説明

タッチパネル入力装置

【課題】振動などによる誤入力を少なくするとともに、従来よりもユーザの操作意図に合った動作をさせることができるタッチパネル入力装置を提供する。
【解決手段】タッチパネル4に指などが触れる前の指などの座標情報を検出することができる近接センサ5と、タッチパネルに加わる振動を検出する加速度センサ6と、を備え、CPU2が、近接センサ5が指などを検出した後のタッチパネル4に指などが触れる前に加速度センサ6が振動を検出した場合は、近接センサ5の検出結果である座標情報をタッチパネル4の押圧位置であると判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の操作をボタンなどが表示された表示面を指やペンなどの指示入力部材で押圧することにより操作を行うタッチパネル入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル入力装置は、機器に設けられたLCD(Liquid Crystal Display)などで構成された表示部表面にタッチパネルを重ねて、表示部に表示されたボタンやアイコンなどに対応する位置を指やペンなどの指示入力部材で押圧することで当該機器の操作を行う。
【0003】
このようなタッチパネル入力装置は、表示部の表示を変更するだけで多様な操作を行えることから、様々な機器に使用され、カーナビゲーションシステムなどの車載機器や携帯機器などに使用されることが多い。
【0004】
車載機器や携帯機器では、機器自身が車両など振動を発生する場所に設置されたり、固定されないで操作することが多く、その際の振動やぶれまたは車両走行時の横方向に加わる加速度(横G)などによりタッチパネル入力装置への誤入力が発生するという問題があった。
【0005】
そのような問題に対して特許文献1に記載のタッチパネル表示装置が提案されている。特許文献1に記載のタッチパネル表示装置は、タッチパネル入力装置の表示部の変位量(速度、加速度、移動方向、角度)をセンサで検出し、その変位量に基づいて、CPUでタッチパネル上の認識エリアを補正している。このとき、表示部の移動速度より遅い速度で認識エリアを移動させるように補正、あるいは傾く速度より遅い速度で認識エリアを台形状に補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−9261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されたタッチパネル入力装置では、ボタンが隣り合っていた場合などで互いの入力範囲が近接している場合に影響を及ぼし、実際にユーザが操作したかった位置が正しく認識できない可能性がある。つまり、タッチした位置が、ずれてしまったボタンを操作したかったのか、振動によってその位置に移動したボタンを追従して操作したのかが区別できないので、認識領域をボタンと異なる移動速度で補正すると、ユーザの意図とは異なる動作をしてしまう可能性があるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、振動などによる誤入力を少なくするとともに、従来よりもユーザの操作意図に合った動作をさせることができるタッチパネル入力装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のタッチパネル入力装置は、情報が表示される表示部の表面に重ねられる透明なタッチパネルと、該タッチパネルが指示入力部材によって押圧された位置を検出する第1の位置検出手段と、を備えたタッチパネル入力装置において、前記指示入力部材が前記タッチパネル表面上の所定範囲に接近した際における前記タッチパネルの二次元的な座標位置を検出する第2の位置検出手段と、前記タッチパネルに加わる振動を検出する振動検出手段と、前記第1の位置検出手段が押圧位置を検出する前に前記振動検出手段が振動を検出した場合は、前記第2の位置検出手段の検出位置を前記タッチパネルの押圧位置と判断する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施例にかかるタッチパネル入力装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示されたタッチパネル入力装置のブロック図である。
【図3】図1に示されたタッチパネル入力装置の動作を示したフローチャートである。
【図4】図1に示されたタッチパネル入力装置の動作の説明図である。
【図5】図1に示されたタッチパネル入力装置の他の動作を示したフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施例にかかるタッチパネル入力装置の動作を示したフローチャートである。
【図7】図6に示されたタッチパネル入力装置の動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態にかかるタッチパネル入力装置を説明する。本発明の一実施形態にかかるタッチパネル入力装置は、第1の位置検出手段がタッチパネルが指示入力部材によって押圧された位置を検出する前に、振動検出手段がタッチパネルに加わる振動を検出した場合は、タッチパネル表面上の所定範囲に接近した際におけるタッチパネルの二次元的な座標位置を検出する第2の位置検出手段が検出した指示入力部材の座標位置をタッチパネルの押圧位置と制御手段が判断しているので、タッチパネルを押圧する直前の指示入力部材の位置を第2の位置検出手段で検出して、振動発生前の指示入力部材の位置を取得することができるため、振動などによる誤入力を少なくするとともに、従来よりもユーザの操作意図に合った動作をさせることができる。
【0012】
また、制御手段は、第2の位置検出手段が指示入力部材を検出した後に振動検出手段が振動を検出した場合に、第2の位置検出手段が検出した位置をタッチパネルの押圧位置と判断してもよい。このようにすることにより、第2の位置検出手段が検出した振動する前の指示入力部材の位置をタッチパネルの押圧位置とすることができ、振動などによる誤入力を少なくするとともに、従来よりもユーザの操作意図に合った動作をさせることができる。
【0013】
また、制御手段は、第1の位置検出手段が指示入力部材を検出する前に第2の位置検出手段が検出した位置をタッチパネルの押圧位置と判断してもよい。このようにすることにより、振動検出時には迅速にタッチパネルの押圧位置を判断することができる。
【0014】
また、制御手段は、第1の位置検出手段が指示入力部材を検出した後に第2の位置検出手段が検出した位置をタッチパネルの押圧位置と判断してもよい。このようにすることにより、タッチパネル検出後という常に一定のタイミングでタッチパネルの押圧位置を判断することができる。
【0015】
また、制御手段は、第1の位置検出手段が押圧位置を検出した時点より所定時間前以内に振動検出手段が振動を検出した場合に、第2の位置検出手段が検出した位置をタッチパネルの押圧位置と判断してもよい。このようにすることにより、第2の位置検出手段の検出範囲を所定時間という時間に換算して判断することができるので、第2の位置検出手段の検出タイミングによらず、時間のみでタッチパネルの押圧位置を判断して、振動などによる誤入力を少なくするとともに、従来よりもユーザの操作意図に合った動作をさせることができる。
【0016】
また、第2の位置検出手段は、一定時間間隔で指示入力部材の検出動作を行い、第2の位置検出手段が指示入力部材の位置を検出中に振動検出手段が振動を検出した場合には、制御手段は、振動検出手段が振動を検出する直前に第2の位置検出手段が検出した位置をタッチパネルの押圧位置と判断してもよい。このようにすることにより、タッチパネルを押圧するまで複数回の検出を行うことができ、振動の直前の位置を精度良く検出することができる。
【0017】
また、第2の位置検出手段が、タッチパネルの周囲の少なくとも3箇所に設けられていてもよい。このようにすることにより、例えば、タッチパネルの全面に位置検出手段を設けなくても良く、最低限の位置検出手段で指示入力部材の位置を検出することができる。
【実施例1】
【0018】
本発明の第1の実施例を、図1乃至図5を参照して説明する。本発明の第1の実施例にかかるタッチパネル入力装置1は、図1に示したように車載機器や携帯機器などの電子機器10に備えられている。
【0019】
電子機器10は、タッチパネル入力装置1以外に、筐体11と、押しボタン12と、を備えている。
【0020】
筐体11は扁平な箱状に形成され、その一つの面にタッチパネル入力装置1のタッチパネル4(画像表示装置3)が露出する開口が設けられている。そして、筐体11は、後述するタッチパネル入力装置1の各構成要素を収容している。
【0021】
押しボタン12は、後述するタッチパネル入力装置1によらない操作が割り当てられた操作手段であり、筐体11のタッチパネル4が露出する一つの面に複数設けられている。
【0022】
タッチパネル入力装置1は、図2に示すようにCPU2と、画像表示装置3と、タッチパネル4と、近接センサ5と、加速度センサ6と、を備えている。
【0023】
制御手段としてのCPU8は、メモリなどを内蔵したマイクロプロセッサであり、タッチパネル4が出力した座標情報に基づいて該座標位置に割当てられた画像表示装置3に表示されたボタンなどに対応する機能を実行する。そして、画像表示装置3に対して表示する情報に変更があれば、表示データを出力する。例えば、表示を切替えるようなボタン等の位置が押されたと判断した場合は切替えるデータをメモリまたは図示しない外部記憶装置などから読み出して画像表示装置3へ出力する。また、タッチパネル4が指などの指示入力部材によって押圧される前に加速度センサ6が振動を検出した場合は、近接センサ5の検出結果に基づいて該座標位置に割当てられた画像表示装置3に表示されたボタンなどに対応する機能を実行する。
【0024】
表示手段としての画像表示装置3は、矩形状のLCDなどで構成され、電子機器における各種情報および操作用のボタンやアイコン等が表示される。
【0025】
タッチパネル4は、例えば、周知の抵抗膜方式であって、画像表示装置3の表面に重ねられ透明なフィルムなどで表面に線形特性を持つ抵抗膜を形成した上部電極板と下部電極板の一対の電極板をスペーサなどを挟んで所定の隙間を設けて配置されており、指などの指示入力部材で押圧して上部電極板と下部電極板が接触した座標位置に対応した電圧を出力する。なお、タッチパネル4は抵抗膜方式に限らず、静電容量方式や超音波方式など他の方式でも構わない。また、本実施例のタッチパネル4は、タッチパネル自体に加えて、前記座標位置に対応した電圧をX―Yの座標情報(以下、単に座標情報とする)に変換する第1の位置検出手段としての制御回路等も含み、変換された座標情報はタッチパネル4の検出結果としてCPU2へ出力される。ここで、X座標とは機器を設置した際におけるタッチパネル4の横方向、Y座標とはX軸と直交する縦方向を示す。
【0026】
第2の位置検出手段としての近接センサ5はタッチパネル4の四隅のうちの三箇所近傍に設けられ、タッチパネル4表面の上空(例えば1cm以内)の指などの指示入力部材を検出してCPU2に出力する。CPU2では各近接センサ5の検出結果に基づいてタッチパネル4上のX−Yの座標情報を算出する。近接センサ5は例えば誘導形、静電容量形、超音波形、光電形、磁気形など非接触で物体の座標情報を検出(算出)することができるセンサであれば良い。なお、近接センサ5は、タッチパネル4の四隅に限らず、タッチパネル4の周囲であって、3つの各センサの結果によって指などの座標情報を検出(算出)することができる位置であればよい。
【0027】
振動検出手段としての加速度センサ6は、タッチパネル入力装置1、即ちタッチパネル4に外部から加わる振動やぶれなどを検出し、その変化量(変位量)として速度や加速度や移動方向などを出力している。なお、本実施例では振動検出手段として加速度センサ6を用いているが、振動を検出できるセンサであれば加速度センサ6に限らないことは言うまでも無い。
【0028】
次に、本発明におけるタッチパネル入力装置1の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。図3に示したフローチャートはCPU2で実行される。
【0029】
まず、ステップS11において、近接センサ5が指などの指示入力部材を検出したか否かを判断し、検出した場合(Yの場合)はステップS12に進み、そうでない場合(Nの場合)は本ステップで待機する。
【0030】
次に、ステップS12において、加速度センサ6が振動を検出したか否かを判断し、検出した場合(Yの場合)はステップS15に進み、検出しない場合(Nの場合)はステップS13に進む。
【0031】
次に、ステップS13において、タッチパネル4が指などの指示入力部材を検出したか否かを判断し、検出した場合(Yの場合)はステップS14に進み、そうでない場合(Nの場合)はステップS11に戻る。
【0032】
次に、ステップS14において、タッチパネル4が検出した結果、つまり、指などがタッチパネル4を押圧した座標情報をユーザが意図する操作と判断して採用し、当該座標情報に割当てられた画像表示装置3に表示されたボタンなどに対応する機能が実行される。
【0033】
一方、ステップS15においては、近接センサ5が検出した結果、つまり、指などを近接センサ5が検出した座標情報をユーザが意図する操作(押圧位置)と判断して採用し、当該座標情報に割当てられた画像表示装置3に表示されたボタンなどに対応する機能が実行される。即ち、タッチパネル4が指などを検出する前に近接センサ5が検出した位置をタッチパネル4の押圧位置と判断している。
【0034】
図3のフローチャートでは、タッチパネル4が指を検出するか加速度センサ6が振動を検出するまではステップS11〜S13のループを繰り返す。したがって、例えば図4に示すように近接センサ5はタッチパネル4に指を検出するまでに一定時間間隔で複数回指の位置(座標情報)を検出することとなる。
【0035】
また、加速度センサ6が振動を検出した場合は、その直前の検出における座標情報をユーザの操作として採用する。図4の場合、検出3と検出4の間で振動が検出されたので、振動が検出される直前の検出3による座標情報を採用する。
【0036】
ここで、図3のフローチャートでは、タッチパネル4が指などを検出する前に近接センサ5の検出結果を採用するか否かを判断していたが、タッチパネル4が指などを検出した後に判断してもよい。その場合の動作を図5のフローチャートに示す。
【0037】
まず、ステップS21において、近接センサ5が指などの指示入力部材を検出したか否かを判断し、検出した場合(Yの場合)はステップS22に進み、そうでない場合(Nの場合)は本ステップで待機する。
【0038】
次に、ステップS22において、加速度センサ6が振動検出した場合は振動検出フラグをオンにしてステップS23に進む。このフラグは後述するステップS24において使用する。
【0039】
次に、ステップS23において、タッチパネル4が指などの指示入力部材を検出したか否かを判断し、検出した場合(Yの場合)はステップS24に進み、そうでない場合(Nの場合)はステップS21に戻る。
【0040】
次に、ステップS24において、ステップS22で加速度センサ6が振動を検出していた場合にオンする振動検出フラグがオンであるか否かを判断し、オンされている場合(Yの場合)はステップS25に進み、オンでない場合(Nの場合)はステップS26に進む。
【0041】
次に、ステップS25において、近接センサ5が検出した結果、つまり、指などを近接センサ5が検出した座標情報をユーザが意図する操作(押圧位置)と判断して採用し、当該座標情報に割当てられた画像表示装置3に表示されたボタンなどに対応する機能が実行される。
【0042】
一方、ステップS26においては、タッチパネル4が検出した結果、つまり、指などがタッチパネル4を押圧した座標情報をユーザが意図する操作と判断して採用し、当該座標情報に割当てられた画像表示装置3に表示されたボタンなどに対応する機能が実行される。
【0043】
図5のフローチャートでは、タッチパネル4に指が触れるまではステップS21〜S23のループを繰り返す。したがって、図3と同様に近接センサ5はタッチパネル4に指が触れるまでに一定時間間隔で複数回指の位置(座標情報)を検出することとなる。
【0044】
また、図5のフローチャートでは、タッチパネル4が指などを検出した時点で、それまでに振動が発生していたか否かを振動検出フラグによって判断している。この振動検出フラグは、近接センサ5が指などを検出し始めてから指がタッチパネル4に触れるまでの間に振動が起こったか否かを記録して、タッチパネル4の検出後にタッチパネルの検出結果(座標情報)か近接センサ5の検出結果(座標情報)のいずれかを採用するかの判断を行う際に使用している。このようにすることで、タッチパネル4に触れた後に近接センサ5の検出結果を採用するか否かを判断することができ、タッチパネルの検出後という決まったタイミングで判断をすることができる。
【0045】
本実施例によれば、タッチパネル4に指などが触れる前の指などの座標情報を検出することができる近接センサ5と、タッチパネルに加わる振動を検出する加速度センサ6と、を備え、CPU2が、近接センサ5が指などを検出した後のタッチパネル4に指などが触れる前に加速度センサ6が振動を検出した場合は、近接センサ5の検出結果である座標情報をタッチパネル4の押圧位置であると判断しているので、振動発生前の指などの位置を取得することができるために、振動などによる誤入力を少なくするとともに、従来よりもユーザの操作意図に合った動作をさせることができる。
【0046】
また、近接センサ5が一定時間間隔で検出動作を行い、加速度センサ6が振動を検出した場合は、その直前に近接センサ5が検出した検出結果である座標情報をタッチパネル4の押圧位置として採用しているので、タッチパネル4を押圧するまで複数回の検出を行うことができ、振動の直前の位置を精度良く検出することができる。
【0047】
また、近接センサ5が、タッチパネル4の四隅のうちの3箇所に設けられているので、タッチパネル4の全面に位置検出手段を設けなくても良く、最低限のセンサで指などの位置を検出することができる。
【実施例2】
【0048】
次に、本発明の第2の実施例にかかるタッチパネル入力装置1を図6および図7を参照して説明する。なお、前述した第1の実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
第1の実施例は、近接センサ5が指などを検出した後に振動が検出された場合は近接センサ5の検出結果を採用していたが、本実施例では、振動を検出したのがタッチパネル4に指などが触れる予め定めた所定時間以内か否かで近接センサ5の検出結果を採用するか否かを判断する。詳細な動作を図6のフローチャートに示す。
【0050】
まず、ステップS31において、加速度センサ6が振動検出したか否かを判断し、検出した場合(Yの場合)はステップS32に進み、そうでない場合(Nの場合)は本ステップで待機する。
【0051】
次に、ステップS32において、CPU2内のタイマをスタートさせてステップS33に進む。
【0052】
次に、ステップS33において、タッチパネル4が指などの指示入力部材を検出したか否かを判断し、検出した場合(Yの場合)はステップS34に進み、そうでない場合(Nの場合)は本ステップで待機する。
【0053】
次に、ステップS34において、ステップS32でスタートさせたタイマをストップさせてステップS35に進む。
【0054】
次に、ステップS35において、ステップS34でストップさせたタイマの値を参照する。このタイマの値は振動検出からタッチパネル4が指などを検出するまでの時間を示し、その時間が予め定めた所定時間以内か否かを判断し、所定時間以内の場合(Yの場合)はステップS36に進み、そうでない場合(Nの場合)はステップS37に進む。
【0055】
次に、ステップS36において、近接センサ5が検出した結果、つまり、指などを近接センサ5が検出した座標情報をユーザが意図する操作(押圧位置)と判断して採用し、当該座標情報に割当てられた画像表示装置3に表示されたボタンなどに対応する機能が実行される。
【0056】
一方、ステップS37においては、タッチパネル4が検出した結果、つまり、指などがタッチパネル4を押圧した座標情報をユーザが意図する操作と判断して採用し、当該座標情報に割当てられた画像表示装置3に表示されたボタンなどに対応する機能が実行される。
【0057】
図6のフローチャートでは、加速度センサ6が振動を検出した時点からタッチパネル4が指などを検出するまでの時間を計測してその時間が予め定めた所定時間以内か否かで近接センサ5の検出結果を採用するかタッチパネル4の検出結果を採用するかを判断している。この所定時間は、図7に示すように、例えば指の接近速度などから算出した、近接センサ5の検出範囲がほぼ含まれる時間とする。したがって、例えば図7の振動検出2のように振動検出時間が所定時間以内である場合は、近接センサ5の検出範囲であると言えるので近接センサ5の検出結果を採用し、図7の振動検出1のように所定時間よりも前に振動が検出された場合(所定時間よりも長い場合)は、近接センサ5の検出前から振動が発生しているのでタッチパネル4の検出結果を採用する。
【0058】
また、本実施例も第1の実施例と同様に、近接センサ5はタッチパネル4に指が触れるまでに一定時間間隔で複数回指の位置(座標情報)を検出する。
【0059】
また、加速度センサ6が振動を検出した場合は、第1の実施例と同様に、その直前の検出における座標情報をユーザの操作として採用する。図7の場合、検出4と検出5の間で振動が検出(振動検出2)されたので、振動が検出される直前の検出4による座標情報を採用する。
【0060】
本実施例によれば、CPU2が、タッチパネル4に指が触れた後に、タッチパネル4が指などを検出する所定時間前以内からの振動の有無を監視して、振動が検出されていた場合は、近接センサ5の検出結果である座標情報をタッチパネル4の押圧位置であると判断しているので、近接センサ5の検出タイミングによらず、時間のみでタッチパネル4の押圧位置を判断することができ、振動などによる誤入力を少なくするとともに、振動などによる誤入力を少なくするとともに、従来よりもユーザの操作意図に合った動作をさせることができる。
【0061】
なお、上述した実施例では、図4や図7に示したように近接センサ5は複数回座標位置検出を行うが、近接センサの検出範囲に入った際の1回でもよい。但し、複数回座標位置検出を行ったほうが、タッチパネル4に近く、かつ、振動直前の指の位置を精度良く検出できるので好適である。また、各検出結果はメモリ等に記憶させてもよい。また、メモリ等に記憶するのは全てではなく振動が検出されるまでや、直近の2回分など適宜設定すればよい。
【0062】
前述した実施例によれば、以下のタッチパネル入力装置1が得られる。
【0063】
(付記)情報が表示される画像表示装置3の表面に重ねられる透明なタッチパネル4と、該タッチパネル4が指示入力部材によって押圧された位置を検出するタッチパネル4と、を備えたタッチパネル入力装置1において、
指示入力部材がタッチパネル4表面上の所定範囲に接近した際におけるタッチパネル4の二次元的な座標位置を検出する近接センサ5と、
タッチパネル4に加わる振動を検出する加速度センサ6と、
タッチパネル4が押圧位置を検出する前に加速度センサ6が振動を検出した場合は、近接センサ5の検出位置をタッチパネル4の押圧位置と判断するCPU2と、
を備えたことを特徴とするタッチパネル入力装置1。
【0064】
このタッチパネル入力装置1によれば、タッチパネル4を押圧する直前の指示入力部材の位置を近接センサ5で検出して、振動発生前の指示入力部材の位置を取得することができるため、振動などによる誤入力を少なくするとともに、従来よりもユーザの操作意図に合った動作をさせることができる。
【0065】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 タッチパネル入力装置
2 CPU(制御手段)
3 画像表示装置(表示手段)
4 タッチパネル(第1の位置検出手段)
5 近接センサ(第2の位置検出手段)
6 加速度センサ(振動検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報が表示される表示部の表面に重ねられる透明なタッチパネルと、該タッチパネルが指示入力部材によって押圧された位置を検出する第1の位置検出手段と、を備えたタッチパネル入力装置において、
前記指示入力部材が前記タッチパネル表面上の所定範囲に接近した際における前記タッチパネルの二次元的な座標位置を検出する第2の位置検出手段と、
前記タッチパネルに加わる振動を検出する振動検出手段と、
前記第1の位置検出手段が押圧位置を検出する前に前記振動検出手段が振動を検出した場合は、前記第2の位置検出手段の検出位置を前記タッチパネルの押圧位置と判断する制御手段と、
を備えたことを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2の位置検出手段が前記指示入力部材を検出した後に前記振動検出手段が振動を検出した場合に、前記第2の位置検出手段が検出した位置を前記タッチパネルの押圧位置と判断することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル入力装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の位置検出手段が前記指示入力部材を検出する前に前記第2の位置検出手段が検出した位置を前記タッチパネルの押圧位置と判断することを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル入力装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の位置検出手段が前記指示入力部材を検出した後に前記第2の位置検出手段が検出した位置を前記タッチパネルの押圧位置と判断することを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル入力装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の位置検出手段が押圧位置を検出した時点より所定時間前以内に前記振動検出手段が振動を検出した場合に、前記第2の位置検出手段が検出した位置を前記タッチパネルの押圧位置と判断することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル入力装置。
【請求項6】
前記第2の位置検出手段は、一定時間間隔で前記指示入力部材の検出動作を行い、
前記第2の位置検出手段が前記指示入力部材の位置を検出中に前記振動検出手段が振動を検出した場合は、前記制御手段は、前記振動検出手段が振動を検出する直前に前記第2の位置検出手段が検出した位置を前記タッチパネルの押圧位置と判断することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のタッチパネル入力装置。
【請求項7】
前記第2の位置検出手段が、前記タッチパネルの周囲の少なくとも3箇所に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のタッチパネル入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−257899(P2011−257899A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130635(P2010−130635)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】