説明

テレビやラジカセなどの光線式リモコンシステムで、電話通話時に視聴覚音響機器の消音回路を作動させ、通話後に復音する電話機、または、電話通話時だけ視聴覚音響機器を消音または弱音とするために電話機につける光線式リモコン消音システム

【課題】電話に出たときや電話をかけるとき、周りのリモコンテレビなどの視聴覚響機器の音声を簡単に消音・弱音できるようにリモコン式消音回路・機構を組み込んだ電話機を提供する。
【解決手段】電話機で通話する時のフック1の動きと連動する永久磁石2の動きが、磁力の弱強弱の変化としてリードスイッチなどの磁気感応スイッチング素子3をOFF・ON・OFFして内蔵したリモコン式消音信号発生回路から消音・弱音の、又は元の音声に戻すための赤外線信号を視聴覚音響機器に送信し、受話器を持上げたり、もどしたりすることに連動して視聴覚音響機器の音声の消音・弱音等が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機の受話器やポータブル電話機本体で通話するとき、リモコン式テレビなどの視聴覚音響機器を消音ないしは弱音モードにするリモコン回路を有する電話機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭用や事務所用の卓上電話機や壁掛け電話機、卓上型の電話機受話器一体型ポータブル電話機は、その形状や無線式とか有線式とかを問わず、受話器またはポータブル電話機本体を手にとると通話ができるようになっており、携帯電話機が普及した現在でも重要な通信手段である。
【0003】
しかし、テレビを見ているときやラジオとかBGMが流れているときに電話を受けたときは、音声ボリュームを小さくしたり、音の小さいほうを向いたりして、電話の相手が聞きやすいようにして、失礼がないようにする必要があった。これは、忙しいときや一人だけのときには、大変わずらわしいことであった。
【0004】
とくに、テレビなどの視聴覚音響機器の近くに誰もいないときやリモコンが近くにないときは、電話の相手を待たせたり、テレビの大きな音量で通話がしにくかったりして、通話中の相手に失礼な思いをさせることが多かった。そこで近年この問題を緩和するために、テレビなどの音響機器をリモコンで消音する回路を内蔵した電話機が発明されて、大変便利になってきていた。しかし、通話状態を電話機の付属回路で認識させるには、通話状態認識回路などの電気回路や認識の機構が複雑で、高額な電話機となってしまうために、便利な割にはほとんど普及をみていない。(特許文献1,2,3,4,5)
【特許文献1】特開2001−36616号公報
【特許文献2】特開2004−179962号公報
【特許文献3】実用新案登録第3092870号
【特許文献4】実開平7−33053号公報
【特許文献5】実開平1−143545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明が解決しようとする問題点は、電話の通話中にはテレビなどの視聴覚音響機器を自動的に消音ないしは弱音にするような消音リモコン回路を内臓した電話機は便利ではあるが、通話中を認識するための通話信号検出回路や通話中を確定するためのメカニズムが複雑となるために、電話機として高額なものとなってしまっていることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、受話器と、その受話器を保持する保持部材とを備える電話機において、電話機は、テレビやラジカセなどの視聴覚音響機器の赤外線等の光線式リモコンの消音(ミューズ)信号発生回路及び同信号発信回路と、同信号の発信手段と、を備え、前記受話器又は保持部材の一方には磁石が設けられ、前記受話器又は保持部材の他方には、磁気感応スイッチング素子が設けられ、受話器を手にとったとき又は置いたときに、受話器の動きに連鎖して磁石が磁気感応スイッチング素子に対して相対移動することにより、磁気感応スイッチング素子の磁気作動式スイッチ部分へ働く磁力の強さを変化させ、磁気感応スイッチング素子をスイッチング作動させて、消音信号(ミューズ信号)を発信し、視聴覚音響機器の音声を停止ないし弱音化させる機能を持つ電話機である。
すなわち、テレビやラジカセなどの視聴覚音響機器の赤外線等の光線式リモコンの消音(ミューズ)信号発生回路及び同信号発信回路と、同信号の発信用発光ダイオードとを組み付けた電話機において、その電話機の受話器やポータブル形状の電話機本体を手にとったとき又は置いたときに、受話器のフックやポータブル電話機本体の動きで連鎖して移動する付属永久磁石が、磁気作動式スイッチ部分へ働く磁力の強さを変化することで、リードスイッチなどの磁気感応スイッチング素子をOFF→ON→OFFと磁気感応によりスイッチング作動させて、テレビ等リモコン回路の赤外線消音信号(ミューズ信号)を発信し、リモコンテレビ等の視聴覚音響機器の音声を停止ないし弱音化させる機能を持つ電話機である。
また、本発明は、受話器とその受話器を保持する保持部材とを備える、固定電話機又は携帯電話機に装着される電話時音響機器消音システムであって、テレビやラジカセなどの視聴覚音響機器の赤外線等の光線式リモコンの消音(ミューズ)信号発生回路及び同信号発信回路と、同信号の発信手段と、磁気感応スイッチング素子とを、前記保持部材に装着可能に備え、受話器を手にとったとき又は置いたときに、受話器の動きに連鎖して受話器の磁石が移動することにより、磁気感応スイッチング素子の磁気作動式スイッチ部分へ働く磁力の強さを変化させ、磁気感応スイッチング素子をスイッチング作動させて、消音信号(ミューズ信号)を発信し、視聴覚音響機器の音声を停止ないし弱音化させる機能を持つ電話時音響機器消音システムである。
すなわち、テレビやラジカセなどの視聴覚音響機器の赤外線等の光線式リモコンの消音(ミューズ)信号発生回路及び同信号発信回路と、同信号の発信用発光ダイオードとを組み付けた電話時音響機器消音電話機において、当該システム付きの電話機の受話器やポータブル形状の電話機本体を手にとったとき又は置いたときに、受話器のフックやポータブル機本体のスイッチ部分の動きに連動して上下左右等に作動するよう取り付けた永久磁石が、電話の使用ないしは終了時に同期して移動することによって、リードスイッチなどの磁気感応するスイッチング素子をOFF→ON→OFFと作動させて、赤外線消音信号(ミューズ信号)を発信し、リモコンテレビ等の視聴覚音響機器の音声を停止ないし弱音化させる電話時音響機器消音システムである。
本発明は、これまでのリモコン消音回路を内蔵していた電話機では、その電話機を動作させるための複雑な通話信号認識回路や通話モード検出回路、リモコン作動回路及び同作動システムが高価で、普及しないという問題点を改善し、簡単で安価にしたものである。本発明は図1のように、電話機が通話中である状態を確認する回路やメカニズムを非常に簡単なものにしており、電話機の受話器をかけるフック1に取り付けた永久磁石2が、フックの動きと連動して動いてリードスイッチ等の磁力感応スイッチング素子3をOFF・ON・OFFさせるだけの非常にシンプルで確実な機構にしたところである。したがってこの発明のように、磁気に感応するスイッチングメカニズムを使えば、電話の通話中だけに限ってテレビなどの音響機器を自動的にリモコン消音できる電話機が、非常に安価に製作できることになり、安価で便利な電話機として今後の普及が期待できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、受話器を手に持ったり、壁掛け式電話機の受話器をその保持部からはずしたりしたとき、または、一体型ポータブル電話機を持ち上げたときに、それぞれのタイプの電話機が、通話中であることを簡単な磁力に感応するスイッチングメカニズムで感知作動して、リモコンの消音スイッチをOFF・ON・OFFとするので、消音・弱音の赤外線信号が発信されて、リモコン式のテレビやラジカセなどの音響機器の音声を消したり弱めたりすることができる。さらに、通話が終わって受話器を電話機の受話器保持部にもどしたり、ポータブル受話器を卓上に戻せば、スイッチングメカニズムがOFF・ON・OFFとなってリモコンの消音信号を再度発信するので、視聴覚音響機器は簡単にまたもとの通話開始前の状態に戻って音声が出るようになる。
【0008】
このような簡単で正確な磁気スイッチングメカニズムが本発明の通話時消音電話機や通話時電話消音システムの特徴なので、非常に安価で確実な通話時消音機能が期待できる。今後の普及で、家庭でも事務所でも、電話機をテレビなどの近くにおいて使用しているところでは、電話をかけたり受けたりするときに、相手への失礼が減るうえに、通話の話し声が明瞭化して大変通話が良好な音質でできるようになると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の磁気スイッチングの方法ならば、テレビやラジカセ等の視聴覚音響機器を視聴しているときに電話がかかってきた場合、視聴しているリモコンテレビ等の視聴覚音響機器のボリュームを下げたり、音声を停止させたりするためにわざわざスイッチを押さなくてもテレビリモコン回路が自動的に作動して、テレビ音声を消音(ミュート)・弱音にすることができる。そのため、非常に簡単で優れた通話時消音電話機ができた。
【実施例】
【0010】
図面1のように、まず、電話機の受話器保持部のフック1の近くに、リードスイッチなどの磁気感応スイッチング素子3を固定設置しておく。受話器を手に持った通話中のときフック1が上がるとフックに取り付けた永久磁石2が連動して上がり、磁気感応スイッチング素子3がOFF→ON→OFFとなって一回だけリモコン消音回路のトリガー(起動端子)を通電状態(ON)にするので、視聴覚音響機器を消音したり弱音にしたりする赤外線リモコン式消音信号発生回路が作動して消音信号を一回発信し、音響機器を消音・弱音状態にさせる。
【0011】
また、通話後には、受話器を電話機(保持部)に戻すと図面2のように再度フック1が下がるので、フック下部に取り付けられた永久磁石2が下がって磁気感応スイッチング素子3を再度OFF→ON→OFFにする。このとき、リモコンの消音・弱音信号発生回路が1回だけ作動して、テレビ等の視聴覚音声機器の音声が復帰し、もとの音量で聞こえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】リモコンテレビの消音回路のついた電話機のフックに取り付けた磁気感応スイッチング素子をもつ回路の起動(OFF・ON・OFF)の様子を示した図
【図2】リモコンテレビの消音回路のついた電話機のフックに取り付けた磁気感応スイッチング素子をもつ回路の復動(OFF・ON・OFF)の様子を示した図
【符号の説明】
【0013】
1 電話機の受話器フック
2 受話器のフック等に取り付け、フックと連動して上下作動する永久磁石
3 リードスイッチなどの磁気感応スイッチング素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受話器と、その受話器を保持する保持部材とを備える電話機において、電話機は、テレビやラジカセなどの視聴覚音響機器の赤外線等の光線式リモコンの消音(ミューズ)信号発生回路及び同信号発信回路と、同信号の発信手段と、を備え、前記受話器又は保持部材の一方には磁石が設けられ、前記受話器又は保持部材の他方には、磁気感応スイッチング素子が設けられ、受話器を手にとったとき又は置いたときに、受話器の動きに連鎖して磁石が磁気感応スイッチング素子に対して相対移動することにより、磁気感応スイッチング素子の磁気作動式スイッチ部分へ働く磁力の強さを変化させ、磁気感応スイッチング素子をスイッチング作動させて、消音信号(ミューズ信号)を発信し、視聴覚音響機器の音声を停止ないし弱音化させる機能を持つ電話機。
【請求項2】
前記保持部材は、前記受話器を充電するための充電器である請求項1記載の電話機。
【請求項3】
前記磁石は、スピーカ又はマイクに付属する永久磁石である請求項1又は2記載の電話機。
【請求項4】
受話器とその受話器を保持する保持部材とを備える、固定電話機又は携帯電話機に装着される電話時音響機器消音システムであって、テレビやラジカセなどの視聴覚音響機器の赤外線等の光線式リモコンの消音(ミューズ)信号発生回路及び同信号発信回路と、同信号の発信手段と、磁気感応スイッチング素子とを、前記保持部材に装着可能に備え、受話器を手にとったとき又は置いたときに、受話器の動きに連鎖して受話器の磁石が移動することにより、磁気感応スイッチング素子の磁気作動式スイッチ部分へ働く磁力の強さを変化させ、磁気感応スイッチング素子をスイッチング作動させて、消音信号(ミューズ信号)を発信し、視聴覚音響機器の音声を停止ないし弱音化させる機能を持つ電話時音響機器消音システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−183551(P2010−183551A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51340(P2009−51340)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(508358209)
【Fターム(参考)】