説明

タンクローリの四方弁

【課題】第1に、ポンプ荷卸しされる燃料油例えば灯油に、重力荷卸し時の燃料油例えばガソリンが、混油されることがなく、安全性が向上すると共に、第2に、しかもこれが簡単容易に、操作性にも優れて実現される、タンクローリの四方弁を提案する。
【解決手段】この四方弁22は、タンク側の底弁と吐出口側の吐出弁との間の配管6に介装されると共に、ポンプ7より上位に位置しており、弁ケース23と、弁ケース23内に回動変位可能に配設され、内部に流れ切換え用の連通路25が形成されたバルブ24と、を有している。そして、弁ケース23のポンプ7へのポート13,14の出入口部13’,14’と、バルブ24の連通路25の開口部28,29とは、対応した平面状の円穴よりなり、出入口部13’,14’に、パッキンPが付設されている。もって、対向位置した開口部28,29との間で、密閉シールを実現可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクローリの四方弁に関する。すなわち、タンクロ−リのタンク側の底弁と吐出口側の吐出弁間の配管に介装される、四方弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
《技術的背景》
タンクローリは、タンクの各タンク室に、ガソリン,灯油,軽油等の燃料油を、油槽所から積込んで運搬し、目的地のガソリンスタンド等に荷卸しする。
積込み方式としては、タンク室上のマンホール付近の注入口から行う注入方式と、ポンプを利用し配管を介して、タンク室下の底弁から行うポンプ積込み方式と、がある。又、荷卸し方式としては、タンク室下の底弁から配管を介して行う重力荷卸し方式と、ポンプを利用して、タンク室下の底弁から配管を介して行うポンプ荷卸し方式とがある。
そして消防法により、引火点が40℃未満のガソリン等については、ポンプ積込みとポンプ荷卸しが禁止されている。これに対し、引火点が40℃以上の灯油や軽油等については、ポンプ積込みとポンプ荷卸しが許容されている。
【0003】
四方弁は、このようなタンクローリの配管に介装されている。図4,図5は、この種従来例のタンクローリの四方弁等の説明に供し、図4の(1)図は外観斜視図、(2)図は分解斜視図である。図5の(1)図はバルブの平面図、(2)図は右側面図、(3)図は底面図、(4)図は正面図、(5)図は背面図である。
そして、図4にも示したように、四方弁1は、タンク2のタンク室2’側の底弁3と吐出口4側の吐出弁5間の配管6に、介装されると共に、ポンプ7の上位に位置している。
【0004】
そして四方弁1は、弁ケース8と、弁ケース8内に水平軸で左右に回動変位可能に配設され、内部に流れ切換え用の連通路9が形成されたバルブ10と、を有している。
弁ケース8は、底弁3への第1ポート11と、吐出弁5への第2ポート12と、ポンプ7の吸入口への第3ポート13と、ポンプ7の吐出口への第4ポート14と、が設けられると共に、第1ポート11と第2ポート12が、内部空間15を介し対向位置している。
バルブ10は、内部空間15内での回動変位により、a.第1ポート11から第2ポート12へと流れを形成させる、例えばガソリン,灯油,軽油用の重力荷卸し位置(後述する図1の(1)図,(2)図も参照)と、b.第1ポート11から連通路9,第3ポート13,第4ポート14を経由して第2ポート12へと流れを形成させる、例えば灯油,軽油用のポンプ荷卸し位置(図1の(3)図,(4)図も参照)と、c.第2ポート12から連通路9,第3ポート13,第4ポート14を経由して第1ポート11へと流れを形成させる、例えば灯油,軽油用のポンプ積込み位置(図1の(5)図,(6)図も参照)とに、流れを切換可能となっている。
ポンプ7は、車輌エンジンに付設された動力取出装置から駆動力が伝達されて、回転駆動されると共に、四方弁1の下位に配設されている。
【0005】
《従来技術》
そして、従来のこの種四方弁1は、図4の(2)図,図5の各図に示したように、そのバルブ10等が、極めて特殊な形状、複雑な構造よりなっていた。
例えば、図示のバルブ10は、椀状部16と鍔状部17からなると共に、内部に連通路9が形成されており、弁ケース8の内部空間15下部内を、密に摺接しつつ、水平軸で左右に回動変位可能とされていた。
そして、弁ケース8のポンプ7への第4ポート14の出入口部18は、バルブ10の密摺動を可能とすべく、開口縁が2次曲面の凹曲状の円穴よりなると共に、重力荷卸し時に対向位置するバルブ10の連通路9の開口部19も、開口縁が対応した2次曲面の凸曲状の円穴よりなっていた。
このように、この種従来例の四方弁1は、弁ケース8のポンプ7への第4ポート14の出入口部18や、バルブ10の連通路9の開口部19が、平面状の円穴ではなく、特殊,複雑な形状,構造よりなっていた。なお図中26は、バルブ10操作用のステムシャフトである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
《問題点について》
ところで、このような従来例のタンクローリの四方弁1については、次の問題が指摘されていた。
四方弁1のシール性が悪く、ガソリンを重力荷卸した際に、下位のポンプ7内やポンプ7との間の分岐配管20内に、ガソリンが若干漏出,流下,残留してしまい、事後、灯油をポンプ荷卸した際に混油が発生する、という問題が指摘されていた。
すなわち、引火点が40℃以上の灯油に、引火点が40℃未満のガソリンが混入し、もって、混油されて荷卸しされる灯油の引火点が、例えば35℃等、40℃未満に下がってしまい、ストーブその他で燃焼させた際に危険である、という指摘があった。
【0007】
これについて、更に詳述する。例えば、まず灯油をポンプ荷卸しすると、四方弁1のシール性の悪さに起因して、その荷卸し終了後に、四方弁1より下位のポンプ7内やポンプ7への分岐配管20内に、灯油が多少残留する。そして、その後にガソリンを重力荷卸しすると、四方弁1のシール性の悪さに起因して、ガソリンが、ポンプ7内やポンプ7への分岐配管20内に漏出,流下して、上述した灯油と混油,残留してしまう。
この状態で、次に灯油をポンプ荷卸しすると、灯油は、1回の荷卸し量例えば2KL中に、ガソリンが例えば2L程度混油した状態で荷卸しされてしまい、安全性に問題が指摘されていた。
そして、このような混油問題は、四方弁1のシール性の悪さに起因していた。すなわち、この種従来例の四方弁1のバルブ10や弁ケース8は、前述したように極めて特殊な形状、複雑な構造よりなり、パッキン等でシール性を持たせることが、困難とされていた。
この種従来例の四方弁1において、弁ケース8のポンプ7への第4ポート14の出入口部18や、対応するバルブ10の連通路9の開口部19は、平面状の円穴ではなく、2次曲面の凹曲状や凸曲状をなしていた。そこで、このような特殊,複雑な形状,構造の出入口部18や開口部19に、パッキン等を入れて相互間を密閉シール可能とすることは、極めて困難とされており、シールは従来採用されていなかった。特殊,複雑な出入口部18や開口部19に対応したパッキンを、製造して付設することは、困難視されていた。
もって、ガソリンを重力荷卸しする際に、対向位置して連通路9そしてポンプ7への分岐配管20を閉鎖すべき、出入口部18と開口部19間の隙間からガソリンが漏出し、もって分岐配管20内やポンプ7内に、漏出したガソリンが流下,残留してしまっていた。
【0008】
《その他》
なお第1に、上述と同様の原因により、灯油に軽油が若干混油して荷卸しされた場合は、引火点を下げることがないため、ストーブその他で燃焼させても危険はない。
同様に、軽油に灯油が多少混油して荷卸しされた場合も、ディーゼルエンジンの燃料としての使用に支障は生じない。更に、ガソリンに軽油が多少混油しても、特に問題は生じない。
なお第2に、このような混油問題、特に灯油にガソリンが混油してしまう問題の解決策としては、四方弁1の上位にポンプ7を位置させることも考えられたが、その分、四方弁1が低位となり、その部分の配管6も低くなってガソリンの残留が発生してしまうので、採用には至っていない。
又、配管6を下げずに、ポンプ7取付部のタンク2の形状を変えることも検討されたが、車輌エンジンからの駆動力伝達に支障が生じやすくなり、採用には至らなかった。
【0009】
《本発明について》
本発明のタンクローリの四方弁は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべく、開発されたものである。
そして本発明は、第1に、ポンプ荷卸しされる燃料油に、重力荷卸し時の燃料油が混油することがなく、第2に、しかもこれが簡単容易に、操作性にも優れて実現される、タンクローリの四方弁を提案すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1については、次のとおり。請求項1のタンクロ−リの四方弁は、タンクロ−リの配管に介装されると共に、ポンプより上位に位置している。そして弁ケースと、該弁ケース内に回動変位可能に配設され、内部に流れ切換え用の連通路が形成されたバルブと、を有している。
該弁ケースの該ポンプへのポートの出入口部と、該バルブの連通路の開口部とは、対応した平面状の円穴よりなり、対向位置可能である。該弁ケースは、少なくとも該出入口部と該開口部が対向位置する関係を除き、該バルブの回動軌跡との間にクリアランスが存する内部形状よりなる。
そして、該弁ケースのポートの出入口部は、パッキンが付設されており、該パッキンにより、対向位置した該バルブの連通路の開口部との間で、密閉シールが実現可能となっていること、を特徴とする。
【0011】
請求項2については、次のとおり。請求項2のタンクローリの四方弁は、請求項1において、タンク側の底弁と吐出口側の吐出弁との間の該配管に、介装されている。
該弁ケースは、該底弁への第1ポートと、該吐出弁への第2ポートと、該ポンプの吸入口への第3ポートと、該ポンプの吐出口への第4ポートと、が設けられると共に、該第1ポートと第2ポートとが内部空間を介し対向位置している。
該バルブは、回動変位により、該第1ポートから第2ポートへと流れを形成させる重力荷卸し位置と、該第1ポートから連通路,第3ポート,第4ポートを経由して該第2ポートへと流れを形成させるポンプ荷卸し位置と、該第2ポートから連通路,第3ポート,第4ポートを経由して該第1ポートへと流れを形成させるポンプ積込み位置とに、流れを切換可能である。
そして該弁ケースは、該第3ポートの出入口部と該第4ポートの出入口部に、それぞれ該パッキンが付設されていること、を特徴とする。
【0012】
請求項3については、次のとおり。請求項3のタンクローリの四方弁は、請求項2において、該パッキンは、同心円輪状の弾性材よりなる。
そして外周部が、該弁ケースの第3ポートの出入口部や該第4ポートの出入口部に取付けられると共に、内周部が、自由端となっており、該バルブの連通路の開口部にて押圧力を受けて折曲変形可能であり、折曲変形に伴う反発力に基づき、該開口部との間で隙間のない接触密閉シールを実現すること、を特徴とする。
請求項4については、次のとおり。請求項4のタンクローリの四方弁は、請求項3において、該バルブの連通路の開口部は円形で、外周先端にテーパーが形成されていること、を特徴とする。
請求項5については、次のとおり。請求項5のタンクローリの四方弁は、請求項3において、該バルブの連通路の開口部は、球面に円穴の開いた形状よりなること、を特徴とする。
【0013】
《作用等》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)このタンクローリの四方弁は、底弁と吐出弁間の配管に介装され、ポンプより上位に位置しており、弁ケース内でバルブを回動変位させることにより、重力荷卸し位置,ポンプ荷卸し位置,ポンプ積込み位置に、流れを切換可能である。
(2)重力荷卸し位置では、弁ケースの第1ポートから第2ポートへと流れが形成され、燃料油がポンプを介すことなく荷卸しされる。ポンプ荷卸し位置では、第1ポートから、バルブ内部の連通路,第3ポート,ポンプ,第4ポート等を経由して、第2ポートへと流れが形成されて、燃料油が荷卸しされる。
ポンプ積込み位置では、第2ポートから連通路,第3ポート,ポンプ,第4ポート等を経由して、第1ポートへと流れが形成されて、燃料油が積込まれる。
【0014】
(3)このような四方弁において、弁ケースは、ポンプへの第3,第4ポートの出入口部に、パッキンが付設されており、対向位置するバルブの連通路の開口部との間で、密閉シールが実現される。
(4)なお弁ケースは、少なくとも第3,第4ポートの出入口部がバルブの連通路の開口部と対向位置する関係を除き、バルブの回動軌跡との間にクリアランスが存した内部形状よりなると共に、出入口部と開口部とが、対応した平面状の円穴に形成されており、このような形状の出入口部にパッキンが容易に付設されている。
(5)又、パッキンは、外周部が、弁ケースの第3,第4ポートの出入口部に取付けられ、内周部が、自由端となっており、対向位置するバルブの連通路の開口部にて押圧力を受けて折曲変形可能であり、折曲変形による反発力に基づき開口部に押し付けられて、密閉シールが実現される。
(6)更に、このような密閉シールを実現するバルブの連通路の開口部は、外周先端にテーパーが形成されている。開口部として、球面に円穴の開いた構成を採用することも、考えられる。
【0015】
(7)さて、この四方弁は、第1に、弁ケースの内部形状の改良に基づき、弁ケースのポートの出入口部やバルブの連通路の開口部を、平面状の円穴とし、第3ポート,第4ポートにパッキンが付設されており、対向位置する弁ケースの出入口部とバルブの開口部との間で、密閉シールが実現される。
もって、重力荷卸し時に荷卸しされる燃料油が、ポンプ側へと漏出,流下,残留することは防止され、事後のポンプ荷卸し時に、荷卸しされる燃料油に、先に重力荷卸しされていた燃料油が混油されることも、解消される。
(8)第2に、そしてこれは、パッキンを、弁ケースの第3ポート,第4ポートの平面状の円穴よりなる出入口部に付設することにより、簡単容易に実現される。
又、重力荷卸し時に密閉シールを達成できれば良く、パッキンの内周部を自由端とし、その折曲変形による反発力を利用する方式により密閉シールが実現されるので、バルブを回動変位させるハンドルの操作力は、軽いまま維持される。
更に、このバルブの開口部について、外周先端にテーパーを形成したり、先端の回動軌跡に合わせた球面形状とすると、パッキンとの摺動抵抗が軽減され、引っ掛かりも防止される。
(9)さてそこで、本発明のタンクローリの四方弁は、次の効果を発揮する。
【発明の効果】
【0016】
《第1の効果》
第1に、ポンプ荷卸しされる燃料油に、重力荷卸し時の燃料油が混油されることがなくなる。
すなわち、本発明のタンクローリの四方弁では、弁ケースのポンプへのポートに、パッキンが付設されており、対向位置するバルブの連通路の開口部との間で、密閉シールが実現される。そこで、前述したこの種従来例のように、例えばガソリンを重力荷卸しする際に、ポンプ側に荷卸しされるガソリンが若干漏出,流下,残留することは防止され、もって事後、例えば灯油をポンプ荷卸しする際に、ポンプ側に漏出,流下,残留していたガソリンが、荷卸しされる灯油に混油されることも、確実に解消される。
このように、荷卸しされる灯油等の燃料油の安全性が向上し、例えばストーブ等で燃焼させた際の危険が回避される。
【0017】
《第2の効果》
第2に、しかもこれは簡単容易に、操作性にも優れて実現される。すなわち、本発明のタンクローリの四方弁は、弁ケースのポンプへのポート出入口部について、バルブの連通路の開口部と共に平面状の円穴とすると共に、同心円輪状の弾性材製の一般的なパッキンを付設した簡単な構成よりなり、スペースを取り大型化することもなく、上述した第1の点が容易に実現される。
又、密閉シールは、パッキンの内周部を自由端として、その折曲変形による反発力を利用する方式により実現されるので、ハンドルの操作力が軽く維持され、従来より操作勝手に変更がない等、操作性にも優れている。
更に、バルブの連通路の開口部について、外周先端にテーパーを形成したり、先端の回動軌跡に合わせた球面形状とすると、摺動抵抗が軽減され引っ掛かりも防止される等、この面からも操作性に優れている。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
《図面について》
以下、本発明のタンクローリの四方弁を、図面に示した発明を実施するための最良の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2,図3は、本発明を実施するための最良の形態の説明に供する。
そして、図1の(1)図は、重力荷卸し時の左側断面図、(2)図は、重力荷卸し時の正断面図である。(3)図は、ポンプ荷卸し時の左側断面図、(4)図は、ポンプ荷卸し時の正断面図である。(5)図は、ポンプ積込み時の左側断面図、(6)図は、ポンプ積込時の正断面図である
図2の(1)図は、重力荷卸し時の正断面図、(2)図は、(1)図の要部拡大図である。(3)図は、他の例の重力荷卸し時の正断面図である。図3の(1)図は、弁ケースの1例の要部の平断面図、(2)図は、バルブの1例の正面図、(3)図は、バルブの他の例の底面側から見た要部の斜視図、(4)図は、パッキンの平面図である。
なお、図6の(1)図は、タンクローリの四方弁の外観正面図、(2)図は、タンクローリの配管説明図である。図7は、タンクローリの側面説明図である。
【0019】
《タンクローリ21について》
まず、図6の(2)図,図7を参照して、タンクローリ21について説明する。タンクローリ21のシャーシフレーム上には、タンク2が搭載されている。タンク2は、タンク胴板の前後端面が鏡板にて閉鎖された横の筒状をなし、内部が幅方向に沿った仕切板により、複数のタンク室2’に区画されている。タンク室2’は、5室〜8室程度よりなることが多く、それぞれ、1回の荷卸し量である2KLや4KL程度の燃料油を、積込み可能となっている。
そして、このようなタンク2の各タンク室2’に、ガソリン,灯油,軽油等の燃料油が、油槽所の貯蔵タンクから積込まれる。各タンク室2’について、同一油種の燃料油が積込まれる場合と、異なった油種の燃料油が混載して積込まれる場合とがある。
タンクローリ21は、このように各タンク室2’に燃料油を積込んで運搬し、目的地の荷卸し先のガソリンスタンドや工場等の地下タンク等に、荷卸しする。
【0020】
タンク2下には、配管6が配設されている。図示例では、各タンク室2’の底弁3に、配管6の基端が分岐接続されると共に、集合された配管6の先端に、吐出弁5付の吐出口4が設けられており、吐出口4に外部との間でホースが接続される。そして、集合された配管6の途中に、四方弁22が介装されており、この四方弁22に対し、往復循環用の1対の分岐配管20を介して、ポンプ7が接続されている。
このように、四方弁22は、タンク2側の底弁3と吐出口4側の吐出弁5との間の配管6に、介装されると共に、ポンプ7に接続されている。ポンプ7は、四方弁22の下位に位置しており、車輌エンジンに付設された動力取出装置(P.T.O.装置)にて、駆動力が伝達されて回転駆動する。
タンクローリ21は、概略このようになっている。
【0021】
《四方弁22について》
次に、図6の(1)図,図1の各図を参照して、この種の四方弁22について、一般的に説明する(なお全体構造等に関しては、図4等も参照)。四方弁22は、弁ケース23とバルブ24とを、有している。まず、弁ケース23について述べる。
弁ケース23は、有底有頂の4面を備えた箱状をなし、底弁3への第1ポート11と、吐出弁5への第2ポート12と、ポンプ7の吸入口への第3ポート13と、ポンプ7の吐出口への第4ポート14とが、例えば同径の円筒状をなして設けられている。第1ポート11と第2ポート12とは、内部空間Sを介して対向位置している。
【0022】
四方弁22の弁ケース23について、更に詳述する。弁ケース23は、異なる各面に、第1ポート11の出入口部,第2ポート12の出入口部,第3ポート13の出入口部13’,第4ポート14の出入口部14’が、それぞれ開口している。
第1ポート11は、分岐した配管6を介し、各タンク室2’の底弁3に接続されている。第2ポート12は、集合した配管6を介し、吐出口4の吐出弁5に接続されている。第3ポート13は、ポンプ7の吸入口側に分岐配管20を介して接続され、第4ポート14は、ポンプ7の吐出口側に分岐配管20を介して接続されている。
そして、第1ポート11の出入口部と、第2ポート12の出入口部とは、弁ケース23について、図面上では左右で向き合う位置関係で設けられている。これに対し、第3ポート13の出入口部13’は、弁ケース23の背面に、第4ポート14の出入口部14’は、弁ケース23の底面に設けられている。
【0023】
四方弁22のバルブ24について述べる。バルブ24は、弁ケース23内に回動変位可能に配設され、内部に流れ切換え用の連通路25が形成されている。
そしてバルブ24は、その回動変位により、a.図1の(1)図,(2)図に示したように、第1ポート11から第2ポート12へと流れを形成させる重力荷卸し位置と、b.図1の(3)図,(4)図に示したように、第1ポート11から連通路25,第3ポート13,第4ポート14を経由して第2ポート12へと流れを形成させるポンプ荷卸し位置と、c.図1の(5)図,(6)図に示したように、第2ポート12から連通路25,第3ポート13,第4ポート14を経由して第1ポート11へと流れを形成させるポンプ積込み位置とに、流れを切換可能である。
【0024】
このような四方弁22のバルブ24について、更に詳述する。バルブ24は、例えば短円筒パイプを直角に湾曲させた形状のもの、略ボール球状のもの、その他各種形状のものが可能であり、いずれにしても内部に連通路25が形成される。
そしてバルブ24は、弁ケース23内において、前後水平軸を中心に、図面上では右に90度,左に90度、計180度回動変位可能となっている。すなわち、図6の(1)図,その他に示したように、前後水平軸となるステムシャフト26が、弁ケース23に回動自在に密貫挿されており、内部の先端がバルブ24に取付けられ、外部の基端にハンドル27が取付けられており、ハンドル27を操作することにより、バルブ24が回動変位する。
回動変位によりバルブ24は、a.重力荷卸し位置と、b.ポンプ荷卸し位置と、c.ポンプ積込み位置の3ポジションに切換可能となる。つまりバルブ24は、回動変位により、第1ポート11,第2ポート12,第3ポート13,第4ポート14間を、適宜、連通および遮断することにより、3ポジションに変位可能となっている。
【0025】
a.重力吐出位置では、弁ケース23の第1ポート11と第2ポート12間が、弁ケース23の内部空間Sを介して連通される。第3ポート13や第4ポート14は、連通路25とは連通されているが、第1ポート11や第2ポート12とは遮断される。
b.ポンプ荷卸し位置では、第1ポート11と第3ポート13間が、連通路25を介して連通される。これと共に、第4ポート14と第2ポート12間が、弁ケース23の内部空間Sを介して連通される。
c.ポンプ積込み位置では、第2ポート12と第3ポート13間が、連通路25を介して連通される。これと共に、第4ポート14と第1ポート11間が、弁ケース23の内部空間Sを介して連通される。
四方弁22は、一般的にこのようになっている。
【0026】
《弁ケース23等について》
以下、本発明について、図1,図2,図3等を参照して説明する。この弁ケース23は、少なくともその第1,第2,第3,第4ポート11,12,13,14の出入口部11’,12’,13’,14’と、バルブ24の連通路25の開口部28,29とが、対向位置してパッキンPが存する関係を除き、バルブ24の回動軌跡との間に、クリアランスCが存する内部形状よりなる。
すなわち、この弁ケース23下部は、内部空間Sを形成する内部形状が、前述したこの種従来例のように、バルブ24の回動軌跡とは完全には一致していない。
図示例では、第3ポート13の出入口部13’とバルブ24の連通路25の一方の開口部28とが、常時対向位置しており、又、第1,第2,第4ポート11,12,14の出入口部11’,12’,14’と、バルブ24の連通路25の他方の開口部29とが、バルブ24の回動変位により対向位置するが、これらの対応位置関係を除き、弁ケース23の内部形状とバルブ24の回動軌跡との間に、クリアランスCが形成されている。このように、開孔部同志以外の弁ケース23とバルブ24の間には、クリアランスCが形成されている。勿論、このように形成されるクリアランスCは、バルブ24の回動を可能ならしめる程度を、越える間隙空間を意味する。
弁ケース23上部は、各種形状が可能であり、例えば、重力荷卸し時の圧力損失を低下すべく、アールが存した形状に形成される。
【0027】
これと共に、弁ケース23のポンプ7への第3,第4ポート13,14の出入口部13’,14’と、バルブ24の連通路25の開口部28,29とが、対応した平面状の円穴として形成されている。
図示例では、ポンプ7の吸入口への第3ポート13の出入口部13’と、常時対向位置するバルブ24の連通路25の一方の開口部28とが、それぞれ、弁ケース23の背面において対応した平面状の円穴よりなる。つまり、平面状をなす背面に開口縁が形成された円穴よりなる。
又、弁ケース23の底面のポンプ7の吐出口への第1,第2,第4ポート11,12,14の出入口部11’,12’,14’と、これと回動変位により対向位置可能なバルブ24の連通路25の他方の開口部29とは、それぞれ、対応した平面状の円穴よりなる。つまり、平面状をなす底面に開口縁が形成された円穴よりなる。
弁ケース23等は、このようになっている。
【0028】
《パッキンPについて》
このような弁ケース23の第3ポート13の出入口部13’と、第4ポート14の出入口部14’には、それぞれパッキンPが付設されている。そして、このパッキンPにより、対向位置したバルブ24の連通路25の開口部28,29との間で、それぞれ密閉シールが実現可能となっている。
パッキンPについて、更に詳述する。パッキンPは、同心円輪状の弾性材よりなり、外周部Pが、弁ケース23の第3,第4ポート13,14の出入口部13’,14’に取付けられると共に、内周部Pが、自由端となっている。
そして、自由端となった内周部Pが、バルブ24の連通路25の開口部28,29にて押圧力を受けて折曲変形可能であり、折曲変形に伴う反発力に基づき、開口部28,29との間で隙間のない接触密閉シールを実現する。
【0029】
すなわちパッキンPは、一般的な鍔状・フランジ状の弾性材よりなる。この弾性材としては、使用環境が−30℃程度まで考慮する必要があり、低温硬化が激しくないと共に、シールに必要な硬度を備え、磨耗や経年変化の少ない材料が選択使用される。例えばゴム製のものより、フッ素樹脂系のものが使用される。
そしてパッキンPは、弁ケース23の第3ポート13の出入口部13’と、第4ポート14の出入口部14’とに、それぞれ外周部Pが止着されている。パッキンPの内周部Pは、バックアップのない自由端となっている。
そして図示例では、第3ポート13の出入口部13’のパッキンPの内周部Pは、バルブ24の連通路25の一方の開口部28にて、後方へ押圧力を受けて折曲変形し、もって、この折曲変形に伴う前方への反発力に基づき、開口部28に押し付けられて密閉シールを実現する。
又、第4ポート14の出入口部14’のパッキンPの内周部Pは、バルブ24の連通路25の他方の開口部29にて、下方への押圧力を受けて折曲変形し、もって、このような折曲変形に伴う上方への反発力に基づき、開口部29に押し付けられて密閉シールを実現する。
なお、この明細書中においてパッキンPの用語は、最広義にて使用されており、例えば、狭義のパッキンの外にOリングをも包含する。
パッキンPは、このようになっている。
【0030】
《その他》
なお第1に、図2の(2)図等に示した図示例では、バルブ24の連通路25の開口部28,29は、外周先端にテーパーTが形成されている。
第2に、図3の(3)図に示した例において、バルブ24の連通路25の開口部28,29は、先端の回動軌跡に合わせた球面形状をなしている。すなわち、図示例の開口部28,29は、このように球体を横にスライスした形状よりなるが、更に、この図示例については、バルブ24全体を球体としてもよい。
第3に、内周部Pが自由端となったパッキンPは、第4ポート14の出入口部14’用としては必須的であるが、第3ポート13の出入口部13’用としては、必ずしも必須的ではない。つまり、出入口部13’用のパッキンPは、その外周部P,内周部P共に、出入口部13’にバックアップ取付けしてもよい。
第4に、弁ケース23の第1ポート11や第2ポート12の出入口部については、パッキンPを付設することを要しない。つまり、ここでは重力荷卸し時の密閉シールがテーマであり、ポンプ荷卸し時やポンプ積込み時のシール性は、テーマ外である。
【0031】
《作用等について》
本発明のタンクローリ21の四方弁22は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)この四方弁22は、タンク2側の底弁3と吐出口4側の吐出弁5との間の配管6に、介装されており、ポンプ7よりは上位に位置している(図6,図7,図4の(1)図等を参照)。
そして、弁ケース23内のバルブ24を回動変位させることにより、a.重力荷卸し位置(図1の(1)図,(2)図を参照)と、b.ポンプ荷卸し位置(図1の(3)図,(4)図を参照)と、c.ポンプ積込み位置(図1の(5)図,(6)図を参照)との3ポジションに、燃料油の流れを切換可能となっている。
【0032】
(2)a.重力荷卸し位置では、弁ケース23の底弁3側の第1ポート11から、吐出弁5側の第2ポート12へと、流れが形成される。もって、タンク2のタンク室2’に積込まれていたガソリン,灯油,軽油等の燃料油が、ポンプ7を介することなく、重力に基づき直接荷卸しされる。
b.ポンプ荷卸し位置では、弁ケース23の底弁3側の第1ポート11から、バルブ24内部の連通路25,弁ケース23の第3ポート13,ポンプ7の吸入口,ポンプ7の本体,ポンプ7の吐出口4,弁ケース23の第4ポート14等を経由して、弁ケース23の吐出弁5側の第2ポート12へと、流れが形成される。もって、タンク2のタンク室2’に積込まれていた灯油や軽油等の燃料油が、ポンプ7で加圧されて荷卸しされる。
c.ポンプ積込み位置では、吐出弁5側の第2ポート12からバルブ24内部の連通路25,弁ケース23の第3ポート13,ポンプ7の吸入口,ポンプ7の本体,ポンプ7の吐出口4,弁ケース23の第4ポート14等を経由して、弁ケース23の底弁3側の第1ポート11へと、流れが形成される。もって、外部の灯油や軽油等の燃料油が、ポンプ7で加圧されて、タンク2のタンク室2’に積込まれる。
【0033】
(3)さて、このような四方弁22において、弁ケース23は、ポンプ7の吸入口への第3ポート13の出入口部13’と、ポンプ7の吐出口4への第4ポート14の出入口部14’とに、それぞれパッキンPが付設されている。
もって、このパッキンPにより、例えば常時対向位置する弁ケース23の第3ポート13の出入口部13’と、バルブ24の連通路25の一方の開口部28との間について、密閉シールが実現される。又、バルブ24の回動変位により対向位置する弁ケース23の第4ポート14の出入口部14’と、バルブ24の連通路25の他方の開口部29との間について、密閉シールが実現される。
【0034】
(4)そして、このような密閉シールを実現するパッキンPは、弁ケース23のポンプ7への第3,第4ポート13,14の平面状の円穴よりなる出入口部13’,14’に、それぞれ付設されている。
すなわち、この四方弁22の弁ケース23内部形状は、第1,第2,第3,第4ポート11,12,13,14の出入口部11’,12’,13’,14’が、バルブ24の開口部28,29と対向位置してパッキンPが存する関係を少なくとも除いて、バルブ24の回動軌跡との間にクリアランスCが存した形状よりなる。
これと共に、対向位置する弁ケース23の出入口部11’,12’,13’,14’と、バルブ24の開口部28,29とが、対応した平面状の円穴に形成されている。
そして、弁ケース23の平面状の円穴とした出入口部13’,14’に、それぞれパッキンPが付設されている。
【0035】
(5)又、このような密閉シールを実現するパッキンPは、同心円輪状の弾性材よりなり、外周部Pが、弁ケース23の出入口部13’,14’に取付けられると共に、内周部Pが、自由端となっている。
もって、パッキンPの自由端とされた内周部Pは、対向位置するバルブ24の開口部28,29にて押圧力を受けて、折曲変形可能な位置関係に設定されている。そして、折曲変形されたことによる反発力に基づき、バルブ24側の開口部28,29に対して押し付けられ、もって開口部28,29との間で、隙間のない接触密閉シールが実現される。
【0036】
(6)更に、このようなパッキンPと接触密閉シールを実現するバルブ24の開口部28,29は、外周先端にテーパーTが形成されている。又、このようなバルブ24側の開口部28,29として、先端の回動軌跡に合わせた球面をなす構成も考えられる。
【0037】
(7)このタンクローリ21の四方弁22は、このように構成されているので、次の第1,第2のようになる。
第1に、この四方弁22は、上述したように弁ケース23の内部形状の改良に基づき、弁ケース23の第1ポート11,第2ポート12,第3ポート13,第4ポート14の出入口部11’,12’,13’,14’や、バルブ24の連通路25の開口部28,29を、平面状の円穴として、出入口部13’,14’にパッキンPが付設されており、もって、対向位置するバルブ24の開口部28,29との間で、隙間のない密閉シールが実現される。
もって、重力荷卸し時において、荷卸しされる燃料油例えばガソリンが、下位のポンプ7側へと漏出,流下,残留してしまう事態は、防止される。
従って、事後のポンプ荷卸し時、更にはポンプ積込み時において、荷卸しや積込まれる燃料油例えば灯油や軽油に、先の重力荷卸しに際しポンプ7側へと漏出,流下,残留されていた燃料油例えばガソリンが、多少なりとも混油されてしまうことも、解消されるようになる。
【0038】
(8)第2に、このような密閉シールは、同心円輪状の弾性材よりなる一般的なパッキンPを、弁ケース23の平面状の円穴とした出入口部13’,14’に付設することにより、簡単容易にスペースを取ることもなく実現される。一般的形状,構造のパッキンPも、このように平面的形状の出入口部13’,14’に対してなら、簡単容易,コンパクトに付設可能である。
又、このパッキンPは、重力荷卸し時における密閉シール性を達成できれば、必要十分である。荷卸しされる燃料油の重力に基づく圧(いわゆるタンクヘッド圧)に抗して、その漏出を防止できる程度であれば良く、ポンプ荷卸し時やポンプ積込み時のポンプ7による加圧に抗して、漏出を防止する程度までの強力なシール性は、必要ではない。
そこで密閉シールは、パッキンPの内周部Pを自由端とする方式により、そして対向位置するバルブ24側の開口部28,29からの押圧力にて折曲変形した反発力を利用する方式により、パッキンPの内周部Pを開口部28,29に押し付けることによって、実現されている(これに対し通常の弁は、パッキンを潰して面圧を上げることにより、密閉シールを行う方式よりなる)。
従って、バルブ24を弁ケース23内で回動変位させるハンドル27の操作力が、パッキンPによる密閉シールにて影響を受けることはなく、ハンドル27の操作力は、従来と変わらず軽く維持される。
【0039】
なおこの点は、バルブ24側の開口部28,29の外周先端に、テーパーTを形成しておくことにより、更に促進される。又、バルブ24側の開口部28,29として、先端の回動軌跡に合わせた球面形状をなす構成を採用することによっても、更に促進される。
つまり、このようなバルブ24側のテーパーTにより、弁ケース23側のパッキンPとの間の摺動抵抗が軽減され、引っ掛かりも防止される等、この面からも、ハンドル27の操作性への悪影響が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るタンクローリの四方弁について、発明を実施するための最良の形態の説明に供する。そして(1)図は、重力荷卸し時の左側断面図、(2)図は、重力荷卸し時の正断面図である。(3)図は、ポンプ荷卸し時の左側断面図、(4)図は、ポンプ荷卸し時の正断面図である。(5)図は、ポンプ積込み時の左側断面図、(6)図は、ポンプ積込時の正断面図である
【図2】同発明を実施するための最良の形態の説明に供し、(1)図は、重力荷卸し時の正断面図、(2)図は、(1)図の要部拡大図である。(3)図は、他の例の重力荷卸し時の正断面図である。
【図3】同発明を実施するための最良の形態の説明に供し、(1)図は、弁ケースの1例の要部の平断面図、(2)図は、バルブの1例の正面図、(3)図は、バルブの他の例の底面側から見た要部の斜視図、(4)図は、パッキンの平面図である。
【図4】この種従来例のタンクローリの四方弁等の説明に供し、(1)図は、外観斜視図、(2)図は、分解斜視図である。
【図5】この種従来例のタンクローリの四方弁の説明に供し、(1)図は、バルブの平面図、(2)図は、右側面図、(3)図は、底面図、(4)図は、正面図、(5)図は、背面図である。
【図6】(1)図は、タンクローリの四方弁の外観正面図、(2)図は、タンクローリの配管説明図である。
【図7】タンクローリの側面説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1 四方弁(従来例)
2 タンク
2’タンク室
3 底弁
4 吐出口
5 吐出弁
6 配管
7 ポンプ
8 弁ケース(従来例)
9 連通路(従来例)
10 バルブ(従来例)
11 第1ポート
11’ 出入口部
12 第2ポート
12’ 出入口部
13 第3ポート
13’出入口部(本発明)
14 第4ポート
14’出入口部(本発明)
15 内部空間(従来例)
16 椀状部
17 鍔状部
18 出入口部(従来例)
19 開口部(従来例)
20 分岐配管
21 タンクロ−リ
22 四方弁(本発明)
23 弁ケース(本発明)
24 バルブ(本発明)
25 連通路(本発明)
26 ステムシャフト
27 ハンドル
28 開口部(本発明)
29 開口部(本発明)
C クリアランス
P パッキン
外周部
内周部
S 内部空間
T テーパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクロ−リの配管に介装されると共に、ポンプより上位に位置する四方弁であって、弁ケースと、該弁ケース内に回動変位可能に配設され、内部に流れ切換え用の連通路が形成されたバルブと、を有しており、
該弁ケースの該ポンプへのポートの出入口部と、該バルブの連通路の開口部とは、対応した平面状の円穴よりなり対向位置可能であり、該弁ケースは、少なくとも該出入口部と該開口部が対向位置する関係を除き、該バルブの回動軌跡との間にクリアランスが存する内部形状よりなり、
該弁ケースのポートの出入口部は、パッキンが付設されており、該パッキンにより、対向位置した該バルブの連通路の開口部との間で、密閉シールが実現可能となっていること、を特徴とするタンクローリの四方弁。
【請求項2】
請求項1に記載したタンクローリの四方弁において、該四方弁は、タンク側の底弁と吐出口側の吐出弁との間の該配管に、介装されており、
該弁ケースは、該底弁への第1ポートと、該吐出弁への第2ポートと、該ポンプの吸入口への第3ポートと、該ポンプの吐出口への第4ポートと、が設けられると共に、該第1ポートと第2ポートとが内部空間を介し対向位置しており、
該バルブは、回動変位により、該第1ポートから第2ポートへと流れを形成させる重力荷卸し位置と、該第1ポートから連通路,第3ポート,第4ポートを経由して該第2ポートへと流れを形成させるポンプ荷卸し位置と、該第2ポートから連通路,第3ポート,第4ポートを経由して該第1ポートへと流れを形成させるポンプ積込み位置とに、流れを切換可能であり、
該弁ケースは、該第3ポートの出入口部と該第4ポートの出入口部に、それぞれ該パッキンが付設されていること、を特徴とするタンクローリの四方弁。
【請求項3】
請求項2に記載したタンクローリの四方弁において、該パッキンは、同心円輪状の弾性材よりなり、外周部が、該弁ケースの第3ポートの出入口部や該第4ポートの出入口部に取付けられると共に、内周部が、自由端となっており、該バルブの連通路の開口部にて押圧力を受けて折曲変形可能であり、折曲変形に伴う反発力に基づき、該開口部との間で隙間のない接触密閉シールを実現すること、を特徴とするタンクローリの四方弁。
【請求項4】
請求項3に記載したタンクローリの四方弁において、該バルブの連通路の開口部は円形で、外周先端にテーパーが形成されていること、を特徴とするタンクローリの四方弁。
【請求項5】
請求項3に記載したタンクローリの四方弁において、該バルブの連通路の開口部は、球面に円穴の開いた形状よりなること、を特徴とするタンクローリの四方弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−239797(P2007−239797A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59883(P2006−59883)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000187208)昭和飛行機工業株式会社 (72)
【Fターム(参考)】