説明

タイヤ加硫金型の製造方法

【課題】セグメント素材25に対して機械加工を施す際の位置決めを容易に行う。
【解決手段】鋳造時にセグメント素材25のタイヤ幅方向両端面26等に基準部としての穴27を設けるとともに、該穴27を用いてセグメント素材25に対し機械加工時における位置決めを行うようにしているため、セグメント素材25の機械加工時における位置決めを容易に行うことができ、作業能率が向上するとともに、簡易的に位置決め用の治具に取り付けることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、弧状を呈する複数の弧状セグメントを有するタイヤ加硫金型の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタイヤ加硫金型の製造方法としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−076224号公報
【0004】
このものは、鋳造によって弧状を呈するセグメント素材を成型する工程と、該セグメント素材に機械加工を施して弧状セグメントとする工程とを備えているが、通常、前述の機械加工は、セグメント素材のタイヤ幅方向一端面に対し機械加工を施した後、この機械加工の終了したタイヤ幅方向一端面を用いてセグメント素材の位置決めを行うとともに、周方向両端面に対して機械加工を施し、次に、この機械加工の終了した周方向両端面を用いてセグメント素材の位置決めを行うとともに、タイヤ幅方向他端面に対して機械加工を施し、その後、この機械加工の終了したタイヤ幅方向他端面を用いてセグメント素材の位置決めを行うとともに、内周面および外周面に対して機械加工を施すという順序で行っている
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来のタイヤ加硫金型の製造方法にあっては、直前に機械加工が終了した面を基準として、再度セグメント素材の位置決めを行い、その後、次に面に対し機械加工を施すようにしているため、セグメント素材の各面を機械加工する毎にセグメント素材の位置決めを行う必要があり、この結果、多くの工数、時間が必要となって作業能率が低下してしまうという課題があった。
【0006】
この発明は、セグメント素材に対して機械加工を施す際の位置決めを容易に行うことができるタイヤ加硫金型の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、第1に、弧状を呈しタイヤ幅方向中央部内周面にタイヤ外表面を型付けする型付け面が形成された複数の弧状セグメントを有するタイヤ加硫金型の製造方法であって、タイヤ幅方向両端面に基準部を有するセグメント素材を鋳造により成型する工程と、前記基準部を用いてセグメント素材に対し機械加工時における位置決めを行う工程と、位置決めされたセグメント素材に対し機械加工を施して弧状セグメントとする工程とを備えたタイヤ加硫金型の製造方法により、達成することができる。
【0008】
第2に、弧状を呈しタイヤ幅方向中央部内周面にタイヤ外表面を型付けする型付け面が形成された複数の弧状セグメントを有するタイヤ加硫金型の製造方法であって、前記型付け面よりタイヤ幅方向両外側に位置する両外側内周面に基準部を有するセグメント素材を鋳造により成型する工程と、前記基準部を用いてセグメント素材に対し機械加工時における位置決めを行う工程と、位置決めされたセグメント素材に対し機械加工を施して弧状セグメントとする工程とを備えたタイヤ加硫金型の製造方法により、達成することができる。
【0009】
第3に、弧状を呈しタイヤ幅方向中央部内周面にタイヤ外表面を型付けする型付け面が形成された複数の弧状セグメントを有するタイヤ加硫金型の製造方法であって、周方向両端面に基準部を有するセグメント素材を鋳造により成型する工程と、前記基準部を用いてセグメント素材に対し機械加工時における位置決めを行う工程と、位置決めされたセグメント素材に対し機械加工を施して弧状セグメントとする工程とを備えたタイヤ加硫金型の製造方法により、達成することができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明においては、セグメント素材のタイヤ幅方向両端面に設けられた基準部を用いて機械加工時におけるセグメント素材の位置決めを行うようにしており、また、請求項2に係る発明においては、セグメント素材の両外側内周面に設けられた基準部を用いて機械加工時におけるセグメント素材の位置決めを行うようにしており、さらに、請求項3においては、セグメント素材の周方向両端面に設けられた基準部を用いて機械加工時におけるセグメント素材の位置決めを行うようにしているため、セグメント素材の機械加工時における位置決めを容易に行うことができ、作業能率が向上するとともに、簡易的に位置決め用の治具に取り付けることもできる。
【0011】
また、請求項4に記載のように構成すれば、セグメント素材の半径方向の位置決め、即ち加工装置に対するセグメント素材の芯出しを容易にかつ高精度で行うことができる。ここで、基準部を突起とした場合には、突起を基準とした機械加工終了後に該突起を除去する必要があるが、請求項5に記載のように基準部を穴とすれば、除去作業が不要となって作業能率が向上するとともに、タイヤ加硫金型を長時間使用した後に、再度、機械加工を行う際にも残留している凹みを基準として機械加工を容易に行うことができる。さらに、請求項6に記載のように構成すれば、基準部としての穴によるセグメント素材の位置決めを確実なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施形態1を示すタイヤ加硫金型の正面断面図である。
【図2】鋳造直後のセグメント素材を示す斜視図である。
【図3】セグメント素材において曲率中心の相対位置関係を求める工程を説明する側面図である。
【図4】セグメント素材において曲率中心の相対位置関係を求める他の工程を説明する側面図である。
【図5】セグメント素材を機械加工しているときの一部破断正面図である。
【図6】この発明の実施形態2を示す鋳造直後のセグメント素材の斜視図である。
【図7】この発明の実施形態3を示す鋳造直後のセグメント素材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2において、10は周方向に並べて配置された複数、例えば 7〜13個の弧状を呈する弧状セグメントとしてのセクターセグメントであり、これらセクターセグメント10の内周面11でタイヤ幅方向中央部には未加硫タイヤの外表面、ここでは主にトレッド部外表面を型付けする型付け面(意匠面)12が形成され、該型付け面12には前記トレッド部に周方向に延びる主溝を形成する複数の突出した主骨13が設けられている。そして、これらセクターセグメント10は図示していない拡縮機構により半径方向に同期移動して拡縮することができ、半径方向内側限まで移動したとき、隣接するセクターセグメント10の周方向端面14同士が密着(面接触)して連続リング状となる。前述した複数のセクターセグメント10は全体として、リング状のセクターモールド15を構成する。
【0014】
18は前記セクターモールド15の直下に配置された略鍔状の下モールドであり、この下モールド18の上面には未加硫タイヤの外表面、ここでは主に下側サイドウォール部外表面を型付けする型付け面(意匠面)19が形成されている。20は前記セクターモールド15の上方に配置された略鍔状の昇降可能な上モールドであり、この上モールド20の下面には未加硫タイヤの外表面、ここでは主に上側サイドウォール部外表面を型付けする型付け面(意匠面)21が形成されている。
【0015】
ここで、前述のようにセクターセグメント10が半径方向内側限まで移動して連続リング状を呈しているとき、該セクターセグメント10に下降限の上モールド20および下モールド18が上下から密着すると、これらセクターセグメント10および下、上モールド18、20の内部には未加硫タイヤを収納するドーナツ状の加硫空間が形成される。前述したセクターモールド15、下、上モールド18、20は全体として、加硫空間に収納された未加硫タイヤを図示していないブラダと共に加硫するタイヤ加硫金型22を構成する。
【0016】
そして、前述したセクターセグメント10は、通常、鋳型を成型した後、該鋳型内にアルミニウム合金、鉄系合金を鋳込む鋳造法により、該セクターセグメント10の素材であるセグメント素材25を成型した後、該セグメント素材25の表面に対し機械加工を施すことで製造する。ここで、前記セグメント素材25を鋳造法により成型するのは、セクターセグメント10の形状が複雑でコーナー形状が鋭利であり、また、異種金属であるサイプ用ブレードの鋳ぐるみ等に対応するためである。なお、前述の型付け面12に関しては機械加工を行わず、通常、鋳放しで使用する。
【0017】
ここで、前述のセグメント素材25を鋳造により成型する際、該セグメント素材25のタイヤ幅方向端面26の両面、即ち、幅方向一側端面26aおよび幅方向他側端面26bには、それぞれ基準部としての穴27、ここでは2個の穴27aおよび穴27bがそれぞれ形成されており、これら穴27aおよび穴27bはいずれも有底の円形穴で、周方向に大きく離隔している、ここではタイヤ幅方向両端面26の周方向両端部にそれぞれ配置されている。なお、この発明においては、前述の基準部は幅方向一側、他側端面26a、26bにおいて合計で3個設ける、例えば、幅方向一側端面26aに2個、幅方向他側端面26bに1個だけ設けるようにしてもよい。
【0018】
このように鋳造によって成型されたセグメント素材25を、その後、型付け面12を上側として図示していない平坦な支持台上に載置した後、三次元測定器を用いてセグメント素材25の型付け面12の周方向における内周面形状、即ち、型付け面12の曲率中心の位置および曲率半径を測定するとともに、型付け面12よりタイヤ幅方向両外側に位置する両外側内周面31、32の周方向における内周面形状、即ち曲率中心の位置および曲率半径をそれぞれ測定する。そして、このような測定結果から型付け面12の曲率中心と外側内周面31、32の曲率中心との相対位置関係、即ちずれの方向およびずれ量を求める。
【0019】
ここで、前述した三次元測定器30としては、例えば、図3に示すような非接触プローブとしてのレーザーセンサ33を周方向に移動させながらレーザーセンサ33の座標および該レーザーセンサ33と型付け面12、外側内周面31、32との間の距離を計測することで、前記型付け面12および外側内周面31、32の内周面形状を測定するものを挙げることができる。また、接触式プローブを周方向に移動させながら型付け面12および外側内周面31、32の表面に間欠的に多数回接触させ、該接触位置の座標を計測することで、前記型付け面12および外側内周面31、32の内周面形状を測定するものも知られている。
【0020】
また、型付け面12の曲率中心と外側内周面31、32の曲率中心との相対位置関係は、図4に示すように、外側内周面31、32に支持ピン36の先端がそれぞれ接触している扇形をした一対の支持フレーム37の中心に型付け面12の中心軸線に平行な中心シャフト38を貫通して固定するとともに、前記一対の支持フレーム37間の中心シャフト38にダイアルゲージ39が先端に取り付けられた揺動アーム40を揺動可能に支持させ、前記ダイアルゲージ39の測定スピンドル39aの先端を型付け面12に接触させながら揺動アーム40を揺動させることで、中心シャフト38から型付け面12までの距離を周方向に連続して測定することで、求めることもできる。
【0021】
次に、前記セグメント素材25に対し機械加工を施す場合には、該機械加工に先立ち、セグメント素材25を加工装置に対して位置決めする。この場合には、まず、図5に示すように、前記幅方向一側端面26aを上側とし、幅方向他側端面26bを下側とした状態で上、下位置決めプレート43、44により該セグメント素材25を上下から挟持する。このとき、前記上位置決めプレート43の下面には穴27a間の距離と等距離だけ離れ前記穴27aと補完関係にある円柱状の突起43aが2個だけ形成されているが、これらの突起43aを前記穴27aにそれぞれ挿入する。一方、前記下位置決めプレート44の上面には穴27b間の距離と等距離だけ離れ前記穴27bと補完関係にある円柱状の突起44aが2個だけ形成されているが、これら突起44aを前記穴27bにそれぞれ挿入する。
【0022】
この結果、セグメント素材25に対し機械加工時における前後方向、左右方向、上下方向、水平に対する傾き等の位置決めが行われるが、このとき、前述した型付け面12の曲率中心と外側内周面31、32の曲率中心との相対位置関係を基に両外側内周面31、32を基準として半径方向の位置決め、即ち加工装置に対するセグメント素材25の芯出しを行う。このように鋳造時に設けられた基準部としての穴27を用いてセグメント素材25に対し機械加工時における位置決めを行うようにすれば、セグメント素材25の機械加工時における位置決めを容易に行うことができて作業能率が向上するとともに、簡易的に位置決め用の治具、ここでは上、下位置決めプレート43、44に取り付けることもできる。
【0023】
ここで、前述のように鋳造によりセグメント素材25を成型する工程と、セグメント素材25に対し位置決めを行う工程との間に、前記型付け面12の曲率中心と外側内周面31、32の曲率中心との相対位置関係を求める工程を設け、セグメント素材25の位置決めを行う際、前記求めた曲率中心の相対位置関係を基に両外側内周面31、32を基準として半径方向の位置決めを行うようにすれば、セグメント素材25の半径方向の位置決め、即ち加工装置に対するセグメント素材25の芯出しを容易にかつ高精度で行うことができる。
【0024】
また、前記セグメント素材25に形成される基準部を突起とすることも考えられるが、この場合には、突起を基準とした機械加工終了後に、残留すると邪魔になる突起を除去する必要がある。しかしながら、この実施形態のように基準部を有底の穴27から構成すれば、このような除去作業が不要となって作業能率が向上するとともに、タイヤ加硫金型22を長時間使用した後に、再度、セクターセグメント10に対し機械加工を行う際にも残留している穴27を基準として機械加工を行うことができ、作業能率が向上する。そして、前述ように2個以上の穴27を外側内周面31、32の各面に互いに離隔させて状態で形成すれば、基準部(穴27)によるセグメント素材25の位置決めを確実なものとすることができる。
【0025】
次に、加工装置を作動して該加工装置の加工具46により、位置決めされたセグメント素材25に対し機械加工、例えば切削加工、研削加工を施すが、この機械加工は、セグメント素材25のタイヤ幅方向両端面26以外の面、即ち、周方向両端面14または外側内周面31、32あるいは外周面47の少なくともいずれかの1つの面に対して行う。ここで、前述した全ての面に対し機械加工を施した後、機械加工が施されたいずれかの面を基準として再度セグメント素材25を位置決めし、残った面(タイヤ幅方向両端面26)の機械加工を施すようにしてもよく、あるいは、いずれか1面または2面に対し機械加工を施した後、該機械加工が施された面を基準として再度セグメント素材25を位置決めし、残った面全てに対し機械加工を施すようにしてもよい。
【0026】
このようにセグメント素材25のいずれかの面に対し機械加工を施した後、該セグメント素材25を再度位置決めをして残りの面に対し機械加工を施すようにすれば、セグメント素材25の位置の変更を1度行うだけで加工が必要な全ての面に対し機械加工を施すことができ、この結果、段取り回数が減少して作業能率が向上するとともに、加工装置の台数も減少して設備の小型化および低廉化を図ることができる。なお、このときの各面に対する機械加工の順序に特に制限はない。そして、前述のように機械加工が必要な全ての面に対し機械加工が施されると、セグメント素材25はセクターセグメント10となる。
【0027】
図6は、この発明の実施形態2を示す図である。この実施形態においては、鋳造時に前記セグメント素材25の両外側内周面31、32に基準部としての穴50、51をそれぞれ形成しているが、これらの穴50、51はいずれも有底の円形穴で、周方向に離隔し外側内周面31、32の周方向両端部に配置されている。そして、このような穴50、51が外側内周面31、32に形成されたセグメント素材25は、その後、該穴50、51を用いて、即ち、穴50、51にそれぞれ嵌合される突起が形成された位置決めプレートにより、前述と同様に機械加工時における位置決めが行われる。次に、該位置決めされたセグメント素材25に対し前述と同様に機械加工が施され、セグメント素材25はセクターセグメント10となる。なお、他の構成、作用は前記実施形態1と同様である。
【0028】
図7は、この発明の実施形態3を示す図である。この実施形態においては、鋳造時に前記セグメント素材25の周方向両端面14に基準部としての穴54(穴54a、54b)をそれぞれ形成しているが、これらの穴54はいずれも有底の円形穴で、上下方向に離隔し周方向両端面14の上、下端部にそれぞれ配置されている。そして、このような穴54が周方向両端面14にそれぞれ形成されたセグメント素材25は、その後、該穴54を用いて、即ち、穴54にそれぞれ嵌合される突起が形成された位置決めプレートにより、前述と同様に機械加工時における位置決めが行われる。次に、該位置決めされたセグメント素材25に対し前述と同様に機械加工が施され、セグメント素材25はセクターセグメント10となる。なお、他の構成、作用は前記実施形態1と同様である。
【0029】
そして、前述のようなセグメント素材25の基準部を用いて位置決めしながら機械加工を施すようにすると、背景技術で説明した場合に比較し、段取り工程の時間を約29%短縮することができた。なお、前述の実施形態においては、基準部として穴を用いたが、この発明においては、基準部を矩形、五角形等の溝から構成してもよく、また、形成される面が外側内周面31、32のように曲面である場合には、基準部をある程度の面積の平坦面から構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
この発明は、弧状を呈する複数の弧状セグメントを有するタイヤ加硫金型を製造する産業分野に適用できる。
【符号の説明】
【0031】
10…弧状セグメント 11…内周面
12…型付け面 14…周方向端面
22…タイヤ加硫金型 25…セグメント素材
26…タイヤ幅方向端面 27、50、51、54…基準部
31、32…外側内周面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弧状を呈しタイヤ幅方向中央部内周面にタイヤ外表面を型付けする型付け面が形成された複数の弧状セグメントを有するタイヤ加硫金型の製造方法であって、タイヤ幅方向両端面に基準部を有するセグメント素材を鋳造により成型する工程と、前記基準部を用いてセグメント素材に対し機械加工時における位置決めを行う工程と、位置決めされたセグメント素材に対し機械加工を施して弧状セグメントとする工程とを備えたことを特徴とするタイヤ加硫金型の製造方法。
【請求項2】
弧状を呈しタイヤ幅方向中央部内周面にタイヤ外表面を型付けする型付け面が形成された複数の弧状セグメントを有するタイヤ加硫金型の製造方法であって、前記型付け面よりタイヤ幅方向両外側に位置する両外側内周面に基準部を有するセグメント素材を鋳造により成型する工程と、前記基準部を用いてセグメント素材に対し機械加工時における位置決めを行う工程と、位置決めされたセグメント素材に対し機械加工を施して弧状セグメントとする工程とを備えたことを特徴とするタイヤ加硫金型の製造方法。
【請求項3】
弧状を呈しタイヤ幅方向中央部内周面にタイヤ外表面を型付けする型付け面が形成された複数の弧状セグメントを有するタイヤ加硫金型の製造方法であって、周方向両端面に基準部を有するセグメント素材を鋳造により成型する工程と、前記基準部を用いてセグメント素材に対し機械加工時における位置決めを行う工程と、位置決めされたセグメント素材に対し機械加工を施して弧状セグメントとする工程とを備えたことを特徴とするタイヤ加硫金型の製造方法。
【請求項4】
前記鋳造によりセグメント素材を成型する工程と、セグメント素材に対し位置決めを行う工程との間に、前記型付け面の曲率中心と、型付け面よりタイヤ幅方向両外側に位置する両外側内周面の曲率中心との相対位置関係を求める工程をさらに設け、セグメント素材の位置決めを行う際、前記求めた曲率中心の相対位置関係を基に両外側内周面を基準として半径方向の位置決めを行うようにした請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ加硫金型の製造方法。
【請求項5】
前記基準部は有底の穴である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ加硫金型の製造方法。
【請求項6】
前記穴を2個以上互いに離隔させた状態で形成した請求項5記載のタイヤ加硫金型の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−176525(P2012−176525A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40186(P2011−40186)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【出願人】(397078675)株式会社第一産業社 (2)
【Fターム(参考)】