説明

タッチパネル製造用パッド、これを用いたタッチパネル製造方法およびこれによって製造されるタッチパネル

【課題】タッチパネル製造用パッド、これを用いたタッチパネル製造方法およびこれによって製造されるタッチパネルを提供する。
【解決手段】透明な有機絶縁体または無機絶縁体からなる絶縁体層、前記絶縁体層の上面に形成される上面透明伝導性物質コーティング層、前記上面透明伝導性物質コーティング層の上面に形成される上面金属コーティング層、および前記絶縁体層の下面に形成されるi)透明伝導性物質コーティング層、ii)金属コーティング層またはiii)透明伝導性物質コーティング層と金属コーティング層との積層体からなる下面伝導層を含むことを特徴とするタッチパネル製造用パッドとこれを用いたタッチパネル製造方法およびこれによって製造されるタッチパネルに関するものである。これによって、従来のシルバーペーストを適用した工程より簡単な工程で製作が可能で、製造を容易にし、製造費用を節減することができると共に、より微細な導線を両面に形成可能で、コンパクトなデバイス製作が可能であり、パターンが形成されたタッチパネルの周縁段差を最少化して、接着剤層の結合時に結合面内の気泡発生などの欠陥発生を防止し、高い解像度を有するタッチパネルを実現することができ、上面のパターン形成と下面の接地配線形成とを同時に実行することができて、工程を単純化する効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチパネル製造用パッド、これを用いたタッチパネル製造方法およびこれによって製造されるタッチパネルに関するものであって、従来の銀ペーストを適用した工程より簡単な工程で製作が可能で、製造を容易にし、製造費用を節減できると共に、より微細な導線を両面に形成可能でコンパクトなデバイスの製作が可能であり、パターンが形成されたタッチパネルの周縁の段差を最少化して接着剤層の結合時に結合面内の気泡発生などの欠陥発生を防止し、高い解像度を有するタッチパネルを実現することができ、上面のパターン形成と下面の接地配線形成とを同時に実行でき、工程を単純化する効果があるタッチパネル製造用パッド、これを用いたタッチパネル製造方法およびこれによって製造されるタッチパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なタッチパネルの製作に使用されるタッチパッドは、ITOがコーティングされたガラス(抵抗膜方式の場合)や絶縁樹脂(静電容量方式の場合)からなるタッチパッド製造用パッドを用いて製作され、このためにITOがコーティングされた絶縁体からなるパッドにおいて前記ITOを一定の形態にパターニングし、このようなパターンが形成されたITO層と外部との電気的接続のための配線には一般に銀ペーストを使用する。
【0003】
しかし、このような銀ペーストを用いた導線形成の場合には銀ペーストを薄く塗布することに限界があるので導線の厚さが厚くなり、上下方向には段差が大きく発生し、平面方向には導線の幅が広くなるという問題点があり、これによりタッチパネルの耐久性が低下し、デバイスの集積度が低下するという問題点がある。また、銀ペースト工程を用いる場合には銀ペーストを塗布した後にこれを高温でキュアリング(curing)する工程が必要であり、このような高温キュアリング工程でパネルの変形を防止するためにはアニーリング工程も必要となるので、工程が複雑になり、費用が増加するという問題点がある。
【0004】
また、タッチパッドの駆動時のノイズ発生問題の除去およびタッチ感度改善のために、前記タッチパッド上のタッチパターンが形成される一面の反対側の面に接地配線を別途に形成することがあるが、このような配線も一般には銀ペーストを使用するので前記のような問題点があり、それによりパターンを微細に形成することに限界があるため、高い解像度のタッチパネルを製造しにくいという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のような問題点を解決するために、本発明は、従来の銀ペーストを適用した工程より簡単な工程で製作が可能で、製造を容易にし、製造費用を節減できると共に、両面に対してより微細な導線の形成が可能で、コンパクトなデバイスの製作が可能であり、パターンが形成されたタッチパネルの周縁の段差を最少化して接着剤層の結合時に結合面内の気泡発生などの欠陥発生を防止し、高い解像度を有するタッチパネルを実現することができ、上面のパターン形成と下面の接地配線形成とを同時に実行でき、工程を単純化する効果があるタッチパネル製造用パッド、これを用いたタッチパネル製造方法およびこれによって製造されるタッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、
透明な有機絶縁体または無機絶縁体からなる絶縁体層;
前記絶縁体層の上面に形成される上面透明伝導性物質コーティング層;
前記上面透明伝導性物質コーティング層の上面に形成される上面金属コーティング層;および、
前記絶縁体層の下面に形成される、i)透明伝導性物質コーティング層、ii)金属コーティング層またはiii)透明伝導性物質コーティング層と金属コーティング層との積層体からなる下面伝導層を含むことを特徴とするタッチパネル製造用パッドを提供する。
【0007】
また、本発明は、
タッチパネルの製造方法において、
前記タッチパネル製造用パッドの上面または下面で前記金属コーティング層または前記透明伝導性物質コーティング層を部分的にエッチングして、金属コーティング層または透明伝導性物質コーティング層のパターンが形成されたパッドを製造する段階を含むことを特徴とするタッチパネルの製造方法を提供する。
【0008】
最後に、本発明は
タッチパッドおよびこれを駆動する駆動部を含むタッチパネルにおいて、
前記タッチパッドとして、前記タッチパネルの製造方法によって製造され、金属コーティング層または透明伝導性物質コーティング層のパターンが形成されたパッドを含むことを特徴とするタッチパネルを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のタッチパネル製造用パッド、これを用いたタッチパネル製造方法およびこれによって製造されるタッチパネルによれば、従来の銀ペーストを適用した工程より簡単な工程で製作が可能で、製造を容易にし、製造費用を節減できると共に、両面に対してより微細な導線の形成が可能でコンパクトなデバイスの製作が可能であり、パターンが形成されたタッチパネルの周縁の段差を最少化して接着剤層の結合時に結合面内の気泡発生などの欠陥発生を防止し、高い解像度を有するタッチパネルを実現することができ、上面のパターン形成と下面の接地配線形成とを同時に実行でき、工程を単純化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のタッチパネル製造用パッドに関する4つの実施例をそれぞれ概略的に示した断面図である。
【図2】本発明のタッチパネル製造用パッドおよびこれを用いたタッチパネル製造方法のうちの抵抗膜方式タッチパネルの場合に関する一実施例を概略的に示した図面である。
【図3】本発明のタッチパネル製造用パッドおよびこれを用いたタッチパネル製造方法のうちの静電容量方式タッチパネルの場合に関する一実施例を概略的に示した図面である。
【図4】本発明のタッチパネル製造用パッドおよびこれを用いたタッチパネル製造方法のうちの静電容量方式タッチパネルの場合に関する他の実施例を概略的に示した図面である(金属保護コーティング層を上面に有する場合)。
【図5】本発明のタッチパネル製造用パッドおよびこれを用いたタッチパネル製造方法のうちの静電容量方式タッチパネルの場合に関する他の実施例を概略的に示した図面である(金属保護コーティング層を上面および下面に有する場合)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について図面を参考にして詳しく説明する。
本発明はタッチパネル製造用パッドに関するものであって、透明な有機絶縁体または無機絶縁体からなる絶縁体層100;前記絶縁体層100の上面に形成される上面透明伝導性物質コーティング層200;前記上面透明伝導性物質コーティング層200の上面に形成される上面金属コーティング層300;および、前記絶縁体層100の下面に形成される、i)透明伝導性物質コーティング層、ii)金属コーティング層またはiii)透明伝導性物質コーティング層と金属コーティング層との積層体からなる下面伝導層400を含んで構成される。
【0012】
これに関する具体的な実施例は図1に示したとおりである。即ち、本発明によりタッチパネルの製造に供給されるパッドは絶縁体層の上面にITOなどを含む伝導性物質コーティング層が形成され、その上面には再び金属コーティング層が形成され、これに付加して、前記絶縁体層の下面に更に他の下面伝導層が形成されている構造を有する。これによって、上面の2層および下面伝導層のそれぞれに対してフォトリソグラフィ工程を行って、タッチパッドの上面および下面のそれぞれにタッチ信号を感知するパターンおよびタッチパッドの接地配線パターンを形成することで工程が完了され、好ましくは前記上面および下面に対するフォトリソグラフィ工程におけるパターン形成は、1つのチェンバで上面および下面のそれぞれに対して同時にフォトリソグラフィ処理をしてそれぞれのパターンを形成することができる。従って、本発明のタッチパネル製造用パッドを使用する場合には工程を大幅に短縮でき、備えなければならない装備の個数を大幅に縮小できることが分かる。ここで前記下面伝導層400は、図1の(a)の場合は透明伝導性物質コーティング層、(b)の場合は金属コーティング層、(c)の場合は透明伝導性物質コーティング層およびその下面に結合する金属コーティング層、(d)の場合は金属コーティング層およびその下面に結合する透明伝導性物質コーティング層からなることができる。
【0013】
そのため、従来の銀ペーストを使用する場合に進められたガイド加工、銀ペースト塗布および銀ペーストをキュアリングするキュアリング工程などが別途に必要なく、したがって前記キュアリング時のフィルム変形を防止するための前処理工程であるアニーリング工程も必要なくなる。
【0014】
このようなタッチパネル製造用パッドは、これを用いて製作されるタッチパネルがLCDなどと共に結合して使用される場合、下部のLCDなどのディスプレイが見えなければならないので、誘電体フィルムおよび伝導性物質が透明な材質からなり、金属コーティング層は、以後のエッチング工程で、周縁部分とデバイスの外郭部分(リード線部分)に位置して電極および電線から電気的信号を外部に伝達する連結線などのみを残すパターンを形成するようになる。
【0015】
好ましくは、タッチパネルがLCDなどと共に結合して使用される場合、前記絶縁体層100は有機絶縁体または無機絶縁体であって透明な材質からなり、前記有機絶縁体は、さらに好ましくは、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリカーボネート(PC)を含む、或いは、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリカーボネート(PC)からなる透明または不透明有機絶縁体であり、前記無機絶縁体は、さらに好ましくは、ガラスからなることがその特性上良い。また、前記透明伝導性物質コーティング層200の伝導性物質は透明な材質からなり、さらに好ましくは、ITOまたはIZOを含む、或いは、ITOまたはIZOからなる透明伝導性物質であることが優れた特性および製造の容易性の側面で良い。
【0016】
また、前記金属コーティング層300は、その材質として公知の多様な金属がこれに用いられ、好ましくは製造の容易性および電気伝導度を考慮して、銅またはアルミニウムからなることが良い。また、このような金属コーティング層の形成のためには公知の多様な方法がこれに適用され、好ましくは薄くコーティングするために従来の気相蒸着を含む蒸着(deposition)またはスパッタリング(sputtering)を用いてコーティングされるのが好ましい。
【0017】
このように形成されたパッドの例は図1に示したとおりである。
【0018】
また、これに追加して、前記パッドの上面または下面で空気中に露出される金属コーティング層は、その外面に、前記金属コーティング層の空気に対する露出を防止し、これを保護するための金属保護コーティング層をさらに有することができる。即ち、前記パッドは、前記絶縁体層の上面または下面に形成される前記金属コーティング層の外面に形成される金属保護コーティング層をさらに含む構造を有することができる。ここで、前記金属保護コーティング層350は、その材質として公知の多様な耐食材料がこれに適用され、好ましくはパターン形成が可能であり、前記金属コーティング層と共にまたは別にエッチングが可能であることが良いので、金属材料であるのが良く、さらに好ましくは前記金属コーティング層を保護する機能を遂行しなければならないので、それ自体が耐食性の高い金属または前記金属コーティング層に比べて酸化度が高くて犠牲電極としての役割を遂行できる金属(即ち、前記金属コーティング層に使用される金属より標準還元電位が低い金属)を使用することが良い。これに関する具体的な例として、前記金属コーティング層が銅である場合には銀(それ自体が耐食性が良い場合)、アルミニウム、亜鉛または錫(犠牲電極として適用される場合)であり、前記金属コーティング層がアルミニウムである場合には銀、亜鉛または錫であることが良い。また、このような金属保護コーティング層の形成のためには公知の多様な方法がこれに適用され、好ましくは、薄くコーティングするために従来の気相蒸着を含む蒸着(deposition)またはスパッタリング(sputtering)を用いてコーティングされることが好ましい。
【0019】
このように金属保護コーティング層を有するタッチパネル製造用パッドの具体的な例は、図4の(a)および図5の(a)にこれを示したとおりの図面を挙げることができる。ここで、図4は、上面にのみ金属保護コーティング層を有し、下面伝導層として金属コーティング層のみを有する場合を示したものであり、図5は、上面および下面両方に金属保護コーティング層を有する場合であって、下面伝導層としては金属コーティング層のみを有する場合を示している。
【0020】
このようなタッチパネル製造用パッドは以下に述べる製造方法によってタッチパネルの接触パネルに形成される。
【0021】
また、前記絶縁体層、伝導性物質コーティング層および金属コーティング層(下面伝導層を構成する伝導性物質コーティング層または金属コーティング層を含む)は、パネルの耐久性、各層のエッチング時の製造容易性、段差の最小化のために、前記絶縁体層は有機絶縁体の場合は10〜1000μmの厚さで形成され、無機絶縁体の場合は100〜3000μmの厚さで形成され、前記伝導性物質コーティング層は0.005〜0.1μmの厚さで形成され、前記金属コーティング層は0.01〜10μmの厚さで形成され、前記金属保護コーティング層も0.005〜1μmの厚さで形成されるのが好ましい。金属コーティング層300(下面伝導層の場合にも適用可能)と、伝導性物質コーティング層200(下面伝導層の場合にも適用可能)、特にITO、の厚さが前記のように形成される場合に、エッチング工程で製作が容易であるので、前記範囲の厚さを有することで、工程を減らして製作を容易にすることができる。また、前記絶縁体層100の厚さが前記範囲内である場合に、耐久性を確保することができる。さらに好ましくは、前記金属コーティング層300の厚さは0.05〜0.5μmであり、金属保護コーティング層350の厚さは0.01〜0.4μmであり、前記伝導性物質コーティング層200がITOである場合には、ITO層の厚さは0.01〜0.02μmであることが、優れたエッチング性およびパターン形成特性を有する側面で良く、前記絶縁体層100の厚さは、絶縁体層が有機絶縁体である場合に50〜175μmであることが、デバイスとの組み立て容易性の側面およびコンパクトサイズのデバイス製作に良い。
【0022】
また、本発明は、前記タッチパネル製造用パッドを用いた抵抗膜方式および静電容量方式を含むタッチパネルの製造方法を提供し、これは前述のタッチパネル製造用パッドの上面または下面で前記金属コーティング層または前記伝導性物質コーティング層(または前記金属保護コーティング層(金属保護コーティング層を有する場合に限る))を部分的にエッチングして、金属コーティング層または伝導性物質コーティング層(または金属保護コーティング層)のパターンが形成されたパッドを製造する段階を含む。
【0023】
これは透光部を有するタッチパネルも、透光部を有していないタッチパネルも、全てに適用でき、タッチパネルの製造方法において、前述のタッチパネル製造用パッドの上面で伝導性物質コーティング層と金属コーティング層(および金属保護コーティング層(金属保護コーティング層を有する場合に限る))とを、夫々または共に部分的にエッチングして、金属パターンが形成されたパッドを製造する第1−1段階(ここで、前記金属保護コーティング層を有する場合には、(a)伝導性物質コーティング層と、金属コーティング層と、金属保護コーティング層とを一度に、パターン形成のためにフォトリソグラフィ法によってエッチングし、以後に再び金属コーティング層と金属保護コーティング層とを夫々または共にパターン形成のためにフォトリソグラフィ法によってエッチングしたり、(b)金属コーティング層と金属保護コーティング層とを夫々または共にパターン形成のためにフォトリソグラフィ法によってエッチングし、以後に再びパターン形成のためにフォトリソグラフィ法によって伝導性物質コーティング層をエッチングするなどのパターン形成方法を採用し得る。ここで、金属コーティング層のパターンと金属保護コーティング層のパターンとは同一(全体的に2重層)であることもあり、互いに異なることもあり、場合によっては金属保護コーティング層が完全に除去された形態で最終パッドが製作されることもできる。また、金属保護コーティング層を有していない場合には前述において金属保護コーティング層の部分のみを除いて同様な方法でこれを実施できることはもちろんである。)、および、前述のタッチパネル製造用パッドの下面で下面伝導層を部分的にエッチングして、下面伝導層パターンが形成されたパッドを製造する第1−2段階を遂行することができる。ここで、前記下面伝導層は前述のような1層または2層構造を有することができるので、それぞれの場合に対応して、伝導性物質コーティング層と金属コーティング層(および金属保護コーティング層(金属保護コーティング層を有する場合に限る))とを夫々または共に部分的にエッチングして、伝導層パターンを形成することができる。
【0024】
ここで、前記第1−1段階および第1−2段階はそれぞれ別途の工程としてこれを行うこともでき、上面および下面を1つのチャンバー内で上下面同時に処理を進めて、1−1段階および1−2段階を同時に遂行することもできる。
【0025】
次に、タッチパネルを製作するために、
i)前記パターンが形成されたパッドの上面に接着剤層450と絶縁樹脂からなる誘電体層(500または500/550の結合体)とを結合したり、
ii)前記パターンが形成されたパッドの上面に前記パターンが形成された他のパッドをひっくり返して互いに上下に離隔して結合したり
する第2段階を含んで構成される。これに関する具体的な例は図2乃至図3にこれを示し、金属保護コーティング層を有する場合は図4乃至図5にこれを示したとおりである。
【0026】
即ち、前述の本発明のタッチパネル製造用パッドの最上面および下面に形成された金属コーティング層を部分的にエッチングして、電極および電線に該当するパターンのみを残す段階を遂行することができる。これは図2(抵抗膜方式)の(b)段階または図3(静電容量方式)の(b)段階にその具体的な例を示したとおりである。
【0027】
また、前述の本発明のタッチパネル製造用パッドの最上面に形成された金属コーティング層および金属保護コーティング層と、下面の金属コーティング層とを部分的にエッチングして、電極および電線に該当するパターンのみを残す段階を遂行することができる。これは図4の(b)段階または図5の(b)段階にその具体的な例を示したとおりである。(この場合は静電容量方式のみを示したものであるが、抵抗膜方式も類似の方式でこれを遂行することができるのはもちろんである。)
【0028】
図4は金属保護コーティング層が完全に除去された形態で最終パッドが製作された場合を示したものであり、場合によっては図5に示したように金属コーティング層の上面に金属コーティング層と同一なパターンの金属保護コーティング層が存在して2重層の形態を成すこともでき、場合によっては金属コーティング層と異なるパターンの金属保護コーティング層が存在して部分的に2重層の形態を成すこともできる。
【0029】
また、前述のように必要によっては前記金属コーティング層のエッチングによって表面に露出された伝導性物質を追加的にエッチングして、伝導性物質コーティング層のパターンをさらに形成することができる。即ち、前記第1段階工程以後に前記金属パターンが形成されたパッドの上面で伝導性物質コーティング層を部分的にエッチングして、金属パターンおよび伝導性物質コーティング層のパターンが形成されたパッドを製造する段階をさらに含むように構成することができる。これは図2乃至図5の(c)段階にその具体的な例を示したとおりである。これは必須工程ではなく、伝導性物質コーティング層のパターン形成が別途に必要でない場合にはこれを省略することもでき、前述のように金属コーティング層のエッチング時に伝導性物質コーティング層も共にエッチングしてそのパターンを形成することもできる。
【0030】
前記金属コーティング層と、金属保護コーティング層と、伝導性物質コーティング層との分離されたエッチングは公知の多様な方式でこれを行うことができ(金属保護コーティング層の場合は選択事項である。)、これに関する具体的な例として、金属保護コーティング層がアルミニウムであり、金属コーティング層が銅であり、伝導性物質コーティング層がITOである場合に、銅とアルミニウムはNaOH水溶液を用いてエッチングし、ITOはFeCl水溶液を用いてエッチングすれば、それぞれを区分してエッチングすることができる。このような部分的なエッチングのために従来のフォトリソグラフィ方法や、その他公知の多様な部分的エッチング方法を適用することができる。ここで形成されるパターンは、一般には、伝導性物質コーティング層の場合には、タッチパネルがタッチされる面に対応する面に伝導性物質コーティング層の形状を作るのがこれに該当し、金属コーティング層の場合には、透光部を有する場合にはそのエッジ部分のみ前記伝導性物質コーティング層の上部に電極を形成することができる。
【0031】
このようにパターンが形成されたパッドは、静電容量方式の場合には図3にその具体的な例を示したように、前記パターンが形成されたパッドの上面に接着剤層450と絶縁樹脂からなる絶縁体層(500または500/550)を結合する第2段階を遂行する。
【0032】
また、透光部を有する静電容量方式タッチパネル製造用パネルの場合は、図面でその具体的な実施例を示したように、静電容量方式タッチパネルの製造方法において、前述の静電容量方式タッチパネル製造用パッドとして、前記誘電体フィルムがポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリカーボネート(PC)を含む透明誘電体フィルムであり、前記伝導性物質がITOまたはIZOを含む透明伝導性物質であり、前記金属コーティング層が蒸着またはスパッタリングで形成されるアルミニウムまたは銅であり、前記金属保護コーティング層が蒸着またはスパッタリングで形成される亜鉛(アルミニウム金属コーティング層に対して)やアルミニウム(銅金属コーティング層に対して)である前記静電容量方式タッチパネル製造用パッドの上面を部分的にエッチングしてパターンを形成する。
【0033】
また、抵抗膜方式のタッチパネルを製造する場合には、図2にその具体的な例を示したように、前記パターンが形成されたパッドの上面に前記パターンが形成された他のパッドをひっくり返して互いに上下に離隔して結合する第2段階を遂行して製造することができる。前記対向するパターンが形成された2つのパッドの離隔は図示したように分離フィルム層を周縁に備えて構成することもでき、スペーサ(spacer)を離隔空間に一定の間隔で配置して構成することもできるのはもちろんである。
【0034】
また、本発明は前述のような製造方法で製造されるタッチパネルを提供し、これはタッチパッドを含むタッチパネルにおいて、前記タッチパッドを用いて前述のタッチパネルの製造方法によって製造されて、金属コーティング層、伝導性物質コーティング層または金属保護コーティング層のパターンが形成されたパッドを含んで構成される。これには前述のように静電容量方式のタッチパネルおよび抵抗膜方式のタッチパネルを挙げることができ、これは前述のようなタッチパネルの製造方法によって製造される。その構造はまず、静電容量方式の場合は静電容量方式タッチパネルにおいて、前記第2段階でi)で示されたタッチパネルの製造方法によって製造され、10〜3000μmの厚さを有する絶縁体層100、前記絶縁体層100の上面に0.005〜0.1μmの厚さで形成されてパターンが形成された伝導性物質コーティング層200、および前記伝導性物質コーティング層200の上面に0.01〜10μmの厚さで形成されてパターンが形成された金属コーティング層300(ここに追加的に前記金属コーティング層の上面に金属保護コーティング層350がさらに存在することもできる。)からなるパッド、前記パッドの上面に結合する接着剤層450および、前記接着剤層450の上面に結合する絶縁樹脂からなる誘電体層(500または500/550結合体)を含んで構成される。ここで、前記伝導性物質コーティング層200は、エッチング段階を経ることもでき、これを省略することもできる。また、好ましくは、絶縁体層100は有機絶縁体の場合は10〜1000μmの厚さで形成され、無機絶縁体の場合は100〜3000μmの厚さで形成されることが良い。
【0035】
これに関する具体的な例は図3の(d)段階でこれらを組み立てた組立体がこれに該当される。
【0036】
次に、抵抗膜方式の場合は抵抗膜方式タッチパネルにおいて、前記第2段階のii)で示されたタッチパネルの製造方法によって製造され、10〜3000μmの厚さを有する絶縁体層100、前記絶縁体層100の上面に0.005〜0.1μmの厚さで形成されパターンが形成された伝導性物質コーティング層200、および前記伝導性物質コーティング層200の上面に0.01〜10μmの厚さで形成されてパターンが形成された金属コーティング層300(ここに追加的に前記金属コーティング層の上面に金属保護コーティング層350がさらに存在することもできる。)からなる下面パッド、前記パッドの上面周縁に結合する分離フィルム層600および、前記分離フィルム層600の上面に結合し、前記第2段階のii)で示されたタッチパネルの製造方法によって製造され、10〜3000μmの厚さを有する絶縁体層100、前記絶縁体層100の下面に0.005〜0.1μmの厚さで形成されパターンが形成された伝導性物質コーティング層200、および前記伝導性物質コーティング層200の下面に0.01〜10μmの厚さで形成されパターンが形成された金属コーティング層300(ここに追加的に前記金属コーティング層の上面に金属保護コーティング層350がさらに存在することもできる。)からなる上面パッドを含んで構成される。ここで、前記伝導性物質コーティング層200はエッチング段階を経ることもでき、これを省略することもできる。また、好ましくは、絶縁体層100は有機絶縁体の場合は10〜1000μmの厚さで形成され、無機絶縁体の場合は100〜3000μmの厚さで形成されることが良い。
【0037】
これに関する具体的な例は図2の(d)段階でこれらを組み立てた組立体がこれに該当する。
【0038】
以上で説明した本発明は前述の実施例および添付された図面によって限定されるのではなく、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で当該技術分野の当業者が多様に修正および変更させたものも本発明の範囲内に含まれることはもちろんである。
【符号の説明】
【0039】
100 絶縁体層
200 伝導性物質コーティング層
300 金属コーティング層
350 金属保護コーティング層
400 下面伝導層
450 接着剤層
500 誘電体層(タッチパッド)
550 遮断層
600 分離フィルム層
【図1(a)】

【図1(b)】

【図1(c)】

【図1(d)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な有機絶縁体または無機絶縁体からなる絶縁体層;
前記絶縁体層の上面に形成される上面透明伝導性物質コーティング層;
前記上面透明伝導性物質コーティング層の上面に形成される上面金属コーティング層;および、
前記絶縁体層の下面に形成されるi)透明伝導性物質コーティング層、ii)金属コーティング層またはiii)透明伝導性物質コーティング層と金属コーティング層との積層体からなる下面伝導層を含むことを特徴とするタッチパネル製造用パッド。
【請求項2】
前記絶縁体層の上面または下面に形成される前記金属コーティング層の外面に形成される金属保護コーティング層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のタッチパネル製造用パッド。
【請求項3】
前記金属保護コーティング層は金属材料からなることを特徴とする、請求項2に記載のタッチパネル製造用パッド。
【請求項4】
前記有機絶縁体はポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリカーボネート(PC)からなり、前記無機絶縁体はガラスからなり、
前記透明伝導性物質コーティング層はITOまたはIZOからなり、
前記金属コーティング層は銅またはアルミニウムからなり、
前記金属保護コーティング層は、前記金属コーティング層が銅である場合には銀、アルミニウム、亜鉛または錫であり、前記金属コーティング層がアルミニウムである場合には銀、亜鉛または錫であることを特徴とする、請求項2に記載のタッチパネル製造用パッド。
【請求項5】
タッチパネルの製造方法において、
請求項1のタッチパネル製造用パッドの上面または下面で前記金属コーティング層または前記透明伝導性物質コーティング層を部分的にエッチングして、金属コーティング層または透明伝導性物質コーティング層のパターンが形成されたパッドを製造する段階を含むことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項6】
タッチパネルの製造方法において、
請求項2乃至4のうちのいずれか一項のタッチパネル製造用パッドの上面または下面で前記金属コーティング層、前記透明伝導性物質コーティング層または前記金属保護コーティング層を部分的にエッチングして、金属コーティング層、透明伝導性物質コーティング層または金属保護コーティング層のパターンが形成されたパッドを製造する段階を含むことを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項7】
タッチパッドおよびこれを駆動する駆動部を含むタッチパネルにおいて、
前記タッチパッドとして、請求項5のタッチパネルの製造方法によって製造され、金属コーティング層または透明伝導性物質コーティング層のパターンが形成されたパッドを含むことを特徴とするタッチパネル。
【請求項8】
タッチパッドおよびこれを駆動する駆動部を含むタッチパネルにおいて、
前記タッチパッドとして、請求項6のタッチパネルの製造方法によって製造され、金属コーティング層、透明伝導性物質コーティング層または金属保護コーティング層のパターンが形成されたパッドを含むことを特徴とするタッチパネル。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−524324(P2012−524324A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505809(P2012−505809)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002231
【国際公開番号】WO2010/120073
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511249235)
【氏名又は名称原語表記】PARK, Jun−Young
【Fターム(参考)】