説明

ダイアフラム装着構造体、ダイアフラムの装着方法、ダイアフラムカセット、及びダイアフラムポンプ

【課題】長期間にわたってダイアフラムが金属製ダイアフラム被装着部材から剥離することなく安定的固定状態を維持し、ダイアフラムの厚みを厳密管理無用とするダイアフラム装着構造体及びダイアフラム装着方法、並びにダイアフラム装着構造体を備えて成るダイアフラムカセット及びそのカセットを装着したダイアフラムポンプを提供すること。
【解決手段】ダイアフラム被装着部材のフランジ部に形成された蟻溝にはめ込まれたPFA又はFEP製の環状体とPTFE、ETFE、PVDF、ECTFE又はPCTFE製のダイアフラム本体とを備え、かつ溶着により一体化されたダイアフラムを有するダイアフラム装着構造体、ダイアフラムをダイアフラム被装着部材に装着するダイアフラム装着方法、ダイアフラム装着構造体を備えるダイアフラムカセット、そのダイアフラムカセットを備えるダイアフラムポンプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ダイアフラム装着構造体、ダイアフラムの装着方法、ダイアフラムカセット、及びダイアフラムポンプに関する。更に詳しくは、この発明は、長期間が経過してもダイアフラムがダイアフラム被装着部材から剥離乃至脱落することがなく、ダイアフラムがダイアフラム被装着部材に長期間にわたって安定的に固定された状態を維持し、ダイアフラムポンプ性能の変動の一因となるダイアフラムの厚みを、厳密に管理する必要のないダイアフラムの装着構造体及びダイアフラムの装着方法、並びに、そのダイアフラムの装着構造体を備えるダイアフラムカセット及びそのダイアフラムカセットを装着したダイアフラムポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にダイアフラムポンプにおいては、ダイアフラムはポンプ室を画成するケーシングに挟み込んで締め付ける態様で装着されている。これに対して、例えば特許文献1〜特許文献3に示されるように、ダイアフラムを容易に取り付けることができ、かつ交換できるようにしたカセット式のダイアフラムポンプがある。このカセット式のダイアフラムポンプは、ダイアフラムを複数の部品で挟み込んでボルト等により締め付ける構造を有するダイアフラムカセットを有する。したがってこの種のダイアフラムポンプは、ダイアフラムカセットの構造が複雑であるので、ダイアフラムポンプ全体のコストが高くなる。
【0003】
そこで、ダイアフラムを複数の部品で挟み込んでボルト等により締め付ける代わりに、ダイアフラムカセットの本体を構成する部材であってダイアフラムが装着される部材であるダイアフラム被装着部材の端面、例えばフランジ面に、ダイアフラムを接着剤で固定することが考えられる。
【0004】
ダイアフラムとして、耐薬品性等の要求からポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂から成る材料を採用する場合には、一般的な汎用の接着剤で金属製のダイアフラム被装着部材に、PTFE等のフッ素樹脂製のダイアフラムを接着することは困難である。
【0005】
一方、特許文献4又は非特許文献1には、PTFEから成る部品を、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレンの共重合体(PFA)等の熱可塑性樹脂を接着剤として、金属やセラミクスに接着する技術が開示されている。
【0006】
そこで、前記特許文献4又は非特許文献1に開示された接着技術をダイアフラムポンプに適用することが想定される。
【0007】
しかしながら、前記特許文献4又は非特許文献1に開示された接着技術をダイアフラムポンプに適用するときには、接着層となるPFAの厚さを精密に管理しないと作動室の容積やダイアフラムカセットの寸法精度にばらつきが生じる。したがって、前記特許文献4又は非特許文献1に開示された接着技術をダイアフラムポンプに適用することは、ダイアフラムポンプの製品歩留まりを悪化させる要因となる。
【0008】
また、ステンレス鋼のような金属材料を部材とする場合に、前記特許文献等に示されるようにPFAを介して金属材料とダイアフラムとを接着しても、その接着強度が実用に足る程度に達しない場合もあるので、時間の経過によってダイアフラムの剥がれることがあった。
前記特許文献1〜特許文献3に示される2枚のダイアフラムの間に画成した中間室に液体を封入して成るダブルダイアフラム型ポンプのカセットでは、カセットの保存状態においてもダイアフラムに常に液圧が作用するので、長期間の保存下でもリークを起こさない信頼性が求められる。しなしながら、接着剤による接合では、ダイアフラムの長期安定性が必ずしも十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開昭55−88087号公報
【特許文献2】実開平3−87884号公報
【特許文献3】実開平7−22083号公報
【特許文献4】特開平6−198741号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】テフロン実用ハンドブック(2004年11月三井・デュポンフロロケミカル株式会社発行・編集)第105頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
長期間にわたってダイアフラムがダイアフラム被装着部材から剥離又は脱落することがなく、ダイアフラムが金属製のダイアフラム被装着部材に長期間にわたって安定的に固定された状態を維持し、ダイアフラムの厚みを厳密に管理する必要のないダイアフラム装着構造体及びダイアフラム装着方法を提供することである。
【0012】
また、この発明が解決しようとする別の課題は、上記ダイアフラム装着構造体を備えて成るダイアフラムカセット及びそのカセットを装着したダイアフラムポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するための手段は、
(1) ダイアフラムと、そのダイアフラムが装着される金属製のダイアフラム被装着部材とを備えてなるダイアフラム装着構造体であって、
前記ダイアフラム被装着部材は、前記ダイアフラムが装着されるフランジ部に蟻溝を有し、
前記ダイアフラムは、ダイアフラム本体と前記蟻溝に係合される環状体とを有し、
前記ダイアフラム本体は、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリフッ化ビニリデン、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体、又はポリクロロトリフルオロエチレンから成り、
前記環状体は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体、又はテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体から成り、
前記ダイアフラム本体と前記環状体とが溶着により結合されて成ることを特徴とするダイアフラム装着構造体であり、
前記課題を解決するための他の手段は、
(2) ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリフッ化ビニリデン、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体、又はポリクロロトリフルオロエチレンで形成されたダイアフラム本体に、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体、又はテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体で形成された環状体を有するダイアフラムと、ダイアフラムが装着される金属製のフランジ部に蟻溝を有するダイアフラム被装着部材とを係合させるダイアフラムの装着方法であって、
前記ダイアフラム本体から分離している環状体を前記蟻溝に装着し、前記蟻溝から突出する前記環状体の突出部分とダイアフラム本体との接触部分を溶着することによりダイアフラム本体と前記環状体とを一体化することを特徴とするダイアフラムの装着方法であり、
(3) ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリフッ化ビニリデン、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体、又はポリクロロトリフルオロエチレンで形成されたダイアフラム本体に、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体、又はテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体で形成された環状体を有するダイアフラムと、ダイアフラムが装着される金属製のフランジ部に蟻溝を有するダイアフラム被装着部材とを係合させるダイアフラムの装着方法であって、
治具により環状に保持された前記環状体の周側部と前記ダイアフラム本体との接触部分を溶着することによりダイアフラム本体と前記環状体とを一体化し、ダイアフラム本体に溶着した環状体を蟻溝に装着することを特徴とするダイアフラムの装着方法であり、
前記課題を解決するためのさらに他の手段は、
(4) (1)に記載のダイアフラム装着構造体を備えて成ることを特徴とするダイアフラムカセットであり、
前記課題を解決するための別の手段は、
(5) (4)に記載のダイアフラムカセットを備えて成ることを特徴とするダイアフラムポンプである。
【発明の効果】
【0014】
この発明によると、前記ダイアフラム被装着部材の蟻溝に環状体が嵌まり込んでいること、及び前記蟻溝に環状体が弾性的に係合していることにより、長期間に渡ってダイアフラムはダイアフラム被装着部材に安定的かつ確実に装着されると共に、装着状態でのダイアフラムとダイアフラム被装着部材との間に十分なシール性が確保されて成るダイアフラムの装着構造及び装着方法を提供することができる。また、この発明によると、接着剤を使用しないでダイアフラムをダイアフラム被装着部材に取り付けているので、作動室の容積及びダイアフラムカセットの寸法精度を一定にすることのできるダイアフラムの装着構造及び装着方法を、提供することができる。
【0015】
射出成形法、金型成形法等によりダイアフラム本体と環状体とを最初から一体的に形成することにより製造されるダイアフラムは、公知ではないが、想定することができる。このようにして製造されたダイアフラムをダイアフラム被装着部材に装着することはできると、考えられる。
【0016】
しかしながら、その場合には高価な成形金型が必要になることに加えて、射出成形により製造されるダイアフラムにおける環状体にアンダーカット部が必然的に存在するので、環状体を有するダイアフラムを製造するのに必要な成形金型は、相当に複雑な構造が要求され、金型のコストが高くなる、という問題が生じる。
【0017】
これに対して、この発明によると、ダイアフラム本体と環状体とを溶着により一体化しているので、高価な金型を使用することなく、既製品であるダイアフラム本体と既製品である環状体とを組み合わせることにより安価に製造することのできるダイアフラム装着構造体を提供することができる。
【0018】
前記ダイアフラム本体を形成するフッ素樹脂の中で耐蝕性、耐薬品性及び機械的耐久性に優れたフッ素樹脂として例えばポリテトラフルオロエチレンを選択し、環状体を形成するフッ素樹脂であって蟻溝に係合した状態でのシール性に優れたフッ素樹脂として例えばテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体を選択することにより、長期間が経過してもダイアフラムがダイアフラム被装着部材から剥離又は脱落することがなく、ダイアフラムがダイアフラム被装着部材に長期間にわたって安定的に固定され、信頼性の高いダイアフラムの装着構造を提供することができる。
この発明によると、接着剤を使用せずに、ダイアフラム被装着部材における蟻溝に予めフッ素樹脂製の環状体を装填しておき、次いで蟻溝内の環状体における蟻溝から僅かに突出する環状体の突出部分とダイアフラム本体とを接触させ、次いでその接触部分を溶着することによりダイアフラム本体と環状体とを結合するので、簡易にダイアフラムをダイアフラム被装着部材に装着することができるダイアフラムの装着方法を、提供することができる。
【0019】
この発明によると、フッ素樹脂製のダイアフラム本体にフッ素樹脂製の環状体を溶着により一体的に結合し、次いでダイアフラムにおける環状体をダイアフラム被装着部材における蟻溝に嵌め込むことにより、ダイアフラムをダイアフラム被装着部材に装着することができるので、簡易なダイアフラムの装着方法を提供することができる。
【0020】
この発明によると、前記ダイアフラム被装着部材の蟻溝に環状体が嵌まり込んでいること、及び前記蟻溝に環状体が弾性的に係合していることにより、長期間に渡ってダイアフラムはダイアフラム被装着部材に安定的かつ確実に装着されると共に、装着状態でのダイアフラムとダイアフラム被装着部材との間に十分なシール性が確保されて成るダイアフラムカセット及びダイアフラムポンプを、提供することができる。また、この発明によると、接着剤を使用しないでダイアフラムをダイアフラム被装着部材に取り付けているので、作動室の容積及び寸法精度を一定にすることのできるダイアフラムカセット及びダイアフラムポンプを、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、この発明に係るダイアフラムの装着方法又は装着構造体を適用したダイアフラムポンプの一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1のダイアフラムカセットの詳細を示す上半部縦断面図である。
【図3】図3は、図2を組立図として示す縦断面図である。
【図4】図4は、蟻溝の実施形態を示す断面図である。
【図5】図5は、蟻溝の実施形態を示す平面図である。
【図6】図6は、蟻溝の他の実施形態を示す平面図である。
【図7】図7は、蟻溝の他の実施形態を示す平面図である。
【図8】図8は、蟻溝の他の実施形態を示す平面図である。
【図9】図9は、蟻溝の他の実施形態を示す平面図である。
【図10】図10は、蟻溝の他の実施形態を示す平面図である。
【図11】図11は、溶着加工法の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、この発明に係るダイアフラム装着方法によりダイアフラムを装着したところの、この発明に係る装着構造体を有するダイアフラムポンプの一実施形態を示している。
【0023】
図1において、ダイアフラムポンプ11は、いわゆるダブルダイアフラム型と称され、2枚のダイアフラム12A、12Bにより画成された中間室13を介して、送液対象となる流体に作動圧力を作用させる構成を有している。この発明におけるダイアフラム12A、12Bはダイアフラム本体と環状体とを有する。ダイアフラムポンプの概略を示した図1においては、この発明に係るダイアフラム装着構造体及び装着方法における、蟻溝及びその蟻溝に装着される環状体も示されていない。
【0024】
図1において、左側に配設された第1のダイアフラム12Aによって画成された油圧室14には、図示しないモータ等により駆動されて往復運動するプランジャ15の作動により正負の圧力が繰り返し交互に作用する。中間室13には、液体として例えば純水等が封入されている。したがって、第1のダイアフラム12Aに作用する油圧はそのまま右側に配設された第2のダイアフラム12Bに伝えられる。第2のダイアフラム12Bの作動に伴い、その右側面に画成された作動室16の容積が拡大・縮小し、逆止弁の作用とともに作動室16の容積が拡大すると作動室16内に流体が流入し、逆止弁の作用とともに作動室16の容積縮小により作動室16から流体が排出される。
【0025】
このダブルダイアフラム型のダイアフラムポンプは、例えば液状の薬品や液状の食品の搬送等に使用されることができる。これらの搬送の対象となる流体と作動油とを中間室13に封入した純水等によって隔離する構成とすることにより、オイルリーク等による流体の汚染を防止することができる。また、ダイアフラム12には、耐蝕性、耐薬品性に優れ、剛性に優れたフッ素樹脂を用いている。
【0026】
ダイアフラム12A、12Bの点検や交換を容易にするために、このダイアフラムポンプ11では、中間室13を画成する中間ハウジング17をポンプ本体から取り外し可能なカセット式としてある。2枚のダイアフラム12は、この中間ハウジング17に取り付けられており、中間室13には予め純水等が封入されている。ダイアフラムカセットは、この中間ハウジングとこの中間ハウジングに取り付けられた2枚のダイアフラムと中間室に充填された純水等の液体とで形成される。
【0027】
前記中間ハウジング17は、耐蝕性及び機械的強度に優れたステンレス鋼等の金属材料から成り、この発明に係るダイアフラム装着構造体及びダイアフラム装着方法におけるダイアフラム被装着部材の一例である。
【0028】
既述したとおり、金属材料から成る中間ハウジング17の表面にフッ素樹脂から成るダイアフラム12A、12Bを溶着により取り付けることは、経時的な接合強度の信頼性の点から問題がある。
【0029】
これに対して、図2又は図3に示したように、この実施形態では、ダイアフラム12A、12Bは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体(ECTFE)、又はポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)からなるダイアフラム本体と、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)、又はテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(FEP)で形成され、前記ダイアフラム本体に溶着された環状体18とで、形成されている。特に、ダイアフラム本体については、高い耐薬品性等が要求されるので、PTFE、ETFE、PVDF、ECTFE又はPCTFEを選択せざるを得ないことが多い。
【0030】
この発明に係るダイアフラム装着構造体にあっては、図2及び図3に示されるように、中間ハウジング17に形成した蟻溝19に環状体18を係合させる装着構造とすることにより、接着によらずにフッ素樹脂製ダイアフラム12A、12Bを金属製の部材である中間ハウジング17に強固に取り付けることができ、内部の中間室13に封入した純水等の漏洩を防止して、ダイアフラムカセットとしての信頼性を確保している。
【0031】
より詳細に言うと、図2及び図3に示される実施態様においては、フランジ部22における2枚のダイアフラム12A及び12Bが接する面であるフランジ面23に、蟻溝19が設けられている。一方、この蟻溝19に弾性的に係合するフッ素樹脂から成る環状体18が前記ダイアフラム12の周縁部に溶着されている。ダイアフラム12A及び12Bは、ダイアフラム本体12Cと環状体18とで形成されている。
【0032】
図3に示される実施態様において、蟻溝19に係合される以前の環状体18の断面形状は、円形であるが、この発明に係るダイアフラム装着構造体及びダイアフラム装着方法においては環状体の断面形状は、環状体が蟻溝に挿入し易くて、蟻溝に一旦収納された環状体が蟻溝から容易に脱離しない限り制限は無く、例えば環状体が手動で変形可能な程度に弾力性を有している場合には、フランジ部に形成される溝の断面形状と略同形状の断面形状に成形した環状体を用いても良い。
【0033】
ダイアフラム本体12Cに環状体18を溶着してダイアフラム12A、12Bを形成するには、(A)前記蟻溝19に予め係合している環状体18の、蟻溝19から突出する部分を加熱溶融して、前記ダイアフラム12の周縁部に環状体18を溶着し、又は、(B)前記蟻溝19の環状径及び形状と対応する冶具(図示せず)により保持された前記環状体18とダイアフラム本体12Cの周縁部とを溶着する方法によるのがよい。
【0034】
前記(A)の手法を採用する場合には、蟻溝に環状体を挿入し、蟻溝内に挿入配置され、その蟻溝の環状開口部から僅かに突出乃至露出する環状体の表面とダイアフラム本体の周縁部表面とを溶着することにより、環状体とダイアフラム本体とが一体化するとともに、ダイアフラム被装着部材であるフランジ部にダイアフラムを装着することができる。前記(B)の手法を採用する場合には、治具により円形状に維持された環状体とダイアフラム本体の周縁部とを接触させ、環状体とダイアフラム本体の周縁部との接触部分を溶着することにより環状体とダイアフラム本体とが一体化してダイアフラムが形成され、このダイアフラムにおける環状体をフランジ部に形成された蟻溝に押し込み、これによって被ダイアフラム被装着部材にダイアフラムが装着される。
【0035】
ここで、この発明における環状体とダイアフラム本体との溶着は、少なくともダイアフラム本体12C及び環状体18を形成するフッ素樹脂同士を、加熱して高温になった状態で、相互に適宜の圧力を以って密着させることにより、達成される。この場合、フッ素樹脂の加熱は、環状体18が溶着可能な程度にたわむ温度であって、ダイアフラム本体12Cが融点以上であって熱分解しない温度に加熱するのが良い。ダイアフラム本体12Cが熱分解し始める温度まで加熱すると、ダイアフラム本体12Cを形成するフッ素樹脂が不可逆的な変質を生じるので、過熱状態と成ってしまい、溶着することができなくなる。環状体18を形成するPFA又はFEPは、ダイアフラム本体12Cを形成するPTFE、ETFE、PVDF、ECTFE又はPCTFEに比べて、荷重たわみ温度が低い。つまり、環状体18とダイアフラム本体12Cとの溶着時に、両者を同時に加熱したときに、荷重たわみ温度が比較的低温の環状体18が先にたわみ始める。よって、前記溶着は、加熱により環状体18のみがたわみ始めた温度に達した時点で、環状体18とダイアフラム12Cとを適宜の圧力を以って密着させれば良い。してみると、ダイアフラム本体12Cの材料としてPTFE、ETFE、PVDF、ECTFE又はPCTFEを選択すると、環状体18の材料は、ダイアフラム本体12Cを形成するフッ素樹脂に溶着可能なPFA又はFEPを選択することになる。なお、この発明においては、フッ素樹脂を加熱して圧力を加える、例えばスタンピング成形技術等を利用して溶着することができる。ダイアフラム本体と環状体とを、上述のフッ素樹脂により形成すると、ダイアフラム本体と環状体との強固な溶着を実現することができる。
【0036】
ダイアフラム本体12Cと環状体18との溶着方法の詳細については後述する。
【0037】
なお、図2及び図3に示される実施態様においては、蟻溝19がフランジ面23に形成されていたが、この発明に係るダイアフラム装着構造体及びダイアフラム装着方法においては、蟻溝が形成される部位はフランジ部である限り特に制限は無く、図2及び図3に示される実施態様以外に、例えば図4に示すような実施態様を挙げることができる。
【0038】
具体的には、図4に示すように、蟻溝191が、フランジ面231に形成されるのではなく、中間ハウジング171におけるフランジ部221のフランジ面231に隣接する面であるフランジ側面24に形成されている。
【0039】
フランジ側面24は、フランジ面231に対して傾斜する面であると共に、その縁辺部がフランジ面231の縁辺部に当接する面である。また、図4に示した実施態様には、ダイアフラム本体121Cの周縁部と、中間ハウジング171の周側面と、環状体181の一部とを囲繞する囲繞環25が設置されている。
【0040】
囲繞環25は、中間ハウジング171、環状体181、及びダイアフラム本体121Cを相互にがたつき無く固定することができる。もっとも、環状体181が蟻溝19にがたつき無く係合しており、かつ環状体181とダイアフラム121とが強固に溶着されている場合は、囲繞環25を設けなくとも良い。
【0041】
この発明におけるダイアフラム本体及び環状体は、何れもフッ素樹脂から成り、かつそのフッ素樹脂は相互に異なる。ダイアフラム本体は、中間ハウジングにおける中間室と作動室とを隔絶しつつ作動室側に湾曲変形し、また中間室側に湾曲変形することができる伸縮性、弾力性、及び剛性を有するフッ素樹脂で形成され、環状体は、蟻溝の外から押し込んで蟻溝の内部に収容されることができ、一旦蟻溝内に収容されてからは容易に蟻溝の外に押出されない程度の柔軟性を有するフッ素樹脂で形成される。
【0042】
最も好ましいフッ素樹脂の組合せとしては、ダイアフラム本体のフッ素樹脂として、耐蝕性、耐薬品性、機械的耐久性、並びに湾曲変形可能な程度の伸縮性、弾力性、及び剛性を有することという観点からPTFEを採用すると共に、環状体のフッ素樹脂として、蟻溝内に押し込み易い弾力性及びPTFEに対する溶着性の観点からPFAを採用するのが良い。
【0043】
また、ダイアフラム12を中間ハウジング17に取り付けた状態、即ち環状体18を蟻溝19に弾性的に嵌合させた状態(図2参照)において、蟻溝19の横断面積に占める環状体18の横断面積の比が90%以上となるように、環状体18及び蟻溝19の横断面形状及び断面積を設定しておくことが、蟻溝19内から環状体18が容易に脱離せず、しかも中間ハウジング17に対するダイアフラム12のシール性を確保する上で望ましい。なお、図2以下の各図では、説明の便宜のため、ダイアフラム12の厚さや蟻溝19の大きさ等、各部は実際のものとは異なる寸法又は寸法比で描いてある。
【0044】
図2に示す実施態様においては、フランジ部22は開口部を有する環状に形成される。この環状を成すフランジ部22をその中心軸線に平行な方向に切断したときに表れる蟻溝19の断面形状としては、フランジ部22のみを抜き描きした図5の(a)にも示すように、その開口部幅hよりも溝底部の幅Hが広い一般的な台形形状である。この発明に係るダイアフラム装着構造体及びダイアフラム装着方法において、蟻溝の断面形状としては図5(a)に示す形状に限られず、開口部幅hよりも溝底部の幅Hが大きく設定される形状であればどのようなものであってもよく、例えば図5の(b)に示したような段付き形状や、図5の(c)に示したような円形状のものであってもよい。
【0045】
この発明に係るダイアフラム装着構造体及びダイアフラム装着方法におけるダイアフラム被装着部材に形成されている蟻溝が、一例として図5の各態様に示すように、開口部の幅よりも蟻溝内部の幅が大きくなるような断面形状を有している場合には、環状体を加熱しつつ環状体を蟻溝内に押し込む際に、その加熱によってダイアフラム本体は変質を受けず、また不可逆的な変形を受けず、その加熱によって環状体は蟻溝内に変形しつつ収容されるに足る柔軟性をその環状体が発揮し、蟻溝内に収容されてから常温に戻ると環状体は蟻溝の開口部から容易に抜け出ることがない剛性を有するに至る。その結果、環状体が蟻溝内に錨(アンカー)を下ろしたような強固な係合状態が実現されて、アンカー効果様の作用が発揮されるので、結果として環状体に溶着されて成るダイアフラムが、蟻溝が形成されて成るダイアフラム被装着部材に強固に装着されることになる。
【0046】
ここで、図2及び図3に示した実施態様の中間ハウジング17を環状のフランジ部22の中心軸線に沿う方向から観察した形状を、図6に示した。中間ハウジング17はフランジ面23の中央、つまりフランジ面23の外周端と内周端との中間に位置するように、蟻溝19が形成されている。この発明に係るダイアフラム装着構造体及びダイアフラム装着方法においては、中間ハウジング17における蟻溝19のような溝の配置だけでなく、この発明の目的が達成される限り、様々な形状の溝を形成することができる。
【0047】
図7に示される実施態様では、フランジ面232の外周端と内周端との中間を通らずに、内周端側に偏在して蟻溝192が形成されている。また、図8に示される実施態様では、1本ではなく、半円状の蟻溝193が2本形成され、各蟻溝193の端部同士が近接している。なお、図8に示される実施態様においては、各蟻溝193の端部同士の隙間は、流体が漏出することが無い程度の僅かな隙間として形成されているので、中間ハウジング223に装着されることになるダイアフラムの密閉性は維持することができる。図9に示される実施態様では、略半円状の蟻溝194が2本形成され、各蟻溝194の端部同士が交差している。更に、図10に示される実施態様は、蟻溝195における開口部全体で形成される形状が多角形である。図6〜10に示した実施態様は、いずれもダイアフラムの密閉性を維持することができる蟻溝の形状である。
【0048】
なお、この発明に係るダイアフラム装着構造体及びダイアフラム装着方法において、環状体は円環状だけに制限されず、環状体が蟻溝に係合したときに、環状体に溶着されるダイアフラムが密閉性を維持可能なようにフランジ部を周回する形状であれば良い。環状体の態様としては、上記の蟻溝の形状に合わせて様々に変更することができ、円環状以外に例えば1本の紐状、複数本の紐状、及び多角形状等の様々な形状を採ることができる。
【0049】
図11は、別々に分離した状態にあるダイアフラム本体と環状体とを溶着してダイアフラムを形成する手順の一例を示している。これは、図11の(1)に示したように、中間ハウジング17の一部である環状のフランジ部22における一方の端面、つまりフランジ面23に蟻溝19を形成し、この蟻溝19に予め嵌め込んであるフッ素樹脂から成る環状体18とフッ素樹脂から成るシート状のダイアフラム本体12Cとを溶着する例である。
【0050】
環状体18を蟻溝19に嵌め込んだフランジ部22を、図11の(2)に示したように、加熱基台20に載置する。加熱基台20は、フランジ部22を支持する環状の基部20aと、この基部20aからフランジ部22の開口部を貫通して立ち上がる円形状のダイアフラム支持部20bとから成り、基部20aとダイアフラム支持部20bとの間には、図示しないブロワーからの熱風を導入する通風路20cを形成してある。前記ダイアフラム支持部20bは、基部20a上にフランジ部22を載置した状態で、その蟻溝19に面して所定の間隔を空けてダイアフラム12を支持する。前記通風路20cは、図中に矢印で示したように、ダイアフラム本体12Cとフランジ部22との間の対向間隙に向けて外側に熱風が抜けるように形成してあり、これにより蟻溝19に嵌め込んでなる環状体18の前記間隙への露出部分と、これに対向するダイアフラム本体12Cのフランジ部とを集中的に加熱するように図っている。
【0051】
なお、上述したダイアフラム本体と環状体とをそれぞれ形成するフッ素樹脂の最適な組合せを採用した場合、PTFEの融点は327℃であり、PFAの融点は310℃であるので、供給する熱風の温度を融点以上であってフッ素樹脂の熱分解温度に至らない範囲、例えば350℃程度としてそれぞれの加熱を行う。
【0052】
ダイアフラム本体12Cと環状体18を加熱してそれぞれの溶着面が溶融したところで、熱風の供給を停めて加熱基台20を下降させ、図11の(3)に示したように、ダイアフラム本体12Cの周縁部を環状体とは反対側の面から押圧することができるように形成された環状のプレス金具21によりダイアフラム本体12Cを環状体18に圧着させて、ダイアフラム本体12Cと環状体18とを互いに溶着させる。ダイアフラム本体12Cと環状体18との溶着部分が冷却してからプレス金具21によるダイアフラム本体12Cの押圧を終了することにより、図11の(4)に示したように、ダイアフラム本体12Cと環状体18とが一体化してなるダイアフラム12A(12B)がフランジ部22に装着された状態となる。
【0053】
この場合、ダイアフラム本体12Cと環状体18との溶着部分を、加熱基台20を介して同時に加熱溶融するようにしているが、それぞれ個々に、互いの溶着部分にのみ熱風が当たるようにマスクを施して加熱したうえで溶着するようにしてもよい。また、加熱手段としては、熱風に限られず、例えばレーザを適用することもできる。そのためには、例えばダイアフラム本体12Cのおける周縁部をヒータ等で加熱し、結晶温度を上げてPTFEの透明度を高めておいた上で、又は加熱処理により結晶化度を高めた、常温で透明度の高いダイアフラム本体12Cを環状体18に圧着させ、環状体18との接触面に半透明化したダイアフラム本体12Cを通してレーザを照射することで、互いの接触部を溶融させて溶着させるようにする。
【0054】
この実施形態では、中間ハウジング17におけるフランジ部22における表面であるフランジ面23に形成された蟻溝19の内部に環状体18を予め嵌め込んでおいてからダイアフラム12を溶着するようにしているが、環状体18をダイアフラム本体12Cに予め溶着しておいてから蟻溝19の内部に環状体18を嵌め込むようにしてもよい。この場合、環状体18を冶具(図示せず)により蟻溝19と同一の形状に保持した状態で、環状体18をダイアフラム本体12Cの周縁部に溶着して一体化するのがよい。
【0055】
前述したダイアフラム装着方法又はダイアフラム装着構造体によれば、蟻溝19と環状体18との弾性的な係合に基づいてダイアフラム12A(12B)が、環状部材である中間ハウジング17に装着されるので、中間ハウジング17の材質が、フッ素樹脂から成るダイアフラム12A(12B)を溶着することが困難な材質であっても、ダイアフラム12A(12B)を確実に固定しておくことができる。また、装着状態でのダイアフラム12A(12B)と中間ハウジング17との間に、環状体18を介して十分なシール性を確保することができる。したがって、中間ハウジング17の内部である中間室13に封入した液体のリークを防止して、ダイアフラムカセットとしての保存性及び信頼性を向上させることができる。
【0056】
また、ダイアフラム12A(12B)と環状体18とは、それぞれシート状の素材及びOリング等の既製品を適用することができることに加えて、ダイアフラム12A(12B)を中間ハウジング17に固定するために締結用の金具やねじ類を必要としないことから、ダイアフラム装着構造体又はダイアフラムカセットを安価に提供することができる。
【0057】
また、ダイアフラム12A(12B)と中間ハウジング17との間に溶着層が存在しないので、ダイアフラムカセット及びポンプの寸法・形状精度への影響がなく、高精度の製品を安定的に供給することが可能である。
【0058】
更に、この発明に係るダイアフラムの装着方法においては、射出成形法を用いないので、環状体18にアンダーカット部が存在することは無い。
【0059】
なお、前記実施形態は、この発明をダイアフラムポンプに適用した場合の具体例をいくつか示したものであって、この発明がこれら実施形態の用途・内容に限定されるものではないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0060】
11 ポンプ
12A、12B、121A、121B ダイアフラム
12C、121C ダイアフラム本体
13 中間室
14 油圧室
15 プランジャ
16 作動室
17、171、172、173、174、175 中間ハウジング
18、181 環状体
19、191、192、193、194、195 蟻溝
20 加熱基台
20a 加熱基台の基部
20b 加熱基台のダイアフラム支持部
20c 加熱基台の通風路
21 プレス金具
22、221、222、223、224、225 フランジ部
23、231、232、233、234、235 フランジ面
24 フランジ側面
25 囲繞環

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイアフラムと、そのダイアフラムが装着される金属製のダイアフラム被装着部材とを備えてなるダイアフラム装着構造体であって、
前記ダイアフラム被装着部材は、前記ダイアフラムが装着されるフランジ部に蟻溝を有し、
前記ダイアフラムは、ダイアフラム本体と前記蟻溝に係合される環状体とを有し、
前記ダイアフラム本体は、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリフッ化ビニリデン、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体、又はポリクロロトリフルオロエチレンから成り、
前記環状体は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体、又はテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体から成り、
前記ダイアフラム本体と前記環状体とが溶着により結合されて成ることを特徴とするダイアフラム装着構造体。
【請求項2】
ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリフッ化ビニリデン、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体、又はポリクロロトリフルオロエチレンで形成されたダイアフラム本体に、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体、又はテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体で形成された環状体を有するダイアフラムと、ダイアフラムが装着される金属製のフランジ部に蟻溝を有するダイアフラム被装着部材とを係合させるダイアフラムの装着方法であって、
前記ダイアフラム本体から分離している環状体を前記蟻溝に装着し、前記蟻溝から突出する前記環状体の突出部分とダイアフラム本体との接触部分を溶着することによりダイアフラム本体と前記環状体とを一体化することを特徴とするダイアフラムの装着方法。
【請求項3】
ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリフッ化ビニリデン、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体、又はポリクロロトリフルオロエチレンで形成されたダイアフラム本体に、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体、又はテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体で形成された環状体を有するダイアフラムと、ダイアフラムが装着される金属製のフランジ部に蟻溝を有するダイアフラム被装着部材とを係合させるダイアフラムの装着方法であって、
治具により環状に保持された前記環状体の周側部と前記ダイアフラム本体との接触部分を溶着することによりダイアフラム本体と前記環状体とを一体化し、ダイアフラム本体に溶着した環状体を蟻溝に装着することを特徴とするダイアフラムの装着方法。
【請求項4】
請求項1に記載のダイアフラム装着構造体を備えて成ることを特徴とするダイアフラムカセット。
【請求項5】
請求項4に記載のダイアフラムカセットを備えて成ることを特徴とするダイアフラムポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−132489(P2012−132489A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283407(P2010−283407)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000226242)日機装株式会社 (383)
【Fターム(参考)】