説明

ディスプレイでの色を操作するための色フィルター

【課題】ディスプレイでの色を操作するための色フィルターを提供する。
【解決手段】実施形態は、光干渉ディスプレイによって出力された光のスペクトルプロファイルと色域を制御するための方法とデバイスを含んでいる。そのようなデバイスは、選択された波長の光でディスプレイを照明することを含んでいる。実施形態はまた、異なる所定の色の光を出力する分離したセクションを備えているディスプレイを含んでいる。ほかの実施形態は、前述のデバイスを作る方法を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は微小電気機械システム(MEMS)に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)はマイクロメカニカル素子とアクチュエーターと電子機器とを含んでいる。マイクロメカニカル素子は、基板および/または堆積物質層の一部をエッチング除去するか層を追加して電気デバイスや電気機械デバイスを形成する堆積およびまたはエッチング、ほかのマイクロマシーニングプロセスを用いて作製しうる。MEMSデバイスの一つのタイプは光干渉変調器と呼ばれる。ここに使用する光干渉変調器や光干渉光変調器との用語は、光干渉の法則を使用して光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを指す。ある実施形態では、光干渉変調器は一対の伝導プレートを備えていてもよく、その一方または両方は、全体または一部が透明および/または反射的であってもよく、適当な電気信号の印加に対して相対運動可能であってもよい。特定の実施形態では、一方のプレートが基板上に堆積された静止層を備えていてもよく、他方のプレートが空隙によって静止層から離れた金属膜を備えていてもよい。ここに詳細に説明するように、一方のプレートの他方に対する位置は、光干渉変調器への入射光の光干渉を変化させることができる。そのようなデバイスは広範囲の用途を有しており、既存製品を改善してまだ開発されていない新製品を作り出すのにそれらの特徴を利用できるようにこれらのタイプのデバイスの特性を利用および/または修正する技術分野にとって有益であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のシステムと方法とデバイスのおのおのにはいくつかの観点があり、それらのただ一つが単独でその所望の特質を担うものではない。本発明の要旨を限定するものではなく、その顕著な特徴をいま簡単に説明する。この議論を考慮した後、また特に「発明を実施するための最良の形態」と題した部分を読んだ後、本発明のどのような特徴がほかのディスプレイデバイスに対する利点を提供するか理解できよう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態はディスプレイを含んでいる。そのディスプレイは、特有の色を有する光を選択的に反射するように構成された少なくとも一つの光干渉変調器を有している。変調器は、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有している。ディスプレイはさらに、第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する少なくとも一つのカラーフィルターを有している。フィルターは、選択的反射光をフィルター処理して第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように構成されている。第三のスペクトルピークは、第一のスペクトルピークのスペクトル幅より狭いスペクトル幅を有している。
【0005】
別の実施形態は、ディスプレイを作る方法を含んでいる。その方法は、特有の色を有する光を選択的に反射するように構成された少なくとも一つの光干渉変調器を形成することを含んでいる。変調器は、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有している。方法はさらに、第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する少なくとも一つのカラーフィルターを形成することを含んでいる。フィルターは、選択的反射光をフィルター処理して第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように形成されている。第三のスペクトルピークは、第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有している。
【0006】
別の実施形態はディスプレイを含んでいる。そのディスプレイは、特有の色を有する光を選択的に反射するための手段を有している。反射手段は、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有している。ディスプレイはさらに、光を選択的にフィルター処理し透過するための手段を有している。フィルター手段は、白色光によって照明されたときにフィルター手段が色光を透過するような第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有している。フィルター手段は、選択的反射光をフィルター処理して第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように構成されている。第三のスペクトルピークは、第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有している。
【0007】
別の実施形態はディスプレイを含んでいる。そのディスプレイは、特有の色を有する光を選択的に反射するように構成された少なくとも一つの光干渉変調器を有している。変調器は、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有している。ディスプレイはさらに、第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する少なくとも一つの色光源を含んでいる。光源は、選択的反射光が第三のスペクトルピークによって特徴づけられるように変調器を照明するように構成されている。第三のスペクトルピークは、第一のスペクトルピークのスペクトル幅より狭いスペクトル幅を有している。
【0008】
別の実施形態はディスプレイを含んでいる。そのディスプレイは、特有の色を有する光を選択的に反射するための手段を有している。反射手段は、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有している。ディスプレイはさらに、第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する色光で光を選択的に反射するための手段を照明するための手段を有している。第三のスペクトルピークは、第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有している。
【0009】
別の実施形態はディスプレイを含んでいる。そのディスプレイは、特有の色を有する光を選択的に反射するように構成された少なくとも一つの光干渉変調器を含んでいる。変調器は、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有している。ディスプレイはさらに、第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有する第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル分布を有する色光を発するように構成された光ルミネッセンス物質を有している。
【0010】
別の実施形態は、ディスプレイをする方法を含んでいる。その方法は、特有の色を有する光を選択的に反射するように構成された少なくとも一つの光干渉変調器を形成することを含んでいる。変調器は、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有している。方法はさらに、光を吸収するとともに第二のスペクトルピークによって特徴づけられた色光を発するように構成された光ルミネッセンス物質を含む層を形成することを含んでいる。発せられた光は、第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように少なくとも一つの変調器によって変調される。第三のスペクトルピークは、第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有している。
【0011】
別の実施形態はディスプレイを含んでいる。そのディスプレイは、特有の色を有する光を選択的に反射するための手段を有している。その手段は、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有している。ディスプレイはさらに、第二のスペクトルピークによって特徴づけられた色光を発するための手段を有している。発せられた光は、第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように少なくとも一つの変調器によって変調される。第三のスペクトルピークは、第一のスペクトルピークのスペクトル幅実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第一の光干渉変調器の可動反射層が弛緩位置にあり、第二の光干渉変調器の可動反射層が作動位置にある光干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を描く等角投影図である。
【図2】3×3光干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の光干渉変調器の一つの代表的な実施形態における可動ミラー位置対印加電圧の図である。
【図4】光干渉変調器ディスプレイを駆動するのに使用しうる1セットの行および列電圧を示している。
【図5A】図2の3×3光干渉変調器に表示データのフレームを書き込むために使用しうる行列信号の一つの代表的なタイミング図を示している。
【図5B】図2の3×3光干渉変調器に表示データのフレームを書き込むために使用しうる行列信号の一つの代表的なタイミング図を示している。
【図6A】複数の光干渉変調器からなる視覚ディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の光干渉変調器からなる視覚ディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】光干渉変調器の代替実施形態の断面図である。
【図7C】光干渉変調器の別の代替実施形態の断面図である。
【図7D】光干渉変調器のまた別の代替実施形態の断面図である。
【図7E】光干渉変調器の追加の代替実施形態の断面図である。
【図8】波長フィルターを通して見た光干渉変調器を有する代表的なディスプレイのスペクトル応答を示すグラフによる概略図である。
【図9】波長フィルターを通して見た光干渉変調器12を有する別の代表的なディスプレイのスペクトル応答を示すグラフによる概略図である。
【図10】光干渉変調器と波長フィルターとを有する代表的なディスプレイの横断面図である。
【図11】一つ以上の狭帯域照明源を有する代表的なカラーディスプレイを示す部分的概略図である。
【図12】光干渉変調器と光ルミネッセンス物質を含む光生成層とを有する別の代表的なディスプレイの横断面図である。
【図13】光干渉変調器と光源とを有する代表的なディスプレイの横断面図である。
【図14】そのおのおのが画像を異なる色で表示するいくつかの領域を有する代表的なディスプレイの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
続く詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態に向けられている。しかしながら、本発明は多くの異なる手法で具体化することができる。この説明では、同様の部材は同様の符号で示す参照符号を図面に付す。続く説明から明らかように、実施形態は、動画(たとえばビデオ)か静止画(たとえばスチル画像)かを問わず、さらに文字か絵かを問わず、画像を表示するように構成されたあらゆるデバイスにおいて実施しうる。特に、実施形態は、これに限定されないが、移動電話や無線デバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ハンドヘルドまたは携帯型コンピューター、GPSレシーバー/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲーム機、腕時計、時計、計算機、テレビジョンモニター、フラットパネルディスプレイ、コンピューターモニター、自動ディスプレイ(たとえば走行記録計ディスプレイその他)、コックピットのコントロールやディスプレイ、カメラ視のディスプレイ(たとえば乗り物の背面カメラのディスプレイ)、電子写真、電子の広告板や標識、プロジェクター、建築物、パッケージング、美的構造物(たとえば一つの宝石の画像)など、さまざまな電子デバイスにおいて実施しうるか関連しうることが予想される。ここに説明したものと同様の構造体のMEMSデバイスは電子スイッチデバイスなどの非ディスプレイ用途において使用することもできる。
【0014】
一実施形態は、変調器によって受け取られた光が色フィルターまたは波長フィルターを使用してフィルター処理された変調器により出力される光の飽和を増大させることによってディスプレイの色域を増大させる色光干渉変調器を有するディスプレイである。別の実施形態は、ディスプレイの色域を改善するように変調器によって出力される光の飽和を増大させる狭スペクトル量を有する光を使用して照明される色光干渉変調器を有するディスプレイである。そのような一実施形態では、照明は光ルミネッセンス物質によって提供される。ほかの実施形態は、異なる所定の色の光を出力する分離した領域またはセクションを備えているディスプレイを含んでいる。
【0015】
光干渉MEMSディスプレイ素子を備えている一つの光干渉変調器ディスプレイ実施形態を図1に示す。これらのデバイスでは、画素は明暗状態のいずれかにある。明(「オン」または、「開放」)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分をユーザーへ反射する。暗(「オフ」または「閉鎖」)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光をユーザーへほとんど反射しない。実施形態によっては、「オン」状態と「オフ」状態の光反射特性は逆であってもよい。MEMS画素は、白黒に加えてカラー表示を考慮し、特定の色で主に反射するように構成することが可能である。
【0016】
図1は、視覚ディスプレイの一連の画素中の二つの隣接画素を描いた等角投影図であり、各画素はMEMS光干渉変調器を備えている。いくつかの実施形態では、光干渉変調器ディスプレイは、これらの光干渉変調器の行/列アレイを備えている。各光干渉変調器は、互いに可変かつ制御可能な距離に位置する一対の反射層を含んでおり、少なくとも一つの可変次元をもつ共振光学キャビティを形成している。一実施形態では、一方の反射層が二つの位置の間で移動されうる。第一の位置(ここでは弛緩位置と呼ぶ)では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きな距離に位置している。第二の位置(ここでは作動位置と呼ぶ)では、可動反射層は、固定部分反射層に隣接し密接して位置している。二つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて強め合ってまたは弱め合って干渉し、各画素について全体反射状態または非反射状態のいずれかを作り出す。
【0017】
図1の画素アレイの図示部分は二つの隣接する光干渉変調器12aと12bを含んでいる。左側の光干渉変調器12aでは、可動反射層14aは光学スタック16aからの所定距離の弛緩位置に図示されており、光学スタック16aは部分的反射層を含んでいる。右側の光干渉変調器12bでは、可動反射層14bは光学スタック16bに隣接する作動位置に図示されている。光学スタック16aと16b(光学スタック16と総称する)は、ここに参照するように、典型的にはいくつかの融合層からなり、それらは、インジウムスズ酸化物(ITO)などの電極層、クロムなどの部分的反射層、透明誘電体を含みうる。したがって、光学スタック16は、電気的に伝導性で、部分的に透明で、部分的に反射的であり、たとえば透明基板20上に上記の層の一つ以上を堆積することにより作られうる。いくつかの実施形態では、層は平行ストリップにパターニングされ、後述するようにディスプレイデバイス中の行電極を形成しうる。可動反射層14a,14bは、ポスト18の上面およびポスト18間に堆積された介在犠牲物質の上に堆積された(行電極16a,16bに直交する)一つまたは複数の堆積金属層の一連の平行ストリップとして形成してもよい。犠牲物質をエッチング除去すると、可動反射層14a,14bが光学スタック16a,16bから規定間隙19だけ離れる。アルミニウムなどの高伝導反射物質を反射層14に使用してもよく、これらのストリップがディスプレイデバイスの列電極を形成してもよい。
【0018】
印加電圧がないとき、図1の画素12aに示すように、可動反射層14aと光学スタック16aの間にキャビティ19が残り、可動反射層14aは機械的弛緩状態にある。しかしながら、選択した行と列に電位差を印加すると、対応する画素の行電極と列電極の交差により形成されたコンデンサーがチャージされ、静電力が電極同士を引き寄せる。電圧が十分に高ければ、可動反射層14が変形し、光学スタック16に押し付けられる。図1の右側の画素12bに示されるように、光学スタック16内の(この図には示していない)誘電体層が短絡するのを防ぐとともに層14と層16の間の分離距離を制御しうる。その振る舞いは印加電位差の極性にかかわらず同じである。このように、反射対非反射画素状態を制御することができる行/列作動は、従来のLCDやほかのディスプレイ技術で使用される行/列作動に多くの点で類似している。
【0019】
図2〜5は、表示用途の光干渉変調器のアレイを使用するための一つの代表的なプロセスとシステムを示している。
【0020】
図2は、本発明の観点を組み込んでよい電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。この代表的な実施形態では、電子デバイスは、ARMやPentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium(登録商標) Pro、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)などの任意の汎用シングルまたはマルチチップマイクロプロセッサー、またはデジタルシグナルプロセッサーやマイクロコントローラー、プログラマブルゲートアレイなどの任意の専用マイクロプロセッサーであってもよいプロセッサー21を含んでいる。この分野で一般に行なわれているように、プロセッサー21は一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成されうる。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサーは、ウェブブラウザや電話アプリケーション、電子メールプログラム、ほかのソフトウェアアプリケーションを含め、一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成されてもよい。
【0021】
一実施形態では、プロセッサー21もアレイドライバー22と通信するように構成されている。一実施形態では、アレイドライバー22は、ディスプレイアレイすなわちパネル30に信号を供給する行ドライバー回路24と列ドライバー回路26を含んでいる。図1に示したアレイの断面は図2の1−1線によって示されている。MEMS光干渉変調器については、行/列作動プロトコルは、図3に示したデバイスのヒステリシス特性を利用してよい。可動層を弛緩状態から作動状態まで変形させるにはたとえば10ボルトの電位差を必要としてよい。しかしながら、電圧がその値から低下するとき、電圧が10ボルト未満に降下する際、可動層はその状態を維持する。図3の代表的な実施形態では、電圧が2ボルト未満の降下するまで可動層は完全に弛緩しない。したがって、デバイスが弛緩または作動状態で安定している印加電圧の窓が存在する電圧の範囲(図3に示した例では約3〜7V)がある。ここでは、これを「ヒステリシス窓」または「安定窓」と呼ぶ。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイは、行ストロービングのあいだ、ストローブされた行中の作動されるべき画素が約10ボルトの電圧差にさらされ、弛緩されるべき画素が0ボルト近くの電圧差にさらされるように、行/列作動プロトコルを設計することが可能である。ストローブの後、画素は、行ストローブによっておかれた状態のままであるように、約5ボルトの定常状態電圧差にさらされる。書き込み後、各画素は、この例の3−7ボルトの「安定窓」内の電位差にある。この特徴は、図1に示した画素設計を同じ印加電圧状態の下で作動または弛緩の事前状態のいずれかに安定にする。光干渉変調器の各画素は、作動状態であれ弛緩状態であれ、実質的に固定反射層と可動反射層によって形成されるコンデンサーであるので、この安定状態は、ほとんど消費電力を伴わないヒステリシス窓内の電圧で保持することができる。印加電位が固定されていれば、実質的に電流は画素に流れ込まない。
【0022】
代表的アプリケーションでは、表示フレームは、第一行中の作動画素の所望のセットにしたがって列電極のセットをアサートすることにより作成してよい。次に行パルスを行1電極に印加し、アサートされた列線に対応する画素を作動させる。次に列電極のアサートされたセットを変更し、第二行中の作動画素の所望のセットに対応させる。次にパルスを行2電極に印加し、行2中の適当な画素をアサートされた列電極にしたがって作動させる。行1画素は行2パルスに影響されず、行1パルスのあいだに設定された状態のままである。これを一連の行の完全にわたり順次に繰り返してフレームを生成してよい。一般に、フレームは、毎秒所望のフレーム数でこのプロセスを絶えず繰り返すことにより、新しい表示データでリフレッシュおよび/またはアップデートされる。表示フレームを生成するために画素アレイの行電極と列電極を駆動するための種々さまざまなプロトコルもまた周知であり、これは本発明と共に使用してよい。
【0023】
図4と5は、図2の3×3アレイに表示フレームを生成するための一つの可能な作動プロトコルを示している。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に使用してよい列と行の電圧レベルの可能なセットを示している。図4の実施形態において、画素を作動させることは、適切な列を−Vbiasに、適切な行を+ΔVにセットすることを含んでおり、それらは、それぞれ、−5ボルトと+5ボルトに一致していてもよい、画素を弛緩させることは、適切な列を+Vbiasに、適切な行を同じ+ΔVにセットして、画素を横切ってゼロボルト電位差を生成することより実施する。行電圧がゼロボルトに保持される行では、画素は、列が+Vbiasか−Vbiasかにかかわらず、それらがもとあった状態で安定している。また図4に示すように、上述したほかに逆極性の電圧を使用することができること、たとえば、画素を作動させることが適切な列を+Vbiasに、適切な行を−ΔVにセットすることを含みうることもわかるであろう。本実施形態では、画素を開放することは、適切な列を−Vbiasに、適切な行に−ΔVをセットして、画素を横切ってゼロボルト電位差を生産することにより実施する。
【0024】
図5Bは、図5Aに示したディスプレイ配列をもたらす図2の3×3アレイに印加する一連の行と列の信号を示しているタイミング図であり、ここで作動画素は非反射である。図5Aに示したフレームを書き込む前に、画素は任意の状態であってもよく、この例では、すべての行が0ボルト、すべての列が+5ボルトにある。これらの印加電圧では、すべての画素はそれらの既存の作動状態または弛緩状態で安定している。
【0025】
図5Aのフレーム中では、画素(1,1)と(1,2)、(2,2)、(3,2)、(3,3)が作動される。これを実施するため、行1の「線時間」のあいだ、列1と列2は−5ボルトにセットし、列3は+5ボルトにセットする。これは任意の画素の状態を変更しない。なぜなら、すべての画素は3〜7ボルトの安定窓にあるままであるからである。次に行1を、0から5ボルトまで上がってゼロに戻るパルスでストローブする。これは(1,1)と(1,2)画素を作動させ、(1,3)画素を弛緩させる。アレイ中のほかの画素は影響されない。行2を望むようにセットするため、列2を−5ボルトにセットし、列1と列3を+5ボルトにセットする。次に行2に印加した同じストローブは、画素(2,2)を作動させ、画素(2,1)と(2,3)を弛緩させる。再び、アレイ中のほかの画素は影響されない。列2と列3を−5ボルトに、列1を+5ボルトにセットすることにより行3を同様にセットする。行3のストローブは図5Aに示すように行3の画素をセットする。フレームを書き込んだ後、行電位はゼロになり、列電位は+5または−5ボルトの一方のままとなることが可能であり、ディスプレイは次に図5Aの配列で安定する。多数すなわち何百もの行と列に対して同じ手順を使用することが可能であることがわかるであろう。行と列の作動を実施するのに使用される電圧のタイミングとシーケンスとレベルは、上に概説した一般的な原理の範囲内で広く変えることが可能であり、上述の例は代表的なだけであり、任意の作動電圧方法もここに説明したシステムと方法で使用することが可能である。
【0026】
図6Aと6Bは、ディスプレイデバイス40の実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40はたとえば携帯(移動)電話とすることができる。しかしながら、ディスプレイデバイス40またはそれの少しの変形の同じコンポーネントは、テレビやポータブルメディアプレイヤーなどのさまざまなタイプのディスプレイデバイスの例ともなる。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41とディスプレイ30とアンテナ43とスピーカー44と入力デバイス48とマイクロホン16とを含んでいる。ハウジング41は一般に、射出成形と真空成形を含む、当業者に周知なさまざまな製造プロセスのいずれかから形成される。さらに、ハウジング41は、これらに限定されないが、プラスチックや金属、ガラス、ゴム、陶器、またはそれらの組み合わせを含む、さまざまな物質のいずれかから作られうる。一実施形態では、ハウジング41は、異なる色のまたは異なるロゴや絵や記号を有しているほかの着脱部と交換されてよい(図示しない)着脱部を含んでいる。
【0027】
代表的なディスプレイデバイス40のディスプレイ30は、ここに説明するように、双安定ディスプレイを含むさまざまなディスプレイのいずれかであってもよい。ほかの実施形態では、ディスプレイ30は、当業者に周知なように、プラズマやEL、OLED、STN LCD、上述したTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、またはCRTやほかのチューブデバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含んでいる。しかしながら、本実施形態を説明する目的のため、ディスプレイ30は、ここに説明するように、光干渉変調器ディスプレイを含んでいる。代表的なディスプレイデバイス40の一実施形態のコンポーネントを図6Bに概略的に示す。図示の代表的なディスプレイデバイス40はハウジング41を含んでおり、その中に少なくとも部分的に囲まれた追加コンポーネントを含むことができる。たとえば、一実施形態では、代表的なディスプレイデバイス40は、トランシーバー47に接続されるアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含んでいる。トランシーバー47はプロセッサー21に連結されており、それはコンディショニングハードウェア52に連結されている。コンディショニングハードウェア52は信号を整える(たとえば信号をフィルター処理する)ように構成されうる。コンディショニングハードウェア52はスピーカー45とマイクロホン46に連結されている。プロセッサー21も入力デバイス48とドライバーコントローラー29に連結されている。ドライバーコントローラー29はフレームバッファ28とアレイドライバー22に接続され、これはさらにディスプレイアレイ30に接続されている。電源50は、特定の代表的なディスプレイデバイス40設計によって必要とされるすべてのコンポーネントにパワーを供給する。
【0028】
ネットワークインターフェース27は、代表的なディスプレイデバイス40がネットワーク上の一つ以上のデバイスと通信できるように、アンテナ43とトランシーバー47を含んでいる。一実施形態では、ネットワークインターフェース27はまたいくつかの処理容量を有し、プロセッサー21の要件を取り除いてもよい。アンテナ43は、信号の送受信用の当業者に周知の任意のアンテナである。一実施形態では、アンテナは、IEEE 802.11規格によりIEEE 802.11(a)や(b)や(g)を含むRF信号を送受信する。別の実施形態では、アンテナはBLUETOOTH(登録商標)規格によりRF信号を送受信する。携帯電話の場合、アンテナは、無線セル電話ネットワーク内で通信するために使用されるCDMA−やGSM(登録商標)、AMPS、ほかの既知信号を受信するように設計されている。トランシーバー47はアンテナ43から受信した信号を、それらがプロセッサー21によって受信されさらに操作されうるように前処理する。トランシーバー47はまたプロセッサー21から受信した信号を、それらがアンテナ43を介して代表的なディスプレイデバイス40から送信されうるように処理する。
【0029】
代替実施形態では、トランシーバー47はレシーバーと交換することが可能である。また別の代替実施形態では、ネットワークインターフェース27は像源と取り替えることが可能であり、像源はプロセッサー21に送る画像データを記憶または生成することができる。たとえば、像源は、画像データを収容したデジタルビデオディスク(DVD)やハードディスクドライブ、または画像データを生成するソフトウェアモジュールとすることができる。
【0030】
プロセッサー21は一般に、代表的なディスプレイデバイス40の動作全体を制御する。プロセッサー21は、ネットワークインターフェース27や像源からの圧縮画像データなどのデータを受信し、そのデータを行画像データに、または行画像データへ容易に処理されるフォーマットに処理する。次にプロセッサー21は処理したデータを記憶のためにドライバーコントローラー29またはフレームバッファ28へ送る。生データは、典型的には画像内の各場所における画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色と彩度とグレースケールレベルを含みうる。
【0031】
一実施形態では、プロセッサー21は、マイクロコントローラーまたはCPU、論理演算装置を含み、代表的なディスプレイデバイス40の動作を制御する。コンディショニングハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するために、またマイクロホン46から信号を受信するために、一般に増幅器とフィルターを含んでいる。コンディショニングハードウェア52は代表的なディスプレイデバイス40内のディスクリートコンポーネントであってもよく、またはプロセッサー21やほかのコンポーネント内に組み込まれていてもよい。
【0032】
ドライバーコントローラー29は、プロセッサー21によって生成された行画像データをプロセッサー21から直接またはフレームバッファ28からとり、アレイドライバー22への高速伝送に適切な行画像データに再フォーマットする。具体的には、ドライバーコントローラー29は行画像データを、ラスター状フォーマットを有するデータ流れに再フォーマットし、それは、ディスプレイアレイ30を横切って走査するのに適した時間順序を有している。次にドライバーコントローラー29はフォーマットした情報をアレイドライバー22に送る。LCDコントローラーなどのドライバーコントローラー29はしばしばスタンドアロンの集積回路(IC)としてシステムプロセッサー21に付随されるが、そのようなコントローラーは多くの手法によって実現されてよい。それらはハードウェアとしてプロセッサー21に埋め込まれても、ソフトとしてプロセッサー21に埋め込まれても、アレイドライバー22にハードウェアに完全に集積されてもよい。
【0033】
典型的には、アレイドライバー22はドライバーコントローラー29からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、ディスプレイのx−yマトリックスの画素から来る何百もの時には何千ものリードに毎秒何度も印加される波形の並列セットに再フォーマットする。
【0034】
一実施形態では、ドライバーコントローラー29とアレイドライバー22とディスプレイアレイ30は、ここに説明したディスプレイのどのタイプにも適切である。たとえば、一実施形態では、ドライバーコントローラー29は、従来のディスプレイコントローラーや双安定ディスプレイコントローラー(たとえば光干渉変調器コントローラー)である。別の実施形態では、アレイドライバー22は、従来のドライバーや双安定ディスプレイドライバー(たとえば光干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバーコントローラー29はアレイドライバー22に集積されている。そのような実施形態は、携帯電話、時計、ほかの小面積ディスプレイなどの高集積システムに共通している。また別の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイや双安定ディスプレイアレイ(たとえば光干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0035】
入力デバイス48は、ユーザーが代表的なディスプレイデバイス40の動作を制御するのを可能にする。一実施形態では、入力デバイス48は、QWERTYキーボードや電話キーパッドなどのキーパッドや、ボタン、スイッチ、タッチセンシティブスクリーン、感圧または感熱膜を含んでいる。一実施形態では、マイクロホン46は代表的なディスプレイデバイス40用の入力デバイスである。マイクロホン46を使用してデバイスにデータを入力するとき、代表的なディスプレイデバイス40の動作を制御するためにユーザーがボイスコマンドを与えてもよい。
【0036】
この分野で周知なように、電源50はさまざまなエネルギー蓄積装置を含みうる。たとえば、一実施形態では、電源50は、ニッケル−カドミウム電池やリチウムイオン電池などの充電式電池である。別の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源とコンデンサー、プラスチック太陽電池と太陽電池ペイントを含む太陽電池である。別の実施形態では、電源50は壁付コンセントからパワーを受け取るように構成される。
【0037】
いくつかの実施においては、上述したように、電子ディスプレイシステムのいくつかの場所に配置することが可能であるドライバーコントローラーに、制御プログラム化が存在する。いくつかのケースでは、制御プログラム化はアレイドライバー22に存在する。たくさんのハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントおよびさまざまな構成に対して上述した最適化が実現されてよいことは当業者であればわかるであろう。
【0038】
上述した原理にしたがって動作する光干渉変調器の構造の詳細は広く変更されてよい。たとえば、図7A〜7Eは、可動反射層14をその支持構造の5つの異なる実施形態を示している。図7Aは図1の実施形態の断面図であり、金属物質14のストリップが直交して延びている支持体18上に堆積されている。図7Bでは、可動反射層14がつなぎ32によってコーナーだけで支持体に取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14が変形可能層34からつるされており、変形可能層34は可撓性金属で構成されうる。変形可能層34は、直接または間接的に、変形可能層34の周囲の周りの基板20に連結している。これらの接続はここでは支持ポストと呼ぶ。図7Dに示した実施形態は、その上に変形可能層34が横たわる支持ポストプラグ42を有している。図7A〜7Cのように、可動反射層14はキャビティの上につるされるが、変形可能層34は、変形可能層34と光学スタック16の間の穴を満たすことにより、支持ポストを形成しない。むしろ、支持ポストは平坦化物質で形成され、それは支持ポストプラグ42を形成するために使用される。図7Eに示す実施形態は、図7Dに示した実施形態に基づくが、図示しない追加の実施形態と同様に、図7A〜7Cに示した実施形態のいずれに適用してもよい。図7Eに示した実施形態では、金属またはほかの伝導物質の追加層がバス構造44を形成するために使用された。これは信号を光干渉変調器の背面に沿って転送するのを可能にし、さもなければ基板20上に形成されなければならないであろう多くの電極を取り除く。
【0039】
図7に示した実施形態では、光干渉変調器は直視型デバイスとして機能し、画像は透明基板20の正面側つまり変調器が配置される側の反対側から見られる。これらの実施形態では、変形可能層34とバス構造44を含め、反射層14は、基板20に対向する反射層の側にある光干渉変調器の部分を光学的に遮へいする。これは、遮へい領域が像品質に悪影響を与えずに構成され動作されることを可能にする。この分離可能な変調器アーキテクチャは、変調器の電気機械的観点と光学的観点のために使用される構造設計と物質が互い独立に選択され機能することを可能にする。さらに、図7C〜7Eに示した実施形態は、反射層14の光学的特性の機械的特性からの減結合を得るという追加の利点を有し、それは変形可能層34によって実現される。これは、反射層14に使用する構造設計と物質を光学的特性に対して最適化し、また変形可能層34に使用する構造設計と物質を所望の機械的特性に対して最適化すること可能にする。
【0040】
図1に関連して上述したように、変調器12(すなわち変調器12aと12bの両方)は、反射層14(すなわち反射層14aと14b)と16(それぞれ反射層16aと16b)の間に形成された光学キャビティを有している。光学キャビティの特有の距離すなわち有効光路長dは、光学キャビティの、したがって光干渉変調器12の共振波長λを決定する。光干渉変調器12のピーク共振可視波長λは、一般に、変調器12によって反射される光の知覚色に対応している。数学的に、光路長dは、Nを自然数として、1/2Nλに等しい。したがって、得られる共振波長λは、1/2λ(N=1),λ(N=2),3/2λ(N=3),その他の光路長dを有する光干渉変調器12によって反射される。整数Nは、反射光の干渉の次数と呼びうる。ここに使用されるように、変調器12の次数もまた、反射層14が少なくとも一つの位置にあるときに変調器12によって反射された光の次数Nを示す。たとえば、一次の赤色光干渉変調器12は、約650nmの波長に対応して、約325nmの光路長dを有してうる。したがって、二次の赤色光干渉変調器12は、約650nmの光路長dを有してうる。
【0041】
ある実施形態では、光路長dは、光干渉変調器の光学キャビティを形成する反射層間の距離と実質的に等しい。反射層間の空間が約1の屈折率を有するガス(たとえば空気)だけからなる場合、有効光路長は反射層間の距離と実質的に等しい。ある実施形態中では、光路中の誘電体物質の層。そのような誘電体物質は典型的には1より大きい屈折率を有する。そのような実施形態では、光学キャビティは、反射層間の距離と、誘電体層(または反射層間の任意のほかの層)の屈折率との両方を選択することによって、所望の光路長dを有するように形成される。たとえば、光学キャビティが空隙に加えて誘電体の層を有する実施形態では、光路長dはd1n1+d2n2と等しい。ここで、d1は誘電体層の厚さであり、n1は誘電体層の屈折率であり、同様に、d2は空隙の厚さであり、n2は空隙の屈折率である。
【0042】
一般に、変調器12は、強度に対して波長をプロットするとき、一つ以上のスペクトルピークを有する光を反射する。変調器12によって生成された光の知覚色は、可視スペクトル内の変調器12のこれらのピークのスペクトルの数と位置とスペクトル幅によって決まる。そのようなピークのスペクトル幅は、ピークが、反射光の強度の半値(たとえば半値全幅)などの特定のしきい値強度を超える波長範囲によって特徴づけられうる。一般に、高次の変調器12は、たとえばより狭いピークまたはより高い「Q」値を有する、波長のより狭い範囲の光を反射し、したがってより飽和した色光を生成する。色画素を備えている変調器12の飽和は、ディスプレイの色域や白色点などのディスプレイの特性に影響を与える。たとえば、二次の変調器12を使用するディスプレイが、同じ一般的な色の光を反射する一次の変調器を有するディスプレイと同じ白色点またはカラーバランスを有するために、二次の変調器12は異なる中心ピーク光波長を有するように選択されうる。
【0043】
光干渉変調器12を使用するディスプレイを設計する際、変調器12は反射光の彩度を増大させるように形成されうる。飽和は、色光の出力波長の分布の狭さのものさしである。高度に飽和した色調は鮮明で強烈な色を有するが、低く飽和した色調はくすんで淡く見える。たとえば、レーザーは非常に狭帯域の波長を生成し、高度に飽和した光を生成する。反対に、典型的な白熱電球は、不飽和の赤色か青色を有しうる白色光を生成する。一実施形態では、高次たとえば二次や三次の干渉に対応する距離dを有し、反射色光の飽和を増大させる変調器12が作られる。
【0044】
代表的なカラーディスプレイは赤と緑と青の表示素子を有している。ほかの色は、そのようなディスプレイにおいて、赤と緑と青の素子によって生成される光の相対強度を変えることにって生成される。赤と緑と青などの原色のそのような混合は、人間の目にはほかの色と知覚される。そのようなカラーシステムにおける赤と緑と青の相対値は、人間の目の敏感な部分、赤色光と緑色光と青色光の刺激に関して三刺激値と呼びうる。特定のディスプレイによって生成することのできる色の範囲はディスプレイの色域と呼びうる。一般に、原色の飽和を増大させることは、色域、またはディスプレイによって生成することのできる色の範囲を増大させる。赤と緑と青に基づいた代表的なカラーシステムをここに開示するが、ほかの実施形態では、ディスプレイは赤や緑や青以外の原色のセットに関してほかのカラーシステムを定める色のセットを有する変調器12を有していてもよい。
【0045】
ある実施形態中では、明るく見える光を生成することと飽和した色を生成する(それによりディスプレイの色域を増大させる)こととの間にトレードオフが存在する、一般に、同じ相対強度レベルが与えられると、広いすなわち広域の光変調器の出力のスペクトルピークは、狭いものよりも明るく見える。しかしながら、より広いスペクトルはより明るく見えるだろうが、それはまた色が淡くすなわち飽和がより少なく見えるだろう。
【0046】
一実施形態では、光干渉変調器12を有するディスプレイによって出力された光の飽和はカラーフィルターを使用して増大される。特に、そのようなディスプレイは、変調器12の可視光波長応答ピークよりも狭い波長応答ピークを有する光を出力するように構成されたカラーフィルターを有しているとよい。
【0047】
図8は、波長フィルターを通して見た光干渉変調器12を有する代表的なディスプレイのスペクトル応答を示すグラフによる概略図である。縦軸は、白色光によって照明されたときに光干渉変調器によって反射されるまたは波長フィルターを透過する、光干渉変調器に入射する光の光強度の総フラクションを表わしている。一実施形態では、変調器12は、白色光によって照明されたときに特定色として知覚される光を反射するように構成されている。トレース102は、波長フィルターなしで見たときの光干渉変調器12のスペクトル応答を示している。トレース104は、波長フィルター単体のスペクトル応答を示している。トレース106は、波長フィルターと光干渉変調器12とを有するディスプレイの実施形態の反射光のスペクトル応答を示している。トレース102は、可視スペクトルに単一のピークを有している。トレース104は、幅がより狭い可視スペクトルに、トレース102によって定められたピーク内に実質的に中心にくる単一のピークを有している。波長フィルターを通して見たときの光干渉変調器12のピークスペクトル応答は実質的に狭くなる。特に、トレース106によって示されるように、波長フィルターと光干渉変調器との複合光学系のピーク応答は、その幅が波長フィルターのピークの幅と同様になるまで低減する。波長フィルターのピークの幅は、変調器12単体のピークスペクトル応答の幅よりも小さい。ディスプレイのより狭いとがった応答はより多くの飽和した色を、それにより改善された色域を提供する。したがって、ディスプレイの色域は光干渉変調器12のスペクトル応答を修正することなく調節しうる。
【0048】
図9は、波長フィルターを通して見た光干渉変調器12を有する別の代表的なディスプレイのスペクトル応答を示すグラフによる概略図である。縦軸は、光干渉変調器によって反射されるまたは波長フィルターを透過する、光干渉変調器に入射する光の光強度の総フラクションを表わす。トレース102は、波長フィルターなしで見たときの光干渉変調器12のスペクトル応答を示している。トレース108は、波長フィルター単体のスペクトル応答を示している。トレース108は、波長フィルターと光干渉変調器12とを有するディスプレイの実施形態の反射光のスペクトル応答を示している。トレース102は、可視スペクトルに単一のピークを有している。トレース108は、トレース102よりも幅がより狭い可視スペクトルに単一のピークを有している。図8に示すように、トレース108下の領域は、トレース102下の領域に完全に重なるのではなく、トレース102下で定まる領域に部分的に重なる。波長フィルターを通して見たとき、光干渉変調器12のピークスペクトル応答は、図8のトレース106によって示されるピークシステム応答よりいっそう狭くなる。特に、トレース110によって示されるように、波長フィルターと光干渉変調器との複合光学系のピーク応答は波長フィルターのピークより狭い。したがって、スペクトルピーク下に非重なり領域を持つ波長フィルターを使用すると、図8に示したスペクトル特性を持つフィルターを使用するよりもよりいっそう飽和した色が得られる。さらに、波長フィルターと光干渉変調器12によって形成された複合光学系のスペクトル応答は、フィルターと光干渉変調器12の分離したピーク応答からシフトした中心ピークスペクトル応答を有する。たとえば、図9において、線A1は、光干渉変調器12のピーク応答のほぼ中心を示している。線A2は、変調器12とフィルターとの複合出力のピーク応答のシフトした中心を示している。したがって、そのようなフィルターを使用して、トレース102によって示されるようにトレース110によって示されるシステムのスペクトル応答のスペクトルプロファイルを変調器12のスペクトル応答に対して狭くするとともにシフトさせることによって、ディスプレイの飽和と色調の両方を調節しうる。
【0049】
図10、光干渉変調器12と波長フィルター114とを有する代表的なディスプレイの側面の断面図。図示の実施形態では、波長フィルター114は、フィルター114と変調器12の間の基板20とともに配置されている。しかしながら、ほかの実施形態では、フィルター114は基板20と変調器12の間に配置されてもよい。
【0050】
一実施形態では、フィルター114は、図8と9にそれぞれ示したトレース104と108によって示されるような、可視スペクトル中にスペクトルピークを有する光を選択的に透過する光吸収性素材の一つ以上の層を有している。一実施形態では、物質が二つ以上の透過スペクトルピークを有していてもよい。たとえば、一実施形態では、カラーディスプレイ用のフィルターが可視スペクトルの赤と緑と青の部分に透過ピークを有していてもよい。
【0051】
一実施形態では、フィルター114は、基板上に、たとえば光干渉変調器12の一つ以上の層と基板20との間に堆積された物質の一つ以上の層を備えている。別の実施形態では、フィルター114は、基板20に堆積されたか塗布された膜を備えていてもよい。そのような一実施形態では、フィルターは、基板20が114と変調器12との間にあるように塗布される。
【0052】
別の実施形態では、フィルター114は、一つ以上の干渉フィルターを定める光学スタックを有している。一実施形態では、干渉フィルターは、誘電体物質の一つ以上の層によって分離された二つの部分的反射層を有している。別の実施形態では、フィルター114は、干渉フィルターと吸収フィルターの組み合わせを有している。
【0053】
図8と9と10に関連して示した実施形態では、変調器12は、波長フィルター114によってフィルター処理した光源によって効果的に照明される。ほかの実施形態では、そのようなフィルター処理効果は、光干渉変調器12を狭帯域光源で照明することによって得られる。
【0054】
図11は、一つ以上の狭帯域照明源132a,132b,132cを有する代表的なカラーディスプレイを示す部分概略図である。特に、一実施形態では、赤と緑と青の光源132aと132bと132cは位置決めされ、それぞれ、赤と緑と青の光変調器12aと12bと12cを照明する。一実施形態では、ミラー134などの一つ以上のミラーまたはプリズムが光源132からの光を変調器12に方向付けるように構成されている。別の実施形態の中では、図13に示されるような光ガイド板152を使用して光源132からの光を変調器12に方向付けてもよい。図11において、変調器12aと12bと12cのおのおのとそれぞれの光源132aと132bと132cは、たとえば図8と9に示されるようなフィルタースペクトル応答104と108と同様な対応スペクトル応答を有するように構成されている。一実施形態では、光源132は適切なスペクトル応答を持つ発光ダイオード(LED)を有している。たとえば、適切なLEDは日亜化学工業株式会社 Mountville ペンシルベニア州によって生産されている。そのようなLEDの一つは日亜化学工業株式会社の部品番号NSTM515ASである。この特定のLEDは、共通の陽極リード線と赤と青と緑用の別個の陰極リード線とを有している。
【0055】
一実施形態では、赤の変調器12aが図8のトレース102によって定められた応答と同様の応答を有していてもよく、赤の光源132aがトレース104によって定められた応答と同様の応答を有していてもよい。一実施形態では、緑と青の変調器12b,12cと緑と青の光源132b,132cが同様の特性を有していてもよい。いくつかの実施形態では、緑または青の変調器12b,12cの一方または両方と光源132b,132cが図9に示したスペクトル応答と同様のスペクトル応答を有していてもよい。ほかの実施形態では、赤と緑と青の変調器12a,12b,12cのおのおのと赤と緑と青の光源132a,132b,132cが図8または9に示された応答の一つと同様となるように選択されて異なる複合光学応答を定めてもよい。
【0056】
ほかの構成もまた可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、ほかの適切な照明源がまた使用されてもよい。さらに、さまざまな光干渉変調器が使用されてもよく、また光干渉変調器が、所望の最終色光を達成するように調整されたスペクトル特性と光路長dを有していてもよい。特定のスペクトルの重なりは本開示に照らして当業者によって決定することができ、またデバイスとほかの要因の特定の使用に応じて変更することができる。
【0057】
図12、光干渉変調器12と光ルミネッセンス物質を含む光生成層142とを有する別の代表的なディスプレイの側面の断面図。一実施形態では、図12のディスプレイの色域は、そばに示していられた応答のうちの一つに、たとえば図8と9のトレース104または108によってそれぞれ示された応答の一つと同様の選択されたスペクトル応答を有する光ルミネッセンス物質によって発せられた光を受け取ることによって増強される。図12の代表的なディスプレイでは、光生成層142が基板20と光干渉変調器12との間にある。ほかの実施形態では、基板20が光生成層142と変調器12との間にある。光ルミネッセンス光生成層142は光ルミネッセンススクリーンと呼びうる。光ルミネッセンス光生成層142は、燐光物質や開花物質などを含んでいてもよい。
【0058】
動作では、第一の波長の光の一つ以上の光子が層142の中の光ルミネッセンス物質によって受け取られるまでパス144に沿って進む。光は、太陽光などの周辺光または人工光であってもよい。あるいは、光は、ディスプレイに付随する前面光によって供給される光であってもよい。光ルミネッセンス物質は続いて、任意の方角に進みうる第二の波長の光子を発する。これらの光子の一部は、146などのパスに沿って進み、視野位置149に向けてパス148に沿って視聴者に反射される。光ルミネッセンス物質は種々さまざまな物質から選択されてよく、光ルミネッセンス物質の追加によって得られる特定の利点によって、ある程度、決まりうる。たとえば、一実施形態では、光ルミネッセンス物質はUVスペクトルにおいて吸収し、可視光スペクトルの狭帯域において発する。したがって、そのようなディスプレイは、光をUVまたはほかの非可視波長から光干渉変調器12によって出力される波長域よりも狭い波長域の可視出力に変換することによって可視光のより大きい強度を出力する。別の実施形態では、光ルミネッセンス物質はさまざまな波長において吸収するが、比較的狭い波長域にわたって発する。したがって、そのような実施形態は、図8と9に関連して上述したように、高い強度の光を非常に狭い波長域にわたって供給して明るくて飽和した色を生成してもよい。可能な物質の例としては、LUMI(Global Trade Alliance社、Scottsdale、アリゾナ州からの長残光光ルミネッセンスピグメント)に米国特許第6,278,135号に記述されたものや、BC−482AとBC−484を有する物質、波長シフターバー(Saint-Gobaln Crystals and Detectors、Newbury、オハイオ州)がある。
【0059】
図12の代表的なディスプレイでは、したがって、光干渉変調器12は、自然光と層142によって発せられた光との両方によって照明される。したがって、ディスプレイの全体のスペクトル応答は、(たとえば白色光によって照明されたときの図8と9のトレース102によって示されるように)自然光に対する変調器12の第一の応答と、層142によって発せられた光に対する変調器12の第二の応答との組み合わせである。一実施形態では、層142によって発せられた光は、変調器12の第二の応答がそれぞれのトレース106または110の一つと同様になるように、図8と9のトレース104と108によって示されたもの一つと同様のスペクトル応答を有している。一実施形態では、層142によって発せられ、変調器12によって反射された光は、変調器12の彩度が改善されるように、変調器12によって反射された周辺光よりも強度が大きい。
【0060】
図13は、光干渉変調器12と光源150とを有する代表的なディスプレイの横断面図である。代表的なディスプレイでは、光源150は光ガイド板152を介して変調器12を照明する。一実施形態では、ライトガイド154は、光源150からの光を光ガイド板152に方向付けるように構成されている。光ガイド板152は、そこから光160が反射されうる角度付き表面158と159によって形成された溝156を有していてもよい。一実施形態では、光源150によって発せられた光160は、光160が表面158と159から反射され、基板20を通って変調器12内へ反射されるまで、全反射によって光ガイド板152内に維持される。ほかの実施形態では、任意の適切なガイド構造が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、光源150が、光干渉変調器12を照明するように配置された前面光である。適切な光源の一つは、狭帯域スペクトル出力を有する一つ以上のカラー発光ダイオード(LED)である。光ガイド板152によって変調器12内へ反射された光は、図12に関連して説明したようにスペクトル応答を生成するように光生成層142を通り抜ける。いくつかの実施形態では、光源はUVエミッターであり、光生成層142は、UVエミッターからのUV光を適切な可視光域に変換する光ルミネッセンス物質を備えている。
【0061】
光源からの光が変調器12の反射面14と16に対して非垂直でディスプレイ30に入射するとき、変調器12に対する光源の位置がディスプレイのカラー出力のシフトをもたらしうる。図11と13の実施形態もまた、変調器12の反射層14と16に対して光源が所定かつ不変の位置と距離にあるので、ディスプレイのそのような照明角依存色シフトを低減しうる。したがって、変調器12に対する光源150の位置によって色シフトがあれば、光干渉変調器12を調整してこの色シフトを低減または除去することができる。
【0062】
図13に示した実施形態は分離した光ガイド板152と光生成層142とを描いているが、いくつかの実施形態では、光ガイド板152が光ルミネッセンス層を有していてもよい。さらに、実施形態はまた、図13に示されていないほかの層と特徴を有していてもよい。たとえば、一実施形態では、ディスプレイがまた、ディスプレイのスペクトル応答をさらに調節するフィルター層114を有していてもよい。
【0063】
したがって、光ルミネッセンス層142を有するディスプレイは増大した飽和(それにより増大した色域)を有しうる。さらに、そのようなディスプレイはまた、層142による可視波長への不可視の変換によって増大した出力光強度を有しうる。
【0064】
フルカラーディスプレイたとえば赤と緑と青の異なる陰影を表示することのできるディスプレイは、モノクロディスプレイよりも鮮やかでカラフルな出力を提供するが、フルカラーディスプレイは一般にモノクロディスプレイよりも多くのデータを処理するために、ディスプレイが含まれたデバイス40を要求する。さらに、より複雑な制御回路を伴うより多くの変調器12はまた一般にモノクロディスプレイよりもフルカラーディスプレイのいくつかの実施形態に含まれている。この複雑さは、カラーディスプレイを、同様のサイズと画素分解能のモノクロディスプレイよりも、生産するためにより費用がかかるものにする傾向がある。しかしながら、ある用途では、単一の所定の色の陰影のカラー出力は受け入れられないかもしれない。したがって、一実施形態は、異なる所定の色をおのおの出力する二つ以上のセクションまたは領域を備えているディスプレイを含んでいる。
【0065】
図14は、そのおのおの画像を異なる色で表示するいくつかの領域180を有する代表的なディスプレイ30の正面図である。たとえば、領域180aはインジケーター画像を第一の色たとえば緑で表示し、第二の代表的な領域180bは地図画像を第二の色たとえば青で表示し、第三の代表的な領域180cは方向を第三の色たとえば赤で表示する。
【0066】
一実施形態では、特定の領域180の変調器12は、可動反射層14のおのおのが一つの位置にあるときに色光を出力するとともに可動層14が別の位置にあるときに非反射すなわち黒となるように構成されうる。たとえば、そのような変調器12は、可動反射層14が弛緩位置にあるときに色光を出力するとともに作動位置にあるときに非反射になる(黒く見える)ように構成されてもよい。別の実施形態では、特定の領域の変調器12は、可動反射層14のおのおのが一つの位置にあるときに色光を、また可動層14が別の位置にあるときに白(または白として知覚される光)を出力するように構成されてもよい。たとえば、そのような変調器12は、可動反射層14が弛緩位置にあるときに色光を出力するとともに作動位置にあるときに白色光を反射するように構成されてもよい。ディスプレイの色単色領域は、一実施形態では、特定色と黒(または特定色と白)だけを生成してよいことに注意のこと。ほかの実施形態では、一つ以上の単色の領域が、色と黒の間(または色と白の間)の特定色の複数の陰影を生成してもよい。
【0067】
一実施形態では、二つ以上の領域180a,180b,180cが同じ色で表示する。一実施形態では、一つ以上の領域が、赤か緑か青の狭帯域色(弛緩時)と黒(作動時)ではなく、白(作動時)または黒(弛緩時)を表示するように構成されている。一実施形態では、一つ以上の領域180が単一の所定の色たとえば緑とその陰影を表示するように構成されている一方で、一つ以上のほかの領域がフルカラー(赤と青と緑)で表示するように構成されている。たとえば、一実施形態では、領域180aがデータを単色の緑(たとえば緑と黒)で表示し、領域180bがデータを単色の赤(たとえば赤と白)で表示し、領域180cが赤と緑と青の光生成変調器12を使用してデータをフルカラーで表示する。
【0068】
一実施形態では、単色の領域の画素のおのおのが単一のディスプレイ素子たとえば光干渉変調器12を備えている。別の実施形態の中で、単色の領域の画素のおのおのがサブ画素を備えている。サブ画素のおのおのが、光干渉変調器などの一つ以上のディスプレイ素子を備えていてよい。
【0069】
図14に示されるようなそのようなディスプレイ30は、情報の多重ストリームを同時に表示するがフルカラーディスプレイのコストは避けなければならないシステムに特に有用でありうる。情報を色により分割するとともにそれをディスプレイの分離したセクションに配置することによって、データのソースに関する混乱の危険も低減されうる。たとえば、一実施形態は、血圧を一つの色で、また心拍数を第二の色で診断表示画面上に表示するためのデバイスを含みうる。あるいは、ほかの実施形態では、デバイスは、所定のパターンまたは描写の有色光干渉変調器のさまざまな領域を含みうる。たとえば、色光干渉変調器12の一つの領域が携帯電話の時間または通話情報を提供するために使用されてよく、その一方で、色光干渉変調器12のほかの領域が「低バッテリー」インジケーターなどの警告インジケーターに準備されてよい。
【0070】
上記の詳述な説明は、さまざまな実施形態に適用されるように本発明の新規な特徴を図示し説明し指摘したが、本発明の要旨スピリットから逸脱することなくさまざまな省略や置換や変更が当業者によってなされうることが理解されるであろう。認められるように、本発明は、いくつかの特徴がほかとは別に使用されるか実行されてよいので、ここに述べた特徴と利点のすべてを提供するとは限らない形態に具体化されてもよい。本発明の要旨は先の記述によってではなく添付の請求の範囲によって示される。請求項の等価の趣旨と範囲内にくる変更はすべて、それらの要旨内に包含されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特有の色を有する光を選択的に反射するように構成された少なくとも一つの光干渉変調器であって、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する前記変調器と、
第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する少なくとも一つのカラーフィルターであって、前記選択的反射光をフィルター処理して第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように構成された前記フィルターとを備えており、
前記第三のスペクトルピークが、第一のスペクトルピークのスペクトル幅よりも狭いスペクトル幅を有している、ディスプレイ。
【請求項2】
前記フィルターが吸収フィルターを備えている、請求項1のディスプレイ。
【請求項3】
前記フィルターが干渉フィルターを備えている、請求項1のディスプレイ。
【請求項4】
前記少なくとも一つの光干渉変調器が、赤色光を出力するように構成された光干渉変調器と、緑色光を出力するように構成された光干渉変調器と、青色光を出力するように構成された光干渉変調器とを備えている、請求項1のディスプレイ。
【請求項5】
第二のスペクトルピークのスペクトル幅は第一のスペクトルピークのスペクトル幅実質的に等しいかそれよりも狭い、請求項1のディスプレイ。
【請求項6】
第三のスペクトルピークのスペクトル幅が第二のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭い、請求項1のディスプレイ。
【請求項7】
前記第一のスペクトルピークのスペクトル幅が半値において前記第一のスペクトルピークの波長の範囲であり、前記第二のスペクトルピークのスペクトル幅が半値において前記第二のスペクトルピークの波長の範囲であり、第三のスペクトルピークのスペクトル幅が半値において前記第三のスペクトルピークの波長の範囲である、請求項1のディスプレイ。
【請求項8】
特有の色を有する光を選択的に反射するように構成された少なくとも一つの光干渉変調器であって、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する前記変調器を形成し、
第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する少なくとも一つのカラーフィルターであって、前記選択的反射光をフィルター処理して第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように構成された前記フィルターを形成し、
前記第三のスペクトルピークが第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有している、ディスプレイを作る方法。
【請求項9】
前記フィルターが吸収フィルターを備えている、請求項8の方法。
【請求項10】
前記フィルターが干渉フィルターを備えている、請求項8の方法。
【請求項11】
前記少なくとも一つの光干渉変調器が、赤色光を出力するように構成された光干渉変調器と、緑色光を出力するように構成された光干渉変調器と、青色光を出力するように構成された光干渉変調器とを備えている、請求項8の方法。
【請求項12】
前記フィルターの前記成形は、前記フィルターと前記光干渉変調器の間にある基板の表面の物質の層を塗布することを含む、請求項8の方法。
【請求項13】
前記フィルターの前記成形は基板上に物質の層を塗布することを含み、前記フィルターは前記基板と前記変調器の間に形成されている、請求項8の方法。
【請求項14】
請求項8の方法によって形成されたディスプレイ。
【請求項15】
特有の色を有する光を選択的に反射するための手段であって、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する前記手段と、
光を選択的にフィルター処理し透過するための手段であって、白色光によって照明されたときに前記フィルター手段が色光を透過するような第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する前記フィルター手段であって、前記選択的反射光をフィルター処理して第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように構成された前記フィルター手段とを備えており、
前記第三のスペクトルピークが第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有している、ディスプレイ。
【請求項16】
光を選択的に反射するための前記手段が、少なくとも一つの光干渉変調器を備えている、請求項15のディスプレイ。
【請求項17】
前記フィルター手段が、赤色光と緑色光と青色光とを選択的にフィルター処理し透過するための手段を備えている、請求項15のディスプレイ。
【請求項18】
光を選択的に反射するための前記手段が、赤色光を選択的に反射するための手段と、緑色光を選択的に反射するための手段と、青色光を選択的に反射するための手段とを備えている、請求項17のディスプレイ。
【請求項19】
前記フィルター手段が吸収フィルターを備えている、請求項15のディスプレイ。
【請求項20】
前記フィルター手段が干渉フィルターを備えている、請求項15のディスプレイ。
【請求項21】
特有の色を有する光を選択的に反射するように構成された少なくとも一つの光干渉変調器であって、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する前記変調器と、
第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する少なくとも一つの色光源であって、前記選択的反射光が第三のスペクトルピークによって特徴づけられるように前記変調器を照明するように構成された前記光源と、
前記第三のスペクトルピークが第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有している、ディスプレイ。
【請求項22】
前記少なくとも一つの色光源は、広帯域光源とカラーフィルターとを備えている、請求項21のディスプレイ。
【請求項23】
実質的に第一の波長範囲の光を吸収するとともに実質的に第二の波長範囲の光を発するように構成された光ルミネッセンス物質をさらに備えており、前記発せられた光が前記少なくとも一つの変調器によって変調される、請求項21のディスプレイ。
【請求項24】
前記第二の波長範囲が前記第二のスペクトルピークのスペクトル幅よりも小さい、請求項23のディスプレイ。
【請求項25】
前記光ルミネッセンス物質が、紫外光を受け取ることに応じて前記光を発するように構成されている、請求項23のディスプレイ。
【請求項26】
前記少なくとも一つの光源が、紫外光を出力するように構成されている、請求項21のディスプレイ。
【請求項27】
第二のスペクトルピークのスペクトル幅が第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭い、請求項21のディスプレイ。
【請求項28】
第三のスペクトルピークのスペクトル幅が第二のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭い、請求項21のディスプレイ。
【請求項29】
前記少なくとも一つの光源からの光を前記少なくとも一つの光干渉変調器に方向付けるように構成された光ガイド板をさらに備えている、請求項21のディスプレイ。
【請求項30】
前記光ガイド板が光ルミネッセンス物質を備えている、請求項29のディスプレイ。
【請求項31】
前記少なくとも一つの光源が赤色光源と緑色光源と青色光源とを備えている、請求項21のディスプレイ。
【請求項32】
前記少なくとも一つの光干渉変調器が、赤色光を出力するように構成された光干渉変調器と、緑色光を出力するように構成された光干渉変調器と、青色光を出力するように構成された光干渉変調器とを備えている、請求項31のディスプレイ。
【請求項33】
特有の色を有する光を選択的に反射するための手段であって、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する前記手段と、
第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する色光で光を選択的に反射するための前記手段を照明するための手段とを備えており、
前記第三のスペクトルピークが第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有している、ディスプレイ。
【請求項34】
光を選択的に反射するための前記手段が少なくとも一つの光干渉変調器を備えている、請求項33のディスプレイ。
【請求項35】
照明するための前記手段が赤色光と緑色光と青色光を供給するための手段を備えている、請求項33のディスプレイ。
【請求項36】
光を選択的に反射するための前記手段が、赤色光を選択的に反射するための手段と、緑色光を選択的に反射するための手段と、青色光を選択的に反射するための手段とを備えている、請求項35のディスプレイ。
【請求項37】
照明するための前記手段が発光ダイオードを備えている、請求項33のディスプレイ。
【請求項38】
照明するための前記手段が光ルミネッセンス物質を備えている、請求項33のディスプレイ。
【請求項39】
照明するための前記手段が、カラーフィルターと光源とを備えているフィルター光源を備えており、前記フィルター光源が、光を選択的に反射するための前記手段と前記光源との間に配置されている、請求項33のディスプレイ。
【請求項40】
特有の色を有する光を選択的に反射するように構成された少なくとも一つの光干渉変調器であって、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する前記変調器と、
第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有する第二のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル分布を有する色光を発するように構成された光ルミネッセンス物質とを備えている、ディスプレイ。
【請求項41】
前記光ルミネッセンス物質が、赤色光と緑色光と青色光とを発するように構成された光ルミネッセンス物質を備えている、請求項40のディスプレイ。
【請求項42】
前記光ルミネッセンス物質が、紫外光を吸収しそれに応じて前記色光を発するように構成されている、請求項40のディスプレイ。
【請求項43】
前記変調器が、光を出力するように構成されており、前記出力光が、前記変調器に入射するとともにそれによって反射された周辺光であり、前記発せられた光が、前記変調器に入射するとともにそれによって反射された周辺光である、請求項40のディスプレイ。
【請求項44】
発せられ反射された光は強度が反射周辺光よりも大きく、それによって前記変調器の彩度が改善される、請求項43のディスプレイ。
【請求項45】
前記少なくとも一つの光干渉変調器が、赤色光を出力するように構成された光干渉変調器と、緑色光を出力するように構成された光干渉変調器と、青色光を出力するように構成された光干渉変調器とを備えている、請求項41のディスプレイ。
【請求項46】
前記光ルミネッセンス物質が、周辺光を受け取ることに応じて前記光を発するように構成されている、請求項40のディスプレイ。
【請求項47】
前記周辺光が太陽光である、請求項46のディスプレイ。
【請求項48】
前記第一のスペクトルピークのスペクトル幅が半値において前記第一のスペクトルピークの波長の範囲であり、前記第二のスペクトルピークのスペクトル幅が半値において前記第二のスペクトルピークの波長の範囲であり、波長の前記重なり範囲が、第一のスペクトルピークのスペクトル幅と第二のスペクトルピークのスペクトル幅の重なり部である、請求項40のディスプレイ。
【請求項49】
特有の色を有する光を選択的に反射するように構成された少なくとも一つの光干渉変調器であって、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する前記変調器を形成し、
光を吸収するとともに第二のスペクトルピークによって特徴づけられた色光を発するように構成された光ルミネッセンス物質を備えている層を形成し、第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように前記発せられた光が前記少なくとも一つの変調器によって変調され、
前記第三のスペクトルピークが第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有している、ディスプレイを作る方法。
【請求項50】
前記光ルミネッセンス物質が、赤色光と緑色光と青色光とを発するように構成された光ルミネッセンス物質を備えている、請求項49の方法。
【請求項51】
前記少なくとも一つの光干渉変調器が、赤色光を出力するように構成された光干渉変調器と、緑色光を出力するように構成された光干渉変調器と、青色光を出力するように構成された光干渉変調器とを備えている、請求項50の方法。
【請求項52】
前記光ルミネッセンス物質が、周辺光を受け取ることに応じて前記光を発するように構成されている、請求項49の方法。
【請求項53】
前記第一の波長範囲のスペクトル幅が第一のスペクトルピークの半値にあり、前記第二の波長範囲のスペクトル幅が第二のスペクトルピークの半値にある、請求項49の方法。
【請求項54】
請求項49の方法によって形成されたディスプレイ。
【請求項55】
特有の色を有する光を選択的に反射するための手段であって、第一のスペクトルピークによって特徴づけられたスペクトル応答を有する前記手段と、
第二のスペクトルピークによって特徴づけられた色光を発するための手段であって、第三のスペクトルピークによって特徴づけられた光を出力するように前記発せられた光が前記少なくとも一つの変調器によって変調され、
前記第三のスペクトルピークが第一のスペクトルピークのスペクトル幅に実質的に等しいかそれよりも狭いスペクトル幅を有している、ディスプレイ。
【請求項56】
光を選択的に反射するための前記手段が少なくとも一つの光干渉変調器を備えている、請求項55のディスプレイ。
【請求項57】
前記吸収手段が光ルミネッセンス物質を備えている、請求項55のディスプレイ。
【請求項58】
前記吸収手段が、赤色光と緑色光と青色光とを発するための手段を備えている、請求項55のディスプレイ。
【請求項59】
光を選択的に反射するための前記手段が、赤色光を選択的に反射するための手段と、緑色光を選択的に反射するための手段と、青色光を選択的に反射するための手段とを備えている、請求項58のディスプレイ。
【請求項60】
前記吸収手段が、周辺光を受け取ることに応じて前記光を発するための手段を備えている、請求項55のディスプレイ。
【請求項61】
前記周辺光が太陽光である、請求項60のディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−76109(P2011−76109A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−273682(P2010−273682)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【分割の表示】特願2007−533524(P2007−533524)の分割
【原出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(506109856)クゥアルコム・メムス・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM MEMS Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】5775 Morehouse Drive, San Diego, CA 92121−1714,U.S.A.
【Fターム(参考)】