説明

ディスクローディング機構及びこれを用いたディスクドライブ装置

【課題】 構成を複雑化、大型化することなしに、ディスク状記録媒体の挿入・排出を行うローラの異物等を除去する。
【解決手段】 所定の隙間を有して設けられ、少なくとも一方が回転することにより収納部に対してディスク状記録媒体2を挿入及び排出する一対のローラ30,31と、一対のローラ30,31の外側に設けられ、所定の隙間を開閉するシャッタ39と、一対のローラ30,31のディスク状記録媒体2の挿入又は排出の際の引き込み状態を検出する検出手段100とを備え、シャッタ39には、シャッタ39が所定の隙間を開いた状態又は閉じた状態において選択的に一方のローラに接触してローラ表面をクリーニングするクリーニング部材40が設けられ、検出手段100の検出出力に基づいて、シャッタ39を開閉動作してクリーニング部材40を一方のローラ30,31に接触してローラ表面をクリーニングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク状記録媒体を装置内部の収納部に収納し、収納されたディスク状記録媒体に対して信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置に設けられ、この収納部に対してディスク状記録媒体を挿入・排出するディスクローディング機構、及びこれを用いたディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CD(Compact Disk)等のディスク状記録媒体を再生することができるディスクドライブ装置がある。これらのディスクドライブ装置には、装置内部にディスク状記録媒体を挿入し、及び装置内部からディスク状記録媒体を排出するディスクローディング機構が設けられている。
【0003】
このディスクローディング機構は、例えば、所定の隙間を有して設けられる一対のローラを有し、この一対のローラ間にディスク状記録媒体を挟み込みながら、ローラを回転駆動させることによりディスク状記録媒体の挿入又は排出を行うものである。ここで、この所定の隙間が、ディスク挿脱口となる。
【0004】
このようなディスクローディング機構を有するディスクドライブ装置において、ディスク挿脱口を介して外部から侵入するゴミやホコリ等の異物が装置内部の記録再生部に悪影響を与えることが問題となる。そこで、このようなディスクローディング機構には、ディスク挿脱口を開閉動作するシャッタ等が設けられ、これにより上述したゴミやホコリ等の侵入の防止を図っている。
【0005】
しかし、シャッタを有するディスクローディング装置においても、異物の直接的な侵入は防止できるが、ディスクに付着した異物等がローラに接触するため、これがローラに付着して残り、これらの異物がディスクに傷を付けたり、摩擦力の低下によりディスクの搬送が円滑に行われなくなり、挿入・排出に不具合を生じる等の問題が発生するおそれがあった。
【0006】
このような問題を解消するために、ローラを清掃する機構を有するディスクローディング機構もあったが、構成の付加により、構成が複雑となったり、装置が大型化してしまう等の問題が発生してしまうおそれがあった。
【0007】
【特許文献1】実開平5−73792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、シャッタを有するディスクローディング機構の構成を複雑化、大型化することなしに、ディスク状記録媒体の挿入・排出を行うローラの異物等を除去することを可能とするディスクローディング機構及びこれを用いたディスクドライブ装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るディスクローディング機構は、所定の隙間を有して設けられ、少なくとも一方が回転することにより収納部に対してディスク状記録媒体を挿入及び排出する一対のローラと、上記一対のローラの外側に設けられ、上記所定の隙間を開閉するシャッタと、上記一対のローラの上記ディスク状記録媒体の挿入又は排出の際の引き込み状態を検出する検出手段とを備え、上記シャッタには、上記シャッタが上記所定の隙間を開いた状態又は閉じた状態において選択的に一方のローラに接触してローラ表面をクリーニングするクリーニング部材が設けられ、上記検出手段の検出出力に基づいて、上記シャッタを開閉動作して上記クリーニング部材を上記一方のローラに接触して上記ローラ表面をクリーニングする。
【0010】
本発明に係るディスクドライブ装置は、ディスク状記録媒体を収納する収納部と、上記収納部に収納されるディスク状記録媒体に対して信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生部と、上記収納部にディスク状記録媒体を挿入し、又は、上記収納部からディスク状記録媒体を排出するディスクローディング機構とを備え、このディスクドライブ装置に用いるディスクローディング機構として、上述したようなものを用いたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るローディング機構及びディスクドライブ装置は、構成の複雑化、大型化を招くことなく、ディスク状記録媒体の挿入・排出を行うローラの異物等の除去を可能とし、長期間にわたりディスク状記録媒体の円滑な搬送を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るディスクローディング機構及びディスクドライブ装置をディスクチェンジャー装置に適用した例について図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
本発明を適用したディスクチェンジャー装置は、図1に示すように、いわゆる1DINサイズと呼ばれる一定の規格寸法に収められた装置本体1に、例えば6枚のCD(Compact Disk)等のディスク状記録媒体(以下、「ディスク」という。)2をまとめて収納することを可能とした小型ディスクチェンジャー装置である。そして、このディスクチェンジャー装置は、6枚のディスク2の中から任意のディスク2を選択して再生することが可能となっている。
【0014】
また、このディスクチェンジャー装置は、装置本体1を一定の規格寸法に収めることにより、車室内のセンターパネルに設けられた規格化された収納空間に設置されている。これにより、車室内でのディスク2の交換が可能となり、利便性の向上が図られている。
【0015】
以下、このディスクチェンジャー装置の具体的な構造について説明する。
【0016】
尚、図1は、ディスクチェンジャー装置の装置本体1の外観を示す斜視図である。また、装置本体1は、本来、その筐体の前面に操作ボタン等を備えた操作パネルが設けられ、その筐体自体が外装ケースで被覆された構造となっているが、便宜上、操作パネル及び外装ケースの図示を省略するものとする。
【0017】
このディスクチェンジャー装置において、装置本体1は、図1及び図2に示すように、略矩形状の底板1aと、この底板1aの両側縁部から上方に向かって立設されると共に、底板1aと一体に成形されてなる一対の側板1b,1cと、これら底板1a及び側板1b,1cの前面側の端縁部に沿って取り付けられた前面板1dと、底板1aと対向すると共に、これら側板1b,1c及び前面板1dの上面側の端縁部に沿って取り付けられた天井板1eとから、背面側を開放しながら全体略箱状の筐体を構成している。なお、図2は、装置本体1の内部構造を示す分解斜視図である。
【0018】
このディスクチェンジャー装置は、ディスク2を収納するためのディスク収納部3と、前面板1dに設けられたディスク挿脱口4を通して、ディスク収納部3に対してディスク2の信号記録面と平行な方向からディスク2の挿脱を行うディスク挿脱装置5と、ディスク収納部3に収納されたディスク2のうち、何れか1枚を選択して信号の再生を行う記録及び/又は再生部であるピックアップ装置6とを備えている。
【0019】
ディスク収納部3には、図1及び図3に示すように、ディスク挿脱口4に臨む筐体内の前面側に、ディスク2が載置される6枚のディスクトレイ(以下、「トレイ」という。)7が積み重ねられた状態で配置されている。尚、図3は、ディスク収納部3の構造を示す分解斜視図である。
【0020】
トレイ7は、図3に示すように、金属材料、樹脂材料等により平板状に形成され、両側部に取り付けられるガイド部材としての一対の樹脂部材9と、この樹脂部材9の上面に沿って前面側が固定された状態で取り付けられているバネ手段としての板バネ11とを有している。
【0021】
この一対の樹脂部材9は、ディスクトレイ部7a上に載置されるディスク2と略同一の厚みを有し、その側板1b,1cと対向する面には、ディスクトレイ部7aと略平行に並ぶ一対のピン10a,10bが、外筐の側板に向かって突出して形成されている。
【0022】
トレイ7は、挿入されたディスク2の周縁を支持するとともに、板バネ11の押え片部11aにより上方側から押さえることで、ディスク2を収納するものである。
【0023】
6枚のトレイ7は、貫通孔12が穿設されており、ディスク収納部3に設けられたガイド支柱13が挿通されることにより、鉛直方向に移動自在に支持されている。また、最上段のトレイ7には、挿通孔9bとバネ受け部9aとが設けられており、ディスク収納部3に設けられたガイド支柱14が挿通されるとともに、このガイド支柱14に沿って設けられたコイルバネ15により下方側へと付勢されている。
【0024】
ディスク挿脱装置5は、本発明に係るディスクローディング機構を適用したものであり、図2及び図4に示すように、ディスク挿脱口4が設けられた前面板1dに配設されている。尚、図4は、このディスク挿脱装置5を筐体内部から見た要部斜視図である。
【0025】
このディスク挿脱装置5は、所定の隙間を有して互いに対向配置された一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31と、この所定の隙間を開閉するシャッタ機構38とを備えている。ここで、この駆動ローラ30及び従動ローラ31の間の所定の隙間がディスク2を挿入・排出する際のディスク挿脱口4となる。
【0026】
このうち、駆動ローラ30は、その支軸32の両端部が回転自在に軸支される一方、その支軸32の中央部が駆動軸受33により軸支されており、これら軸支される間の支軸32の周面にはゴムローラ34が被覆されてなる。また、駆動軸受33は、樹脂からなり、その背面側に溝部33aが支軸32に沿って形成されている。そして、この溝部33aには、支軸32の中央部が回転自在にはめ込まれている。また、ゴムローラ34は、軸心方向へのスライドが拘束されている。
【0027】
一方、従動ローラ31は、その支軸35の両端部が回転自在に軸支される一方、その支軸35の中央部が従動軸受36により軸支されており、これら軸支される間の支軸35の周面には樹脂ローラ37が被覆されてなる。また、従動軸受36は、樹脂からなり、その背面側に溝部36aが支軸35に沿って形成されている。そして、この溝部36aには、支軸35の中央部が回転自在にはめ込まれている。また、樹脂ローラ37は、軸心方向へのスライドが拘束されている。
【0028】
また、従動ローラ31は、ねじりコイルバネ29により駆動ローラ30に向かって付勢されている。ここで、駆動ローラ30は、後述するローラ駆動用モータ109と、このローラ駆動用モータの駆動力を伝達する図示しないギア群により回転駆動される。
【0029】
そして、このディスク挿脱装置5は、一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31にディスク2を挟み込みながら、駆動ローラ30を回転駆動させることにより、ディスク挿脱口4を通してディスク2の挿入又は排出を行う。
【0030】
シャッタ機構38は、前面板1dよりも鉛直方向の寸法が小さく形成された略矩形状のシャッタ39を有しており、このシャッタ39が鉛直方向に移動可能な状態で前面板1dに取り付けられている。そして、このシャッタ機構38は、シャッタ39を上昇させることにより、このシャッタ39の上端部をディスク挿脱口4よりも高い位置に移動させて、ディスク挿脱口4を閉塞する一方、シャッタ39を下降させることにより、シャッタ39の上端部をディスク挿脱口4よりも低い位置に移動させてディスク挿脱口4を開放する。すなわち、このシャッタ39は、鉛直方向に並んで配置された一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31の並んだ方向に移動することにより、一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31の間の所定の隙間を閉塞・開放する。
【0031】
このシャッタ39には、図5に示すように、ディスク挿脱口4を開放した状態、すなわち、シャッタ39が下降された状態で駆動ローラ30に接触するクリーニング部材として尖鋭部40が設けられている。この尖鋭部40は、図5及び図6に示すように、シャッタ39の上端部の内面側に一体に鋭利なエッジ部分として突出して設けられており、例えば、抜き加工の抜きバリによりそのまま形成することができる。尚、尖鋭部40は、他の方法によりシャッタ39に形成するようにしてもよい。また、この尖鋭部40は、駆動ローラ30の軸方向(長手方向)の略全部に接触するように形成されているが、後述のように、長手方向の一部分に接触するように構成してもよい。尚、図5は、シャッタ39がディスク挿脱口4を開放した状態を示し、図6は、シャッタ39がディスク挿脱口4を閉塞した状態を示す図である。
【0032】
このシャッタ39に設けられた尖鋭部40は、駆動ローラ30に接触された状態で、駆動ローラ30が回転した場合には、駆動ローラ表面に付着した異物を除去してローラ表面をきれいな状態にする(以下、「クリーニング」ともいう。)ことができる。
【0033】
以上のように構成されたディスク挿脱装置5は、シャッタ39を開いた状態とし、すなわちシャッタ39を下降させて尖鋭部40を駆動ローラ30に接触させ、この駆動ローラ30を例えば空転させることで、駆動ローラ30に付着したゴミ、ホコリ等の異物を削ることで除去することができる。尚、空転方向を、図5中矢印R1方向とすることで、異物を外部に排出することが可能となる。尚、図5中矢印R1方向は、ディスク2を排出する際に駆動ローラ30を駆動する方向である。
【0034】
ディスク挿脱装置5は、ディスク2を挿入・排出する所謂引き込み状態の際に、シャッタ39を開いた状態として駆動ローラ30を回転させることとなるので、この際、同時に駆動ローラ30に付着したゴミ、ホコリ等の異物を除去することになる。
【0035】
さらに、このディスク挿脱装置5では、引き込み動作とは別に単独でクリーニング動作を行うようにされている。すなわち、ディスク挿脱装置5は、駆動ローラ30及び従動ローラ31にディスク2の挿入又は排出の際の引き込み状態を検出する後述する検出手段の検出出力に応じて、シャッタ39を開いた状態にしてクリーニング部材としての尖鋭部40を駆動ローラ30に接触させ、駆動ローラ30を空転させることでローラのクリーニングを行う。
【0036】
このように、ディスク挿脱装置5は、単独でクリーニング動作を行うことができるので、複数枚のディスク2を収納可能なディスクチェンジャー装置や、一のディスク2に何千曲も記録可能なMP3方式のディスクドライブ装置等において、長期間駆動ローラ30及び従動ローラ31によりディスク2の搬送動作を行われることがない場合には、特に有用である。
【0037】
尚、シャッタ39に形成されるクリーニング部材としては、上述の尖鋭部40に限られるものではなく、例えば、図7(a)及び図7(b)に示すように、植毛(ブラシ)、ゴム等により形成されたクリーニング部材40Aをシャッタ内側に貼り付けるように構成してもよい。ここで、植毛は、例えば、硬い合成樹脂、硝子繊維等を吹き付けることにより形成することができる。また、ここでは、図7(b)に示すように、クリーニング部材40Aを駆動ローラ30の長手方向の一部に形成するようにしたが、これに限らず駆動ローラ30の長手方向の全部に接触するように形成してもよい。図7(b)に示すように、駆動ローラ30の一部にクリーニング部材40Aを形成した場合でも、主にディスク2を最初に狭持して搬送する内側部分をクリーニングしているので円滑且つ確実な搬送を長期間にわたり実現することができる。同様に、上述した尖鋭部40を形成する例においても、図7(b)に示すクリーニング部材40Aと同様に、駆動ローラ30の長手方向の一部に形成するように構成してもよい。
【0038】
また、クリーニング部材40Aと同様な構成とされたクリーニング部材40Bを、図8に示すように、ディスク挿脱口4を閉塞した状態、すなわち、シャッタ39が上昇された状態で駆動ローラ30に接触するように構成してもよい。さらにまた、クリーニング部材は、シャッタ39の上端部を駆動ローラ30に接触するように構成し、この部分に微小な突起が複数形成した所謂ローレットを形成するように構成してもよい。
【0039】
また、ここでは、シャッタ39がディスク挿脱口4を開いた状態又は閉じた状態にしてクリーニング部材40,40A,40B等を駆動ローラ30に接触させ、且つ駆動ローラ30を回転するようにすることでクリーニング動作を行うようにしたが、これに限られるものではなく、シャッタ39を一度開閉動作させることにより、クリーニング部材40,40A,40B等を駆動ローラ30に接触させて摺る動作をさせることでクリーニング動作を行うように構成してもよい。
【0040】
また、シャッタ機構38は、図1,図2及び図9に示すように、前面板1dに沿った方向(左右方向)に移動自在とされた断面略L字状の左右スライド板41を有しており、この左右スライド板41が底板1aと前面板1dとのエッジに沿って取り付けられており、コイルバネ48により一方向X1(右側)へ付勢されている。左右スライド板41は、シャッタ39と略同一平面内においてシャッタ39の移動方向と直交する方向に移動することで、シャッタ39を開閉動作するシャッタ駆動部材として機能する。尚、このシャッタ機構38において、シャッタ39は、前面板1dと左右スライド板41との間に挟まれるように設けられ、左右スライド板41よりも駆動ローラ30及び従動ローラ31側に設けられている。
【0041】
このシャッタ機構38は、左右スライド板41よりも駆動ローラ30及び従動ローラ31側にシャッタ39を設けることにより、シャッタ39にクリーニング部材としての尖鋭部40等を容易に形成することができ、簡素な構成で、このクリーニング部材を用いてローラのクリーニングを行うことを容易とする。
【0042】
左右スライド板41のシャッタ39と対向する面には、一対のスライドピン42が突設され、シャッタ39には、これら一対のスライドピン42に対応した一対のカム孔43が所定の形状に穿設されている。左右スライド板41は、図9に示すように、一方向X1(右側)へ付勢され、一対のスライドピン42がカム孔43内の右側端部に位置することになる。この一対のカム孔43は、他方向(左側)端部よりも一方向(右側)端部が下方に位置する屈曲した形状を有しているため、シャッタ39は、上方へと付勢され、ディスク挿脱口4を閉塞することになる。
【0043】
シャッタ機構38は、この左右スライド板41がコイルバネの付勢力より大きな力で他方向X2(左側)に移動されると、図1に示すように、一対のスライドピン42がカム孔43内の左側端部に位置することになり、シャッタ39は、下方へと付勢され、ディスク挿脱口4を開放することになる。
【0044】
また、前面板1dの左右スライド板41と対向する面には、一対のガイドピン44がそれぞれ突設される一方、左右スライド板41には、これら一対のガイドピン44に対応したガイド孔45が左右方向に亘って穿設されている。そして、ガイドピン44は、左右スライド板41のガイド孔45に挿通され、左右スライド板41が左右方向に移動される際のガイドとなり、左右方向以外の移動が規制される。また、シャッタ39の下部側には、このガイドピン44に対応したガイド切り欠き部46が上下方向に亘って形成されている。ガイドピン44は、シャッタ39のガイド切り欠き部46に挿通され、シャッタ39が上下方向に移動される際のガイドとなり、上下方向以外の移動が規制される。
【0045】
また、シャッタ39は、ディスク挿脱口4を閉塞する上部側の面39aが、前面板1dと左右スライド板41との間に挟まれる下部側の面39bに対して左右スライド板41の板厚程度に外側に位置するように屈曲部39cを有する形状とされており、下部側の面39bには、上述した一対のカム孔43と、ガイド切り欠き部46とが設けられるともに、屈曲部の位置にまで上下方向に形成される規制孔47とが設けられている。この規制孔47は、後述するディスク押込機構54の移動を規制する。
【0046】
すなわち、前面板1dのガイド孔45を挿通されるディスク押込機構54の支持部材57には、この規制孔47と対応する位置に、ガイドピン58cが設けられている。このガイドピン58cの先端は、シャッタ39の下部側の面39bと略同一の位置に形成されるとともに、シャッタ39の上部側の面39aよりも内側の位置に形成されている。そして、規制孔47は、シャッタ39が閉塞した状態では、ディスク押込機構54のガイドピン58cが規制孔47内に位置し、ガイドピン58cをその孔を形成するシャッタ39に係合させることでガイドピン58cの左右方向への移動を規制してディスク押込機構54の移動できないように規制(ロック)する。そして、シャッタ39が開放する位置となるように下降されるとガイドピン58cが規制孔47よりシャッタ39の上側の位置に対向することとなり、ガイドピン58cにシャッタ39が係合することなくガイドピン58cの左右方向へ移動可能な状態としてディスク押込機構54の移動を開放する。
【0047】
また、このシャッタ機構38は、図2及び図4に示すように、底板1aの左側端部側に、側板1b,1cに沿った方向(前後方向)に移動自在とされた前後スライド板51と、この前後スライド板51と左右スライド板41とを連結する略L字状の連結レバー52とを有している。
【0048】
シャッタ機構38は、前後スライド板51が背面側にスライドされることで、回動される連結レバー52を介して左右スライド板41が左側方向にスライドされることによりシャッタ39を上方へ押し上げて、ディスク挿脱口4を開放する。
【0049】
また、ディスク挿脱装置5は、図2及び図4に示すように、駆動ローラ30及び従動ローラ31によりディスク2の挿入が行われた後に、更に所定量だけディスク2を自動的に筐体内部へと押し込むディスク押込機構54を備えている。
【0050】
このディスク押込機構54は、一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31の背面側に、これら一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31と直交する一対の縦ローラ55を有している。この一対の縦ローラ55は、支軸56が支持部材57を介して回転自在に軸支されている。
【0051】
支持部材57は、水平方向に移動可能な状態で前面板1dに取り付けられている。具体的に、支持部材57の前面板1dと対向する面には、ガイドピン58a,58b、58cが突設される一方、前面板1dには、水平方向に移動する3つのガイドピン58a,58b,58cに対応したガイド孔59a,59b,59cが穿設されている。
【0052】
また、支持部材57には、一対の縦ローラ55を互いに近接する方向に付勢するためコイルバネ60が設けられており、このコイルバネ60により互いに近接する方向に付勢されている。
【0053】
支持部材57及び縦ローラ55は、上述した駆動ローラ30及び従動ローラ31により挿入されたディスク2がこの駆動ローラ30及び従動ローラ31により挿入可能な位置から、所定量だけディスク収納部3の内部へ押し込むことで、トレイ7上の適切な位置にディスク2を載置させることができる。
【0054】
また、支持部材57及び縦ローラ55は、シャッタ39が閉塞された状態で上述の規制孔47がガイドピン58cに規制されることで、ディスク2が誤って押し出されてディスク2がシャッタ39に衝突することを防止できる。
【0055】
また、ディスク挿脱装置5は、トレイ7上に載置されたディスク2を駆動ローラ30及び従動ローラ31により排出可能な位置まで所定量だけ押し出す図示しないディスク押出機構が設けられている。
【0056】
以上のように構成されたディスク挿脱装置5は、構成の複雑化、大型化を招くことなく、ディスク2の挿入・排出を行う駆動ローラ30の異物等の除去を可能とし、ローラ表面の摩擦力の低下を防止することで長期間にわたりディスク2の円滑且つ確実な搬送性能を維持することができ、またローラ表面に付着した異物によるディスク2の損傷等を防止する。
【0057】
また、ディスクチェンジャー装置は、複数のディスク2がそれぞれ載置される複数のトレイ7を有し複数のディスク2が収納されるディスク収納部3内に積み重ねられた6枚のトレイ7のうち、所望のディスク2を選択するディスク選択手段を備える。すなわち、ディスクチェンジャー装置は、ディスク選択手段として、ディスク収納部3に設けられ選択されたディスク(以下、「選択ディスク」という。)2が載置されたトレイ(以下、「選択トレイ」という。)7を所定の高さに移動させるディスク昇降台71と、選択トレイ7を保持しながら、この選択トレイ7の上下にピックアップ装置6のチャックレバー76のための上下の空間を形成するトレイ移動手段72と、ピックアップ装置6を選択トレイ7に対応する位置に昇降動作するピックアップ昇降台73と、ピックアップ装置6を選択トレイ7に載置されたディスク2に対応する位置に回動される回動機構74とを備える。
【0058】
さらに、ディスクチェンジャー装置は、ディスク昇降台71、トレイ移動手段72、ピックアップ昇降台73及び回動機構74を駆動するために、複数のスリットを有する内スライダ91及び外スライダ92を有する。内スライダ91及び外スライダ92は、図示しない駆動用のモータにより独立して前後方向に駆動され、上述したディスク昇降台71、トレイ移動手段72、ピックアップ昇降台73及び回動機構74に設けられたピンにスリットを係合させることによりこれらのディスク昇降台71、トレイ移動手段72、ピックアップ昇降台73及び回動機構74を所定の位置に移動させ、所望の動作をさせることができる。
【0059】
ピックアップ装置6は、図2に示すように、ディスク収納部3の背面側に配設されたピックアップ昇降台73上に搭載され、選択ディスク2を挟み込みながら、回転自在に保持するとディスク保持部材として一対のチャックレバー76と、このディスク保持部材に設けられ選択ディスク2を回転駆動する回転駆動手段としてスピンドルモータ77と、ディスク2の信号記録面に対して対物レンズにより集光されたレーザ光を照射しながら、この信号記録面から反射して戻ってくる戻り光を読み取ることにより、信号の再生を行うピックアップユニット78とを備えている。
【0060】
次に、上述したディスクチェンジャー装置の回路構成について、図10に示すブロック回路図を用いて説明する。
【0061】
ディスクチェンジャー装置において、ピックアップユニット78及びスピンドルモータ77は、信号処理部101からの指令に基づいて制御されるサーボ制御部102により駆動制御されている。具体的に、サーボ制御部102は、所定の回転数(CAV,CLV等)でスピンドルモータ77を駆動し、ピックアップユニット78の対物レンズのフォーカス制御及びトラッキング制御を行うとともに、ディスク2の径方向の位置を制御する。
【0062】
ピックアップユニット78は、ディスク2の信号記録面に対してレーザ光を照射するとともに、反射光を検出して各種信号をRFアンプ部103に供給する。
【0063】
RFアンプ部103は、ピックアップユニット78からの信号に基づいて、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等の各種エラー信号、RF信号等を生成して、信号処理部101に出力する。
【0064】
信号処理部101は、装置全体を制御するシステムコントローラ100の指令に基づいて、RFアンプ部103からの読み出した信号を復調、エラー訂正等をし、デジタルアナログ変換してスピーカ等の出力部に供給する。また、信号処理部101は、後述するバッファメモリ104に蓄積された信号若しくはMP3デコーダ105でデコードされた信号をデジタルアナログ変換してスピーカ等の出力部に供給する。
【0065】
バッファメモリ104は、信号処理部101の出力前信号を一時的に蓄積するものである。
【0066】
MP3デコーダ105は、システムコントローラ100の指令に基づいて、RFアンプ部103から信号処理部101に送られた信号がMP3等であった場合には、その復調、エラー訂正された信号を信号処理部101から受け取り、通常の再生信号に変換して信号処理部101に供給する。
【0067】
システムコントローラ100は、装置全体を制御するものであり、操作部106からのユーザの操作に基づいて、上述のように信号処理部101及びMP3デコーダ105を制御するとともに、モータ制御部108を制御し、さらに、現状の装置の状態等を表示する表示部107に所望の表示を行わせる。
【0068】
また、システムコントローラ100は、装置に設けられた各種センサ112からの信号が入力され、その入力に応じて、信号処理部101、モータ制御部108、表示部107等を制御する。尚、システムコントローラ100は、例えば、カーナビゲーション等の外部機器に対してバスを介して各種信号をやりとりすることも可能である。また、ディスクチェンジャー装置が車載用であった場合には、このバスを介して走行距離等の各種データを受け取ることも可能である。
【0069】
モータ制御部108は、システムコントローラ100及び信号処理部101からの指令に基づいて、例えば、上述したギア群を介して駆動ローラ30を駆動するローラ駆動用モータ109を制御し、さらに、上述したシャッタ39を開閉動作させるための前後スライド板51を前後方向に駆動するためのシャッタ駆動用モータ110を制御する。
【0070】
また、モータ制御部108は、ディスク昇降台71、トレイ移動手段72、ピックアップ昇降台73及び回動機構74を動作させるための内スライダ91、外スライダ92等をそれぞれ独立して駆動させるための図示しない各種モータ等を制御する。
【0071】
尚、ここで、上述したモータ109、110及び図示しないモータは、装置の構成に応じて選択的に共用のモータとすることも可能であるが、上述のディスクチェンジャー装置においては、ローラ駆動用モータ109と、シャッタ駆動用モータ110とは独立に制御することが可能なように構成されている。
【0072】
システムコントローラ100は、例えば、ディスクの排出動作の際に、センサ112によりディスク2が装置内部に存在することを一定時間以上検出すると、ディスク2が排出されていないと判断し、換言すると、駆動ローラ30及び従動ローラ31によりディスク2の排出方向への搬送動作が良好に行われていないこと(以下、「排出エラー」ともいう。)を検出する。
【0073】
すなわち、センサ112は、ディスク2が装置内部に有ること(以下、「ディスク有」ともいう。)を検出するセンサである。そして、システムコントローラ100は、排出操作の開始からセンサ112からこの「ディスク有」の信号が入力されている期間が一定期間内であれば正常に排出されたと判断する。一方、システムコントローラ100は、排出操作の開始からセンサ112から「ディスク有」の信号が入力されている期間が一定期間を超えたときに排出エラーであることを判断する。
【0074】
排出エラーを検出したシステムコントローラ100は、モータ制御部108を介して、まずシャッタ駆動用モータ110を駆動して、前後スライド板51を移動させ、連結レバー52及び左右スライド板41を介してシャッタ39を下方へ移動させる。このとき、シャッタ39の尖鋭部40は、駆動ローラ30に接触した状態とされる。次に、システムコントローラ100は、モータ制御部108を介して、ローラ駆動用モータ109を駆動して、ギア群を介して駆動ローラ30を排出方向R1に回転させて駆動ローラ30のクリーニングを行うことができる。このように、システムコントローラ100は、一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31のディスク2の挿入又は排出の際の引き込み状態を検出する検出手段としても機能し、後述のディスク2の挿脱モード、ディスク2の再生モードとは、別に単独で駆動ローラ30のクリーニングを行うクリーニングモードを行うことができる。
【0075】
尚、ここでは、装置内部に設けたセンサにより排出エラーを検出することで、一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31の引き込み状態の不具合を検出することで、クリーニング動作を行うタイミングを検出しクリーニング動作を行うように構成したが、これに限られるものではない。すなわち、例えば、駆動ローラ30及び従動ローラ31によりディスク2の挿入方向への搬送動作が良好に行われていないこと、すなわち挿入エラーを検出するように構成してもよい。また、駆動ローラ30及び従動ローラ31により最後に行った搬送動作の日時を記憶し、この直近の引き込み動作から一定の時間が経過したことを検出してクリーニング動作を行うように構成してもよい。また、ピックアップユニット78、RFアンプ部103からのRF信号の出力レベルを検出し、この出力レベルが一定値より下回ったときに、装置内部に異物等が存在していると判断して、クリーニング動作を行うように構成してもよい。さらに、挿入排出の際にクリーニング動作を行わないような構成とした場合には、一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31の引き込み回数を検出し、この引き込み回数が一定の回数以上となったときにクリーニング動作を行うように構成してもよい。さらにまた、走行距離を検出してクリーニング動作を行うように構成してもよい。
【0076】
次に、以上のように構成されるディスクチェンジャー装置の全体の動作について説明する。
【0077】
このディスクチェンジャー装置では、ディスク収納部3へのディスク2の挿入或いはディスク収納部3からのディスク2の排出を行う挿脱モードと、ディスク収納部3に収納されたディスク2のうち、何れか1枚(選択ディスク2)を選択して再生を行う再生モードと、ディスク駆動手段5のローラ部のクリーニング動作を行うクリーニングモードがある。
【0078】
挿脱モードにおいて、ディスク収納部3へのディスク2の挿入を行う場合では、ディスク昇降台71が上昇し、選択トレイがディスク挿脱口4と略一致した高さに設定される。次に前後スライド板51が背面側である図2中矢印M1方向に押され、連結レバー52及び左右スライド板41を介してシャッタ39が図2中矢印M4方向に押し下げられる。これにより、ディスク挿脱口4が開放される。このとき、連結レバー52は、図2中矢印M2方向へ回動され、左右スライド板41は、図2中矢印M3方向へスライドされている。
【0079】
次に、開放されたディスク挿脱口4からディスク2を挿入すると、シャッタ39の手前中央に配置された図示しないセンサーがディスク2の進入を感知し、上述したディスク挿脱装置5の駆動モータにより駆動ローラ30が挿入方向に回転駆動される。これにより、一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31に挟み込まれたディスク2がディスク収納部3の内部へと挿入される。
【0080】
ここで、ディスク挿脱口4から挿入されたディスク2は、一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31により挿入可能な位置から、更に上述したディスク押込機構54により、所定量だけディスク収納部3の内部へと押し込まれる。これにより、ディスク2が、2番目のトレイ7上に載置されると共に、板バネ11の押え片部11aによりトレイ7上に保持される。
【0081】
また、ディスク2が一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31から離間すると、図示しないリミットスイッチが作動して、駆動ローラ30の回転駆動が停止すると共に、前後スライド板51が前面側へと移動し、連結レバー52及び左右スライド板41を介してシャッタ39が押し上げられる。これにより、ディスク挿脱口4が閉塞される。
【0082】
以上のようにして、選択トレイ7に対するディスク2の挿入を行うことができる。
【0083】
一方、挿脱モードにおいて、ディスク収納部3からのディスク2の排出を行う場合では、ディスク昇降台71が上昇し、選択トレイ7がディスク挿脱口4と略一致した高さに設定される。次に前後スライド板51が背面側に押され、連結レバー52及び左右スライド板41を介してシャッタ39が押し下げられる。これにより、ディスク挿脱口4が開放される。
【0084】
次に、上述したディスク押出機構により、ディスク2が所定量だけディスク挿脱口4側へと押し出される。
【0085】
ここで、ディスク挿脱装置5の駆動ローラ30は、「排出」ボタンを押すと同時に排出方向に回転駆動されている。これにより、一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31に挟み込まれたディスク2が、ディスク収納部3の外部へと排出される。そして、ディスク2の背面側の一部が一対の駆動ローラ30及び従動ローラ31に挟み込まれている時に、図示しないリミットスイッチにより駆動ローラ30が停止される。これにより、ディスク2の排出時における落下を防止することができる。
【0086】
次に、ディスク2が手動によりディスク挿脱口4から抜き取られると、ディスク2が排出されたことを図示しないセンサーが感知し、ディスク挿脱口4が閉塞される。
【0087】
以上のようにして、2番目のトレイ7に対するディスク2の排出を行うことができる。
【0088】
再生モードでは、ピックアップ昇降台73が上昇し、選択トレイに対応する位置に、このピックアップ昇降台73の高さが設定される。次に、選択トレイ7を保持しながら、この選択トレイ7の上下に空間を形成する動作、回動機構74により一対のチャックレバー76がディスク2の径方向に回動する動作、並びに、挟持切替機構により選択トレイ7に載置された選択ディスク2の中心孔2aを一対のチャックレバー76が挟持する動作が行われる。選択トレイ7とチャックレバー76に狭持された選択ディスク2とが分離される。
【0089】
そして、一対のチャックレバー76に回転自在に保持された選択ディスク2に対して、上述した光学ピックアップユニット78が径方向に移動しながら、信号の再生が行われる。
【0090】
クリーニングモードは、例えば、上述したように、検出手段としてのシステムコントローラ100が駆動ローラ30及び従動ローラ31の引き込み状態の不具合である排出エラーを検出したときに行われる。
【0091】
クリーニングモードにおいて、シャッタ駆動用モータ110が駆動されると前後スライド板51が背面側に押され、連結レバー52及び左右スライド板41を介してシャッタ39が押し下げられる。これにより、図6に示す状態から図5に示す状態に、ディスク挿脱口4が開放されるとともに、シャッタ39の尖鋭部40が駆動ローラ30に接触した状態となる。
【0092】
次に、ローラ駆動用モータ109が駆動されると、上述のギア群を介して駆動ローラ30が図5中矢印R1方向に回転駆動される。このようにシャッタ39の尖鋭部40が接触した状態で駆動ローラ30を空転させることで、駆動ローラ30の表面に付着した塵芥等の異物を除去してきれいな状態に保つことができる。
【0093】
このように、上述の動作をすることにより、駆動ローラ30の表面に付着した異物等を取り除くことができ、駆動ローラ30の表面をディスクを搬送するのに最適な状態に保つことができ、ディスクの挿入時又は排出時の搬送の不具合を防止する。
【0094】
以上のように、本発明を適用したディスクローディング機構及びディスクチェンジャー装置は、構成の複雑化、大型化を招くことなく、ディスク状記録媒体の挿入・排出を行うローラの異物等の除去を可能とし、長期間にわたりディスク状記録媒体の円滑な搬送を実現することができる。
【0095】
また、本発明を適用したディスクローディング機構及びディスクチェンジャー装置は、装置内部に、ローラのクリーニング機構を独立して駆動可能な状態で設けるとともに、省スペース、コストダウンを実現する。
【0096】
尚、上述では、複数のディスクがそれぞれ載置される複数のトレイを有し、複数のディスクが収納されるディスク収納部と、複数のディスクのうち何れか一枚のディスクを選択うするディスク選択手段を備えるディスクチェンジャー装置の例について説明したが、本発明は、一枚のディスクのみを収納し、このディスクに対して記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
尚、本発明は、上述したディスクチェンジャー装置のように、音声の再生を目的としたものに限定されず、音声の記録を行うものや、映像の記録及び/又は再生を行うものにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明を適用したディスクチェンジャー装置の装置本体の外観を示す斜視図であり、シャッタが開放状態のときの斜視図である。
【図2】ディスクチェンジャー装置の装置本体の内部構造を示す分解斜視図である。
【図3】ディスク収納部の構造を示す分解斜視図である。
【図4】ディスク挿脱装置を筐体内部から見た要部斜視図である。
【図5】ディスク挿脱装置を構成するローラ及びシャッタ機構の構成を示す図であり、シャッタが開放状態のときの断面図である。
【図6】ディスク挿脱装置を構成するローラ及びシャッタ機構の構成を示す図であり、シャッタが閉塞状態のときの断面図である。
【図7】ディスク挿脱装置を構成するシャッタに設けられたクリーニング部材の他の例を示す図であり、(a)は、シャッタ及びクリーニング部材の断面図であり、(b)は、シャッタ及びクリーニング部材の平面図である。
【図8】ディスク挿脱装置を構成するシャッタに設けられたクリーニング部材の更に他の例を示す断面図である。
【図9】ディスクチェンジャー装置の装置本体の外観を示す斜視図であり、シャッタが閉塞状態のときの斜視図である。
【図10】ディスクチェンジャー装置のブロック回路図である。
【符号の説明】
【0099】
1 装置本体、 2 ディスク、 3 ディスク収納部、 4 ディスク挿脱口、 5 ディスク挿脱装置、 6 ピックアップ装置、 7 ディスクトレイ、 9 樹脂部材、 10a,10b ピン、 11 板バネ、 11a 押え片部、 30 駆動ローラ、 31 従動ローラ、 38 シャッタ機構、 39 シャッタ、 40 尖鋭部、 41 左右スライド板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の隙間を有して設けられ、少なくとも一方が回転することにより収納部に対してディスク状記録媒体を挿入及び排出する一対のローラと、
上記一対のローラの外側に設けられ、上記所定の隙間を開閉するシャッタと、
上記一対のローラの上記ディスク状記録媒体の挿入又は排出の際の引き込み状態を検出する検出手段とを備え、
上記シャッタには、上記シャッタが上記所定の隙間を開いた状態又は閉じた状態において選択的に一方のローラに接触してローラ表面をクリーニングするクリーニング部材が設けられ、
上記検出手段の検出出力に基づいて、上記シャッタを開閉動作して上記クリーニング部材を上記一方のローラに接触して上記ローラ表面をクリーニングするディスクローディング機構。
【請求項2】
上記検出手段の検出出力に応じて、上記シャッタを開いた状態又は閉じた状態にして上記クリーニング部材を上記一方のローラに接触させ、上記一方のローラを回転させて上記ローラ表面をクリーニングする請求項1記載のディスクローディング機構。
【請求項3】
上記検出手段は、上記一対のローラの引き込み状態の不具合を検出する請求項1記載のディスクローディング機構。
【請求項4】
上記検出手段は、上記一対のローラの直近の引き込み動作から一定の時間が経過したことを検出する請求項1記載のディスクローディング機構。
【請求項5】
上記検出手段は、上記一対のローラにより挿入された上記ディスク状記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生部の出力レベルを検出する請求項1記載のディスクローディング機構。
【請求項6】
上記検出手段は、上記一対のローラの引き込み回数を検出する請求項1記載のディスクローディング機構。
【請求項7】
上記クリーニング部材は、上記シャッタに一体に設けられた尖鋭部である請求項1記載のディスクローディング機構。
【請求項8】
上記クリーニング部材は、上記シャッタに一体に設けられたローレットである請求項1記載のディスクローディング機構。
【請求項9】
上記クリーニング部材は、上記シャッタの上記一方のローラに対向する面に貼り付けられた植毛又はゴムからなる部材である請求項1記載のディスクローディング機構。
【請求項10】
ディスク状記録媒体を収納する収納部と、
上記収納部に収納されるディスク状記録媒体に対して信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生部と、
上記収納部にディスク状記録媒体を挿入し、又は、上記収納部からディスク状記録媒体を排出するディスクローディング機構とを備え、
上記ディスクローディング機構は、所定の隙間を有して設けられ、少なくとも一方が回転することにより収納部に対してディスク状記録媒体を挿入及び排出する一対のローラと、
上記一対のローラの外側に設けられ、上記所定の隙間を開閉するシャッタと、
上記一対のローラの上記ディスク状記録媒体の挿入又は排出の際の引き込み状態を検出する検出手段とを備え、
上記シャッタには、上記シャッタが上記所定の隙間を開いた状態又は閉じた状態において選択的に一方のローラに接触するクリーニング部材が設けられ、
上記検出手段の検出出力に基づいて、上記シャッタを開閉動作して上記クリーニング部材を上記一方のローラに接触してローラ表面をクリーニングするディスクドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−4202(P2008−4202A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174293(P2006−174293)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】