説明

タービンブレード測定装置

【課題】タービンブレードの測定装置を提供すること。
【解決手段】測定装置は、ブレードに沿って複数の所定位置にてタービンエンジンの圧縮機ブレード又はタービンブレードの1以上の態様を測定することができる。測定装置は、タービンエンジンの圧縮機ブレード又はタービンブレードの第1の列が位置する限定スペース内に測定装置の個々の要素を移動させることができるように、分解可能である。次いで、要素は、このスペース内で再組み立てされ、ブレードについての測定値が収集できるようにタービンブレードに取り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
タービンエンジンは、発電産業において一般的に使用されている。このようなタービンエンジンは、タービンエンジンに吸い込まれた空気が加圧される圧縮機セクションを含む。加圧された空気は、燃焼セクションにおいて燃料と混合されて燃焼する。次いで、高温の膨張ガスがタービンセクションに送られ、該タービンセクションは、タービンエンジンによって発生した原動力を提供する。
【0002】
タービンエンジンの圧縮機セクションは、ステータベーンと圧縮機ブレードの交互する列を含む。圧縮機ブレードは、タービンエンジンの回転シャフト上に取り付けられる。ステータベーンは、圧縮機のハウジングに取り付けられる。ステータベーンの各列は、流入空気の圧縮を促進するよう設計された角度で圧縮機を通って流れる空気を圧縮機ブレードの次の列に配向するのを助ける。
【0003】
エンジンのタービンセクションはまた、ステータベーンと圧縮機ブレードの複数の交互する列を含む。タービンブレードはまた、エンジンのシャフトに取り付けられる。ステータベーンは、エンジンのタービンセクションのハウジングに取り付けられる。ステータベーンの各列は、タービンセクションによる電力発生を促進する角度でタービンブレードの次の列に高温燃焼ガスを配向するのを助ける。
【0004】
ステータベーン、圧縮機ブレード及びタービンブレードは、高耐久性の材料から作られるが、長期間にわたってブレード上を高速で大量に流れる空気及び湿分がブレードの材料を腐食させるおそれがある。場合によっては、タービンを通過する空気中の塵埃及び砂などの小粒子もブレードの腐食の一因となる可能性がある。同様に、高温燃焼ガスにより、タービンセクション中のタービンブレードを同様に腐食させる可能性がある。圧縮機セクションにおいて、水又は水蒸気は、圧縮機を通過する空気の流れに噴射されて圧縮機セクションを清浄にし及び/又は空気を冷却するのを助けるようにすることができる。空気流内の水滴又は水蒸気がブレード腐食を引き起こす可能性がある。
【0005】
圧縮機及びタービンブレードの過度な腐食は、ブレードを脆弱化し、タービンエンジンの早期故障につながる可能性がある。加えて、ブレードの腐食によりブレードの形状が変化し、タービンエンジンの低効率な運転をもたらす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
残念ながら、ブレードを直接的に測定することなくブレードの腐食の程度を判定することは困難である。また、このような測定値を取得するために圧縮機及びタービンブレードにアクセスすることも極めて困難である。その結果、オペレータ及び製造業者は、解析計算によりブレードの有効寿命を推定している。このような推定が控えめすぎる場合には、ブレードが早期に交換される結果となり、時間及びコストが無駄に消費される可能性がある。このような推定が大きすぎる場合には、タービンエンジンの故障を生じ、遙かに高価なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によるタービンブレード測定装置は、タービンブレードに取り外し可能にクランプされるように構成されたクランプと、クランプ上に取り外し可能に取り付けられたガイドと、ガイド上に移動可能に取り付けられた測定装置と、を含む。測定装置は、タービンブレードの状態を測定するように構成されている。
【0008】
本発明の別の態様によるタービンブレード測定システムは、タービンブレードの基部に取り外し可能にクランプされるように構成されたクランプと、クランプ上に取り外し可能に取り付けられ、長さに沿って位置する複数の位置決めアパーチャを含む支持ポストと、を含む。測定装置はまた、支持ポスト上に取り付けられる測定ヘッドを含み、該測定ヘッドは、支持ポストを受け入れて該支持ポストに沿って滑動できるようにように構成された位置決めアパーチャを備える。測定ヘッド内の位置決めピンは、支持ポスト上に位置決めアパーチャを係合する。測定ヘッドはまた、該測定ヘッド上に移動可能に装着された少なくとも1つの接触アームを含み、該測定ヘッドがタービンブレードの1つの態様を測定するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】タービンエンジンの概略図。
【図2】基部上のタービンブレードの立面図。
【図3】図2に示すタービンブレード及び基部の平面図。
【図4】図2の切断線4−4に沿ったタービンブレード及び基部の断面図。
【図5】図2の切断線5−5に沿ったタービンブレード及び基部の断面図。
【図6】ブレード上に取り付けられた測定装置の一部を備えたタービンブレードの立面図。
【図7】図6の切断線7−7に沿ったタービンブレード及び測定装置の断面図。
【図8】タービンブレードの測定装置の上面図。
【図9】図8に示すタービンブレード測定装置の正面図。
【図10】タービンブレード上に取り付けられた測定装置を備えたタービンブレードを示す立面図。
【図11】図10の切断線11−11に沿ったタービンブレード及び測定装置の断面図。
【図12】タービンブレード上にクランプされた測定装置の代替の実施形態を示す、図7と同様の断面図。
【図13】タービンブレード上にクランプされた測定装置の別の代替の実施形態を示す、図7と同様の断面図。
【図14】タービンブレードの厚みを測定するのに用いることができる別の測定装置の平面図。
【図15】タービンブレード測定装置の代替の実施形態のクランプ及び支持ポストの立面図。
【図16】タービンブレード測定装置及びデータログ取り装置の要素を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、タービンブレードに関して多くの言及を行っている。この用語は、タービンエンジンの圧縮機セクション内の回転ブレードと、タービンエンジンのタービンセクションにける回転ブレードの両方、並びにタービンエンジンの圧縮機セクション及びタービンセクションの両方に位置するステータベーンと、を包含するものとする。
【0011】
図1は、発電産業において使用できる典型的なタービンエンジンの主要要素を示す。タービンエンジン1は、圧縮機セクション10、燃焼器20及びタービンセクション30を含む。上述のように、圧縮機セクションは、ステータベーン及び圧縮機ブレードの複数の交互する列を有する。同様に、タービンセクションは、ステータベーン及びタービンブレードの複数の交互する列を有する。
【0012】
図2は、取付基部110上に取り付けられた典型的な回転タービンブレード100を示す。図2に示すタービンブレードは、圧縮機セクションにおける圧縮機ブレード又はタービンセクションにおけるタービンブレードの何れかとすることができる。
【0013】
図3は、図2に示すブレード100の上面図である。図3に示すように、タービンブレードの本体は、取付基部110から上向きに延びるにつれて捩れている。また、図2に示すように、前縁102と後縁104との間のタービンブレードの翼弦長は、ブレードの基部105から頂部107に上向きに進むにつれて変化する。通常、翼弦長は、ブレードの基部から先端に進むにつれて小さくなる。しかしながら、場合によっては、翼弦長は、ブレードの基部から先端に進むにつれて小さくなることができる。
【0014】
図4は、図2の切断線4−4に沿ったタービンブレード100の断面図である。図5は、切断線5−5に沿ったタービンブレード100の断面図である。図4及び5に示すように、ブレードの翼弦長は、切断線4−4におけるよりも切断線5−5においてより小さい。また、ブレードの厚みは、ブレードの頂部107におけるよりもブレードの基部105においてより大きい。従って、厚み及び翼弦長の両方は、ブレードの基部105から頂部107に進むにつれて変化する。
【0015】
上記で説明されるように、タービンエンジン内の種々の作動条件によって、ステータベーン、圧縮機ブレード及びタービンブレードを形成する材料の腐食が生じる可能性がある。このことは、結果として、ブレードが最初に設置されたときよりも小さくなったある所与の高さのブレード翼弦長をもたらす可能性がある。同様に、このことは、ブレードが最初に設置されたときよりも小さくなったある所与の高さのブレードの厚みをもたらす可能性がある。
【0016】
タービンブレードの過度の腐食によりタービンブレードが大幅に脆弱になった場合には、結果としてタービンエンジンの運転中にブレードが破断する可能性があり、タービンエンジンに対して広範囲にわたって極めて高価な損傷を引き起こす可能性が高くなる。また、ブレードの腐食はその形状を変化させる可能性があり、タービンエンジンの効率及び/又は出力に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0017】
タービンエンジンのブレードが危険又は望ましくない程度まで確実に腐食されないようにするために、定期的にタービンブレードを測定してこれらの腐食の程度を判定することが望ましい。残念ながら、このような測定を実施するためにブレードにアクセスすることは極めて難しい。
【0018】
通常、タービンエンジンの圧縮機セクションにおけるブレードの第1の列は、タービンエンジンのハウジングに取り付けられたステータベーンを含む。回転ブレードの第1の列は、ステータベーンの第1の列の後方に配置される。一部の定期保守作業の間、回転圧縮機ブレードの第1の列にアクセスすることができるが、回転ブレードの第1の列の正面に位置するステータベーンの隣接するペアを通過して到達することによってのみ可能である。
【0019】
同様に、場合によっては、タービンエンジンのタービンセクションにおいて回転ブレードの最後の列にアクセスすることができる。回転ブレードの最初の列に到達することは、多くの場合、不可能であるか又は極めて困難である。
【0020】
回転圧縮機ブレードの最初の列に物理的にアクセスする唯一の方法は、ステータベーンの隣接するペアを通過して到達することであるので、回転ブレードの寸法を物理的に測定するためにあらゆるタイプの大型の測定装置を用いることは極めて難しい。同様に、ステータベーンの隣接するペアを通過してタービンセクションの回転ブレードの最後の列に到達することだけが可能であることが多く、回転ブレードの寸法を物理的に測定するためにあらゆるタイプの大型の測定装置を用いることが極めて難しくなる。
【0021】
また、ブレードの翼弦長及び厚みは、ブレードの長さにわたって変化するので、ブレードに沿って且つ垂直面に常に平行な事実上同じ高さで2つの時点において連続して2つの測定値を取得することに留意することが必要である。そうでなければ、2つの測定値の差違はどのような証明力も持たない。従って、有用なデータを取得すために、ブレード上の高度に再現可能な位置で測定値を取得することが必要となる。
【0022】
上述の場所でブレードにアクセスすることは困難であるので、ブレードに沿って再現可能な位置でブレードの測定を行うことも極めて困難になる。そのようにすることにより、通常は、それぞれの測定サイクル中に同じ場所に常に位置決めされるように、測定装置の位置決めを制約する比較的大きな機構が必要となる。また、隣接するステータベーン間及び回転ブレードが位置するスペース内にこのような大型の機構を挿入することは不可能である。同様に、装置をスペース内に挿入することが可能である場合でも、回転ブレード間にはこのような機構を取り付けるためのスペースがほとんどない。
【0023】
図6〜11には、タービンエンジンの回転ブレード上でこのような再現可能な測定を実施できる測定装置が示されている。測定装置は、互いから分解することが可能な複数の要素を含み、個々の要素の各々がタービンエンジンの隣接する2つのステータベーン間を通って、圧縮機ブレード又はタービンブレードの第1の列が位置するスペース内に入ることができるようにする。次いで、測定装置は、再組み立てされ、回転ブレードが位置するスペースにおいてタービンブレード上に取り付けることができる。測定装置はまた、タービンブレードの長さに沿った予め定められた再現可能位置にて複数の測定値を取得するように構成される。
【0024】
測定装置は、図6及び7に示すように、第1のクランプ部120及び第2のクランプ部121を備えたクランプを含む。第1のクランプ部120は、タービンブレード100の第1の側部及び/又は端部を係合するように構成され、第2のクランプ部121は、タービンブレード100の第2の反対側の側部及び/又は端部を係合するように構成される。
【0025】
図6及び7に示す実施形態では、第1のクランプ部120は、複数のスペースレッグ部123を含む。加えて、第1のクランプ120の第1の端部は、90°のL字形コーナ127を含み、タービンブレード100の前縁又は後縁に当接するよう設計されている。同様に、第2のクランプ部121は、スペースレッグ部125と、タービンブレード100の反対側の前縁又は後縁に当接するよう設計された90°のL字形コーナ129とを含む。
【0026】
図7に示すように、クランプファスナー122、124は、第1のクランプ部120を第2のクランプ部121に取り付け、タービンブレード100の基部上にクランプされるように2つのクランプ部を互いに引き寄せるのに使用される。第1及び第2のクランプの端部にあるL字形コーナとスペースレッグ123、125とを設けることにより、クランプ機構が常に本質的に同じ向きでタービンブレード100の基部付近にクランプされるのを確かにする。
【0027】
スペースレッグ部123、125の位置、長さ及び曲線輪郭は、特定の形状にされたタービンブレードに対応するよう設計することができる。これらの特別な形及び設計により、第1及び第2のクランプ部120、121は、常に同じ位置で当該タイプ/形状のタービンブレードに取り付けられる。クランプ部及びスペースレッグ部が特定の形状のブレードに合わせて特別に設計されている場合には、異なるブレードには異なるクランプ部を使用することが必要となる。
【0028】
他の実施形態では、クランプ部の形状は汎用であり、従って、様々な異なる形状のタービンブレードの周りにクランプされるよう設計することができる。この場合、クランプ部は複数の異なる形状のブレードと共に用いるよう設計されるが、任意の所与のブレードにおいて、クランプ部は、その度に依然として同じ再現可能な位置/向きでブレードに取り付けられ、異なる測定サイクル中に再現可能な位置でブレードの測定値が確実に取得されるようになる。
【0029】
更に他の実施形態では、汎用のクランプ部が複数の異なる形状のブレードと共に機能するよう設計できるが、汎用のクランプ部の単一のセットは、特定の範囲のブレードサイズのみに対応するよう設計することができる。この場合、汎用クランプ部の第1のセットは、第1の範囲の小さなサイズのブレードと機能するよう設計することができ、第2のセットの汎用クランプ部は、より大きなサイズのブレードの第2のセットと共に機能するよう設計されている。
【0030】
支持ポスト130は、クランプ部の1つにおいて形成された円筒形アパーチャに挿入される。図6及び7に示す実施形態では、支持ポスト130は、第1のクランプ部120の円筒形アパーチャに挿入される。代替の実施形態では、支持ポストは、第2のクランプ部121の円筒アパーチャ内に挿入することができる。
【0031】
次いで、蝶ネジ126が、第1のクランプ部120のネジ付きアパーチャ内に挿入され支持ポスト130の基部に接してネジ留めされ、支持ポスト130を第1のクランプ部120内に堅固に保持する。また、支持ポスト130が第1のクランプ部120上に取り付けられる毎に、支持体が正確に同じ回転の向きで第1のクランプ部120の円筒形アパーチャ内に確実に挿入されるようにする手段が提供される。これは、スロット及び鍵穴構成又は支持ポスト130の対応する不規則な形状の基部を受けるよう設計された第1のクランプ部120の不規則な形状のアパーチャ、或いは、支持ポストが第1のクランプ部120に挿入されたときに常に同じ回転の向きを確実にとるようにする他の何れかの機構を含むことができる。
【0032】
支持ポスト130上に移動可能に取り付けられるよう設計された測定装置が図8及び9に示されている。測定装置140は、支持ポスト130を受けるよう設計された取付アパーチャ142を含む。位置決めピン144は、取付アパーチャ142内に延在することができるよう測定装置上に移動可能に取り付けられる。幾つかの実施形態では、位置決めピン144は、該位置決めピンの端部を取付アパーチャ内に延ばすようにする方向に押し付けられる。
【0033】
図10は、支持ポスト130上に取り付けられた測定装置140を示している。支持ポスト130内には複数の位置決め孔132が形成されている。測定装置140上の位置決めピン144の端部は、支持ポスト130上の位置決め孔132の各々に受けられるよう設計される。位置決めピン144は、図8に示した位置に向かって内向きに押し付けられる。しかしながら、オペレータは、測定装置140が支持ポスト130に沿って上向き及び下向きに滑動できるよう位置決めピン144を上向きに引き寄せることが可能である。測定装置140が位置決め孔132の1つに隣接して位置付けられると、オペレータは、位置決めピン144を放し、位置決め孔132内に移動できるようにする。これにより測定装置は、支持ポスト130の長さに沿った特定の位置でロックされる。
【0034】
上述の機構により、測定装置140を支持ポスト130に沿って複数の所定位置に移動させることが可能になる。測定装置140上の位置決めピン144と、支持ポスト130上の位置決め孔132との間の係合によって、位置決めピン144が位置決め孔132の1つに受けられる毎に、測定装置が正確に同じ所定位置で確実に静止するようになる。
【0035】
測定装置が組み付けられる毎に、第1のクランプ部120上の同じ再現可能な位置に測定装置が確実に位置付けられるようにするためには、測定装置が再組み立てされる毎に、支持ポスト130が常に同じ深さで第1のクランプ部120内に嵌装されるのを確保することが望ましい。これは、測定装置が再組み立てされる毎に、支持ポスト130が常に第1のクランプ部120内の円筒形アパーチャ内に完全に嵌装されるのを確保することにより達成することができる。幾つかの実施形態では、蝶ネジ126の端部は、支持ポスト130内のアパーチャ又は溝内に嵌装され、該端部が第1のクランプ部120内で適切に位置付けられて嵌装されるのを確実にすることができる。
【0036】
図8及び9に示すように、測定装置は、第1の接触フィンガー148を備えた第1のアーム146と、第2の接触フィンガー152を備えた第2のアーム150とを含む。第1のアーム146及び第2のアーム150の一方又は両方は、測定装置140の本体に対して矢印Aの方向に移動可能である。測定装置140はまた、第1の接触フィンガー148と第2の接触フィンガー152との間の距離の指標を示すディスプレイ部154を含む。
【0037】
図10に示すように、測定装置140は、支持ポスト130上の位置決め孔132により定められる複数の所定位置の各々に移動することができる。所定位置に位置決めされると、第1のアーム及び/又は第2のアーム150は、第1の接触フィンガー148がタービンブレード100の前縁又は後縁の一方に係合し、且つ第2の接触フィンガー152がタービンブレード100の前縁又は後縁の他方に係合するように内向きに移動される。次いで、ディスプレイ部154は、タービンブレードの基部上の所定高さでタービンブレードの翼弦長さの指標を提供する。
【0038】
上記で説明され、図3に示すように、タービンブレードは通常、ブレードの基部と頂部との間で捩れている。結果として、ブレードの長さに沿った全ての位置において正確な翼弦測定値を得るために、測定装置がタービンブレードの基部から頂部に向けて上向きに移動するにつれて該測定装置を僅かに回転させる必要がある。これにより、測定装置140の第1及び第2のアーム146、150がタービンブレードの中心長手方向軸線にほぼ平行に保持される。
【0039】
図6及び10に示すように、支持ポスト130上の位置決め孔132は、支持ポスト130の中心軸線の周りに複数の異なる回転の向きで配向される。結果として、測定装置140が所定位置の1つに移動し、位置決めピン144が位置決め孔132の1つに挿入される毎に、測定装置140は、タービンブレード100に対して新しい回転の向きで位置付けられる。支持ポスト130の中心軸線の周りの異なる回転の向きで位置決め孔132を形成することによって、ブレードが基部から上向きに延びるにつれて捩れていることにかかわらず、測定装置140をブレードの面に対して適切な向きに保持することができる。
【0040】
支持ポスト130内の位置決め孔132は、ブレードの捩れに対応するように異なる回転位置で配向されなければならないので、位置決め孔132の配向方法を決定する際に単一のタービンブレードの特性を考慮する必要がある。結果として、各ブレード設計に対して異なる支持ポストが生成される可能性が高くなる。しかしながら、2つの異なるブレードが極めて類似した捩れ特性を有する場合のような、一部の限定的な状況においては、ブレードの両方に同じ支持ポストを用いることができる。
【0041】
タービンエンジンが保守作業を受けている場合、上述のような装置は、保守管理要員がブレードの何らかの有意な腐食又は他の形状の変化が存在するかどうかを判定するために、選択ブレードに関する一連の測定値を取得するのに用いることができる。これを達成するために、オペレータは、最初に支持ポスト130から測定装置140を分解して、クランプ部の1つから支持ポスト130を取り外す。
【0042】
次いで、オペレータは、測定されるブレードの基部付近の位置に第1及び第2のクランプ部120、121を移動させる。上述のように、これは通常、エンジンの圧縮機セクション又はタービンセクションの何れかの2つの隣接するステータベーン間にクランプ部を挿入し、次いで回転ブレードの第1の列のブレードの1つにこれらをクランプすることによって達成される。場合によっては、第1のクランプ部を第2のクランプ部から完全に分解することが必要となることがある。第1のクランプ部の一方の端部が第2のクランプの端部にヒンジ結合されているような、他の場合では、第1及び第2のクランプ部を互いに少なくとも部分的に取り付けた状態にしたまま、ブレードの基部の各側部上にこれらを位置付けるようにすることもできる。何れの場合では、クランプ部は、回転ブレードの基部に固定される。
【0043】
次に、オペレータは、クランプ部の1つに支持ポスト130を取り付ける。最後に、測定装置140が支持ポスト130に取り付けられる。多くの場合、支持ポスト130が隣接するステータベーンを通過してクランプ部上に取り付けられる前に支持ポスト上に測定装置140を取り付けることができる。
【0044】
測定装置が完全に組み立てられると、オペレータは、装置が取り付けられたブレードの一連の測定値を取得することができる。このことは、支持ポスト130上の最も低い所定位置に測定装置を位置付け、次いで、支持ポストの長さに沿った各所定位置にて一連の翼弦測定値を取得することを含むことができる。或いは、測定値は、ブレードの頂部から始めることができ、オペレータは、下向きに作業を進め、所定位置の各々で測定値を取得することができる。
【0045】
図10及び11に示すように、測定装置のアーム146、150がブレード100の前縁及び後縁と係合した状態になる毎に、翼弦長測定値がディスプレイ154上に表示される。オペレータは、測定値を視覚的に読み取り、測定値を記録することができる。代替の実施形態では、測定装置は、翼弦測定値を示す外部ディスプレイに電気的に結合することができる。この場合、外部ディスプレイは、読み取りがより容易になるように、タービンの完全に外部に位置付けることができる。更に別の実施形態では、測定装置は、測定値を自動的に記録し保管する記録装置に電気的に結合することができる。
【0046】
ある時間内で第1の時点で取得された測定値は、第2の時点で取得された対応する測定値と比較することができる。各ブレードの測定値は、所定の再現可能な位置にて取得されているので、測定値を互いに比較して、ブレードのあらゆる有意な材料劣化が生じたかどうかを判定することができる。
【0047】
場合によっては、圧縮機又はタービンセクションのブレードに番号を付与することができる。この場合、翼弦長測定値は、固有のブレード番号について記録される。固有のブレードに対する測定値を記録することにより、特定のブレードに関してある時点で取得した測定値を別の時点での同じブレードに関して取得した測定値と比較することが可能になる。これにより、測定間隔の時間の間に当該特定ブレードの測定値がどれほど変化したかを判定できるようになる。
【0048】
ブレードが個々に識別できない場合、第1の時点で複数のブレードに関して取得した測定値を平均化することができる。第2の時点で取得した測定値の第2のセットもまた、平均化することができる。更に、平均値間の差違は、測定間隔の時間の間にどれほどブレードが変化したかに関する指標を示す。
【0049】
特定の測定値の平均が計算されている場合、基部の上の各所定の高さでの測定値について異なる平均値を計算することができる。また、第1の時点での各高さレベルでの平均は、第2の時点での各高さレベルの平均と比較することができる。
【0050】
また、第1の時点からの実際の又は平均ブレード測定値を第2の時点での同じ測定値と比較するのではなく、ブレードが最初に設置されたときのブレードの寸法と実際の又は平均測定値とを比較することができる。
【0051】
典型的なタービンは、各列に多数の回転ブレードを含むので、第1の列におけるブレード全てを測定することは、無駄な時間を要する可能性がある。その代わりに、測定サイクル中、オペレータは、単に、ブレードの列においてブレード総数の何パーセントかだけを測定することができる。全てのブレードよりも少ないブレードが測定される場合、オペレータは、タービンの周囲で間隔を置いて配置された位置でブレードを測定することができる。例えば、オペレータがブレードのうちの10個のみ測定することを意図している場合、測定される10個のブレードは、互いに全て隣接した10個のブレードを単に測定するのではなく、タービンの周囲にほぼ等間隔で離間して配置されるのを確保することができる。
【0052】
図12は、測定装置のクランプ部の代替の実施形態を示している。この実施形態は、測定作業中にタービンブレードのベースの周りに迅速に位置付けるのを容易にすることを目的としている。
【0053】
図12に示すように、第1のクランプ部170は、ヒンジ接続により第2のクランプ部172に取り付けられ、これにより第2のクランプ部172を第1のクランプ部170上で枢動軸173を中心として枢動できるようにする。加えて、クイックリリース装置175が、第1のクランプ部170と第2のクランプ部172との間を通過するファスナー174に取り付けられる。クイックリリース装置175は、オペレータが、第1のクランプ部170及び第2のクランプ部172の自由端部を迅速且つ容易に係脱できるようにする。この点において、2つのクランプ部が互いから離れるよう枢動されてブレードからクランプ部を取り外すようにすることができ、或いは、クランプ部を新しいブレードの基部の周りに嵌合できるようにする。第1及び第2のクランプ部がブレードの基部の周りに嵌合されると、ファスナー174及びクイックリリース装置175により、2つのクランプ部が共に引き寄せられてブレードの基部上にクランプすることができるようになる。
【0054】
第1のクランプ部170の材料は、ブレード100の第1の側部及び縁部に当接するような曲線輪郭にされ、ブレードの反対側の縁部は、第2のクランプ部172の角度付きコーナで静止する。これにより、クランプ機構が複数の同様の形状にされたタービンブレードの基部上で本質的に同じ位置にて再現可能に位置付けることができる。
【0055】
図13は、クランプ機構の更に別の実施形態を示している。この実施形態では、第1のクランプ部221及び第2のクランプ部220の両方は、複数の同様の形状にされたブレード100の前縁及び後縁と係合するよう設計された曲線輪郭のコーナ225、227を有する。第1のファスナー222及び第2のファスナー224は、機構の2つの要素を共にクランプし、これらをタービンブレード100の対向する側部に接して引き寄せるのに用いる。
【0056】
図7、12及び13は、クランプ機構の様々な異なる実施形態を示しているが、異なるクランプ機構は、異なる形状、異なる部品の数及び頃なるファスナーを有する様々なクランプ機構を用いることもできる。本質的に同じ位置/向きのタービンブレードの基部上に再現可能にクランプできるあらゆる要素の組み合わせを用いることができる。
【0057】
その上、上述の実施形態は、回転ブレードの基部上でクランプするように構成されているが、代替の実施形態では、ブレード上の他の位置でクランプするように構成することができる。重要な点は、クランプが、本質的に同じ位置/向きでブレード上に再現可能にクランプできることである。
【0058】
また、上述され且つ図6〜12において図示された実施形態では、測定装置140はブレードの翼弦長を測定するよう設計されている。図14は、ブレードの厚みを測定するよう設計された代替の実施形態を示している。
【0059】
図14に示すように、測定装置240はまた、支持ポスト130を受けるよう設計された取付アパーチャ242を含む。位置決めピン244はまた、支持ポスト130上で位置決め孔132を係合するよう設計される。
【0060】
この実施形態では、測定装置は、第1のフィーラ220及び第2のフィーラ250を含む。第2のフィーラ250は、第1のセクション246、第2のセクション247及び第3のセクション248を含むC字形アーム上に位置付けられる。第1のフィーラ220及び第2のフィーラ250の一方又は両方は、互いに向かって及び/又は互いから離れて移動し、第1のフィーラ220及び第2のフィーラ250間のスペースを変化させるよう設計されている。測定装置240上のディスプレイは、第1のフィーラ220及び第2のフィーラ250間のスペースを示す。
【0061】
図14に示すような測定装置を用いて、上述の実施形態に関して説明された翼弦長測定値と同様に、ブレードに沿った複数の異なる高さでブレードの厚みを測定することができる。
【0062】
上述の実施形態の各々においては、オペレータが測定装置を支持ポスト130に沿って物理的に移動させ、複数の所定位置間で測定装置を移動させることが必要であった。代替の実施形態では、測定装置は、支持ポストに沿った異なる所定位置に測定装置を自動的に移動させる駆動機構を考慮して設計することができる。
【0063】
図15に示す実施形態では、支持ポスト330は、依然として、ブレードの基部にクランプされるクランプ機構310上に取り付けられている。この実施形態はまた、取付基部310に対して支持ポスト330を固定可能にする蝶ネジ326を含む。上述の実施形態と同様に、支持ポスト330をクランプ基部310に取り付ける取付機構は、支持ポスト330が常にクランプ基部310に対して同じ回転の向きで取り付けられるのを確保することができる。
【0064】
この実施形態では、ラックギア332は、支持ポスト330の外面に沿って形成される。ラックギアは、支持ポスト330の外部に沿った渦巻き状又は螺旋状経路を進む。
【0065】
図15に示すような支持ポスト330は、ラックギア332を支持ポスト330上に係合するよう設計されたピニオンギアを含む測定装置240と共に使用される。電気モータを含む駆動機構は、ピニオンギアに取り付けられて該ピニオンギアを回転させ、これにより支持ポスト330に沿って測定装置を駆動するようにする。ラックギア332は、支持ポスト330の外部に沿って渦巻き状になっているので、測定装置は、支持ポストに沿って移動するにつれて漸次的に回転され、測定装置が捩れたタービンブレードの測定面に適切に係合するのが確保される。
【0066】
図16は、図15に示すように、ラックギア332を有する支持ポスト330と共に用いることができる測定装置400のブロック図を示す。測定装置400は、翼弦長又は厚みのようなタービンブレードの幾つかの状態を測定するよう設計された測定装置402を含む。測定装置400はまた、モータと、ラックギア332を支持ポスト330上に係合するよう設計されたピニオンギアとを含む駆動ユニット408を含む。測定装置400はまた、移動コントローラ406を含み、該移動コントローラは、測定装置400が支持ポスト330に沿って複数の所定位置に移動されるように駆動ユニット408を制御する。
【0067】
測定装置400はまた、メモリユニット404を含むことができる。メモリユニットを用いて、測定装置400が複数の所定位置に移動されるよう移動コントローラ406が駆動ユニット408を制御するのを助けるのに必要とされる情報を記憶することができる。加えて、メモリ404は、ブレード上で取得される測定値を記憶するのに用いることができる。
【0068】
図16に示す実施形態はまた、測定装置400に結合されるデータロガー500を含む。データロガー500は、プロセッサ502、オペレーティングソフトウェア504及びデータメモリ508を含む。データロガー500はまた、移動コントローラ506を含むことができる。
【0069】
幾つかの実施形態では、測定装置402は、データロガー500のデータメモリ508に送られる測定結果を出力する。データロガー500は、また、移動コントローラ506を介して測定装置に命令を提供し、測定装置400が支持ポストに沿って異なる所定位置に移動させるようにすることができる。
【0070】
幾つかの実施形態では、タービンブレードの異なるタイプに関して測定値を取得できるように、データロガーのオペレーティングソフトウェア504、更に測定装置のメモリ404及び移動コントローラ406を更新することができる。また、オペレーティングソフトウェア及び種々のコントローラを再構成し、種々の異なるタービンブレードの長さに沿って異なる所定位置にて測定値を取得できるようにすることができる。
【0071】
上記の説明において、測定値はタービンエンジンの回転ブレードに関して取得されるよう仮定した。同じ基本的測定装置を用いて、タービンエンジンのステータベーンに関して測定値を取得することもできる。
【0072】
上記の説明において、ブレードの翼弦長及び厚みは測定装置によって測定された。しかしながら、代替の実施形態では、測定装置は、ブレード又はステータベーンの異なる態様の測定値を得るように構成することができる。
【0073】
また、上記の説明において、測定装置は、測定値を得るためにブレード又はステータベーンと実際に接触するフィーラを利用していた。代替の実施形態では、異なるタイプの測定装置を用いることができる。例えば、光学測定装置及びレーザベースの測定装置を上述の接触ベースの測定装置と置き換えることができる。
【0074】
上述の説明は、発電産業で使用されるタービンエンジンの関連で提供されたが、上述の測定装置はまた、航空機、単独の軸流圧縮機、蒸気タービン、風力タービン、並びに固定及び回転ブレードを含む様々な他のタービン及び圧縮機で用いることができる。
【0075】
現時点で最も実用的で好ましいと思料される実施形態を例にとって本発明を説明してきたが、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は特許請求の範囲に記載された技術的思想及びその技術的範囲に属する様々な修正及び均等な構成を包含する。
【符号の説明】
【0076】
1 タービンエンジン
10 圧縮機セクション
20 燃焼器
30 タービンセクション
100 ブレード
102 前縁
104 後縁
105 基部
107 頂部
110 取付基部
120,170,221 第1のクランプ部
121,172,220 第2のクランプ部
122,124 クランプファスナー
123,125 スペースレッグ
126 蝶ネジ
127 L字形コーナ
130 支持ポスト
132 位置決め孔
140,240,400 測定装置
142 取付アパーチャ
144 位置決めピン
146,150 第1及び第2のアーム
148 第1の接触フィンガー
152 第2の接触フィンガー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンブレード測定装置であって、
タービンブレードに取り外し可能にクランプされるように構成されたクランプと、
前記クランプ上に取り外し可能に取り付けられたガイドと、
前記ガイド上に移動可能に取り付けられ、前記タービンブレードの状態を測定するように構成された測定装置と
を備えるタービンブレード測定装置。
【請求項2】
前記クランプが、
タービンブレードの第1の部分を係合するように構成された第1のクランプ部と、
タービンブレードの第2の部分を係合するように構成された第2のクランプ部と、
前記第1のクランプ部を前記第2のクランプ部に向かって押し付けて、前記第1のクランプ部及び前記第2のクランプ部間でタービンブレードをクランプできるようにする取付機構と
を含む、請求項1記載のタービンブレード測定装置。
【請求項3】
前記取付機構が、
前記第1のクランプ部の第1の端部を前記第2のクランプ部の第1の端部に結合するヒンジと、
前記第1のクランプ部の第2の端部を前記第2のクランプ部の第2の端部に結合するファスナーと
を備えており、前記ファスナーが、前記第1及び第2のクランプ部の第2の端部を互いに向かって移動させるように構成されている、請求項2記載のタービンブレード測定装置。
【請求項4】
前記ファスナーが、前記第1のクランプ部の第2の端部を前記第2のクランプ部の第2の端部から迅速に結合解除できるようにするクイックリリース機構を含む、請求項3記載のタービンブレード測定装置。
【請求項5】
前記第1のクランプ部及び前記第2のクランプ部の少なくとも一方が、所定形状を有するタービンブレード上の再現可能な位置に前記クランプを取り付けることができるブレード係合面を含む、請求項2記載のタービンブレード測定装置。
【請求項6】
前記ガイドが、該ガイドに沿った複数の所定位置に前記測定装置を位置付けるように構成された位置決め機構を含む、請求項1記載のタービンブレード測定装置。
【請求項7】
前記位置決め機構が、前記クランプに対して複数の所定位置にて前記測定装置を位置決めするように構成されている、請求項6記載のタービンブレード測定装置。
【請求項8】
前記位置決め機構がまた、前記クランプに対して複数の所定の回転の向きで前記測定装置を位置決めするように構成されている、請求項7記載のタービンブレード測定装置。
【請求項9】
前記測定装置が、タービンブレードの翼弦長を測定するように構成されている、請求項1記載のタービンブレード測定装置。
【請求項10】
前記ガイドは、前記測定装置を前記ブレードの基部上の複数の所定高さに位置付けて、前記測定装置が前記ブレードの基部上の対応する複数の高さにて前記ブレードの翼弦長を測定できるように構成されている、請求項9記載のタービンブレード測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−154327(P2012−154327A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−9527(P2012−9527)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】