説明

テープフィーダ

【課題】複数の供給レーンを備え、複数の供給レーンに対応する複数の個別制御スイッチが、いずれの供給レーンに対応するかを直感的に認識可能なテープフィーダを提供する。
【解決手段】(a)複数の供給レーンに引き出される複数のテープ化部品のうちの対応するものを個別に制御するための複数の個別制御スイッチ140が配置されるとともに、(b)複数の個別制御スイッチの各々が複数のテープ化部品のいずれに対応しているかを示すための複数の記号143が表示された操作パネル130を備えたテープフィーダにおいて、複数の記号が、複数の供給レーンに対応する複数の供給位置90の配置パターンと同じパターンで表示されるように構成する。このような構成により、オペレータは、電子部品の供給位置と個別制御スイッチとを直感的に対応付けることが可能となり、個別制御スイッチが、いずれの供給レーンに対応するかを直感的に認識することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ化部品を送り出すことで所定の位置で電子部品を供給するテープフィーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
テープフィーダは、通常、テープ化部品を巻回した状態で保持する保持具と、保持具から引き出されたテープ化部品を電子部品の供給位置まで導くテープ化部品経路と、テープ化部品経路に引き出されているテープ化部品を送る送出装置とを備え、テープ化部品を供給位置まで送り出して、その供給位置において電子部品を供給する構造とされている。そして、近年では、供給可能な電子部品の数、種類を多くするべく、下記特許文献に記載されているように、1台のテープフィーダに複数の保持具を設け、複数のテープ化部品経路により複数のテープ化部品を複数の供給位置にまで導くように構成されたテープフィーダが多く存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−138834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のテープ化部品経路に引き出された複数のテープ化部品を、複数の送り装置によって送り出す構造のテープフィーダは、デュアルレーンフィーダ,トリプルレーンフィーダ等と呼ばれ、多くの数,種類の電子部品を供給することが可能となっている。このような複数の供給レーンを備えたテープフィーダでは、供給レーン、つまり、テープ化部品経路に引き出されたテープ化部品を個別に制御するための個別制御スイッチが、複数の供給レーンに応じて複数個設けられていることが多くある。それら複数の個別制御スイッチの各々が、複数の供給レーンのうちのいずれの供給レーンに対応するものであるかを認識する際には、直感的に認識可能であることが望ましく、直感的な認識が可能となれば、スイッチの操作性を向上させることが可能となる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、複数の供給レーンを備え、それら複数の供給レーンに対応する複数の個別制御スイッチが、いずれの供給レーンに対応するかを直感的に認識可能なテープフィーダを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載のテープフィーダは、それぞれが、キャリアテープに形成された多数の収容凹部に電子部品が収容されるテープ化部品を巻回した状態で保持する複数の保持具と、それら複数の保持具に対応し、それぞれが、前記複数の保持具のうちの対応するものから引き出された前記テープ化部品を電子部品の供給位置まで導く複数のテープ化部品経路と、それら複数のテープ化部品経路に対応し、それぞれが、前記複数のテープ化部品経路のうちの対応するものに引き出されている前記テープ化部品を前記供給位置まで送り出す複数の送出装置と、(a)前記複数のテープ化部品経路に引き出される複数の前記テープ化部品に対応し、それぞれが、それら複数のテープ化部品のうちの対応するものを個別に制御するための複数の個別制御スイッチが配置されるとともに、(b)それら複数の個別制御スイッチの各々が前記複数のテープ化部品のうちのいずれのものに対応しているかを示すための複数の記号が表示された操作パネルとを備えたテープフィーダであって、前記複数の記号が、複数の前記供給位置の配置パターンと同じパターンで前記操作パネルに表示されるように構成される。
【0006】
また、請求項2に記載のテープフィーダは、請求項1に記載のテープフィーダにおいて、前記複数の供給位置が、互いに平行かつ前記テープ化部品の送り出し方向に直角な方向に延びる複数の直線に沿って配置されるとともに、前記テープ化部品の送り出し方向において重ならないように配置されるように構成される。
【0007】
また、請求項3に記載のテープフィーダは、請求項2に記載のテープフィーダにおいて、前記複数の個別制御スイッチが、前記複数の供給位置の配置パターンと異なるパターンで前記操作パネルに配置されるように構成される。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載のテープフィーダでは、個別制御スイッチが複数のテープ化部品のうちのいずれのものに対応しているかを示すための複数の記号が操作パネルに表示されており、それら複数の記号が、複数の供給位置の配置パターンと同じパターンで操作パネルに表示されている。これにより、オペレータは、電子部品の供給位置と個別制御スイッチとを直感的に対応付けることが可能となり、個別制御スイッチが、いずれの供給レーンに対応するかを直感的に認識することが可能となる。
【0009】
また、請求項2に記載のテープフィーダでは、複数の供給位置が、平行な複数の直線に沿って配置されるとともに、それら複数の直線に直角な方向において重ならないようにされている。つまり。複数の供給位置は、格子状に配置されていないのである。個別制御スイッチが複数のテープ化部品のうちのいずれのものに対応しているかを示すための複数の記号は、操作パネルに格子状に表示されることが多く、複数の供給位置が格子状に配置されていれば、それら格子状に配置された複数の供給位置と格子状に表示された複数の記号との対応付けは比較的容易である。しかしながら、格子状に表示された複数の記号と、格子状に配置されていない複数の供給位置との対応付けは困難である。したがって、請求項2に記載のテープフィーダでは、複数の記号が、複数の供給位置の配置パターンと同じパターンで操作パネルに表示される効果を充分に活かすことが可能となる。
【0010】
また、請求項3に記載のテープフィーダでは、複数の個別制御スイッチが、複数の供給位置の配置パターンと異なるパターンで操作パネルに配置されている。複数の記号が、複数の供給位置の配置パターンと同じパターンで操作パネルに表示される場合には、複数の個別制御スイッチも、複数の供給位置の配置パターンと同じパターンで操作パネルに配置されることが考えられる。しかし、格子状に配置されていない複数の供給位置と同じ配置パターンで、複数の記号および個別制御スイッチを表示、若しくは配置すると、後に詳しく説明するように、1つの記号およびその記号に対応する個別制御スイッチが表示、若しくは配置されるエリアは、格子状に位置しないことになる。このため、そのエリアが複数配置される操作パネルは、大型化する虞がある。したがって、請求項3に記載のテープフィーダのように、複数の個別制御スイッチを、敢えて、複数の供給位置の配置パターンと異なるパターンで配置すれば、複数の上記エリアを格子状に位置させることが可能となる。これにより、操作パネルの大型化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例であるテープフィーダが取り付けられた電子部品装着機が2台並べられて構成されている電子部品装着装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示すテープフィーダを示す斜視図である。
【図3】図2に示すテープフィーダの一部および、その電子部品供給装置によって送り出されるテープ化部品を示す平面図である。
【図4】図2に示すテープフィーダに内蔵される送出装置を示す概略図である。
【図5】図2に示すテープフィーダをフィーダ本体とスライド部材とに分離した状態を示す斜視図である。
【図6】図4に示すAA線における断面図である。
【図7】図2および図5に示すテープフィーダが備える操作パネルを示す概略図である。
【図8】図2および図5に示すテープフィーダの電子部品の供給位置と、図7に示す操作パネルとを示す概略図である。
【図9】比較例の操作パネルを示す概略図である。
【図10】変形例のテープフィーダの電子部品の供給位置と操作パネルとを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0013】
<電子部品装着装置の構成>
図1に、電子部品装着装置(以下、「装着装置」と略す場合がある)10を示す。その図は、装着装置10の外装部品の一部を取り除いた斜視図である。装着装置10は、1つのシステムベース12と、そのシステムベース12の上に互いに隣接されて並んで配列された2つの電子部品装着機(以下、「装着機」と略す場合がある)16とを含んで構成されており、回路基板に電子部品を装着する作業を行うものとされている。なお、以下の説明において、装着機16の並ぶ方向をX軸方向とし、その方向に直角な水平の方向をY軸方向と称する。
【0014】
装着装置10の備える装着機16の各々は、主に、フレーム部20とそのフレーム部20に上架されたビーム部22とを含んで構成された装着機本体24と、回路基板をX軸方向に搬送するとともに設定された位置に固定する搬送装置26と、その搬送装置26によって固定された回路基板に電子部品を装着する装着ヘッド28と、ビーム部22に配設されて装着ヘッド28をX軸方向およびY軸方向に移動させる移動装置30と、フレーム部20の前方に配設され装着ヘッド28に電子部品を供給する供給装置32とを備えている。
【0015】
搬送装置26は、2つのコンベア装置40,42を備えており、それら2つのコンベア装置40,42は、互いに平行、かつ、X軸方向に延びるようにフレーム部20のY軸方向での中央部に配設されている。2つのコンベア装置40,42の各々は、電磁モータ(図示省略)によって各コンベア装置40,42に支持される回路基板をX軸方向に搬送するとともに、所定の位置において回路基板を固定的に保持する構造とされている。
【0016】
移動装置30は、XYロボット型の移動装置であり、装着ヘッド28を保持するスライダ46をX方向にスライドさせる電磁モータ(図示省略)と、Y方向にスライドさせる電磁モータ(図示省略)とを備えており、それら2つの電磁モータの作動によって、装着ヘッド28を任意の位置に移動させることが可能となっている。
【0017】
また、装着ヘッド28は、搬送装置26によって保持された回路基板に対して電子部品を装着するものであり、下面に回路部品を吸着する吸着ノズル50を有している。吸着ノズル50は、正負圧供給装置(図示省略)を介して負圧エア,正圧エア通路に通じており、負圧にて電子部品を吸着保持し、僅かな正圧が供給されることで保持した電子部品を離脱する構造とされている。
【0018】
供給装置32は、フレーム部20の前方側の端部に配設されており、フィーダ型の供給装置、つまり、テープフィーダとされている。テープフィーダ32は、回路部品がテーピング化されたテープ化部品(図3参照)58から電子部品を装着ヘッド28への供給位置に順次供給する構造とされており、図2に示すように、テープ化部品58を巻回した状態で保持する保持部60と、保持部60から引き出されたテープ化部品58を電子部品の供給位置まで導く経路部62と、テープ化部品58を供給位置まで送り出す駆動部64とから構成されている。
【0019】
保持部60は、6個のリールホルダ66を有しており、テープ化部品58が巻回された6個のリール68を保持することが可能とされている。6個のリールホルダ66は、3個ずつ2列に配列されており、3個のリールホルダ66の斜め上方に3個のリールホルダ66が配設されている。また、経路部62は、6個のリールホルダ66に対応する6本のテープ化部品経路(図5参照)70を有しており、各経路70は、自身に対応するリールホルダ66から引き出されたテープ化部品58を電子部品の供給位置まで導くように構成されている。そして、駆動部64は、6本のテープ化部品経路70に対応する6台の送り装置(図では1台のみ図示されている)72を有しており、各送り装置72は、自身に対応するテープ化部品経路70に引き出されているテープ化部品58を電子部品の供給位置まで送るように構成されている。
【0020】
具体的には、テープ化部品58は、図3に示すように、多数の収容凹部74および送り穴76が等ピッチで形成されたキャリアテープ78と、収容凹部74に収容される電子部品80と、キャリアテープ78の電子部品80が収容された収容凹部74を覆うトップカバーテープ82とから構成されている。そして、このキャリアテープ78にトップカバーテープ82が貼着された状態のテープ化部品58が、テープ化部品経路70上に引き出され、延在されている。一方、送り装置72は、図4に示すように、テープ化部品58のキャリアテープ78に形成された送り穴76に係合するスプロケット84と、電磁モータ86と、その電磁モータ86の回転力をスプロケット84に伝達するための伝達機構88とから構成されている。
【0021】
この構成により、送り装置72の電磁モータ86が作動されることで、キャリアテープ78にトップカバーテープ82が貼着された状態のテープ化部品58が、スプロケット84によって、収容凹部74の形成ピッチと同ピッチ分、送り出される。そして、剥離装置(図示省略)によって、キャリアテープ78からトップカバーテープ82が剥ぎ取られる。これにより、電子部品80が収容された収容凹部74が順次解放され、その解放された収容凹部74から回路部品80が吸着ノズル50によって取り出される。
【0022】
ちなみに、回路部品80が供給される位置は、テープ化部品経路70の先端部、つまり、テープ化部品経路70のテープ化部品58が送り出される側の端部とされており、6本のテープ化部品経路70における電子部品80の供給位置、つまり、6箇所の供給位置90は、図2に示すように、3箇所ずつ2列に配列されており、それら3箇所の供給位置90の配列方向と、他の3箇所の供給位置90の配列方向とが、互いにX軸方向に延びるように平行とされている。さらに、各列での供給位置90の間隔は全て同じとされている。また、6箇所の供給位置90は、Y軸方向においてズレており、Y軸方向、つまり、テープ化部品58の送り出し方向において、複数の供給位置90が重ならないようにされている。
【0023】
また、テープフィーダ32は、図5に示すように、複数の送り装置72が内蔵されたフィーダ本体100と、6つのスライド部材102とに分離可能とされており、各スライド部材102を、フィーダ本体100に形成された6本のT溝104の各々に嵌合させた状態でスライドさせることで、フィーダ本体100に着脱可能に装着することが可能とされている。各スライド部材102は、上面にテープ化部品経路70が形成された長板形状の経路形成部106と、その経路形成部106の長手方向での略中央部に設けられたトップカバーテープ収容部108とから構成されており、経路形成部106がT溝104に嵌合されることで、フィーダ本体100に装着されるようになっている。そして、各スライド部材102は、フィーダ本体100に装着された状態で、テープ化部品経路70、つまり、経路形成部106の上面に引き出されたテープ化部品58を供給位置90まで送り出し可能に保持する構造とされている。ちなみに、トップカバーテープ収容部108は、キャリアテープ78から剥ぎ取られたトップカバーテープ82を収容するものである。また、フィーダ本体100の送り装置72が内蔵されている側と反対側の端部の下面には、6個のリールホルダ66が固定されている。
【0024】
フィーダ本体100に装着された状態のスライド部材102に保持されているテープ化部品58を送り出す送り装置72は、フィーダ本体100に内蔵されており、図4に示すように、フィーダ本体100の内部において揺動可能に軸支されたブラケット110に固定されている。ブラケット110は、送り装置72が固定されている側とは反対側の端部に形成された軸孔112においてフィーダ本体100に軸支されており、図示を省略する弾性体によって、図での反時計回りの方向に付勢されている。つまり、送り装置72が上方に向かって付勢されている。これにより、送り装置72のスプロケット84がテープ化部品58のキャリアテープ78に形成された送り穴76に係合しており、テープ化部品58を送ることが可能とされている。
【0025】
また、上述したように、スライド部材102は、フィーダ本体100から取り外すことが可能とされており、スライド部材102をフィーダ本体100から取り外す際には、送り装置72のスプロケット84によるキャリアテープ78の送り穴76への係合を解除する必要がある。このため、フィーダ本体100には、その係合を解除するための解除機構118が設けられている。
【0026】
解除機構118は、図4のAA線における断面図である図6に示すように、概してL字形状に屈曲されたアーム120と、そのアーム120の屈曲された部分の上面に接触可能に配設された楕円形状のカム122と、そのカム122を回転させる電磁モータ(図4参照)124とによって構成されている。アーム120は、上端部においてブラケット110に固定されており、カム122の回転位置によって、ブラケット110を図4での時計回りの方向に揺動させて、スプロケット84によるテープ化部品58の係合を解除することが可能とされている。
【0027】
詳しく言えば、図6での実線に示すように、楕円形状のカム122の長径が水平方向に延びるように、カム122が位置している際には、アーム120は、カム122によって下方に移動されておらず、ブラケット110に固定されているスプロケット84は、上方に弾性力によって付勢されている。これにより、スプロケット84によるテープ化部品58の係合が維持されている。そして、図6での2点鎖線に示すように、楕円形状のカム122の長径が鉛直方向に延びるように、カム122を回転させると、アーム120は、カム122によって下方に移動させられて、ブラケット110に固定されているスプロケット84は、弾性力に抗して、下方に移動する。これにより、スプロケット84によるテープ化部品58の係合が解除され、スライド部材102をフィーダ本体100から取り外すことが可能となる。
【0028】
この解除機構118の操作は、フィーダ本体100の上面の操作パネル130内に配置されている操作スイッチによって行われる。この操作パネル130には、図7に示すように、6つのスライド部材102のいずれか1つを選択するための選択スイッチ132と、その選択スイッチ132によって選択されたスライド部材102を制御するための選択制御スイッチ134とが配置されており、さらに、6つのスライド部材102に個別に対応するための複数のスイッチが配置された個別制御スイッチエリア136が設けられている。
【0029】
個別制御スイッチエリア136は、6つのスライド部材102に対応して、6つのエリアに区分けされており、各エリアには、アンクランプスイッチ138とセットスイッチ140と表示灯142とが配置されている。アンクランプスイッチ138は、解除機構118を操作するためのものであり、押下されることで、スプロケット84によるテープ化部品58の係合が解除される。つまり、スライド部材102をフィーダ本体100から取り外す際には、このアンクランプスイッチ138が操作される。なお、スライド部材102をフィーダ本体100に装着する場合には、スライド部材102の経路形成部106が、フィーダ本体100のT溝104に嵌合された状態でスライドされることで、解除機構118が解除、つまり、カム122によるアーム120の下方への移動が解除される。これにより、スプロケット84によってテープ化部品58が係合される。
【0030】
また、セットスイッチ140は、スライド部材102をフィーダ本体100に取り付けた際に操作されるものであり、スライド部材102のフィーダ本体100への取り付けを確認するためのものである。表示灯142は、スライド部材102の作動状況等を表示するためのものである。さらに、個別制御スイッチエリア136には、その個別制御スイッチエリア136が、6個のスライド部材102のうちのいずれに対応しているものかを判別するために、1〜6のいずれかの数字143が表記されている。具体的には、テープフィーダ32のリールホルダ66側に位置し、操作パネル130を操作するオペレータからの視点において、最も左側に位置するスライド部材102、つまり、図2での最も右上側に位置するスライド部材102から順に、「1」と表記されている個別制御スイッチエリア136,「2」と表記されている個別制御スイッチエリア136,「3」と表記されている個別制御スイッチエリア136,「4」と表記されている個別制御スイッチエリア136,「5」と表記されている個別制御スイッチエリア136,「6」と表記されている個別制御スイッチエリア136が、それぞれ、対応している。
【0031】
また、選択スイッチ132は、上下方向選択スイッチ144と左右方向選択スイッチ146との2種類のスイッチから構成されている。上下方向選択スイッチ144は、操作パネル130での上段に位置する個別制御スイッチエリア(「2」,「4」,「6」と表記されている個別制御スイッチエリア)136に対応するスライド部材102と、下段に位置する個別制御スイッチエリア(「1」,「3」,「5」と表記されている個別制御スイッチエリア)136に対応するスライド部材102とのいずれかを選択するためのものである。また、左右方向選択スイッチ146は、操作パネル130での左側に位置する個別制御スイッチエリア(「1」,「2」と表記されている個別制御スイッチエリア)136に対応するスライド部材102と、右側に位置する個別制御スイッチエリア(「5」,「6」と表記されている個別制御スイッチエリア)136に対応するスライド部材102と、それらの間に位置する個別制御スイッチエリア(「3」,「4」と表記されている個別制御スイッチエリア)136に対応するスライド部材102とのいずれかを選択するためのものである。つまり、例えば、「2」と表記されている個別制御スイッチエリア136に対応するスライド部材102を選択する場合には、上下方向選択スイッチ144の上方矢印を押下し、左右方向選択スイッチ146の左方矢印を1回若しくは2回押下する。
【0032】
選択制御スイッチ134は、選択スイッチ132によって選択されたスライド部材102に保持されているテープ化部品58の動きを確認するためのものである。具体的には、上記選択スイッチ132によってスライド部材102が選択された後に、選択制御スイッチ134の上方矢印を押下すると、その選択されたスライド部材102に保持されているテープ化部品58が供給位置90に向かう方向に送り出される。また、選択制御スイッチ134の下方矢印を押下すると、その選択されたスライド部材102に保持されているテープ化部品58が供給位置90に向かう方向とは反対方向に巻き戻される。これにより、テープ化部品58の動きを確認することが可能となり、テープ化部品58の位置の微調整,不具合発生時のテープ化部品58の動きの確認等を行うことが可能となっている。
【0033】
また、テープフィーダ32は、作業機16のフレーム部20の前方側の端部に固定的に設けられたフィーダ装着台150に着脱可能とされている。フィーダ装着台150は、作業機16のフレーム部20の上面にY軸方向に延びるように形成されたスライド部(図示省略)と、そのスライド部の搬送装置26に近い側に立設された立設面部(図示省略)とから構成されており、スライド部は、テープフィーダ32のフィーダ本体100の下縁部を嵌合させた状態でスライドさせることが可能とされている。これにより、フィーダ本体100のテープ化部品の送り出し方向の側の側壁面が立設面部に取り付けられて、テープフィーダ32がフィーダ装着台150に装着される。
【0034】
上述した構造によって、テープフィーダ32は、最大で6本のテープ化部品58を収容し、それら6本のテープ化部品58の各々から電子部品を、6箇所の供給位置90において供給することが可能となっている。そして、そのテープフィーダ32をフィーダ装着台150から取り外して、別のテープフィーダ32を装着することで、1回のフィーダ交換において6本のテープ化部品58を交換することが可能となる。さらに、本テープフィーダ32では、6つのスライド部材102の各々が、フィーダ本体100に着脱可能とされていることから、1つのスライド部材102をフィーダ本体100から取り外して、別のスライド部材102を装着することで、1本のテープ化部品58のみを交換することも可能となっている。
【0035】
スライド部材102の交換時には、上述したように、個別制御スイッチエリア136のアンクランプスイッチ138が操作されることで、スプロケット84によるテープ化部品58の係合が解除されるが、このアンクランプスイッチ138は、6個設けられており、6つのスライド部材102に個別に対応している。このため、スライド部材102の交換時には、交換したいスライド部材102に対応するアンクランプスイッチ138を操作する必要があり、6つのアンクランプスイッチ138のうちのいずれのものが、交換したいスライド部材102に対応するかを瞬時に判定できることが好ましい。
【0036】
そこで、本テープフィーダ32の操作パネル130には、個別制御スイッチエリア136に配置されたスイッチ、具体的には、アンクランプスイッチ138,セットスイッチ140が、6個のスライド部材102のうちのいずれに対応しているものかを判別するために、1〜6の数字143が表示されており、それら6個の数字143が、6つのスライド部材102の6箇所の供給位置90の配置パターンと同じパターンで表示されている。
【0037】
具体的に説明すれば、6つのスライド部材102の6箇所の供給位置90は、図8(a)に示すように、3箇所ずつ2列に配列されており、テープ化部品58の送り出し方向に直角な方向に延びる2本の直線に沿って配置されている。そして、6箇所の供給位置90は、テープ化部品58の送り出し方向において、重ならないようにされている。一方、操作パネル上に表示されている6個の数字143も、図8(b)に示すように、3個ずつ2列に配列されており、操作パネル130の上下の縁に平行な方向に延びる2本の直線に沿って配置されている。そして、6個の数字143は、数字の配列方向に直角な方向において、重ならないようにされている。ちなみに、図8(a)に記されている数字は、各供給位置90が、6つのスライド部材102のいずれのものに対応しているかを解り易くするために図示されたものであり、実際の供給位置90には、当然、記されていない。
【0038】
それら6箇所の供給位置90を、(1)〜(6)に順番に矢印によって繋ぐと、矢印は、ジクザグに折れ曲がり、斜め右上方を差す矢印と斜め右下方を差す矢印とが繰り返される。一方、6個の数字143を、1〜6に順番に矢印によって繋ぐと、矢印は、ジクザグに折れ曲がり、斜め右上方を差す矢印と斜め右下方を差す矢印とが繰り返される。このように、6個の数字143は、6つのスライド部材102の6箇所の供給位置90の配置パターンと同じパターンで表示されている。つまり、6個の数字143は、6箇所の供給位置90が配置された規則性と同じ規則性に従って表示されている。これにより、オペレータは、各数字143が表示されている個別制御スイッチエリア136に配置されたスイッチが、6つのスライド部材102のいずれのものに対応しているかを、直感的に認識することが可能となり、瞬時に判定することが可能となる。
【0039】
また、6つのスライド部材102に対応する6個のセットスイッチ140は、6箇所の供給位置90の配置パターンと異なるパターンで配置されている。これは、セットスイッチ140が、6個のスライド部材102のいずれのものに対応するかを判断するためには、そのスイッチに隣接して表示されている数字143を利用すればよく、セットスイッチ140をも、供給位置90の配置パターンと同じパターンで配置する必要性が低いためである。また、セットスイッチ140を、供給位置90の配置パターンと同じパターンで配置すると、個別制御スイッチエリア136を格子状に配列できず、操作パネル130が大きくなるためである。
【0040】
具体的には、例えば、セットスイッチ140および数字143を、供給位置90の配置パターンと同じパターンで表示すると、図9に示すように、上段に位置する個別制御スイッチエリア136と下段に位置する個別制御スイッチエリア136とが、左右方向にズレてしまい、操作パネル130が左右方向に大きくなる。これを避けるために、本テープフィーダ32の操作パネル130では、上段に位置する個別制御スイッチエリア136の数字143の表示位置とセットスイッチ140の配置位置とを入れ替えることで、セットスイッチ140を、供給位置90の配置パターンと異なるパターンで配置し、6個の個別制御スイッチエリア136を格子状に配列しているのである。これにより、操作パネル130の小型化を図ることが可能となる。
【0041】
ちなみに、上記実施例において、テープフィーダ32は、テープフィーダの一例であり、テープフィーダ32を構成するリールホルダ66,テープ化部品経路70,送り装置72は、保持具,テープ化部品経路,送出装置の一例である。また、操作パネル130は、操作パネルの一例であり、その操作パネル130に表示される数字143,操作パネル130に配置されるアンクランプスイッチ138,セットスイッチ140は、記号,個別制御スイッチの一例である。
【0042】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、供給位置90が、テープ化部品58の送り出し方向に直角な方向に延びる2本の直線に沿って配置されるとともに、テープ化部品58の送り出し方向において、重ならないようにされているが、図10(a)に示すように、供給位置150は、テープ化部品58の送り出し方向において、重なるように配置されてもよい。つまり、供給位置150は、テープ化部品58の送り出し方向に延びる複数の直線と、それら複数の直線に直角な複数の直線との交点に配置されてもよい。さらに、言い換えれば、格子状に配置されてもよい。このように格子状に配置された供給位置150に対応するべく、操作パネル152に表示される数字154は、図10(b)に示すように、格子状に配置される。これにより、この操作パネル152においても、上記操作パネル130と同様に、オペレータが、個別制御スイッチエリア136に配置されたスイッチとスライド部材102との対応を直感的に認識することが可能となる。
【符号の説明】
【0043】
32:テープフィーダ 66:リールホルダ(保持具) 70:テープ化部品経路 72:送り装置(送出装置) 90:供給位置 130:操作パネル 138:アンクランプスイッチ(個別制御スイッチ) 140:セットスイッチ(個別制御スイッチ) 143:数字(記号) 150:供給位置 152:操作パネル 154:数字(記号)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、キャリアテープに形成された多数の収容凹部に電子部品が収容されるテープ化部品を巻回した状態で保持する複数の保持具と、
それら複数の保持具に対応し、それぞれが、前記複数の保持具のうちの対応するものから引き出された前記テープ化部品を電子部品の供給位置まで導く複数のテープ化部品経路と、
それら複数のテープ化部品経路に対応し、それぞれが、前記複数のテープ化部品経路のうちの対応するものに引き出されている前記テープ化部品を前記供給位置まで送り出す複数の送出装置と、
(a)前記複数のテープ化部品経路に引き出される複数の前記テープ化部品に対応し、それぞれが、それら複数のテープ化部品のうちの対応するものを個別に制御するための複数の個別制御スイッチが配置されるとともに、(b)それら複数の個別制御スイッチの各々が前記複数のテープ化部品のうちのいずれのものに対応しているかを示すための複数の記号が表示された操作パネルと
を備えたテープフィーダであって、
前記複数の記号が、
複数の前記供給位置の配置パターンと同じパターンで前記操作パネルに表示されたテープフィーダ。
【請求項2】
前記複数の供給位置が、
互いに平行かつ前記テープ化部品の送り出し方向に直角な方向に延びる複数の直線に沿って配置されるとともに、前記テープ化部品の送り出し方向において重ならないように配置された請求項1に記載のテープフィーダ。
【請求項3】
前記複数の個別制御スイッチが、
前記複数の供給位置の配置パターンと異なるパターンで前記操作パネルに配置された請求項2に記載のテープフィーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−89932(P2013−89932A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232439(P2011−232439)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】