説明

デジタルブロードキャストチャネルのための非線形事前符号化方法

ブロードキャストチャネル(BC)におけるデジタルメッセージ伝送においては、複数の加入者信号が時間及び周波数同一に中央送信器から複数の分散された、互いに協調していない受信器に伝送される。送信側の信号事前処理方法によって、全ての加入者信号及び瞬時の伝送条件の知識の下に、共通送信信号が発生され、この共通送信信号は妨害のない個別受信を可能にする。公知の非線形事前符号化方法はこの場合干渉信号を完全に抑圧し、この結果、チャネルダイバシティが利用できない。これに対して、本発明の事前符号化方法では発生する干渉信号が考慮される。モジュロ演算に基づいて、伝送チャネルは完全には等化されず、ヴァーチャルに分割され、加入者信号(ST)が周期的に継続され、最小送信電力に従って選択され、線形に事前等化され、この場合に加入者信号(ST)の間のまだ残っている残留干渉が所定の数値集合の中の特定の値をとる。数値集合はこの場合、他の加入者の干渉信号が同様にただ単にとりあえず既存の周期的継続において反映され、従って受信側ではモジュロ判定器によって除去又は必要ならば利用されうるように選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中央送信局とK個の分散された、互いに接続されていない受信局との間に構築される既知の伝送特性を有するデジタルブロードキャストチャネルにおいて時間及び周波数同一に伝送すべきK個の加入者信号の送信側での事前等化(preequalization)のためのモジュロ演算に基づく非線形事前符号化方法に関し、K個の加入者信号は、K個の受信側のモジュロ判定器に対して一致するデータシンボルインターバルにおいて妨害なしに伝送されるデータシンボルaの周期的多重表現を有する信号点間隔Aを有するM値信号点配置(signal constellation)からのデータシンボルaから成り、ただしここでkは1〜Kであり、数値集合a+A・M・zkkからの最小送信電力を実現するために行われる代表(representatives)vの選択を有し、ただしここでzkkは整数の集合内にあり、さらに、伝送すべき送信信号xの形成の下に選択された代表vの線形事前等化を有する。
【0002】
ブロードキャストチャネルでは、複数の加入者信号のデジタル信号伝送が行われ、これらの加入者信号は共通の、すなわち中央送信器(例えば基地局)に存在し、複数の分散された、すなわちサービスエリアに亘って分散した受信器(例えば移動局)に伝送される。信号伝送 加入者信号→受信信号は、単方向的にダウンリンクで行われる(ダウンリンク)。ブロードキャストチャネルにおける信号伝送の特徴は、個々の受信器の間の協調可能性の欠如である。受信器では他の受信器の信号はわからず、個々の受信器の間の通信は可能ではない。従って、受信信号の共通データ処理(joint data processing)は中央受信器では行われない。従って、伝送を改善する信号処理は送信側で共通送信器でしか行われない。信号伝送は線路により行われうるが、通常はむしろ線路によっては行われない。所属の受信器への各加入者信号の正しい割り当てのための基礎となる、しかし完全ではない信号の区別は、符号分割多重アクセス(CDMA Code Division Multiple Access)か又は空間的に分割された放射(空間分割多重アクセス SDMA Space Division Multiple Access)のいずれかによって行われる。多数の信号入力側(加入者信号)及び多数の信号出力側(受信信号)を有する全体として成立する構造は、MIMO(多重入力側多重出力側 Multiple Input Multiple Output)システムと呼ばれる。線路によらない信号伝送(無線伝送)ではさらにますますマルチアンテナシステムが使用され、これらのマルチアンテナシステムでは信号が多数の送信アンテナを介して多数の受信アンテナへと伝送され、アンテナ個数は同一であるか又は異なっていてもよく、アンテナ個数が信号処理に影響を及ぼす。一般的にMIMOシステムでは時間的及び空間的ダイバシティが有利に利用されうる。
【0003】
共通送信器からの複数の受信器へのサービスの際に生じる問題は、個々の加入者がそれ自身の所望の信号を提供されるだけではなく、他の加入者の信号がこれらの所望の信号に重畳されてしまい、このため干渉信号(interference signals)が生じてしまうことである。クロストーク、いわゆる干渉の発生は直交性(orthogonality)の損失と同義であり、この直交性は減結合された部分チャネルによる理想的な伝送特性では存在するものである。従って、加入者信号及びブロードキャストチャネルにおける瞬時に存在する伝送条件、すなわち個別加入者間の個々のクロストークファクタの知識の下で適当な共通送信信号を発生し、各加入者が自分の所望の信号を受け取り、しかし他の信号によっては干渉されないことが送信側で試みられなければならない。多くの解決アプローチが周知である、分散された送信器からの共通受信器への多重アクセス(アップリンク)という双対的な問題とは正反対に、文献には空間的に分離された協調していない受信器への共通送信器からの伝送という上記の問題の解決方法はほんの僅かしか見いだされない。上記の伝送シナリオは数学的にはコンパクトにかつ一般性をもって公知のチャネル方程式
y=Hx+n
によって表される。場合によっては既に事前処理されたK個の加入者の送信シンボルはベクトルx=[x,x,....,xにまとめられる(ベクトル及び行列は太字で表記)。チャネル行列Hの複素数要素hklは伝送パスl→kの間の結合、すなわち加入者kへの加入者lのクロストークを記述する。結合のない理想的なチャネル行列Hは対角行列であり、有利には単位行列(主対角線上に値1)である。チャネル行列Hはバックチャネルによる又はデュプレクス方式の場合にはバックチャネルなしで時分割多重による様々な公知の方法によって推定され、中央送信器において既知と仮定される(いわゆるチャネルステート情報CSIの存在)。ベクトルnには関与する電子コンポーネントの回避できないノイズ影響(相加性雑音)及び更に別の外部からの妨害がまとめられており、ベクトルy=[y,y,....,yの要素は個々の受信器における受信シンボルである。ブロードキャストチャネルに対する第1の公知のアプローチは加入者信号の線形事前等化(線形チャネルインバージョンLiner Channel Inversion LCI又は線形事前等化liner preequlization)である。加入者のデータシンボルa、まとめてベクトルaから、送信シンボルx(概念「シンボル」とはここでは情報を表す実数又は複素数とする)が
x=H−1
により形成され、ただしここではH−1はHの逆行列であるが、この逆行列は伝送行列が正則である(行列の行列式がゼロではない)場合にだけ形成可能である。しかし、この手段によって、受信器において干渉信号が生じず、(相加性雑音が重畳されるだけで)データシンボルaがダイレクトに現れることが達成される。よって、個々のダイレクトな伝送パスk→kの完全な減結合(直交性)が存在する。しかし、この方法の欠点はこれに伴う所要平均送信電力の部分的には非常に大きな上昇である。この効果は行列H−1が正則でない行列に近づけば近づくほど、大きくなる。
【0004】
加入者信号の線形事前処理の代わりに共通の非線形事前等化(事前符号化方法)を使用すれば、平均送信電力の大きな上昇は回避される。しかし、公知の事前符号化方法では相互干渉信号も同様に完全に抑圧され、この結果、ダイバシティ受信は利用できない。事前符号化方法は、存在する状況に対する双対的な問題設定から、すなわち多重アクセスシナリオ(例えば複数の分散したユーザが共通の受信器にアクセスする際のアップリンク送信方向における多重アクセス問題)から開発されうる。そこでは非線形等化のために干渉信号の逐次除去(successive elimination)が行われ、この逐次除去は例えば公知のV−BLAST方法においてインプリメントされており、干渉信号を完全に除去する(ゼロフォーシング Zero-Forcing ZF)判定フィードバック等化(Decision-Feedback-Equalization ZF−DFE)と呼ばれる。確立された事前符号化方法はTomlinson 及び Harashima により公知であり(THP Tomlinson-Harashima-Precoding)及びモジュロ演算の使用に基づいている。最初にこの方法はM.Tomlinsonによる刊行物I "New Automatic Equaliser Employing Modulo Arithmetic" (Electronics Letters, vol.7, Nos.5/6, pp. 138-139, March 1971)及びH.Harashima and H.Miyakawaによる刊行物II "Matched Transmission Technique for Channels with Intersymbol Interference"(IEEE Transactions on Communications, Vol.com.20,No.4,pp.774-780, August 1972)に記述された。本来は1つの入力側及び1つの出力側を有しながらもシンボル間干渉(ISI)が生じてしまうチャネルのみに対する非線形事前符号化方法が設計された。後で、これらはチャネル間干渉(ICI)又はISIとICIとのコンビネーションを抑圧するためにMIMOチャネルにも適用可能であることが認識された。この伝送はMIMO事前符号化の概念の特徴付けにより詳しくR.Fischer et al.によって刊行物III"Spacetime Transmission using Tomlinson-Harashima-Precoding"(Proceedings of 4.ITG Conference on Source and Channel Coding, pp.139-147,Berlin,January 2002)に記述されている。
【0005】
中央受信器においてのみ可能である受信側でのフィードバック等化の代わりに、中央送信器においてこの事前等化が使用される。この場合平均送信電力があまり大きく上昇しないように、THPが非線形で作動する。鋸歯状特性曲線を有するモジュロリダクション(Modulo-Reduction)はこの場合送信信号xをそれぞれのデータシンボルaに対して選択された信号点配置の多値レベルM及び選択された信号点間隔A=1において範囲(−M/2,+M/2]に限定する。この場合原理的には伝送すべき各データストリーム毎に固有の多値レベルM及び固有の信号点間隔Aが選択されうることを指摘しておく。しかし、通常はこれらのパラメータは送信すべき全加入者信号に対して簡素化のために同一に選択される。任意のデータ信号において出力信号は簡単な加算規則によって常に予め設定されたモジュロ制限値の間に保持され、これによって送信電力は線形方法に比べて明らかに低下されうる。この制限はメモリなしでシンボル毎に行われ、等価的に補正シンボルの加算として表現可能であり、この補正シンボルはA・Mの整数倍をとることができる。このアプローチにおいて線形にみえる事前等化はチャネル歪化を完全に除去する。原理的にはTHPでは、データシンボルaの多重表現及び線形に事前等化される適当な代表vの選択によって送信信号はx=H−1vに従って形成され、この結果、平均送信電力の顕著な増大は回避されうる。従って、多重表現及び適当な代表vの選択によって信号処理ではより多い自由度が使用可能となる。バイナリ伝送においてはバイナリシンボル「0」及び「1」は例えば+0.5及び−0.5の振幅値(信号点間隔A=1)によって表現され、これはM=2値信号点配置に相応する。選択された振幅値から出発して、事前符号化の使用の際にはバイナリシンボル「0」は例えば...−3.5;−1.5;+0.5;+2.5;+4.5...によって及びバイナリシンボル「1」は...−2.5;−0.5;+1.5;+3.5;+5.5...によってそれぞれ整数の加算(A=2の倍数)において表される。(値+0.5及び−0.5を有する)全ての加入者データシンボルaを知った上でこの場合(数値集合(+0.5+2z)ただしここでzは正又は負の整数から)代表vが選択され、チャネルの線形事前等化の後で送信信号x=H−1vは小さい平均電力乃至はできるだけ小さい振幅を有する。
【0006】
本発明の出発点となる従来技術は、R.Fischer et al.による刊行物IV "MIMO-Precoding for Decentralized Receivers" (Proceedings of International Symposium on Information Theory -ISIT 02, Lausanne, Switzerland, June/July 2002, p.496)に開示されている。刊行物IIIに続いて、非線形モジュロ演算の使用を有する修正されたTHPが記述されており、この修正されたTHPは分散した受信器が互いにコンタクトを持たないダウンリンクシナリオを有するブロードキャストチャネルに対して記述されている。送信側の非線形事前処理はDFEによって導出され、数学的にはチャネル行列を三角形形態に変換する任務を有するフォワード方向に動作されるユニタリ行列F及び単位主対角線を有する下三角行列の形式の非線形に作動するフィードバックループ内に存在する行列Bを使用する。伝送特性に対するチャネル行列全体が三角形形態を有するならば、発生する干渉信号はビット毎に中央送信器のフィードバックされた分岐路においてモジュロ演算によって事前補償される。個別受信器においてこの場合あたかも(他の受信器へのパラレルな伝送パスを有する)他の加入者が存在しないかのようにデータが現れる。
【0007】
非線形事前符号化方法の使用においても相互干渉信号は完全には回避されないので、各受信器において閾値判定によって送信されたデータシンボルaを再取得する乃至はこれに対する推定値を形成し、この閾値判定は振幅値乃至は信号点間隔の周期的連続を考慮する(モジュロ判定器)。しかし、この事前符号化方法の欠点は、相互干渉信号の完全な回避のために「ダイバシティ・ゲイン」が実現できないことである。各部分伝送システム(所属の受信器への加入者信号)が、あたかも(1つの入力側及び1つの出力側を有する)固有のチャネルを介して動作されるかのように作動する。特にフェージングチャネルではこれには悪い伝送条件の時点で高いエラーレートを伴う。しかし、信号が共通に処理されて伝送されるならば、原理的にはダイバシティにおけるゲインが得られる。2つの伝送路において一方が悪い伝送条件を有するならば、高い確率でもう一方の伝送路が良好に利用可能である。
【0008】
従って、刊行物VIから出発して、本発明の課題は、上位概念記載の非線形事前符号化方法を分散された受信器を有するブロードキャストチャネルのために改良し、発生する干渉信号によって存在するそのダイバシティを利用することである。この場合、この方法はその実行においてシンプルでありかつ高い伝送品質を保証するべきである。上記課題に対する本発明の解決策は、主請求項から得られる。本発明の非線形事前符号化方法の有利な実施形態は従属請求項に示されている。これらは以下において本発明との関連において詳しく説明される。
【0009】
加入者信号の送信側での共通事前処理のための本発明の事前符号化方法は上記のTHPを基礎とし、個別データシンボルaに対する可能な代表の周期的な連続のアイデアを取り上げる。この場合、相互に重畳しあう干渉信号はもはやゼロにまで抑圧される(zero forced)のではなく、これらの干渉信号に厳密に定義された数値集合(Wertevorrat)からの値を割り当てることによって共通事前処理によりこれらの干渉信号が取り入れられる。干渉信号の特徴付けのために許容される値は、この場合、受信側のモジュロ判定器が干渉信号の存在する場合でも常に送信されたデータシンボルaを確実に判定することができるように選択される。THPの使用の際にはいずれにせよ受信側のモジュロ判定器はデータシンボルaの周期的な曖昧性を考慮するので、干渉信号は、同一のデータ信号aを表す他の代表vが代表の可能な集合の中から受信器において現れることをもたらす値をとることができる。この場合、加入者kから妨害されずに受信器kに伝送されるデータシンボルに対する数値集合(a+A・M・zkk、ただしここでzkkはゼロを含む正の又は負の整数)は、加入者lから受信器k、ただしここで加入者kは除く、に重畳される干渉シンボルに対する数値集合(A・M・zlk、ただしここでzlkはゼロを含む正の又は負の整数)から、厳密に本来のデータシンボルaだけ相違している。従って、発生する干渉信号が同一のデータシンボルに対する判定インターバルにおいてモジュロコーディングされた加入者信号の許容されるシフトを引き起こすことによって、本発明の事前符号化方法ではこれらの発生する干渉信号が考慮され共に処理される。周期的なシフトによって判定インターバルはなるほど異なるが、判定の結果及びその信頼性は同一である。
【0010】
よって、バイナリデータ伝送に対する上記の数値例では、相互干渉信号は...−4;−2;0;+2;+4...(偶数)をとればよく、従って偶数であればよい。しかし、整数の倍数を干渉信号に割り当てることは、可能なM値の信号点配置のあらゆる他の選択に対しても妥当する。本発明の事前符号化は複素数空間を利用する直交振幅変調方式(例えば4QAM又は16QAM)にも適用可能である。データベクトルaはこの変調では複素数QAMアルファベットからのデータシンボルa(信号点とも言う)から成る。シンボルの実部がこの場合コサイン曲線により変調されて伝送され、虚部はサイン曲線によって変調される(直交混合(Quadrature mixing))。複素数チャネル記述(複素数行列エントリ)を使用する場合には有利にはこれらのエントリをまず最初に実数成分すなわち実部と虚部に分け、2倍の個数の部分信号(サブシグナル)による実際の伝送として表す。従って、チャネル行列Hは2倍のディメンション(2K)を得る。受信側では復調器が設けられており、これらの復調器は電圧値を同相で識別し、再び実数成分すなわち実部及び虚部に割り当てる。最後に、再び複素数空間への逆変換が行われる。よって、次式
【0011】
【数1】

が成り立つ。ただしここでRe及びImによって各変数の実部及び虚部が示されており、選択された定義によって等価な2K次元の実数(MIMO)チャネルモデルが
=H+n
によって定義される。
【0012】
等化を簡略化し、可能なダイバシティを有利に利用するために、本発明の事前符号化方法では存在するブロードキャストチャネルを概念的に2つの区間に分ける。第1の部分は事前符号化によって完全に等化され、よって加入者信号は減結合されるが、データシンボルの周期的な連続が生じる。データシンボルaに対する瞬時の代表vは瞬時に本来の多値レベルMの整数倍だけ異なる可能な値の中から選択され、この結果、選択された代表vの線形事前等化によって必要とされる送信電力が最小である。チャネルの第2の部分は等化されず、従って加入者信号間の残留干渉を発生する。しかし、この部分の適切な選択によって、一方で残留干渉が受信器における判定形成において障害とならず、他方でチャネルの第1の部分の等化が比較的僅少な受信側のゲインすなわち僅少なノイズゲインにより可能であり乃至はチャネルのダイバシティが少なくとも部分的に利用されうることが達成される。事前符号化方法の使用において加入者信号は周期的に連続的に受信器に現れるので、残留干渉は可能な代表の間隔と一致する値をとることができ、よって、干渉は他の代表の(ヴァーチャルな)選択にのみ反映され、その影響は既存のモジュロ判定器において完全に除去される。本発明の決定的な利点は、信号伝送の明らかに向上された電力効率である。本発明により請求される事前符号化方法によって、公知の事前符号化方法と同じ平均送信電力の場合にはより低いビットエラーレートが、すなわちより確実な受信が達成される。とりわけ、本発明により請求される事前符号化方法によって、ダイバシティが良好に利用され、このことはブロードキャストチャネルの伝送品質の改善におけるビットエラーレートの比較的迅速な降下においてポジティブに認識される。
【0013】
伝送チャネルの部分等化は変更されたチャネル記述の使用に相応し、数学的にはチャネル行列Hを還元されたチャネル行列Hredに変換することによって与えられる。残ってしまう相互結合を記述する適当な残留干渉行列Rとチャネル行列Hredの乗算によってこの場合チャネル行列Hを再び分解式:
=RHred
により発生する。残留干渉行列Rはチャネルの瞬時の伝送特性にだけ依存する。チャネル行列H(乃至はH)が変化しない限りは(バースト伝送)、残留干渉行列Rも変化しない。主対角線において残留干渉行列Rは1を有しており(ダイレクト信号パス)、他の全ての要素は行毎に多値レベルMの(正又は負の)整数倍だけをとる。成分毎のバイナリ伝送においてはこれらの要素は(正又は負の)偶数だけである:
【0014】
【数2】

チャネル行列Hの適切な分解のために様々な方法が適用されうる。モンテカルロ法の適用によって、適切な係数が例えば経験的にもとめられうる。最適な分解方法はできるだけ僅少であるべきそのコストに応じて及びできるだけ僅少な受信側で必要なゲインに応じて(例えば自動的なゲイン適応、自動利得制御AGCを用いて)探し出されるべきである。
【0015】
MIMOチャネルに対する他のマトリクスリダクションは従来技術から格子(基底)還元(Lattice Reduction)として公知である。H.Yao et al.の刊行物V:"Lattice-Reduction-Aided Detectors For MIMO-Communication Systems" (Proceedings of IEEE Globecom 2002, Taipei, Taiwan, November 2002)には複数の入出力側を有するチャネルにおける検出のためのコスト的に有利な方法が記述されている。基本アイデアはLattice Theory(Theory of regular lattices)の分野から公知の数学的方法の適用である。MIMOチャネルは、この場合完全には線形に等化されず、別のより適当な表現(還元された基底(reduced basis))に基づいて、チャネルが部分的にのみ等化され、この結果、簡単な成分毎の(すなわち個々の加入者信号に関して)閾値判定が可能となる。更なる事後処理の後でようやく送信されたデータシンボルに対する所望の推定値が得られる。しかし、公知の特に2つの送信及び2つの受信アンテナの場合を考慮する方法は、基本的にマルチアンテナシステムにおいて受信側では全ての加入者受信信号が既知でありかつ共通の信号処理が可能であるということによって基本的に異なっている。これとは正反対に、本発明の事前符号化方法は排他的ダウンリンクを有するマルチユーザシステムにおける問題に関する。この場合、共通送信器が存在し、この共通送信器において全ての加入者信号が既知であり、処理されうる。これに対して、サービスエリアに亘って分散されている受信器は協調できない、すなわち各受信器は自分自身の受信信号しか見ない(「ジョイントプロセッシング」が可能ではない)。公知の(部分)等化は専ら受信側でかつ専ら線形に行われ、すなわちチャネルの還元された成分は逆チャネル行列によって等化される。本発明は専ら送信側でTHPに基づいて非線形に作動する。
【0016】
Ch.Windpassinger及びR.Fischerによる刊行物VI:"Low-Complexity Near-Maximum-Likelihood Detection and Precoding for MIMO Systems using Lattice Reduction"(Proceedings of IEEE Information Theory Workshop 2003, pp.345-348, Paris,France, March/April 2003)は刊行物Vに基づいており、これを拡張している。複数の入出力側を有するMIMOチャネルにおける検出のためのコスト的に有利な方法は、2×2シナリオからK個の入出力側を有する一般的な場合に拡張される。さらに、線形部分等化は非線形事前符号化によって置き換えられる。しかし、本発明との決定的な相違点は、この方法も受信側で全ての部分受信信号が既知でありかつ共通処理(ジョイントプロセッシング)が可能であるマルチアンテナシステムに関する点である。これに対して、本発明の方法により請求される事前等化方法は、協調することができない分散された受信器のためにデザインされている。ここに信号処理に対する特別な困難性がある。というのも、信号処理が送信側でのみ行われるからである。
【0017】
還元された成分Hredによって記述されるチャネル成分の等化のために、この還元された行列はさらに適当な行列へと因数分解される。この分解は例えば次の形式:
red=1/gBF−1
を有する。ただしここでFは直交列を有する行列である。Bは下三角行列、Pは置換行列(permutation matrix)(各行及び各列がちょうど一つの1を含む)、gは受信側のゲインファクタ(自動利得制御)である。全ての3つの行列及びスカラーは一意的に予め設定された規準(有利には最小のg)においてHredからもとめられる。
【0018】
上記の数値例において1/2だけシフトされた整数の列からの信号点の通常の選択によって、受信側ではシステマティックなオフセットが生じる。このオフセットは相応に修正された受信器によって又は付加的な送信エネルギを必要としない送信側のオフセット補償によって比較的簡単に除去されうる。これは
o=P(R−I)[1/2....1/2]
によるベクトルoの減算によって行われる。
【0019】
本発明の実施形態を次ぎに概略的な図面に基づいて詳しく説明する。
【0020】
図1はブロードキャストチャネルを示し、
図2は従来技術の事前符号化方法によるブロードキャストチャネルの減結合を示し、
図3は本発明による事前符号化方法によるブロードキャストチャネルの重畳を示し、
図4は本発明による事前符号化方法のブロック線図を示し、
図5は様々な等化方法に対するビットエラー曲線を示し、
図6は様々な等化方法におけるゲインファクタを示す。
【0021】
図1は概略的に共通の中央送信器CT(例えば基地局)からK個の分散受信器DR(例えば移動局)へのK個の加入者信号STのデジタル情報伝送のためのブロードキャストチャネルBCの構造を示し、分散受信器DRはそれぞれその受信信号SRを受け取り、隣接する受信器DRとはコンタクトを持たない。伝送は専らダウンリンクで行われ、図示されたケースでは線路によらない無線伝送が利用される。全体として考察されるブロードキャストチャネルBCは多数の入力側及び多数の出力側を有し、それゆえMIMOチャネル(Multiple Input Multiple Output)として解釈される。この場合、マルチユーザシステムが存在しており、マルチアンテナシステムもMIMOチャネルを定義するがマルチアンテナシステムとは区別されるべきである。
【0022】
図2はM=2、A=1、ただしk=1,...,K、を有する選択された実施例に対して既に上述したモジュロ演算の使用による公知の非線形事前符号化方法THP(Tomlinson-Harashima-Precoding)の適用に基づく完全に減結合されたブロードキャストチャネルBCを示す。基本的にはこの場合各(加入者信号STに割り当てれらた)データシンボルaには信号点配置の多値レベルM及び信号点間隔Aの積の整数倍の特定の値(A・M・z、ただしここでzはゼロを含む正又は負の整数)が加算され、最小送信電力に関して最良の値が選択され、こうして得られた信号代表が線形に事前等化される。THPは送信側で適用され、この結果、中央送信器CTでは各分散受信器DRがその所望の受信信号SRを受け取るような共通の送信信号を発生する。発生する干渉信号はこの事前符号化方法THPでは完全に除去され、この結果、チャネルダイバシティは利用できない。
【0023】
これに対して、図3では、干渉信号を考慮することによる本発明の非線形事前符号化方法の適用が図示されている。この方法では、加入者信号STに対する値の間の偶数の整数値による(M=2、A=1、ただしk=1,...,K、を有する図示された実施例における)バイナリ伝送において干渉信号が多重に表現される。この場合、データシンボルa、ただしここでlは1〜Kかつkとは不同、とデータシンボルaとの間の干渉シンボルには、数値集合(Wertevorrat)a+A・M・zlk、ただしここでzlkは整数の集合の中の数値、から周期的な代表が割り当てられる。干渉信号に偶数の整数値(偶数値の干渉)を割り当てることはEIIP(Even-Integer-Interference-Precoding)によって適切に短縮化されうる。図3では、明らかにEIIPを基礎とする部分的なチャネル等化の基本原理が見て取れる。この基本原理では、ブロードキャストチャネルBCはヴァーチャルに結合(第1の加算箇所)なしの還元されたチャネルに変換され、この還元されたチャネルは(リニアライズされた形式で図示された)非線形事前符号化により処理され、さらに適当に形成された干渉信号の重畳(第2の加算箇所)が識別される。
【0024】
図4(上段)では、本発明により提案された部分等化する事前符号化方法EIIPにおいて提示される伝送システム全体が見て取れる。チャネル行列HはK個の加入者を有する本来の伝送チャネルを示す。このチャネルの入力側では全ての送信信号が共通にアクセスされ、このことは幅広いベクトル矢印により示されている。その出力側では、加入者信号y、ただしここでkは1,...K、は個別に処理され、ここでは個別のスカラー矢印により示されている。受信側ではそれぞれさらにノイズnが重畳される。ここに示された通常の抽象的な図示において、受信器はそれぞれ単にスケーリング(自動利得制御)及び閾値判定から成る(図4では丸の中のg及び閾値判定を有する二重に囲む箱によって示されており、二重に囲む箱は非線形演算を表す)。送信器は第1の3つの機能ブロックから成る。これらは存在するチャネル行列H(乃至はHred)に依存する置換行列P、非線形モジュロ演算MOD、単位行列I及び下三角行列Bを有するフィードバックループならびに直交列を有する行列Fである。(QAMアルファベットから取られた)送信すべきデータシンボルはK次元ベクトルaにまとめられている。各受信器は自分のデータシンボルaを受信したい(しかもこれだけを受信したい)。複素数のエントリを有するこのベクトルはまず最初に実数ベクトルに変換され(既に上述したように複素数成分を実部と虚部とに分離する)、これは記号a/aによって表されている。送信器における後続の処理は実数に基づいて行われる。送信器は送信シンボルを発生し、これはベクトルxにまとめられる。これらは次いで複素数表示に変換される(実部と虚部とをまとめて複素数にすること;上記とは正反対のプロセス)。なぜなら、このチャネルは複素数入力シンボルを処理するからである。
【0025】
送信器の第1のステージはベクトルaの成分の置換(リソーティング(resorting))である。次の機能ブロックは事前符号化方法において公知の非線形に作動するフィードバックループである。この場合、チャネルを介する伝送において発生する干渉信号が既に事前補償される。送信電力を増大させないために、ここでモジュロ演算MODが使用され、このモジュロ演算MODは出力シンボルを(オリジナルの信号点配置の周期的連続に相応する)適当な整数値による加算/減算によって一定の予め設定されたインターバルに制限する。互いに予め設定された間隔A・M、例えばバイナリ伝送(M=2)及び信号点間隔A=1の場合はA・M=2、を有する全ての信号は同一のメッセージを表す(ビットコンビネーション)。最後に、さらにユニタリ行列Fが適用され、このユニタリ行列Fは一般的なチャネル行列を送信電力増大なしで下三角行列に変換する。こうして送信器において所望される通りに連続的な処理が行われる。
【0026】
オフセットoなしの受信信号が受信器に現れるように、これが前もって送信器において既に補償される。行列P、B及びFの計算は、一意的に、上記の構成に従ってチャネル行列の還元された形式から行われる。よって、事前符号化はこの還元された成分だけを等化する;残留干渉行列R(上記参照)に基づく干渉信号は残る。
【0027】
伝送の動作方法は図4の中段及び下段に図示されている。まず最初に事前符号化ループがそのリニアライズされた表示によって置き換えられる。モジュロ演算は補正項dの加算によって置き換えられる。残りの線形フィードバックループ(フォワード伝送1;フィードバックB−I)はちょうど行列B−1(Bの逆行列)によって実現される。チャネル行列は上記の構成によれば還元されたチャネル行列Hred及び干渉行列Rのカスケードとして表される。Hredからの行列B及びFの特別な構成に基づいて、B−1、F及びHredのカスケードはちょうど行列P/gを形成し(再び上記の式)、これによって下段に表示された構造が得られる。置換行列P及びPは互いに打ち消し合う;従って、伝送行列として残留干渉行列Rだけがまだ残る。これは、加入者信号間の干渉(結合)を記述している。主対角線は1であるので、有効信号が理想的に伝送される。加入者間のクロストークを記述する、主対角線要素ではない要素(Nebendiagonalelemente)は、バイナリ伝送の場合には偶数である;従って、偶数の干渉だけが生じる。しかしこれは既存のモジュロ判定を損なわない。
【0028】
図5には様々な信号処理方法におけるユーザの平均ビットエラー曲線が図示されている。それぞれ平均ビットエラーレートBERが情報ビット毎の平均送信エネルギE及び相加性雑音妨害のスペクトルパワー密度Nから成る比(dBで表示)に関して示されている。例えば低いデータレート及び送信電力を有する多数のユーザのほかに高いデータレート及び送信電力を有する2つのユーザが現れ、この2つのユーザに事前処理がこの場合限定される場合には、2つのユーザ(K=2)とされ、これは比較的しばしば起こる。選択された方法に基づいて特に還元されたチャネル行列Hredのg、F、B及びPへの分解はこれら2つのユーザに対して同一のヒットエラー特性を生じる。最も有利なビットエラー特性は受信器における共通信号処理(joint processing at receiver JPR、曲線a)が示しており、最も不利なビットエラー特性は送信側での単なる線形チャネルインバージョン(linear preequalization LPE、曲線b)が示している。次第に有利になるエラー特性は送信側の非線形複素数事前符号化(complex-valued precoding CVP、曲線c)及び実数事前符号化(real-valued precoding RVP、曲線d)を有する伝送チャネルが示している。受信側の共通信号処理に最も近いエラー特性は,干渉を考慮したチャネル部分等化を有する本発明の事前符号化方法によって達成される(EIIP、曲線e)。
【0029】
本発明による非線形事前符号化方法EIIPにおける明らかに改善されたエラー特性によって、最小化された送信電力にもかかわらず受信側ではるかに小さいゲインファクタが必要となる。図6には2つのユーザ(K=2)を有する伝送システムに対する本発明の非線形事前符号化の適用におけるゲインファクタgEIIP−PRECを、干渉を考慮しない実数事前符号化方法において得られるゲインファクタgPRECに対して示す(表示は二乗の逆数としてdBで行われる。なぜなら、信号対雑音比SNRはこの項に比例し、この項はダイレクトに本発明の方法のパフォーマンスを記述するからである)。ゲインファクタgPRECの大きさはx軸に記されており、直線y=xを介してバーの下端部として識別できる。それぞれ対応するゲインファクタgEIIP−PRECはバーの上端部として表示されている。バーの長さはこの場合実現可能なゲインを示す。明らかに、特に公知の方法が非常に劣った結果を示す状況において大きなゲインが認められる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ブロードキャストチャネルを示す。
【図2】従来技術の事前符号化方法によるブロードキャストチャネルの減結合を示す。
【図3】本発明による事前符号化方法によるブロードキャストチャネルの重畳を示す。
【図4】本発明による事前符号化方法のブロック線図を示す。
【図5】様々な等化方法に対するビットエラー曲線を示す。
【図6】様々な等化方法におけるゲインファクタを示す。
【符号の説明】
【0031】
送信シンボルaに対する信号点間隔
AGC 自動利得制御
a データベクトル
k番目のデータシンボル、ただしkは1...K
実数データベクトル
B 主対角線に1を有する下三角行列
BC デジタル情報伝送のためのブロードキャストチャネル
BER ビットエラーレート
CT 中央送信器
DR 分散受信器
ビット毎の平均送信エネルギ
EIIP Even-Integer-Interference-Precoding
F ユニタリ(直交)行列
g ゲインファクタ
H チャネル行列
red 還元されたチャネル行列
I 単位行列
l、k 加入者インデックス
K 加入者乃至は受信器の個数
送信シンボルaに対する信号点配置の多値レベル
MIMO Multiple Input Multiple Output
MOD 非線形モジュロリダクション
k番目のノイズシンボル、ただしkは1...K
o オフセット
P 置換行列
PREC 事前符号化方法
QAM 直交振幅変調
R 残留干渉行列
SR 受信信号
ST 加入者信号
THP Tomlinson-Harashima-Precoding
実数送信ベクトル
k番目の加入者信号、ただしkは1...K
z ゼロを含む正又は負の整数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央送信局とK個の分散された互いに接続されていない受信局との間に構築される既知の伝送特性を有するデジタルブロードキャストチャネルにおいて時間及び周波数同一に伝送すべきK個の加入者信号の送信側での事前等化のためのモジュロ演算に基づく非線形事前符号化方法であって、
K個の加入者信号は、K個の受信側のモジュロ判定器に対して一致するデータシンボルインターバルにおいて妨害なしに伝送されるデータシンボルaの周期的多重表現を有する信号点間隔Aを有するM値の信号点配置(signal constellation)からのデータシンボルaから成り、ただしここでkは1〜Kであり、
数値集合a+A・M・zkkからの最小送信電力を実現するために行われる代表(representatives)vの選択を有し、ただしここでzkkは整数の集合内にあり、
さらに、伝送すべき送信信号xの形成の下に選択された代表vの線形事前等化を有する、伝送すべきK個の加入者信号の送信側での事前等化のためのモジュロ演算に基づく非線形事前符号化方法において、
ブロードキャストチャネル(BC)において生じる、データシンボルa及びこれらのデータシンボルaの周期的多重表現に重畳される干渉シンボルは、クロストークする加入者信号(ST)に基づいて送信側で適合された周期的な多重表現によってデータシンボルaの周期的多重表現に取り入れられ、K個の受信側のモジュロ判定器によって除去され、データシンボルa、ただしここでlは1〜Kかつkとは不同、とデータシンボルaとの間の干渉シンボルには、数値集合a+A・M・zlkからの周期的な代表が割り当てられ、ただしここでzlkは整数の集合内にあることを特徴とする、伝送すべきK個の加入者信号の送信側での事前等化のためのモジュロ演算に基づく非線形事前符号化方法。
【請求項2】
数学的にブロードキャストチャネル(BC)の望ましい伝送特性は瞬時の伝送特性を記述する送信側において既知のチャネル行列Hの、事前等化すべき還元されたチャネル行列Hred及び残留干渉行列Rへの因数分解によって達成され、すなわち、
H=RHred
であり、ここで残留干渉行列Rは主対角線に値1しか持たず、他の全ての要素は行毎に使用される信号点配置の多値レベルMの整数倍の数値であり、さらに前記還元されたチャネル行列Hredは受信側のスカラーゲインファクタgを導入して直交列を有する行列F、下三角行列B及び置換行列Pへの因数分解によって、すなわち、
red=1/gBF−1
によって得られることを特徴とする、請求項1記載の非線形事前符号化方法。
【請求項3】
既に送信側ではオフセット補償(o)が伝送すべき送信信号xにおいて実施されることを特徴とする、請求項1又は2記載の非線形事前符号化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−524282(P2007−524282A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519755(P2006−519755)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【国際出願番号】PCT/DE2004/001455
【国際公開番号】WO2005/011219
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】