説明

テトラヒドロ・イミダゾ[1,5−α]ピラジン誘導体、その調製プロセスおよび医薬的使用

本発明は、式(I)で表されるテトラヒドロ・イミダゾ[1.5-α]ピラジン誘導体、その調製方法、それを含有する医薬組成物およびその治療的使用、特にジペプチジル・ペプチダーゼ
IV阻害剤としての医薬的使用に関するものであり、前記式(I)の各置換基が明細書と同様に定義される。
【化132】





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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化110】


[式中、Arは、非置換または1〜5のR6によってさらに置換されるフェニルであり;
R1は、水素、アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、それぞれハロゲン、シアノ、アリール、ヒドロキシおよびアミノからなる群から選ばれる1つまたは複数の基によって任意に置換され、好ましくはトリフルオロメチルであり;
R2は、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、アルコキシル、シクロアルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび-NR4R5からなる群から選択され、前記アルキル、アルコキシル、シクロアルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、それぞれハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、-NR4R5、-OC(O)OR8、カルボン酸およびカルボン酸エステルからなる群から選択される1つまたは複数の基によって任意に置換され;
R3は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
R4およびR5は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、それぞれハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシル、アルキル、シアノ、アリール、シクロアルキル、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、-SO2R7、-NR4R5、カルボン酸およびカルボン酸エステルからなる群から選ばれる1つまたは複数の基によって任意に置換され;
または、R4およびR5は、それらが結合している原子と合わせて4〜8員の複素環を形成し、前記4〜8員の複素環は1つまたは複数のN、O、S原子を含み、また、前記4〜8員の複素環は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシル、アルキル、シアノ、アリール、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロアリール、カルボニル、ヒドロキシアルキル、-SO2R7、-NR4R5、-C(O)NR4R5、=O
,-C(O)R7、カルボン酸およびカルボン酸エステルからなる群から選択される1つまたは複数の基によって任意に置換され;
R6は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アルキルまたはアルコキシルからなる群から選択され、前記アルキルまたはアルコキシルは非置換、またはそれぞれ1つまたは複数のハロゲンによって置換され;
R7はアルキルであり;
R8はアルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される。]
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
【化111】


【化112】


および
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
前記塩は、前記化合物と、リンゴ酸、乳酸、マレイン酸、塩酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される酸とから形成され、好ましくは塩酸塩である前記塩。
【請求項4】
式(IA):
【化113】


[式中、Arは、非置換または1〜5のR6によってさらに置換されるフェニルであり;
R1は、水素、アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、それぞれハロゲン、シアノ、アリール、ヒドロキシおよびアミノからなる群から選択される1つまたは複数の基によって任意に置換され、好ましくはトリフルオロメチルであり;
R3は、ヒドロゲンおよびアルキルからなる群から選択され;
R6は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アルキルおよびアルコキシルからなる群から選択され、前記アルキルまたはアルコキシルは非置換、またはそれぞれ1つまたは複数のハロゲンにより置換され;
Xはハロゲンである。]
で表される、請求項1に記載の式(I)の化合物を合成する中間体である化合物。
【請求項5】
式(IB):
【化114】


[式中、R1は、水素、アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、それぞれハロゲン、シアノ、アリール、ヒドロキシおよびアミノからなる群から選択される1つまたは複数の基によって任意に置換され、好ましくはトリフルオロメチルであり;
R2は、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、アルコキシル、シクロアルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび-NR4R5からなる群から選択され、前記アルキル、アルコキシル、シクロアルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、それぞれハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、-NR4R5、-OC(O)OR8、カルボン酸およびカルボン酸エステルからなる群から選択される1つまたは複数の基によって任意に置換され;
R3は、水素およびアルキルからなる群から選択され;
R4およびR5は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、それぞれハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシル、アルキル、シアノ、アリール、シクロアルキル、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、-SO2R7、-NR4R5、カルボン酸およびカルボン酸エステルからなる群から選択される1つまたは複数の基によって任意に置換され;
または、R4およびR5は、それらが結合している原子と合わせて4〜8員の複素環を形成し、前記4〜8員の複素環は1つまたは複数のN、O、S原子を含み、また、前記4〜8員の複素環は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシル、アルキル、シアノ、アリール、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロアリール、カルボニル、ヒドロキシアルキル、-SO2R7、-NR4R5、-C(O)NR4R5、-C(O)R7、カルボン酸およびカルボン酸エステルからなる群から選択される1つまたは複数の基によって任意に置換され;
R7はアルキルであり;
R8は、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される。]
で表される、請求項1に記載の式(I)の化合物を合成する中間体である化合物。
【請求項6】
請求項4に記載の式(IA)で表される化合物の調製プロセスであって、下記のステップを含む前記調製プロセス:
【化115】


氷水浴中で、出発物質であるピラジン-2-メチルアミンに酸無水物を滴下して、室温下で攪拌してアミド生成物を得るステップ;
【化116】


前記アミド生成物とオキシ塩化リンを室温で混合し、次いで、加熱還流により五酸化リンと反応させて、縮合生成物であるイミダゾール[1,5-α]ピラジン誘導体を得るステップ;
【化117】


前記イミダゾール[1,5-α]ピラジン誘導体を、エタノール溶媒中でPd/C触媒により水素還元反応させ、R1およびR置換テトラヒドロ-イミダゾ[1,5-a]ピラジン誘導体を得るステップ;
【化118】


縮合剤のビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリドおよびトリエチルアミンの存在下、ジクロロメタン溶媒中で縮合反応により、R1およびR3置換テトラヒドロ-イミダゾ[1,5-a]ピラジン誘導体をカルボン酸と反応させるステップ;
【化119】


得られた縮合生成物を、室温、無水エタノール溶媒中でハロゲン化コハク酸イミドと反応させ、式(IA)で表される化合物を得るステップ。
【請求項7】
請求項5に記載の式(IB)で表される化合物の調製プロセスであって、下記のステップを含む前記調製プロセス:
【化120】


室温で、R1置換のイミダゾール[1,5-α]ピラジン誘導体をエタノール溶媒中で水素により還元させ、次いで、エタノール溶媒中で二炭酸ジ-tert-ブチルと反応させてアミノ保護し、アミノ保護R1置換イミダゾール[1,5-α]ピラジン誘導体を得るステップ;
【化121】


得られたアミノ保護R1置換イミダゾール[1,5-α]ピラジン誘導体を、エタノール溶媒中でハロゲン化コハク酸イミドと室温で反応させ、ハロゲン化合物を得るステップ;
【化122】


一酸化炭素雰囲気下、油浴中で、得られたハロゲン化合物をメタノール溶媒中でコバルトオクタカルボニルおよびクロロ酢酸エステルと反応させ、エステル置換テトラヒドロ-イミダゾ[1,5-a]ピラジン誘導体を得るステップ;
【化123】


塩基の存在下で、得られたエステル置換テトラヒドロ-イミダゾ[1,5-a]ピラジン誘導体を加水分解して、そのカルボン酸を得るステップ;
【化124】


得られたカルボン酸化合物を、ドライアイス−アセトン浴中でハロゲン化アルキルと反応させ、アルキル置換カルボン酸を得るステップ;
【化125】


さらに、前記アルキル置換カルボン酸をエステル化して、ケトン置換テトラヒドロ-イミダゾ[1,5-a]ピラジン誘導体を得るステップ;
【化126】


または、縮合剤のビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリドおよびトリエチルアミンの存在下、前記アルキル置換カルボン酸をジクロロメタン溶媒中でN-メトキシルメチルアミンと反応させるステップ;
【化127】


得られた縮合化合物をテトラヒドロフラン溶媒中でグリニャール試薬と反応させ、ケトン置換テトラヒドロ-イミダゾ[1,5-a]ピラジン誘導体を得るステップ;
【化128】


酸の存在下で、前記ケトン置換テトラヒドロ-イミダゾ[1,5-a]ピラジン誘導体からアミノ保護基を脱保護して、式(IB)で表される中間体を得るステップ。
【請求項8】
請求項1または2に記載の式(I)で表される化合物の調製プロセスであって、下記のステップを含む前記調製プロセス:
【化129】


一酸化炭素雰囲気下、油浴中で、請求項4に記載の式(IA)で表される化合物をメタノール溶媒でジコバルトオクタカルボニルおよびクロロ酢酸エステルと反応させ、次いで、得られた生成物を塩基の存在下、室温で加水分解し、酸性化することにより、カルボン酸を得るステップ;
【化130】


前記得られたカルボン酸を、縮合剤の存在下で、アミンまたはエタノールと室温で反応させ、または1-ハロゲン化カルボン酸と反応させ、次いで、酸の存在下でアミノ保護基を脱保護して、式(I)で表される化合物を得るステップ。
【請求項9】
請求項1または2に記載の式(I)で表される化合物の調製プロセスであって、下記のステップを含む前記調製プロセス:
【化131】


縮合剤のビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリドの存在下で、式(IB)で表される化合物をカルボン酸と反応させ、縮合生成物を得て、さらに酸の存在下で、アミノ保護基を脱保護して、式(I)で表される化合物を得るステップ。
【請求項10】
前記式(I)で表される化合物を酸と反応させて酸付加塩を得るステップがさらに含まれ、前記酸は、リンゴ酸、乳酸、マレイン酸、塩酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択され、好ましくは塩酸である請求項8または9に記載の調製プロセス。
【請求項11】
有効な治療用量での請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項12】
2型糖尿病、高血糖症、肥満症またはインスリン抵抗性の治療用の薬剤を調製するための請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項13】
ジペプチジルぺプチダーゼIVを、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触されることを特徴とする、ジペプチジルぺプチダーゼIVの触媒活性の阻害方法。
【請求項14】
2型糖尿病、高血糖症、肥満症またはインスリン抵抗性を治療するための薬剤の調製における、請求項11に記載の医薬組成物の使用。




【公表番号】特表2011−508735(P2011−508735A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539997(P2010−539997)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001936
【国際公開番号】WO2009/082881
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(510166892)ジエンス ヘンルイ メデイシンカンパニー リミテッド (13)
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU HENGRUI MEDICINE CO.,LTD.
【出願人】(508209602)シャンハイ ヘンルイ ファーマスーティカル カンパニー リミテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI HENGRUI PHARMACEUTICAL CO., LTD.
【Fターム(参考)】