説明

ディスク誤挿入防止機構及びそれを備えたディスク装置

【課題】
ディスクの挿入を検知するアーム部材を、別のディスクが誤挿入されそうになった時にその挿入を防止する手段として兼用し、部品点数の削減を図ったディスク誤挿入防止機構及びそれを備えたディスク装置を提供する。
【解決手段】
ディスク挿入口6から挿入されるディスクDの周縁部を当接させながら挿入することにより回動すると共にディスク装置1に挿入されたディスクDの有無を検知するアーム部材21に、ディスクの誤挿入防止用の突起部23を有し、ディスクDをディスク装置1に収容している時、突起部23は、アーム部材21が回動されることによりディスク挿入口6の近傍に配置され、ディスク装置1に収容されているディスクDと別体のディスクがディスク挿入口6から誤挿入されようとした際に、ディスクDの有無を検知するアーム部材21を別体のディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVDなどの記録媒体としてのディスクを記録再生可能なディスク装置のディスク誤挿入防止機構及びそれを備えたディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、CD−Rなどの平板状のディスクを挿入し、音声や映像などのデータの記録や再生を可能とするディスク装置の内蔵されたテレビジョン受像機などの電子機器が用いられている。近年においては、機器の薄型化や部品点数の削減などの為、ディスクをトレイに載置してディスク装置の所定の位置にディスクを搬入するトレイ方式ではなくディスクをディスク装置に直接挿入する、いわゆるスロットイン方式のディスク装置が普及してきている。こうしたスロットイン方式のディスク装置は、一旦ディスク装置内にディスクを挿入すると、ユーザーなどは、後々になってディスクの挿入の有無を確認したい際、ディスクを搬出するイジェクトボタンなどの操作を行わなければ、ディスク装置内にディスクが配置されているのかを確認することができず、その操作がとても煩わしいものであった。また、スロットイン方式のディスク装置においては、ディスク装置内にディスクが配置されているのか否かに拘らずディスクの一部分などが挿入部から常に挿入できることが一般的であることから、ディスクがディスク装置内に配置されている状態にある時に、さらに別のディスクをディスク装置内に誤って挿入しようとすると、ディスク装置内部の部材や、或いは挿入されているディスクに、新たに挿入しようとした別のディスクが接触してディスクの表面に傷が付いてしまうといった課題を有していた。
【0003】
こうした課題を解決するために、特許文献1には、ディスクを収納した後に新たにディスクの誤挿入を抑えるために、第2誤挿入防止突起をディスクの挿入口に出没させるディスク誤挿入防止装置が開示されている。また、特許文献2には、スロットイン方式のディスク装置として、ディスクの挿入を検知して、異なる径である大小2種類のディスクを判別するディスクプレーヤのディスク検知機構が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−260316号公報
【特許文献2】特開2003−228903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1においては、第2誤挿入防止突起によりディスクの収納後に新たに別のディスクの誤挿入を抑え、ディスクに傷が付くといった不具合を防止することは可能ではあるものの、第2誤挿入防止突起は、単にディスクの誤挿入を防止する機能を有しているに過ぎない。また、特許文献2については、大小2種類の直径の異なるディスクを検知するディスク検知機構を有するにより判別することはできるが、ディスクの誤挿入を防止する構造については、開示も示唆もされているものではない。
【0006】
本発明は、このような背景技術の実情を鑑みてなされたものであり、ディスクの挿入されたことを検知するアーム部材を、新たに別のディスクがディスク装置に誤挿入されそうになった時にその挿入を防止する手段として兼用した部品点数の削減を図ったディスク誤挿入防止機構及びそれを備えたディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1のディスク誤挿入防止機構は、ディスクを記録再生可能なディスク装置のディスク誤挿入防止機構において、前記ディスク装置のディスク挿入口から挿入される前記ディスクの周縁部を当接させながら挿入することにより回動されると共に前記ディスク装置に挿入された前記ディスクの有無を検知するアーム部材に突起部を有し、前記ディスク挿入口から挿入され前記ディスクを前記ディスク装置に収容している時、前記突起部は、前記アーム部材が回動されることにより前記ディスク挿入口の近傍に配置され、前記ディスク装置に収容されているディスクと別体のディスクが前記ディスク挿入口から誤挿入されようとした際に、前記ディスクの有無を検知するアーム部材を前記別体のディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用したことを特徴とする。
【0008】
請求項1により、ディスク挿入口からディスク装置にディスクを挿入すると、アーム部材は回動され、この回動動作によりディスクの有無を検知することが可能となり、尚且つ、ディスク装置にディスクを収容した状態にある時に、ディスク挿入口の近傍にアーム部材の突起部を、別体のディスクが誤って挿入されないように配置されるので、ディスクの有無を検知するアーム部材を、ディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用することで部品点数の削減を図ることができる。
【0009】
本発明の請求項2のディスク誤挿入防止機構は、請求項1記載のディスク誤挿入防止機構において、前記ディスクの径を、8センチ又は12センチなどの径の異なる複数種類のディスクであることを特徴とする。
【0010】
請求項2により、径の異なるディスクの記録や再生が可能となるので実用性に優れると共に、ディスク装置にディスクを収容した状態にある時に、収容されたディスクと別体のディスクを挿入口から挿入されることをアーム部材で遮ることができる。
【0011】
本発明の請求項3のディスク誤挿入防止機構を備えたディスク装置は、請求項1又は2記載において、前記ディスク装置に挿入されるディスクの有無を検知するアーム部材を、前記ディスク誤挿入防止機構として兼用したことを特徴とする。
【0012】
請求項3により、ディスク挿入口からディスク装置にディスクを挿入すると、アーム部材は回動され、この回動動作によりディスクの有無を検知することが可能となり、尚且つ、ディスク装置にディスクを収容した状態にある時に、ディスク挿入口の近傍にアーム部材の突起部を、別体のディスクが誤って挿入されないように配置されるので、ディスクの有無を検知するアーム部材を、ディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用した部品点数の削減を図ったディスク装置を得ることができる。
【0013】
本発明の請求項4のディスク誤挿入防止機構を備えたディスク装置は、ディスク挿入口から挿入してディスクの記録再生をするディスク装置のシャーシに、前記ディスクの収容と連動するラックプレートを備え、前記ディスク装置の所定の位置に前記ディスクを搬送するローラーと、このローラーを回転駆動する駆動手段と、前記ディスクを前記ディスク装置の所定の位置に収容した状態で前記ディスク挿入口の近傍に配置される突起部を有するアーム部材とを備えたディスク装置において、前記ローラーにより所定の位置にディスクを収容する時に、前記ディスクの周縁部を前記突起部に当接されながら回動するアーム部材に、このアーム部材の回動動作により前記ディスク装置に挿入されているディスクの有無を検知させ、前記ディスクを前記ディスク装置に収容する際に連動する前記ラックプレートに係合部を設け、前記ディスク挿入口から挿入された前記ディスクを前記ディスク装置に収容している時に前記アーム部材が回動することにより、前記ディスク挿入口の近傍に前記突起部を配置すると共に前記アーム部材に設けた突起を前記連動されたラックプレートの係合部に係合させ、前記ディスクの有無を検知するアーム部材を、前記ディスク装置に収容されているディスクと別体のディスクが前記ディスク挿入口から誤挿入されようとした際に、前記別体のディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用したことを特徴とする。
【0014】
請求項4により、ディスク挿入口からディスクを挿入しようとすると、ディスクの周縁部は突起部に当接されながらアーム部材を回動するので、こうしたアーム部材の回動動作により、ディスク装置に挿入されているディスクの有無を検知させることが可能となると共に、ディスク装置にディスクを収容する際に、ディスク挿入口に挿入されているディスクを、駆動手段がローラーを駆動し所定の位置に搬送して収容する。この場合、所定の位置にディスクが収容されるのに連動して作動されるラックプレートの係合部に、回動されたアーム部材の突起を係合し、ディスク挿入口の近傍にアーム部材の突起部を保持させ、別体のディスクが誤ってディスク挿入口からディスク装置に挿入されないように配置する。従って、ディスク装置にディスクを収容した状態にある時に、ディスク挿入口の近傍にアーム部材の突起部を、別体のディスクが誤って挿入されないように保持し、ディスクの有無を検知するアーム部材を、ディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1のディスク誤挿入防止機構によれば、ディスクを記録再生可能なディスク装置のディスク誤挿入防止機構において、前記ディスク装置のディスク挿入口から挿入される前記ディスクの周縁部を当接させながら挿入することにより回動されると共に前記ディスク装置に挿入された前記ディスクの有無を検知するアーム部材に突起部を有し、前記ディスク挿入口から挿入され前記ディスクを前記ディスク装置に収容している時、前記突起部は、前記アーム部材が回動されることにより前記ディスク挿入口の近傍に配置され、前記ディスク装置に収容されているディスクと別体のディスクが前記ディスク挿入口から誤挿入されようとした際に、前記ディスクの有無を検知するアーム部材を前記別体のディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用したものであり、部品点数の削減を行うことで低コスト化を図ることができる。
【0016】
本発明の請求項2のディスク誤挿入防止機構によれば、請求項1記載のディスク誤挿入防止機構において、前記ディスクの径を、8センチ又は12センチなどの径の異なる複数種類のディスクとしたものであり、径の異なるディスクの記録や再生が可能となるので実用性に優れ、且つ、部品点数を少なくしコストの低減を図ることができる。
【0017】
本発明の請求項3のディスク誤挿入防止機構を備えたディスク装置によれば、請求項1又は2の記載において、前記ディスク装置に挿入されるディスクの有無を検知するアーム部材を、前記ディスク誤挿入防止機構として兼用したものであり、部品点数を抑えた安価なディスク装置を提供することができる。
【0018】
本発明の請求項4のディスク誤挿入防止機構を備えたディスク装置によれば、ディスク挿入口から挿入してディスクの記録再生をするディスク装置のシャーシに、前記ディスクの収容と連動するラックプレートを備え、前記ディスク装置の所定の位置に前記ディスクを搬送するローラーと、このローラーを回転駆動する駆動手段と、前記ディスクを前記ディスク装置の所定の位置に収容した状態で前記ディスク挿入口の近傍に配置される突起部を有するアーム部材とを備えたディスク装置において、前記ローラーにより所定の位置にディスクを収容する時に、前記ディスクの周縁部を前記突起部に当接されながら回動するアーム部材に、このアーム部材の回動動作により前記ディスク装置に挿入されているディスクの有無を検知させ、前記ディスクを前記ディスク装置に収容する際に連動する前記ラックプレートに係合部を設け、前記ディスク挿入口から挿入された前記ディスクを前記ディスク装置に収容している時に前記アーム部材が回動することにより、前記ディスク挿入口の近傍に前記突起部を配置すると共に前記アーム部材に設けた突起を前記連動されたラックプレートの係合部に係合させ、前記ディスクの有無を検知するアーム部材を、前記ディスク装置に収容されているディスクと別体のディスクが前記ディスク挿入口から誤挿入されようとした際に、前記別体のディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用したものである。これにより、ディスクの有無を検知するアーム部材を、ディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用することが可能となるので、部品点数の削減を図り価格を低く抑えた安価なディスク装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1〜図10に基づき以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、実施例において説明した以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0020】
図1は本実施例におけるディスク装置を上方から視た状態を示す平面透視図、図2はディスク装置を上方から視た状態を示す概略説明図、図3はディスク装置を正面から視た状態を示す概略断面図、図4はディスク装置を側面から視た状態の断面を示す概略説明図である。
【0021】
これらの図に示すスロットイン方式のディスク装置1は、8センチと12センチの直径の異なるサイズのディスクDを記録再生することが可能であり、ディスク装置1のシャーシ2には、前後に進退可能に組み付けられたラックプレート3を備え、ラックプレート3とシャーシ2に形成された孔部4にローラー5の端部が挿入され回動自在にシャーシ2に軸支されている。
【0022】
シャーシ2に軸支されているディスクDを搬送するローラー5の一方の端部には、ギア10Aが固定されていて、このギア10Aを含む回動自在に設けられた複数のギア群10は駆動力を伝達可能に歯合されており、駆動手段たるモータ11の駆動力により、ラックプレート3に形成したラックギア12が、モータ11の駆動力を伝達する複数のギア群10の内の一つと歯合されていることで、モータ11の駆動によりラックプレート3が前後に移動するようになっている。
【0023】
21は、ディスク装置1の幅方向に並んで配置されると共に、ディスク装置1の前部に配置されたシャーシ2に設けられた一対の回動自在なアーム部材であり、これらアーム部材21には、円弧状のギア部22と、ディスク装置1に既にディスクDが収容されているか否かを検知する機能を備え、アーム部材21のそれぞれに突起部23が一体に設けられており、また、アーム部材21の一方にはアーム突起24を一体に設け、シャーシ2にスライド自在に取り付けたリンクアーム25の両側に形成したラック部25A,25Bはギア部22と歯合され、ディスク装置1内にディスクDを挿入する際、ディスクDの周縁部が突起部23を押圧し、シャーシ2に形成された円弧状の案内溝26に嵌合された突起部23が案内溝26に沿って摺動されながら移動することと連動して、アーム部材21は回動される。この場合、リンクアーム25がその長手方向に移動されることにより、リンクアーム25の突状のリブ28がシャーシ2に固定されているレバー式のスイッチ30を押圧操作することにより、モータ11が駆動されると複数のギア群10を介してローラー5を回転し、図6に示すローラー5に接触されている挿入途中のディスクDをディスク装置1内の所定の位置に移動する(図7の状態)。なお、前述したディスクDがディスク装置1に収容されているか否かを検知する機能としては、機構的な検知手段としてアーム部材21の突起部23が、ディスクDの外周縁に押されて動く場合をディスク無しの未挿入状態とし、一方、ディスクDの外周縁に押されて動かない場合をディスク有りとする挿入状態とするもので、又、こうした検知手段の変形例として電気的な検知として、ラックプレート3がエンドスイッチ40を押していない状態をディスク無しとし、又ラックプレート3がディスク装置1の後方へと移動してエンドスイッチ40を押している状態をディスク有りとして検知することも可能である。
【0024】
また、ラックプレート3には長孔状のカム溝31とスライド溝32が形成されており、前者であるカム溝31には、一方の端部がシャーシ2に回動自在に枢支されたL字型のアーム33の凸部34が、カム溝31に沿って摺動自在に嵌合されている。また、スライド溝32には、ディスク装置1の幅方向にスライド可能なロッドトラバース35がシャーシ2に取り付けられており、図7に示すようにディスクDの周縁部の後部がアーム33を後方に押圧して回動することにより、連動してラックプレート3が後退される。この場合、ラックプレート3が後退するのに連動して、ロッドトラバース35の一方の端部に設けられた突起36が平行部32Aと傾斜部32Bとからなるスライド溝32に嵌合されているので、突起36は、スライド溝32に沿って移動することにより、ロッドトラバース35はディスク装置1の幅方向(図9に示す右側)にスライド移動され、アーム部材21から延出されたアーム突起24が、ラックプレート3に形成した係合部37に係止され、アーム部材21が回動することのないように固定し、ディスクDの収容状態にあるディスク装置1に、ディスク装置1の前部のディスク挿入口6から別のディスクが挿入されようとしても、アーム部材21の突起部23がディスク装置1のディスク挿入口6近傍に保持された状態で配置されるので、ディスクDの誤挿入を突起部23で遮断することが可能となっている。
【0025】
40は、モータ11の回転を停止するレバー式のエンドスイッチであり、アーム33が回動されラックプレート3が後方に移動すると、このラックプレート3の後部がエンドスイッチ40を押圧することでモータ11の回転を停止する。
【0026】
次に、ディスク装置の作動手順について、図2〜図10に基づき以下に説明する。図5はディスクを挿入しようとしている状態のディスク装置を示す概略説明図、図6はディスクの挿入途中の状態のディスク装置を示す概略説明図、図7はディスクの挿入によりアームを回動している状態のディスク装置を上方から視た概略説明図、図8はディスクの挿入によりアームを回動している状態のディスク装置を側方から視た概略説明図、図9はディスク装置の所定の位置にディスクの収容が完了しアーム部材を保持した状態を示すディスク装置を上方から視た概略説明図、図10はディスク装置の所定の位置にディスクの収容が完了しアーム部材を保持した状態を示すディスク装置を側方から視た概略説明図である。図2〜図4に示すディスク装置1へのディスクDの未挿入状態から、シャーシ2の前部のディスク挿入口6からディスクDを挿入しようと差し込むと、図5に示すように、挿入されているディスクDの後部がアーム部材21の突起部23を押圧し、これら突起部23は、図6に示すように、ディスク装置1の内側から外側に向かって案内溝26に沿って移動する。この場合、突起部23を構成するアーム部材21は回動される。そして、この回動動作に連動してリンクアーム25はその長手方向にスライド移動され、リンクアーム25の一部がスイッチ30に接触して押圧操作することでモータ11を駆動する。そして、モータの駆動に伴いギア群10などを介してローラー5を回転駆動させ、挿入途中であるローラー5に接触されているディスクDをディスク装置1の所定の位置に搬送して配置する(図7の状態)。所定の位置にディスクDが搬送されると、ディスクDの周縁部の後部がアーム33の一方の端部を押圧し、この一方の端部の反対に位置する他方の端部を支点として梃子の作用によって、アーム33は回動(図7に示す半時計方向)され、アーム33の凸部34が、カム溝31に沿って後方に移動することに伴って、進退可能なラックプレート3を後方に移動し、エンドスイッチ40を押圧することでモータ11の回転を停止すると共に、アーム部材21の突起部23は、弾性体たるトーションバネ44の付勢力により案内溝26に沿って外側から内側に移動される。なお、案内溝26に沿って外側から内側に移動されるのに伴い、アーム部材21の一方のアーム突起24が係合部37に係止され、図9に示すように、ディスク装置1の前部に一対の突起部23を保持して、ディスクDが挿入されているか否かを検知する突起部23を有するアーム部材21を兼用し、ディスク装置1内へのディスクDの誤挿入を確実に遮断することができる。
【0027】
このように、本発明の目的はディスクDの挿入されたことを検知するアーム部材21を、新たに別のディスクがディスク装置1のディスク挿入口6に誤挿入されそうになった時にその挿入を防止する手段として兼用し部品点数の削減を図ったものであり、ディスク装置1のディスク挿入口6から挿入されるディスクDの周縁部を当接させながら挿入することにより、回動されると共にディスク装置1に挿入されたディスクDの有無を検知するアーム部材21に、ディスクDと別体のディスク誤挿入防止用の突起部23を有し、ディスク挿入口6から挿入されディスクDをディスク装置1に収容している時、突起部23は、アーム部材21が回動されることによりディスク挿入口6の近傍に配置され、ディスク装置1に収容されているディスクDと別体のディスクがディスク挿入口6から誤挿入されようとした際に、ディスクDの有無を検知するアーム部材21を別体のディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用したものである。これにより、ディスク挿入口6からディスク装置1にディスクを挿入すると、アーム部材21は回動され、この回動動作によりディスクDの有無を検知することが可能となり、尚且つ、ディスク装置1にディスクDを収容した状態にある時に、ディスク挿入口6の近傍にアーム部材21の突起部23を、別体のディスクが誤って挿入されないように配置するので、ディスクDの有無を検知するアーム部材21の一方を、ディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用することで部品点数の削減を図ることができる。
【0028】
さらに、ディスクDの径を、規格化された8センチ又は12センチなどの径の異なる複数種類のディスクの記録および再生、或いはこれらの何れか一方を可能とすれば、汎用性を有することで実用性が向上する。また、ディスク装置1にディスクDを収容した状態にある時に、ユーザーなどが、ディスク装置1に収容されたディスクDと別体であるディスクを、ディスク挿入口6から挿入することをアーム部材21で遮ることができ、ディスクの誤挿入によりディスク装置1に収容されたディスクDに別体のディスクが接触してしまい、傷の付き易いディスクDが傷ついてしまうことを防止できる。
【0029】
しかも、ディスク装置1に挿入されるディスクDの有無を検知するアーム部材21を、ディスク誤挿入防止機構として兼用したことにより、ディスク挿入口6からディスク装置1にディスクDを挿入すると、アーム部材21は回動され、この回動動作によりディスクDの有無を検知することが可能となり、尚且つ、ディスク装置1にディスクDを収容した状態にある時に、ディスク挿入口6の近傍にアーム部材21の突起部23を、別体のディスクが誤って挿入されないように保持した状態で配置されるので、ディスクDの有無を検知するアーム部材21を、ディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用し部品点数の削減を図ったディスク装置1を得ることができる。
【0030】
以上のように、本発明の一例のディスク装置1によれば、ローラー5により所定の位置にディスクDを搬送し収容する時に、ディスクDの周縁部を突起部23に当接されながら回動するアーム部材21の回動動作により、ディスク装置1に挿入されているディスクDの有無を検知させ、ディスクDをディスク装置1に収容する際に連動するラックプレート3に係合部37を設け、ディスク挿入口6から挿入されたディスクDをディスク装置1に収容している時にアーム部材21が回動することにより、ディスク挿入口6の近傍に突起部23を配置すると共にアーム部材21に設けたアーム突起24などの突起を連動されたラックプレート3の係合部37に係合させ、ディスクDの有無を検知するアーム部材21を、ディスク装置1に収容されているディスクDと別体のディスクがディスク挿入口6から誤挿入されようとした際に、別体のディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用したものである。よって、ディスク挿入口6からディスクDを挿入しようとすると、ディスクDの周縁部は突起部23に当接されながらアーム部材21を回動するので、こうしたアーム部材21の回動動作により、ディスク装置1に挿入され既に収容されているディスクDの有無を検知させることが可能となると共に、ディスク装置1にディスクDを収容する際に、ディスク挿入口6に挿入されている途中のディスクDを、駆動手段たるモータ11がローラー5を駆動し所定の位置に搬送して収容する。この場合、所定の位置にディスクDが収容されるのに連動して作動されるラックプレート3の係合部37に、回動されたアーム部材21の突起たるアーム突起24を係合し、ディスク挿入口6の近傍にアーム部材21の突起部23を保持させ、別体のディスクが誤ってディスク挿入口6からディスク装置1に挿入されないように配置する。つまり、ディスク装置1にディスクDを収容した状態にある時に、ディスク挿入口6の近傍にアーム部材21の突起部23を、別体のディスクが誤って挿入されないように保持し、ディスクDの有無を検知するアーム部材21を、別体のディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用することが可能となり、部品点数の削減を図り、故障などの不具合を軽減すると共に価格を低く抑えた安価なディスク装置1を提供することができる。
【0031】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、ディスク装置1に収容されるディスクDの径は、8センチ、12センチとしているが、特にこれに限定するものではなく、これらと異なる径であっても適応可能である。また、本実施例においては、ラックプレート3の係合部37にアーム部材21のアーム突起24を係合させ、突起部23をディスク装置1の前部のディスク挿入口6に保持しているが、特にこれに限定するものではなく、突起部23を保持できるのであれば、変形例として、アーム突起24に代えてロッドトラバース35に突状のリブを形成し、この突状のリブに係合する凸部若しくは凹部をリンクアーム25に形成し、これらと突状のリブとを係合させることで、突起部23を保持する構造としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施例におけるディスク装置を上方から視た状態を示す平面透視図である。
【図2】同上、ディスク装置を上方から視た状態を示す概略説明図である。
【図3】同上、ディスク装置を正面から視た状態を示す概略断面図である。
【図4】同上、ディスク装置を側面から視た状態の断面を示す概略説明図である。
【図5】同上、ディスクを挿入しようとしている状態のディスク装置を示す概略説明図である。
【図6】同上、ディスクの挿入途中の状態のディスク装置を示す概略説明図である。
【図7】同上、ディスクの挿入によりアームを回動している状態のディスク装置を上方から視た概略説明図である。
【図8】同上、ディスクの挿入によりアームを回動している状態のディスク装置を側方から視た概略説明図である。
【図9】同上、ディスク装置の所定の位置にディスクの収容が完了しアーム部材を保持した状態を示すディスク装置を上方から視た概略説明図である。
【図10】同上、ディスク装置の所定の位置にディスクの収容が完了しアーム部材を保持した状態を示すディスク装置を側方から視た概略説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ディスク装置
2 シャーシ
3 ラックプレート
5 ローラー
6 ディスク挿入口
11 モータ(駆動手段)
21 アーム部材
23 突起部
24 アーム突起(突起)
37 係合部
D ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを記録再生可能なディスク装置のディスク誤挿入防止機構において、前記ディスク装置のディスク挿入口から挿入される前記ディスクの周縁部を当接させながら挿入することにより回動されると共に前記ディスク装置に挿入された前記ディスクの有無を検知するアーム部材に突起部を有し、前記ディスク挿入口から挿入され前記ディスクを前記ディスク装置に収容している時、前記突起部は、前記アーム部材が回動されることにより前記ディスク挿入口の近傍に配置され、前記ディスク装置に収容されているディスクと別体のディスクが前記ディスク挿入口から誤挿入されようとした際に、前記ディスクの有無を検知するアーム部材を前記別体のディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用したことを特徴とするディスク誤挿入防止機構。
【請求項2】
前記ディスクの径を、8センチ又は12センチなどの径の異なる複数種類のディスクであることを特徴とする請求項1記載のディスク誤挿入防止機構。
【請求項3】
前記ディスク装置に挿入されるディスクの有無を検知するアーム部材を、前記ディスク誤挿入防止機構として兼用したことを特徴とする請求項1又は2記載のディスク誤挿入防止機構を備えたディスク装置。
【請求項4】
ディスク挿入口から挿入してディスクの記録再生をするディスク装置のシャーシに、前記ディスクの収容と連動するラックプレートを備え、前記ディスク装置の所定の位置に前記ディスクを搬送するローラーと、このローラーを回転駆動する駆動手段と、前記ディスクを前記ディスク装置の所定の位置に収容した状態で前記ディスク挿入口の近傍に配置される突起部を有するアーム部材とを備えたディスク装置において、前記ローラーにより所定の位置にディスクを収容する時に、前記ディスクの周縁部を前記突起部に当接されながら回動するアーム部材に、このアーム部材の回動動作により前記ディスク装置に挿入されているディスクの有無を検知させ、前記ディスクを前記ディスク装置に収容する際に連動する前記ラックプレートに係合部を設け、前記ディスク挿入口から挿入された前記ディスクを前記ディスク装置に収容している時に前記アーム部材が回動することにより、前記ディスク挿入口の近傍に前記突起部を配置すると共に前記アーム部材に設けた突起を前記連動されたラックプレートの係合部に係合させ、前記ディスクの有無を検知するアーム部材を、前記ディスク装置に収容されているディスクと別体のディスクが前記ディスク挿入口から誤挿入されようとした際に、前記別体のディスクの誤挿入を遮断する手段として兼用したことを特徴とするディスク誤挿入防止機構を備えたディスク装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−185552(P2006−185552A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380692(P2004−380692)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(390001959)オリオン電機株式会社 (427)
【Fターム(参考)】