説明

チェーンCVTのためのプーリセットアセンブリ

本発明は、プーリセットアセンブリのプーリセット(10,20)は夫々、軸(4)において軸線方向に互いに対して相対的に移動可能な2つのプーリ(1,2)と、プーリ(1,2)の間において有効なロッカーピン(6)を備えたチェーンアセンブリ(5)とを有しており、ロッカーピン(6)の長手方向軸線(8)は軸(4)の回転軸線(3)に対して平行に延在しており、プーリ(1,2)のロッカーピン(6)との摩擦面(42)は、所定の半径(RS1,RS2)及び偏心量(YS1,YS2)により規定されている湾曲を有しており、プーリ(1,2)の偏心量(YS1,YS2)は、入力プーリセット(10)及び出力プーリセット(20)において異なっている、チェーンCVTのための入力プーリセット(10)と出力プーリセット(20)とを備えたプーリセットアセンブリに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンCVTのための入力プーリセットと出力プーリセットとを備えたプーリセットアセンブリに関し、このプーリセットアセンブリのプーリセットは夫々、軸において軸線方向に互いに対して相対的に移動可能な2つのプーリと、これらのプーリの間において有効なロッカーピンを備えたチェーンアセンブリとを有しており、ロッカーピンの長手方向軸線が軸の回転軸線に対して平行に延在しており、プーリのロッカーピンとの摩擦面は、所定の半径及び偏心量により規定されている湾曲を有している。
【0002】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102005037941号明細書において、主として入力側及び出力側のプーリセットを有する円錐形プーリ式巻掛け伝動装置が開示されている。各プーリセットは、入力側若しくは出力側の軸に夫々配置されていて、トルク伝達のためのチェーンアセンブリを介して互いに結合されている固定プーリ及び可動プーリを有している。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3447092号明細書において、円錐形プーリの摩擦面及びチェーンアセンブリの押圧部材の端面が、互いに向かい合って円弧状に延在する球状部を有している、無段階式に変速比調節可能な円錐形プーリ式巻掛け伝動装置が公知になっている。この円錐形プーリ式巻掛け伝動装置において、プーリセットのプーリは同じ球状部を有している。この球状部は、プーリの軸線方向の断面における所定の半径、及び場合によっては半径の中心点の偏心量により規定される。ロッカーピンの端面は、半径方向、場合によっては方位方向にも球状部を有している。
【0004】
従来技術においては目下、半径角10.1°を備えたチェーン及び半径角9.7°を備えたチェーンが使用される。リンクプレートチェーンのロッカーピンの上記2つの構成は、5000mmの湾曲半径及び760mmの偏心量を備えた湾曲したプーリを使用する。垂線に対する接線角はプーリ対の運転領域に亘って約9〜9.8°の間において生じる。
【0005】
10.1°のチェーンは運転中に、9.7°のチェーンよりも音に関して静かに走行する一方で、10.1°のチェーンにおいては、9.7°のチェーンよりも高い摩耗が発生する。9.7°のチェーンは摩耗に関して、10.1°のチェーンに対して比較的最適化されていて、10.1°のチェーンは音に関して、9.7°のチェーンに対して最適化されている。
【0006】
したがって本発明の目的は、リンクプレートチェーンの自体公知のロッカーピンを使用した場合に、運転中の摩耗及び騒音に関する特性に関して最適な状態を示すことである。
【0007】
上記目的は、チェーンCVTのための入力プーリセットと出力プーリセットとを備えたプーリセットアセンブリにおいて、プーリセットアセンブリのプーリセットが夫々、軸において軸線方向に互いに対して相対的に移動可能な2つのプーリと、これらのプーリの間において有効なロッカーピンを備えたチェーンアセンブリとを有しており、ロッカーピンの長手方向軸線が軸の回転軸線に対して平行に延在しており、プーリのロッカーピンとの摩擦面は、所定の半径及び偏心量により規定されている湾曲を有しており、入力プーリセットにおけるプーリの偏心量と出力プーリセットにおけるプーリの偏心量とは、互いに異なっていることにより達成されるようになっている。
【0008】
有利には、少なくとも一方のプーリセットのプーリの湾曲は、プーリ湾曲の偏心量とプーリセット半径との、0.145〜0.20の範囲にある比率により規定され、プーリ湾曲の偏心量は、プーリの回転軸線に対して垂直に延在している第1の間隔だけプーリの回転軸線から離間されている点により規定され、この点からプーリの互いに向かい合っている面の湾曲を規定するプーリセット半径が測定され、プーリセット半径は回転軸線を越えて延在しているようになっている。
【0009】
有利には、ロッカーピンの湾曲は、ロッカーピンの第1の偏心量と第1のロッカーピン半径との、0.165〜0.185の範囲にある第1の比率により規定され、第1のロッカーピン半径は、ロッカーピンの長手方向軸線に対して垂直に延在している第1の間隔だけ長手方向軸線から離間されている第1の点から測定され、ロッカーピンの湾曲は、方位方向でロッカーピンの第2の偏心量と第2のロッカーピン半径との間において規定される0〜0.015の範囲にある第2の比率により規定され、第2のロッカーピン半径は、長手方向軸線に対して垂直にかつ第1の間隔に対して垂直に延在する、ロッカーピンの第2の偏心量に相当する間隔だけ長手方向軸線から離間されている第2の点から測定されるようになっている。
【0010】
有利には、第1の偏心量は約35mmであり、第1のロッカーピン半径は約200mmであるようになっている。
【0011】
有利には、第2の偏心量は約0.42mmであり、第2のロッカーピン半径は約80mmであるようになっている。
【0012】
有利には、ロッカーピンの湾曲は、ロッカーピンの第1の偏心量と第1のロッカーピン半径との、0.159〜0.179の範囲にある第1の比率により規定され、第1のロッカーピン半径は、ロッカーピンの長手方向軸線に対して垂直に延在している第1の間隔だけ長手方向軸線から離間されている第1の点から測定され、ロッカーピンの湾曲は、方位方向でロッカーピンの第2の偏心量と第2のロッカーピン半径との間において規定される0〜0.015の範囲にある第2の比率により規定され、第2のロッカーピン半径は、長手方向軸線に対して垂直にかつ第1の間隔に対して垂直に延在している、ロッカーピンの第2の偏心量に相当する間隔だけ長手方向軸線から離間されている第2の点から測定されるようになっている。
【0013】
有利には、第1の偏心量は約33.7mmであり、第1のロッカーピン半径は約200mmであるようになっている。
【0014】
有利には、第2の偏心量は約0.42mmであり、第2のロッカーピン半径は約80mmであるようになっている。
【0015】
有利には、一方のプーリのプーリ湾曲の偏心量は、755〜765mmの範囲にあり、他方のプーリのプーリ湾曲の偏心量は、790mm〜800mmの範囲にあるようになっている。
【0016】
有利には、一方のプーリのプーリ湾曲の偏心量は、755〜765mmの範囲にあり、他方のプーリのプーリ湾曲の偏心量は、720〜730mmの範囲にあるようになっている。
【0017】
有利には、プーリセット半径は4000〜6000mmの間にあるようになっている。
【0018】
有利には、プーリセット半径は5000mmであるようになっている。
【0019】
有利には、プーリセットは固定プーリ及び可動プーリを有しているようになっている。
【0020】
有利には、本発明は請求項1から12までのいずれか一項記載のプーリセットアセンブリを有するようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】プーリの輪郭を説明するための、入力プーリセットの概略図である。
【図2】ロッカーピンの輪郭を説明するための概略図である。
【図3】公知の円錐形プーリ式巻掛け伝動装置を付属の制御装置と共に概略的に示す原理図である。
【0022】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0023】
本発明をより良く理解するために及び使用する概念を明確にするために、先行技術に基づく円錐形プーリ式巻掛け伝動装置(チェーンCVT)を図3に基づいて説明する。チェーンCVTは2つの円錐形プーリ対、つまり入力プーリセット10と出力プーリセット20とを有している。駆動プーリセット10の固定プーリ1は、例えば内燃機関によって駆動される入力軸4に不動に結合されている。他の円錐形プーリ対、つまり出力プーリセット20の固定プーリ21は、車両を駆動する出力軸40に不動に結合されている。他の円錐形プーリ、つまり入力プーリセット10の可動プーリ2は、相対回転不能であるが、軸線方向に移動可能に入力軸4に結合されている。出力プーリセット20の他の円錐形プーリ22は、相対回転不能にかつ軸線方向に移動可能に出力軸40に結合されている。2つのプーリセット10,20を巡って、円錐形プーリの互いに向かい合った円錐面と摩擦係合している、例えばチェーンアセンブリ5といった巻掛け手段が走行する。各円錐形プーリ対の2つの円錐形プーリの間の軸線方向の間隔を逆方向に調節することにより、2つの円錐形プーリ対の間の回転数比、ひいては伝動装置の変速比を変更することができる。変速比調節のために、例えばハイドロリック管路12,13を介して制御弁ユニット14に結合されている圧力室9,11が働く。制御弁ユニット14により、変速比を調節するための液圧媒体圧による圧力室9,11への負荷が制御可能である。制御弁ユニット14の制御のために、付属のメモリ装置を備えたマイクロプロセッサを内蔵していて、かつ、例えば伝動装置を操作するためのシフトレバーユニット、走行ペダル、回転数センサ等に結合されている入力部と、例えばクラッチ、モータ(図示せず)の出力作動部材及び制御弁ユニット14に結合されている出力部とを有する制御機器が働く。円錐形プーリ式巻掛け伝動装置の構造及び機能自体は公知であるので、さらに説明しない。
【0024】
図1に、主に固定プーリ1と可動プーリ2とを有するチェーンCVT(連続可変トランスミッション)のための、機能に関して最適化された輪郭を備えた入力プーリセットを概略的に示す。図1において軸4の回転軸線3の上側における可動プーリ2は、固定プーリ1に対して直近の位置にあり、軸4の回転軸線3の下側における可動プーリ2は、固定プーリ1から最も離れた位置にある。固定プーリ1と可動プーリ2との間に記載されているチェーンアセンブリは符号5を用いて示す。特に横断面においてチェーンアセンブリ5のロッカーピン6が示されている。
【0025】
軸4の回転軸線3の上側に示されている可動プーリ2の位置において、ロッカーピン6はオーバドライブ位置にある一方で、軸4の回転軸線3の下側の一点鎖線7は、アンダードライブ位置あるロッカーピン6の位置を示す。
【0026】
上記プーリセットアセンブリは、上記点に関しては公知である。
【0027】
本発明は、プーリセットの固定プーリ1及び可動プーリ2の具体的なプーリ輪郭、及びこのプーリ輪郭に適合したチェーンアセンブリ5のロッカーピン6の輪郭に関する。
【0028】
固定プーリ1は、ロッカーピン6との摩擦面42が球形に構成されていて、つまり図1のような断面図において所定の半径を有するプーリ輪郭を有している。固定プーリ1における半径は符号RS1を用いて示し、可動プーリ2における半径は符号RS2を用いて示す。プーリ1,2の任意の方位断面に対する半径の中心点は夫々、回転軸線3から、固定プーリ1においては偏心量YS1だけずらされており、可動プーリ2においては偏心量YS2だけずらされている。半径RS1,RS2及び偏心量YS1,YS2は夫々、同一であってよいか又は異なっていてよい。固定プーリ1のプーリセット半径は、回転軸線3に対して垂直に測定された偏心量YS1に相当する間隔だけ回転軸線3から離間されている点SP1から測定される。これに応じて、可動プーリ2のプーリセット半径は、回転軸線3に対して垂直に測定された、偏心量YS2に相当する間隔だけ回転軸線3から離間されている点SP2を起点に測定される。
【0029】
図2に、ロッカーピン6の輪郭に関する略図を示す。このロッカーピン6の端面41には、球状の丸味付けされた面が設けられている。ロッカーピン6の丸味付けされた面の湾曲は、第1のロッカーピン半径RP及び第2のロッカーピン半径RPAにより規定される。第1のロッカーピン半径RPは、ロッカーピン6の長手方向軸線8に対して垂直に延在している、第1の偏心量YPに相当する第1の間隔だけ長手方向軸線8から離間されている第1の点WP1を起点に測定される。方位方向に延在している第2のロッカーピン半径RPAは、ロッカーピン6の長手方向軸線8に対して、さらに第1の間隔YPに対して垂直に延在している、第2の偏心量YPAに相当する第2の間隔だけ長手方向軸線8から離間されている第2の点WP2を起点にして測定される。つまり端面41は半径方向に所定の角度γRを有し、この角度γRに対して方位方向で垂直に角度γAを有している。この角度γAは、端面41の表面の種々異なる点に対して異なっており、各点に接する接線方向の面により規定される。
【0030】
図2に、固定プーリ1及び可動プーリ2のプーリセット輪郭に適合したチェーンアセンブリ5のロッカーピン6の輪郭を示す。この実施の形態において、ロッカーピン6の湾曲は、第1のロッカーピン半径RP及び第2のロッカーピン半径RPAにより規定される。第1のロッカーピン半径RPは、第1の偏心量YPに応じて、長手方向軸線8に対して垂直に延在している第1の間隔だけロッカーピン6の長手方向軸線8から離間されている第1の点WP1を起点に測定される。方位方向に延在する第2のロッカーピン半径RPAは、第2の偏心量YPAに応じて、長手方向軸線8に対して垂直に、さらに第1の間隔に対して垂直に延在している第2の間隔だけロッカーピンの長手方向軸線8から離間されている第2の点WPAを起点に測定される。
【0031】
以下の表1は、プーリセットとロッカーピン6との、有利であることを実証した組合せを示す。実施の形態(3)、(4)においては、入力プーリセット10及び出力プーリセット20の幾何学形状を交換することもできる。
【0032】
実施の形態(1)は先行技術であり、対比のために記載した。ロッカーピン6の半径角若しくは仰角γRは、この実施の形態では10.1°である。入力・出力プーリセット10,20の固定プーリ及び可動プーリは夫々、5000mmの同一の半径RS1,RS2と、760mmの同一の偏心量YS1,YS2を有している。実施の形態(2)においては、実施の形態(1)と同じプーリセットが使用され、ロッカーピン6の半径角γRは9.7°である。ロッカーピン6と、固定プーリ1及び可動プーリ2から成るプーリ対との接触は、実施の形態(2)においては、実施の形態(1)よりも良好であるが、その代わりに騒音に関しては劣悪になる。
【0033】
実施の形態(1)を基準とした場合(入力プーリセットにおいてYS1=760mm及び出力プーリセットにおいてYS2=760mmのプーリセットに対して、γR=10.1°のロッカーピンを備えたチェーン)、10.1°を備えたチェーンによって、(入力部及び/又は出力部において)YS=760mmとYS=795mmとの間の偏心量を有するプーリセットの全ての実施の形態は、強度に関しては利点を、騒音に関しては欠点を示す。
【0034】
実施の形態(3)、(4)は、プーリ対に対するロッカーピン6の接触と騒音との妥協点・調整点に対する実施の形態である。実施の形態(3)において10.1°の半径角γRを備えたロッカーピンが使用される。固定プーリ1及び可動プーリ2は、夫々5000mmの同じ半径RS1,RS2を有する。偏心量YS1,YS2は互いに異なり、入力プーリセット10の固定プーリ及び可動プーリに対してはYS1=760mmであり、出力プーリセット20の固定プーリ及び可動プーリに対してはYS2=795mmである。ロッカーピン6とプーリ対との接触は実施の形態(2)と同等であり、騒音は実施の形態(1)と実施の形態(2)との中間にある。
【0035】
実施の形態(4)においては、9.7°の半径角γRを備えたロッカーピンが使用される。プーリセット10,20は、夫々5000mmの同じ半径RS1,RS2を有している。偏心量YS1,YS2は互いに異なり、入力プーリセット10の固定プーリ及び可動プーリに対してはYS1=725mm、出力プーリセット20の固定プーリ及び可動プーリに対してはYS2=760mmである。ロッカーピン6とプーリ対との接触は実施の形態(2)と同等であり、騒音は実施の形態(1)と実施の形態(2)との中間にある。
【0036】
【表1】

【0037】
5000mmの半径RS1若しくはRS2、及び760mmの偏心量YS1若しくはYS2を夫々備えた、実施の形態(3)の入力プーリセット10若しくは実施の形態(4)の出力プーリセット20において、RS及びYSの値を別の実施の形態においては変更することができる。以下、番号1,2は読みやすくするために省略する。半径RSは、別の実施の形態においては4000〜6000mmの範囲にあり、偏心量YSは755〜765mmの範囲にある。比率YS/RSは、0.145〜0.2の範囲に維持される。
【0038】
これと同様に実施の形態(3)における出力プーリセット20のパラメータRS及びYS(この実施の形態においては、出力プーリセット20の可動・固定プーリは5000mmの半径RS及び795mmの偏心量YSを有する)を変更することができる。半径RSは、別の実施の形態においては、4000〜6000mmの範囲にあり、偏心量YSは790〜800mmの範囲にある。比率YS/RSは、0.145〜0.2の範囲に維持される。上記値は、固定プーリにおいて使用することもでき、表1における固定プーリ1及び可動プーリ2に対する値YS及びRSは交換することができる。可動プーリ2における値の代わりに、固定プーリ1におけるRS及びYSに対する値が変更される。
【0039】
これと同様に、実施の形態(4)(5000mmの半径RSと、725mmの偏心量YSとを有する)における固定プーリのパラメータRS及びYSを変更することができる。さらに別の実施の形態において、半径RSは4000〜6000mmの範囲にあり、偏心量YSは720〜730mmの範囲にある。比率YS/RSは0.145〜0.2の範囲に維持される。
【0040】
10.1°の半径角γR(実施の形態(3)参照)を備えたロッカーピン6は、200mmの第1のロッカーピン半径RPの場合に、35mmの第1の偏心量YPを有する。第2の偏心量YPAは、80mmの第2のロッカーピン半径RPAの場合に、0.42mmである。比率YS/RSは、0.165〜0.185の範囲にあり、比率YPA/RPAは0〜0.015の範囲にある。
【0041】
9.7°の半径角γRを備えたロッカーピン6(実施の形態(4)参照)は、200mmの第1のロッカーピン半径RPの場合に、33.7mmの第1の偏心量YPを有する。第2の偏心量YPAは、80mmの第2のロッカーピン半径RPAの場合に、0.42mmである。比率YP/RPは0.159〜0.179の範囲にあり、比率YPA/RPAは0〜0.015の範囲にある。
【0042】
騒音検査状態において上記実施の形態の騒音測定が、音響的な特性及び摩耗に関して本発明の有利な効果を証明する。
【符号の説明】
【0043】
1 固定プーリ
2 可動プーリ
3 回転軸線
4 入力軸
5 チェーンアセンブリ
6 ロッカーピン
7 線
8 長手方向軸線
9 圧力室
10 入力プーリセット
12 液圧管路
13 液圧管路
14 制御弁ユニット
15 制御機器
20 出力プーリセット
21 固定プーリ
22 円錐形プーリ
40 出力軸
41 端面
42 摩擦面
YS 偏心量
RS プーリセット半径
YP 偏心量
RP ロッカーピン半径
YPA 偏心量
RPA ロッカーピン半径
SP1 点
WP1 点
WP2 点
γR 半径角若しくは仰角
γA 方位角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーンCVTのための入力プーリセット(10)と出力プーリセット(20)とを備えたプーリセットアセンブリであって、該プーリセットアセンブリの前記プーリセット(10,20)は夫々、軸(4)において軸線方向に互いに対して相対的に移動可能な2つのプーリ(1,2)と、該プーリ(1,2)の間において有効なロッカーピン(6)を備えたチェーンアセンブリ(5)とを有しており、前記ロッカーピン(6)の長手方向軸線(8)は前記軸(4)の回転軸線(3)に対して平行に延在しており、前記プーリ(1,2)の前記ロッカーピン(6)との摩擦面(42)は、所定の半径(RS1,RS2)及び偏心量(YS1,YS2)により規定されている湾曲を有している、プーリセットアセンブリにおいて、
前記入力プーリセット(10)におけるプーリ(1,2)の偏心量(YS1,YS2)と、前記出力プーリセット(20)におけるプーリ(1,2)の偏心量(YS1,YS2)とは、互いに異なっていることを特徴とする、プーリセットアセンブリ。
【請求項2】
少なくとも一方の前記プーリセットのプーリ(1,2)の湾曲は、該プーリ湾曲の偏心量(YS)と前記プーリセット半径(RS)との、0.145〜0.20の範囲にある比率により規定され、前記プーリ湾曲の偏心量(YS)は、前記プーリ(1,2)の回転軸線(3)に対して垂直に延在している第1の間隔だけ前記プーリ(1,2)の回転軸線(3)から離間されている点(SP1)により規定され、該点(SP1)から、前記プーリ(1,2)の互いに向かい合っている面の湾曲を規定するプーリセット半径(RS)が測定され、該プーリセット半径(RS)は前記回転軸線(3)を越えて延在していることを特徴とする、請求項1記載のプーリセットアセンブリ。
【請求項3】
前記ロッカーピン(6)の湾曲は、前記ロッカーピンの第1の偏心量(YP)と第1のロッカーピン半径(RP)との、0.165〜0.185の範囲にある第1の比率により規定され、前記第1のロッカーピン半径(RP)は、前記ロッカーピン(6)の長手方向軸線(8)に対して垂直に延在している第1の間隔だけ前記長手方向軸線(8)から離間されている第1の点(WP1)から測定され、前記ロッカーピン(6)の湾曲は、方位方向で前記ロッカーピンの第2の偏心量(YPA)と第2のロッカーピン半径(RPA)との間において規定される、0〜0.015の範囲にある第2の比率により規定され、前記第2のロッカーピン半径(RPA)は、前記長手方向軸線(8)に対して垂直にかつ前記第1の間隔に対して垂直に延在している、前記ロッカーピンの第2の偏心量(YPA)に相当する間隔だけ前記長手方向軸線(8)から離間されている第2の点(WP2)から測定されることを特徴とする、請求項1又は2記載のプーリセットアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の偏心量(YP)は約35mmであり、前記第1のロッカーピン半径(RP)は約200mmであることを特徴とする、請求項3記載のプーリセットアセンブリ。
【請求項5】
前記第2の偏心量(YPA)は約0.42mmであり、前記第2のロッカーピン半径(RPA)は約80mmであることを特徴とする、請求項3又は4記載のプーリセットアセンブリ。
【請求項6】
前記ロッカーピン(6)の湾曲は、前記ロッカーピンの第1の偏心量(YP)と第1のロッカーピン半径(RP)との、0.159〜0.179の範囲にある第1の比率により規定され、前記第1のロッカーピン半径(RP)は、前記ロッカーピン(6)の長手方向軸線(8)に対して垂直に延在している第1の間隔だけ前記長手方向軸線(8)から離間されている第1の点(WP1)から測定され、前記ロッカーピン(6)の湾曲は、方位方向で前記ロッカーピンの第2の偏心量(YPA)と第2のロッカーピン半径(RPA)との間において規定される、0〜0.015の範囲にある第2の比率により規定され、前記第2のロッカーピン半径(RPA)は、前記長手方向軸線(8)に対して垂直にかつ前記第1の間隔に対して垂直に延在している、前記ロッカーピンの第2の偏心量(YPA)に相当する間隔だけ前記長手方向軸線(8)から離間されている第2の点(WP2)から測定されることを特徴とする、請求項1又は2記載のプーリセットアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の偏心量(YP)は約33.7mmであり、前記第1のロッカーピン半径(RP)は約200mmであることを特徴とする、請求項6記載のプーリセットアセンブリ。
【請求項8】
前記第2の偏心量(YPA)は約0.42mmであり、前記第2のロッカーピン半径(RPA)は約80mmであることを特徴とする、請求項6又は7記載のプーリセットアセンブリ。
【請求項9】
一方の前記プーリ(1)のプーリ湾曲の偏心量(YS)は、755〜765mmの範囲にあり、他方の前記プーリ(2)のプーリ湾曲の偏心量(YS)は、790〜800mmの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜8までのいずれか一項記載のプーリセットアセンブリ。
【請求項10】
一方の前記プーリ(2)のプーリ湾曲の偏心量(YS)は、755〜765mmの範囲にあり、他方の前記プーリ(1)のプーリ湾曲の偏心量(YS)は、720〜730mmの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜8までのいずれか一項記載のプーリセットアセンブリ。
【請求項11】
前記プーリセット半径(RS)は4000〜6000mmの間にあることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項記載のプーリセットアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−504719(P2013−504719A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528224(P2012−528224)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際出願番号】PCT/DE2010/000991
【国際公開番号】WO2011/029417
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(512006239)シェフラー テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (59)
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1−3, D−91074 Herzogenaurach, Germany
【Fターム(参考)】