説明

タンパク質キナーゼ結合ヌクレオシドおよび関連の方法

治療上活性なヌクレオシドおよびそれに関連する方法を提供する。一態様では、ATPと類似した一般構造を有するヌクレオシド分子である。そうしたヌクレオシドは、タンパク質キナーゼ分子と結合することができ、結果としてそれを制御することができる構造を有する。したがって、本発明のヌクレオシドは、様々なキナーゼに関連する医学的障害を治療することができる。本発明の態様は、新規なヌクレオシド分子、ならびにその作製および使用のための方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権情報)
本出願は、2007年5月30日に出願した、米国仮特許出願第60/932,528号の利益を主張し、この仮特許出願は、本明細書中でその全体を参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、治療活性を有する新規なヌクレオシドに関する。したがって、本発明は、化学、医薬および他の健康科学の分野に関連する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
タンパク質キナーゼ分子は、リン酸化として知られている過程においてリン酸基の付加を介して他のタンパク質を改変する酵素である。リン酸化は一般に、酵素活性、タンパク質−タンパク質相互作用の改変等を介して標的タンパク質の機能的変化をもたらす。キナーゼは、多くの細胞経路、特にシグナル変換に関与する細胞経路を制御することが知られている。いくつかの場合、リン酸化は、アデノシン三リン酸(ATP)からリン酸基が取り除かれ、その結果、遊離水酸基を有する3つのアミノ酸のうちの1つと共有結合することによって起こる。大部分のキナーゼはセリンとトレオニンの両方に対して作用するが、その他にチロシンに対して作用し、いくつか(二重特異性キナーゼ)は3つすべてに対して作用する。
【0004】
タンパク質キナーゼは細胞に対して強い影響を及ぼすことができるので、生理学的系におけるこれらの分子の活性は高度に制御される傾向がある。キナーゼは、リン酸化するか、活性化因子タンパク質または阻害剤タンパク質と結合させるか、小分子と結合させるか、あるいは細胞中でのその基質に対する位置をコントロールすることによって、活性にしたり不活性にしたりすることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
脱制御されたキナーゼ活性はしばしば、そこにおいてキナーゼが細胞増殖、細胞運動および細胞死をコントロールする多くの態様を制御する疾患、特に癌の原因となる。したがって、そうした脱制御キナーゼ活性を低減させるか制限する医薬品は、癌などのキナーゼ関連の状況の治療において有益である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一態様によるタンパク質キナーゼ分子のATP結合部位におけるATPを示す図である。
【図2】本発明の別の態様によるタンパク質キナーゼ分子のATP結合部位におけるヌクレオシドを示す図である。
【図3】本発明のさらに別の態様による様々な化合物の生成を説明する一連の化学反応スキームを示す図である。
【図4】本発明の他の態様による様々な化合物の生成を説明する一連の化学反応スキームを示す図である。
【図5】本発明のさらに他の態様による様々な化合物の生成を説明する一連の化学反応スキームを示す図である。
【図6】本発明の別の態様による様々な化合物の生成を説明する一連の化学反応スキームを示す図である。
【図7】本発明のさらに別の態様による様々な化合物の生成を説明する一連の化学反応スキームを示す図である。
【図8】本発明の他の態様による様々な化合物の生成を説明する一連の化学反応スキームを示す図である。
【図9】本発明のさらに他の態様による様々な化合物の生成を説明する一連の化学反応スキームを示す図である。
【図10】本発明の別の態様による様々な化合物の生成を説明する一連の化学反応スキームを示す図である。
【図11】本発明のさらに別の態様による様々な化合物の生成を説明する一連の化学反応スキームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
主要用語の定義
本発明を説明し、かつ本発明を特許請求するのに、以下の用語を以下に示す定義にしたがって使用する。
【0008】
単数形の「a」、「an」および「the」は、その文脈での別段の明白な指定のない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「(ある)分子」への言及はそうした分子の1つまたは複数への言及を含み、「(ある)化合物」への言及はそうした化合物の1つまたは複数への言及を含み、「(ある)抗体」への言及はそうした抗体の1つまたは複数への言及を含む。
【0009】
本明細書で使用する「対象」は、本発明の薬物組成物の投与または本発明の方法によって利益を得ることができる哺乳動物を指す。対象の例には、ヒトが含まれ、また、ウマ、ブタ、ウシ、イヌ、ネコ、ウサギおよび水生哺乳動物などの他の動物も含まれる。
【0010】
本明細書で使用する「分子」および「化合物」という用語は、互換的に用いることができる。
【0011】
本明細書で使用する「製剤」および「組成物」という用語は、互換的に用いることができ、2つ以上の化合物、元素または分子の混合物を指す。いくつかの態様では、「製剤」および「組成物」という用語は、ヌクレオシドと担体または他の賦形剤との混合物を指すのに用いることができる。
【0012】
「投与」および「投与する(administering)」は、活性薬剤が対象に提供されるその仕方を指す。投与は、経口、非経口、経皮、吸入、埋め込み等の当業界で知られている様々な経路で行うことができる。したがって、経口投与は、薬物を含む経口剤形の飲み込み、そしゃく、吸い込みによって行うことができる。非経口投与は、静脈内、動脈内、筋肉内、髄腔内または皮下等での薬物組成物の注入によって行うことができる。経皮投与は、皮膚表面上への経皮製剤の塗布、貼り付け、押し延ばし(rolling)、付着、注加、押圧、擦り込み等によって行うことができる。これらおよび他の投与方法は当業界で周知である。
【0013】
本明細書で使用する促進剤の「有効量」は、皮膚を通した薬物の浸透を、選択された程度に増大させるのに十分な量を指す。浸透促進剤の特徴を試験するための方法は当業界で周知である。例えば、Merrittら、「Diffusion Apparatus for Skin Penetration」、J. of Controlled Release、第61巻(1984年)(その全体を参照により本明細書に組み込む)を参照されたい。したがって「有効量」または「治療有効量」の薬物は、その薬物が有効であることが知られている状態の処置において、治療結果をもたらすのに非毒性であるが十分な薬物の量を指す。ある物質のその目的とする機能を果たす能力に対して、様々な生物学的要因が影響を及ぼす可能性があることを理解されたい。したがって、「有効量」または「治療有効量」は、いくつかの場合、そうした生物学的要因に依存する。さらに、当業界で知られている評価法を用いて医師または資格のある医療関係者は、治療効果の達成を測定することができるが、個別的なバリエーションおよび治療に対する応答が治療効果の達成を主観的判断にする可能性があることを理解されよう。有効量の決定は、薬剤科学および医薬分野の技術の範囲内である。例えば、Meiner and Tonascia、「Clinical Trials: Design, Conduct, and Analysis」、Monographs in Epidemiology and Biostatistics、第8巻(1986年)(これを参照により本明細書に組み込む)を参照されたい。
【0014】
本明細書で使用する「薬学的に許容される担体」および「担体」は互換的に用いることができ、実質的に生物学的活性を有しておらず、かつ、製剤の実質的な部分を作り上げる不活性な任意の薬学的に許容される材料を指す。担体は、接着剤などのポリマー系のものであっても非ポリマー系のものであってもよく、一般に組成物の他の成分(例えば、薬物、結合剤、増量剤、浸透促進剤、抗刺激剤、皮膚軟化剤、滑剤等を必要に応じて)と混合して製剤を含む。
【0015】
本明細書で使用する「賦形剤」という用語は、活性薬剤や担体と一緒にして対象に送達するための特定の投与製剤を具現化するか、または、特定の性能特性を有する剤形を提供することができる実質的に不活性な物質を指す。例えば、賦形剤は結合剤、滑剤等を含むことができるが、具体的には、活性薬剤および担体は含まれない。
【0016】
本明細書で使用する「実質的に」という用語は、ある作用、特徴、特性、状態、構造、項目または結果の完全かほぼ完全な程度または度合いを指す。例えば、「実質的に」取り囲まれている物体とは、その物体が完全に取り囲まれているか、またはほぼ完全に取り囲まれていることを意味する。絶対的な完全さからの逸脱の正確な可能度合いは、場合によっては、その具体的な文脈によることになる。しかし、一般的にいえば、完全に近似しているということは、絶対的かつ全体的な完全が得られたかのように同じ全体的結果を有していることであろう。「実質的に」という用語の使用は、作用、特徴、特性、状態、構造、項目または結果の完全かほぼ完全な欠如を指すために否定的な意味合いで用いられる場合にも同様に適用される。例えば、粒子を「実質的に有していない(substantial free of)」組成物とは、粒子を完全に欠いているか、または、その効果が粒子を完全に欠いている場合と同じ程度であるように、粒子をほぼ完全に欠いている組成物である。すなわち、構成成分または構成要素を「実質的に有していない」組成物は、測定可能なその効果がない限り、そうした項目を依然として実際に含むことができる。
【0017】
本明細書で使用する「約(about)」という用語は、所与の値が端点より「やや大きい」か「やや小さく」てもよいようにすることによって、数値範囲の端点に柔軟性をもたらすために用いられる。
【0018】
本明細書で使用する複数の項目、構造的要素、組成的要素および/または材料は、便宜上共通リストで示すことができる。しかし、これらのリストは、そのリストの各メンバーが別個でかつ独特のメンバーとして個別的に特定されているかのように解釈されなければならない。したがって、そうしたリストのどの個別メンバーも、共通グループにおいて示されているということだけにもとづいて、それとは逆の指定なしで、同じリストの任意の他のメンバーの事実上の均等物と解釈されるべきではない。
【0019】
濃度、量および他の数値データは、範囲形式で表すか示すことができる。そうした範囲形式は、単に便宜かつ簡単にするためだけであり、したがって、その範囲の限界として明示された数値を含むだけでなく、各数値および下位範囲が明示されているかのようにその範囲内に包含される個々の数値または下位範囲のすべても含むと柔軟に解釈されるべきであることを理解されよう。例を挙げると、「約1〜約5」の数値範囲は、約1〜約5の明示された値だけでなく、指定された範囲内の個々の値および下位範囲も含むと解釈されるべきである。したがって、この数値範囲に含まれるものは、2、3および4などの個々の値、ならびに1〜3、2〜4および3〜5等の下位範囲であり、また個別的な1、2、3、4および5である。この同じ考え方は、最小値または最大値として1つの数値だけを言及する範囲にも適用される。さらに、そうした解釈は、範囲の大きさまたは記載されている特徴に関係なく適用されなければならない。
【0020】
本明細書で説明する一般構造を有するヌクレオシド化合物は様々なタンパク質キナーゼと結合することをここに見出した。上記で説明したように、タンパク質キナーゼの脱制御は、癌を含む多くの状態を招く恐れがある。したがって、本発明の態様によるタンパク質キナーゼの制御は、癌を含む多くの状態および疾患を治療するのに重要であることを立証することができる。
【0021】
本発明のヌクレオシド構造は、アデノシン5’−三リン酸(ATP)と構造的類似性を有しており、したがって、タンパク質キナーゼのATP結合部位に結合して制癌機能を発揮することができる。ATPは、図1に示したような方向で、キナーゼ分子の2つのローブ間に形成された割れ目内のタンパク質キナーゼのATP結合部位に結合すると考えられる。ATP結合部位は、とりわけ、疎水性ポケット12、糖結合ポケット14および三リン酸結合ポケット16を含む。ATP分子18はタンパク質キナーゼのATP結合部位に示されている。疎水性ポケット12はATPによって利用されていないように見えるが、多くのキナーゼ阻害剤によって有効に使われる可能性がある。疎水性ポケットは、阻害剤選択性において役割を果たすことができる。
【0022】
図2に示すように、代表的な例の構造20(化合物10、図4)は、ATP分子と同様の方向でATP結合部位の中にはめ込まれる。化合物10は、以下に示すように、ATP結合部位への結合に対して親和性を有することが分かってきており、したがって、化合物10は、抗癌活性を有するヌクレオシドのための好都合な候補である。さらに、これもやはり以下で示すように、化合物10は様々な癌細胞系の増殖を阻害することが分かった。
【0023】
化合物10のタンパク質キナーゼ分子のATP結合部位への結合を理解されたら、当業者は、化合物10および関連分子の構造への様々な改変によって、改善されるとまではいかなくても、ATP結合部位に対して同じ結合親和性を有するヌクレオシドがもたらされることを理解されよう。例えば、キナーゼとの立体障害が低減されるようにヌクレオシドの側基を改変することによって、ヌクレオシドの結合部位との結合親和性を改善することができる。したがって、多くの分子が考えられ、本明細書で示す一般構造を有するどのヌクレオシドも本発明の範囲内であると考えられることに留意すべきである。
【0024】
本発明の態様は、新規なヌクレオシド分子、ならびにその作製および使用のための方法を提供する。本発明の一態様では、例えば、化合物1の構造を有する分子を提供する。
【0025】
【化1】

このような分子においては、R、R、RおよびRは、H、HO−、CHO−、CH−、HOCHCH−、HOCHCHOCHCH−、NHCHCH−、RNHCHCH−、(RNCHCH−、NHCHCHNHCHCH−、RNHCHCHNHCHCH−、(RNCHCHNHCHCH−、RCO−、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環から独立に選択することができる。さらに、RはC〜Cアルキルであってよく、Rは、HN−、HOHN−、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルまたはフェニルであってよく、RはC〜C12アルキルであってよく、RおよびRは、H、HO−、CH−またはCHCH−から独立に選択されるメンバーを含むことができる。さらに、XおよびXはOおよびSから独立に選択されるメンバーを含むことができ、Uは、H、HO−、F、CF−から選択されるメンバーを含むことができ、Wは、H、HO−、F、CF−、CHCHCCH−、CH(CHO)NCOCH−、HOCHCHO−、NHCOCH−、CHNHCOCH−、(CHNCOCH−、HOCHCHNHCOCH−、HSCHCHNHCOCH−および6〜16個の炭素を含むO−トリアルキルシリルから選択されるメンバーを含むことができる。また、Yは、H、HO−、F、CF−、HOCHCHO−、RO−および6〜16個の炭素を含むO−トリアルキルシリルから選択されるメンバーを含むことができ、Zは、H、F、HO−、CF−およびRO−から選択されるメンバーを含むことができる。
【0026】
化合物1のより具体的な態様では、化合物8の構造を有する分子を提供する。
【0027】
【化2】

このような分子は本質的に以下のような化合物1である、すなわち、RはHであり、RはCHであり、RはHであり、RはHであり、RはHであり、UはHであり、WはCHCHCCH−であり、ZはHであり、YはO−tert−ブチルジメチルシリルであり、XはOであり、XはOである。さらに、Rは、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシル(RはC〜C12アルキルである)から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環を含む基であってよい。
【0028】
化合物8の他のより具体的な態様では、化合物10の構造を有する分子を提供する。
【0029】
【化3】

式中、Rはフェニルである。
【0030】
化合物8の一般構造を有する多くの追加のヌクレオシドがさらに考えられる。例えば、一態様では、RはC〜C14の単環、二環または三環式アリールを含む基であってよい。他の態様では、RはF、Cl、BrまたはIから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールを含む基であってよい。さらに他の態様では、Rは、アルコキシ(RO−)(RはC〜C12アルキルである)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールを含む基であってよい。他の態様では、Rは、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)またはアジド(N)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールを含む基であってよい。さらに他の態様では、Rは、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールを含む基であってよい。他の態様では、Rは、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であってよい。さらに他の態様では、Rは、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシル(RはC〜C12アルキルである)を含む基で一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であってよい。
【0031】
化合物1の他のより具体的な態様では、化合物13の構造を有する分子を提供する。
【0032】
【化4】

このような分子は本質的に以下のような化合物1である、すなわち、RはHであり、RはCHであり、RはHであり、RはHであり、RはHであり、UはHであり、WはCH(CHO)NCOCH−であり、ZはHであり、YはO−tert−ブチルジメチルシリルであり、XはOであり、XはOであり、Rはフェニルである。
【0033】
化合物1の他のより具体的な態様では、化合物17の構造を有する分子を提供する。
【0034】
【化5】

このような分子は本質的に以下のような化合物1である、すなわち、RはHであり、RはCHであり、RはHであり、RはHであり、RはHであり、UはHであり、WはOHであり、ZはHであり、YはOHであり、XはOであり、XはOである。さらに、Rは、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環から選択されるメンバーである。さらに、RはC〜C12アルキルであってよい。
【0035】
化合物17の他のより具体的な態様では、化合物23の構造を有する分子を提供する。
【0036】
【化6】

式中、Rはフェニルである。
【0037】
化合物17の一般構造を有する多くの追加のヌクレオシドがさらに考えられる。例えば、一態様では、RはC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。他の態様では、Rは、F、Cl、BrまたはIから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。さらに他の態様では、Rはアルコキシ(RO−)(RはC〜C12アルキルである)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。他の態様では、Rはニトロ(NO)、ニトロソ(NO)またはアジド(N)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。さらに他の態様では、RはC〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。他の態様では、Rは2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であってよい。さらに他の態様では、Rは、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシル(RはC〜C12アルキルである)から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環である。
【0038】
化合物1の他のより具体的な態様では、化合物16の構造を有する分子を提供する。
【0039】
【化7】

このような分子は本質的に以下のような化合物1である、すなわち、RはHであり、RはCHであり、RはHであり、RはHであり、RはHであり、UはHであり、ZはHであり、WおよびYは−OC(CHO−であり、XはOであり、XはOである。さらに、Rは、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシル(RはC〜C12アルキルである)から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環から選択されるメンバーである。
【0040】
化合物16の他のより具体的な態様では、化合物22の構造を有する分子を提供する。
【0041】
【化8】

式中、Rはフェニルである。
【0042】
化合物16の一般構造を有する多くの追加のヌクレオシドがさらに考えられる。例えば、一態様では、RはC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。他の態様では、RはF、Cl、BrまたはIから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。さらに他の態様では、Rはアルコキシ(RO−)(RはC〜C12アルキルである)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。他の態様では、Rはニトロ(NO)、ニトロソ(NO)またはアジド(N)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。さらに他の態様では、RはC〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。他の態様では、Rは2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であってよい。さらに他の態様では、Rは、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシル(RはC〜C12アルキルである)から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であってよい。
【0043】
化合物1の他のより具体的な態様では、化合物20の構造を有する分子を提供する。
【0044】
【化9】

このような分子は本質的に以下のような化合物1である、すなわち、RはHであり、RはCHであり、RはHであり、RはHであり、RはHであり、UはHであり、ZはHであり、WはO−tert−ブチルジメチルシリルであり、YはO−tert−ブチルジメチルシリルであり、XはOであり、XはOである。さらに、Rは、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシル(RはC〜C12アルキルである)から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環から選択されるメンバーである。
【0045】
化合物20の他のより具体的な態様では、化合物25の構造を有する分子を提供する。
【0046】
【化10】

式中、Rはフェニルである。
【0047】
化合物20の一般構造を有する多くの追加のヌクレオシドがさらに考えられる。例えば、一態様では、RはC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。他の態様では、RはF、Cl、BrまたはIから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。さらに他の態様では、Rはアルコキシ(RO−)(RはC〜C12アルキルである)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。他の態様では、Rはニトロ(NO)、ニトロソ(NO)またはアジド(N)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。さらに他の態様では、RはC〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。他の態様では、Rは2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であってよい。さらに他の態様では、RはF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシル(RはC〜C12アルキルである)から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であってよい。
【0048】
化合物1の他のより具体的な態様では、化合物27の構造を有する分子を提供する。
【0049】
【化11】

このような分子は本質的に以下のような化合物1である、すなわち、RはHであり、RはHであり、RはHであり、RはHであり、RはCであり、UはHであり、WはCHCHCCH−であり、ZはHであり、YはO−tert−ブチルジメチルシリルであり、XはOであり、XはOである。さらに、Rは、H、HO−、CHO−、CH−、HOCHCH−、HOCHCHOCHCH−、NHCHCH−、RNHCHCH−、(RNCHCH−、NHCHCHNHCHCH−、RNHCHCHNHCHCH−、(RNCHCHNHCHCH−、RCO−または単環、二環もしくは三環式C〜C14アリールから選択される。RはC〜Cアルキルであり、Rは、HN−、HOHN−、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルまたはフェニルである。
【0050】
化合物1の他のより具体的な態様では、化合物30の構造を有する分子を提供する。
【0051】
【化12】

このような分子は本質的に以下のような化合物1である、すなわち、RはHであり、RはHであり、RはHであり、RはHであり、RはCであり、UはHであり、WはOHであり、ZはHであり、YはOHであり、XはOであり、XはOである。さらに、Rは、H、HO−、CHO−、CH−、HOCHCH−、HOCHCHOCHCH−、NHCHCH−、RNHCHCH−、(RNCHCH−、NHCHCHNHCHCH−、RNHCHCHNHCHCH−、(RNCHCHNHCHCH−、RCO−または単環、二環もしくは三環式C〜C14アリールから選択されるメンバーである。RはC〜Cアルキルであり、Rは、HN−、HOHN−、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルまたはフェニルである。
【0052】
化合物1の他のより具体的な態様では、化合物29の構造を有する分子を提供する。
【0053】
【化13】

このような分子は本質的に以下のような化合物1である、すなわち、RはHであり、RはHであり、RはHであり、RはHであり、RはCであり、UはHであり、ZはHであり、WおよびYは−OC(CHO−であり、XはOであり、XはOである。さらに、Rは、H、HO−、CHO−、CH−、HOCHCH−、HOCHCHOCHCH−、NHCHCH−、RNHCHCH−、(RNCHCH−、NHCHCHNHCHCH−、RNHCHCHNHCHCH−、(RNCHCHNHCHCH−、RCO−または単環、二環もしくは三環式C〜C14アリールから選択されるメンバーである。RはC〜Cアルキルであり、Rは、HN−、HOHN−、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルまたはフェニルである。
【0054】
本発明の他の態様では、化合物2の構造を有する分子を提供する。
【0055】
【化14】

このような分子においては、R、R、RおよびRは、H、HO−、CHO−、CH−、HOCHCH−、HOCHCHOCHCH−、NHCHCH−、RNHCHCH−、(RNCHCH−、NHCHCHNHCHCH−、RNHCHCHNHCHCH−、(RNCHCHNHCHCH−、RCO−、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環から独立に選択されるメンバーである。RはC〜Cアルキルであり、Rは、HN−、HOHN−、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルまたはフェニルであり、RはC〜C12アルキルである。さらに、RおよびRは、H、HO−、CH−またはCHCH−から独立に選択されるメンバーを含み、XおよびXはOおよびSから独立に選択されるメンバーを含む。さらに、AはOおよびNR10から選択されるメンバーを含む。ただし、R10は、H、HO−、CH−またはCHCH−である。
【0056】
化合物2のより具体的な態様では、化合物32の構造を有する分子を提供する。
【0057】
【化15】

このような分子は本質的に以下のような化合物2である、すなわち、RはHであり、RはCHであり、RはHであり、RはHであり、RはHであり、XはOであり、XはOであり、AはOである。さらに、RはC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。
【0058】
化合物32の一般構造を有する多くの追加のヌクレオシドがさらに考えられる。例えば、一態様では、Rは、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシル(RはC〜C12アルキルである)から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であってよい。
【0059】
化合物32の他のより具体的な態様では、化合物33の構造を有する分子を提供する。
【0060】
【化16】

式中、Rはフェニルである。
【0061】
化合物2の他のより具体的な態様では、化合物39の構造を有する分子を提供する。
【0062】
【化17】

このような分子は本質的に以下のような化合物2である、すなわち、RはHであり、RはCHであり、RはHであり、RはHであり、RはHであり、XはOであり、XはOであり、AはNHである。さらに、RはC〜C14の単環、二環または三環式アリールであってよい。
【0063】
化合物39の一般構造を有する多くの追加のヌクレオシドがさらに考えられる。例えば、一態様では、Rは、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルから独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシル(RはC〜C12アルキルである)から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環から選択されるメンバーである。
【0064】
化合物2の他のより具体的な態様では、化合物40の構造を有する分子を提供する。
【0065】
【化18】

本発明の態様による様々なヌクレオシドを、多くのキナーゼに関連する医学的状態の治療に有用な組成物に配合することができる。したがって、対象に投与するために所与のヌクレオシドを薬剤用担体と混合することができる。当業界でよく知られているように、様々な賦形剤を製剤に用いることができる。
【実施例】
【0066】
本発明の具体的な実施形態のより明確な理解を進めるために、以下の実施例を提供するが、これらはそれを限定する意味ではまったくない。
【0067】
実施例1〜5:化合物4〜8の合成(図3)
(実施例1)
2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−5’−クロロ−3’,5’−ジデオキシ−3’−[(エトキシカルボニル)メチル]アデノシン(化合物4)の合成
塩化チオニル(CHCl中に2M、1.0mL、2.0ミリモル)を、CHCl(3.0mL)中の化合物3(200mg、0.443ミリモル;図3を参照されたい)とピリジン(100mg、1.27ミリモル)の攪拌溶液に0℃で加える。混合物を30分間攪拌し、次いで室温に加温し、終夜攪拌する。減圧下で揮発性物質を除去し、残留物を分配させる(EtOAc//NaHCO(水溶液))。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、揮発性物質を減圧下で除去する。クロマトグラフィー(5%MeOH/CHCl)により化合物4(62mg、30%)を得る。UV (MeOH) λ max 260 nm, λmin 230 nm; 1H NMR (CDCl3, 500MHz)δ8.35(s,1H),8.18(s,1H),5.97(s,1H),5.59(br s,2H),4.94(d,J=4.5 Hz,1H),4.37-4.34(m,1H),4.12(q,J=7.4 Hz,2H),4.01(dd,J=3.0, 12.5 Hz,1H),3.78(dd,J=4.3, 12.8 Hz,1H),2.85-2.82(m,1H),2.70(dd,J=9.0, 17.0 Hz,1H),2.42(dd,J=5.8, 16.8 Hz,1H),1.26(t,J=7.3 Hz,3H),0.90(s,9H), 0.15(s,3H),0.07(s,3H); 13C NMR (CDCl3, 50MHz)δ171.9, 155.8, 153.2, 138.2, 120.4, 91.3, 82.9, 77.5, 61.1, 45.2, 40.7, 30.1, 25.9, 18.1, 14.3, -4.4, -5.4; MS (FAB) m/z 492.1805 (MNa+ [C20H3235ClN5O4SiNa]=492.1810)。
【0068】
(実施例2)
2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’−デオキシ−3’−[(エトキシカルボニル)メチル]−5’−O−(p−トルエンスルホニル)アデノシン(化合物5)の合成
氷冷したCHCl(4.0mL、0℃で)を、化合物3(378mg、0.837ミリモル;ベンゼン、5×20mLの蒸発によって共沸的に脱水する;図3を参照されたい)、p−トルエンスルホニルクロリド(278mg、1.46ミリモル)およびDMAP(218mg、1.78ミリモル)を含む、冷却した(0℃)火力乾燥フラスコに加える。溶液を0℃で24時間攪拌し、次いで、クロマトグラフィーカラムに直接かけ、溶出させる(80%EtOAc/ヘキサン→EtOAc)。適切な画分を集め、揮発性物質を減圧下で除去して(≦20℃)化合物5(390mg、77%)を得る。化合物5は周囲温度で安定ではなく、溶液中であっても、また固体の非晶質ガラス状物としても静置すると分解する。したがって、単離した後、特性評価を直ちに実施する。この方法で得られる最高純度は約90%である。したがって、化合物が不安定性であるため、13C NMRによる明確な特性評価は複雑である。1H NMR (CDCl3, 500MHz)δ8.30(s,1H),7.95(s,1H),7.77--7.75(m,2H),7.29-7.28(m,2H),5.91(d,J=1.0 Hz,1H),5.56(br s,2H),4.85(d,J=4.0 Hz,1H),4.37(dd,J=2.0, 8.5 Hz,1H),4.27-4.20(m,2H),4.11(q,J=7.2 Hz,2H),2.82--2.76(m,1H),2.64(dd,J=8.8, 16.8 Hz,1H),2.42(s,3H),2.32(dd,J=5.5, 17.0 Hz,1H),1.19(t,J=7.2 Hz,3H),0.89(s,9H), 0.14(s,3H),0.03(s,3H); MS (FAB) m/z 606.2417 (MH+ [C27H40N5O7SSi]=606.2418)。
【0069】
(実施例3)
5’−アジド−2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’,5’−ジデオキシ−3’−[(エトキシカルボニル)メチル]アデノシン(化合物6)の合成
氷冷したCHCl(0℃で16mL)を、化合物3(360mg、0.797ミリモル;ベンゼン、5×20mLの蒸発によって共沸的に脱水する;図3を参照されたい)、p−トルエンスルホニルクロリド(208mg、1.10ミリモル)およびDMAP(208mg、1.70ミリモル)を含む冷却した(0℃)火力乾燥フラスコに加える。溶液を0℃で24時間攪拌し、次いで揮発性物質を減圧下で除去する(≦20℃)。テトラメチルグアニジニウムアジド(TMGA、880mg、5.56ミリモル)およびDMF(4mL)を直ちに加え、溶液を65℃で7時間加熱する。混合物を周囲温度に冷却し、次いで無水EtO(100mL)を徐々に加えながら強力に攪拌する。沈殿したTMGAをセライト(celite)によるろ過で除去する。白色固形物を摩砕し、ろ過ケーキを無水EtOで洗浄して生成物への転換を完全なものにする。揮発性物質を減圧下で除去し(40℃)、残留物をクロマトグラフにかけて(90%EtOAc/ヘキサン→EtOAc)、化合物6(315mg、83%)を得る。UV (MeOH) λmax 262 nm, λmin 233 nm; 1H NMR (CDCl3, 500MHz)δ8.36(s,1H),8.16(s,1H),5.98(s,1H),5.54(br s,2H),4.86(d,J=5.0 Hz,1H),4.22-4.20(m,1H),4.14(q,J=7.0 Hz,2H),3.78(dd,J=3.3, 13.8 Hz,1H),3.61(dd,J=4.8, 13.8 Hz,1H),2.85-2.77(m,1H),2.69(dd,J=8.3, 16.8 Hz,1H),2.37(dd,J=5.8, 16.8 Hz,1H),1.26(t,J=7.3 Hz,3H),0.91(s,9H), 0.17(s,3H),0.07(s,3H); 13C NMR (CDCl3, 125MHz)δ171.6, 155.4, 153.0, 149.4, 138.7, 120.2, 91.1, 82.2, 77.3, 60.9, 52.2, 40.0, 29.9, 25.7, 17.9, 14.1, -4.5, -5.5; MS (FAB) m/z 499.2214 (MNa+ [C20H32N8O4SiNa]=499.2214)。
【0070】
(実施例4)
5’−アジド−2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’,5’−ジデオキシ−3’−[(エトキシカルボニル)メチル]−N−(N−R−置換カルバモイル)アデノシン(化合物7)の合成
化合物7の構造に代表されるいくつかの構造的に関連する誘導体を調製するために、化合物6から化合物9(図4)を調製するための基本手順を用いることができる。簡単に述べると、RNCO(1.60ミリモル)をCHCl(16mL)中の化合物6(1.33ミリモル)の攪拌溶液に加える。薄層クロマトグラフィー(TLC)によって化合物6が所望生成物に完全に転換していることが示されるまで、混合液を周囲温度で攪拌する。混合液をクロマトグラフィーカラムに直接加え、適切な溶媒で溶出させて化合物7を得る。
【0071】
(実施例5)
2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’,5’−ジデオキシ−3’−[(エトキシカルボニル)メチル]−5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−R−置換カルバモイル)アデノシン(化合物8)の合成
化合物8の構造に代表されるいくつかの構造的に関連する誘導体を調製するために、化合物9から化合物10(どちらも図4から)を調製するための基本手順を用いることができる。簡単に述べると、EtOAc(2mL)中の化合物7(0.168ミリモル)および10%Pd−C(50mg)の溶液を、H雰囲気下(バルーン圧による)で15時間強力に攪拌する。p−ニトロフェニルN−メチルカルバメート(45mg、0.23ミリモル)および無水NaCO(45mg、0.42ミリモル)を加え、得られた混合物をN下で4時間攪拌する。固体をろ過(セライト/EtOAc)により分離し、揮発性物質を減圧下で蒸発させる。粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物8を得る。
【0072】
実施例6〜10:化合物9〜13の合成(図4)
(実施例6)
5’−アジド−2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’,5’−ジデオキシ−3’−[(エトキシカルボニル)メチル]−N−(N−フェニルカルバモイル)アデノシン(化合物9)の合成
フェニルイソシアネート(190mg、1.60ミリモル)をCHCl(16mL)中の化合物6(633mg、1.33ミリモル)の攪拌溶液に加える。化合物6が化合物9に完全に転換していることがTLCにより示されるまで(5日間)、混合液を周囲温度で攪拌する。混合液をクロマトグラフィーカラムに直接加え、溶出(10→40%EtOAc/ヘキサン)させて化合物9(755mg、95%)を得る。UV (MeOH) λmax 279 nm, λmin 243 nm; 1H NMR (CDCl3, 500MHz)δ11.74(s,1H),8.62(s,1H),8.39(s,1H),8.11(s,1H),7.65(d,J=8.5 Hz,2H),7.39-7.36(m,2H),7.14-7.12(m,1H),6.04(s,1H),4.86(d,J=5.0 Hz,1H),4.24-4.22(m,1H),4.14(q,J=7.2 Hz,2H),3.81(dd,J=2.8, 13.3 Hz,1H),3.63(dd,J=4.3, 13.3 Hz,1H),2.81-2.79(m,1H),2.69(dd,J=8.5, 17.0 Hz,1H),2.39(dd,J=5.3, 17.3 Hz,1H),1.26(t,J=7.3 Hz,3H),0.93(s,9H), 0.19(s,3H),0.07(s,3H); 13C NMR (CDCl3, 125MHz)δ171.5, 151.4, 150.8, 150.0, 149.9, 141.5, 138.1, 129.0, 123.8, 120.2, 91.3, 82.5, 77.5, 60.9, 52.2, 40.1, 29.7, 25.7, 18.0, 14.1, -4.5, -5.5; MS (FAB) m/z 596.2772 (MH+ [C27H38N9O5Si]=596.2765)。
【0073】
(実施例7)
2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’,5’−ジデオキシ−3’−[(エトキシカルボニル)メチル]−5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−フェニルカルバモイル)アデノシン(化合物10)の合成
EtOAc(2mL)中の化合物9(100mg、0.168ミリモル)および10%Pd−C(50mg)の溶液を、H雰囲気下(バルーン圧による)で15時間強力に攪拌する。p−ニトロフェニルN−メチルカルバメート(45mg、0.23ミリモル)および無水NaCO(45mg、0.42ミリモル)を加え、得られた混合物をN雰囲気下で4時間攪拌する。固体をろ過(セライト/EtOAc)により分離し、揮発性物質を減圧下で蒸発させる。粗製残留物をクロマトグラフ(5→10%MeOH/CHCl)にかけて化合物10(101mg、96%)を得る。UV (MeOH) λmax 279 nm (ε 22,700), λmin 242 nm; 1H NMR (CDCl3, 500MHz)δ12.31(s,1H),10.13(br s,1H),8.86(s,1H),8.64(s,1H),7.57(d,J=7.5 Hz,2H),7.42--7.39(m,2H),7.21--7.18(m,1H),5.94(s,1H),5.78(t,J=6.3 Hz,1H),5.06-5.03(m,2H),4.20(d,J=10.5 Hz,1H),4.11--4.07(m,2H),3.85-3.83(m,1H),3.49(d,J=13.0 Hz,1H),2.79(dd,J=4.5, 17.0 Hz,1H),2.62(d,J=5.0 Hz,3H),2.62-2.50(m,1H),2.49-2.48(m,1H),1.24(t,J=7.0 Hz,3H),0.94(s,9H), 0.27(s,3H),0.11(s,3H); 13C NMR (CDCl3, 125MHz)δ172.0, 159.4, 153.3, 149.9, 149.8, 142.8, 137.3, 129.1, 124.6, 121.2, 92.0, 84.7, 77.2, 60.3, 39.7, 38.5, 28.8, 26.7, 25.7, 17.9, 14.0, -4.3, -5.8; MS (FAB) m/z 649.2899 (MNa+ [C29H42N8O6SiNa]=649.2894)。
【0074】
(実施例8)
5’−アジド−2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’−(カルボキシメチル)−3’,5’−ジデオキシアデノシン(化合物11)の合成
NaOH(200μL、5.0M、1.0ミリモル)およびMeOH(400μL)を、THF(2mL)中の化合物6(150mg、0.315ミリモル)の攪拌溶液に加える。出発原料がベース生成物に転換されるまで(6時間、TLC)、混合液を周囲温度で攪拌する。揮発性物質を減圧下で除去し(≦20℃)、粗製物質を分配させる(CHCl/HO)。氷を加え、1%HCl(水溶液)を滴下してpHを約3に注意深く調節する。有機層がUVで透明になるまで(TLC)、水層を洗浄する(CHCl、5×)。一緒にした有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させて(≦20℃)、化合物11(120mg、85%)を得る。UV (MeOH) λmax 260 nm, λmin 233 nm; 1H NMR (CDCl3, 500MHz)δ8.32(s,1H),8.25(s,1H),7.27(br s,2H),6.02(s,1H),4.76(d,J=4.0 Hz,1H),4.25(dd,J=6.5, 10.5 Hz,1H),3.86(d,J=13.0 Hz,1H),3.63(dd,J=3.5, 13.5 Hz,1H),2.83-2.80(m,1H),2.71(dd,J=8.5, 17.0 Hz,1H),2.42(dd,J=4.8, 17.3 Hz,1H),0.93(s,9H), 0.21(s,3H),0.10(s,3H); 13C NMR (CDCl3, 125MHz)δ176.1, 155.4, 151.8, 148.9, 138.8, 118.9, 91.1, 82.5, 77.9, 51.9, 39.8, 30.2, 29.7, 25.7, 18.0, -4.5, -5.5; MS (FAB) m/z 471.1902 (MNa+ [C18H28N8O4SiNa]=471.1901)。
【0075】
(実施例9)
5’−アジド−2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’,5’−ジデオキシ−3’−[(N−メトキシ−N−メチルカルボキシアミド)メチル]アデノシン(化合物12)の合成
カルボニルジイミダゾール(500μLのCHCl中0.36M溶液、29mg、0.18モル)を0℃で、CHCl(1.0mL)中の化合物11(50mg、0.112ミリモル)の攪拌溶液に加える。氷浴を取り外し、反応物を1時間で周囲温度に加温する。N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(18mg、0.19ミリモル)およびEtN(82mg、0.82ミリモル)を加え、反応をTLCで追跡する(24時間)。クロマトグラフィー(5%MeOH/EtOAc)により化合物12(46mg、84%)を得る。UV (MeOH) λmax 260 nm, λmin 230 nm; 1H NMR (CDCl3, 500MHz)δ8.35(s,1H),8.16(s,1H),5.99(d,J=2.0 Hz,1H),5.67(br s,2H),4.87-4.86(m,1H),4.25--4.22(m,1H),3.77(dd,J=2.8, 13.3 Hz,1H),3.70(s,3H),3.65(dd,J=4.5, 13.5 Hz,1H),3.16(s,3H),2.85-2.83(m,2H),2.60-2.52(m,1H),0.90(s,9H), 0.11(s,3H),0.02(s,3H); 13C NMR (CDCl3, 125MHz)δ172.6, 155.7, 153.2, 149.8, 138.8, 120.3, 91.0, 82.9, 77.8, 61.5, 53.0, 39.9, 32.5, 28.4, 26.0, 18.2, -4.40, -5.10; MS (FAB) m/z 514.2327 (MNa+ [C20H33N9O4SiNa]=514.2323)。
【0076】
(実施例10)
2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−3’,5’−ジデオキシ−3’−[(N−メトキシ−N−メチルカルボキシアミド)メチル]−5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−フェニルカルバモイル)アデノシン(化合物13)の合成
EtOAc(1mL)中の化合物12(50mg、0.082ミリモル)および10%Pd−C(50mg)の溶液を、H雰囲気下(バルーン圧による)で18時間強力に攪拌する。p−ニトロフェニルN−メチル−カルバメート(25mg、0.13ミリモル)および無水NaCO(50mg、0.47ミリモル)を加え、得られた混合物をN雰囲気下で4時間攪拌する。固体をろ過(セライト/EtOAc)により分離し、揮発性物質を減圧下で蒸発させ、残留物をクロマトグラフにかけて(10%MeOH/EtOAc)、化合物13(33mg、63%)を得る。UV (MeOH) λmax 279 nm (ε 22,200), λmin 245 nm; 1H NMR (CDCl3, 500MHz)δ12.32(s,1H),10.14(br s,1H),8.90(s,1H),8.61(s,1H),7.58(d,J=7.5 Hz,2H),7.40(t,J=7.5 Hz,2H),7.19-7.16(m,1H),5.96(s,1H),5.85(br s,1H),5.07(d,J=4.0 Hz,1H),5.02(d,J=3.5 Hz,1H),4.25(d,J=10.5 Hz,1H),3.78-3.75(m,1H),3.73(s,3H),3.58(d,J=11.5 Hz,1H),3.13(s,3H),2.78(d,J=5.0 Hz,2H),2.61(d,J=4.5 Hz,3H),2.50-2.46(m,1H),0.94(s,9H), 0.28(s,3H),0.10(s,3H); 13C NMR (CDCl3, 125MHz)δ172.7, 159.3, 153.2, 150.04, 150.01, 149.9, 142.8, 137.5, 129.1, 124.5, 121.2, 92.1, 84.8, 77.6, 61.1, 40.3, 38.4, 32.1, 29.7, 26.8, 25.8, 18.0, -4.4, -5.5; MS (ES) m/z 642.3182 (MH+ [C29H44N9O6Si]=642.3184)。
【0077】
実施例11〜17:化合物14〜20の合成(図5)
(実施例11)
5’−アジド−5’−デオキシ−2’,3’−ビス−O−イソプロピリデンアデノシン(化合物14)の合成
TLCによって出発原料のすべてが化合物14に転換していることが示されるまで、無水アセトン(1.0L)中の5’−アジド−5’−デオキシアデノシン(1.0g、3.42ミリモル)およびHClO(1.0mL、濃厚)の溶液を室温で強力に攪拌する。固体KCO(無水)を加えてその酸を中和する。ろ過により固体を除去し、揮発性物質を減圧下で除去して化合物14を得る。
【0078】
(実施例12)
5’−アジド−5’−デオキシ−2’,3’−ビス−O−イソプロピリデン−N−(N−R−置換カルバモイル)アデノシン(化合物15)の合成
NCO(1.2当量)をCHCl中の化合物14の攪拌溶液に加える。TLCによって化合物14が所望生成物に完全に転換していることが示されるまで、混合液を周囲温度で攪拌する。混合液をクロマトグラフィーカラムに直接加え、適切な溶媒で溶出させて化合物15を得る。
【0079】
(実施例13)
5’−デオキシ−2’,3’−ビス−O−イソプロピリデン−5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−R−置換カルバモイル)アデノシン(化合物16)の合成
EtOAc(2mL)中の化合物15(0.168ミリモル)および10%Pd−C(50mg)の溶液を、H雰囲気下(バルーン圧による)で15時間強力に攪拌する。p−ニトロフェニルN−メチルカルバメート(45mg、0.23ミリモル)および無水NaCO(45mg、0.42ミリモル)を加え、得られた混合物をN雰囲気下で4時間攪拌する。固体をろ過(セライト/EtOAc)により分離し、揮発性物質を減圧下で蒸発させる。粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物16を得る。
【0080】
(実施例14)
5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−R−置換カルバモイル)アデノシン(17)の合成
方法A:TLCによって化合物16が化合物17に完全に転換していることが示されるまで、化合物16と酸水溶液の溶液を強力に攪拌する。溶媒を蒸発させ、粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物17を得る。
【0081】
方法B:TLCによって化合物20が化合物17に完全に転換していることが示されるまで、THF中の化合物20およびテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF、2.2当量)の溶液を攪拌する。溶媒を蒸発させ、粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物17を得る。
【0082】
(実施例15)
5’−アジド−5’−デオキシ−2’,3’−ビス−O−(tert−ブチルジメチルシリル)アデノシン(化合物18)の合成
5’−アジド−5’−デオキシアデノシンの溶液を、無水ピリジン中のtert−ブチルジメチルシリルクロリド(2.5当量)およびイミダゾール(5.0当量)の溶液で処理する。混合物を、湿気から保護しながら、TLCによって出発原料が化合物18に完全に転換していることが示されるまで攪拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、粗製残留物をクロマトグラフィーで精製して化合物18を得る。
【0083】
(実施例16)
5’−アジド−2’,3’−ビス−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−5’−デオキシ−N−(N−R−置換カルバモイル)−アデノシン(化合物19)の合成
NCO(1.2当量)をCHCl中の化合物18の攪拌溶液に加える。TLCによって化合物18が所望生成物に完全に転換していることが示されるまで、混合液を周囲温度で攪拌する。混合液をクロマトグラフィーカラムに直接加え、適切な溶媒で溶出させて化合物19を得る。
【0084】
(実施例17)
2’,3’−ビス−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−5’−デオキシ−5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−R−置換カルバモイル)アデノシン(化合物20)の合成
EtOAc(2mL)中の化合物19(0.168ミリモル)および10%Pd−C(50mg)の溶液を、H雰囲気下(バルーン圧による)で15時間強力に攪拌する。p−ニトロフェニルN−メチルカルバメート(45mg、0.23ミリモル)および無水NaCO(45mg、0.42ミリモル)を加え、得られた混合物をN雰囲気下で4時間攪拌する。固体をろ過(セライト/EtOAc)により分離し、揮発性物質を減圧下で蒸発させる。粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物20を得る。
【0085】
実施例18〜22:化合物21〜25の合成(図6)
(実施例18)
5’−アジド−5’−デオキシ−2’,3’−ビス−O−イソプロピリデン−N−(N−フェニル置換カルバモイル)アデノシン(化合物21)の合成
PhNCO(1.2当量)をCHCl中の化合物14の攪拌溶液に加える。TLCによって化合物14が化合物21に完全に転換していることが示されるまで、混合液を周囲温度で攪拌する。混合液をクロマトグラフィーカラムに直接加え、適切な溶媒で溶出させて化合物21を得る。
【0086】
(実施例19)
5’−デオキシ−2’,3’−ビス−O−イソプロピリデン−5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−フェニルカルバモイル)アデノシン(化合物22)の合成
EtOAc(2mL)中の化合物21(0.168ミリモル)および10%Pd−C(50mg)の溶液を、H雰囲気下(バルーン圧による)で15時間強力に攪拌する。p−ニトロフェニルN−メチルカルバメート(45mg、0.23ミリモル)および無水NaCO(45mg、0.42ミリモル)を加え、得られた混合物をN雰囲気下で4時間攪拌する。固体をろ過(セライト/EtOAc)により分離し、揮発性物質を減圧下で蒸発させる。粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物22を得る。
【0087】
(実施例20)
5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−フェニルカルバモイル)アデノシン(化合物23)の合成
方法A:TLCによって化合物22が化合物23に完全に転換していることが示されるまで、化合物22と酸水溶液の溶液を適切な溶媒中で強力に攪拌する。溶媒を蒸発させ、粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物23を得る。
【0088】
方法B:TLCによって化合物25が化合物23に完全に転換していることが示されるまで、THF中の化合物25およびテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF、2.2当量)の溶液を攪拌する。溶媒を蒸発させ、粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物23を得る。
【0089】
(実施例21)
5’−アジド−2’,3’−ビス−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−5’−デオキシ−N−(N−フェニルカルバモイル)アデノシン(化合物24)の合成
PhNCO(1.2当量)をCHCl中の化合物18の攪拌溶液に加える。TLCによって化合物18が化合物24に完全に転換していることが示されるまで、混合液を周囲温度で攪拌する。混合液をクロマトグラフィーカラムに直接加え、適切な溶媒で溶出させて化合物24を得る。
【0090】
(実施例22)
2’,3’−ビス−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−5’−デオキシ−5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−フェニルカルバモイル)アデノシン(化合物25)の合成
EtOAc(2mL)中の化合物24(0.168ミリモル)および10%Pd−C(50mg)の溶液を、H雰囲気下(バルーン圧による)で15時間強力に攪拌する。p−ニトロフェニルN−メチルカルバメート(45mg、0.23ミリモル)および無水NaCO(45mg、0.42ミリモル)を加え、得られた混合物をN雰囲気下で4時間攪拌する。固体をろ過(セライト/EtOAc)により分離し、揮発性物質を減圧下で蒸発させる。粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物25を得る。
【0091】
(実施例23)
化合物27の合成(図7)
表1に、本明細書で説明する方法によって合成できる化合物27を示す。表2a〜dに、表1に挙げた化合物26から化合物27への化学反応のリストを示す。
【0092】
【表1】

【0093】
【表2−1】

【0094】
【表2−2】

【0095】
【表2−3】

【0096】
【表2−4】

(実施例24)
化合物29の合成(図8)
表3に、本明細書で説明する方法によって合成できる化合物29を示す。表4a〜dに、表3に挙げた化合物28から化合物29への化学反応のリストを示す。
【0097】
【表3】

【0098】
【表4−1】

【0099】
【表4−2】

【0100】
【表4−3】

【0101】
【表4−4】

(実施例25)
5’−デオキシ−5’−[(N−R−置換カルバモイル)アミノ]−N−(N−フェニルカルバモイル)アデノシン(化合物30;図9)の合成
方法A:TLCによって化合物29が化合物30に完全に転換していることが示されるまで、化合物29と酸水溶液の溶液を強力に攪拌する。溶媒を蒸発させ、粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物30を得る。
【0102】
方法B:TLCによって出発原料が化合物30に完全に転換していることが示されるまで、THF中の化合物31およびテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF、2.2当量)の溶液を攪拌する。溶媒を蒸発させ、粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物30を得る。
【0103】
実施例26〜27:化合物31〜32の合成(図10)
(実施例26)
3’−(カルボキシメチル)−3’,5’−ジデオキシ−5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−R−置換カルバモイル)アデノシン−2’,3’−ラクトン(化合物32)の合成
PhCHN(Et)Cl(1.7当量)、KF(3.0当量)およびHOをCHCN中の化合物8の攪拌溶液に加える。TLCによって化合物8が消費されていることが示されるまで、混合物を周囲温度で強力に攪拌する。シリカゲルを加え、揮発性物質を減圧下で蒸発させる(≦20℃)。乾燥シリカゲルを、5%MeOH/CHClを充填したカラムの頂部に注加し、溶出させる(5→10%MeOH/CHCl)。集めた画分を蒸発させて化合物32を得る。
【0104】
(実施例27)
3’−(カルボキシメチル)−3’,5’−ジデオキシ−5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−フェニルカルバモイル)アデノシン−2’,3’−ラクトン(化合物33)の合成
PhCHN(Et)Cl(50mg、0.22ミリモル)、KF(22mg、0.38ミリモル)およびHO(80μL)をCHCN(3.0mL)中の化合物10(82mg、0.131ミリモル)の攪拌溶液に加える。TLCによって化合物10が消費されていることが示されるまで(60時間)、混合物を周囲温度で強力に攪拌する。シリカゲルを加え、揮発性物質を減圧下で蒸発させる(≦20℃)。乾燥シリカゲルを、5%MeOH/CHClを充填したカラムの頂部に注加し、溶出させる(5→10%MeOH/CHCl)。集めた画分を蒸発させて化合物33(56mg、92%)を得る。UV (MeOH) λmax 279 nm (ε 23,200), λmin 240 nm; 1H NMR (DMSO-d6, 500MHz)δ11.74(s,1H),10.18(br s,1H),8.71(s,1H),8.66(s,1H),7.63(d,J=8.0 Hz,2H),7.38--7.35(m,2H),7.09(t,J=7.5 Hz,1H),6.37(d,J=2.0 Hz,1H),6.05(t,J=6.0 Hz,1H),5.77(dd,J=4.5, 8.5 Hz,1H),5.57(dd,J=1.8, 7.3 Hz,1H),4.03-3.99(m,1H),3.41-3.36(m,2H),2.98(dd,J=8.5, 18.0 Hz,1H),2.55(d,J=5.0 Hz, 3H); 13C NMR (DMSO-d6, 125MHz)δ176.3, 159.3, 151.8, 151.6, 150.8, 143.3, 139.2, 129.7, 123.9, 121.4, 120.1, 88.8, 87.5, 85.7, 42.4, 41.5, 40.7, 32.5, 27.1; MS (ES) m/z 467.1795 (MH+ [C21H23N8O5]=467.1791)。
【0105】
実施例28〜33:化合物35〜40の合成(図11)
(実施例28)
5’−O−tert−ブチルジメチルシリル−2’−[(カルボニルベンジルオキシ)アミノ]−2’−デオキシ−3’−ケトアデノシン(化合物35)の合成
TLCによって化合物34が完全に消費されていることが示されるまで、無水ピリジン中の化合物34およびtert−ブチルジメチルシリルクロリド(1.1当量)の溶液を周囲温度で攪拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製する。得られた物質を無水ピリジンに溶解させ、ピリジン中のCrO/AcO(2.0当量)で、周囲温度で2時間処理する。混合液を冷EtOAc(50〜75mL/ミリモルの化合物34)に注加し、クロム塩をセライトでろ過し、揮発性物質を減圧下で除去する。粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物35を得る。
【0106】
(実施例29)
5’−O−tert−ブチルジメチルシリル−3’−カルボキシメチル−2’,3’−ジデオキシアデノシン−2’,3’−ラクタム(化合物36)の合成
CHCl中の化合物35およびエチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(1.2当量)の溶液を終夜還流させる。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をクロマトグラフにかける。得られた生成物をエタノールに溶解し、10%Pd−C(1.5当量;重量/重量)を加える。TLCによって完全転換されていることが示されるまで、混合物をH雰囲気下(60psi)で振とうさせる。混合物をろ過し(セライト)、溶媒を減圧下で除去する。粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物36を得る。
【0107】
(実施例30)
5’−O−tert−ブチルジメチルシリル−3’−カルボキシメチル−2’,3’−ジデオキシ−N−(N−R−置換カルバモイル)アデノシン−2’,3’−ラクタム(化合物37)の合成
NCO(1.2当量)をCHCl中の化合物36の攪拌溶液に加える。TLCによって化合物36が化合物37に完全に転換していることが示されるまで、混合液を周囲温度で攪拌する。混合液をクロマトグラフィーカラムに直接加え、溶出させて化合物37を得る。
【0108】
(実施例31)
5’−アジド−3’−カルボキシメチル−2’,3’,5’−トリデオキシ−N−(N−R−置換カルバモイル)アデノシン−2’,3’−ラクタム(化合物38)の合成
TLCによってtert−ブチルジメチルシリル保護基の完全な開裂が示されるまで、化合物37およびテトラブチルアンモニウムフルオリド(1.2当量)の溶液を周囲温度で攪拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、粗製残留物をクロマトグラフにかける。得られた生成物を、氷冷したCHCl中で、p−トルエンスルホニルクロリド(1.4当量)およびDMAP(2.1当量)で処理する。溶液を0℃で24時間攪拌し、次いでクロマトグラフィーカラムに直接かけ、溶出させる。適切な画分を集め、揮発性物質を減圧下で除去する。得られた生成物をDMF中のテトラメチルグアニジニウムアジド(TMGA、7〜10当量)で処理し、溶液を65℃で7時間加熱する。混合物を周囲温度に冷却し、無水EtOを徐々に加えながら強力に攪拌する。沈殿したテトラメチルグアニジニウムアジドをセライトによるろ過で除去する。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物をクロマトグラフにかけて化合物38を得る。
【0109】
(実施例32)
3’−カルボキシメチル−2’,3’,5’−トリデオキシ−5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−R−置換カルバモイル)アデノシン−2’,3’−ラクタム(化合物39)の合成
EtOAc中の化合物38および10%Pd−C(306mg/ミリモル化合物38)の溶液を、H雰囲気下(バルーン圧による)で15時間強力に攪拌する。p−ニトロフェニルN−メチルカルバメート(1.4当量)および無水NaCO(2.5当量)を加え、得られた混合物をN下で4時間攪拌する。固体をろ過(セライト/EtOAc)により分離し、揮発性物質を減圧下で蒸発させる。粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物39を得る。
【0110】
(実施例33)
3’−カルボキシメチル−2’,3’,5’−トリデオキシ−5’−[(N−メチルカルバモイル)アミノ]−N−(N−フェニルカルバモイル)アデノシン−2’,3’−ラクタム(化合物40)の合成
EtOAc中の化合物38(R=Ph)および10%Pd−C(306mg/ミリモル化合物38)の溶液を、H雰囲気下(バルーン圧による)で15時間強力に攪拌する。p−ニトロフェニルN−メチルカルバメート(1.4当量)および無水NaCO(2.5当量)を加え、得られた混合物をN下で4時間攪拌する。固体をろ過(セライト/EtOAc)により分離し、揮発性物質を減圧下で蒸発させる。粗製残留物をクロマトグラフにかけて化合物40を得る。
【0111】
(実施例34)
化合物10の存在下でのタンパク質キナーゼ標的における活性変化のアッセイ
キナーゼプロファイリングアッセイで用いる様々なタンパク質キナーゼ標的を、SignalChem(Richmond、BC、Canada)の社内でその独自方法(proprietary method)を用いてクローン化し、発現し、精製した。許容基準への順守を確実にするために、SignalChemの標的のそれぞれについて日常業務通り品質管理試験を実施した。標的プロファイリングプロセスで用いたタンパク性基質は内部で合成した。33P−ATPはPerkinElmerから購入した。他のすべての材料は標準グレードのものであった。化合物10(図4)は粉末状でSignalChemに供給した。これをDMSOに戻してストック溶液を作製した。次いでこれを10%DMSOで希釈して作業用ストック溶液(100μM)を得た。これを様々なタンパク質キナーゼ標的に対してプロファイリングした。様々なタンパク質キナーゼ標的のためのアッセイ条件は、許容酵素活性が得られるように最適化した。さらに、高シグナル対ノイズ比が得られるようにアッセイを最適化した。
【0112】
タンパク質キナーゼアッセイ
SignalChemは、タンパク質キナーゼ標的のプロファイリング評価のために、放射性同位体アッセイ方式を使用する。タンパク質キナーゼアッセイは、以下のアッセイ反応処方、すなわち、
成分1:5μlの希釈活性タンパク質キナーゼ標的(アッセイでは約10〜40nMの最終タンパク質濃度)
成分2:基質の5μlのストック溶液(1〜5μgのペプチドまたはタンパク質基質)
成分3:5μlのキナーゼアッセイ緩衝液またはキナーゼアッセイ緩衝液中のタンパク質キナーゼ活性化因子
成分4:5μlの化合物10(100μMストック溶液)または10%DMSO
成分5:5μlの33P−ATP(25μMストック溶液、0.8μCi)
にしたがって、25μlの最終容積で、周囲温度で20〜40分間(標的に応じて)3通りで実施した。
【0113】
33P−ATPを加えてアッセイを開始し、反応混合物を、周囲温度でタンパク質キナーゼ標的に応じて20〜40分間インキュベートした。インキュベーション期間が終わったら、10μlの反応混合物をMillipore Multiscreenプレートにスポットしてアッセイを終了した。Millipore Multiscreenプレートを、1%リン酸溶液中で3回、それぞれ約15分間洗浄した。P81プレート上の放射能を、シンチレーション流体の存在下、Triluxシンチレーションカウンターでカウントした。適切な基質を加えた(等容積のアッセイ希釈緩衝液で置き換える)ことを除いてアッセイ成分のすべてを含んだブランク対照を、各タンパク質キナーゼ標的について設定した。ブランク対照値を取り去ることによって、各タンパク質キナーゼ標的についての修正活性を判定した。化合物10(図4)の存在下での52のキナーゼ標的の活性を表5に示す。いくつかの標的キナーゼの活性は著しく高まっているが、2つは著しく阻害されている。これらの結果は、いくつかのタンパク質キナーゼについての化合物10の結合親和性を示している。
【0114】
【表5】

(実施例35)
化合物10の存在下でのATP結合部位リガンドのタンパク質キナーゼとの結合の阻害
タンパク質キナーゼのATP結合部位についての化合物10(図4)の新規な結合親和性は、Ambit Biosciences,Inc.(San Diego、CA、USA)によって実施されたキナーゼ相互作用アッセイからの結果により示すことができる。このアッセイは、リガンド−親和性/タンパク質キナーゼファージディスプレーにもとづいており、これを、基本的にはFabianら、[Nature Biotech.2005年、第23巻、329頁](これを参照により本明細書に組み込む)に記載されているようにして用いた。このアッセイにおいて、タンパク質キナーゼを、ファージカプシドでキナーゼ融合タンパク質を発現するT7バクテリオファージ中にクローン化する。次いでT7キナーゼ−タグ化したファージを、固体支持体上に固定化されたATP結合部位リガンドとの結合についてスクリーニングする。試験化合物の存在下とその非存在下(対照)の両方で、アンカリングされたリガンドとの結合についてファージをスクリーニングする。遊離リガンド(固体支持体上に固定化されていないATP結合部位リガンド)による結合ファージの溶出に続く、ファージ力価の判定によって、試験化合物が標的キナーゼの樹脂に結合したATP結合部位リガンドへの結合を遮断する能力の信頼性のある測定値が得られる。この方法は、疾患に関連するタンパク質キナーゼの広範にわたる小分子相互作用のATP結合部位への迅速なマッピングを可能にするものであり、かつ、多くのタンパク質キナーゼにおけるATP結合部位に対して強い親和性を有するリガンドの特定のための信頼できる手段であることが実証されている(Fabianら、Nature Biotech.2005年、第23号、329頁を参照されたい)。
【0115】
化合物10(図4)をDMSOに溶解して1,000×ストック溶液を作製した。これをアッセイ緩衝水溶液系中で10μMに希釈した。T7キナーゼ−タグ化ファージ菌株を、大腸菌(E.Coli)菌株BL21から得られた独自のバクテリア宿主中で、マイクロタイタープレートで同時に増殖させた。大腸菌を対数期へと増殖させ、T7キナーゼ−タグ化ファージで感染させ、これを32℃で振とうしながらバクテリアが溶解するまでインキュベートした(約90分間)。溶解物を遠心分離にかけ(6,000g)、ろ過した(0.2μm)。初めにビオチン接合させ、続いてストレプトアビジンコーティングされた電磁ビーズでそのビオチン/小分子複合体を処理するという2段階のプロセスを経て、小分子ATP結合部位特異的リガンドを固体支持体にアンカリングした。過剰のビオチンで処理し、続いてブロッキング緩衝液(SeaBlock(Pierce)、1%BSA、0.05%Tween20、1mM DTT)で洗浄して非特異的ファージ結合を最小にすることによって、誘導体されたビーズを遮断した。ブロッキング緩衝液で前処理したポリスチレンマイクロタイタープレートにおいて1×アッセイ緩衝液中にATP結合部位−リガンド誘導化親和性ビーズ、ファージ溶解物および化合物10(図4)を一緒にすることによって、結合反応を組み立てた。アッセイプレートを振とうさせながら25℃で1時間インキュベートした。次いでビーズを、洗浄緩衝液(4回;1×PBS、0.05%Tween20、1mM DTT)で洗浄して非結合ファージを除去した。次いでビーズを溶出緩衝液(1×PBS、0.05%Tween20、2μM非ビオチン化親和性リガンド)中で懸濁し、振とうさせながら25℃で30分間インキュベートした。定量的PCR法またはプラークアッセイ法により溶出液のファージ力価を測定した。結果を、ファージの樹脂に結合したATP結合部位リガンドとの結合の阻害率%で示した。化合物10(図4)は、353のタンパク質キナーゼのうち11の結合を≧30%阻害した(表6)。このアッセイで評価したキナーゼを表7に示す。ALK6は47%阻害された(ALK6は乳癌の腫瘍形成において重要な役割を果たすことが最近分かってきた。Breast cancer Res Treat 2007年、第103号、239〜246頁を参照されたい)。他の32のキナーゼは20〜29%阻害された:TXK、RPS6KA2、MEK6、MAP4K5、EPHA5、CLK4、CIT、CD2L2、ABL1(F317)、SNF1LK、MLK1、ERK2、CLK3、MST1、MINK、KIT(D816V)、EGFR(L747−T751del,Sins)、CSF1R、CDK3、BMPR2、PIK3CG、HCK、RPS6KA6(kin.Dom.2)、PHKG2、MET、AURKB、PDGFRB、DAPK1、CAMKK2、TYK2(Kin.Dom.1)、p38−beta、CDK5。
【0116】
【表6】

表7:化合物10の存在下で試験したタンパク質キナーゼのリスト
AAK1, ABL1, ABL1(E255K), ABL1(F317I), ABL1(F317L), ABL1(H396P), ABL1(M351T), ABL1 (Q252H), ABL1(T315I), ABL1(Y253F), ABL2, ACVR1, ACVR1B, ACVR2A, ACVR2B, ACVRL1, ADCK3, ADCK4, AKT1, AKT2, AKT3, ALK, AMPK-α1, AMPK-α2, ANKK1, ARK5, AURKA, AURKB, AURKC, AXL, BIKE, BLK, BMPR1A, BMPR1B, BMPR2, BMX, BRAF, BRAF(V600E), BRSK1, BRSK2, BTK, CAMK1, CAMK1D, CAMK1G, CAMK2A, CAMK2B, CAMK2D, CAMK2G,
CAMK4, CAMKK1, CAMKK2, CDC2L1, CDC2L2, CDK11, CDK2, CDK3, CDK5, CDK7, CDK8, CDK9, CDKL2, CHEK1, CHEK2, CIT, CLK1, CLK2, CLK3, CLK4, CSF1R, CSK, CSNK1A1L, CSNK1D, CSNK1E, CSNK1G1, CSNK1G2, CSNK1G3, CSNK2A1, CSNK2A2, DAPK1, DAPK2, DAPK3, DCAMKL1, DCAMKL2, DCAMKL3, DDR1, DDR2, DLK, DMPK, DMPK2, DRAK1, DRAK2, DYRK1B, EGFR, EGFR(E746-A750del), EGFR(G719C), EGFR(G719S), EGFR(L747-E749del, A750P), EGFR(L747-S752del, P753S), EGFR(L747-T751del,Sins), EGFR(L858R), EGFR(L861Q),
EGFR(S752-I759del), EPHA1, EPHA2, EPHA3, EPHA4, EPHA5, EPHA6, EPHA7, EPHA8, EPHB1, EPHB2, EPHB3, EPHB4, ERBB2, ERBB4, ERK1, ERK2, ERK3, ERK4, ERK5, ERK8, FER, FES, FGFR1, FGFR2, FGFR3, FGFR3(G697C), FGFR4, FGR, FLT1, FLT3, FLT3(D835H), FLT3(D835Y), FLT3(ITD), FLT3(K663Q), FLT3(N841I), FLT4, FRK, FYN, GAK, GCN2(Kin.Dom.2,S808G), GSK3A, GSK3B, HCK, HIPK1, IGF1R, IKK-α, IKK-β, IKK-epsilon, INSR, INSRR, IRAK3, ITK, JAK1
(Kin.Dom.1), JAK1(Kin.Dom.2), JAK2(Kin.Dom.2), JAK3(Kin.Dom.2), JNK1, JNK2, JNK3, KIT, KIT(D816V), KIT(V559D), KIT(V559D,T670I), KIT(V559D,V654A), LATS1, LATS2, LCK, LIMK1, LIMK2, LKB1, LOK, LTK, LYN, MAP3K3, MAP3K4, MAP3K5, MAP4K1, MAP4K2, MAP4K3, MAP4K4, MAP4K5, MAPKAPK2, MAPKAPK5, MARK1, MARK2, MARK3, MARK4, MEK1, MEK2, MEK3, MEK4, MEK6, MELK, MERTK, MET, MINK, MKNK1, MKNK2, MLCK, MLK1, MLK2, MLK3, MRCKA,
MRCKB, MST1, MST1R, MST2, MST3, MST4, MUSK, MYLK, MYLK2, MYO3A, MYO3B, NDR2, NEK1, NEK2, NEK5, NEK6, NEK7, NEK9, NLK, p38-α, p38-β, p38-delta, p38-gamma, PAK1, PAK2, PAK3, PAK4, PAK6, PAK7/PAK5, PCTK1, PCTK2, PCTK3, PDGFRA, PDGFRB, PDPK1, PFTAIRE2, PFTK1, PHKG1, PHKG2, PIK3C2B, PIK3CA, PIK3CA(E545K), PIK3CB, PIK3CD, PIK3CG, PIM1, PIM2, PIM3, PIP5K1A, PIP5K2B, PKAC-α, PKAC-β, PKMYT1, PKN1, PKN2, PLK1, PLK3, PLK4, PRKCD, PRKCE, PRKCH, PRKCQ, PRKD1, PRKD2, PRKD3, PRKG1, PRKG2,
PRKR, PRKX, PTK2, PTK2B, PTK6, RAF1, RET, RET(M918T), RET(V804L), RET(V804M), RIOK1, RIOK2, RIOK3, RIPK1, RIPK2, RIPK4, ROCK2, ROS1, RPS6KA1(Kin.Dom.1), RPS6KA1(Kin.Dom.2), RPS6KA2(Kin.Dom.1), RPS6KA2(Kin.Dom.2), RPS6KA3(Kin.Dom.1), RPS6KA4 (Kin.Dom.1), RPS6KA4(Kin.Dom.2), RPS6KA5(Kin.Dom.1), RPS6KA5(Kin.Dom.2), RPS6KA6
(Kin.Dom.1), RPS6KA6(Kin.Dom.2), SgK085, SgK110, SLK, SNARK, SNF1LK, SNF1LK2, SRC, SRMS, SRPK1, SRPK2, SRPK3, STK16, STK33, STK35, STK36, SYK, TAK1, TAOK1, TAOK3, TEC, TESK1, TGFBR1, TGFBR2, TIE1, TIE2, TLK1, TLK2, TNIK, TNK1, TNK2, TNNI3K, TRKA, TRKB, TRKC, TSSK1, TTK, TXK, TYK2(Kin.Dom.1), TYK2(Kin.Dom.2), TYRO3, ULK1, ULK2, ULK3, VEGFR2, WEE1, WEE2, YANK2, YANK3, YES, YSK1, ZAK, ZAP70。
【0117】
(実施例36)
癌のデータ
本発明の化合物の新規な抗腫瘍活性は、米国国立癌研究所(U.S.National Cancer Institute(NCI))の化合物10、化合物13(どちらも図4に示す)および化合物33(図10)についてのインビトロでのヒト腫瘍スクリーニングで示されている。これらのスクリーニングによる抗腫瘍データを表8、9および10にそれぞれ示す。
【0118】
インビトロでの細胞系スクリーニングプロジェクト(Cell Line Screening Project(IVCLSP))は、NCIの開発治療プログラム(Developmental Therapeutics Program)によって提供される専門サービスであり、60の異なるヒト腫瘍細胞系(NCI60)を利用する。NCI60パネルは白血病および黒色腫、ならびに乳癌、卵巣癌、脳腫瘍、肺癌、前立腺癌、結腸癌および腎臓癌からなる。NCI60のスクリーニングは2つの段階で実施される。以下に示すように、第1の段階は単回投与(10μM)での60の細胞系に対する化合物の評価からなり、次いで、第2の段階で、予め規定された基準に適合する化合物を5つの追加用量で評価する。表8および表9のデータは、化合物10および化合物13についての複数回投与スクリーニング結果を示し、表10のデータは化合物33についての単回投与スクリーニング結果を示す。
【0119】
NCI60インビトロ癌スクリーニングの方法
NCI60スクリーニングパネルのヒト腫瘍細胞系を、5%ウシ胎仔血清および2mM L−グルタミンを含むRPMI1640培地中で増殖させる。細胞を、個々の細胞系の倍加時間に応じて5,000〜40,000細胞/ウェルの範囲のプレーティング密度で、96ウェルマイクロタイタープレートに100μLでインキュベートする。細胞をインキュベートした後、実験化合物を加える前に、マイクロタイタープレートを37℃、5%CO、95%空気および100%相対湿度で、24時間インキュベートする。
【0120】
24時間後、各細胞系の2つのプレートを、その場で、トリクロロ酢酸(TCA)で固定させて、化合物添加時点(Tz)での各細胞についての細胞個数測定値を得る。実験化合物を、所望の最終最大試験濃度の400倍(×)のジメチルスルホキシドに可溶化させ、使用するときまで冷凍保存する。化合物の添加の時点で一定分量の凍結濃縮物を解凍し、50μg/mlのゲンタマイシンを含む完全培地で所望の最終最大試験濃度の2倍(×)に希釈する。さらに4回の10倍または1/2対数連続希釈を加えて、合計5つの化合物濃度プラス対照を得る。これらの異なる化合物希釈物の100μlの分量を、100μlの培地をすでに含む適切なマイクロタイターウェルに加え、所要最終化合物濃度を得る。
【0121】
化合物の添加に続いて、プレートを、37℃、5%CO、95%空気および100%相対湿度でさらに48時間インキュベートする。付着細胞については、冷TCAを加えてアッセイを終了させる。50μlの冷50%(重量/容積)TCA(終末濃度、10%TCA)を緩やかに加えて細胞をその場で固定し、4℃で60分間インキュベートする。上澄みを廃棄し、プレートを水道水で5回洗浄し、空気乾燥する。1%酢酸中に0.4%(重量/容積)のスルホローダミンB(SRB)溶液(100μl)を各ウェルに加え、プレートを室温で10分間インキュベートする。染色した後、1%酢酸で5回洗浄して結合していない染料を除去し、プレートを空気乾燥する。続いて結合した染料を10mMトリズマ塩基(trizma base)で可溶化させ、自動プレートリーダーを用いて515nmの波長で吸光度を読み取る。懸濁細胞については、その方法は、50μlの80%TCAを緩やかに加えることによって(終末濃度、16%TCA)ウェルの底部に沈降した細胞を固定させてアッセイを終了させることを除いて同じである。7つの吸光度測定値[時間ゼロ(Tz)、対照増殖(C)および5つの濃度レベルの化合物の存在下での試験増殖(Ti)]を用いて、増殖率を、化合物濃度レベルのそれぞれで計算する。増殖阻害率(GI)を:
Ti≧Tzの濃度については[(Ti−Tz)/(C−Tz)]×100
Ti<Tzの濃度については[(Ti−Tz)/Tz]×100
で計算する。
【0122】
各実験薬剤について3つの用量応答パラメーターを計算する。GI50(細胞増殖を50%阻害するのに必要な化合物濃度)は、[(Ti−Tz)/(C−Tz)]×100=50から計算する。これは、化合物のインキュベーションの際に対照細胞において正味のタンパク質増加の50%低減(SRB染色で測定して)をもたらす化合物濃度を表す。TGI(完全な増殖阻害をもたらす化合物濃度)はTi=Tzから計算する。処理に続く細胞の正味損失を示す、LC50(化合物処理の最終時点で、最初の時点に対して、測定タンパク質の50%低減をもたらす化合物濃度)は[(Ti−Tz)/Tz]×100=−50により計算する。活性レベルに到達した場合、これらの3つのパラメーターのそれぞれについて値を計算し、そのレベルに到達しないか、またはそれを超過した場合、そのパラメーターについての値は、試験した最大濃度または最小濃度より大きいか小さい値で表される。
【0123】
化合物についてのGI50、TGI50およびLC50を表8および表9にLog10濃度値で示す。各細胞系に対して収集した実験データを示す。この第1の欄にはサブパネル(例えば、白血病)および関連する細胞系(例えば、CCRF−CEM)を記載しており、次の2つの欄には平均OD時間ゼロおよび平均OC対照を載せている。次の5つの欄には、異なる濃度のそれぞれについての平均OD試験を載せている。各濃度はlog10(モル)で表されている。次の5つの欄には、各濃度について計算された増殖率(PG)を載せている。PGとGI等価の用語である。表8および表9ではPGが用いられ、表10ではGIが用いられている。表8および表9についてのODという用語の定義は以下の通りである。
【0124】
増殖率(PG)
化合物の細胞系に対する測定された効果は現在、以下の式の一方か他方によって計算されている:
(平均OD試験−平均OD時間ゼロ)≧0である場合、PG=100×(平均OD試験−平均OD時間ゼロ)/(平均OD対照−平均OD時間ゼロ)であり、
(平均OD試験−平均OD時間ゼロ)<0である場合、PG=100×(平均OD試験−平均OD時間ゼロ)/平均OD時間ゼロである。
【0125】
ただし、
平均OD時間ゼロ=細胞を試験化合物に曝露する直前のSRB由来の色の光学密度測定値の平均値。
【0126】
平均OD試験=細胞を試験化合物に48時間曝露した後のSRB由来の色の光学密度測定値の平均値。
【0127】
平均OC対照=細胞を試験化合物に曝露しないで48時間経過した後のSRB由来の色の光学密度測定値の平均値。
【0128】
表10では、右の方へ伸びているバーは、細胞系の試験薬剤に対する感受性が、試験したすべての細胞系の平均感受性を超えていることを表している。バーのスケールは対数表記なので、バーが2単位右へ伸びているということは、その化合物が、すべての細胞系にわたって必要な平均濃度の100分の1の濃度で、細胞系についての応答パラメーター(例えば、GI)を達成しており、したがって、その細胞系が一般にその化合物に対して感受性が高いことを意味している。これに対応して、左の方へ伸びているバーは平均より小さい感受性であることを意味している。
【0129】
化合物33は以下の細胞系(表10)、すなわち、非小細胞肺癌(HOP−92)、白血病(MOLT−4)、腎臓癌(RXF393;UO−31)および黒色腫(LOX IMVI)に対して強力で選択的な抗癌活性を示す。
【0130】
化合物10(図4)は、以下の細胞系(表8)、すなわち、白血病(CCRF−CEM;HL−60(TB);K−562;MOLT−4;RPMI−8226;SR);非小細胞肺癌(A549/ATCC;HOP−62;NCI−H460;NCI−H522);結腸癌(COLO205;HCT−116;HCT−15;HT29;KM12;SW−620);中枢神経系の癌(SF−268;SF−295;SF−539;SNB−75;U251);黒色腫(LOX IMVI;M14;SK−MEL−2;SK−MEL−28;SK−MEL−5;UACC−257)、卵巣癌(IGROV1;OVCAR−3;OVCAR−8);腎臓癌(786−0;A498;ACHN;RXF393;SN12C);前立腺癌(PC−3、DU−145)および乳癌(MCF7、MDA−MB−231/ATCC;HS578T;MDA−MB−435;T−47D)に対して強力な抗癌活性(低マイクロモーラーGI50値)を示す。各細胞系についてのLC50値は>100マイクロモーラーであった。
【0131】
化合物13(図4)は、以下の細胞系(表9)、すなわち、白血病(CCRF−CEM;HL−60(TB);K−562;MOLT−4;RPMI−8226;SR);非小細胞肺癌(A549/ATCC;HOP−92;NCI−H460);結腸癌(HCT−116;HCT−15;HT29);中枢神経系の癌(SF−268;SF−295;U251);黒色腫(LOX IMVI;SK−MEL−28;SK−MEL−5)、卵巣癌(IGROV1;OVCAR−3;OVCAR−8);腎臓癌(A498;RXF393);および乳癌(MCF7、HS578T)に対して強力な抗癌活性(低マイクロモーラーGI50値)を示す。各細胞系についてのLC50値は>100マイクロモーラーであった。
【0132】
【表8】

【0133】
【表9】

【0134】
【表10】

上記組成物およびその利用の仕方は、本発明の好ましい実施形態の例示に過ぎないことを理解されたい。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者は、多くの改変形態および代替の構成(arrangement)を案出することができ、添付の特許請求の範囲はそうした改変形態および構成を包含するものとする。したがって、本発明を、現在、本発明の最も実際的で好ましい実施形態と考えられるものに関連して具体的かつ詳細に上記に説明してきたが、本明細書で示す原理および考え方を逸脱することなく、これらに限定されないが、サイズ、材料、形状、形態、機能ならびに操作、組み立ておよび使用の仕方の変更を含む多くの改変を加えることができることは当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構造を有する分子
【化19】

(式中、
、R、RおよびRは、H、HO−、CHO−、CH−、HOCHCH−、HOCHCHOCHCH−、NHCHCH−、RNHCHCH−、(RNCHCH−、NHCHCHNHCHCH−、RNHCHCHNHCHCH−、(RNCHCHNHCHCH−、RCO−、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環からなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜Cアルキルであり、
は、HN−、HOHN−、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルまたはフェニルであり、
はC〜C12アルキルであり、
およびRは、H、HO−、CH−またはCHCH−からなる群から独立に選択されるメンバーであり、
およびXはOおよびSからなる群から独立に選択されるメンバーであり、
Uは、H、HO−、F、CF−からなる群から選択されるメンバーであり、
Wは、H、HO−、F、CF−、CHCHCCH−、CH(CHO)NCOCH−、HOCHCHO−、NHCOCH−、CHNHCOCH−、(CHNCOCH−、HOCHCHNHCOCH−、HSCHCHNHCOCH−および6〜16個の炭素を含むO−トリアルキルシリルからなる群から選択されるメンバーであり、
Yは、H、HO−、F、CF−、HOCHCHO−、RO−および6〜16個の炭素を含むO−トリアルキルシリルからなる群から選択されるメンバーであり、
Zは、H、F、HO−、CF−およびROからなる群から選択されるメンバーである)。
【請求項2】
がHであり、RがCHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、UがHであり、WがCHCHCCH−であり、ZがHであり、YがO−tert−ブチルジメチルシリルであり、XがOであり、XがOであり、Rが、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環からなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜C12アルキルである、請求項1に記載の分子。
【請求項3】
がフェニルである、請求項2に記載の分子。
【請求項4】
が、C〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項2に記載の分子。
【請求項5】
が、F、Cl、BrまたはIからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、C〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項2に記載の分子。
【請求項6】
が、アルコキシ(RO−)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜C12アルキルである、請求項2に記載の分子。
【請求項7】
が、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)またはアジド(N)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項2に記載の分子。
【請求項8】
が、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項2に記載の分子。
【請求項9】
が2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環である、請求項2に記載の分子。
【請求項10】
が、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であり、
はC〜C12アルキルである、請求項2に記載の分子。
【請求項11】
がHであり、RがCHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、UがHであり、WがCH(CHO)NCOCH−であり、ZがHであり、YがO−tert−ブチルジメチルシリルであり、XがOであり、XがOであり、Rがフェニルである、請求項1に記載の分子。
【請求項12】
がHであり、RがCHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、UがHであり、WがOHであり、ZがHであり、YがOHであり、XがOであり、XがOであり、Rが、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環からなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜C12アルキルである、請求項1に記載の分子。
【請求項13】
がフェニルである、請求項12に記載の分子。
【請求項14】
が、C〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項12に記載の分子。
【請求項15】
が、F、Cl、BrまたはIからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項12に記載の分子。
【請求項16】
が、アルコキシ(RO−)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜C12アルキルである、請求項12に記載の分子。
【請求項17】
が、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)またはアジド(N)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項12に記載の分子。
【請求項18】
が、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項12に記載の分子。
【請求項19】
が、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環である、請求項12に記載の分子。
【請求項20】
が、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であり、
はC〜C12アルキルである、請求項12に記載の分子。
【請求項21】
がHであり、RがCHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、UがHであり、ZがHであり、WおよびYが−OC(CHO−であり、XがOであり、XがOであり、Rが、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環からなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜C12アルキルである、請求項1に記載の分子。
【請求項22】
がフェニルである、請求項21に記載の分子。
【請求項23】
が、C〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項21に記載の分子。
【請求項24】
が、F、Cl、BrまたはIからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項21に記載の分子。
【請求項25】
が、アルコキシ(RO−)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜C12アルキルである、請求項21に記載の分子。
【請求項26】
が、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)またはアジド(N)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項21に記載の分子。
【請求項27】
が、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項21に記載の分子。
【請求項28】
が、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環である、請求項21に記載の分子。
【請求項29】
が、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であり、
はC〜C12アルキルである、請求項21に記載の分子。
【請求項30】
がHであり、RがCHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、UがHであり、ZがHであり、WがO−tert−ブチルジメチルシリルであり、YがO−tert−ブチルジメチルシリルであり、XがOであり、XがOであり、Rが、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環からなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜C12アルキルである、請求項1に記載の分子。
【請求項31】
がフェニルである、請求項30に記載の分子。
【請求項32】
が、C〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項30に記載の分子。
【請求項33】
が、F、Cl、BrまたはIからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項30に記載の分子。
【請求項34】
が、アルコキシ(RO−)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜C12アルキルである、請求項30に記載の分子。
【請求項35】
が、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)またはアジド(N)で一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項30に記載の分子。
【請求項36】
が、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項30に記載の分子。
【請求項37】
が、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環である、請求項30に記載の分子。
【請求項38】
が、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環であり、
はC〜C12アルキルである、請求項30に記載の分子。
【請求項39】
がHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCであり、UがHであり、WがCHCHCCH−であり、ZがHであり、YがO−tert−ブチルジメチルシリルであり、XがOであり、XがOであり、Rが、H、HO−、CHO−、CH−、HOCHCH−、HOCHCHOCHCH−、NHCHCH−、RNHCHCH−、(RNCHCH−、NHCHCHNHCHCH−、RNHCHCHNHCHCH−、(RNCHCHNHCHCH−、RCO−または単環、二環もしくは三環式C〜C14アリールからなる群から独立に選択され、
はC〜Cアルキルであり、Rは、HN−、HOHN−、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルまたはフェニルである、請求項1に記載の分子。
【請求項40】
がHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCであり、UがHであり、WがOHであり、ZがHであり、YがOHであり、XがOであり、XがOであり、Rが、H、HO−、CHO−、CH−、HOCHCH−、HOCHCHOCHCH−、NHCHCH−、RNHCHCH−、(RNCHCH−、NHCHCHNHCHCH−、RNHCHCHNHCHCH−、(RNCHCHNHCHCH−、RCO−または単環、二環もしくは三環式C〜C14アリールからなる群から独立に選択され、
はC〜Cアルキルであり、Rは、HN−、HOHN−、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルまたはフェニルである、請求項1に記載の分子。
【請求項41】
がHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCであり、UがHであり、ZがHであり、WおよびYが−OC(CHO−であり、XがOであり、XがOであり、Rが、H、HO−、CHO−、CH−、HOCHCH−、HOCHCHOCHCH−、NHCHCH−、RNHCHCH−、(RNCHCH−、NHCHCHNHCHCH−、RNHCHCHNHCHCH−、(RNCHCHNHCHCH−、RCO−または単環、二環もしくは三環式C〜C14アリールからなる群から独立に選択され、
はC〜Cアルキルであり、Rは、HN−、HOHN−、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルまたはフェニルである、請求項1に記載の分子。
【請求項42】
次の構造を有する分子
【化20】

(式中、
、R、RおよびRは、H、HO−、CHO−、CH−、HOCHCH−、HOCHCHOCHCH−、NHCHCH−、RNHCHCH−、(RNCHCH−、NHCHCHNHCHCH−、RNHCHCHNHCHCH−、(RNCHCHNHCHCH−、RCO−、C〜C14の単環、二環または三環式アリール、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環からなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜Cアルキルであり、Rは、HN−、HOHN−、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニルまたはフェニルであり、RはC〜C12アルキルであり、
、Rは、H、HO−、CH−またはCHCH−からなる群から独立に選択されるメンバーであり、
およびXはOおよびSからなる群から独立に選択されるメンバーであり、
AはOおよびNR10からなる群から選択されるメンバーであり、
ただし、R10は、H、HO−、CH−またはCHCH−からなる群から独立に選択されるメンバーである)。
【請求項43】
がHであり、RがCHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、XがOであり、XがOであり、AがOであり、Rが、C〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項42に記載の分子。
【請求項44】
が、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環からなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜C12アルキルである、請求項43に記載の分子。
【請求項45】
がフェニルである、請求項43に記載の分子。
【請求項46】
がHであり、RがCHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、XがOであり、XがOであり、AがNHであり、Rが、C〜C14の単環、二環または三環式アリールからなる群から独立に選択されるメンバーである、請求項42に記載の分子。
【請求項47】
が、F、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換されたC〜C14の単環、二環または三環式アリール;2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環、およびF、Cl、Br、I、アルコキシ(RO−)、ニトロ(NO)、ニトロソ(NO)、アジド(N)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C12アシルからなる群から独立に選択されるメンバーで一置換、二置換、三置換もしくは多置換された、2〜9個の炭素原子を有するO、NまたはSの単環式もしくは二環式複素環からなる群から独立に選択されるメンバーであり、
はC〜C12アルキルである、請求項46に記載の分子。
【請求項48】
がフェニルである、請求項46に記載の分子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−529039(P2010−529039A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510521(P2010−510521)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/065334
【国際公開番号】WO2008/151024
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(592087647)ブリガム・ヤング・ユニバーシティ (34)
【氏名又は名称原語表記】BRIGHAM YOUNG UNIVERSITY
【Fターム(参考)】