説明

ダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムと、それを用いたダクト清掃方法

【課題】 大型空調ダクトの内面を清掃する自走型のダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムと、それを用いたダクト清掃方法を提供する。
【解決手段】主要構成部は、カメラを複数搭載したダクト清掃ロボット本体と、そのカメラ映像を表示するカメラ撮像モニターシステムから成る。清掃形態は底板清掃(S301)と横壁清掃(S302)と天板清掃(S303)を選択するステップ(S304)を選択して、ブラシ回転・塵埃吸引・自走するステップ(S311)とロボットの幅寄せを検出するステップ(S314)の処理から成り、モニターシステムは、搭載するカメラの映像をモニターに送信するステップ(S330)と、カメラ画像選択ステップ(S331)と、幅寄せ検出ステップ(S314)をモニターで表示するステップ(S332)と、選択画像の同時表示ステップ(S333)から成る。その清掃形態の選択するステップ(S304)とモニターシステムのステップを連携させることにより、作業効率の良いダクト清掃が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はダクトの内壁面に付着した塵埃を清掃する装置に係り、特にダクト内を走行させながら内壁面の塵埃を回転ブラシで掻き落すと共に、掻き落された塵埃を撒き散らすことなく集塵部で吸引して、さらに操作者がこの清掃状態を視認して、適切な清掃状態を管理可能とするカメラシステムを搭載したダクト清掃ロボットのカメラで撮影した撮像モニターシステムと、それを用いた清掃方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空調ダクトは、長年の使用により堆積した塵埃を定期的に除去清掃する必要がある。この清掃は、特許文献1(ダクト内検査装置)や特許文献2(ダクト清掃用ロボット清掃機)に開示されているように、ダクト清掃ロボットが進行する前方に向けた一つのビデオカメラを配置して、ダクト内をブラシあるいは圧縮空気噴射で清掃すると共に、ビデオカメラのモニタ画面を操作者が見ながらこのロボットを走行させる。そこで、特許文献1の装置や特許文献2の方法は、ダクト清掃中にその送風が停止可能で、小径ダクトが多く設置されている通常の建物のダクト清掃に多く利用されている。
【0003】
ところで、原子力発電所内の空調ダクトでは、放射線防護の問題から通常の建物のダクト清掃時間より非常に短く、あるいは、空調を停止しないでダクト内を清掃することが望まれている。そして、原子力発電所内のダクトは構造的に大型の長方形断面のものが多い。
【0004】
このような観点でダクト清掃手段を検討すると、短時間清掃或いは空調稼動中に清掃可能にする手段は、堆積した塵埃を剥ぎ取った直後に吸引する手段を採用することが好ましい。そして、長方形断面の四隅を確実に清掃するためには、清掃ブラシが確実にダクト横壁に接するように、この清掃ロボットを横壁に近接させる幅寄せが確実にできるようにしなければならない。
【0005】
この点、前述の特許文献1、2の清掃ロボットでは、前方監視のテレビカメラが1台であるので、横壁に近接するものであるか否か、確認が難しい。なぜなら、そのような例の清掃ロボットは、前進させると同時にブラシの回転あるいは圧縮空気の噴射を行い、一つの円管内を一回進行させるだけで小径ダクトの内面全てを対象に清掃させる場合に効果的になる構成であり、幅寄せを必ずしも行わなくても清掃できる場合が多い。そこで、前方監視のテレビカメラを1台有すれば、管のほぼ中央を自走させるように、操作者が操縦できる。しかし、幅広いダクトを対象とするとする場合は、清掃ロボットの幅寄せを頻繁に行うことになるので、操作者が容易に確実に幅寄せできることが必要な機能になる。
【0006】
特許文献3(ダクトの清掃装置)は、テレビカメラの代わりに超音波センサとタッチセンサを用いるものである。この例は、清掃ロボットが前方や側面の壁あるいは障害物をセンサで検知して操作者に通知し、操作者がその検知信号を判断して清掃ロボットを走行操作するものである。この例ではセンサを用いるので壁の角隅まで清掃ロボットを確実に誘導できるが、幅広いダクトではこのロボット自身の位置が把握できない。また、操作者がタッチセンサからの表示信号のみで清掃ロボットを操縦するので、ダクト内の清掃状態やそのロボット位置を想像して判断することになる。そこで、操作者が安心して使用するためには、やはり特許文献1、2のようにテレビカメラを利用する方法が良い。
【0007】
特許文献4(作業ロボット装置)は、テレビカメラとタッチセンサの両方を備えたダクト清掃ロボットの例である。この装置ではテレビカメラで直視して、タッチセンサで前述の操作者の不安を解消できることが予想され得る。しかし、この例ではタッチセンサとテレビカメラを単純に並べて配置していることに留まっており、操作者がより安心して確実に壁の4隅を清掃する機能に乏しい。そこで、幅広で大型の矩形断面を清掃する目的の本発明の対象とするダクト清掃ロボットは、操縦性を容易にする機能の向上が望まれている。
【0008】
【特許文献1】特開平6−42805号公報
【特許文献2】特開平11−42467号公報
【特許文献3】特開昭59−90686号公報
【特許文献4】実開昭59―188193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以上に説明した点に鑑み、以下の課題を解決することにある。(1)ダクト内の状況視野と、ダクト清掃ロボットを操縦するための視野のそれぞれの視認機能を別々にもつこと、(2)それら複数の視野の中から、操作者が複数選択する機能をもつこと、(3)それらの複数の視野を同時に表示するモニター機能をもつこと、を少なくとも解決して、そして更に(4)ダクト清掃ロボットの操縦をより安全で確実にする機能をもつこと、(5)原子力発電所の空調ダクトのように、大型で送風稼動中であってもポリッシュする機構に搭載可能な機能であること、(6)大型の長方形断面の四隅を、確実にポリッシュする操縦を容易にする機能であること、(7)(1)〜(6)の機能を有するダクト清掃ロボットのカメラモニターシステムであること、及び、そのロボットを使用したダクト清掃方法を提供する。
【0010】
ここで、(1)ダクト内の状況とダクト内を操縦するための少なくとも2つの視野機能を別々に持ち、(2)それらの視野を選択して、(3)同時モニターすること等、課題を解決するための不可欠な機能を従来の技術に従って検討する。
【0011】
ダクト内監視とダクト内走行を兼用して一つのテレビカメラを使用している特許文献1と特許文献2では、清掃機構であるブラシあるいは圧縮空気噴射の部品とテレビカメラを清掃ロボットの走行台車に取り付けているので、まず、テレビカメラをダクト内の走行案内に主に使用して清掃ロボットを清掃箇所に近づけて、清掃後テレビカメラの鮮明画像を得る焦点距離の地点までロボットを移動させて、再度清掃程度をモニター画面で確認することになる。すなわち、これら従来技術では、ロボットの走行案内と、清掃状況確認を一つのカメラで、そして、一つのモニター画面を操作者が見ながら行う。そこで、この従来技術では、操作者のロボット操縦と清掃確認作業が時系列となり効率的な作業になり難い。
【0012】
また、特許文献3は、監視要素部がテレビカメラを使用しないでタッチセンサと超音波センサのみであるから、課題(1)の視野機能を持たない。一方、特許文献4はテレビカメラ以外にタッチセンサを備えて操縦機能を向上させてはいるが、特許文献1と特許文献2と同じく効率的な作業になり難い。
【0013】
すなわち、従来の技術では、基本的課題である(1)ダクト状況把握用と操縦用を別々の視野機能として持ち、(2)それらの視野選択と、(3)それらの同時モニター機能を提供成し得なかった。
【0014】
そして、本発明の課題は、これら(1)〜(3)を達成する技術をまず提供して、次に、更に技術的進歩を図る技術を提供するものである。その更なる進歩課題は(4)より安全で確実な操縦機能、(5)大型で送風稼動中ダクトに対応する機構と一体した機能、(6)長方形断面ダクトの四隅の確実な清掃を容易にする機能、を含むダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムと、それを用いたダクト清掃方法であるから、先に説明した従来技術である特許文献1―4では、全く対応できない新規な技術を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1のダクト清掃ロボットに搭載した複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムは、この複数の撮像素子の画像を表示する複数画面の表示ステップと、これら複数の撮像素子の画像を選択する画像選択ステップと、その画像選択ステップで選択された画像を、複数画面の中の任意の画面に同時に表示する画像処理ステップとを有することを特徴とするダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。より具体的に述べれば、この撮像素子とはテレビカメラであり、ダクト清掃ロボットにこのロボットの前進を案内する前方カメラと、後退を案内する後方カメラと、被清掃面の清掃状態を直視する清掃面カメラと、このロボット自身の状態を視認する全景カメラと、このロボットの左側状態を確認する左側面カメラと、右側状態を確認する右側面カメラとを備え、これらのカメラ、すなわち撮像素子の映像をそれぞれの画像として複数の画面に表示するための表示ステップと、操作者によってこれらの画像の中から任意に画像を選択する画像選択ステップと、選択された画像を複数画面の中の任意の画面領域で、同時に表示するステップを備えたダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。更に加えるにダクト内の清掃前後の状態を記録するデジタルスチルカメラも備えている。そこで、この構成を備えることで、基本的課題の(1)ダクト状況把握用と操縦用を別々の視野機能として持ち、(2)それらの視野選択と、(3)それらの同時モニター機能を提供できる。
【0016】
請求項2のダクト清掃ロボットに搭載した複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムは、清掃ロボットの左右側面のそれぞれにダクト横壁との接触検出器を複数配置して、この接触検出器の動作を表示する表示器を複数配置してあり、これら複数の撮像素子の内、少なくともそれらの表示器を撮像する複数の撮像素子を有し、接触検出器の接触判定ステップと、接触判定ステップに基づく表示器の表示ステップと、表示器の表示状態をこれら複数の撮像素子で撮影してモニター画面で表示するステップと、これら複数の撮像素子の左右側面の位置関係に呼応したモニター画面表示ステップを有することを特徴とするダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。より具体的に述べれば、清掃ロボットの左右側面にはダクト板との左右側面の接触検出器すなわち左右側面接触スイッチを配置してあり、このスイッチの動作により表示を変える左右側面の表示器すなわち発光ダイオード等の発光素子を配置して、ダクト清掃ロボットに搭載した複数の撮像素子すなわちテレビカメラの内、左右側面の映像を撮影する左側面カメラと右側面カメラの被写体画像の中に左右側面の表示器を含む配置にする。そこで、左右側面接触スイッチの動作でダクト板と接触を判定するステップと、その判定により発光ダイオードを発光して表示する表示器の表示ステップと、この表示状態を左側面カメラと右側面カメラの映像に含めた画像として、モニター画面に表示するステップとを備えておき、モニター画面においても左右の位置関係が操作者に認識可能なように左右に表示するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。そこで、この構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(6)長方形断面の四隅のポリッシュをより容易に操縦する機能を提供できる。
【0017】
請求項3のダクト清掃ロボットに搭載した複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムは、ダクト内を移動させる走行台車機構部と、この走行台車機構部に搭載した昇降機構部と、この昇降機構部で回動支承する清掃ヘッド機構部とを備え、その走行台車機構部と昇降機構部と清掃ヘッド機構部のそれぞれに、撮像素子を搭載して、清掃ヘッド機構部に、複数の回転ブラシと塵埃の吸引開口部を設けて、その清掃ヘッド機構部を回動させることによって、長方形断面ダクトの4つの内面の各々を複数の回転ブラシの先端回転平面で清掃して吸引開口部から塵埃を吸引すると共に、それらの撮像素子の映像を表示するモニターを有することを特徴とするダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。より具体的に述べれば、このダクト清掃ロボットは、走行台車機構部と、昇降機構部と、2つの回転ブラシと塵埃の吸引開口部を設けた回動する清掃ヘッド機構部とを備えた機構構成であり、それぞれの機構部に撮像素子であるテレビカメラを備えている。そして、それらテレビカメラが撮像した映像をモニター画面に表示する構成のカメラ撮像モニターシステムである。そこで、この構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(5)大型で送風稼動中の原子力発電所の空調ダクトであってもポリッシュする機能を提供できる。
【0018】
請求項4のダクト清掃ロボットに搭載した複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムは、ダクト内を移動させる走行台車機構部と、走行台車機構部に搭載した昇降機構部と、昇降機構部で回動支承する清掃ヘッド機構部とを備え、この走行台車機構部と昇降機構部と清掃ヘッド機構部のそれぞれに、撮像素子を搭載して、少なくとも、その昇降機構部の左右にダクト壁との接触検出器とこの接触検出器の動作を表示する表示素子とこの表示素子を撮像する撮像素子を搭載してあり、その表示素子を撮像する撮像素子の映像が、左右に配置したモニター画面のそれぞれに対応することを特徴とするダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。より具体的に述べれば、このダクト清掃ロボットは、走行台車機構部と、昇降機構部と、清掃ヘッド機構部のそれぞれの機構部に撮像素子であるテレビカメラを備えている。そして清掃ロボットの左右側面のそれぞれにダクト横壁との接触検出器すなわち左右側面接触スイッチを複数配置して、この接触検出器の動作を表示する表示器すなわち発光ダイオード等の発光素子を複数配置してあり、これら複数のテレビカメラの内、少なくともその発光素子を撮像する複数のテレビカメラを有している。更に、これら複数のテレビカメラの左右側面の位置関係に呼応したモニター画面で表示するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。そこで、この構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(5)大型の空調ダクトであっても(6)長方形断面の四隅のポリッシュをより容易に操縦する機能を提供できる。
【0019】
請求項5の、矩形断面ダクトの内面を清掃するダクト清掃ロボットに複数の撮像素子を搭載して、その複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法は、その複数の撮像素子の画像を表示する複数画面の表示ステップと、その複数の撮像素子の画像を選択する画像選択ステップと、その画像選択ステップで選択された画像を、複数画面の中の任意の画面に同時に表示する画像処理ステップとを有して、矩形断面ダクトの4つの内面を選択的に清掃することを特徴とするカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法である。より具体的に述べれば、この撮像素子とはテレビカメラであり、ダクト清掃ロボットにこのロボットの前進を案内する前方カメラと、後退を案内する後方カメラと、被清掃面の清掃状態を直視する清掃面カメラと、このロボット自身の状態を視認する全景カメラと、このロボットの左側状態を確認する左側面カメラと、右側状態を確認する右側面カメラとを備え、これらのカメラ、すなわち撮像素子の映像をそれぞれの画像として複数の画面に表示するための表示ステップと、操作者によってこれらの画像の中から任意に画像を選択する画像選択ステップと、選択された画像を複数画面の中の任意の画面領域で、同時に表示するステップを備えたダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。更に加えるにダクト内の清掃前後の状態を記録するデジタルスチルカメラも備えている。そこで、この構成を備えることで、基本的課題の(1)ダクト状況把握用と操縦用を別々の視野機能として持ち、(2)それらの視野選択と、(3)それらの同時モニター機能を利用したダクト清掃方法を提供できる。
【0020】
請求項6の、矩形断面ダクトの内面を清掃するダクト清掃ロボットに複数の撮像素子を搭載して、その複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法は、清掃ロボットの左右側面のそれぞれにダクト横壁との接触検出器を複数配置して、この接触検出器の動作を表示する表示器を複数配置してあり、これら複数の撮像素子の内、少なくともそれらの表示器を撮像する複数の撮像素子を有し、接触検出器の接触判定ステップと、接触判定ステップに基づく表示器の表示ステップと、表示器の表示状態をこれら複数の撮像素子で撮影してモニター画面で表示するステップと、これら複数の撮像素子の左右側面の位置関係に呼応したモニター画面表示ステップを有することを特徴とするダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。より具体的に述べれば、清掃ロボットの左右側面にはダクト板との左右側面の接触検出器すなわち左右側面接触スイッチを配置してあり、このスイッチの動作により表示を変える左右側面の表示器すなわち発光ダイオード等の発光素子を配置して、ダクト清掃ロボットに搭載した複数の撮像素子すなわちテレビカメラの内、左右側面の映像を撮影する左側面カメラと右側面カメラの被写体画像の中に左右側面の表示器を含む配置にする。そこで、左右側面接触スイッチの動作でダクト板と接触を判定するステップと、その判定により発光ダイオードを発光して表示する表示器の表示ステップと、この表示状態を左側面カメラと右側面カメラの映像に含めた画像として、モニター画面に表示するステップとを備えておき、モニター画面においても左右の位置関係が操作者に認識可能なように左右に表示するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。そこで、この構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(6)長方形断面の四隅のポリッシュをより容易に操縦する機能を用いたダクト清掃方法を提供できる。
【0021】
請求項7の、矩形断面ダクトの内面を清掃するダクト清掃ロボットに複数の撮像素子を搭載して、この複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法は、ダクト内を移動させる走行台車機構部と、この走行台車機構部に搭載した昇降機構部と、この昇降機構部で回動支承する清掃ヘッド機構部とを備え、その走行台車機構部と昇降機構部と清掃ヘッド機構部のそれぞれに、撮像素子を搭載して、清掃ヘッド機構部に、複数の回転ブラシと塵埃の吸引開口部を設けて、その清掃ヘッド機構部を回動させることによって、長方形断面ダクトの4つの内面の各々を複数の回転ブラシの先端回転平面で清掃して吸引開口部から塵埃を吸引すると共に、それらの撮像素子の映像を表示するモニターを有することを特徴とするダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。より具体的に述べれば、このダクト清掃ロボットは、走行台車機構部と、昇降機構部と、2つの回転ブラシと塵埃の吸引開口部を設けた回動する清掃ヘッド機構部とを備えた機構構成であり、それぞれの機構部に撮像素子であるテレビカメラを備えている。そして、それらテレビカメラが撮像した映像をモニター画面に表示する構成のカメラ撮像モニターシステムである。そこで、この構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(5)大型で送風稼動中の原子力発電所の空調ダクトであってもポリッシュする機能を用いたダクト清掃方法を提供できる。
【0022】
請求項8の、矩形断面ダクトの内面を清掃するダクト清掃ロボットに複数の撮像素子を搭載して、この複数の撮像素子の映像を再生するモニターを有するダクト清掃ロボットのカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法は、ダクト内を移動させる走行台車機構部と、走行台車機構部に搭載した昇降機構部と、昇降機構部で回動支承する清掃ヘッド機構部を備え、この走行台車機構部と昇降機構部と清掃ヘッド機構部のそれぞれに、撮像素子を搭載して、少なくとも、その昇降機構部の左右にダクト壁との接触検出器とこの接触検出器の動作を表示する表示素子とこの表示素子を撮像する撮像素子を搭載してあり、その表示素子を撮像する撮像素子の映像が、左右に配置したモニター画面のそれぞれに対応することを特徴とするダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。より具体的に述べれば、このダクト清掃ロボットは、走行台車機構部と、昇降機構部と、清掃ヘッド機構部のそれぞれの機構部に撮像素子であるテレビカメラを備えている。そして清掃ロボットの左右側面のそれぞれにダクト横壁との接触検出器すなわち左右側面接触スイッチを複数配置して、この接触検出器の動作を表示する表示器すなわち発光ダイオード等の発光素子を複数配置してあり、これら複数のテレビカメラの内、少なくともその発光素子を撮像する複数のテレビカメラを有している。更に、これら複数のテレビカメラの左右側面の位置関係に呼応したモニター画面で表示するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムである。そこで、この構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(5)大型の空調ダクトであっても(6)長方形断面の四隅のポリッシュをより容易に操縦する機能を用いたダクト清掃方法を提供できる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明の構成を備えることで、基本的課題の(1)ダクト状況把握用と操縦用を別々の視野機能として持ち(2)それらの視野選択と(3)それらの同時モニター機能を提供できる。そこで操作者は、同時モニターする複数画面を見ることでダクト内を走行する清掃ロボットの位置やその清掃状態を直感的に認識できる。したがって、この発明は、原子力発電所内の大型で複雑な空調ダクトであっても、人為的作業で行う煩雑で非効率な作業方法であったのを排除して、ダクト清掃ロボットを効率的に運用できるという特段の効果を奏する。
【0024】
請求項2の発明の構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(6)長方形断面の四隅のポリッシュをより容易に操縦する機能を提供できる。また、ダクト内で照明用ランプが故障して暗くなっても、表示器をモニターしているので、清掃可能である。そこで操作者は、清掃ロボットの左右側面のそれぞれにダクト横壁との接触状態を、左右側面の位置関係に呼応したモニター画面表示を直視できる。したがって、この発明は、このダクト清掃ロボットで四隅のポリッシュをより正確に効率よく運用できるという特段の効果を奏する。
【0025】
請求項3の発明の構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(5)大型で送風稼動中の原子力発電所の空調ダクトであってもポリッシュする機能を提供できる。そこで操作者は、その昇降機構部の機能も合わせ活用することで、大型の長方形断面を有するダクトであっても、モニター画面表示で直視できる。したがって、この発明は、大型矩形断面ダクトを稼動状態のままで、ダクトの左右横壁も天板も効率良く運用できるという特段の効果を奏する。
【0026】
請求項4の発明の構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(5)大型の空調ダクトであっても(6)長方形断面の四隅のポリッシュをより容易に操縦する機能を提供できる。また、ダクト内で照明用ランプが故障して暗くなっても、表示器をモニターしているので、清掃可能である。そこで操作者は、その昇降機構部の機能も合わせ活用することで、大型の長方形断面を有するダクトであっても、清掃ロボットの左右側面のそれぞれにダクト横壁との接触状態を、左右側面の位置関係に呼応したモニター画面表示を直視できる。したがって、この発明は、大型矩形断面ダクトであっても、このダクト清掃ロボットで四隅のポリッシュをより正確に効率よく運用できるという特段の効果を奏する。
【0027】
請求項5の発明の構成を備えることで、基本的課題の(1)ダクト状況把握用と操縦用を別々の視野機能として持ち、(2)それらの視野選択と、(3)それらの同時モニター機能を利用したダクト清掃方法を提供できる。そこで操作者は、同時モニターする複数画面を見ることでダクト内を走行する清掃ロボットの位置やその清掃状態を直感的に認識して清掃できる。したがって、この発明は、原子力発電所内の大型で複雑な空調ダクトであっても、人為的作業で行う煩雑で非効率な作業方法であったのを排除して、ダクト清掃ロボットで効率的な清掃ができるという特段の効果を奏する。
【0028】
請求項6の発明の構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(6)長方形断面の四隅のポリッシュをより容易に操縦する機能を利用したダクト清掃方法を提供できる。また、ダクト内で照明用ランプが故障して暗くなっても、表示器をモニターしているので、清掃可能である。そこで操作者は、清掃ロボットの左右側面のそれぞれにダクト横壁との接触状態を、左右側面の位置関係に呼応したモニター画面表示を直視して清掃できる。したがって、この発明は、このダクト清掃ロボットで四隅のポリッシュをより正確に効率良く清掃ができるという特段の効果を奏する。
【0029】
請求項7の発明の構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(5)大型で送風稼動中の原子力発電所の空調ダクトであってもポリッシュする機能を用いたダクト清掃方法を提供できる。そこで操作者は、その昇降機構部の機能も合わせ活用することで、大型の長方形断面を有するダクトであっても、モニター画面表示で直視して清掃できる。したがって、この発明は、大型矩形断面ダクトを稼動状態のままで、ダクトの左右横壁も天板も効率良く清掃ができるという特段の効果を奏する。
【0030】
請求項8の発明の構成を備えることで、(1)〜(3)の基本的課題を備えた上に(4)より安全で確実な操縦機能で(5)大型の空調ダクトであっても(6)長方形断面の四隅のポリッシュをより容易に操縦する機能を用いたダクト清掃方法を提供できる。また、ダクト内で照明用ランプが故障して暗くなっても、表示器をモニターしているので、清掃可能である。そこで操作者は、その昇降機構部の機能も合わせ活用することで、大型の長方形断面を有するダクトであっても、清掃ロボットの左右側面のそれぞれにダクト横壁との接触状態を、左右側面の位置関係に呼応したモニター画面表示を直視して清掃できる。したがって、この発明は、大型矩形断面ダクトであっても、このダクト清掃ロボットで四隅のポリッシュをより正確に効率良く清掃ができるという特段の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の最良の形態を以下の実施例で詳細に説明する。
【実施例1】
【0032】
図1はこの発明のダクト清掃ロボットの一実施態様を示す側面図であり、図2は上面図である。
【0033】
このダクト清掃ロボットは主に4つの機構部で構成してあり、それぞれの機構部はこのダクト清掃ロボットの目的とする総合機能の内、それぞれで個別に各機能を受け持っている。まず、この4つの機構部のうち3つの機構部は、(1)このダクト清掃ロボットを自走させる走行台車機構部10(ロボットロワーデッキ)と、(2)ダクトの底板から大型ダクトの天板まで清掃範囲を広げるための昇降機構部20(ロボットアッパーデッキ)と、(3)清掃ブラシである2つの回転ブラシ101、102を取り付けた清掃ヘッド機構部100の3つの機構構造部から成る。そして、各機構部10、20、100のそれぞれに目的の異なるテレビカメラ150、152、153、154、155、156と、その照明のためのライト160、161、162、163、164、165を搭載している。次ぎに第4の機構部として、(2)の昇降機構部20と(3)の清掃ヘッド機構部100の間には、昇降機構部20の上部に配置した上部構造体60と清掃ヘッド機構部100を回動自在に接続する(4)回動機構部170を設け、清掃ヘッド機構部100が昇降機構部20に対して360°回動する機能を与えている。
【0034】
すなわち、このダクト清掃ロボットは、自走させるための(1)走行台車機構部10と、天板までの範囲を広げるための(2)昇降機構部20と、ドーナッツ状の清掃ブラシの先端回転平面で被清掃面をポリッシングする回転ブラシ101、102を搭載する(3)清掃ヘッド機構部100と、清掃ヘッド機構部100の向きを矩形断面ダクトの4つの内面に向けて方向を変える回動機構部170の4つの主要機構構造部から成る。そして、搭載したテレビカメラ150、152、153、154、155、156と、デジタルスチルカメラ151、とライト160、161、162、163、164、165は、このダクト清掃ロボットの走行方向確認や清掃状態を視認するために動作する。
【0035】
図1と図2、更に昇降機構部20の動作状態を示す図3を用いてより詳細に構造を説明する。走行台車機構部10は無限軌道のクローラ11、12を動かす駆動部13の上部に走行架台14を保持する。この走行架台14は側面に下部ガイドローラ50、51、52を、後部に後方カメラ153と全景カメラ154と後方ランプ163、164と全景ランプ165とリミットスイッチ5等を取り付けた後方筐体6を、また、中央にホルダー16で保持するリフトモータ15と、そのモータ駆動力を伝達するプーリ17と、その回転力で昇降機構部20を昇降させるリフターガイド7と軸受8とリミットスイッチ9が備えてある。
【0036】
昇降機構部20は、リフトモータ15の回転に伴い軸受8で支持されたリフトローラ18、19が走行架台14の長手方向に移動してパンタグラフ状のX型リンク機構21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44を昇降させる。この昇降機構部20の上部にはリフターの上部構造体60を一体に保持してある。この上部構造体60は、その上蓋61の中に、清掃ブラシで剥ぎ取った塵埃を排出する排気管62と、ダクト外部につながるクリーナホース63と接続させるクリーナホース接続ノズル64がある。そして、昇降機構部20とは横溝ガイド65で可動連結している。
【0037】
上部構造体60の上蓋61の両側には、上部左側ガイドローラ65、66、67と上部右側ガイドローラ68、69、70と、上部左側リミットスイッチ71、72と上部右側リミットスイッチ73、74と、左側面接触確認表示器75、76と右側面接触確認表示器77、78と、左側面テレビカメラ155と右側面テレビカメラ156を備えている。ここで左右のリミットスイッチ71、72、73、74は、上部構造体60がダクト左右の横壁に接触検知の機能を持つ。なお、ここの側面接触確認表示器75、76、77、78は発光ダイオード(LED)のような発光素子であれば、どのような素子でも利用できる。そして、左右の側面テレビカメラ155、156は、この表示器75、76、77、78をカメラ視野で捉える配置である。
【0038】
更に、上部構造体60の上蓋61の上方には、天井面接触スイッチ80、81が上方に向け突き出している。この天井面接触スイッチ80、81は、上部構造体60が上昇して清掃用の回転ブラシ101、102の先端回転平面がダクト天板に接触することを検知する機能を持つものである。
【0039】
清掃ヘッド機構部100は、被清掃面側に回転ブラシ101、102と前方ライト160、161を露出させて、窓103を透明カバーで取り付けた清掃ヘッドカバー104で覆ってある。この窓103は清掃ヘッドカバー104の中に配置した前方カメラ150とデジタルスチルカメラ151の視界を得るものであり、清掃作業中にこれらカメラ150、151の防塵をする。そして、この清掃ヘッドカバー104の左右両側には、ガイドローラ105、106、107、108を配置して、回転ブラシ101、102の清掃ガイドとして機能させる。
【0040】
図4でこの清掃ヘッド機構部100の構造をより詳細に説明する。この清掃ヘッド機構部100は、2つの回転ヘッド101、102を回転駆動する駆動モータ109と、その回転力を伝達するプーリ110とベルト111と中継ギア112、113から成る回転駆動機構と、回転ブラシ101、102と清掃面カメラ152と清掃面ライト162と回転ブラシ101、102で剥ぎ取った塵埃を吸引するための吸引開口部114及びその排気管115で構成してある。
【0041】
図5と図6は、回転ブラシ101、102で剥ぎ取った塵埃を集塵機(図示せず)で集塵する動作についての説明図である。図5は側断面から見た空気流であり、図6は回転ブラシ101、102の先端回転平面側から見た清掃ヘッド機構部100の下面図を示す。
【0042】
図5で見ると、回転中心121、122を中心にして回転する回転ブラシ101、102の先端回転平面116で剥ぎ取った塵埃は、矢印で示す空気流に乗って吸引開口部114から排気管115を経由して、上部構造体60の中に配設した排気管62とクリーナホース63を介して外部の集塵機に送られる。又、図6で見ると、第1の回転ブラシ101と第2の回転ブラシ102は互いに逆方向に回転させ、すなわち、第1の回転ブラシ101が反時計方向、第2の回転ブラシ102が時計方向に回転して、互いの遠心力の合力で塵埃が吸引開口部114に送り込まれる。したがって、吸引開口部114の開口位置は、2つの回転ブラシ101、102の外周面123、124の間隙117を流路にして、回転ブラシ101、102の取り付け面125側に開いた吸引開口部114に流れ込む。この実施例は第1の回転ブラシ101と第2の回転ブラシ102の遠心力の合力を利用することで空気流を発生させているので、集塵機の吸引能力を極力少なく出来る効果が生まれている。そして、この装置は長い空調ダクトであっても、この合力とそれらの粘性力で確実な塵埃の吸引が可能になる。なお、更に確実な吸引を補助する手段としては、図5、図6に示す遮蔽補助部材126を回転ブラシ101、102や吸引開口部114の近傍に配置することで、より効果的になる。
【0043】
清掃ヘッド機構部100の向きを矩形断面ダクトの4つの内面に向けて方向を変える回動機構部170の構造は、図5で説明する。この回動機構部170は、昇降機構部20の上部構造体60と清掃ヘッド機構部100を回動支承させるもので、上部構造体60に固定した固定スリーブ171と、この固定スリーブ171で締結保持したパッキン172とシール173と、清掃ヘッド機構部100のフランジ174と、このフランジに締結保持した回転リング175に回転スリーブ176を螺子177で締結してある。そこで、上部構造体60と回動機構部170は、固定側の部材171、172、173と回転側の部材174、175、176、177が互いに離れないように勘合された状態で回動できる構造になっている。そして、この勘合構造の外側に90°毎に仮固定を行うロック機構179を配置してあるので、この勘合構造は360°回動可能の所定角度毎の仮保持機能を有する。
【0044】
そこで、このダクト清掃ロボットは、回転ブラシ101、102を取り付けた清掃ヘッド機構部100を左右横壁や天板方向に向けながら、ダクト内を清掃走行できて清掃走行が可能になる。
【0045】
このダクト清掃ロボットがダクト底面1を清掃する場合、回転ブラシ101、102を回転させながら清掃ヘッド機構部100を先頭にして前進させる。吸引開口部114に先行する回転ブラシ101、102の先端回転平面でのポリッシングによって剥ぎ取られた塵埃は吸引される。
【0046】
そして、左横壁2との隅部を清掃する場合は、操作者が前方ライト160、161と前方カメラ150で映し出しながら、全体を左に寄せる。十分左寄せが出来ると、上部左側ガイドローラ65、66、67と下部ガイドローラ50、51、52が左横壁2で幅方向の規制を行い、上部左側リミットスイッチ71、72の動作によって、左側面接触確認表示器75、76が表示点灯する。そこで操作者は左側面テレビカメラ155のモニター画面で写される表示器を確認することで、確実にダクトの左隅の清掃を行うことができる。この接触はモニター表示のみならず音声による通知も効果的である。更にまた、表示器をモニターしているので、ダクト内で照明用ランプが故障して暗くなっても、暫定的に清掃が可能になるので、操作者は安心して清掃できる。同様に、ダクト右隅の場合も、下部ガイドローラ50、51、52と右側ガイドローラ68、69、70と上部右側リミットスイッチ73、74と右側面接触確認表示器77、78と右側面テレビカメラ156で確実にダクトの右隅の清掃を行うことができる。
【0047】
ここで、テレビカメラ150、152、153、154、155、156とデジタルスチルカメラ151の機能をまとめる。清掃ヘッド機構部100には、この清掃ロボットの進行方向を誘導する前方カメラ150と清掃前後を画像記録するデジタルスチルカメラ151と、回転ブラシで被清掃面を清掃している状態を監視する清掃面カメラ152を配置する。そして、昇降機構部20の上部構造体60には左側面テレビカメラ155と右側面テレビカメラ156を配置して、左右のリミットスイッチ71、72、73、74で動作する左側面接触確認表示器75、76と右側面接触確認表示器77、78をこれらの左右側面テレビカメラ155、156の被写体映像に含める。更に、走行台車機構部10には後方への後退を誘導する後方カメラ153と、この清掃ロボットの昇降状態を直視するための全景カメラ154が備えられている。なお、テレビカメラ150、153、154、155、156はこの清掃ロボットの動作を確実に、また操作者が容易に操縦するために用いるものであるが、ダクト内の清掃状態を監視することにも利用可能である。
【0048】
これらのテレビカメラ150、152、153、154、155、156は、クリーナホース63と共に、ダクト清掃ロボット本体から離れて配置するコントロール部200と制御通信ケーブル(図示せず)で接続してある。この制御通信ケーブルは、この清掃ロボット本体の駆動電力と駆動制御信号や、照明ランプの電力を送ると共に、テレビカメラ150、152、153、154、155、156で撮像した映像信号及びデジタルスチルカメラ151の映像伝送を行う。ここで映像信号は、有線のみならずワイヤレスの送受信方式を利用してもよく、有線の制御通信ケーブルに限定されて送受信されるものではない。
【0049】
図7はコントロール部200を示すもので、このコントロール部200には、清掃ロボット本体の走行を操縦する電源スイッチ202とトラッキングコントローラ203とスピードコントローラ204等を設けた走行コントロールユニット206と、昇降機構部20の昇降動作や回転ブラシ101、102の駆動制御をする機構動作コントロールユニット210と、照明用のライト160、161、162、163、164、165の光量を制御するコントローラ220、221、222、223、224、225を設けた調光コントロールユニット227と、映像系電源230と画面分割や画面選択をする画面コントローラ231等を設けたモニター画面コントロールユニット233と、モニター画面ユニット250を備えている。このモニター画面ユニット250は、中央部に主画面252とその左右上部に2つの副画面255、256を配置している。そして主画面252は、前方カメラ150と後方カメラ153と全景カメラ154と清掃面カメラ152の被写体撮像画面の表示領域になる。また、左右上部に副画面255、256は、それぞれが上部構造体60の左側面テレビカメラ155と右側面テレビカメラ156の被写体撮像画面の表示領域になる。この左右側面テレビカメラ155、156は、左側面接触確認表示器75、76と右側面接触確認表示器77、78をそれぞれ被写体画像として表示している。なお、デジタルスチルカメラ151の映像をこの主画面252に表示してもよい。
【0050】
図8は、この清掃ロボット本体が図1で示す状態で、清掃ヘッド機構部を先行させて前進する時、モニター画面コントロールユニット233の制御によるモニター画面ユニット250での被写体撮像画面を示す。この画面コントローラ231はテレビカメラ150、152、153、154から選択的に任意の画面を設定する。例えば、 図8(a)は主画面252が前方カメラ150の撮像画面260、同じく、 図8(b)は清掃面カメラ152の撮像画面262、図8(c)は後方カメラ153の撮像画面263、図8(d)は全景カメラ154の撮像画面264になる。ここで、副画面255、256は常に左右それぞれの側面テレビカメラ155、156の映像を表示している。そこで操作者は前方カメラ150の撮像画面260を見ながら、この清掃ロボットを被清掃箇所に移動させて、清掃面カメラ152の撮像画面262を選択する。回転ブラシ101、102でダクト底板1を撮像画面262で監視しながら清掃を続ける。この清掃作業中は、この回転ブラシ101、102に近接して吸引開口部114から剥ぎ取った塵埃を逐次吸引除去しているので、被清掃面の清掃状態を常に監視可能である。清掃が終了すると、操作者は撮像画面260に戻してこの走行台車機構部10を前進させる。そして、幅広ダクトの横壁隅部を清掃する時は、操作者が主画面252を任意に選択して、さらに副画面255、256の撮影画面265、266で左側面接触確認表示器75、76あるいは右側面接触確認表示器77、78の表示を視認して、上部ガイドローラ65、66、67、68、69、70が横壁に確実に接触したことを確認する。このようにして、本発明のダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムは、ダクト底板1とその角隅の確実な清掃を可能にする。
【0051】
この主画面252は、前方カメラ150と清掃面カメラ152と後方カメラ153全景カメラ154の撮像画面260、262、263、264を選択的に選び、副画面255、256で左右側面テレビカメラ155、156の映像を同時に表示している。しかし、実用的には絶えず画面選択を行うことになるので煩雑である。図9は主画面252を4分割して、これらの撮像画面260、262、263、264を同時にモニターした例を示す。これらの撮像画面260、262、263、264は、図9(a)〜(d)に示すように操作者の選択で任意の分割画面に再生できる。なお、デジタルスチルカメラ151の映像を選択的に再生してもよい。ここで、副画面255、256は主画面252と分けて説明しているが、この主画面252の中の分割画面の一部として設定してもよい。
【実施例2】
【0052】
図10と図11はこのダクト清掃ロボットがダクト天板内面の清掃状態を示す図である。天板清掃をする場合は、回動機構部170によって清掃ヘッド機構部100の向きを上方に変えて、180°反転したところでロック機構179により固定する。そして、前方カメラ150のモニター映像も180°回転させる。更に、左側面テレビカメラ155と右側面テレビカメラ156の映像を入れ替える。この動作により操作者は左右の感覚を維持できる。この回転は前方カメラ150を反転させても可能であるが、映像システムで回転させる方法でもよい。また、左側面テレビカメラ155と右側面テレビカメラ156の映像はモニター画面(図示せず)で入れ替える。次に、昇降機構部20のリフトモータ15とX型リンク機構21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44で清掃ヘッド機構部100を上昇させる。この時、操作者は全景カメラ154と全景ランプ165で上昇状態を視認する。そして、回転ブラシ101、102が天板4に接触すると、上部構造体60の上蓋61の上方にある天井面接触スイッチ80、81でその接触を表示して操作者に通知する。この表示は実施例1と同様に表示器の点灯をモニター画面に表示することで、あるいは音声通知により、操作者が認識できる。天板に回転ブラシ101、102が接触できると実施例1と同様に清掃を行う。このダクト清掃ロボットの清掃ヘッド機構部100の回転ブラシ101、102と吸引開口部114の位置及び動作環境は、底面清掃時と同じ関係になるので剥ぎ取られた塵埃は確実に吸引される。
【0053】
天板清掃時に、天板4と左右横壁との隅を清掃する場合、操作者が前方ライト160、161と前方カメラ150で映し出しながら、ダクト清掃ロボット全体を左あるいは右に寄せる。十分幅寄せが出来ると、上部左側ガイドローラ65、66、67あるいは右側ガイドローラ68、69、70で幅方向の規制を行い、上部左側リミットスイッチ71、72あるいは上部右側リミットスイッチ73、74の動作によって、左側面接触確認表示器75、76あるいは右側面接触確認表示器77、78を点灯させる。そこで、操作者は左側面テレビカメラ155あるいは右側面テレビカメラ156をそれぞれ左右のモニター画面で視認して、ダクトの左右隅の清掃を行うことができる。
【0054】
この天板清掃時は前方カメラ150の撮像画面260は、底板1の清掃時の画面と180°反転することを防止するために、画像の左右反転すなわち180°回転させる。これは前方カメラ150を上下逆に切り替えることでも可能であるが、画面コントローラ231の制御回路で行ってもよい。なお、デジタルスチルカメラ151の映像も同様に処理可能である。
【実施例3】
【0055】
図12はこのダクト清掃ロボットがダクト右横壁の清掃状態を示す図である。横壁清掃をする場合は、回動機構部170によって清掃ヘッド機構部100の向きを直角に変えて、90°回転したところでロック機構179により固定する。そして、前方カメラ150のモニター映像も90°回転させる。なお、左側面テレビカメラ155と右側面テレビカメラ156の映像は入れ替えない。この動作により操作者は横壁面の感覚を維持できる。この回転は前方カメラ150を回転させても可能であるが、映像システムで回転させる方法でもよい。次に、昇降機構部20のリフトモータ15とX型リンク機構21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44で清掃ヘッド機構部100を昇降させる。この時、操作者は全景カメラ154と全景ランプ165で上昇状態を視認する。
【0056】
そして、回転ブラシ101、102が右横壁3に接触すると、操作者が前方ライト160、161と前方カメラ150で映し出しながら、全体を右に寄せる。十分右寄せが出来ると、下部ガイドローラ50、51、52と右側ガイドローラ68、69、70と上部右側リミットスイッチ73、74と右側面接触確認表示器77、78と右側面テレビカメラ156で確実にダクトの右隅の清掃を行うことができる。この接触はモニター表示のみならず音声による通知も効果的である。同様に、ダクト左横壁4の場合も、上部左側ガイドローラ65、66、67と下部ガイドローラ50、51、52が左横壁2で幅方向の規制を行い、上部左側リミットスイッチ71、72の動作によって、左側面接触確認表示器75、76が表示点灯する。そこで操作者は左側面テレビカメラ155のモニター画面で写される表示器を確認することで、確実にダクトの左隅の清掃を行うことができる。この接触はモニター表示のみならず音声による通知も効果的である。この横壁清掃においても、このダクト清掃ロボットの清掃ヘッド機構部100の回転ブラシ101、102と吸引開口部114の位置及び動作環境は、底面清掃時と同じ関係になるので剥ぎ取られた塵埃は確実に吸引される。
【0057】
ここで本発明のダクト清掃ロボットの寸法関係を示す。回動機構部100の回転中心Gから回転ブラシ101、102の先端回転平面116までの距離は約145mm、すなわち、回動機構部100を180°回動して成る2つの平面の互いの間隔をm=約290mmである。また、2つの先端回転平面の成す2つの円形が成す互いの最大外周間距離をnとすると、n=約290mmである。そして、昇降機構部20のリフトストロークh=約500mmである。なお、この左右リミットスイッチ71、72、73、74がリミット動作する時のダクト清掃ロボットの全幅は約290mm、昇降機構部20が降りている時の全高は約290mmである。したがって、本発明のダクト清掃ロボットは矩形断面ダクトの幅約290mm以上、高さで約290mm〜約790mmのダクトが清掃可能である。これは従来のロボットが特許文献7で示すように、その全高の2倍弱であったの対し、この発明では約3倍弱の高さまで清掃範囲を広げることができる。
【0058】
改めてこの清掃可能な範囲の寸法関係を明らかにする。矩形断面のダクトの内面高さをH、幅をWとするとき、回動機構部100を180°回動して成る2つの回転ブラシ先端面116の成す互いの間隔をmとして、この平面の2つの円形で成す互いの最大外周間距離をnとして、昇降機構部20の昇降可動高さをhとするとき、H≦h+(m+n)/2、並びにW≧n≧mの関係を有することが判る。
【0059】
これらの実施例全ての清掃が終了すると、長方形断面ダクトの4面と4隅の映像を清掃後にそれぞれメモリー部に記録しておき、同時に記録画面としてモニター可能である。図13はそれら8画面と前方カメラの映像を加えた9つのモニター画面の表示例を示す。これらダクト内面の清掃前後の各映像をメモリー部に記録することで、操作者は確実に清掃程度を把握できる。なお、デジタルスチルカメラ151の映像を利用すれば、より鮮明に比較できるので、より安心して清掃作業を終了できる。
【0060】
図14は、以上の実施例に基づいた本発明のダクト清掃ロボットを使用した清掃方法をまとめて説明するものである。操作者は清掃の開始(S300)で、底板清掃(S301)か横壁清掃(S302)か天板清掃(S303)を判断(S304)する。底板清掃(S301)の場合は、清掃ヘッド機構部100を回動させない(0°)(S305)の状態で回転ブラシ101、102を回転させながら塵埃の吸引と走行台車を移動(S311)開始する。横壁清掃の場合(S302)は、清掃ヘッド機構部100を90°回動させて(S306)の状態で同様に走行台車を移動(S311)する。また、天板清掃の場合(S303)は、清掃ヘッド機構部100を180°回動させて(S307)の状態にして、昇降機構部20を上昇(S308)させて、天井面接触スイッチ80、81がオン(S309)にて上昇停止(S310)を行い、同じく走行台車を移動(S311)する。この際の清掃は底板清掃(S301)と横壁清掃(S302)と天板清掃(S303)のいずれにおいても、幅寄せ(S312、S313)させてから始めてもよい。幅寄せ(S312、S313)は上部リミットスイッチ71、72、73、74のオン(S314)の検知で停止(横壁清掃幅寄せS315、底板清掃幅寄せS316、天板清掃幅寄せS317)する。この幅寄せ停止後(S315、S316、S317)、再び回転ブラシ101、102を回転させながら塵埃の吸引と走行台車を移動(横壁清掃S318、底板清掃S319、天板清掃S320)させる。
【0061】
一方、カメラ撮像モニターシステムはこれらの動作と同時に(1)各カメラ撮像画像を表示するための信号変換及び伝送処理の表示ステップ(S330)と、その映像信号から画像表示する画像選択ステップ(S331)の処理を行うと共に、上部リミットスイッチ71、72、73、74で点灯表示する側面接触確認表示器75、76、77、78の表示状態を被写体として含めた左右側面テレビカメラ155、156の撮影画面265、266を副画面255、256で表示するステップ(S332)と選択した画像を主画面252に表示するステップ(S333)処理を行う。そこで、操作者はこの画像を選択的に直視しながら清掃続行あるいは完了の判定(S321)を行い、終了(S322)させる。なお、各カメラ150、151、152、153、154、155、156の映像はメモリステップ(S350)で記憶可能であり、清掃前後の比較データとして使用できる。
【0062】
このようにダクト清掃ロボットの動作とそれに搭載したカメラ撮像モニターシステムとの連携により、本発明のダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムでは、清掃作業を効率よく的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施例のダクト清掃ロボットの側面外観図である。
【図2】本発明の第1の実施例の上面概観図である。
【図3】本発明の第1の実施例の昇降動作を示す一部断面側面図である。
【図4】本発明の第1の実施例の要部断面正面図である。
【図5】本発明の第1の実施例の回動機構部の断面側面図である。
【図6】本発明の第1の実施例の要部の下面図である。
【図7】本発明のコントロール部の説明図である。
【図8】本発明のモニター画面の動作説明図である。
【図9】本発明のモニター画面の他の動作説明図である。
【図10】本発明の第2の実施例の正面図である。
【図11】本発明の第2の実施例の側面図である。
【図12】本発明の第3の実施例の側面図である。
【図13】本発明の画像分割の他の例を示す説明図である。
【図14】本発明のカメラ撮像モニターシステムと清掃作業の連携説明図である。
【符号の説明】
【0064】
1 ダクトの底板
2、3 ダクトの横壁
4 ダクトの天板
5 リミットスイッチ
6 後方筐体
7 リフターガイド
8 軸受
9 リミットスイッチ
10 走行台車機構部
11、12 クローラ
13 駆動部
14 走行架台
15 リフトモータ
16 ホルダー
17 プーリ
18、19 リフトローラ
20 昇降機構部
21〜44 パンタグラフ状のX型リンク機構
50、51、52、53、54、55 下部ガイドローラ
60 リフターの上部構造体
61 上蓋
62 排気管
63 クリーナホース
64 クリーナホース接続ノズル
65 横溝ガイド
65、66、67、68、69、70 上部ガイドローラ
71、72、73、74 上部リミットスイッチ
75、76、77、78 側面接触確認表示器
80、81 天井面接触スイッチ
100 清掃ヘッド機構部
101、102 回転ブラシ
103 窓
104 清掃ヘッドカバー
105、106、107、108 ガイドローラ
109 駆動モータ
110 プーリ
111 ベルト
112、113 中継ギア
114 吸引開口部
115 排気管
116 先端回転平面
117 回転ブラシ101、102の間隙
121、122 回転ブラシ101、102の回転中心
123、124 回転ブラシ101、102の外周面
125 回転ブラシ101、102の取り付け面
151 デジタルスチルカメラ
150、152、153、154、155、156 テレビカメラ
160、161、162、163、164、165 ライト
170 回動機構部
171、172、173 固定側の部材
174、175、176、177 回転側の部材
179 ロック機構
200 コントロール部
202 清掃ロボット本体の走行を操縦する電源スイッチ
203 トラッキングコントローラ
204 スピードコントローラ
206 走行コントロールユニット
210 機構動作コントロールユニット
220、221、222、223、224、225 光量を制御するコントローラ
227 調光コントロールユニット
230 映像系電源
231 画面コントローラ
233 モニター画面コントロールユニット
250 モニター画面ユニット
252 主画面
255、256 副画面
260 前方カメラ150の撮像画面
262 清掃面カメラ152の撮像画面
263 後方カメラ153の撮像画面
264 全景カメラ154の撮像画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダクト清掃ロボットに搭載した複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムにおいて、
前記複数の撮像素子の画像を表示する複数画面の表示ステップと、
前記複数の撮像素子の画像を選択する画像選択ステップと、
前記画像選択ステップで選択された画像を、前記複数画面の中の任意の画面に同時に表示する画像処理ステップと、
を有することを特徴とするダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステム。
【請求項2】
ダクト清掃ロボットに搭載した複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムにおいて、
清掃ロボットの左右側面のそれぞれにダクト横壁との接触検出器を複数配置して、前記接触検出器の動作を表示する表示器を複数配置してあり、
前記複数の撮像素子の内、少なくとも前記表示器を撮像する複数の撮像素子を有し、
前記接触検出器の接触判定ステップと、
前記接触判定ステップに基づく前記表示器の表示ステップと、
前記表示器の表示状態を前記複数の撮像素子で撮影してモニター画面で表示するステップと、
前記複数の撮像素子の前記左右側面の位置関係に呼応したモニター画面表示ステップを有することを特徴とするダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステム。
【請求項3】
ダクト清掃ロボットに搭載した複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムにおいて、
ダクト内を移動させる走行台車機構部と、前記走行台車機構部に搭載した昇降機構部と、前記昇降機構部で回動支承する清掃ヘッド機構部とを備え、
前記走行台車機構部と前記昇降機構部と前記清掃ヘッド機構部のそれぞれに、撮像素子を搭載して、
前記清掃ヘッド機構部に、複数の回転ブラシと更に塵埃の吸引開口部を設けて、前記清掃ヘッド機構部を回動させることによって、前記4つの内面の各々を前記複数の回転ブラシの先端回転平面で清掃して前記吸引開口部から塵埃を吸引すると共に、前記撮像素子の映像を表示するモニターを有することを特徴とするダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステム。
【請求項4】
ダクト清掃ロボットに搭載した複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステムにおいて、
ダクト内を移動させる走行台車機構部と、前記走行台車機構部に搭載した昇降機構部と、前記昇降機構部で回動支承する清掃ヘッド機構部とを備え、
前記走行台車機構部と前記昇降機構部と前記清掃ヘッド機構部のそれぞれに、撮像素子を搭載して、
少なくとも、前記昇降機構部の左右にダクト壁との接触検出器とこの接触検出器の動作を表示する表示素子とこの表示素子を撮像する撮像素子を搭載してあり、
前記表示素子を撮像する前記撮像素子の映像が、左右に配置したモニター画面のそれぞれに対応することを特徴とするダクト清掃ロボットのカメラ撮像モニターシステム。
【請求項5】
矩形断面ダクトの内面を清掃するダクト清掃ロボットに複数の撮像素子を搭載して、 前記複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法において、
前記複数の撮像素子の画像を表示する複数画面の表示ステップと、
前記複数の撮像素子の画像を選択する画像選択ステップと、
前記画像選択ステップで選択された画像を、前記複数画面の中の任意の画面に同時に表示する画像処理ステップと、
を有して、前記矩形断面ダクトの4つの内面を選択的に清掃することを特徴とするカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法。
【請求項6】
矩形断面ダクトの内面を清掃するダクト清掃ロボットに複数の撮像素子を搭載して、 前記複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法において、
清掃ロボットの左右側面のそれぞれにダクト横壁との接触検出器を複数配置して、前記接触検出器の動作を表示する表示器を複数位置してあり、
前記複数の映像撮像素子の内、少なくとも前記表示器を撮像する複数の撮像素子を有し、
前記接触検出器の接触判定ステップと、
前記接触判定ステップに基づく前記表示器の表示ステップと、
前記表示器の表示状態を前記複数の撮像素子で撮影してモニター画面で表示するステップと、
前記複数の撮像素子の前記左右側面の位置関係に呼応したモニター画面表示ステップを有して、
前記ダクト清掃ロボットの、前記左右側面のいずれかのダクト横壁への接触を、視認表示することにより前記ダクト横壁を清掃することを特徴とするカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法。
【請求項7】
矩形断面ダクトの内面を清掃するダクト清掃ロボットに複数の撮像素子を搭載して、 前記複数の撮像素子の映像を再生するダクト清掃ロボットのカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法において、
前記ダクト清掃ロボットが、矩形断面ダクト内を移動させる走行台車機構部と、前記走行台車機構部に搭載した昇降機構部と、前記昇降機構部で回動支承する清掃ヘッド機構部とを備え、
前記走行台車機構部と前記昇降機構部と前記清掃ヘッド機構部のそれぞれに、撮像素子を搭載して、
前記清掃ヘッド機構部に、複数の回転ブラシと更に塵埃の吸引開口部を設けてあり、前記清掃ヘッド機構部を回動させることによって、前記4つの内面の各々を前記複数の回転ブラシの先端回転平面で清掃して前記吸引開口部から塵埃を吸引すると共に、前記撮像素子の映像を表示するモニターを有して、前記矩形断面ダクトの4つの内面を選択的に清掃することを特徴とするカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法。
【請求項8】
矩形断面ダクトの内面を清掃するダクト清掃ロボットに複数の撮像素子を搭載して、 前記複数の撮像素子の映像を再生するモニターを有するダクト清掃ロボットのカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法において、
前記ダクト清掃ロボットが、ダクト内を移動させる走行台車機構部と、前記走行台車機構部に搭載した昇降機構部と、前記昇降機構部で回動支承する清掃ヘッド機構部とを備え、
前記走行台車機構部と前記昇降機構部と前記清掃ヘッド機構部のそれぞれに、撮像素子を搭載して、
少なくとも、前記昇降機構部の左右にダクト壁との接触検出器とこの接触検出器の動作を表示する表示素子とこの表示素子を撮像する撮像素子を搭載しており、
前記表示素子を撮像する前記撮像素子の映像が、左右に配置したモニター画面のそれぞれに対応させて、
前記ダクト清掃ロボットの、前記左右側面のいずれかのダクト横壁への接触を、視認表示することにより前記ダクト横壁を清掃することを特徴とするカメラ映像モニターシステムを用いたダクト清掃方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−5666(P2006−5666A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180043(P2004−180043)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(390018474)新日本空調株式会社 (88)
【Fターム(参考)】