説明

テレビドアホンシステム

【課題】子機のカメラにて撮像される被写体の顔を検出する際の検出スコアを利用してカメラの撮像条件を最適化する。
【解決手段】子機1a、1bのカメラ10a、10bにて撮像された映像に含まれる被写体の顔を検出し、顔が所定の検出エリア内に存在しているか否かを親機2の顔検出・位置判別部22にて判別し、所定の検出エリア内に存在すると判別された顔の検出スコアをスコア算出・判別部26にて算出し、ハイスコアであるか否かを判別する。制御部27、13a、13bは、スコア算出・判別部にてハイスコアが判別されるまでの間、カメラの撮像条件を変更させ、スコア算出・判別部にて算出されるハイスコア時における撮像条件を最適な撮像条件として記憶部12a、12bに記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子機のカメラにて撮像された映像を親機のモニタに出画させることができるテレビドアホンシステムに係り、特に、出画映像の品質を向上させたテレビドアホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年から防犯性を向上させるにあたり、来訪者からの呼出時において当該来訪者の映像を子機のカメラにて撮像し、親機のモニタに出画させ、その後、来訪者を判別した居住者が応答する手段や、居住者が住戸内に不在である留守中における来訪者からの呼出時において当該来訪者の映像を子機のカメラにて撮像し、予め録画しておき、帰宅後においてモニタに出画させ確認する手段が広く知られている。
【0003】
これらの手段を適用し、子機のカメラにて撮像された映像の信号処理を行うにあたっては、中央重点測光やヒストグラム測光等の露光(露出)方式が提案されている。具体的には、特許文献1のインターホンシステムに示すように、カメラにて撮像される被写体(来訪者)の画像が逆光となった場合、顔検出用テンプレート画像の濃度勾配方向画像にて顔検出の確度を向上させ、検出された顔位置が適正な明るさとなるように撮像された画像に対して画像処理を行う手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4135702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、背景技術に記載された特許文献1のインターホンシステムによれば、子機が設置される周囲環境下の状況に対応して逆光が強い状態が起こり得るため、この逆光の補正を行うにあたっては、明るさの調整を実行するのみでは被写体(来訪者)の顔が暗く沈んでしまい、モニタの出画画像の視認性が低くなる虞があるばかりでなく、逆光が非常に強い状態では、顔の信号が小さすぎて陰影が判明しない難点が残っていた。また、太陽光の位置も時々刻々と変化するため、複数のテンプレート画像が必要になり、システム自体が煩雑になる難点もあった。
【0006】
本発明は、これらの難点を解消するためになされたもので、子機のカメラにて撮像される被写体の顔を検出する際の検出スコアを利用してカメラの撮像条件を最適化するテレビドアホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるテレビドアホンシステムは、被写体の映像を撮像するためのカメラを有する子機と、子機のカメラにて撮像された映像を出画するためのモニタを有する親機とを備えるテレビドアホンシステムであって、被写体からの光線を光電変換するための撮像素子と、撮像素子にて光電変換された電気信号をデジタル信号処理し、被写体の映像信号を生成するためのDSPとを有しており、映像信号に含まれる被写体の顔を検出し、顔が所定の検出エリア内に存在しているか否かを判別するための顔検出・位置判別部と、顔検出・位置判別部にて所定の検出エリア内に存在すると判別された顔の検出スコアを算出し、ハイスコアであるか否かを判別するためのスコア算出・判別部と、スコア算出・判別部にてハイスコアが判別されるまでの間カメラの撮像条件を変更するための制御部と、スコア算出部にて算出されるハイスコア時における撮像条件を最適な撮像条件として記憶するための記憶部とを備えている。
【0008】
また、本発明の第2の態様であるテレビドアホンシステムは、本発明の第1の態様において、DSPは、撮像素子にて光電変換された電気信号をデジタル信号処理し、被写体の輝度信号を生成するための機能を有している。輝度信号をもとに被写体の明るさを検出し、検出された明るさのレベルに対応させて顔検出・位置判別部の顔検出レベルを調節するためのレベル設定部を備えている。
【0009】
また、本発明の第3の態様であるテレビドアホンシステムは、本発明の第1の態様又は第2の態様において、制御部は、記憶部に記憶されるハイスコア時におけるパラメータ条件でDSP及び当該DSPを経由して撮像素子を制御するものである。
【0010】
また、本発明の第4の態様であるテレビドアホンシステムは、本発明の第1の態様又は第2の態様において、制御部は、記憶部に記憶されるハイスコア時におけるカラー条件でDSP及び当該DSPを経由して撮像素子をリニアマトリックス制御するものである。
【0011】
また、本発明の第5の態様であるテレビドアホンシステムは、本発明の第1の態様又は第2の態様において、被写体からの光線が入射されるレンズ部と、レンズ部から撮像素子への入射量を調整するための絞り部とを有している。制御部は、記憶部に記憶されるハイスコア時における露出条件で撮像素子及び絞り部を制御するものである。
【0012】
また、本発明の第6の態様であるテレビドアホンシステムは、本発明の第5の態様において、カメラにて撮像される映像の明るさを確保するための照明灯を備えている。制御部は、記憶部に記憶されるハイスコア時における露出条件で照明灯を制御するものである。
【0013】
また、本発明の第7の態様であるテレビドアホンシステムは、本発明の第1の態様又は第2の態様において、被写体からの光線が入射されるレンズ部と、レンズ部から撮像素子への入射量を調整するための絞り部とを有している。制御部は、記憶部に記憶されるハイスコア時におけるフォーカス条件でレンズ部及び絞り部を制御するものである。
【0014】
また、本発明の第8の態様であるテレビドアホンシステムは、本発明の第1の態様乃至第7の態様において、記憶部は、ハイスコア時における撮像条件によりカメラにて撮像された映像を録画するものである。
【0015】
また、本発明の第9の態様であるテレビドアホンシステムは、本発明の第1の態様乃至第8の態様において、顔検出・位置判別部にて設定される検出エリアを調節するためのエリア可変手段を有するものである。
【0016】
また、本発明の第10の態様であるテレビドアホンシステムは、本発明の第1の態様乃至第8の態様において、記レベル設定部にて設定される顔検出レベルを調節するためのレベル可変手段を有するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明のテレビドアホンシステムによれば、子機のカメラにて撮像された映像に含まれる被写体の顔を検出し、顔が所定の検出エリア内に存在しているか否かを顔検出・位置判別部にて判別し、所定の検出エリア内に存在すると判別された顔の検出スコアをスコア算出・判別部にて算出し、ハイスコアであるか否かを判別するとともに、制御部は、スコア算出・判別部にてハイスコアが判別されるまでの間、子機のカメラの撮像条件(パラメータ設定、カラー設定、露出設定、フォーカス設定)を変更させ、スコア算出・判別部にて算出されるハイスコア時における撮像条件を最適な撮像条件として記憶部に記憶することができる。これにより、子機のカメラの撮像条件が最適化され、このカメラのみならず、照明機能等の駆動条件の最適化も可能となり、親機のモニタに出画される映像の視認性が高められて出画映像の品質が向上するばかりでなく、ハイスコア時における撮像条件で撮像された映像を録画することで、顔の判別が困難とされる映像を録画するような録画動作の失敗も防止され、帰宅時において再生映像をモニタにて確認する居住者にとっては、その視認性が高められることになる。
【0018】
また、本発明のテレビドアホンシステムによれば、子機のカメラにて撮像された映像に含まれる被写体の輝度信号をもとに検出される被写体の明るさに対応させて、顔検出・位置判別部の顔検出レベルを調節することができる。これにより、常時、最適な顔検出レベルの設定が可能となるばかりでなく、例えば、子機が設置される周囲環境下の状況に対応して逆光が強い状態であっても、モニタの出画画像の視認性が高められる。
【0019】
さらに、本発明のテレビドアホンシステムによれば、親機の顔検出・位置判別部にて設定される顔検出の検出エリアやレベル設定部にて設定される顔検出レベルを、子機の設置環境や設置場所に対応させて容易に調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1乃至第4の各実施例によるテレビドアホンシステムの全体構成を示すシステム説明図。
【図2】本発明の第1、第2の各実施例によるテレビドアホンシステムの具体的な構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第3の実施例によるテレビドアホンシステムの具体的な構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第4の実施例によるテレビドアホンシステムの具体的な構成を示すブロック図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明のテレビドアホンシステムを適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1乃至第4の各実施例によるテレビドアホンシステムの全体構成を示すシステム説明図である。このテレビドアホンシステムは、住戸外、例えば、住戸玄関に設置され、被写体の映像を撮像するためのカメラ10a、10b、10c、10dを有する子機(以下、第1乃至第4の各子機という。)1a、1b、1c、1dと、住戸内に設置され、伝送路Lを経由して接続される第1乃至第4の各子機1a、1b、1c、1dのカメラ10a、10b、10c、10dにて撮像された映像を出画するためのモニタ20を有する親機2とが備えられている。
【0023】
なお、第1乃至第4の各子機1a、1b、1c、1dには、前述のカメラ10a、10b、10c、10dのような映像撮像機能のみならず、被写体である来訪者が居住者を呼び出すための呼出機能、例えば、呼出ボタンと、来訪者が居住者との間で通話を成立させるための通話機能、例えば、子機マイク及び子機スピーカとが備えられるものであり、本実施例において、これら呼出機能及び通話機能の図示及び詳細な説明については省略するものとする。また、親機2は、前述のモニタ20のような映像出画機能のみならず、来訪者からの呼び出しを報知するための呼出報知機能、例えば、親機スピーカと、居住者が来訪者からの呼び出しに応答して通話を成立させるための応答・通話機能、例えば、通話ボタン、親機マイク及び親機スピーカとが備えられるものであり、本実施例において、これら呼出報知機能及び応答・通話機能の図示及び詳細な説明については省略するものとする。
【0024】
次に、第1の子機1a及び親機2を有する第1の実施例によるテレビドアホンシステムの具体的な構成について、図2のブロック図を参照して説明する。
【0025】
図2において、第1の子機1aには、前述のカメラ10aと、変調部11a、記憶部12a、子機制御部13a及び子機インターフェース(以下、同様なインターフェースについては、「I/F」という。)14aとが備えられている。
【0026】
この子機1aにおいて、カメラ10aは、被写体からの光線が入射されるレンズ部100aと、レンズ部100aに入射された光線を光電変換するための撮像素子101aと、撮像素子101aにて光電変換された電気信号をデジタル信号処理し、被写体の映像信号及び輝度信号を生成するにあたり、撮像素子101aのパラメータ設定を行うためのDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)102aとを有している。
【0027】
変調部11aは、カメラ10aのDSP102aにて生成された映像信号及び輝度信号を変調(FM変調)するためのものである。また、記憶部12aは、子機制御部13aによって制御され、親機2の後述するスコア算出・判別部26にて算出される顔の検出スコアのハイスコア時における撮像条件であるパラメータ条件を記憶するためのものであり、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体にて構成される。また、子機制御部13aは、記憶部12aから読み出されるパラメータ条件で、カメラ10aのDSP102a及び当該DSPを経由して撮像素子101aのパラメータ設定を行うためのものである。さらに、子機I/F14aは、変調部11aから伝送路Lへの信号伝送ラインと、子機制御部13a及び伝送路Lの間の信号伝送ラインとをそれぞれ形成するためのものである。
【0028】
また、親機2は、前述のモニタ20と、復調部21、顔検出・位置判別部22、エリア可変部23、レベル設定部24、レベル可変部25、スコア算出・判別部26、親機制御部27及び親機I/F28とが備えられている。
【0029】
この親機2において、復調部21は、第1の子機1aから伝送されてくる映像信号及び輝度信号を復調(FM復調)し、復調された映像信号をモニタ20及び顔検出・位置判別部22に送出するとともに、同様に復調された輝度信号をレベル設定部24に送出するためのものである。
【0030】
顔検出・位置判別部22は、復調部21にて復調された映像信号に含まれる被写体の顔を検出し、検出された顔が所定の検出エリア内に存在しているか否かを判別するためのものである。なお、所定の検出エリアとは、例えば、タイル上に並べられた複数の検出窓のうち、被写体の顔を検出すべきエリアに該当する検出窓の数に対応するものである。
【0031】
エリア可変部23は、顔検出・位置判別部22にて設定される検出エリアを調節する、例えば、前述の検出窓の数を調節するためのものであり、例えば、モニタ20の画面上に表示されるタッチパネルや、被写体の顔を検出すべきエリアの大きさに対応させた調節ボタンにて構成される。
【0032】
レベル設定部24は、復調部21にて復調された輝度信号をもとに被写体の明るさを検出し、検出された明るさのレベルに対応させて顔検出・位置判別部22の顔検出レベルを調節するためのものである。
【0033】
レベル可変部25は、レベル設定部24にて設定される顔検出レベルを調節するためのものであり、例えば、モニタ20の画面上に表示されるタッチパネルや、当該顔検出レベルに対応させた設定ボタンにて構成される。
【0034】
スコア算出・判別部26は、顔検出・位置判別部22にて所定の検出エリア内に存在すると判別された被写体の顔の検出スコアを算出し、この検出スコアの算出値がハイスコアであるか否かを判別するためのものである。
【0035】
親機制御部27は、スコア算出・判別部26にてハイスコアが判別されるまでの間、第1の子機1aの子機制御部13aを制御し、カメラ10aの撮像条件を変更するためのものである。また、親機I/F28は、伝送路Lから復調部21への信号伝送ラインと、親機制御部27及び伝送路Lの間の信号伝送ラインとをそれぞれ形成するためのものである。
【0036】
このように構成された本発明の第1の実施例によるテレビドアホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
【0037】
図2において、例えば、来訪者による第1の子機1aからの呼び出しがあることを検出した親機2の親機制御部27は、子機制御部13aを制御してカメラ10aの駆動を開始させる。
【0038】
ここで、第1の子機1aの記憶部12aには、例えば、来訪者による前回の呼出時におけるカメラ10aの撮像条件から導出されるデフォルトのパラメータ条件、例えば、子機1の周囲環境の相違を問わず万能なパラメータ条件と最小値の検出スコアとがそれぞれ、予め記憶されているものとする。
【0039】
第1の子機1aのカメラ10aは、被写体である来訪者の映像を撮像するにあたって、子機制御部13aによって記憶部12aから読み出されるデフォルトのパラメータ条件で制御されるDSP102aのパラメータ設定により、レンズ部100aを経由して撮像素子101a上に結像された光線の光電変換を行う。また、DSP102aは、撮像素子101aにて光電変換された電気信号をデジタル信号処理し、被写体の映像信号及び輝度信号を生成する。この映像信号及び輝度信号は、変調部11aにて変調された後、子機I/F14a、伝送路L、親機2の親機I/F28を経由して復調部21に伝送される。
【0040】
親機2の復調部21は、第1の子機1aから伝送されてきた映像信号及び輝度信号を復調し、復調された映像信号をモニタ20及び顔検出・位置判別部22に送出するとともに、同様に復調された輝度信号をレベル設定部24に送出する。これにより、モニタ20には、被写体である来訪者の映像の出画が開始されることになる。
【0041】
また、前述のような親機2のモニタ20への映像の出画動作が開始されたとき、顔検出・位置判別部22は、復調部21にて復調された映像信号に含まれる被写体の顔を検出する。ここで、レベル設定部24は、復調部21にて復調された輝度信号をもとに被写体の明るさを検出し、検出された明るさのレベルに対応させて顔検出・位置判別部22の顔検出レベルを可変することができる。具体的な動作としては、例えば、昼間帯のように子機1が設置される周囲環境が十分に明るい場合には、顔の検出が容易であることから、誤った検出を防止するために顔検出レベルを上げる一方、夜間・深夜帯のように当該子機が設置される周囲環境が暗い場合には、顔の検出が容易でないことから、顔検出レベルを下げる。
【0042】
すなわち、親機2の顔検出・位置判別部22は、レベル設定部24の制御による最適な顔検出レベルの状況下において検出された被写体の顔が、所定の検出エリア内に存在しているか否かを判別し、その判別結果が所定の検出エリア内に存在していない場合には、顔検出の動作を停止する。これにより、顔検出・位置判別部22における顔検出の動作を、子機1が設置される周囲環境の変化、例えば、時々刻々と変化する太陽光の位置に対応させて、高精度かつ迅速に行うことができる。
【0043】
次に、親機2のスコア算出・判別部26は、顔検出・位置判別部22にて所定の検出エリア内に存在すると判別された被写体の顔の検出スコアを算出する。具体的には、「頬は目よりも明るい」、「眉間は目よりも明るい」、「頬は鼻より明るい」等の複数の識別子をもとに、合致する識別子の数に対応させて大小が異なる検出スコアを算出、例えば、重み付け演算を行うことにより、その算出値である検出スコアが大きくなるほど、より正確な顔であると判別することができる。なお、顔の検出としては種々の手段が提案されているが、ここでは、実時間処理が可能なスタンダードな手段とされる「Viola-Jones Fast Face Detection Method」を適用している。
【0044】
また、親機2のスコア算出・判別部26は、算出された顔の検出スコアが予め設定された閾値よりも大きいスコア(以下、このスコアについて、「ハイスコア」という。)でない場合には、親機制御部27により第1の子機1aの子機制御部13aを制御し、カメラ10aのパラメータ条件を少しずつ変化させながら、具体的には、DSP102a及び当該DSPを経由して撮像素子101aのパラメータ設定、例えば、ホワイトバランス、コントラスト、エッジ強調等を可変させ、検出スコアの算出値を監視する。この制御は、検出スコアの算出値が前述のハイスコアとなるまでの間、繰り返されることになる。
【0045】
さらに、ハイスコア算出時におけるパラメータ条件は、親機2の親機制御部27の制御によって子機制御部13aから記憶部12aに上書き保存され、この子機制御部13aによれば、記憶部12aから読み出される最適なパラメータ条件でカメラ10aのDSP102a及び当該DSPを経由して撮像素子101aのパラメータ設定を行うことにより、被写体である来訪者の顔の判別が容易な映像がモニタ20に出画されるばかりでなく、例えば、居住者が留守時においてカメラ10aにて撮像された映像を記憶部12aに録画することで、顔の判別が困難とされる映像を録画するような録画動作の失敗が防止され、帰宅時において再生映像をモニタ20にて確認する居住者にとっては、その視認性が高められることになる。
【0046】
次に、第2の子機1b及び親機2を有する第2の実施例によるテレビドアホンシステムの具体的な構成について、図2のブロック図を参照して説明する。なお、親機2の構成については、第1の実施例と同様であるため、その説明は省略するものとする。
【0047】
図2において、第2の子機1bには、前述のカメラ10bと、変調部11b、記憶部12b、子機制御部13b及び子機I/F14bとが備えられている。
【0048】
この子機1bにおいて、カメラ10bは、被写体からの光線が入射されるレンズ部100bと、レンズ部100bに入射された光線を光電変換するための撮像素子101bと、撮像素子101bにて光電変換された電気信号をデジタル信号処理し、被写体の映像信号及び輝度信号を生成するにあたり、撮像素子101bのパラメータ設定を行うためのDSP102bとを有している。
【0049】
変調部11bは、カメラ10bのDSP102bにて生成された映像信号及び輝度信号を変調(FM変調)するためのものである。また、記憶部12bは、子機制御部13bによって制御され、親機2のスコア算出・判別部26にて算出される顔の検出スコアのハイスコア時における撮像条件であるカラー条件を記憶するためのものであり、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体にて構成される。また、子機制御部13bは、記憶部12bから読み出されるカラー条件でカメラ10bのDSP102b及び当該DSPを経由して撮像素子101bのパラメータ設定を行うためのものである。さらに、子機I/F14bは、変調部11bから伝送路Lへの信号伝送ラインと、子機制御部13b及び伝送路Lの間の信号伝送ラインとをそれぞれ形成するためのものである。
【0050】
このように構成された本発明の第2の実施例によるテレビドアホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
【0051】
図2において、例えば、来訪者による第2の子機1bからの呼び出しがあることを検出した親機2の親機制御部27は、子機制御部13bを制御してカメラ10bの駆動を開始させる。
【0052】
ここで、第2の子機1bの記憶部12bには、例えば、来訪者による前回の呼出時におけるカメラ10bの撮像条件から導出されるデフォルトのカラー条件、例えば、当該子機の周囲環境の相違を問わず万能なカラー条件と最小値の検出スコアとがそれぞれ、予め記憶されているものとする。
【0053】
第2の子機1bのカメラ10bは、被写体である来訪者の映像を撮像するにあたって、子機制御部13bによって記憶部12bから読み出されるデフォルトのカラー条件でリニアマトリックス制御されるDSP102bのパラメータ設定により、レンズ部100bを経由して撮像素子101b上に結像された光線の光電変換を行う。また、DSP102bは、撮像素子101bにて光電変換された電気信号をデジタル信号処理し、被写体の映像信号及び輝度信号を生成する。この映像信号及び輝度信号は、変調部11bにて変調された後、子機I/F14b、伝送路L、親機2の親機I/F28を経由して復調部21に伝送される。
【0054】
親機2の復調部21は、第2の子機1bから伝送されてきた映像信号及び輝度信号を復調し、復調された映像信号をモニタ20及び顔検出・位置判別部22に送出するとともに、同様に復調された輝度信号をレベル設定部24に送出する。これにより、モニタ20には、被写体である来訪者の映像の出画が開始されることになる。
【0055】
なお、前述のような親機2のモニタ20への映像の出画動作が開始されたとき、顔検出・位置判別部22、レベル設定部24及びスコア算出・判別部26の各動作は、第1の実施例における該当動作と同様であるため、その説明は省略するものとする。すなわち、スコア算出・判別部26は、算出された顔の検出スコアが前述のハイスコアでない場合には、親機制御部27により第2の子機1bの子機制御部13bを制御し、カメラ10bのカラー条件を少しずつ変化させながら、具体的には、DSP102a及び当該DSPを経由して撮像素子101bのパラメータ設定、例えば、色の再現性を表すクロマゲイン、色相、彩度等を可変させ、その検出スコアの算出値を監視する。このリニアマトリックス制御は、検出スコアの算出値が前述のハイスコアとなるまでの間、繰り返されることになる。
【0056】
また、ハイスコア算出時におけるカラー条件は、親機2の親機制御部27の制御によって子機制御部13bから記憶部12bに上書き保存され、この子機制御部13bによれば、記憶部12bから読み出される最適なカラー条件でカメラ10bのDSP102b及び当該DSPを経由して撮像素子101bのパラメータ設定を行うことにより、被写体である来訪者の顔の判別が容易な映像がモニタ20に出画されるばかりでなく、例えば、居住者が留守時においてカメラ10bにて撮像された映像を記憶部12bに録画することで、顔の判別が困難とされる映像を録画するような録画動作の失敗が防止され、帰宅時において再生映像をモニタ20にて確認する居住者にとっては、その視認性が高められることになる。
【0057】
次に、第3の子機1c及び親機2を有する第3の実施例によるテレビドアホンシステムの具体的な構成について、図3のブロック図を参照して説明する。なお、親機2の構成については、第1(、第2)の実施例と同様であるため、その説明は省略するものとする。
【0058】
図3において、第3の子機1cには、前述のカメラ10cと、変調部11c、記憶部12c、子機制御部13c及び子機I/F14cと、照明灯15(図1を参照。)とが備えられている。
【0059】
この子機1cにおいて、カメラ10cは、被写体からの光線が入射されるレンズ部100cと、レンズ部100cに入射された光線を光電変換するにあたり、シャッタースピードの可変機能を有する撮像素子101cと、撮像素子101cにて光電変換された電気信号をデジタル信号処理し、被写体の映像信号及び輝度信号を生成するにあたり、撮像素子101cのパラメータ設定を行うためのDSP102cと、レンズ部100cから撮像素子101cへの入射量を調整するための絞り部103cとを有している。
【0060】
変調部11cは、カメラ10cのDSP102cにて生成された映像信号及び輝度信号を変調(FM変調)するためのものである。また、記憶部12cは、子機制御部13cによって制御され、親機2のスコア算出・判別部26にて算出される顔の検出スコアのハイスコア時における撮像条件である露出条件を記憶するためのものであり、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体にて構成される。また、子機制御部13cは、記憶部12cから読み出される露出条件でカメラ10cのDSP102c及び当該DSPを経由して撮像素子101cのパラメータ設定を行うとともに、撮像素子101cのシャッタースピード、絞り部103cの絞り量及び照明灯15の明るさレベルを制御するためのものである。さらに、子機I/F14cは、変調部11cから伝送路Lへの信号伝送ラインと、子機制御部13c及び伝送路Lの間の信号伝送ラインとをそれぞれ形成するためのものである。
【0061】
このように構成された本発明の第3の実施例によるテレビドアホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
【0062】
図3において、例えば、来訪者による第3の子機1cからの呼び出しがあることを検出した親機2の親機制御部27は、子機制御部13cを制御してカメラ10cの駆動を開始させるとともに、例えば、その呼出時刻が夜間・深夜帯のように当該子機が設置される周囲環境の明るさが十分でなければ、必要に応じて照明灯15を点灯させることができる。なお、子機制御部13c及び親機制御部27のうち少なくとも何れか一方の当該制御部には、通常、計時機能が備えられている。
【0063】
ここで、第3の子機1cの記憶部12cには、例えば、来訪者による前回の呼出時におけるカメラ10cの撮像条件から導出されるデフォルトの露出条件、例えば、当該子機の周囲環境の相違を問わず万能な露出条件と最小値の検出スコアとがそれぞれ、予め記憶されているものとする。
【0064】
第3の子機1cのカメラ10cは、被写体である来訪者の映像を撮像するにあたって、子機制御部13cにより記憶部12cから読み出されるデフォルトの露出条件で、撮像素子101cのシャッタースピード及び絞り部103cの絞り量を制御し、この状態でレンズ部100cから当該絞り部を経由して撮像素子101c上に結像された光線の光電変換を行う。また、DSP102cは、撮像素子101cにて光電変換された電気信号をデジタル信号処理し、被写体の映像信号及び輝度信号を生成する。この映像信号及び輝度信号は、変調部11cにて変調された後、子機I/F14c、伝送路L、親機2の親機I/F28を経由して復調部21に伝送される。
【0065】
親機2の復調部21は、第3の子機1cから伝送されてきた映像信号及び輝度信号を復調し、復調された映像信号をモニタ20及び顔検出・位置判別部22に送出するとともに、同様に復調された輝度信号をレベル設定部24に送出する。これにより、モニタ20には、被写体である来訪者の映像の出画が開始されることになる。
【0066】
なお、前述のような親機2のモニタ20への映像の出画動作が開始されたとき、顔検出・位置判別部22、レベル設定部24及びスコア算出・判別部26の動作は、第1の実施例における該当動作と同様であるため、その説明は省略するものとする。すなわち、スコア算出・判別部26は、算出された顔の検出スコアが前述のハイスコアでない場合には、親機制御部27により第3の子機1cの子機制御部13cを制御し、カメラ10cの露出条件を少しずつ変化させながら、具体的には、DSP102c及び当該DSPを経由して撮像素子101cのパラメータ設定、例えば、明るさのパラメータを可変させるとともに、撮像素子101cのシャッタースピード、絞り部103dの絞り量及び照明灯15の明るさレベルを可変させ、その検出スコアの算出値を監視する。この制御は、検出スコアの算出値が前述のハイスコアとなるまでの間、繰り返されることになる。
【0067】
また、ハイスコア算出時における露出条件は、親機2の親機制御部27の制御によって子機制御部13cから記憶部12cに上書き保存される。この子機制御部13cによれば、記憶部12cから読み出される最適な露出条件でカメラ10cのDSP102c及び当該DSPを経由して撮像素子101cのパラメータ設定を行うとともに、撮像素子101cのシャッタースピード、絞り部103cの絞り量及び照明灯15の明るさレベルを制御することで、被写体である来訪者の顔の判別が容易な映像がモニタ20に出画されるばかりでなく、例えば、居住者が留守時においてカメラ10cにて撮像された映像を記憶部12cに録画することで、顔の判別が困難とされる映像を録画するような録画動作の失敗が防止され、帰宅時において再生映像をモニタ20にて確認する居住者にとっては、その視認性が高められることになる。
【0068】
なお、本発明の第3の実施例によれば、第3の子機1cの照明灯15は任意の構成部とされ、不備である場合であっても、同様な効果を奏する。
【0069】
また、本発明の第3の実施例によれば、第3の子機1cにおいて、カメラ10cの撮像素子101cのシャッタースピード、絞り部103cの絞り量及び照明灯15の明るさレベルを可変させる構成部として子機制御部13cを適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、子機制御部13cにより制御される構成部として、撮像素子101cのシャッタースピードを調整する電子シャッターや、絞り部103cの絞り量を調整する絞り制御器や、照明灯15に供給される電流を調整する電流制御器等を適用することもでき、同様な効果を奏する。
【0070】
次に、第4の子機1d及び親機2を有する第4の実施例によるテレビドアホンシステムの具体的な構成について、図4のブロック図を参照して説明する。なお、親機2の構成については、第1(、第2、第3)の実施例と同様であるため、その説明は省略するものとする。
【0071】
図4において、第4の子機1dには、前述のカメラ10dと、変調部11d、記憶部12d、子機制御部13d及び子機I/F14dとが備えられている。
【0072】
この子機1dにおいて、カメラ10dは、被写体からの光線が入射され、ズーム機能を有するレンズ部100dと、レンズ部100dに入射された光線を光電変換するための撮像素子101dと、撮像素子101dにて光電変換された電気信号をデジタル信号処理し、被写体の映像信号及び輝度信号を生成するにあたり、撮像素子101dのパラメータ設定を行うためのDSP102dと、レンズ部100dから撮像素子101dへの入射量を調整するための絞り部103dとを有している。
【0073】
変調部11dは、カメラ10dのDSP102dにて生成された映像信号及び輝度信号を変調(FM変調)するためのものである。また、記憶部12dは、子機制御部13dによって制御され、親機2のスコア算出・判別部26にて算出される顔の検出スコアのハイスコア時における撮像条件であるフォーカス条件を記憶するためのものであり、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体にて構成される。また、子機制御部13dは、記憶部12dから読み出されるフォーカス条件でカメラ10dのDSP102d及び当該DSPを経由して撮像素子101dをアパチャー制御するとともに、絞り部103dの絞り量を制御するためのものである。さらに、子機I/F14dは、変調部11dから伝送路Lへの信号伝送ラインと、子機制御部13d及び伝送路Lの間の信号伝送ラインとをそれぞれ形成するためのものである。
【0074】
このように構成された本発明の第4の実施例によるテレビドアホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
【0075】
図4において、例えば、来訪者による第4の子機1dからの呼び出しがあることを検出した親機2の親機制御部27は、子機制御部13dを制御してカメラ10dの駆動を開始させる。
【0076】
ここで、第4の子機1dの記憶部12dには、例えば、来訪者による前回の呼出時におけるカメラ10dの撮像条件から導出されるデフォルトのフォーカス条件、例えば、当該子機の周囲環境の相違を問わず万能なフォーカス条件と最小値の検出スコアとがそれぞれ、予め記憶されているものとする。
【0077】
第4の子機1dのカメラ10dは、被写体である来訪者の映像を撮像するにあたって、子機制御部13dにより記憶部12dから読み出されるデフォルトのフォーカス条件で、レンズ部100dのズーム量及び絞り部103dの絞り量を制御し、この状態でレンズ部100dから当該絞り部を経由して撮像素子101d上に結像された光線の光電変換を行う。また、DSP102dは、撮像素子101dにて光電交換された電気信号をデジタル信号処理し、被写体の映像信号及び輝度信号を生成する。この映像信号及び輝度信号は、変調部11dにて変調された後、子機I/F14d、伝送路L、親機2の親機I/F28を経由して復調部21に伝送される。
【0078】
親機2において、復調部21は、第4の子機1dから伝送されてきた映像信号及び輝度信号を復調し、復調された映像信号をモニタ20及び顔検出・位置判別部22に送出するとともに、同様に復調された輝度信号をレベル設定部24に送出する。これにより、モニタ20には、被写体である来訪者の映像の出画が開始されることになる。
【0079】
なお、前述のような親機2のモニタ20への映像の出画動作が開始されたとき、顔検出・位置判別部22、レベル設定部24及びスコア算出・判別部26の動作は、第1の実施例における該当動作と同様であるため、その説明は省略するものとする。すなわち、スコア算出・判別部26は、算出された顔の検出スコアが前述のハイスコアでない場合には、親機制御部27により第4の子機1dの子機制御部13dを制御し、カメラ10dの撮像素子101dのパラメータ条件を少しずつ変化させながら、具体的には、DSP102d及び当該DSPを経由して撮像素子101dのパラメータ設定、例えば、映像の高域振幅の低下を補正するレベル設定を行うとともに、レンズ部100dのズーム量及び絞り部103dの絞り量を可変させ、その検出スコアの算出値を監視する。この制御は、検出スコアの算出値が前述のハイスコアとなるまでの間、繰り返されることになる。
【0080】
また、ハイスコア算出時におけるフォーカス条件は、親機2の親機制御部27の制御によって子機制御部13dから記憶部12dに上書き保存される。この子機制御部13dによれば、記憶部12dから読み出される最適なフォーカス条件でカメラ10cのDSP102d及び当該DSPを経由して撮像素子101dのパラメータ設定を行うとともに、レンズ部100dのズーム量及び絞り部103dの絞り量を制御することで、被写体である来訪者の顔の判別が容易な映像がモニタ20に出画されるばかりでなく、例えば、居住者が留守時においてカメラ10dにて撮像された映像を記憶部12dに録画することで、顔の判別が困難とされる映像を録画するような録画動作の失敗が防止され、帰宅時において再生映像をモニタ20にて確認する居住者にとっては、その視認性が高められることになる。
【0081】
なお、本発明の第4の実施例によれば、第4の子機1dにおいて、カメラ10cのレンズ部100dのズーム量及び絞り部103dの絞り量を可変させる構成部として子機制御部13dを適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、子機制御部13dにより制御される構成部として、レンズ部100dのズーム量を調整するレンズ駆動回路や、絞り部103dの絞り量を調整する絞り制御器等を適用することもでき、同様な効果を奏する。
【0082】
次に、前述までの第1乃至第4の各実施例において、親機2の顔検出・位置判別部22にて設定される検出エリアは、第1乃至第4の各子機1a、1b、1c、1dの設置環境や設置場所を問わず、固定エリアとして説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、モニタ20の出画映像を確認しながらエリア可変部23を操作し、検出エリアの大きさ、すなわち、検出窓の数を調節することができる。これにより、当該システムのユーザーにとっては、第1乃至第4の各子機1a、1b、1c、1dの設置環境や設置場所に対応させて、検出エリアの調整が可能となる。
【0083】
また、前述までの第1乃至第4の各実施例において、親機2のレベル設定部24にて設定される顔検出レベルは、第1乃至第4の各子機1a、1b、1c、1dの設置環境や設置場所を問わず、固定レベルとして説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、モニタ20の出画映像を確認しながらレベル可変部25を操作し、顔検出レベルの大きさを調節することができる。これにより、当該システムのユーザーにとっては、第1乃至第4の各子機1a、1b、1c、1dの設置環境や設置場所に対応させて、顔検出レベルの調整が可能となる。
【0084】
また、前述までの第1乃至第4の各実施例において、第1乃至第4の各子機1a、1b、1c、1dのカメラ10a、10b、10c、10d及び照明灯15を制御する構成部として、子機制御部13a、13b、13c、13dを適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、親機2の親機制御部27の制御によって直接的な制御を行うこともできる。
【0085】
さらに、前述までの第1乃至第4の各実施例において、親機2のスコア算出・判別部26にて算出される顔の検出スコアのハイスコア時における撮像条件であるパラメータ条件を記憶する記憶部12a、12b、12c、12dを、第1乃至第4の各子機1a、1b、1c、1dに備える構成を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、同様な記憶機能、及びカメラ10a、10b、10c、10dにて撮像された映像を録画する録画機能を有する記憶部12a、12b、12c、12dを親機2に備え、親機制御部27によって制御することもできる。
【0086】
最後に、本発明のテレビドアホンシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該システムであっても採用できるということはいうまでもないことである。
【符号の説明】
【0087】
1a、1b、1c、1d……第1乃至第4の各子機(子機)
10a、10b、10c、10d……カメラ
100c、100d(100a、100b、100c、100d)……レンズ部
101a、101b、101c、101d……撮像素子
102a、102b、102c、102d……DSP
103c、103d……絞り部
12a、12b、12c、12d……記憶部
13a、13b、13c、13d……子機制御部(制御部)
15……照明灯
2……親機
20……モニタ
22……顔検出・位置判別部
23……エリア可変部
24……レベル設定部
25……レベル可変部
26……スコア算出・判別部
27……親機制御部(制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の映像を撮像するためのカメラ(10a、10b、10c、10d)を有する子機(1a、1b、1c、1d)と、前記子機のカメラにて撮像された映像を出画するためのモニタ(20)を有する親機(2)とを備えるテレビドアホンシステムであって、
前記被写体からの光線を光電変換するための撮像素子(101a、101b、101c、101d)と、前記撮像素子にて光電変換された電気信号をデジタル信号処理し、前記被写体の映像信号を生成するためのDSP(102a、102b、102c、102d)とを有し、
前記映像信号に含まれる前記被写体の顔を検出し、前記顔が所定の検出エリア内に存在しているか否かを判別するための顔検出・位置判別部(22)と、前記顔検出・位置判別部にて前記所定の検出エリア内に存在すると判別された前記顔の検出スコアを算出し、ハイスコアであるか否かを判別するためのスコア算出・判別部(26)と、前記スコア算出・判別部にてハイスコアが判別されるまでの間前記カメラの撮像条件を変更するための制御部(27、13a、13b、13c、13d)と、前記スコア算出部にて算出されるハイスコア時における撮像条件を最適な撮像条件として記憶するための記憶部(12a、12b、12c、12d)とを備えることを特徴とするテレビドアホンシステム。
【請求項2】
前記DSPは、前記撮像素子にて光電変換された電気信号をデジタル信号処理し、前記被写体の輝度信号を生成するための機能を有し、
前記輝度信号をもとに前記被写体の明るさを検出し、前記検出された明るさのレベルに対応させて前記顔検出・位置判別部の顔検出レベルを調節するためのレベル設定部(24)を備えることを特徴とする請求項1記載のテレビドアホンシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記ハイスコア時におけるパラメータ条件で前記DSP及び前記当該DSPを経由して前記撮像素子を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のテレビドアホンシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記ハイスコア時におけるカラー条件で前記DSP及び前記当該DSPを経由して前記撮像素子をリニアマトリックス制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のテレビドアホンシステム
【請求項5】
前記被写体からの光線が入射されるレンズ部(100c)と、前記レンズ部から前記撮像素子への入射量を調整するための絞り部(103c)とを有し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記ハイスコア時における露出条件で前記撮像素子及び前記絞り部を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のテレビドアホンシステム。
【請求項6】
前記カメラにて撮像される映像の明るさを確保するための照明灯(15)を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記ハイスコア時における露出条件で前記照明灯を制御することを特徴とする請求項5記載のテレビドアホンシステム。
【請求項7】
前記被写体からの光線が入射されるレンズ部(100d)と、前記レンズ部から前記撮像素子への入射量を調整するための絞り部(103d)とを有し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記ハイスコア時におけるフォーカス条件で前記レンズ部及び前記絞り部を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のテレビドアホンシステム。
【請求項8】
前記記憶部は、前記ハイスコア時における撮像条件により前記カメラにて撮像された映像を録画することを特徴とする請求項1乃至請求項7のうち何れか1項記載のテレビドアホンシステム。
【請求項9】
前記顔検出・位置判別部にて設定される前記検出エリアを調節するためのエリア可変手段(23)を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のうち何れか1項記載のテレビドアホンシステム。
【請求項10】
前記レベル設定部にて設定される前記顔検出レベルを調節するためのレベル可変手段(25)を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のうち何れか1項記載のテレビドアホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−135339(P2011−135339A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293058(P2009−293058)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】