説明

ディジタル信号記録再生装置、および、ディジタル信号記録再生方法

【課題】
ディジタル信号バスでコンテンツを送受信すれば、品質の劣化が無いために著作権の保護が問題となり、認証処理が必要になる。しかし、認証処理は処理量が多く処理に時間がかかる為、従来のアナログ接続のような操作性を実現することと、ユーザーが意識することなくコンテンツの著作権を保護することが課題となる。
【解決手段】
上記課題は、電源投入時や、ディジタル信号バスに接続されたとき、ディジタル信号バスと接続された入力端子を選択した時に、ディジタル信号バスに接続された機器間で、著作権管理のための認証処理を行うこと、
また、これらの機器間で暗号化の鍵を共有することによって実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタル信号バスによって複数のディジタル信号処理装置を接続し、著作権を有するコンテンツを送受信するディジタル信号処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディジタル信号バスでコンテンツを送受信すれば、映像信号や音声信号、データ等を品質の劣化無く送受信出来るので、ユーザーのメリットは大きい。しかし、品質の劣化が無いために著作権の保護が問題となる。ディジタル信号バスで送受信するコンテンツを暗号化する技術として、日経エレクトロニクス 1998.3.23(no.712)47頁から53頁に記載のものがある。この技術に記載のように、送信側と受信側で認証処理を行い、認証が成立した機器間にのみコンテンツの送受信が可能になる。このような処理を行うことで、コンテンツが違法にコピーされる事が出来ないように著作権を保護している。
【0003】
また、上記記載のディジタル信号バスはコンテンツだけでなく、各機器を制御する情報も転送することもでき、1つの機器からディジタル信号バスで接続された全ての機器の制御を行うことが出来る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス1998.3.23(no.712)47頁から53頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術を用いることで、コンテンツの著作権を保護出来るが、機器間の認証処理や暗号化処理は複雑で処理する情報量も大きく、処理に時間がかかる。さらに、接続する機器が増えることで、さらに処理量が増大するので操作性に問題が生じる。この様に、ディジタル信号バスでコンテンツの送受信を行う場合、従来のアナログ信号と遜色無い操作性を実現することと、ユーザーが意識することなくコンテンツの著作権を保護することが課題となる。
【0006】
また、上記の技術を用いることで、どの1つの機器からも全ての機器の制御を行うことが出来るが、1つの目的に対して幾つも操作方法が存在することになり、操作方法がユーザーにわかりにくいものになる可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、上記のような問題を解決し、ユーザーが意識することなく、コンテンツの著作権を保護するディジタル信号処理装置の接続方法と操作性を改善したディジタル信号処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、電源投入時に、ディジタル信号バスに接続された機器間で、認証処理を行うインターフェース手段を設けることにより実現できる。
【0009】
また、ディジタル信号バスに接続されたとき、ディジタル信号バスに接続された機器間で、認証処理を行うインターフェース手段を設けることにより実現できる。
【0010】
また、ディジタル信号バスと接続された入力端子を選択した場合に、ディジタル信号バスに接続された機器間で、認証処理を行うインターフェース手段を設けることにより実現できる。
【0011】
また、ディジタル信号バスに接続された機器間で使用する鍵を記憶しておく記憶手段を設けることにより実現できる。
【0012】
また、コンテンツの付随した著作権管理情報に応じて、ディジタル信号バスの転送チャネルを変更するインターフェース手段を設けることにより実現できる。
【0013】
また、機器が、ディジタル信号バスに接続されたそれぞれの機器の名称を定義する手段を設けることにより実現できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のディジタル信号処理装置によれば、電源投入時や、ディジタル信号バスに接続されたときに、ディジタル信号バスに接続された機器間で著作権管理のための認証処理を行うので、制限付き認証が必要なコンテンツが送信されてもすぐに受信できる。
【0015】
また、ディジタル信号バスと接続された入力端子を選択した場合に、ディジタル信号バスに接続された機器間で、著作権管理のための認証処理を行うことによって、必要な時にだけ接続処理するので、処理の負担が少ない。
【0016】
また、ディジタル信号バスに接続された機器間で使用する鍵を記憶しておくことによって、送信機器からのコンテンツのコピー管理情報が切り替わっても、鍵を記憶させてあるので認証処理を行う必要が無く、途中で画像が途切れることがない。
【0017】
また、コンテンツの付随した著作権管理情報に応じて、ディジタル信号バスの転送チャネルを変更することによって、1つの転送チャネルで1つの鍵しか設定出来ない場合でも、送信機器からのコンテンツのコピー管理情報が切り替わっても、鍵を記憶させてあるので認証処理を行う必要が無く、途中で画像が途切れることがない。
【0018】
また、機器が、ディジタル信号バスに接続されたそれぞれの機器の名称を定義することによって、ユーザーに解りやすいインタフェースを提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のディジタル信号処理装置の接続方法を説明する実施例の構成図である。
【図2】ディジタル信号バスのタイミング図である。
【図3】認証処理を示すフローを示す図である。
【図4】図1のディジタルビデオディスクの構成を示す図である。
【図5】図4のIF回路の構成を示す図である。
【図6】機器間の認証処理を示すフローを示す図である。
【図7】機器間の認証処理を示すフローを示す図である。
【図8】機器間の認証処理を示すフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施例を図を用いて説明する。
【0021】
まず、実施例について説明する。図1は本発明のディジタル信号処理装置の接続方法の一例を説明する為の構成例である。図1において、100はディジタルチューナ、102はディジタル信号バス、103と104はディジタルVTR、105はディジタルビデオディスク、106はディジタルディスプレイである。
【0022】
最初に、図1のディジタル信号バス102に接続された機器で、ディジタル信号バス102の初期設定動作が開始される。ここではバスのルートとなる機器が決定され、ルートとなった機器が、バスの転送チャネルやタイミングで信号が衝突が発生しないように管理を行う。ルート以外の機器は、バスの転送チャネルやタイミングついてルート機器に問い合わせを行い、衝突が無い場合にバスの使用を許可される。
【0023】
ここで、ディジタル信号バス102の転送動作について説明しておく。図2は、ディジタル信号バス102の転送の様子を示したものである。200はサイクルスタートパケット、201はAVデータA、202はAVデータB、203は非同期転送データである。AVデータとはオーディオとビデオが混在したデータであり、図2は2つのAVデータのストリームが転送されている例である。このように、2つのストリームは時分割した別々のチャネルを確保して転送する。非同期転送データ203は、各機器のコマンドや各機器の設定に関するデータなどである。
【0024】
図2の点線から点線の時間をサイクルと呼び、1サイクル期間に、AVデータA201とAVデータB202の決められた転送帯域が、必ず確保されるようにバスが制御される。非同期転送データ203は、AVデータA201とAVデータB202の転送が終了した後に転送される。具体的には、サイクルスタートパケット200に続いてAVデータA201とAVデータB202、非同期転送データ203の転送されるが、サイクル周期が守れないときは、非同期転送データ203の転送にウエイトが掛かる。
【0025】
次に、各機器間で認証処理を行う。認証処理は、完全認証と制限付き認証の2種類あり、著作権の管理情報と機器の内容によって使い分けられる。完全認証は、送信側と受信側の機器が公開鍵を持っている場合にのみ成立し、完全認証が成立するとコピー禁止のコンテンツであっても転送が認められる。受信側で公開鍵を持つものとしては、ディジタルディスプレイ等記録するデバイスを持たないものや、課金等により記録することが許可された記録デバイスをもつものになる。制限付き認証は、共通鍵しか持たない機器に対する認証であり、ディジタルVTR等の記録デバイスを持つ機器を対象にしている。制限付き認証では、コピー禁止のコンテンツの転送は認められない。これらの動作を図3にまとめる。
【0026】
図3のステップ301で、機器がどんな認証方法をもっているか、コンテンツのコピー管理情報はどうなっているのかによって認証方法の選択を行う。コピーが何回でも可能なコンテンツに関しては認証も暗号化も行わないので処理を終了する。ステップ301で認証方法の選択を行った後、完全認証を行う場合はステップ302、制限付き認証を行う場合はステップ303で認証処理を行う。その後、ステップ304でコンテンツを暗号化する際の暗号鍵を共有して認証処理は終了する。
【0027】
コピー制限のあるコンテンツの送受信には、以上の処理が必要になるが、認証処理は計算量が大きく処理に時間がかかるので、これらの処理をいつ行うかが問題となる。
【0028】
次に、ディジタル信号バス102に接続された機器の内部について説明する。ここでは例えばディジタルビデオディスク105の内部について、図4を用いて説明する。図4で、401はディジタル信号バス入出力端子、402がアナログ出力端子、403がアナログ入力端子、404がインターフェース(以下IF)回路、405がデコーダ、406がエンコーダ、407がストリーム変換回路、410が入力切換回路、411が出力切換回路、412が記録信号処理回路、413が再生信号処理回路、414がマイコン、415がディスク、416ピックアップがである。
【0029】
バスの制御や認証処理は、主にIF回路404で処理されるが、まず、基本的な動作について説明する。
【0030】
記録動作は、マイコン414からの入力制御信号で入力切換回路410を制御し、アナログ入力を選択した時は、アナログ入力端子403から入力したアナログ信号を、エンコーダ406で所謂MPEGのような方式でエンコードしまた、ディジタル信号バス102からのストリームでも、デコーダ405でデコードできるので、記録しているストリームのモニターを確認することができる。
【0031】
再生動作は、ディスク415上に記録されている信号を、ピックアップ416で再生データを読み取り、再生信号処理回路413で圧縮ディジタル信号を再生する。出力切換回路411をマイコン414からの出力制御信号で制御して、入力信号のモニター出力か再生出力かを選択する。出力切換回路411の出力は、デコーダ405とストリーム変換回路407に出力し、デコーダ405では、圧縮ディジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号出力端子402からアナログ信号を出力し、ストリーム変換回路407では、ディジタル信号バスで転送する為のトランスポートストリームに変換してIF回路404に出力し、ディジタル信号バス入出力端子401から出力する。
【0032】
この様に、ストリーム変換回路407を用いることにより、ディスクから再生した信号も、トランスポートストリームに変換出来るので、ディジタル信号バスに転送することができる。
【0033】
次に、IF回路404の動作について、図5を用いて説明する。図5で、501はストリーム入出力端子、503はIF制御信号入出力端子、504は暗号処理回路、505は非同期転送処理回路、506はマイコン、507は同期転送処理回路、508はパケット処理回路、509はバス制御回路、510はディジタル信号バス入出力端子である。
【0034】
先に説明したバスの初期設定動作は、バス制御回路509で行う。初期設定動作は、ディジタル信号バスに接続された各ディジタル機器のバス制御回路同士が通信することにより行われる。初期設定動作が終了してルート機器が決定すると、マイコン506がパケット処理回路508を介して各ディジタル機器の構成情報を認識する。各ディジタル機器の構成を認識した後、マイコン506は接続可能な機器に対して接続処理を行い、認証処理を行う。これらの処理はマイコン506からのコマンドを、非同期転送処理回路505を介してパケット処理回路508で転送パケットに変換し、バス制御回路509によりディジタル信号バス102上で送受信することで行われる。
【0035】
これらの処理の後、各ディジタル機器の接続情報を、図4のマイコン414に接続情報を転送する。マイコン414では接続情報を基に、ユーザーに対して機器構成を表示して、接続可能かどうか、転送可能かどうかを表示し、ユーザーが機器の接続の選択に利用する。この様に接続情報をユーザーに表示することによって、ユーザーが接続可能かどうか等で迷うことが無い。
【0036】
ここで、図1の様にディジタルVTRが2つ存在する場合や接続する機器が増えた場合など、ユーザーが機器を識別することが難しくなるケースがある。そこで、これらの機器の名称をユーザーが自由に定義することもできる。例えば、2つのディジタルVTRは、”DVTR1“と”DVTR2“などとし、ディジタルチューナ100は、放送サービス名称等、例えば”BS−D“等で定義するようにする。この様な定義を行うことで、ユーザーに解りやすいインタフェースを提供出来る。
【0037】
接続、認証処理を終了した後、ストリームの送受信が可能になる。ディジタル信号バス102上のストリームを受信するには、まずバス制御回路509で受信し、受信した転送パケットをパケット処理回路508で変換し、同期転送処理回路507で時間間隔を再現してトランスポートストリームを再現する。そしてトランスポートストリームを暗号処理回路504で、認証処理で共有した鍵を用いて暗号を解除し、ストリーム入出力端子501からストリームを出力する。ディジタル信号バス102上にストリームを出力するには、まず、ストリーム入出力端子501からのストリームを暗号処理回路504で、認証処理で共有した鍵を用いて暗号化処理する。この暗号処理回路504でストリームを暗号化するかどうかは、ビデオディスクに記録されたコピー情報で図4のマイコン414で判断し、マイコン506と通信することで制御する。同期転送処理回路507で時間間隔を再現する為のタイムスタンプを付加し、パケット処理回路508で転送パケットに変換してバス制御回路509で送信してディジタル信号バス102上にストリームを出力する。
【0038】
次に、いつ、どのように認証処理を行うかについて説明する。まず、全体を制御するコントローラが存在する場合、ここでは例えば、ディジタルディスプレイ106がコントローラである場合について説明する。
【0039】
認証処理は受信側の要求によって処理が開始されるので、コントローラから受信する機器に対して認証を行うようにコマンドを送ることが考えられる。図1で受信することのできる機器は、ディジタルVTR103と104、ディジタルディスプレイ106であり、送信する機器はディジタルディスプレイ106以外の全てである。コントローラであるディジタルディスプレイ106から、各送信機器に対して認証を行うように各受信機器にコマンドを送る。
【0040】
この時の処理の手順を図6に示す。ステップ601で送信機器、例えばディジタルチューナ100を選択し、ステップ602で完全認証可能な機器と完全認証を行う。図1では例えば、ディジタルディスプレイ106であり、ディジタルディスプレイ106からディジタルチューナ100に認証要求を行い、認証処理して鍵を共有して記憶しておく。ステップ603では制限付き認証のできる受信機器、ここではディジタルディスプレイ106、ディジタルVTR103と104からディジタルチューナ100との間で制限付き認証を行い、ディジタルチューナ100とディジタルディスプレイ106、ディジタルVTR103と104とで鍵を共有して記憶しておく。ステップ604で全ての送受信機器と認証処理が終了したかを確認し、終了していない場合はステップ601に戻り、別の送信機器、例えばディジタルビデオディスク105を選択して、同様の認証処理を繰り返す。なおここで、認証処理自体を持っていない機器に対しては処理から外す。
【0041】
以上の様に、コンテンツを送受信する前、電源投入時や接続時に認証処理を行うことによって、暗号化されたコンテンツが送信されても途切れることなく受信出来る。また、鍵を共有して記憶することによって、ディジタルディスプレイ106に於いては、送信機器からのコンテンツのコピー管理情報が切り替わっても、鍵を記憶させてあるので認証処理を行う必要が無く、途中で画像が途切れることがない。ディジタルチューナ100とディジタルディスプレイ106、ディジタルVTR103と104では、鍵を共有しているので、制限付き認証が必要なコンテンツが送信されても全ての機器で受信できるので、アナログ信号で接続した場合と比較しても違和感が無い。
【0042】
上記の処理は、ディジタル信号バス102に接続された機器の電源が同時に投入された場合であるが、各機器が別々に電源が投入される場合でも、コントローラとなった機器が電源の投入された機器を検出して、順次処理を行う。
【0043】
また、主電源がOFFされても、スタンバイ状態等でIF回路404の電源が供給されていれば接続状態は維持出来るので、認証処理を新たに行う必要はない。
【0044】
また、電源が投入されていてもディジタル信号バス102に、後から接続するケースも考えられる。この場合も、コントローラがバスの接続を検出して認証処理を行い、鍵が共有出来るようにする。
【0045】
これらの新たな接続機器の検出は、コントローラ以外の機器が検出してバスをリセットして、初期設定動作から再接続する動作を行ってもよい。
【0046】
ここで、1つの転送チャネルに付き暗号化の鍵を1つだけに限定する場合がある。この場合は、コンテンツのコピー管理情報が途中で切り替わった場合、再び認証処理を行う必要があるが、コンテンツのコピー管理情報毎に転送チャネルを用意して認証処理し、鍵を記憶する様にすることで同様の効果が得られる。
【0047】
次に、コントローラを特に設定しないケースについて説明する。基本的に受信機器が認証の要求を行うので、主に受信機器の動作について説明する。例として、図1の受信機器としてディジタルVTR103の処理について説明する。まず送信機器の検索を行い、複数存在する時はその中でどれかを選択する。図1では、ディジタルビデオディスク105を選択する。次に、選択したディジタルビデオディスク105とディジタルVTR103の間で認証処理を行う。ここの認証処理では、制限付き認証と完全認証可能なものは完全認証を行う。そして、ディジタルビデオディスク105が既に他の受信機器と接続済みかどうかを確認する。ディジタルビデオディスク105が、例えばディジタルディスプレイ106との間で接続済みの場合は、認証処理が終了して鍵が共有されていることを意味しているので、ディジタルVTR103でも同じ鍵を共有して記憶する様にする。未接続の場合は、新規に鍵を共有する。以上の処理を、全ての送信機器間で認証処理が終了するまで繰り返す。
【0048】
また、この時の鍵としては、暗号化の鍵の種となる鍵を認証時に共有しておき、暗号化の鍵をその種となる鍵を用いて、互いに決められた計算方法で、ある時間間隔で順次更新していく場合もある。
【0049】
以上の手順を、図7に示す。図7のステップ701で、まず送信機器の検索を行い、選択する。次にステップ702で、選択した送信機器との間で認証処理を行う。そしてステップ703で、選択した送信機器が既に他の受信機器と接続済みかどうかを確認する。接続済みの場合は、認証処理が終了して鍵が共有されていることを意味しているので、接続済みの場合はステップ704で、接続先の受信機器と同じ鍵を共有する様にする。未接続の場合は、ステップ706で新規に鍵を共有する。以上の処理を、ステップ706で全ての送信機器間で認証処理が終了するまで繰り返す。
【0050】
図7の処理は受信機器が接続されたり、電源が投入されたりした場合についてであるが、送信機器が新たに接続されたり、電源が投入されたりした場合についても、この送信機器を検出することによって同様な処理で認証処理する。また、他の受信機器と接続済みでコンテンツを転送中であっても、同様な処理で認証処理する。
【0051】
以上のように、コントローラが特に設定されていない場合でも、上記の処理をそれぞれの受信機器が行うことによって、コピー管理情報毎に鍵を記憶させてあるので、送信機器からのコンテンツのコピー管理情報が切り替わっても、認証処理を行う必要が無く、途中で画像が途切れることがない。また、1つの送信機器に対して各受信機器が鍵を共有することができるので、制限付き認証が必要なコンテンツが送信されても全ての機器で受信でき、アナログ信号で接続した場合と比較しても違和感が無い。
【0052】
以上の実施例で、全ての機器と接続処理、認証処理を行うと述べたが、極端に多くの機器を接続した場合等、処理時間が無視出来ないほど大きくなるケースは、予め登録した機器に対してのみ行うようするか、過去に転送したことのある機器に対してのみ行うようにしても同様な効果が得られる。
【0053】
また、図1のような接続形態を、ブリッジを介して複数接続する場合がある。この場合は、ブリッジ内で接続された機器に対して行うようにし、ブリッジを介して接続する場合は、転送の度に認証処理を行うようにしても同様な効果が得られる。
【0054】
次に、入力を切り替えた際に認証処理を行う場合について説明する。ディジタルビデオディスク105は、アナログ入力とディジタル入力を持つので、ディジタル入力を選択した場合に認証処理を行うようにしてもよい。この場合は、入力切替時に処理時間が必要になるが、必要な時にだけ接続処理を行うので、処理の負担が少なくなる。
【0055】
この時の処理を図8に示す。ステップ801でコンテンツを送信している送信機器を検索して、目的の送信機器を選択する。ステップ802で認証処理を行い、ステップ803で他の機器と接続済みかどうかを確認して、接続済みならばステップ804で接続済みの機器と鍵を共有し、未接続であれば新規に鍵を共有する。以上の様に、必要な時にだけ接続処理するので、処理の負担が少ない。この実施例では、アナログ入力とディジタル入力を持つ機器について説明したが、2つ以上のディジタル入力を持つ機器であっても同様である。また、ここではディジタルビデオディスクについて説明を行ったが、他のディジタル機器においても同様な処理を行う。
【0056】
以上で述べた認証処理は、コピー情報や著作権情報以外に用いるものでも同様に処理出来る。
【符号の説明】
【0057】
100…ディジタルチューナ、102…ディジタル信号バス、103と104…ディジタルVTR、105…ディジタルビデオディスク、106…ディジタルディスプレイ、200…サイクルスタートパケット、201…AVデータA、202…AVデータB、203…非同期転送データ、401…ディジタル信号バス入出力端子、402…アナログ出力端子、403…アナログ入力端子、404…IF回路、405…デコーダ、406…エンコーダ、407…ストリーム変換回路、410…入力切換回路、411…出力切換回路、412…記録信号処理回路、413…再生信号処理回路、414…マイコン、415…ディスク、416…ピックアップ、501…ストリーム入出力端子、503…IF制御信号入出力端子、504…暗号処理回路、505…非同期転送処理回路、506…マイコン、507…同期転送処理回路、508…パケット処理回路、509…バス制御回路、510…ディジタル信号バス入出力端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタル信号処理装置と、他のディジタル信号処理装置をディジタル信号バスにより接続し、ディジタル信号の送受信を行うディジタル信号処理装置において、
前記ディジタル信号処理装置の電源投入時に、前記他のディジタル信号処理装置に認証処理を要求するインターフェース手段を設けたことを特徴とするディジタル信号処理装置。
【請求項2】
ディジタル信号処理装置と、他のディジタル信号処理装置をディジタル信号バスにより接続し、ディジタル信号の送受信を行うディジタル信号処理装置において、
前記ディジタル信号処理装置を前記ディジタル信号バスに接続したとき、前記他のディジタル信号処理装置に認証処理を要求するインターフェース手段を設けたことを特徴とするディジタル信号処理装置。
【請求項3】
少なくとも2つ以上の入力端子を備えたディジタル信号処理装置と、他のディジタル信号処理装置をディジタル信号バスにより接続し、ディジタル信号の送受信を行うディジタル信号処理装置において、
少なくとも2つ以上の前記入力端子を選択する切換手段と、
前記切換手段によって、前記ディジタル信号バスと接続された前記入力端子を選択したときに、前記他のディジタル信号処理装置に認証処理を要求するインターフェース手段を設けたことを特徴とするディジタル信号処理装置。
【請求項4】
ディジタル信号処理装置と、1つ以上の他のディジタル信号処理装置をディジタル信号バスにより接続し、ディジタル信号を暗号化して送受信を行うディジタル信号処理装置において、
前記ディジタル信号処理装置とそれぞれの前記他のディジタル信号処理装置に認証処理を要求するインターフェース手段と、
前記暗号を解くためのそれぞれの鍵を記憶する記憶手段を設けたことを特徴とするディジタル信号処理装置。
【請求項5】
ディジタル信号処理装置と他のディジタル信号処理装置を、複数の転送チャネルを持つディジタル信号バスにより接続し、ディジタル信号の著作権管理情報に応じてディジタル信号を暗号化し、送受信を行うディジタル信号処理装置において、
前記ディジタル信号処理装置とそれぞれの前記他のディジタル信号処理装置に認証処理を要求する際に、前記著作権管理情報に応じて、前記ディジタル信号バスの前記転送チャネルを変更するインターフェース手段を設けたことを特徴とするディジタル信号処理装置。
【請求項6】
2つ以上のディジタル信号処理装置をディジタル信号バスにより接続し、ディジタル信号の送受信を行うディジタル信号処理装置において、
前記ディジタル信号バスに接続されたそれぞれの前記ディジタル信号処理装置の名称を定義する手段を設けたことを特徴とするディジタル信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−101430(P2011−101430A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22254(P2011−22254)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【分割の表示】特願2009−41668(P2009−41668)の分割
【原出願日】平成10年7月28日(1998.7.28)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】