説明

タイヤ組付装置及びタイヤ組付方法

【課題】設備全体の小型化及び省コスト化を実現するタイヤ組付装置及びタイヤ組付方法を提供する。
【解決手段】 ナット30を締め付けるための回転駆動力を伝達する第2作業機構24の回転軸Y1を第1作業機構22の回転軸Y2にオフセットさせることにより、ナット締付部126の配置が異なる複数のナット締付ユニット122a、122bそれぞれのナット締付部126に対して前記回転駆動力を伝達することが可能となる。このため、複数のナット締付ユニット122a、122bにおけるナット30の締付けに要する回転駆動力を、単一の回転駆動力生成部78から供給可能である。従って、設備全体の小型化及び省コスト化を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のハブボルトに対してタイヤを自動的に組み付けるタイヤ組付装置及びタイヤ組付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の組立ラインにおいて、重量物部品の一つであるタイヤを、ロボットを用いて自動車車体に対して自動的に組み付ける作業が行われている。
【0003】
この種の作業に適用されるタイヤ組付装置は、通常、タイヤを把持するタイヤ把持部と、自動車車体側に設けられているハブボルトにナットを締め付けるための複数のナットランナとを備えている。
【0004】
この種のタイヤ組付装置は、例えば、特許文献1に開示されているように、車両のハブボルトの数に対応するナットを、それぞれ所定の円周間隔に配置可能な複数のナットランナを有し、タイヤを前記車両に自動的に組み付けるタイヤ組付機構と、前記ナットを1本ずつ鉛直姿勢で供給するナット供給機構と、前記ナット供給機構から送給される前記ナットを、前記ナットランナ全てが周回配置される円周間隔に対応して周回配置させるとともに、前記ナットを前記ナットランナに受け渡すナット配列機構とを備えている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−210825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のタイヤ組付装置では、タイヤを把持するタイヤ把持手段及び前記タイヤを車両に締め付ける複数のナットランナが、単一のロボットに設けられている。
【0007】
ところで、最近、設備全体を小型化及び簡素化することが望まれており、タイヤ組付装置においても、この種の要請がなされている。
【0008】
本発明はこの種の要請に対応するものであり、設備全体の小型化及び省コスト化を実現するタイヤ組付装置及びタイヤ組付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るタイヤ組付装置は、ナットを締め付けるための回転駆動力を生成する回転駆動力生成部と、前記ナットをハブボルトに締め付けるナット締付部が複数配置された第1締付ユニットと、前記第1締結ユニットと切替可能であり且つ前記第1締付ユニットとは異なる配置で前記ナット締付部が複数配置された第2締付ユニットと、前記回転駆動力生成部から前記第1締付ユニット又は前記第2締付ユニットに前記回転駆動力を伝達する回転駆動力伝達部とを有するものであって、前記回転駆動力伝達部は、前記回転駆動力を伝達する回転軸をオフセットさせることにより、前記第1締付ユニットの前記ナット締付部及び前記第2締付ユニットの前記ナット締付部のいずれに対しても前記回転駆動力を伝達可能とするオフセット機構を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、ナットを締め付けるための回転駆動力を伝達する回転軸をオフセットさせることにより、ナット締付部の配置が異なる複数の締付ユニット(第1締付ユニット及び第2締付ユニット)それぞれのナット締付部に対して前記回転駆動力を伝達することが可能となる。このため、複数の締付ユニットにおけるナットの締付けに要する回転駆動力を、単一の回転駆動力生成部から供給可能である。換言すると、複数の回転駆動力生成部を用意しなくても、第1締付ユニットと第2締付ユニットとを切り替えれば、ハブボルト及びボルト孔の配置が異なる複数の車両にタイヤを組み付けることができる。従って、設備全体の小型化及び省コスト化を実現することができる。
【0011】
前記オフセット機構は、前記回転駆動力生成部に連結された複数の第1軸部材と、前記複数のナット締付部に連結された複数の第2軸部材と、前記第1軸部材又は前記第2軸部材に設けられ、前記第1軸部材と前記第2軸部材とを連結する複数のユニバーサルジョイント機構とを有してもよい。
【0012】
前記第1軸部材又は前記第2軸部材には、先端が先細りする凸部及び前記凸部と係合する筒状の凹部の一方が形成され、前記ユニバーサルジョイント機構には、前記凸部及び前記凹部の他方が形成され、前記凸部と前記凹部とが係合することにより、前記第1軸部材又は前記第2軸部材と前記ユニバーサルジョイント機構とが連結して前記回転駆動力を伝達することができる。
【0013】
これにより、第1軸部材と第2軸部材の軸が偏位している場合であっても、凸部と凹部とが係合し、ユニバーサルジョイント機構を介して回転駆動力を伝達することができる。
【0014】
本発明に係るタイヤ組付方法は、ナットをハブボルトに締め付けるナット締付部が複数配置された第1締付ユニットと、前記第1締結ユニットと切替可能であり且つ前記第1締付ユニットとは異なる配置で前記ナット締付部が複数配置された第2締付ユニットとを切り替えて用いるタイヤ組付方法であって、前記タイヤ組付方法は、前記ナットを締め付けるための回転駆動力を生成する回転駆動力生成工程と、前記回転駆動力生成部から前記第1締付ユニット又は前記第2締付ユニットのナット締付部に前記回転駆動力を伝達する回転駆動力伝達工程とを有し、前記回転駆動力伝達工程では、前記第1締付ユニット及び前記第2締付ユニットの少なくとも一方が用いられるとき、前記回転駆動力を伝達する回転軸をオフセットさせることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、ナットを締め付けるための回転駆動力を伝達する回転軸をオフセットさせることにより、ナット締付部の配置が異なる複数の締付ユニット(第1締付ユニット及び第2締付ユニット)それぞれのナット締付部に対して前記回転駆動力を伝達することが可能となる。このため、複数の締付ユニットにおけるナットの締付けに要する回転駆動力を、単一の回転駆動力生成部から供給可能である。換言すると、複数の回転駆動力生成部を用意しなくても、第1締付ユニットと第2締付ユニットとを切り替えれば、ハブボルト及びボルト孔の配置が異なる複数の車両にタイヤを組み付けることができる。従って、設備全体の小型化及び省コスト化を実現することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ナットを締め付けるための回転駆動力を伝達する回転軸をオフセットさせることにより、ナット締付部の配置が異なる複数の締付ユニット(第1締付ユニット及び第2締付ユニット)それぞれのナット締付部に対して前記回転駆動力を伝達することが可能となる。このため、複数の締付ユニットにおけるナットの締付けに要する回転駆動力を、単一の回転駆動力生成部から供給可能である。換言すると、複数の回転駆動力生成部を用意しなくても、第1締付ユニットと第2締付ユニットとを切り替えれば、ハブボルト及びボルト孔の配置が異なる複数の車両にタイヤを組み付けることができる。従って、設備全体の小型化及び省コスト化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ組付装置12が一対で配置される組立ライン10の斜視説明図である。
【0018】
組立ライン10は、前記タイヤ組付装置12と、搬送路14とを備える。搬送路14は、自動車車体(車両)16を台車14aに載置した状態で、タイヤ組付位置にピッチ搬送する。すなわち、搬送路14は、自動車車体16の前輪側である第1取付部18aと、自動車車体16の後輪側である第2取付部18bとが、タイヤ取付作業ステーションに、順次、配置されるように、自動車車体16を間欠搬送する。
【0019】
タイヤ組付装置12は、搬送路14の両側に配設され(図1では一側のみ記載されている。)、自動車車体16のハブボルト20にタイヤWを自動的に組み付ける(図2参照)。タイヤ組付装置12は、第1作業機構22と、第2作業機構24とを備える。
【0020】
第1作業機構22は、タイヤ投入コンベア26で運ばれてきたタイヤWを第1取付部18a又は第2取付部18bに搬送及び位置決めすると共に、ナット供給機構28から複数のナット30の供給を受け、第2作業機構24から伝達される回転駆動力によりナット30をハブボルト20に締め付ける。
【0021】
なお、ナット供給機構28は、ナット30を収容するナットストック部32と、ナットストック部32から所定数(5本又は4本)のナット30を取り出してナット置き台34に整列して配置させるナットピッキングロボット36とを有する。ナットピッキングロボット36のアーム先端には、ナットストック部32に収容されているナット30を取り出してナット置き台34に配置する開閉自在なナットチャック部38が設けられる。
【0022】
図1に示すように、第1作業機構22は、ロボット本体40を備え、このロボット本体40のアーム部42の先端に設けられる手首部44には、回転自在な割出台46が装着される。図3及び図4に示すように、割出台46には、タイヤWを把持するタイヤ把持機構50と、タイヤWが配置されたハブボルト20にナット30を締め付けるナット締付機構52と、ナット締付機構52のナット締付ユニット122(後述)を着脱するためのロック機構54(図9参照)とが設けられる。
【0023】
さらに、図1に示すように、第1作業機構22の近傍には、2台のナット締付ユニット用スタンド56a、56b(以下「スタンド56a、56b」とも称する。)が配置されている。2台のスタンド56a、56bのうちスタンド56bには、割出台46に装着されているナット締付ユニット122aとは別のナット締付ユニット122bが載置されている。このナット締付ユニット122bは、ナット締付部126の配置が、ナット締付ユニット122aと異なっている。
【0024】
図3及び図4に示すように、タイヤ把持機構50は、図示しないモータにより駆動されるリニアガイド60を備える。リニアガイド60は、その内部に駆動軸(図示せず)を有し、この駆動軸が前記モータに駆動されて回転すると、2本の把持アーム62がリニアガイド60に沿って変位する。前記駆動軸は、中央を境に互いに反対方向に螺回するねじ山が形成されており、前記駆動軸が回転すると、2本の把持アーム62は互いに反対方向にセンタリングしながら移動する。このように、2本の把持アーム62を接近又は離間させることにより、タイヤWの把持及び開放が可能となる。
【0025】
第1作業機構22のナット締付機構52及びロック機構54の説明に入る前に、第2作業機構24について説明する。
【0026】
図1に示すように、第2作業機構24は、ロボット本体70を構成するアーム部72の先端に手首部74が設けられる。手首部74には、割出台76が回転自在に装着される。図5に示すように、割出台76には、第1取付部18a及び第2取付部18bでハブボルト20にナット30を締め付けるための回転駆動力を生成する回転駆動力生成部78と、ハブボルト20の位置を検出するために第1取付部18a及び第2取付部18bの画像を撮影するCCDカメラ80、82(以下「カメラ80、82」とも称する。)とが装着される。なお、以下では、CCDカメラのことを単にカメラとも称する。
【0027】
回転駆動力生成部78は、2つのモータ84と、これらのモータ84に連結され、モータ84が発生させた回転駆動力を伝達する2つの回転駆動力伝達部86とを備える。
【0028】
図6に示すように、回転駆動力伝達部86は、第1ロッド90、第1連結部材92、第2ロッド94、第2連結部材96、筒状凹部98及びコイルばね100とを有する。
【0029】
第1ロッド90は、その一端がモータ84の出力軸(図示せず)に連結され、他端が第1連結部材92に連結されている。第1連結部材92は中空形状であり、第1円筒部102と、第1円筒部102よりも直径が小さい第2円筒部104と、第1円筒部102と第2円筒部104との間に形成された第1テーパ部106とを有する。第1円筒部102にはねじ山が形成され、同じくねじ山が形成された第1ロッド90の端部と螺合する。第2連結部材96も第1連結部材92と同様の構成であり、第3円筒部108と、第3円筒部108よりも直径が小さい第4円筒部110と、第3円筒部108と第4円筒部110との間に形成された第2テーパ部112とを有する。第3円筒部108にはねじ山が形成され、同じくねじ山が形成された筒状凹部98の端部と螺合する。
【0030】
第2ロッド94は、円柱部114と、その両端に形成され、端部に向かって直径が大きくなる第3テーパ部116及び第4テーパ部118とを有する。第2ロッド94の円柱部114の直径は、第1連結部材92の第1円筒部102及び第2連結部材96の第4円筒部110の直径よりも若干小さい。また、第2ロッド94の第3テーパ部116は、第1連結部材92(第1テーパ部106)の内部に収容され、第2円筒部104よりも直径が大きい。第2ロッド94の第4テーパ部118は、第2連結部材96(第2テーパ部112)の内部に収容され、第4円筒部110よりも直径が大きい。コイルばね100は、第2ロッド94を覆い且つ第1連結部材92と第2連結部材96との間に挟持されている。
【0031】
回転駆動力伝達部86は、以上のように構成されるため、図7に示すように、回転軸を偏位(オフセット)することができる。すなわち、第1連結部材92の回転軸Y1と第2連結部材96の回転軸Y2とが偏位(オフセット)していても、第1連結部材92から第2連結部材96に回転駆動力を伝達することができる。すなわち、第1連結部材92、第2ロッド94及び第2連結部材96によりユニバーサルジョイント機構が形成される。これにより、後述するように、第1作業機構22においてナット締付ユニット122の配置が変化しても、第2作業機構24から第1作業機構22へと回転駆動力を伝達することが可能となる。
【0032】
第1作業機構22の説明に戻り、図3及び図4に示すように、ナット締付機構52は、割出台46に固着された取付板120と、この取付板120に対して着脱自在なナット締付ユニット122aとを備える。取付板120には、ナット締付ユニット122aを取付板120に固定するための上述した2つのロック機構54が設けられている。本実施形態では、ナット締付ユニット122aは、ハブボルト20及びボルト孔Waの配置(すなわち、タイヤWの種類)に対応して交換可能であり、スタンド56bには、交換用のナット締付ユニット122bが配置されている。
【0033】
図2に示すように、取付板120には、第2作業機構24の回転駆動力伝達部86が連結される開口案内部124が複数設けられる。
【0034】
図3及び図4に示すように、ナット締付ユニット122aは、5つのナット締付部126を有する。ナット締付部126の数はハブボルト20及びボルト孔Waの数と同じである。
【0035】
図8に示すように、各ナット締付部126は、第3ロッド128と、ベアリング130と、レンチ部132と、コイルばね134とを有する。
【0036】
第3ロッド128は、その端部128aが取付板120の開口案内部124内に配置されている。端部128aは、先端が先細りしている。この端部128aが、第2作業機構24の回転駆動力伝達部86の筒状凹部98と連結することにより、第3ロッド128には、第2作業機構24から回転駆動力が伝達される。その結果、第3ロッド128は、ベアリング130に支持されながら回転する。第3ロッド128には、2本の円柱状の突起部136が形成されており、この突起部136を介して第3ロッド128からレンチ部132に回転駆動力が伝達される。
【0037】
レンチ部132には、各突起部136を収納するための孔部138が形成されている。孔部138は、ナット締付ユニット122の長手方向(軸方向)に形成され、その幅は、突起部136の直径より若干大きい。このため、突起部136は、孔部138内をナット締付ユニット122の軸方向に変位可能である。レンチ部132には、ナット30を保持する凹部140が形成されている。凹部140の断面形状は、ナット30の断面形状と略等しい。このため、凹部140が回転することによりナット30も回転する。
【0038】
コイルばね134は、第3ロッド128とレンチ部132との間に挟持される。第3ロッド128は、ナット締付ユニット122aの軸方向の変位が規制されている。その一方、レンチ部132は、突起部136が孔部138内を変位可能である範囲については、前記軸方向の変位が可能である。従って、コイルばね134は、レンチ部132を第3ロッド128から離間する方向に付勢する。従って、レンチ部132が回転することによりナット30がハブボルト20に締め付けられるに連れてレンチ部132も第3ロッド128から離間する。これにより、ハブボルト20に対してナット30を所望の位置まで締め付けることができる。
【0039】
次に、図9〜図12を参照して、第1作業機構22のロック機構54とスタンド56a、56bについて説明する。上述の通り、ロック機構54は、ナット締付ユニット122aを取付板120に固定するものであり、ロック機構54による固定を解除することでナット締付ユニット122aを取付板120から取り外すことができる。
【0040】
ロック機構54は、ストッパ142と、切替レバー144と、リンク部材146とを有する(図10A及び図10Bでは、一方のロック機構54のみを示している。)。ストッパ142は、ナット締付ユニット122aを選択的に押圧することが可能であり、ストッパ142がナット締付ユニット122aを押圧するとき、ナット締付ユニット122aを取付板120に固定する。ストッパ142がナット締付ユニット122aを押圧しないとき、ナット締付ユニット122を取付板120から取り外すことができる。切替レバー144は、その位置に応じて、ストッパ142の押圧状態を切り替える。リンク部材146は、切替レバー144と協働して、ストッパ142によるナット締付ユニット122aの押圧状態又は非押圧状態を保持する。
【0041】
具体的には、切替レバー144は、その一端にローラ148が配置されると共に、他端にカム部150が形成されており、また、切替レバー144は、その略中央において折れ曲がっている。切替レバー144は、第1支軸A1で旋回可能に支持される。また、カム部150に形成された第2支軸A2には、リンク部材146の一端が旋回可能に支持される。リンク部材146の他端は、ストッパ142を支持する折曲部材152が第3支軸A3により旋回可能に支持されている。折曲部材152は、第4支軸A4によっても旋回可能に支持されている。
【0042】
図11には、ナット締付ユニット122a、122bを保持していないスタンド56aの斜視図が示されている。図11に示すように、スタンド56aは、基台156と、略U字状の保持板158と、2本の位置決めピン160と、2つのシリンダ162と、シリンダ162の先端に設けられ、水平部164aと垂直部164bとを有する略L字状の係合部材164と、支軸B1を中心として係合部材164を旋回可能に支持し、第2支持部材168に固着された第1支持部材166とを備える。このため、シリンダ162の押圧部170が上昇すると、水平部164a及び垂直部164bが支軸B1を中心に旋回する。
【0043】
次に、図12を参照して、ナット締付ユニット122a、122bを交換する場合(ナット締付ユニット122aをスタンド56aに載置する場合)について説明する。ナット締付ユニット122a、122bを交換する場合とは、タイヤWを取り付ける車両の種類が変更され、これに伴いハブボルト20及びボルト孔Wa(図1)の配置が変更された場合である。
【0044】
ナット締付ユニット122aとナット締付ユニット122bとを交換する際、現時点で第1作業機構22に装着されているナット締付ユニット122aを取付板120から取り外し、スタンド56aに載置する。具体的には、第1作業機構22のアーム部42を変位させ、ナット締付ユニット122aをスタンド56aの真上に位置させる。そして、ナット締付ユニット122aを、鉛直方向に下ろしていき、ナット締付ユニット122aの位置決め孔172と、位置決めピン160とを係合させる。これにより、ナット締付ユニット122aの位置を安定させることができる。
【0045】
そして、ロック機構54のローラ148が、スタンド56の係合部材164の水平部164aに当接すると、ナット締付機構52の自重により、ローラ148が上方に変位される(図10A参照)。これにより、ストッパ142が押圧状態から非押圧状態に変化し、取付板120からナット締付ユニット122aを取り外し可能となる。
【0046】
この状態で、第1作業機構22のアーム部42が上方に移動すると、ナット締付ユニット122aは、スタンド56aに載置されたまま残され、取付板120には、ナット締付ユニット122aが取り付けられていない状態となる。
【0047】
そして、今度は、別のナット締付ユニット122bが載置されているスタンド56bにアーム部42を移動させ、位置決めピン160を取付板120に係合させる。取付板120がナット締付ユニット122bに当接した状態で、シリンダ162が作動し、支軸B1を中心に係合部材164の水平部164a及び垂直部164bが旋回する。これにより、垂直部164bがローラ148を下方に変位させ、ストッパ142によりナット締付ユニット122bを取付板120に固定する。そして、この新たなナット締付ユニット122bを用いてタイヤWの取付けが行われる。なお、上述の通り、ナット締付ユニット122aとナット締付ユニット122bとは、ナット締付部126の配置が異なっている。すなわち、ナット締付部126が形成する同心円の直径が異なる。なお、両者は、ナット締付部126が保持するナット30の大きさやナット締付部126の数が異なる点で相違してもよい。
【0048】
図13には、タイヤ組付装置12の制御系が示されている。図13に示すように、第2作業機構24のカメラ80、82は、第1画像処理装置200に第1取付部18a及び第2取付部18bの画像情報を出力する。
【0049】
第1画像処理装置200には、さらにタイヤ投入コンベア26上に配置されているタイヤWを撮影するためのカメラ202(ボルト孔検出センサ)からタイヤWの画像情報(タイヤWのボルト孔Wa)が入力される。
【0050】
ナット供給機構28のナットピッキングロボット36の近傍には、ナット置き台34上に配列されているナット30の画像を撮影するカメラ204が固定される。このカメラ204により撮影されたナット30の画像情報は、第2画像処理装置206に入力される。
【0051】
第1画像処理装置200は、演算部208に接続され、この演算部208では、第1取付部18aのハブボルト20の位置、第2取付部18bのハブボルト20の位置及びタイヤ投入コンベア26上のタイヤWのボルト孔Waの位置の相対位置が演算され、主制御装置(制御機構)210に出力される。演算部208には、第2画像処理装置206が接続され、カメラ204により撮影されたナット30の画像情報は、演算部208で演算されて主制御装置210に出力される。
【0052】
主制御装置210は、演算部208から入力された演算情報、並びに第1作業機構22の位置情報(アーム部42の位置情報、把持アーム62の位置情報等)及び第2作業機構24の位置情報(アーム部72の位置情報、回転駆動力伝達部86の位置情報等)に基づいて、第1作業機構22の動作を制御するとともに、第2作業機構24及びナット供給機構28の動作制御も行う。
【0053】
本実施形態に係るタイヤ組付装置12は、上記のように構成されるものであり、次に、図14及び図15に示すフローチャート及び図16に示すタイミングチャートを参照してタイヤ組付装置12の動作を説明する。図14は、第1作業機構22を中心とする動作を示し、図15は、第2作業機構24を中心とする動作を示す。図16は、第1作業機構22、第2作業機構24及びナット供給機構28の動作の関連性を示す。
【0054】
先ず、第1作業機構22を中心とする動作について説明すると、図14のステップS1において、第1作業機構22は、ナット置き台34上に配列されている5本のナット30を5本のレンチ部132により保持させる。
【0055】
続くステップS2において、タイヤ把持機構50によりタイヤ投入コンベア26上のタイヤWを把持する。具体的には、図3及び図4に示すように、タイヤ把持機構50の2本の把持アーム62の間にタイヤWを位置させた状態で、図示しないモータによりリニアガイド60が駆動される。これにより、2本の把持アーム62が互いに接近する方向に移動し、タイヤWの外周面(接地面)が把持される。
【0056】
タイヤWを把持する際、2本の把持アーム62は、タイヤWの各ボルト孔Waの位置(回転位相)と、ナット締付機構52の各ナット締付部126の位置(回転位相)とが一致するように位置決めされる。この結果、各ナット30は、タイヤWの各ボルト孔Waに対応して配置される。
【0057】
上記位置決めは、例えば、次のように行われる。すなわち、主制御装置210が、タイヤWの各ボルト孔Waの位置と各ナット締付部126の位置を検出する。各ボルト孔Waの位置は、カメラ202の画像情報に基づいて検出する。また、各ナット締付部126の位置は、2本の把持アーム62と各ナット締付部126との相対位置が固定されているため、2本の把持アーム62の位置又は把持アーム62を支持する割出台46の位置に基づいて検出する。そして、各ボルト孔Waの位置と各ナット締付部126の位置とを一致する位置に割出台46を移動させることにより、把持アーム62が位置決めされる。このように、把持アーム62の把持位置とタイヤWの各ボルト孔Waとが対応付けられているため、把持アーム62の位置、割出台46の位置を把握することにより、各ボルト孔Waの位置も知ることができる。
【0058】
ステップS3において、ナット30及びタイヤWを把持した第1作業機構22は、ロボット本体40の旋回作用下に取付待機位置に移動する。その際、自動車車体16は、前輪側である第1取付部18aが、タイヤ取付作業ステーションに配置されている。また、前記取付待機位置では、2本の把持アーム62が互いに上下方向に並ぶように配置される。
【0059】
すなわち、主制御装置210は、アーム部42の位置情報、把持アーム62の位置情報等に基づき、把持アーム62の一方がタイヤWを把持する位置が、タイヤWの最上部(図17の位置Pu1に対応する位置)となるように当該一方の把持アーム62を配置させ、把持アーム62の他方がタイヤWを把持する位置が、タイヤWの最下部(図17の位置Pl1に対応する位置)となるよう当該他方の把持アーム62を配置させる。
【0060】
そして、第1作業機構22が取付待機位置に配置された状態で、第2作業機構24のカメラ80、82が第1取付部18aの画像情報(以下「前輪画像情報」とも称する。)を取得し、この前輪画像情報に基づいて第1画像処理装置200が、各ハブボルト20の基準位置に対する補正量を算出すると(ステップS4:YES)、ステップS5において、主制御装置210は、タイヤWを把持している把持アーム62を変位させる量(以下「アーム変位量」とも称する。)を算出する。このアーム変位量は、把持アーム62のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向(図1参照)の変位量及びタイヤWの回転角度を含む。タイヤWの回転角度は、タイヤWをハブボルト20の手前に配置し、タイヤの中心Oとハブボルト20が形成する同心円の中心が図1中Y方向に一致したとき、ハブボルト20の位置(回転位相)とボルト孔Waの位置(回転位相)を一致させるために把持アーム62によりタイヤWを回転させる角度であり、タイヤWの中心Oを基準にタイヤWを回転させる角度として算出される。
【0061】
本実施形態では、主制御装置210は、タイヤWの回転角度を±36°に制限する(図17参照)。これは次の理由による。すなわち、ボルト孔Waは、同心円上に等角度で配置される。このため、車両の高さ方向(図1のZ方向)に対して最も上側に位置するボルト孔Waは、常に、前記同心円上の最上部から前記同心円上の正負それぞれの所定角度の範囲内に存在する。ボルト孔Wa間の角度は、360°をボルト孔Waの数で割った角度であるから、前記所定角度は、これをさらに2等分した角度(180°をボルト孔Waの数で割った角度)の正負の値となる。本実施形態では、ボルト孔Waの数が5つであるから、前記所定角度は±36°となる。従って、タイヤWの回転角度を最大でも±36°に制限しても、常に、ハブボルト20とボルト孔Waの位置(回転位相)を合わせることができる。
【0062】
上記のように、タイヤWの回転角度を±36°に制限しながら、ハブボルト20とボルト孔Waの位置(回転位相)を合わせるためには、以下のような演算を行う。すなわち、第2作業機構24のカメラ80、82からの画像情報によりハブボルト20の位置(回転位相)を判定する。例えば、ハブボルト20の同心円の中心から高さ方向(図1のZ方向)に延びる仮想軸Z1を設定しておく。次いで、5つのハブボルト20のうち最も高い位置にあるものを検出し、仮想軸Z1に対して当該ハブボルト20がどちら側にあるか及び仮想軸Z1に対する当該ハブボルト20の距離によりハブボルト20の位置(回転位相)を特定する。
【0063】
また、ボルト孔Waの位置(回転位相)については、ステップS2において演算した把持アーム62とボルト孔Waの相対位置により特定可能である。
【0064】
続くステップS6において、主制御装置210は、ステップS5で算出したアーム変位量に基づいて把持アーム62を変位させて、タイヤWを第1取付部18aに位置決めする。これにより、タイヤWは、ナット30の締付けを待つ位置に配置される。
【0065】
なお、上述の通り、本実施形態では、取付待機位置において、把持アーム62は、タイヤWの最上部及び最下部を把持しており、また、タイヤWの回転角度を±36°に制限している。このため、図17に示すように、把持アーム62のうちタイヤWの上部を把持するものは、タイヤWの中心OとタイヤWの最上部Pu1とを通過する仮想軸Z2(上述した仮想軸Z1に一致する。)をその対称軸とし且つ72°の第1中心角α1に対応するタイヤWの接地面のいずれかの部分を把持する。同様に、把持アーム62のうちタイヤWの下部を把持するものは、仮想軸Z2をその対称軸とし且つ72°の第2中心角α2に対応するタイヤWの接地面のいずれかの部分を把持する。換言すると、本実施形態では、上記制限の下に把持アーム62が把持可能な接地面の範囲をタイヤWの上部及び下部としている。
【0066】
これにより、把持アーム62のうちタイヤWの上部を把持するものは、自動車車体16のフェンダ220とタイヤWの間のクリアランス222との間に変位する。
【0067】
なお、把持アーム62が把持する位置を上記のように制限するためには、取付待機位置において、把持アーム62がタイヤWの最上部及び最下部を把持していなくてもよい。例えば、タイヤWを自動車車体16に対し位置決めするときにタイヤWを回転することで、把持アーム62がタイヤWを把持する位置を上記の範囲に制限することもできる。
【0068】
また、上記のような把持位置の制限は、ボルト孔Wa又はハブボルト20の数が、少ないとき(具体的には3つ以下の場合)はあまり有効ではない。そこで、ボルト孔Wa又はハブボルト20の数が、4つ以上であるときに上記制限を行うことが好ましい。
【0069】
タイヤWの位置決めが完了すると、ステップS7において、主制御装置210は、第2作業機構24を第1作業機構22に連結させる。すなわち、第2作業機構24の回転駆動力生成部78の筒状凹部98を、第1作業機構22のナット締付機構52の第3ロッド128に係合させる。そして、ステップS8において、第2作業機構24から第1作業機構22に回転駆動力が伝達され、ナット30をハブボルト20に締め付ける。具体的には、回転駆動力生成部78からナット締付機構52に回転駆動力が伝達される。これにより、第1作業機構22のレンチ部132が回転することにより、レンチ部132に保持されていたナット30がハブボルト20に締め付けられる。当該締付けの間、把持アーム62の位置は固定され、上述した制限範囲内に維持される。
【0070】
第1取付部18aに前輪としてタイヤWが組み付けられた後、第2作業機構24が干渉外に移動されると(ステップS9:YES)、ステップS10において、第1作業機構22のロボット本体40は、第1取付部18aから離間してナット置き台34側の原位置に移動する。
【0071】
上述した第1取付部18aに対する処理は、第2取付部18bに対しても同様に行われる。すなわち、ステップS1〜S10と同様のステップS11〜S20が第2取付部18bのために行われる。なお、ステップS10〜S14の間において、搬送路14を介して自動車車体16が、図1中、X方向に間欠搬送される。このため、自動車車体16は、後輪側である第2取付部18bが、タイヤ取付作業ステーションに配置される。
【0072】
第2取付部18bに対するタイヤWの取付けが終了すると、別の自動車車体16に対しても同様の処理が行われる。
【0073】
次に、第2作業機構24を中心とする動作について、図15を参照して以下に説明する。
【0074】
第2作業機構24では、ロボット本体70の作用下に、カメラ80、82がタイヤ取付作業ステーションに対応して配置されている。そして、このタイヤ取付作業ステーションに、自動車車体16の前輪側である第1取付部18aが配置されると(ステップS31:YES)、ステップS32において、第2作業機構24は、カメラ80、82を介して第1取付部18aの前輪用ハブボルト20の画像情報を読み取る。
【0075】
カメラ80、82の読取画像情報は、第1画像処理装置200に出力され、ステップS33において、第1画像処理装置200は、各ハブボルト20の基準位置に対する補正量を算出する。例えば、5本のハブボルト20の同心円の中心から自動車車体16の高さ方向に延びる仮想軸Z1を想定し、5本のハブボルト20のうち最も高い位置にあるハブボルト20が、仮想軸Z1上にある場合を基準位置とすることができる。前記補正量は、演算部208から主制御装置210に出力される。
【0076】
ステップS34において、第2作業機構24は、第1取付部18aにおける第1作業機構22による作業に干渉しない位置に移動する。そして、第1作業機構22がタイヤWの位置決めを完了すると(ステップS35:YES)、ステップS36において、第2作業機構24は、第1作業機構22に連結する。すなわち、第1取付部18aにおいて、第2作業機構24の回転駆動力伝達部86を、第1作業機構22のナット締付部126に連結する。
【0077】
ステップS37において、第2作業機構24は、モータ84により回転駆動力を生成し、この回転駆動力を回転駆動力伝達部86からナット締付部126に伝達する。これにより、ナット30をハブボルト20に締め付け、タイヤWを第1取付部18aに取り付ける。なお、回転駆動力伝達部86の数が2つであるのに対し、ナット締付部126の数は、5つである。このため、回転駆動力伝達部86とナット締付部126との連結は、複数回行われる(ナット30は、2本、2本及び1本の順にハブボルト20に締め付けられる。)。
【0078】
第1取付部18aにタイヤWが取り付けられた後、ステップS38において、第2作業機構24は、干渉外に移動する。次いで、ステップS39において、第2作業機構24は、後輪用ハブボルト検出位置に移動し、ステップS40において、第2作業機構24は、自動車車体16が搬送路14に沿って半ピッチ搬送されたか否かを判断する。
【0079】
自動車車体16が半ピッチ搬送されたと判断されると(ステップS40:YES)、すなわち、後輪側である第2取付部18bがタイヤ取付作業ステーションに配置されたと判断されると、ステップS32〜S38と同様のステップS41〜S47を第2取付部18bのために行う。そして、ステップS48において、第2作業機構24は、前輪用ハブボルト位置に移動する。
【0080】
第2取付部18bに対するタイヤWの取付けが終了すると、別の自動車車体16に対して同様の処理が行われる。
【0081】
なお、図16に示すように、ナット供給機構28は、ナットチャック部38を介して、ナットストック部32からナット置き台34に前輪用のナット30の搬送及び整列作業と、後輪用のナット30の搬送及び整列作業とを繰り返し行っている。
【0082】
また、上述の通り、組立ライン10では、自動車車体16の両側にタイヤ組付装置12が配置されており、上記と同様の作業が略同時に遂行される。
【0083】
さらに、ナット締付ユニット122a、122bの交換は、ハブボルト20やボルト孔Waの位置に応じて行われる。例えば、第1画像処理装置200で得られた画像情報に基づくボルト孔Waの位置が、現在用いられているナット締付ユニット122a、122bの位置と異なるかどうかを、主制御装置210が判定し、異なる場合、ナット締付ユニット122a、122bの一方から他方に交換することができる。
【0084】
以上のように、本実施形態によれば、ナット30を締め付けるための回転駆動力を伝達する回転軸Y1を回転軸Y2にオフセットさせることにより、ナット締付部126の配置が異なる複数のナット締付ユニット122a、122bそれぞれのナット締付部126に対して前記回転駆動力を伝達することが可能となる。このため、複数のナット締付ユニット122a、122bにおけるナット30の締付けに要する回転駆動力を、単一の回転駆動力生成部78から供給可能である。換言すると、複数の回転駆動力生成部78を用意しなくても、ナット締付ユニット122aとナット締付ユニット122bとを切り替えれば、ハブボルト20及びボルト孔Waの配置が異なる複数の自動車車体16にタイヤWを組み付けることができる。従って、設備全体の小型化及び省コスト化を実現することができる。
【0085】
第1作業機構22の第3ロッド128には、先端が先細りする端部128aが形成され、第2作業機構24の回転駆動力伝達部86には、筒状凹部98が形成され、筒状凹部98と端部128aとが係合することにより、前記回転駆動力を伝達することができる。これにより、回転駆動力伝達部86の回転軸Y1と第3ロッド128の回転軸Y2が偏位している場合であっても、第2作業機構24の筒状凹部98と第1作業機構22の第3ロッド128とが係合し、回転駆動力を伝達することができる。
【0086】
なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態に係るタイヤ組付装置が配置される組立ラインの斜視説明図である。
【図2】前記タイヤ組付装置によりタイヤを組み付けている状態を示す斜視説明図である。
【図3】前記タイヤ組付装置を構成する第1作業機構の要部斜視説明図である。
【図4】前記第1作業機構の要部正面説明図である。
【図5】前記タイヤ組付装置を構成する第2作業機構の要部斜視説明図である。
【図6】前記第2作業機構を構成する回転駆動力伝達部の要部断面説明図である。
【図7】前記回転駆動力伝達部が作動している状態の一例を示す要部断面説明図である。
【図8】前記第1作業機構を構成するナット締付ユニット及び前記回転駆動力伝達部の要部一部断面説明図である。
【図9】前記第1作業機構を構成するロック機構及び前記ナット締付ユニットの要部正面説明図である。
【図10】図10Aは、前記ロック機構が、前記ナット締付ユニットを固定していない状態の正面説明図である。図10Bは、前記ロック機構が、前記ナット締付ユニットを固定している状態の正面説明図である。
【図11】前記タイヤ組付装置を構成するナット締付ユニット用スタンドの斜視説明図である。
【図12】前記ナット締付ユニット用スタンドを用いて前記ナット締付ユニットを交換する状態を示す正面説明図である。
【図13】前記タイヤ組付装置の制御系のブロック図である。
【図14】前記第1作業機構を中心とする動作を説明するフローチャートである。
【図15】前記第2作業機構を中心とする動作を説明するフローチャートである。
【図16】前記タイヤ組付装置が自動車車体にタイヤを組み付けるタイミングチャートである。
【図17】前記第1作業機構を構成する把持アームとタイヤ及びフェンダとの位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0088】
12…タイヤ組付装置 16…自動車車体
20…ハブボルト 30…ナット
78…回転駆動力生成部 86…回転駆動力伝達部
90…第1ロッド(第1軸部材) 98…筒状凹部
122a、122b…ナット締付ユニット
126…ナット締付部 128…第3ロッド(第2軸部材)
128a…端部(凸部) Y1、Y2…回転軸
W…タイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナットを締め付けるための回転駆動力を生成する回転駆動力生成部と、
前記ナットをハブボルトに締め付けるナット締付部が複数配置された第1締付ユニットと、
前記第1締結ユニットと切替可能であり且つ前記第1締付ユニットとは異なる配置で前記ナット締付部が複数配置された第2締付ユニットと、
前記回転駆動力生成部から前記第1締付ユニット又は前記第2締付ユニットに前記回転駆動力を伝達する回転駆動力伝達部と
を有するタイヤ組付装置であって、
前記回転駆動力伝達部は、前記回転駆動力を伝達する回転軸をオフセットさせることにより、前記第1締付ユニットの前記ナット締付部及び前記第2締付ユニットの前記ナット締付部のいずれに対しても前記回転駆動力を伝達可能とするオフセット機構を備える
ことを特徴とするタイヤ組付装置。
【請求項2】
請求項1記載のタイヤ組付装置において、
前記オフセット機構は、
前記回転駆動力生成部に連結された複数の第1軸部材と、
前記複数のナット締付部に連結された複数の第2軸部材と、
前記第1軸部材又は前記第2軸部材に設けられ、前記第1軸部材と前記第2軸部材とを連結する複数のユニバーサルジョイント機構と
を有する
ことを特徴とするタイヤ組付装置。
【請求項3】
請求項2記載のタイヤ組付装置において、
前記第1軸部材又は前記第2軸部材には、先端が先細りする凸部及び前記凸部と係合する筒状の凹部の一方が形成され、
前記ユニバーサルジョイント機構には、前記凸部及び前記凹部の他方が形成され、
前記凸部と前記凹部とが係合することにより、前記第1軸部材又は前記第2軸部材と前記ユニバーサルジョイント機構とが連結して前記回転駆動力を伝達する
ことを特徴とするタイヤ組付装置。
【請求項4】
ナットをハブボルトに締め付けるナット締付部が複数配置された第1締付ユニットと、前記第1締結ユニットと切替可能であり且つ前記第1締付ユニットとは異なる配置で前記ナット締付部が複数配置された第2締付ユニットとを切り替えて用いるタイヤ組付方法であって、
前記タイヤ組付方法は、
前記ナットを締め付けるための回転駆動力を生成する回転駆動力生成工程と、
前記回転駆動力生成部から前記第1締付ユニット又は前記第2締付ユニットのナット締付部に前記回転駆動力を伝達する回転駆動力伝達工程と
を有し、
前記回転駆動力伝達工程では、前記第1締付ユニット及び前記第2締付ユニットの少なくとも一方が用いられるとき、前記回転駆動力を伝達する回転軸をオフセットさせる
ことを特徴とするタイヤ組付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−12936(P2010−12936A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174722(P2008−174722)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】