デジタイザシステムに使用するためのスタイラス
【課題】圧力検出を行う共振型スタイラスを提供する。
【解決手段】スタイラス端、スタイラス端に適用される圧力に応じて移動する、スタイラス中に位置される少なくとも1つの移動要素、および前記移動要素の運動時に弾性要素に捩り力が適用され、前記弾性要素の捩り力が前記移動要素の運動に対抗し、前記移動要素を前記運動の前に存在した状態に戻すように、前記少なくとも1つの移動要素の外周の周りに適合され、かつスタイラスの外被に連結される少なくとも1つの弾性要素、を含む、デジタイザシステムに使用するためのスタイラスとする。
【解決手段】スタイラス端、スタイラス端に適用される圧力に応じて移動する、スタイラス中に位置される少なくとも1つの移動要素、および前記移動要素の運動時に弾性要素に捩り力が適用され、前記弾性要素の捩り力が前記移動要素の運動に対抗し、前記移動要素を前記運動の前に存在した状態に戻すように、前記少なくとも1つの移動要素の外周の周りに適合され、かつスタイラスの外被に連結される少なくとも1つの弾性要素、を含む、デジタイザシステムに使用するためのスタイラスとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、ともに「Electromagnetic Stylus for a Digitizer System」と称する、2004年12月1日に出願した米国特許仮出願第60/631862号、および2005年3月2日に出願した米国特許仮出願第60/657439号の利益を主張する。両出願の開示内容は参照として本明細書中に援用される。
【0002】
発明の分野
本願は、位置検出システムの使用および制御のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電磁スタイラスは、デジタイザシステムの使用および制御のために業界で知られている。例えば、参照として本明細書中に援用される米国特許番号第4878553号は、タブレット型のセンサと共に使用される電磁スタイラスを記載する。センサは、スタイラス内で主に磁気結合によってEM波を共振回路に送信する一組のループコイルを含む。高導電率ループは、供給源によって作動されたときに相対的に高い磁場を提供するのに十分高い電流を与えるために使用される。
【0004】
スタイラス中の共振回路は、送信されたEM波と同じ周波数で共振する。スタイラスのEM場は、受信された信号と同じ周波数でそれ自身の電磁場を生成し、センサ中のループコイル上で信号を誘導する。この信号は、受信要素によって検出され、それは同時に供給源を置き換えた。この実施の明らかに不利な点は、導電性ループコイルによって送信されたEM波がEMスタイラスの共振周波数と同一であるべきであるということである。大半のデジタイザシステムは、スタイラス位置に関する情報を提供するだけではなく、その状態、端に適用される圧力レベル等に関する情報もまた提供する。これらの要求をうまく処理するために、スタイラス内の共振回路に追加の静電容量を接続するための手動スイッチが利用される。さらに、可変静電容量はまた、共振回路に並列で接続される。可変静電容量の静電容量は、スタイラス端に適用される圧力の量に従って変化する。受信器は、スタイラスによって再送信される信号の位相の変化を測定することによって共振周波数の変化を決定する。
【0005】
開示内容が参照として本明細書中に援用される米国特許第5565632号は、圧力検出を提供するために可変誘導子を含むスタイラスを記載する。スタイラス端に適用された圧力は、共振周波数の連続的なシフトを引き起こす共振回路のインダクタンスを変化させる。
【0006】
共振型スタイラスの不利な点は、特に周辺励磁コイルを使用するときに、送信および受信を同時にできないことである。
【0007】
開示内容が参照として本明細書中に援用される米国特許第5571997号は、電池式スタイラスを含むEMスタイラスの代替的設計を記載する。この場合において、エネルギーは電池によってスタイラスに供給される。しかし、電池式スタイラスの使用は複数の欠点を有する。電池の寿命は有限である。ひとたび電池が弱まると、使用者はデジタイザシステムを使用することができなくなる。電池式スタイラスは、使用者の責任である不断の管理を必要とする。さらに、スタイラスは相対的に重く、その設計は電池の寸法によって制限される。電池式スタイラスのさらなる不利な点は、スタイラスがシステムと同期されないことである。スタイラスがデジタイザと同期されるとき、ノイズ除去などの種々の目的のために位相情報を使用することが可能である。
【0008】
開示内容が参照として本明細書中に援用される米国特許第6690156号は、複数の物理的対象物を検出することができる位置決め装置、好ましくは平面スクリーン表示装置上に位置されるスタイラスを記載する。好ましい実施形態の1つは、垂直および水平の導体のマトリックスを含む透明な箔で作られるセンサを記載する。スタイラスは発振回路を含み、それはセンサを囲む周辺コイルによってエネルギーを与えられる。スタイラスの正確な位置は、センサによって感知される信号を処理することによって決定される。
【0009】
他の参考文献は、ケーブルまたはコードによってデジタイザシステムに電気的に接続されるスタイラスを記載する。この場合、エネルギーはデジタイザへの電気的接続を介してスタイラスに供給される。しかし、これらの設計は使用者がスタイラスを操作することを難しくする。
【発明の概要】
【0010】
本発明のある例示的実施形態の一局面は、スタイラスに送信された励磁信号からエネルギーを引き出すように設計される少なくとも1つのエネルギーピックアップ回路を利用するスタイラスのようなポインタを提供することに関する。所望により、ポインタは、位置検出システムによって位置が検出されることができるゲーム部品または他の対象物である。所望により、複数のポインタが、位置検出システムに関連して使用される。所望により、スタイラスは、励磁信号から独立した周波数でセンサに信号を送信する送信回路および/または信号発生器に電力を提供するために引き出されたエネルギーを使用する。所望により、スタイラスは、電源部分、発振部分および送信部分からなる。所望により、送信部分は変圧器からなる。所望により、スタイラスは1つより多い電源部分を有する。所望により、スタイラスは送信部分の変圧器の代わりにトランジスタを有する。
【0011】
本発明の実施形態において、電源部分はエネルギーピックアップ回路および送信器における使用のためにエネルギーを調節する回路からなる。
【0012】
本発明のある実施形態において、電磁スタイラスは、デジタイザシステムの使用および制御のためのものである。所望により、スタイラスは位置座標、状態、圧力レベル、マウスエミュレーション(例えば、「右クリック」)、および他の関連する使用情報および制御情報のような情報をデジタイザシステムに送るために利用される。所望により、電磁スタイラスは、タブレットパーソナルコンピューター(タブレット「PC」)、スタイラス使用可能ラップトップ型PC、携帯情報端末(「PDA」)、または携帯電話のような任意の携帯装置のうちの少なくとも1つの使用および制御のためのものである。本発明のある例示的実施形態において、スタイラスはコードレスである。
【0013】
本発明の実施形態において、電磁スタイラスは、エネルギーピックアップ回路によって再充電される再充電可能な電源を使用する。所望により、スタイラスは安定な電源として再充電可能な電池を使用する。ピックアップ回路を利用する再充電は、交換される必要が無い、より小さい電池の使用を可能にする。
【0014】
本発明のある例示的実施形態の一局面は、上に記載される駆動方法の1つを利用する感圧スタイラスを提供することに関する。本発明の例示的実施形態において、スタイラスの発振周波数は、スタイラスに使用者が適用した圧力に依存して変更される。所望により、使用者は、スタイラスの外面上に位置される少なくとも1つのボタンを使用してスタイラスに圧力を適用する。所望により、使用者は端をデジタイザ表面に押し込むことによってスタイラスに圧力を適用する。本発明のある例示的実施形態において、圧力の変化はスタイラスによって発せられる周波数の変化を誘発する。所望により、特定の周波数は、デジタイザによって実行可能な特定の命令に対応する。所望により、周波数の範囲は特定の命令に対応する。本発明のある例示的実施形態において、命令は、デジタイザ上で使用される色の変更を含む。所望により、命令は、デジタイザ上に入力されたデータを削除するための消去機能にスタイラスを切り替えることを含む。
【0015】
本発明の例示的実施形態によれば、波形を発生する発振部分;発振部分を駆動する電源部分;およびエネルギーピックアップ回路であって、回路によって受信される励磁信号から電源部分にエネルギーを供給するエネルギーピックアップ回路;を含む少なくとも1つのポインタ、および波形発生部分によって発生された波形から少なくとも1つのポインタの位置を検出するように作用するセンサを含む検出器を含む位置検出システムが提供される。所望により、励磁信号は、検出器から送信される。所望により、電源は、発振部分を駆動するためにDC電圧を生成する。所望により、エネルギーピックアップ回路は、励磁信号によって励磁されるコイルを含む。所望により、電源部分は、再充電可能な電池をさらに含む。所望により、再充電可能な電池は、エネルギーピックアップ回路によって得られるエネルギーから再充電する。所望により、電源部分は、蓄電器をさらに含む。所望により、蓄電器は、エネルギーピックアップ回路から充電される。本発明のある例示的実施形態において、ポインタは、送信電源部分によって駆動される送信部分をさらに含む。所望により、送信電源部分は、送信電源部分エネルギーピックアップ回路からなり、この回路は励磁信号回路によって励磁され、かつ励磁信号から電源部分にエネルギーを供給する。所望により、送信電源部分エネルギーピックアップ回路は、励磁信号によって励磁されるコイルを含む。所望により、送信電源部分エネルギーピックアップ回路は、再充電可能な電池をさらに含む。所望により、発振部分は、使用者によってポインタ上に及ぼされる圧力に反応する少なくとも1つの可変要素をさらに含む。所望により、圧力が及ぼされ、発振部分によって発生される第1の周波数が第2の周波数に変化する。所望により、検出器上で、第1の周波数は少なくとも1つの第1の実行可能な命令に対応し、第2の周波数は第2の実行可能な命令に対応する。所望により、可変要素は蓄電器である。所望により、可変要素は抵抗器である。所望により、可変要素は誘導器である。所望により、励磁信号は検出器によって発生される。所望により、検出器は表示装置である。所望により、発振部分は、励磁信号から独立した周波数の波形を発生する。所望により、ポインタは、発振部分の波形発生と励磁信号を同期させる、少なくとも1つの同期化回路をさらに含む。所望により、検出器は、パーソナルコンピューター、携帯情報端末、タブレット、または携帯電話のうちの少なくとも1つである。
【0016】
本発明の例示的実施形態によれば、波形を発生する発振部分;発振部分を駆動する電源部分;エネルギーピックアップ回路であって、回路によって受信される励磁信号から電源部分にエネルギーを供給するエネルギーピックアップ回路;および発振部分によって発生される信号を送信する送信部分を含むポインタが提供される。所望により、電源は、発振部分を駆動するためにDC電圧を生成する。所望により、電源部分は、発振部分の信号発生と励磁信号を同期させる、少なくとも1つの同期化回路をさらに含む。所望により、エネルギーピックアップ回路は、励磁信号によって励磁されるコイルを含む。所望により、電源供給部分は、再充電可能な電池をさらに含む。所望により、再充電可能な電池は、エネルギーピックアップ回路によって得られるエネルギーから再充電する。所望により、電源部分は、蓄電器をさらに含む。所望により、蓄電器は、エネルギーピックアップ回路から充電される。所望により、電源部分は、少なくとも1つの「パワーグッド(power−good)」回路をさらに含む。所望により、ポインタは、送信部分を駆動する少なくとも1つの送信電源部分をさらに含む。所望により、送信電源部分は、送信電源部分エネルギーピックアップ回路からなり、この回路は励磁信号回路によって励磁され、かつ励磁信号から電源部分にエネルギーを供給する。所望により、送信電源部分エネルギーピックアップ回路は、励磁信号によって励磁されるコイルを含む。所望により、送信電源部分エネルギーピックアップ回路は、再充電可能な電池をさらに含む。所望により、発振部分は、励磁信号から独立した周波数で信号を発生する。所望により、発振部分は、使用者によってポインタ上に及ぼされる圧力に反応する少なくとも1つの可変要素をさらに含む。所望により、ポインタの外面上に位置されるボタンをさらに含み、ボタンはボタンからポインタ上に及ぼされる圧力に反応する少なくとも1つの可変要素を制御する。所望により、圧力は、ポインタの端からポインタ上に及ぼされる。所望により、圧力が及ぼされるとき、発振部分によって発生される第1の周波数が第2の周波数に変化する。所望により、第2の周波数は、相対的に狭い範囲の周波数のうちの1つである。所望により、第2の周波数は、ポインタの色機能の変化に対応する。所望により、可変要素は蓄電器である。所望により、可変要素は感圧抵抗器である。所望により、可変要素は誘導器である。
【0017】
本発明の例示的実施形態によれば、ポインタにエネルギーを提供するための方法であって、検出器から励磁信号を送信すること;励磁信号からDC電圧を発生すること;およびDC電圧から発振器を駆動することを含む方法が提供される。
【0018】
本発明の例示的実施形態によれば、ポインタ端;ポインタ端に位置される少なくとも1つの導電性要素;可変要素の方への少なくとも1つの導電性要素の運動に応じて変調する可変要素;導電性要素の運動時にO−リングに捩り力が適用され、O−リングの捩り力が可変要素の方への導電性要素の運動に対抗するように、少なくとも1つの導電性要素の周りに位置される少なくとも1つのO−リングを含むポインタが提供される。所望により、O−リングの捩り力は、可変要素の方への運動の前に存在した状態に導電性要素を戻す力を提供する。所望により、少なくとも1つの導電性要素はフェライトである。所望により、可変要素は抵抗器である。所望により、可変要素は蓄電器である。本発明のある例示的実施形態において、ポインタは、可変要素と有効に通信する発振部分をさらに含む。所望により、ポインタ端上に及ぼされる圧力は、可変要素の方への少なくとも1つの導電性要素の運動を引き起こす。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の例示的な非限定的実施形態は、以下の説明において、本明細書に添付される図面を参照しながら記載される。図中、2つ以上の図に現れる同一および類似の構造、要素またはその部分は、一般に、それらが現れる図において同じまたは類似の参照番号で標識されている。図において示される構成要素および特徴の寸法は、主に便宜上および提示の明確さのために選択されており、必ずしも一定の縮小比で示していない。
【0020】
【図1】図1は、本発明の例示的実施形態によるデジタイザに近接する電磁スタイラスを示す図である。
【0021】
【図2A】図2Aは、本発明の例示的実施形態による電磁スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0022】
【図2B】図2Bは、本発明の例示的実施形態による同期化回路の構成を示す回路図である。
【0023】
【図3】図3は、本発明の例示的実施形態による電磁スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0024】
【図4A】図4Aは、本発明の例示的実施形態による高電圧電磁スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0025】
【図4B】図4Bは、本発明の例示的実施形態によるスタイラスに送信された例示的な励磁波形である。
【0026】
【図5】図5は、本発明の例示的実施形態による電源として再充電可能な電池を使用するスタイラス構成を示す概略図である。
【0027】
【図6A】図6Aは、本発明の例示的実施形態による二重電源電磁スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0028】
【図6B】図6Bは、本発明の例示的実施形態による図6Aのトランジスタに等価な構成を示す回路図である。
【0029】
【図7】図7は、本発明の例示的実施形態によるスタイラス端および発振器出力の波形のダイヤグラムである。
【0030】
【図8A】図8Aは、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0031】
【図8B】図8Bは、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスを使用して得られた相対的な周波数範囲のダイヤグラムを示す。
【0032】
【図9A】図9Aは、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0033】
【図9B】図9Bは、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスを使用して得られた周波数に対する周波数範囲のダイヤグラムを示す。
【0034】
【図10】図10は、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスの概略図である。
【0035】
【図11A】図11Aは、本発明の例示的実施形態による二重電源感圧スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0036】
【図11B】図11Bは、本発明の例示的実施形態による発振器の例示的回路図である。
【0037】
【図11C】図11Cは、本発明の例示的実施形態による一連の抵抗器の電気的構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、デジタイザのような位置検出システムに関連して説明される場合に最も良好に理解される。開示内容が参照として本明細書中に援用される「Transparent Digitizer」と称する、米国特許出願第10/649708号および米国特許第6690156号は、平面スクリーン表示装置上に位置されるスタイラスのような、複数の物理的対象物を検出できる位置検出装置を記載する。両方の開示における好ましい実施形態の1つは、垂直および水平の導体のマトリックスを含む透明な箔で作られるセンサを記載する。所望により、電磁スタイラスは、タブレットパーソナルコンピューター(タブレット「PC」)、スタイラス使用可能ラップトップ型PC、携帯情報端末(「PDA」)、または携帯電話のような任意の携帯装置のうちの1つの使用および制御のためのものである。スタイラスは発振回路を含み、それはセンサを囲む周辺コイルによってエネルギーを与えられる。スタイラスの正確な位置は、センサによって感知される信号を処理することによって決定される。所望により、スタイラスは印字能力と電磁機能とを兼ね備える。
【0039】
上の開示は、透明なデジタイザを使用して、または受動電磁スタイラスを使用して、デジタイザを表示スクリーン上に配置することを記載するが、本発明は、所望により図1に示されるような本明細書中に記載される装置と共に使用することができる電磁スタイラスであることが理解されるべきである。デジタイザ100は、極めて高い分解能かつ高い更新速度で、少なくとも1つのポインタの位置を検出するということが理解されるべきである。ポインタは、スタイラス102、使用者の指(すなわち、接触)、ゲーム部品、および/またはスクリーンに触れる任意の導電性物体のいずれかであることができる。所望により、ポインタは、スクリーンの上に位置されるだけであり、スクリーンに接触しない。ポインタは、指示するため、塗りつぶすため、書き込むため(手書き認識)、および装置と使用者の相互作用に典型的な任意の他の活動のために使用されることができる。システムは、単一または複数の指接触を検出することができる。システムは、いくつかの電磁対象物を、別個にまたは同時に検出することができる。ある場合において、指接触の検出は、スタイラス検出と組み合わせて使用される。本明細書中に記載されるように、デジタイザシステムと共に使用されることができるポインタは、以下に記載されるようなスタイラスである。
【0040】
単一電源部分での例示的実施形態
図2Aは、本発明の例示的実施形態による電磁スタイラス102の電気的構成の概略図200を示す。本発明の例示的実施形態において、EMスタイラス102(図1)は、少なくとも3つの主要な部分:電源部分202、発振部分204、および送信部分206を含む。スタイラスの主要な部分に対するこれら3つの呼称は、部分の内部作用の変化にかかわらず、以下の明細書を通して固守される。一般に、図面のうちの1つにおいて示される部分の実施形態は、スタイラスの第2の実施形態における同じ部分と交換可能であるか、またはほぼ交換可能である。
【0041】
本発明の例示的実施形態において、電源部分202は、以下により詳細に記載されるエネルギーピックアップ回路として設計され、それはデジタイザ100によって送信される電磁波からエネルギーを受信する。送信されたEM波は、誘導器208上に電流を誘導し、これは本発明のある例示的実施形態に従ってダイオードブリッジ226を通って蓄電器210を充電する。誘導器208は、送信されたEMエネルギーを利用するその能力を規定する寄生容量を有する。寄生容量は、誘導器の共振周波数、所望によりエネルギー受容が最も効果的な周波数を決定する公知の特徴である。
【0042】
本発明の例示的実施形態において、蓄電器210はデジタイザによって送信されたエネルギーを蓄積し、発振部分204に位置される発振器212への電源として作用する。本発明の例示的実施形態において、発振器212の発振周波数は、蓄電器210を充電するためにエネルギーピックアップ回路を通してデジタイザによって送信されるEM波から完全に独立している。発振器212の出力は、所望により送信部分206に連結される。この実施形態において、変圧器214は送信部分206中に位置され、発振信号の電圧を増幅し、そして本発明のある例示的実施形態において、それをスタイラス端216およびスタイラス端216を囲む開口218と連結させる。本発明の例示的実施形態において、スタイラス102は、電場をデジタイザ100上に位置されるセンサに送信する。しかし、他のスタイラス実施形態は、電場に追加してまたは電場の代わりに磁場を送信してもよい。
【0043】
本発明の例示的実施形態において、エネルギーピックアップ回路はデジタイザ100上に位置される周辺コイルから信号を受信する。所望により、エネルギーピックアップ回路は、デジタイザ100上に位置される少なくとも1つのループコイルから信号を受信する。周辺コイルは、EM場を生成する特定の周波数のAC信号を送信する。スタイラス102が前記EM場の範囲内に位置されるとき、電流がエネルギーピックアップ回路内の誘導器208上に誘導される。誘導された電流はAC電流であるので、ダイオードブリッジ226または同等の整流回路が、本発明のある例示的実施形態に従って蓄電器210を充電するために使用される。充電された蓄電器210は、所望により電圧調節回路220に接続され、これは発振器212が、固定されかつ安定した電圧供給で提供されることを確実にする。本発明の例示的実施形態において、蓄電器210によって生成される電圧レベルは、誘導器208上に誘導される電流の量を反映する。誘導器208上に誘導された電流は、センサに対するスタイラス位置、スタイラスの傾斜などの種々の要因に依存する。本発明の例示的実施形態において、電圧調節回路220は、発振器212がその操作のために必要とされる、正しくかつ安定した電圧レベルで提供されることを確実にする。
【0044】
本発明の例示的実施形態において、スタイラス信号はデジタイザシステムと同期される。デジタイザシステムの操作サイクルは、所望により以下の通りである:
・励磁相
・周辺コイルはセンサの付近にEM場を送信する。
・スタイラス102は、指定された蓄電器210中に送信されたエネルギーを蓄積する。この時間の間、発振器212は使用禁止になる。
・検出相
・デジタイザ100は周辺コイルを通る送信を停止する。
・発振器212は使用可能になり−AC信号をデジタイザセンサに送信する。
【0045】
励磁相の間、センサを含む導電性アンテナは、スタイラス102にエネルギーを与える同じEM場の影響下にある。これらの条件下では、励磁周波数がスタイラス周波数と異なっていても、検出システムは飽和されているかもしれないので、スタイラス信号をピックアップするのは難しい。したがって、本発明の例示的実施形態において、デジタイザ100は検出相時にセンサのアンテナをサンプリングする。
【0046】
別個の励磁相および検出相を使用する別の利点は、発振器212が使用禁止であるときその電力消費が最小化されることであり、これは蓄電器210の効果的かつ十分な充電を可能にする。他の実施形態は、所望によりスタイラス受信とスタイラス送信を同時に使用する。本発明の例示的実施形態において、検出ユニットの飽和は、スタイラス周波数よりもはるかに高いかまたははるかに低い周波数で励磁信号を送信することによって受信および送信を同時に使用して避けられる。
【0047】
本発明の例示的実施形態において、発振器212に提供される使用可能信号222は、電源部分202の一部である同期化回路224において発生される。本発明の例示的実施形態において、同期化回路224は、デジタイザ100が励磁信号の送信を停止するとすぐに使用可能信号222を使用して発振器212を起動する。所望により、受信された信号の一部は、同期化回路224に転送される。本発明の例示的実施形態において、同期化回路224は、誘導器208上の発振信号を感知し、ひとたび誘導器208上の発振が停止すると発振器212を使用可能にする。本発明のある例示的実施形態において、安定した電圧が電圧調節回路220によって同期化回路224に提供される。
【0048】
図2Bは、本発明の例示的実施形態による同期化回路の回路図250を示す。同期化は、所望によりダイオードブリッジ226の出力の負荷電流を測定することによって実施される。励磁相が終わるとすぐに、ダイオードブリッジ226から蓄電器210への電流は途絶える。
【0049】
本発明の例示的実施形態によれば、同期化回路224内の第2の蓄電器252は充電され、それが特定のレベルに達したときに蓄電器252は発振器212を起動する。同期化回路224は2つの入力信号を受信し、第1の入力信号254は電圧調節回路220によって提供される安定な電圧レベルであり、第2の入力信号256はダイオードブリッジ226の出力である。同期化回路224の出力は、発振部分204に対して使用可能信号222として作用する。好ましい実施形態において、同期化回路224の出力は、シュミットトリガー(図示せず)を通って発振器に接続される。第1の入力信号254は、蓄電器252を充電するために利用される。しかし、第2の入力信号256からの入力信号は、トランジスタ258を開放し、蓄電器252を放電させる。蓄電器260は、DC信号を取り除くために使用され、AC信号のみをトランジスタの258ゲートに到達させる。抵抗器262は蓄電器252の充電速度を設定する。抵抗器262は、第2の入力信号256上の入力パルスが依然として存在する限り蓄電器252が完全には充電されないことを確実にするように選択される。ひとたび励磁相が終了すると、蓄電器252はトランジスタ258を通して充電され、使用可能信号222が設定される。
【0050】
本発明のある例示的実施形態において、発振器212は、励磁信号の開始後に始まるように、励磁相の開始のような異なる時点に同期される。所望により、励磁信号のパターンは制御される。例えば、励磁信号は、間に信号間隙を有する2つの部分に分けられ、発振は信号間隙内の任意の時点に同期される。
【0051】
本発明のある例示的実施形態において、送信されたスタイラス信号とデジタイザシステムとの間の同期化を必ずしも必要としない、異なるタイプの感知および/または励磁手段が使用される。これらの場合において、同期化回路224は所望により省かれる。
【0052】
図3を参照すると、本発明の例示的実施形態による電磁スタイラス102の電気的構成を描く概略図300が示される。本発明の例示的実施形態において、デジタイザ100上の周辺コイルは、特定の周波数のAC信号を送信し、それはデジタイザ上に位置されるセンサの付近にEM場を生成する。スタイラス102が前記EM場の範囲内に位置されるとき、エネルギーピックアップ回路内の誘導器208上に電流が誘導される。所望により、誘導器208はコイルである。誘導される電流はAC電流であるので、ダイオードブリッジ226または同等の整流回路が、蓄電器210を充電するために使用される。エネルギーピックアップ回路はまた、上に記載される同期化回路224、および本発明のある例示的実施形態において「パワーグッド」回路302からなる。本発明のある例示的実施形態によれば、「パワーグッド」回路302は、発振器212がその操作のために必要とされる正しい電圧レベルで提供されることを確実にする。本発明の例示的実施形態において、発振部分204に提供される電圧はDC電圧である。
【0053】
発振器212に提供された使用禁止信号304は、「パワーグッド」回路302において発生される。本発明の例示的実施形態において、「パワーグッド」回路302は、電圧が特定の予め決められた閾値を下回った場合に発振器212を使用禁止にする。所望により、閾値は発振器212が本発明の実施形態に従って機能するために必要な最小電圧に設定される。「パワーグッド」回路302は、蓄電器210上に形成される電圧を測定する。所望により、「パワーグッド」回路302は、2つの入力信号を受信し、第1の入力信号は電圧調節回路220によって提供される安定な電圧レベルであり、第2の入力信号はダイオードブリッジ226の出力である。「パワーグッド」回路302の出力は、発振部分204に対する使用禁止信号304である。
【0054】
本発明の例示的実施形態において、送信部分206は、発振器212に操作可能に接続されている。本発明の例示的実施形態において、蓄電器310は、発振器出力により高いインピーダンスを導入するために、変圧器214内の二次コイルに加えられる。静電容量310のために、発振器の出力信号は強化される。静電容量310および変圧器214の結合された衝撃は、本発明の目的のために十分な電場をスタイラス端216、218に発生する。他の実施形態は、蓄電器310の助けなしで変圧器214を使用することは十分であることを見出すことができる。
【0055】
図4Aにおいて、本発明の例示的実施形態による高電圧電磁スタイラスの概略図400が描かれる。図4Aに示される実施形態において、発振器212に提供される電圧レベルは、図2Aに描かれる実施形態よりも有意に高い。本発明の例示的実施形態において、第1の蓄電器402および第2の蓄電器404は、誘導器208によってピックアップされたEMエネルギーを蓄積するために直列に配置される。誘導器208は、デジタイザ100によって誘導された、図4Bに示されるEM場450で発振する。発振の正相452の間、第1の蓄電器402は第1のダイオード406を通して充電される。発振の負相454の間、第2の蓄電器404は第2のダイオード408を通して充電される。本発明のある例示的実施形態において、上記のような「パワーグッド」回路は、発振器212がその操作のために必要とされる正しい電圧レベルで提供されることを確実にするために使用される。
【0056】
本発明の例示的実施形態において、図5に示されるように、再充電可能な電池式スタイラス500が所望により使用される。再充電可能な電池502は、所望によりダイオード506、ダイオードブリッジ、または他の整流手段と組み合わせた誘導器504のようなエネルギーピックアップ回路によって充電される。追加的にまたは代替的に、電池502は、ホスト計算機装置またはデジタイザシステム内の指定された空間において充電されることができる。ある場合において、電池502は、固定されかつ安定した電圧を発振器212に提供するとき、他の実施形態の電圧調節回路は必要ではない。所望により、太陽電池のような他の電源ユニットが使用される。本発明のある例示的実施形態において、発振器212からの信号の発生とデジタイザ100からの励磁信号を同期させるために、同期化回路が電源部分202に加えられる。所望により、電圧が特定の予め決められた閾値を下回る場合に発振器212を使用禁止にするために、「パワーグッド」回路302が電源部分202に加えられる。
【0057】
1つより多い電源部分での例示的実施形態
図6Aは、本発明の例示的実施形態による二重電源電磁スタイラスの電気的構成が描かれる概略図600を示す。本発明のある例示的実施形態において、EMスタイラスは、少なくとも4つの主要な部分:発振器電源部分202;発振部分204;端電源部分202’;および送信部分206からなる。本発明の例示的実施形態において、発振器電源部分202は、エネルギーピックアップ回路として、所望により本明細書中に記載される他のエネルギーピックアップ回路に類似のものとして設計され、それはデジタイザ100によって送信された電磁波からエネルギーを受信し、発振部分204に供給する。本発明のある例示的実施形態において、上に記載されるような「パワーグッド」回路が、発振器212がその操作のために必要とされる正しい電圧レベルで提供されることを確実にするために使用される。発振器212の周波数およびデジタイザ100から発振器電源部分202に送信される波形の周波数は、決して相関しない。発振器212は、送信部分206において見出されるトランジスタ610に操作可能に接続される。トランジスタ610は、本発明のある例示的実施形態において端216に対するオフ/オンスイッチとして機能する。
【0058】
本発明の例示的実施形態において、以下に記載されるように、電源部分202’は蓄電器を充電するために使用される。これは、所望により第1の蓄電器618および第2の蓄電器620に誘導器616からのエネルギーを負荷することによって達成される。本発明の例示的実施形態において、第1の蓄電器618および第2の蓄電器620は、誘導器616によってピックアップされたEMエネルギーを蓄積するために直列に配置される。誘導器616は、デジタイザ100によって誘導されたEM場で発振する。発振の正相の間、第1の蓄電器618は第1のダイオード612を通して充電される。発振の負相の間、第2の蓄電器620は第2のダイオード614を通して充電される。直列の2つの蓄電器618、629がダイオード612、614を通って誘導器616に接続されるこの構成は、所望によりコレクタ端子として知られるトランジスタ610の端子622のうちの1つに相対的に高い電圧を供給するために使用される。この構成は、電圧ダブラーとして公知である。本発明は、本明細書中に記載される電圧ダブラーに限定されず、スタイラス端216に十分高い出力電圧を供給するいかなる構成も好適であろう。本発明のある例示的実施形態において、少なくとも9Vがスタイラス端216に供給される。所望により、15Vまでがスタイラス端216に供給される。
【0059】
本発明の例示的実施形態において、端電源部分202’は、コレクタ端子622に接続される。発振器出力624は、トランジスタ610の底部に接続され、トランジスタ内の電流の流れを制御する。コレクタ端子622はまた、本発明の例示的実施形態においてスタイラス端216に接続される。本発明のある例示的実施形態において、トランジスタ610は、二極性接合形トランジスタ(「BJT」)である。トランジスタ610は、図6Bにおいてみられるように出力蓄電器652と組み合わせられるスイッチ650に類似していると言うことができる。発振器出力624は、本発明の例示的実施形態においてスイッチ650を制御する。スイッチ650が開放されるとき、蓄電器652は本発明の例示的実施形態に従って端216を操作するのに必要な電圧まで充電される。スイッチ650が閉じられるとき、それは蓄電器652を放電させる。
【0060】
本発明の例示的実施形態において、誘導器208および616は、単一のフェライトコア(図示せず)の周りに結合される。他の実施形態は、誘導器208および616のそれぞれに1つずつ、2つの別個のフェライトコアを有する。さらに、2つの型のフェライトコアを接続してまたは別個にのいずれかで使用することが可能である。異なる特性の2つのフェライトコアを使用することは、コアをスタイラスの寸法に合わせること、およびエネルギー受容を最大にすることにおいてほとんどの場合有利である。
【0061】
図7を参照すると、本発明の例示的実施形態による発振器出力624での波形およびスタイラス端216で生じる波形が、示される。発振器出力624が高いときV1702、電流はトランジスタ610を通って流れることができ、トランジスタの内部静電容量を放電704させる。発振器出力が低く、706であるとき、トランジスタ610内の内部静電容量は端電源部分202’によって供給される電圧V2708まで充電710される。端電源部分202’とともにトランジスタ610は、所望により本発明のある例示的実施形態において図2Aに記載される送信部分206に取って代わる。この構成は、所望によりスタイラス端216における相対的に高い信号振幅(V2)を確実にしながら、デジタイザ100によって送信されたエネルギーのより良好な利用を可能にする。本発明は送信部分206でのBJTの使用、または出力静電容量の使用に限定されない。スタイラス端216での好適なAC信号を可能にするいかなる構成も、所望により送信部分として使用されることができる。
【0062】
例示的な感圧実施形態
本発明のある例示的実施形態において、スタイラス上に及ぼされる圧力の変化に従って発振周波数を調節することができるスタイラスが提供される。所望により、圧力はスタイラスの端に及ぼされる。追加的にまたは代替的に、圧力はスタイラスの外面上に及ぼされる。所望により、少なくとも1つのボタンが、使用者がスタイラス上に圧力を及ぼすために使用されるためにスタイラスの外面上に位置される。所望により、及ぼされた圧力は、マウスエミュレーション(「右クリック」など・・・)、消去および/または色変化のような異なる機能を達成するために使用される。
【0063】
図8Aは、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスの電気的構成を示す概略図800である。電源および送信部分は、所望により本明細書に詳細に記載されているものに類似している。本発明の例示的実施形態において、蓄電器および抵抗器802の組合せは、スタイラスの発振周波数を制御するために使用される。スタイラス端に適用される圧力は、所望により蓄電器806に並列に接続される可変蓄電器804を変調する。本発明のある例示的実施形態において、追加の蓄電器808は機械式スイッチ810を通して並列に接続される。機械式スイッチ810は、所望によりスタイラス外被上に位置される使用者操作ボタンによって操作される。ボタンは一般的に発振器812の発振周波数を変えるために使用されるが、本発明の例示的実施形態において、スタイラスの側面ボタンの機能性は、スタイラスがマウスエミュレーションのために使用されるときに「右クリック」操作を提供することである。本発明の例示的実施形態によれば、3つの蓄電器804(C1)、806(C2)、808(C3)すべての総静電容量は、発振器812の発振周波数を決定する。機械式スイッチ810がオフであり、回路から蓄電器808を除き、端に圧力が適用されていないとき、総静電容量はCTotal=C1+C2と表わされることができる。本発明は可変蓄電器に限定されず;所望により可変インダクタンスが使用される。
【0064】
図8Bは、本発明の例示的実施形態による、感圧スタイラスを使用して獲得される相対周波数範囲の図850を示す。機械式スイッチ810がオフであるとき、総静電容量は発振周波数を特定の値f1に設定するだろう。可変蓄電器840は、所望により静電容量の有限な相対的に小さな範囲内に調整されるので、発振周波数は対応する有限の範囲の周波数[f1・・・・・f2]852内で変化する。機械式スイッチ810がオンにされるとき、追加の蓄電器808が方程式に加えられ、総静電容量の式をCTotal=C1+C2+C3にする。本発明の例示的実施形態において、追加の蓄電器808は周波数範囲の[f3・・・・・f4]852へのシフトを、周波数範囲852と854との間の完全な区別を可能にする方法で生成する。周波数の検出された変化は、変化に対応する動作を実行するための信号をデジタイザ100に送る。
【0065】
図9Aは、可変蓄電器902が一次蓄電器904に直列で接続されている感圧スタイラスの例示的な実施形態の概略図900である。スタイラス外被上のボタンは、可変蓄電器902を発振回路から除く機械式スイッチ906を制御する。機械式スイッチ906がオフであるとき、すなわちそれが開放しているとき、総静電容量は:
として表わされることができる。本発明のこの例示的実施形態において、周波数は図9Bにみられるように、相対的に小さな有限の範囲[f1・・・・・f2]952内で変化する。スタイラス端に圧力が適用されないとき、発振器周波数はf1954またはf2956のいずれかである。機械式スイッチ904がオンであるとき、すなわちそれが閉鎖しているとき、総静電容量は一次蓄電器904の静電容量である。本発明の例示的実施形態において、これはf3958の発振器周波数を生じる。
【0066】
本発明のある例示的実施形態において、スタイラス周波数を単一の周波数または追加の範囲の周波数のいずれかに変化させるために、複数のボタンが使用されることに注意するべきである。このようなボタンは、消去または色の変化のような機能性を提供するために使用されることができるだろう。
【0067】
図10は、感圧スタイラス1000の例示的実施形態の概略図を示す。本発明のある例示的実施形態において、少なくとも1つの蓄電器と少なくとも1つの抵抗器との組合せが、スタイラス1000の発振を制御するために使用される。本発明の例示的実施形態において、スタイラス端1002に適用された圧力は、スタイラス端1002の付近に位置される可変抵抗器1004を変調する。可変抵抗器1004は2つのフェライトの間に位置される。本発明のある例示的実施形態において、誘導器は第1のフェライト1006の周りに巻きつけられる。第1のフェライト1006は、所望により凹所を与えられ、そこに可変抵抗器1004が位置され、所望によりそこに第2のフェライト1008が位置されることができる。本発明のある例示的実施形態において、スタイラス1000が使用されていないとき、第2のフェライト1008の外面に位置されるO−リング1010は、可変抵抗器1004に対する過度の力を防ぐために2つのフェライトの間の空間を維持する。所望により、O−リング1010は弾性材料で構築されている。本発明の例示的実施形態において、O−リング1010は、スタイラス端1002の移動を助ける。例えば、圧力がスタイラス端1002に適用されたとき、スタイラス端1002および第2のフェライト1008は可変抵抗器1004の方へと移動する。この移動は、端1002および第2のフェライト1008の周りに弾性的に位置されるO−リング1010に捩り力を受けさせる。本発明の例示的実施形態において、スタイラス1002上の圧力が開放されるとき、O−リング1010はその元の位置に戻り、その捩りエネルギーを開放し、スタイラス端1002および第2のフェライト1008の可変抵抗器1004から離れる移動、およびそれらの元の位置に戻る移動を提供する。他の導電性要素も所望によりフェライトの代わりに使用されることができることに注意するべきである。本発明のある例示的実施形態において、可変抵抗器1004は発振部分204に接続される。所望により、接続は可撓性コードを介して接続される。本発明は、可変抵抗器の特有の位置に限定されない。所望により、可変抵抗器はスタイラスに対して異なる箇所に配置される。
【0068】
可変抵抗器1004上に力が適用されない限り、抵抗器1004の抵抗は「無限」として言及される。本発明の例示的実施形態において、抵抗器1004の抵抗は、その上に適用される機械的圧力の関数として減少する。
【0069】
本発明のある例示的実施形態において、可変抵抗器1004は、所望により図8Aおよび9Aに示される実施形態において記載される蓄電器のうちのいくつかまたは全てに代わるものとして使用される。
【0070】
図11Aは、本発明の例示的実施形態による、二重電源の感圧スタイラスの電気的構成を示す概略図1100である。本発明のある例示的実施形態において、発振部分204は発振器212への2つの入力信号、すなわち「パワーグッド」回路(例えば図3に描かれる「パワーグッド」回路302)からの使用禁止信号1104、および同期化回路(例えば図2Aに描かれる同期化回路224)からの使用可能信号1106を受信する。所望により1つより多い発振器が使用される。
【0071】
図11Bは、本発明の例示的実施形態による発振器212の例示的な回路図である。それは所望により2つの入力:使用禁止信号1104および使用可能信号1106を受信する。本発明のある例示的実施形態において、発振器212は、回路を駆動するために、電源ユニット、例えば図2Aの電源部分202への操作可能な接続(図示せず)を与えられる。発振器は、所望により少なくとも1つの緩衝装置1110、1つの「非」緩衝装置1112、1つの蓄電器1114、および2つの抵抗器1116、1118からなる。本発明の例示的実施形態において、第2の抵抗器1118は実際は図11Cに示される抵抗器のパターンであり、可変抵抗器1120を含む。
【0072】
図11Cは、本発明の例示的実施形態による、実際には抵抗器のパターンである抵抗器1118の電気的構成を示す概略図である。本発明のある例示的実施形態において、可変抵抗器1120は、抵抗器1122に並列で接続される。2つの抵抗器1120(R1)、1122(R2)は第3の抵抗器1124(R3)に直列で接続される。
【0073】
追加の抵抗器1126(R4)は、所望により機械式スイッチ1128を使用して直列に接続される。スイッチは、スタイラス外被上に位置されるボタンのような制御インターフェースによって操作される。本発明の例示的実施形態において、スタイラスのボタンの機能性は、スタイラスがマウスエミュレーションのために使用されるときに「右クリック」操作を提供することである。4つの抵抗器1120、1122、1124、1126すべての総抵抗は、発振器212の発振周波数を決定する。機械式スイッチ1128がオフであり、回路から追加の抵抗器1126を除き、端に圧力が適用されていないとき、総抵抗は:
として表わされることができる。本発明の例示的実施形態において、総抵抗は発振周波数を特定の値f1に設定するだろう。可変抵抗器1120は、所望により抵抗の有限な範囲内に調整されるので、発振周波数は対応する有限の範囲の周波数[f1・・・・・f2]852内で変化する。
【0074】
機械式スイッチ1128がオンにされるとき、追加の抵抗器1126が方程式に加えられ、総抵抗の式を:
とする。本発明の例示的実施形態において、追加の抵抗器1126は周波数範囲の[f3・・・・・f4]854へのシフトを生成する。周波数範囲852の854に対する差は、デジタイザ100によって2つの間の区別を可能にするために重要である。上記のように、異なって検出された周波数は、所望によりデジタイザにそれらの検出された周波数に関連する命令を実行させる。本発明のある例示的な実施形態において、本明細書中に記載される抵抗器のパターンに機能的に代わるものが使用される。
【0075】
本発明の例示的実施形態において、発振部分204内で温度補償ユニットが使用される。この温度補償ユニットは、本発明の例示的実施形態によれば、温度の変化によるシステムの周波数変化を避けるために、温度の変化が起こったときに補償を担う。温度補償ユニットは、所望により温度の関数としてその抵抗を変化させる可変抵抗器からなる。
【0076】
本発明は、例示として提供されるその実施形態の限定されない詳細な説明を使用して説明されており、本発明の範囲を限定しようとするものではない。1つの実施形態に関して記載された特徴および/または工程は、他の実施形態で使用されることができること、および本発明の全ての実施形態が、特定の図面において示されたか、または実施形態のうちの1つに関して記載された特徴および/または工程の全てを有するわけではないことが理解されるべきである。記載された実施形態の変形は、当業者が思いつくであろう。さらに、用語「含む(comprise)」、「含む(include)」、「有する(have)」およびそれらの活用形は、明細書および特許請求の範囲において使用されるとき、「含むが必ずしも限定されない」ということを意味するだろう。
【0077】
記載された実施形態のうちいくつかは、発明者によって企図される最良の形態を記載し、それゆえ本発明に必須ではない、実施例として記載される構造、行為、または構造および行為の詳細を含むことができるということに注意されたい。本明細書中に記載される構造および行為は、構造または行為が異なっていても同じ機能を実行する、当該分野において公知の均等物によって置き換えられる。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲において使用される要素および限定によってのみ制限される。
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、ともに「Electromagnetic Stylus for a Digitizer System」と称する、2004年12月1日に出願した米国特許仮出願第60/631862号、および2005年3月2日に出願した米国特許仮出願第60/657439号の利益を主張する。両出願の開示内容は参照として本明細書中に援用される。
【0002】
発明の分野
本願は、位置検出システムの使用および制御のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電磁スタイラスは、デジタイザシステムの使用および制御のために業界で知られている。例えば、参照として本明細書中に援用される米国特許番号第4878553号は、タブレット型のセンサと共に使用される電磁スタイラスを記載する。センサは、スタイラス内で主に磁気結合によってEM波を共振回路に送信する一組のループコイルを含む。高導電率ループは、供給源によって作動されたときに相対的に高い磁場を提供するのに十分高い電流を与えるために使用される。
【0004】
スタイラス中の共振回路は、送信されたEM波と同じ周波数で共振する。スタイラスのEM場は、受信された信号と同じ周波数でそれ自身の電磁場を生成し、センサ中のループコイル上で信号を誘導する。この信号は、受信要素によって検出され、それは同時に供給源を置き換えた。この実施の明らかに不利な点は、導電性ループコイルによって送信されたEM波がEMスタイラスの共振周波数と同一であるべきであるということである。大半のデジタイザシステムは、スタイラス位置に関する情報を提供するだけではなく、その状態、端に適用される圧力レベル等に関する情報もまた提供する。これらの要求をうまく処理するために、スタイラス内の共振回路に追加の静電容量を接続するための手動スイッチが利用される。さらに、可変静電容量はまた、共振回路に並列で接続される。可変静電容量の静電容量は、スタイラス端に適用される圧力の量に従って変化する。受信器は、スタイラスによって再送信される信号の位相の変化を測定することによって共振周波数の変化を決定する。
【0005】
開示内容が参照として本明細書中に援用される米国特許第5565632号は、圧力検出を提供するために可変誘導子を含むスタイラスを記載する。スタイラス端に適用された圧力は、共振周波数の連続的なシフトを引き起こす共振回路のインダクタンスを変化させる。
【0006】
共振型スタイラスの不利な点は、特に周辺励磁コイルを使用するときに、送信および受信を同時にできないことである。
【0007】
開示内容が参照として本明細書中に援用される米国特許第5571997号は、電池式スタイラスを含むEMスタイラスの代替的設計を記載する。この場合において、エネルギーは電池によってスタイラスに供給される。しかし、電池式スタイラスの使用は複数の欠点を有する。電池の寿命は有限である。ひとたび電池が弱まると、使用者はデジタイザシステムを使用することができなくなる。電池式スタイラスは、使用者の責任である不断の管理を必要とする。さらに、スタイラスは相対的に重く、その設計は電池の寸法によって制限される。電池式スタイラスのさらなる不利な点は、スタイラスがシステムと同期されないことである。スタイラスがデジタイザと同期されるとき、ノイズ除去などの種々の目的のために位相情報を使用することが可能である。
【0008】
開示内容が参照として本明細書中に援用される米国特許第6690156号は、複数の物理的対象物を検出することができる位置決め装置、好ましくは平面スクリーン表示装置上に位置されるスタイラスを記載する。好ましい実施形態の1つは、垂直および水平の導体のマトリックスを含む透明な箔で作られるセンサを記載する。スタイラスは発振回路を含み、それはセンサを囲む周辺コイルによってエネルギーを与えられる。スタイラスの正確な位置は、センサによって感知される信号を処理することによって決定される。
【0009】
他の参考文献は、ケーブルまたはコードによってデジタイザシステムに電気的に接続されるスタイラスを記載する。この場合、エネルギーはデジタイザへの電気的接続を介してスタイラスに供給される。しかし、これらの設計は使用者がスタイラスを操作することを難しくする。
【発明の概要】
【0010】
本発明のある例示的実施形態の一局面は、スタイラスに送信された励磁信号からエネルギーを引き出すように設計される少なくとも1つのエネルギーピックアップ回路を利用するスタイラスのようなポインタを提供することに関する。所望により、ポインタは、位置検出システムによって位置が検出されることができるゲーム部品または他の対象物である。所望により、複数のポインタが、位置検出システムに関連して使用される。所望により、スタイラスは、励磁信号から独立した周波数でセンサに信号を送信する送信回路および/または信号発生器に電力を提供するために引き出されたエネルギーを使用する。所望により、スタイラスは、電源部分、発振部分および送信部分からなる。所望により、送信部分は変圧器からなる。所望により、スタイラスは1つより多い電源部分を有する。所望により、スタイラスは送信部分の変圧器の代わりにトランジスタを有する。
【0011】
本発明の実施形態において、電源部分はエネルギーピックアップ回路および送信器における使用のためにエネルギーを調節する回路からなる。
【0012】
本発明のある実施形態において、電磁スタイラスは、デジタイザシステムの使用および制御のためのものである。所望により、スタイラスは位置座標、状態、圧力レベル、マウスエミュレーション(例えば、「右クリック」)、および他の関連する使用情報および制御情報のような情報をデジタイザシステムに送るために利用される。所望により、電磁スタイラスは、タブレットパーソナルコンピューター(タブレット「PC」)、スタイラス使用可能ラップトップ型PC、携帯情報端末(「PDA」)、または携帯電話のような任意の携帯装置のうちの少なくとも1つの使用および制御のためのものである。本発明のある例示的実施形態において、スタイラスはコードレスである。
【0013】
本発明の実施形態において、電磁スタイラスは、エネルギーピックアップ回路によって再充電される再充電可能な電源を使用する。所望により、スタイラスは安定な電源として再充電可能な電池を使用する。ピックアップ回路を利用する再充電は、交換される必要が無い、より小さい電池の使用を可能にする。
【0014】
本発明のある例示的実施形態の一局面は、上に記載される駆動方法の1つを利用する感圧スタイラスを提供することに関する。本発明の例示的実施形態において、スタイラスの発振周波数は、スタイラスに使用者が適用した圧力に依存して変更される。所望により、使用者は、スタイラスの外面上に位置される少なくとも1つのボタンを使用してスタイラスに圧力を適用する。所望により、使用者は端をデジタイザ表面に押し込むことによってスタイラスに圧力を適用する。本発明のある例示的実施形態において、圧力の変化はスタイラスによって発せられる周波数の変化を誘発する。所望により、特定の周波数は、デジタイザによって実行可能な特定の命令に対応する。所望により、周波数の範囲は特定の命令に対応する。本発明のある例示的実施形態において、命令は、デジタイザ上で使用される色の変更を含む。所望により、命令は、デジタイザ上に入力されたデータを削除するための消去機能にスタイラスを切り替えることを含む。
【0015】
本発明の例示的実施形態によれば、波形を発生する発振部分;発振部分を駆動する電源部分;およびエネルギーピックアップ回路であって、回路によって受信される励磁信号から電源部分にエネルギーを供給するエネルギーピックアップ回路;を含む少なくとも1つのポインタ、および波形発生部分によって発生された波形から少なくとも1つのポインタの位置を検出するように作用するセンサを含む検出器を含む位置検出システムが提供される。所望により、励磁信号は、検出器から送信される。所望により、電源は、発振部分を駆動するためにDC電圧を生成する。所望により、エネルギーピックアップ回路は、励磁信号によって励磁されるコイルを含む。所望により、電源部分は、再充電可能な電池をさらに含む。所望により、再充電可能な電池は、エネルギーピックアップ回路によって得られるエネルギーから再充電する。所望により、電源部分は、蓄電器をさらに含む。所望により、蓄電器は、エネルギーピックアップ回路から充電される。本発明のある例示的実施形態において、ポインタは、送信電源部分によって駆動される送信部分をさらに含む。所望により、送信電源部分は、送信電源部分エネルギーピックアップ回路からなり、この回路は励磁信号回路によって励磁され、かつ励磁信号から電源部分にエネルギーを供給する。所望により、送信電源部分エネルギーピックアップ回路は、励磁信号によって励磁されるコイルを含む。所望により、送信電源部分エネルギーピックアップ回路は、再充電可能な電池をさらに含む。所望により、発振部分は、使用者によってポインタ上に及ぼされる圧力に反応する少なくとも1つの可変要素をさらに含む。所望により、圧力が及ぼされ、発振部分によって発生される第1の周波数が第2の周波数に変化する。所望により、検出器上で、第1の周波数は少なくとも1つの第1の実行可能な命令に対応し、第2の周波数は第2の実行可能な命令に対応する。所望により、可変要素は蓄電器である。所望により、可変要素は抵抗器である。所望により、可変要素は誘導器である。所望により、励磁信号は検出器によって発生される。所望により、検出器は表示装置である。所望により、発振部分は、励磁信号から独立した周波数の波形を発生する。所望により、ポインタは、発振部分の波形発生と励磁信号を同期させる、少なくとも1つの同期化回路をさらに含む。所望により、検出器は、パーソナルコンピューター、携帯情報端末、タブレット、または携帯電話のうちの少なくとも1つである。
【0016】
本発明の例示的実施形態によれば、波形を発生する発振部分;発振部分を駆動する電源部分;エネルギーピックアップ回路であって、回路によって受信される励磁信号から電源部分にエネルギーを供給するエネルギーピックアップ回路;および発振部分によって発生される信号を送信する送信部分を含むポインタが提供される。所望により、電源は、発振部分を駆動するためにDC電圧を生成する。所望により、電源部分は、発振部分の信号発生と励磁信号を同期させる、少なくとも1つの同期化回路をさらに含む。所望により、エネルギーピックアップ回路は、励磁信号によって励磁されるコイルを含む。所望により、電源供給部分は、再充電可能な電池をさらに含む。所望により、再充電可能な電池は、エネルギーピックアップ回路によって得られるエネルギーから再充電する。所望により、電源部分は、蓄電器をさらに含む。所望により、蓄電器は、エネルギーピックアップ回路から充電される。所望により、電源部分は、少なくとも1つの「パワーグッド(power−good)」回路をさらに含む。所望により、ポインタは、送信部分を駆動する少なくとも1つの送信電源部分をさらに含む。所望により、送信電源部分は、送信電源部分エネルギーピックアップ回路からなり、この回路は励磁信号回路によって励磁され、かつ励磁信号から電源部分にエネルギーを供給する。所望により、送信電源部分エネルギーピックアップ回路は、励磁信号によって励磁されるコイルを含む。所望により、送信電源部分エネルギーピックアップ回路は、再充電可能な電池をさらに含む。所望により、発振部分は、励磁信号から独立した周波数で信号を発生する。所望により、発振部分は、使用者によってポインタ上に及ぼされる圧力に反応する少なくとも1つの可変要素をさらに含む。所望により、ポインタの外面上に位置されるボタンをさらに含み、ボタンはボタンからポインタ上に及ぼされる圧力に反応する少なくとも1つの可変要素を制御する。所望により、圧力は、ポインタの端からポインタ上に及ぼされる。所望により、圧力が及ぼされるとき、発振部分によって発生される第1の周波数が第2の周波数に変化する。所望により、第2の周波数は、相対的に狭い範囲の周波数のうちの1つである。所望により、第2の周波数は、ポインタの色機能の変化に対応する。所望により、可変要素は蓄電器である。所望により、可変要素は感圧抵抗器である。所望により、可変要素は誘導器である。
【0017】
本発明の例示的実施形態によれば、ポインタにエネルギーを提供するための方法であって、検出器から励磁信号を送信すること;励磁信号からDC電圧を発生すること;およびDC電圧から発振器を駆動することを含む方法が提供される。
【0018】
本発明の例示的実施形態によれば、ポインタ端;ポインタ端に位置される少なくとも1つの導電性要素;可変要素の方への少なくとも1つの導電性要素の運動に応じて変調する可変要素;導電性要素の運動時にO−リングに捩り力が適用され、O−リングの捩り力が可変要素の方への導電性要素の運動に対抗するように、少なくとも1つの導電性要素の周りに位置される少なくとも1つのO−リングを含むポインタが提供される。所望により、O−リングの捩り力は、可変要素の方への運動の前に存在した状態に導電性要素を戻す力を提供する。所望により、少なくとも1つの導電性要素はフェライトである。所望により、可変要素は抵抗器である。所望により、可変要素は蓄電器である。本発明のある例示的実施形態において、ポインタは、可変要素と有効に通信する発振部分をさらに含む。所望により、ポインタ端上に及ぼされる圧力は、可変要素の方への少なくとも1つの導電性要素の運動を引き起こす。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の例示的な非限定的実施形態は、以下の説明において、本明細書に添付される図面を参照しながら記載される。図中、2つ以上の図に現れる同一および類似の構造、要素またはその部分は、一般に、それらが現れる図において同じまたは類似の参照番号で標識されている。図において示される構成要素および特徴の寸法は、主に便宜上および提示の明確さのために選択されており、必ずしも一定の縮小比で示していない。
【0020】
【図1】図1は、本発明の例示的実施形態によるデジタイザに近接する電磁スタイラスを示す図である。
【0021】
【図2A】図2Aは、本発明の例示的実施形態による電磁スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0022】
【図2B】図2Bは、本発明の例示的実施形態による同期化回路の構成を示す回路図である。
【0023】
【図3】図3は、本発明の例示的実施形態による電磁スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0024】
【図4A】図4Aは、本発明の例示的実施形態による高電圧電磁スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0025】
【図4B】図4Bは、本発明の例示的実施形態によるスタイラスに送信された例示的な励磁波形である。
【0026】
【図5】図5は、本発明の例示的実施形態による電源として再充電可能な電池を使用するスタイラス構成を示す概略図である。
【0027】
【図6A】図6Aは、本発明の例示的実施形態による二重電源電磁スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0028】
【図6B】図6Bは、本発明の例示的実施形態による図6Aのトランジスタに等価な構成を示す回路図である。
【0029】
【図7】図7は、本発明の例示的実施形態によるスタイラス端および発振器出力の波形のダイヤグラムである。
【0030】
【図8A】図8Aは、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0031】
【図8B】図8Bは、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスを使用して得られた相対的な周波数範囲のダイヤグラムを示す。
【0032】
【図9A】図9Aは、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0033】
【図9B】図9Bは、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスを使用して得られた周波数に対する周波数範囲のダイヤグラムを示す。
【0034】
【図10】図10は、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスの概略図である。
【0035】
【図11A】図11Aは、本発明の例示的実施形態による二重電源感圧スタイラスの電気的構成を示す概略図である。
【0036】
【図11B】図11Bは、本発明の例示的実施形態による発振器の例示的回路図である。
【0037】
【図11C】図11Cは、本発明の例示的実施形態による一連の抵抗器の電気的構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、デジタイザのような位置検出システムに関連して説明される場合に最も良好に理解される。開示内容が参照として本明細書中に援用される「Transparent Digitizer」と称する、米国特許出願第10/649708号および米国特許第6690156号は、平面スクリーン表示装置上に位置されるスタイラスのような、複数の物理的対象物を検出できる位置検出装置を記載する。両方の開示における好ましい実施形態の1つは、垂直および水平の導体のマトリックスを含む透明な箔で作られるセンサを記載する。所望により、電磁スタイラスは、タブレットパーソナルコンピューター(タブレット「PC」)、スタイラス使用可能ラップトップ型PC、携帯情報端末(「PDA」)、または携帯電話のような任意の携帯装置のうちの1つの使用および制御のためのものである。スタイラスは発振回路を含み、それはセンサを囲む周辺コイルによってエネルギーを与えられる。スタイラスの正確な位置は、センサによって感知される信号を処理することによって決定される。所望により、スタイラスは印字能力と電磁機能とを兼ね備える。
【0039】
上の開示は、透明なデジタイザを使用して、または受動電磁スタイラスを使用して、デジタイザを表示スクリーン上に配置することを記載するが、本発明は、所望により図1に示されるような本明細書中に記載される装置と共に使用することができる電磁スタイラスであることが理解されるべきである。デジタイザ100は、極めて高い分解能かつ高い更新速度で、少なくとも1つのポインタの位置を検出するということが理解されるべきである。ポインタは、スタイラス102、使用者の指(すなわち、接触)、ゲーム部品、および/またはスクリーンに触れる任意の導電性物体のいずれかであることができる。所望により、ポインタは、スクリーンの上に位置されるだけであり、スクリーンに接触しない。ポインタは、指示するため、塗りつぶすため、書き込むため(手書き認識)、および装置と使用者の相互作用に典型的な任意の他の活動のために使用されることができる。システムは、単一または複数の指接触を検出することができる。システムは、いくつかの電磁対象物を、別個にまたは同時に検出することができる。ある場合において、指接触の検出は、スタイラス検出と組み合わせて使用される。本明細書中に記載されるように、デジタイザシステムと共に使用されることができるポインタは、以下に記載されるようなスタイラスである。
【0040】
単一電源部分での例示的実施形態
図2Aは、本発明の例示的実施形態による電磁スタイラス102の電気的構成の概略図200を示す。本発明の例示的実施形態において、EMスタイラス102(図1)は、少なくとも3つの主要な部分:電源部分202、発振部分204、および送信部分206を含む。スタイラスの主要な部分に対するこれら3つの呼称は、部分の内部作用の変化にかかわらず、以下の明細書を通して固守される。一般に、図面のうちの1つにおいて示される部分の実施形態は、スタイラスの第2の実施形態における同じ部分と交換可能であるか、またはほぼ交換可能である。
【0041】
本発明の例示的実施形態において、電源部分202は、以下により詳細に記載されるエネルギーピックアップ回路として設計され、それはデジタイザ100によって送信される電磁波からエネルギーを受信する。送信されたEM波は、誘導器208上に電流を誘導し、これは本発明のある例示的実施形態に従ってダイオードブリッジ226を通って蓄電器210を充電する。誘導器208は、送信されたEMエネルギーを利用するその能力を規定する寄生容量を有する。寄生容量は、誘導器の共振周波数、所望によりエネルギー受容が最も効果的な周波数を決定する公知の特徴である。
【0042】
本発明の例示的実施形態において、蓄電器210はデジタイザによって送信されたエネルギーを蓄積し、発振部分204に位置される発振器212への電源として作用する。本発明の例示的実施形態において、発振器212の発振周波数は、蓄電器210を充電するためにエネルギーピックアップ回路を通してデジタイザによって送信されるEM波から完全に独立している。発振器212の出力は、所望により送信部分206に連結される。この実施形態において、変圧器214は送信部分206中に位置され、発振信号の電圧を増幅し、そして本発明のある例示的実施形態において、それをスタイラス端216およびスタイラス端216を囲む開口218と連結させる。本発明の例示的実施形態において、スタイラス102は、電場をデジタイザ100上に位置されるセンサに送信する。しかし、他のスタイラス実施形態は、電場に追加してまたは電場の代わりに磁場を送信してもよい。
【0043】
本発明の例示的実施形態において、エネルギーピックアップ回路はデジタイザ100上に位置される周辺コイルから信号を受信する。所望により、エネルギーピックアップ回路は、デジタイザ100上に位置される少なくとも1つのループコイルから信号を受信する。周辺コイルは、EM場を生成する特定の周波数のAC信号を送信する。スタイラス102が前記EM場の範囲内に位置されるとき、電流がエネルギーピックアップ回路内の誘導器208上に誘導される。誘導された電流はAC電流であるので、ダイオードブリッジ226または同等の整流回路が、本発明のある例示的実施形態に従って蓄電器210を充電するために使用される。充電された蓄電器210は、所望により電圧調節回路220に接続され、これは発振器212が、固定されかつ安定した電圧供給で提供されることを確実にする。本発明の例示的実施形態において、蓄電器210によって生成される電圧レベルは、誘導器208上に誘導される電流の量を反映する。誘導器208上に誘導された電流は、センサに対するスタイラス位置、スタイラスの傾斜などの種々の要因に依存する。本発明の例示的実施形態において、電圧調節回路220は、発振器212がその操作のために必要とされる、正しくかつ安定した電圧レベルで提供されることを確実にする。
【0044】
本発明の例示的実施形態において、スタイラス信号はデジタイザシステムと同期される。デジタイザシステムの操作サイクルは、所望により以下の通りである:
・励磁相
・周辺コイルはセンサの付近にEM場を送信する。
・スタイラス102は、指定された蓄電器210中に送信されたエネルギーを蓄積する。この時間の間、発振器212は使用禁止になる。
・検出相
・デジタイザ100は周辺コイルを通る送信を停止する。
・発振器212は使用可能になり−AC信号をデジタイザセンサに送信する。
【0045】
励磁相の間、センサを含む導電性アンテナは、スタイラス102にエネルギーを与える同じEM場の影響下にある。これらの条件下では、励磁周波数がスタイラス周波数と異なっていても、検出システムは飽和されているかもしれないので、スタイラス信号をピックアップするのは難しい。したがって、本発明の例示的実施形態において、デジタイザ100は検出相時にセンサのアンテナをサンプリングする。
【0046】
別個の励磁相および検出相を使用する別の利点は、発振器212が使用禁止であるときその電力消費が最小化されることであり、これは蓄電器210の効果的かつ十分な充電を可能にする。他の実施形態は、所望によりスタイラス受信とスタイラス送信を同時に使用する。本発明の例示的実施形態において、検出ユニットの飽和は、スタイラス周波数よりもはるかに高いかまたははるかに低い周波数で励磁信号を送信することによって受信および送信を同時に使用して避けられる。
【0047】
本発明の例示的実施形態において、発振器212に提供される使用可能信号222は、電源部分202の一部である同期化回路224において発生される。本発明の例示的実施形態において、同期化回路224は、デジタイザ100が励磁信号の送信を停止するとすぐに使用可能信号222を使用して発振器212を起動する。所望により、受信された信号の一部は、同期化回路224に転送される。本発明の例示的実施形態において、同期化回路224は、誘導器208上の発振信号を感知し、ひとたび誘導器208上の発振が停止すると発振器212を使用可能にする。本発明のある例示的実施形態において、安定した電圧が電圧調節回路220によって同期化回路224に提供される。
【0048】
図2Bは、本発明の例示的実施形態による同期化回路の回路図250を示す。同期化は、所望によりダイオードブリッジ226の出力の負荷電流を測定することによって実施される。励磁相が終わるとすぐに、ダイオードブリッジ226から蓄電器210への電流は途絶える。
【0049】
本発明の例示的実施形態によれば、同期化回路224内の第2の蓄電器252は充電され、それが特定のレベルに達したときに蓄電器252は発振器212を起動する。同期化回路224は2つの入力信号を受信し、第1の入力信号254は電圧調節回路220によって提供される安定な電圧レベルであり、第2の入力信号256はダイオードブリッジ226の出力である。同期化回路224の出力は、発振部分204に対して使用可能信号222として作用する。好ましい実施形態において、同期化回路224の出力は、シュミットトリガー(図示せず)を通って発振器に接続される。第1の入力信号254は、蓄電器252を充電するために利用される。しかし、第2の入力信号256からの入力信号は、トランジスタ258を開放し、蓄電器252を放電させる。蓄電器260は、DC信号を取り除くために使用され、AC信号のみをトランジスタの258ゲートに到達させる。抵抗器262は蓄電器252の充電速度を設定する。抵抗器262は、第2の入力信号256上の入力パルスが依然として存在する限り蓄電器252が完全には充電されないことを確実にするように選択される。ひとたび励磁相が終了すると、蓄電器252はトランジスタ258を通して充電され、使用可能信号222が設定される。
【0050】
本発明のある例示的実施形態において、発振器212は、励磁信号の開始後に始まるように、励磁相の開始のような異なる時点に同期される。所望により、励磁信号のパターンは制御される。例えば、励磁信号は、間に信号間隙を有する2つの部分に分けられ、発振は信号間隙内の任意の時点に同期される。
【0051】
本発明のある例示的実施形態において、送信されたスタイラス信号とデジタイザシステムとの間の同期化を必ずしも必要としない、異なるタイプの感知および/または励磁手段が使用される。これらの場合において、同期化回路224は所望により省かれる。
【0052】
図3を参照すると、本発明の例示的実施形態による電磁スタイラス102の電気的構成を描く概略図300が示される。本発明の例示的実施形態において、デジタイザ100上の周辺コイルは、特定の周波数のAC信号を送信し、それはデジタイザ上に位置されるセンサの付近にEM場を生成する。スタイラス102が前記EM場の範囲内に位置されるとき、エネルギーピックアップ回路内の誘導器208上に電流が誘導される。所望により、誘導器208はコイルである。誘導される電流はAC電流であるので、ダイオードブリッジ226または同等の整流回路が、蓄電器210を充電するために使用される。エネルギーピックアップ回路はまた、上に記載される同期化回路224、および本発明のある例示的実施形態において「パワーグッド」回路302からなる。本発明のある例示的実施形態によれば、「パワーグッド」回路302は、発振器212がその操作のために必要とされる正しい電圧レベルで提供されることを確実にする。本発明の例示的実施形態において、発振部分204に提供される電圧はDC電圧である。
【0053】
発振器212に提供された使用禁止信号304は、「パワーグッド」回路302において発生される。本発明の例示的実施形態において、「パワーグッド」回路302は、電圧が特定の予め決められた閾値を下回った場合に発振器212を使用禁止にする。所望により、閾値は発振器212が本発明の実施形態に従って機能するために必要な最小電圧に設定される。「パワーグッド」回路302は、蓄電器210上に形成される電圧を測定する。所望により、「パワーグッド」回路302は、2つの入力信号を受信し、第1の入力信号は電圧調節回路220によって提供される安定な電圧レベルであり、第2の入力信号はダイオードブリッジ226の出力である。「パワーグッド」回路302の出力は、発振部分204に対する使用禁止信号304である。
【0054】
本発明の例示的実施形態において、送信部分206は、発振器212に操作可能に接続されている。本発明の例示的実施形態において、蓄電器310は、発振器出力により高いインピーダンスを導入するために、変圧器214内の二次コイルに加えられる。静電容量310のために、発振器の出力信号は強化される。静電容量310および変圧器214の結合された衝撃は、本発明の目的のために十分な電場をスタイラス端216、218に発生する。他の実施形態は、蓄電器310の助けなしで変圧器214を使用することは十分であることを見出すことができる。
【0055】
図4Aにおいて、本発明の例示的実施形態による高電圧電磁スタイラスの概略図400が描かれる。図4Aに示される実施形態において、発振器212に提供される電圧レベルは、図2Aに描かれる実施形態よりも有意に高い。本発明の例示的実施形態において、第1の蓄電器402および第2の蓄電器404は、誘導器208によってピックアップされたEMエネルギーを蓄積するために直列に配置される。誘導器208は、デジタイザ100によって誘導された、図4Bに示されるEM場450で発振する。発振の正相452の間、第1の蓄電器402は第1のダイオード406を通して充電される。発振の負相454の間、第2の蓄電器404は第2のダイオード408を通して充電される。本発明のある例示的実施形態において、上記のような「パワーグッド」回路は、発振器212がその操作のために必要とされる正しい電圧レベルで提供されることを確実にするために使用される。
【0056】
本発明の例示的実施形態において、図5に示されるように、再充電可能な電池式スタイラス500が所望により使用される。再充電可能な電池502は、所望によりダイオード506、ダイオードブリッジ、または他の整流手段と組み合わせた誘導器504のようなエネルギーピックアップ回路によって充電される。追加的にまたは代替的に、電池502は、ホスト計算機装置またはデジタイザシステム内の指定された空間において充電されることができる。ある場合において、電池502は、固定されかつ安定した電圧を発振器212に提供するとき、他の実施形態の電圧調節回路は必要ではない。所望により、太陽電池のような他の電源ユニットが使用される。本発明のある例示的実施形態において、発振器212からの信号の発生とデジタイザ100からの励磁信号を同期させるために、同期化回路が電源部分202に加えられる。所望により、電圧が特定の予め決められた閾値を下回る場合に発振器212を使用禁止にするために、「パワーグッド」回路302が電源部分202に加えられる。
【0057】
1つより多い電源部分での例示的実施形態
図6Aは、本発明の例示的実施形態による二重電源電磁スタイラスの電気的構成が描かれる概略図600を示す。本発明のある例示的実施形態において、EMスタイラスは、少なくとも4つの主要な部分:発振器電源部分202;発振部分204;端電源部分202’;および送信部分206からなる。本発明の例示的実施形態において、発振器電源部分202は、エネルギーピックアップ回路として、所望により本明細書中に記載される他のエネルギーピックアップ回路に類似のものとして設計され、それはデジタイザ100によって送信された電磁波からエネルギーを受信し、発振部分204に供給する。本発明のある例示的実施形態において、上に記載されるような「パワーグッド」回路が、発振器212がその操作のために必要とされる正しい電圧レベルで提供されることを確実にするために使用される。発振器212の周波数およびデジタイザ100から発振器電源部分202に送信される波形の周波数は、決して相関しない。発振器212は、送信部分206において見出されるトランジスタ610に操作可能に接続される。トランジスタ610は、本発明のある例示的実施形態において端216に対するオフ/オンスイッチとして機能する。
【0058】
本発明の例示的実施形態において、以下に記載されるように、電源部分202’は蓄電器を充電するために使用される。これは、所望により第1の蓄電器618および第2の蓄電器620に誘導器616からのエネルギーを負荷することによって達成される。本発明の例示的実施形態において、第1の蓄電器618および第2の蓄電器620は、誘導器616によってピックアップされたEMエネルギーを蓄積するために直列に配置される。誘導器616は、デジタイザ100によって誘導されたEM場で発振する。発振の正相の間、第1の蓄電器618は第1のダイオード612を通して充電される。発振の負相の間、第2の蓄電器620は第2のダイオード614を通して充電される。直列の2つの蓄電器618、629がダイオード612、614を通って誘導器616に接続されるこの構成は、所望によりコレクタ端子として知られるトランジスタ610の端子622のうちの1つに相対的に高い電圧を供給するために使用される。この構成は、電圧ダブラーとして公知である。本発明は、本明細書中に記載される電圧ダブラーに限定されず、スタイラス端216に十分高い出力電圧を供給するいかなる構成も好適であろう。本発明のある例示的実施形態において、少なくとも9Vがスタイラス端216に供給される。所望により、15Vまでがスタイラス端216に供給される。
【0059】
本発明の例示的実施形態において、端電源部分202’は、コレクタ端子622に接続される。発振器出力624は、トランジスタ610の底部に接続され、トランジスタ内の電流の流れを制御する。コレクタ端子622はまた、本発明の例示的実施形態においてスタイラス端216に接続される。本発明のある例示的実施形態において、トランジスタ610は、二極性接合形トランジスタ(「BJT」)である。トランジスタ610は、図6Bにおいてみられるように出力蓄電器652と組み合わせられるスイッチ650に類似していると言うことができる。発振器出力624は、本発明の例示的実施形態においてスイッチ650を制御する。スイッチ650が開放されるとき、蓄電器652は本発明の例示的実施形態に従って端216を操作するのに必要な電圧まで充電される。スイッチ650が閉じられるとき、それは蓄電器652を放電させる。
【0060】
本発明の例示的実施形態において、誘導器208および616は、単一のフェライトコア(図示せず)の周りに結合される。他の実施形態は、誘導器208および616のそれぞれに1つずつ、2つの別個のフェライトコアを有する。さらに、2つの型のフェライトコアを接続してまたは別個にのいずれかで使用することが可能である。異なる特性の2つのフェライトコアを使用することは、コアをスタイラスの寸法に合わせること、およびエネルギー受容を最大にすることにおいてほとんどの場合有利である。
【0061】
図7を参照すると、本発明の例示的実施形態による発振器出力624での波形およびスタイラス端216で生じる波形が、示される。発振器出力624が高いときV1702、電流はトランジスタ610を通って流れることができ、トランジスタの内部静電容量を放電704させる。発振器出力が低く、706であるとき、トランジスタ610内の内部静電容量は端電源部分202’によって供給される電圧V2708まで充電710される。端電源部分202’とともにトランジスタ610は、所望により本発明のある例示的実施形態において図2Aに記載される送信部分206に取って代わる。この構成は、所望によりスタイラス端216における相対的に高い信号振幅(V2)を確実にしながら、デジタイザ100によって送信されたエネルギーのより良好な利用を可能にする。本発明は送信部分206でのBJTの使用、または出力静電容量の使用に限定されない。スタイラス端216での好適なAC信号を可能にするいかなる構成も、所望により送信部分として使用されることができる。
【0062】
例示的な感圧実施形態
本発明のある例示的実施形態において、スタイラス上に及ぼされる圧力の変化に従って発振周波数を調節することができるスタイラスが提供される。所望により、圧力はスタイラスの端に及ぼされる。追加的にまたは代替的に、圧力はスタイラスの外面上に及ぼされる。所望により、少なくとも1つのボタンが、使用者がスタイラス上に圧力を及ぼすために使用されるためにスタイラスの外面上に位置される。所望により、及ぼされた圧力は、マウスエミュレーション(「右クリック」など・・・)、消去および/または色変化のような異なる機能を達成するために使用される。
【0063】
図8Aは、本発明の例示的実施形態による感圧スタイラスの電気的構成を示す概略図800である。電源および送信部分は、所望により本明細書に詳細に記載されているものに類似している。本発明の例示的実施形態において、蓄電器および抵抗器802の組合せは、スタイラスの発振周波数を制御するために使用される。スタイラス端に適用される圧力は、所望により蓄電器806に並列に接続される可変蓄電器804を変調する。本発明のある例示的実施形態において、追加の蓄電器808は機械式スイッチ810を通して並列に接続される。機械式スイッチ810は、所望によりスタイラス外被上に位置される使用者操作ボタンによって操作される。ボタンは一般的に発振器812の発振周波数を変えるために使用されるが、本発明の例示的実施形態において、スタイラスの側面ボタンの機能性は、スタイラスがマウスエミュレーションのために使用されるときに「右クリック」操作を提供することである。本発明の例示的実施形態によれば、3つの蓄電器804(C1)、806(C2)、808(C3)すべての総静電容量は、発振器812の発振周波数を決定する。機械式スイッチ810がオフであり、回路から蓄電器808を除き、端に圧力が適用されていないとき、総静電容量はCTotal=C1+C2と表わされることができる。本発明は可変蓄電器に限定されず;所望により可変インダクタンスが使用される。
【0064】
図8Bは、本発明の例示的実施形態による、感圧スタイラスを使用して獲得される相対周波数範囲の図850を示す。機械式スイッチ810がオフであるとき、総静電容量は発振周波数を特定の値f1に設定するだろう。可変蓄電器840は、所望により静電容量の有限な相対的に小さな範囲内に調整されるので、発振周波数は対応する有限の範囲の周波数[f1・・・・・f2]852内で変化する。機械式スイッチ810がオンにされるとき、追加の蓄電器808が方程式に加えられ、総静電容量の式をCTotal=C1+C2+C3にする。本発明の例示的実施形態において、追加の蓄電器808は周波数範囲の[f3・・・・・f4]852へのシフトを、周波数範囲852と854との間の完全な区別を可能にする方法で生成する。周波数の検出された変化は、変化に対応する動作を実行するための信号をデジタイザ100に送る。
【0065】
図9Aは、可変蓄電器902が一次蓄電器904に直列で接続されている感圧スタイラスの例示的な実施形態の概略図900である。スタイラス外被上のボタンは、可変蓄電器902を発振回路から除く機械式スイッチ906を制御する。機械式スイッチ906がオフであるとき、すなわちそれが開放しているとき、総静電容量は:
として表わされることができる。本発明のこの例示的実施形態において、周波数は図9Bにみられるように、相対的に小さな有限の範囲[f1・・・・・f2]952内で変化する。スタイラス端に圧力が適用されないとき、発振器周波数はf1954またはf2956のいずれかである。機械式スイッチ904がオンであるとき、すなわちそれが閉鎖しているとき、総静電容量は一次蓄電器904の静電容量である。本発明の例示的実施形態において、これはf3958の発振器周波数を生じる。
【0066】
本発明のある例示的実施形態において、スタイラス周波数を単一の周波数または追加の範囲の周波数のいずれかに変化させるために、複数のボタンが使用されることに注意するべきである。このようなボタンは、消去または色の変化のような機能性を提供するために使用されることができるだろう。
【0067】
図10は、感圧スタイラス1000の例示的実施形態の概略図を示す。本発明のある例示的実施形態において、少なくとも1つの蓄電器と少なくとも1つの抵抗器との組合せが、スタイラス1000の発振を制御するために使用される。本発明の例示的実施形態において、スタイラス端1002に適用された圧力は、スタイラス端1002の付近に位置される可変抵抗器1004を変調する。可変抵抗器1004は2つのフェライトの間に位置される。本発明のある例示的実施形態において、誘導器は第1のフェライト1006の周りに巻きつけられる。第1のフェライト1006は、所望により凹所を与えられ、そこに可変抵抗器1004が位置され、所望によりそこに第2のフェライト1008が位置されることができる。本発明のある例示的実施形態において、スタイラス1000が使用されていないとき、第2のフェライト1008の外面に位置されるO−リング1010は、可変抵抗器1004に対する過度の力を防ぐために2つのフェライトの間の空間を維持する。所望により、O−リング1010は弾性材料で構築されている。本発明の例示的実施形態において、O−リング1010は、スタイラス端1002の移動を助ける。例えば、圧力がスタイラス端1002に適用されたとき、スタイラス端1002および第2のフェライト1008は可変抵抗器1004の方へと移動する。この移動は、端1002および第2のフェライト1008の周りに弾性的に位置されるO−リング1010に捩り力を受けさせる。本発明の例示的実施形態において、スタイラス1002上の圧力が開放されるとき、O−リング1010はその元の位置に戻り、その捩りエネルギーを開放し、スタイラス端1002および第2のフェライト1008の可変抵抗器1004から離れる移動、およびそれらの元の位置に戻る移動を提供する。他の導電性要素も所望によりフェライトの代わりに使用されることができることに注意するべきである。本発明のある例示的実施形態において、可変抵抗器1004は発振部分204に接続される。所望により、接続は可撓性コードを介して接続される。本発明は、可変抵抗器の特有の位置に限定されない。所望により、可変抵抗器はスタイラスに対して異なる箇所に配置される。
【0068】
可変抵抗器1004上に力が適用されない限り、抵抗器1004の抵抗は「無限」として言及される。本発明の例示的実施形態において、抵抗器1004の抵抗は、その上に適用される機械的圧力の関数として減少する。
【0069】
本発明のある例示的実施形態において、可変抵抗器1004は、所望により図8Aおよび9Aに示される実施形態において記載される蓄電器のうちのいくつかまたは全てに代わるものとして使用される。
【0070】
図11Aは、本発明の例示的実施形態による、二重電源の感圧スタイラスの電気的構成を示す概略図1100である。本発明のある例示的実施形態において、発振部分204は発振器212への2つの入力信号、すなわち「パワーグッド」回路(例えば図3に描かれる「パワーグッド」回路302)からの使用禁止信号1104、および同期化回路(例えば図2Aに描かれる同期化回路224)からの使用可能信号1106を受信する。所望により1つより多い発振器が使用される。
【0071】
図11Bは、本発明の例示的実施形態による発振器212の例示的な回路図である。それは所望により2つの入力:使用禁止信号1104および使用可能信号1106を受信する。本発明のある例示的実施形態において、発振器212は、回路を駆動するために、電源ユニット、例えば図2Aの電源部分202への操作可能な接続(図示せず)を与えられる。発振器は、所望により少なくとも1つの緩衝装置1110、1つの「非」緩衝装置1112、1つの蓄電器1114、および2つの抵抗器1116、1118からなる。本発明の例示的実施形態において、第2の抵抗器1118は実際は図11Cに示される抵抗器のパターンであり、可変抵抗器1120を含む。
【0072】
図11Cは、本発明の例示的実施形態による、実際には抵抗器のパターンである抵抗器1118の電気的構成を示す概略図である。本発明のある例示的実施形態において、可変抵抗器1120は、抵抗器1122に並列で接続される。2つの抵抗器1120(R1)、1122(R2)は第3の抵抗器1124(R3)に直列で接続される。
【0073】
追加の抵抗器1126(R4)は、所望により機械式スイッチ1128を使用して直列に接続される。スイッチは、スタイラス外被上に位置されるボタンのような制御インターフェースによって操作される。本発明の例示的実施形態において、スタイラスのボタンの機能性は、スタイラスがマウスエミュレーションのために使用されるときに「右クリック」操作を提供することである。4つの抵抗器1120、1122、1124、1126すべての総抵抗は、発振器212の発振周波数を決定する。機械式スイッチ1128がオフであり、回路から追加の抵抗器1126を除き、端に圧力が適用されていないとき、総抵抗は:
として表わされることができる。本発明の例示的実施形態において、総抵抗は発振周波数を特定の値f1に設定するだろう。可変抵抗器1120は、所望により抵抗の有限な範囲内に調整されるので、発振周波数は対応する有限の範囲の周波数[f1・・・・・f2]852内で変化する。
【0074】
機械式スイッチ1128がオンにされるとき、追加の抵抗器1126が方程式に加えられ、総抵抗の式を:
とする。本発明の例示的実施形態において、追加の抵抗器1126は周波数範囲の[f3・・・・・f4]854へのシフトを生成する。周波数範囲852の854に対する差は、デジタイザ100によって2つの間の区別を可能にするために重要である。上記のように、異なって検出された周波数は、所望によりデジタイザにそれらの検出された周波数に関連する命令を実行させる。本発明のある例示的な実施形態において、本明細書中に記載される抵抗器のパターンに機能的に代わるものが使用される。
【0075】
本発明の例示的実施形態において、発振部分204内で温度補償ユニットが使用される。この温度補償ユニットは、本発明の例示的実施形態によれば、温度の変化によるシステムの周波数変化を避けるために、温度の変化が起こったときに補償を担う。温度補償ユニットは、所望により温度の関数としてその抵抗を変化させる可変抵抗器からなる。
【0076】
本発明は、例示として提供されるその実施形態の限定されない詳細な説明を使用して説明されており、本発明の範囲を限定しようとするものではない。1つの実施形態に関して記載された特徴および/または工程は、他の実施形態で使用されることができること、および本発明の全ての実施形態が、特定の図面において示されたか、または実施形態のうちの1つに関して記載された特徴および/または工程の全てを有するわけではないことが理解されるべきである。記載された実施形態の変形は、当業者が思いつくであろう。さらに、用語「含む(comprise)」、「含む(include)」、「有する(have)」およびそれらの活用形は、明細書および特許請求の範囲において使用されるとき、「含むが必ずしも限定されない」ということを意味するだろう。
【0077】
記載された実施形態のうちいくつかは、発明者によって企図される最良の形態を記載し、それゆえ本発明に必須ではない、実施例として記載される構造、行為、または構造および行為の詳細を含むことができるということに注意されたい。本明細書中に記載される構造および行為は、構造または行為が異なっていても同じ機能を実行する、当該分野において公知の均等物によって置き換えられる。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲において使用される要素および限定によってのみ制限される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタイラス端;
スタイラス端に適用される圧力に応じて移動する、スタイラス中に位置される少なくとも1つの移動要素;
前記移動要素の運動時に弾性要素に捩り力が適用され、前記弾性要素の捩り力が前記移動要素の運動に対抗し、前記移動要素を前記運動の前に存在した状態に戻すように、前記少なくとも1つの移動要素の外周の周りに適合され、かつスタイラスの外被に連結される少なくとも1つの弾性要素、
を含む、デジタイザシステムに使用するためのスタイラス。
【請求項2】
前記弾性要素はO−リングである、請求項1に記載のスタイラス。
【請求項3】
前記移動要素は導電性要素である、請求項1または2に記載のスタイラス。
【請求項4】
可変要素の方への前記少なくとも1つの移動要素の運動に応じて変調する可変要素をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタイラス。
【請求項5】
前記導電性要素はフェライトである、請求項4に記載のスタイラス。
【請求項6】
前記可変要素は抵抗器である、請求項4に記載のスタイラス。
【請求項7】
前記可変要素は蓄電器である、請求項4に記載のスタイラス。
【請求項8】
前記可変要素と有効に通信する発振部分をさらに含む、請求項4、6または7のいずれか1項に記載のスタイラス。
【請求項9】
前記スタイラス端上に及ぼされる圧力は、前記可変要素の方への前記少なくとも1つの移動要素の運動を引き起こす、請求項4または6〜8のいずれか1項に記載のスタイラス。
【請求項1】
スタイラス端;
スタイラス端に適用される圧力に応じて移動する、スタイラス中に位置される少なくとも1つの移動要素;
前記移動要素の運動時に弾性要素に捩り力が適用され、前記弾性要素の捩り力が前記移動要素の運動に対抗し、前記移動要素を前記運動の前に存在した状態に戻すように、前記少なくとも1つの移動要素の外周の周りに適合され、かつスタイラスの外被に連結される少なくとも1つの弾性要素、
を含む、デジタイザシステムに使用するためのスタイラス。
【請求項2】
前記弾性要素はO−リングである、請求項1に記載のスタイラス。
【請求項3】
前記移動要素は導電性要素である、請求項1または2に記載のスタイラス。
【請求項4】
可変要素の方への前記少なくとも1つの移動要素の運動に応じて変調する可変要素をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタイラス。
【請求項5】
前記導電性要素はフェライトである、請求項4に記載のスタイラス。
【請求項6】
前記可変要素は抵抗器である、請求項4に記載のスタイラス。
【請求項7】
前記可変要素は蓄電器である、請求項4に記載のスタイラス。
【請求項8】
前記可変要素と有効に通信する発振部分をさらに含む、請求項4、6または7のいずれか1項に記載のスタイラス。
【請求項9】
前記スタイラス端上に及ぼされる圧力は、前記可変要素の方への前記少なくとも1つの移動要素の運動を引き起こす、請求項4または6〜8のいずれか1項に記載のスタイラス。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【公開番号】特開2011−123905(P2011−123905A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12(P2011−12)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【分割の表示】特願2007−544011(P2007−544011)の分割
【原出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(507182210)エヌ−トリグ リミテッド (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【分割の表示】特願2007−544011(P2007−544011)の分割
【原出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(507182210)エヌ−トリグ リミテッド (10)
【Fターム(参考)】
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