テレビジョン受像機および電子機器
【課題】電子機器の組み立て作業性を向上させる。
【解決手段】実施形態によれば、テレビジョン受像機は、筐体と、表示部と、フレキシブルプリント配線板と、コネクタと、を備える。前記フレキシブルプリント配線板は、貫通部が形成される。前記コネクタは、前記貫通部に嵌合されるガイドピンを有し、前記フレキシブルプリント配線板が挿入される。前記フレキシブルプリント配線板は、絶縁層と、前記絶縁層上の一部に、前記貫通部を避けて設けられる導電層と、を有する。前記貫通部は、前記絶縁層を貫通する、スリットおよび穴が結合した形状であり、前記フレキシブルプリント基板の挿入方向に略直交する方向の、前記スリットの幅より前記穴の幅が大きい。前記コネクタのガイドピンは、前記穴に嵌合される第1の突起部と、前記第1の突起部上に設けられ、前記スリットに嵌合される第2の突起部と、を有する。
【解決手段】実施形態によれば、テレビジョン受像機は、筐体と、表示部と、フレキシブルプリント配線板と、コネクタと、を備える。前記フレキシブルプリント配線板は、貫通部が形成される。前記コネクタは、前記貫通部に嵌合されるガイドピンを有し、前記フレキシブルプリント配線板が挿入される。前記フレキシブルプリント配線板は、絶縁層と、前記絶縁層上の一部に、前記貫通部を避けて設けられる導電層と、を有する。前記貫通部は、前記絶縁層を貫通する、スリットおよび穴が結合した形状であり、前記フレキシブルプリント基板の挿入方向に略直交する方向の、前記スリットの幅より前記穴の幅が大きい。前記コネクタのガイドピンは、前記穴に嵌合される第1の突起部と、前記第1の突起部上に設けられ、前記スリットに嵌合される第2の突起部と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テレビジョン受像機および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器では、電子部品同士を電気的に接続して電気信号を伝送するために、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit、以下FPCと呼ぶ)が用いられることがある。しかしながら、FPCがコネクタに十分挿入されなかったり、作業途中でコネクタから外れたりしてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−327612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器の組み立て作業性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、テレビジョン受像機は、筐体と、表示部と、フレキシブルプリント配線板と、コネクタと、を備える。前記表示部は、前記筐体内に収容される。前記フレキシブルプリント配線板は、前記筐体および前記表示部の内側に設けられ、貫通部が形成される。前記コネクタは、前記貫通部に嵌合されるガイドピンを有し、前記フレキシブルプリント配線板が挿入される。前記フレキシブルプリント配線板は、絶縁層と、前記絶縁層上の一部に、前記貫通部を避けて設けられる導電層と、を有する。前記貫通部は、前記絶縁層を貫通する、スリットおよび穴が結合した形状であり、前記フレキシブルプリント基板の挿入方向に略直交する方向の、前記スリットの幅より前記穴の幅が大きい。前記コネクタのガイドピンは、前記穴に嵌合される第1の突起部と、前記第1の突起部上に設けられ、前記スリットに嵌合される第2の突起部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】テレビジョン受像機10の外観を示す正面図。
【図2】図1のテレビジョン受像機10の構造を示す断面図。
【図3】一実施形態に係るテレビジョン受像機10の概略構成を示すブロック図。
【図4】一実施形態に係るFPC15の斜視図。
【図5】一実施形態に係るFPC15の上面図。
【図6】一実施形態に係るコネクタ13の斜視図。
【図7】一実施形態に係るコネクタ13の上面図。
【図8】一実施形態に係るコネクタ13の正面図。
【図9】FPC15をコネクタ13に挿入する手順を示す図。
【図10】図7に引き続く、FPC15をコネクタ13に挿入する手順を示す図。
【図11】図8に引き続く、FPC15をコネクタ13に挿入する手順を示す図。
【図12】水平方向におけるFPC15およびコネクタ13の各部の寸法の一例を示す図。
【図13】垂直方向におけるFPC15およびコネクタ13の各部の寸法の一例を示す図。
【図14】ノートブック型パーソナルコンピュータ10’の外観を示す斜視図。
【図15】図14のパーソナルコンピュータ10’の内部構造を示す斜視図。
【図16】パーソナルコンピュータ10’に用いられるFPC15、コネクタ13,14の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るテレビジョン受像機10の外観を示す正面図である。図1のテレビジョン受像機10は、本体部(表示部)101と、脚部(スタンド、支持部、支部、台部)102とを備えている。
【0009】
本体部101は、筐体(覆部材、組合せ部材、部材、構成部品)103と、筐体103内に収容された表示装置(表示モジュール、表示ユニット、電子部品)104と、筐体103のフロント面に設けられた電源ボタン105およびリモコンセンサ106とを備えている。表示装置104は、筐体103のフロント面(前面、表示画面側)に露出した表示画面104aを有している。表示画面104aのON/OFF操作は、電源ボタン105の押下や、リモコンの前部をリモコンセンサ106の方向に向けた状態でリモコンの電源ボタンを押下することで行うことが可能である。
【0010】
筐体103は、第1から第4の端部(辺部、周部、周縁部、側部、壁、面、)111〜114を有する。第1の端部111は、脚部102が取り付けられた(底面、底壁、支持面、支持部、周壁)端部である。第2の端部(天板、上壁、壁、面、周壁)112は、第1の端部111の反対側に位置し、第1の端部111と略平行に延びている。また、第3の端部(側部、側面、側壁、周壁)113は、第1の端部111と第2の端部112とを繋ぐ端部であり、第1の端部111と略垂直な方向に延びている。第4の端部(側部、側面、側壁、周壁)114は、第3の端部113の反対側に位置し、第3の端部113と略平行に延びている。第4の端部114は、第3の端部113と同様、第1の端部111と第2の端部112とを繋いでいる。
【0011】
第1および第2の端部111,112は、筐体103の長手方向に延びる端部である。一方、第3および第4の端部113,114は、筐体103の短手方向に延びる端部であり、第1および第2の端部111,112よりも短い。
【0012】
脚部102が本体部101を支えている場合、第1から第4の端部111〜114はそれぞれ、筐体103の下端部、上端部、左端部、右端部となる。図1では、第1および第2の端部111,112は、水平方向に略平行であり、第3および第4の端部113,114は、垂直方向に略平行である。
【0013】
なお、本実施形態では、筐体103は、4つの端部111〜114を有しているが、筐体103の端部の個数は、3つ以下や5つ以上でもよい。また、第1の端部111と第2の端部112は、非平行に延びていてもよく、同様に、第3の端部113と第4の端部114は、非平行に延びていてもよい。
【0014】
図2は、図1のテレビジョン受像機10の構造を示す断面図である。図2に示すように、筐体103は、フロント面(第1の面、第1壁、壁、マスク)115と、バック面(第2の面、第2壁、壁、カバー)116と、周面(第3の面、第3壁、壁、マスクの一部又はカバーの一部、マスクとカバーに亘る部分)117とを有する。フロント面115は、表示画面104aが露出した面である。バック面116は、フロント面115の反対側に位置する。また、周面117は、フロント面115の周縁部とバック面116の周縁部とを繋ぐ面である。
【0015】
なお、本実施形態では、筐体103は、フロント面115と、バック面116と、周面117とを有する面構造を有しているが、筐体103は、上記以外の面構造を有していてもよい。
【0016】
図2に示すように、本体部101はさらに、筐体103内に収容されたミドルフレーム(筐体、支持部、支持面、支持壁、部品載置部、枠、中間部材、骨部材、プレート、補強部)107を備えている。ミドルフレーム107は、種々の部品を支持するための支持部材である。
【0017】
ミドルフレーム107は、第1の支持面121と、第2の支持面122とを有する。第1の支持面121は、フロント面115側を向いた面である。第2の支持面122は、バック面116側を向いた面であり、第1の支持面121の反対側に位置する。
【0018】
本体部101は、ミドルフレーム107の第1の支持面121上に配置された第1の電子部品131a,131bと、ミドルフレーム107の第2の支持面122上に配置された第2の電子部品132a,132bとを備えている。これらの電子部品131a,131b,132a,132bの例としては、半導体素子や回路素子が実装された回路基板などが挙げられる。なお、ミドルフレーム107の支持面121、122など、ミドルフレーム107の面、領域、部分、支持部上には、電子部品131a,131b,132a,132b以外の部品が配置されていてもよい。
【0019】
図2に示すように、電子部品131aと電子部品131bとの間で信号を送受信するために、コネクタ13a,FPC15aおよびコネクタ14aが用いられる。また、電子部品131bと、その背面に配置される電子部品132bとの間で信号を送受信するために、コネクタ13b,FPC15bおよびコネクタ14bが用いられる。このように、FPC15bが屈設して用いられることもある。
【0020】
本実施形態は、このようなFPCおよびコネクタを有するテレビジョン受像機10の組み立て作業性を向上させるものである。
【0021】
図3は、テレビジョン受像機10のうち、FPC15およびコネクタ13,14に関する概略構成を示すブロック図である。テレビジョン受像機10は、電子部品11および電子部品12と、これら2つの電子部品11,12間を電気的に接続するFPC15とを備えている。
【0022】
電子部品11は、例えば種々の電子デバイスが実装された基板(メイン基板、電子モジュール)であり、プリント回路基板(以下、Printed Circuit Board:PCB、基板、電子部品、電子モジュール)11aと、コネクタ13と、電子デバイス16とを備えている。その他、PCB11a上に不図示のディスクリート部品や他の電子デバイス等が実装されていてもよい。
【0023】
コネクタ(電子部品、電子モジュール、信号伝送モジュール、FPC挿入モジュール)13はPCB11aに固着されている。コネクタ13内部に設けられる複数のピン(不図示)のそれぞれは、PCB11aの表面に形成される導体パターンの所定の位置に、電気的に接続される。
【0024】
FPC(電子部品、電子モジュール、信号伝送モジュール、ケーブル)15の一端はコネクタ13に挿入され、PCB11aに固定される。後述するように、FPC15は電気信号を伝送するための複数の導電層を有する。FPC15は、導電層のそれぞれがコネクタ13内部のピンと接触するように、コネクタ13に挿入される。なお、図3ではコネクタ13が電子部品11の中央付近に配置される例を示しているが、その位置に制限はなく、電子部品11の端部に配置してもよいし、電子デバイス16に近接して配置してもよい。
【0025】
電子デバイス16(電子部品、電子モジュール)は、例えばLSI(Large Scale Integrated Circuit)である。電子デバイス16はPCB11aに固着されている。より具体的には、電子デバイス16は、電気信号を入出力するための入出力ピン(不図示)を有し、PCB11aの表面に形成される導体パターン(導電層、信号伝送部材、銅箔)の所定の位置に、例えばハンダを用いて入出力ピンが電気的に接続される。そして、電子デバイス16の入出力ピンは、コネクタ13およびPCB11aの表面に形成される導体パターンを介して、FPC15の導電層と電気的に接続される。電子デバイス16は、電子部品12と通信するデバイスであり、USB(Universal Serial Bus)信号等のような高速信号を含む電気信号を、コネクタ13およびFPC15を介して電子部品12に送信する。
【0026】
電子部品12は、例えば外部機器(電子機器)とのインターフェースとなる小基板(基板、電子モジュール)であり、PCB12aと、外部コネクタ17とを備えている。その他、PCB12a上に不図示のディスクリート部品や他の電子デバイス等が実装されていてもよい。
【0027】
コネクタ14はPCB12aに固着されている。コネクタ14内部に設けられる複数のピン(不図示)のそれぞれは、PCB12aの表面に形成される導体パターンの所定の位置に、電気的に接続される。
【0028】
FPC15の他端はコネクタ14に挿入され、PCB12aに固定されている。
【0029】
外部コネクタ(コネクタ、電子部品、電子モジュール、信号伝送モジュール)17は、USBデバイスのような外部機器を、ケーブル(電子部品、電子モジュール、信号伝送モジュール)18を介してテレビジョン受像機10に接続する。外部コネクタ17は、PCB12aの表面に形成される導体パターン(不図示)を介して、コネクタ14のピンと電気的に接続されている。これにより、外部機器は、外部コネクタ17、コネクタ14、FPC15およびコネクタ13を介して、電子デバイス16と、信号を送受信できる。
【0030】
このように、テレビジョン受像機10内で、FPC15は2つの電子部品11,12間を電気的に接続する。また、FPC15の一端は電子部品11上のコネクタ13に挿入され、他端は電子部品12上のコネクタ14に挿入される。
【0031】
このテレビジョン受像機10を製造するには、例えば(1)FPC15の一端をコネクタ13に挿入し、その後、(2)FPC15の他端をコネクタ14に挿入する。本実施形態は、FPC15に貫通部30を形成するとともに、この貫通部30に嵌合されるガイドピンをコネクタ13に設けることで、(1)の工程で既に挿入したFPC15の一端が、(2)の工程中に外れてしまうのを防止するものである。
【0032】
図4は、一実施形態に係るFPC15の斜視図であり、図5は、同上面図である。
【0033】
FPC15は、ポリイミド等の絶縁層(絶縁部、絶縁膜、絶縁基板、ベース層)21と、絶縁膜21上に所定の配線パターン形状に形成される銅箔等の導電層(導電部、導電膜、信号伝送部)22と、絶縁層21および導電層22を覆うポリイミド等の絶縁層(絶縁部、絶縁膜、カバー層)23とを備えた、フィルム状の基板である。ただし、FPC15の両端のコネクタ挿入部(接栓部、露出部、端部)24,25には絶縁層23は形成されず、導電層22が露出している。導電層22の露出している部分の表面は、酸化を防ぐために金メッキされていてもよい。なお、リジッド基板と異なり、絶縁層23上に電子デバイスは実装されない。
【0034】
図示のように、複数の導電層22が、例えば一定の幅および一定の間隔で、互いに絶縁されて形成される。導電層22のそれぞれは、電子部品11上の電子デバイス16と電子部品12との間で電気信号を送受信する。なお、図を簡略化するために3本のみの導電層22を描いているが、実際にはより多くの導電層22を形成してもよい。
【0035】
本実施形態の特徴の1つは、コネクタ挿入部24の近傍に、1または複数の貫通部(穴、開口部、空洞部)30が形成される点にある。図3に示すように、導電層22は貫通部30を避けて迂回するように形成される。そのため、貫通部30は絶縁層21,23を貫通する。貫通部30は後述するコネクタ13のガイドピンに嵌合される。貫通部30の形状は、FPC15縁側に形成される細長いスリット(穴、開口部、空洞部)31と、FPC15中央側に形成される略円形の穴(開口部、空洞部)32とが結合された、鍵穴形状である。FPC15の挿入方向と直交する方向において、スリット31の幅は穴32の直径(幅)より細い。
【0036】
なお、図4および図5では、コネクタ挿入部24の近傍のみに2つの貫通部30が形成される例を示しているが、コネクタ挿入部25の近傍にも貫通部30が形成されてもよい。また、貫通部30は導電層22が露出したコネクタ挿入部24に形成されてもよい。この場合、貫通部30は絶縁層21のみを貫通する。
【0037】
FPC15の製造手法の一例として、例えばポリイミド上の全面に銅箔膜が形成された第1層と、ポリイミドからなる第2層とを用い、以下のようにして複数のFPC15を同時に製造できる。まず第1層に対してエッチング処理を施し、銅箔膜を所望の形状にパターニングする。これにより、絶縁層21上に導電層22が形成される。次に、絶縁層21および導電層22のコネクタ挿入部24,25を除く部分に、接着剤を用いて絶縁層23となる第2層を貼り付ける。そして、必要に応じて、導電層22が露出した部分に金メッキを行う。さらに、第1層および第2層を切断および穿設し、貫通部30が形成された個々のFPC15を得る。
【0038】
FPC15の外形を長方形にすることで、第1層および第2層から効率よく多数のFPC15を形成できる。
【0039】
図6は、一実施形態に係るコネクタ13の斜視図であり、図7は、同上面図であり、図8は、同正面図である。コネクタ13は、ハウジング41と、ベース42と、ピン43と、2つのガイドピン50とから構成される。
【0040】
ハウジング(筐体、覆い部材、収納部)41は、FPC15が挿入される側の前面(表面、挿入面)41aと、前面41aと対向する背面(後面、裏面、対向面)41bと、側面41cと、上面41dと、底面41eとを含む。ハウジング41の各面は、例えばプラスティック等の絶縁材料から形成される。前面41aは上面41dから垂設され、底面41eとの間には隙間がある。この隙間はFPC15が挿入されるための開口部(挿入部、空洞部)41fである。そのため、開口部41fの幅はFPC15の幅よりわずかに広い。
【0041】
なお、上面41dが、背面41bとの接線を軸として上方に回転して、開く構造であってもよい。この場合、上面41aが閉じた状態で固定されるよう、コネクタ13がロック機構を有するのが望ましい。
【0042】
また、複数のピン(導電部、信号伝送部)43が、ハウジング41の内部、より具体的には、上面41dの内側の面に貼設される。ピン43のそれぞれがFPC15の導電層22のそれぞれと接触するよう、ピン43は導電層22と等しい間隔で設けられる。図示しないが、ピン43のそれぞれは、PCB11a上に形成された導体パターンの所定の位置と電気的に接続されている。
【0043】
ベース42は、ハウジング41と幅が等しく、開口部41fの下方でハウジング41の底面41eと接続されている。
【0044】
ガイドピン(ガイド、ガイド部材、突起部、突出部、凸部)50は、FPC15の貫通部30に嵌合されるものである。ガイドピン50は、ベース42から突出する第1の突起部(突出部、凸部)51と、第1の突起部51から突出する第2の突起部(突出部、凸部)52とを有する。第1の突起部51および第2の突起部52は略円柱形である。第1の突起部51の中心上に第2の突起部52の中心があるが、第1の突起部51の断面の直径の方が大きい。なお、第1の突起部51および第2の突起部52が円柱形である例を図示しているが、形状に制限はない。ただし、円柱や円錐等、角を有さない形状が望ましい。
【0045】
FPC15に形成される貫通部30と同数のガイドピン50が、ベース42上に形成される。後述するように、少なくとも2つずつの貫通部30およびガイドピン50が形成されるのが望ましいが、これらの数はFPC15の幅等に応じて適宜調節してもよい。例えば、FPC15の幅が細い場合には、導電層22を形成する領域を十分確保するために、貫通部30およびガイドピン50を1つずつ設けてもよい。また、FPC15の幅が太い場合には、3つ以上の貫通部30およびガイドピン50を設け、より安定的にFPC15をコネクタ13に固定できるようにしてもよい。
【0046】
ハウジング41、ベース42およびガイドピン50を、同一材料を用いてモールド成形することで、ガイドピン50を設けることによるコストアップを抑制できる。
【0047】
次に、FPC15をコネクタ13に挿入して固定する手順を説明する。以下の手順は、手動で行ってもよいし、挿入装置を設けて自動的に行ってもよい。
【0048】
まず、図9に示すように、ベース42の上方からFPC15の貫通部30をガイドピン50に嵌合する。より具体的には、スリット31のコネクタ挿入部24側の端部を第2の突起部52に嵌合する。このとき、スリット31の幅より第1の突起部51の直径が大きいため、FPC15は第1の突起部51上にある。言い換えると、FPC15の底面はベース42の上面と接触していない。
【0049】
続いて、図10に示すように、第2の突起部52がスリット31に入った状態で、FPC15をコネクタ13のハウジング41の奥方向にスライドさせ、コネクタ挿入部24を開口部41fからハウジング41内に挿入する。このとき、斜めに挿入されることなく、FPC15の長辺がコネクタ13の長辺と直交する適切な方向にFPC15をスライドさせるためには、貫通部30およびガイドピン50が2つ以上あるのが望ましい。
【0050】
さらに、図11に示すように、第2の突起部52が穴32に入るまでFPC15をスライドさせ、さらにFPC15をベース42側に押し付けて、穴32に第1の突起部51を嵌合する。その結果、FPC15の貫通部30付近の底面がベース42の上面に接する。これにより、FPC15の導電層22がコネクタ13のピン43と接触した状態で、FPC15は安定する。
【0051】
結果として、FPC15がコネクタ13に挿嵌され、ピン43と導電層22とを確実に接触させることができるとともに、挿入されたFPC15がコネクタ13から外れるのを防止できる。
【0052】
なお、FPC15のコネクタ挿入部24側およびコネクタ挿入部25側の両方に貫通部30が設けられる場合は、いずれのコネクタ挿入部を先にコネクタに挿入してもよい。一方、コネクタ挿入部24側にのみ貫通部30が設けられる場合、先にコネクタ挿入部24をコネクタに挿入し、その後、コネクタ挿入部25をコネクタに挿入するのが望ましい。
【0053】
図12は、水平方向におけるFPC15およびコネクタ13の各部の寸法の一例を示す図である。FPC15をコネクタ13に確実に挿入して固定するために、以下のような形状となっている。
【0054】
スリット31を第2の突起部52に安定的に嵌合するため、FPC15の挿入方向と直交する方向における第2の突起部52の幅は、スリット31の幅と等しいか、わずかに大きい。より具体的には、第2の突起部52の直径Aは、スリット31の幅A’と等しいか、わずかに小さい。
【0055】
また、穴32を第1の突起部51に安定的に嵌合するため、FPC15の挿入方向と直交する方向における第1の突起部51の幅は、穴32の直径(幅)と等しいか、わずかに小さい。より具体的には、第1の突起部51の直径Bは、穴32の直径B’と等しいか、わずかに小さい。
【0056】
さらに、第1の突起部51がスリット31に入らないよう、FPC15の挿入方向と直交する方向における第1の突起部51の幅は、スリット31の幅より大きい。より具体的には、第1の突起部51の直径Bは、スリット31の幅A’より大きい。
【0057】
また、ベース42の上方からFPC15を挿入するため、ハウジングの41の開口部41fと第1の突起部51との距離は、FPC15の端部とスリット31の端部との距離とほぼ等しい。より具体的には、開口部41fと第1の突起部51の中心との距離Cは、FPC15の端部とスリット31の端部との距離Dとほぼ等しい。
【0058】
FPC15をハウジング41の奥まで挿入したときに導電層22とピン43とを確実に接触させるため、ピン43の開口部41f側の端部と開口部41fとの距離は、スリット31の端部と穴32の距離より小さい。より具体的には、ピン43の開口部41f側の端部と開口部41fとの距離Eは、スリット31の端部と穴32の中心との距離Fより小さい。
【0059】
さらに、FPC15をスライドさせて穴32を第1の突起部51に入れるため、背面41bと開口部41fとの距離は、スリット31の端部と穴32との距離以上である。より具体的には、背面41bと開口部41fとの距離Gは、スリット31の端部と穴32の中心との距離F以上である。
【0060】
図13は、垂直方向におけるFPC15およびコネクタ13の各部の寸法の一例を示す図である。FPC15をコネクタ13に確実に挿入して固定するために、以下のような形状となっている。
【0061】
開口部41fからFPC15を挿入するため、開口部41fの高さPは、絶縁層21の厚さQと等しいか、わずかに大きい。さらに、第1の突起部51および第2の突起部52が、穴32およびスリット31から外れるのをより確実に防止するためには、第1の突起部51および第2の突起部52の高さR1,R2は、FPC15の厚さS以上であるのが望ましい。
【0062】
以上をまとめると、図12および図13において下記(1)〜(7)式を満たすよう、FPC15およびコネクタ13を設計するのが望ましい。
A≒A’ ・・・(1)
B≒B’ ・・・(2)
A’<B ・・・(3)
C≒D ・・・(4)
E<F≦G ・・・(5)
P≒Q ・・・(6)
S<R1,R2 ・・・(7)
【0063】
このように、第1の実施形態では、FPC15に貫通部30を形成するとともに、この貫通部30に嵌合されるガイドピン30をコネクタ13に設ける。そのため、確実にFPC15をコネクタ13に挿嵌でき、結果として、FPC15がコネクタ13から外れるのを防止できるとともに、FPC15の導電層22とコネクタ13のピン43とを接触させることができる。結果として、テレビジョン受像機10の組み立て作業性が向上する。
【0064】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態はテレビジョン受像機10に関するものであったが、第2の実施形態はパーソナルコンピュータ10’に関する。
【0065】
図14は、第2の実施形態に係るノートブック型パーソナルコンピュータ10’の外観を示す斜視図である。図14のパーソナルコンピュータ10’は、第1の本体部(第1部分、第1部品収容部)201と、第2の本体部(第2部分、第2部品収容部)202とを備えている。
【0066】
第1の本体部201は、第1の筐体(覆い部材、部材、組立部品、部品、支持部、補強部)211と、第1の筐体211内に収容された表示装置(表示モジュール、表示ユニット、電子部品、部品)212とを備えている。表示装置212は、第1の筐体211のフロント面に露出した表示画面212aを有している。
【0067】
第2の本体部202は、第2の筐体(覆い部材、部材、組立部品、部品、支持部、補強部)213と、第2の筐体213内に収容されたキーボード(入力部、入力受付部、受部、操作部、操作領域、インターフェース部、入力モジュール、ユニット、部品)214と、第2の筐体213のフロント面に設けられたポインティングデバイス(入力部、入力受付部、受部、操作部、操作領域、インターフェース部、入力モジュール、ユニット、部品、面、タッチセンサが機能する領域)215、クリックパッド(入力部、入力受付部、受部、操作部、操作領域、インターフェース部、入力モジュール、ユニット、部品、面、タッチセンサが機能する領域)216、および指掛け部(開口部、段差部、凹部、引っ掛け部、凸部)217を備えている。キーボード214は、第2の筐体213のフロント面に露出した複数のキー214aを有している。
【0068】
第2の筐体213は、第1から第4の端部(辺部、周部、周縁部、側部、壁、面)221〜224を有する。第1の端部(ヒンジとは反対側の端部、長手方向の端部、辺部、周部、周縁部、側部、壁、面)221は、指掛け部217が設けられた端部である。第2の端部(ヒンジ側の端部、辺部、周部、周縁部、側部、壁、面)222は、第1の筐体211と第2の筐体213との接続部が設けられた端部であり、第1の端部221の反対側に位置し、第1の端部221と略平行に延びている。また、第3の端部(短手方向の端部、辺部、周部、周縁部、側部、壁、面)223は、第1の端部221と第2の端部222とを繋ぐ端部であり、第1の端部221と略垂直な方向に延びている。第4の端部(短手方向の端部、辺部、周部、周縁部、側部、壁、面)224は、第3の端部223の反対側に位置し、第3の端部223と略平行に延びている。第4の端部224は、第3の端部223と同様、第1の端部221と第2の端部222とを繋いでいる。
【0069】
第1および第2の端部221、222は、第2の筐体213の長手方向に延びる端部である。一方、第3および第4の端部223、224は、第2の筐体213の短手方向に延びる端部であり、第1および第2の端部221、222よりも短い。
【0070】
第2の本体部202を水平面に設置し、第1の本体部201をユーザに近い方から遠い方に開いた場合、第1から第4の端部221〜224はそれぞれ、第2の筐体213の下端部、上端部、左端部、右端部となる。図14では、第1および第2の端部221、222は、水平方向に略平行であり、第3および第4の端部223、224は、これとは垂直な方向に略平行である。
【0071】
なお、本パーソナルコンピュータ10’では、第2の筐体213は、4つの端部221〜224を有しているが、第2の筐体213の端部の個数は、3つ以下や5つ以上でもよい。また、第1の端部221と第2の端部222は、非平行に延びていてもよく、同様に、第3の端部223と第4の端部224は、非平行に延びていてもよい。
【0072】
図15は、図14のパーソナルコンピュータ10’の内部構造を示す斜視図である。
【0073】
図15に示すように、第2の筐体213の内部には、メイン回路基板231と、バッテリ232と、クリックボタン234用の回路基板233が収容されている。
【0074】
メイン回路基板231は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)235などの半導体素子や回路素子が実装された回路基板である。メイン回路基板231は、第2の端部222に配置されている。なお、ファン218は、CPU235などの半導体素子や回路素子を冷却するために使用されるため、メイン回路基板231と共に、第2の端部222に配置されている。
【0075】
バッテリ232は、クリックボタン234用の回路基板233を挟んで、第1の端部221に配置されている。本実施形態では、第2の端部222側のスペースにメイン回路基板231を配置するため、残りの第1の端部221側のスペースにバッテリ232を配置する。
【0076】
回路基板233は、クリックボタン234が実装された回路基板である。回路基板233は、第1の端部221に配置されている。具体的には、回路基板233は、垂直方向から見て、クリックパッド216とクリックボタン234が重なる位置に配置されている。
【0077】
図15の構成では、クリックボタン234の回路基板233とメイン回路基板231との間で信号を送受信するために、上述したコネクタ13,FPC15およびコネクタ14が用いられる。同図に示すように、効率よくFPC15を引き回すために、FPC15を1または複数個所で折り曲げてもよい。
【0078】
また、図16に示すように、筐体213内部のメイン回路基板231と、筐体213の外部に設けられるキーボード214との間で信号を送受信するために、上述したコネクタ13,FPC15およびコネクタ14が用いられる。筐体213の開口部213aからコネクタ13を通すために、コネクタ13が屈設して用いられる。
【0079】
上述のFPC15は図4および図5を用いて説明したFPCであり、コネクタ13は図6〜図8を用いて説明したコネクタである。パーソナルコンピュータ10’においても種々の態様でFPC15およびコネクタ13が用いられるが、いずれの場合でも、貫通部30とガイドピン50とが嵌合しているため、確実にFPC15をコネクタ13に挿嵌できる。結果として、FPC15がコネクタ13から外れるのを防止できるとともに、FPC15の導電層22とコネクタのピン43とを接触させることができる。また、USB信号等を高速で伝送するために、導電層22を厚く形成して大電流を流せるようにした場合でも、上記の構造により、確実にFPC15をコネクタ13に挿嵌できる。よって、パーソナルコンピュータ10’の組み立て作業性が向上する。
【0080】
以上の第1および第2の実施形態では、テレビジョン受像機10およびパーソナルコンピュータ10’について説明したが、オーディオ・ビデオ機器や通信機器等、他の電子機器に上述したFPCおよびコネクタを用いることもできる。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0082】
10 テレビジョン受像機
11’ パーソナルコンピュータ
11,12 電子部品
13,14 コネクタ
15 FPC
21,23 絶縁層
22 導電層
30 貫通部
31 スリット
32 穴
41 ハウジング
41f 開口部
42 ベース
43 ピン
50 ガイドピン
51 第1の突起部
52 第2の突起部
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テレビジョン受像機および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器では、電子部品同士を電気的に接続して電気信号を伝送するために、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit、以下FPCと呼ぶ)が用いられることがある。しかしながら、FPCがコネクタに十分挿入されなかったり、作業途中でコネクタから外れたりしてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−327612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器の組み立て作業性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、テレビジョン受像機は、筐体と、表示部と、フレキシブルプリント配線板と、コネクタと、を備える。前記表示部は、前記筐体内に収容される。前記フレキシブルプリント配線板は、前記筐体および前記表示部の内側に設けられ、貫通部が形成される。前記コネクタは、前記貫通部に嵌合されるガイドピンを有し、前記フレキシブルプリント配線板が挿入される。前記フレキシブルプリント配線板は、絶縁層と、前記絶縁層上の一部に、前記貫通部を避けて設けられる導電層と、を有する。前記貫通部は、前記絶縁層を貫通する、スリットおよび穴が結合した形状であり、前記フレキシブルプリント基板の挿入方向に略直交する方向の、前記スリットの幅より前記穴の幅が大きい。前記コネクタのガイドピンは、前記穴に嵌合される第1の突起部と、前記第1の突起部上に設けられ、前記スリットに嵌合される第2の突起部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】テレビジョン受像機10の外観を示す正面図。
【図2】図1のテレビジョン受像機10の構造を示す断面図。
【図3】一実施形態に係るテレビジョン受像機10の概略構成を示すブロック図。
【図4】一実施形態に係るFPC15の斜視図。
【図5】一実施形態に係るFPC15の上面図。
【図6】一実施形態に係るコネクタ13の斜視図。
【図7】一実施形態に係るコネクタ13の上面図。
【図8】一実施形態に係るコネクタ13の正面図。
【図9】FPC15をコネクタ13に挿入する手順を示す図。
【図10】図7に引き続く、FPC15をコネクタ13に挿入する手順を示す図。
【図11】図8に引き続く、FPC15をコネクタ13に挿入する手順を示す図。
【図12】水平方向におけるFPC15およびコネクタ13の各部の寸法の一例を示す図。
【図13】垂直方向におけるFPC15およびコネクタ13の各部の寸法の一例を示す図。
【図14】ノートブック型パーソナルコンピュータ10’の外観を示す斜視図。
【図15】図14のパーソナルコンピュータ10’の内部構造を示す斜視図。
【図16】パーソナルコンピュータ10’に用いられるFPC15、コネクタ13,14の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るテレビジョン受像機10の外観を示す正面図である。図1のテレビジョン受像機10は、本体部(表示部)101と、脚部(スタンド、支持部、支部、台部)102とを備えている。
【0009】
本体部101は、筐体(覆部材、組合せ部材、部材、構成部品)103と、筐体103内に収容された表示装置(表示モジュール、表示ユニット、電子部品)104と、筐体103のフロント面に設けられた電源ボタン105およびリモコンセンサ106とを備えている。表示装置104は、筐体103のフロント面(前面、表示画面側)に露出した表示画面104aを有している。表示画面104aのON/OFF操作は、電源ボタン105の押下や、リモコンの前部をリモコンセンサ106の方向に向けた状態でリモコンの電源ボタンを押下することで行うことが可能である。
【0010】
筐体103は、第1から第4の端部(辺部、周部、周縁部、側部、壁、面、)111〜114を有する。第1の端部111は、脚部102が取り付けられた(底面、底壁、支持面、支持部、周壁)端部である。第2の端部(天板、上壁、壁、面、周壁)112は、第1の端部111の反対側に位置し、第1の端部111と略平行に延びている。また、第3の端部(側部、側面、側壁、周壁)113は、第1の端部111と第2の端部112とを繋ぐ端部であり、第1の端部111と略垂直な方向に延びている。第4の端部(側部、側面、側壁、周壁)114は、第3の端部113の反対側に位置し、第3の端部113と略平行に延びている。第4の端部114は、第3の端部113と同様、第1の端部111と第2の端部112とを繋いでいる。
【0011】
第1および第2の端部111,112は、筐体103の長手方向に延びる端部である。一方、第3および第4の端部113,114は、筐体103の短手方向に延びる端部であり、第1および第2の端部111,112よりも短い。
【0012】
脚部102が本体部101を支えている場合、第1から第4の端部111〜114はそれぞれ、筐体103の下端部、上端部、左端部、右端部となる。図1では、第1および第2の端部111,112は、水平方向に略平行であり、第3および第4の端部113,114は、垂直方向に略平行である。
【0013】
なお、本実施形態では、筐体103は、4つの端部111〜114を有しているが、筐体103の端部の個数は、3つ以下や5つ以上でもよい。また、第1の端部111と第2の端部112は、非平行に延びていてもよく、同様に、第3の端部113と第4の端部114は、非平行に延びていてもよい。
【0014】
図2は、図1のテレビジョン受像機10の構造を示す断面図である。図2に示すように、筐体103は、フロント面(第1の面、第1壁、壁、マスク)115と、バック面(第2の面、第2壁、壁、カバー)116と、周面(第3の面、第3壁、壁、マスクの一部又はカバーの一部、マスクとカバーに亘る部分)117とを有する。フロント面115は、表示画面104aが露出した面である。バック面116は、フロント面115の反対側に位置する。また、周面117は、フロント面115の周縁部とバック面116の周縁部とを繋ぐ面である。
【0015】
なお、本実施形態では、筐体103は、フロント面115と、バック面116と、周面117とを有する面構造を有しているが、筐体103は、上記以外の面構造を有していてもよい。
【0016】
図2に示すように、本体部101はさらに、筐体103内に収容されたミドルフレーム(筐体、支持部、支持面、支持壁、部品載置部、枠、中間部材、骨部材、プレート、補強部)107を備えている。ミドルフレーム107は、種々の部品を支持するための支持部材である。
【0017】
ミドルフレーム107は、第1の支持面121と、第2の支持面122とを有する。第1の支持面121は、フロント面115側を向いた面である。第2の支持面122は、バック面116側を向いた面であり、第1の支持面121の反対側に位置する。
【0018】
本体部101は、ミドルフレーム107の第1の支持面121上に配置された第1の電子部品131a,131bと、ミドルフレーム107の第2の支持面122上に配置された第2の電子部品132a,132bとを備えている。これらの電子部品131a,131b,132a,132bの例としては、半導体素子や回路素子が実装された回路基板などが挙げられる。なお、ミドルフレーム107の支持面121、122など、ミドルフレーム107の面、領域、部分、支持部上には、電子部品131a,131b,132a,132b以外の部品が配置されていてもよい。
【0019】
図2に示すように、電子部品131aと電子部品131bとの間で信号を送受信するために、コネクタ13a,FPC15aおよびコネクタ14aが用いられる。また、電子部品131bと、その背面に配置される電子部品132bとの間で信号を送受信するために、コネクタ13b,FPC15bおよびコネクタ14bが用いられる。このように、FPC15bが屈設して用いられることもある。
【0020】
本実施形態は、このようなFPCおよびコネクタを有するテレビジョン受像機10の組み立て作業性を向上させるものである。
【0021】
図3は、テレビジョン受像機10のうち、FPC15およびコネクタ13,14に関する概略構成を示すブロック図である。テレビジョン受像機10は、電子部品11および電子部品12と、これら2つの電子部品11,12間を電気的に接続するFPC15とを備えている。
【0022】
電子部品11は、例えば種々の電子デバイスが実装された基板(メイン基板、電子モジュール)であり、プリント回路基板(以下、Printed Circuit Board:PCB、基板、電子部品、電子モジュール)11aと、コネクタ13と、電子デバイス16とを備えている。その他、PCB11a上に不図示のディスクリート部品や他の電子デバイス等が実装されていてもよい。
【0023】
コネクタ(電子部品、電子モジュール、信号伝送モジュール、FPC挿入モジュール)13はPCB11aに固着されている。コネクタ13内部に設けられる複数のピン(不図示)のそれぞれは、PCB11aの表面に形成される導体パターンの所定の位置に、電気的に接続される。
【0024】
FPC(電子部品、電子モジュール、信号伝送モジュール、ケーブル)15の一端はコネクタ13に挿入され、PCB11aに固定される。後述するように、FPC15は電気信号を伝送するための複数の導電層を有する。FPC15は、導電層のそれぞれがコネクタ13内部のピンと接触するように、コネクタ13に挿入される。なお、図3ではコネクタ13が電子部品11の中央付近に配置される例を示しているが、その位置に制限はなく、電子部品11の端部に配置してもよいし、電子デバイス16に近接して配置してもよい。
【0025】
電子デバイス16(電子部品、電子モジュール)は、例えばLSI(Large Scale Integrated Circuit)である。電子デバイス16はPCB11aに固着されている。より具体的には、電子デバイス16は、電気信号を入出力するための入出力ピン(不図示)を有し、PCB11aの表面に形成される導体パターン(導電層、信号伝送部材、銅箔)の所定の位置に、例えばハンダを用いて入出力ピンが電気的に接続される。そして、電子デバイス16の入出力ピンは、コネクタ13およびPCB11aの表面に形成される導体パターンを介して、FPC15の導電層と電気的に接続される。電子デバイス16は、電子部品12と通信するデバイスであり、USB(Universal Serial Bus)信号等のような高速信号を含む電気信号を、コネクタ13およびFPC15を介して電子部品12に送信する。
【0026】
電子部品12は、例えば外部機器(電子機器)とのインターフェースとなる小基板(基板、電子モジュール)であり、PCB12aと、外部コネクタ17とを備えている。その他、PCB12a上に不図示のディスクリート部品や他の電子デバイス等が実装されていてもよい。
【0027】
コネクタ14はPCB12aに固着されている。コネクタ14内部に設けられる複数のピン(不図示)のそれぞれは、PCB12aの表面に形成される導体パターンの所定の位置に、電気的に接続される。
【0028】
FPC15の他端はコネクタ14に挿入され、PCB12aに固定されている。
【0029】
外部コネクタ(コネクタ、電子部品、電子モジュール、信号伝送モジュール)17は、USBデバイスのような外部機器を、ケーブル(電子部品、電子モジュール、信号伝送モジュール)18を介してテレビジョン受像機10に接続する。外部コネクタ17は、PCB12aの表面に形成される導体パターン(不図示)を介して、コネクタ14のピンと電気的に接続されている。これにより、外部機器は、外部コネクタ17、コネクタ14、FPC15およびコネクタ13を介して、電子デバイス16と、信号を送受信できる。
【0030】
このように、テレビジョン受像機10内で、FPC15は2つの電子部品11,12間を電気的に接続する。また、FPC15の一端は電子部品11上のコネクタ13に挿入され、他端は電子部品12上のコネクタ14に挿入される。
【0031】
このテレビジョン受像機10を製造するには、例えば(1)FPC15の一端をコネクタ13に挿入し、その後、(2)FPC15の他端をコネクタ14に挿入する。本実施形態は、FPC15に貫通部30を形成するとともに、この貫通部30に嵌合されるガイドピンをコネクタ13に設けることで、(1)の工程で既に挿入したFPC15の一端が、(2)の工程中に外れてしまうのを防止するものである。
【0032】
図4は、一実施形態に係るFPC15の斜視図であり、図5は、同上面図である。
【0033】
FPC15は、ポリイミド等の絶縁層(絶縁部、絶縁膜、絶縁基板、ベース層)21と、絶縁膜21上に所定の配線パターン形状に形成される銅箔等の導電層(導電部、導電膜、信号伝送部)22と、絶縁層21および導電層22を覆うポリイミド等の絶縁層(絶縁部、絶縁膜、カバー層)23とを備えた、フィルム状の基板である。ただし、FPC15の両端のコネクタ挿入部(接栓部、露出部、端部)24,25には絶縁層23は形成されず、導電層22が露出している。導電層22の露出している部分の表面は、酸化を防ぐために金メッキされていてもよい。なお、リジッド基板と異なり、絶縁層23上に電子デバイスは実装されない。
【0034】
図示のように、複数の導電層22が、例えば一定の幅および一定の間隔で、互いに絶縁されて形成される。導電層22のそれぞれは、電子部品11上の電子デバイス16と電子部品12との間で電気信号を送受信する。なお、図を簡略化するために3本のみの導電層22を描いているが、実際にはより多くの導電層22を形成してもよい。
【0035】
本実施形態の特徴の1つは、コネクタ挿入部24の近傍に、1または複数の貫通部(穴、開口部、空洞部)30が形成される点にある。図3に示すように、導電層22は貫通部30を避けて迂回するように形成される。そのため、貫通部30は絶縁層21,23を貫通する。貫通部30は後述するコネクタ13のガイドピンに嵌合される。貫通部30の形状は、FPC15縁側に形成される細長いスリット(穴、開口部、空洞部)31と、FPC15中央側に形成される略円形の穴(開口部、空洞部)32とが結合された、鍵穴形状である。FPC15の挿入方向と直交する方向において、スリット31の幅は穴32の直径(幅)より細い。
【0036】
なお、図4および図5では、コネクタ挿入部24の近傍のみに2つの貫通部30が形成される例を示しているが、コネクタ挿入部25の近傍にも貫通部30が形成されてもよい。また、貫通部30は導電層22が露出したコネクタ挿入部24に形成されてもよい。この場合、貫通部30は絶縁層21のみを貫通する。
【0037】
FPC15の製造手法の一例として、例えばポリイミド上の全面に銅箔膜が形成された第1層と、ポリイミドからなる第2層とを用い、以下のようにして複数のFPC15を同時に製造できる。まず第1層に対してエッチング処理を施し、銅箔膜を所望の形状にパターニングする。これにより、絶縁層21上に導電層22が形成される。次に、絶縁層21および導電層22のコネクタ挿入部24,25を除く部分に、接着剤を用いて絶縁層23となる第2層を貼り付ける。そして、必要に応じて、導電層22が露出した部分に金メッキを行う。さらに、第1層および第2層を切断および穿設し、貫通部30が形成された個々のFPC15を得る。
【0038】
FPC15の外形を長方形にすることで、第1層および第2層から効率よく多数のFPC15を形成できる。
【0039】
図6は、一実施形態に係るコネクタ13の斜視図であり、図7は、同上面図であり、図8は、同正面図である。コネクタ13は、ハウジング41と、ベース42と、ピン43と、2つのガイドピン50とから構成される。
【0040】
ハウジング(筐体、覆い部材、収納部)41は、FPC15が挿入される側の前面(表面、挿入面)41aと、前面41aと対向する背面(後面、裏面、対向面)41bと、側面41cと、上面41dと、底面41eとを含む。ハウジング41の各面は、例えばプラスティック等の絶縁材料から形成される。前面41aは上面41dから垂設され、底面41eとの間には隙間がある。この隙間はFPC15が挿入されるための開口部(挿入部、空洞部)41fである。そのため、開口部41fの幅はFPC15の幅よりわずかに広い。
【0041】
なお、上面41dが、背面41bとの接線を軸として上方に回転して、開く構造であってもよい。この場合、上面41aが閉じた状態で固定されるよう、コネクタ13がロック機構を有するのが望ましい。
【0042】
また、複数のピン(導電部、信号伝送部)43が、ハウジング41の内部、より具体的には、上面41dの内側の面に貼設される。ピン43のそれぞれがFPC15の導電層22のそれぞれと接触するよう、ピン43は導電層22と等しい間隔で設けられる。図示しないが、ピン43のそれぞれは、PCB11a上に形成された導体パターンの所定の位置と電気的に接続されている。
【0043】
ベース42は、ハウジング41と幅が等しく、開口部41fの下方でハウジング41の底面41eと接続されている。
【0044】
ガイドピン(ガイド、ガイド部材、突起部、突出部、凸部)50は、FPC15の貫通部30に嵌合されるものである。ガイドピン50は、ベース42から突出する第1の突起部(突出部、凸部)51と、第1の突起部51から突出する第2の突起部(突出部、凸部)52とを有する。第1の突起部51および第2の突起部52は略円柱形である。第1の突起部51の中心上に第2の突起部52の中心があるが、第1の突起部51の断面の直径の方が大きい。なお、第1の突起部51および第2の突起部52が円柱形である例を図示しているが、形状に制限はない。ただし、円柱や円錐等、角を有さない形状が望ましい。
【0045】
FPC15に形成される貫通部30と同数のガイドピン50が、ベース42上に形成される。後述するように、少なくとも2つずつの貫通部30およびガイドピン50が形成されるのが望ましいが、これらの数はFPC15の幅等に応じて適宜調節してもよい。例えば、FPC15の幅が細い場合には、導電層22を形成する領域を十分確保するために、貫通部30およびガイドピン50を1つずつ設けてもよい。また、FPC15の幅が太い場合には、3つ以上の貫通部30およびガイドピン50を設け、より安定的にFPC15をコネクタ13に固定できるようにしてもよい。
【0046】
ハウジング41、ベース42およびガイドピン50を、同一材料を用いてモールド成形することで、ガイドピン50を設けることによるコストアップを抑制できる。
【0047】
次に、FPC15をコネクタ13に挿入して固定する手順を説明する。以下の手順は、手動で行ってもよいし、挿入装置を設けて自動的に行ってもよい。
【0048】
まず、図9に示すように、ベース42の上方からFPC15の貫通部30をガイドピン50に嵌合する。より具体的には、スリット31のコネクタ挿入部24側の端部を第2の突起部52に嵌合する。このとき、スリット31の幅より第1の突起部51の直径が大きいため、FPC15は第1の突起部51上にある。言い換えると、FPC15の底面はベース42の上面と接触していない。
【0049】
続いて、図10に示すように、第2の突起部52がスリット31に入った状態で、FPC15をコネクタ13のハウジング41の奥方向にスライドさせ、コネクタ挿入部24を開口部41fからハウジング41内に挿入する。このとき、斜めに挿入されることなく、FPC15の長辺がコネクタ13の長辺と直交する適切な方向にFPC15をスライドさせるためには、貫通部30およびガイドピン50が2つ以上あるのが望ましい。
【0050】
さらに、図11に示すように、第2の突起部52が穴32に入るまでFPC15をスライドさせ、さらにFPC15をベース42側に押し付けて、穴32に第1の突起部51を嵌合する。その結果、FPC15の貫通部30付近の底面がベース42の上面に接する。これにより、FPC15の導電層22がコネクタ13のピン43と接触した状態で、FPC15は安定する。
【0051】
結果として、FPC15がコネクタ13に挿嵌され、ピン43と導電層22とを確実に接触させることができるとともに、挿入されたFPC15がコネクタ13から外れるのを防止できる。
【0052】
なお、FPC15のコネクタ挿入部24側およびコネクタ挿入部25側の両方に貫通部30が設けられる場合は、いずれのコネクタ挿入部を先にコネクタに挿入してもよい。一方、コネクタ挿入部24側にのみ貫通部30が設けられる場合、先にコネクタ挿入部24をコネクタに挿入し、その後、コネクタ挿入部25をコネクタに挿入するのが望ましい。
【0053】
図12は、水平方向におけるFPC15およびコネクタ13の各部の寸法の一例を示す図である。FPC15をコネクタ13に確実に挿入して固定するために、以下のような形状となっている。
【0054】
スリット31を第2の突起部52に安定的に嵌合するため、FPC15の挿入方向と直交する方向における第2の突起部52の幅は、スリット31の幅と等しいか、わずかに大きい。より具体的には、第2の突起部52の直径Aは、スリット31の幅A’と等しいか、わずかに小さい。
【0055】
また、穴32を第1の突起部51に安定的に嵌合するため、FPC15の挿入方向と直交する方向における第1の突起部51の幅は、穴32の直径(幅)と等しいか、わずかに小さい。より具体的には、第1の突起部51の直径Bは、穴32の直径B’と等しいか、わずかに小さい。
【0056】
さらに、第1の突起部51がスリット31に入らないよう、FPC15の挿入方向と直交する方向における第1の突起部51の幅は、スリット31の幅より大きい。より具体的には、第1の突起部51の直径Bは、スリット31の幅A’より大きい。
【0057】
また、ベース42の上方からFPC15を挿入するため、ハウジングの41の開口部41fと第1の突起部51との距離は、FPC15の端部とスリット31の端部との距離とほぼ等しい。より具体的には、開口部41fと第1の突起部51の中心との距離Cは、FPC15の端部とスリット31の端部との距離Dとほぼ等しい。
【0058】
FPC15をハウジング41の奥まで挿入したときに導電層22とピン43とを確実に接触させるため、ピン43の開口部41f側の端部と開口部41fとの距離は、スリット31の端部と穴32の距離より小さい。より具体的には、ピン43の開口部41f側の端部と開口部41fとの距離Eは、スリット31の端部と穴32の中心との距離Fより小さい。
【0059】
さらに、FPC15をスライドさせて穴32を第1の突起部51に入れるため、背面41bと開口部41fとの距離は、スリット31の端部と穴32との距離以上である。より具体的には、背面41bと開口部41fとの距離Gは、スリット31の端部と穴32の中心との距離F以上である。
【0060】
図13は、垂直方向におけるFPC15およびコネクタ13の各部の寸法の一例を示す図である。FPC15をコネクタ13に確実に挿入して固定するために、以下のような形状となっている。
【0061】
開口部41fからFPC15を挿入するため、開口部41fの高さPは、絶縁層21の厚さQと等しいか、わずかに大きい。さらに、第1の突起部51および第2の突起部52が、穴32およびスリット31から外れるのをより確実に防止するためには、第1の突起部51および第2の突起部52の高さR1,R2は、FPC15の厚さS以上であるのが望ましい。
【0062】
以上をまとめると、図12および図13において下記(1)〜(7)式を満たすよう、FPC15およびコネクタ13を設計するのが望ましい。
A≒A’ ・・・(1)
B≒B’ ・・・(2)
A’<B ・・・(3)
C≒D ・・・(4)
E<F≦G ・・・(5)
P≒Q ・・・(6)
S<R1,R2 ・・・(7)
【0063】
このように、第1の実施形態では、FPC15に貫通部30を形成するとともに、この貫通部30に嵌合されるガイドピン30をコネクタ13に設ける。そのため、確実にFPC15をコネクタ13に挿嵌でき、結果として、FPC15がコネクタ13から外れるのを防止できるとともに、FPC15の導電層22とコネクタ13のピン43とを接触させることができる。結果として、テレビジョン受像機10の組み立て作業性が向上する。
【0064】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態はテレビジョン受像機10に関するものであったが、第2の実施形態はパーソナルコンピュータ10’に関する。
【0065】
図14は、第2の実施形態に係るノートブック型パーソナルコンピュータ10’の外観を示す斜視図である。図14のパーソナルコンピュータ10’は、第1の本体部(第1部分、第1部品収容部)201と、第2の本体部(第2部分、第2部品収容部)202とを備えている。
【0066】
第1の本体部201は、第1の筐体(覆い部材、部材、組立部品、部品、支持部、補強部)211と、第1の筐体211内に収容された表示装置(表示モジュール、表示ユニット、電子部品、部品)212とを備えている。表示装置212は、第1の筐体211のフロント面に露出した表示画面212aを有している。
【0067】
第2の本体部202は、第2の筐体(覆い部材、部材、組立部品、部品、支持部、補強部)213と、第2の筐体213内に収容されたキーボード(入力部、入力受付部、受部、操作部、操作領域、インターフェース部、入力モジュール、ユニット、部品)214と、第2の筐体213のフロント面に設けられたポインティングデバイス(入力部、入力受付部、受部、操作部、操作領域、インターフェース部、入力モジュール、ユニット、部品、面、タッチセンサが機能する領域)215、クリックパッド(入力部、入力受付部、受部、操作部、操作領域、インターフェース部、入力モジュール、ユニット、部品、面、タッチセンサが機能する領域)216、および指掛け部(開口部、段差部、凹部、引っ掛け部、凸部)217を備えている。キーボード214は、第2の筐体213のフロント面に露出した複数のキー214aを有している。
【0068】
第2の筐体213は、第1から第4の端部(辺部、周部、周縁部、側部、壁、面)221〜224を有する。第1の端部(ヒンジとは反対側の端部、長手方向の端部、辺部、周部、周縁部、側部、壁、面)221は、指掛け部217が設けられた端部である。第2の端部(ヒンジ側の端部、辺部、周部、周縁部、側部、壁、面)222は、第1の筐体211と第2の筐体213との接続部が設けられた端部であり、第1の端部221の反対側に位置し、第1の端部221と略平行に延びている。また、第3の端部(短手方向の端部、辺部、周部、周縁部、側部、壁、面)223は、第1の端部221と第2の端部222とを繋ぐ端部であり、第1の端部221と略垂直な方向に延びている。第4の端部(短手方向の端部、辺部、周部、周縁部、側部、壁、面)224は、第3の端部223の反対側に位置し、第3の端部223と略平行に延びている。第4の端部224は、第3の端部223と同様、第1の端部221と第2の端部222とを繋いでいる。
【0069】
第1および第2の端部221、222は、第2の筐体213の長手方向に延びる端部である。一方、第3および第4の端部223、224は、第2の筐体213の短手方向に延びる端部であり、第1および第2の端部221、222よりも短い。
【0070】
第2の本体部202を水平面に設置し、第1の本体部201をユーザに近い方から遠い方に開いた場合、第1から第4の端部221〜224はそれぞれ、第2の筐体213の下端部、上端部、左端部、右端部となる。図14では、第1および第2の端部221、222は、水平方向に略平行であり、第3および第4の端部223、224は、これとは垂直な方向に略平行である。
【0071】
なお、本パーソナルコンピュータ10’では、第2の筐体213は、4つの端部221〜224を有しているが、第2の筐体213の端部の個数は、3つ以下や5つ以上でもよい。また、第1の端部221と第2の端部222は、非平行に延びていてもよく、同様に、第3の端部223と第4の端部224は、非平行に延びていてもよい。
【0072】
図15は、図14のパーソナルコンピュータ10’の内部構造を示す斜視図である。
【0073】
図15に示すように、第2の筐体213の内部には、メイン回路基板231と、バッテリ232と、クリックボタン234用の回路基板233が収容されている。
【0074】
メイン回路基板231は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)235などの半導体素子や回路素子が実装された回路基板である。メイン回路基板231は、第2の端部222に配置されている。なお、ファン218は、CPU235などの半導体素子や回路素子を冷却するために使用されるため、メイン回路基板231と共に、第2の端部222に配置されている。
【0075】
バッテリ232は、クリックボタン234用の回路基板233を挟んで、第1の端部221に配置されている。本実施形態では、第2の端部222側のスペースにメイン回路基板231を配置するため、残りの第1の端部221側のスペースにバッテリ232を配置する。
【0076】
回路基板233は、クリックボタン234が実装された回路基板である。回路基板233は、第1の端部221に配置されている。具体的には、回路基板233は、垂直方向から見て、クリックパッド216とクリックボタン234が重なる位置に配置されている。
【0077】
図15の構成では、クリックボタン234の回路基板233とメイン回路基板231との間で信号を送受信するために、上述したコネクタ13,FPC15およびコネクタ14が用いられる。同図に示すように、効率よくFPC15を引き回すために、FPC15を1または複数個所で折り曲げてもよい。
【0078】
また、図16に示すように、筐体213内部のメイン回路基板231と、筐体213の外部に設けられるキーボード214との間で信号を送受信するために、上述したコネクタ13,FPC15およびコネクタ14が用いられる。筐体213の開口部213aからコネクタ13を通すために、コネクタ13が屈設して用いられる。
【0079】
上述のFPC15は図4および図5を用いて説明したFPCであり、コネクタ13は図6〜図8を用いて説明したコネクタである。パーソナルコンピュータ10’においても種々の態様でFPC15およびコネクタ13が用いられるが、いずれの場合でも、貫通部30とガイドピン50とが嵌合しているため、確実にFPC15をコネクタ13に挿嵌できる。結果として、FPC15がコネクタ13から外れるのを防止できるとともに、FPC15の導電層22とコネクタのピン43とを接触させることができる。また、USB信号等を高速で伝送するために、導電層22を厚く形成して大電流を流せるようにした場合でも、上記の構造により、確実にFPC15をコネクタ13に挿嵌できる。よって、パーソナルコンピュータ10’の組み立て作業性が向上する。
【0080】
以上の第1および第2の実施形態では、テレビジョン受像機10およびパーソナルコンピュータ10’について説明したが、オーディオ・ビデオ機器や通信機器等、他の電子機器に上述したFPCおよびコネクタを用いることもできる。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0082】
10 テレビジョン受像機
11’ パーソナルコンピュータ
11,12 電子部品
13,14 コネクタ
15 FPC
21,23 絶縁層
22 導電層
30 貫通部
31 スリット
32 穴
41 ハウジング
41f 開口部
42 ベース
43 ピン
50 ガイドピン
51 第1の突起部
52 第2の突起部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容される表示部と、
前記筐体および前記表示部の内側に設けられ、貫通部が形成されたフレキシブルプリント配線板と、
前記貫通部に嵌合されるガイドピンを有し、前記フレキシブルプリント配線板が挿入されるコネクタと、を備え、
前記フレキシブルプリント配線板は、
絶縁層と、
前記絶縁層上の一部に、前記貫通部を避けて設けられる導電層と、を有し、
前記貫通部は、前記絶縁層を貫通する、スリットおよび穴が結合した形状であり、
前記フレキシブルプリント基板の挿入方向に略直交する方向の、前記スリットの幅より前記穴の幅が大きく、
前記コネクタのガイドピンは、
前記穴に嵌合される第1の突起部と、
前記第1の突起部上に設けられ、前記スリットに嵌合される第2の突起部と、を有するテレビジョン受像機。
【請求項2】
前記フレキシブルプリント配線板の一端が挿入される第1のコネクタが設けられる第1の電子部品と、
前記フレキシブルプリント配線板の他端が挿入される第2のコネクタが設けられ、前記フレキシブルプリント配線板を介して、前記第1の電子部品と信号を送受信する第2の電子部品と、を備える請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項3】
前記第1の電子部品上に設けられる電子デバイスと、
前記第2の電子部品上に設けられる外部コネクタと、を備え、
前記電子デバイスは、前記第1のコネクタ、前記フレキシブルプリント配線板、前記第2のコネクタおよび前記外部コネクタを介して、外部機器と信号を送受信する請求項2に記載のテレビジョン受像機。
【請求項4】
第1の支持面に前記第1の電子部品が設けられ、前記第1の支持面とは反対側の第2の支持面に前記第2の電子部品が設けられたミドルフレームを備える請求項2に記載のテレビジョン受像機。
【請求項5】
前記フレキシブルプリント配線板は、少なくとも1か所で折り曲げて配置される請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項6】
前記第1の突起部の幅は、前記穴の幅と略等しい請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項7】
前記第1の突起部の幅は、前記スリットの幅より大きい請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項8】
前記第2の突起部の幅は、前記スリットの幅と略等しい請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項9】
前記第1の突起部の高さは、前記フレキシブルプリント配線板の厚さより大きい請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項10】
前記第2の突起部の高さは、前記フレキシブルプリント配線板の厚さより大きい請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項11】
前記コネクタは、
前記第1の突起部が設けられるベースと、
前記ベース側に開口部が形成されたハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記フレキシブルプリント配線板の導電層と接続されるピンと、を有する請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項12】
前記開口部と前記第1の突起部との距離は、前記フレキシブルプリント配線板の端部と前記スリットの端部との距離と略等しい請求項11に記載のテレビジョン受像機。
【請求項13】
前記ピンの端部と前記開口部との距離は、前記スリットの端部と前記穴との距離より小さい請求項11に記載のテレビジョン受像機。
【請求項14】
前記開口部と対向する前記ハウジングの背面と前記開口部との距離は、前記スリットの端部と前記穴との距離以上である請求項11に記載のテレビジョン受像機。
【請求項15】
貫通部が形成されたフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板の少なくとも一部を収納する筐体と、を備え、
前記フレキシブルプリント配線板は、
絶縁層と、
前記絶縁層上の一部に、前記貫通部を避けて設けられた導電層と、を有し、
前記貫通部は、前記絶縁層を貫通する、スリットおよび前記スリットの幅より大きな穴が結合した形状である電子機器。
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容される表示部と、
前記筐体および前記表示部の内側に設けられ、貫通部が形成されたフレキシブルプリント配線板と、
前記貫通部に嵌合されるガイドピンを有し、前記フレキシブルプリント配線板が挿入されるコネクタと、を備え、
前記フレキシブルプリント配線板は、
絶縁層と、
前記絶縁層上の一部に、前記貫通部を避けて設けられる導電層と、を有し、
前記貫通部は、前記絶縁層を貫通する、スリットおよび穴が結合した形状であり、
前記フレキシブルプリント基板の挿入方向に略直交する方向の、前記スリットの幅より前記穴の幅が大きく、
前記コネクタのガイドピンは、
前記穴に嵌合される第1の突起部と、
前記第1の突起部上に設けられ、前記スリットに嵌合される第2の突起部と、を有するテレビジョン受像機。
【請求項2】
前記フレキシブルプリント配線板の一端が挿入される第1のコネクタが設けられる第1の電子部品と、
前記フレキシブルプリント配線板の他端が挿入される第2のコネクタが設けられ、前記フレキシブルプリント配線板を介して、前記第1の電子部品と信号を送受信する第2の電子部品と、を備える請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項3】
前記第1の電子部品上に設けられる電子デバイスと、
前記第2の電子部品上に設けられる外部コネクタと、を備え、
前記電子デバイスは、前記第1のコネクタ、前記フレキシブルプリント配線板、前記第2のコネクタおよび前記外部コネクタを介して、外部機器と信号を送受信する請求項2に記載のテレビジョン受像機。
【請求項4】
第1の支持面に前記第1の電子部品が設けられ、前記第1の支持面とは反対側の第2の支持面に前記第2の電子部品が設けられたミドルフレームを備える請求項2に記載のテレビジョン受像機。
【請求項5】
前記フレキシブルプリント配線板は、少なくとも1か所で折り曲げて配置される請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項6】
前記第1の突起部の幅は、前記穴の幅と略等しい請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項7】
前記第1の突起部の幅は、前記スリットの幅より大きい請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項8】
前記第2の突起部の幅は、前記スリットの幅と略等しい請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項9】
前記第1の突起部の高さは、前記フレキシブルプリント配線板の厚さより大きい請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項10】
前記第2の突起部の高さは、前記フレキシブルプリント配線板の厚さより大きい請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項11】
前記コネクタは、
前記第1の突起部が設けられるベースと、
前記ベース側に開口部が形成されたハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記フレキシブルプリント配線板の導電層と接続されるピンと、を有する請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項12】
前記開口部と前記第1の突起部との距離は、前記フレキシブルプリント配線板の端部と前記スリットの端部との距離と略等しい請求項11に記載のテレビジョン受像機。
【請求項13】
前記ピンの端部と前記開口部との距離は、前記スリットの端部と前記穴との距離より小さい請求項11に記載のテレビジョン受像機。
【請求項14】
前記開口部と対向する前記ハウジングの背面と前記開口部との距離は、前記スリットの端部と前記穴との距離以上である請求項11に記載のテレビジョン受像機。
【請求項15】
貫通部が形成されたフレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板の少なくとも一部を収納する筐体と、を備え、
前記フレキシブルプリント配線板は、
絶縁層と、
前記絶縁層上の一部に、前記貫通部を避けて設けられた導電層と、を有し、
前記貫通部は、前記絶縁層を貫通する、スリットおよび前記スリットの幅より大きな穴が結合した形状である電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−102343(P2013−102343A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244604(P2011−244604)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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