説明

タッチパネル、タッチパネルの製造方法、電気光学装置、電子機器

【課題】電気的接続性に優れたタッチパネルを提供する。
【解決手段】タッチパネルは、第1電極膜が、基板上の第1方向に間隔をあけて形成された複数の第1島状電極部と、隣接する第1島状電極部の間に電気的に接続形成された第1ブリッジ配線膜と、を有し、第2電極膜は、基板上であって、第1方向と交差する第2方向に間隔をあけて形成された複数の第2島状電極部と、少なくとも第1ブリッジ配線膜上に形成された絶縁膜上を経由して、隣接する第2島状電極部の間に電気的に接続形成された第2ブリッジ配線膜と、を有し、第2ブリッジ配線膜の絶縁膜上に形成された膜幅が、隣接する第1島状電極部の間隔よりも狭く、第2ブリッジ配線膜の第2島状電極部との接続部分における膜幅が、第2ブリッジ配線膜の絶縁膜上に形成された膜幅よりも広い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル、タッチパネルの製造方法、電気光学装置、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々のタッチパネルが考案されている。例えば、静電容量型のタッチパネルは、絶縁層を介して、互いに交差するように形成された複数の電極膜が備えられており、当該電極膜が形成されたパネルに指などを近づけることによって、パネルの電極膜間に容量が生成され、生成された容量を充電する電流を検出することで、位置検出を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−63403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のタッチパネルでは、基板上に電極等を形成する際に、スパッタ法や、フォトリソグラフィー法や、エッチング法などを複数回繰り返して電極膜等を形成するため、製造コストが上昇してしまう。そこで、印刷法等を用いて、電極膜等を形成することが考えられるが、例えば、絶縁層を介して、電極膜間に導電膜を形成する際、電極膜に対する導電膜の接続面積が小さい場合には、接触抵抗が高くなってしまう、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかるタッチパネルは、基板の一面上に形成され、互いに交差する方向に延在する複数の第1電極膜及び複数の第2電極膜を有するタッチパネルであって、前記第1電極膜は、前記基板上の第1方向に間隔をあけて形成された複数の第1島状電極部と、隣接する前記第1島状電極部の間に電気的に接続形成された第1ブリッジ配線膜と、を有し、前記第2電極膜は、前記基板上であって、前記第1方向と交差する第2方向に間隔をあけて形成された複数の第2島状電極部と、少なくとも前記第1ブリッジ配線膜上に形成された絶縁膜上を経由して、隣接する前記第2島状電極部の間に電気的に接続形成された第2ブリッジ配線膜と、を有し、前記第2ブリッジ配線膜の前記絶縁膜上の膜幅が、隣接する前記第1島状電極部の間隔よりも狭く、前記第2ブリッジ配線膜の前記第2島状電極部との接続部分における膜幅が、前記第2ブリッジ配線膜の前記絶縁膜上の膜幅よりも広いことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、隣接する第1島状電極部間は、第1ブリッジ配線膜により接続され、隣接する第2島状電極部間は、第1ブリッジ配線膜上に形成された絶縁膜を介して形成された第2ブリッジ配線膜によって接続される。こうして、第1,第2電極膜が互いに交差しながら、それぞれの電極膜間が電気的に接続される。ここで、第2ブリッジ配線膜の絶縁膜上に形成された膜幅は、第1島状電極部間の間隔よりも狭い幅で形成される。これにより、第2ブリッジ配線膜と第1島状電極部と間隔が確保されるため、第2ブリッジ配線膜と第1電極膜との絶縁性が確保される。また、第2ブリッジ配線膜の第2島状電極部との接続部分における膜幅は、第2ブリッジ配線膜の絶縁膜上に形成された膜幅よりも広い幅で形成される。すなわち、第2島状電極部との接続面積が広くなるので、第2ブリッジ配線膜と第2島状電極部との接触抵抗を低減させることができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例にかかるタッチパネルでは、前記第2ブリッジ配線膜の前記第2島状電極部との接続部分における膜幅が、前記第2ブリッジ配線膜の前記絶縁膜上に形成された膜幅の1.2倍以上広いことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、第2島状電極部との接続面積が確保され、第2ブリッジ配線膜と第2島状電極部との接触抵抗を低減させることができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例にかかるタッチパネルでは、一方の前記第2島状電極部の接続部分における前記第2ブリッジ配線膜の膜幅と、他方の前記第2島状電極部の接続部分における前記第2ブリッジ配線膜の膜幅の広さが、等しいことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、各第2島状電極部に接続される部分における第2ブリッジ配線膜の膜幅が各第2島状電極部において等しくなるので、各第2島状電極部と第2ブリッジ配線膜との接触抵抗を均等に低減させることができる。
【0012】
[適用例4]本適用例にかかるタッチパネルの製造方法は、基板の一面上に形成され、互いに交差する方向に延在する複数の第1電極膜及び複数の第2電極膜を有するタッチパネルの製造方法であって、前記基板上の第1方向に間隔をあけて複数の第1島状電極部を形成するとともに、隣接する前記第1島状電極部の間を電気的に接続する第1ブリッジ配線膜を形成して、前記第1電極膜を形成する第1電極膜形成工程と、前記基板上であって、前記第1方向と交差する第2方向に間隔をあけて複数の第2島状電極部を形成する第2島状電極部形成工程と、少なくとも前記第1ブリッジ配線膜上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記絶縁膜上を経由して、隣接する前記第2島状電極部の間を電気的に接続する第2ブリッジ配線膜を形成して、前記第2電極膜を形成する第2ブリッジ配線膜形成工程と、を含み、前記第2ブリッジ配線膜形成工程では、前記第2ブリッジ配線膜の前記絶縁膜上の膜幅が、隣接する前記第1島状電極部の間隔よりも狭く、かつ、前記第2ブリッジ配線膜の前記第2島状電極部との接続部分における膜幅が、前記第2ブリッジ配線膜の前記絶縁膜上の膜幅よりも広い前記第2ブリッジ配線膜を形成することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、隣接する第1島状電極部間は、第1ブリッジ配線膜により接続され、隣接する第2島状電極部間は、第1ブリッジ配線膜上に形成された絶縁膜を介して形成された第2ブリッジ配線膜によって接続される。こうして、第1,第2電極膜が互いに交差しながら、それぞれの電極膜間が電気的に接続される。ここで、第2ブリッジ配線膜の絶縁膜上に形成された膜幅は、第1島状電極部間の間隔よりも狭い幅で形成される。これにより、第2ブリッジ配線膜と第1島状電極部と間隔が確保されるため、第2ブリッジ配線膜と第1電極膜との絶縁性が確保される。また、第2ブリッジ配線膜の第2島状電極部との接続部分における膜幅は、第2ブリッジ配線膜の絶縁膜上に形成された膜幅よりも広い幅で形成される。すなわち、第2島状電極部との接続面積が広くなるので、第2ブリッジ配線膜と第2島状電極部との接触抵抗を低減させることができる。
【0014】
[適用例5]上記適用例にかかるタッチパネルの製造方法の前記第2ブリッジ配線膜形成工程では、前記第2ブリッジ配線膜の材料を含む機能液を液滴として吐出して、前記絶縁膜上および前記第2島状電極部上に前記機能液を塗布する塗布工程と、塗布された前記機能液を固化して、前記第2ブリッジ配線膜を形成する固化工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、所望の位置に効率良く機能液を塗布することができる。これにより、高精細なパターン形状を有する第2ブリッジ配線膜を形成することができる。
【0016】
[適用例6]上記適用例にかかるタッチパネルの製造方法では、前記塗布工程の前に、前記第2島状電極部の表面を、前記機能液に対して親液化させる親液化処理工程を含むことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、第2島状電極部の表面に塗布された機能液は、親液効果により、第2島状電極部の表面に濡れ広がる。これにより、第2島状電極部に対する第2ブリッジ配線膜の接触面積を広げやすくさせることができる。
【0018】
[適用例7]上記適用例にかかるタッチパネルの製造方法では、前記塗布工程の前に、前記基板の表面を、前記機能液に対して撥液化させる撥液化処理工程を含むことを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、第2島状電極部の表面に塗布された機能液の濡れ広がりは、基板に施された撥液力により、第2島状電極部と基板との境界部分で規制される。従って、他の電極膜との接触を抑制することができる。
【0020】
[適用例8]上記適用例にかかるタッチパネルの製造方法の前記塗布工程では、隣接する前記第2島状電極部の双方に前記機能液を塗布する第1塗布工程と、前記絶縁膜上に前記機能液を塗布する第2塗布工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、第2島状電極部上への機能液の塗布と、絶縁膜上への機能液の塗布とが区別される。すなわち、それぞれの領域に対して別個に機能液が塗布される。従って、第2島状電極部に塗布された機能液と絶縁膜上に塗布された機能液は、それぞれの領域における粘度が異なるので、塗布された機能液のしみ広がりを抑えることができる。すなわち、塗布された機能液の流動性を低下させることができ、適切な形状の第2ブリッジ配線膜を形成することができる。
【0022】
[適用例9]上記適用例にかかるタッチパネルの製造方法の前記塗布工程では、隣接する前記第2島状電極部のうち、一方の前記第2島状電極部から前記絶縁膜を経由して、他方の前記第2島状電極部の順に前記機能液を塗布し、先に前記機能液を塗布する前記一方の第2島状電極部に対する前記機能液の塗布量を、後で前記機能液を塗布する前記他方の第2島状電極部に対する前記機能液の塗布量よりも少なくしたことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、一回の描画で第2ブリッジ配線膜の材料を含む機能液を塗布することが可能となる。さらに、一方の第2島状電極部に塗布される機能液の塗布量が、他方の第2島状電極部に塗布される機能液の塗布量よりも少ないので、機能液の乾燥に伴って機能液が一方の第2島状電極部側に流動したとしても、しみ広がりを抑え、双方の第2島状電極部の接続部において同形状の第2ブリッジ配線膜を形成することができる。
【0024】
[適用例10]上記適用例にかかるタッチパネルの製造方法の前記塗布工程では、先に前記機能液を塗布する前記一方の第2島状電極部に対する前記液滴の吐出回数を、後で前記機能液を塗布する前記他方の第2島状電極部に対する前記液滴の吐出回数よりも少なくしたことを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、吐出回数により、容易に、一方の第2島状電極部に塗布される機能液の塗布量を、他方の第2島状電極部に塗布される機能液の量よりも少なくさせることができる。
【0026】
[適用例11]本適用例にかかる電気光学装置は、上記のタッチパネル、または、上記のタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネルを備えたことを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、信頼性の高いタッチパネルを備えた電気光学装置を提供することができる。この場合、電気光学装置は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等がこれに該当する。
【0028】
[適用例12]本適用例にかかる電子機器は、上記の電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、信頼性の高い電気光学装置を搭載した電子機器を提供することができる。この場合、電子機器は、例えば、カラーフィルター、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)を搭載したテレビ受像機、パーソナルコンピューター、携帯電子機器、その他、各種の電子製品がこれに該当する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】タッチパネルの構成を示し、(a)は、全体を示す平面図、(b)は、一部拡大した平面図。
【図2】タッチパネルの構成を示す断面図。
【図3】タッチパネルの製造方法を示すフローチャート。
【図4】タッチパネルの製造方法の一部を示すフローチャート。
【図5】液滴吐出装置の構成を示す斜視図。
【図6】吐出ヘッドの構成を示す断面図。
【図7】タッチパネルの製造方法を示す工程図。
【図8】タッチパネルの製造方法を示す工程図。
【図9】第1実施形態にかかるタッチパネルの製造方法を示す工程図。
【図10】電気光学装置としての液晶表示装置の構成を示す平面図及び断面図。
【図11】電子機器としてのパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図。
【図12】第2実施形態にかかるタッチパネルの製造方法を示す工程図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を具体化した第1及び第2実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材ごとに縮尺や数等を異ならせて図示している。
【0032】
[第1実施形態]
(タッチパネルの構成)
まず、本実施形態にかかるタッチパネルの構成について説明する。図1は、タッチパネルの構成を示し、同図(a)は、全体を示す平面図であり、同図(b)は、一部拡大した平面図である。図2は、図1(a)に示したタッチパネルのA−A’断面図である。
【0033】
タッチパネル100は、基板1、入力領域2、及び引き回し配線60を有する。基板1は、平面視で矩形状に成形されており、その材質としてガラス、アクリル樹脂などの透明な材質が用いられる。
【0034】
入力領域2は、図1(a)において二点鎖線で囲まれた領域であり、タッチパネルに入力される指の位置情報を検出する領域である。入力領域2には、複数の第1電極膜としてのX電極膜10及び複数の第2電極膜としてのY電極膜20がそれぞれ配置されている。X電極膜10は、図示で第1方向としてのX軸方向に沿って延在し、Y軸方向に互いに間隔をあけて複数配列されている。Y電極膜20は、図示で第2方向としてのY軸方向に沿って延在し、X軸方向に互いに間隔をあけて複数配列されている。
【0035】
X電極膜10は、X軸方向に配列された複数の第1島状電極部12と、隣り合う第1島状電極部12同士を電気的に接続する第1ブリッジ配線膜11とを備えている。第1島状電極部12は平面視で矩形状に形成され、一方の対角線がX軸に沿うように配置されている。
【0036】
Y電極膜20は、Y軸方向に配列された複数の第2島状電極部22と、隣り合う第2島状電極部22同士を接続する第2ブリッジ配線膜21とを備えている。第2島状電極部22は、平面視で矩形状に形成され、一方の対角線がY軸に沿うように配置されている。第1島状電極部12と第2島状電極部22とは、X軸方向及びY軸方向において互い違いに配置(市松状配置)されており、入力領域2では、矩形状の第1,第2島状電極部12,22が平面視においてマトリクス状に配置されている。そして、X電極膜10及びY電極膜20は、第1ブリッジ配線膜11と第2ブリッジ配線膜21を互いに交差させることによって入力領域2内の交差部Kで交差している。
【0037】
X電極膜10及びY電極膜20を構成する材質としては、ITO(インジウムスズ酸化物)やIZO(インジウム亜鉛酸化物;登録商標)、ZnOなどの透光性を有する抵抗体を採用することができる。
【0038】
引き回し配線60は、X電極膜10及びY電極膜20と接続されており、タッチパネル100の内部あるいは外部装置に設けられた駆動部及び電気信号変換/演算部(いずれも図示は省略)と接続されている。
【0039】
ここで、第2ブリッジ配線膜21の形状等について説明する。図1(b)に示すように、X電極膜10とY電極膜20とを、X電極膜10の第1ブリッジ配線膜11上に形成された絶縁膜30を介在させて交差させることによって、X電極膜10とY電極膜20との絶縁性が確保される。
【0040】
第2ブリッジ配線膜21は、隣接する第2島状電極部22同士を電気的に接続するための配線膜である。そして、第2ブリッジ配線膜21の絶縁膜30上に形成された膜幅W1と、第2ブリッジ配線膜21の第2島状電極部22上に形成された膜幅W2とは寸法が異なっており、第2ブリッジ配線膜21の第2島状電極部22上に形成された膜幅W2の方が、第2ブリッジ配線膜21の絶縁膜30上に形成された膜幅W1よりも広くなっている。
【0041】
さらに詳細には、第2ブリッジ配線膜21の絶縁膜30上に形成された膜幅W1は、隣接する第1島状電極部12の間隔W3よりも狭くなるように形成されている。第1島状電極部12の微細ピッチ化に対応し、第2ブリッジ配線膜21と第1島状電極部12との間隔を確保し、第2ブリッジ配線膜21と第1島状電極部12との接触を防止するためである。
【0042】
一方、第2ブリッジ配線膜21の第2島状電極部22上に形成された膜幅W2は、第2ブリッジ配線膜21の絶縁膜30上に形成された膜幅W1よりも広く形成され、第2ブリッジ配線膜21と第2島状電極部22との接続面積が広げられている。これにより、第2ブリッジ配線膜21と第2島状電極部22との接触抵抗を低減させることができる。なお、本実施形態では、膜幅W2が、膜幅W1の1.2倍以上に形成されている。
【0043】
さらには、隣接した第2島状電極部22の一方の第2島状電極部22aの接続部分における第2ブリッジ配線膜21の膜幅と、他方の第2島状電極部22bの接続部分における第2ブリッジ配線膜21の膜幅の広さが略等しく形成されている。これにより、各第2島状電極部22と第2ブリッジ配線膜21との接触抵抗を均等に低減させることができる。
【0044】
次に、断面視におけるタッチパネル100の構成について説明する。図2に示すように、基板1の一面としての機能面1aに、第1島状電極部12(図示は省略)、第2島状電極部22、及び第1ブリッジ配線膜11が設けられている。第1ブリッジ配線膜11上には、絶縁膜30が形成されている。そして、第2島状電極部22の一部及び絶縁膜30上に第2ブリッジ配線膜21が形成され、隣接する第2島状電極部22が電気的に接続されている。また、基板1の機能面1aに、引き回し配線60が配置されている。引き回し配線60は、機能面1aに配置された第1層60a及び第1層60aに積層された第2層60bによって構成されている。そして、引き回し配線60を覆って配線保護膜62が形成されている。
【0045】
これらの電極膜及び配線膜を覆って、平坦化膜40が形成されている。平坦化膜40上には、接着層51を介して保護基板50が配置されている。基板1の裏面1bには、シールド層70が設けられている。
【0046】
絶縁膜30は、立体的に交差する第1ブリッジ配線膜11と第2ブリッジ配線膜21とを絶縁する。絶縁膜30は、ポリシロキサン、アクリル系樹脂、及びアクリルモノマーなどを、例えば、印刷法等を用いて塗布し、それを乾燥固化して形成することができる。ポリシロキサンを用いて形成した場合には、絶縁膜30はシリコン酸化物からなる無機絶縁膜となる。一方、アクリル系樹脂、及びアクリルモノマーを採用した場合には、絶縁膜30は樹脂材料からなる有機絶縁膜となる。ここでは、JSR NN525E と、EDM(ジエチレングリコールエチルメチルエーテル)とを4:1(重量比)で混合したインクを用いている。
【0047】
絶縁膜30の構成材料には、比誘電率が4.0以下、望ましくは3.5以下である材料を採用することが好ましい。これにより、第1,第2ブリッジ配線膜11,21の交差部における寄生容量を低減して、タッチパネルの位置検出性能を保持することができる。また絶縁膜30の構成材料には、屈折率が2.0以下、望ましくは1.7以下である材料を用いることが好ましい。これにより、基板1やX電極膜10、Y電極膜20との屈折率差を小さくすることができ、使用者に絶縁膜30のパターンが見えてしまうのを防止できる。
【0048】
引き回し配線60の第1層60aは、X電極膜10又はY電極膜20を入力領域2の外側の領域まで延出したものであり、ITOやIZOなどの抵抗体によって形成されている。第2層60bは、第1層60a上に積層形成され、引き回し配線60の配線抵抗を低減する。第2層60bは、Au、Ag、Al、Cu、Pdなどの金属、及びカーボン(グラファイト、カーボンナノチューブなどのナノカーボン)のうち1種類以上を成分とする、有機化合物、ナノ粒子、ナノワイヤーなどを用いて形成することができる。第2層60bの構成材料は、第1層60aよりもシート抵抗を小さくすることができるものであれば特に限定されない。
【0049】
引き回し配線60を覆う配線保護膜62は、絶縁膜30と同様に、ポリシロキサン、アクリル系樹脂、及びアクリルモノマーなどを形成材料に用いた印刷法によって形成することができる。したがって、配線保護膜62は絶縁膜30を形成する工程で同時に形成することができる。
【0050】
平坦化膜40は、基板1の機能面1aの少なくとも入力領域2を覆って形成され、X電極膜10やY電極膜20による機能面1aの凹凸を平坦化している。平坦化膜40は、図示のように、機能面1aの略全面(外部接続端子部を除く)を覆って形成されていることが好ましい。平坦化膜40により基板1の機能面1a側が平坦化されていることで、基板1と保護基板50とをほぼ全面にわたって均一に接合することができる。また平坦化膜40の構成材料には、屈折率が2.0以下、望ましくは1.7以下である材料を用いることが好ましい。これにより、基板1やX電極膜10、Y電極膜20との屈折率差を小さくすることができ、X電極膜10やY電極膜20の配線パターンを見えにくくすることができる。
【0051】
保護基板50は、ガラスやプラスチックなどの透明基板である。あるいは、本実施形態のタッチパネル100が液晶パネルや有機ELパネルなどの表示装置の前面に配置される場合には、保護基板50として、表示装置の一部として用いられる光学素子基板(偏光板や位相差板など)を用いることもできる。
【0052】
シールド層70は、ITOやIZO(登録商標)などの透明導電材料を基板1の裏面1bに成膜することで形成される。あるいは、シールド層となる透明導電膜が形成されたフィルムを用意し、かかるフィルムを基板1の裏面1bに接着した構成としてもよい。シールド層70が設けられていることで、基板1の裏面1b側において電界を遮断する。これにより、タッチパネル100の電界が表示装置等に作用したり、表示装置等の外部機器の電界がタッチパネル100に作用したりするのを防止することができる。
【0053】
なお、本実施形態では基板1の裏面1bにシールド層70を形成しているが、例えば、シールド層70を基板1の機能面1a側に形成することもできる。この場合、基板1の機能面1a上にシールド層70を形成し、シールド層70を覆う絶縁膜を形成する。このようにすれば、基板1の片面にシールド層70や、X電極膜10、Y電極膜20、引き回し配線60等を形成するので、製造工程が煩雑化するのを回避でき、製造性に優れたタッチパネルとすることができる。
【0054】
ここで、タッチパネル100の動作原理について簡単に説明する。まず、図示は省略の駆動部から、引き回し配線60を介してX電極膜10及びY電極膜20に所定の電位を供給する。なお、シールド層70には、例えばグランドの電位(接地電位)を入力する。
【0055】
上記のように電位が供給された状態で、保護基板50側から入力領域2に向けて手指を近づけると、保護基板50に近づけた手指と、接近位置付近のX電極膜10及びY電極膜20のそれぞれとの間に寄生容量が形成される。すると、寄生容量が形成されたX電極膜10及びY電極膜20では、この寄生容量を充電するために一時的な電位低下が引き起こされる。
【0056】
駆動部では、各電極の電位をセンシングしており、上述の電位低下が発生したX電極膜10及びY電極膜20を即座に検出する。そして、検出された電極の位置を電気信号変換/演算部によって解析することによって、入力領域2における指の位置情報が検出される。具体的には、X軸方向に延在するX電極膜10によって、手指が接近した位置の入力領域2におけるY座標が検出され、Y軸方向に延在するY電極膜20によって、入力領域2におけるX座標が検出される。
【0057】
(タッチパネルの製造方法)
次に、タッチパネルの製造方法について説明する。図3は、タッチパネルの製造方法を示すフローチャートである。
【0058】
本実施形態のタッチパネルの製造工程は、図3に示すように、基板1の機能面1aに、第1,第2島状電極部12,22、第1ブリッジ配線膜11、及び引き回し配線60の第1層60aを形成する電極膜形成工程S10と、引き回し配線60の第1層60aに第2層60bを積層する補助配線形成工程S20と、第1ブリッジ配線膜11上に絶縁膜30を形成するとともに、引き回し配線60を覆って配線保護膜62を形成する絶縁膜形成工程S30と、絶縁膜30上を経由して隣り合った第2島状電極部22同士を接続する第2ブリッジ配線膜21を形成する第2ブリッジ配線膜形成工程S40と、基板1の機能面1a側を平坦化する平坦化膜40を形成する平坦化膜形成工程(保護膜形成工程)S50と、接着層51を介して保護基板50を平坦化膜40と接合する保護基板接合工程(接着層形成工程)S60と、基板1の裏面1bにシールド層70を形成するシールド層形成工程(導電膜形成工程)S70とを有している。
【0059】
また、図4は、タッチパネルの製造方法の一部を示すフローチャートである。すなわち、タッチパネルの製造方法における第2ブリッジ配線膜形成工程S40をさらに詳細に説明するためのフローチャートである。
【0060】
図4に示すように、第2ブリッジ配線膜形成工程S40は、基板1の表面及び第2島状電極部22の表面を表面処理する表面処理工程S40aと、第2ブリッジ配線膜21の材料を含む機能液を液滴として吐出して、絶縁膜30上および第2島状電極部22上に機能液を塗布する塗布工程S40bと、塗布された機能液を固化して、第2ブリッジ配線膜21を形成する固化工程S40cを有している。
【0061】
本実施形態のタッチパネル100の製造工程は、印刷法の一種である液滴吐出法によって成膜する工程を有している。そこで、タッチパネルの製造方法の説明に先立ち、液滴吐出装置について説明する。
【0062】
図5は、液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1001と、Y軸方向駆動軸1004と、X軸方向ガイド軸1005と、制御装置CONTと、ステージ1007と、クリーニング機構1008と、基台1009と、ヒーター1015とを備えている。機能液を液滴として吐出する装置として、ピエゾ素子(圧電素子)を用いた電気機械変換方式の、液滴吐出装置が用いられる。
【0063】
ステージ1007は、この液滴吐出装置IJにより機能液が塗布配置されるワークWを支持するものであって、ワークWを基準位置に固定する図示は省略の固定機構を備えている。
【0064】
液滴吐出ヘッド1001は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とY軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド1001の下面に一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド1001の吐出ノズルからは、ステージ1007に支持されているワークWに対して、導電性微粒子を含む機能液が吐出されるようになっている。
【0065】
Y軸方向駆動軸1004には、Y軸方向駆動モーター1002が接続されている。このY軸方向駆動モーター1002は、ステッピングモーター等からなるもので、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、Y軸方向駆動軸1004を回転させる。Y軸方向駆動軸1004が回転すると、液滴吐出ヘッド1001はY軸方向に移動する。
【0066】
X軸方向ガイド軸1005は、基台1009に対して動かないように固定されている。ステージ1007は、X軸方向駆動モーター1003を備えている。X軸方向駆動モーター1003はステッピングモーター等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ1007をX軸方向に移動する。
【0067】
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド1001に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、Y軸方向駆動モーター1002に液滴吐出ヘッド1001のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、X軸方向駆動モーター1003にステージ1007のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
【0068】
クリーニング機構1008は、液滴吐出ヘッド1001をクリーニングするものである。クリーニング機構1008には、図示は省略のX軸方向の駆動モーターが備えられている。このX軸方向の駆動モーターの駆動により、クリーニング機構は、X軸方向ガイド軸1005に沿って移動する。クリーニング機構1008の移動も制御装置CONTにより制御される。
【0069】
ヒーター1015は、ここではランプアニールによりワークWを熱処理する手段であり、ワークW上に配置された機能液に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒーター1015の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
【0070】
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1001とワークWを支持するステージ1007とを相対的に走査しつつ、ワークWに対して、液滴吐出ヘッド1001の下面にY軸方向に配列された複数の吐出ノズルから液滴を吐出するようになっている。
【0071】
図6は、ピエゾ方式による機能液の吐出原理を説明する図である。図6において、機能液を収容する液体室1021に隣接してピエゾ素子1022が設置されている。液体室1021には、機能液を収容する材料タンクを含む液体材料供給系1023を介して機能液が供給される。ピエゾ素子1022は駆動回路1024に接続されており、この駆動回路1024を介してピエゾ素子1022に電圧を印加し、ピエゾ素子1022を変形させることにより、液体室1021が変形し、吐出ノズル1025から機能液が液滴Dとして吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子1022の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子1022の歪み速度が制御される。ピエゾ方式による機能液は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
【0072】
ここで、タッチパネルの製造方法の説明に戻る。図7及び図8は、タッチパネル100の製造工程を示す図である。これらの工程図は、図2に示した構造(第2ブリッジ配線膜21の交差部K及び引き回し配線60)を形成する工程を示している。
【0073】
まず、電極膜形成工程S10について説明する。電極膜形成工程S10では、例えば、フォトリソグラフィー法を用いて、基板1上の第1方向(X軸方向)に間隔をあけて複数の第1島状電極部12を形成するとともに、隣接する第1島状電極部12の間を電気的に接続する第1ブリッジ配線膜11を形成することにより、X電極膜10を形成する(第1電極膜形成工程)。また、基板1上であって、第2方向(Y軸方向)に間隔をあけて複数の第2島状電極部22を形成する(第2島状電極部形成工程)。そして、第1島状電極部12及び第2島状電極部22から延出された引き回し配線60の第1層60aを形成する。なお、第1島状電極部12、第1ブリッジ配線膜11、第2島状電極部22及び第1層60aは、ITO(インジウムスズ酸化物)やIZO(インジウム亜鉛酸化物;登録商標)、ZnOなどの透光性を有する抵抗体を採用することができる。
【0074】
なお、本実施形態の電極膜形成工程S10においては、フォトリソグラフィー法を用いたが、液滴吐出装置IJを用いて、第1島状電極部12、第1ブリッジ配線膜11、第2島状電極部22及び第1層60aを形成してもよい。例えば、ITO粒子を含有する機能液を液滴として吐出して、基板1上に機能液を塗布することにより各パターン形状を形成し、その後、塗布された機能液を固化すればよい。
【0075】
次に、補助配線形成工程S20に移行する。
補助配線形成工程S20では、液滴吐出装置IJによって、引き回し配線60の第2層60bの構成材料を含む機能液の液滴を第1層60a上に吐出配置する。第2層60bを形成するための機能液としては、例えば、銀粒子を含む機能液を用いることができる。その後、吐出配置した液滴を乾燥させる。これにより、図7(b)に示すように、第1層60a上に低抵抗の第2層60bが形成され、2層構造の引き回し配線60が入力領域2の外側の基板1上に形成される。
【0076】
引き回し配線60の第2層60bを形成する機能液としては、銀粒子を含む機能液のほか、例えば、Au、Al、Cu、Pdなどの金属粒子を含む機能液や、グラファイトやカーボンナノチューブを含む機能液を用いることができる。金属粒子やカーボン粒子は、ナノ粒子やナノワイヤーの形態で機能液中に分散される。また、第2層60bを金属膜とする場合には、有機金属化合物を含む機能液を用いてもよい。
【0077】
次に、絶縁膜形成工程S30及び第2ブリッジ配線膜形成工程S40が順次実行される。図9は、絶縁膜形成工程S30及び第2ブリッジ配線膜形成工程S40をさらに具体的に示す平面的な説明図である。図9(b)は、図7(c)に対応する平面図であって、第2ブリッジ配線膜21の形成領域を示す図である。図9(c),(d)は、図7(d)に対応する平面図である。
【0078】
以下では、図7及び図9を参照しつつ説明する。絶縁膜形成工程S30では、液滴吐出装置IJによって、図7(c)及び図9(b)に示すように、少なくともX電極膜10の第1ブリッジ配線膜11を埋めるように絶縁膜の材料を含む機能液を液滴として吐出する。その後、基板1上に塗布された機能液を加熱し、乾燥固化することで、第1ブリッジ配線膜11上に絶縁膜30が形成される。
【0079】
なお、絶縁膜30を形成するに際しては、少なくとも第1ブリッジ配線膜11上の領域において液滴を隙間無く配置することが好ましい。これにより、第1ブリッジ配線膜11に達する孔やクラックのない絶縁膜30を形成することができ、絶縁膜30における絶縁不良や第2ブリッジ配線膜21の断線が防止される。
【0080】
続いて、図7(c)に示すように、引き回し配線60上の領域に対しても液滴を選択的に配置する。その後、基板1上の機能液を加熱し、乾燥固化することで、引き回し配線60を覆う配線保護膜62が形成される。上記絶縁膜の機能液としては、例えば、ポリシロキサンを含む機能液や、アクリル系樹脂、又はアクリルモノマーを含む機能液を用いることができる。
【0081】
次に、第2ブリッジ配線膜形成工程S40に移行する。第2ブリッジ配線膜形成工程S40の表面処理工程S40aは、基板1の表面を、機能液に対して撥液化させる撥液化処理工程と、第2島状電極部22の表面を、機能液に対して親液化させる親液化処理工程を含む。
【0082】
撥液化処理工程では、例えば、フッ化アルキルシラン(FAS)、または、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などを用いて、気相成長法により、基板1の表面及び第2島状電極部22の表面を撥液化させる。
【0083】
次いで、親液化処理工程では、例えば、第2島状電極部22の表面を選択的に光照射する。例えば、レーザー照射する。照射した第2島状電極部22の表面を改質することにより、親液化させる。また、照射する光としては、例えばNb:Y A G レーザー 1.064μm)または、CO2レーザー(10.6 μ m)などを用いることができる。また、FASなどからなる撥液領域を親液処理する方法としては、親液化する領域以外をマスクで覆い、UV(紫外光)を照射する方法も採用することができる。なお、表面処理工程S40aは、第2島状電極部22と機能液との適応性や絶縁膜30と機能液との適応性を考慮して適宜実施する。従って、以降の塗布工程S40bにおいて、特に、不都合等が生じない場合には、本表面処理工程S40aを省略してもよい。
【0084】
次に、塗布工程S40bでは、図7(d)及び図9(c)に示すように、隣り合って配置された第2島状電極部22上と絶縁膜30上とにわたって、ITO粒子を含む機能液の液滴を配線形状に配置する。なお、第2ブリッジ配線膜21の形成に用いる機能液としては、上記したITO粒子を含む機能液のほか、IZO(登録商標)粒子や、ZnO粒子を含む機能液を用いて形成することもできる。
【0085】
塗布工程S40bの液滴吐出方法について、具体的に説明する。図9(c)は、第2ブリッジ配線膜21の材料を含む機能液を液滴Dとして吐出する際、第2島状電極部22上および絶縁膜30上に塗布される液滴ドットD1〜Dnの位置を示している。本実施形態では、隣接する第2島状電極部22a,22bのうち、一方の第2島状電極部22aに機能液を塗布し、続いて、絶縁膜30上に機能液を塗布し、さらに続けて、他方の第2島状電極部22bに機能液を塗布する。すなわち、Y軸方向に液滴吐出ヘッド1001を一回の走査する期間中に液滴Dを吐出させ、第2島状電極部22及び絶縁膜30上に機能液を塗布する。従って、図9(c)において、第2島状電極部22aの液滴ドットD1から順に塗布方向(Y軸方向)に沿って塗布され、第2島状電極部22bの液滴ドットDnが塗布されて終了となる。
【0086】
ここで、先に機能液を塗布する一方の第2島状電極部22aに対する機能液の塗布量を、後で機能液を塗布する他方の第2島状電極部22bに対する機能液の塗布量よりも少なくする。本実施形態では、一方の第2島状電極部22aに対する液滴Dの吐出回数を、他方の第2島状電極部22bに対する液滴Dの吐出回数よりも少なくなるように設定した。すなわち、先に液滴Dを着弾させる箇所(一方の第2島状電極部22a)に対する液滴Dの吐出回数は、後に液滴Dを着弾させる箇所(他方の第2島状電極部22b)に対する液滴Dの吐出回数よりも少ない。これにより、一方の第2島状電極部22aに対する機能液の塗布量を、他方の第2島状電極部22bに対する機能液の塗布量よりも少なくすることができる。具体的には、図9(c)に示すように、一方の第2島状電極部22aに対する液滴Dの吐出回数を5回(液滴ドットが5個)とし、他方の第2島状電極部22bに対する液滴Dの吐出回数を7回(液滴ドットが7個)とした。さらに詳細には、他方の第2島状電極部22bにおける液滴ドット数と比較して、一方の第2島状電極部22aにおける液滴ドット数は、2ドット分(点線部分:Dp)が間引きされて少なくなっている。この場合、隣接する第1島状電極部12の中心を通した中心線X1−X2に対して非対称となる液滴ドットの配置形状を有している。このように、一連して液滴Dを吐出させ、機能液を第2島状電極部22及び絶縁膜30に塗布することにより、加工時間を短縮させることができる。さらに、一方の第2島状電極部22aに塗布される機能液の量が、他方の第2島状電極部22bに塗布される機能液の量よりも少なくなるので、機能液の乾燥に伴って機能液が一方の第2島状電極部22a側に流動したとしても、双方の第2島状電極部の接続部において同形状の第2ブリッジ配線膜21を形成することができる。
【0087】
機能液が第2島状電極部22及び絶縁膜30に塗布されると、塗布された機能液が濡れ広がる。特に、第2島状電極部22の表面は、機能液に対して親液性を有しているため濡れ広がりやすくなり、平面視において略円形状の液体形状を形成する。一方、基板1の表面は、機能液に対して撥液性を有しているため、機能液の濡れ広がりは、第2島状電極部22と基板1の境界部分で規制される。また、絶縁膜30上では、第2島状電極部22の表面に比べ親液力が高くないので、液滴ドットが集合した形状にほぼ倣った略四角形状の液体形状を形成する。こうして、図9(d)に示すように、X軸方向において、絶縁膜30上の液状形状の液状幅が、隣接する第1島状電極部12の間隔よりも狭く、第2島状電極部22上の液状形状の液状幅が、絶縁膜30上の液状幅よりも広い液状形状を形成する。
【0088】
次に、固化工程S40cでは、塗布された機能液を乾燥固化する。これにより、絶縁膜30上に形成された膜幅W1が、隣接する第1島状電極部12の間隔よりも狭く、第2島状電極部22との接続部分における膜幅W2が、絶縁膜30上に形成された膜幅W1よりも広い第2ブリッジ配線膜21が形成される。そして、当該第2ブリッジ配線膜21の形成により、Y電極膜20が形成される(図1(b)参照)。
【0089】
次に、平坦化膜形成工程S50に移行する。平坦化膜形成工程S50では、図8(a)に示すように、基板1の機能面1aを平坦化させる目的で、絶縁材料からなる平坦化膜40を機能面1aのほぼ全面に形成する。平坦化膜40は、絶縁膜形成工程S30で用いた絶縁膜30形成用の機能液と同様の機能液を用いて形成することができるが、基板1表面の平坦化を目的としているため、樹脂材料を用いて形成することが好ましい。
【0090】
次に、保護基板接合工程S60に移行する。保護基板接合工程S60では、図8(b)に示すように、別途用意した保護基板50と平坦化膜40との間に接着剤を配置し、かかる接着剤からなる接着層51を介して保護基板50と平坦化膜40とを貼り合わせる。保護基板50は、ガラスやプラスチック等からなる透明基板のほか、偏光板や位相差板などの光学素子基板であってもよい。接着層51を構成する接着剤としては、透明な樹脂材料などを用いることができる。
【0091】
次に、シールド層形成工程S70に移行する。シールド層形成工程S70では、図8(c)に示すように、基板1の裏面1b(機能面1aとは反対側の面)に導電膜で構成されたシールド層70を形成する。シールド層70は、真空成膜法、スクリーン印刷法、オフセット法、液滴吐出法などの公知の成膜法を用いて形成することができる。例えばシールド層70を液滴吐出法などの印刷法を用いて形成する場合には、電極膜形成工程S10、及び第2ブリッジ配線膜形成工程S40で使用されるITO粒子等を含む機能液を用いることができる。また、基板1に対する成膜によりシールド層70を形成する方法のほかにも、一面又は両面に導電膜が成膜されたフィルムを別途用意し、かかるフィルムを基板1の裏面1bに貼り合わせることでフィルム上の導電膜をシールド層70としてもよい。
【0092】
なお、本実施形態では、シールド層70をタッチパネル製造工程の最後に実施することとしているが、シールド層70は任意のタイミングで形成することができる。例えば、予めシールド層70が形成された基板1を電極膜形成工程S10以降の工程に供することもできる。また、電極膜形成工程S10〜保護基板接合工程S60までの任意の工程の間にシールド層形成工程を配してもよい。
【0093】
また、本実施形態においては、基板1の裏面1bにシールド層70を形成しているが、基板1の機能面1a側にシールド層70を形成してもよい。この場合には、電極膜形成工程S10に先立って、シールド層70を形成する工程と、絶縁膜30を形成する工程とを実行する。この場合にも、シールド層70は、シールド層形成工程S70と同様の手法によって形成することができる。また、絶縁膜30の形成工程は、例えば絶縁膜形成工程S30と同様とすることができる。
【0094】
(電気光学装置の構成)
次に、電気光学装置の構成について説明する。なお、本実施形態では、電気光学装置としての液晶表示装置であり、上記のタッチパネルを備えた液晶表示装置の構成について説明する。図10は、液晶表示装置の構成を示し、同図(a)は、平面図であり、同図(b)は、(a)の平面図におけるH−H’断面図である。
【0095】
図10(a)に示すように、液晶表示装置500は、素子基板410、対向基板420、及び画像表示領域410aを有している。素子基板410は対向基板420に比して広い平面領域を有した矩形状の基板である。対向基板420は液晶表示装置500における画像表示側であり、ガラスやアクリル樹脂などで形成された透明な基板である。対向基板420は、シール材452を介して素子基板410の中央部に接合されている。画像表示領域410aは、対向基板420の平面領域であって、シール材452の内周に沿って設けられた周辺見切り453の内側領域である。
【0096】
素子基板410における対向基板420の周辺には、データ線駆動回路401、走査線駆動回路404、データ線駆動回路401及び走査線駆動回路404と接続された接続端子402、及び対向基板420に対して対向して配置された走査線駆動回路404同士を接続する配線405などが配置されている。
【0097】
次に、液晶表示装置500の断面について説明する。素子基板410の液晶層450側の面には、画素電極409及び配向膜418などが積層されている。対向基板420の液晶層450側の面には、遮光膜(ブラックマトリクス)423、カラーフィルター422、共通電極425、及び配向膜429などが積層されている。液晶層450が、素子基板410及び対向基板420によって挟持されている。そして、対向基板420の外側(液晶層450反対側)の面には、接着層101を挟んで本発明のタッチパネル100が配置されている。
【0098】
(電子機器の構成)
次に、電子機器の構成について説明する。なお、本実施形態では、電子機器としてのモバイル型パーソナルコンピューターであり、上記のタッチパネル又はタッチパネルを備えた液晶表示装置を搭載したモバイル型パーソナルコンピューターの構成について説明する。図11は、モバイル型パーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。モバイル型パーソナルコンピューター1100は、表示部1101と、キーボード1102を有する本体部1103とを備えている。モバイル型パーソナルコンピューター1100は、上記実施形態の液晶表示装置500を表示部1101に備えている。このような構成を備えたモバイル型パーソナルコンピューター1100によれば、本発明のタッチパネルが表示部に用いられているので、製造コストを抑えた電子機器とすることができる。
【0099】
なお、上記の電子機器は、本発明の電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器、PDA(Personal Digital Assistant)などの表示部にも本発明に係るタッチパネルを好適に用いることができる。
【0100】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0101】
従って、上記の第1実施形態によれば、以下に示す効果がある。
【0102】
(1)第2ブリッジ配線膜21の絶縁膜30上に形成された膜幅W1は、第1島状電極部12間の間隔W3よりも狭い幅で形成される。これにより、第2ブリッジ配線膜21と第1島状電極部12と間隔が確保されるため、第2ブリッジ配線膜21とX電極膜10との絶縁性を確保することができる。また、第2ブリッジ配線膜21の第2島状電極部22との接続部分における膜幅W2は、第2ブリッジ配線膜21の絶縁膜30上に形成された膜幅W1よりも広い幅で形成される。従って、第2島状電極部22との接続面積が広くなるので、第2ブリッジ配線膜21と第2島状電極部22との接触抵抗を低減させることができる。
【0103】
(2)塗布工程S40bにおいて、一方の第2島状電極部22aに塗布される機能液の量が、他方の第2島状電極部22bに塗布される機能液の量よりも少なくなるように機能液を塗布した。これにより、機能液の乾燥に伴って機能液が一方の第2島状電極部22a側に流動したとしても、予め機能液の量が少ないので、双方の第2島状電極部22a,22bの接続部において同形状の第2ブリッジ配線膜21を形成することができる。
【0104】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、タッチパネルの構成、電気光学装置の構成、電子機器の構成及びタッチパネルの製造に用いられる液滴吐出装置の構成については、第1実施形態と同様なので説明を省略し、第2実施形態にかかるタッチパネルの製造方法について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0105】
上記第1実施形態の第2ブリッジ配線膜形成工程S40の塗布工程S40bでは、図9(c)に示したように、一方の第2島状電極部22aに機能液を塗布し、続いて、絶縁膜30上に機能液を塗布し、さらに続けて、他方の第2島状電極部22bに機能液を塗布したが、本実施形態では、第1実施形態における塗布工程S40bとは異なる方法で機能液を塗布する。以下、具体的に説明する。なお、電極膜形成工程S10、補助配線形成工程S20及び絶縁膜形成工程S30は、第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0106】
図12は、第2実施形態にかかるタッチパネルの製造方法の塗布工程を示す工程図である。本実施形態の塗布工程S40bは、隣接する第2島状電極部22a,22bの双方に機能液を塗布する第1塗布工程と、絶縁膜30上に機能液を塗布する第2塗布工程と、を有する。
【0107】
まず、第1塗布工程では、図12(a)に示すように、隣接する第2島状電極部22a,22bの双方に機能液を塗布する。この場合、一方の第2島状電極部22aに対して先に機能液を塗布してもよいし、他方の第2島状電極部22bに対して先に機能液を塗布してもよい。さらには、第2島状電極部22a,22bの双方に対して同時期に機能液を塗布してもよい。すなわち、隣接する第2島状電極部22a,22bに塗布された機能液21b,21cが、互いに干渉(接続)しないように、つまり、それぞれ孤立した液状形状を形成するように機能液を塗布する。
【0108】
塗布された機能液21b,21cは、それぞれの第2島状電極部22a,22b上に濡れ広がる。そして、平面視において略円形状の液体形状を形成する。また、塗布された機能液21b,21cは、乾燥が進行し、それぞれ同程度に粘度が上昇する。
【0109】
次に、第2塗布工程では、図12(b)に示すように、絶縁膜30上に機能液を塗布する。絶縁膜30上では、第2島状電極部22の表面に比べ親液力が高くないので、塗布された機能液21dは、略四角形状の液体形状を形成する。そして、塗布された機能液21dの両端が、それぞれ機能液21b,21cに接続される。こうして、図12(b)に示すように、X軸方向において、絶縁膜30上の液状形状の液状幅が、隣接する第1島状電極部12の間隔よりも狭く、第2島状電極部22上の液状形状の液状幅が、絶縁膜30上の液状幅よりも広い液状形状が形成される。
【0110】
次に、固化工程S40cでは、塗布された機能液を乾燥固化する。これにより、絶縁膜30上に形成された膜幅W1が、隣接する第1島状電極部12の間隔W3よりも狭く、第2島状電極部22との接続部分における膜幅W2が、絶縁膜30上に形成された膜幅W1よりも広い第2ブリッジ配線膜21が形成される。そして、当該第2ブリッジ配線膜21の形成により、Y電極膜20が形成される(図1(b)参照)。なお、固化工程S40c以降の平坦化膜形成工程S50、保護基板接合工程S60及びシールド層形成工程S70は、第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0111】
従って、上記の第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下に示す効果がある。
【0112】
先に双方の第2島状電極部22a,22b上に機能液が塗布され、その後、絶縁膜30上に機能液が塗布される。すなわち、先に塗布された機能液21b,21cが増粘した後に、絶縁膜30上に機能液を塗布した。これにより、絶縁膜30上に塗布された機能液21dは、塗布された機能液21b,21c側への流動が規制されるので、適切な形状を有する第2ブリッジ配線膜21を形成することができる。
【0113】
なお、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例が挙げられる。
【0114】
(変形例1)上記実施形態のタッチパネル100の構成では、第1電極膜としてのX電極膜10とし、第2電極膜としてのY電極膜20として、X電極膜10の第1ブリッジ配線膜11上に絶縁膜30を形成し、絶縁膜30上に第2ブリッジ配線膜21を形成したが、これに限定されない。例えば、第1電極膜としてのY電極膜20とし、第2電極膜としてのX電極膜10として、例えば、Y電極膜20の第2ブリッジ配線膜21を基板1上に形成し、第2ブリッジ配線膜21上に絶縁膜30を設け、当該絶縁膜30上に第1ブリッジ配線膜11を形成し、X電極膜10とY電極膜20とが互いに交差する構成であってもよい。このようにしても、上記実施形態で説明した第2ブリッジ配線膜21の構成、及び製造方法を、上記に説明した第1ブリッジ配線膜11の構成、及び製造方法に適用することにより、上記同様の効果を得ることができる。
【0115】
(変形例2)第2実施形態の塗布工程S40bでは、隣接する第2島状電極部22a,22bの双方に機能液を塗布した後で、絶縁膜30上に機能液を塗布したが、これに限定されない。例えば、絶縁膜30上に機能液を塗布した後で、第2島状電極部22a,22bに機能液を塗布してもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0116】
1…基板、10…第1電極膜としてのX電極膜、11…第1ブリッジ配線膜、12…第1島状電極部、20…第2電極膜としてのY電極膜、21…第2ブリッジ配線膜、21a,21b,21c,21d…塗布された機能液、22,22a,22b…第2島状電極部、30…絶縁膜、40…平坦化膜、50…保護基板、51…接着層、60…引き回し配線、62…配線保護膜、70…シールド層、100…タッチパネル、500…電気光学装置としての液晶表示装置、1100…電子機器としてのモバイル型パーソナルコンピューター、W1,W2…膜幅、W3…第1島状電極部間の間隔、D…液滴、D1〜Dn…液滴ドット、IJ…液滴吐出装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一面上に形成され、互いに交差する方向に延在する複数の第1電極膜及び複数の第2電極膜を有するタッチパネルであって、
前記第1電極膜は、
前記基板上の第1方向に間隔をあけて形成された複数の第1島状電極部と、
隣接する前記第1島状電極部の間に電気的に接続形成された第1ブリッジ配線膜と、を有し、
前記第2電極膜は、
前記基板上であって、前記第1方向と交差する第2方向に間隔をあけて形成された複数の第2島状電極部と、
少なくとも前記第1ブリッジ配線膜上に形成された絶縁膜上を経由して、隣接する前記第2島状電極部の間に電気的に接続形成された第2ブリッジ配線膜と、を有し、
前記第2ブリッジ配線膜の前記絶縁膜上の膜幅が、隣接する前記第1島状電極部の間隔よりも狭く、
前記第2ブリッジ配線膜の前記第2島状電極部との接続部分における膜幅が、前記第2ブリッジ配線膜の前記絶縁膜上の膜幅よりも広いことを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
請求項1に記載のタッチパネルにおいて、
前記第2ブリッジ配線膜の前記第2島状電極部との接続部分における膜幅が、前記第2ブリッジ配線膜の前記絶縁膜上に形成された膜幅の1.2倍以上広いことを特徴とするタッチパネル。
【請求項3】
請求項1または2に記載のタッチパネルにおいて、
一方の前記第2島状電極部の接続部分における前記第2ブリッジ配線膜の膜幅と、他方の前記第2島状電極部の接続部分における前記第2ブリッジ配線膜の膜幅の広さが、等しいことを特徴とするタッチパネル。
【請求項4】
基板の一面上に形成され、互いに交差する方向に延在する複数の第1電極膜及び複数の第2電極膜を有するタッチパネルの製造方法であって、
前記基板上の第1方向に間隔をあけて複数の第1島状電極部を形成するとともに、隣接する前記第1島状電極部の間を電気的に接続する第1ブリッジ配線膜を形成して、前記第1電極膜を形成する第1電極膜形成工程と、
前記基板上であって、前記第1方向と交差する第2方向に間隔をあけて複数の第2島状電極部を形成する第2島状電極部形成工程と、
少なくとも前記第1ブリッジ配線膜上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記絶縁膜上を経由して、隣接する前記第2島状電極部の間を電気的に接続する第2ブリッジ配線膜を形成して、前記第2電極膜を形成する第2ブリッジ配線膜形成工程と、を含み、
前記第2ブリッジ配線膜形成工程では、
前記第2ブリッジ配線膜の前記絶縁膜上の膜幅が、隣接する前記第1島状電極部の間隔よりも狭く、かつ、
前記第2ブリッジ配線膜の前記第2島状電極部との接続部分における膜幅が、前記第2ブリッジ配線膜の前記絶縁膜上の膜幅よりも広い前記第2ブリッジ配線膜を形成することを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載のタッチパネルの製造方法において、
前記第2ブリッジ配線膜形成工程では、
前記第2ブリッジ配線膜の材料を含む機能液を液滴として吐出して、前記絶縁膜上および前記第2島状電極部上に前記機能液を塗布する塗布工程と、
塗布された前記機能液を固化して、前記第2ブリッジ配線膜を形成する固化工程と、を含むことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のタッチパネルの製造方法において、
前記塗布工程の前に、
前記第2島状電極部の表面を、前記機能液に対して親液化させる親液化処理工程を含むことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載のタッチパネルの製造方法において、
前記塗布工程の前に、
前記基板の表面を、前記機能液に対して撥液化させる撥液化処理工程を含むことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項に記載のタッチパネルの製造方法において、
前記塗布工程では、
隣接する前記第2島状電極部の双方に前記機能液を塗布する第1塗布工程と、
前記絶縁膜上に前記機能液を塗布する第2塗布工程と、を含むことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項9】
請求項5〜7のいずれか一項に記載のタッチパネルの製造方法において、
前記塗布工程では、
隣接する前記第2島状電極部のうち、一方の前記第2島状電極部から前記絶縁膜を経由して、他方の前記第2島状電極部の順に前記機能液を塗布し、
先に前記機能液を塗布する前記一方の第2島状電極部に対する前記機能液の塗布量を、後で前記機能液を塗布する前記他方の第2島状電極部に対する前記機能液の塗布量よりも少なくしたことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載のタッチパネルの製造方法において、
前記塗布工程では、
先に前記機能液を塗布する前記一方の第2島状電極部に対する前記液滴の吐出回数を、後で前記機能液を塗布する前記他方の第2島状電極部に対する前記液滴の吐出回数よりも少なくしたことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項11】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル、または、請求項4〜10のいずれか一項に記載のタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネルを備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−13725(P2011−13725A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154811(P2009−154811)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】