説明

タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤としてのジアミノピロロキナゾリン化合物

本発明は、タンパク質チロシンホスファターゼ、特にPTP1Bを阻害するのに有用で、且つ哺乳類の血中グルコース濃度を低下させるのに有用な、R1、R2、R3、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびAが明細書および請求項で定義されたとおりである、式(I)のジアミノピロロキナゾリン化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタンパク質チロシンホスファターゼ、特にPTP1Bを阻害すること、および哺乳類における血中グルコース濃度を低下させることに有用なジアノピロロキナゾリン化合物に関する。これらの化合物は式(I):
【化21】


(式中、
Aは、不飽和もしくは飽和の5員環もしくは6員環またはS、NおよびOより選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む不飽和もしくは飽和の5員環もしくは6員環であり、
1は、低級アルキル、アセチル、ジメチルスルファモイル、ヒドロキシアルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、フェニル低級アルキル、ベンジルオキシ−アルキル、およびフェニル低級アルコキシ低級アルキルよりなる群から選択され;
2は、水素、低級アルキル、アセチル、ヒドロキシアルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、フェニル低級アルキル、およびフェニル低級アルコキシ低級アルキルよりなる群から選択され;
3は、水素またはメチルであり;
Raは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ ヒドロキシアルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、フェニル低級アルキル、ベンジルオキシアルキルまたは
【化22】


よりなる群から選択され;
10は、水素または
【化23】


であり;
xおよびyは、独立に、0〜4の整数であり;
RbおよびRcは、独立に、水素、低級アルキル、ペルフルオロ−低級アルキル、置換アルキル、アルコキシ、フェノキシ、ハロゲン、非置換低級アルキル置換フェニル低級アルキル、フェニル低級アルコキシまたは
【化24】


よりなる群から選択され;
11は、水素、フェニルまたは非置換低級アルキルであり;
pは、0〜1の整数であり;
Rdは、水素、置換アルキルまたはペルフルオロ−低級アルキルであり;
Reは、水素、ハロゲンまたは置換アルキルおよびペルフルオロ−低級アルキルであり;
Rfは、水素または低級アルキルである)
の化合物および薬学的に許容しうるその塩により特徴づけられる。
【0002】
タンパク質チロシンホスファターゼ(PTPアーゼ、PTPases)は、細胞増殖および分化を調節するプロセスにおける鍵酵素である。これらの酵素の阻害は、チロシンリン酸化/脱リン酸化がある役割を果たす、多重シグナル経路の調節において役割を果たすことができる。PTP1Bは、そのクラスの酵素の原型的なメンバーとしてしばしば使用される、特定のタンパク質チロシンホスファターゼである。
【0003】
PTPアーゼ阻害剤は、糖尿病の処置用の潜在的な治療剤として認識されている。例えば、Moellerら、3(5):527-40, Current Opinion in Drug Discovery and Development, 2000;またはZhang, Zhong-Yin, 5:416-23, Current Opinion in Chemical Biology, 2001参照。治療剤としてのPTPアーゼ阻害剤の有用性は、例えば、Expert Opin Investig Drugs 12(2):223-33, Feb. 2003を含む、いくつかの総説中で議論の的であった。
【0004】
特記しない限り、以下の定義は、本明細書中の本発明の説明に使用される種々の用語の意味および範囲を説明および明示するために記載される。
【0005】
この明細書中で、用語「低級」は、1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子からなる基を意味して使用される。
【0006】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指し、フッ素、塩素および臭素が好ましい。
【0007】
用語「アルキル」は、単独でまたは他の基と組み合わせて、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜16個の炭素原子、より好ましくは1〜10個の炭素原子の、分枝状または直鎖状の一価の飽和脂肪族炭化水素基を指す。アルキル基は、低級アルキルについて下記するように、置換されていてもよい。下記の低級アルキルは、好ましいアルキル基である。
【0008】
明細書中で使用される、用語「低級アルキル」は、単独でまたは他の基と組み合わせて、最大6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等を意味する。低級アルキル基は、非置換であるかまたはシクロアルキル、ニトロ、アリールオキシ、アリール、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、および置換アミノから独立に選択される1つ以上の基により置換されていてもよい。置換低級アルキル基の例として、2,3−ジヒドロプロピルおよび3−ヒドロキシプロピルが挙げられる。
【0009】
用語「低級アルコキシ」は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ等を意味する。
【0010】
用語「ペルフルオロ−低級アルキル」は、低級アルキル基の全ての水素がフッ素で置換されあるいは置き換えられた任意のアルキル基を意味する。好ましいペルフルオロ−低級アルキル基は、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル等である。
【0011】
用語「ヘテロアリール」は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子等のヘテロ原子を含む単環性、二環性、または三環性の芳香族基を意味する。「ヘテロアリール基」の例は、ピリジル基、チフェニル基、ベンゾフラニル基、ピリミジニル基、キノリル基、イソキノリル基およびイソオキサゾリル基、インドリニル基、フリル基、オキサジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピラジニル基、ベンゾチアジアゾリル基、チアゾリジニル基、イミダゾチアゾリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基およびテトラヒドロピラニル基である。
【0012】
用語「アリール」は、非置換のまたは慣用の置換基で置換された、フェニルまたはナフチル等の、単環性または二環性の芳香族基を意味する。好ましい置換基は、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、ハロゲン、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ペルフルオロアルキル、アルカノイル、アロイル、アリールアルキニル、低級アルキニルおよび低級アルカノイルアミノである。特に好ましい置換基は、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノおよびペルフルオロ低級アルキルである。本発明に従って使用できる「アリール基」の例は、フェニル、p−メトキシフェニル、p−クロロフェニル、m−ヒドロキシフェニル、m−メチルチオフェニル、ベンジルオキシエチル等である。
【0013】
用語「低級アルキル−アリール」は、1つ以上の水素原子がアリール基で置き換えられている低級アルキル基を意味する。ベンジル等のような、任意の慣用の低級アルキルアリールを、本発明に従って使用することができる。
【0014】
用語「低級アルコキシ−アリール」は、1つ以上の水素原子がアリール基で置き換えられている低級アルコキシ基を意味する。ベンジルオキシ等のような、任意の慣用の低級アルコキシアリールを、本発明に従って使用することができる。
【0015】
用語「薬学的に許容しうる塩」は、生物学的な有効性および式I、I−AおよびI−Bの化合物の特性を保持し、適切な非毒性有機もしくは無機酸または有機もしくは無機塩基から形成される、慣用の酸付加塩または塩基付加塩を指す。サンプルの酸付加塩として、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸および硝酸等の無機酸由来のもの、ならびにp−トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸等の有機酸由来のものが挙げられる。サンプルの塩基付加塩として、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、および、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム等の水酸化四級アンモニウム由来のものが挙げられる。薬学的化合物(つまり、薬物)の塩への化学修飾は、化合物の改善された物理的および化学的安定性、吸湿性、流動性および溶解性を得るための、薬化学者に周知の手法である。例えば、H. Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (第6版、1995)の196頁および1456〜1457頁参照。
【0016】
詳細には、本発明は式(I):
【化25】


(式中、
Aは、不飽和もしくは飽和の5員環もしくは6員環、またはS、NおよびOより選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む不飽和もしくは飽和の5員環もしくは6員環であり、
1は、低級アルキル、アセチル、ジメチルスルファモイル、ヒドロキシアルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、フェニル低級アルキル、ベンジルオキシ−アルキル、およびフェニル低級アルコキシ低級アルキルよりなる群から選択され;
2は、水素、低級アルキル、アセチル、ヒドロキシアルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、フェニル低級アルキル、およびフェニル低級アルコキシ低級アルキルよりなる群から選択され;
3は、水素またはメチルであり;
Raは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ ヒドロキシアルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、フェニル低級アルキル、ベンジルオキシアルキルまたは
【化26】


よりなる群から選択され;
10は、水素または
【化27】


であり;
xおよびyは、独立して、0〜4の整数であり;
RbおよびRcは、独立して、水素、低級アルキル、ペルフルオロ−低級アルキル、置換アルキル、アルコキシ、フェノキシ、ハロゲン、非置換低級アルキル置換フェニル低級アルキル、フェニル低級アルコキシまたは
【化28】


よりなる群から選択され;
11は、水素、フェニルまたは非置換低級アルキルであり;
pは、0〜1の整数であり;
Rdは、水素、置換アルキルまたはペルフルオロ−低級アルキルであり;
Reは、水素、ハロゲンまたは置換アルキルまたはペルフルオロ−低級アルキルであり;
Rfは、水素または低級アルキルである)
の化合物および薬学的に許容しうるその塩に関する。
【0017】
好ましい実施態様は上記にて定義された式(I):
【化29】


(式中、
Aは、不飽和もしくは飽和の5員環もしくは6員環、またはS、NおよびOより選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む不飽和もしくは飽和の5員環もしくは6員環であり、
1は、低級アルキル、アセチル、ヒドロキシアルキル、およびベンジルオキシ−アルキルよりなる群から選択され;
2は、水素、低級アルキル、アセチル、およびヒドロキシアルキルよりなる群から選択され;
3は、水素またはメチルであり;
Raは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシアルキルおよびベンジルオキシアルキルよりなる群から選択され;
Rbは、水素、低級アルキル、ペルフルオロ−低級アルキル、置換アルキル、アルコキシおよびフェノキシよりなる群から選択され;
RcおよびRdは、独立に、水素または置換アルキル、ペルフルオロ−低級アルキルであり;
Reは、水素、ハロゲンまたは置換アルキルまたはペルフルオロ−低級アルキルであり;
Rfは、水素または低級アルキルである)
の化合物および薬学的に許容しうるその塩に関する。
【0018】
別の好ましい実施態様は、R1が、メチル、エチル、ベンジル、アセチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピルおよび2−ベンジルオキシエチルよりなる群から選択され;
2が、水素、メチル、エチル、ベンジル、およびアセチルよりなる群から選択され;
Raが、水素、メチル、ヒドロキシエチル、2−ベンジルオキシ−エチルおよび2−[4−ジフルオロホスホノ−メチル]−ベンジルオキシ]−エチルよりなる群から選択され;
Rbが、水素、メチル、メトキシ、フェノキシおよびトリフルオロメチルよりなる群から選択され;
RcおよびRdが、各々独立に、水素およびトリフルオロメチルから選択され;
Reが、水素、塩素およびトリフルオロメチルよりなる群から選択され;且つ
Rfが、水素およびメチルから選択される、上記にて定義された化合物に関する。
【0019】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、該化合物が、式(I−B):
【化30】


(式中、
1’は、低級アルキル、フェニル低級アルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、またはフェニル低級アルコキシ低級アルキルであり;
2’は、水素、低級アルキル、フェニル低級アルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、またはフェニル低級アルコキシ低級アルキルであり;
Ra’は、水素、低級アルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、または
【化31】


であり;
10は、水素または
【化32】


であり;
Rb’およびRc’は、独立に、水素、ペルフルオロ−低級アルキル、ハロゲン、非置換低級アルキル置換フェニル低級アルキル、低級アルキル、フェニル低級アルコキシまたは
【化33】


よりなる群から選択され;
11は、水素、フェニルまたは非置換低級アルキルであり;
pは、0〜1の整数であり;
xおよびyは、独立に、0〜4の整数である)
を有する化合物または薬学的に許容しうるその塩に関する。
【0020】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
1’が、低級アルキルであり;
2’が、水素または低級アルキルであり;
Rb’およびRc’が、ペルフルオロ低級アルキルまたは水素であり、
Rb’およびRc’の少なくとも一つが、ペルフルオロ低級アルキルである、
化合物に関する。
【0021】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
1’が、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルであり、R2’が、水素またはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルであり、Rb’およびRc’が、独立にペルフルオロ低級アルキルまたは水素であり、Rb’およびRc’の少なくとも一つが、ペルフルオロ低級アルキルである、化合物に関する。
【0022】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Ra’が、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルである、化合物に関する。
【0023】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Ra’が、
【化34】


であり、また、R10、xおよびyは、上記で定義されたとおりである、化合物に関する。
【0024】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Rb’およびRc’が、
【化35】


または低級アルコキシであり;
11が、水素、フェニルまたは非置換低級アルキルであり;且つ
pが、0〜1の整数である、化合物に関する。
【0025】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Rb’およびRc’の一つが低級アルキルである、化合物に関する。
【0026】
本発明における別の実施態様は上記に定義された化合物であって、式(I−A):
【化36】


(式中、
Pは、酸素、硫黄または窒素よりなる群から選択される1個または2個のヘテロ原子を含む5員もしくは6員ヘテロ芳香族環であり、
1’は、低級アルキル、フェニル低級アルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、またはフェニル低級アルコキシ低級アルキルであり;
2’は、水素、低級アルキル、フェニル低級アルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、またはフェニル低級アルコキシ低級アルキルであり;
Ra’は、水素、フェニル低級アルキル、低級アルキル、低級アルコキシ、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルまたは
【化37】


よりなる群から選択され;
10は、水素または
【化38】


であり;
Rb’およびRc’は、独立に、水素、ペルフルオロ−低級アルキル、ハロゲン、低級アルキル置換フェニル低級アルキル、低級アルキル、フェニル低級アルコキシまたは
【化39】


よりなる群から選択され;
11は、水素、低級アルキルまたはフェニルであり;
pは、0〜1の整数であり;
xおよびyは、独立に、0〜4の整数である)
を有する前記化合物または薬学的に許容しうるその塩に関する。
【0027】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Pが、その環中の唯一のヘテロ芳香族原子として硫黄ヘテロ原子を含む5員または6員ヘテロ芳香族環である、化合物に関する。
【0028】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Rb’およびRc’が、水素または低級アルキルであり;
1’が、低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルであり;且つ
2’が、水素、低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルである、化合物に関する。
【0029】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Rb’およびRc’が、独立に、水素または低級アルコキシまたはフェニル低級アルコキシであり、Rb’およびRc’の少なくとも一つが水素以外であり;
1’が、低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルであり;且つ
2’が、水素または低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルである、化合物に関する。
【0030】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Pが、唯一のヘテロ原子として酸素原子を含む5員または6員ヘテロ芳香族環である、化合物に関する。
【0031】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
1’が、低級アルキルであり;且つ
2’が、水素または低級アルキルである、化合物に関する。
【0032】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Pが、唯一のヘテロ原子として窒素原子を含む5員または6員ヘテロ芳香族環である、化合物に関する。
【0033】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Rb’およびRc’の一つが水素であり、他方が水素、低級アルキルまたは
【化40】


(式中、
11が、フェニルまたは低級アルキルであり;且つ
1’およびR2’が、低級アルキルである)
である、化合物に関する。
【0034】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Pが、2個のヘテロ原子を含む5員または6員ヘテロ芳香族環である、化合物に関する。
【0035】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
Rb’およびRc’が、低級アルキル、水素または低級アルコキシである、化合物に関する。
【0036】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、式(II):
【化41】


(式中、
1は、低級アルキル、アセチル、ヒドロキシアルキル、およびベンジルオキシ−アルキルよりなる群から選択され;
2は、水素、低級アルキル、アセチル、およびヒドロキシアルキルよりなる群から選択され;
3は、水素またはメチルであり;
Raは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシアルキルおよびベンジルオキシアルキルよりなる群から選択され;
Rbは、水素、低級アルキル、ペルフルオロ−低級アルキル、置換アルキル、アルコキシおよびフェノキシよりなる群から選択され;
RcおよびRdは、独立に、水素または置換アルキル、ペルフルオロ−低級アルキルであり;
Reは、水素、ハロゲンまたは置換アルキルまたはペルフルオロ−低級アルキルであり;
Rfは、水素または低級アルキルである)
を有する化合物および薬学的に許容しうるその塩に関する。
【0037】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、
1が、メチル、エチル、アリル、ベンジル、アセチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピルおよび2−ベンジルオキシエチルよりなる群から選択され;
2が、水素、メチル、エチル、アリル、ベンジル、およびアセチルよりなる群から選択され;
Raが、水素、メチル、ヒドロキシエチル、2−ベンジルオキシ−エチルおよび2−[4−ジフルオロホスホノ−メチル]−ベンジルオキシ]−エチルよりなる群から選択され;
Rbが、水素、メチル、メトキシ、フェノキシおよびトリフルオロメチルよりなる群から選択され;
RcおよびRdが、独立に、水素またはトリフルオロメチルであり;
Reが、水素、塩素ハロゲンまたはトリフルオロメチルであり;且つ
Rfが、水素またはメチルである、化合物に関する。
【0038】
本発明における別の実施態様は上記に定義された、式(III):
【化42】


(式中、
1は、水素、低級アルキル、アセチル、およびヒドロキシアルキルよりなる群から選択され;
2は、水素またはメチルであり;
Xは、硫黄、酸素、窒素またはN−tert−ブトキシカルボニルであり;
Rbは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシアルキルおよびベンジルオキシアルキルよりなる群から選択され;
Rd’およびRe’は、独立に、水素、低級アルキルおよびアルコキシよりなる群から選択される)
を有する化合物および薬学的に許容しうるその塩に関する。
【0039】
本発明における別の実施態様は上記に定義された
1が、メチル、エチル、アセチル、3−ヒドロキシプロピルおよびジメチルスルファモイルよりなる群から選択され;
2およびRb’が、独立に、水素、メチルおよびエチルよりなる群から選択され;
Rd’およびRe’が、独立に、水素、メチルおよびメトキシよりなる群から選択される、
化合物に関する。
【0040】
式I−Bの好ましい化合物において、これらの化合物のいくつかの好ましい実施態様が存在する。第一の実施態様に従えば、R1’は水素または非置換低級アルキルであり、R2’は非置換低級アルキルであり、且つRb’およびRc’はペルフルオロ低級アルキル、好ましくはトリフルオロメチルあり、Rb’およびRc’の少なくとも一つはペルフルオロ低級アルキルである。式I−Aの化合物のこの第一の実施態様によれば、Ra’は、水素、非置換低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルであり、且つRb’およびRc’はペルフルオロ低級アルキル、例えばトリフルオロメチルであり、他方は、水素またはペルフルオロアルキルである。
【0041】
式I−Bの化合物の他の実施態様によれば、Ra’は、
【0042】
【化43】

【0043】
(式中、R10、xおよびyは上記のとおりである)
であることができる。この実施態様によれば、R1’は水素または低級アルキルであり、
2’は低級アルキルであることができる。さらに、この実施態様の特に好ましいクラスにおいては、Rb’およびRc’はペルフルオロ低級アルキルまたは水素であり、Rb’およびRc’の少なくとも一つはペルフルオロ低級アルキルである。
【0044】
式I−Bの化合物のさらに他の実施態様によれば、Rb’およびRc’の一つは低級アルキルであり、Rb’およびRc’の双方が低級アルキルであることが特に好ましい。一方、この実施態様において、R8およびR9は双方が水素であることができるか、あるいはRb’およびRc’の一つが水素であって、他方が低級アルキルであることができる。式I−Bの化合物のさらに他の実施態様によれば、Rb’およびRc’の一つは低級アルコキシであるかまたは、式:
【0045】
【化44】

【0046】
(式中、R11およびpは、上記のとおりである)の置換基である。この実施態様において、Ra’およびRb’の一つが非置換低級アルキルである化合物が特に好ましい。さらに、この特に好ましい実施態様において、Ra’が非置換低級アルキルである化合物が好ましい。
【0047】
式I−Aの化合物に関して、この式の中に包含される本発明に従う多くの実施態様が存在する。本発明に従うヘテロ芳香族環は、好ましくは、環の中に5〜6員を含む。これらの中で、この化合物の中で形成されるヘテロ芳香族環が、チオフェン環のようなこの環中に唯一のヘテロ芳香族原子として硫黄ヘテロ原子を含む式I−Aの化合物がある。チオフェン環を含む化合物の中で、Rb’およびRc’が水素または低級アルキルであり、R1’が、水素、低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルであり、且つR6が低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルである、それらの化合物がある。ヘテロ芳香族環がチオフェン環である化合物の実施態様によれば、好ましい化合物は、Rb’およびRc’が、独立に、水素または低級アルコキシまたはフェニル低級アルコキシであり、Rb’およびRc’の少なくとも一つが水素以外であるものである。この好ましい実施態様においては、R1’は、水素または低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルであり、且つR2’は、低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルである。
【0048】
式I−Aの化合物の他の実施態様によれば、芳香族環は、フラニル環のような、唯一のヘテロ芳香族原子として酸素原子を含む5員または6員ヘテロ芳香族環である。この実施態様において、一つの好ましいクラスの化合物は、R1’が水素または低級アルキルであり、且つR2’が低級アルキルであるものである。式I−Aの化合物の他の実施態様は、ヘテロ芳香族環が、唯一のヘテロ原子として窒素原子を含む5員または6員ヘテロ芳香族環であるそれらの化合物である。この実施態様によれば、Rb’およびRc’の一つが水素であり、他方が水素、低級アルキルまたは式:
【0049】
【化45】

【0050】
(式中、R11およびpは、上のとおりである)
の置換基である化合物である。この実施態様によれば、pが1である化合物が好ましい実施態様であり、R11はフェニルまたは低級アルキルであり、且つR1’およびR2’は非置換低級アルキルである。
【0051】
化合物I−Bの化合物の他の実施態様によれば、Pは、5員または6員および窒素もしくは酸素または酸素もしくは硫黄のような2個のヘテロ原子を含むヘテロ芳香族環であることができる。この実施態様においては、R1’およびR2’は、低級アルキル、水素またはアルコキシである。
【0052】
好ましい上記の化合物は、
7,N1−ジメチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
N1−エチル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−7,N1,N1,N3−テトラメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジエチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−エチル−N1−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−エチル−N1,N1−ジメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
N1,N1−ジエチル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−メチル−N1,N1−ジプロピル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−メチル−1−ピペリジン−1−イル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−3−イルアミン、
N1,N1−ジベンジル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−メチル−1−ピロリジン−1−イル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−3−イルアミン、
6−(2−メトキシ−フェニル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(2−メトキシ−フェニル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
N1,N1−ジエチル−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1,N3−テトラメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−ヨード−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジメチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−フラン−2−イル−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−フラン−2−イル−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
2−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノール、
2−(3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−エタノール、
3−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−プロパン−1−オール、
3−(3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−プロパン−1−オール、
2−[3−アミノ−7−メチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノール、
6−フラン−3−イル−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−(4−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
2−(3−アミノ−1−ジメチルアミノ−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−6−イル)−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
6−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−,3−ジアミン、
7,N1−ジメチル−6−{2−フェノキシ−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
2−[3−アミノ−7−(2−ヒドロキシエチル)−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノール、
6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
3−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−プロパン−1,2−ジオール、
2−[3−アミノ−1−ジメチルアミノ−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−7−イル]−エタノール、
[(4−{2−[3−アミノ−1−ジメチルアミノ−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−7−イル]−エトキシメチル}−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸、
6−(5−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(5−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ビス−(2−ベンジルオキシ−エチル)−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
2−[[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イル]−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]−エタノール、
3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−2,7−ジヒドロ−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−オン、
7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、および
6−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン
よりなる群から選択されるもの、および薬学的に許容しうるその塩である。
【0053】
他の好ましい上記の化合物は、
7,N1−ジメチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
7,N1,N1−トリメチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
N1−エチル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
6−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−7,N1,N1,N3−テトラメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジエチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
7−エチル−N1−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
7−エチル−N1,N1−ジメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
N1,N1−ジエチル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
7−メチル−N1,N1−ジプロピル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
7−メチル−1−ピペリジン−1−イル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−3−イルアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
N1,N1−ジベンジル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
7−メチル−1−ピロリジン−1−イル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−3−イルアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
6−(2−メトキシ−フェニル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
6−(2−メトキシ−フェニル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
N1,N1−ジエチル−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
7,N1,N1−トリメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
7,N1,N1,N3−テトラメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
6−ヨード−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジメチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
6−フラン−2−イル−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−フラン−2−イル−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
2−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノール;トリフルオロ酢酸との化合物、
2−(3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−エタノール;トリフルオロ酢酸との化合物、
3−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−プロパン−1−オール;トリフルオロ酢酸との化合物、
3−(3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−プロパン−1−オール;トリフルオロ酢酸との化合物、
2−[3−アミノ−7−メチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノール;トリフルオロ酢酸との化合物、
6−フラン−3−イル−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−(4−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
2−(3−アミノ−1−ジメチルアミノ−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−6−イル)−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
6−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
7,N1−ジメチル−6−(2−フェノキシ−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
2−[3−アミノ−7−(2−ヒドロキシ−エチル)−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノール;トリフルオロ酢酸との化合物、
6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
3−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−プロパン−1,2−ジオール;トリフルオロ酢酸との化合物、
2−[3−アミノ−1−ジメチルアミノ−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−7−イル]−エタノール;トリフルオロ酢酸との化合物、
[(4−{2−[3−アミノ−1−ジメチルアミノ−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−7−イル]−エトキシメチル}−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸、
6−(5−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(5−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
7,N1,N1−トリメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ビス−(2−ベンジルオキシ−エチル)−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン;トリフルオロ酢酸との化合物、
2−[[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イル]−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]−エタノール;トリフルオロ酢酸との化合物、
3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−2,7−ジヒドロ−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−オン、
7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、および
6−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン
よりなる群から選択されるもの、および薬学的に許容しうるその塩である。
【0054】
特に好ましい上記の化合物は、
7,N1−ジメチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−エチル−N1−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(5−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、および
6−フラン−2−イル−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン
よりなる群から選択されるもの、および薬学的に許容しうるその塩である。
【0055】
他の特に好ましい上記の化合物は、
7,N1−ジメチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩、
7,N1−ジメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩、
6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩、
7−エチル−N1−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩、
6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(5−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、および
6−フラン−2−イル−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩、
よりなる群から選択されるもの、および薬学的に許容しうるその塩である。
【0056】
上記の化合物の各々は、個々に、本発明の好ましい実施態様を構成する。薬学的に許容しうる塩および/または薬学的に許容しうるエステルではない、上記の化合物が好ましい。
【0057】
式(I)の化合物は、1つ以上の不斉炭素原子を有し、光学的に純粋なエナンチオマー、光学的に純粋なジアステレオ異性体またはジアステレオ異性体の混合物の形態で存在することができる。光学活性な形態は、例えば、ラセミ混合物の分割、不斉合成または不斉クロマトグラフィー(キラル吸着剤または溶出剤でのクロマトグラフィー)により得ることができる。本発明は、全てのその様な形態を包含する。
【0058】
本発明における一般式(I)の化合物は、官能基で誘導体化して、生体内(in vivo)で変換して親化合物に戻すことができる誘導体をもたらすことができる。生体内で一般式(I)の親化合物を製造できる、生理学的に許容でき且つ代謝的に変化しやすい誘導体もまた、本発明の範囲内である。
【0059】
本発明のさらなる態様は、式(XII):
【0060】
【化46】

【0061】
の化合物を、式(XIII):
【0062】
【化47】

【0063】
(式中、R1、R2、R3、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびAは、上で与えられた意味を有する)
と反応させることを含む、上記の式(I)の化合物の製造方法である。
【0064】
式XIIの化合物の式XIIIの化合物とのその反応は、当業者に周知の方法、例えば、以下に記載の例およびスキームと同様に行うことができる。反応は、例えばDMEまたはETOH等の溶媒中で、例えば、Pd(P(フェニル)34と行うことができ、Na2CO3およびH2Oで処理する。
【0065】
本発明の他の実施態様は、上記の方法で製造される、上記の化合物に関する。
【0066】
上記のように、本発明の化合物は、PTP1B阻害剤により調節される疾患の治療および/または予防用の医薬として使用することができる。そのような疾患の例は、高い血中グルコース濃度に基づく疾患、特に糖尿病である。本発明の化合物は、生体外(in vitro)でPTP1Bを阻害し、生体内(in vivo)で血中グルコース濃度を低下させることを示す。したがって、本発明の化合物は糖尿病の処置に有用である。
【0067】
したがって、本発明はまた、上記の化合物ならびに薬学的に許容しうる担体および/または助剤を含む、医薬組成物に関する。
【0068】
さらに、本発明は、治療上活性な物質として、特にPTP1B阻害剤により調節される疾患の治療および/または予防用の、治療上活性な物質として使用するための、上記の化合物に関する。そのような疾患の例は、高い血中グルコース濃度に基づく疾患、特に糖尿病である。
【0069】
他の実施態様において、本発明は、上記の化合物を人間または動物に投与することを含む、PTP1B阻害剤により調節される疾患の治療および/または予防方法に関する。そのような疾患の好ましい例は、高い血中グルコース濃度に基づく疾患、特に糖尿病である。
【0070】
本発明は、さらに、PTP1B阻害剤により調節される疾患の治療および/または予防用の、上記の化合物の使用に関する。そのような疾患の好ましい例は、高い血中グルコース濃度に基づく疾患、特に糖尿病である。
【0071】
さらに、本発明は、PTP1B阻害剤により調節される疾患の治療および/または予防用の医薬の製造用の、上記の化合物の使用に関する。そのような疾患の好ましい例は、高い血中グルコース濃度に基づく疾患、特に糖尿病である。そのような医薬は、上記の化合物を含む。
【0072】
本発明の化合物は、経口的に、経直腸的に、または非経口的に、例えば、静脈内に、筋肉内に、皮下に、クモ膜下に、もしくは経皮的に;あるいは舌下に、または眼科的製剤として投与することができる。経口投与用のカプセル、錠剤、懸濁液もしくは溶液、座薬、注入用溶液、目薬、軟膏または噴霧溶液が投与形態の例である。
【0073】
静脈内、筋肉内、経口または吸入投与が、好ましい使用形態である。本発明の化合物が有効量で投与される服用量は、特定の活性成分の性質、患者の年齢および必要性、投与形態に依存する。服用量は、任意の慣用の手段、例えば、用量限定臨床試験により決定しうる。一般に、一日あたり約0.1〜100mg/kg体重が好ましく、一日あたり約1〜25mg/kg体重が特に好ましい。
【0074】
本発明は、薬学的に有効量の本発明の化合物および薬学的に許容しうる担体を含有する医薬組成物をさらに含む。そのような組成物は、任意の慣用の方法により処方される。錠剤または顆粒剤は、一連の結合剤、充填剤、担体または希釈剤を含むことができる。液体組成物は、例えば、滅菌水混和性溶液の形態であることができる。カプセル剤は、活性成分の他に、充填剤または増粘剤を含むことができる。さらに、風味改善用添加剤ならびに保存剤、安定剤、湿度保持剤および乳化剤として通常使用される物質ならびに浸透圧を変化させる塩、緩衝液および他の添加剤もまた存在することができる。
【0075】
前述の担体材料および希釈剤は、任意の慣用の薬学的に許容しうる有機または無機物質、例えば、水、ゼラチン、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアゴム、ポリアルキレングリコール等を含むことができる。
【0076】
経口の単位服用量形態、例えば錠剤およびカプセル剤は、好ましくは、25mg〜1000mgの本発明の化合物を含有する。本発明の化合物は、慣用の方法により製造しうる。
【0077】
本発明によれば、本明細書中の化合物およびそれらの薬学的に許容しうる塩は、高い血中グルコース濃度に伴う病気の抑制または予防に有用である。本発明に伴う好ましい適応は、糖尿病に伴うそれである。
【0078】
服用量は、広い範囲で変化することができ、当然のことながら、各々の特定の場合における個々の要件に適合させる必要がある。経口投与の場合には、成人に対する服用量は、式IもしくはIIの化合物を1日あたり約0.01mg〜約1000mg、または薬学的に許容しうるその塩を対応する量で、変化しうる。一日の服用量は、単一投与としてまたは分割投与で投与することができ、さらに、上限は、これが指示された時に、超えることもできる。
【0079】
式(I)の化合物は、以下の方法、例で示される方法、または類似の方法により製造することができる。それぞれの反応工程に対する適切な反応条件は、当業者に公知である。原料は、市販されているか、あるいは以下の方法と類似の方法、本文もしくは例中に引用された文献に記載の方法、またはこの分野で公知の方法により製造することができる。
【0080】
本発明の化合物を製造する特定の方法が、以下のスキームに記載されている。
【0081】
【化48】

【0082】
以下のスキーム2は、一般的な合成工程を提供し、例は、スキームの方法の詳細な記載を提供する。
【0083】
【化49】

【0084】
化合物II: N,N−ジメチルホルムアミド(700mL)およびエタノール(1400mL)中の硫酸銀(100g、0.32mol)およびヨウ素(82g、0.32mol)の混合物を、5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドールI(48g、0.29mol)で処理した。得られた混合物を、25℃で1.5時間攪拌し、ろ過し、次いで、フィルターパッドを酢酸エチルで洗浄した。ろ液を真空下で約500mLの容積に濃縮した。この溶液を、1.0Nチオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(400mL)で処理した。得られた析出物をろ集し、水と石油エーテルで洗浄し、真空下に乾燥して、7−ヨード−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドールII(83.9g、98.9%)を白色の固体として得た:
【0085】
【表1】

【0086】
化合物III: エタノール(1200mL)とイソプロパノール(20mL)中の7−ヨード−5−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドールII(15g、51.7mmol)の溶液を25℃で、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(13.6g、59.9mmol)で処理した。得られた溶液を65℃に加温し、空気を1時間吹き込んだ。追加の0.57当量の2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(6.8g、29.9mmol)を加え、反応物を、65℃でさらに2時間攪拌した後、真空下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(メルクシリカゲル60、230〜400メッシュ、90/10 トルエン/酢酸エチル)により、7−ヨード−5−ニトロ−1H−インドールIII(13.07g、79%)を黄色固体として得た:
【0087】
【表2】

【0088】
化合物IV: メタノール(650mL)中の7−ヨード−5−ニトロ−1H−インドールIII(20g、69.4mmol)の溶液を25℃で、水(550mL)中の塩化アンモニウム(26.1g、485.8mmol)の溶液および鉄粉(13.6g、242.9mmol)で処理した。混合物を100℃で窒素雰囲気下に5時間加熱した。得られた混合物をセライトのパッドでろ過し、セライトパッドを熱メタノールで洗浄した。ろ液を真空下に濃縮し、残渣を塩化メチレンと水の間で分配し、分離した。水層のpHを水酸化アンモニウムでpH=10に調整し、塩化メチレンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空下に250mLの容積に濃縮した。この溶液を、ジオキサン中の4.0M塩酸水溶液で処理し、25℃で2時間攪拌した。析出物をろ集し、塩化メチレンと石油エーテルで洗浄して、7−ヨード−1H−インドール−5−イルアミン塩酸塩IV(24.7g、定量的)を灰色の固体として得た。
【0089】
【表3】

【0090】
化合物V: N,N−ジメチルホルムアミド(400mL)中の7−ヨード−1H−インドール−5−イルアミン塩酸塩IV(24.6g、83.7mmol)の溶液を25℃で、ナトリウムジシアナミド(18.6g、209mmol)で処理した。反応混合物を50℃に2時間加温し、真空下で濃縮し、残渣を水(500mL)で処理した。得られた混合物を25℃で2.5時間放置し、その間に黄色析出物が生成した。析出物をろ集し、水で洗浄して、N”−シアノ−N−(7−ヨード−1H−インドール−5−イル)グアニジンV(22.59g、83%)を明黄色の固体として得た。
【0091】
【表4】

【0092】
化合物VI: 2−メトキシエチルエーテル(50mL)中のN”−シアノ−N−(7−ヨード−1H−インドール−5−イル)グアニジンV(6.08g、18.7mmol)の溶液を、175℃で32.5時間加熱した。反応混合物を25℃に冷却し、得られた固体をろ去し、メタノールで洗浄した。ろ液を真空下に濃縮して、褐色油状体を得た。残渣をメタノールに溶解し、次いで、メルクシリカゲル60、230〜400メッシュ(25g)上に吸収した。フラッシュクロマトグラフィー(メルクシリカゲル60、230〜400メッシュ、90/10/1 塩化メチレン/メタノール/水酸化アンモニウム)により、6−ヨード−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンVI(3.61g、59%)を褐色固体として得た:
【0093】
【表5】

【0094】
化合物VII: 誘導体VIを種々のハロゲン化物(例えば、RaBrまたはRaI、ここでRaは上で定義される)でアルキル化するために使用される典型的な反応条件は、エチルエーテルまたはDMEまたはテトラヒドロフランまたはDMF等の好適な溶媒中、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムまたは水酸化リチウム等の好適な塩基を用いて、−78〜25℃の範囲の温度であり、6−ヨード−7−アルキル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンVIIを得る。
【0095】
化合物VIII:得られた6−ヨード−7−アルキル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンVIIを、次いで、−50℃〜室温で、エチルエーテルまたはDMEまたはテトラヒドロフランまたはDMF等の好適な溶媒中、水素化ナトリウム等の好適な塩基と種々のハロゲン化物(例えば、R1Br、R2Br、R3BrまたはR1I、R2I、R3I、ここでR1、R2、R3は上で定義される)でさらにアルキル化して、モノ−、ジ−またはトリ−置換6−ヨード−7−アルキル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンVIIIを得た。
【0096】
化合物IX: カップリング反応は、慣用のアリールカップリング方法、例えば、スズキカップリング法:(a) Suzukiら、Synth. Commun. 1981, 11, 513, (b) Suzuki, Pure and Appl. Chem. 1985, 57, 1749-1758, (c) Suzukiら、Chem. Rev. 1995, 95, 2457-2483, (d) Shiehら、J. Org. Chem. 1992, 57, 379-381, (e) Martinら、Acta Chemica Svandinavica. 1993, 47, 513により行うことができる。
【0097】
VIIIのスズキカップリング反応を行うのに用いられる典型的な条件は、25〜125℃の範囲の温度で、2〜18時間、水性エタノールまたはTHFまたはDMFまたはエチレングリコール等の好適な溶媒中で、重炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムまたは水酸化バリウムまたはトリエチルアミン溶液等の水性塩基中で、結合相手としてのアリールもしくはヘテロ芳香族ボロン酸またはエステル(例えば、Arはアリールとして定義される)のいずれか、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロ−パラジウム(II)等のパラジウム触媒(2〜20モル%)の使用を含み、化合物6−アリール置換7−アルキル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンIXが得られた。
【0098】
あるいは、カップリング反応は、Stilleカップリング、例えばStilleら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1986, 25, 508を利用して、アリールまたはヘテロ芳香族結合相手により行うことができる。
Stille反応を行うのに使用される典型的な条件は、25〜125℃の範囲の温度で、2〜18時間、THFまたはDMFまたはエチレングリコール等の好適な無水溶媒中で、結合相手としての有機スズ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロ−パラジウム(II)等のパラジウム触媒(2〜20モル%)、フッ化カリウムまたは塩化リチウム等の塩の使用を含み、6−アリール置換7−アルキル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンIXが得られた。
【0099】
以下のスキーム3は、代わりの一般的な合成工程を提供し、例は、スキームの方法の詳細な記述を提供する。
【0100】
【化50】

【0101】
化合物VII: 誘導体VIを種々のハロゲン化物(例えば、RaBrまたはRaI、ここでRaは上で定義される)でアルキル化するために使用される典型的な反応条件は、テトラヒドロフラン、DMF等の好適な溶媒中、水酸化ナトリウム等の好適な塩基を用いて、−78〜25℃の範囲の温度で行われ、6−ヨード−7−アルキル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンVIIが得られた。
【0102】
化合物X: カップリング反応は、慣用のアリールカップリング方法、例えば、スズキカップリング法:(a) Suzukiら、Synth. Commun. 1981, 11, 513, (b) Suzuki, Pure and Appl. Chem. 1985, 57, 1749-1758, (c) Suzukiら、Chem. Rev. 1995, 95, 2457-2483, (d) Shiehら、J. Org. Chem. 1992, 57, 379-381, (e) Martinら、Acta Chemica Svandinavica. 1993, 47, 513により行うことができる。
【0103】
VIIのスズキカップリング反応を行うのに用いられる典型的な条件は、25〜125℃の範囲の温度で、2〜18時間、水性エタノールまたはTHFまたはDMFまたはエチレングリコール等の好適な溶媒中で、重炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムまたは水酸化バリウムまたはトリエチルアミン溶液等の水性塩基中で、結合相手としてのアリールもしくはヘテロ芳香族ボロン酸またはエステル(例えば、Arはアリールとして定義される)のいずれか、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロ−パラジウム(II)等のパラジウム触媒(2〜20モル%)の使用を含み、化合物Xが得られた。あるいは、カップリング反応は、Stilleカップリング、例えばStilleら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1986, 25, 508を利用して、アリールまたはヘテロ芳香族結合相手により行うことができる。
【0104】
Stille反応を行うのに使用される典型的な条件は、25〜125℃の範囲の温度で、2〜18時間、THFまたはDMFまたはエチレングリコール等の好適な無水溶媒中で、結合相手としての有機スズ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロ−パラジウム(II)等のパラジウム触媒(2〜20モル%)、フッ化カリウムまたは塩化リチウム等の塩の使用を含み、化合物Xが得られた。
【0105】
化合物XI: 次いで、化合物Xは、−50℃〜室温で、水素化ナトリウム等の好適な塩基および種々のハロゲン化物(例えば、R1Br、R2Br、R3BrまたはR1I、R2I、R3I、ここでR1、R2、R3は上で定義される)でさらにアルキル化して、モノ−、ジ−またはトリ−置換化合物XIが得られた。アルキル化の調節は、使用されるハロゲン化物の適切な当量を選択することにより、調節することができる。
【0106】
本発明は、以下の実施例により例証される。実施例において、実施例2〜22は実施例1の手順により行われ、実施例24〜42は実施例23の手順により行われた。
【0107】
実施例
実施例1
(A)2−(3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−エタノールトリフルオロ酢酸塩
【0108】
【化51】

【0109】
テトラヒドロフラン(100mL)中の6−ヨード−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンVI(2.68g、8.24mmol)の溶液を、粉末水酸化ナトリウム(0.66g、16.5mmol)、ヨードメタン(0.62mL、9.96mmol)及び臭化テトラブチルアンモニウム(0.8g、2.48mmol)で処理し、得られた混合物を25℃で18時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣を塩化メチレン(70mL)と水(70mL)に分配し、この混合物を25℃で30分間撹拌した。沈殿物をろ過により単離し、水で洗浄し、真空下で乾燥させ、6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン(2.67g、95.5%)を黄色の固体として得た。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ7.58(s,1H)、7.47(d,J=2.93Hz,1H)、6.99(d,J=2.93Hz,1H)、6.78(broad s,2H)、5.83(broad s,2H)、4.16(s,3H)。
【0110】
テトラヒドロフラン(20mL)及びN,N‐ジメチルホルムアミド(10mL)中の6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン(580mg、1.71mmol)の溶液を−50℃に冷却し、60%水素化ナトリウム(270mg、6.84mmol)で処理した。反応混合物を−20℃に温め、20分間撹拌し、−50℃に再冷却した。2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(300mg、1.88mmol)を加え、氷浴を取り外し、得られた混合物を25℃で6時間撹拌した。次に、反応混合物を−4℃に再冷却し、60%水素化ナトリウム(270mg、6.84mmol)でさらに処理し、続いて2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(300mg、1.88mmol)でさらに処理した。得られた混合物を25℃で2日間撹拌し、次に真空下で濃縮した。HPLC精製(5:95から95:5のアセトニトリル:水:0.75%TFA勾配を15分かけて使用して、21.2mm×100mmのZorbax CombiHTカラムにて、4回実施)に付して、2−(3−アミノ−6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−エタノールトリフルオロ酢酸塩(270mg、3,2%)をオフホワイトの固体として得た。遊離塩基C1314IN5Oに対するLRMS(M+H)+、m/z=348。
【0111】
エチレングリコールジメチルエーテル(8.0mL)及びエタノール(4.0mL)中の2−(3−アミノ−6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−エタノールトリフルオロ酢酸塩(90mg、0.23mmol)の溶液を25℃にてチオフェン−2−ボロン酸(60mg、0.47mmol)、2.0M重炭酸ナトリウム水溶液(2.0mL)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(5.0mg)で処理した。得られた混合物を18時間加熱還流した。得られた混合物を真空下で濃縮し、残渣をアセトニル及び水に懸濁し、ろ過した。HPLC精製(5:95から95:5のアセトニトリル:水:0.75%TFA勾配(15分)を用いた、21.2mm×100mmのZorbax CombiHTカラム)に付して、2−(3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−エタノールトリフルオロ酢酸塩を明黄色の固体として得た。C17175Oに対するLRMS(M+H)+、m/z=340。
【0112】
実施例2
同様の方法により下記を得た。
【0113】
【化52】

【0114】
2−(3−アミノ−6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−エタノールトリフルオロ酢酸塩及び5−メチルチオフェン−2−ボロン酸から、2−[3−アミノ−7−メチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノールトリフルオロ酢酸塩をオフホワイトの固体として得た。C18195OSに対するLRMS(M+H)+、m/z=354。
【0115】
実施例3
【0116】
【化53】

【0117】
3−(3−アミノ−6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−プロパン−1−オールトリフルオロ酢酸塩及びチオフェン−2−ボロン酸から、3−(3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−プロパン−1−オールトリフルオロ酢酸塩をオフホワイトの固体として得た。C18195OSに対するLRMS(M+H)+、m/z=354。
【0118】
実施例4
【0119】
【化54】

【0120】
6−ヨード−7,N1、N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、7,N1,N1−トリメチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸を白色の固体として得た。C201835に対するLRMS(M+H)+、m/z=386。
【0121】
実施例5
【0122】
【化55】

【0123】
N1−エチル−6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、N1−エチル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を白色の固体として得た。C201835に対するLRMS(M+H)+、m/z=386。
【0124】
実施例6
【0125】
【化56】

【0126】
3−(3−アミノ−6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−プロパン−1−オールトリフルオロ酢酸塩及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、3−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−プロパン−1−オールトリフルオロ酢酸塩をオフホワイトの固体として得た。C212035Oに対するLRMS(M+H)+、m/z=416。
【0127】
実施例7
【0128】
【化57】

【0129】
2−(3−アミノ−1−ジメチルアミノ−6−ヨード−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−7−イル)−エタノールトリフルオロ酢酸塩及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、2−[3−アミノ−1−ジメチルアミノ−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−7−イル]−エタノールトリフルオロ酢酸塩をオフホワイトの固体として得た。C212035Oに対するLRMS(M+H)+、m/z=416。
【0130】
実施例8
【0131】
【化58】

【0132】
2−[3−アミノ−7−(2−ヒドロキシ−エチル)−6−ヨード−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノールトリフルオロ酢酸塩及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、2−[3−アミノ−7−(2−ヒドロキシ−エチル)−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノールトリフルオロ酢酸塩をオフホワイトの固体として得た。C2120352に対するLRMS(M+H)+、m/z=432。
【0133】
実施例9
【0134】
【化59】

【0135】
3−(3−アミノ−6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−プロパン−1,2−ジオールトリフルオロ酢酸塩及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、3−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−プロパン−1,2−ジオールトリフルオロ酢酸塩をオフホワイトの固体として得た。C2120352に対するLRMS(M+H)+、m/z=432。
【0136】
実施例10
【0137】
【化60】

【0138】
2−[(3−アミノ−6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノールトリフルオロ酢酸塩及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、2−[[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イル]−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノールトリフルオロ酢酸塩を明黄色の固体として得た。C2222352に対するLRMS(M+H)+、m/z=446。
【0139】
実施例11
【0140】
【化61】

【0141】
7,N1−ビス−(2−ベンジルオキシ−エチル)−6−ヨード−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、7,N1−ビス−(2−ベンジルオキシ−エチル)−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を明黄色の固体として得た。C3532352に対するLRMS(M+H)+、m/z=612。
【0142】
実施例12
【0143】
【化62】

【0144】
({4−[2−(3−アミノ−1−ジメチルアミノ−6−ヨード−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−7−イル)−エトキシメチル]−フェニル}−ジフルオロ−メチル)−ホスホン酸及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、[(4−{2−[3−アミノ−1−ジメチルアミノ−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−7−イル]−エトキシメチル}−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸を明黄色の固体として得た。C2927554Pに対するLRMS(M+H)+、m/z=636。
【0145】
実施例13
【0146】
【化63】

【0147】
N1,N1−ジベンジル−6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、N1,N1−ジベンジル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を白色の固体として得た。C322635に対するLRMS(M+H)+、m/z=538。
【0148】
実施例14
【0149】
【化64】

【0150】
2−(3−アミノ−6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−エタノールトリフルオロ酢酸塩及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、2−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノールトリフルオロ酢酸塩をオフホワイトの固体として得た。C201835Oに対するLRMS(M+H)+、m/z=402。
【0151】
実施例15
【0152】
【化65】

【0153】
N1,N1−ジエチル−6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、N1,N1−ジエチル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩をオフホワイトの固体として得た。(ES)+-HRMS m/e C221956の計算値(M+H)+468.1617、実測値468.1618。
【0154】
実施例16
【0155】
【化66】

【0156】
6−ヨード−7−メチル-N1,N1−ジプロピル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸性塩及び2−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸から、7−メチル−N1,N1−ジプロピル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を白色の固体として得た。C242635に対するLRMS(M+H)+、m/z=442。
【0157】
実施例17
【0158】
【化67】

【0159】
6−ヨード−7,N1、N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン及びフラン3−ボロン酸から、6−フラン−3−イル−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを得た。EI-HRMS m/e C17175Oの計算値(M+)307.1433、実測値307.1427。
【0160】
実施例18
【0161】
【化68】

【0162】
6−ヨード−7,N1、N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン及び4−メチルチオフェン−2−ボロン酸から、7,N1,N1−トリメチル−6−(4−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを得た。(ES)+-HRMS m/e C18195Sの計算値(M+)337.1361、実測値337.1357。
【0163】
実施例19
【0164】
【化69】

【0165】
6−ヨード−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]]キナゾリン−1,3−ジアミン及び1−(t−ブトキシカルボニル)ピロール−2−ボロン酸から、2−(3−アミノ−1−ジメチルアミノ−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−6−イル)−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。EI-HRMS m/e C222662の計算値(M+)406.2117、実測値406.2115。
【0166】
実施例20
【0167】
【化70】

【0168】
6−ヨード−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン及び5−メトキシ−2−チオフェンボロン酸から、6−(5−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]]キナゾリン−1,3−ジアミンを得た。EI-HRMS m/e C18195OSの計算値(M+)353.1310、実測値353.1306。
【0169】
実施例21
【0170】
【化71】

【0171】
6−ヨード−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン及び2,6−ジメチルフェニルボロン酸から、6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩をオフホワイトの固体として得た。EI-HRMS m/e C20215の計算値(M+)331.1797、実測値331.1786。
【0172】
実施例22
【0173】
【化72】

【0174】
6−ヨード−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン及び2,4−ジメトキシピリミジン−5−ボロン酸から、6−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを白色の固体として得た。EI-HRMS m/e C192172の計算値(M+)379.1757、実測値379.1763。
【0175】
実施例23
【0176】
7,N1−ジメチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン
【0177】
【化73】

【0178】
テトラヒドロフラン(20mL)中の6−ヨード−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン(実施例1にて調製、400mg、1.23mmol)の溶液を25℃にて水酸化ナトリウム(98mg、2.46mmol)、ヨウ化メチル(0.09mL、1.48mmol)、及び臭化テトラブチルアンモニウム(198mg、0.62mmol)で処理し、25℃で18時間撹拌した。得られた混合物を、酢酸エチル、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で処理し、振とうし、分離した。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮し、6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン(500mg)を黄色の固体として得た。生成物を更に精製しないで次の反応に使用した。
【0179】
エタノール(6.0mL)、エチレングリコールジメチルエーテル(6.0mL)及び飽和炭酸ナトリウム水溶液(3.0mL)中の6−ヨード−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン(600mg、1.77mmol)、2−(チオフェン)ベンゼンボロン酸(321mg、2.20mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(231mg、0.2mmol)の混合物を18時間加熱還流した。得られた混合物を水に注ぎ、塩化メチレン/メタノールの9/1の溶液で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、真空下で乾燥させた。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、9:1 塩化メチレン/メタノール)に付して、7−メチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン(190mg、34.8%)を、固体として得た:EI-HRMS m/e C16155Sの計算値(M+H)310.1121、実測値310.1125。
【0180】
N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中の7−メチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン(100mg、0.32mmol)の溶液を25℃にて15分間、60%水素化ナトリウム(25mg、0.62mmol)及びヨードメタン(0.62mL、0.35mmol)で処理し、25℃で15分間撹拌した。得られた混合物を水に注ぎ、塩化メチレン/メタノールの9/1の溶液で抽出した。フラッシュクロマトグラフィー(メルクシリカゲル60、230〜400メッシュ、9:1塩化メチレン/メタノール)に付して、7,N1−ジメチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン(12mg,11.5%)を、明黄色の固体として得た:EI-HRMS m/e C1717Sの計算値(M+H)324.1278、実測値324.1280;及び7,N1,N1−トリメチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]]キナゾリン−1,3−ジアミン(18mg、16.5%)を暗褐色の固体として得た:EI-HRMS m/e C18195Sの計算値(M+H)+338.1434、実測値338.1437。
【0181】
実施例24
【0182】
【化74】

【0183】
6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、7,N1,N1−トリメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを得た。EI-HRMS m/e C201835の計算値(M+)385.1517、実測値385.1514。
【0184】
実施例25
【0185】
【化75】

【0186】
6−フラン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、6−フラン−2−イル−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ−酢酸塩を明黄色の固体として得た。EI-HRMS m/e C16155Oの計算値(M+)293.1277、実測値293.1280。
【0187】
実施例26
【0188】
【化76】

【0189】
6−フラン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、6−フラン−2−イル−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを黄色の固体として得た。EI-HRMS m/e C17175Oの計算値(M+)307.1433、実測値307.1434。
【0190】
実施例27
【0191】
【化77】

【0192】
6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩から、7,N1−ジメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を明黄色の固体として得た。C16155Sに対するLRMS(M+H)、m/z=310。
【0193】
実施例28
【0194】
【化78】

【0195】
6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、7−エチル−N1−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を得た。(ES)+-HRMS m/e C17175Sの計算値(M+H)324.1277、実測値324.1281。
【0196】
実施例29
【0197】
【化79】

【0198】
7−メチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、7,N1,N1−トリメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを黄色の固体として得た。EI-HRMS m/e C17175Sの計算値(M)323.1205、実測値323.1209。
【0199】
実施例30
【0200】
【化80】

【0201】
7−メチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、7,N1,N1−トリメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを黄色の固体として得た。EI-HRMS m/e C17175Sの計算値(M+)323.1205、実測値323。
【0202】
実施例31
【0203】
【化81】

【0204】
7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、7,N1−ジメチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを黄色の固体として得た。(ES)+-HRMS m/e C17175Sの計算値(M+H)+324.1278、実測値324.1280。
【0205】
実施例32
【0206】
【化82】

【0207】
7−メチル−6−(2−メトキシ−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、6−(2−メトキシ−フェニル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を白色の固体として得た。C19195Oに対するLCMS(M+)+、m/z=333。
【0208】
実施例33
【0209】
【化83】

【0210】
7−エチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、7,N1−ジエチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を得た。(ES)+-HRMS m/e C18195Sの計算値(M+H)+338.1434、実測値338.1437。
【0211】
実施例34
【0212】
【化84】

【0213】
7−エチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、7−エチル−N1、N1−ジメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を得た。(ES)+-HRMS m/e C18195Sの計算値(M+H)+338.1434、実測値338.1437。
【0214】
実施例35
【0215】
【化85】

【0216】
7−メチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、7,N1,N1−トリメチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを黄色の固体として得た。(ES)+-HRMS m/e C18195Sの計算値(M+H)+338.1434、実測値338.1437。
【0217】
実施例36
【0218】
【化86】

【0219】
6−(5−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、6−(5−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを白色の固体として得た。EI-HRMS m/e C17175OSの計算値(M+)339.1154、実測値339.1159。
【0220】
実施例37
【0221】
【化87】

【0222】
6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩をオフホワイトの固体として得た。EI-HRMS m/e C21235の計算値(M+)345.1953、実測値345.1958。
【0223】
実施例38
【0224】
【化88】

【0225】
6−(2−メトキシ−フェニル)−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、6−(2−メトキシ−フェニル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を白色の固体として得た。EI-HRMS m/e C20215Oの計算値(M+)347.1746、実測値347.1739。
【0226】
実施例39
【0227】
【化89】

【0228】
7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、N1,N1−ジエチル−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を明黄色の固体として得た。EI-HRMS m/e C19215Sの計算値(M+)351.1518、実測値351.1517。
【0229】
実施例40
【0230】
【化90】

【0231】
6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを黄色の固体として得た。EI-HRMS m/e C18195OSの計算値(M+)353.1310、実測値353.1307。
【0232】
実施例41
【0233】
【化91】

【0234】
7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、7,N1−ジメチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミントリフルオロ酢酸塩を得た。1H NMR(DMSO-d6,400 MHz)δ 12.36 (m,1H), 8.09 (m,1H), 7.98 (d,J = 7.81 Hz, 1H), 7.81 (m, 3H), 7.71 (d, J = 2.93 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 5.86 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 3.91 Hz, 1H),7. 04(s, 1H), 3. 21 (d, J = 3.91 Hz,3H),3.17 (s, 3H)
【0235】
実施例42
【0236】
【化92】

【0237】
6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンから、6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミンを明黄色の固体として得た。EI-HRMS m/e C17175OSの計算値(M+)339.1154、実測値339.1148。
【0238】
実施例43
PTPBのインビトロ阻害
酵素
従来の分子生物学技術を用いて、ヒトcDNAライブラリーからヒトPTPBをクローンした。cDNA配列は、公開されたヒトPTPB配列(目録番号M33689)と同一であった。タンパク質を、Barford D.ら, J. Mol Biol (1994) 239, 726-730で記載されたように、E. coliから発現し、精製した。
【0239】
タンパク質チロシンホスファターゼアッセイ
タンパク質チロシンホスファターゼ活性の測定を、2つの方法のうちの一つを使用して実施した。
PTPB阻害活性の測定のための第1の方法において、インスリン受容体チロシン自己リン酸化部位1146(TRDI(pY)E)のアミノ酸配列に基づくチロシンリン酸化ペプチドを基質として使用した。反応条件は下記であった。
PTPB(0.5〜2nM)を、37.5mMビス−トリス緩衝剤、pH6.2、140mM NaCl、0.05%BSA及び2nM DTTを含有する緩衝剤中で、化合物と共に15分間インキュベートした。反応は50μMの基質を添加することにより開始させた。室温(22〜25℃)で20分後、反応をKOHにより停止させ、遊離リン酸塩の量を、前記のように(Harderら. 1994 Biochem J. 298; 395)、マラカイトグリーンを使用して測定した。
【0240】
一団のタンパク質チロシンホスファターゼにわたる一般的なタンパク質チロシンホスファターゼ阻害活性の測定のために第2の方法を使用し、基質(6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルホスフェート(DiFMUP; Molecular Probes製))をそれぞれの酵素にKmで使用した。緩衝条件は、マラカイトグリーンアッセイと同一であった。反応をKOHで停止させた。この場合、脱リン酸化生成物が蛍光になり、蛍光を読みとった。(励起:360mM/発光:460nM)。
【0241】
動態学的試験のため、酵素を使用して反応を開始させ、10分後に反応を停止させる以外は、同じ緩衝条件を使用した。
【0242】
本願の化合物のPTPB阻害活性のIC50値(μM)は、0.1μM〜500μM、好ましくは1μM〜100μMの範囲であった。最も好ましい化合物は、<30.0μMのIC50を示した。
【0243】
幾つかの化合物とその対応するIC50値の例は下記である。
【0244】
【表6】

【0245】
実施例44
グルコース取込アッセイ
アッセイの前日にSKMC培地を、高グルコースDMEM、25mMヘペス、pH7.0及び2%木炭/デキストランで19時間処置したFSBに代えた。
【0246】
アッセイの朝に細胞を低グルコース(5.5mMグルコース)DMEM、25mMヘペス、pH7.0及び0.5%BAS中で最大2時間飢餓状態にした。飢餓培地を除去し、1%DMSO又は最終濃度1、0.1、0.05、0.01及び0.01μMにDSMO若しくはブタインスリンで希釈された試験化合物のいずれかを含有する試験培地(150mM NaCl、25mMヘペス、pH7.0)に代えた。各アッセイポイントを三重に実施した。細胞を37℃で45分間インキュベートした。10μMのサイトカラシンB(CB)を適切なウエルに加えて、活性グルコース輸送(すなわちGLUT1&4)を停止させた。この時点で、2−デオキシ−D(U−14C)グルコース(Amersham、コードCFB195、200uCi/ml)を最終濃度0.8μCi/mlで全てのウエルに加えた。細胞をインキュベーター中、37℃で更に45分間インキュベートした。次に細胞をPBS(RT)中で3回、非常に穏やかに洗浄した。次に0.05%NaOH溶液を20分間室温で加えて、細胞を溶解した。溶解物を、シンチレーション液5mlを含有するシンチレーションバイアルに移し、Beckman LS6500シンチレーションカウンタでカウントした。結果の分析:CBにより得られたカウント(受動グルコース輸送値)をPI(又は化合物)で得られたあらゆる値から控除して、活性グルコース輸送のみを評価した。PI(又は化合物)の存在下の値を、DMSO(対照)の存在下で得られた値により除して、倍増を計算した。化合物は、0.05μMでグルコース取り込みをブタインスリン反応の少なくとも25%増加させたとき、活性であると見なされた。
【0247】
PTPBのインビボでの阻害:マウスモデルにおける血中グルコース濃度に対する化合物の効果
【0248】
抗糖尿病効果を測定するため、確立されたII型糖尿病及び肥満のげっ歯類インビボモデルで化合物を試験した。
【0249】
実施例45
食餌誘発肥満C57BL6/Jマウス(DIOマウス)
高脂肪食餌を4〜6か月間維持して、II型糖尿病を有するマウスを発生させた(Diabetes vol. 37 Sept 1988)。雄C57B16/Jマウス(週齢3〜4週)を高脂肪食餌に4〜6か月付した。この時点で、高血糖性及び高インシュリン性になり、40〜50gの体重となった。DIOマウス(n=10)の体重を計測し、経口処置の2時間前から絶食させた。投与の直前に、尾の一部を切り、尾の静脈から血液を収集して、投与前血中グルコース読み取りを実施した。マウスを、化合物の単回投与(急性)又は1日1回で5日間(亜慢性)のいずれかにより処置した。急性試験では、グルコースを、一般に、処置の2時間後、4時間後、6時間後、8時間後で測定した。化合物は、ビヒクル処置動物と比較して統計的に有意に(p≦0.05)グルコースを低下させる(>15%)ことを示したとき、活性であると見なされた。
【0250】
亜慢性(5日間)試験では、マウスに胃管栄養法で上記記載のように1日1回投与した。5日目に、グルコースを投与前(0時)及び投与2時間後で測定した。インスリン及びトリグリセリドを投与2時間後に測定した。化合物は、ビヒクル処置動物と比較して統計的に有意に(p≦0.05)グルコース、インスリン及びトリグリセリドを低下させることを示したとき、活性であると見なされた。
【0251】
実施例A
下記の成分を含有する錠剤は常法により製造できる。
【0252】
【表7】

【0253】
実施例B
下記の成分を含有するカプセル剤は常法により製造できる。
【0254】
【表8】

【0255】
実施例C
注射用液剤は下記の組成を有することができる。
【0256】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


(式中、
Aは、不飽和もしくは飽和の5員環もしくは6員環、またはS、NおよびOより選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む不飽和もしくは飽和の5員環もしくは6員環であり、
1は、低級アルキル、アセチル、ジメチルスルファモイル、ヒドロキシアルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、フェニル低級アルキル、ベンジルオキシ−アルキル、およびフェニル低級アルコキシ低級アルキルよりなる群から選択され;
2は、水素、低級アルキル、アセチル、ヒドロキシアルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、フェニル低級アルキル、およびフェニル低級アルコキシ低級アルキルよりなる群から選択され;
3は、水素またはメチルであり;
Raは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ ヒドロキシアルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、フェニル低級アルキル、ベンジルオキシアルキルまたは
【化2】


よりなる群から選択され;
10は、水素または
【化3】


であり;
xおよびyは、独立に、0〜4の整数であり;
RbおよびRcは、独立に、水素、低級アルキル、ペルフルオロ−低級アルキル、置換アルキル、アルコキシ、フェノキシ、ハロゲン、非置換低級アルキル置換フェニル低級アルキル、フェニル低級アルコキシまたは
【化4】


よりなる群から選択され;
11は、水素、フェニルまたは非置換低級アルキルであり;
pは、0〜1の整数であり;
Rdは、水素、置換アルキルまたはペルフルオロ−低級アルキルであり;
Reは、水素、ハロゲンまたは置換アルキルまたはペルフルオロ−低級アルキルであり;
Rfは、水素または低級アルキルである)
の化合物および薬学的に許容しうるその塩。
【請求項2】
請求項1記載の、式(I):
【化5】


(式中、
Aは、不飽和もしくは飽和の5員環もしくは6員環、またはS、NおよびOより選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む不飽和もしくは飽和の5員環もしくは6員環であり、
1は、低級アルキル、アセチル、ヒドロキシアルキル、およびベンジルオキシ−アルキルよりなる群から選択され;
2は、水素、低級アルキル、アセチル、およびヒドロキシアルキルよりなる群から選択され;
3は、水素またはメチルであり;
Raは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシアルキルおよびベンジルオキシアルキルよりなる群から選択され;
Rbは、水素、低級アルキル、ペルフルオロ−低級アルキル、置換アルキル、アルコキシおよびフェノキシよりなる群から選択され;
RcおよびRdは、独立に、水素または置換アルキル、ペルフルオロ−低級アルキルであり;
Reは、水素、ハロゲンまたは置換アルキルまたはペルフルオロ−低級アルキルであり;
Rfは、水素または低級アルキルである)
の化合物および薬学的に許容しうるその塩。
【請求項3】
1が、メチル、エチル、ベンジル、アセチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピルおよび2−ベンジルオキシエチルよりなる群から選択され;
2が、水素、メチル、エチル、ベンジル、およびアセチルよりなる群から選択され;
Raが、水素、メチル、ヒドロキシエチル、2−ベンジルオキシ−エチルおよび2−[4−ジフルオロホスホノ−メチル]−ベンジルオキシ]−エチルよりなる群から選択され;
Rbが、水素、メチル、メトキシ、フェノキシおよびトリフルオロメチルよりなる群から選択され;
RcおよびRdが、各々独立に、水素またはトリフルオロメチルから選択され;
Reが、水素、塩素およびトリフルオロメチルよりなる群から選択され;且つ
Rfが、水素またはメチルから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
その化合物が、式(I−B):
【化6】


(式中、
1’は、低級アルキル、フェニル低級アルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、またはフェニル低級アルコキシ低級アルキルであり;
2’は、水素、低級アルキル、フェニル低級アルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、またはフェニル低級アルコキシ低級アルキルであり;
Ra’は、水素、低級アルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、または
【化7】


であり;
10は、水素または
【化8】


であり;
Rb’およびRc’は、独立に、水素、ペルフルオロ−低級アルキル、ハロゲン、非置換低級アルキル置換フェニル低級アルキル、低級アルキル、フェニル低級アルコキシまたは
【化9】


よりなる群から選択され;
11は、水素、フェニルまたは非置換低級アルキルであり;
pは、0〜1の整数であり;
xおよびyは、独立に、0〜4の整数である)
を有する請求項1に記載の化合物または薬学的に許容しうるその塩。
【請求項5】
1’が低級アルキルであり;
2’が水素または低級アルキルであり;
Rb’およびRc’がペルフルオロ低級アルキルまたは水素であり、
Rb’およびRc’の少なくとも一つがペルフルオロ低級アルキルである、
請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
1’がモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルであり、R2’が水素またはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルであり、Rb’およびRc’が独立にペルフルオロ低級アルキルまたは水素であり、Rb’およびRc’の少なくとも一つがペルフルオロ低級アルキルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
Ra’がモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
Ra’が、
【化10】


であり、また、R10、xおよびyは請求項5で定義されたとおりである、請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
Rb’およびRc’が、
【化11】


または低級アルコキシであり;
11が、水素、フェニルまたは非置換低級アルキルであり;且つ
pが、0〜1の整数である、請求項4に記載の化合物。
【請求項10】
Rb’およびRc’の一つが低級アルキルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項11】
その化合物が、式(I−A):
【化12】


(式中、
Pは、酸素、硫黄または窒素よりなる群から選択される1個または2個のヘテロ原子を含む5員もしくは6員ヘテロ芳香族環であり、
1’は、低級アルキル、フェニル低級アルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、またはフェニル低級アルコキシ低級アルキルであり;
2’は、水素、低級アルキル、フェニル低級アルキル、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキル、またはフェニル低級アルコキシ低級アルキルであり;
Ra’は、水素、フェニル低級アルキル、低級アルキル、低級アルコキシ、モノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルまたは
【化13】


よりなる群から選択され;
10は、水素または
【化14】


であり;
Rb’およびRc’は、独立に、水素、ペルフルオロ−低級アルキル、ハロゲン、低級アルキル置換フェニル低級アルキル、低級アルキル、フェニル低級アルコキシまたは
【化15】


よりなる群から選択され;
11は、水素、低級アルキルまたはフェニルであり;
pは、0〜1の整数であり;
xおよびyは、独立に、0〜4の整数である)
を有する請求項1に記載の化合物または薬学的に許容しうるその塩。
【請求項12】
Pが、その環中の唯一のヘテロ芳香族原子として硫黄ヘテロ原子を含む5員または6員ヘテロ芳香族環である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Rb’およびRc’が、水素または低級アルキルであり;
1’が、低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルであり;且つ
2’が、水素、低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Rb’およびRc’が、独立に、水素または低級アルコキシまたはフェニル低級アルコキシであり、Rb’およびRc’の少なくとも一つが水素以外であり;
1’が、低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルであり;且つ
2’が、水素または低級アルキルまたはモノ−もしくはジ−ヒドロキシ置換低級アルキルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
Pが、唯一のヘテロ原子として酸素原子を含む5員または6員ヘテロ芳香族環である、請求項11に記載の化合物。
【請求項16】
1’が、低級アルキルであり;且つ
2’が、水素または低級アルキルである、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
Pが、唯一のヘテロ原子として窒素原子を含む5員または6員ヘテロ芳香族環である、請求項11に記載の化合物。
【請求項18】
Rb’およびRc’の一つが水素であり、他方が水素、低級アルキルまたは
【化16】


(式中、
11が、フェニルまたは低級アルキルであり;且つ
1’およびR2’が、低級アルキルである)
である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
Pが、2個のヘテロ原子を含む5員または6員ヘテロ芳香族環である、請求項11に記載の化合物。
【請求項20】
Rb’およびRc’が、低級アルキル、水素または低級アルコキシである、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
式(II):
【化17】


(式中、
1は、低級アルキル、アセチル、ヒドロキシアルキル、およびベンジルオキシ−アルキルよりなる群から選択され;
2は、水素、低級アルキル、アセチル、およびヒドロキシアルキルよりなる群から選択され;
3は、水素またはメチルであり;
Raは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシアルキルおよびベンジルオキシアルキルよりなる群から選択され;
Rbは、水素、低級アルキル、ペルフルオロ−低級アルキル、置換アルキル、アルコキシおよびフェノキシよりなる群から選択され;
RcおよびRdは、独立に、水素または置換アルキル、ペルフルオロ−低級アルキルであり;
Reは、水素、ハロゲンまたは置換アルキルまたはペルフルオロ−低級アルキルであり;
Rfは、水素または低級アルキルである)
を有する請求項1または2に記載の化合物および薬学的に許容しうるその塩。
【請求項22】
1が、メチル、エチル、アリル、ベンジル、アセチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピルおよび2−ベンジルオキシエチルよりなる群から選択され;
2が、水素、メチル、エチル、アリル、ベンジル、およびアセチルよりなる群から選択され;
Raが、水素、メチル、ヒドロキシエチル、2−ベンジルオキシ−エチルおよび2−[4−ジフルオロホスホノ−メチル]−ベンジルオキシ]−エチルよりなる群から選択され;
Rbが、水素、メチル、メトキシ、フェノキシおよびトリフルオロメチルよりなる群から選択され;
RcおよびRdが、独立に、水素またはトリフルオロメチルであり;
Reが、水素、塩素、ハロゲンまたはトリフルオロメチルであり;且つ
Rfが、水素またはメチルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
式(III):
【化18】


(式中、
1は、水素、低級アルキル、アセチル、およびヒドロキシアルキルよりなる群から選択され;
2は、水素またはメチルであり;
Xは、硫黄、酸素、窒素またはN−tert−ブトキシカルボニルであり;
Rbは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシアルキルおよびベンジルオキシアルキルよりなる群から選択され;
Rd’およびRe’は、独立に、水素、低級アルキルおよびアルコキシよりなる群から選択される)
を有する請求項1または2に記載の化合物および薬学的に許容しうるその塩。
【請求項24】
1が、メチル、エチル、アセチル、3−ヒドロキシプロピルおよびジメチルスルファモイルよりなる群から選択され;
2およびRb’が、独立に、水素、メチルおよびエチルよりなる群から選択され;
Rd’およびRe’が、独立に、水素、メチルおよびメトキシよりなる群から選択される、
請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
7,N1−ジメチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ−[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジメチル−6−チオフェニル−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
N1−エチル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−7,N1,N1,N3−テトラメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジエチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−エチル−N1−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−エチル−N1,N1−ジメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
N1,N1−ジエチル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−メチル−N1,N1−ジプロピル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−メチル−1−ピペリジン−1−イル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−3−イルアミン、
N1,N1−ジベンジル−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−メチル−1−ピロリジン−1−イル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−3−イルアミン、
6−(2−メトキシ−フェニル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(2−メトキシ−フェニル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
N1,N1−ジエチル−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1,N3−テトラメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−ヨード−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジメチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ−[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−フラン−2−イル−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ−[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−フラン−2−イル−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
2−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノール、
2−(3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−エタノール、
3−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−プロパン−1−オール、
3−(3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ)−プロパン−1−オール、
2−[3−アミノ−7−メチル−6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノール、
6−フラン−3−イル−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−(4−メチル−チオフェン−2−イル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
2−(3−アミノ−1−ジメチルアミノ−7−メチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−6−イル)−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
6−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジメチル−6−(2−フェノキシ−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
2−[3−アミノ−7−(2−ヒドロキシエチル)−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−エタノール、
6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
3−[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イルアミノ]−プロパン−1,2−ジオール、
2−[3−アミノ−1−ジメチルアミノ−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−7−イル]−エタノール、
[(4−{2−[3−アミノ−1−ジメチルアミノ−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−7−イル]−エトキシメチル}−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−ホスホン酸、
6−(5−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(5−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1,N1−トリメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ビス−(2−ベンジルオキシ−エチル)−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
2−[[3−アミノ−7−メチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−イル]−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]−エタノール、
3−アミノ−7−メチル−6−チオフェン−2−イル−2,7−ジヒドロ−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1−オン、
7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、および
6−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−7,N1,N1−トリメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン
よりなる群から選択される、請求項1〜24のいずれかに記載の化合物、および薬学的に許容しうるその塩。
【請求項26】
7,N1−ジメチル−6−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7,N1−ジメチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(2,6−ジメチル−フェニル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
7−エチル−N1−メチル−6−チオフェン−2−イル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(4−メトキシ−チオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、
6−(5−メトキシチオフェン−2−イル)−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン、および
6−フラン−2−イル−7,N1−ジメチル−7H−ピロロ[3,2−f]キナゾリン−1,3−ジアミン
よりなる群から選択される、請求項1〜25のいずれかに記載の化合物、および薬学的に許容しうるその塩。
【請求項27】
式(XII):
【化19】


の化合物を、式(XIII):
【化20】


(式中、R1、R2、R3、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびAが、請求項1〜26のいずれかに与えられた意味を有する)
と反応させることを含む、請求項1〜26のいずれかに記載の化合物の製造方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法により製造される、請求項1〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項29】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物ならびに薬学的に許容しうる担体および/または助剤を含む、医薬組成物。
【請求項30】
治療上活性な物質として使用するための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
PTP1B阻害剤により調節される疾患の治療および/または予防用の、治療上活性な物質として使用するための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項32】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物を人間または動物に投与することを含む、PTP1B阻害剤により調節される疾患の治療および/または予防方法。
【請求項33】
PTP1B阻害剤により調節される疾患の治療および/または予防用の、請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項34】
PTP1B阻害剤により調節される疾患の治療および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項35】
疾患が糖尿病である、請求項31〜34のいずれかに記載の使用または方法。
【請求項36】
本明細書に記載の、新規化合物、製造方法および方法ならびにそのような化合物の使用。

【公表番号】特表2006−528945(P2006−528945A)
【公表日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529772(P2006−529772)
【出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004978
【国際公開番号】WO2004/101569
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】