説明

チタノシリケート

【課題】エポキシ化の触媒として有用な層状チタノシリケートの簡便な製造方法および当該触媒を用いるエポキシ化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】層状ボロシリケートをチタン源および無機酸と接触させることにより、層状チタノシリケートを製造する。得られた層状チタノシリケートは、過酸化水素あるいは酸素および水素を用いるオレフィンのエポキシ化反応において良好な触媒活性を示すだけでなく優れた選択性をも有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタノシリケートおよびその改良およびその製造方法等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
チタノシリケートは、オレフィンのエポキシ化によるエポキシ化合物の製造、ベンゼン若しくはフェノール化合物のヒドロキシル化反応によるフェノール化合物若しくはポリヒドロキシフェニル化合物の製造等に有効な触媒であり、シリケート骨格内に存在する4配位のチタン種が活性点であることが知られている。
【0003】
かかるチタノシリケートの一般的な製造方法としては、型剤あるいは構造規定剤として界面活性剤を使用し、チタン化合物とケイ素化合物を加水分解させ、必要に応じて水熱合成等で結晶化あるいは細孔規則性を向上させた後、焼成あるいは抽出により界面活性剤を除去する方法(例えば、非特許文献1)あるいは、脱ホウ素処理した結晶性シリケート、チタン化合物、水および構造規定剤を混合した後、熱処理する方法(非特許文献2)が知られている。
【0004】
しかしながら、非特許文献1の方法では、4配位チタン種の他にシリケート骨格外にチタン種が析出する現象が生じ、活性を低下させる要因となることから強酸存在下で余分なチタン種を洗浄除去する必要があるが、強酸存在下では、シリケート骨格外のチタン種の生成も起こるといった問題があった。非特許文献2の方法は、シリケート骨格外のチタン種の生成を解決する方法であるが、操作が非常に煩雑で調製工程が長いためコスト面などでも不利であった。
また、格子内にチタンが完全に挿入されたチタノシリケートを得る方法として、チタンを用いてあるいは用いずに合成したβ−ゼオライトをチタン源の存在下に無機酸を含む溶液で処理する方法が報告されている(特許文献1)。しかしながら、この方法は、構造中にアルミニウムを含むゼオライトの脱アルミニウムにより格子内にチタンを導入する方法であり、合成したチタンゼオライトの構造中のアルミニウム量を低減させても、エポキシ化反応に使用した場合のエポキシド選択率が必ずしも十分でないという問題があった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表平11-510136号公報
【非特許文献1】Journal of Physical Chemistry B, 105, 2897-2905 (2001)
【非特許文献2】Chemical Communication, 1026-1027,(2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡便な方法で得られ、かつ良好な触媒活性を示すチタノシリケート、その製造方法および当該チタノシリケートを触媒として用いるエポキシ化合物の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、層状ボロシリケートをチタン源および無機酸を含む溶液と接触させて得られる層状チタノシリケートおよび当該層状チタノシリケートを熱処理して得られるゼオライト構造を有するチタノシリケート(以下、本発明のチタノシリケートとも記す。)および本発明のチタノシリケートの製造方法、さらには、本発明のチタノシリケートおよび貴金属触媒の存在下、オレフィン、酸素および水素を反応させることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のチタノシリケートは、過酸化水素あるいは酸素および水素を用いるオレフィンのエポキシ化反応において良好な触媒活性を示すだけでなく優れた選択性をも有する。さらに、β−ゼオライトと異なり、層状シリケートを経由して生成するゼオライトの場合、ゼオライトにした後、チタン源の存在下に無機酸を含む溶液で処理しても格子内にチタンを完全に挿入されたチタノシリケートは得られないが、本発明の方法によれば所望のチタノシリケートが得られる。加えて、得られた層状チタノシリケートは熱処理することにより容易にゼオライトへ変換することが出来、生じたゼオライト構造を有するチタノシリケートもオレフィンのエポキシ化反応において良好な触媒活性、選択性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1、比較例1及び2で得られたチタノシリケートのUV−Vis吸収スペクトルの測定結果を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において用いる層状ボロシリケートとは、2次元の層状になったSi(ケイ素)およびO(酸素)の共有結合からなる骨格構造を持つ層状シリケートのうち、SiO骨格のSiの一部がホウ素に置き換わったものである。層状ボロシリケートは、通常、一般式:xB・(1−x)SiO(式中xは0.0001〜0.5の数値を表す。)で表される組成を有し、とくにxが0.01〜0.2である層状ボロシリケートが好適である。かかる層状ボロシリケートとしては、例えば、IZA(国際ゼオライト学会)の構造コードで、MWW構造を有しBをSiO骨格内に含む結晶性ボロシリケートであるB−MWWの前駆体(例えば、J. Phys. Chem. B, 105, 2897-2905 (2001)に記載されたもの)が例示される。
【0011】
本発明における無機酸としては、4価チタンよりも高い酸化還元電位を有する無機酸が好ましく、硝酸、過塩素酸、フルオロスルホン酸およびこれらの混合物が例示される。使用される無機酸の濃度は特に制限はなく、0.01M〜20M(M:モル/リットル)の範囲で実施することができる。好ましい無機酸の濃度は1M〜5Mである。
【0012】
本発明におけるチタン源としては、チタン化合物が挙げられる。チタン化合物としては、チタンアルコキシド、酢酸チタン、硝酸チタン、硫酸チタン、リン酸チタン、過塩素酸チタン、4塩化チタン等のチタンハロゲン化物、二酸化チタンが例示され、チタンアルコキシドが特に好ましい。用いるチタン源の量は、層状ボロシリケート重量に対しチタン化合物の重量として0.001倍〜10倍であれば効果が期待でき、望ましくは0.01倍〜2倍の範囲である。
【0013】
層状ボロシリケートと、チタン源および無機酸との接触は、通常、層状ボロシリケートをチタン源および無機酸の混合物と接触させることにより行われる。その温度としては20℃から150℃が好ましく、さらに50℃から104℃が特に好ましい温度範囲である。接触させる際の圧力については、特に制限は無いが、通常ゲージ圧力で0〜10Mpa程度である。これらの条件で層状ボロシリケートを処理することにより、層状チタノシリケートを得ることができる。かくして得られた層状チタノシリケートは、さらに、例えば、層間を脱水縮合させることによりゼオライト構造を形成させ、ゼオライト構造を有する(結晶性)チタノシリケート(例えば、MWW構造を有するチタノシリケート)にすることができる(Chemistry Letters 774-775,(2000))。脱水縮合は、熱処理(以下、熱処理とも言う。)、によって行われ、例えば、約800℃に加熱して行われる。
【0014】
かくして得られる層状チタノシリケートおよびゼオライト構造を有するチタノシリケートは、チタノシリケートと総称される化合物群に属する。チタノシリケートとは、多孔質シリケート(SiO)のSiの一部がTiに置き換わったものの総称である。チタノシリケートのTiはSiO骨格内に入っており、TiがSiO骨格内に入っていることは、紫外可視吸収スペクトルで210nm〜230nmにピークを持つことにより容易に確認できる。また、TiOのTiは通常6配位であるが、チタノシリケートのTiは4配位であるため、チタンK殻XAFS分析等で配位数を測定することにより容易に確認できる。本発明のチタノシリケートは、従来知られているチタノシリケートに比べ、4配位Ti種を表す210nm〜230nm付近における吸収は多く、骨格外Ti種を表す320nm〜330nmにおける吸収が少ないのが特徴の一つである。
【0015】
本発明の方法で合成されるチタノシリケートのうち、一般式:xTiO ・(1−x)SiO (式中xは0.0001〜0.1の数値を表す。)で表される組成を有し、酸素12員環以上の細孔を有する、結晶性チタノシリケートあるいは層状チタノシリケートが、オレフィンのエポキシ化反応における触媒性能の点から好ましい。酸素12員環以上の細孔を有する結晶性チタノシリケートとしては、前記のような本発明の方法で得られる層状チタノシリケートやこれを焼成して得られるTi−MWWが例示される。これらのチタノシリケートは、従来から知られているTi−MWW、Ti−MWW前駆体、あるいはTi−YNU−1(例えば、公開特許公報2003-327425号に記載されたTi−MWW前駆体)や(例えば、Angewandte Chemie International Edition 43, 236-240, (2004)に記載されたTi−YNU−1)のように、下記に示すX線回折パターンを有するチタノシリケートである。
【0016】
X線回折パターン
(格子面間隔d/Å)
12.3±0.3
11.0±0.3
9.0±0.3
6.1±0.3
3.9±0.2
3.4±0.1
【0017】
本発明において合成されるチタノシリケートは、例えば、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のシリル化剤を用いてシリル化して、オレフィンのエポキシ化反応において触媒として使用してもよい。シリル化することで、さらに触媒活性あるいは反応選択性を高くすることができる。
【0018】
本発明に係るオレフィンとして、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、2−ブテン、イソブテン、2−ペンテン、3−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、2−ヘプテン、3−ヘプテン、2−オクテン、3−オクテン、2−ノネン、3−ノネン、2−デセン及び3−デセンを挙げることができる。
【0019】
かくして得られる本発明の層状チタノシリケート、もしくはこれを熱処理して得られるゼオライト構造を有する(結晶性)チタノシリケート、さらにこれらをシリル化して得られるシリル化した層状チタノシリケートあるいはシリル化した結晶性チタノシリケート(以下、本発明チタノシリケートとそのシリル化されたものを本発明チタノシリケート等と記す。)は、貴金属触媒と共に、オレフィン、酸素および水素を反応させることによりエポキシ化合物を製造する反応に触媒として使用できる。
【0020】
上記オレフィンとしてプロピレンを用いた場合、本発明チタノシリケート等は、プロピレン、貴金属触媒と共に、酸素および水素を反応させることによりプロピレンオキサイドを製造する反応(以下、プロピレンオキサイド製造反応とする。)に触媒として使用できる。以下、本発明に係るプロピレンオキサイドの製造方法について説明する。
【0021】
本発明チタノシリケート等は、適切な濃度の過酸化水素溶液と接触させる処理を施すことにより活性化して使用することもできる。通常、過酸化水素溶液の濃度は0.0001重量%〜50重量%の範囲で実施することができる。過酸化水素溶液の溶媒は、特に限定されないが、水あるいはプロピレンオキサイド合成反応に用いる溶媒が、工業的に簡便であり、好ましい。
過酸化水素処理の温度は、通常、0℃〜100℃の範囲で行われる。好ましい温度は、0℃から60℃である。また、処理時間は、過酸化水素の濃度にもよるが、通常、10分〜5時間行われ、好ましくは1時間〜3時間である。
【0022】
プロピレンオキサイド製造反応で用いられる貴金属としては、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、金、またはそれらの合金もしくは混合物があげられる。好ましい貴金属としては、パラジウム、白金、金があげられる。さらにより好ましい貴金属はパラジウムである。パラジウムとしては、例えば、パラジウムコロイドを用いてもよい(例えば、特開2002-294301号公報、実施例1等参照)。パラジウムには、白金、金、ロジウム、イリジウム、オスミウム等の金属を添加混合して用いることができる。好ましい添加金属としては、白金があげられる。また、これらの貴金属は、酸化物や水酸化物等の化合物の状態であっても良い。貴金属化合物の状態で反応器に充填し、反応条件下、反応原料中の水素により部分的あるいは全てを還元することもできる。
【0023】
貴金属は、通常、担体に担持して使用される。貴金属は、チタノシリケートに担持して使用することもできるし、チタノシリケート以外の担体であるシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ニオビア等の酸化物、ニオブ酸、ジルコニウム酸、タングステン酸、チタン酸等の水化物または炭素およびそれらの混合物に担持して使用することもできる。チタノシリケート以外に貴金属を担持させた場合、貴金属を担持した担体をチタノシリケートと混合し、当該混合物を触媒として使用することができる。チタノシリケート以外の担体の中では、炭素が好ましい担体として挙げられる。炭素担体としては、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等が知られている。
【0024】
貴金属担持触媒の調製方法としては、例えばPdテトラアンミンクロリド等のアンミン錯体等、を担体上に含浸法等によって担持した後、還元する方法が知られている。還元方法としては、水素等の還元剤を用いて還元しても良いし、不活性ガス下、熱分解時に発生するアンモニアガスで還元しても良い。還元温度は、貴金属アンミン錯体によって異なるがPdテトラアンミンクロリドを用いた場合は100℃から500℃が一般的であり、200℃から350℃が好ましい。
【0025】
かくして、得られる貴金属担持物は、貴金属を、通常、0.01〜20重量%の範囲、好ましくは0.1〜5重量%含むものである。反応に用いる場合の貴金属のチタノシリケートに対する重量比(貴金属の重量/チタノシリケートの重量)は、好ましくは、0.01〜100重量%、より好ましくは0.1〜20重量%である。
【0026】
本発明チタノシリケート等を触媒として用いたプロピレンオキサイド製造反応は、通常、ニトリル化合物と水の混合溶媒からなる液相中で行われる。好適なニトリル化合物として、直鎖または分岐鎖飽和脂肪族ニトリルまたは芳香族ニトリルがあげられる。これらのニトリル化合物としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、ブチロニトリル等のC〜Cのアルキルニトリルおよびベンゾニトリルが例示され、アセトニトリルが好ましい。
【0027】
通常、水とニトリル化合物の比率は、重量比で90:10〜0.01:99.99であり、好ましくは、50:50〜0.01:99.99である。水の比率が大きくなりすぎると、プロピレンオキサイドが水と反応して開環劣化しやすくなる場合があり、プロピレンオキサイドの選択率が低くなる場合もある。逆にニトリル化合物の比率が大きくなりすぎると、溶媒の回収コストが高くなる。
【0028】
プロピレンオキサイドを製造する反応においては、緩衝塩を反応溶媒に加える方法も、触媒活性の減少を防止したり、触媒活性をさらに増大させ、水素の利用効率を高めることができるため有効である。緩衝塩は、貴金属と一緒に使用しても良いし、それぞれ独立に使用しても良い。緩衝塩の添加量は通常、単位溶媒重量(水および有機溶媒の合計重量)あたり、通常、0.001mmol/kg〜100mmol/kgである。
【0029】
緩衝塩としては、1)硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸2水素イオン、ピロリン酸水素イオン、ピロリン酸イオン、ハロゲンイオン、硝酸イオン、水酸化物イオンもしくはC−C10カルボン酸イオンから選ばれるアニオンと、2)アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルキルアリールアンモニウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩から選ばれるカチオンとからなる緩衝塩が例示される。C−C10カルボン酸イオンとしては、蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、吉草酸イオン、カプロン酸イオン、カプリル酸イオン、カプリン酸イオン、安息香酸イオンが例示される。
【0030】
アルキルアンモニウムの例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムが挙げられる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオンの例としては、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン、セシウムカチオン、マグネシウムカチオン、カルシウムカチオン、ストロンチウムカチオン、バリウムカチオンが例示される。
【0031】
好ましい緩衝塩としては、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、リン酸2水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、ピロリン酸水素アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩または酢酸アンモニウム等のC−C10のカルボン酸のアンモニウム塩が例示される。好ましいアンモニウム塩としては、リン酸2水素アンモニウムが挙げられる。
【0032】
本発明のプロピレンオキサイド製造反応においては、キノイド化合物を、本発明チタノシリケート等、貴金属触媒担持物とともに反応溶媒に加える方法も、プロピレンオキサイドの選択性をさらに増大させることができるため有効である。
【0033】
キノイド化合物としては、下記式(1)のρ−キノイド化合物およびフェナントラキノン化合物が例示される。

[式(1)中、R、R、RおよびRは、水素原子を表すかあるいは、互いに相隣り合うRとR、あるいはRとRは、それぞれ独立に、その末端で結合し、それぞれが結合しているキノンの炭素原子とともに、アルキル基もしくはヒドロキシル基で置換されていてもよいベンゼン環、またはアルキル基もしくはヒドロキシル基で置換されていてもよいナフタレン環を表し、XおよびYは同一または互いに相異なり、酸素原子もしくはNH基を表す。]
【0034】
式(1)の化合物としては、
1)式(1)において、R、R、RおよびRが、水素原子であり、XおよびYが共に酸素原子であるキノン化合物(1A)、
2)式(1)において、R、R、RおよびRが、水素原子であり、Xが酸素原子であり、YがNH基であるキノンイミン化合物(1B)、
3)式(1)において、R、R、RおよびRが、水素原子であり、XおよびYがNH基であるキノンジイミン化合物(1C)が例示される。
【0035】
式(1)のキノイド化合物には、下記式(2)のアントラキノン化合物が含まれる。

[式(2)中、XおよびYは式(1)において定義されたとおりであり、R、R、RおよびRは、同一または互いに相異なり、水素原子、ヒドロキシル基もしくはアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル等のC1-Cアルキル基)を表す。]
【0036】
式(1)および式(2)において、XおよびYは好ましくは、酸素原子を表す。式(1)のXおよびYが酸素原子であるキノイド化合物は、特別にキノン化合物あるいはρ−キノン化合物と呼ばれている。また、式(2)のXおよびYが酸素原子であるキノイド化合物は、更に特別にアントラキノン化合物と呼ばれている。
【0037】
キノイド化合物のジヒドロ体としては、前記式(1)および(2)の化合物のジヒドロ体である下記の式(3)および(4)の化合物が例示される。

[式(3)中、R、R、R、R、XおよびYは、前記式(1)に関して定義されたとおり。]

[式(4)中、X、Y、R、R、RおよびRは前記式(2)に関して定義されたとおり。]
【0038】
式(3)および式(4)において、XおよびYは好ましくは、酸素原子を表す。式(3)のXおよびYが酸素原子であるキノイド化合物のジヒドロ体は、特別にジヒドロキノン化合物あるいはジヒドロρ−キノン化合物と呼ばれている。また、式(4)のXおよびYが酸素原子であるキノイド化合物のジヒドロ体は、更に特別にジヒドロアントラキノン化合物と呼ばれている。
【0039】
フェナントラキノン化合物としては、ρ−キノイド化合物である1,4-フェナントラキノン、ο−キノイド化合物である1,2-、3,4-および9,10-フェナントラキノンが例示される。
【0040】
具体的なキノン化合物としては、ベンゾキノンやナフトキノン、アントラキノン、例えば2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−ブチルアントラキノン、2−t−アミルアントラキノン、2−イソプロピルアントラキノン、2−s−ブチルアントラキノンまたは2−s−アミルアントラキノン等の2−アルキルアントラキノン化合物ならびに、2−ヒドロキシアントラキノン、例えば1,3−ジエチルアントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2,7−ジメチルアントラキノン等のポリアルキルアントラキノン化合物、2,6−ジヒドロキシアントラキノン等のポリヒドロキシアントラキノン、ナフトキノンおよびその混合物が挙げられる。好ましいキノイド化合物としては、アントラキノンや、2−アルキルアントラキノン化合物(式(2)において、XおよびYが酸素原子であり、R5が2位に置換したアルキル基であり、R6が水素を表し、R7およびR8が水素原子を表す。)が挙げられる。好ましいキノイド化合物のジヒドロ体としては、これらの好ましいキノイド化合物に対応するジヒドロ体が挙げられる。
【0041】
キノイド化合物もしくはキノイド化合物のジヒドロ体(以下、キノイド化合物誘導体と略記する。)を反応溶媒に添加する方法としては、キノイド化合物誘導体を液相中に溶解させた後、反応に使用する方法が挙げられる。例えばヒドロキノンや、9,10-アントラセンジオールのようにキノイド化合物が水素化された化合物を液相中に添加し、反応器内で酸素により酸化してキノイド化合物を発生させて使用しても良い。
【0042】
さらに、例示したキノイド化合物を含め、本発明で用いるキノイド化合物は、反応条件によっては、一部が水素化されたキノイド化合物のジヒドロ体となり得るが、これらの化合物を使用してもよい。
【0043】
用いるキノイド化合物誘導体の量は、単位溶媒重量(水、有機溶媒もしくは両者の混合物の単位重量)あたり、通常、0.001mmol/kg〜500mmol/kgの範囲で実施することができる。好ましいキノイド化合物の量は、0.01mmol/kg〜50mmol/kgである。
【0044】
さらに本発明の方法においては、アンモニウム、アルキルアンモニウムまたはアルキルアリールアンモニウムからなる塩とキノイド化合物を同時に反応系中に加えることも可能である。
【0045】
プロピレンオキサイド製造の反応方法としては、流通式固定床反応、流通式スラリー完全混合反応等があげられる。
【0046】
反応器に供給する酸素と水素の分圧比は、通常、1:50〜50:1の範囲で実施される。好ましい酸素と水素の分圧比は、1:2〜10:1である。酸素と水素の分圧比(酸素/水素)が高すぎるとプロピレンオキサイドの生成速度が低下する場合がある。また、酸素と水素の分圧比(酸素/水素)が低すぎると、プロパン副生の増大によりプロピレンオキサイドの選択率が低下する場合がある。本反応で用いられる酸素および水素ガスは希釈用のガスで希釈して反応を行うことができる。希釈用のガスとしては、窒素,アルゴン,二酸化炭素、メタン,エタン,プロパンがあげられる。希釈用ガスの濃度に特に制限は無いが、必要により、酸素あるいは水素を希釈して反応は行われる。
【0047】
酸素原料としては、酸素ガス、あるいは空気等があげられる。酸素ガスは安価な圧力スウィング法で製造した酸素ガスも使用できるし、必要に応じて深冷分離等で製造した高純度酸素ガスを用いることもできる。
【0048】
プロピレンオキサイド製造反応における反応温度は、通常0℃〜150℃、好ましくは40℃〜90℃である。反応温度が低すぎると反応速度が遅くなり、反応温度が高くなりすぎると副反応による副生成物が増加する。
反応圧力は、特に制限は無いが、通常、ゲージ圧力で0.1MPa〜20MPa、好ましくは、1MPa〜10MPaである。反応圧力が低すぎると原料ガスの溶解が不十分となり、反応速度が遅くなる。反応圧力が高すぎると反応に係わる機器のコストが増大する。
【0049】
反応の生成物であるプロピレンオキサイドの回収は、通常の蒸留分離により行うことができる。以上、プロピレンオキサイド製造を例に挙げて説明したが、上記製造方法は、プロピレン以外のオレフィンを用いたエポキシ化合物を製造する製造方法にも応用可能である。プロピレンオキサイド以外のエポキシ化合物としては、例えば、エチレンオキサイド、ブテンオキサイド及びペンテンオキサイドが挙げられる。
【実施例】
【0050】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0051】
実施例1
層状ボロシリケートの調製
室温、Air雰囲気下、オートクレーブにピペリジン257g、純水686gに、ホウ酸162g、ヒュームドシリカ(cab−o−sil M7D)117gを撹拌しながら溶解させてゲルを調製し、1.5時間熟成させた後、密閉した。さらに撹拌しながら8時間かけて昇温した後、165℃で120時間保持することで、水熱合成を行い、懸濁溶液を得た。得られた懸濁溶液をろ過した後、ろ液がpH10付近になるまで水洗した。つぎにろ塊を50℃で乾燥し120gの白色粉末を得た。この白色粉末を銅K−アルファ放射線を使用したX線回折装置を用いてX線回折パターンを測定した結果、層状ボロシリケートであることが確認された。また、ICP発光分析によるホウ素含量1.1重量%、ケイ素含量32.7%であった。
【0052】
Ti−MWW前駆体触媒(チタノシリケート触媒A)
上記の通り得られた層状ボロシリケート15gに2Nの硝酸777g、TBOT(テトラ−n−ブチルオルソチタネート)1.9gを加え、20時間リフラックスさせた。次いで、ろ過し、中性付近まで水洗し、150℃で真空乾燥して12gの白色粉末を得た。この白色粉末を銅K−アルファ放射線を使用したX線回折装置を用いてX線回折パターンを測定した結果、Ti−MWW前駆体であることが確認された。また、ICP発光分析によるチタン含量は0.94重量%であった。
【0053】
Ti−MWW触媒(チタノシリケート触媒B)
得られたTi−MWW前駆体(チタノシリケート触媒A)10gを530℃で6時間焼成し、9gのMWW触媒粉末を得た。得られた粉末がMWW構造を持つことは、X線回折パターンを測定することにより確認した。また、ICP発光分析によるチタン含量は1.01重量%であった。
【0054】
Pd/活性炭(AC)触媒1
Pd/活性炭(AC)触媒は、以下の方法により調製した。500mLナスフラスコ中に、Pdコロイド(触媒化成工業製)0.30mmolを含む水溶液300mLを調製した。この水溶液に活性炭(和光純薬製)3gを加え、室温下8時間攪拌した。攪拌終了後、ロータリーエバポレータを用いて水分を除去し、80℃にて6時間真空乾燥、さらに窒素雰囲気下300℃で6時間焼成し、Pd/AC触媒を得た(Pd/AC触媒1)。
【0055】
Pd/活性炭(AC)触媒2
500mLナスフラスコ中に、Pdテトラアンミンクロリド0.30mmolを含む水溶液300mLを調整した。この水溶液に活性炭(和光純薬製)3gを加え、8時間攪拌した。攪拌終了後、ロータリーエバポレータを用いて水分を除去し、さらに80℃にて6時間真空乾燥を行った。得られた触媒前駆体粉末を窒素雰囲気下300℃で6時間焼成し、Pd/AC触媒を得た(Pd/AC触媒2)。
【0056】
(実施例1−1)
プロピレンオキサイドの製造(条件1)
容量0.3Lオートクレーブに重量比が水/アセトニトリル=30/70であるアセトニトリル水を131gと予め過酸化水素処理したチタノシリケート触媒A 2.28g、Pd/AC触媒1 0.198gを仕込んだ後、圧力を窒素にて絶対圧4MPaに調整し、ジャケットへの温水循環によりオートクレーブ内の温度を50℃に調整した。当該オートクレーブに水素3.6体積パーセント、酸素2.1体積パーセント、窒素94.3体積パーセントの組成である混合ガスを146NL/Hr、アントラキノン0.7ミリモル/kg、燐酸二水素アンモニウム0.7ミリモル/kgを含有するアセトニトリル水(水/アセトニトリルの重量比は30/70である)を90g/Hr、プロパンを0.4体積パーセント含むプロピレン液を36g/Hrで連続的に供給した。反応中、反応温度は50℃、反応圧力は4Mpaになるように制御した。固体成分であるチタノシリケート触媒A、Pd/AC触媒1は焼結フィルターによりろ過し、気液分離した後、常圧に戻し、液成分とガス成分を連続的に抜き出した。6時間後、反応液、ガスを同時にサンプリングし、液側、ガス側を各々ガスクロマトグラフィーにより分析した。プロピレンオキサイドの生成量は61.1mmol/Hr、プロピレングリコールの選択率{(プロピレングリコール生成量/(プロピレンオキサイド生成量+プロピレングリコール生成量)×100)は5.6%であった(表1)。
【0057】
(実施例1−2)
プロピレンオキサイドの製造(条件2)
反応は容量0.5Lのオートクレーブを反応器として用い、この中に、プロピレン/酸素/水素/窒素の体積比が4/4/10/82となる原料ガスを16L/時間、アントラキノン0.7ミリモル/kgを含有する水/アセトニトリル=20/80(重量比)の溶液を108mL/時間の速度で供給した。次いで、反応器からフィルターを介して反応混合物を抜き出すことにより、温度60℃、圧力0.8MPa(ゲージ圧)、滞留時間90分の条件で連続式反応を行った。この間、反応器内の反応混合物中には、反応溶媒131g、予め過酸化水素処理したチタノシリケート触媒A 0.266g、Pd/AC触媒2 0.03gを存在させた。反応開始から5時間後に抜き出した液相および気相をガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量は5.48mmol/Hr、プロピレングリコールの選択率は2.5%であった(表2)。
【0058】
(実施例1−3)
プロピレンオキサイドの製造(条件3)
チタノシリケート触媒Aの代わりにチタノシリケート触媒Bを用いた以外は条件2と同様の操作を行い、プロピレンオキサイドの製造を行った。6時間後、液側、ガス側を各々ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量は5.58mmol/Hr、プロピレングリコールの選択率は3.0%であった(表2)。
【0059】
比較例1
Ti−MWW前駆体触媒(チタノシリケート触媒C)
室温、Air雰囲気下、オートクレーブにピペリジン899g、純水2402gに、TBOT(テトラ−n−ブチルオルソチタネート)112g、ホウ酸565g、ヒュームドシリカ(cab−o−sil M7D)410gを撹拌しながら溶解させてゲルを調製し、1.5時間熟成させた後、密閉した。さらに撹拌しながら8時間かけて昇温した後、160℃で120時間保持することで、水熱合成を行い、懸濁溶液を得た。得られた懸濁溶液をろ過した後、ろ液がpH10付近になるまで水洗した。次にろ塊を50℃で乾燥し、540gの白色粉末を得た。得られた粉末15gに2Nの硝酸750mLを加え、20時間リフラックスさせた。次いで、ろ過し、中性付近まで水洗し、50℃で十分乾燥して11gの白色粉末を得た。この白色粉末を銅K−アルファ放射線を使用したX線回折装置を用いてX線回折パターンを測定した結果、Ti−MWW前駆体であることを確認し、ICP発光分析によるチタン含量は1.65重量%であった。
チタノシリケート触媒Aの代わりに、チタノシリケート触媒Cを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い条件1にてプロピレンオキサイドの製造を行った。6時間後、液側、ガス側を各々ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量は60.5mmol/Hr、プロピレングリコールの選択率は15.7%であった(表1)。
【0060】
表1

【0061】
比較例2
Ti−MWW触媒(チタノシリケート触媒D)
実施例1で調製した層状ボロシリケート粉末45gに2Nの硝酸2250mLを加え、20時間、加熱還流した。次いで、ろ過し、中性付近まで水洗し、50℃で十分乾燥して33gの白色粉末を得た。得られた粉末を530℃で6時間焼成し、MWW構造を有する粉末を得た。得られた粉末がMWW構造を持つことは、X線回折パターンを測定することにより確認した。さらに、MWW構造を有する粉末15gに2Nの硝酸777g、TBOT(テトラ−n−ブチルオルソチタネート)1.9gを加え、還流下に20時間加熱した。次いで、ろ過し、中性付近まで水洗し、150℃で真空乾燥して11gの白色粉末を得た。この白色粉末を銅K−アルファ放射線を使用したX線回折装置を用いてX線回折パターンを測定した結果、Ti−MWWであることを確認し、ICP発光分析によるチタン含量は0.36重量%であった。
チタノシリケート触媒Aの代わりに、チタノシリケート触媒Dを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い条件2にてプロピレンオキサイドの製造を行った。6時間後、液側、ガス側を各々ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、プロピレンオキサイドの生成量は0.08mmol/Hr、プロピレングリコールの選択率は20.0%であった(表2)。
【0062】
表2

【0063】
他方、実施例1および比較例1、2で得られたチタノシリケート触媒A〜DのUV吸収スペクトルを測定した。UV−Vis吸収スペクトルの測定に際しては、試料をメノウ乳鉢でよく粉砕し、測定用の試料セル(内径10mmφ、深さ3mm)に表面が平坦になるように詰めて、下記条件にて測定した。反射率をK−M変換して吸光度(abs.)とし、200nmにおける吸光度(abs.)が1となるよう補正した結果を図1に示す。
【0064】
<UV−Vis吸収スペクトル測定条件>
測定装置(本体):紫外可視分光光度計(日本分光製(V−7100))
(付属品):拡散反射装置(HARRICK製 Praying Mantis)
圧力:大気圧
測定値:反射率
データ取込時間:0.1秒
バンド幅:2nm
測定波長:200〜400nm
スリット高さ:半開
データ取込間隔:1nm
ベースライン補正(リファレンス):標準白板(スペクトラロン)
【0065】
図1は、実施例1、比較例1、2で得られたチタノシリケートのUV−Vis吸収スペクトルの測定結果を表すグラフである。図1から実施例1で得られたチタノシリケートは、比較例1、2で得られたチタノシリケートに比べ、4配位Ti種を表す210nm〜230nm付近における吸収は多く、骨格外Ti種を表す320nm〜330nmにおける吸収が少ないことが明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のチタノシリケートは、オレフィンのエポキシ化反応に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状ボロシリケートをチタン源および無機酸と接触させて得られる、層状チタノシリケート。
【請求項2】
下記に示す値のX線回折パターンを有し、かつ一般式:
xTiO・(1−x)SiO
(式中、xは0.0001〜0.1の数値を表す。)
で表される組成を有する、請求項1に記載の層状チタノシリケート。
X線回折パターン
(格子面間隔d/Å)
12.3±0.3
11.0±0.3
9.0±0.3
6.1±0.3
3.9±0.2
3.4±0.1
【請求項3】
前記無機酸が硝酸である、請求項1又は2に記載の層状チタノシリケート。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の層状チタノシリケートを熱処理して得られる、ゼオライト構造を有するチタノシリケート。
【請求項5】
下記に示す値のX線回折パターンを有し、かつ、一般式:
xTiO・(1−x)SiO
(式中、xは0.0001〜0.1の数値を表す。)
で表される組成を有する、請求項4に記載のゼオライト構造を有するチタノシリケート。
X線回折パターン
(格子面間隔d/Å)
12.3±0.3
11.0±0.3
9.0±0.3
6.1±0.3
3.9±0.2
3.4±0.1
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の層状チタノシリケートをシリル化して得られる、シリル化された層状チタノシリケート。
【請求項7】
請求項4又は5に記載のゼオライト構造を有するチタノシリケートをシリル化して得られる、シリル化されたゼオライト構造を有するチタノシリケート。
【請求項8】
層状ボロシリケートを無機酸およびチタン源と接触させる、層状チタノシリケートの製造方法。
【請求項9】
前記無機酸が硝酸である、請求項8に記載の層状チタノシリケートの製造方法。
【請求項10】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の層状チタノシリケート、請求項4又は5に記載のゼオライト構造を有するチタノシリケート、請求項6に記載のシリル化された層状チタノシリケートおよび請求項7に記載のシリル化されたゼオライト構造を有するチタノシリケートからなる群より選ばれる少なくとも一種のチタノシリケートと、貴金属触媒との存在下に、オレフィンと酸素と水素を反応させる、エポキシ化合物の製造方法。
【請求項11】
ニトリル化合物を溶媒として用いる、請求項10に記載のエポキシ化合物の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−274062(P2009−274062A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69550(P2009−69550)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】