ディスク駆動装置及び電子機器
【課題】スロット内の記録媒体の位置に依存せずにスロット側から装着部側に記録媒体を引き込むことができると共に小型化可能なディスク駆動装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】ディスク駆動装置は、スロット１９側からディスク装着部２３側に光ディスクを引き込むことが可能な第１の搬送機構３００を備えている。スロット１９内の光ディスクの位置に依存せずに、光ディスク２をディスク装着部２３側に引き込むことができと共に、第１の搬送機構３００によりディスク装着部２３側に引き込まれた光ディスクを第１、第２の回動アーム３５、３６、レバー部材４６で受け取りディスク装着部２３による装着位置に搬送する。第１の搬送機構３００から光ディスクを開放することができるので、例えば第１の搬送機構３００を光ディスクの記録面に直交する方向に移動させる機構が不要となり、ディスク駆動装置の小型（薄型）化を図ることができる。
【解決手段】ディスク駆動装置は、スロット１９側からディスク装着部２３側に光ディスクを引き込むことが可能な第１の搬送機構３００を備えている。スロット１９内の光ディスクの位置に依存せずに、光ディスク２をディスク装着部２３側に引き込むことができと共に、第１の搬送機構３００によりディスク装着部２３側に引き込まれた光ディスクを第１、第２の回動アーム３５、３６、レバー部材４６で受け取りディスク装着部２３による装着位置に搬送する。第１の搬送機構３００から光ディスクを開放することができるので、例えば第１の搬送機構３００を光ディスクの記録面に直交する方向に移動させる機構が不要となり、ディスク駆動装置の小型（薄型）化を図ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、光学ディスクに対して信号の記録及び／又は再生を行うディスク駆動装置に関し、特にスロットイン型のディスク駆動装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【０００２】
光学ディスクとしては、従来よりＣＤ(Compact Disk)やＤＶＤ(Digital Versatile Disk)といった光ディスク、ＭＯ(Magneto optical)やＭＤ(Mini Disk)等の光磁気ディスクが広く知られており、これらディスクやディスクカートリッジ等に対応した各種のディスク駆動装置が登場している。
【０００３】
ディスク駆動装置には、筐体に設けられた蓋や扉を開放し、そこから臨むターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ、筐体から水平方向に出し入れされるディスクトレイにディスクを載置することで、ディスクトレイが引き込まれた際にディスクが内部のターンテーブルに自動的に装着されるタイプ、或いはこのディスクトレイに設けられたターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ等がある。しかしながら、何れのタイプも操作者にとって、蓋や扉を開閉したり、ディスクトレイを出し入れしたり、ターンテーブルにディスクを装着したりといった操作を必要とする。
【０００４】
これに対して、筐体の前面に設けられたスロットからディスクを挿入するだけでディスクが自動的にターンテーブルに装着される、いわゆるスロットイン型のディスク駆動装置がある。このディスク駆動装置では、スロットからディスクが挿入されると、互いに対向する一対のガイドローラの間にディスクを挟み込みながら、これら一対のガイドローラが互いに逆向きに回転させることによって、スロットから挿入されたディスクを筐体の内部へと引き込むローディング動作と、このスロットからディスクを筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行う。
【０００５】
ところで、ディスク駆動装置が搭載される、例えばノート型パーソナルコンピュータ等のモバイル機器では、更なる小型軽量薄型化が求められており、それに伴うディスク駆動装置の小型軽量薄型化の要求も高まっている。また、近年では、パーソナルコンピュータ等で主流であったトレイ型のディスク駆動装置よりも、操作感のよいスロットイン型のディスク駆動装置の需要が高まっている。
【０００６】
しかしながら、スロットイン型のディスク駆動装置では、上述した一対のガイドローラの長さがディスクの直径よりも長くなることから、装置全体の幅方向の寸法が長くなる。また、一対のガイドローラの間にディスクを挟み込むことから、厚み方向の寸法も長くなる。このため、従来のスロットイン型のディスク駆動装置では、小型化や薄型化に非常に不利であった。
【０００７】
特に、ノート型パーソナルコンピュータ等に搭載される超薄型のディスク駆動装置は、厚さ１２．７ｍｍが標準サイズとされており、更にハードディスクドライブ（ＨＤＤ）ユニットと同等の厚みである９．５ｍｍまで薄型化された場合には、このようなガイドローラをそのまま転用することは寸法上困難である。
【０００８】
そこで、スロットイン型のディスク駆動装置では、小型化や薄型化の要求に応えるため、スロットから挿入されたディスクと、このディスクが装着されるターンテーブルが取り付けられたベースとの間に複数の回動アームを配置し、これら回動アームをディスクと平行な面内で回動させながら、ディスクをスロットから筐体の内部へと引き込むローディング動作と、ディスクをスロットから筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うディスク駆動装置が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開２００２−１１７６０４号公報（段落［００１８］〜［００２８］、図１）
【特許文献２】特開平７−２２０３５３号公報（段落［００４９］、図６）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、上記特許文献１の技術では、例えば車載用のディスク駆動装置にスロットイン型のディスク駆動装置を用いた場合、スロットからディスクの中心孔が出るまでディスクが６ｃｍ程排出された後、一定時間経過したときに使用者がディスクを取り出さないと、振動等によりディスクがスロットから脱落する可能性がある。そのため、ディスクを再引き込みできるようにしたいという要望があるが、一度排出されたディスクを再び引き込むためにはディスクを例えば１０ｃｍ程度押し込まなければない。コンスーマ用途のスロットイン型のディスク駆動装置は、使用者がディスクを５〜６ｃｍ程度スロットに差し込めばディスクがスロットから引き込まれるものが多い。そのため、１０ｃｍ程度差し込む必要がある場合には、使用者に違和感を与える恐れがあった。
【００１０】
また、上記特許文献２の技術では、スロットの近くでディスクの上面及び記録面を挟みながらディスクを搬送するためのガイドローラを備えている。したがって、スロットに挿入されたディスクを引き込むためにディスクを例えば１０ｃｍ程度挿入する必要はない。しかしながら、ディスクをガイドローラから開放するためにガイドローラを上下動させるための機構が必要なので、装置のサイズが大きいという問題がある。
【００１１】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、スロット内の記録媒体の位置に依存せずにスロット側から装着部側に記録媒体を引き込むことができると共に小型化可能なディスク駆動装置及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
上記目的を達成するため、本発明に係るディスク駆動装置は、ディスク状の記録媒体が挿入及び排出されるスロットを有する筐体と、前記筐体内に設けられ、前記スロットから挿入された前記記録媒体が装着される装着部と、前記記録媒体を前記スロット側から前記装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構と、前記第１の搬送機構により引き込まれた前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送することで、前記第１の搬送機構から前記記録媒体を開放する第２の搬送機構とを具備することを特徴とする。
【００１３】
本発明では、記録媒体をスロット側から装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構を備えているので、スロット内の記録媒体の位置に依存せずに、記録媒体を装着部側に引き込むことができる。さらに、第１の搬送機構により装着部側に引き込まれた記録媒体を第２の搬送機構で装着部による装着位置に搬送することで、第１の搬送機構から記録媒体が開放される。これにより、例えば第１の搬送機構から記録媒体を開放するために第１の搬送機構を記録媒体の記録面に直交する方向に移動させる機構が不要となり、ディスク駆動装置の小型（薄型）化を図ることができる。
【００１４】
本発明の一の形態によれば、前記記録媒体が前記スロットに挿入されているか否かを検出するための検出部を更に具備する。これにより、記録媒体がスロットに挿入されていると検出部により検出されたときに、第１の搬送機構により記録媒体を装着部側に引き込むことができる。
【００１５】
本発明の一の形態によれば、前記第１の搬送機構は、前記記録媒体の記録面又はその反対側の面に接触して回動するように設けられたローラを有し、前記ローラを回転駆動させる回転駆動機構と、前記記録媒体を前記ローラとで挟んで案内するガイド部材とを有する。これにより、記録媒体がローラとガイド部材とにより挟まれた状態で、回転駆動機構によりローラを回転させることで、スロット内の記録媒体を装着部側に安定的に引き込むことができる。
【００１６】
本発明の一の形態によれば、前記第２の搬送機構は、前記記録媒体の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラを有し、前記側面ローラを回転可能に支持する回動可能なレバー部材と、前記記録媒体の側面を前記側面ローラが押圧しながら前記レバー部材を回動させる回動機構と、前記回動するレバー部材と協働して前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームとを有する。これにより、レバー部材を回動させることで側面ローラを記録媒体の側面に押圧させながら、アームにより記録媒体の側面を挟み込んだ状態で、スロット内の記録媒体を引き込むことができる。
【００１７】
「協働して」とは、両者（例えばレバー部材及びアーム）の動作の時間帯が重なる場合を意味する。あるいは、当該動作の時間帯は重ならず順次動作する場合も含まれる。
【００１８】
以上の請求項１〜４に係る発明は、後述する第１の実施の形態としてサポートされている。
【００１９】
本発明の一の形態によれば、前記第１の搬送機構は、前記記録媒体の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラを有し、前記側面ローラを回転駆動させる回転駆動機構と、前記記録媒体を前記側面ローラとで挟んで案内するガイド部材とを有する。これにより、記録媒体の側面が側面ローラとガイド部材とで挟まれた状態で回転駆動機構により側面ローラを回転させることで、記録媒体の記録面を傷つけることなくスロット内の記録媒体を引き込むことができる。上記請求項４に係る発明では、「側面ローラ」は「第２の搬送機構」が有する部材であったが、請求項５に係る本発明では「側面ローラ」は「第１の搬送機構」が有する部材である。
【００２０】
本発明の一の形態によれば、前記第２の搬送機構は、回動可能に設けられ、前記ローラを回転可能に支持するレバー部材と、前記記録媒体の側面を前記ローラが押圧しながら前記レバー部材を回動させる回動機構とを有する。「レバー部材」は、「第２の搬送機構」が有する部材である。つまり、「側面ローラ」が「レバー部材」に支持されていることにより、上記回転駆動機構の積極的な駆動により側面ローラが記録媒体を装着部側に引き込みながら、上記回動機構の積極的な駆動によってレバー部材が回動して記録媒体を装着位置に搬送することができる。すなわち、第１の搬送機構と第２の搬送機構とで協働して行われる作業がスムーズになる。この場合、回動機構の駆動によりレバー部材が回動している間は、回転駆動機構による積極的な側面ローラの回転駆動は行われてもよいし、行われなくてもよい。回転駆動機構による積極的な側面ローラの回転駆動が行われない場合は、側面ローラと記録媒体の側面との摩擦抵抗によってレバー部材と側面ローラとが相対的に回転することになる。
【００２１】
本発明の一の形態によれば、前記記録媒体が前記スロットに挿入されているか否かを検出するための検出部を更に具備する。これにより、記録媒体がスロットに挿入されていると検出部により検出されたときに、レバー部材を回動させることで、側面ローラを記録媒体の側面に押圧させ、側面ローラと協働してスロット内の記録媒体を引き込むことができる。
【００２２】
本発明の一の形態によれば、前記第２の搬送機構は、前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームを有し、前記ガイド部材は、前記側面ローラとで前記記録媒体を挟むことができるように前記アームの先端部に回転可能に設けられたガイドローラである。これにより、レバー部材を回動させることで側面ローラを記録媒体の側面に押圧させ、側面ローラを回転させることで、側面ローラとガイドローラとで記録媒体の側面を挟み込んだ状態で、スロット内の記録媒体を引き込むことができる。
【００２３】
本発明の一の形態によれば、前記ガイド部材は、前記側面ローラにより前記記録媒体が引き込まれる方向に延設して前記筐体に設けられている。これにより、レバー部材を回動させることで側面ローラを記録媒体の側面に押圧させ、側面ローラを回転させることで、側面ローラとガイド部材とで記録媒体の側面を挟み込んだ状態で、ガイド部材が延設された方向に記録媒体を引き込むことができる。
【００２４】
以上の請求項６〜９に係る発明は、後述する第２の実施の形態または第３の実施の形態としてサポートされている。
【００２５】
本発明の一の形態によれば、前記第２の搬送機構は、前記第１の搬送機構から前記記録媒体を受け取り前記第１の搬送機構と協働して前記記録媒体を前記装着部側に搬送するレバー部材と、前記レバー部材と協働して前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送する搬送部材とを有する。比較的記録媒体の径が大きい場合、レバー部材が第１の搬送機構から記録媒体を受け取り第１の搬送機構と協働して装着部側に搬送し搬送部材がレバー部材と協働して記録媒体を装着部による装着位置に搬送するときに、レバー部材が記録媒体の側面を確実に、かつ、安定して押圧することで、安定して記録媒体を搬送することができる。一方、例えば記録媒体の径が比較的小さい場合、記録媒体が第１の搬送機構から離れた後に、搬送部材が記録媒体を装着位置まで搬送できるようにレバー部材が中継する必要がある。したがって、この場合、第２の搬送機構がレバー部材及び搬送部材を有することは有用なことである。なお、請求項１０に係る本発明は、後述する第１、第２または第３の実施の形態としてサポートされている。
【００２６】
本発明の一の形態によれば、前記搬送部材は、前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームである。これにより、レバー部材と協働してアームにより記録媒体の側面を挟持しながら記録媒体を搬送させることができる。
【００２７】
本発明の一の形態によれば、前記搬送部材は、前記スロット側から前記装着部側へ、かつ、前記装着部側から前記スロット側へ前記記録媒体を搬送可能な搬送レバーである。これにより、レバー部材と協働して搬送レバーによりスロット側から装着部側へ、かつ、装着部側からスロット側へ記録媒体を搬送することができる。
【００２８】
本発明の一の形態によれば、前記記録媒体として、第１の直径でなる第１のディスク及び前記第１の直径とは異なる第２の直径でなる第２のディスクに対応可能である。これにより、例えば第１のディスク、又は、第２のディスクがスロットに挿入されているときに、第１のディスク又は第２のディスクがスロットに挿入されている位置に依存せずにスロットから引き込むことができる。
【００２９】
本発明に係る電子機器は、ディスク状の記録媒体が挿入及び排出されるスロットを有する筐体と、前記筐体内に設けられ、前記スロットから挿入された前記記録媒体が装着される装着部と、前記記録媒体を前記スロット側から前記装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構と、前記第１の搬送機構により引き込まれた前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送することで、前記第１の搬送機構から前記記録媒体を開放する第２の搬送機構とを有するディスク駆動装置と、前記ディスク駆動装置の駆動を制御する制御部とを具備する。
【００３０】
制御部とは、ユーザからの操作入力等に基づいて少なくとも上記ディスク駆動装置に対して信号を生成して送るものであり、例えばＣＰＵである。
【００３１】
本発明では、記録媒体をスロット側から装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構を備えているので、スロット内の記録媒体の位置に依存せずに、記録媒体を装着部側に引き込むことができると共に、第１の搬送機構により装着部側に引き込まれた記録媒体を第２の搬送機構で装着部による装着位置に搬送することで、第１の搬送機構から記録媒体を開放することができるので、例えば第１の搬送機構から記録媒体を開放するために第１の搬送機構を記録媒体の記録面に直交する方向に移動させる機構が不要となり、ディスク駆動装置の小型（薄型）化を図ることができる。
【発明の効果】
【００３２】
以上のように、本発明によれば、スロット内の記録媒体の位置に依存せずにスロット側から装着部側に記録媒体を引き込むことができると共に小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３３】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【００３４】
図１は本発明に係るディスク駆動装置の外観斜視図、図２はディスク駆動装置のトップカバーを内面側から見た斜視図、図３はディスク駆動装置の構造を示す平面図、図４は図３のディスク駆動装置のＡ−Ａ断面図である。
【００３５】
このディスク駆動装置１は、図１に示すように、外筐となる筐体３を備え、この筐体３は、下部筐体である略扁平箱状のボトムケース４と、このボトムケース４の上部開口部を覆う天板であるトップカバー５とから構成されている。
【００３６】
トップカバー５は、図１及び図２に示すように、薄い板金からなり、ボトムケース４の上部開口部を閉塞する天板部５ａと、この天板部５ａの周囲がボトムケース４の両側面に沿って僅かに折り曲げられた一対の側板部５ｂとを有している。天板部５ａの略中央部には、略円形状の開口部６が形成されている。この開口部６は、後述するチャッキング動作時に例えば光ディスク２の中心孔２ａに係合されるターンテーブル２３ａの係合突部２８ａを外部に臨ませるためのものである。また、天板部５ａの開口部６の周囲には、ターンテーブル２３ａ上に保持された光ディスク２の中心孔２ａの周囲と当接されるように、筐体３の内側に向かって僅かに突出した当接突部７が設けられている。
【００３７】
天板部５ａの内側の主面には、図２に示すように後述する第１の回動アーム３５の先端部と第２の回動アーム３６の先端部とを高さ方向に規制しながら、互いに近接又は離間する方向に案内するガイド部材８が設けられている。このガイド部材８は、天板部５ａの両側板部５ｂの間に亘って略円弧状をなす板金からなり、天板部５ａの前面側にスポット溶接やかしめ等により取り付けられている。また、このガイド部材８は、背面側が前面側の取付面よりも一段高くなされた係止部８ａを有している。これにより、ガイド部材８の背面側の係止部８ａと天板部５ａとの間には、第１の回動アーム３５の先端部及び第２の回動アーム３６の先端部が係合されるガイド溝９が形成されている。また、天板部５ａには、このガイド溝９に第１の回動アーム３５の先端部と第２の回動アーム３６の先端部とを係合させるための作業用の窓部１０がそれぞれ設けられている。
【００３８】
ボトムケース４は、図３に示すように、略扁平箱状に形成された板金からなり、その底面部は、略矩形状であり、一方の側面部には、この底面部よりも底上げされて外側へと張り出したウィング部４ａが設けられている。
【００３９】
ボトムケース４の底面部には、ディスク駆動装置１の駆動を制御する図示を省略した駆動制御回路を構成するＩＣチップ等の電子部品や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ、各部の動作を検出するための後述する検出スイッチ等が配置された回路基板がネジ止め等により取り付けられている。また、ボトムケース４の底面部には、シャーシ１１がネジ止めにより取り付けられている。このシャーシ１１は、回路基板の上方において、ボトムケース４の内部を上記ウィング部４ａと略同等の高さで上下に仕切るように配置されている。
【００４０】
そして、このボトムケース４には、図１に示すように、上記トップカバー５がネジ止めにより取り付けられている。具体的に、図２に示すように、天板部５ａの外周縁部には、図１に示すネジ１２を貫通させる複数の貫通孔１３が形成されている。また、両側の側板部５ｂには、内側に略直角に折り曲げられた複数のガイド片１４が設けられている。一方、ボトムケース４の外周縁部には、図３に示すように、内側に略直角に折り曲げられた固定片１５が設けられており、これら固定片１５には、トップカバー５の貫通孔１３に対応したネジ孔１６が形成されている。また、ボトムケース４の両側面部には、トップカバー５の複数のガイド片１４の抜け止めとなる複数のガイドスリット１７が形成されている。
【００４１】
そして、ボトムケース４にトップカバー５を取り付ける際は、ボトムケース４の複数のガイドスリット１７にトップカバー５の複数のガイド片１４を係合させた状態で、トップカバー５を前面側から背面側へとスライドさせる。これにより、トップカバー５の天板部５ａがボトムケース４の上部開口部を閉塞した状態となる。そして、この状態でトップカバー５の複数の貫通孔１３を通してボトムケース４のネジ孔１６にネジ１２を螺合する。以上のようにして、図１に示す筐体３が構成されている。
【００４２】
なお、トップカバー５の天板部５ａには、組付後に、上述した開口部６や作業用の窓部１０を覆うラベルシール（図示せず。）が貼り付けられる。これにより、筐体３の内部への塵埃等の侵入や外部へのレーザの漏れ等を防止する。
【００４３】
筐体３の前面には、図１に示すように、略矩形平板状のフロントパネル１８が取り付けられている。このフロントパネル１８には、光ディスク２が水平方向に挿入又は排出されるスロット１９が設けられている。すなわち、ディスク駆動装置１は、直径１２ｃｍの大径ディスク及び直径８ｃｍの小径ディスクに対応可能であり、例えば大径ディスクを、このスロット１９から筐体３の内部へと挿入したり、或いはこのスロット１９から筐体３の外部へと排出したりすることが可能となっている。また、フロントパネル１８の前面には、光ディスク２に対するアクセス状態を点灯表示する表示部２０や、光ディスク２を排出する際に押圧されるイジェクトボタン２１、及び塵埃の進入を防止するカーテンである後述するガイド部材３０４とが設けられている。
【００４４】
ディスク駆動装置１は、筐体３の前面側に、光ディスク２をスロット１９側からディスク装着部２３側に引き込むことが可能な第１の搬送機構３００を備えている。
【００４５】
第１の搬送機構３００は、図３、図４に示すように、スロット１９に挿入、排出された光ディスク２の記録面を押圧するようにスロット１９の近くに設けられたローラ３０１を備えローラ３０１を回転駆動させる回転駆動機構３０３と、ローラ３０１により押圧された光ディスク２を引き込むように案内するガイド部材３０４とを備えている。ガイド部材３０４は、図４に示すようにローラ３０１により押圧された光ディスク２をローラ３０１とで挟むように設けられている。ガイド部材３０４は、例えば図示を省略したバネによりローラ３０１とガイド部材３０４とで挟まれた光ディスク２を付勢することができるように設けられている。
【００４６】
回転駆動機構３０３は、上述したローラ３０１と、ローラ３０１を回転駆動させる駆動源となるモータ３０２と、モータ３０２の回転数を減少させてローラ３０１に伝達するためにギア等により構成された減速ギアトレイン３０５とを備えている。ローラ３０１の構成材料には、例えばゴムやエラストマー等の高摩擦材料が用いられている。モータ３０２は、図４に示すようにボトムケース４の内底面に設けられており、モータ３０２の動力を減速ギアトレイン３０５を介してローラ３０１に伝達することができるように構成されている。なお、ローラ３０１が例えば光ディスク２の記録面側とは反対側の面に当接し、ガイド部材３０４が光ディスク２の記録面側に接するようにしてもよいし、光ディスク２の両面側にローラが接触するようにしてもよい。
【００４７】
また、ディスク駆動装置１のスロット１９の近くには、例えば光ディスク２がスロット１９に挿入されているか否かを検出するための検出部１１１が設けられている。検出部１１１は、例えばフォトディテクタ等の光センサやメカ的な機構などが用いられている。メカ的な機構を用いる場合には、例えば光ディスク２がスロット１９内に挿入されたときに、ガイド部材３０４が回動したり持ち上がったりするようにすることで、ガイド部材３０４の角度や位置を検知するようにしてもよい。
【００４８】
図５はディスク駆動装置１のベースユニットの斜視図である。
【００４９】
このディスク駆動装置１は、図３、図５に示すように、ボトムケース４の底面部にディスク駆動装置本体を構成するベースユニット２２を備えている。
【００５０】
このベースユニット２２は、スロット１９から筐体３の内部に挿入された光ディスク２が装着されるディスク装着部２３と、このディスク装着部２３に装着された光ディスク２を回転駆動するディスク回転駆動機構２４と、このディスク回転駆動機構２４により回転駆動される光ディスク２に対して信号の書き込み又は読み出しを行う光学ピックアップ２５と、この光学ピックアップ２５を光ディスク２の半径方向に送り動作させるピックアップ送り機構２６とを有し、これらがベース２７に一体に設けられた超薄型構造を有している。
【００５１】
このベースユニット２２は、ボトムケース４の底面部においてディスク装着部２３が略々中央に位置するように、シャーシ１１よりも前面側に配置されている。また、このベースユニット２２は、後述するベース昇降機構５５によって昇降可能とされており、初期状態において、スロット１９から筐体３の内部に挿入される光ディスク２よりも下方に位置している。
【００５２】
ベース２７は、板金を所定の形状に打ち抜き、その周囲を僅かに下方に折り曲げて形成されている。ベース２７の主面には、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａを上方へと臨ませる略半円状のテーブル用開口部２７ａと、光学ピックアップ２５の対物レンズ２５ａを上方へと臨ませる略矩形状のピックアップ用開口部２７ｂとが連続形成されている。なお、ベース２７の上面部には、これら開口部２７ａ，２７ｂに対応した開口部が形成された化粧板（図示せず。）が取り付けられる。
【００５３】
ベース２７は、図５に示すように、後述する駆動レバー５２と対向する側面のディスク装着部２３側に突設された第１の支軸５９と、図１０に示す後述するカムレバー５６と対向する側面のディスク装着部２３側に突設された第２の支軸６０と、駆動レバー５２と対向する側面とは反対側の側面の前面側に突設された第３の支軸６２と、カムレバー５６と対向する側面とは反対側の側面の前面側に設けられた固定支持部６５とを備えている。
【００５４】
ディスク装着部２３は、ディスク回転駆動機構２４により回転駆動されるターンテーブル２３ａを有し、このターンテーブル２３ａの中心部には、光ディスク２を装着するためのチャッキング機構２８が設けられている。このチャッキング機構２８は、光ディスク２の中心孔２ａに係合される係合突部２８ａと、この係合突部２８ａに係合された光ディスク２の中心孔２ａの周囲を係止する複数の係止爪２８ｂとを有し、光ディスク２をターンテーブル２３ａ上に保持する。
【００５５】
ディスク回転駆動機構２４は、光ディスク２をターンテーブル２３ａと一体に回転駆動する扁平状のスピンドルモータ２４ａを有し、このスピンドルモータ２４ａは、上面部に設けられたターンテーブル２３ａがベース２７のテーブル用開口部２７ａから僅かに突出するように、支持板２４ｂを介してベース２７の下面にネジ止めにより取り付けられている。
【００５６】
光学ピックアップ２５は、光源となる半導体レーザから出射された光ビームを対物レンズ２５ａにより集光させて光ディスク２の信号記録面に照射し、この光ディスク２の信号の記録面で反射された戻りの光ビームを受光素子等からなる光検出器により検出する光学ブロックを有し、光ディスク２に対する信号の書き込み又は読み出しを行うようになされている。
【００５７】
また、この光学ピックアップ２５は、対物レンズ２５ａを光軸方向（フォーカッシング方向という。）と、光ディスクの記録トラックと直交する方向（トラッキング方向という。）とに変位駆動する２軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構を有し、上述した光検出器により検出された光ディスク２からの検出信号に基づいて、この２軸アクチュエータにより対物レンズ２５ａをフォーカッシング方向及びトラッキング方向に変位させながら、光ディスク２の信号記録面上に対物レンズ２５ａの焦点を合わせるフォーカスサーボや、対物レンズ２５ａにより集光される光ビームのスポットを記録トラックに追従させるトラッキングサーボ等の駆動制御を行うようになされている。なお、対物レンズ駆動機構としては、このようなフォーカシング制御及びトラッキング制御に加えて、対物レンズ２５ａにより集光された光ビームを光ディスク２の信号記録面に垂直に照射させるように、光ディスク２の信号の記録面に対する対物レンズ２５ａの傾き（スキュー）を調整可能とする３軸アクチュエータを用いてもよい。
【００５８】
ピックアップ送り機構２６は、光学ピックアップ２５が搭載されたピックアップベース２９と、このピックアップベース２９を光ディスク２の半径方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸３０ａ，３０ｂと、これら一対のガイド軸３０ａ，３０ｂに支持されたピックアップベース２９を光ディスク２の半径方向に変位駆動する変位駆動機構３１とを有している。
【００５９】
ピックアップベース２９には、一対のガイド軸３０ａ，３０ｂのうち、一方のガイド軸３０ａを挿通するガイド孔が形成された一対のガイド片３２ａ，３２ｂと、他方のガイド軸３０ｂを挟み込むガイド溝が形成されたガイド片３３とが互いに対向する側面から突出形成されている。これにより、ピックアップベース２９は、一対のガイド軸３０ａ，３０ｂにスライド可能に支持されている。
【００６０】
一対のガイド軸３０ａ，３０ｂは、ベース２７の下面に光ディスク２の半径方向と互いに平行となるように配置されており、ベース２７のピックアップ用開口部２７ｂから光学ピックアップ２５が臨むピックアップベース２９を光ディスク２の内外周に亘って案内する。
【００６１】
変位駆動機構３１は、ベース２７に取り付けられた駆動モータ３１ａの回転駆動をギヤやラック（図示せず。）を介して直線駆動に変換し、ピックアップベース２９を一対のガイド軸３０ａ，３０ｂに沿った方向、すなわち光ディスク２の半径方向に変位駆動させる。
【００６２】
このディスク駆動装置１は、図３に示すように、第１の搬送機構３００によりスロット１９から引き込まれた光ディスク２を、ターンテーブル２３ａまで搬送する第２の搬送機構３４を備えている。
【００６３】
この第２の搬送機構３４は、光ディスク２の記録面とほぼ平行な面内で広がるように、かつ、狭まるように移動することで、光ディスク２の周縁部を挟持しながら、スロット１９側とディスク装着部２３側との間で光ディスク２を搬送させるためのアーム機構１３５と、後述するようにこれらのアーム機構１３５の移動を途中で規制する規制機構１２０と、レバー部材４６とを備えている。
【００６４】
なお、説明を明確にするため、第１の実施の形態では、「レバー部材４６」やこれに支持された「側面ローラ４８、ガイドローラ７３ａ、７３ｂ」等は、概念的に第２の搬送機構３４に含まれる構成であって、第１の搬送機構３００には含まれないものとする。
【００６５】
しかし、後述の第２の実施の形態に係るディスク駆動装置（図２９参照）においては、「レバー部材４６」は第２の搬送機構３４に含まれ、「側面ローラ１４８、ガイドローラ７３ａ、７３ｂ」は第１の搬送機構３１０に含まれる。また、後述する第３の実施の形態に係るディスク駆動装置（図３１参照）においては、「レバー部材４６」、「搬送レバー３１７」は第２の搬送機構３４に含まれ、「側面ローラ１４８、ガイド部材３１８」は第１の搬送機構３１０に含まれる。第２及び第３の実施の形態に係るディスク駆動装置では図３に示すローラ３０１がない。そのローラ３０１の代わりに、「第１の搬送機構３１０」として、図２９及び図３１に示すように側面ローラ１４８を積極的に回転駆動する回転駆動機構としてモータ３１２、ギアトレイン３１５、ベルト３１６等が設けられている。
【００６６】
アーム機構１３５は、光ディスク２の周縁部の両側を挟むように回動可能に設けられた第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６などを備えている。
【００６７】
第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部２３を挟んだ左右の両側に各々配置されており、それぞれディスク装着部２３よりも背面側に位置する基端部が、シャーシ１１上に設けられた第１の支軸３７を軸として支持されると共に、ディスク装着部２３よりも前面側に位置する先端部がスロット１９に挿入され第１の搬送機構３００により引き込まれた光ディスク２の記録面とほぼ平行な面内で互いに近接又は離間する図３に示す矢印ａ１、ａ２、ｂ２、ｂ２方向に回動可能となっている。
【００６８】
第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、光ディスク２がスロット１９から引き込まれる前の初期状態（ＨＯＭＥ状態）において、それぞれの先端部が開いた状態で保持されている。
【００６９】
第１の回動アーム３５は、図３に示すように先端部に設けられた第１の前面側当接部材３８と、光ディスク２の高さ方向の移動を規制するために設けられたフランジ１３８とを備えている。第１の前面側当接部材３８は、回転可能に設けられた前後一対のガイドローラ７３ａ，７３ｂを備えている。
【００７０】
第１の回動アーム３５の基端部近傍には、光ディスク２をディスク装着位置に位置決めする際に、第１の前面側当接部材３８と共に光ディスク２の外周部に当接される第１の背面側当接部材３９が下方に向かって突出して設けられている。
【００７１】
第１の前面側当接部材３８、フランジ１３８及び第１の背面側当接部材３９は、光ディスク２よりも柔らかい樹脂を用いて製造されている。
【００７２】
第１の回動アーム３５には、図３に示すように、捻じりコイルバネ７１ｄが設けられており、捻じりコイルバネ７１ｄは、回動部材７１のギヤ部７１ａと内歯ギヤ９４とを介して第１の回動アーム３５と、第２の回動アーム３６をと互いに近接する方向に付勢している。
【００７３】
回動部材７１は、図３に示すように、その外周部の所定の領域に亘って形成されたギヤ部７１ａを有し、このギヤ部７１ａがシャーシ１１上に配置された内歯ギヤ９４と噛合されることによって、第１の回動アーム３５の回動動作に連動しながら回動操作される。
【００７４】
第２の回動アーム３６の先端部には、スロット１９から第１の搬送機構３００により引き込まれた光ディスク２の外周部に当接される第２の前面側当接部材４０と、光ディスク２の高さ方向の移動を規制するために設けられたフランジ１４０とが設けられている。第２の前面側当接部材４０は、ガイドローラ７３ｃ、７３ｄを備えており、第２の前面側当接部材４０、フランジ１４０は、光ディスク２よりも柔らかい樹脂を用いて製造されている。
【００７５】
このように、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とは、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａを挟んで略対称となる位置に配置されており、互いの回動中心がディスク装着部２３よりも背面側の略中央部において一致している。また、第１の回動アーム３５の先端部及び第２の回動アーム３６の先端部は、天板部５ａのガイド溝９に係合された状態で回動方向に沿ってスライド可能に支持されている。
【００７６】
第１の回動アーム３５と、第２の回動アーム３６とは連動機構４１を介して互いに逆向きに回動可能となっている。
【００７７】
具体的に、この連動機構４１は、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とを連結する第１の連結アーム４２及び第２の連結アーム４３を有している。これら第１の連結アーム４２及び第２の連結アーム４３は、長尺状の板金からなり、それぞれの長手方向の一端部が第１の回動アーム３５の基端部と第２の回動アーム３６の基端部とに回動可能に支持され、それぞれの長手方向の他端部が第２の支軸４４を介して回動可能に支持された、いわゆるパンタグラフ構造を有している。また、第２の支軸４４は、シャーシ１１の第１の支軸３７よりも前面側に設けられたガイドスリット４５に係合されており、このガイドスリット４５は、光ディスク２の挿入方向に亘って直線状に形成されている。
【００７８】
第１の支軸３７には、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とを互いに近接する方向に付勢するための第１の捻じりコイルバネ７５が設けられている。第１の捻じりコイルバネ７５は、その巻回部分に第１の支軸３７が挿通された状態で、その一端部が第１の回動アーム３５の基端部に掛止され、その他端部が第２の回動アーム３６に掛止され設けられている。
【００７９】
したがって、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とは、第２の支軸４４がガイドスリット４５内をスライドすることで、第１の連結アーム４２及び第２の連結アーム４３を介して互いに逆向きに回動可能となっている。すなわち、第１の回動アーム３５の先端部と第２の回動アーム３６の先端部とは、このような連動機構４１によって、互いに近接又は離間する方向に回動可能となっている。
【００８０】
レバー部材４６は、光ディスク２などをスロット１９から筐体３の内部へと引き込むローディング動作を補助するためにスロット１９から挿入される光ディスク２の記録面とほぼ平行な面内で回動可能に設けられている。
【００８１】
レバー部材４６は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａを挟んだ左右の一方側（例えば図３中左側）の第２の回動アーム３６の前面側に位置して、ウィング部４ａ上に設けられた支軸４７を介して矢印ｃ１方向及び矢印ｃ２方向に回動可能に支持されている。
【００８２】
図６はディスク駆動装置１の一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【００８３】
レバー部材４６は、支軸４７が挿通される挿通される図６に示す略Ｌ字状の軸孔４６ａと、図９に示す駆動レバー５２の上面部に形成されたカム溝８０に係合されるカムピン４６ｂと、レバー部材４６の先端部に設けられた側面ローラ４８とを備えている。レバー部材４６は、このローラを回転可能に支持している。
【００８４】
レバー部材４６は、図３及び図６に示すように、ウィング部４ａ上に配置された捻りコイルバネ７９によって付勢されている。この捻りコイルバネ７９は、その一端部がウィング部４ａの掛止ピン７９ａに掛止され、その他端部がレバー部材４６の下面に設けられた掛止ピン７９ｂに掛止されている。
【００８５】
レバー部材４６は、駆動レバー５２のスライド動作に連動して、カムピン４６ｂが図６に示す駆動レバー５２に形成されたカム溝８０内をスライドすることによって回動操作される。また、レバー部材４６は、軸孔４６ａ内における支軸４７の位置によって、このレバー部材４６の回動中心を切り替えることが可能となっている。
【００８６】
側面ローラ４８は、スロット１９から挿入された光ディスク２の外周部に当接されるように、レバー部材４６の先端部に上方に向かって突出して設けられている。側面ローラ４８は、レバー部材４６の天板部５ａと対向する主面に回転可能に取り付けられた小径のローラであり、光ディスク２よりも柔らかい樹脂からなる。
【００８７】
図７はディスク駆動装置１の更に一部の部品を取り外した状態を示す平面図、図８はディスク駆動装置１の駆動レバーと検出スイッチとの位置関係を示す平面図である。
【００８８】
アーム機構１３５は、第１、第２の回動アーム３５，３６及びレバー部材４６等を協働させるための駆動レバー５２を備えている。この駆動レバー５２は、全体が略直方体状に形成された樹脂部材からなり、ボトムケース４の底面部において、このボトムケース４の一方の側面部とベースユニット２２との間に配置されている。また、この駆動レバー５２は、スロット１９から筐体３の内部に挿入される光ディスク２などよりも下方に位置しており、その上面部がウィング部４ａの底面部と略一致した高さにされている。
【００８９】
図９（ａ）は、駆動レバー５２を一方側から見た側面図であり、図９（ｂ）は、駆動レバー５２を上方側から見た平面図であり、図９（ｃ）は、駆動レバー５２を他方側から見た側面図であり、図９（ｄ）は、駆動レバー５２を下方側から見た平面図である。
【００９０】
駆動レバー５２は、図９（ｃ）に示すように、ベースユニット２２を昇降操作するため、ベース２７と対向する側面に形成された第１のカムスリット９５を有しており、この第１のカムスリット９５は、ベース２７をチャッキング解除位置に位置させるための第１の水平面部９５ａと、ベース２７をチャッキング位置に位置させるための頂上面部９５ｂと、ベース２７を上記中間位置に位置させるための第２の水平面部９５ｃとを有している。図９（ｄ）に示すように、駆動レバー５２の底面部には、ガイドスリット１００が形成されている。
【００９１】
駆動レバー５２の前面側には、図１１及び図１２に示すように、この駆動レバー５２に対して所定のストロークだけ前後方向にスライド可能とされたラック部材１０１が取り付けられている。そして、このラック部材１０１には、前後方向に亘ってラックギヤ１０１ａが形成されている。一方、ボトムケース４の底面部には、図７に示すように、変位駆動機構を構成する駆動モータ１０２と、この駆動モータ１０２の回転軸に取り付けられたウォームギヤ１０３と、このウォームギヤ１０３からラックギヤ１０１ａへと駆動モータ１０２の動力を伝達するギヤ列１０４とが配置されている。
【００９２】
したがって、この変位駆動機構は、図１１に示すように、駆動モータ１０２を一の方向に回動駆動することによって、ウォームギヤ１０３、ギヤ列１０４及びラックギヤ１０１ａ介してラック部材１０１が駆動レバー５２の背面側に引き込まれた状態で、駆動レバー５２をラック部材１０１と一体に背面側へと変位駆動する。一方、この変位駆動機構は、図１２に示すように、駆動モータ１０２を他の方向に回動駆動することによって、ウォームギヤ１０３、ギヤ列１０４及びラックギヤ１０１ａ介してラック部材１０１が駆動レバー５２の前面側に引き出された状態で、駆動レバー５２をラック部材１０１と一体に前面側へと変位駆動する。
【００９３】
第３の回動アーム４９は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａを挟んだ左右の一方側（例えば図３中左側）の第２の回動アーム３６の中間部において、イジェクト動作を補助するために光ディスク２の記録面とほぼ平行な面内で矢印ｄ１方向及び矢印ｄ２方向に回動可能に支持されている。また、第３の回動アーム４９の先端部には、スロット１９から挿入された光ディスク２の外周部の背面側に当接されるローラ５０が上方に向かって突出して設けられている。
【００９４】
ローラ５０は、光ディスク２よりも柔らかい樹脂からなり、第３の回動アーム４９の天板部５ａと対向する主面に回転可能に取り付けられている。第２の回動アーム３６には、この第３の回動アーム４９が背面側、すなわち矢印ｄ１方向に回動された際に、第３の回動アーム４９の背面側への回動を規制する図示を省略した規制片が設けられている。規制片は、例えば、第２の回動アーム３６の側縁がＵ字状に折り曲げられて形成されている。
【００９５】
第３の回動アーム４９は、図３に示す連結機構８１を介して駆動レバー５２のスライド動作に連動して回動操作される。
【００９６】
具体的に、この連結機構８１は、第１の支軸３７を介して回動可能に支持されたクランクアーム８２ａと、このクランクアーム８２ａと第３の回動アーム４９との間を連接する連接アーム８２ｂとからなるクランク機構を有している。また、連接アーム８２ｂには、第２の回動アーム３６に設けられたガイドピン８３ａを挿通させる長孔８３ｂが形成されている。したがって、このクランク機構は、第３の回動アーム４９の回動動作に連動して、クランクアーム８２ａを回動させることが可能となっている。
【００９７】
また、この連結機構８１は、図７に示すように、ボトムケース４の底面部に、上述したクランクアーム８２ａを介して回動される第１のギヤ８４と、この第１のギヤ８４と噛み合わされる第２のギヤ８５と、この第２のギヤ８５と噛み合わされる第３のギヤ８６が形成された回動操作部材８７とを有している。
【００９８】
この回動操作部材８７は、駆動レバー５２のスライド動作に連動して、第３の回動アーム４９を回動操作するためのものであり、駆動レバー５２に対して前後方向にスライド可能とされたスライド部材９２と係合される係合ピン８８と、記録再生時に駆動レバー５２の背面側の端部に当接されて駆動レバー５２を位置決め固定する位置決めピン８９とを有している。
【００９９】
そして、この回動操作部材８７は、引張りコイルバネ９０によって回動方向の一方側（ここでは、図７中時計回りの方向）に付勢されている。この引張りコイルバネ９０は、その一端部がボトムケース４の底面部に設けられた掛止ピン９０ａに掛止され、その他端部が回動操作部材８７に設けられた掛止ピン９０ｂに掛止されることによって、この回動操作部材８７を回動方向の一方側に付勢している。なお、回動操作部材８７には、掛止ピン９０ａを逃がすための略円弧状のスリット９１が形成されている。
【０１００】
駆動レバー５２の背面側には、この駆動レバー５２に対して前後方向にスライド可能とされたスライド部材９２が取り付けられている。そして、このスライド部材９２は、第１及び第２の引張りコイルバネ９３ａ，９３ｂにより前面側へと付勢されており、背面側の端部に回動操作部材８７の係合ピン８８が係合されることによって、駆動レバー５２のスライド動作に連動して、この回動操作部材８７を回動操作する。
【０１０１】
第１及び第２の引張りコイルバネ９３ａ，９３ｂは、それぞれ前面側の端部が駆動レバー５２に掛止され、背面側の端部がスライド部材９２に掛止されることによって、スライド部材９２を駆動レバー５２に対して前面側へと付勢している。このうち、第１の引張りコイルバネ９３ａは、通常の駆動レバー５２及びスライド部材９２を一体で動作させるためのものであり、そのバネ力は、２００〜３００ｇｆ程度である。一方、第２の引張りコイルバネ９３ｂは、光ディスク２の正常な排出ができない場合に機構を保護するためのものであり、そのバネ力は、４００〜６００ｇｆ程度である。
【０１０２】
また、ボトムケース４の底面部には、図８に示すように、各部の駆動制御を行う駆動制御回路が構成された回路基板１０５が配置されている。この回路基板１０５は、ボトムケース４の背面側の底面部にネジ止めにより取り付けられている。また、このボトムケース４の底面部及び回路基板１０５上には、上記駆動制御回路を構成するＩＣチップ等の電子部品（図示せず。）や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ１０６、各部の動作を検出するための検出スイッチＳＷ１，ＳＷ２，ＳＷ３，ＳＷ４等が配置されている。
【０１０３】
そして、駆動制御回路は、これら検出スイッチＳＷ１，ＳＷ２，ＳＷ３，ＳＷ４からの検出信号に基づいて、上述した変位駆動機構により駆動される駆動レバー５２の位置を検出しながら、この変位駆動機構による駆動レバー５２の駆動制御を行っている。
【０１０４】
このうち、検出スイッチＳＷ１は、ボトムケース４の前面側の端部に配置されている。そして、この検出スイッチＳＷ１は、駆動レバー５２の前端部によってオン／オフが切り替わる。一方、検出スイッチＳＷ２，ＳＷ３，ＳＷ４は、回路基板１０５の駆動レバー５２と対向する端縁部に所定の間隔で前後に並んで配置されている。そして、これら検出スイッチＳＷ２，ＳＷ３，ＳＷ４は、図９（ｂ），（ｃ）に示す駆動レバー５２の側面部に設けられたカム部１０７によってオン／オフが切り替わる。
【０１０５】
規制機構１２０は、スロット１９から光ディスク２が排出されるときに、アーム機構１３５の移動を途中で規制するために用いられている。規制機構１２０は、図３に示すように、押圧レバー７６と、光ディスクの排出の途中で押圧レバー７６に係合するストッパー１１０と、押圧レバー７６を押圧可能な第２の捻じりコイルバネ７７とを備えている。ストッパー１１０は、例えば第２の回動アーム３６に設けられており、スロット１９から光ディスク２が排出される途中で当接ピン７６ａに当接する部分がステップ状とされている。ストッパー１１０は、押圧レバー７６が回動する方向で当接ピン７６ａと対面して当接する当接面を備えている。
【０１０６】
第２の捻じりコイルバネ７７は、図６に示すように、その巻回部分がシャーシ１１に軸支された状態で、その一端部が同じくシャーシ１１に掛止され、その他端部が押圧レバー７６の当接ピン７６ｃに掛止されことによって、当接ピン７６ａがストッパー１１０に当接する方向に付勢している。押圧レバー７６は、図６に示す点Ｐを軸として回動可能に設けられている。光ディスク２の排出の途中で、当接ピン７６ａがストッパー１１０に係合されたときに、アーム機構１３５が光ディスク２を押し出す力は、スロット１９を介して光ディスク２に働く摩擦力より小さく設定されている。例えば第１の捻じりコイルバネ７５は、スロット１９から光ディスク２が引き抜かれると、押圧レバー７６の当接ピン７６ａとストッパー１１０との係合が解除されるように第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６に回動力を付与している。
【０１０７】
したがって、規制機構１２０では、押圧レバー７６が第２の回動アーム３６を押圧することによって、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが互いに近接する方向に付勢された状態から、駆動レバー５２の背面側へのスライド動作に連動して、押圧レバー７６のカムピン７６ｂが駆動レバー５２のカム溝７８内をスライドしながら、駆動レバー５２が背面側の端部までスライドされたとき、第２の捻じりコイルバネ７７の付勢に抗して回動されることによって、非付勢状態に切り替えることが可能である。
【０１０８】
アーム機構１３５では、これら第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６等が互いに協働しながら、第１の搬送機構３００によりスロット１９から引き込まれた光ディスク２を筐体３の内部へと搬送するローディング動作と、光ディスク２をディスク装着位置に位置決めするセンタリング動作と、光ディスク２を第１の搬送機構３００に渡すイジェクト動作とを行う。
【０１０９】
このディスク駆動装置１は、図３に示すように、駆動レバー５２のスライドに連動して、ベース２７を昇降操作するベース昇降機構５５を備えている。
【０１１０】
このベース昇降機構５５は、ベース２７を上昇させて、ディスク装着位置に位置決めされた光ディスク２をディスク装着部２３のターンテーブル２３ａに装着する図１４に示すチャッキング位置と、ベース２７を下降させて、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａから光ディスク２を離脱する図１３に示すチャッキング解除位置と、ベース２７をチャッキング位置とチャッキング解除位置との間に位置させて、光ディスク２に対する信号の記録又は再生を行う図１５に示す中間位置との間でベース２７を昇降操作する。
【０１１１】
具体的に、駆動レバー５２のベース２７と対向する側面には、図９に示すようにチャッキング位置、チャッキング解除位置及び中間位置に対応した第１のカムスリット９５が長手方向に亘って形成されている。
【０１１２】
また、ボトムケース４の底面部には、図６に示すようにベース２７の背面側の側面に沿ってカムレバー５６が配置されている。このカムレバー５６は、図１０に示すように、長尺状の平板部材からなり、駆動レバー５２の前後方向のスライドに連動して、駆動レバー５２のスライド方向と略直交する方向にスライド操作される。このカムレバー５６の中間部には、ベース２７と対向する端縁部から上方に向かって折り曲げられたカム片５７が設けられている。カム片５７の水平面部５７ａには、図６に示すように直径が１２ｃｍの大径ディスクに対応した第１のカム部７４ａと、この第１のカム部７４ａよりも前面側をスリット状に切り欠くことによって、直径が８ｃｍの小径ディスクに対応した第２のカム部７４ｂとが形成されている。このカム片５７には、図１０示すようにチャッキング位置、チャッキング解除位置及び中間位置に対応した第２のカムスリット９６が長手方向に亘って形成されている。
【０１１３】
第２のカムスリット９６は、ベース２７をチャッキング解除位置に位置させるための第１の水平面部９６ａと、ベース２７をチャッキング位置に位置させるための頂上面部９６ｂと、ベース２７を中間位置に位置させるための第２の水平面部９６ｃとを有している。
【０１１４】
ここで、カムレバー５６は、その主面に形成された前後一対のガイドスリット９７ａ，９７ｂを有しており、これらガイドスリット９７ａ，９７ｂに、図７に示すボトムケース４の底面部から突出された一対の頭付ガイドピン９８ａ，９８ｂが係合されることによって、ベース２７の背面側の側面に沿って、駆動レバー５２のスライド方向と略直交する、すなわち左右方向にスライド可能に支持されている。
【０１１５】
また、カムレバー５６の駆動レバー５２と交差する位置には、図７に示すガイドピン９９が上方に向かって突出形成されている。カムレバー５６は、図７に示すように、駆動レバー５２の前後方向のスライドに連動して、ガイドピン９９がガイドスリット１００内をスライドすることによって、駆動レバー５２のスライド方向と直交する方向にスライド操作される。
【０１１６】
連動機構４１では、筐体３のスロット１９から大径ディスクが挿入された場合と小径ディスクが挿入された場合との第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６との開き具合の違いによって、上記第２の支軸４４の第１のカム部７４ａと第２のカム部７４ｂとに対する係合状態が切り替わる。
【０１１７】
具体的に、大径ディスクが挿入された場合には、第２の支軸４４が第１のカム部７４ａに係合されて、上述したカムレバー５６の左右方向のスライド動作に連動しながら、この第２の支軸４４がガイドスリット４５内をスライドすることになる。これにより、大径ディスクの外径に対応して、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とを互いに近接又は離間する方向に回動操作することができる。
【０１１８】
一方、小径ディスクが挿入された場合には、第２の支軸４４が第２のカム部７４ｂに係合されて、上述したカムレバー５６の左右方向のスライド動作に連動しながら、この第２の支軸４４がガイドスリット４５内をスライドすることになる。これにより、小径ディスクの外径に対応して、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とを互いに近接又は離間する方向に回動操作することができる。
【０１１９】
また、ボトムケース４の底面部には、図７に示すように折曲げ片５８がベース２７の背面側の側面に沿って折り曲げ形成されている。この折曲げ片５８には、ベース２７を昇降させるための鉛直スリット（図示せず。）が上下方向に亘って形成されている。
【０１２０】
ベース２７の第１の支軸５９は、図５に示すように、駆動レバー５２の図９に示す第１のカムスリット９５に係合されて支持され、第２の支軸６０はカム片５７の第２のカムスリット９６及び折曲げ片５８の鉛直スリットに係合されて支持され、第３の支軸６２はボトムケース４の他方側の側面に設けられた軸孔６１に回動可能に支持され、固定支持部６５はゴム等の粘弾性部材からなるインシュレータ６３を介してボトムケース４の底面部にネジ６４により固定支持されている。
【０１２１】
したがって、このベース昇降機構５５では、駆動レバー５２及びカムレバー５６のスライドに連動して、第１の支軸５９が駆動レバー５２の第１のカムスリット９５内をスライドすると共に、第２の支軸６０がカムレバー５６の第２のカムスリット９６及び折曲げ片５８の鉛直スリット内をスライドすることによって、ベース２７のディスク装着部２３側が前面側に対して、チャッキング位置とチャッキング解除位置と中間位置との間で昇降操作される。
【０１２２】
また、ボトムケース４の底面部には、図３に示すように、このベース昇降機構５５がベース２７を下降させたとき、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａ上に装着された光ディスク２をターンテーブル２３ａから離脱させるための押上ピン６６が設けられている。この押上ピン６６は、ベースユニット２２のディスク装着部２３近傍、具体的にはディスク装着部２３に最も近接したベース２７の背面側に位置して、ボトムケース４の底面部から上方に向かって突出して設けられている。
【０１２３】
次に、以上のように構成されるディスク駆動装置１の具体的な動作について説明する。
【０１２４】
このディスク駆動装置１では、図１６に示すように、大径ディスク２Ａが引き込まれる前の初期状態（ＨＯＭＥ状態）において、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、それぞれの先端部が開いた状態である。すなわち、例えば図１６に示すように第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６が例えば大径ディスク２Ａの直径程度開いた状態である。
【０１２５】
また、ＨＯＭＥ状態では、レバー部材４６は、先端部が基端部よりも外側に位置しかつ先端部が基端部よりも前面側に位置し、第３の回動アーム４９は先端部が基端部よりも内側に位置した状態で位置している。
【０１２６】
ディスク駆動装置１は、大径ディスク２Ａをディスク装着位置まで引き込むローディング動作を行うことが可能である。
【０１２７】
具体的に、筐体３のスロット１９に大径ディスク２Ａが挿入されると、先ず、検出部１１１により大径ディスク２Ａが挿入されたか否かを検出する。
【０１２８】
次に、検出部１１１が、大径ディスク２Ａが挿入されたことを検出した場合には、図１６に示すように、モータ３０２を回転駆動し減速ギアトレイン３０５を介してローラ３０１を回転させる。これにより、スロット１９に挿入された大径ディスク２Ａがローラ３０１とガイド部材３０４で挟まれた状態でディスク装着部２３側に引き込まれる。ここまでが、第１の搬送機構３００の役割である。つまり、ディスク装着部２３側に光ディスク２を引き込む機能（第１の搬送機構３００の機能）を有する部材が、ローラ３０１、そのローラ３０１を回転させるためのモータ３０２等、ガイド部材３０４である。
【０１２９】
このような第１の搬送機構３００の動作に協働するように、第２の駆動機構３４の第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０との間で大径ディスク２Ａの外周部を挟み込む。
【０１３０】
そして、図１７に示した位置まで大径ディスク２Ａが所定量だけ引き込まれたとき、回路基板１０５に設けられた検出スイッチＳＷ２等が押圧されることによって、変位駆動機構による駆動レバー５２の背面側へのスライドが開始される。
【０１３１】
これにより、第２の駆動機構３４のレバー部材４６は、図１７に示す矢印ｃ１の方向に回動する。また、レバー部材４６は、側面ローラ４８が大径ディスク２Ａの外周部の前面側に当接された状態となることで、この大径ディスク２Ａの外周部の前面側を押圧しながら、ローラ３０１と協働して大径ディスク２Ａを筐体３の内部へと引き込むことになる。
【０１３２】
なお、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動している間は、モータ３０２の駆動による積極的なローラ３０１の回転駆動は行われてもよいし、行われなくてもよい。
【０１３３】
そして、図１８に示すように、大径ディスク２Ａの中心孔２ａが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とを結ぶ直線よりも背面側に位置するまで、大径ディスク２Ａが筐体３の内部に引き込まれると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが大径ディスク２Ａの外周部に沿って背面側から前面側へと回り込む。すると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが大径ディスク２Ａの外周部の前面側に当接された状態で、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが捻じりコイルバネ７１ｄ、第２の捻じりコイルバネ７７に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図１８に示す矢印ａ１，ｂ１の方向に回動される。
【０１３４】
また、第３の回動アーム４９は、ローラ５０が大径ディスク２Ａの外周部の背面側に当接された状態で押圧されることによって、図１８に示す矢印ｄ１の方向に回動される。そして、第３の回動アーム４９は、大径ディスク２Ａが図１８に示すディスク装着位置で引き込まれた際に、第２の回動アーム３６の図示を省略した規制片に当接され、その回動が規制された状態となる。
【０１３５】
これにより、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、大径ディスク２Ａの外周部の前面側を押圧しながら、大径ディスク２Ａを図１８に示すディスク装着位置まで搬送することになる。
【０１３６】
図１６〜図１８等に示すように大径ディスク２Ａを引き込みディスク装着位置に搬送するときには、側面ローラ４８が大径ディスク２Ａの側面を図１７等に示す状態から安定的に押圧することができるので、確実に、かつ、安定して大径ディスク２Ａをディスク装着位置に搬送することができる。
【０１３７】
一方、筐体３のスロット１９に小径ディスク２Ｂが挿入された場合には、先ず、図２３に示すように、大径ディスク２Ａの場合と同様に、検出部１１１が、小径ディスク２Ｂがスロット１９に挿入されているか否かを検出し、挿入されていることが検出された場合には、モータ３０２を回転駆動しローラ３０１を回転させることで、スロット１９に挿入されている小径ディスク２Ｂを図２４に示すようにディスク装着部２３側に引き込む。ここまでが、第１の搬送機構３００の役割である。
【０１３８】
このような第１の搬送機構３００の動作に協働するように、第２の搬送機構３４の第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０との間で小径ディスク２Ｂの外周部を挟み込む。
【０１３９】
そして、図２４に示した位置まで第３の回動アーム４９が所定量だけ回動したとき、回路基板１０５に設けられた例えば検出スイッチＳＷ２等が押圧されることによって、変位駆動機構による駆動レバー５２の背面側へのスライドが開始される。
【０１４０】
これにより、第２の搬送機構３４のレバー部材４６は、図２４に示す矢印ｃ１の方向に回動する。また、レバー部材４６は、側面ローラ４８が小径ディスク２Ｂの外周部の前面側に当接された状態となることで、この小径ディスク２Ｂの外周部の前面側を押圧しながら、ローラ３０１と協働して小径ディスク２Ｂをスロット１９から筐体３の内部へと引き込むことになる。すなわち、レバー部材４６は、第１の搬送機構３００から小径ディスク２Ｂを受け取り第１の搬送機構３００と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３側に搬送する。なお、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動している間は、モータ３０２による積極的なローラ３０１の回転駆動は行われてもよいし、行われなくてもよい。
【０１４１】
そして、図２５に示すように、小径ディスク２Ｂの中心孔２ａが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とを結ぶ直線よりも背面側にまで位置するまで、小径ディスク２Ｂが筐体３の内部に引き込まれると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが小径ディスク２Ｂの外周部に沿って背面側から前面側へと回り込む。すると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが小径ディスク２Ｂの外周部の前面側に当接された状態で、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが捻じりコイルバネ７１ｄ、第２の捻じりコイルバネ７７に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図２５に示す矢印ａ１，ｂ１の方向に回動される。すなわち、搬送部材としての第１、第２の回動アーム３５、３６は、レバー部材４６と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３の装着位置に搬送する。このように、第１の搬送機構３００と第２の搬送機構３４とで協働して行われる作業がスムーズになる。
【０１４２】
また、第３の回動アーム４９は、ローラ５０が小径ディスク２Ｂの外周部の背面側に当接された状態で押圧されることによって、図２５に示す矢印ｄ１の方向に回動される。そして、第３の回動アーム４９は、小径ディスク２Ｂが図２６に示すディスク装着位置で引き込まれた際に、第２の回動アーム３６の図示を省略した規制片に当接され、その回動が規制された状態となる。
【０１４３】
これにより、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、小径ディスク２Ｂの外周部の前面側を押圧しながら、小径ディスク２Ｂを図２６に示すディスク装着位置（チャッキング位置）まで引き込むことになる。
【０１４４】
このディスク駆動装置１では、図１９に示すように、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６が、例えば大径ディスク２Ａをディスク装着位置まで引き込んだ際に、第１の前面側当接部材３８、第１の背面側当接部材３９、第２の前面側当接部材４０、側面ローラ４８及びローラ５０の内側に大径ディスク２Ａを挟み込むことによって、大径ディスク２Ａをディスク装着位置に位置決めするセンタリング動作を行う。すなわち、大径ディスク２Ａの中心孔２ａと、ターンテーブル２３ａの係合突部２８ａとを大径ディスク２Ａの記録面と直交する方向において一致させる。
【０１４５】
なお、このセンタリング動作は、これに限定されず、図１９に示すように、例えば第１の背面側当接部材３９、側面ローラ４８及びローラ５０を３つの頂点とするように大径ディスク２Ａを同様に挟み込むことによって行うようにしてもよい。一方、小径ディスク２Ｂのセンタリング動作は、図２６に示すように、例えば第１の前面側当接部材３８、第１の背面側当接部材３９、第２の前面側当接部材４０及び第３の回動アーム４９に設けられた小径ディスク２Ｂのセンタリングに用いられるローラ５０ａの内側に小径ディスク２Ｂを挟み込むことによって同様に行われる。
【０１４６】
次に、このディスク駆動装置１では、大径ディスク２Ａ、小径ディスク２Ｂのセンタリング動作の後に、ベース昇降機構５５がベース２７を上昇させることによって、ディスク装着位置に位置決めされた大径ディスク２Ａ、小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３のターンテーブル２３ａに装着するチャッキング動作を行う。
【０１４７】
具体的には、図１３に示すチャッキング解除位置からベース昇降機構５５によりベース２７が図１４に示すチャッキング位置まで上昇すると、ディスク装着位置に位置決めされた大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂの中心孔２ａに係合突部２８ａが入り込みながら、天板部５ａの当接突部７に大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂの中心孔２ａの周囲が押し付けられることによって、係合突部２８ａが大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂの中心孔２ａに係合されると共に、複数の係止爪２８ｂが大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂの中心孔２ａの周囲を係止した状態で、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂがターンテーブル２３ａ上に保持される。そして、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂがターンテーブル２３ａ上に保持された状態で、ベース昇降機構５５によりベース２７が図１５に示す中間位置まで下降する。
【０１４８】
また、ディスク駆動装置１では、チャッキング動作の後に、図２０及び図２７に示すように、駆動レバー５２の背面側へのスライドに連動して、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６が互いに離間する方向、すなわち図２０及び図２７に示す矢印ａ２，ｂ２の方向に僅かに回動される。このとき、第３の回動アーム４９は、図示を省略した規制片に当接されたまま、第２の回動アーム３６と一体に回動されることになる。また、レバー部材４６は、駆動レバー５２の背面側へのスライドに連動して、図２０及び図２７に示す矢印ｃ２の方向に僅かに回動される。
【０１４９】
これにより、ターンテーブル２３ａに保持された大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂの外周部からは、第１の前面側当接部材３８、第１の背面側当接部材３９、第２の前面側当接部材４０、側面ローラ４８、ローラ５０が離間した状態となる。
【０１５０】
このディスク駆動装置１では、図２０、図２７に示す状態から、駆動制御回路から記録又は再生の指令が送られると、この指令に基づいて、大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂに対して信号の記録又は再生が行われる。具体的には、スピンドルモータ２４ａが大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂをターンテーブル２３ａと一体に回転駆動すると共に、ピックアップ送り機構２６によって光学ピックアップ２５が外周側から内周側へ移動し、フォーカスサーボ制御とトラッキングサーボ制御がかかると、この大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂのリードイン領域に記録されているＴＯＣデータの読み出しを行う。この後、信号を記録する場合にあっては、読み出したＴＯＣデータに基づいて、大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂのプログラム領域内の所定のアドレスに、光学ピックアップ２５が移動する。また、信号の再生時にあっては、指定されたデータが記録されたプログラム領域内のアドレスに、光学ピックアップ２５が移動する。そして、この光学ピックアップ２５が大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂの所望の記録トラックに対して信号の書き込み又は読み出し動作を行う。
【０１５１】
このディスク駆動装置１では、表示部２０に設けられたイジェクトボタン２１が押圧される、或いはパーソナルコンピュータからディスク駆動装置１に対してイジェクトの指令が送られると、この指令に基づいて、先ず、変位駆動機構による駆動レバー５２の前面側へのスライドが開始される。
【０１５２】
そして、図１９及び図２６に示すように、この駆動レバー５２の前面側へのスライドに連動して、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６が互いに近接する方向、すなわち図１９及び図２６に示す矢印ａ１，ｂ１の方向に僅かに回動される。このとき、第３の回動アーム４９は、規制片に当接されたまま、第２の回動アーム３６と一体に回動されることになる。
【０１５３】
これにより、ターンテーブル２３ａに保持された大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂの外周部に、第１の前面側当接部材３８、第１の背面側当接部材３９、第２の前面側当接部材４０、ローラ５０が当接された状態となる。
【０１５４】
次に、このディスク駆動装置１では、ベース昇降機構５５がベース２７をチャッキング解除位置まで下降させることによって、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａから大径ディスク２Ａを離脱するチャッキング解除動作を行う。
【０１５５】
具体的には、ベース２７がチャッキング解除位置まで下降すると、押上ピン６６の先端部がターンテーブル２３ａに装着された大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂの内周側の非信号記録領域に当接することによって、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂを押し上げながら、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂをターンテーブル２３ａ上から離脱する。
【０１５６】
次に、このディスク駆動装置１では、ディスク装着部２３にある大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂをスロット１９から筐体３の外部へと排出するイジェクト動作を行う。
【０１５７】
具体的に、筐体３のスロット１９から大径ディスク２Ａを排出する場合には、先ず、図２１に示すように、駆動レバー５２の前面側へのスライドに連動して、第３の回動アーム４９が図２１に示す矢印ｄ２の方向に回動される。また、第３の回動アーム４９は、ローラ５０が大径ディスク２Ａの外周部の背面側に当接された状態となることで、この大径ディスク２Ａの外周部の背面側を押圧しながら、大径ディスク２Ａを筐体３の外部へと押し出すことになる。
【０１５８】
第３の回動アーム４９による大径ディスク２Ａの排出中に、検出部１１１が大径ディスク２Ａを検出すると、引き込み時とは逆向きにモータ３０２に通電することで、引き込み時とは逆向きにモータ３０２を回転駆動させる。これにより、第３の回動アーム４９はローラ３０１と協働して大径ディスク２Ａを排出させる。
【０１５９】
そして、図２２に示すように、大径ディスク２Ａの中心孔２ａが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とを結ぶ直線よりも前面側に位置するまで、大径ディスク２Ａが筐体３の外部へと排出されると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが大径ディスク２Ａの外周部に沿って前面側から背面側へと回り込む。すると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが大径ディスク２Ａの外周部の背面側に当接された状態で、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが捻じりコイルバネ７１ｄ、第２の捻じりコイルバネ７７に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図２２に示す矢印ａ１，ｂ１の方向に回動される。
【０１６０】
大径ディスク２Ａの排出の途中において、第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６が閉じるときに、押圧レバー７６の当接ピン７６ａは図２０に示す位置から矢印ｅ１方向に移動し、図２２に示すようにストッパー１１０のステップ状の部分に係合する。これにより、当接ピン７６ａがストッパー１１０を押圧する力を伝達できなくなり、第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６が閉じようとするトルクは、ストッパー１１０が設けられてない場合に比べて大きく減少する。
【０１６１】
続いて、図示を省略した検出スイッチにより、例えば大径ディスク２Ａが所定の位置となったことを検知するまでは、第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６と、ローラ３０１とが大径ディスク２Ａを排出する。すなわち、この検出スイッチが例えば大径ディスク２Ａの中心孔２ａがスロット１９から筐体３の外部に露出する位置となったことを検知したときに、モータ３０２の駆動を停止させる。これにより、例えば大径ディスク２Ａの中心孔２ａがスロット１９から筐体３の外部に露出する位置まで大径ディスク２Ａが排出され、カーテン等との摩擦力により大径ディスク２Ａの移動が停止する。
【０１６２】
ユーザが、大径ディスク２Ａをスロット１９から取り出すと、第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６の回動を規制する力がなくなり、捻じりコイルバネ７１ｄ、第２の捻じりコイルバネ７７の力によって第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６は閉じ、ＨＯＭＥ位置に移動し、一連の動作が終了する。
【０１６３】
一方、筐体３のスロット１９から小径ディスク２Ｂを排出する場合には、先ず、図２８に示すように、駆動レバー５２の前面側へのスライドに連動して、第３の回動アーム４９が図２８に示す矢印ｄ２の方向に回動される。また、第３の回動アーム４９は、ローラ５０が小径ディスク２Ｂの外周部の背面側に当接された状態となることで、この小径ディスク２Ｂの外周部の背面側を押圧しながら、小径ディスク２Ｂを筐体３の外部へと押し出すことになる。
【０１６４】
第３の回動アーム４９による小径ディスク２Ｂの排出中に、検出部１１１が小径ディスク２Ｂを検出すると、引き込み時とは逆向きにモータ３０２に通電することで、引き込み時とは逆向きにモータ３０２を回転駆動させる。これにより、第３の回動アーム４９はローラ３０１と協働して小径ディスク２Ｂを排出させる。
【０１６５】
そして、図２４に示すように、小径ディスク２Ｂの中心孔２ａが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とを結ぶ直線よりも前面側に位置するまで、小径ディスク２Ｂが筐体３の外部へと排出されると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが小径ディスク２Ｂの外周部に沿って前面側から背面側へと回り込む。すると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが小径ディスク２Ｂの外周部の背面側に当接された状態で、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが捻じりコイルバネ７１ｄ、第２の捻じりコイルバネ７７に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図２３に示す矢印ａ１，ｂ１の方向に回動される。
【０１６６】
そして、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、小径ディスク２Ｂの外周部の背面側を押圧しながら、ローラ３０１と協働して小径ディスク２Ｂをディスク挿入排出位置まで押し出すことになる。小径ディスク２Ｂのディスク排出位置は、大径ディスク２Ａの場合と同様に、例えば小径ディスク２Ｂの中心孔２ａがスロット１９から排出された位置に設定することができる。第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６を、駆動レバー５２によりＨＯＭＥ位置まで移動させて一連の動作が終了する。
【０１６７】
なお、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂを排出してから一定時間経過後に、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂがユーザにより引き抜かれないときには、再びローラ３０１を回転させることで、スロット１９内の大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂを引き込むようにしてもよい。また、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂに摩擦負荷を与えるためカーテンをガイド部材３０４に転用したが、専用のガイド部材を例えばスロット１９に近接して設けるようにしてもよい。
【０１６８】
以上のように、本実施の形態に係るディスク駆動装置１は、スロット１９側からディスク装着部２３側に光ディスク２を引き込むことが可能な第１の搬送機構３００を備えているので、スロット１９内の光ディスク２の位置に依存せずに、光ディスク２をディスク装着部２３側に引き込むことができと共に、第１の搬送機構３００によりディスク装着部２３側に引き込まれた光ディスク２を第１、第２の回動アーム３５、３６、レバー部材４６で受け取りディスク装着部２３による装着位置に搬送することで、第１の搬送機構３００から光ディスク２を開放することができるので、例えば第１の搬送機構３００から光ディスク２を開放するために第１の搬送機構３００を光ディスク２の記録面に直交する方向に移動させる機構が不要となり、ディスク駆動装置１の小型（薄型）化を図ることができる。また、スロット１９内の光ディスク２の位置に依らず、第１の搬送機構３００により、光ディスク２を例えば自動的に再引き込みすることができるので、使用者に光ディスク２の挿入時に違和感を与えることもない。
【０１６９】
また、光ディスク２がスロット１９に挿入されているか否かを検出するための検出部１１１を更に備えている。このため、光ディスク２がスロット１９に挿入されていると検出部１１１により検出されたときに、第１の搬送機構３００により光ディスク２をディスク装着部２３側に引き込むことができる。
【０１７０】
更に、第１の搬送機構３００は、スロット１９内の光ディスク２の記録面に接触して回動するように設けられたローラ３０１を備え、ローラ３０１を回転駆動させる回転駆動機構３０３と、光ディスク２をローラ３０１とで挟み引き込むように案内するガイド部材３０４とを備えている。このため、スロット１９内の光ディスク２がローラ３０１とガイド部材３０４とにより挟まれた状態で、回転駆動機構３０３によりローラ３０１を回転させることで、スロット１９内の光ディスク２をディスク装着部２３側に安定的に引き込むことができる。
【０１７１】
また更に、第２の搬送機構３４は、第１の搬送機構３００から小径ディスク２Ｂを受け取り第１の搬送機構３００と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３側に引き込むレバー部材４６と、レバー部材４６と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３の装着位置に搬送する搬送部材としての第１、第２の回動アーム３５、３６とを備えている。これにより、例えば直径８ｃｍの小径ディスク２Ｂがスロット１９に挿入されている場合に、レバー部材４６を回動させることで、第１の搬送機構３００と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３側に引き込んだ後、第１、第２の回動アーム３５、３６がレバー部材４６と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３の装着位置にスムーズに搬送することができる。
【０１７２】
（第２の実施の形態）
次に、本発明に係る第２の実施の形態のディスク駆動装置について説明する。なお、本実施形態以降においては、第１の実施形態と同一の構成部材等には同一の符号を付しその説明を省略し、異なる箇所を中心に説明する。
【０１７３】
図２９は第２の実施の形態のディスク駆動装置２００の構成を示す平面図である。
【０１７４】
第１の実施形態では、ディスク駆動装置１が光ディスク２の記録面と接触するローラ３０１を備えた第１の搬送機構３００を備える例を示したが、本実施形態では、第１の搬送機構３００の代りにディスク駆動装置２００が光ディスク２の側面と接触する側面ローラ１４８等を備えた第１の搬送機構３１０を備えている。
【０１７５】
第１の搬送機構３１０は、スロット１９内の光ディスク２の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラ１４８を備えている。さらに第１の搬送機構３１０は、側面ローラ１４８を回転駆動させる回転駆動機構３１３と、側面ローラ１４８に接触した光ディスク２を側面ローラ１４８とで挟むように設けられたガイドローラ７３ａ、７３ｂとを備えている。ガイドローラ７３ａ、７３ｂは、ゴム等の樹脂製である。ここで、説明の便宜上、側面ローラ１４８を回転可能に支持するレバー部材４６は第２の搬送機構３４に含まれる部材とし、ガイドローラ７３ａ、７３ｂは第１の搬送機構３１０に含まれる部材とする。
【０１７６】
側面ローラ１４８は、その回転軸が光ディスク２の記録面に直交する方向に設定されている。側面ローラ１４８の構成材料には、例えば光ディスク２より柔らかい例えばゴムやエラストマー等の高摩擦材料が用いられている。
【０１７７】
ガイドローラ７３ａ、７３ｂは、スロット１９に挿入された光ディスク２を引き込むときに、側面ローラ１４８とで光ディスク２の側面を挟み込み光ディスク２を引き込むように案内するために用いられる。
【０１７８】
回転駆動機構３１３は、上述した側面ローラ１４８と、側面ローラ１４８を回転駆動させる駆動源となるモータ３１２と、モータ３１２の回転数を減少させて側面ローラ１４８に伝達するためにギア等により構成された減速ギアトレイン３１５と、側面ローラ１４８及び減速ギアトレイン３１５のギアに巻き掛けられたベルト３１６とを備えている。このようにモータ３１２の回転駆動力をベルト３１６等を介して側面ローラ１４８に伝達することができるように構成されている。
【０１７９】
本実施形態のディスク駆動装置２００の動作について説明する。
【０１８０】
ディスク駆動装置２００では、例えばスロット１９に光ディスク２が挿入されているか否かを検出部１１１により検出し、検出部１１１が、光ディスク２が挿入されたことを検出した場合には、図３０に示すように駆動レバー５２を駆動しレバー部材４６を矢印ｃ１方向に回動させる。これにより、レバー部材４６の側面ローラ１４８を光ディスク２の側面に当接させ押圧することで、側面ローラ１４８とガイドローラ７３ａ、７３ｂとで光ディスク２を挟み込む。
【０１８１】
次に、モータ３１２を駆動させベルト３１６等を介して側面ローラ１４８を矢印Ｂ方向に回転させる。これにより、スロット１９に挿入された状態の光ディスク２を、ディスク装着部２３側に引き込む。これが、第１の搬送機構３１０の役割である。つまり、ディスク装着部２３側に光ディスク２を引き込む機能（第１の搬送機構３１０の機能）を有する部材が、側面ローラ１４８、その側面ローラ１４８を回転させるためのベルト３１６やモータ３１２、ガイドローラ７３ａ等である。
【０１８２】
続いて、第２の搬送機構３４のレバー部材４６が、第１、第２の回動アーム３５、３６と協働することで、光ディスク２をディスク装着部２３のディスク装着位置に搬送する。
【０１８３】
すなわち、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動して光ディスク２をディスク装着位置に搬送することができる。このように、第１の搬送機構３１０と第２の搬送機構３４とで協働して行われる作業がスムーズになる。
【０１８４】
この場合、側面ローラ１４８が光ディスク２の前面側の側面を押圧することができる位置まで第１の搬送機構３１０により光ディスク２が引き込まれた後に、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動している間は、モータ３１２による積極的な側面ローラ１４８の回転駆動を行ってもよいし、行わなくてもよい。モータ３１２による積極的な側面ローラ１４８の回転駆動は行われない場合は、側面ローラ１４８と光ディスク２の側面との摩擦抵抗によってレバー部材４６と側面ローラ１４８とが相対的に回転することになる。
【０１８５】
以上のように、本実施の形態に係るディスク駆動装置２００は、第１の搬送機構３１０は、スロット１９内の光ディスク２の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラ１４８を備え、側面ローラ１４８を回転駆動させる回転駆動機構３０３と、光ディスク２を側面ローラ１４８とで挟み引き込むように案内するためのガイドローラ７３ａ等とを備えている。このため、スロット１９内の光ディスク２の側面が側面ローラ１４８とガイドローラ７３ａとで挟まれた状態でモータ３０２によりローラ３０１を回転させることで、光ディスク２の記録面を傷つけることなくスロット１９内の光ディスク２を引き込むことができる。
【０１８６】
この場合には、側面ローラ１４８により押圧される光ディスク２を挟むために別の部材を設ける必要がなくガイドローラ７３ａを用いることができるので、薄型化を損なうことなく低コスト化及び軽量化を図ることができる。
【０１８７】
また、第１の搬送機構３１０は、スロット１９内の光ディスク２の側面を側面ローラ１４８が押圧するように、側面ローラ１４８を回転可能に支持するレバー部材４６を備えている。このため、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６を回動させることで側面ローラ１４８により光ディスク２の側面を押圧すると共に、側面ローラ１４８を回転させることで、側面ローラ１４８とガイドローラ７３ａとで光ディスク２の側面が挟まれた状態で、スロット１９内の光ディスク２をディスク装着位置まで搬送することができる。このように、第１の搬送機構３１０と第２の搬送機構とで協働して行われる作業がスムーズになる。
【０１８８】
更に、光ディスク２がスロット１９に挿入されているか否かを検出するための検出部１１１を備えている。このため、光ディスク２がスロット１９に挿入されていると検出部１１１により検出されたときに、レバー部材４６を回動させることで、側面ローラ１４８を光ディスク２の側面に押圧させ、側面ローラ１４８と協働してスロット１９に挿入されている光ディスク２を引き込むことができる。
【０１８９】
（第３の実施の形態）
次に、本発明に係る第３の実施の形態のディスク駆動装置について説明する。
【０１９０】
図３１は本発明に係る第３の実施の形態のディスク駆動装置の平面図である。
【０１９１】
上記第１及び第２の実施形態では、第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６及びこれらを連動させるための連動機構４１等を備えたディスク駆動装置１、２００を例示した。図３１に示すディスク駆動装置は、上述の第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６及び連動機構４１を備えていない。図３１に示すディスク駆動装置は、例えば大径ディスク２Ａをスロット１９側からディスク装着部２３側に引き込むことが可能な第１の搬送機構３１０と、大径ディスク２Ａをディスク装着部２３による装着位置に搬送する第２の搬送機構とを備えている。
【０１９２】
本実施形態の第１の搬送機構３１０は、側面ローラ１４８等と、大径ディスク２Ａを側面ローラ１４８とで挟み引き込むように案内するためのガイド部材３１８とを備えている。
【０１９３】
ガイド部材３１８は、図３１に示すように側面ローラ１４８とで大径ディスク２Ａの側面を挟みスロット１９からディスク装着部２３側に大径ディスク２Ａを引き込むように案内するために、ボトムケース４の側壁の内面側に、大径ディスク２Ａを引き込む方向に延設されている。ガイド部材３１８の構成材料には、光ディスク２との摩擦力を確保するために例えばゴム等の樹脂材料が用いられている。
【０１９４】
本実施形態の第２の搬送機構は、レバー部材４６と、レバー部材４６と協働して大径ディスク２Ａをディスク装着部２３による装着位置に搬送する搬送レバー３１７とを備えている。
【０１９５】
レバー部材４６は、大径ディスク２Ａの中心がディスク装着部２３の中心に合うまで引き込むように回動するように設けられている。レバー部材４６は、搬送レバー３１７と同じ面内で回動可能に設けられている。
【０１９６】
搬送レバー３１７は、支軸３１９を軸として矢印Ｃ方向に回動するように設けられており、支軸３１９側とは反対側の先端部に例えば当接ピン３２０等が突設されている。
【０１９７】
本実施形態のディスク駆動装置の動作について説明する。
【０１９８】
検出部１１１が、スロット１９に例えば大径ディスク２Ａが挿入されていることを検出すると、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動し第１の搬送機構３１０の側面ローラ１４８とガイド部材３１８とで大径ディスク２Ａの側面を挟み込む。
【０１９９】
次に、モータ３１２の駆動により側面ローラ１４８を回転させて、側面ローラ１４８とガイド部材３１８とに挟まれた状態で、側面ローラ１４８が大径ディスク２Ａの前面側の側面を押圧することができる位置までスロット１９からディスク装着部２３側に大径ディスク２Ａを引き込むように案内する。これが、本実施形態の第１の搬送機構３１０の役割である。つまり、ディスク装着部２３側に光ディスク２を引き込む機能（第１の搬送機構３１０の機能）を有する部材が、側面ローラ１４８、その側面ローラ１４８を回転させるためのベルト３１６やモータ３１２、ガイド部材３１８等である。
【０２００】
続いて、第２の搬送機構のレバー部材４６は駆動レバー５２の駆動により回動し、側面ローラ１４８が大径ディスク２Ａの前面を押圧する。このように、レバー部材４６が側面ローラ１４８と協働して大径ディスク２Ａをディスク装着部２３側に搬送する。
【０２０１】
この場合、側面ローラ１４８が大径ディスク２Ａの前面側の側面を押圧することができる位置まで第１の搬送機構３１０により大径ディスク２Ａが引き込まれた後に、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動している間は、モータ３１２による積極的な側面ローラ１４８の回転駆動は行ってもよいし、行わなくてもよい。モータ３１２による積極的な側面ローラ１４８の回転駆動は行われない場合は、側面ローラ１４８と光ディスク２の側面との摩擦抵抗によってレバー部材４６と側面ローラ１４８とが相対的に回転することになる。
【０２０２】
搬送レバー３１７は、レバー部材４６と協働して大径ディスク２Ａを挟み込むようにしてディスク装着部２３による装着位置に搬送する。
【０２０３】
一方、大径ディスク２Ａを排出するときには、搬送レバー３１７は、排出用のレバーとして機能し、当接ピン３２０が大径ディスク２Ａに当接した状態で支軸３１９を軸として回動し、大径ディスク２Ａを押し出す。
【０２０４】
以上のように、本実施の形態に係るディスク駆動装置では、ガイド部材３１８が、第１の搬送機構３１０により大径ディスク２Ａが引き込まれる方向に延設してボトムケース４の側壁に設けられている。このため、レバー部材４６を回動させ側面ローラ１４８を大径ディスク２Ａの側面に押圧させ、側面ローラ１４８を回転させることで、レバー部材４６のみを備え側面ローラ１４８、回転駆動機構３１３等を備えない場合には引き込めないような大圧力角の位置からでも、側面ローラ１４８とガイド部材３１８とで大径ディスク２Ａの側面を挟み込んだ状態で、ガイド部材３１８が延設された方向に大径ディスク２Ａを記録面を傷つけることなく引き込むことができる。
【０２０５】
また、第２の搬送機構のレバー部材４６と協働して搬送レバー３１７によりスロット１９側からディスク装着部２３側へ、かつ、ディスク装着部２３側からスロット１９側へ光ディスク２を搬送することができる。
【０２０６】
また、第１の実施形態等に比べて、ローラ３０１を備えた第１の搬送機構３００を設ける必要がないので、ディスク駆動装置の小型化を図ることができる。
【０２０７】
なお、第３の実施の形態では、側面ローラ１４８を回転させる第１の搬送機構３１０と、ガイド部材３１８とを備えている例を示したが、第１の搬送機構３１０及びガイド部材３１８の代りに第１の実施形態と同様にスロット１９に挿入された大径ディスク２Ａを引き込むための図３に示す第１の搬送機構３００を備え、レバー部材４６が側面ローラ４８と同様のローラを備えるようにしてもよい。このようにしてもスロット１９に挿入された大径ディスク２Ａをその挿入位置に依らずに引き込むことができる。
【０２０８】
また、上記第１の実施の形態では、ローラ３０１を用いる例を示したが、ローラ３０１を用いずにモータ３０２の回転により回る図示しないギア等に図示しないベルトを巻きかけベルトにより光ディスク２を搬送するようにしてもよい。
【０２０９】
更に、上記第１、第２の実施の形態では、駆動モータ１０２とは別にモータ３０２を設ける例を示したが、モータ３０２を設けずに駆動モータ１０２の駆動力を図示を省略したメカ的な機構を介してローラ３０１に伝達するようにしてもよい。
【０２１０】
また、上述したディスク駆動装置１等を備えた電子機器としては、コンピュータ（パーソナルコンピュータの場合、ラップトップ型であっても、デスクトップ型であってもよい。）、ＰＤＡ（Personal Digital Assistance）、電子辞書、カメラ、ディスプレイ装置、（カー）オーディオ／ビジュアル機器、携帯電話、ゲーム機器、薄型のカーナビゲーション機器、据え置き型オーディオやＤＶＤプレーヤ又はレコーダその他の電化製品等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【０２１１】
【図１】本発明に係る第１の実施の形態のディスク駆動装置の斜視図である。
【図２】ディスク駆動装置のトップカバーを内面側から見た斜視図である。
【図３】ディスク駆動装置の構造を示す平面図である。
【図４】図３のディスク駆動装置のＡ−Ａ断面図である。
【図５】ディスク駆動装置のベースユニットの斜視図である。
【図６】ディスク駆動装置の一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【図７】ディスク駆動装置の更に一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【図８】ディスク駆動装置の駆動レバーと検出スイッチとの位置関係を示す平面図である。
【図９】（ａ）は、駆動レバーを一方側から見た側面図であり、（ｂ）は、駆動レバーを上方側から見た平面図であり、（ｃ）は、駆動レバーを他方側から見た側面図であり、（ｄ）は、駆動レバーを下方側から見た平面図である。
【図１０】（ａ）は、カムレバーの構成を示す平面図であり、（ｂ）は、カムレバーの構成を示す側面図である。
【図１１】（ａ）は、ローディング動作時の駆動レバーを下方側から見た平面図であり、（ｂ）は、駆動レバーを上方側から見た平面図である。
【図１２】（ａ）は、イジェクト動作時の駆動レバーを下方側から見た平面図であり、（ｂ）は、駆動レバーを上方側から見た平面図である。
【図１３】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、ベースユニットがチャッキング解除位置にある状態を示す側面図である。
【図１４】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、ベースユニットがチャッキング位置にある状態を示す側面図である。
【図１５】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、ベースユニットが中間位置にある状態を示す側面図である。
【図１６】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクの引き込み開始状態を示す平面図である。
【図１７】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、第１の搬送機構から第２の搬送機構に大径ディスクが引き渡される状態を示す平面図である。
【図１８】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクの引き込み途中の状態を示す平面図である。
【図１９】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクのセンタリングの状態を示す平面図である。
【図２０】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクのチャッキングの完了（記録再生）の状態を示す平面図である。
【図２１】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクのイジェクト途中の状態を示す平面図である。
【図２２】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクのイジェクト途中でストッパーに当接ピンが係合した状態を示す平面図である。
【図２３】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクの引き込み開始状態を示す平面図である。
【図２４】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクの引き込み検出スイッチの押圧時の状態を示す平面図である。
【図２５】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクの引き込み途中の状態を示す平面図である。
【図２６】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクのセンタリングの状態、及びイジェクト開始の状態を示す平面図である。
【図２７】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクのチャッキングの完了（記録再生）の状態を示す平面図である。
【図２８】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクのイジェクト途中の状態を示す平面図である。
【図２９】本発明に係る第２の実施の形態のディスク駆動装置の平面図である。
【図３０】図２９のディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクの引き込み途中の状態を示す平面図である。
【図３１】本発明に係る第３の実施の形態のディスク駆動装置の平面図である。
【符号の説明】
【０２１２】
１、２００…ディスク駆動装置
２…光ディスク
２Ａ…大径ディスク
２Ｂ…小径ディスク
３…筐体
１９…スロット
２３…ディスク装着部
３４…第２の搬送機構
３５…第１の回動アーム
３６…第２の回動アーム
４６…レバー部材
４８、１４８…側面ローラ
５２…駆動レバー
７３ａ、７３ｂ…ガイドローラ
１１１…検出部
１３５…アーム機構
３００、３１０…第１の搬送機構
３０１…ローラ
３０２、３１２…モータ
３０３、３１３…回転駆動機構
３０４、３１８…ガイド部材
３１７…搬送レバー
【技術分野】
【０００１】
本発明は、光学ディスクに対して信号の記録及び／又は再生を行うディスク駆動装置に関し、特にスロットイン型のディスク駆動装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【０００２】
光学ディスクとしては、従来よりＣＤ(Compact Disk)やＤＶＤ(Digital Versatile Disk)といった光ディスク、ＭＯ(Magneto optical)やＭＤ(Mini Disk)等の光磁気ディスクが広く知られており、これらディスクやディスクカートリッジ等に対応した各種のディスク駆動装置が登場している。
【０００３】
ディスク駆動装置には、筐体に設けられた蓋や扉を開放し、そこから臨むターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ、筐体から水平方向に出し入れされるディスクトレイにディスクを載置することで、ディスクトレイが引き込まれた際にディスクが内部のターンテーブルに自動的に装着されるタイプ、或いはこのディスクトレイに設けられたターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ等がある。しかしながら、何れのタイプも操作者にとって、蓋や扉を開閉したり、ディスクトレイを出し入れしたり、ターンテーブルにディスクを装着したりといった操作を必要とする。
【０００４】
これに対して、筐体の前面に設けられたスロットからディスクを挿入するだけでディスクが自動的にターンテーブルに装着される、いわゆるスロットイン型のディスク駆動装置がある。このディスク駆動装置では、スロットからディスクが挿入されると、互いに対向する一対のガイドローラの間にディスクを挟み込みながら、これら一対のガイドローラが互いに逆向きに回転させることによって、スロットから挿入されたディスクを筐体の内部へと引き込むローディング動作と、このスロットからディスクを筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行う。
【０００５】
ところで、ディスク駆動装置が搭載される、例えばノート型パーソナルコンピュータ等のモバイル機器では、更なる小型軽量薄型化が求められており、それに伴うディスク駆動装置の小型軽量薄型化の要求も高まっている。また、近年では、パーソナルコンピュータ等で主流であったトレイ型のディスク駆動装置よりも、操作感のよいスロットイン型のディスク駆動装置の需要が高まっている。
【０００６】
しかしながら、スロットイン型のディスク駆動装置では、上述した一対のガイドローラの長さがディスクの直径よりも長くなることから、装置全体の幅方向の寸法が長くなる。また、一対のガイドローラの間にディスクを挟み込むことから、厚み方向の寸法も長くなる。このため、従来のスロットイン型のディスク駆動装置では、小型化や薄型化に非常に不利であった。
【０００７】
特に、ノート型パーソナルコンピュータ等に搭載される超薄型のディスク駆動装置は、厚さ１２．７ｍｍが標準サイズとされており、更にハードディスクドライブ（ＨＤＤ）ユニットと同等の厚みである９．５ｍｍまで薄型化された場合には、このようなガイドローラをそのまま転用することは寸法上困難である。
【０００８】
そこで、スロットイン型のディスク駆動装置では、小型化や薄型化の要求に応えるため、スロットから挿入されたディスクと、このディスクが装着されるターンテーブルが取り付けられたベースとの間に複数の回動アームを配置し、これら回動アームをディスクと平行な面内で回動させながら、ディスクをスロットから筐体の内部へと引き込むローディング動作と、ディスクをスロットから筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うディスク駆動装置が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】特開２００２−１１７６０４号公報（段落［００１８］〜［００２８］、図１）
【特許文献２】特開平７−２２０３５３号公報（段落［００４９］、図６）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、上記特許文献１の技術では、例えば車載用のディスク駆動装置にスロットイン型のディスク駆動装置を用いた場合、スロットからディスクの中心孔が出るまでディスクが６ｃｍ程排出された後、一定時間経過したときに使用者がディスクを取り出さないと、振動等によりディスクがスロットから脱落する可能性がある。そのため、ディスクを再引き込みできるようにしたいという要望があるが、一度排出されたディスクを再び引き込むためにはディスクを例えば１０ｃｍ程度押し込まなければない。コンスーマ用途のスロットイン型のディスク駆動装置は、使用者がディスクを５〜６ｃｍ程度スロットに差し込めばディスクがスロットから引き込まれるものが多い。そのため、１０ｃｍ程度差し込む必要がある場合には、使用者に違和感を与える恐れがあった。
【００１０】
また、上記特許文献２の技術では、スロットの近くでディスクの上面及び記録面を挟みながらディスクを搬送するためのガイドローラを備えている。したがって、スロットに挿入されたディスクを引き込むためにディスクを例えば１０ｃｍ程度挿入する必要はない。しかしながら、ディスクをガイドローラから開放するためにガイドローラを上下動させるための機構が必要なので、装置のサイズが大きいという問題がある。
【００１１】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、スロット内の記録媒体の位置に依存せずにスロット側から装着部側に記録媒体を引き込むことができると共に小型化可能なディスク駆動装置及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
上記目的を達成するため、本発明に係るディスク駆動装置は、ディスク状の記録媒体が挿入及び排出されるスロットを有する筐体と、前記筐体内に設けられ、前記スロットから挿入された前記記録媒体が装着される装着部と、前記記録媒体を前記スロット側から前記装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構と、前記第１の搬送機構により引き込まれた前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送することで、前記第１の搬送機構から前記記録媒体を開放する第２の搬送機構とを具備することを特徴とする。
【００１３】
本発明では、記録媒体をスロット側から装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構を備えているので、スロット内の記録媒体の位置に依存せずに、記録媒体を装着部側に引き込むことができる。さらに、第１の搬送機構により装着部側に引き込まれた記録媒体を第２の搬送機構で装着部による装着位置に搬送することで、第１の搬送機構から記録媒体が開放される。これにより、例えば第１の搬送機構から記録媒体を開放するために第１の搬送機構を記録媒体の記録面に直交する方向に移動させる機構が不要となり、ディスク駆動装置の小型（薄型）化を図ることができる。
【００１４】
本発明の一の形態によれば、前記記録媒体が前記スロットに挿入されているか否かを検出するための検出部を更に具備する。これにより、記録媒体がスロットに挿入されていると検出部により検出されたときに、第１の搬送機構により記録媒体を装着部側に引き込むことができる。
【００１５】
本発明の一の形態によれば、前記第１の搬送機構は、前記記録媒体の記録面又はその反対側の面に接触して回動するように設けられたローラを有し、前記ローラを回転駆動させる回転駆動機構と、前記記録媒体を前記ローラとで挟んで案内するガイド部材とを有する。これにより、記録媒体がローラとガイド部材とにより挟まれた状態で、回転駆動機構によりローラを回転させることで、スロット内の記録媒体を装着部側に安定的に引き込むことができる。
【００１６】
本発明の一の形態によれば、前記第２の搬送機構は、前記記録媒体の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラを有し、前記側面ローラを回転可能に支持する回動可能なレバー部材と、前記記録媒体の側面を前記側面ローラが押圧しながら前記レバー部材を回動させる回動機構と、前記回動するレバー部材と協働して前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームとを有する。これにより、レバー部材を回動させることで側面ローラを記録媒体の側面に押圧させながら、アームにより記録媒体の側面を挟み込んだ状態で、スロット内の記録媒体を引き込むことができる。
【００１７】
「協働して」とは、両者（例えばレバー部材及びアーム）の動作の時間帯が重なる場合を意味する。あるいは、当該動作の時間帯は重ならず順次動作する場合も含まれる。
【００１８】
以上の請求項１〜４に係る発明は、後述する第１の実施の形態としてサポートされている。
【００１９】
本発明の一の形態によれば、前記第１の搬送機構は、前記記録媒体の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラを有し、前記側面ローラを回転駆動させる回転駆動機構と、前記記録媒体を前記側面ローラとで挟んで案内するガイド部材とを有する。これにより、記録媒体の側面が側面ローラとガイド部材とで挟まれた状態で回転駆動機構により側面ローラを回転させることで、記録媒体の記録面を傷つけることなくスロット内の記録媒体を引き込むことができる。上記請求項４に係る発明では、「側面ローラ」は「第２の搬送機構」が有する部材であったが、請求項５に係る本発明では「側面ローラ」は「第１の搬送機構」が有する部材である。
【００２０】
本発明の一の形態によれば、前記第２の搬送機構は、回動可能に設けられ、前記ローラを回転可能に支持するレバー部材と、前記記録媒体の側面を前記ローラが押圧しながら前記レバー部材を回動させる回動機構とを有する。「レバー部材」は、「第２の搬送機構」が有する部材である。つまり、「側面ローラ」が「レバー部材」に支持されていることにより、上記回転駆動機構の積極的な駆動により側面ローラが記録媒体を装着部側に引き込みながら、上記回動機構の積極的な駆動によってレバー部材が回動して記録媒体を装着位置に搬送することができる。すなわち、第１の搬送機構と第２の搬送機構とで協働して行われる作業がスムーズになる。この場合、回動機構の駆動によりレバー部材が回動している間は、回転駆動機構による積極的な側面ローラの回転駆動は行われてもよいし、行われなくてもよい。回転駆動機構による積極的な側面ローラの回転駆動が行われない場合は、側面ローラと記録媒体の側面との摩擦抵抗によってレバー部材と側面ローラとが相対的に回転することになる。
【００２１】
本発明の一の形態によれば、前記記録媒体が前記スロットに挿入されているか否かを検出するための検出部を更に具備する。これにより、記録媒体がスロットに挿入されていると検出部により検出されたときに、レバー部材を回動させることで、側面ローラを記録媒体の側面に押圧させ、側面ローラと協働してスロット内の記録媒体を引き込むことができる。
【００２２】
本発明の一の形態によれば、前記第２の搬送機構は、前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームを有し、前記ガイド部材は、前記側面ローラとで前記記録媒体を挟むことができるように前記アームの先端部に回転可能に設けられたガイドローラである。これにより、レバー部材を回動させることで側面ローラを記録媒体の側面に押圧させ、側面ローラを回転させることで、側面ローラとガイドローラとで記録媒体の側面を挟み込んだ状態で、スロット内の記録媒体を引き込むことができる。
【００２３】
本発明の一の形態によれば、前記ガイド部材は、前記側面ローラにより前記記録媒体が引き込まれる方向に延設して前記筐体に設けられている。これにより、レバー部材を回動させることで側面ローラを記録媒体の側面に押圧させ、側面ローラを回転させることで、側面ローラとガイド部材とで記録媒体の側面を挟み込んだ状態で、ガイド部材が延設された方向に記録媒体を引き込むことができる。
【００２４】
以上の請求項６〜９に係る発明は、後述する第２の実施の形態または第３の実施の形態としてサポートされている。
【００２５】
本発明の一の形態によれば、前記第２の搬送機構は、前記第１の搬送機構から前記記録媒体を受け取り前記第１の搬送機構と協働して前記記録媒体を前記装着部側に搬送するレバー部材と、前記レバー部材と協働して前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送する搬送部材とを有する。比較的記録媒体の径が大きい場合、レバー部材が第１の搬送機構から記録媒体を受け取り第１の搬送機構と協働して装着部側に搬送し搬送部材がレバー部材と協働して記録媒体を装着部による装着位置に搬送するときに、レバー部材が記録媒体の側面を確実に、かつ、安定して押圧することで、安定して記録媒体を搬送することができる。一方、例えば記録媒体の径が比較的小さい場合、記録媒体が第１の搬送機構から離れた後に、搬送部材が記録媒体を装着位置まで搬送できるようにレバー部材が中継する必要がある。したがって、この場合、第２の搬送機構がレバー部材及び搬送部材を有することは有用なことである。なお、請求項１０に係る本発明は、後述する第１、第２または第３の実施の形態としてサポートされている。
【００２６】
本発明の一の形態によれば、前記搬送部材は、前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームである。これにより、レバー部材と協働してアームにより記録媒体の側面を挟持しながら記録媒体を搬送させることができる。
【００２７】
本発明の一の形態によれば、前記搬送部材は、前記スロット側から前記装着部側へ、かつ、前記装着部側から前記スロット側へ前記記録媒体を搬送可能な搬送レバーである。これにより、レバー部材と協働して搬送レバーによりスロット側から装着部側へ、かつ、装着部側からスロット側へ記録媒体を搬送することができる。
【００２８】
本発明の一の形態によれば、前記記録媒体として、第１の直径でなる第１のディスク及び前記第１の直径とは異なる第２の直径でなる第２のディスクに対応可能である。これにより、例えば第１のディスク、又は、第２のディスクがスロットに挿入されているときに、第１のディスク又は第２のディスクがスロットに挿入されている位置に依存せずにスロットから引き込むことができる。
【００２９】
本発明に係る電子機器は、ディスク状の記録媒体が挿入及び排出されるスロットを有する筐体と、前記筐体内に設けられ、前記スロットから挿入された前記記録媒体が装着される装着部と、前記記録媒体を前記スロット側から前記装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構と、前記第１の搬送機構により引き込まれた前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送することで、前記第１の搬送機構から前記記録媒体を開放する第２の搬送機構とを有するディスク駆動装置と、前記ディスク駆動装置の駆動を制御する制御部とを具備する。
【００３０】
制御部とは、ユーザからの操作入力等に基づいて少なくとも上記ディスク駆動装置に対して信号を生成して送るものであり、例えばＣＰＵである。
【００３１】
本発明では、記録媒体をスロット側から装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構を備えているので、スロット内の記録媒体の位置に依存せずに、記録媒体を装着部側に引き込むことができると共に、第１の搬送機構により装着部側に引き込まれた記録媒体を第２の搬送機構で装着部による装着位置に搬送することで、第１の搬送機構から記録媒体を開放することができるので、例えば第１の搬送機構から記録媒体を開放するために第１の搬送機構を記録媒体の記録面に直交する方向に移動させる機構が不要となり、ディスク駆動装置の小型（薄型）化を図ることができる。
【発明の効果】
【００３２】
以上のように、本発明によれば、スロット内の記録媒体の位置に依存せずにスロット側から装着部側に記録媒体を引き込むことができると共に小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３３】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【００３４】
図１は本発明に係るディスク駆動装置の外観斜視図、図２はディスク駆動装置のトップカバーを内面側から見た斜視図、図３はディスク駆動装置の構造を示す平面図、図４は図３のディスク駆動装置のＡ−Ａ断面図である。
【００３５】
このディスク駆動装置１は、図１に示すように、外筐となる筐体３を備え、この筐体３は、下部筐体である略扁平箱状のボトムケース４と、このボトムケース４の上部開口部を覆う天板であるトップカバー５とから構成されている。
【００３６】
トップカバー５は、図１及び図２に示すように、薄い板金からなり、ボトムケース４の上部開口部を閉塞する天板部５ａと、この天板部５ａの周囲がボトムケース４の両側面に沿って僅かに折り曲げられた一対の側板部５ｂとを有している。天板部５ａの略中央部には、略円形状の開口部６が形成されている。この開口部６は、後述するチャッキング動作時に例えば光ディスク２の中心孔２ａに係合されるターンテーブル２３ａの係合突部２８ａを外部に臨ませるためのものである。また、天板部５ａの開口部６の周囲には、ターンテーブル２３ａ上に保持された光ディスク２の中心孔２ａの周囲と当接されるように、筐体３の内側に向かって僅かに突出した当接突部７が設けられている。
【００３７】
天板部５ａの内側の主面には、図２に示すように後述する第１の回動アーム３５の先端部と第２の回動アーム３６の先端部とを高さ方向に規制しながら、互いに近接又は離間する方向に案内するガイド部材８が設けられている。このガイド部材８は、天板部５ａの両側板部５ｂの間に亘って略円弧状をなす板金からなり、天板部５ａの前面側にスポット溶接やかしめ等により取り付けられている。また、このガイド部材８は、背面側が前面側の取付面よりも一段高くなされた係止部８ａを有している。これにより、ガイド部材８の背面側の係止部８ａと天板部５ａとの間には、第１の回動アーム３５の先端部及び第２の回動アーム３６の先端部が係合されるガイド溝９が形成されている。また、天板部５ａには、このガイド溝９に第１の回動アーム３５の先端部と第２の回動アーム３６の先端部とを係合させるための作業用の窓部１０がそれぞれ設けられている。
【００３８】
ボトムケース４は、図３に示すように、略扁平箱状に形成された板金からなり、その底面部は、略矩形状であり、一方の側面部には、この底面部よりも底上げされて外側へと張り出したウィング部４ａが設けられている。
【００３９】
ボトムケース４の底面部には、ディスク駆動装置１の駆動を制御する図示を省略した駆動制御回路を構成するＩＣチップ等の電子部品や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ、各部の動作を検出するための後述する検出スイッチ等が配置された回路基板がネジ止め等により取り付けられている。また、ボトムケース４の底面部には、シャーシ１１がネジ止めにより取り付けられている。このシャーシ１１は、回路基板の上方において、ボトムケース４の内部を上記ウィング部４ａと略同等の高さで上下に仕切るように配置されている。
【００４０】
そして、このボトムケース４には、図１に示すように、上記トップカバー５がネジ止めにより取り付けられている。具体的に、図２に示すように、天板部５ａの外周縁部には、図１に示すネジ１２を貫通させる複数の貫通孔１３が形成されている。また、両側の側板部５ｂには、内側に略直角に折り曲げられた複数のガイド片１４が設けられている。一方、ボトムケース４の外周縁部には、図３に示すように、内側に略直角に折り曲げられた固定片１５が設けられており、これら固定片１５には、トップカバー５の貫通孔１３に対応したネジ孔１６が形成されている。また、ボトムケース４の両側面部には、トップカバー５の複数のガイド片１４の抜け止めとなる複数のガイドスリット１７が形成されている。
【００４１】
そして、ボトムケース４にトップカバー５を取り付ける際は、ボトムケース４の複数のガイドスリット１７にトップカバー５の複数のガイド片１４を係合させた状態で、トップカバー５を前面側から背面側へとスライドさせる。これにより、トップカバー５の天板部５ａがボトムケース４の上部開口部を閉塞した状態となる。そして、この状態でトップカバー５の複数の貫通孔１３を通してボトムケース４のネジ孔１６にネジ１２を螺合する。以上のようにして、図１に示す筐体３が構成されている。
【００４２】
なお、トップカバー５の天板部５ａには、組付後に、上述した開口部６や作業用の窓部１０を覆うラベルシール（図示せず。）が貼り付けられる。これにより、筐体３の内部への塵埃等の侵入や外部へのレーザの漏れ等を防止する。
【００４３】
筐体３の前面には、図１に示すように、略矩形平板状のフロントパネル１８が取り付けられている。このフロントパネル１８には、光ディスク２が水平方向に挿入又は排出されるスロット１９が設けられている。すなわち、ディスク駆動装置１は、直径１２ｃｍの大径ディスク及び直径８ｃｍの小径ディスクに対応可能であり、例えば大径ディスクを、このスロット１９から筐体３の内部へと挿入したり、或いはこのスロット１９から筐体３の外部へと排出したりすることが可能となっている。また、フロントパネル１８の前面には、光ディスク２に対するアクセス状態を点灯表示する表示部２０や、光ディスク２を排出する際に押圧されるイジェクトボタン２１、及び塵埃の進入を防止するカーテンである後述するガイド部材３０４とが設けられている。
【００４４】
ディスク駆動装置１は、筐体３の前面側に、光ディスク２をスロット１９側からディスク装着部２３側に引き込むことが可能な第１の搬送機構３００を備えている。
【００４５】
第１の搬送機構３００は、図３、図４に示すように、スロット１９に挿入、排出された光ディスク２の記録面を押圧するようにスロット１９の近くに設けられたローラ３０１を備えローラ３０１を回転駆動させる回転駆動機構３０３と、ローラ３０１により押圧された光ディスク２を引き込むように案内するガイド部材３０４とを備えている。ガイド部材３０４は、図４に示すようにローラ３０１により押圧された光ディスク２をローラ３０１とで挟むように設けられている。ガイド部材３０４は、例えば図示を省略したバネによりローラ３０１とガイド部材３０４とで挟まれた光ディスク２を付勢することができるように設けられている。
【００４６】
回転駆動機構３０３は、上述したローラ３０１と、ローラ３０１を回転駆動させる駆動源となるモータ３０２と、モータ３０２の回転数を減少させてローラ３０１に伝達するためにギア等により構成された減速ギアトレイン３０５とを備えている。ローラ３０１の構成材料には、例えばゴムやエラストマー等の高摩擦材料が用いられている。モータ３０２は、図４に示すようにボトムケース４の内底面に設けられており、モータ３０２の動力を減速ギアトレイン３０５を介してローラ３０１に伝達することができるように構成されている。なお、ローラ３０１が例えば光ディスク２の記録面側とは反対側の面に当接し、ガイド部材３０４が光ディスク２の記録面側に接するようにしてもよいし、光ディスク２の両面側にローラが接触するようにしてもよい。
【００４７】
また、ディスク駆動装置１のスロット１９の近くには、例えば光ディスク２がスロット１９に挿入されているか否かを検出するための検出部１１１が設けられている。検出部１１１は、例えばフォトディテクタ等の光センサやメカ的な機構などが用いられている。メカ的な機構を用いる場合には、例えば光ディスク２がスロット１９内に挿入されたときに、ガイド部材３０４が回動したり持ち上がったりするようにすることで、ガイド部材３０４の角度や位置を検知するようにしてもよい。
【００４８】
図５はディスク駆動装置１のベースユニットの斜視図である。
【００４９】
このディスク駆動装置１は、図３、図５に示すように、ボトムケース４の底面部にディスク駆動装置本体を構成するベースユニット２２を備えている。
【００５０】
このベースユニット２２は、スロット１９から筐体３の内部に挿入された光ディスク２が装着されるディスク装着部２３と、このディスク装着部２３に装着された光ディスク２を回転駆動するディスク回転駆動機構２４と、このディスク回転駆動機構２４により回転駆動される光ディスク２に対して信号の書き込み又は読み出しを行う光学ピックアップ２５と、この光学ピックアップ２５を光ディスク２の半径方向に送り動作させるピックアップ送り機構２６とを有し、これらがベース２７に一体に設けられた超薄型構造を有している。
【００５１】
このベースユニット２２は、ボトムケース４の底面部においてディスク装着部２３が略々中央に位置するように、シャーシ１１よりも前面側に配置されている。また、このベースユニット２２は、後述するベース昇降機構５５によって昇降可能とされており、初期状態において、スロット１９から筐体３の内部に挿入される光ディスク２よりも下方に位置している。
【００５２】
ベース２７は、板金を所定の形状に打ち抜き、その周囲を僅かに下方に折り曲げて形成されている。ベース２７の主面には、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａを上方へと臨ませる略半円状のテーブル用開口部２７ａと、光学ピックアップ２５の対物レンズ２５ａを上方へと臨ませる略矩形状のピックアップ用開口部２７ｂとが連続形成されている。なお、ベース２７の上面部には、これら開口部２７ａ，２７ｂに対応した開口部が形成された化粧板（図示せず。）が取り付けられる。
【００５３】
ベース２７は、図５に示すように、後述する駆動レバー５２と対向する側面のディスク装着部２３側に突設された第１の支軸５９と、図１０に示す後述するカムレバー５６と対向する側面のディスク装着部２３側に突設された第２の支軸６０と、駆動レバー５２と対向する側面とは反対側の側面の前面側に突設された第３の支軸６２と、カムレバー５６と対向する側面とは反対側の側面の前面側に設けられた固定支持部６５とを備えている。
【００５４】
ディスク装着部２３は、ディスク回転駆動機構２４により回転駆動されるターンテーブル２３ａを有し、このターンテーブル２３ａの中心部には、光ディスク２を装着するためのチャッキング機構２８が設けられている。このチャッキング機構２８は、光ディスク２の中心孔２ａに係合される係合突部２８ａと、この係合突部２８ａに係合された光ディスク２の中心孔２ａの周囲を係止する複数の係止爪２８ｂとを有し、光ディスク２をターンテーブル２３ａ上に保持する。
【００５５】
ディスク回転駆動機構２４は、光ディスク２をターンテーブル２３ａと一体に回転駆動する扁平状のスピンドルモータ２４ａを有し、このスピンドルモータ２４ａは、上面部に設けられたターンテーブル２３ａがベース２７のテーブル用開口部２７ａから僅かに突出するように、支持板２４ｂを介してベース２７の下面にネジ止めにより取り付けられている。
【００５６】
光学ピックアップ２５は、光源となる半導体レーザから出射された光ビームを対物レンズ２５ａにより集光させて光ディスク２の信号記録面に照射し、この光ディスク２の信号の記録面で反射された戻りの光ビームを受光素子等からなる光検出器により検出する光学ブロックを有し、光ディスク２に対する信号の書き込み又は読み出しを行うようになされている。
【００５７】
また、この光学ピックアップ２５は、対物レンズ２５ａを光軸方向（フォーカッシング方向という。）と、光ディスクの記録トラックと直交する方向（トラッキング方向という。）とに変位駆動する２軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構を有し、上述した光検出器により検出された光ディスク２からの検出信号に基づいて、この２軸アクチュエータにより対物レンズ２５ａをフォーカッシング方向及びトラッキング方向に変位させながら、光ディスク２の信号記録面上に対物レンズ２５ａの焦点を合わせるフォーカスサーボや、対物レンズ２５ａにより集光される光ビームのスポットを記録トラックに追従させるトラッキングサーボ等の駆動制御を行うようになされている。なお、対物レンズ駆動機構としては、このようなフォーカシング制御及びトラッキング制御に加えて、対物レンズ２５ａにより集光された光ビームを光ディスク２の信号記録面に垂直に照射させるように、光ディスク２の信号の記録面に対する対物レンズ２５ａの傾き（スキュー）を調整可能とする３軸アクチュエータを用いてもよい。
【００５８】
ピックアップ送り機構２６は、光学ピックアップ２５が搭載されたピックアップベース２９と、このピックアップベース２９を光ディスク２の半径方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸３０ａ，３０ｂと、これら一対のガイド軸３０ａ，３０ｂに支持されたピックアップベース２９を光ディスク２の半径方向に変位駆動する変位駆動機構３１とを有している。
【００５９】
ピックアップベース２９には、一対のガイド軸３０ａ，３０ｂのうち、一方のガイド軸３０ａを挿通するガイド孔が形成された一対のガイド片３２ａ，３２ｂと、他方のガイド軸３０ｂを挟み込むガイド溝が形成されたガイド片３３とが互いに対向する側面から突出形成されている。これにより、ピックアップベース２９は、一対のガイド軸３０ａ，３０ｂにスライド可能に支持されている。
【００６０】
一対のガイド軸３０ａ，３０ｂは、ベース２７の下面に光ディスク２の半径方向と互いに平行となるように配置されており、ベース２７のピックアップ用開口部２７ｂから光学ピックアップ２５が臨むピックアップベース２９を光ディスク２の内外周に亘って案内する。
【００６１】
変位駆動機構３１は、ベース２７に取り付けられた駆動モータ３１ａの回転駆動をギヤやラック（図示せず。）を介して直線駆動に変換し、ピックアップベース２９を一対のガイド軸３０ａ，３０ｂに沿った方向、すなわち光ディスク２の半径方向に変位駆動させる。
【００６２】
このディスク駆動装置１は、図３に示すように、第１の搬送機構３００によりスロット１９から引き込まれた光ディスク２を、ターンテーブル２３ａまで搬送する第２の搬送機構３４を備えている。
【００６３】
この第２の搬送機構３４は、光ディスク２の記録面とほぼ平行な面内で広がるように、かつ、狭まるように移動することで、光ディスク２の周縁部を挟持しながら、スロット１９側とディスク装着部２３側との間で光ディスク２を搬送させるためのアーム機構１３５と、後述するようにこれらのアーム機構１３５の移動を途中で規制する規制機構１２０と、レバー部材４６とを備えている。
【００６４】
なお、説明を明確にするため、第１の実施の形態では、「レバー部材４６」やこれに支持された「側面ローラ４８、ガイドローラ７３ａ、７３ｂ」等は、概念的に第２の搬送機構３４に含まれる構成であって、第１の搬送機構３００には含まれないものとする。
【００６５】
しかし、後述の第２の実施の形態に係るディスク駆動装置（図２９参照）においては、「レバー部材４６」は第２の搬送機構３４に含まれ、「側面ローラ１４８、ガイドローラ７３ａ、７３ｂ」は第１の搬送機構３１０に含まれる。また、後述する第３の実施の形態に係るディスク駆動装置（図３１参照）においては、「レバー部材４６」、「搬送レバー３１７」は第２の搬送機構３４に含まれ、「側面ローラ１４８、ガイド部材３１８」は第１の搬送機構３１０に含まれる。第２及び第３の実施の形態に係るディスク駆動装置では図３に示すローラ３０１がない。そのローラ３０１の代わりに、「第１の搬送機構３１０」として、図２９及び図３１に示すように側面ローラ１４８を積極的に回転駆動する回転駆動機構としてモータ３１２、ギアトレイン３１５、ベルト３１６等が設けられている。
【００６６】
アーム機構１３５は、光ディスク２の周縁部の両側を挟むように回動可能に設けられた第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６などを備えている。
【００６７】
第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部２３を挟んだ左右の両側に各々配置されており、それぞれディスク装着部２３よりも背面側に位置する基端部が、シャーシ１１上に設けられた第１の支軸３７を軸として支持されると共に、ディスク装着部２３よりも前面側に位置する先端部がスロット１９に挿入され第１の搬送機構３００により引き込まれた光ディスク２の記録面とほぼ平行な面内で互いに近接又は離間する図３に示す矢印ａ１、ａ２、ｂ２、ｂ２方向に回動可能となっている。
【００６８】
第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、光ディスク２がスロット１９から引き込まれる前の初期状態（ＨＯＭＥ状態）において、それぞれの先端部が開いた状態で保持されている。
【００６９】
第１の回動アーム３５は、図３に示すように先端部に設けられた第１の前面側当接部材３８と、光ディスク２の高さ方向の移動を規制するために設けられたフランジ１３８とを備えている。第１の前面側当接部材３８は、回転可能に設けられた前後一対のガイドローラ７３ａ，７３ｂを備えている。
【００７０】
第１の回動アーム３５の基端部近傍には、光ディスク２をディスク装着位置に位置決めする際に、第１の前面側当接部材３８と共に光ディスク２の外周部に当接される第１の背面側当接部材３９が下方に向かって突出して設けられている。
【００７１】
第１の前面側当接部材３８、フランジ１３８及び第１の背面側当接部材３９は、光ディスク２よりも柔らかい樹脂を用いて製造されている。
【００７２】
第１の回動アーム３５には、図３に示すように、捻じりコイルバネ７１ｄが設けられており、捻じりコイルバネ７１ｄは、回動部材７１のギヤ部７１ａと内歯ギヤ９４とを介して第１の回動アーム３５と、第２の回動アーム３６をと互いに近接する方向に付勢している。
【００７３】
回動部材７１は、図３に示すように、その外周部の所定の領域に亘って形成されたギヤ部７１ａを有し、このギヤ部７１ａがシャーシ１１上に配置された内歯ギヤ９４と噛合されることによって、第１の回動アーム３５の回動動作に連動しながら回動操作される。
【００７４】
第２の回動アーム３６の先端部には、スロット１９から第１の搬送機構３００により引き込まれた光ディスク２の外周部に当接される第２の前面側当接部材４０と、光ディスク２の高さ方向の移動を規制するために設けられたフランジ１４０とが設けられている。第２の前面側当接部材４０は、ガイドローラ７３ｃ、７３ｄを備えており、第２の前面側当接部材４０、フランジ１４０は、光ディスク２よりも柔らかい樹脂を用いて製造されている。
【００７５】
このように、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とは、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａを挟んで略対称となる位置に配置されており、互いの回動中心がディスク装着部２３よりも背面側の略中央部において一致している。また、第１の回動アーム３５の先端部及び第２の回動アーム３６の先端部は、天板部５ａのガイド溝９に係合された状態で回動方向に沿ってスライド可能に支持されている。
【００７６】
第１の回動アーム３５と、第２の回動アーム３６とは連動機構４１を介して互いに逆向きに回動可能となっている。
【００７７】
具体的に、この連動機構４１は、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とを連結する第１の連結アーム４２及び第２の連結アーム４３を有している。これら第１の連結アーム４２及び第２の連結アーム４３は、長尺状の板金からなり、それぞれの長手方向の一端部が第１の回動アーム３５の基端部と第２の回動アーム３６の基端部とに回動可能に支持され、それぞれの長手方向の他端部が第２の支軸４４を介して回動可能に支持された、いわゆるパンタグラフ構造を有している。また、第２の支軸４４は、シャーシ１１の第１の支軸３７よりも前面側に設けられたガイドスリット４５に係合されており、このガイドスリット４５は、光ディスク２の挿入方向に亘って直線状に形成されている。
【００７８】
第１の支軸３７には、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とを互いに近接する方向に付勢するための第１の捻じりコイルバネ７５が設けられている。第１の捻じりコイルバネ７５は、その巻回部分に第１の支軸３７が挿通された状態で、その一端部が第１の回動アーム３５の基端部に掛止され、その他端部が第２の回動アーム３６に掛止され設けられている。
【００７９】
したがって、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とは、第２の支軸４４がガイドスリット４５内をスライドすることで、第１の連結アーム４２及び第２の連結アーム４３を介して互いに逆向きに回動可能となっている。すなわち、第１の回動アーム３５の先端部と第２の回動アーム３６の先端部とは、このような連動機構４１によって、互いに近接又は離間する方向に回動可能となっている。
【００８０】
レバー部材４６は、光ディスク２などをスロット１９から筐体３の内部へと引き込むローディング動作を補助するためにスロット１９から挿入される光ディスク２の記録面とほぼ平行な面内で回動可能に設けられている。
【００８１】
レバー部材４６は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａを挟んだ左右の一方側（例えば図３中左側）の第２の回動アーム３６の前面側に位置して、ウィング部４ａ上に設けられた支軸４７を介して矢印ｃ１方向及び矢印ｃ２方向に回動可能に支持されている。
【００８２】
図６はディスク駆動装置１の一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【００８３】
レバー部材４６は、支軸４７が挿通される挿通される図６に示す略Ｌ字状の軸孔４６ａと、図９に示す駆動レバー５２の上面部に形成されたカム溝８０に係合されるカムピン４６ｂと、レバー部材４６の先端部に設けられた側面ローラ４８とを備えている。レバー部材４６は、このローラを回転可能に支持している。
【００８４】
レバー部材４６は、図３及び図６に示すように、ウィング部４ａ上に配置された捻りコイルバネ７９によって付勢されている。この捻りコイルバネ７９は、その一端部がウィング部４ａの掛止ピン７９ａに掛止され、その他端部がレバー部材４６の下面に設けられた掛止ピン７９ｂに掛止されている。
【００８５】
レバー部材４６は、駆動レバー５２のスライド動作に連動して、カムピン４６ｂが図６に示す駆動レバー５２に形成されたカム溝８０内をスライドすることによって回動操作される。また、レバー部材４６は、軸孔４６ａ内における支軸４７の位置によって、このレバー部材４６の回動中心を切り替えることが可能となっている。
【００８６】
側面ローラ４８は、スロット１９から挿入された光ディスク２の外周部に当接されるように、レバー部材４６の先端部に上方に向かって突出して設けられている。側面ローラ４８は、レバー部材４６の天板部５ａと対向する主面に回転可能に取り付けられた小径のローラであり、光ディスク２よりも柔らかい樹脂からなる。
【００８７】
図７はディスク駆動装置１の更に一部の部品を取り外した状態を示す平面図、図８はディスク駆動装置１の駆動レバーと検出スイッチとの位置関係を示す平面図である。
【００８８】
アーム機構１３５は、第１、第２の回動アーム３５，３６及びレバー部材４６等を協働させるための駆動レバー５２を備えている。この駆動レバー５２は、全体が略直方体状に形成された樹脂部材からなり、ボトムケース４の底面部において、このボトムケース４の一方の側面部とベースユニット２２との間に配置されている。また、この駆動レバー５２は、スロット１９から筐体３の内部に挿入される光ディスク２などよりも下方に位置しており、その上面部がウィング部４ａの底面部と略一致した高さにされている。
【００８９】
図９（ａ）は、駆動レバー５２を一方側から見た側面図であり、図９（ｂ）は、駆動レバー５２を上方側から見た平面図であり、図９（ｃ）は、駆動レバー５２を他方側から見た側面図であり、図９（ｄ）は、駆動レバー５２を下方側から見た平面図である。
【００９０】
駆動レバー５２は、図９（ｃ）に示すように、ベースユニット２２を昇降操作するため、ベース２７と対向する側面に形成された第１のカムスリット９５を有しており、この第１のカムスリット９５は、ベース２７をチャッキング解除位置に位置させるための第１の水平面部９５ａと、ベース２７をチャッキング位置に位置させるための頂上面部９５ｂと、ベース２７を上記中間位置に位置させるための第２の水平面部９５ｃとを有している。図９（ｄ）に示すように、駆動レバー５２の底面部には、ガイドスリット１００が形成されている。
【００９１】
駆動レバー５２の前面側には、図１１及び図１２に示すように、この駆動レバー５２に対して所定のストロークだけ前後方向にスライド可能とされたラック部材１０１が取り付けられている。そして、このラック部材１０１には、前後方向に亘ってラックギヤ１０１ａが形成されている。一方、ボトムケース４の底面部には、図７に示すように、変位駆動機構を構成する駆動モータ１０２と、この駆動モータ１０２の回転軸に取り付けられたウォームギヤ１０３と、このウォームギヤ１０３からラックギヤ１０１ａへと駆動モータ１０２の動力を伝達するギヤ列１０４とが配置されている。
【００９２】
したがって、この変位駆動機構は、図１１に示すように、駆動モータ１０２を一の方向に回動駆動することによって、ウォームギヤ１０３、ギヤ列１０４及びラックギヤ１０１ａ介してラック部材１０１が駆動レバー５２の背面側に引き込まれた状態で、駆動レバー５２をラック部材１０１と一体に背面側へと変位駆動する。一方、この変位駆動機構は、図１２に示すように、駆動モータ１０２を他の方向に回動駆動することによって、ウォームギヤ１０３、ギヤ列１０４及びラックギヤ１０１ａ介してラック部材１０１が駆動レバー５２の前面側に引き出された状態で、駆動レバー５２をラック部材１０１と一体に前面側へと変位駆動する。
【００９３】
第３の回動アーム４９は、長尺状の板金からなり、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａを挟んだ左右の一方側（例えば図３中左側）の第２の回動アーム３６の中間部において、イジェクト動作を補助するために光ディスク２の記録面とほぼ平行な面内で矢印ｄ１方向及び矢印ｄ２方向に回動可能に支持されている。また、第３の回動アーム４９の先端部には、スロット１９から挿入された光ディスク２の外周部の背面側に当接されるローラ５０が上方に向かって突出して設けられている。
【００９４】
ローラ５０は、光ディスク２よりも柔らかい樹脂からなり、第３の回動アーム４９の天板部５ａと対向する主面に回転可能に取り付けられている。第２の回動アーム３６には、この第３の回動アーム４９が背面側、すなわち矢印ｄ１方向に回動された際に、第３の回動アーム４９の背面側への回動を規制する図示を省略した規制片が設けられている。規制片は、例えば、第２の回動アーム３６の側縁がＵ字状に折り曲げられて形成されている。
【００９５】
第３の回動アーム４９は、図３に示す連結機構８１を介して駆動レバー５２のスライド動作に連動して回動操作される。
【００９６】
具体的に、この連結機構８１は、第１の支軸３７を介して回動可能に支持されたクランクアーム８２ａと、このクランクアーム８２ａと第３の回動アーム４９との間を連接する連接アーム８２ｂとからなるクランク機構を有している。また、連接アーム８２ｂには、第２の回動アーム３６に設けられたガイドピン８３ａを挿通させる長孔８３ｂが形成されている。したがって、このクランク機構は、第３の回動アーム４９の回動動作に連動して、クランクアーム８２ａを回動させることが可能となっている。
【００９７】
また、この連結機構８１は、図７に示すように、ボトムケース４の底面部に、上述したクランクアーム８２ａを介して回動される第１のギヤ８４と、この第１のギヤ８４と噛み合わされる第２のギヤ８５と、この第２のギヤ８５と噛み合わされる第３のギヤ８６が形成された回動操作部材８７とを有している。
【００９８】
この回動操作部材８７は、駆動レバー５２のスライド動作に連動して、第３の回動アーム４９を回動操作するためのものであり、駆動レバー５２に対して前後方向にスライド可能とされたスライド部材９２と係合される係合ピン８８と、記録再生時に駆動レバー５２の背面側の端部に当接されて駆動レバー５２を位置決め固定する位置決めピン８９とを有している。
【００９９】
そして、この回動操作部材８７は、引張りコイルバネ９０によって回動方向の一方側（ここでは、図７中時計回りの方向）に付勢されている。この引張りコイルバネ９０は、その一端部がボトムケース４の底面部に設けられた掛止ピン９０ａに掛止され、その他端部が回動操作部材８７に設けられた掛止ピン９０ｂに掛止されることによって、この回動操作部材８７を回動方向の一方側に付勢している。なお、回動操作部材８７には、掛止ピン９０ａを逃がすための略円弧状のスリット９１が形成されている。
【０１００】
駆動レバー５２の背面側には、この駆動レバー５２に対して前後方向にスライド可能とされたスライド部材９２が取り付けられている。そして、このスライド部材９２は、第１及び第２の引張りコイルバネ９３ａ，９３ｂにより前面側へと付勢されており、背面側の端部に回動操作部材８７の係合ピン８８が係合されることによって、駆動レバー５２のスライド動作に連動して、この回動操作部材８７を回動操作する。
【０１０１】
第１及び第２の引張りコイルバネ９３ａ，９３ｂは、それぞれ前面側の端部が駆動レバー５２に掛止され、背面側の端部がスライド部材９２に掛止されることによって、スライド部材９２を駆動レバー５２に対して前面側へと付勢している。このうち、第１の引張りコイルバネ９３ａは、通常の駆動レバー５２及びスライド部材９２を一体で動作させるためのものであり、そのバネ力は、２００〜３００ｇｆ程度である。一方、第２の引張りコイルバネ９３ｂは、光ディスク２の正常な排出ができない場合に機構を保護するためのものであり、そのバネ力は、４００〜６００ｇｆ程度である。
【０１０２】
また、ボトムケース４の底面部には、図８に示すように、各部の駆動制御を行う駆動制御回路が構成された回路基板１０５が配置されている。この回路基板１０５は、ボトムケース４の背面側の底面部にネジ止めにより取り付けられている。また、このボトムケース４の底面部及び回路基板１０５上には、上記駆動制御回路を構成するＩＣチップ等の電子部品（図示せず。）や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ１０６、各部の動作を検出するための検出スイッチＳＷ１，ＳＷ２，ＳＷ３，ＳＷ４等が配置されている。
【０１０３】
そして、駆動制御回路は、これら検出スイッチＳＷ１，ＳＷ２，ＳＷ３，ＳＷ４からの検出信号に基づいて、上述した変位駆動機構により駆動される駆動レバー５２の位置を検出しながら、この変位駆動機構による駆動レバー５２の駆動制御を行っている。
【０１０４】
このうち、検出スイッチＳＷ１は、ボトムケース４の前面側の端部に配置されている。そして、この検出スイッチＳＷ１は、駆動レバー５２の前端部によってオン／オフが切り替わる。一方、検出スイッチＳＷ２，ＳＷ３，ＳＷ４は、回路基板１０５の駆動レバー５２と対向する端縁部に所定の間隔で前後に並んで配置されている。そして、これら検出スイッチＳＷ２，ＳＷ３，ＳＷ４は、図９（ｂ），（ｃ）に示す駆動レバー５２の側面部に設けられたカム部１０７によってオン／オフが切り替わる。
【０１０５】
規制機構１２０は、スロット１９から光ディスク２が排出されるときに、アーム機構１３５の移動を途中で規制するために用いられている。規制機構１２０は、図３に示すように、押圧レバー７６と、光ディスクの排出の途中で押圧レバー７６に係合するストッパー１１０と、押圧レバー７６を押圧可能な第２の捻じりコイルバネ７７とを備えている。ストッパー１１０は、例えば第２の回動アーム３６に設けられており、スロット１９から光ディスク２が排出される途中で当接ピン７６ａに当接する部分がステップ状とされている。ストッパー１１０は、押圧レバー７６が回動する方向で当接ピン７６ａと対面して当接する当接面を備えている。
【０１０６】
第２の捻じりコイルバネ７７は、図６に示すように、その巻回部分がシャーシ１１に軸支された状態で、その一端部が同じくシャーシ１１に掛止され、その他端部が押圧レバー７６の当接ピン７６ｃに掛止されことによって、当接ピン７６ａがストッパー１１０に当接する方向に付勢している。押圧レバー７６は、図６に示す点Ｐを軸として回動可能に設けられている。光ディスク２の排出の途中で、当接ピン７６ａがストッパー１１０に係合されたときに、アーム機構１３５が光ディスク２を押し出す力は、スロット１９を介して光ディスク２に働く摩擦力より小さく設定されている。例えば第１の捻じりコイルバネ７５は、スロット１９から光ディスク２が引き抜かれると、押圧レバー７６の当接ピン７６ａとストッパー１１０との係合が解除されるように第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６に回動力を付与している。
【０１０７】
したがって、規制機構１２０では、押圧レバー７６が第２の回動アーム３６を押圧することによって、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが互いに近接する方向に付勢された状態から、駆動レバー５２の背面側へのスライド動作に連動して、押圧レバー７６のカムピン７６ｂが駆動レバー５２のカム溝７８内をスライドしながら、駆動レバー５２が背面側の端部までスライドされたとき、第２の捻じりコイルバネ７７の付勢に抗して回動されることによって、非付勢状態に切り替えることが可能である。
【０１０８】
アーム機構１３５では、これら第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６等が互いに協働しながら、第１の搬送機構３００によりスロット１９から引き込まれた光ディスク２を筐体３の内部へと搬送するローディング動作と、光ディスク２をディスク装着位置に位置決めするセンタリング動作と、光ディスク２を第１の搬送機構３００に渡すイジェクト動作とを行う。
【０１０９】
このディスク駆動装置１は、図３に示すように、駆動レバー５２のスライドに連動して、ベース２７を昇降操作するベース昇降機構５５を備えている。
【０１１０】
このベース昇降機構５５は、ベース２７を上昇させて、ディスク装着位置に位置決めされた光ディスク２をディスク装着部２３のターンテーブル２３ａに装着する図１４に示すチャッキング位置と、ベース２７を下降させて、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａから光ディスク２を離脱する図１３に示すチャッキング解除位置と、ベース２７をチャッキング位置とチャッキング解除位置との間に位置させて、光ディスク２に対する信号の記録又は再生を行う図１５に示す中間位置との間でベース２７を昇降操作する。
【０１１１】
具体的に、駆動レバー５２のベース２７と対向する側面には、図９に示すようにチャッキング位置、チャッキング解除位置及び中間位置に対応した第１のカムスリット９５が長手方向に亘って形成されている。
【０１１２】
また、ボトムケース４の底面部には、図６に示すようにベース２７の背面側の側面に沿ってカムレバー５６が配置されている。このカムレバー５６は、図１０に示すように、長尺状の平板部材からなり、駆動レバー５２の前後方向のスライドに連動して、駆動レバー５２のスライド方向と略直交する方向にスライド操作される。このカムレバー５６の中間部には、ベース２７と対向する端縁部から上方に向かって折り曲げられたカム片５７が設けられている。カム片５７の水平面部５７ａには、図６に示すように直径が１２ｃｍの大径ディスクに対応した第１のカム部７４ａと、この第１のカム部７４ａよりも前面側をスリット状に切り欠くことによって、直径が８ｃｍの小径ディスクに対応した第２のカム部７４ｂとが形成されている。このカム片５７には、図１０示すようにチャッキング位置、チャッキング解除位置及び中間位置に対応した第２のカムスリット９６が長手方向に亘って形成されている。
【０１１３】
第２のカムスリット９６は、ベース２７をチャッキング解除位置に位置させるための第１の水平面部９６ａと、ベース２７をチャッキング位置に位置させるための頂上面部９６ｂと、ベース２７を中間位置に位置させるための第２の水平面部９６ｃとを有している。
【０１１４】
ここで、カムレバー５６は、その主面に形成された前後一対のガイドスリット９７ａ，９７ｂを有しており、これらガイドスリット９７ａ，９７ｂに、図７に示すボトムケース４の底面部から突出された一対の頭付ガイドピン９８ａ，９８ｂが係合されることによって、ベース２７の背面側の側面に沿って、駆動レバー５２のスライド方向と略直交する、すなわち左右方向にスライド可能に支持されている。
【０１１５】
また、カムレバー５６の駆動レバー５２と交差する位置には、図７に示すガイドピン９９が上方に向かって突出形成されている。カムレバー５６は、図７に示すように、駆動レバー５２の前後方向のスライドに連動して、ガイドピン９９がガイドスリット１００内をスライドすることによって、駆動レバー５２のスライド方向と直交する方向にスライド操作される。
【０１１６】
連動機構４１では、筐体３のスロット１９から大径ディスクが挿入された場合と小径ディスクが挿入された場合との第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６との開き具合の違いによって、上記第２の支軸４４の第１のカム部７４ａと第２のカム部７４ｂとに対する係合状態が切り替わる。
【０１１７】
具体的に、大径ディスクが挿入された場合には、第２の支軸４４が第１のカム部７４ａに係合されて、上述したカムレバー５６の左右方向のスライド動作に連動しながら、この第２の支軸４４がガイドスリット４５内をスライドすることになる。これにより、大径ディスクの外径に対応して、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とを互いに近接又は離間する方向に回動操作することができる。
【０１１８】
一方、小径ディスクが挿入された場合には、第２の支軸４４が第２のカム部７４ｂに係合されて、上述したカムレバー５６の左右方向のスライド動作に連動しながら、この第２の支軸４４がガイドスリット４５内をスライドすることになる。これにより、小径ディスクの外径に対応して、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とを互いに近接又は離間する方向に回動操作することができる。
【０１１９】
また、ボトムケース４の底面部には、図７に示すように折曲げ片５８がベース２７の背面側の側面に沿って折り曲げ形成されている。この折曲げ片５８には、ベース２７を昇降させるための鉛直スリット（図示せず。）が上下方向に亘って形成されている。
【０１２０】
ベース２７の第１の支軸５９は、図５に示すように、駆動レバー５２の図９に示す第１のカムスリット９５に係合されて支持され、第２の支軸６０はカム片５７の第２のカムスリット９６及び折曲げ片５８の鉛直スリットに係合されて支持され、第３の支軸６２はボトムケース４の他方側の側面に設けられた軸孔６１に回動可能に支持され、固定支持部６５はゴム等の粘弾性部材からなるインシュレータ６３を介してボトムケース４の底面部にネジ６４により固定支持されている。
【０１２１】
したがって、このベース昇降機構５５では、駆動レバー５２及びカムレバー５６のスライドに連動して、第１の支軸５９が駆動レバー５２の第１のカムスリット９５内をスライドすると共に、第２の支軸６０がカムレバー５６の第２のカムスリット９６及び折曲げ片５８の鉛直スリット内をスライドすることによって、ベース２７のディスク装着部２３側が前面側に対して、チャッキング位置とチャッキング解除位置と中間位置との間で昇降操作される。
【０１２２】
また、ボトムケース４の底面部には、図３に示すように、このベース昇降機構５５がベース２７を下降させたとき、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａ上に装着された光ディスク２をターンテーブル２３ａから離脱させるための押上ピン６６が設けられている。この押上ピン６６は、ベースユニット２２のディスク装着部２３近傍、具体的にはディスク装着部２３に最も近接したベース２７の背面側に位置して、ボトムケース４の底面部から上方に向かって突出して設けられている。
【０１２３】
次に、以上のように構成されるディスク駆動装置１の具体的な動作について説明する。
【０１２４】
このディスク駆動装置１では、図１６に示すように、大径ディスク２Ａが引き込まれる前の初期状態（ＨＯＭＥ状態）において、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、それぞれの先端部が開いた状態である。すなわち、例えば図１６に示すように第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６が例えば大径ディスク２Ａの直径程度開いた状態である。
【０１２５】
また、ＨＯＭＥ状態では、レバー部材４６は、先端部が基端部よりも外側に位置しかつ先端部が基端部よりも前面側に位置し、第３の回動アーム４９は先端部が基端部よりも内側に位置した状態で位置している。
【０１２６】
ディスク駆動装置１は、大径ディスク２Ａをディスク装着位置まで引き込むローディング動作を行うことが可能である。
【０１２７】
具体的に、筐体３のスロット１９に大径ディスク２Ａが挿入されると、先ず、検出部１１１により大径ディスク２Ａが挿入されたか否かを検出する。
【０１２８】
次に、検出部１１１が、大径ディスク２Ａが挿入されたことを検出した場合には、図１６に示すように、モータ３０２を回転駆動し減速ギアトレイン３０５を介してローラ３０１を回転させる。これにより、スロット１９に挿入された大径ディスク２Ａがローラ３０１とガイド部材３０４で挟まれた状態でディスク装着部２３側に引き込まれる。ここまでが、第１の搬送機構３００の役割である。つまり、ディスク装着部２３側に光ディスク２を引き込む機能（第１の搬送機構３００の機能）を有する部材が、ローラ３０１、そのローラ３０１を回転させるためのモータ３０２等、ガイド部材３０４である。
【０１２９】
このような第１の搬送機構３００の動作に協働するように、第２の駆動機構３４の第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０との間で大径ディスク２Ａの外周部を挟み込む。
【０１３０】
そして、図１７に示した位置まで大径ディスク２Ａが所定量だけ引き込まれたとき、回路基板１０５に設けられた検出スイッチＳＷ２等が押圧されることによって、変位駆動機構による駆動レバー５２の背面側へのスライドが開始される。
【０１３１】
これにより、第２の駆動機構３４のレバー部材４６は、図１７に示す矢印ｃ１の方向に回動する。また、レバー部材４６は、側面ローラ４８が大径ディスク２Ａの外周部の前面側に当接された状態となることで、この大径ディスク２Ａの外周部の前面側を押圧しながら、ローラ３０１と協働して大径ディスク２Ａを筐体３の内部へと引き込むことになる。
【０１３２】
なお、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動している間は、モータ３０２の駆動による積極的なローラ３０１の回転駆動は行われてもよいし、行われなくてもよい。
【０１３３】
そして、図１８に示すように、大径ディスク２Ａの中心孔２ａが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とを結ぶ直線よりも背面側に位置するまで、大径ディスク２Ａが筐体３の内部に引き込まれると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが大径ディスク２Ａの外周部に沿って背面側から前面側へと回り込む。すると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが大径ディスク２Ａの外周部の前面側に当接された状態で、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが捻じりコイルバネ７１ｄ、第２の捻じりコイルバネ７７に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図１８に示す矢印ａ１，ｂ１の方向に回動される。
【０１３４】
また、第３の回動アーム４９は、ローラ５０が大径ディスク２Ａの外周部の背面側に当接された状態で押圧されることによって、図１８に示す矢印ｄ１の方向に回動される。そして、第３の回動アーム４９は、大径ディスク２Ａが図１８に示すディスク装着位置で引き込まれた際に、第２の回動アーム３６の図示を省略した規制片に当接され、その回動が規制された状態となる。
【０１３５】
これにより、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、大径ディスク２Ａの外周部の前面側を押圧しながら、大径ディスク２Ａを図１８に示すディスク装着位置まで搬送することになる。
【０１３６】
図１６〜図１８等に示すように大径ディスク２Ａを引き込みディスク装着位置に搬送するときには、側面ローラ４８が大径ディスク２Ａの側面を図１７等に示す状態から安定的に押圧することができるので、確実に、かつ、安定して大径ディスク２Ａをディスク装着位置に搬送することができる。
【０１３７】
一方、筐体３のスロット１９に小径ディスク２Ｂが挿入された場合には、先ず、図２３に示すように、大径ディスク２Ａの場合と同様に、検出部１１１が、小径ディスク２Ｂがスロット１９に挿入されているか否かを検出し、挿入されていることが検出された場合には、モータ３０２を回転駆動しローラ３０１を回転させることで、スロット１９に挿入されている小径ディスク２Ｂを図２４に示すようにディスク装着部２３側に引き込む。ここまでが、第１の搬送機構３００の役割である。
【０１３８】
このような第１の搬送機構３００の動作に協働するように、第２の搬送機構３４の第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０との間で小径ディスク２Ｂの外周部を挟み込む。
【０１３９】
そして、図２４に示した位置まで第３の回動アーム４９が所定量だけ回動したとき、回路基板１０５に設けられた例えば検出スイッチＳＷ２等が押圧されることによって、変位駆動機構による駆動レバー５２の背面側へのスライドが開始される。
【０１４０】
これにより、第２の搬送機構３４のレバー部材４６は、図２４に示す矢印ｃ１の方向に回動する。また、レバー部材４６は、側面ローラ４８が小径ディスク２Ｂの外周部の前面側に当接された状態となることで、この小径ディスク２Ｂの外周部の前面側を押圧しながら、ローラ３０１と協働して小径ディスク２Ｂをスロット１９から筐体３の内部へと引き込むことになる。すなわち、レバー部材４６は、第１の搬送機構３００から小径ディスク２Ｂを受け取り第１の搬送機構３００と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３側に搬送する。なお、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動している間は、モータ３０２による積極的なローラ３０１の回転駆動は行われてもよいし、行われなくてもよい。
【０１４１】
そして、図２５に示すように、小径ディスク２Ｂの中心孔２ａが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とを結ぶ直線よりも背面側にまで位置するまで、小径ディスク２Ｂが筐体３の内部に引き込まれると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが小径ディスク２Ｂの外周部に沿って背面側から前面側へと回り込む。すると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが小径ディスク２Ｂの外周部の前面側に当接された状態で、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが捻じりコイルバネ７１ｄ、第２の捻じりコイルバネ７７に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図２５に示す矢印ａ１，ｂ１の方向に回動される。すなわち、搬送部材としての第１、第２の回動アーム３５、３６は、レバー部材４６と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３の装着位置に搬送する。このように、第１の搬送機構３００と第２の搬送機構３４とで協働して行われる作業がスムーズになる。
【０１４２】
また、第３の回動アーム４９は、ローラ５０が小径ディスク２Ｂの外周部の背面側に当接された状態で押圧されることによって、図２５に示す矢印ｄ１の方向に回動される。そして、第３の回動アーム４９は、小径ディスク２Ｂが図２６に示すディスク装着位置で引き込まれた際に、第２の回動アーム３６の図示を省略した規制片に当接され、その回動が規制された状態となる。
【０１４３】
これにより、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、小径ディスク２Ｂの外周部の前面側を押圧しながら、小径ディスク２Ｂを図２６に示すディスク装着位置（チャッキング位置）まで引き込むことになる。
【０１４４】
このディスク駆動装置１では、図１９に示すように、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６が、例えば大径ディスク２Ａをディスク装着位置まで引き込んだ際に、第１の前面側当接部材３８、第１の背面側当接部材３９、第２の前面側当接部材４０、側面ローラ４８及びローラ５０の内側に大径ディスク２Ａを挟み込むことによって、大径ディスク２Ａをディスク装着位置に位置決めするセンタリング動作を行う。すなわち、大径ディスク２Ａの中心孔２ａと、ターンテーブル２３ａの係合突部２８ａとを大径ディスク２Ａの記録面と直交する方向において一致させる。
【０１４５】
なお、このセンタリング動作は、これに限定されず、図１９に示すように、例えば第１の背面側当接部材３９、側面ローラ４８及びローラ５０を３つの頂点とするように大径ディスク２Ａを同様に挟み込むことによって行うようにしてもよい。一方、小径ディスク２Ｂのセンタリング動作は、図２６に示すように、例えば第１の前面側当接部材３８、第１の背面側当接部材３９、第２の前面側当接部材４０及び第３の回動アーム４９に設けられた小径ディスク２Ｂのセンタリングに用いられるローラ５０ａの内側に小径ディスク２Ｂを挟み込むことによって同様に行われる。
【０１４６】
次に、このディスク駆動装置１では、大径ディスク２Ａ、小径ディスク２Ｂのセンタリング動作の後に、ベース昇降機構５５がベース２７を上昇させることによって、ディスク装着位置に位置決めされた大径ディスク２Ａ、小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３のターンテーブル２３ａに装着するチャッキング動作を行う。
【０１４７】
具体的には、図１３に示すチャッキング解除位置からベース昇降機構５５によりベース２７が図１４に示すチャッキング位置まで上昇すると、ディスク装着位置に位置決めされた大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂの中心孔２ａに係合突部２８ａが入り込みながら、天板部５ａの当接突部７に大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂの中心孔２ａの周囲が押し付けられることによって、係合突部２８ａが大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂの中心孔２ａに係合されると共に、複数の係止爪２８ｂが大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂの中心孔２ａの周囲を係止した状態で、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂがターンテーブル２３ａ上に保持される。そして、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂがターンテーブル２３ａ上に保持された状態で、ベース昇降機構５５によりベース２７が図１５に示す中間位置まで下降する。
【０１４８】
また、ディスク駆動装置１では、チャッキング動作の後に、図２０及び図２７に示すように、駆動レバー５２の背面側へのスライドに連動して、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６が互いに離間する方向、すなわち図２０及び図２７に示す矢印ａ２，ｂ２の方向に僅かに回動される。このとき、第３の回動アーム４９は、図示を省略した規制片に当接されたまま、第２の回動アーム３６と一体に回動されることになる。また、レバー部材４６は、駆動レバー５２の背面側へのスライドに連動して、図２０及び図２７に示す矢印ｃ２の方向に僅かに回動される。
【０１４９】
これにより、ターンテーブル２３ａに保持された大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂの外周部からは、第１の前面側当接部材３８、第１の背面側当接部材３９、第２の前面側当接部材４０、側面ローラ４８、ローラ５０が離間した状態となる。
【０１５０】
このディスク駆動装置１では、図２０、図２７に示す状態から、駆動制御回路から記録又は再生の指令が送られると、この指令に基づいて、大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂに対して信号の記録又は再生が行われる。具体的には、スピンドルモータ２４ａが大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂをターンテーブル２３ａと一体に回転駆動すると共に、ピックアップ送り機構２６によって光学ピックアップ２５が外周側から内周側へ移動し、フォーカスサーボ制御とトラッキングサーボ制御がかかると、この大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂのリードイン領域に記録されているＴＯＣデータの読み出しを行う。この後、信号を記録する場合にあっては、読み出したＴＯＣデータに基づいて、大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂのプログラム領域内の所定のアドレスに、光学ピックアップ２５が移動する。また、信号の再生時にあっては、指定されたデータが記録されたプログラム領域内のアドレスに、光学ピックアップ２５が移動する。そして、この光学ピックアップ２５が大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂの所望の記録トラックに対して信号の書き込み又は読み出し動作を行う。
【０１５１】
このディスク駆動装置１では、表示部２０に設けられたイジェクトボタン２１が押圧される、或いはパーソナルコンピュータからディスク駆動装置１に対してイジェクトの指令が送られると、この指令に基づいて、先ず、変位駆動機構による駆動レバー５２の前面側へのスライドが開始される。
【０１５２】
そして、図１９及び図２６に示すように、この駆動レバー５２の前面側へのスライドに連動して、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６が互いに近接する方向、すなわち図１９及び図２６に示す矢印ａ１，ｂ１の方向に僅かに回動される。このとき、第３の回動アーム４９は、規制片に当接されたまま、第２の回動アーム３６と一体に回動されることになる。
【０１５３】
これにより、ターンテーブル２３ａに保持された大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂの外周部に、第１の前面側当接部材３８、第１の背面側当接部材３９、第２の前面側当接部材４０、ローラ５０が当接された状態となる。
【０１５４】
次に、このディスク駆動装置１では、ベース昇降機構５５がベース２７をチャッキング解除位置まで下降させることによって、ディスク装着部２３のターンテーブル２３ａから大径ディスク２Ａを離脱するチャッキング解除動作を行う。
【０１５５】
具体的には、ベース２７がチャッキング解除位置まで下降すると、押上ピン６６の先端部がターンテーブル２３ａに装着された大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂの内周側の非信号記録領域に当接することによって、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂを押し上げながら、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂをターンテーブル２３ａ上から離脱する。
【０１５６】
次に、このディスク駆動装置１では、ディスク装着部２３にある大径ディスク２Ａ，又は小径ディスク２Ｂをスロット１９から筐体３の外部へと排出するイジェクト動作を行う。
【０１５７】
具体的に、筐体３のスロット１９から大径ディスク２Ａを排出する場合には、先ず、図２１に示すように、駆動レバー５２の前面側へのスライドに連動して、第３の回動アーム４９が図２１に示す矢印ｄ２の方向に回動される。また、第３の回動アーム４９は、ローラ５０が大径ディスク２Ａの外周部の背面側に当接された状態となることで、この大径ディスク２Ａの外周部の背面側を押圧しながら、大径ディスク２Ａを筐体３の外部へと押し出すことになる。
【０１５８】
第３の回動アーム４９による大径ディスク２Ａの排出中に、検出部１１１が大径ディスク２Ａを検出すると、引き込み時とは逆向きにモータ３０２に通電することで、引き込み時とは逆向きにモータ３０２を回転駆動させる。これにより、第３の回動アーム４９はローラ３０１と協働して大径ディスク２Ａを排出させる。
【０１５９】
そして、図２２に示すように、大径ディスク２Ａの中心孔２ａが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とを結ぶ直線よりも前面側に位置するまで、大径ディスク２Ａが筐体３の外部へと排出されると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが大径ディスク２Ａの外周部に沿って前面側から背面側へと回り込む。すると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが大径ディスク２Ａの外周部の背面側に当接された状態で、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが捻じりコイルバネ７１ｄ、第２の捻じりコイルバネ７７に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図２２に示す矢印ａ１，ｂ１の方向に回動される。
【０１６０】
大径ディスク２Ａの排出の途中において、第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６が閉じるときに、押圧レバー７６の当接ピン７６ａは図２０に示す位置から矢印ｅ１方向に移動し、図２２に示すようにストッパー１１０のステップ状の部分に係合する。これにより、当接ピン７６ａがストッパー１１０を押圧する力を伝達できなくなり、第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６が閉じようとするトルクは、ストッパー１１０が設けられてない場合に比べて大きく減少する。
【０１６１】
続いて、図示を省略した検出スイッチにより、例えば大径ディスク２Ａが所定の位置となったことを検知するまでは、第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６と、ローラ３０１とが大径ディスク２Ａを排出する。すなわち、この検出スイッチが例えば大径ディスク２Ａの中心孔２ａがスロット１９から筐体３の外部に露出する位置となったことを検知したときに、モータ３０２の駆動を停止させる。これにより、例えば大径ディスク２Ａの中心孔２ａがスロット１９から筐体３の外部に露出する位置まで大径ディスク２Ａが排出され、カーテン等との摩擦力により大径ディスク２Ａの移動が停止する。
【０１６２】
ユーザが、大径ディスク２Ａをスロット１９から取り出すと、第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６の回動を規制する力がなくなり、捻じりコイルバネ７１ｄ、第２の捻じりコイルバネ７７の力によって第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６は閉じ、ＨＯＭＥ位置に移動し、一連の動作が終了する。
【０１６３】
一方、筐体３のスロット１９から小径ディスク２Ｂを排出する場合には、先ず、図２８に示すように、駆動レバー５２の前面側へのスライドに連動して、第３の回動アーム４９が図２８に示す矢印ｄ２の方向に回動される。また、第３の回動アーム４９は、ローラ５０が小径ディスク２Ｂの外周部の背面側に当接された状態となることで、この小径ディスク２Ｂの外周部の背面側を押圧しながら、小径ディスク２Ｂを筐体３の外部へと押し出すことになる。
【０１６４】
第３の回動アーム４９による小径ディスク２Ｂの排出中に、検出部１１１が小径ディスク２Ｂを検出すると、引き込み時とは逆向きにモータ３０２に通電することで、引き込み時とは逆向きにモータ３０２を回転駆動させる。これにより、第３の回動アーム４９はローラ３０１と協働して小径ディスク２Ｂを排出させる。
【０１６５】
そして、図２４に示すように、小径ディスク２Ｂの中心孔２ａが第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とを結ぶ直線よりも前面側に位置するまで、小径ディスク２Ｂが筐体３の外部へと排出されると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが小径ディスク２Ｂの外周部に沿って前面側から背面側へと回り込む。すると、第１の前面側当接部材３８と第２の前面側当接部材４０とが小径ディスク２Ｂの外周部の背面側に当接された状態で、第１の回動アーム３５と第２の回動アーム３６とが捻じりコイルバネ７１ｄ、第２の捻じりコイルバネ７７に付勢されて互いに近接する方向、すなわち図２３に示す矢印ａ１，ｂ１の方向に回動される。
【０１６６】
そして、第１の回動アーム３５及び第２の回動アーム３６は、小径ディスク２Ｂの外周部の背面側を押圧しながら、ローラ３０１と協働して小径ディスク２Ｂをディスク挿入排出位置まで押し出すことになる。小径ディスク２Ｂのディスク排出位置は、大径ディスク２Ａの場合と同様に、例えば小径ディスク２Ｂの中心孔２ａがスロット１９から排出された位置に設定することができる。第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６を、駆動レバー５２によりＨＯＭＥ位置まで移動させて一連の動作が終了する。
【０１６７】
なお、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂを排出してから一定時間経過後に、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂがユーザにより引き抜かれないときには、再びローラ３０１を回転させることで、スロット１９内の大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂを引き込むようにしてもよい。また、大径ディスク２Ａ、又は小径ディスク２Ｂに摩擦負荷を与えるためカーテンをガイド部材３０４に転用したが、専用のガイド部材を例えばスロット１９に近接して設けるようにしてもよい。
【０１６８】
以上のように、本実施の形態に係るディスク駆動装置１は、スロット１９側からディスク装着部２３側に光ディスク２を引き込むことが可能な第１の搬送機構３００を備えているので、スロット１９内の光ディスク２の位置に依存せずに、光ディスク２をディスク装着部２３側に引き込むことができと共に、第１の搬送機構３００によりディスク装着部２３側に引き込まれた光ディスク２を第１、第２の回動アーム３５、３６、レバー部材４６で受け取りディスク装着部２３による装着位置に搬送することで、第１の搬送機構３００から光ディスク２を開放することができるので、例えば第１の搬送機構３００から光ディスク２を開放するために第１の搬送機構３００を光ディスク２の記録面に直交する方向に移動させる機構が不要となり、ディスク駆動装置１の小型（薄型）化を図ることができる。また、スロット１９内の光ディスク２の位置に依らず、第１の搬送機構３００により、光ディスク２を例えば自動的に再引き込みすることができるので、使用者に光ディスク２の挿入時に違和感を与えることもない。
【０１６９】
また、光ディスク２がスロット１９に挿入されているか否かを検出するための検出部１１１を更に備えている。このため、光ディスク２がスロット１９に挿入されていると検出部１１１により検出されたときに、第１の搬送機構３００により光ディスク２をディスク装着部２３側に引き込むことができる。
【０１７０】
更に、第１の搬送機構３００は、スロット１９内の光ディスク２の記録面に接触して回動するように設けられたローラ３０１を備え、ローラ３０１を回転駆動させる回転駆動機構３０３と、光ディスク２をローラ３０１とで挟み引き込むように案内するガイド部材３０４とを備えている。このため、スロット１９内の光ディスク２がローラ３０１とガイド部材３０４とにより挟まれた状態で、回転駆動機構３０３によりローラ３０１を回転させることで、スロット１９内の光ディスク２をディスク装着部２３側に安定的に引き込むことができる。
【０１７１】
また更に、第２の搬送機構３４は、第１の搬送機構３００から小径ディスク２Ｂを受け取り第１の搬送機構３００と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３側に引き込むレバー部材４６と、レバー部材４６と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３の装着位置に搬送する搬送部材としての第１、第２の回動アーム３５、３６とを備えている。これにより、例えば直径８ｃｍの小径ディスク２Ｂがスロット１９に挿入されている場合に、レバー部材４６を回動させることで、第１の搬送機構３００と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３側に引き込んだ後、第１、第２の回動アーム３５、３６がレバー部材４６と協働して小径ディスク２Ｂをディスク装着部２３の装着位置にスムーズに搬送することができる。
【０１７２】
（第２の実施の形態）
次に、本発明に係る第２の実施の形態のディスク駆動装置について説明する。なお、本実施形態以降においては、第１の実施形態と同一の構成部材等には同一の符号を付しその説明を省略し、異なる箇所を中心に説明する。
【０１７３】
図２９は第２の実施の形態のディスク駆動装置２００の構成を示す平面図である。
【０１７４】
第１の実施形態では、ディスク駆動装置１が光ディスク２の記録面と接触するローラ３０１を備えた第１の搬送機構３００を備える例を示したが、本実施形態では、第１の搬送機構３００の代りにディスク駆動装置２００が光ディスク２の側面と接触する側面ローラ１４８等を備えた第１の搬送機構３１０を備えている。
【０１７５】
第１の搬送機構３１０は、スロット１９内の光ディスク２の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラ１４８を備えている。さらに第１の搬送機構３１０は、側面ローラ１４８を回転駆動させる回転駆動機構３１３と、側面ローラ１４８に接触した光ディスク２を側面ローラ１４８とで挟むように設けられたガイドローラ７３ａ、７３ｂとを備えている。ガイドローラ７３ａ、７３ｂは、ゴム等の樹脂製である。ここで、説明の便宜上、側面ローラ１４８を回転可能に支持するレバー部材４６は第２の搬送機構３４に含まれる部材とし、ガイドローラ７３ａ、７３ｂは第１の搬送機構３１０に含まれる部材とする。
【０１７６】
側面ローラ１４８は、その回転軸が光ディスク２の記録面に直交する方向に設定されている。側面ローラ１４８の構成材料には、例えば光ディスク２より柔らかい例えばゴムやエラストマー等の高摩擦材料が用いられている。
【０１７７】
ガイドローラ７３ａ、７３ｂは、スロット１９に挿入された光ディスク２を引き込むときに、側面ローラ１４８とで光ディスク２の側面を挟み込み光ディスク２を引き込むように案内するために用いられる。
【０１７８】
回転駆動機構３１３は、上述した側面ローラ１４８と、側面ローラ１４８を回転駆動させる駆動源となるモータ３１２と、モータ３１２の回転数を減少させて側面ローラ１４８に伝達するためにギア等により構成された減速ギアトレイン３１５と、側面ローラ１４８及び減速ギアトレイン３１５のギアに巻き掛けられたベルト３１６とを備えている。このようにモータ３１２の回転駆動力をベルト３１６等を介して側面ローラ１４８に伝達することができるように構成されている。
【０１７９】
本実施形態のディスク駆動装置２００の動作について説明する。
【０１８０】
ディスク駆動装置２００では、例えばスロット１９に光ディスク２が挿入されているか否かを検出部１１１により検出し、検出部１１１が、光ディスク２が挿入されたことを検出した場合には、図３０に示すように駆動レバー５２を駆動しレバー部材４６を矢印ｃ１方向に回動させる。これにより、レバー部材４６の側面ローラ１４８を光ディスク２の側面に当接させ押圧することで、側面ローラ１４８とガイドローラ７３ａ、７３ｂとで光ディスク２を挟み込む。
【０１８１】
次に、モータ３１２を駆動させベルト３１６等を介して側面ローラ１４８を矢印Ｂ方向に回転させる。これにより、スロット１９に挿入された状態の光ディスク２を、ディスク装着部２３側に引き込む。これが、第１の搬送機構３１０の役割である。つまり、ディスク装着部２３側に光ディスク２を引き込む機能（第１の搬送機構３１０の機能）を有する部材が、側面ローラ１４８、その側面ローラ１４８を回転させるためのベルト３１６やモータ３１２、ガイドローラ７３ａ等である。
【０１８２】
続いて、第２の搬送機構３４のレバー部材４６が、第１、第２の回動アーム３５、３６と協働することで、光ディスク２をディスク装着部２３のディスク装着位置に搬送する。
【０１８３】
すなわち、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動して光ディスク２をディスク装着位置に搬送することができる。このように、第１の搬送機構３１０と第２の搬送機構３４とで協働して行われる作業がスムーズになる。
【０１８４】
この場合、側面ローラ１４８が光ディスク２の前面側の側面を押圧することができる位置まで第１の搬送機構３１０により光ディスク２が引き込まれた後に、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動している間は、モータ３１２による積極的な側面ローラ１４８の回転駆動を行ってもよいし、行わなくてもよい。モータ３１２による積極的な側面ローラ１４８の回転駆動は行われない場合は、側面ローラ１４８と光ディスク２の側面との摩擦抵抗によってレバー部材４６と側面ローラ１４８とが相対的に回転することになる。
【０１８５】
以上のように、本実施の形態に係るディスク駆動装置２００は、第１の搬送機構３１０は、スロット１９内の光ディスク２の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラ１４８を備え、側面ローラ１４８を回転駆動させる回転駆動機構３０３と、光ディスク２を側面ローラ１４８とで挟み引き込むように案内するためのガイドローラ７３ａ等とを備えている。このため、スロット１９内の光ディスク２の側面が側面ローラ１４８とガイドローラ７３ａとで挟まれた状態でモータ３０２によりローラ３０１を回転させることで、光ディスク２の記録面を傷つけることなくスロット１９内の光ディスク２を引き込むことができる。
【０１８６】
この場合には、側面ローラ１４８により押圧される光ディスク２を挟むために別の部材を設ける必要がなくガイドローラ７３ａを用いることができるので、薄型化を損なうことなく低コスト化及び軽量化を図ることができる。
【０１８７】
また、第１の搬送機構３１０は、スロット１９内の光ディスク２の側面を側面ローラ１４８が押圧するように、側面ローラ１４８を回転可能に支持するレバー部材４６を備えている。このため、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６を回動させることで側面ローラ１４８により光ディスク２の側面を押圧すると共に、側面ローラ１４８を回転させることで、側面ローラ１４８とガイドローラ７３ａとで光ディスク２の側面が挟まれた状態で、スロット１９内の光ディスク２をディスク装着位置まで搬送することができる。このように、第１の搬送機構３１０と第２の搬送機構とで協働して行われる作業がスムーズになる。
【０１８８】
更に、光ディスク２がスロット１９に挿入されているか否かを検出するための検出部１１１を備えている。このため、光ディスク２がスロット１９に挿入されていると検出部１１１により検出されたときに、レバー部材４６を回動させることで、側面ローラ１４８を光ディスク２の側面に押圧させ、側面ローラ１４８と協働してスロット１９に挿入されている光ディスク２を引き込むことができる。
【０１８９】
（第３の実施の形態）
次に、本発明に係る第３の実施の形態のディスク駆動装置について説明する。
【０１９０】
図３１は本発明に係る第３の実施の形態のディスク駆動装置の平面図である。
【０１９１】
上記第１及び第２の実施形態では、第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６及びこれらを連動させるための連動機構４１等を備えたディスク駆動装置１、２００を例示した。図３１に示すディスク駆動装置は、上述の第１の回動アーム３５、第２の回動アーム３６及び連動機構４１を備えていない。図３１に示すディスク駆動装置は、例えば大径ディスク２Ａをスロット１９側からディスク装着部２３側に引き込むことが可能な第１の搬送機構３１０と、大径ディスク２Ａをディスク装着部２３による装着位置に搬送する第２の搬送機構とを備えている。
【０１９２】
本実施形態の第１の搬送機構３１０は、側面ローラ１４８等と、大径ディスク２Ａを側面ローラ１４８とで挟み引き込むように案内するためのガイド部材３１８とを備えている。
【０１９３】
ガイド部材３１８は、図３１に示すように側面ローラ１４８とで大径ディスク２Ａの側面を挟みスロット１９からディスク装着部２３側に大径ディスク２Ａを引き込むように案内するために、ボトムケース４の側壁の内面側に、大径ディスク２Ａを引き込む方向に延設されている。ガイド部材３１８の構成材料には、光ディスク２との摩擦力を確保するために例えばゴム等の樹脂材料が用いられている。
【０１９４】
本実施形態の第２の搬送機構は、レバー部材４６と、レバー部材４６と協働して大径ディスク２Ａをディスク装着部２３による装着位置に搬送する搬送レバー３１７とを備えている。
【０１９５】
レバー部材４６は、大径ディスク２Ａの中心がディスク装着部２３の中心に合うまで引き込むように回動するように設けられている。レバー部材４６は、搬送レバー３１７と同じ面内で回動可能に設けられている。
【０１９６】
搬送レバー３１７は、支軸３１９を軸として矢印Ｃ方向に回動するように設けられており、支軸３１９側とは反対側の先端部に例えば当接ピン３２０等が突設されている。
【０１９７】
本実施形態のディスク駆動装置の動作について説明する。
【０１９８】
検出部１１１が、スロット１９に例えば大径ディスク２Ａが挿入されていることを検出すると、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動し第１の搬送機構３１０の側面ローラ１４８とガイド部材３１８とで大径ディスク２Ａの側面を挟み込む。
【０１９９】
次に、モータ３１２の駆動により側面ローラ１４８を回転させて、側面ローラ１４８とガイド部材３１８とに挟まれた状態で、側面ローラ１４８が大径ディスク２Ａの前面側の側面を押圧することができる位置までスロット１９からディスク装着部２３側に大径ディスク２Ａを引き込むように案内する。これが、本実施形態の第１の搬送機構３１０の役割である。つまり、ディスク装着部２３側に光ディスク２を引き込む機能（第１の搬送機構３１０の機能）を有する部材が、側面ローラ１４８、その側面ローラ１４８を回転させるためのベルト３１６やモータ３１２、ガイド部材３１８等である。
【０２００】
続いて、第２の搬送機構のレバー部材４６は駆動レバー５２の駆動により回動し、側面ローラ１４８が大径ディスク２Ａの前面を押圧する。このように、レバー部材４６が側面ローラ１４８と協働して大径ディスク２Ａをディスク装着部２３側に搬送する。
【０２０１】
この場合、側面ローラ１４８が大径ディスク２Ａの前面側の側面を押圧することができる位置まで第１の搬送機構３１０により大径ディスク２Ａが引き込まれた後に、駆動レバー５２の駆動によりレバー部材４６が回動している間は、モータ３１２による積極的な側面ローラ１４８の回転駆動は行ってもよいし、行わなくてもよい。モータ３１２による積極的な側面ローラ１４８の回転駆動は行われない場合は、側面ローラ１４８と光ディスク２の側面との摩擦抵抗によってレバー部材４６と側面ローラ１４８とが相対的に回転することになる。
【０２０２】
搬送レバー３１７は、レバー部材４６と協働して大径ディスク２Ａを挟み込むようにしてディスク装着部２３による装着位置に搬送する。
【０２０３】
一方、大径ディスク２Ａを排出するときには、搬送レバー３１７は、排出用のレバーとして機能し、当接ピン３２０が大径ディスク２Ａに当接した状態で支軸３１９を軸として回動し、大径ディスク２Ａを押し出す。
【０２０４】
以上のように、本実施の形態に係るディスク駆動装置では、ガイド部材３１８が、第１の搬送機構３１０により大径ディスク２Ａが引き込まれる方向に延設してボトムケース４の側壁に設けられている。このため、レバー部材４６を回動させ側面ローラ１４８を大径ディスク２Ａの側面に押圧させ、側面ローラ１４８を回転させることで、レバー部材４６のみを備え側面ローラ１４８、回転駆動機構３１３等を備えない場合には引き込めないような大圧力角の位置からでも、側面ローラ１４８とガイド部材３１８とで大径ディスク２Ａの側面を挟み込んだ状態で、ガイド部材３１８が延設された方向に大径ディスク２Ａを記録面を傷つけることなく引き込むことができる。
【０２０５】
また、第２の搬送機構のレバー部材４６と協働して搬送レバー３１７によりスロット１９側からディスク装着部２３側へ、かつ、ディスク装着部２３側からスロット１９側へ光ディスク２を搬送することができる。
【０２０６】
また、第１の実施形態等に比べて、ローラ３０１を備えた第１の搬送機構３００を設ける必要がないので、ディスク駆動装置の小型化を図ることができる。
【０２０７】
なお、第３の実施の形態では、側面ローラ１４８を回転させる第１の搬送機構３１０と、ガイド部材３１８とを備えている例を示したが、第１の搬送機構３１０及びガイド部材３１８の代りに第１の実施形態と同様にスロット１９に挿入された大径ディスク２Ａを引き込むための図３に示す第１の搬送機構３００を備え、レバー部材４６が側面ローラ４８と同様のローラを備えるようにしてもよい。このようにしてもスロット１９に挿入された大径ディスク２Ａをその挿入位置に依らずに引き込むことができる。
【０２０８】
また、上記第１の実施の形態では、ローラ３０１を用いる例を示したが、ローラ３０１を用いずにモータ３０２の回転により回る図示しないギア等に図示しないベルトを巻きかけベルトにより光ディスク２を搬送するようにしてもよい。
【０２０９】
更に、上記第１、第２の実施の形態では、駆動モータ１０２とは別にモータ３０２を設ける例を示したが、モータ３０２を設けずに駆動モータ１０２の駆動力を図示を省略したメカ的な機構を介してローラ３０１に伝達するようにしてもよい。
【０２１０】
また、上述したディスク駆動装置１等を備えた電子機器としては、コンピュータ（パーソナルコンピュータの場合、ラップトップ型であっても、デスクトップ型であってもよい。）、ＰＤＡ（Personal Digital Assistance）、電子辞書、カメラ、ディスプレイ装置、（カー）オーディオ／ビジュアル機器、携帯電話、ゲーム機器、薄型のカーナビゲーション機器、据え置き型オーディオやＤＶＤプレーヤ又はレコーダその他の電化製品等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【０２１１】
【図１】本発明に係る第１の実施の形態のディスク駆動装置の斜視図である。
【図２】ディスク駆動装置のトップカバーを内面側から見た斜視図である。
【図３】ディスク駆動装置の構造を示す平面図である。
【図４】図３のディスク駆動装置のＡ−Ａ断面図である。
【図５】ディスク駆動装置のベースユニットの斜視図である。
【図６】ディスク駆動装置の一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【図７】ディスク駆動装置の更に一部の部品を取り外した状態を示す平面図である。
【図８】ディスク駆動装置の駆動レバーと検出スイッチとの位置関係を示す平面図である。
【図９】（ａ）は、駆動レバーを一方側から見た側面図であり、（ｂ）は、駆動レバーを上方側から見た平面図であり、（ｃ）は、駆動レバーを他方側から見た側面図であり、（ｄ）は、駆動レバーを下方側から見た平面図である。
【図１０】（ａ）は、カムレバーの構成を示す平面図であり、（ｂ）は、カムレバーの構成を示す側面図である。
【図１１】（ａ）は、ローディング動作時の駆動レバーを下方側から見た平面図であり、（ｂ）は、駆動レバーを上方側から見た平面図である。
【図１２】（ａ）は、イジェクト動作時の駆動レバーを下方側から見た平面図であり、（ｂ）は、駆動レバーを上方側から見た平面図である。
【図１３】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、ベースユニットがチャッキング解除位置にある状態を示す側面図である。
【図１４】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、ベースユニットがチャッキング位置にある状態を示す側面図である。
【図１５】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、ベースユニットが中間位置にある状態を示す側面図である。
【図１６】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクの引き込み開始状態を示す平面図である。
【図１７】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、第１の搬送機構から第２の搬送機構に大径ディスクが引き渡される状態を示す平面図である。
【図１８】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクの引き込み途中の状態を示す平面図である。
【図１９】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクのセンタリングの状態を示す平面図である。
【図２０】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクのチャッキングの完了（記録再生）の状態を示す平面図である。
【図２１】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクのイジェクト途中の状態を示す平面図である。
【図２２】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクのイジェクト途中でストッパーに当接ピンが係合した状態を示す平面図である。
【図２３】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクの引き込み開始状態を示す平面図である。
【図２４】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクの引き込み検出スイッチの押圧時の状態を示す平面図である。
【図２５】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクの引き込み途中の状態を示す平面図である。
【図２６】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクのセンタリングの状態、及びイジェクト開始の状態を示す平面図である。
【図２７】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクのチャッキングの完了（記録再生）の状態を示す平面図である。
【図２８】ディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、小径ディスクのイジェクト途中の状態を示す平面図である。
【図２９】本発明に係る第２の実施の形態のディスク駆動装置の平面図である。
【図３０】図２９のディスク駆動装置の動作を説明するための図であり、大径ディスクの引き込み途中の状態を示す平面図である。
【図３１】本発明に係る第３の実施の形態のディスク駆動装置の平面図である。
【符号の説明】
【０２１２】
１、２００…ディスク駆動装置
２…光ディスク
２Ａ…大径ディスク
２Ｂ…小径ディスク
３…筐体
１９…スロット
２３…ディスク装着部
３４…第２の搬送機構
３５…第１の回動アーム
３６…第２の回動アーム
４６…レバー部材
４８、１４８…側面ローラ
５２…駆動レバー
７３ａ、７３ｂ…ガイドローラ
１１１…検出部
１３５…アーム機構
３００、３１０…第１の搬送機構
３０１…ローラ
３０２、３１２…モータ
３０３、３１３…回転駆動機構
３０４、３１８…ガイド部材
３１７…搬送レバー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ディスク状の記録媒体が挿入及び排出されるスロットを有する筐体と、
前記筐体内に設けられ、前記スロットから挿入された前記記録媒体が装着される装着部と、
前記記録媒体を前記スロット側から前記装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構と、
前記第１の搬送機構により引き込まれた前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送することで、前記第１の搬送機構から前記記録媒体を開放する第２の搬送機構と
を具備することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項２】
請求項１に記載のディスク駆動装置であって、
前記記録媒体が前記スロットに挿入されているか否かを検出するための検出部を更に具備することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項３】
請求項１に記載のディスク駆動装置であって、
前記第１の搬送機構は、
前記記録媒体の記録面又はその反対側の面に接触して回動するように設けられたローラを有し、前記ローラを回転駆動させる回転駆動機構と、
前記記録媒体を前記ローラとで挟んで案内するガイド部材と
を有することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項４】
請求項３に記載のディスク駆動装置であって、
前記第２の搬送機構は、
前記記録媒体の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラを有し、前記側面ローラを回転可能に支持する回動可能なレバー部材と、
前記記録媒体の側面を前記側面ローラが押圧しながら前記レバー部材を回動させる回動機構と、
前記回動するレバー部材と協働して前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームと
を有することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項５】
請求項１に記載のディスク駆動装置であって、
前記第１の搬送機構は、
前記記録媒体の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラを有し、前記側面ローラを回転駆動させる回転駆動機構と、
前記記録媒体を前記側面ローラとで挟んで案内するガイド部材と
を有することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項６】
請求項５に記載のディスク駆動装置であって、
前記第２の搬送機構は、
回動可能に設けられ、前記側面ローラを回転可能に支持するレバー部材と、
前記記録媒体の側面を前記側面ローラが押圧しながら前記レバー部材を回動させる回動機構と
を有することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項７】
請求項６に記載のディスク駆動装置であって、
前記記録媒体が前記スロットに挿入されているか否かを検出するための検出部を更に具備することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項８】
請求項６に記載のディスク駆動装置であって、
前記第２の搬送機構は、前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームを有し、
前記ガイド部材は、前記側面ローラとで前記記録媒体を挟むことができるように前記アームの先端部に回転可能に設けられたガイドローラであることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項９】
請求項６に記載のディスク駆動装置であって、
前記ガイド部材は、前記側面ローラにより前記記録媒体が引き込まれる方向に延設して前記筐体に設けられていることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項１０】
請求項１に記載のディスク駆動装置であって、
前記第２の搬送機構は、
前記第１の搬送機構から前記記録媒体を受け取り前記第１の搬送機構と協働して前記記録媒体を前記装着部側に搬送するレバー部材と、
前記レバー部材と協働して前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送する搬送部材と
を有することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項１１】
請求項１０に記載のディスク駆動装置であって、
前記搬送部材は、前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームであることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項１２】
請求項１０に記載のディスク駆動装置であって、
前記搬送部材は、前記スロット側から前記装着部側へ、かつ、前記装着部側から前記スロット側へ前記記録媒体を搬送可能な搬送レバーであることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項１３】
請求項１に記載のディスク駆動装置であって、
前記記録媒体として、第１の直径でなる第１のディスク及び前記第１の直径とは異なる第２の直径でなる第２のディスクに対応可能であることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項１４】
ディスク状の記録媒体が挿入及び排出されるスロットを有する筐体と、前記筐体内に設けられ、前記スロットから挿入された前記記録媒体が装着される装着部と、前記記録媒体を前記スロット側から前記装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構と、前記第１の搬送機構により引き込まれた前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送することで、前記第１の搬送機構から前記記録媒体を開放する第２の搬送機構とを有するディスク駆動装置と、
前記ディスク駆動装置の駆動を制御する制御部と
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項１】
ディスク状の記録媒体が挿入及び排出されるスロットを有する筐体と、
前記筐体内に設けられ、前記スロットから挿入された前記記録媒体が装着される装着部と、
前記記録媒体を前記スロット側から前記装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構と、
前記第１の搬送機構により引き込まれた前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送することで、前記第１の搬送機構から前記記録媒体を開放する第２の搬送機構と
を具備することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項２】
請求項１に記載のディスク駆動装置であって、
前記記録媒体が前記スロットに挿入されているか否かを検出するための検出部を更に具備することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項３】
請求項１に記載のディスク駆動装置であって、
前記第１の搬送機構は、
前記記録媒体の記録面又はその反対側の面に接触して回動するように設けられたローラを有し、前記ローラを回転駆動させる回転駆動機構と、
前記記録媒体を前記ローラとで挟んで案内するガイド部材と
を有することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項４】
請求項３に記載のディスク駆動装置であって、
前記第２の搬送機構は、
前記記録媒体の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラを有し、前記側面ローラを回転可能に支持する回動可能なレバー部材と、
前記記録媒体の側面を前記側面ローラが押圧しながら前記レバー部材を回動させる回動機構と、
前記回動するレバー部材と協働して前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームと
を有することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項５】
請求項１に記載のディスク駆動装置であって、
前記第１の搬送機構は、
前記記録媒体の側面に接触して回動するように設けられた側面ローラを有し、前記側面ローラを回転駆動させる回転駆動機構と、
前記記録媒体を前記側面ローラとで挟んで案内するガイド部材と
を有することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項６】
請求項５に記載のディスク駆動装置であって、
前記第２の搬送機構は、
回動可能に設けられ、前記側面ローラを回転可能に支持するレバー部材と、
前記記録媒体の側面を前記側面ローラが押圧しながら前記レバー部材を回動させる回動機構と
を有することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項７】
請求項６に記載のディスク駆動装置であって、
前記記録媒体が前記スロットに挿入されているか否かを検出するための検出部を更に具備することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項８】
請求項６に記載のディスク駆動装置であって、
前記第２の搬送機構は、前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームを有し、
前記ガイド部材は、前記側面ローラとで前記記録媒体を挟むことができるように前記アームの先端部に回転可能に設けられたガイドローラであることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項９】
請求項６に記載のディスク駆動装置であって、
前記ガイド部材は、前記側面ローラにより前記記録媒体が引き込まれる方向に延設して前記筐体に設けられていることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項１０】
請求項１に記載のディスク駆動装置であって、
前記第２の搬送機構は、
前記第１の搬送機構から前記記録媒体を受け取り前記第１の搬送機構と協働して前記記録媒体を前記装着部側に搬送するレバー部材と、
前記レバー部材と協働して前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送する搬送部材と
を有することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項１１】
請求項１０に記載のディスク駆動装置であって、
前記搬送部材は、前記記録媒体の側面を挟持しながら前記記録媒体を搬送させるためのアームであることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項１２】
請求項１０に記載のディスク駆動装置であって、
前記搬送部材は、前記スロット側から前記装着部側へ、かつ、前記装着部側から前記スロット側へ前記記録媒体を搬送可能な搬送レバーであることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項１３】
請求項１に記載のディスク駆動装置であって、
前記記録媒体として、第１の直径でなる第１のディスク及び前記第１の直径とは異なる第２の直径でなる第２のディスクに対応可能であることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項１４】
ディスク状の記録媒体が挿入及び排出されるスロットを有する筐体と、前記筐体内に設けられ、前記スロットから挿入された前記記録媒体が装着される装着部と、前記記録媒体を前記スロット側から前記装着部側に引き込むことが可能な第１の搬送機構と、前記第１の搬送機構により引き込まれた前記記録媒体を前記装着部による装着位置に搬送することで、前記第１の搬送機構から前記記録媒体を開放する第２の搬送機構とを有するディスク駆動装置と、
前記ディスク駆動装置の駆動を制御する制御部と
を具備することを特徴とする電子機器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【公開番号】特開２００７−４８４７（Ｐ２００７−４８４７Ａ）
【公開日】平成１９年１月１１日（２００７．１．１１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−１８０８５２（Ｐ２００５−１８０８５２）
【出願日】平成１７年６月２１日（２００５．６．２１）
【出願人】（０００００２１８５）ソニー株式会社 (34,172)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１月１１日（２００７．１．１１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年６月２１日（２００５．６．２１）
【出願人】（０００００２１８５）ソニー株式会社 (34,172)
【Ｆターム（参考）】
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