説明

タッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置

【課題】平板表示装置に配列された複数の第1電極パターン及び平板表示装置の外面に配列される複数のバリアパターンを、それぞれ静電容量方式のタッチスクリーンパネルの電極として用いることにより、追加の工程なくタッチスクリーンパネルが内蔵された立体映像平板表示装置を実現する。
【解決手段】本発明の実施例によるタッチスクリーンパネルが内蔵された立体映像平板表示装置1は、薄膜トランジスタTFTをそれぞれ含む複数の画素が形成された第1基板11と、画素に対応して第1方向に所定間隔離隔して配列される複数の第1電極パターン70aと、第1基板11に対向して位置する第2基板61と、第2基板61の外面に形成され、第1方向と交差する第2方向に所定間隔離隔して配列される複数のバリアパターン80aとが備えられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板表示装置に関し、特に、立体映像を表示するタッチスクリーン内蔵型平板表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンパネルは、映像表示装置などの画面に現れた指示内容を人の手または物体で選択し、ユーザの命令を入力できるようにした入力装置である。
【0003】
このため、タッチスクリーンパネルは、映像表示装置の前面(front face)に備えられ、人の手または物体に直接接触した接触位置を電気的信号に変換する。これにより、接触位置で選択された指示内容が入力信号として受信される。
【0004】
このようなタッチスクリーンパネルは、キーボードやマウスのように、映像表示装置に接続して動作する外付けの入力装置に代替できるため、その使用範囲が次第に拡大する傾向にある。
【0005】
タッチスクリーンパネルを実現する方式としては、抵抗膜方式、光検出方式、及び静電容量方式などが知られている。このうち、静電容量方式のタッチスクリーンパネルは、人の手または物体が接触したとき、導電性検出パターンが周辺の他の検出パターンまたは接地電極などと形成する静電容量の変化を検出することにより、接触位置を電気的信号に変換する。
【0006】
このようなタッチスクリーンパネルは、一般的に、液晶表示装置、有機電界発光表示装置のような平板表示装置の外面に取り付けられて製品化される場合が多い。
【0007】
また、最近では、3次元(3Dimension:3D)立体映像を実現する平板表示装置への需要が大きく増加している。
【0008】
一般的に、3次元を表現する立体映像は、両眼を通したステレオ視覚の原理に依存するが、両眼視差、すなわち、約65mm程度離れて存在する両眼の間隔による両眼視差は、立体感において最も重要な要因といえる。すなわち、人体の左右の眼がそれぞれ互いに関連づけられた2D映像を見る場合、これらの2つの映像が網膜を通して脳に伝達されると、脳はこれを互いに融合して本来の3次元映像の深さと実在感を再生するようになるが、このような能力を、「ステレオグラフィ(stereography)」という。
【0009】
そして、このようなステレオグラフィを用いて2次元の画面において3次元の立体映像を表示するいくつかの技術が紹介されているが、なかでも、特に、左右眼用ステレオイメージ(stereo image)をそれぞれ分離して見られるようにすることで3次元映像を実現するパララックスバリア(parallax barrier)方式の立体映像表示装置が最も広く用いられている。
【0010】
一般的なパララックスバリア方式の立体映像表示装置の3次元立体映像の表示原理は、単に、左右眼用イメージ情報が表示される平面映像に、観察者に対して縦配列されたスリット状の開口を重ねることにより、観察者のステレオグラフィを誘発させて立体感を感じさせる方式である。
【0011】
このため、平面映像を表示する平板表示装置とスリット状の開口を形成する別のバリアパネルが必要になる。
【0012】
結果として、前述したタッチ認識及び立体映像を実現するためには、それぞれタッチスクリーンパネル及びバリアパネルを平板表示装置の外面に取り付けなければならない。この場合、タッチスクリーンパネル及びバリアパネルと平板表示装置との間の粘着層が必要であり、平板表示装置とは別途にタッチスクリーンパネル及びバリアパネルを形成する工程が要求されるため、工程時間及び工程費用が増加するという欠点がある。
【0013】
また、従来の構造では、タッチスクリーンパネル及びバリアパネルが平板表示装置の外面に取り付けられることにより、平板表示装置の全体の厚みが増加するという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】韓国公開特許第2009−0019902号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2007−0044479号公報
【特許文献3】韓国登録特許第0824539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、平板表示装置に配列された複数の第1電極パターン及び前記平板表示装置の外面に配列される複数のバリアパターンを、それぞれ静電容量方式のタッチスクリーンパネルの電極として用いることにより、追加の工程なくタッチスクリーンパネルが内蔵された立体映像平板表示装置を実現することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明の実施例によるタッチスクリーンパネルが内蔵された立体映像平板表示装置は、薄膜トランジスタをそれぞれ含む複数の画素が形成された第1基板と、前記画素に対応して第1方向に所定間隔離隔して配列される複数の第1電極パターンと、前記第1基板に対向して位置する第2基板と、前記第2基板の外面に形成され、前記第1方向と交差する第2方向に所定間隔離隔して配列される複数のバリアパターンとが備えられることを特徴とする。
【0017】
また、前記複数の第1電極パターンは、第2基板の内面に形成され得るか、前記複数のバリアパターンと同一面上に形成され得る。
【0018】
また、前記複数の画素は、それぞれ左眼用イメージ情報を表示する左眼画素と、右眼用イメージ情報を表示する右眼画素とが交互に形成される。
【0019】
また、前記第2基板の外面に配列された複数のバリアパターン及びそれらの間の透光領域は、前記左右眼用画素から出る光をそれぞれ選択的に遮断及び透過する。
【0020】
また、前記第1電極パターン及びバリアパターンは、それぞれ静電容量方式のタッチスクリーンパネルの電極として用いられ、特に、前記第1電極パターンは、相互静電容量方式のタッチスクリーンパネルの駆動電極として動作し、前記バリアパターンは、検出電極として動作可能である。
【0021】
また、前記平板表示装置が所定の画像を表示する動作を行う第1フレーム期間には前記第1電極パターンに同じ電圧が印加され、タッチ認識を行う第2フレーム期間には前記各第1電極パターンに順次に駆動信号が印加され、前記第1フレームと前記第2フレームとは、順次交互に動作する。
【0022】
また、前記各々の第1電極パターンに接続される電圧印加パッドと、前記バリアパターンに接続される電圧検出パッドとがさらに形成されるか、前記複数のバリアパターンのうち、所定間隔離隔したそれぞれ1つのバリアパターンまたは少なくとも2以上の隣接するバリアパターンにのみ電圧検出パッドが電気的に接続され得る。
【0023】
また、前記電圧検出パッドが接続されていないバリアパターンは、フローティング状態で実現されるか、接地電圧が印加され、前記隣接するバリアパターンは同じ電圧検出用パッドに接続され、1つの検出電極として動作する。
【0024】
また、前記電圧検出用パッドに接続されたバリアパターンと交差する第1電極パターンの幅は、前記バリアパターンと交差する面積が最小化されるように調整され、これにより、前記バリアパターンと交差する部分における第1電極パターンの幅は、残りのバリアパターンと交差する部分における第1電極パターンの幅より狭く実現され得る。
【発明の効果】
【0025】
このような本発明によれば、平板表示装置に配列された複数の第1電極パターン及び前記平板表示装置の外面に配列される複数のバリアパターンを、それぞれ静電容量方式のタッチスクリーンパネルの電極として用いることにより、追加の工程なく厚さを最小化したタッチスクリーンパネルが内蔵された立体映像平板表示装置を実現できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例によるタッチスクリーンパネルが内蔵された立体映像平板表示装置の一領域に関する断面図である。
【図2】図1における平板表示装置の第1電極パターン及びバリアパターンの構造を示す斜視図である。
【図3a】通常状態(タッチなし)の条件における検出セルに関する断面図である。
【図3b】図3aによる各検出セルに印加される駆動信号に応じた検出結果を概略的に示す図である。
【図4a】指による接触条件における検出セルに関する断面図である。
【図4b】図4aによる各検出セルに印加される駆動信号に応じた検出結果を概略的に示す図である。
【図5a】本発明の他の実施例による第1電極パターン及びバリアパターンの構造を示す平面図である。
【図5b】本発明の他の実施例による第1電極パターン及びバリアパターンの構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例についてより具体的に説明する。
【0028】
ただし、以下の実施例においては、液晶表示装置を用いてタッチ認識及び立体映像を実現することについて説明しているが、これは、1つの実施例であって、本発明による平板表示装置は液晶表示装置に限定されるものではない。
【0029】
図1は、本発明の実施例によるタッチスクリーンパネルが内蔵された立体映像平板表示装置の一領域に関する断面図であり、図2は、図1における平板表示装置の第1電極パターン及びバリアパターンの構造を示す斜視図である。
【0030】
液晶表示装置は、液晶の光学的異方性と分極性質を利用して画像を実現する表示装置であって、液晶は、分子構造が細長く、配列に方向性を持つ光学的異方性と、電場内に置かれた場合にその大きさによって分子配列方向に変化する分極性質を帯びる。
【0031】
これにより、液晶表示装置は、液晶層を挟んで互いに対向する面にそれぞれ画素電極と共通電極が形成された第1基板(アレイ基板)と、第2基板(カラーフィルタ基板)とを貼り合わせて構成された液晶パネルを必須構成要素とし、これら電極間の電場の変化により液晶分子の配列方向を人為的に調整し、このとき変化する光の透過率を利用して様々な画像を表示する非発光素子である。
【0032】
このため、図1に示す実施例を参照すると、液晶表示装置1は、液晶層90を挟んでアレイ基板としての第1基板11と、カラーフィルタ基板としての第2基板61とが対面して貼り合わされた構成を有するが、このうち、下部の第1基板11は、上面に縦横に交差配列される複数のゲート配線(図示せず)とデータ配線30とを含み、ゲート配線とデータ配線との交差地点には薄膜トランジスタTFTが備えられ、各画素領域Pに形成された画素電極50と一対一対応で接続されている。
【0033】
このとき、薄膜トランジスタTFTは、ゲート配線(図示せず)に接続されるゲート電極15と、ソース/ドレイン電極33、35と、ゲート電極15とソース/ドレイン電極33、35との間に形成される半導体層23とから構成される。ここで、半導体層23は、アクティブ層23aと、オームコンタクト層23bとを含む。
【0034】
また、ゲート電極15の上部にはゲート絶縁膜20が形成され、ソース/ドレイン電極33、35の上部には保護層40が形成されており、保護層40は、ドレイン電極35を露出するコンタクトホール43が備えられる。
【0035】
また、保護層40の上部には画素電極50が形成されており、コンタクトホール43を介してドレイン電極33に接続される。
【0036】
また、第1基板11に対向する上部の第2基板61は、その背面に、ゲート配線、データ配線、及び薄膜トランジスタなどの非表示領域を遮るように、各画素領域Pを取り囲む格子状のブラックマトリクス63と、ブラックマトリクス63の内部において、各画素領域Pに対応して配列されたカラーフィルタパターン66と、カラーフィルタパターン66の下部に透明導電性物質で形成される共通電極としての第1電極70とが形成されている。
【0037】
ここで、カラーフィルタパターン66と第1電極70との間にはオーバーコート層(図示せず)がさらに形成されてもよく、カラーフィルタパターンは、赤色、緑色、青色が順次に繰り返し配列できる。
【0038】
また、共通電極としての第1電極70は、液晶表示装置の駆動方式(例えば、IPS(In−Plane Switching)、FFS(Fringe Field Switching)方式など)により、第2基板61ではなく、第1基板11上に形成されてもよい。
【0039】
以下、このような構造を有する液晶表示装置の画像表示動作を簡略に説明する。
【0040】
まず、各画素領域Pに備えられた薄膜トランジスタTFTのゲート電極15にゲート信号が印加されると、アクティブ層23aが活性化され、これにより、ドレイン電極35は、下部のアクティブ層23aを経て所定間隔離隔したソース電極33を介してソース電極33に接続されたデータ配線30から印加されるデータ信号を受信する。
【0041】
このとき、ドレイン電極35は、コンタクトホール43を介して画素電極50に電気的に接続されるため、データ信号の電圧は画素電極50に印加される。
【0042】
これにより、画素電極50に印加された電圧と、第1電極70に印加された電圧との差に相当する電圧に対応して、それらの間の液晶分子の配列が調整されることにより、所定の画像が表示される。
【0043】
また、本発明の実施例による液晶表示装置は、3次元(3D)の立体映像を表示するものであり、このため、第2基板61の外面に複数のバリアパターン80aが形成されていることを特徴とする。
【0044】
バリアパターン80aは、画素Pの配列により所定の画素を透過した光が観察者の右眼または左眼に到達するように、所定間隔のパターンに配列されている。このとき、第2基板61の厚さ及びバリアパターン80a間の間隔(透光領域、スリット)80bは、液晶パネルのサイズや観察距離(設計値)によって決定される。
【0045】
このとき、バリアパターン80aの光が透過するのを防止しなければならないため、不透明な金属材質で実現される。
【0046】
以下、バリアパターン80aが備えられることにより、3D立体映像が表示される原理について簡略に説明する。
【0047】
3D立体映像をディスプレイするためには、液晶パネルに配列された画素Pは、それぞれ左眼用イメージ情報を表示する左眼画素と、右眼用イメージ情報を表示する右眼画素とが交互に形成され、第1基板11の下面にはバックライト(図示せず)が設けられる。
【0048】
また、第2基板61の外面に配列された複数のバリアパターン80a及びそれらの間の透光領域(スリット)80bは、左右眼用画素から出る光をそれぞれ選択的に遮断及び透過する役割を果たす。
【0049】
これにより、バックライトから発散した光の中から液晶パネルの左眼用画素を通過した光は、バリアパターン80a間のスリット80bを経て観察者の左眼に到達し、液晶パネルの右眼用画素を通過した光は、バリアパターン80a間のスリット80bを経て観察者の右眼に到達する。
【0050】
そして、これら各々の左右眼用画素を通して表示される映像には人間が十分に検出できる程度の十分な視差情報が存在し、観察者は3次元立体映像を認識するようになるのである。
【0051】
このような本発明の実施例は、従来の3D平板表示装置とは異なり、バリア層が形成された別のパネルを液晶パネル上に取り付けるのではなく、観察者側の第2基板61の外面にバリアパターン80aが直接形成されていることを特徴とし、これにより、バリアパターン80aは、第2基板61と偏光板(図示せず)との間に形成される。
【0052】
したがって、本発明の実施例の場合、バリアパターン80aと液晶層90との間に別の基板またはこれを取り付けるための粘着層が存在しないため、バリアパターン80aと液晶層90との間の距離には変動が発生しない。
【0053】
また、バリアパターン80aと液晶層90との間に存在する界面の数が従来の3D平板表示装置より少ないため、反射などによる光効率の低下を最小化することができる。
【0054】
そして、従来の一般的な液晶表示装置の場合、第1電極70は、第2基板61の下部全面に一体型に形成され、同じ電圧が印加されるが、本発明の実施例による液晶表示装置は、第1電極70を分離された複数のパターン70aに形成し、第1電極パターン70a及び前述したバリアパターン80aを、静電容量方式のタッチスクリーンパネルの電極として活用することを特徴とする。
【0055】
例えば、図2に示すように、第1電極70を、第1方向(例えば、X軸方向)に所定間隔離隔して配列される複数のパターン70aで実現し、バリアパターン80aを、第1方向と交差する第2方向(例えば、Y軸方向)に所定間隔離隔して配列されるように実現することができる。
【0056】
このとき、第1電極パターン70aは透明導電性物質で形成され、バリアパターン80aは有色の不透明金属材質で形成され、第1電極パターン70aとバリアパターン80aとの間には、誘電体としての役割を果たすカラーフィルタパターン66及び第2基板61が形成される。
【0057】
すなわち、第1電極パターン70a及びバリアパターン80aは、静電容量方式のタッチスクリーンパネルの電極として使用可能であり、本発明の実施例では、各パターンが相互静電容量(mutual capicitance)方式の電極として用いられることをその例として説明する。
【0058】
ただし、これは、1つの実施例であって、必ずしもこれに限定されるものではなく、これにより、各パターンは、自己静電容量方式の電極としても使用可能である。
【0059】
以下には、第1電極パターン70aが相互静電容量方式のタッチスクリーンパネルの駆動電極として動作し、バリアパターン80aは検出電極として動作することについて説明する。
【0060】
このような駆動電極70a及び検出電極80aの配列により互いに交差する地点に対しては、駆動電極と検出電極との間の相互静電容量Cが形成され、相互静電容量が形成された各交差点は、タッチ認識を実現する各々の検出セルとしての役割を果たす。
【0061】
ここで、各検出セルで生成された相互静電容量は、各検出セルに接続された駆動電極70aに駆動信号が印加される場合、各検出セルに接続された検出電極80aにカップリングされた検出信号を発生させる。
【0062】
また、各駆動電極70aには、1フレーム期間の間順次に駆動信号が印加されるため、駆動電極のいずれか1つの駆動電極に駆動信号が印加されると、その他の駆動電極は接地状態を維持する。
【0063】
したがって、駆動信号が印加された駆動電極と交差する複数の検出電極による複数の交差点、すなわち、検出セルには各々の相互静電容量が形成され、このような各検出セルに指などが接触した場合、これに対応する検出セルで静電容量の変化が発生し、これを検出できるようになるのである。
【0064】
このような構成により、本発明の実施例は、相互静電容量方式のタッチスクリーンパネルが内蔵された液晶表示装置を実現することができる。
【0065】
ただし、この場合、液晶表示装置が所定の画像を表示する動作を行う第1フレーム期間には第1電極パターン70aに同じ電圧が印加され、タッチ認識を行う第2フレーム期間には各々の第1電極パターン70aに順次に駆動信号が印加される。
【0066】
このとき、第1フレームと第2フレームとは互いに重ならないように実現され、例えば、各フレームが順次交互に動作可能である。
【0067】
以下、図3a及び図3b、図4a及び図4bを用いて相互静電容量方式のタッチスクリーンパネルの動作についてより具体的に説明する。
【0068】
図3aは、通常状態(タッチなし)の条件における検出セルに関する断面図であり、図3bは、図3aによる各検出セルに印加される駆動信号に応じた検出結果を概略的に示す図である。
【0069】
ただし、図3aは、図2における斜視図の一領域(I−I’)に関する断面図である。
【0070】
図3aに示すように、誘電体としての第2基板61により分離された駆動電極70a及び検出電極80a間の相互静電容量電界線200が示されている。
【0071】
ここで、駆動電極70aは、前述したように、互いに分離されて配列された第1電極パターンの1つであり、検出電極80aは、第1電極パターンと交差するバリアパターンに相当する。
【0072】
したがって、検出電極80aは、図示のように、第2基板61の上面に形成されており、検出電極80a上には偏光板69が形成されている。
【0073】
このとき、駆動電極70aと検出電極80aとが交差する地点が検出セル100であり、検出セル100に対応して示すように、駆動電極70aと検出電極80aとの間に相互静電容量Cが形成される。
【0074】
ただし、各検出セル100で生成された相互静電容量Cは、各検出セルに接続される駆動電極70aに駆動信号が印加された場合に発生する。
【0075】
すなわち、図3bに示すように、各駆動電極X1,X2,…,Xnには順次に駆動信号(例えば、3Vの電圧)が印加され、駆動電極X1,X2,…,Xnのいずれか1つの駆動電極に駆動信号が印加された場合、その他の駆動電極は接地状態を維持する。図3bの場合、第1駆動電極X1に駆動信号が印加されることをその例とする。
【0076】
したがって、駆動信号が印加された第1駆動電極X1と交差する複数の検出電極による複数の交差点、すなわち、検出セルS11,S12,…S1mには各々の相互静電容量が形成され、これにより、駆動信号が印加される検出セルごとに、これに接続された検出電極Y1,Y2,…,Ymに相互静電容量に対応する電圧(例えば、0.3V)が検出される。
【0077】
図4aは、指による接触条件における検出セルに関する断面図であり、図4bは、図4aによる各検出セルに印加される駆動信号に応じた検出結果を概略的に示す図である。
【0078】
図4aに示すように、指150が少なくとも1つの検出セル100に接触すると、指150は、低インピーダンス物体であって検出電極80aから身体までAC静電容量Cを有する。身体は約200pFの接地に対する自己静電容量を有し、これは、Cに比べて非常に大きい。
【0079】
これにより、指150が接触して駆動電極70aと検出電極80aとの間の電界線210を遮断する場合、電界線は、指150と身体に内在する静電容量経路を経て接地に分岐され、その結果、図3aに示す通常状態での相互静電容量Cは、Cだけ減少する(CM1=C−C)。
【0080】
また、このような各検出セルにおける相互静電容量の変化は、結果として、検出セル100に接続された検出電極80aに運ばれる電圧を変化させる。
【0081】
すなわち、図4bに示すように、各駆動ラインX1,X2,…,Xnに順次に駆動信号(例えば、3Vの電圧)が印加されることにより、駆動信号が印加された第1駆動ラインX1と交差する複数の検出ラインによる複数の検出セルS11,S12,…S1mには各々の相互静電容量Cが形成されるが、指150により少なくとも1つの検出セル(例えば、S12、S1m)が接触した場合、相互静電容量が減少し(CM1)、接触した検出セルS12、S1mに接続された検出電極Y2、Ymには、減少した相互静電容量に対応する電圧(例えば、0.1V)が検出される。
【0082】
ただし、第1駆動電極X1に接続されているが、指150による接触が行われていない他の検出セルは、そのまま既存の相互静電容量Cが維持されるため、これに接続された検出電極には以前と同じ電圧(例えば、0.3V)が検出される。
【0083】
すなわち、検出電極に印加される電圧の差により正確なタッチ位置を検出できるようになる。
【0084】
図5a及び図5bは、本発明の他の実施例による第1電極パターン及びバリアパターンの構造を示す平面図である。
【0085】
図5a及び図5bに示す実施例は、図2に示す実施例と比較して、バリアパターン80aがすべてタッチスクリーンパネルの検出電極として動作するのではなく、複数のバリアパターンの一部のバリアパターン80a’のみが検出電極として用いられる点で相違している。
【0086】
また、図5a及び図5bに示す実施例の場合、第1電極パターン70aは、バリアパターン80a、80a’と同一面上に形成され、タッチスクリーンパネルの駆動電極及び検出電極として使用可能である。
【0087】
ただし、この場合、第1電極パターン70aとバリアパターン80a、80a’との間には絶縁層(図示せず)が形成される。
【0088】
バリアパターンは、3D立体映像を実現するために、一般的に、隣接する2つの画素ごとに1つずつ配置されるが、これは、タッチスクリーンパネルの検出電極として使用されるにはその間隔が狭いという欠点がある。
【0089】
これにより、図5a及び図5bに示す実施例では、複数のバリアパターンの一部のバリアパターン80a’のみを検出電極として用い、残りのバリアパターンは、3D立体映像を実現するためのバリアの機能のみを実現させることを特徴とする。
【0090】
すなわち、検出電極として用いられるバリアパターン80a’には、それぞれ電圧検出用パッド82が電気的に接続され、残りのバリアパターン80aは、フローティング状態で電圧を印加しないか、接地電圧(GND)を印加する。
【0091】
また、駆動電極として用いられる第1電極パターン70aには、それぞれ第1電極パターン70aに順次に駆動信号を印加する電圧印加用パッド84が電気的に接続される。
【0092】
このとき、検出電極には、図5aに示す実施例のように、所定間隔離隔したそれぞれ1つのバリアパターン80a’を使用してもよく、図5bに示す実施例のように、所定間隔離隔した少なくとも2以上の隣接するバリアパターン80a’を束ねて使用してもよい。
【0093】
ただし、図5bの実施例の場合、隣接するバリアパターン80a’は、同じ電圧検出用パッド82に接続され、1つの検出電極として動作する。
【0094】
また、図5a及び図5bに示すように、電圧検出用パッドに接続される一部のバリアパターン80a’と交差する第1電極パターン70aの場合、バリアパターン80a’と交差する面積が最小化されるように、第1電極パターン70aの幅d1、d2が調整されていることを特徴とする。
【0095】
バリアパターン80a’と交差する部分における第1電極パターン70aの幅d2は、残りのバリアパターン80aと交差する部分における第1電極パターン70aの幅d1より狭く実現される。
【0096】
これは、相互静電容量方式のタッチスクリーンパネルにおいて、検出電極及び駆動電極が交差する部分に対して駆動電極の幅を最小化することにより、交差領域で発生するキャパシタンスCnodeの値を減らし、タッチ感度を向上させるためである。
【符号の説明】
【0097】
1:液晶表示装置
11:第1基板
15:ゲート電極
20:ゲート絶縁膜
23:半導体層
30:データ配線
33:ソース電極
35:ドレイン電極
40:保護層
43:コンタクトホール
50:画素電極
61:第2基板
63:ブラックマトリクス
66:カラーフィルタパターン
69:偏光板
70:第1電極
70a:第1電極パターン(駆動電極)
80a:バリアパターン(検出電極)
80b:スリット
82、84:パッド
90:液晶層
100:検出セル
200、210:電界線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタをそれぞれ含む複数の画素が形成された第1基板と、
前記画素に対応して第1方向に所定間隔離隔して配列される複数の第1電極パターンと、
前記第1基板に対向して位置する第2基板と、
前記第2基板の外面に形成され、前記第1方向と交差する第2方向に所定間隔離隔して配列される複数のバリアパターンとが備えられることを特徴とするタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項2】
前記複数の第1電極パターンは、第2基板の内面に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項3】
前記複数の第1電極パターンは、前記複数のバリアパターンと同一面上に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項4】
前記第1電極パターンと前記バリアパターンとの間には、絶縁層が形成されることを特徴とする請求項3に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項5】
前記複数の画素は、それぞれ左眼用イメージ情報を表示する左眼画素と、右眼用イメージ情報を表示する右眼画素とが交互に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項6】
前記第2基板の外面に配列された複数のバリアパターン及びそれらの間の透光領域は、前記左右眼用画素から出る光をそれぞれ選択的に遮断及び透過することを特徴とする請求項5に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項7】
前記第1電極パターン及びバリアパターンは、それぞれ静電容量方式のタッチスクリーンパネルの電極として用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項8】
前記第1電極パターンは、相互静電容量方式のタッチスクリーンパネルの駆動電極として動作し、前記バリアパターンは、検出電極として動作することを特徴とする請求項7に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項9】
前記平板表示装置が所定の画像を表示する動作を行う第1フレーム期間には前記第1電極パターンに同じ電圧が印加され、タッチ認識を行う第2フレーム期間には前記各第1電極パターンに順次に駆動信号が印加されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項10】
前記第1フレームと前記第2フレームとは、順次交互に動作することを特徴とする請求項9に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項11】
前記各々の第1電極パターンに接続される電圧印加パッドと、前記バリアパターンに接続される電圧検出パッドとがさらに形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項12】
前記複数のバリアパターンのうち、所定間隔離隔したそれぞれ1つのバリアパターンまたは少なくとも2以上の隣接するバリアパターンにのみ電圧検出パッドが電気的に接続されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項13】
前記電圧検出パッドが接続されていないバリアパターンは、フローティング状態で実現されるか、接地電圧が印加されることを特徴とする請求項12に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項14】
前記隣接するバリアパターンは同じ電圧検出用パッドに接続され、1つの検出電極として動作することを特徴とする請求項12または請求項13に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項15】
前記電圧検出用パッドに接続されたバリアパターンと交差する第1電極パターンの幅は、前記バリアパターンと交差する面積が最小化されるように調整されることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。
【請求項16】
前記バリアパターンと交差する部分における第1電極パターンの幅は、残りのバリアパターンと交差する部分における第1電極パターンの幅より狭く実現されることを特徴とする請求項15に記載のタッチスクリーンパネル内蔵型立体映像平板表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【公開番号】特開2012−78769(P2012−78769A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290963(P2010−290963)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】