説明

デジタルカメラ

【課題】デジタル一眼レフタイプのカメラに於いて、2つの撮像素子を用いてスルー画表示を実現することのできるデジタルカメラを提供することである。
【解決手段】デジタルカメラのメインミラー40が撮影光路から退避した状態に於いては、被写体光束に基づいて第1の画像データがメインCCD50にて生成される。一方、上記メインミラー40が撮影光路から退避していない状態に於いて、該メインミラー40により反射された上記被写体光束に基づいて、スルー画用CCD43にて第2の画像データが生成される。液晶モニタ26では、上記メインCCD50若しくはスルー画用CCD43により生成された画像データに基づいて被写体像が表示される。そして、ASIC55によって、液晶モニタ26の表示制御、メインCCD50及びスルー画用CCD43の駆動制御が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタルカメラに関し、より詳細には、観察中の画像と撮影中の画像とを表示画面に表示可能なデジタルカメラの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮影レンズ等の撮影光学系により結像される被写体像を、撮像素子によって光電変換し、これにより得られた画像信号に基づいて液晶モニタ等の画像表示装置に表示するカメラが一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、2つのCCDを有して、何れかのそれぞれのCCDから得られた画像信号の一方を出力するデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−330082号公報
【特許文献2】特開2000−333058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、撮像素子によって繰り返し撮像を行い、ほぼリアルタイムの動画像を表示装置に表示する、いわゆるスルー画表示を行うカメラが開発されている。
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されているようなデジタル一眼レフカメラは、クイックリターンミラーをアップさせることでCCDに撮像して撮像しているため、ミラーダウンの状態ではCCDに撮像させることができない。したがって、スルー画(ほぼリアルタイムの動画像)を表示装置に表示させることはできないものであった。
【0006】
また、上記特許文献2に記載のデジタルカメラは、2つのCCDを使用しているものの、低消費電力を目的としているものであり、スルー画表示への対応については何ら記載されていないものであった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、デジタル一眼レフタイプのカメラに於いて、2つの撮像素子を用いてスルー画表示を実現することのできるデジタルカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち請求項1に記載の発明は、撮影光学系と、上記撮影光学系を通過した被写体光学系を透過及び反射させるメインミラーと、上記メインミラーが撮影光路から退避した状態に於いて、上記被写体光束に基づき第1の画像データを生成する第1の撮像手段と、上記メインミラーが撮影光路から退避していない状態に於いて、該メインミラーにより反射された上記被写体光束に基づき第2の画像データを生成する第2の撮像手段と、上記第1の撮像手段若しくは第2の撮像手段により生成された画像データに基づいて被写体像を表示する表示手段と、上記表示手段による表示制御、上記第1の撮像手段及び第2の撮像手段の駆動制御を行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記第1の画像データ及び上記第2の画像データのうち、上記制御手段に供給される画像データを切り替えて出力する切り替え手段を更に具備することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、撮影準備動作の開始を指示する第1のスイッチと、上記第1の撮像手段による撮影動作の開始を指示する第2のスイッチと、上記第2の画像データに基づき、上記表示手段が被写体像を連続して表示するスルー画表示モードを設定する設定手段と、を更に具備し、上記制御手段は、上記設定手段の設定動作に連動して上記第2の撮像手段を駆動させることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明に於いて、上記制御手段は、上記第1のスイッチによる撮影準備動作開始の指示に連動して上記第1の撮像手段を駆動させることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明に於いて、上記制御手段は、上記第1のスイッチによる撮影準備動作開始の指示に伴い、該制御手段自身の処理の負荷が重いか否かを判断することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明に於いて、上記制御手段は、該制御手段自身の処理の負荷が重いと判断した場合には、上記表示手段によるスルー画表示のフレームレートを低下させることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明に於いて、上記制御手段は、所定の演算処理後、上記フレームレートを復帰させることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項3に記載の発明に於いて、上記制御手段は、上記第2のスイッチによる撮影動作開始の指示に連動して上記第2の撮像手段の駆動を停止させることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記制御手段は、上記撮影動作の終了後に、上記第2の撮像手段を再駆動させることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記制御手段は、特定用途向け集積回路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、デジタル一眼レフタイプのカメラに於いて、2つの撮像素子を用いてスルー画表示を実現することのできるデジタルカメラを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態を示すもので、一眼レフレックスタイプのデジタルカメラの構成を示す外観斜視図である。
【0021】
図1に於いて、この一眼レフレックスタイプのデジタルカメラ(以下、カメラと略記する)1は、交換レンズとしてのレンズ鏡筒10と、カメラ本体20から主に構成されており、該カメラ本体20の前面に対して、所望のレンズ鏡筒10が着脱自在に設定されている。
カメラ本体20の上面には、レリーズ釦21と、モードダイヤル22と、パワースイッチレバー23と、コントロールダイヤル24等が設けられている。
【0022】
レリーズ釦21は、撮影準備動作及び露光動作を実行させるための釦である。このレリーズ釦21は、第1レリーズスイッチと第2レリーズスイッチの2段式のスイッチで構成されており、レリーズ釦21が半押し操作されることによって、第1レリーズスイッチがオンされて測光処理や測距処理などの撮影準備動作が実行される。また、レリーズ釦21が全押し操作されることによって、第2レリーズスイッチがオンされて露光動作が実行される。
【0023】
モードダイヤル22は、撮影時の撮影モードを設定するための操作部材である。このモードダイヤル22が所定方向に回転操作されることによって、撮影時の撮影モードが設定される。パワースイッチレバー23は、当該カメラ1の電源のオン/オフをするための操作部材である。このパワースイッチレバー23が回動操作されることにより、当該カメラ1のメイン電源のオン/オフが切り換えられる。
【0024】
コントロールダイヤル24は、撮影情報の設定を行うための部材である。このコントロールダイヤル24が操作されることにより、撮影時に種々の設定が行われる。
【0025】
ボディユニット20の背面部には、撮影画像やメニュー等を表示するための液晶モニタ26と、再生釦27と、メニュー釦28と、十字キー30と、OK釦31と、接眼光学系のファインダ33等が配置されている。
【0026】
上記再生釦27は、カメラ1の動作モードを、後述するSDRAM62や記録用のメディア63に記録されたJPEGファイルから画像を再生できる再生モードに切り換えるための釦である。メニュー釦28は、液晶モニタ26にメニュー画面を表示させるための釦である。このメニュー画面は、複数の階層構造から成るメニュー項目によって構成されている。ユーザは、所望のメニュー項目を十字キー30で選択することができ、OK釦31で選択した項目を決定することができる。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係るカメラの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【0028】
図2に於いて、被写体5からの光束は、レンズ鏡筒10内の撮影レンズ12を介して、上記カメラ本体20内のメインミラー40に導かれる。そして、このメインミラー40で、図2に於いて上方に反射された光束は、ファインダ光学系を構成するプリズム41に入射される。このプリズム41に入射された光束は、一部が反射されて接眼レンズ42に導かれて、撮影者の目によって視認される。また、プリズム41に入射された光束のうち反射されずに透過された光束は、第2の撮像手段としてのスルー画用CCD43の撮像面上に結像される。このスルー画用CCD43で電気信号に変換されて生成された画像信号(第2の画像データ)は、アナログフロントエンド部(AFE)44を介して切り替え部53に出力される。
【0029】
上記AFE44は、スルー画用CCD43のデータのばらつきの調整等を行うと共に該CCDに対して撮像タイミングを供給するためのものである。そして、このAFE44は、後述するASIC55の制御によって、スルー画用CCD43から得られた画像データを切り替え部53に出力する。尚、後述するAFE51の構成、機能も、AFE44と同様である。
【0030】
上記メインミラー40は軸40aを中心に、図示矢印A方向に回動可能に設けられているもので、その一部がハーフミラーで構成されている。メインミラー40入射されてハーフミラーの部分を透過した光束は、撮影レンズ12の光軸上で該メインミラー40の後方(図2に於いて右側)に設けられているサブミラー47によって反射され、AF/AEセンサユニット48に導かれる。このAF/AEセンサユニット48は、カメラの自動測距及び測光を行うためのものである。
【0031】
メインミラー40は、被写体の観察時は図示されるように撮影光路内に位置しているが、撮影時は軸40aを中心に上方に回転して、図示されないが撮影光路より退避した位置に移動する。このとき、サブミラー47は折りたたまれて、メインミラー40と共に退避位置に移動する。すなわち、撮影時は、メインミラー40及びサブミラー47が退避位置にあるので、撮影レンズ12を通った被写体5からの光束は、第1の撮像手段であるメイン(Main)CCD50の撮像面上に結像される。そして、このメインCCD50で電気信号に変換されて生成された画像信号(第1の画像データ)は、アナログフロントエンド部(AFE)51を介して切り替え部53に出力される。
【0032】
切り替え部53は、上記AFE44及びAFE51からの出力を切り替えて、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、以下ASICと略記する)55に供給する。このASIC55は、制御手段としての機能と周辺回路の制御部としての機能を併せ持つものである。この場合、ASIC55は、撮影レンズ12、メインミラー40、AF/AEセンサユニット48、AFE44及び51、切り替え部53、フラッシュメモリ(Flash Memory)57、USB58、TFT液晶ドライバ59、SDRAM62、記録用メディア(Media)63等の制御を司るものである。
【0033】
ASIC55には、上述した撮影レンズ12、メインミラー40、AF/AEセンサユニット48、AFE44及び51、切り替え部53、フラッシュメモリ57、USB58、TFT液晶ドライバ59を介して液晶モニタ(TFT)26、SDRAM62、記録用メディア(Media)63の他、スイッチ(SW)部64等が接続されている。
【0034】
上記撮影レンズ12は、AF/AEセンサユニット48で得られた結果からASIC55内で演算された駆動量に基づいて、光軸方向に移動される。また、メインミラー40及びサブミラー47は、ASIC55の制御によって、所定のタイミングで観察位置、退避位置に移動されるようになっている。
【0035】
上記フラッシュメモリ57、SDRAM62及び記録用メディア63は、このカメラ1の記憶領域として設けられている。例えば、フラッシュメモリ57には、カメラを動作させるためのコードや、メニュー設定、調整データ等が記憶されている。また、SDRAM62は、画像データの処理や一時保管用のバッファとして使用される。更に、記録用メディア63は、図示されないカメラのインターフェイスを介してカメラ本体20に対して脱着可能な各種のメモリカードや外付けのハードディスクドライブ(HDD)等の外部記録媒体である。
【0036】
上記USB58は、プリンタ等の外部機器と接続するためのインターフェイスである。TFT液晶ドライバ59は、液晶モニタ26を駆動するためのものであり、ASIC55の制御に従って、指定されたデータや画像を液晶モニタ26に表示させる。
【0037】
上記スイッチ部64は、上述したレリーズ釦21やメニュー釦28、OK釦31等の各種釦やスイッチから成っている。
【0038】
図3は、図2に示されるASIC55及びその周辺部の構成を示したブロック構成図である。
【0039】
ASIC55内には、このカメラ全体の制御を司るメインのCPU70を有している。このCPU70には、入出力部(Global Input/Output;GIO)71と、フラッシュメモリ57に対応するフラッシュメモリインターフェイス(Flash Memory Interface;FMI)72とが接続されている。
【0040】
CCD Block(CCDブロック)45及び52は、ASIC55内のCPU70からGIO71を介してタイミングが制御されるもので、各々のCCDから出力画像データは、切り替え部53で選択された方がASIC55内に取り込まれるようになっている。尚、CCDブロック45は、図2に示されるスルー画用CCD43とAFE44とで構成されるものであり、CCDブロック52は図2に示されるメインCCD50とAFE51とで構成されるものとする。
【0041】
上記CPU70は、また、次の各部を制御する。すなわち、CCDインターフェイス(CCDI/F)80と、プリプロセッサ(Pre Pro)81と、イメージプロセッサ(Image Processor)82と、JPEG回路83と、メディアコントローラ(MediaC)85と、外部バス(EXTBUS)88と、SDRAMコントローラ(SDRAMC)89と、ビデオコントローラ(VideoC)90とが、CPU70によって制御される。また、上記プリプロセッサ81、イメージプロセッサ82、JPEG回路83、メディアコントローラ(MediaC)85、外部バス88、SDRAMコントローラ89及びビデオコントローラ(VideoC)90と、フラッシュメモリインターフェイス72は、それぞれ内部バス75によって接続されている。
【0042】
上記CCDインターフェイス80は、切り替え部53を介してCCDブロック45または52より供給される画像データを取り込むためのものである。プリプロセッサ81は、CCDインターフェイス80より供給される画像データの前処理、例えば欠陥の補正等を行うためのものである。イメージプロセッサ82は、例えばホワイトバランスや画像のリサイズ等の画像処理を行うためのものである。JPEG回路83では、イメージプロセッサ82と共に画像データのJPEG化を行う。
【0043】
メディアコントローラ85は、上述した記録用メディア63の制御を行うためのものである。外部バス88は、上述した撮影レンズ12をはじめとするレンズや機構系の各部の駆動部13の制御を行うためのものである。同様に、SDRAMコントローラ89はSDRAM62へのデータの制御を行い、ビデオコントローラ90は液晶モニタ26へ表示される画像の制御を行う。
【0044】
このような構成に於いて、CPU70から入出力部71を介して、CCDブロック45及び52に撮像タイミングが出力される。また、CPU70から入出力部71を介して切り替え部53に対して、CCDブロック45、52の何れの画像を取り込むかが制御される。
【0045】
切り替え部53で何れか選択された画像データが、CCDインターフェイス80を経てASIC55内に取り込まれると、プリプロセッサ81にて欠陥補正等の前処理が行われる。そして、SDRAMコントローラ89を経てSDRAM62に一旦格納される。次いで、SDRAM62から再度SDRAMコントローラ89を経てイメージプロセッサ82に転送されて、ここでJPEG回路83と共に所定の画像処理が行われる。その後、SDRAMコントローラ89からSDRAM62に格納される。更に、このSDRAM62に格納された画像は、SDRAMコントローラ89、内部バス75からメディアコントローラ85を介して、記録用メディア63に書き込まれる。
【0046】
また、CCDブロック52より切り替え部53を介して取り込まれた画像は、一旦SDRAM62に格納された後、イメージプロセッサ82で画像処理が行われる。そして、この画像処理が施された画像であるレックビュー(Rec.View)画像が、ビデオコントローラ90を介して液晶モニタ26に表示される。
【0047】
次に、図4のフローチャートを参照して、本発明の一実施形態に於けるカメラのスルー画モードの動作を説明する。尚、このカメラの動作は、主にCPU70の制御によって行われる。
【0048】
図示されないカメラのメインルーチンから、モードダイヤル22によるスルー画モードの設定や、図示されないスルー画モード設定釦の操作等によりこのスルー画モードのルーチンに入ると、先ず、ステップS1に於いて、スルー画用CCD43の電源がオンされる。次いで、ステップS2にて、切り替え部53がスルー画用CCD43側に設定される。更に、ステップS3では、スルー画用CCD43を動作させるためのフレームレートが初期設定される。ここでは、「30フレーム/sec」に設定される。そして、ステップS4にて、スルー画表示の開始が指示される。
【0049】
次に、ステップS5に於いて、レリーズ釦21の第1レリーズスイッチ、すなわち2段式のレリーズスイッチの半押し状態が判定される。ここで、第1レリーズスイッチがオンされなければ、ステップS6に移行して、モード変更がなされたか否かが判定される。その結果、モード変更がなされていなければ上記ステップS5に移行して、再度第1レリーズスイッチの状態が判定される。一方、モード変更がなされた場合、すなわちスルー画モード以外のモードに変更された場合は、本ルーチンを抜けて、図示されないメインルーチンに復帰する。
【0050】
上記ステップS5にて第1レリーズスイッチがオンされたならば、ステップS7に移行してメインCCD50の電源がオンされる。そして、続くステップS8に於いて、ASIC55の状態が判定される。ここで、ASIC55に高負荷が掛かっている場合、例えば、被写体が低輝度であるために常時測距、常時測光に要する時間が長くなる場合や図示されないフラッシュ装置の充電等が行われている場合は、続くステップS8にてスルー画のフレームレートが低下されるように指示される。この場合、フレームレートを「30フレーム/sec」から「15フレーム/sec」に低下させる。但し、フレームレートの変更はこのような値に限られるものではない。また、段階的に低下させることも可能である。一方、上記ステップS8に於いてASIC55に高負荷が掛かっていない場合は、フレームレートを変更せずにステップS10へ移行する。
【0051】
ステップS10では、AF/AEセンサユニット48及びCPU70によって、被写体5に対して測光及び露光演算が実行される。続いてステップS11では、AF/AEセンサユニット48、駆動部13及びCPU70によって、測距及び焦点調節が実行される。このように、ステップS10及びS11では、所定の演算処理(AE、AF)が実行される。
【0052】
次いで、ステップS12に於いて、上記ステップS8で判定されたASIC高負荷の有無に応じたフラグが判定される。つまり、上記ステップS8にてASIC55に高負荷が掛かっていると判定された場合は、ステップS9にてフレームレートが低下されているので、これを復帰させるべく、ステップS13に移行してスルー画のフレームレートの復帰指示がなされる。一方、フレームレートが変更されていない場合は、ステップS13はスキップする。
【0053】
その後、ステップS14に於いて、レリーズ釦21の第2レリーズスイッチ、すなわち2段式のレリーズスイッチの全押し状態が判定される。ここで、第2レリーズスイッチがオンされていなければ、ステップS15に移行して第1レリーズスイッチの状態が判定される。その結果、第1レリーズスイッチがオンされていれば上記ステップS14に移行し、オンされていなければ上記ステップS5へ移行して、それぞれ以降の処理動作が行われる。
【0054】
上記ステップS14にて第2レリーズスイッチがオンされていれば、ステップS16でスルー画表示の終了が指示された後、ステップS17に移行してスルー画用CCD43の電源がオフにされる。続いて、ステップS18では、切り替え部53がメインCCD50側に切り替えられる。
【0055】
その後、ステップS19にて、メインミラー40が駆動部13によって撮影光路内から図示されない退避位置へ移動(ミラーアップ)されるように指示される。次いで、ステップS20にてメインCCD50による撮像動作が実行される。撮像動作が終了すると、続くステップS21にて、退避位置に移動されていたメインミラー40が、駆動部13によって再び撮影光路内の観察位置に移動(ミラーダウン)されるように指示される。
【0056】
ステップS22では、上記ステップS20でメインCCD50に取り込まれた画像に対応する画像データを読み出すように指示される。更に、ステップS23にてスルー画用CCD43の電源がオンされる。そして、ステップS24にてメインCCD50に取り込まれた画像に対応する画像データの読み出しが完了すると、続くステップS25にて、JPEG圧縮等の所定の画像処理を行った後、上記画像データの記録用メディア63への書き込み動作が開始されるように指示される。また、それと同時に、液晶モニタ26に撮影された画像が表示されるように、レックビューの処理が実行される。その後、上記ステップS2へ移行する。
【0057】
このように、本実施形態によれば、1つのASIC55によってスルー画用CCD43と撮影用のメインCCD50を駆動し、切り替え部53によって何れかのCCDの出力を選択するようにしているので、デジタル一眼レフカメラに於いてもスルー画表示を実現することができる。また、1つのASICによってスルー画表示を実現させているので、構成が簡単で、装置の小型化、低コスト化にも寄与する。
【0058】
また、上述した実施形態に於いて、カメラの電力に余裕がある場合は、図4のフローチャートに於けるステップS16及びS22の、スルー画用CCD43の電源の処理は行わなくとも良い。
【0059】
尚、上述した実施形態では、第1及び第2の撮像手段をCCDで構成した例で説明したが、これに限られるものではなく、CMOS等の撮像素子で構成しても良いのは勿論である。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、一眼レフレックスタイプのデジタルカメラの構成を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るカメラの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示されるASIC55及びその周辺部の構成を示したブロック構成図である。
【図4】本発明の一実施形態に於けるカメラのスルー画モードの動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1…カメラ、5…被写体、10…レンズ鏡筒、12…撮影レンズ、13…駆動部、21…レリーズ釦、26…液晶モニタ、40…メインミラー、41…プリズム、42…接眼レンズ、43…スルー画用CCD、44、51…アナログフロントエンド部(AFE)、45、52…CCDブロック、47…サブミラー、48…AF/AEセンサユニット、50…メインCCD、53…切り替え部、55…特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit(ASIC))、57…フラッシュメモリ、58…USB、59…TFT液晶ドライバ、62…SDRAM、63…記録用メディア(Media)、64…スイッチ(SW)部、70…CPU、82…イメージプロセッサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系と、
上記撮影光学系を通過した被写体光学系を透過及び反射させるメインミラーと、
上記メインミラーが撮影光路から退避した状態に於いて、上記被写体光束に基づき第1の画像データを生成する第1の撮像手段と、
上記メインミラーが撮影光路から退避していない状態に於いて、該メインミラーにより反射された上記被写体光束に基づき第2の画像データを生成する第2の撮像手段と、
上記第1の撮像手段若しくは第2の撮像手段により生成された画像データに基づいて被写体像を表示する表示手段と、
上記表示手段による表示制御、上記第1の撮像手段及び第2の撮像手段の駆動制御を行う制御手段と、
を具備することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
上記第1の画像データ及び上記第2の画像データのうち、上記制御手段に供給される画像データを切り替えて出力する切り替え手段を更に具備することを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
撮影準備動作の開始を指示する第1のスイッチと、
上記第1の撮像手段による撮影動作の開始を指示する第2のスイッチと、
上記第2の画像データに基づき、上記表示手段が被写体像を連続して表示するスルー画表示モードを設定する設定手段と、
を更に具備し、
上記制御手段は、上記設定手段の設定動作に連動して上記第2の撮像手段を駆動させることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
上記制御手段は、上記第1のスイッチによる撮影準備動作開始の指示に連動して上記第1の撮像手段を駆動させることを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
上記制御手段は、上記第1のスイッチによる撮影準備動作開始の指示に伴い、該制御手段自身の処理の負荷が重いか否かを判断することを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
上記制御手段は、該制御手段自身の処理の負荷が重いと判断した場合には、上記表示手段によるスルー画表示のフレームレートを低下させることを特徴とする請求項5に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
上記制御手段は、所定の演算処理後、上記フレームレートを復帰させることを特徴とする請求項6に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
上記制御手段は、上記第2のスイッチによる撮影動作開始の指示に連動して上記第2の撮像手段の駆動を停止させることを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
上記制御手段は、上記撮影動作の終了後に、上記第2の撮像手段を再駆動させることを特徴とする請求項8に記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
上記制御手段は、特定用途向け集積回路であることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−28075(P2007−28075A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205803(P2005−205803)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】