説明

ターボチャージャの連結ロッド

本発明は、ボールヘッド(3)を有する第1のロッド部分(2)を有し、ボールヘッド(3)を保持するための継手ソケット(5)を有する第2のロッド部分(4)を有する連結ロッド(1)に関し、案内要素(8、9)が、継手ソケット(5)の内周面(6)と、ボールヘッド(3)の外周面(7)との間に配置され、その案内要素(8、9)は、外周面(7)に押し当たり、支持部(12、13)に連結された少なくとも1つの舌状スプリング(10、11)を有し、その支持部は内周面(6)に支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分によるターボチャージャ用の連結ロッドに関する。
【背景技術】
【0002】
前記タイプの連結ロッドまたは連結レバーは、ターボチャージャの関節式機構で使用される。
【0003】
前記タイプの連結ロッドを備える、特に、300°を超える温度範囲にあるターボチャージャの高温側では、これまで、係合する玉継手の金属部分同士を、緩衝要素を介在させることなく直接つなげることしかできなかった。しかし、これは、摩耗が増えるという欠点を有し、さらに、連結ロッドまたは玉継手に振動減衰性を付与することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、接触対象の摩擦学的組み合わせを改善することができ、それと同時に振動を減衰させる、請求項1の前提部分に記載したタイプの連結ロッドまたは連結レバーを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、請求項1の特徴によって達成される。
【0006】
本発明の原理は、多数の舌状スプリング(spring tongue)が好ましいが、少なくとも1つの舌状スプリングを設けることにより、特定の予圧力を発生させることを基本とし、舌状スプリングは、連結ロッドまたはレバーの継手に加えられる。
【0007】
この場合に、使用される案内要素とボールヘッドとの間の好適な摩擦学的組み合わせをもたらすことが同時に可能である。さらに、連結ロッドまたはレバーの部分に対して、これまで公知の設計で使用してきたよりも安価な材料を使用できることが好ましい。
【0008】
本発明による連結ロッドは、弾性変形による振動減衰性を有し、これまでの設計よりもはるかに広範な温度範囲にわたって使用することもできる。
【0009】
原理的に、本発明による連結ロッドに対して、単一の案内要素を設けることが可能である。
【0010】
従属請求項は、本発明の有益な改良に関する。
【0011】
案内要素は、半殻が形成されるように、少なくとも略U字形状の断面を有するのが好ましく、その半殻に舌状スプリングが配置される。
【0012】
この場合に、2つ以上の案内要素、特に、それらのベース領域で互いに隣接し、ボールヘッド上の舌状スプリングと、継手ソケットの内周部のそれぞれの支持部とを用いて支持される2つの案内要素を設けることも可能である。
【0013】
本発明のさらなる細部、利点、および特徴が、図面に基づいた、以下の例示的な実施形態の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による連結ロッドの第1の実施形態の若干簡略化した概略図を示している。
【図2】案内要素の斜視図を示している。
【図3】図2による案内要素が取り付けられた連結ロッド1の斜視図を示している。
【図4】排気ガスターボチャージャの斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1の実施形態によれば、ボールヘッド3が設けられた第1のロッド部分2を有する連結ロッドまたは連結レバー1が提示されている。
【0016】
連結ロッド1はまた、ボールヘッド3を保持する継手ソケット5を有する第2のロッド部分4を有する。
【0017】
この場合に、図1は、継手ソケット5がボールヘッド3を直接支持するのではなくて、むしろボールヘッド3と共に、例えば、2つの案内要素8、9が配置される受け入れ空間19を画定することを示している。
【0018】
案内要素8、9は、いずれの場合も、それぞれ1つのチャネル状または半殻状の支持部12、13を有し、この支持部は、図1に示す図解において略U字形状の断面を有する。
【0019】
いずれの場合も、前記支持部12、13のそれぞれの内周壁14、15上に、それぞれ舌状スプリング10、11が形成され、これら舌状スプリングは、ボールヘッド8の外周面7に押し当たっている。
【0020】
案内要素8、9のそれぞれの外周壁16、17は、図1の図解に詳細に示すように、継手ソケット4の内周面6に支持されている。それによって、ボールヘッド3を継手ソケット4内で遊びがないように弾性的に支持することができる。
【0021】
図2は、案内要素8または案内要素9を斜視図で示している。
【0022】
前記の図は、支持部12または支持部13のそれぞれのチャネル状構造と、舌状スプリング10または舌状スプリング11のそれぞれの構成を示している。この場合に、図2は、例として12個の舌状スプリング10または舌状スプリング11など、多数の舌状スプリングが設けられるのが好ましく、この舌状スプリングは、スロットで互いに分離され、これらスロットのうち1つのスロット18が、すべてのスロットの代表として図2に示されている。案内要素8または案内要素9は、それぞれ金属材料で構成されるのが好ましい。
【0023】
図3は、案内要素8または案内要素9が連結ロッド1内に取り付けられた状態を示し、舌状スプリング10がボールヘッド3に押し当たり、支持部12または支持部13がそれぞれ継手ソケット5の内周部6に対接しているのを示している。
【0024】
導入部で説明したが、図3による実施形態と同様に、単一の案内要素8だけを設けるか、または図1による実施形態と同様に、図1に示した取り付け状態になるように、それらのベース部で互いに当接して支持されるような2つの案内要素8、9を設けることが可能であり、図1では、上側案内要素8は上向きに開いており、一方、図1の図解の下側案内要素9は下向きに開いている。
【0025】
図4は、コンプレッサおよびタービンを有する、本発明による排気ガスターボチャージャ20と、さらに、本発明による連結ロッド1を使用できる関節式機構21とを示している。
【0026】
上記した本発明の開示に加えて、図1〜4の本発明の概略図が、本明細書で明示的に参照される。
【符号の説明】
【0027】
1 連結ロッド
2 第1のロッド部分
3 ボールヘッド
4 第2のロッド部分
5 継手ソケット
6 内周面
7 外周面
8、9 案内要素
10、11 舌状スプリング
12、13 支持部
14、15 内周壁
16、17 外周壁
18 スロット
19 受け空間
20 排気ガスターボチャージャ
21 関節式機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−ボールヘッド(3)を有する第1のロッド部分(2)を有し、
−前記ボールヘッド(3)を保持するための継手ソケット(5)を有する第2のロッド部分(4)を有する、
連結ロッド(1)であって、
−案内要素(8、9)が、前記継手ソケット(5)の内周面(6)と、前記ボールヘッド(3)の外周面(7)との間に配置され、その案内要素(8、9)は、前記外周面(7)に押し当たり、支持部(12、13)に連結された少なくとも1つの舌状スプリング(10、11)を有し、その支持部は前記内周面(6)に支持される、連結ロッド(1)。
【請求項2】
前記支持部(12、13)は、U字形状の断面を有する、請求項1に記載の連結ロッド。
【請求項3】
前記支持部(12、13)は、円形リング形状のチャネルまたはソケットとして設計される、請求項1または請求項2に記載の連結ロッド。
【請求項4】
多数の舌状スプリング(10、11)が設けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の連結ロッド。
【請求項5】
前記舌状スプリング(10、11)は、(それぞれ)支持部(12、13)の(それぞれ)内周壁(14、15)上に配置されることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の連結ロッド。
【請求項6】
2つの案内要素(8、9)は、前記ボールヘッド(3)と前記継手ソケット(5)との間に設けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の連結ロッド。
【請求項7】
前記案内要素(8、9)は金属材料で構成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の連結ロッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−508850(P2012−508850A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535661(P2011−535661)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/063352
【国際公開番号】WO2010/056586
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(500124378)ボーグワーナー インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】