説明

タンブルシート

【課題】 着座位置と、跳ね上げ位置との間で前記シートクッションを回転可能とするヒンジ機構と、シート、フロアのうちのどちらか一方に被係合部材、他方に被係合部材に係脱可能な係合部材が設けられ、シートクッションが着座位置にある時に、係合部材が被係合部材に係合してシートクッションの回転を禁止するロック機構と、シートクッションを跳ね上げ位置方向へ付勢する第1の付勢手段とを有するタンブルシートに関し、確実にロック機構のロック解除が行え、跳ね上げ位置から着座位置へ復帰させる場合の操作力が大きくならないタンブルシートを提供することを提供することを課題とする。
【解決手段】 ロック機構101のフック(係合部材)107がストライカ(被係合部材)109と係合している状態から離脱するまでの間のみ、フック107がストライカ109から離れる方向にシートクッション53を付勢する第2の付勢手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートのシートクッションとフロアとの間に設けられ、前記シートクッションに着座可能な着座位置と、前記シートクッションが前記フロアに対して跳ね上げられた跳ね上げ位置との間で前記シートクッションを回転可能とするヒンジ機構と、前記シート、前記フロアのうちのどちらか一方に被係合部材、他方に前記被係合部材に係脱可能な係合部材が設けられ、前記シートクッションが着座位置にある時に、前記係合部材が前記被係合部材に係合して前記シートクッションの回転を禁止するロック機構と、前記シートクッションを前記跳ね上げ位置方向へ付勢する第1の付勢手段と、を有するタンブルシートに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなタンブルシートの一例を図5、図6を用いて説明する。図5に示すように、シートSは、着座者の臀部を支持するシートクッションSCと着座者の背部を支持するシートバックSBとからなっている。
【0003】
シートクッションSCの下面の前部とフロアFとの間には、シートクッションSCに着座可能な着座位置(図において実線位置で示す)と、シートクッションSCがフロアFに対して跳ね上げられた跳ね上げ位置(図において二点差線で示す)との間でシートクッションSCを回転可能とするヒンジ機構1が設けられている。
【0004】
又、フロア側には被係合部材としてのストライカが設けられ、シートクッションSCの下面の後部には、前記ストライカに係脱可能なフック等の係合部材が設けられ、シートクッションSCが着座位置にある時に、係合部材が被係合部材に係合してシートクッションSCの回転を禁止するロック機構Lが設けられている。
【0005】
図6に示すように、ヒンジ機構1はシートクッションSCの下面に設けられた第1基部2a及びフロアF方向に立設された第1側壁部2bを有するアッパタンブル2と、フロアFに設けられた第2基部3a及びシートS方向に立設され第1側壁部2bと対向する第2側壁部3bを有するロアタンブル3と、第1側壁部2b、第2側壁部3bを挿通し、アッパタンブル2、ロアタンブル3を回転可能に連結するヒンジピン4とを有している。
【0006】
第1の付勢手段としてのトーションスプリング5の中間部はヒンジピン4に巻回されている。トーションスプリング5の一方の端部側はアッパタンブル2の第1基部2aに固定板5aを用いて係止され、他方の端部側は、ロアタンブル3の第2側壁部3bに設けられたストッパピン6に当接している。このトーションスプリング5は、シートクッションSCが着座位置(図5の実線位置)では、アッパタンブル2の第1基部2aを押して、シートクッションSCを跳ね上げ位置方向(図5の実線位置から二点鎖線位置方向)へ付勢している(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−63418号公報(図1、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、シートSの重量が重い場合や、ヒンジ機構1の回転抵抗が大きい(ヒンジピン4とアッパタンブル2、ロアタンブル3との摺動抵抗が大きい)場合には、第1の付勢手段としてのトーションスプリング5の付勢力だけでは、シートSを跳ね上げられず、ロック機構Lのロック状態が解除できない問題点がある。
【0008】
この場合、トーションスプリング5の付勢力を大きくすると、ロック機構Lのロック状態は解除できるようになるが、シートクッションSCを跳ね上げ位置から着座位置へ復帰させる場合の操作力が大きくなる問題点がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、確実にロック機構のロック解除が行え、跳ね上げ位置から着座位置へ復帰させる場合の操作力が大きくならないタンブルシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する請求項1に係る発明は、シートのシートクッションとフロアとの間に設けられ、前記シートクッションに着座可能な着座位置と、前記シートクッションが前記フロアに対して跳ね上げられた跳ね上げ位置との間で前記シートクッションを回転可能とするヒンジ機構と、前記シート、前記フロアのうちのどちらか一方に被係合部材、他方に前記被係合部材に係脱可能な係合部材が設けられ、前記シートクッションが着座位置にある時に、前記係合部材が前記被係合部材に係合して前記シートクッションの回転を禁止するロック機構と、前記シートクッションを前記跳ね上げ位置方向へ付勢する第1の付勢手段と、を有するタンブルシートにおいて、前記ロック機構の係合部材が前記被係合部材と係合している状態から離脱するまでの間のみ、前記係合部材が前記被係合部材から離れる方向に前記シートクッションを付勢する第2の付勢手段を設けたことを特徴とするタンブルシートである。
【0011】
ヒンジ機構により、シートクッションは、着座可能な着座位置と、フロアに対して跳ね上げられた跳ね上げ位置との間で回転可能となっている。
シートクッションが着座位置にある場合には、ロック機構の係合部材が被係合部材に係合し、シートクッションの回転が禁止されている。
【0012】
ロック機構をロック解除すると、第1の付勢手段の付勢力、第2の付勢手段の付勢力により、ヒンジ機構を解してシートクッションは跳ね上げ位置方向へ回転する。このとき、第1の付勢手段は、シートクッションを跳ね上げ位置方向へ付勢し、第2の付勢手段は、ロック機構の係合部材が被係合部材と係合している状態から離脱するまでの間のみ、係合部材が被係合部材から離れる方向にシートクッションを付勢する。
【0013】
請求項2に係る発明は、前記第2の付勢手段は、一端部側が前記シートクッションに保持され、前記着座位置の場合、他端部側がフロア側を押接するように設定されたスプリングであることを特徴とする請求項1記載のタンブルシートである。
【0014】
請求項3に係る発明は、前記スプリングは、前記フロア側に設けられた被係合部材を押圧することを特徴とする請求項2記載のタンブルシートである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1−請求項3に係る発明によれば、前記係合部材が前記被係合部材から離れる方向に前記シートクッションを付勢する第2の付勢手段を設けたことにより、確実にロック機構のロック解除が行える。
【0016】
更に、第2の付勢手段は、前記ロック機構の係合部材が前記被係合部材と係合している状態から離脱するまでの間のみ前記係合部材が前記被係合部材から離れる方向に前記シートクッションを付勢する。よって、跳ね上げ位置から着座位置へ復帰させる場合、ロック機構の係合部材が被係合部材に係合を開始するまでは、第1の付勢手段に抗するだけの操作力となり、従来と同様である。
【0017】
ロック機構の係合部材が被係合部材に係合し始めると、第2の付勢手段の付勢力に抗する操作力が更に必要となるが、ロック機構の係合部材が被係合部材に係合し始める状態は、シートの自重による回転モーメントが最大になる状態であり、その回転モーメントの方向は第2の付勢手段の付勢力を打ち消す方向であるので、操作力は大きくならない。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、前記第2の付勢手段は、一端部側が前記シートクッションに保持され、前記着座位置の場合、他端部側がフロア側を押接するように設定されたスプリングであることにより、安価で、ロック機構のロック解除を行った際に、第2の付勢手段として確実に作動する。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、前記スプリングは、前記フロア側に設けられた被係合部材を押圧することにより、フロアを傷つけることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
最初に、図1を用いて、本形態例のタンブルシートの全体構成を説明する。シート51は着座者の臀部を支持するシートクッション53と、着座者の背部を支持するシートバック55とからなっている。
【0021】
本形態例では、シートクッション53は、シートトラック41上に設けられている。シートトラック41は、フロアF上に設けられるロアレール43と、ロアレール43に移動可能に係合し、シートクッション53が設けられるアッパレール45と、アッパレール45の移動を禁止する図示しないロック機構とからなっている。
【0022】
フロアFとシートトラック41のロアレール43前部(シートクッション53)との間には、シートクッション53がフロアFに対して回転可能とするヒンジ機構57が設けられている。ヒンジ機構57は、フロア側に設けられたロアタンブル59と、シートクッション53前部の下面に設けられたアッパタンブル61と、ロアタンブル59,アッパタンブル61を挿通するヒンジピン63とからなっている。
【0023】
そして、このヒンジ機構57により、図5と同様に、シート51は、シートクッション53に着座可能な着座位置(図1の状態)と、シートクッション53がフロアFに対して跳ね上げられた跳ね上げ位置との間で回転可能となっている。
【0024】
更に、中間部がヒンジピン63に巻回され、一方の端部側がアッパタンブル61に取り付けられ、他方の端部側がロアタンブル59に設けられたピン65に当接するトーションスプリング(第1の付勢手段)67により、シートクッション53は跳ね上げ位置方向へ付勢されている。
【0025】
又、フロアFとシートトラック41後部との間には、シートクッション53が着座位置(図1の状態)にある時に、シートクッション53の回転を禁止するロック機構101が設けられている。
【0026】
ここで、図1及び図1の切断線A−Aでの断面図である図2を用いて、ロック機構101の説明を行う。フロアF上には、被係合部材としてのストライカ109が設けられている。
【0027】
ロアレール43の後部の底面には、2枚のブラケット103、104が間隔をもって設けられている。これらブラケット103、104の間には、ピン105を用いて係合部材としてのフック107が回転可能に設けられている。フック107には、ロック突起107bと、フロアFに設けられたストライカ109が係合可能なロック溝107aとが形成されている。フック107は、図示しないスプリングにより、図1において矢印D方向へ付勢されている。
【0028】
ブラケット103、104の間には、フック107に隣接して、フック107のロック突起107bに係脱可能なロック突起111aを有するラチェット111が配置されている。このラチェット111は、ブラケット103、104にピン112に回転可能に設けられている。ラチェット111は、図示しないスプリングにより、図1において矢印E方向、即ち、ラチェット111もロック突起111aがフック107のロック突起107bに係合する方向へ付勢されている。
【0029】
そして、図示しないロック解除操作レバーにより、ラチェット111を矢印E方向と反対方向に回転させることにより、係合部材としてのフック107のロック溝107aと被係合部材としてのストライカ109との係合が解除されるようになっている。即ち、ロック機構101のロック解除が行われるようになっている。
【0030】
次に、図1、図2に示すように、ロック機構101のブラケット103には、ロック機構101の係合部材であるフック107が被係合部材であるストライカ109と係合している状態から離脱するまでの間のみ、フック107がストライカ109から離れる方向にシートクッション53を付勢する第2の付勢手段を有する機構(以下、タンブルアシスト機構200という)が設けられている。
【0031】
タンブルアシスト機構200を図1、図2、図3を用いて説明する。図3はタンブルアシスト機構200の分解斜視図である。
図2に示すように、ブラケット103に第2の付勢手段が設けられる機構が設けられる。図3に示すように、本機構は、ブラケット103に取り付けられる第1のブラケット201と、第1のブラケット201に積層されるように取り付けられる第2のブラケット203と、第1のブラケット201、第2のブラケット203の間に設けられるスライダブラケット207と、スライダブラケット207を付勢するスプリング213とからなっている。
【0032】
ブラケット103に取り付けられる第1のブラケット201には、ブラケット103に当接する基部201a、基部201aの上部からブラケット103から離れる方向に折曲する天部201bと、基部201aの両側部からブラケット103から離れる方向に折曲する第1の側部201c、第2の側部201dと、第1の側部201c、第2の側部201dから折曲してブラケット103と平行な方向に延出する第1の取り付け部201e、第2の取り付け部201fとからなっている。
【0033】
第1のブラケット201に積層されるように取り付けられる第2のブラケット203は、第1のブラケット201の第1の取り付け部201eに取り付けられる第1の取り付け部203eと、第1のブラケット201の第2の取り付け部201fに取り付けられる第2の取り付け部203fと、第1の取り付け部203eからブラケット103から離れる方向に折曲する第1の側部203cと、第2の取り付け部203fからブラケット103から離れる方向に折曲する第2の側部203dと、第1の側部203c、第2の側部203d間に形成された基部203aとからなっている。第2のブラケット203の基部203aは、第1のブラケット201の基部201aと対向し、第1のブラケット201の基部201a、天部201b、第1の側部201c、第2の側部201dと共同して、下部に開放面が形成された空間を形成し、スライダブラケット207を案内するガイドとなっている。
【0034】
スライダブラケット207は、第1のブラケット201の基部201a、第2のブラケット203の基部203aと対向する基部207aを有している。更に、基部207aの両側部からブラケット103へ近づく方向に折曲し、第1のブラケット201の第1の側部201c、第2の側部201dと、第2のブラケット203の第1の側部203c、第2の側部203dとに対向する第1の側部207c、第2の側部207dが形成され、更に、基部207aの下部からブラケット103方向に折曲した底部207bが形成されている。
【0035】
又、第2のブラケット203の基部203aには、上下方向に伸びる長穴203gが形成されている。長穴203gの幅よりも大きな径の頭部211aを有するピン211の首部211bが長穴203gを挿通し、スライダブラケット207の基部207aの穴207gにかしめられ、固定されている。従って、スライダブラケット207は、ピン211が長穴203gの上端、下端に当接する範囲で移動可能となっている。また、スライダブラケット207の底部207bは、シートクッション53が着座位置にある場合には、ストライカ109と当接可能となっている。
【0036】
そして、上端部が第1のブラケット201の天部201bに当接し、下端部がスライダブラケット207の底部207bに当接するスプリング213により、スライダブラケット207は下方に付勢されている。本形態例のスプリング213は略矩形の輪からなるコイルスプリングとした。そして、シートクッション53が着座位置にある場合には、スプリング213は軸方向に弾性変形し、スライダブラケット207の底部207bは、ストライカ109に押接するようになっている。尚、本形態例では、スライダブラケット207の底部207bとストライカ109とが押接する際の衝撃音を小さくするために、スライダブラケット207の底部207bのフロアと対抗する面側には、クッション材215が取り付けられている。
【0037】
スプリング213は、一端部側がシートクッション53に保持され、着座位置の場合、他端部側がフロア側を押接するように設定され、ロック機構101のフック107がストライカ109と係合している状態から離脱するまでの間のみ、フック107がストライカ109から離れる方向にシートクッション53を付勢する第2の付勢手段として機能するものである。
【0038】
次に、上記構成の作動を説明する。図1に示す状態は、シートクッション53が着座位置にあり、ロック機構101がロック状態にあり、シート51は跳ね上げ方向への回転が禁止されている。
【0039】
このときのロック機構101は、シートクッション53側のフック107のロック溝107aにフロアF側のストライカ109が係合している。更に、フック107のロック突起107bがラチェット111のロック突起111aに係合し、フック107が矢印D方向、ラチェット111が矢印E方向にそれ以上回転するが禁止された状態(ロック状態)にある。
【0040】
ここで、図示しないロック解除操作レバーを操作して、ラチェット111を図1において矢印E方向と逆方向に回転させると、フック107のロック突起107bとラチェット111のロック突起111aとの係合が解除される。フック107は矢印D方向に回転し、ストライカ109とフック107のロック溝107aとの係合が解除可能な状態(ロック解除状態)となり、シートクッション53は、跳ね上げ方向に回転可能となる。
【0041】
すると、ヒンジ機構57のトーションスプリング(第1の付勢手段)67の付勢力と、タンブルアシスト機構200のスプリング(第2の付勢手段)213の付勢力とでシート51は、跳ね上げ位置方向に向かって回転する。
【0042】
このとき、ヒンジ機構57のトーションスプリング(第1の付勢手段)67は、シートクッション53を跳ね上げ位置方向へ付勢し、タンブルアシスト機構200のスプリング(第2の付勢手段)213は、ロック機構101のフック(係合部材)107がストライカ(被係合部材)109と係合している状態から離脱するまでの間のみ、フック107がストライカ109から離れる方向にシートクッション53を付勢する。
【0043】
逆に、跳ね上げ位置にあるシートクッション53を着座位置に復帰させる場合、ヒンジ機構57のトーションスプリング(第1の付勢手段)67の付勢力に抗して着座位置近傍までシートクッション53を回転させる。そして、ロック機構101のフック107がストライカ109に係合し始めて、係合するまでは、スプリング(第2の付勢手段)213の付勢力に抗する操作力が更に必要となる。
【0044】
このような構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)フック107がストライカ109から離れる方向にシートクッション53を付勢するスプリング(第2の付勢手段)213を設けたことにより、確実にロック機構101のロック解除が行える。
(2)スプリング(第2の付勢手段)213は、ロック機構101のフック107がストライカ109と係合している状態から離脱するまでの間のみフック107がストライカ109から離れる方向にシートクッション53を付勢する。よって、跳ね上げ位置から着座位置へ復帰させる場合、ロック機構101のフック107がストライカ109に係合を開始するまでは、トーションスプリング(第1の付勢手段)67に抗するだけの操作力となり、従来と同様である。
【0045】
ロック機構101のフック107がストライカ109に係合し始めると、スプリング(第2の付勢手段)213の付勢力に抗する操作力が更に必要となるが、ロック機構101のフック107がストライカ109に係合し始める状態は、シート51の自重による回転モーメントが最大になる状態であり、その回転モーメントの方向はスプリング(第2の付勢手段)213の付勢力を打ち消す方向であるので、操作力は大きくならない。
(3)第2の付勢手段は、一端部側がシートクッション53に保持され、着座位置の場合、他端部側がフロア側を押接するように設定されたスプリング213であることにより、安価で、ロック機構101のロック解除を行った際に、第2の付勢手段として確実に作動する。
(4)スプリング213は、フロア側に設けられた被係合部材であるストライカ109を押圧することにより、フロアFを傷つけることがない。
【0046】
尚、本発明は、上記形態例に限定するものではない。上記形態例では、第2の付勢手段として、輪の形が略矩形のコイルスプリングとしたが、図4に示すように、輪の形が円形のコイルスプリングであってもよい。
【0047】
図において、301はシートクッション側に設けられるコの字形ブラケットである。ブラケット301の基部301aがシートクッション側に取り付けられ、基部301aの上部から折曲した上面301b、基部301aの下部から折曲した下面301cには、穴301d、301eが形成されている。そして、ブラケット301の上面301bと下面301cとの間には、円筒状のパイプ303が配置されている。そして、下部にブラケット301の穴301eの径より大きな頭部305aを有するロッド305の首部305bが、ブラケット301の穴301e、パイプ303、ブラケットの穴301dの順に挿通している。ロッド305のブラケットの穴301dから突出した部分には、溝305cが形成されている。この溝305cにEリング307が係合し、ロッド305の抜け止めとなっている。そして、ロッド305には、下端部がロッド305の頭部305aに当接し、上端部がブラケット301の下面301cに当接するスプリング331により、ロッド305は下方向に付勢されている。そして、スプリング331は、一端部側がシートクッションに保持され、着座位置の場合、頭部(他端部側)305aがフロア側を押接するように設定され、ロック機構のフックがストライカと係合している状態から離脱するまでの間のみ、フックがストライカから離れる方向にシートクッションを付勢する第2の付勢手段として機能するものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】形態例のタンブルシートの全体構成を説明する図である。
【図2】図1の切断線A−Aでの断面図である。
【図3】図2のタンブルアシスト機構の分解斜視図である。
【図4】他の形態例を説明する図である。
【図5】従来のタンブルシートの全体構成を説明する図である。
【図6】図5のヒンジ機構を説明する図である。
【符号の説明】
【0049】
53 シートクッション
101 ロック機構
107 フック
109 ストライカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートのシートクッションとフロアとの間に設けられ、前記シートクッションに着座可能な着座位置と、前記シートクッションが前記フロアに対して跳ね上げられた跳ね上げ位置との間で前記シートクッションを回転可能とするヒンジ機構と、
前記シート、前記フロアのうちのどちらか一方に被係合部材、他方に前記被係合部材に係脱可能な係合部材が設けられ、前記シートクッションが着座位置にある時に、前記係合部材が前記被係合部材に係合して前記シートクッションの回転を禁止するロック機構と、
前記シートクッションを前記跳ね上げ位置方向へ付勢する第1の付勢手段と、
を有するタンブルシートにおいて、
前記ロック機構の係合部材が前記被係合部材と係合している状態から離脱するまでの間のみ、前記係合部材が前記被係合部材から離れる方向に前記シートクッションを付勢する第2の付勢手段を設けたことを特徴とするタンブルシート。
【請求項2】
前記第2の付勢手段は、一端部側が前記シートクッションに保持され、前記着座位置の場合、他端部側がフロア側を押接するように設定されたスプリングであることを特徴とする請求項1記載のタンブルシート。
【請求項3】
前記スプリングは、前記フロア側に設けられた被係合部材を押圧することを特徴とする請求項2記載のタンブルシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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