ディスク表面検査装置、その検査システム及びその検査方法
【課題】検査対象とする欠陥に対して検出するに十分な感度を持つよう光学系を自動調整できるようにしたディスク表面検査装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、欠陥形状とその形状を高感度に検出可能な光学系の配置との関係をデータベース化しておき、さらに光学系の配置を自動で調整できる機能を有する。データベース化の手法としては光学シミュレーションを用いた手法や、任意形状を有するサンプルを用いた実験的手法を適用する。入力した欠陥形状に対してデータベースに基づき、最適な光学系の配置になるよう自動的にピンホール位置、ビームサイズの調整が行われる。
【解決手段】本発明は、欠陥形状とその形状を高感度に検出可能な光学系の配置との関係をデータベース化しておき、さらに光学系の配置を自動で調整できる機能を有する。データベース化の手法としては光学シミュレーションを用いた手法や、任意形状を有するサンプルを用いた実験的手法を適用する。入力した欠陥形状に対してデータベースに基づき、最適な光学系の配置になるよう自動的にピンホール位置、ビームサイズの調整が行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象とする欠陥に対して検査光学系の感度を調整し、さらに光学系の装置間の機差を低減することのできるディスク表面検査装置、その検査システム及びその検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報の記録媒体、あるいは半導体の素材としてガラスやシリコンウェハなどのディスクが使用されている。これらの素材の表面に欠陥があるときは製品の性質が劣化するので、ディスク表面検査装置により検査を行っている。ディスク表面検査装置は、ディスク表面に発生する欠陥を検出するものである。欠陥には多様な種類があり、例えば、表面に付着した微少な塵埃(パーティクル)、しみ(ステイン)、異物による擦り傷(スクラッチ)、微小な凹部(ピット)や凸部(バンプ)、または滑らかに傾斜した凸部(バンプ)や凹部(ディンプル)、ディスク受け渡し時の衝突等により生ずるディスク端部の変形(ハンドリングダメージ)、ディスク表面の研磨跡(グライド)等様々なものがある。これらの各種欠陥の効果的な検出方法としては、例えば、特開2001−66263号公報(特許文献1)に記載されているディスク表面検査装置により、ディスク表面上にレーザ光を照射し、前記各欠陥の形状、大きさ等に対してそれぞれ異なって検出される光学的性質、すなわち、前記レーザ光の反射光や散乱光を受光して欠陥を検出する方法を用いている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−66263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のディスク表面検査装置の課題としては、検査前に光学系の調整を行うとき、検査対象とする欠陥サンプルを用いて、本サンプルに対して検出するに十分な感度が得られるように、手動にてビームスポット径、ピンホール位置の調整を行っていた。そのため、新規の欠陥種が発生した場合は、光学系配置の調整を再度手動にて調整する必要があった。また欠陥サンプルを用いて実験的に調整する必要があり、調整に時間を費やす場合もあった。また装置ごとに、欠陥サンプルを用いて感度調整を手動にて行っていたため、機差が発生する可能性もあった。
【0005】
本発明の目的は、上記課題に鑑みて、検査対象とする欠陥(特に低アスペクト欠陥)に対して検出するに十分な感度を持つよう光学系を自動調整できるようにしたディスク表面検査装置、その検査システム及びその検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、レーザ光をディスク表面に照射する投光光学系と、該投光光学系で照射されたレーザ光による前記ディスク表面から得られる正反射光を受光面を通して受光する受光光学系と、該受光光学系から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備えたディスク表面検査装置であって、前記投光光学系による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径を調整する第1の調整手段と、前記受光光学系による前記正反射光を受光する受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、さらに、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを有し、該データベースから入力された検査対象とする欠陥形状に応じて十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量と受光面への受光量調整量と取得し、第1の調整手段は前記取得されるビームスポット径調整量に基づいて調整を行い、前記第2の調整手段は前記取得される受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量に基づいて調整を行うよう構成したことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記データベースには、さらに、前記ビームスポット径調整量と前記受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係のときの任意欠陥形状に対する前記受光光学系によって検出される検出強度の既知の関係データを記憶しておき、前記信号処理部は、前記受光光学系から得られる信号に基づく検出強度から前記データベースに記憶された前記既知の関係データを基に欠陥形状を推定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、第1及び第2のレーザ光の各々をディスク表面に照射する第1及び第2の投光光学系と、該第1及び第2の投光光学系の各々で照射された第1及び第2のレーザ光による前記ディスク表面から得られる第1及び第2の正反射光の各々を受光面を通して受光する第1及び第2の受光光学系と、該第1及び第2の受光光学系の各々から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備えたディスク表面検査装置であって、前記第1及び第2の投光光学系の各々による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径の各々を調整する第1の調整手段と、前記第1及び第2の受光光学系の各々による前記第1及び第2の正反射光の各々を受光する各受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記各受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、さらに、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られる第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを有し、該データベースから入力された検査対象とする欠陥形状に応じて十分な感度が得られる第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量と取得し、第1の調整手段は前記取得される第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量に基づいて調整を行い、前記第2の調整手段は前記取得される第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量に基づいて調整を行うよう構成したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記第1のレーザ光を前記第2のレーザ光に比べて前記ディスク表面に対して細く絞って照射することを特徴とする。また、本発明は、前記第1の受光光学系には、前記第1のレーザ光による前記ディスク表面から得られる反射光を第1及び第2の光路に分岐する分岐光学系と、該分岐光学系で分岐された第1の光路には正反射光を遮光して散乱光を受光する第1の受光素子と、前記分岐光学系で分岐された第2の光路には正反射光を前記受光面を通して受光する第2の受光素子とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記データベースには、さらに、前記第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と前記第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係のときの任意欠陥形状に対する前記第1及び第2の受光光学系の各々によって検出される検出強度の既知の関係データを記憶しておき、前記信号処理装置は、前記第1及び第2の受光光学系の各々から得られる信号に基づく検出強度(検出信号波形)から前記データベースに記憶された前記既知の関係データを基に欠陥形状を推定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、レーザ光をディスク表面に照射する投光光学系と、該投光光学系で照射されたレーザ光の正反射光を受光面を通して受光する受光光学系と、該受光光学系から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備え、前記投光光学系による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径を調整する第1の調整手段と、前記受光光学系による前記正反射光を受光する受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有する複数のディスク表面検査装置間において、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを共有することを特徴とするディスク表面検査システムである。
【0014】
また、本発明は、検査対象とする欠陥の形状情報の入力を行う第1のステップと、入力された欠陥形状情報から、検出するに十分な感度が得られるビームスポット径およびピンホール位置、ピンホール径をデータベースから自動選択する第2のステップと、ビームスポット径の自動調整を行う第3のステップと、ピンホール位置、ピンホール径の自動調整を行う第4のステップとを有し、第4のステップ後、必要に応じて、形状が既知な実欠陥サンプルの測定を行うことを特徴とする。本サンプルに対してはデータベースにより、予め目標として得られる信号強度がわかっている。測定結果と目標値を比較して測定値が目標感度近傍の領域に入っていれば調整完了とし、目標感度近傍領域に入っていなければ、再度ビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の微調整を行い、目標感度領域に入るまで調整する。本手法により、任意欠陥形状に感度を微調整することが可能となる。第5のステップとしては調整された光学系にて検査可能な欠陥範囲を出力画面に表示させる。
【0015】
また複数の装置間で前記データベースを共有し、ある基準とする装置にて検査対象とする欠陥に対して感度が得られるよう光学系の調整を行い、他の装置に対して同じ光学系の調整を行うことによって装置間の機差を低減する。
【0016】
また前記データベースを基に、検出信号波形から逆に欠陥形状の推定を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光学系の配置の自動調整機構を備えることによって、任意形状欠陥に対して、検出するに十分な感度を持つよう光学系の自動調整が可能となる。
【0018】
また、本発明によれば、欠陥形状と、その欠陥を検出するに十分な感度を持つ光学系の配置の関係をデータベース化することによって、装置GUIにて容易に調整ができるという優れた効果を持つ。
【0019】
また、本発明によれば、複数の装置間でデータベースを共有することによって、装置間の機差を低減することが可能となる。
【0020】
また、本発明によれば、データベースを元に、検出信号波形から欠陥形状の推定を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係るディスク表面検査方法及びディスク表面検査装置の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
ところで、ディスク表面に存在する滑らかに傾斜した凹凸欠陥には、上述した凸欠陥(バンプ)や凹欠陥(ディンプル)以外にも「しわ状」と呼ばれる欠陥(以下、Wrinkle欠陥と呼ぶ)が形成されることがある。Wrinkle欠陥は、ディスク製造においてディスクが熱収縮する過程で発生する欠陥である。これらの欠陥形状特徴を図2に示す。図2(a)はディスク全面を示し、図2(b)、(c)、(d)はバンプ、ディンプル、Wrinkle欠陥が発生している箇所α、β、γの拡大図をそれぞれ示す。また図2(b)の断面プロファイルを図2(e)に、図2(c)の断面プロファイルを図2(f)に、図2(d)の断面プロファイルを図2(g)にそれぞれ示す。凹凸欠陥はガウシアン分布に類似した形状であり、Wrinkle欠陥は線状、あるいは円弧状の凹凸が周期的に発生する欠陥である。これらの表面上の凹凸が欠陥になりうる理由として、HDDに関して言えば、凹凸欠陥高さはヘッド浮上量以上であるため、ヘッドのクラッシュを引き起こしたり、ヘッドの非追従を引き起こしたりする。またWrinkle欠陥高さはヘッドの浮上量以下であるが、本欠陥がディスク表面に存在するとヘッドの浮上量が安定せず、磁気の読み書きの精度に影響を与えるのである。
【0023】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る第1の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係るディスク表面検査装置の第1の実施の形態を示す全体概略構成図である。本発明に係るディスク表面検査装置は、投光光学系100、200と受光光学系120、210とを各々備える2系統の光学系(101〜114)と光学系(201〜206)とにより構成され、投光光学系100、200と受光光学系120、200とがディスク301の表面上の複数欠陥を検出できるように所定位置に配置される。この第1の実施の形態においては、第1の投光光学系100及び第1の受光光学系120で「ピット」、「ハンドリングダメージ」、「ステイン」、「パーティクル」、「スクラッチ」といった微小欠陥を各々検出し、第2の投光系200及び第2の受光光学系210で「バンプ」、「ディンプル」、「Wrinkle」欠陥といったなだらかな表面凹凸を各々検出する。このように欠陥の種類に対応して複数の光学系を設けて構成される。
【0024】
第1の投光光学系100は、微小欠陥を検出できるように、例えばレーザ光をディスク301の表面上に細く絞り込んだビームスポット径116を形成して投光するように、例えばレーザ光を出射する第1の投光素子101と第1のビームスポット径調整機構102とを備えて構成される。第2の投光光学系200は、なだらかな表面凹凸を検出できるように、欠陥の検知が可能な所定の幅を持つ平行光(例えば平行レーザ光)をディスク301の表面上に投光するように、例えばレーザ光を出射する第2の投光素子201と第2のビームスポット径調整機構202とを備えて構成される。そして、2系統のビームが投光されたディスク301の表面上の同位置はステージ302により例えば螺旋状に走査される。
【0025】
そして、ディスク301の表面上に欠陥があるときには、前記投光されたビームスポットが散乱するので、その散乱光を各受光光学系120、210により受光して複数の欠陥データ信号を得ている。すなわち、第1の投光光学系100によって投光された細く絞ったビームスポット116によってディスク301の表面から得られる反射光の内、集光レンズ106で集光され、分岐光学系107で分岐され、正反射光成分を遮光し、散乱光成分を透過するフィルタ108を通して得られる散乱光の明視野成分(0次回折光(正反射光)に近い成分)を第1の受光素子115で受光し、前記散乱光の暗視野成分(高次回折光成分)を第2の受光素子104、105により受光する(ただし、ディスク表面から低角度の方向に散乱される暗視野分を受光素子105に、高角度の方向に散乱される暗視野分を受光素子104により受光している)。そして、第1の投光光学系100によって投光されたビームスポット116によるディスク301の表面からの反射光の内、分岐光学系107で分岐された正反射光を受光素子103が受光し、第2の投光光学系200によって投光された所定の幅を持った平行光207によるディスク301の表面からの正反射光を受光素子208が受光する。ディスク301の表面に欠陥があるときには、正反射光が増光・減光されて各受光素子103、208に受光されることになる。このように、各受光素子103〜105、115、208は、欠陥の種類によってその光の強弱が異なる正反射光や散乱光に対応させて受光するように設けられている。また、各受光素子103〜105、115、208は、効率よく目的とする光(すなわち、正反射光や散乱光)を受光するために、分岐光学系107、フィルタ108、正反射光を受光する(通す)受光面であるフィルタ(ピンホール:絞り)109、正反射光を受光する(通す)受光面であるフィルタ(ピンホール:絞り)203や集光レンズ106、113、114等の素子が設けられている。勿論、ディスク表面検査装置は上述した構成だけに限られるものではない。前記各受光素子103〜105、115、208により受光された光は、所定の回路(周波数フィルタ404)等を介して各々欠陥データ信号に変換されて、信号処理装置401の信号強度判定部4014に入力される。各受光素子が受光することによって得られた欠陥データ信号は、ディスク表面上の所定の単位セル(例えば、ディスクの半径方向の微小距離Δrと円周方向の微小距離Δθとで形成される微小な方形セル)に対応して座標変換部4016で座標変換されてメモリのアドレスに記憶される。さらに、形状による欠陥判定部4017は、記憶されたアドレスの連続性、密度等欠陥の形状特徴から欠陥判定を行う。欠陥検出部4018は、欠陥と判定された結果を出力装置(操作端末)403から出力する。なお、各受光素子103〜105、115、208はフォトマル(光電子増倍管)等で形成される。
【0026】
ところで、第2の投光光学系200及び第2の検出系210で検出するディスク表面に存在する滑らかに傾斜した凹凸欠陥には、上述した凸欠陥(バンプ)や凹欠陥(ディンプル)以外にも「しわ状」と呼ばれる欠陥(以下、Wrinkle欠陥と呼ぶ)が形成されることがある。Wrinkle欠陥は、ディスク製造においてディスクが熱収縮する過程で発生する欠陥である。これらの欠陥形状特徴を図2に示す。図2(a)はディスク全面を示し、図2(b)、図2(c)、図2(d)はバンプ、ディンプル、Wrinkle欠陥が発生している箇所α、β、γの拡大図をそれぞれ示す。また図2(b)の断面プロファイルを図2(e)に、図2(c)の断面プロファイルを図2(f)に、図2(d)の断面プロファイルを図2(g)にそれぞれ示す。凹凸欠陥はガウシアン分布に類似した形状であり、Wrinkle欠陥は線状、あるいは円弧状の凹凸が周期的に発生する欠陥である。これらの表面上の凹凸が欠陥になりうる理由として、HDDに関して言えば、凹凸欠陥高さはヘッド浮上量以上であるため、ヘッドのクラッシュを引き起こしたり、ヘッドの非追従を引き起こしたりする。またWrinkle欠陥高さはヘッドの浮上量以下であるが、本欠陥がディスク表面に存在するとヘッドの浮上量が安定せず、磁気の読み書きの精度に影響を与えるのである。
【0027】
そこで、例えば第2の投光光学系200でディスク301の表面に投光された平行光207による正反射光を第2の検出系210の受光素子208が受光することによって低アスペクト(表面凹凸)欠陥の検出を行っている。低アスペクト欠陥の検出原理について図3を用いて説明する。第2の投光光学系200は欠陥の検知が可能な程度に所定の幅を持つ平行光207をディスク301表面に投光して、その正反射光についてフィルタ(ピンホール)203を介して受光素子208により受光される構成となっている。図3(b)に示すように、ディスク301表面に凹欠陥3011が存在する場合には、凹欠陥3011は凸レンズのような働きをし、平行光207は集光されてフィルタ(ピンホール)203を通して受光素子208に受光される。このとき受光素子208によって検出される信号レベルは受光量の増加に伴って図3(d)に示すように増加されるため、例えば、しきい値2083により凹欠陥3011を検出することが可能となる。また、図3(c)に示すように、ディスク301の表面に凸欠陥3012が存在する場合には、凸欠陥3012は凹レンズのような働きをし、平行光は広がり、フィルタ(ピンホール)203を通して受光素子208に受光される。このとき受光素子208によって検出される信号レベルは受光量の減少に伴って図3(e)に示すように減少されるため、例えば、しきい値2084により凸欠陥3012を検出することが可能となる。
【0028】
以上説明したように、図3では第2の投光光学系200として平行光207を用いた検出原理について説明したが、第2の投光光学系200として図4に示すように収束光(ビームスポット光)209を用いても同様にディスク301の表面の凹凸欠陥3011、3012を検出することが可能である。収束光209の場合、すでにビームが発散した状態でディスク301の表面に照射されるため、光学系の調整の仕方が図3の光学系のときとは異なることになる。
【0029】
このように、第2の投光光学系200で投光された例えば平行光207の正反射光を第2の検出系210の受光素子208が受光することによってディスク301の表面のなだらかな凹凸欠陥を検出することができることになる。図5には、前記光学系200,210を用いて、図2に示した凹凸欠陥およびWrinkle欠陥に対して検出を行った結果を示す。図2と図5を比較すると高さの凹凸と信号強度の凹凸が逆転している。これは図3の検出原理に示したように凹欠陥が信号強度の増加となり、凸欠陥が信号強度の減少となるためである。しかし、検出信号の幅や周期は元の欠陥形状と同じである。
【0030】
次に、本発明の特徴とする図1に示す信号処理装置401が実行する感度調整の一実施の形態について図面を用いて説明する。即ち、第1の投光光学系100にはビームスポット径の調整を行う第1のビームスポット径調整機構102を備え、第1の検出系120にはピンホール109の光軸方向の位置調整を行う第1のピンホール位置調整機構110とピンホール109のピンホール径の調整を行う第1のピンホール径調整機構112とを備えて構成される。同様に、第2の投光光学系200にはビームスポット径の調整を行う第2のビームスポット径調整機構202を備え、第2の検出系210にはピンホール203の光軸方向の位置調整を行う第2のピンホール位置調整機構204とピンホール203のピンホール径の調整を行う第2のピンホール径調整機構206とを備えて構成される。また、これらの機構102、202は信号処理装置401のビームサイズ調整制御部4012で調整制御され、機構110、112、204、206は信号処理装置401のピンホール位置・ピンホール径調整制御部4013で調整制御される。またこれらの機構102、202、110、112、204、206は操作端末403のGUI等の操作画面から信号を入力することによって自動調整が可能である。
【0031】
次に、本発明に係る感度調整について図6に示すフローチャートの第1の実施例を用いて説明する。データベース4011には、予めシミュレーションあるいは実験によって、ディスク301上の検査対象欠陥の形状情報402と、その欠陥形状を検出するのに十分な感度を持つ光学系(投光光学系100,200及び受光光学系120,210)の配置との関係が蓄積されている。従って、検査対象欠陥の形状情報(中心欠陥幅;最小凹凸(検出限界)又は最大凹−最大凸(ダイナミックレンジ))402が入力されると、ビームサイズ調整制御部4012は、上記蓄積したデータベース4011に基づき、最適なビームスポット径になるように第1のビームスポット径調整機構102及び第2のビームスポット径調整機構202を自動調整し、ピンホール位置・ピンホール径調整制御部4013は、最適な光軸方向のピンホール位置になるように第1及び第2のピンホール位置調整機構110、204を自動調整し、最適なピンホール径になるように第1及び第2のピンホール径調整機構112、206を自動調整する。また、感度調整が完了すると(S100)、出力装置(操作端末)403には、入力された欠陥形状を元に検査可能な欠陥形状範囲が表示される。ここで一実施例として、中心欠陥幅を入力することによって、検出可能な欠陥幅範囲が決定され、最小凹値及び最小凸値(検出限界)を指定した場合は、光学配置より検出可能な最大凹−最大凸の範囲(ダイナミックレンジ)が自動で決定され、最大凹−最大凸の範囲(ダイナミックレンジ)を指定した場合は、最小凹値及び最小凸値(検出限界)が自動で決定される。
【0032】
次に、本発明に係る第1の光学系100及び120又は第2の光学系200及び210に適用できる感度調整における欠陥形状と、ビームスポット径、ピンホール位置および出力信号との関係について図7を用いて詳細を説明する。ディスク301の表面に投光される平行光207、102のビームスポット径Wはビームサイズ調整制御部4012によりビームスポット径調整機構202,102を用いて自動で変更調整されることが可能である。また、光軸方向のピンホール203、109の位置(距離)Lはピンホール位置・ピンホール径調整制御部4013によりピンホール位置調整機構204,110を用いて自動で変更調整されることが可能である。図8(a)は欠陥幅とビームスポット径との関係を示す。図8(b)はビームスポット径Wに対して欠陥幅W0が小さいときを示し、図8(c)はビームスポット径Wと欠陥幅Wがおよそ一致するときを示し、図8(d)はビームスポット径Wに対して欠陥幅W2が大きいときを示す。欠陥幅にビームスポット径を合わせることによって、任意幅の欠陥に感度を調整することが可能である。ここで、欠陥幅とビームスポット径がおよそ一致するときは最も集光特性がよいが、多少幅がずれていても、集光は生じるため、任意のビームスポット径に対して検出可能な欠陥幅は範囲を持つ。
【0033】
次に、本発明に係る欠陥高さとピンホール位置との関係を図9に示す。図9(a)は欠陥頂点での曲率(=高さ)と検出強度の関係を示す。図9(e)に示す曲率0は無欠陥を示し、図9(f)〜(g)に示す正の曲率は凸欠陥を示し、図9(b)〜(d)に示す負の曲率は凹欠陥を示す。光学系の集光発散の特性より、欠陥曲率と検出強度は反比例の関係にあるため、凸部では検出強度は減少し、凹部では検出強度は増加する。そして曲率1/(2L)の地点で検出強度が極大値となる。ここで曲率1/(2L)となる地点は図9(b)に示すように、集光点220がピンホール位置となる曲率である。これ以上に曲率が負側に大きくなると、一度集光した光が発散光となるため、検出強度は減少する。
【0034】
本発明に係るディスク表面の凹凸欠陥の測定においては、測定したい凹凸欠陥の高さ範囲が高さ0近傍領域に収まるように光学系の設計を行う。この領域では図9(a)の拡大図の実線に示すように線形な応答になることがわかっている。つまり図9(c)〜(g)に示すように凹凸変化と検出強度変化を線形関係として捉えることが可能となる。
【0035】
次に、本発明に係るピンホール位置変化による感度調整について説明する。図10(a)はピンホール203、109の位置L1を図7のとき基準距離L(曲率1/(2L)は、図9(b)に示すように、集光点220がピンホール位置となる曲率である。)よりも光軸方向に対してディスク表面から離した状態を示す(L<L1)。この場合、極大値の曲率1/(2L1)の地点は図10(b)に示すように0に近づくため、図10(b)の拡大図の実線で示すように頂点曲率(高さ)が0近傍において感度が高くなる。これは、図10(c)〜(e)に示すように、ピンホール203、109の位置L1を光軸方向に基準距離Lより離すことによって、わずかな凹凸変化でも大きな強度変化として捕らえることができるようになることに対応する。ただし、この場合、検出可能な最大凹−最大凸の範囲(ダイナミックレンジ)が狭まるという不利点がある。また図11(a)はピンホール203、109の位置L2を図7のときの基準距離Lよりも光軸方向に対してディスク表面に近づけた状態を示す(L>L2)。この場合、極大値の曲率1/(2L2)の地点は図11(b)に示すように0から遠ざかるため、図11(b)の拡大図の実線で示すように頂点曲率(高さ)が0近傍において感度が低くなる。これは、図11(c)〜(e)に示すように、ピンホール203、109の位置L2を光軸方向に基準距離Lより近づけることによって、ダイナミックレンジを広げて大きな凹凸変化でも検出することができるようになることに対応する。ただしこの場合、同じノイズレベルのセンサを用いた場合、わずかな凹凸変化が検出できないという不利点がある。
【0036】
以上説明したように、ピンホール203、109の位置を光軸方向に基準距離Lよりも離したり、近づけたりすることによって、高感度にし、より小さな凹凸欠陥を検出したり、ダイナミックレンジを広げてより大きな凹凸欠陥を検出したりすることが可能となる。
【0037】
次に、本発明に係る第1の光学系100及び120又は第2の光学系200及び210に適用できるディスク表面で一度集光させる光学系に関して欠陥形状と、ビームスポット径およびピンホール位置の関係について図12を用いて詳細に説明する。ビームスポット径Wおよびピンホール203、109の位置Lはビームスポット径調整機構202、102及びピンホール位置調整機構204、110を用いて自動で変更が可能である。図13(a)、(b)、(c)、(d)は欠陥幅W0,W,W2、ディスク表面から集光点までの距離F、およびビームスポット径Wとの関係を示す。ディスク表面から焦点までの距離Fを変えることによってビームスポット径Wを欠陥幅W0,W,W2に合わせ、感度を調整することが可能となる。
【0038】
次に、本発明に係る欠陥高さとピンホール位置との関係を図14に示す。図14(a)は欠陥頂点での曲率(=高さ)と検出強度の関係を示す。図9の平行光の場合と異なり、曲率(1/(2L))+(1/(2F))にて極大値となる。これは図14(b)に示すように発散光の状態でディスク表面を照射するため、元の曲率1/(2L)に焦点位置からの曲率1/(2F)が加わった曲率となる。また高さ0近傍では、図14(a)の拡大図の実線並びに図14(c)〜(g)に示すように凹凸変化と検出強度変化を線形関係として捉えることが可能となる。
【0039】
次に、本発明に係るピンホール位置変化による感度調整について説明する。図15(a)は、ピンホール203、109の位置L1を図12のときの基準距離Lよりも光軸方向に対してディスク表面から離した状態を示す(L<L1)。ここでFはビームスポット径Wを決める際に固定値になるので、ピンホール203、109の光軸方向の位置L1によってのみ感度が調整される。この場合、極大値が0に近づくため、図15(a)の拡大図の実線で示すように0近傍において感度が高くなる。一方、図15(b)はピンホール203、109の位置L2を図12のときの基準距離Lよりも光軸方向に対してディスク表面に近づけた状態を示す(L>L2)。この場合、極大値は図15(b)に示すように0から遠ざかるため、図15(b)の拡大図の実線で示すように0近傍において感度が低くなる。
【0040】
次に、本発明に係るピンホール径が感度に与える影響について図16を用いて説明する。図16(a)のピンホール径を基準サイズとする。ピンホールサイズの調整はピンホール径調整機構206、112を用いて行う。図16(b)は基準に比べてピンホール径が小さく、図16(c)は大きい場合をそれぞれ示す。図16(d)は図16(b)に対する感度応答を示し、図16(e)は図16(c)に対する感度応答を示す。図16(d)に示すピンホール径が小さい場合は集光点近傍での感度が急峻になる。そのため、集光点近傍の感度は図16(f)に実線で示すように高感度になり、集光点から離れた地点での感度は図16(g)に示すように低感度になる。一方、ピンホール径が大きい場合は集光点近傍での感度がなだらかとなる。そのため、集光点近傍の感度は図16(h)に示すように低感度になり、集光点から離れた地点での感度は図16(i)に示すように高感度になる。
【0041】
以上説明したように、本発明に係るディスク表面検査装置において、光学系のビームスポット径の調整によって欠陥幅に対する感度調整を行い、ピンホール位置、ピンホール径を調整することによって欠陥高さに対する感度調整を行い、任意形状を有する欠陥に対して感度調整を行うことが可能となる。
【0042】
また、ピンホール位置とピンホール径の調整を同時に行うことによって、調整のための可動範囲を小さくし、大きな感度調整が可能となる。
【0043】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る第2の実施の形態であるディスク表面検査装置に用いる任意形状の欠陥とその形状に感度調整された光学系の配置のデータベース作成方法について説明する。データベース作成方法は(1)光学シミュレーションを用いた作成と、(2)実験に基づく作成との2つにわけられる。
【0044】
まず、(1)光学シミュレーションによるデータベース作成方法について説明する。使用する光学シミュレータとしては、例えば、レンズ設計や、照明解析に用いられる光線追跡シミュレータによって実現可能である。光学シミュレータは、例えば操作端末403に接続して構成される。光学シミュレータに入力される光学系のモデルは、図7及び図12に示した光学系配置(第1及び第2の投光光学系200、100の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系210、120の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係)であり、ディスク表面検査装置の設計データを基にして配置される。また、光学シミュレータに入力されるディスク表面上の欠陥モデルとしては、図17(a)、(b)に示す凹凸欠陥となる。該凹凸欠陥の形状分布としては、例えば実際の凹凸欠陥形状に近いガウス分布を想定する。ここで可変パラメータとしては欠陥幅、高さ又は深さである。図17(c)には欠陥幅、高さ又は深さを変化させたときの欠陥形状のリストを示す。光学シミュレータによるシミュレーションの解析手順を図18(a)に示す。光学シミュレータは、第1にビームスポット径を選択し(S181)、第2にピンホール位置、ピンホール径を選択し(S182)、さらに、第3に欠陥形状としてある幅の欠陥を選択し(S183)、第4に第3で選択されたある幅を持つ欠陥の高さを連続的に変化させて(184)、そのときに得られる検出強度を求める。そして、光学シミュレータは、図18(b)に示すような、ある幅を持つ欠陥に対して高さを変化させたときの検出強度との関係を求める。本解析により最小凹凸欠陥高さ(検出限界)と最大凹欠陥高さ−最大凸欠陥高さの幅(ダイナミックレンジ)の決定を行う。ここで最小凹凸欠陥高さの決定は事前に装置ノイズの測定を行っておき、ノイズ信号強度とのS/N比から決定される。また最大凹凸欠陥高さの決定は検出器のダイナミックレンジにより決定される。同様の解析を、欠陥幅を変化させた場合に対しても行い、図18(c)に示すように、ある光学配置での欠陥幅および欠陥高さに関する検査可能欠陥範囲が決定される。以上の解析をビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径を変えて実行し、データベース4011の作成を行う。
【0045】
続いて、光学シミュレータに入力されるディスク表面上の欠陥モデルがWrinkle欠陥である場合について図19を用いて説明する。Wrinkle欠陥の形状分布としては一実施例として実際の欠陥形状に近い図19(a)に示す正弦波を想定する。ここで可変パラメータとしては欠陥周期、振幅である。光学シミュレータは、凹凸欠陥解析時と同様に、ビームスポット径の選択、ピンホール位置、ピンホール径の選択後に図19(b)に示すさまざまな周期、振幅の欠陥検出をシミュレーションし、検出可能な欠陥幅および、最小Wrinkle欠陥高さ(検出限界)と最大Wrinkle欠陥高さ(ダイナミックレンジ)の決定を行う。
【0046】
上記データベース化により、信号処理装置401は、ビームスポット径および、ピンホール位置、ピンホール径を決めたときの検出限界欠陥凹凸および、ダイナミックレンジを求めることにより、ユーザが得たい欠陥形状情報を入力することによって逆に光学系の配置(ビームスポット径および、ピンホール位置、ピンホール径)を決定することが可能となる。
【0047】
次に、(2)実験によるデータベース作成方法について図20を用いて説明する。例えば、任意の形状を有する実欠陥を多数入手可能な場合は、図20(a)に示すように欠陥形状を3次元形状測定機(図示せず)にて測定し、欠陥形状リストを作成する。そして、光学シミュレータは、シミュレーション解析時と同様に、ビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径を選択し、その条件での検出限界凹凸欠陥高さとダイナミックレンジの決定を行う。ただし、シミュレーション時と異なり、入手可能な欠陥形状は離散的であるために、図20(b)に示すように最小二乗法などにより近似曲線を求め、求まった近似曲線から検出限界凹凸欠陥高さとダイナミックレンジの決定を行う。
【0048】
前記実験は任意形状を有する実欠陥サンプルが多数入手可能な場合を想定したが、実際には任意形状サンプルの入手は困難であり、前記手法が適用できない可能性もある。そこで実験的にデータベースを作成する方法として、図21に示す方法が考えられる。ただし本手法では調整は周期欠陥(Wrinkle欠陥)に対して行われることになる。被測定サンプルとして表面粗さの異なるサンプルを多数用意する。一例として表面粗さの異なるサンプルの作成方法として、ディスクの研磨工程において、研磨時間の異なるサンプルを用いることによって高さの異なるサンプルを容易に作成可能である。こうして例えば粗さの異なるサンプル(図21(a)、図21(b)、図21(c)に示す)を作成する。次に前記サンプルの3次元形状測定を行い、測定データをフーリエ変換し、図21(d)、図21(e)、図21(f)に示すように周波数成分ごとの振幅を求める。これらの周波数成分を図21(g)にまとめて示す。本サンプルにより、任意周期f1で振幅A1、A2、A3の異なるサンプルを準備可能となる。本サンプルに対してシミュレーション解析時と同様にビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径を選択し、その条件での検出限界凹凸欠陥高さとダイナミックレンジの決定を行う。図22(a)はあるビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の条件にてサンプル測定を行ったときに得られる出力信号に対してフーリエ変換し、周波数解析を行った結果の一例である。周波数1/f1に対応する信号振幅が周期f1の形状に対する検出強度を示すことになる。振幅A1を持つサンプルAに対する出力強度はB1、振幅A2を持つサンプルBに対する出力強度はB2、振幅A3を持つサンプルCに対する出力強度はB3となる。こうして図22(b)に示すように任意周期のサンプルに対して欠陥高さと検出強度の関係を求めることが可能となる。ただし粗さ振幅は離散的であるために、最小二乗法などにより、近似曲線を求め、求まった近似曲線から検出限界凹凸欠陥高さとダイナミックレンジの決定を行う。
【0049】
本手法を用いると、図23に示すように周期欠陥と曲率が等しい凹欠陥に対しても感度を持つように調整されることになる。よって任意の凹凸欠陥に対して感度調整を行いたい場合は同じ曲率をもつ周期欠陥に対して調整を行えばよい。また実際の欠陥は図24に示すように単一周期ではなくいくつかの周期から形成されている場合が多い。この場合は振幅は含まれる周期の振幅の和として評価する必要がある。以上がデータベースの作成方法である。
【0050】
前記で説明した手法により、図6に示したフローチャートが実現可能となる。検査対象欠陥形状は、例えば、信号処理装置401に接続された図25に示す装置GUI405を用いてユーザにより入力され、該入力データを元に、データベース4011に基づいて調整制御部4012、4013によりビームスポット径、及びピンホール位置、ピンホール径が自動調整される。装置画面には調整された光学系配置にて検査可能な欠陥範囲403が表示される。
【0051】
またフローチャートの第2の実施例を図26に示す。検査対象欠陥を指定し(402)、データベース4011に基づきビームスポット径、及びピンホール位置、ピンホール径を自動調整するところまでは図6と同様である。調整後、形状が既知な実欠陥サンプルの測定を行う(S261)。本サンプルに対してはデータベース4011により、予め目標として得られる信号強度がわかっている。信号強度判定部4014は測定結果と目標値を比較して測定値が目標感度近傍の領域に入っていれば調整完了とし(S100)、目標感度近傍領域に入っていなければ、再度ビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の微調整を行い、目標感度領域に入るまで調整する。その結果、装置画面には調整された光学系配置にて検査可能な欠陥範囲403が表示される。
【0052】
検査対象欠陥の入力は、例えば、信号処理装置401に接続された図27に示す装置GUI406を用いてユーザにより入力され、該入力データを元に、データベース4011に基づいて調整制御部4012、4013によりビームスポット径、及びピンホール位置、ピンホール径が自動調整される。装置画面406には検出可能な欠陥範囲が表示される。さらに実サンプル形状入力画面があり、測定するサンプル形状の入力を行う。するとデータベース4011より、目標感度領域が設定され、信号強度測定部4014は測定結果がその領域に入っているかの判定を行う。領域に入っていなければ、自動あるいはユーザの判断で調整制御部4012、4013により再度ビームスポット径およびピンホール位置、ピンホール径の微調整を行う。目標感度領域に入っていれば、光学系の調整完了(S100)とする。
【0053】
[第3の実施の形態]
本発明に係る装置間(ディスク表面検査装置間)の機差低減を行う第3の実施の形態について図28を用いて説明する。まず、基準装置において、検査対象欠陥402を入力し、装置間においてネットワーク411を介して共有されるデータベース4011に基づいて調整制御部4012、4013によりビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の調整を行う。本光学条件にてある評価サンプルの測定を行い、基準装置における測定データとして装置間において共有されるデータベース4011(ネットワーク411を介して共有するサーバでも良い。)に保存する(S281)。
【0054】
次に、較正装置において、基準装置で設定した検査対象欠陥と同じ値402を入力し、装置間においてネットワーク411を介して共有されるデータベース4011に基づいて調整制御部4012、4013によりビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の調整を行う。この光学条件にて、基準装置で測定した同じ評価サンプルの測定を行う(S282)。ここで測定した評価サンプルの測定結果に関して、理想的には基準装置で測定した結果と、較正装置で測定した結果とは等しくなるはずである。しかし、装置間には機差が発生するため、必ずしも一致はしない。そこで例えば点線で示すネットワーク411を介して得られる基準装置で測定した結果(装置間において共有されるデータベース4011に格納される。)と較正装置で測定した結果(装置間において共有されるデータベース4011に格納される。)との機差を例えば較正装置における信号強度判定部4014において判定し(S283)、該機差があるしきい値以下となるように他の装置(例えば較正装置)のビームスポット径、及びピンホール位置、ピンホール径の微調整を行う。
【0055】
以上説明したように、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られる第1及び第2の投光光学系200、100の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系210、120の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベース4011を装置間(ディスク表面検査装置間)で共有することによって、ビームスポット径、及びピンホール位置、ピンホール径の微調整を高速で機差なく行うことが可能となる。
【0056】
ここで前記評価サンプルおよび評価パラメータについて説明する。図29は評価サンプルとして凹欠陥サンプルを用いたときの較正装置のGUI画面407である。較正装置において、GUI画面407を用いて検査対象欠陥については基準装置と同じ値を入力する。そして、較正装置の例えば信号強度判定部4014において、基準装置にて凹欠陥を測定したデータと較正装置にて凹欠陥を測定したデータとの差分(機差)をとり、各位置での差分の和があるしきい値以下となれば、較正完了とし(S284)、しきい値以上であれば再度ビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の微調整を行い、しきい値以下となるまで繰り返す。
【0057】
また評価サンプルとしては、図21で説明した粗さサンプルを用いてもよい。該粗さサンプルを用いた場合は、図30の較正装置のGUI画面408に示すように測定結果を周波数解析し、周波数解析された基準装置データと周波数解析された較正装置データとの差分(機差)を求め、その差分の和があるしきい値以下となるように光学系の微調整を行う。
【0058】
また評価パラメータとしては、図31の較正装置のGUI画面409に示すように粗さサンプルを全面測定した結果の画像を用いてもよい。この場合、基準装置での取得したデータを画像にする。データの画像化手法としては例えば、螺旋状に走査し、得られた1次元配列信号(極座標)に対して座標変換を行い、ディスク画像(直交座標)の生成を行う。本手法によって基準装置での取得画像および較正装置での取得画像の生成を行い、その差画像(機差)を求める。求まった差画像の各画素の差分を求め、その差分の和があるしきい値以下となるように光学系の微調整を行う。
【0059】
以上説明した方式により装置間の機差低減が可能となる。
【0060】
[第4の実施の形態]
図13〜図16で示したようにある光学系配置(第1及び第2の投光光学系200、100の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系210,120の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係)のときの任意欠陥形状に対する第1及び第2の受光光学系210,120の各々によって検出される検出強度のデータベース4011を作成することにより、形状が未知のディスク表面を測定したときに得られる検出強度から表面に存在する欠陥形状を推定することが可能となる。その第4の実施の形態について図32に示す。図32(a)はフローチャートを示す。まず形状が未知のディスクを測定し、測定信号が装置に入力されることからスタートする(S321)。例えば、形状による欠陥判定部4017において、出力信号波形からデータベース4011に基づき、もっとも形状が類似している信号強度波形を選択することによってディスク表面に存在する欠陥形状を推定することが可能となる(S322)。測定波形とデータベース波形との一致度の評価方法の一実施例として最小二乗法による評価が考えられる。こうしてもっとも一致する波形に対応する欠陥形状が未知のディスク表面に存在すると推定される。出力画面の実施例410、411としては図32(b)に示すように出力信号強度より推定される欠陥形状の表示を行う、あるいは図32(c)に示すようにディスク全面を検査したときの存在する欠陥番号とその形状情報(幅、高さ)を表示するといった形態が実施可能である。
【0061】
[第5の実施の形態]
図7や図12に示す光学系の検出特性に関して、図33(a)に示すように、ある検出強度に対応する欠陥高さが2つ存在する可能性が考えられる。この場合、一意に欠陥高さを求めることはできない。この場合は光学条件を変えて2回検査行うことによって一意に欠陥高さを求めることが可能である。例えば図33(c)で検査した結果図33(a)の状態であるとする。このとき図33(d)に示す条件で検査した場合、図33(b)に示すように2つの欠陥に対する検出強度は異なるため、図33(c)、図33(d)の2回検査によって弁別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るディスク表面検査装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】本発明に係る欠陥検出処理が対象とする欠陥の特徴を示した図である。
【図3】本発明に係るディスク表面凹凸欠陥の検出原理を示した図である。
【図4】図3とは異なるディスク表面凹凸欠陥の検出原理を示した図である。
【図5】図2で示した欠陥を図3及び図4で示した光学系によって検出した場合の欠陥検出信号強度の特徴を示した図である。
【図6】本発明に係る検査対象欠陥に対する光学系調整のフローの第1の実施例を示した図である。
【図7】本発明に係る光学系の一実施の形態を示す図である。
【図8】図7に示した光学系においてビームスポット径と検出強度との関係を示した図である。
【図9】図7に示した光学系においてピンホール位置と検出強度との関係を示した図である。
【図10】図7に示した光学系においてピンホール位置と欠陥検出感度との関係を示した図である。
【図11】図7に示した光学系においてピンホール位置と欠陥検出感度との関係を示した図である。
【図12】本発明に係る光学系の他の一実施の形態を示す図である。
【図13】図12に示した光学系においてビームスポット径と検出強度との関係を示した図である。
【図14】図12に示した光学系においてピンホール位置と検出強度との関係を示した図である。
【図15】図12に示した光学系においてピンホール位置と欠陥検出感度との関係を示した図である。
【図16】本発明に係るピンホールサイズと欠陥検出感度との関係を示した図である。
【図17】本発明に係る凹凸欠陥形状の光学シミュレーションモデルを示した図である。
【図18】本発明に係る光学シミュレーションによる光学系配置のデータベース作成方法を示した図である。
【図19】本発明に係るWrinkle欠陥形状と光学系配置の関係の光学シミュレーションによるデータベース作成方法を示した図である。
【図20】本発明に係る凹凸欠陥形状と光学系配置の関係の実験によるデータベース作成方法を示した図である。
【図21】本発明に係る粗さサンプル測定データ作成方法を示した図である。
【図22】本発明に係る粗さサンプルを用いた実験によるデータベース作成方法を示した図である。
【図23】本発明に係る欠陥形状と表面曲率の関係を示した図である。
【図24】本発明に係る実欠陥の表面形状の周波数特性を示した図である。
【図25】本発明に係る検査対象欠陥に対して光学系調整を行うための装置GUI画面である。
【図26】本発明に係る検査対象欠陥に対する光学系調整フローの第2の実施例を示した図である。
【図27】本発明に係る検査対象欠陥に対して光学系調整を行うための装置GUI画面の第2実施例である。
【図28】本発明に係る装置間の機差低減を行うための処理フローの内、基準装置側での処理フロー及び較正装置側での処理フローを示した図である。
【図29】本発明に係る装置間の機差低減を行うための装置GUI画面を示した図である。
【図30】本発明に係る装置間の機差低減を行うための装置GUI画面の第2実施例を示した図である。
【図31】本発明に係る装置間の機差低減を行うための装置GUI画面の第3実施例を示した図である。
【図32】本発明に係る検出信号波形から欠陥形状を推定する処理フローを示した図である。
【図33】図7や図12に示す光学系の検出特性の説明図である。
【符号の説明】
【0063】
100…第1の投光光学系、101…第1の投光素子、102…ビームスポット径調整装置、104、105、115…第1の散乱光受光素子、103…第1の正反射光受光素子、106、113、114…集光レンズ、107…分岐光学系、108…フィルタ、109…ピンホール、110…ピンホール位置調整装置、112…ピンホール径調整装置、120…第1の受光光学系、200…第2の投光光学系、201…第2の投光素子、202…ビームスポット径調整装置、203…ピンホール、204…ピンホール位置調整装置、206…ピンホール径調整装置、208…第2の正反射光受光素子、210…第2の受光光学系、301…ディスク、302…ステージ、401…信号処理装置、402…欠陥分類パラメータ入力装置、403…出力装置、404…アンプ回路、4011…欠陥形状と光学系配置のデータベース、4012…ビームサイズ調整制御部、4013…ピンホール位置、ピンホール調整制御部、4016…座標変換部、4017…形状による欠陥判定部、4018…欠陥検出部、405、406〜411…GUI画面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象とする欠陥に対して検査光学系の感度を調整し、さらに光学系の装置間の機差を低減することのできるディスク表面検査装置、その検査システム及びその検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報の記録媒体、あるいは半導体の素材としてガラスやシリコンウェハなどのディスクが使用されている。これらの素材の表面に欠陥があるときは製品の性質が劣化するので、ディスク表面検査装置により検査を行っている。ディスク表面検査装置は、ディスク表面に発生する欠陥を検出するものである。欠陥には多様な種類があり、例えば、表面に付着した微少な塵埃(パーティクル)、しみ(ステイン)、異物による擦り傷(スクラッチ)、微小な凹部(ピット)や凸部(バンプ)、または滑らかに傾斜した凸部(バンプ)や凹部(ディンプル)、ディスク受け渡し時の衝突等により生ずるディスク端部の変形(ハンドリングダメージ)、ディスク表面の研磨跡(グライド)等様々なものがある。これらの各種欠陥の効果的な検出方法としては、例えば、特開2001−66263号公報(特許文献1)に記載されているディスク表面検査装置により、ディスク表面上にレーザ光を照射し、前記各欠陥の形状、大きさ等に対してそれぞれ異なって検出される光学的性質、すなわち、前記レーザ光の反射光や散乱光を受光して欠陥を検出する方法を用いている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−66263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のディスク表面検査装置の課題としては、検査前に光学系の調整を行うとき、検査対象とする欠陥サンプルを用いて、本サンプルに対して検出するに十分な感度が得られるように、手動にてビームスポット径、ピンホール位置の調整を行っていた。そのため、新規の欠陥種が発生した場合は、光学系配置の調整を再度手動にて調整する必要があった。また欠陥サンプルを用いて実験的に調整する必要があり、調整に時間を費やす場合もあった。また装置ごとに、欠陥サンプルを用いて感度調整を手動にて行っていたため、機差が発生する可能性もあった。
【0005】
本発明の目的は、上記課題に鑑みて、検査対象とする欠陥(特に低アスペクト欠陥)に対して検出するに十分な感度を持つよう光学系を自動調整できるようにしたディスク表面検査装置、その検査システム及びその検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、レーザ光をディスク表面に照射する投光光学系と、該投光光学系で照射されたレーザ光による前記ディスク表面から得られる正反射光を受光面を通して受光する受光光学系と、該受光光学系から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備えたディスク表面検査装置であって、前記投光光学系による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径を調整する第1の調整手段と、前記受光光学系による前記正反射光を受光する受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、さらに、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを有し、該データベースから入力された検査対象とする欠陥形状に応じて十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量と受光面への受光量調整量と取得し、第1の調整手段は前記取得されるビームスポット径調整量に基づいて調整を行い、前記第2の調整手段は前記取得される受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量に基づいて調整を行うよう構成したことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記データベースには、さらに、前記ビームスポット径調整量と前記受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係のときの任意欠陥形状に対する前記受光光学系によって検出される検出強度の既知の関係データを記憶しておき、前記信号処理部は、前記受光光学系から得られる信号に基づく検出強度から前記データベースに記憶された前記既知の関係データを基に欠陥形状を推定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、第1及び第2のレーザ光の各々をディスク表面に照射する第1及び第2の投光光学系と、該第1及び第2の投光光学系の各々で照射された第1及び第2のレーザ光による前記ディスク表面から得られる第1及び第2の正反射光の各々を受光面を通して受光する第1及び第2の受光光学系と、該第1及び第2の受光光学系の各々から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備えたディスク表面検査装置であって、前記第1及び第2の投光光学系の各々による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径の各々を調整する第1の調整手段と、前記第1及び第2の受光光学系の各々による前記第1及び第2の正反射光の各々を受光する各受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記各受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、さらに、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られる第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを有し、該データベースから入力された検査対象とする欠陥形状に応じて十分な感度が得られる第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量と取得し、第1の調整手段は前記取得される第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量に基づいて調整を行い、前記第2の調整手段は前記取得される第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量に基づいて調整を行うよう構成したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記第1のレーザ光を前記第2のレーザ光に比べて前記ディスク表面に対して細く絞って照射することを特徴とする。また、本発明は、前記第1の受光光学系には、前記第1のレーザ光による前記ディスク表面から得られる反射光を第1及び第2の光路に分岐する分岐光学系と、該分岐光学系で分岐された第1の光路には正反射光を遮光して散乱光を受光する第1の受光素子と、前記分岐光学系で分岐された第2の光路には正反射光を前記受光面を通して受光する第2の受光素子とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記データベースには、さらに、前記第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と前記第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係のときの任意欠陥形状に対する前記第1及び第2の受光光学系の各々によって検出される検出強度の既知の関係データを記憶しておき、前記信号処理装置は、前記第1及び第2の受光光学系の各々から得られる信号に基づく検出強度(検出信号波形)から前記データベースに記憶された前記既知の関係データを基に欠陥形状を推定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、レーザ光をディスク表面に照射する投光光学系と、該投光光学系で照射されたレーザ光の正反射光を受光面を通して受光する受光光学系と、該受光光学系から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備え、前記投光光学系による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径を調整する第1の調整手段と、前記受光光学系による前記正反射光を受光する受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有する複数のディスク表面検査装置間において、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを共有することを特徴とするディスク表面検査システムである。
【0014】
また、本発明は、検査対象とする欠陥の形状情報の入力を行う第1のステップと、入力された欠陥形状情報から、検出するに十分な感度が得られるビームスポット径およびピンホール位置、ピンホール径をデータベースから自動選択する第2のステップと、ビームスポット径の自動調整を行う第3のステップと、ピンホール位置、ピンホール径の自動調整を行う第4のステップとを有し、第4のステップ後、必要に応じて、形状が既知な実欠陥サンプルの測定を行うことを特徴とする。本サンプルに対してはデータベースにより、予め目標として得られる信号強度がわかっている。測定結果と目標値を比較して測定値が目標感度近傍の領域に入っていれば調整完了とし、目標感度近傍領域に入っていなければ、再度ビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の微調整を行い、目標感度領域に入るまで調整する。本手法により、任意欠陥形状に感度を微調整することが可能となる。第5のステップとしては調整された光学系にて検査可能な欠陥範囲を出力画面に表示させる。
【0015】
また複数の装置間で前記データベースを共有し、ある基準とする装置にて検査対象とする欠陥に対して感度が得られるよう光学系の調整を行い、他の装置に対して同じ光学系の調整を行うことによって装置間の機差を低減する。
【0016】
また前記データベースを基に、検出信号波形から逆に欠陥形状の推定を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光学系の配置の自動調整機構を備えることによって、任意形状欠陥に対して、検出するに十分な感度を持つよう光学系の自動調整が可能となる。
【0018】
また、本発明によれば、欠陥形状と、その欠陥を検出するに十分な感度を持つ光学系の配置の関係をデータベース化することによって、装置GUIにて容易に調整ができるという優れた効果を持つ。
【0019】
また、本発明によれば、複数の装置間でデータベースを共有することによって、装置間の機差を低減することが可能となる。
【0020】
また、本発明によれば、データベースを元に、検出信号波形から欠陥形状の推定を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係るディスク表面検査方法及びディスク表面検査装置の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
ところで、ディスク表面に存在する滑らかに傾斜した凹凸欠陥には、上述した凸欠陥(バンプ)や凹欠陥(ディンプル)以外にも「しわ状」と呼ばれる欠陥(以下、Wrinkle欠陥と呼ぶ)が形成されることがある。Wrinkle欠陥は、ディスク製造においてディスクが熱収縮する過程で発生する欠陥である。これらの欠陥形状特徴を図2に示す。図2(a)はディスク全面を示し、図2(b)、(c)、(d)はバンプ、ディンプル、Wrinkle欠陥が発生している箇所α、β、γの拡大図をそれぞれ示す。また図2(b)の断面プロファイルを図2(e)に、図2(c)の断面プロファイルを図2(f)に、図2(d)の断面プロファイルを図2(g)にそれぞれ示す。凹凸欠陥はガウシアン分布に類似した形状であり、Wrinkle欠陥は線状、あるいは円弧状の凹凸が周期的に発生する欠陥である。これらの表面上の凹凸が欠陥になりうる理由として、HDDに関して言えば、凹凸欠陥高さはヘッド浮上量以上であるため、ヘッドのクラッシュを引き起こしたり、ヘッドの非追従を引き起こしたりする。またWrinkle欠陥高さはヘッドの浮上量以下であるが、本欠陥がディスク表面に存在するとヘッドの浮上量が安定せず、磁気の読み書きの精度に影響を与えるのである。
【0023】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る第1の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係るディスク表面検査装置の第1の実施の形態を示す全体概略構成図である。本発明に係るディスク表面検査装置は、投光光学系100、200と受光光学系120、210とを各々備える2系統の光学系(101〜114)と光学系(201〜206)とにより構成され、投光光学系100、200と受光光学系120、200とがディスク301の表面上の複数欠陥を検出できるように所定位置に配置される。この第1の実施の形態においては、第1の投光光学系100及び第1の受光光学系120で「ピット」、「ハンドリングダメージ」、「ステイン」、「パーティクル」、「スクラッチ」といった微小欠陥を各々検出し、第2の投光系200及び第2の受光光学系210で「バンプ」、「ディンプル」、「Wrinkle」欠陥といったなだらかな表面凹凸を各々検出する。このように欠陥の種類に対応して複数の光学系を設けて構成される。
【0024】
第1の投光光学系100は、微小欠陥を検出できるように、例えばレーザ光をディスク301の表面上に細く絞り込んだビームスポット径116を形成して投光するように、例えばレーザ光を出射する第1の投光素子101と第1のビームスポット径調整機構102とを備えて構成される。第2の投光光学系200は、なだらかな表面凹凸を検出できるように、欠陥の検知が可能な所定の幅を持つ平行光(例えば平行レーザ光)をディスク301の表面上に投光するように、例えばレーザ光を出射する第2の投光素子201と第2のビームスポット径調整機構202とを備えて構成される。そして、2系統のビームが投光されたディスク301の表面上の同位置はステージ302により例えば螺旋状に走査される。
【0025】
そして、ディスク301の表面上に欠陥があるときには、前記投光されたビームスポットが散乱するので、その散乱光を各受光光学系120、210により受光して複数の欠陥データ信号を得ている。すなわち、第1の投光光学系100によって投光された細く絞ったビームスポット116によってディスク301の表面から得られる反射光の内、集光レンズ106で集光され、分岐光学系107で分岐され、正反射光成分を遮光し、散乱光成分を透過するフィルタ108を通して得られる散乱光の明視野成分(0次回折光(正反射光)に近い成分)を第1の受光素子115で受光し、前記散乱光の暗視野成分(高次回折光成分)を第2の受光素子104、105により受光する(ただし、ディスク表面から低角度の方向に散乱される暗視野分を受光素子105に、高角度の方向に散乱される暗視野分を受光素子104により受光している)。そして、第1の投光光学系100によって投光されたビームスポット116によるディスク301の表面からの反射光の内、分岐光学系107で分岐された正反射光を受光素子103が受光し、第2の投光光学系200によって投光された所定の幅を持った平行光207によるディスク301の表面からの正反射光を受光素子208が受光する。ディスク301の表面に欠陥があるときには、正反射光が増光・減光されて各受光素子103、208に受光されることになる。このように、各受光素子103〜105、115、208は、欠陥の種類によってその光の強弱が異なる正反射光や散乱光に対応させて受光するように設けられている。また、各受光素子103〜105、115、208は、効率よく目的とする光(すなわち、正反射光や散乱光)を受光するために、分岐光学系107、フィルタ108、正反射光を受光する(通す)受光面であるフィルタ(ピンホール:絞り)109、正反射光を受光する(通す)受光面であるフィルタ(ピンホール:絞り)203や集光レンズ106、113、114等の素子が設けられている。勿論、ディスク表面検査装置は上述した構成だけに限られるものではない。前記各受光素子103〜105、115、208により受光された光は、所定の回路(周波数フィルタ404)等を介して各々欠陥データ信号に変換されて、信号処理装置401の信号強度判定部4014に入力される。各受光素子が受光することによって得られた欠陥データ信号は、ディスク表面上の所定の単位セル(例えば、ディスクの半径方向の微小距離Δrと円周方向の微小距離Δθとで形成される微小な方形セル)に対応して座標変換部4016で座標変換されてメモリのアドレスに記憶される。さらに、形状による欠陥判定部4017は、記憶されたアドレスの連続性、密度等欠陥の形状特徴から欠陥判定を行う。欠陥検出部4018は、欠陥と判定された結果を出力装置(操作端末)403から出力する。なお、各受光素子103〜105、115、208はフォトマル(光電子増倍管)等で形成される。
【0026】
ところで、第2の投光光学系200及び第2の検出系210で検出するディスク表面に存在する滑らかに傾斜した凹凸欠陥には、上述した凸欠陥(バンプ)や凹欠陥(ディンプル)以外にも「しわ状」と呼ばれる欠陥(以下、Wrinkle欠陥と呼ぶ)が形成されることがある。Wrinkle欠陥は、ディスク製造においてディスクが熱収縮する過程で発生する欠陥である。これらの欠陥形状特徴を図2に示す。図2(a)はディスク全面を示し、図2(b)、図2(c)、図2(d)はバンプ、ディンプル、Wrinkle欠陥が発生している箇所α、β、γの拡大図をそれぞれ示す。また図2(b)の断面プロファイルを図2(e)に、図2(c)の断面プロファイルを図2(f)に、図2(d)の断面プロファイルを図2(g)にそれぞれ示す。凹凸欠陥はガウシアン分布に類似した形状であり、Wrinkle欠陥は線状、あるいは円弧状の凹凸が周期的に発生する欠陥である。これらの表面上の凹凸が欠陥になりうる理由として、HDDに関して言えば、凹凸欠陥高さはヘッド浮上量以上であるため、ヘッドのクラッシュを引き起こしたり、ヘッドの非追従を引き起こしたりする。またWrinkle欠陥高さはヘッドの浮上量以下であるが、本欠陥がディスク表面に存在するとヘッドの浮上量が安定せず、磁気の読み書きの精度に影響を与えるのである。
【0027】
そこで、例えば第2の投光光学系200でディスク301の表面に投光された平行光207による正反射光を第2の検出系210の受光素子208が受光することによって低アスペクト(表面凹凸)欠陥の検出を行っている。低アスペクト欠陥の検出原理について図3を用いて説明する。第2の投光光学系200は欠陥の検知が可能な程度に所定の幅を持つ平行光207をディスク301表面に投光して、その正反射光についてフィルタ(ピンホール)203を介して受光素子208により受光される構成となっている。図3(b)に示すように、ディスク301表面に凹欠陥3011が存在する場合には、凹欠陥3011は凸レンズのような働きをし、平行光207は集光されてフィルタ(ピンホール)203を通して受光素子208に受光される。このとき受光素子208によって検出される信号レベルは受光量の増加に伴って図3(d)に示すように増加されるため、例えば、しきい値2083により凹欠陥3011を検出することが可能となる。また、図3(c)に示すように、ディスク301の表面に凸欠陥3012が存在する場合には、凸欠陥3012は凹レンズのような働きをし、平行光は広がり、フィルタ(ピンホール)203を通して受光素子208に受光される。このとき受光素子208によって検出される信号レベルは受光量の減少に伴って図3(e)に示すように減少されるため、例えば、しきい値2084により凸欠陥3012を検出することが可能となる。
【0028】
以上説明したように、図3では第2の投光光学系200として平行光207を用いた検出原理について説明したが、第2の投光光学系200として図4に示すように収束光(ビームスポット光)209を用いても同様にディスク301の表面の凹凸欠陥3011、3012を検出することが可能である。収束光209の場合、すでにビームが発散した状態でディスク301の表面に照射されるため、光学系の調整の仕方が図3の光学系のときとは異なることになる。
【0029】
このように、第2の投光光学系200で投光された例えば平行光207の正反射光を第2の検出系210の受光素子208が受光することによってディスク301の表面のなだらかな凹凸欠陥を検出することができることになる。図5には、前記光学系200,210を用いて、図2に示した凹凸欠陥およびWrinkle欠陥に対して検出を行った結果を示す。図2と図5を比較すると高さの凹凸と信号強度の凹凸が逆転している。これは図3の検出原理に示したように凹欠陥が信号強度の増加となり、凸欠陥が信号強度の減少となるためである。しかし、検出信号の幅や周期は元の欠陥形状と同じである。
【0030】
次に、本発明の特徴とする図1に示す信号処理装置401が実行する感度調整の一実施の形態について図面を用いて説明する。即ち、第1の投光光学系100にはビームスポット径の調整を行う第1のビームスポット径調整機構102を備え、第1の検出系120にはピンホール109の光軸方向の位置調整を行う第1のピンホール位置調整機構110とピンホール109のピンホール径の調整を行う第1のピンホール径調整機構112とを備えて構成される。同様に、第2の投光光学系200にはビームスポット径の調整を行う第2のビームスポット径調整機構202を備え、第2の検出系210にはピンホール203の光軸方向の位置調整を行う第2のピンホール位置調整機構204とピンホール203のピンホール径の調整を行う第2のピンホール径調整機構206とを備えて構成される。また、これらの機構102、202は信号処理装置401のビームサイズ調整制御部4012で調整制御され、機構110、112、204、206は信号処理装置401のピンホール位置・ピンホール径調整制御部4013で調整制御される。またこれらの機構102、202、110、112、204、206は操作端末403のGUI等の操作画面から信号を入力することによって自動調整が可能である。
【0031】
次に、本発明に係る感度調整について図6に示すフローチャートの第1の実施例を用いて説明する。データベース4011には、予めシミュレーションあるいは実験によって、ディスク301上の検査対象欠陥の形状情報402と、その欠陥形状を検出するのに十分な感度を持つ光学系(投光光学系100,200及び受光光学系120,210)の配置との関係が蓄積されている。従って、検査対象欠陥の形状情報(中心欠陥幅;最小凹凸(検出限界)又は最大凹−最大凸(ダイナミックレンジ))402が入力されると、ビームサイズ調整制御部4012は、上記蓄積したデータベース4011に基づき、最適なビームスポット径になるように第1のビームスポット径調整機構102及び第2のビームスポット径調整機構202を自動調整し、ピンホール位置・ピンホール径調整制御部4013は、最適な光軸方向のピンホール位置になるように第1及び第2のピンホール位置調整機構110、204を自動調整し、最適なピンホール径になるように第1及び第2のピンホール径調整機構112、206を自動調整する。また、感度調整が完了すると(S100)、出力装置(操作端末)403には、入力された欠陥形状を元に検査可能な欠陥形状範囲が表示される。ここで一実施例として、中心欠陥幅を入力することによって、検出可能な欠陥幅範囲が決定され、最小凹値及び最小凸値(検出限界)を指定した場合は、光学配置より検出可能な最大凹−最大凸の範囲(ダイナミックレンジ)が自動で決定され、最大凹−最大凸の範囲(ダイナミックレンジ)を指定した場合は、最小凹値及び最小凸値(検出限界)が自動で決定される。
【0032】
次に、本発明に係る第1の光学系100及び120又は第2の光学系200及び210に適用できる感度調整における欠陥形状と、ビームスポット径、ピンホール位置および出力信号との関係について図7を用いて詳細を説明する。ディスク301の表面に投光される平行光207、102のビームスポット径Wはビームサイズ調整制御部4012によりビームスポット径調整機構202,102を用いて自動で変更調整されることが可能である。また、光軸方向のピンホール203、109の位置(距離)Lはピンホール位置・ピンホール径調整制御部4013によりピンホール位置調整機構204,110を用いて自動で変更調整されることが可能である。図8(a)は欠陥幅とビームスポット径との関係を示す。図8(b)はビームスポット径Wに対して欠陥幅W0が小さいときを示し、図8(c)はビームスポット径Wと欠陥幅Wがおよそ一致するときを示し、図8(d)はビームスポット径Wに対して欠陥幅W2が大きいときを示す。欠陥幅にビームスポット径を合わせることによって、任意幅の欠陥に感度を調整することが可能である。ここで、欠陥幅とビームスポット径がおよそ一致するときは最も集光特性がよいが、多少幅がずれていても、集光は生じるため、任意のビームスポット径に対して検出可能な欠陥幅は範囲を持つ。
【0033】
次に、本発明に係る欠陥高さとピンホール位置との関係を図9に示す。図9(a)は欠陥頂点での曲率(=高さ)と検出強度の関係を示す。図9(e)に示す曲率0は無欠陥を示し、図9(f)〜(g)に示す正の曲率は凸欠陥を示し、図9(b)〜(d)に示す負の曲率は凹欠陥を示す。光学系の集光発散の特性より、欠陥曲率と検出強度は反比例の関係にあるため、凸部では検出強度は減少し、凹部では検出強度は増加する。そして曲率1/(2L)の地点で検出強度が極大値となる。ここで曲率1/(2L)となる地点は図9(b)に示すように、集光点220がピンホール位置となる曲率である。これ以上に曲率が負側に大きくなると、一度集光した光が発散光となるため、検出強度は減少する。
【0034】
本発明に係るディスク表面の凹凸欠陥の測定においては、測定したい凹凸欠陥の高さ範囲が高さ0近傍領域に収まるように光学系の設計を行う。この領域では図9(a)の拡大図の実線に示すように線形な応答になることがわかっている。つまり図9(c)〜(g)に示すように凹凸変化と検出強度変化を線形関係として捉えることが可能となる。
【0035】
次に、本発明に係るピンホール位置変化による感度調整について説明する。図10(a)はピンホール203、109の位置L1を図7のとき基準距離L(曲率1/(2L)は、図9(b)に示すように、集光点220がピンホール位置となる曲率である。)よりも光軸方向に対してディスク表面から離した状態を示す(L<L1)。この場合、極大値の曲率1/(2L1)の地点は図10(b)に示すように0に近づくため、図10(b)の拡大図の実線で示すように頂点曲率(高さ)が0近傍において感度が高くなる。これは、図10(c)〜(e)に示すように、ピンホール203、109の位置L1を光軸方向に基準距離Lより離すことによって、わずかな凹凸変化でも大きな強度変化として捕らえることができるようになることに対応する。ただし、この場合、検出可能な最大凹−最大凸の範囲(ダイナミックレンジ)が狭まるという不利点がある。また図11(a)はピンホール203、109の位置L2を図7のときの基準距離Lよりも光軸方向に対してディスク表面に近づけた状態を示す(L>L2)。この場合、極大値の曲率1/(2L2)の地点は図11(b)に示すように0から遠ざかるため、図11(b)の拡大図の実線で示すように頂点曲率(高さ)が0近傍において感度が低くなる。これは、図11(c)〜(e)に示すように、ピンホール203、109の位置L2を光軸方向に基準距離Lより近づけることによって、ダイナミックレンジを広げて大きな凹凸変化でも検出することができるようになることに対応する。ただしこの場合、同じノイズレベルのセンサを用いた場合、わずかな凹凸変化が検出できないという不利点がある。
【0036】
以上説明したように、ピンホール203、109の位置を光軸方向に基準距離Lよりも離したり、近づけたりすることによって、高感度にし、より小さな凹凸欠陥を検出したり、ダイナミックレンジを広げてより大きな凹凸欠陥を検出したりすることが可能となる。
【0037】
次に、本発明に係る第1の光学系100及び120又は第2の光学系200及び210に適用できるディスク表面で一度集光させる光学系に関して欠陥形状と、ビームスポット径およびピンホール位置の関係について図12を用いて詳細に説明する。ビームスポット径Wおよびピンホール203、109の位置Lはビームスポット径調整機構202、102及びピンホール位置調整機構204、110を用いて自動で変更が可能である。図13(a)、(b)、(c)、(d)は欠陥幅W0,W,W2、ディスク表面から集光点までの距離F、およびビームスポット径Wとの関係を示す。ディスク表面から焦点までの距離Fを変えることによってビームスポット径Wを欠陥幅W0,W,W2に合わせ、感度を調整することが可能となる。
【0038】
次に、本発明に係る欠陥高さとピンホール位置との関係を図14に示す。図14(a)は欠陥頂点での曲率(=高さ)と検出強度の関係を示す。図9の平行光の場合と異なり、曲率(1/(2L))+(1/(2F))にて極大値となる。これは図14(b)に示すように発散光の状態でディスク表面を照射するため、元の曲率1/(2L)に焦点位置からの曲率1/(2F)が加わった曲率となる。また高さ0近傍では、図14(a)の拡大図の実線並びに図14(c)〜(g)に示すように凹凸変化と検出強度変化を線形関係として捉えることが可能となる。
【0039】
次に、本発明に係るピンホール位置変化による感度調整について説明する。図15(a)は、ピンホール203、109の位置L1を図12のときの基準距離Lよりも光軸方向に対してディスク表面から離した状態を示す(L<L1)。ここでFはビームスポット径Wを決める際に固定値になるので、ピンホール203、109の光軸方向の位置L1によってのみ感度が調整される。この場合、極大値が0に近づくため、図15(a)の拡大図の実線で示すように0近傍において感度が高くなる。一方、図15(b)はピンホール203、109の位置L2を図12のときの基準距離Lよりも光軸方向に対してディスク表面に近づけた状態を示す(L>L2)。この場合、極大値は図15(b)に示すように0から遠ざかるため、図15(b)の拡大図の実線で示すように0近傍において感度が低くなる。
【0040】
次に、本発明に係るピンホール径が感度に与える影響について図16を用いて説明する。図16(a)のピンホール径を基準サイズとする。ピンホールサイズの調整はピンホール径調整機構206、112を用いて行う。図16(b)は基準に比べてピンホール径が小さく、図16(c)は大きい場合をそれぞれ示す。図16(d)は図16(b)に対する感度応答を示し、図16(e)は図16(c)に対する感度応答を示す。図16(d)に示すピンホール径が小さい場合は集光点近傍での感度が急峻になる。そのため、集光点近傍の感度は図16(f)に実線で示すように高感度になり、集光点から離れた地点での感度は図16(g)に示すように低感度になる。一方、ピンホール径が大きい場合は集光点近傍での感度がなだらかとなる。そのため、集光点近傍の感度は図16(h)に示すように低感度になり、集光点から離れた地点での感度は図16(i)に示すように高感度になる。
【0041】
以上説明したように、本発明に係るディスク表面検査装置において、光学系のビームスポット径の調整によって欠陥幅に対する感度調整を行い、ピンホール位置、ピンホール径を調整することによって欠陥高さに対する感度調整を行い、任意形状を有する欠陥に対して感度調整を行うことが可能となる。
【0042】
また、ピンホール位置とピンホール径の調整を同時に行うことによって、調整のための可動範囲を小さくし、大きな感度調整が可能となる。
【0043】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る第2の実施の形態であるディスク表面検査装置に用いる任意形状の欠陥とその形状に感度調整された光学系の配置のデータベース作成方法について説明する。データベース作成方法は(1)光学シミュレーションを用いた作成と、(2)実験に基づく作成との2つにわけられる。
【0044】
まず、(1)光学シミュレーションによるデータベース作成方法について説明する。使用する光学シミュレータとしては、例えば、レンズ設計や、照明解析に用いられる光線追跡シミュレータによって実現可能である。光学シミュレータは、例えば操作端末403に接続して構成される。光学シミュレータに入力される光学系のモデルは、図7及び図12に示した光学系配置(第1及び第2の投光光学系200、100の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系210、120の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係)であり、ディスク表面検査装置の設計データを基にして配置される。また、光学シミュレータに入力されるディスク表面上の欠陥モデルとしては、図17(a)、(b)に示す凹凸欠陥となる。該凹凸欠陥の形状分布としては、例えば実際の凹凸欠陥形状に近いガウス分布を想定する。ここで可変パラメータとしては欠陥幅、高さ又は深さである。図17(c)には欠陥幅、高さ又は深さを変化させたときの欠陥形状のリストを示す。光学シミュレータによるシミュレーションの解析手順を図18(a)に示す。光学シミュレータは、第1にビームスポット径を選択し(S181)、第2にピンホール位置、ピンホール径を選択し(S182)、さらに、第3に欠陥形状としてある幅の欠陥を選択し(S183)、第4に第3で選択されたある幅を持つ欠陥の高さを連続的に変化させて(184)、そのときに得られる検出強度を求める。そして、光学シミュレータは、図18(b)に示すような、ある幅を持つ欠陥に対して高さを変化させたときの検出強度との関係を求める。本解析により最小凹凸欠陥高さ(検出限界)と最大凹欠陥高さ−最大凸欠陥高さの幅(ダイナミックレンジ)の決定を行う。ここで最小凹凸欠陥高さの決定は事前に装置ノイズの測定を行っておき、ノイズ信号強度とのS/N比から決定される。また最大凹凸欠陥高さの決定は検出器のダイナミックレンジにより決定される。同様の解析を、欠陥幅を変化させた場合に対しても行い、図18(c)に示すように、ある光学配置での欠陥幅および欠陥高さに関する検査可能欠陥範囲が決定される。以上の解析をビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径を変えて実行し、データベース4011の作成を行う。
【0045】
続いて、光学シミュレータに入力されるディスク表面上の欠陥モデルがWrinkle欠陥である場合について図19を用いて説明する。Wrinkle欠陥の形状分布としては一実施例として実際の欠陥形状に近い図19(a)に示す正弦波を想定する。ここで可変パラメータとしては欠陥周期、振幅である。光学シミュレータは、凹凸欠陥解析時と同様に、ビームスポット径の選択、ピンホール位置、ピンホール径の選択後に図19(b)に示すさまざまな周期、振幅の欠陥検出をシミュレーションし、検出可能な欠陥幅および、最小Wrinkle欠陥高さ(検出限界)と最大Wrinkle欠陥高さ(ダイナミックレンジ)の決定を行う。
【0046】
上記データベース化により、信号処理装置401は、ビームスポット径および、ピンホール位置、ピンホール径を決めたときの検出限界欠陥凹凸および、ダイナミックレンジを求めることにより、ユーザが得たい欠陥形状情報を入力することによって逆に光学系の配置(ビームスポット径および、ピンホール位置、ピンホール径)を決定することが可能となる。
【0047】
次に、(2)実験によるデータベース作成方法について図20を用いて説明する。例えば、任意の形状を有する実欠陥を多数入手可能な場合は、図20(a)に示すように欠陥形状を3次元形状測定機(図示せず)にて測定し、欠陥形状リストを作成する。そして、光学シミュレータは、シミュレーション解析時と同様に、ビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径を選択し、その条件での検出限界凹凸欠陥高さとダイナミックレンジの決定を行う。ただし、シミュレーション時と異なり、入手可能な欠陥形状は離散的であるために、図20(b)に示すように最小二乗法などにより近似曲線を求め、求まった近似曲線から検出限界凹凸欠陥高さとダイナミックレンジの決定を行う。
【0048】
前記実験は任意形状を有する実欠陥サンプルが多数入手可能な場合を想定したが、実際には任意形状サンプルの入手は困難であり、前記手法が適用できない可能性もある。そこで実験的にデータベースを作成する方法として、図21に示す方法が考えられる。ただし本手法では調整は周期欠陥(Wrinkle欠陥)に対して行われることになる。被測定サンプルとして表面粗さの異なるサンプルを多数用意する。一例として表面粗さの異なるサンプルの作成方法として、ディスクの研磨工程において、研磨時間の異なるサンプルを用いることによって高さの異なるサンプルを容易に作成可能である。こうして例えば粗さの異なるサンプル(図21(a)、図21(b)、図21(c)に示す)を作成する。次に前記サンプルの3次元形状測定を行い、測定データをフーリエ変換し、図21(d)、図21(e)、図21(f)に示すように周波数成分ごとの振幅を求める。これらの周波数成分を図21(g)にまとめて示す。本サンプルにより、任意周期f1で振幅A1、A2、A3の異なるサンプルを準備可能となる。本サンプルに対してシミュレーション解析時と同様にビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径を選択し、その条件での検出限界凹凸欠陥高さとダイナミックレンジの決定を行う。図22(a)はあるビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の条件にてサンプル測定を行ったときに得られる出力信号に対してフーリエ変換し、周波数解析を行った結果の一例である。周波数1/f1に対応する信号振幅が周期f1の形状に対する検出強度を示すことになる。振幅A1を持つサンプルAに対する出力強度はB1、振幅A2を持つサンプルBに対する出力強度はB2、振幅A3を持つサンプルCに対する出力強度はB3となる。こうして図22(b)に示すように任意周期のサンプルに対して欠陥高さと検出強度の関係を求めることが可能となる。ただし粗さ振幅は離散的であるために、最小二乗法などにより、近似曲線を求め、求まった近似曲線から検出限界凹凸欠陥高さとダイナミックレンジの決定を行う。
【0049】
本手法を用いると、図23に示すように周期欠陥と曲率が等しい凹欠陥に対しても感度を持つように調整されることになる。よって任意の凹凸欠陥に対して感度調整を行いたい場合は同じ曲率をもつ周期欠陥に対して調整を行えばよい。また実際の欠陥は図24に示すように単一周期ではなくいくつかの周期から形成されている場合が多い。この場合は振幅は含まれる周期の振幅の和として評価する必要がある。以上がデータベースの作成方法である。
【0050】
前記で説明した手法により、図6に示したフローチャートが実現可能となる。検査対象欠陥形状は、例えば、信号処理装置401に接続された図25に示す装置GUI405を用いてユーザにより入力され、該入力データを元に、データベース4011に基づいて調整制御部4012、4013によりビームスポット径、及びピンホール位置、ピンホール径が自動調整される。装置画面には調整された光学系配置にて検査可能な欠陥範囲403が表示される。
【0051】
またフローチャートの第2の実施例を図26に示す。検査対象欠陥を指定し(402)、データベース4011に基づきビームスポット径、及びピンホール位置、ピンホール径を自動調整するところまでは図6と同様である。調整後、形状が既知な実欠陥サンプルの測定を行う(S261)。本サンプルに対してはデータベース4011により、予め目標として得られる信号強度がわかっている。信号強度判定部4014は測定結果と目標値を比較して測定値が目標感度近傍の領域に入っていれば調整完了とし(S100)、目標感度近傍領域に入っていなければ、再度ビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の微調整を行い、目標感度領域に入るまで調整する。その結果、装置画面には調整された光学系配置にて検査可能な欠陥範囲403が表示される。
【0052】
検査対象欠陥の入力は、例えば、信号処理装置401に接続された図27に示す装置GUI406を用いてユーザにより入力され、該入力データを元に、データベース4011に基づいて調整制御部4012、4013によりビームスポット径、及びピンホール位置、ピンホール径が自動調整される。装置画面406には検出可能な欠陥範囲が表示される。さらに実サンプル形状入力画面があり、測定するサンプル形状の入力を行う。するとデータベース4011より、目標感度領域が設定され、信号強度測定部4014は測定結果がその領域に入っているかの判定を行う。領域に入っていなければ、自動あるいはユーザの判断で調整制御部4012、4013により再度ビームスポット径およびピンホール位置、ピンホール径の微調整を行う。目標感度領域に入っていれば、光学系の調整完了(S100)とする。
【0053】
[第3の実施の形態]
本発明に係る装置間(ディスク表面検査装置間)の機差低減を行う第3の実施の形態について図28を用いて説明する。まず、基準装置において、検査対象欠陥402を入力し、装置間においてネットワーク411を介して共有されるデータベース4011に基づいて調整制御部4012、4013によりビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の調整を行う。本光学条件にてある評価サンプルの測定を行い、基準装置における測定データとして装置間において共有されるデータベース4011(ネットワーク411を介して共有するサーバでも良い。)に保存する(S281)。
【0054】
次に、較正装置において、基準装置で設定した検査対象欠陥と同じ値402を入力し、装置間においてネットワーク411を介して共有されるデータベース4011に基づいて調整制御部4012、4013によりビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の調整を行う。この光学条件にて、基準装置で測定した同じ評価サンプルの測定を行う(S282)。ここで測定した評価サンプルの測定結果に関して、理想的には基準装置で測定した結果と、較正装置で測定した結果とは等しくなるはずである。しかし、装置間には機差が発生するため、必ずしも一致はしない。そこで例えば点線で示すネットワーク411を介して得られる基準装置で測定した結果(装置間において共有されるデータベース4011に格納される。)と較正装置で測定した結果(装置間において共有されるデータベース4011に格納される。)との機差を例えば較正装置における信号強度判定部4014において判定し(S283)、該機差があるしきい値以下となるように他の装置(例えば較正装置)のビームスポット径、及びピンホール位置、ピンホール径の微調整を行う。
【0055】
以上説明したように、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られる第1及び第2の投光光学系200、100の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系210、120の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベース4011を装置間(ディスク表面検査装置間)で共有することによって、ビームスポット径、及びピンホール位置、ピンホール径の微調整を高速で機差なく行うことが可能となる。
【0056】
ここで前記評価サンプルおよび評価パラメータについて説明する。図29は評価サンプルとして凹欠陥サンプルを用いたときの較正装置のGUI画面407である。較正装置において、GUI画面407を用いて検査対象欠陥については基準装置と同じ値を入力する。そして、較正装置の例えば信号強度判定部4014において、基準装置にて凹欠陥を測定したデータと較正装置にて凹欠陥を測定したデータとの差分(機差)をとり、各位置での差分の和があるしきい値以下となれば、較正完了とし(S284)、しきい値以上であれば再度ビームスポット径、ピンホール位置、ピンホール径の微調整を行い、しきい値以下となるまで繰り返す。
【0057】
また評価サンプルとしては、図21で説明した粗さサンプルを用いてもよい。該粗さサンプルを用いた場合は、図30の較正装置のGUI画面408に示すように測定結果を周波数解析し、周波数解析された基準装置データと周波数解析された較正装置データとの差分(機差)を求め、その差分の和があるしきい値以下となるように光学系の微調整を行う。
【0058】
また評価パラメータとしては、図31の較正装置のGUI画面409に示すように粗さサンプルを全面測定した結果の画像を用いてもよい。この場合、基準装置での取得したデータを画像にする。データの画像化手法としては例えば、螺旋状に走査し、得られた1次元配列信号(極座標)に対して座標変換を行い、ディスク画像(直交座標)の生成を行う。本手法によって基準装置での取得画像および較正装置での取得画像の生成を行い、その差画像(機差)を求める。求まった差画像の各画素の差分を求め、その差分の和があるしきい値以下となるように光学系の微調整を行う。
【0059】
以上説明した方式により装置間の機差低減が可能となる。
【0060】
[第4の実施の形態]
図13〜図16で示したようにある光学系配置(第1及び第2の投光光学系200、100の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系210,120の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係)のときの任意欠陥形状に対する第1及び第2の受光光学系210,120の各々によって検出される検出強度のデータベース4011を作成することにより、形状が未知のディスク表面を測定したときに得られる検出強度から表面に存在する欠陥形状を推定することが可能となる。その第4の実施の形態について図32に示す。図32(a)はフローチャートを示す。まず形状が未知のディスクを測定し、測定信号が装置に入力されることからスタートする(S321)。例えば、形状による欠陥判定部4017において、出力信号波形からデータベース4011に基づき、もっとも形状が類似している信号強度波形を選択することによってディスク表面に存在する欠陥形状を推定することが可能となる(S322)。測定波形とデータベース波形との一致度の評価方法の一実施例として最小二乗法による評価が考えられる。こうしてもっとも一致する波形に対応する欠陥形状が未知のディスク表面に存在すると推定される。出力画面の実施例410、411としては図32(b)に示すように出力信号強度より推定される欠陥形状の表示を行う、あるいは図32(c)に示すようにディスク全面を検査したときの存在する欠陥番号とその形状情報(幅、高さ)を表示するといった形態が実施可能である。
【0061】
[第5の実施の形態]
図7や図12に示す光学系の検出特性に関して、図33(a)に示すように、ある検出強度に対応する欠陥高さが2つ存在する可能性が考えられる。この場合、一意に欠陥高さを求めることはできない。この場合は光学条件を変えて2回検査行うことによって一意に欠陥高さを求めることが可能である。例えば図33(c)で検査した結果図33(a)の状態であるとする。このとき図33(d)に示す条件で検査した場合、図33(b)に示すように2つの欠陥に対する検出強度は異なるため、図33(c)、図33(d)の2回検査によって弁別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るディスク表面検査装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】本発明に係る欠陥検出処理が対象とする欠陥の特徴を示した図である。
【図3】本発明に係るディスク表面凹凸欠陥の検出原理を示した図である。
【図4】図3とは異なるディスク表面凹凸欠陥の検出原理を示した図である。
【図5】図2で示した欠陥を図3及び図4で示した光学系によって検出した場合の欠陥検出信号強度の特徴を示した図である。
【図6】本発明に係る検査対象欠陥に対する光学系調整のフローの第1の実施例を示した図である。
【図7】本発明に係る光学系の一実施の形態を示す図である。
【図8】図7に示した光学系においてビームスポット径と検出強度との関係を示した図である。
【図9】図7に示した光学系においてピンホール位置と検出強度との関係を示した図である。
【図10】図7に示した光学系においてピンホール位置と欠陥検出感度との関係を示した図である。
【図11】図7に示した光学系においてピンホール位置と欠陥検出感度との関係を示した図である。
【図12】本発明に係る光学系の他の一実施の形態を示す図である。
【図13】図12に示した光学系においてビームスポット径と検出強度との関係を示した図である。
【図14】図12に示した光学系においてピンホール位置と検出強度との関係を示した図である。
【図15】図12に示した光学系においてピンホール位置と欠陥検出感度との関係を示した図である。
【図16】本発明に係るピンホールサイズと欠陥検出感度との関係を示した図である。
【図17】本発明に係る凹凸欠陥形状の光学シミュレーションモデルを示した図である。
【図18】本発明に係る光学シミュレーションによる光学系配置のデータベース作成方法を示した図である。
【図19】本発明に係るWrinkle欠陥形状と光学系配置の関係の光学シミュレーションによるデータベース作成方法を示した図である。
【図20】本発明に係る凹凸欠陥形状と光学系配置の関係の実験によるデータベース作成方法を示した図である。
【図21】本発明に係る粗さサンプル測定データ作成方法を示した図である。
【図22】本発明に係る粗さサンプルを用いた実験によるデータベース作成方法を示した図である。
【図23】本発明に係る欠陥形状と表面曲率の関係を示した図である。
【図24】本発明に係る実欠陥の表面形状の周波数特性を示した図である。
【図25】本発明に係る検査対象欠陥に対して光学系調整を行うための装置GUI画面である。
【図26】本発明に係る検査対象欠陥に対する光学系調整フローの第2の実施例を示した図である。
【図27】本発明に係る検査対象欠陥に対して光学系調整を行うための装置GUI画面の第2実施例である。
【図28】本発明に係る装置間の機差低減を行うための処理フローの内、基準装置側での処理フロー及び較正装置側での処理フローを示した図である。
【図29】本発明に係る装置間の機差低減を行うための装置GUI画面を示した図である。
【図30】本発明に係る装置間の機差低減を行うための装置GUI画面の第2実施例を示した図である。
【図31】本発明に係る装置間の機差低減を行うための装置GUI画面の第3実施例を示した図である。
【図32】本発明に係る検出信号波形から欠陥形状を推定する処理フローを示した図である。
【図33】図7や図12に示す光学系の検出特性の説明図である。
【符号の説明】
【0063】
100…第1の投光光学系、101…第1の投光素子、102…ビームスポット径調整装置、104、105、115…第1の散乱光受光素子、103…第1の正反射光受光素子、106、113、114…集光レンズ、107…分岐光学系、108…フィルタ、109…ピンホール、110…ピンホール位置調整装置、112…ピンホール径調整装置、120…第1の受光光学系、200…第2の投光光学系、201…第2の投光素子、202…ビームスポット径調整装置、203…ピンホール、204…ピンホール位置調整装置、206…ピンホール径調整装置、208…第2の正反射光受光素子、210…第2の受光光学系、301…ディスク、302…ステージ、401…信号処理装置、402…欠陥分類パラメータ入力装置、403…出力装置、404…アンプ回路、4011…欠陥形状と光学系配置のデータベース、4012…ビームサイズ調整制御部、4013…ピンホール位置、ピンホール調整制御部、4016…座標変換部、4017…形状による欠陥判定部、4018…欠陥検出部、405、406〜411…GUI画面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光をディスク表面に照射する投光光学系と、該投光光学系で照射されたレーザ光による前記ディスク表面から得られる正反射光を受光面を通して受光する受光光学系と、該受光光学系から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備えたディスク表面検査装置であって、
前記投光光学系による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径を調整する第1の調整手段と、
前記受光光学系による前記正反射光を受光する受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有することを特徴とするディスク表面検査装置。
【請求項2】
前記信号処理部において検査するディスク表面状態には欠陥が含まれることを特徴とする請求項1に記載のディスク表面検査装置。
【請求項3】
さらに、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを有し、
該データベースから入力された検査対象とする欠陥形状に応じて十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量と受光面への受光量調整量と取得し、第1の調整手段は前記取得されるビームスポット径調整量に基づいて調整を行い、前記第2の調整手段は前記取得される受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量に基づいて調整を行うよう構成したことを特徴とする請求項2に記載のディスク表面検査装置。
【請求項4】
前記データベースには、さらに、前記ビームスポット径調整量と前記受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係のときの任意欠陥形状に対する前記受光光学系によって検出される検出強度の既知の関係データを記憶しておき、
前記信号処理部は、前記受光光学系から得られる信号に基づく検出強度から前記データベースに記憶された前記既知の関係データを基に欠陥形状を推定することを特徴とする請求項3に記載のディスク表面検査装置。
【請求項5】
第1及び第2のレーザ光の各々をディスク表面に照射する第1及び第2の投光光学系と、該第1及び第2の投光光学系の各々で照射された第1及び第2のレーザ光による前記ディスク表面から得られる第1及び第2の正反射光の各々を受光面を通して受光する第1及び第2の受光光学系と、該第1及び第2の受光光学系の各々から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備えたディスク表面検査装置であって、
前記第1及び第2の投光光学系の各々による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径の各々を調整する第1の調整手段と、
前記第1及び第2の受光光学系の各々による前記第1及び第2の正反射光の各々を受光する各受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記各受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有することを特徴とするディスク表面検査装置。
【請求項6】
前記信号処理部において検査するディスク表面状態には欠陥が含まれることを特徴とする請求項5に記載のディスク表面検査装置。
【請求項7】
さらに、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られる第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを有し、
該データベースから入力された検査対象とする欠陥形状に応じて十分な感度が得られる第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量と取得し、第1の調整手段は前記取得される第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量に基づいて調整を行い、前記第2の調整手段は前記取得される第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量に基づいて調整を行うよう構成したことを特徴とする請求項6に記載のディスク表面検査装置。
【請求項8】
前記第1のレーザ光を前記第2のレーザ光に比べて前記ディスク表面に対して細く絞って照射することを特徴とする請求項5乃至7の何れか一つに記載のディスク表面検査装置。
【請求項9】
前記第1の受光光学系には、前記第1のレーザ光による前記ディスク表面から得られる反射光を第1及び第2の光路に分岐する分岐光学系と、該分岐光学系で分岐された第1の光路には正反射光を遮光して散乱光を受光する第1の受光素子と、前記分岐光学系で分岐された第2の光路には正反射光を前記受光面を通して受光する第2の受光素子とを有することを特徴とする請求項5乃至8の何れか一つに記載のディスク表面検査装置。
【請求項10】
前記データベースには、さらに、前記第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と前記第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係のときの任意欠陥形状に対する前記第1及び第2の受光光学系の各々によって検出される検出強度の既知の関係データを記憶しておき、
前記信号処理部は、前記第1及び第2の受光光学系の各々から得られる信号に基づく検出強度から前記データベースに記憶された前記既知の関係データを基に欠陥形状を推定することを特徴とする請求項7乃至9の何れか一つに記載のディスク表面検査装置。
【請求項11】
レーザ光をディスク表面に照射する投光光学系と、該投光光学系で照射されたレーザ光の正反射光を受光面を通して受光する受光光学系と、該受光光学系から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備え、前記投光光学系による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径を調整する第1の調整手段と、前記受光光学系による前記正反射光を受光する受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有する複数のディスク表面検査装置間において、
予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを共有することを特徴とするディスク表面検査システム。
【請求項12】
レーザ光をディスク表面に照射する投光ステップと、該投光ステップで照射されたレーザ光による前記ディスク表面から得られる正反射光を受光面を通して受光する受光ステップと、該受光ステップで受光して得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理ステップとを有するディスク表面検査方法であって、
前記投光ステップで前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径を調整する第1の調整ステップと、
前記受光ステップで前記正反射光を受光する受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記受光面への受光量を調整する第2の調整ステップとを有することを特徴とするディスク表面検査方法。
【請求項13】
前記信号処理ステップにおいて検査するディスク表面状態には欠陥が含まれることを特徴とする請求項12に記載のディスク表面検査方法。
【請求項14】
さらに、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを有し、
該データベースから入力された検査対象とする欠陥形状に応じて十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量と受光面への受光量調整量と取得し、前記第1の調整ステップにおいて前記取得されるビームスポット径調整量に基づいて調整を行い、前記第2の調整ステップにおいて前記取得される受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量に基づいて調整を行うことを特徴とする請求項13に記載のディスク表面検査方法。
【請求項15】
前記データベースには、さらに、前記ビームスポット径調整量と前記受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係のときの任意欠陥形状に対する前記受光光学系によって検出される検出強度の既知の関係データを記憶しておき、
前記信号処理ステップにおいて、前記受光ステップで得られる信号に基づく検出強度から前記データベースに記憶された前記既知の関係データを基に欠陥形状を推定することを特徴とする請求項14に記載のディスク表面検査方法。
【請求項1】
レーザ光をディスク表面に照射する投光光学系と、該投光光学系で照射されたレーザ光による前記ディスク表面から得られる正反射光を受光面を通して受光する受光光学系と、該受光光学系から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備えたディスク表面検査装置であって、
前記投光光学系による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径を調整する第1の調整手段と、
前記受光光学系による前記正反射光を受光する受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有することを特徴とするディスク表面検査装置。
【請求項2】
前記信号処理部において検査するディスク表面状態には欠陥が含まれることを特徴とする請求項1に記載のディスク表面検査装置。
【請求項3】
さらに、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを有し、
該データベースから入力された検査対象とする欠陥形状に応じて十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量と受光面への受光量調整量と取得し、第1の調整手段は前記取得されるビームスポット径調整量に基づいて調整を行い、前記第2の調整手段は前記取得される受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量に基づいて調整を行うよう構成したことを特徴とする請求項2に記載のディスク表面検査装置。
【請求項4】
前記データベースには、さらに、前記ビームスポット径調整量と前記受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係のときの任意欠陥形状に対する前記受光光学系によって検出される検出強度の既知の関係データを記憶しておき、
前記信号処理部は、前記受光光学系から得られる信号に基づく検出強度から前記データベースに記憶された前記既知の関係データを基に欠陥形状を推定することを特徴とする請求項3に記載のディスク表面検査装置。
【請求項5】
第1及び第2のレーザ光の各々をディスク表面に照射する第1及び第2の投光光学系と、該第1及び第2の投光光学系の各々で照射された第1及び第2のレーザ光による前記ディスク表面から得られる第1及び第2の正反射光の各々を受光面を通して受光する第1及び第2の受光光学系と、該第1及び第2の受光光学系の各々から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備えたディスク表面検査装置であって、
前記第1及び第2の投光光学系の各々による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径の各々を調整する第1の調整手段と、
前記第1及び第2の受光光学系の各々による前記第1及び第2の正反射光の各々を受光する各受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記各受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有することを特徴とするディスク表面検査装置。
【請求項6】
前記信号処理部において検査するディスク表面状態には欠陥が含まれることを特徴とする請求項5に記載のディスク表面検査装置。
【請求項7】
さらに、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られる第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを有し、
該データベースから入力された検査対象とする欠陥形状に応じて十分な感度が得られる第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量と取得し、第1の調整手段は前記取得される第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量に基づいて調整を行い、前記第2の調整手段は前記取得される第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量に基づいて調整を行うよう構成したことを特徴とする請求項6に記載のディスク表面検査装置。
【請求項8】
前記第1のレーザ光を前記第2のレーザ光に比べて前記ディスク表面に対して細く絞って照射することを特徴とする請求項5乃至7の何れか一つに記載のディスク表面検査装置。
【請求項9】
前記第1の受光光学系には、前記第1のレーザ光による前記ディスク表面から得られる反射光を第1及び第2の光路に分岐する分岐光学系と、該分岐光学系で分岐された第1の光路には正反射光を遮光して散乱光を受光する第1の受光素子と、前記分岐光学系で分岐された第2の光路には正反射光を前記受光面を通して受光する第2の受光素子とを有することを特徴とする請求項5乃至8の何れか一つに記載のディスク表面検査装置。
【請求項10】
前記データベースには、さらに、前記第1及び第2の投光光学系の各々によるビームスポット径調整量と前記第1及び第2の受光光学系の各々による受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係のときの任意欠陥形状に対する前記第1及び第2の受光光学系の各々によって検出される検出強度の既知の関係データを記憶しておき、
前記信号処理部は、前記第1及び第2の受光光学系の各々から得られる信号に基づく検出強度から前記データベースに記憶された前記既知の関係データを基に欠陥形状を推定することを特徴とする請求項7乃至9の何れか一つに記載のディスク表面検査装置。
【請求項11】
レーザ光をディスク表面に照射する投光光学系と、該投光光学系で照射されたレーザ光の正反射光を受光面を通して受光する受光光学系と、該受光光学系から得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理部とを備え、前記投光光学系による前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径を調整する第1の調整手段と、前記受光光学系による前記正反射光を受光する受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記受光面への受光量を調整する第2の調整手段とを有する複数のディスク表面検査装置間において、
予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを共有することを特徴とするディスク表面検査システム。
【請求項12】
レーザ光をディスク表面に照射する投光ステップと、該投光ステップで照射されたレーザ光による前記ディスク表面から得られる正反射光を受光面を通して受光する受光ステップと、該受光ステップで受光して得られる信号に基づいてディスク表面状態を検査する信号処理ステップとを有するディスク表面検査方法であって、
前記投光ステップで前記照射するレーザ光のディスク表面でのビームスポット径を調整する第1の調整ステップと、
前記受光ステップで前記正反射光を受光する受光面の位置を光軸方向に移動調整し、前記受光面への受光量を調整する第2の調整ステップとを有することを特徴とするディスク表面検査方法。
【請求項13】
前記信号処理ステップにおいて検査するディスク表面状態には欠陥が含まれることを特徴とする請求項12に記載のディスク表面検査方法。
【請求項14】
さらに、予めシミュレーションあるいは実験によって任意形状欠陥に対して検出するに十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量とを求めて記憶したデータベースを有し、
該データベースから入力された検査対象とする欠陥形状に応じて十分な感度が得られるビームスポット径調整量と受光面の移動調整量と受光面への受光量調整量と取得し、前記第1の調整ステップにおいて前記取得されるビームスポット径調整量に基づいて調整を行い、前記第2の調整ステップにおいて前記取得される受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量に基づいて調整を行うことを特徴とする請求項13に記載のディスク表面検査方法。
【請求項15】
前記データベースには、さらに、前記ビームスポット径調整量と前記受光面の移動調整量及び受光面への受光量調整量との関係のときの任意欠陥形状に対する前記受光光学系によって検出される検出強度の既知の関係データを記憶しておき、
前記信号処理ステップにおいて、前記受光ステップで得られる信号に基づく検出強度から前記データベースに記憶された前記既知の関係データを基に欠陥形状を推定することを特徴とする請求項14に記載のディスク表面検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2010−185692(P2010−185692A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28453(P2009−28453)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]