説明

デジタルカメラ

【課題】デジタルカメラにおいて、画像の分類が簡単にでき、かつ画像の検索が容易にできるようにする。
【解決手段】フォルダ作成SWを押してからシャッタボタンを押すと、メモリカード27にフォルダFL_1が新規に作成されるとともに、撮影された時計台41の画像データ42がフォルダFL_1内に画像ファイルGF_1の一部として格納される。画像ファイルGF_1には、画像データ42から自動的に縮小作成されたサムネイルデータ43が収納されるとともに、フォルダFL_1を表すフォルダアイコンのリンクデータとしてサムネイルデータ43が指定され、フォルダFL_1のフォルダアイコンとして時計台41のサムネイルが表示される。以後の撮影は、フォルダ作成SWを押さずにシャッタボタンのみの押圧で行われ、撮影画像の画像データは、次のフォルダFL_2を作成するまでフォルダFL_1に格納される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに関し、更に詳しくは画像の分類を簡単にでき、かつ画像の検索を容易にできるデジタルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCDやCMOSイメージ・センサ等の固体撮像素子を用いて映像を電気信号に変換し、デジタルの画像データとしてメモリカードなどの記憶媒体に記憶するデジタルカメラが普及してきている。メモリカード1枚あたりの記憶容量は、技術の進歩により増加の一途をたどり、これまで8MB〜64MB程度であったものが、今や256MB〜1GBになり、記憶可能な画像データ(動画データも含む)は膨大な量になってきている。
【0003】
大量の画像データを1枚のメモリカードに蓄積できるようになると、複数枚のメモリカードを持ち歩く必要がなくなるなど便利な反面、必要な画像をすばやく見つけることができないという不都合な面も生じてくる。そこで、例えば特許文献1では、デジタルカメラに、撮影した画像の使用目的を指定する複数の分類指定キーを設け、分類指定キーに対応する複数のインデックス・ファイルを画像メモリ内に作成する。画像の表示中に、特定の分類指定キーを押すと、表示中の画像のファイル名を分類指定キーに対応するインデックス・ファイルに順に記述する。これにより、各画像データが使用目的別に分類整理されるから、パーソナルコンピュータに取り込んでからの処理が便利になる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−158947
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1には、4個の分類指定キーを設けた実施形態が記載されている。デジタルカメラの操作面の面積に限りがある以上、数多くの分類指定キーを設けることは物理的に不可能である。これをソフトウエアで代替えすることも考えられるが、分類指定の内容はインデックス・ファイルのファイル名であるテキストで表示される。分類数が少ないうちは問題ないが、多数になった場合、デジタルカメラの表示面積が小さい液晶モニタでは、ファイル名1つあたりのテキスト長は自ずと制限され、どのような画像が格納されているのか、その内容を把握することが困難になる。
【0006】
また、ソフトウエアでインデックス・ファイルのファイル名を表示する場合、ファイル名であるテキストはデジタルカメラの操作キーで入力することなるため、キーボードあるいは少なくとも携帯電話に使用されているようなキー群が必要となる。したがって、デジタルカメラの大型化を招く。また、たとえそのような入力機器を設けたとしても、ユーザは面倒なキー入力を強いられ、デジタルカメラの操作性が悪化する。
【0007】
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたもので、画像の分類を簡単にでき、かつ画像の検索を容易にできるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のデジタルカメラは、固体撮像素子を用いて撮影画像を電気信号に変換し、デジタルの画像データとして記憶媒体に記憶するデジタルカメラにおいて、前記画像データを格納するフォルダを記憶媒体に新規に作成するフォルダ作成手段と、前記フォルダを表すフォルダアイコンとして撮影画像を縮小して用いるアイコン作成手段と、前記フォルダ作成手段及びアイコン作成手段を撮影動作に連動させる連動手段とを設けたものである。また、前記フォルダ作成手段によって新規に作成されたフォルダには、このフォルダの作成以降に撮影された撮影画像の画像データが、次のフォルダが新規に作成されるまで、継続して格納されるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、デジタルカメラ10の前面には、撮影レンズ11,ファインダ対物窓12,ストロボ発光部13及びグリップ14が設けられ、このグリップ14の上部にはシャッタボタン15及びフォルダ作成スイッチ(SW)16が設けられている。このフォルダ作成SW16は、詳しくは後述するように、これを押してからシャッタボタン15を押し下げることにより、フォルダの新規作成とフォルダアイコンの作成とを撮影に連動させる連動手段として機能する。
【0010】
図2に示すように、デジタルカメラ10の背面には、ファインダ接眼窓18,モード切替スイッチ(SW)19,ズームボタン20,十字キー21,OKボタン22,キャンセルボタン23,表示ボタン24及び液晶モニタ25が設けられている。
【0011】
また、デジタルカメラ10の側面には、メモリカード27をセットするスロット28が設けられている。メモリカード27としては、スマートメディアが使用されるが、スマートメディアに限らず、例えばPCカードタイプのメモリカードなど各種のメモリカードを使用してもよい。
【0012】
前記モード切替SW19は、撮影を行う撮影モードと、メモリカード27に記録された画像を再生する再生モードと、各種設定を行う設定モードとを切り替える。撮影モードでは、液晶モニタ25は電子ビューファインダとして機能する。再生モードでは、液晶モニタ25にメモリカード27から読み出された撮影画像等が表示される。
【0013】
また、液晶モニタ25は省エネルギーのために不使用状態で、例えば10秒経過すると、電源が自動的にオフ(オートシャットオフ)されるが、表示ボタン24を押すことにより液晶モニタ25の画面表示がオートシャットオフ直前の状態に復帰する。
【0014】
デジタルカメラ10の電気的構成を示す図3において、撮影部30は、撮影レンズ11,CCD,A/Dコンバータ等からなる。撮影部30から出力される画像データは、jpeg等の圧縮方式で圧縮されており、バッファメモリ31に記憶される。CPU32は、データバス33を介して接続された装置各部を制御する。CPU32は、メディアコントローラ34を制御してメモリカード27へアクセスし、フォルダの作成を行ったり、画像データをバッファメモリ31から読み出してメモリカード27のフォルダに格納したり、また画像データを読み出したりする。
【0015】
操作部35には、シャッタボタン15,フォルダ作成SW16,モード切替SW19,ズームボタン20,十字キー21,OKボタン22,キャンセルボタン23,表示ボタン24などが含まれる。ROM36には、各種プログラム等が記録されている。このプログラムには、フォルダ作成プログラム,アイコン作成プログラムも含まれており、CPU32は、これらのプログラムをRAM37にロードし、プログラムに記述された各種ステップを実行する。VRAM38は、液晶モニタ25に各種画面や画像を出力するための画像出力手段である。
【0016】
このように構成されたデジタルカメラの作用を図4に示すフローチャートを参照して説明する。例えば、撮影のテーマを北海道旅行とした場合、まず北海道の代表的な風景、例えば時計台41(図5参照)を撮影テーマの代表画像として撮影する。この撮影に際しては、フォルダ作成SW16を押してから続けてシャッタボタン15を押す。これにより、撮影部30から出力された時計台41の画像データがバッファメモリ31に記憶されるとともに、ROM36に格納されているフォルダ作成プログラム及びアイコン作成プログラムがRAM37にロードされて起動する。
【0017】
CPU32は、フォルダ作成プログラムに従ってメモリカード27にフォルダFL_1を新規に作成してから、図5に示すように、時計台41の画像データ42をバッファメモリ31から読み出してフォルダFL_1に画像ファイルGF_1の一部として格納する。この画像ファイルGF_1は、画像データ42と、この画像データ42から自動的に縮小作成されるサムネイルデータ43と、画像データ42に対応する画像付帯情報44とから構成される。この画像付帯情報44は、撮影日時、データサイズ,撮影条件(シャッタースピード等)、撮影装置のID番号等からなり、自動的に記録される。
【0018】
CPU32は、フォルダFL_1に画像ファイルGF_1を格納した後、アイコン作成プログラムに従って、フォルダFL_1を表すフォルダアイコン51(図6参照)のリンクデータとして画像ファイルGF_1のサムネイルデータ43を指定する(図面では“GF_1”のみ示す)。これにより、前記フォルダアイコン51は、時計台41のサムネイル(縮小画像)で表示される。
【0019】
前記時計台41以降の撮影では、フォルダ作成SW16を押さずにシャッタボタン15のみを押す。これにより、以降の撮影画像の画像データは、次のフォルダFL_2を新規に作成するまで継続してフォルダFL_1に格納される。この結果、北海道旅行における撮影画像は全てフォルダFL_1に納められる。
【0020】
別のテーマで撮影を行う場合には、フォルダ作成SW16を押してからシャッタボタン15を押せば、その時の撮影画像のサムネイルをフォルダアイコンとするフォルダFL_2が新規に作成され、それ以降の撮影画像の画像データがフォルダFL_2に格納されるようになる。以下、テーマを変更する毎に、新規のフォルダFL_3,FL_4,・・・,FL_n(nは自然数)を作成する。
【0021】
撮影終了後に、再生モードに切り換えると、図6に示すように、液晶モニタ25の画面には、フォルダ,サムネイル,本画像をそれぞれ表示するメニュー46〜48が表示される。それぞれのメニュー46〜48には、「フォルダ」,「サムネイル」,「本画像」の文言が表記されたタブ46a〜48aが設けられている。十字キー21の左部または右部を押すと、カーソル49がタブ46a〜48a上の間を移動し、メニュー46〜48のうちいずれか1つが選択される(図8,図9参照)。
【0022】
再生モードに切り換えた直後では、デフォルトでフォルダメニュー46が選択されており、4個のフォルダFL_1,FL_2,FL_3,FL_4のフォルダアイコン51〜54が、それぞれ代表画像のサムネイルによって表示されている。この状態から十字キー21の下部を押すと、図7に示すように、フォルダアイコン51の周囲に例えば紺色の縁56が表示され、フォルダアイコン51が選択されたことを示す。
【0023】
更に十字キー21の下部を押せば、フォルダアイコン53が選択され、次に十字キー21の右部を押せば、フォルダアイコン54が選択されるというように、十字キー21の操作によって自在にフォルダアイコン51〜54を選択できる。また、フォルダアイコン54を選択した後、更に十字キー21の右部または下部を押すと、フォルダFL_5以降のフォルダが存在する場合には、フォルダメニュー46の画面が切り替わってフォルダFL_5以降のフォルダが表示される。
【0024】
例えば、フォルダアイコン51を選択してOKボタン22を押すと、図8に示すように、サムネイルメニュー47が表示され、フォルダFL_1内に格納されている北海道旅行中に撮影された各撮影画像がサムネイル表示される。サムネイルメニュー47が表示された直後では、画像ファイルGF_1が選択されている。この画面でも十字キー21を操作することによって画像ファイルGF_1〜GF_9のうちから1つを自在に選択できる。また、画像ファイルGF_9を選択した状態から、更に十字キー21の右部または下部を押すと、画像ファイルGF_10以降の画像ファイルが存在する場合には、サムネイルメニュー47の画面が切り替わってフォルダFL_10以降の画像ファイルが表示される。
【0025】
例えば、画像ファイルGF_1を選択した状態でOKボタン22を押すと、図9に示すように、本画像メニュー48が表示され、画像ファイルGF_1の画像データ42に基づいて撮影画像(この場合には代表画像と同じ)が画面いっぱいに表示される。この状態から、更に十字キー21の右部または下部を押すと、本画像メニュー48の画面が切り替わって画像ファイルGF_2以降の撮影画像が順次に表示される。
【0026】
なお、ユーザの都合や間違いで代表画像の画像データ42を消去しようとした場合には、消去操作を行った際に、例えば「代表画像ですが、消去しますか?」というような警告のダイアログが液晶モニタ25に表示される。そして、実際に代表画像の画像データ42を消去した場合には、フォルダFL_1のフォルダアイコン51が黒く表示されるとともに、例えば「代表画像が消去されました。新たに代表画像を選択して下さい。」というようなダイアログが液晶モニタ25に表示される。
【0027】
サムネイルメニュー47を表示して任意の撮影画像を選択してOKボタン22を押せば、フォルダFL_1を表すフォルダアイコンのリンクデータとして、選択された画像ファイルのサムネイルデータが指定され、フォルダFL_1を表すフォルダアイコンが選択された画像ファイルのサムネイルで表示される。これにより、撮影後に代表画像を選び直すことができる。
【0028】
また、前記ダイアログ「代表画像が消去されました。新たに代表画像を選択して下さい。」が表示された後、更に「“自分で選択”または“自動的に選択”のいずれかを選んで下さい。」というようなダイアログを表示するようにしてもよい。ここで“自動的に選択”を選んだ場合には、CPU32は、例えば2番目に撮影された撮影画像を選択する。
【0029】
このように、撮影開始当初に撮影テーマ別のフォルダを作成しておけば、そのフォルダに以降の撮影画像が自動的に格納され、しかもフォルダが撮影テーマの代表的な画像(代表画像)によって表示されるから、長期間が経過した後でも、撮影画像の検索に迷ったり手間取ることがなくなる。また、画像データをメモリカードからパーソナルコンピュータに転送する場合でも、フォルダごと転送すれば、フォルダが撮影テーマ別に分類されているから、パーソナルコンピュータであらためて分類整理する手間が省ける。
【0030】
なお、フォルダの下にサブフォルダを作成できるようにしてもよい。この場合、例えばフォルダ作成SW16を二度続けて押してからシャッタボタン15を押す等の作法によりサブフォルダが作成されるようにする。これにより、例えば、北海道旅行のフォルダFL_1の中に、利尻島や知床等、撮影地別のサブフォルダが作成され、よりきめ細やかな整理が可能となる。
【0031】
以上説明した実施形態では、新規にフォルダを作成する際に、フォルダ作成SWを押した後、続けてシャッタボタンを押すようにしたが、本発明はこれに限定されることなく、フォルダ作成SWを押しながらシャッタボタンを押すようにしてもよい。また、上記実施形態では、撮影画像として静止画を例に説明したが、動画でもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、フォルダがフォルダアイコンのリンクデータを持っており、代表画像のサムネイルデータとの関連付けを行ったが、本発明はこれに限定されることなく、例えばフォルダにタグを設け、このタグに代表画像との関連付け情報を書き込むようにしてもよい。
【0033】
また、1個のフォルダに一緒に格納される画像ファイルに共通の情報,例えばxを含むx1,x2,x3,・・・を記録しておき、その中の例えば情報x1を有する画像ファイルの画像を代表画像とするようにしてもよい。また、前記共通の情報としては、ファイル名でもよい。この場合、代表画像を有する画像ファイルのファイル名に代表画像であることを示す識別名を付加し、この識別名をフォルダが認識できるようにする。
【0034】
また、上記実施形態では、特にフォルダ分類用ファイル(インデックス・ファイル)を作成しなかったが、フォルダ作成プログラムがフォルダ分類用ファイルを自動作成し、このフォルダ分類用ファイルがフォルダと代表画像との関連付け情報を保有するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のデジタルカメラは、撮影動作に連動して、画像データを格納するフォルダを記憶媒体に新規に作成するとともにフォルダアイコンとして撮影画像を縮小して用いるから、撮影時に画像の分類が簡単にでき、かつ視覚的に見て直感的にフォルダ内の画像を類推できるから、画像の検索が容易にできる。この結果、パーソナルコンピュータ等を使用して後から撮影画像を分類整理するめんどうな作業をしなくても済むという効果も得られる。
【0036】
また、前記フォルダには、このフォルダの作成以降に撮影された撮影画像の画像データが、次のフォルダが新規に作成されるまで、継続して格納されるから、後から撮影画像を分類整理するめんどうな作業が不要になる。また、パーソナルコンピュータ等を使用して更に細かく分類する場合でも概ね分類整理されているから、作業が楽に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラの前方から示す外観斜視図である。
【図2】デジタルカメラの後方から示す外観斜視図である。
【図3】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】フォルダ作成のシーケンスを示すフローチャートである。
【図5】メモリカード内のファイル構造を示す説明図である。
【図6】フォルダメニューを示す説明図である。
【図7】フォルダメニューでフォルダFL_1を選択した状態を示す説明図である。
【図8】サムネイルメニューで画像ファイルGF_1を選択した状態を示す説明図である。
【図9】本画像メニューで画像ファイルGF_1の撮影画像を表示した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ
15 シャッタボタン
16 フォルダ作成SW
25 表示パネル
27 メモリカード
32 CPU
42 画像データ
43 サムネイルデータ
46 フォルダメニュー
47 サムネイルメニュー
48 本画像メニュー
51〜54 フォルダアイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体撮像素子を用いて撮影画像を電気信号に変換し、デジタルの画像データとして記憶媒体に記憶するデジタルカメラにおいて、
前記画像データを格納するフォルダを記憶媒体に新規に作成するフォルダ作成手段と、前記フォルダを表すフォルダアイコンとして撮影画像を縮小して用いるアイコン作成手段と、前記フォルダ作成手段及びアイコン作成手段を撮影動作に連動させる連動手段とを設けたことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記フォルダ作成手段によって新規に作成されたフォルダには、このフォルダの作成以降に撮影された撮影画像の画像データが、次のフォルダが新規に作成されるまで、継続して格納されることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2004−304619(P2004−304619A)
【公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−96485(P2003−96485)
【出願日】平成15年3月31日(2003.3.31)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】