説明

ターボ機関

【課題】新規なターボ機関を提供する。
【解決手段】本発明は、回転子側の部材ユニットと固定子側の部材ユニットとを有するターボ機関(10)、すなわち定置ターボ機関に関し、回転子側の部材ユニットは軸受(11)において固定子側の部材ユニットに対して回転可能に軸受けされており、軸受の、固定子側の軸受ブシュ(12)が固定子側の軸受台座(13)を介してターボ機関の機械台座(14)に固定されている。本発明に従えば、ターボ機関の少なくとも1つの軸受台座(13)が、金属の充填材(15)で充填されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書きに記載のターボ機関に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば圧縮機、膨張機あるいはタービンとして実施され得るターボ機関の基本的な構造は、ここで言及される当業者には周知である。ターボ機関は、回転子側の部材ユニットと固定子側の部材ユニットとを有し、回転子側の部材ユニットには特に、動翼が装備された回転子が含まれ、固定子側の部材ユニットには特に、ハウジングおよび案内翼が含まれる。回転子側の部材ユニットは、軸受において固定子側の部材ユニットに対して回転可能に軸受けされており、特にエネルギーの発生に使われる定置ターボ機関においては、軸受の、固定子側の軸受ブシュが、固定子側の軸受台座を介してターボ機関の機械土台に固定されている。
【0003】
ターボ機関が駆動される回転速度範囲に応じて、ターボ機関もしくは当該ターボ機関の支持フレームで、たとえば支持フレームの固有周波数もしくはターボ機関と支持フレーム全システムの固有周波数の形で、望ましからざる振動が形成されかねない。これまでのところ、この振動に効果的に抗うことのできる対抗策は知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のことから本願発明は、改善された振動挙動を持つ支持フレームを有する、新式のターボ機関を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
当該課題は、請求項1に記載のターボ機関によって解決される。本発明に従えば、ターボ機関の少なくとも1つの軸受台座が、金属の充填材で充填されている。
【0006】
本願発明によって初めて提案されるのは、固定子側の軸受台座であって、当該軸受台座を介して固定子側の軸受ブシュがターボ機関の機械土台に固定されている軸受台座を、金属の充填材で充填することである。これによって軸受領域の質量を増加させることができ、それによって振動が緩和され、ターボ機関の固有周波数が変化される。これによって、ターボ機関の振動挙動によい影響を与えることが可能であり、その結果駆動中にターボ機関の振動を最小限にする。
【0007】
本発明の好ましいさらなる形態は、従属請求項と、以下の記述とからもたらされる。本発明の実施例は、図に基づいて詳述されるが、これに限定されるものではない。図に示されるのは以下である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】定置ターボ機関の概略斜視図である。
【図2】図1のターボ機関の詳細である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、定置ターボ機関として実施されている、本発明に係るターボ機関10の概略斜視図を示している。ターボ機関10は回転子側の部材ユニットと固定子側の部材ユニットとを有し、回転子側の部材ユニットには特に、動翼が装備された回転子が含まれ、固定子側の部材ユニットには特に、ハウジングと案内翼とが含まれる。
【0010】
回転子側の部材ユニットは、軸受11において固定子側の部材ユニットに対して回転可能に軸受けされており、軸受11の、固定子側の軸受ブシュ12が、同様に固定子側の軸受台座13を介してターボ機関10の機械土台14に固定されている。
【0011】
本願発明の意図において提案されるのは、ターボ機関の少なくとも1つの軸受台座13であって、当該軸受台座13を介して軸受11の軸受ブシュ12が機械土台14に固定されている軸受台座13が、金属の充填材15で充填されていることである。
【0012】
軸受台座13を金属の充填材15で充填することにより、軸受11の領域において、付加的な緩和を実現し、深刻な固有周波数を変化させることができる。これによって、駆動中のターボ機関10の、望ましからざる振動を最小限にすることが可能である。
【0013】
好適には、少なくとも1つの軸受台座が、金属球特に鋼球で充填されている。ターボ機関の1つあるいは複数の軸受台座13を充填している金属球は、好適には直径が0,5mmから2,0mmであり、特に1,0mmから1,5mmである。
【0014】
好適には、ターボ機関10の機械土台14に作用する軸受台座13のそれぞれが、金属の充填材15で充填されており、少なくとも1つの軸受台座13、好適にはそれぞれの軸受台座13に、個別の充填量の充填材15が設けられていてよい。
【0015】
本発明に係るターボ機関10は、圧縮機、膨張機あるいはタービンであってもよい。
【符号の説明】
【0016】
10 ターボ機関
11 軸受
12 軸受ブシュ
13 軸受台座
14 機械土台
15 充填材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子側の部材ユニットと固定子側の部材ユニットとを有するターボ機関、すなわち定置ターボ機関であって、前記回転子側の部材ユニットは軸受において前記固定子側の部材ユニットに対して回転可能に軸受けされており、前記軸受の、固定子側の軸受ブシュが固定子側の軸受台座を介してターボ機関の機械台座に固定されている、ターボ機関において、
前記ターボ機関の少なくとも1つの軸受台座(13)が、金属の充填材(15)で充填されていることを特徴とするターボ機関。
【請求項2】
前記ターボ機関の少なくとも1つの軸受台座(13)が、金属球で充填されていることを特徴とする請求項1に記載のターボ機関。
【請求項3】
前記ターボ機関の少なくとも1つの軸受台座(13)が、鋼球で充填されていることを特徴とする請求項2に記載のターボ機関。
【請求項4】
前記金属球の直径が、0,5mmから2,0mmであることを特徴とする請求項2あるいは3に記載のターボ機関。
【請求項5】
前記金属球の直径が、1,0mmから1,5mmであることを特徴とする請求項4に記載のターボ機関。
【請求項6】
前記ターボ機関の前記機械土台(14)に作用する前記軸受台座(13)のそれぞれが、前記金属の充填材(15)で充填されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のターボ機関。
【請求項7】
少なくとも1つの軸受台座(13)が、個別の充填量の前記充填材(15)で充填されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のターボ機関。
【請求項8】
それぞれの軸受台座(13)が、個別の充填量の前記充填材(15)で充填されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のターボ機関。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−47397(P2011−47397A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132867(P2010−132867)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(510153962)マン・ディーゼル・アンド・ターボ・エスイー (65)
【Fターム(参考)】