生成する出力検出部を備える。負荷をオフさせるオフ動作においては、オフ動作の開始時T1から出力検出部の出力が所定のオフ閾値を下回るまで負荷の出力レベルを徐々に低下させた後に負荷をオフさせる。また、負荷をオンさせるオン動作においては、負荷をオンさせた直後の時点T3で、出力検出部の出力がオフ閾値未満であれば図1(a)に示すようにオン動作の終了時点T4まで負荷の出力レベルを徐々に上昇させるが、出力検出部の出力がオフ閾値以上であれば図1(b)に示すように負荷の出力レベルを上昇させない。これにより、オン動作によって負荷の出力が過剰に高くされることが避けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイマー制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、入力された制御信号に応じてオンオフされる負荷に対し、予め設定された時刻に、予め設定された制御信号を送信するタイマー制御装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のタイマー制御装置として、出力レベルを変更可能であってオン時には出力レベルが高いほど高い出力で動作しオフされている期間中にも出力レベルが維持される負荷に用いられ、図6に示すように、負荷をオフさせる際には出力レベルを所定の低下幅だけ徐々に低下させた後で負荷をオフし、負荷をオンさせた直後には所定の上昇幅だけ負荷の出力レベルを徐々に上昇させるものがある。これにより、オンオフ時の負荷の出力の変化を緩やかとし、タイマー制御装置による制御が使用者に与える違和感を低減することができる。
【0004】
具体的に説明すると、負荷は例えばオーディオ機器や照明器具やテレビであり、出力レベルに応じて変化する出力は例えば音量や輝度である。
【0005】
また、制御信号は、例えば一般的なリモコンと同様に赤外光を媒体として送信される。
【0006】
さらに、負荷のオフ時の上記出力レベルの低下、並びに、負荷のオン時の上記出力レベルの上昇は、負荷の出力レベルを所定の幅(例えば1段階)だけ変更させる制御信号を所定時間おきに所定の回数だけ負荷へ送信することにより行なわれる。
【特許文献1】特開2002−006070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、タイマー制御装置によって負荷がオフされた後、使用者が別途のリモコンを用いて負荷をオンして負荷の出力レベルを上昇させた状態で負荷をオフしていた場合、図7に示すように、次にタイマー制御装置によって負荷がオンされたときには、負荷の出力レベルが、タイマー制御装置によってオフされた直後の負荷の出力レベルよりも高くなっているから、タイマー制御装置によって上記所定の上昇幅だけ負荷の出力レベルが上昇させられた結果、最終的な負荷の出力レベルが過剰に高くなってしまう可能性があった。
【0008】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、負荷の出力レベルが過剰に高くされることを避けることができるタイマー制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、所定の制御時刻に自動的に負荷を制御するタイマー制御装置であって、制御対象となる負荷は、入力された制御信号に応じてオンオフと出力レベルの増減とが可能であってオン時には出力レベルに応じた出力で動作しオフされている期間中にも出力レベルが保存されるものであり、制御対象の負荷の出力が高いほど高い出力を生成する出力検出部と、時刻を計時する計時部と、負荷の制御を行うべき時刻である制御時刻と該制御時刻に行なわれるべき制御の内容との組を示す制御プログラムが少なくとも1個格納された記憶部と、出力検出部の出力と計時部によって計時された時刻と記憶部に格納された制御プログラムとに応じて制御信号を生成する制御部と、制御部によって制御信号が生成されたときに制御部に制御されて該制御信号を負荷へ送信する通信部とを備え、制御部は、計時部によって計時された時刻が記憶部に格納された制御プログラムのうち制御内容がオフであるいずれかの制御プログラムの制御時刻となったときには、負荷の出力レベルが制御信号によって変更可能な限りで最低の出力レベルであった場合に出力検出部の出力がとり得る最低値以上の値である所定のオフ閾値を出力検出部の出力が下回るまで負荷の出力レベルを所定の制御幅だけ低下させる制御信号である低下信号を所定時間おきに繰り返し生成して負荷の出力レベルを徐々に低下させた後、負荷をオフさせる制御信号を生成するというオフ動作を開始し、また、制御部は、計時部によって計時された時刻が記憶部に格納された制御プログラムのうち制御内容がオンであるいずれかの制御プログラムの制御時刻となったとき、負荷をオンさせる制御信号を生成した後、出力検出部の出力がオフ閾値以上であった場合には該制御プログラムによる動作を終了し、出力検出部の出力がオフ閾値未満であった場合には負荷の出力レベルを制御幅だけ上昇させる制御信号である上昇信号を予め記憶部に格納された上昇回数まで所定時間おきに繰り返し生成して負荷の出力レベルを徐々に上昇させるというオン動作を開始することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、オン動作の開始時に出力検出部の出力がオフ閾値以上であれば負荷の出力レベルを上昇させないから、オン動作において負荷の出力が過剰に高くされることを避けることができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、制御プログラムの内容を指示する操作入力を受け付ける入力部を備え、制御部は、入力部に受け付けられた操作入力に応じた制御プログラムを生成して記憶部に格納することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、制御プログラムの内容を使用者が自由に設定することができる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、制御部は、オフ動作の終了時に、該オフ動作中に低下信号を生成した回数を、次回のオン動作時に用いる上昇回数として記憶部に格納することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、オフ動作の開始後から次のオン動作の終了までの期間に他の要因によってが負荷の出力レベルが変動していなければ、オン動作の終了時には直前のオフ動作の前の出力レベルが再現されることになり、使用者に違和感を与えにくい。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、制制御部がオン動作時に用いる上昇回数は、入力部への操作入力によって指示される制御プログラムの内容として記憶部に格納されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、オン動作時の出力レベルの上昇幅を含めて、制御プログラムの内容を使用者が自由に設定することができる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、制御対象となる負荷は、制御信号とは別途に入力された音声信号に示された音量に出力レベルを乗じた出力としての音量で音声を出力するものであって、負荷に入力される音声信号に対して音量を0としない別の音声信号を重畳させる重畳部を有することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、音声信号に示された音量が0であっても、重畳部によって重畳される別の音声信号により、負荷の音量が0となることがないから、出力検出部による出力レベルの検出が可能となる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、オン動作の開始時に出力検出部の出力がオフ閾値以上であれば負荷の出力レベルを上昇させないから、オン動作において負荷の出力が過剰に高くされることを避けることができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、制御プログラムの内容を指示する操作入力を受け付ける入力部を備えることにより、制御プログラムの内容を使用者が自由に設定することができる。
【0021】
請求項3の発明によれば、オフ動作において低下信号が送信された回数だけ、次のオン動作時に上昇信号が送信されるから、オフ動作の開始後から次のオン動作の終了までの期間に他の要因によってが負荷の出力レベルが変動していなければ、オン動作の終了時には直前のオフ動作の前の出力レベルが再現されることになり、使用者に違和感を与えにくい。
【0022】
請求項4の発明によれば、入力部への操作入力によりオン動作時の上昇回数を使用者が自由に設定することができる。
【0023】
請求項5の発明によれば、負荷に入力される音声信号に対して音量を0としない別の音声信号を重畳させる重畳部を有するので、音声信号に示された音量が0であっても、重畳部によって重畳される別の音声信号により、負荷の音量が0となることがないから、出力検出部による出力レベルの検出が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(実施形態1)
本実施形態のタイマー制御装置1の基本構成を図2に示す。本実施形態は、予め設定された制御時刻に負荷Zのオンオフを切り替える制御を自動的に行うものである。
【0026】
本実施形態が制御の対象とする負荷Zは、入力された制御信号に応じてオンオフと出力レベルの増減とが可能であって、オン時には出力レベルに応じた出力で動作し、オフされている期間中にも出力レベルが保存されるものである。このような負荷Zとしては例えば照明器具やオーディオ機器がある。負荷Zが照明器具である場合には出力は輝度であり、負荷Zがオーディオ機器である場合には出力は音量である。制御信号は、有線で送受信されるものであってもよいし、赤外光や電波を媒体として無線で送受信されるものであってもよい。
【0027】
本実施形態は、時刻を計時する計時部11と、例えばEEPROMのような不揮発性のメモリからなり負荷Zの制御を行うべき時刻である制御時刻と該制御時刻に行われるべきオン又はオフの制御内容との組を示す制御プログラムが少なくとも1個格納された記憶部12と、計時部11によって計時された時刻(以下、「現在時刻」と呼ぶ。)が記憶部12に格納された制御プログラムのいずれかの制御時刻となったときに該制御プログラムの内容に応じた制御信号を生成する制御部13と、制御部13によって制御信号が生成されたときに制御部13に制御されて該制御信号を負荷Zへ送信する通信部14と、例えば液晶パネルや発光ダイオードを有して制御部13によって制御され動作状態や現在時刻等の表示がなされる表示部15とを備える。制御プログラムとしては、制御時刻を毎日の所定時刻に設定されたものや、制御時刻を所定の曜日の所定の時刻に設定されたもののほか、1回の実行で消去されるいわゆるオン・オフタイマー動作用のものもある。
【0028】
計時部11と制御部13とは、それぞれ周知技術によって実現可能であるので詳細な説明は省略する。
【0029】
また、通信部14は、例えば、制御信号が赤外光を媒体として送受信される場合には赤外発光ダイオードを有するものであり、制御信号が電波を媒体として送受信される場合にはアンテナを有するものである。
【0030】
さらに、本実施形態は、計時部11の時刻を設定する操作入力や制御プログラムの内容を指示する操作入力を受け付ける入力部16を有する。入力部16は例えば複数個の押釦によって構成することができるほか、周知のタッチパネルによって表示部15と一体に構成してもよい。また、入力部16を他の部位から分離されて持ち運び可能なリモコン装置に構成するとともに、周知の無線通信技術によって入力部16と制御部13との間での通信が行われるようにしてもよい。制御部13は、入力部16に受け付けられた操作入力に応じて、計時部11における時刻の設定や、記憶部12における制御プログラムの追加・削除及び更新を行う。
【0031】
また、本実施形態は、負荷Zの出力が高いほど高い出力を生成する出力検出部17を有し、制御部13が出力検出部17の出力に応じた動作を行うことを特徴としている。出力検出部17は、例えば、負荷Zが照明器具の場合には周知の照度センサを有するものであり、負荷Zがオーディオ機器の場合には周知のマイクロホンを有するものである。出力検出部17の出力は、表示部15で表示可能としてもよい。
【0032】
以下、図3の流れ図を用いて、制御部13の動作を説明する。制御部13は、始動(S1)後、計時部11によって計時された時刻である現在時刻が制御時刻となったか否かを監視(S2)する。そして、制御部13は、現在時刻が記憶部12に格納された制御プログラムのうちいずれかの制御プログラムの制御時刻となったときには、該制御プログラムの内容がオンかオフかを判定し(S3)、該制御プログラムの内容がオフであれば、負荷Zをオフさせるオフ動作を開始する。すなわち、制御部13は、まずカウント数Nを0にリセットし(S4)、出力検出部17の出力Pを所定のオフ閾値P1と比較する(S5)。出力検出部17の出力Pがオフ閾値P1以上であれば、制御部13は、負荷Zの出力レベルを所定の制御幅(例えば1段階)だけ低下させる制御信号である低下信号を生成して通信部14を制御し該低下信号を負荷Zへ送信させるとともに、カウント数Nに1を加算し(S6)、所定の待機時間だけ待機した後、ステップS5に戻る。ここで、待機時間は、制御信号が負荷Zの出力に反映されるのに十分な時間とするが、入力部16への操作入力に応じて変更可能としてもよい。そして、ステップS5において、出力検出部17の出力Pがオフ閾値P1未満となっていれば、制御部13は、負荷Zをオフさせる制御信号であるオフ信号を生成して通信部14を制御し該オフ信号を負荷Zへ送信させて上記制御プログラムによるオフ動作を終了するとともに、記憶部12に格納されて後述するオン動作に用いられる上昇回数Nmを、その時点でのカウント数Nに更新し(S7)、その後ステップS2に戻る。つまり、上記のオフ動作により、所定の待機時間おきに低下信号が負荷Zへ送信された後でオフ信号が送信されるのであり、負荷Zは、徐々に出力レベルを低下させた後でオフされる。また、オフ閾値P1は、負荷Zの出力レベルが制御信号によって変更可能な限りで最低の出力レベルであった場合に出力検出部17の出力がとり得る最低値以上とされる。すなわち、出力レベルが既に最低になっている負荷Zへの無駄な低下信号の送信が抑制されている。
【0033】
一方、制御部13は、ステップS3において制御時刻が現在時刻となっている制御プログラムの制御内容がオンであった場合には、負荷Zをオンさせるオン動作を開始する。すなわち、負荷Zをオンさせる制御信号であるオン信号を生成して通信部14を制御し該オン信号を負荷Zへ送信させ、カウント数Nを0にリセットした(S8)後、出力検出部17の出力Pを所定のオフ閾値P1と比較する(S9)。出力検出部17の出力Pがオフ閾値P1未満であれば、制御部13は次にカウント数Nを記憶部12に格納された上昇回数Nmと比較する(S10)。なお、オフ動作が行なわれたことがない場合であっても、記憶部12には出荷時に上昇回数Nmとして予め一定の値が格納されている。ステップS10においてカウント数Nが上昇回数Nmに達していなければ、制御部13は、オフ動作時の低下信号が低下させる出力レベルの幅と同じ制御幅だけ負荷Zの出力レベルを上昇させる制御信号である上昇信号を生成して通信部14を制御し該上昇信号を負荷Zへ送信させるとともに、カウント数Nに1を加算して(S11)、待機時間の経過後にステップS10に戻る。そして、ステップS10において、カウント数Nが上昇回数Nmに達していれば、制御部13は上記制御プログラムによるオン動作を終了してステップS2に戻る。上記のオン動作により、オン信号が送信された後で所定の待機時間おきに上昇回数Nmだけ低下信号が負荷Zへ送信されるのであり、負荷Zは、オンされた後、前回のオフ動作時に低下させた出力レベルの分だけ、徐々に出力レベルを上昇させる。すなわち、オフ動作の開始後から次のオン動作の終了までの期間に本実施形態のタイマー制御装置1以外が負荷Zの出力レベルを変動させていなければ、オン動作の終了時には直前のオフ動作の前の出力レベルが再現される。
【0034】
また、オン動作の開始時のステップS9において、出力検出部17の出力Pがオフ閾値P1以上であった場合には、上昇信号を生成することなく、上記制御プログラムによるオン動作を終了し、ステップS2に戻る。
【0035】
上記構成によれば、図1(b)に示すように、オン動作の開始時T3に負荷Zの出力がオフ閾値P1に対応する所定の値よりも大きかった場合には上昇信号が送信されることがないから、オン動作によって負荷Zの出力レベルが過剰に上昇することが避けられる。
【0036】
また、既に述べたように、所定のオフ閾値P1と出力検出部17の出力Pとの比較により、オフ動作時には出力レベルが既に最低になっている負荷Zへの無駄な低下信号の送信が抑制されている上に、オン動作時に上昇信号を送信する回数である上昇回数Nmは、オフ動作時に低下信号が送信された回数となっている。従来例では、オン動作とオフ動作とで上昇信号や低下信号を送信する回数すなわちオン動作やオフ動作の全体としての出力レベルの変動幅が一定であったから、例えば図4に示すように、オフ動作の開始時点T1での出力レベルが低すぎ、最低の出力レベルとの差が上記変動幅未満であった場合に、オフ動作の終了時点T2付近で低下信号の無駄な送信が生じる一方、オン動作終了時点T4での出力レベルは直前のオフ動作の開始時点T1での出力レベルよりも高くなってしまい、使用者に違和感を与えるという問題があった。これに対し、本実施形態では、上記のように出力検出部17の出力を用いることにより負荷Zへの無駄な低下信号の送信が抑制されている上に、オン動作時には直前のオフ動作時に低下信号が送信された回数である上昇回数Nmだけ上昇信号を送信するから、図1(a)に示すようにオフ動作の開始時点T1での出力レベルが低い場合でも、オフ動作の開始時点T1とオン動作の終了時点T4との間で他の要因による出力レベルの変動がなければ、オン動作の終了時点T4では直前のオフ動作の開始時点T1での出力レベルが再現され、使用者に違和感を与えにくい。
【0037】
なお、オフ動作において、負荷Z以外の要因により出力検出部17の出力がオフ閾値P1を下回らない可能性がある場合には、予め記憶部12に格納された上限数にカウント数Nが達したときにオフ動作が終了するようにしてもよい。上記の上限数は、例えば制御信号による出力レベルの変動幅の最大値を制御幅で除した値としてもよいし、入力部16への操作入力によって変更可能としてもよい。上記の負荷Z以外の要因としては、例えば負荷Zが照明器具であって出力検出部17が光を検出するものである場合には太陽や他の照明器具など負荷Z以外の光源からの光(いわゆる環境光)が考えられ、負荷Zがオーディオ機器であって出力検出部17が音を検出するものである場合には負荷Z以外の音源からの音(いわゆる環境音)が考えられる。
【0038】
また、オン動作に用いられる上昇回数Nmとして上記のように直前のオフ動作中での低下信号の送信回数を用いる代わりに、上昇回数Nmを入力部16において制御プログラムの内容として設定可能としてもよい。この構成を採用すれば、例えば制御時刻が夜である場合には制御時刻が昼である場合よりも上昇回数Nmを少なくするといったように、使用者の都合に合わせた設定が可能となる。
【0039】
又は、出力検出部17の出力と上昇回数Nmとの対応関係を示すテーブル又は数式を予め記憶部12に格納しておくとともに、オン動作時に、制御部13は、オン信号を送信する前の出力検出部17の出力(つまり環境光や環境音の検出値)と上記のテーブル又は数式とから上昇回数Nmを得るようにし、例えばオン信号を送信する前の出力検出部17の出力が高いほど上昇回数Nmを多くしてもよい。
【0040】
さらに、制御部13が、オン動作のステップ10において、カウント数Nの判定とともに、オフ閾値P1よりも高い所定のオン閾値と出力検出部17の出力Pとの比較を行い、出力検出部17の出力Pがオン閾値未満で且つカウント数Nが上昇回数Nmに達していない場合にはオン動作を継続する一方、出力検出部17の出力Pがオン閾値以上であった場合には、カウント数Nが上昇回数Nmに達した場合と同様にオン動作を終了するようにしてもよい。この構成を採用すれば、記憶部12に格納された上昇回数Nmが大きい場合でも、負荷Zの出力が過剰に(上記のオン閾値に対応した出力以上に)高くなることが防止される。
【0041】
また、周知の通信技術を用いて、1個のタイマー制御装置1から複数個の負荷Zに対して個別又は一斉に制御信号を送信可能としてもよい。複数個の負荷Zの中から制御の対象を選択可能とする場合、制御プログラムには、負荷Zを指定する情報が含まれる。さらに、共通の媒体で制御信号を送受信する複数個の負荷Zを個別に制御する場合、制御信号には、負荷Zのアドレスなどの情報が含まれ、負荷Zとしては、自己のアドレスを含む制御信号のみを受け付けるものが用いられる。
【0042】
(実施形態2)
本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるので、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0043】
本実施形態のタイマー制御装置1が制御の対象とする負荷は、図5に示すように、制御信号とは別途にチューナーTUから入力された音声信号に示された音量に出力レベルを乗じた出力としての音量で音声を出力するテレビTVであって、出力検出部17はマイクロホンを有する。
【0044】
上記のテレビTVのように制御信号とは別途に入力された音声信号と出力レベルとで出力たる音量が決定する負荷の場合、放送終了後など音声信号に示された音量が0である期間には、音量に出力レベルが反映されないから、実施形態1のような出力検出部17の出力を用いた制御で過剰に出力レベルを上げる可能性が生じてしまう。
【0045】
そこで、本実施形態は、音声信号の出力元であるチューナーTUとテレビTVとの間に接続され、チューナーTUの出力した音声信号に対し、音量を0としない別の音声信号(以下、「重畳信号」と呼ぶ。)を重畳してテレビTVに入力する重畳部18を備える。チューナーTUからは、音声信号以外にも映像信号がテレビTVに入力されるが、こちらは重畳部18を介さずに直接テレビTVに入力される。
【0046】
上記構成によれば、チューナーTUから出力される音声信号に示された音量が0である期間にも、重畳信号により、テレビTVに入力される音声信号に示される音量は0とはならないから、出力検出部17による制御を正常に行うことができる。
【0047】
ここで、重畳信号による音声が使用者に不快感を与えることがないように、重畳信号に示される音声の周波数は、人間には聞き取れない音域の周波数であることが最も望ましい。しかし、一般的には、テレビTVのようなAV(Audio-Visual)機器やオーディオ機器は、人間が聞き取れないような音域には対応していない。従って、現実的には、重畳信号に示される音声の周波数としては、なるべく人間の耳に聞き取りにくいように、人間の耳に聞こえる音域(可聴域)の端に近い周波数を選択するとよい。例えば、制御対象とするテレビTVが20Hz〜20kHzの音域の音声を発生させることができる場合には、重畳信号に示される音声の周波数は、可聴域の高周波側の端に近い周波数である20kHzとする。
【0048】
さらに、出力検出部17が、テレビTVが出力した音声のうち重畳部18が重畳した重畳信号による成分(以下、「重畳成分」と呼ぶ。)を周知の技術によって抽出し、重畳成分の音量が大きいほど高い出力を生成するようにしてもよい。この構成を採用すれば、チューナーTUから出力される音声信号の音量の変動による誤動作や、環境音による誤動作を抑制することができる。重畳成分が抽出されやすくするためには、重畳部18は重畳信号が示す音声(すなわち重畳成分)の周波数を一定のパターンで変動させるとともに、出力検出部17は重畳部18の動作に同期して重畳成分の抽出を行うようにすることが望ましい。
【0049】
なお、負荷の例としてテレビTVを挙げたが、例えばCDプレイヤーから音声信号を入力されるスピーカーなど、制御信号とは別途に音声信号が入力される負荷であれば、本実施形態の構成は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】(a)(b)はそれぞれ本発明の実施形態1の動作を示す説明図であり、(a)はオフ動作の開始時から次のオン動作の終了時まで他の要因による出力レベルの変動がなかった場合を示し、(b)はオフ動作の終了時から次のオン動作の開始時までの期間に他の要因による出力レベルの上昇があった場合を示す。
【図2】同上を示すブロック図である。
【図3】同上の動作を示す流れ図である。
【図4】同上の比較例の動作を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態2を示すブロック図である。
【図6】タイマー制御装置の動作の一例を示す説明図である。
【図7】従来のタイマー制御装置の課題を示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
1 タイマー制御装置
11 計時部
12 記憶部
13 制御部
14 通信部
16 入力部
17 出力検出部
18 重畳部
TV テレビ(請求項における負荷)
Z 負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の制御時刻に自動的に負荷を制御するタイマー制御装置であって、
制御対象となる負荷は、入力された制御信号に応じてオンオフと出力レベルの増減とが可能であってオン時には出力レベルに応じた出力で動作しオフされている期間中にも出力レベルが保存されるものであり、
制御対象の負荷の出力が高いほど高い出力を生成する出力検出部と、
時刻を計時する計時部と、
負荷の制御を行うべき時刻である制御時刻と該制御時刻に行なわれるべき制御の内容との組を示す制御プログラムが少なくとも1個格納された記憶部と、
出力検出部の出力と計時部によって計時された時刻と記憶部に格納された制御プログラムとに応じて制御信号を生成する制御部と、
制御部によって制御信号が生成されたときに制御部に制御されて該制御信号を負荷へ送信する通信部とを備え、
制御部は、計時部によって計時された時刻が記憶部に格納された制御プログラムのうち制御内容がオフであるいずれかの制御プログラムの制御時刻となったときには、負荷の出力レベルが制御信号によって変更可能な限りで最低の出力レベルであった場合に出力検出部の出力がとり得る最低値以上の値である所定のオフ閾値を出力検出部の出力が下回るまで負荷の出力レベルを所定の制御幅だけ低下させる制御信号である低下信号を所定時間おきに繰り返し生成して負荷の出力レベルを徐々に低下させた後、負荷をオフさせる制御信号を生成するというオフ動作を開始し、
また、制御部は、計時部によって計時された時刻が記憶部に格納された制御プログラムのうち制御内容がオンであるいずれかの制御プログラムの制御時刻となったとき、負荷をオンさせる制御信号を生成した後、出力検出部の出力がオフ閾値以上であった場合には該制御プログラムによる動作を終了し、出力検出部の出力がオフ閾値未満であった場合には負荷の出力レベルを制御幅だけ上昇させる制御信号である上昇信号を予め記憶部に格納された上昇回数まで所定時間おきに繰り返し生成して負荷の出力レベルを徐々に上昇させるというオン動作を開始することを特徴とするタイマー制御装置。
【請求項2】
制御プログラムの内容を指示する操作入力を受け付ける入力部を備え、
制御部は、入力部に受け付けられた操作入力に応じた制御プログラムを生成して記憶部に格納することを特徴とする請求項1記載のタイマー制御装置。
【請求項3】
制御部は、オフ動作の終了時に、該オフ動作中に低下信号を生成した回数を、次回のオン動作時に用いる上昇回数として記憶部に格納することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のタイマー制御装置。
【請求項4】
制御部がオン動作時に用いる上昇回数は、入力部への操作入力によって指示される制御プログラムの内容として記憶部に格納されていることを特徴とする請求項2記載のタイマー制御装置。
【請求項5】
制御対象となる負荷は、制御信号とは別途に入力された音声信号に示された音量に出力レベルを乗じた出力としての音量で音声を出力するものであって、
負荷に入力される音声信号に対して音量を0としない別の音声信号を重畳させる重畳部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイマー制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−128077(P2009−128077A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301044(P2007−301044)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】