説明

デジタル映像記録装置

【課題】 元映像出力とエンコード結果映像出力との同時確認を可能とする。
【解決手段】 映像記録装置Aは、制御部1と、記録再生部3と、を有している。制御部1の構成は、上記従来例の場合と同様であり、ユーザI/F部1aと、CPU1bと、を有している。記録再生部3は、RF入力を受けてチューナ3aが選局したコンテンツを、第1デコーダ3eによりデコードし、第1ビデオ出力3bを介して、第1ディスプレイに出力される。この際、OSD3cからの出力が第1ビデオ出力に重畳されるようにしても良い。第1デコーダ3eからのデータは、エンコーダ3fを第2デコーダ3gに出力し、第2デコーダ3gでデコードされたデータが第2ビデオ出力3dを介して第2のディスプレイに出力される。記録媒体3hは、第1デコーダ3eとの間でデータのやり取りを行うとともに、エンコーダ3fからのエンコードされたデータを記録媒体3hに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、番組等のコンテンツであるデジタル映像記録/再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル映像の再生や記録に関する技術の進歩に伴ってデジタル映像記録装置の機能が豊富になってきている(例えば、特許文献1参照)。特に、最近では、チューナやエンコーダ、デコーダを2セット持ち、2番組の同時録画や録画、再生しながらのDVDやメモリカードへのダビング作業などができるデジタル映像記録装置が製品化されている。また、HD映像をSD映像に変換して録画する機能を持つデジタル映像記録装置も製品化されている(シャープ DVDレコーダ DV-HRD200、松下 DVDレコーダ DMR-E330Hなど)。
【0003】
図17は、一般的なデジタル映像記録装置の構成例を示す機能ブロック図である。図17に示すように、デジタル映像記録装置は、記録・再生を行う記録再生部303と、全体の制御を行う制御部301と、を有している。記録再生部303は、RF入力を受けて選局するチューナ303aと、チューナ303aにより選局された映像信号を受けてこれをデコードするデコーダ303dと、デコーダによりデコードされた信号を受けてビデオ出力信号として例えばディスプレイに出力するビデオ出力部303bと、デコーダ303dからの信号をエンコードするエンコーダ303eと、エンコーダ303eによりエンコードされた信号を記憶する記録媒体303fと、ビデオ出力303bに対してOSD出力を行うOSD303cと、を有している。記録媒体303fとデコーダ303dとの間では、信号のやり取りが行われる。実際のデジタル放送においては、チューナ303aからデコーダ303dへ入力される映像信号として一つの周波数に複数の番組を多重したトランスポートストリーム(TS)を利用することが一般的である。
【0004】
上記デジタル映像記録装置においては、ユーザのキー操作又はリモコン操作に応じて、ユーザインタフェース(I/F)301aを介してCPU301bが、記録再生部303に操作に関する指示が伝えられる。この指示とRF入力とに基づいて、例えば、チューナ303aにより選局されたコンテンツ(番組)が、デコーダ303dによりデコードされ、ビデオ出力部303bによりビデオ信号としてディスプレイを行う。
【0005】
図18は、特許文献2に記載された映像記録装置の従来の構成例を示す図である。図18に示す構成は、記録・再生を行う記録再生部403と、全体の制御を行う制御部401と、を有している。記録再生部403は、撮影データを受けてMPEG2のエンコード処理を行うMPEG2エンコーダ403eと、エンコードされたデータを記録する記録媒体403fと、記録媒体403fとの間でデータのやり取りを行うMPEG2デコーダ403aと、デコードされたデータをMPEG4エンコードするMPEG4エンコーダ403bと、エンコードされたデータを簡易的にデコードする簡易デコーダ403cと、簡易的にデコードされたデータをディスプレイにビデオ出力するビデオ出力部403dと、を有している。
【0006】
上記の構成においては、映像データをMPEG2エンコードし、MPEG2エンコードされたデータをMPEG2デコードし、MPEG2デコードしたデータを、さらにMPEG4エンコードし、簡易的にデコードしてディスプレイに映像を表示させる。すなわち、映像データを異なる2つのエンコード方式でエンコードする点、MPEG2エンコードしたデータと、MPEG2デコードしたデータと、MPEG4エンコードしたデータと、を記録媒体403fに記録する点、に特徴がある。
【0007】
図19は、他の形態による映像記録装置の従来の構成例を示す図である。図19に示す構成は、記録・再生を行う記録再生部503と、全体の制御を行う制御部501と、を有している。記録再生部503は、撮影データを受けてMPEG2のエンコード処理を行うMPEG2エンコーダ503fと、エンコードされたデータを記録する第1記録媒体503gと、第1記録媒体503gとの間でデータのやり取りを行うMPEG2デコーダ503cと、デコードされたデータをMPEG4エンコードするMPEG4エンコーダ503dと、エンコードされたデータを簡易的にデコードする簡易デコーダ503aと、エンコードされたデータをデコードするMPEG4デコーダ503eと、MPEG4エンコーダ503dからのデータを記録する第2記録媒体503hと、MPEG4デコーダ503eにおいてデコードされたデータをディスプレイにビデオ出力するビデオ出力部503bと、を有している。
【0008】
上記構成においては、映像データをMPEG2エンコードし、MPEG2エンコードされたデータを第1の記録媒体に記録するとともに、記録されたMPEG2エンコードデータをMPEG2デコードし、そのデータをMPEG4エンコードした後にMPEG4デコードしてディスプレイに表示する点に特徴がある。
【0009】
図20は、同じく特許文献2に関連する映像記録装置の従来の構成例を示す図である。図20に示す構成は、記録・再生を行う記録再生部603と、全体の制御を行う制御部601と、を有している。記録再生部603は、撮影データを受けてMPEG2のエンコード処理を行うMPEG2エンコーダ603dと、エンコードされたデータを記録する記録媒体603eと、記録媒体603eとの間でデータのやり取りを行うMPEG2デコーダ603bと、デコードされたデータをMPEG4エンコードするMPEG4エンコーダ603cと、エンコードされたデータを簡易的にデコードする簡易デコーダ603aと、を有している。MPEG4デコーダ603cにおいてデコードされたデータは上方処理するパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する。)605に出力され、PC605からのデータに基づいて、ビデオ出力部607からディスプレイに出力する。PC605からの出力は、制御部601にフィードバックされる。
【0010】
上記構成においては、映像データをMPEG2エンコードし、MPEG2エンコードされたデータを記録媒体に記録するとともに、記録されたMPEG2エンコードデータをMPEG2デコードし、そのデータをMPEG4エンコードした後にMPEG4デコードしてPCを介してディスプレイに表示する点に特徴がある。
【0011】
【特許文献1】特開2001−36844号公報
【特許文献2】特開2004−266690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、従来の技術では、元の映像からエンコード形式、解像度、ビットレートなどのフォーマットを変更して録画する場合に、実際にエンコードを完了した後でなければ、録画した結果を確認することができないという問題があった。また、エンコード後の確認結果が思わしくない時には、再度上記のパラメータを設定し直してエンコード処理を行う必要があり、その間のロスタイムが大きくなってしまうという問題がある。さらに、生放送(リアルタイム放送)の場合にはリカバリーさえ不可能になってしまうという問題がある。本発明は、上記ロスタイム等の影響を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、第1のデコーダと第2のデコーダの2つの一般的なデコーダと1つのエンコーダとを用意し、第1のデコーダの出力を元映像として確認するとともに、エンコード後の映像を第2のデコーダの出力により確認することを特徴とする。この際、エンコード時のパラメータと再生ポイントをユーザが任意に変更できるユーザインタフェースを設けることもできる。また、エンコード結果の映像を確認しながら記録することも可能である。第1のデコーダの出力を元映像としエンコード後の映像を第2のデコーダの出力により確認する方式であるため、エンコード及びデコード形式(圧縮形式)は任意であり、限定されることがない。
【発明の効果】
【0014】
本発明のデジタル映像記録装置によれば、以下の利点がある。
【0015】
実際にフォーマットを変更して録画する前にエンコード後の画質を任意のポイントでリアルタイムに確認することが可能となる。また、エンコード後の確認結果が思わしくない時のロスタイムも低減できる。
【0016】
事前に画質をある程度把握できるので生放送でのパラメータ設定失敗が軽減される。生放送で最初のパラメータ設定が失敗していても生で確認しながら途中でパラメータを変更することが可能なためダメージを軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態による映像記録装置について図面を参照しつつ説明を行う。図1は、本発明の第1の実施の形態によるデジタル映像記録装置の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態による映像記録装置Aは、制御部1と、記録再生部3と、を有している。制御部1の構成は、上記従来例の場合と同様であり、ユーザI/F部1aと、CPU1bと、を有している。記録再生部3は、RF入力を受けてチューナ3aが選局したコンテンツを、第1デコーダ3eによりデコードし、第1ビデオ出力3bを介して、第1ディスプレイに出力される。この際、OSD3cからの出力が第1ビデオ出力に重畳されるようにしても良い。第1デコーダ3eからのデータは、エンコーダ3fを第2デコーダ3gに出力し、第2デコーダ3gでデコードされたデータが第2ビデオ出力3dを介して第2のディスプレイに出力される。記録媒体3hは、第1デコーダ3eとの間でデータのやり取りを行うとともに、エンコーダ3fからのエンコードされたデータを記録媒体3hに出力する。
【0018】
上記構成によれば、第1デコーダ3eと第2デコーダ3gとのそれぞれによりデコードされたデータを出力する第1ビデオ出力3bと第2ビデオ出力3dと、を有しているため、例えば、2つのディスプレイに独立してデコードされた映像データを表示させることができる。すなわち、元映像データをデコーダする第1デコーダの出力と、元映像出力をエンコードするエンコーダからのデータをデコードする第2のデコーダの出力と、を、それぞれ、映像出力プレビュー時に上記2つの経路を並行して取ることにより元映像出力とエンコード結果映像出力との同時確認を可能とする。
【0019】
実際の記録時は、エンコーダ3fからの出力データを記録装置3hに保存する。併せて、エンコード時のパラメータと再生ポイントとを、ユーザが任意に変更できるユーザインタフェースを設ける。この点については以下に説明する。
【0020】
図5から図9までを参照しつつ、本実施の形態によるデジタル映像記録装置の表示例について説明する。番組を記録する際のフォーマットの設定としては、放送された番組をそのままの形で記録するTSモードと簡易的な画質選択が可能なSP、LP、EP(高画質、標準、長時間)の各モードを例に取って説明する。デジタル映像記録装置の種別によっては更に詳細なパラメータの設定が可能なものもあるがユーザの利便性を考慮し、このような簡易的な設定を設けている製品が一般的である。また、エンコード形式としては、現在のデジタル放送で一般的なMPEG2を例に取る。
【0021】
図5は、本実施の形態によるデジタル映像記録装置の原理図である。図5には、図1に示す映像記録・再生部15(図1では符号3で示される)の構成例を概略的に示している。各構成要素の符号に関しても、別途付与した。図5に示すように、本実施の形態による映像記録・再生部15は、チューナ33又は記録装置35(SWにより切り替えることができる)からの元映像データ入力を受けた第1デコーダ37と、エンコーダ39と、エンコーダ39からの出力を再度デコードする第2デコーダ41と、を有している。第1デコーダ37からの出力は第1映像出力17−1に表示され、第2デコーダ41からの出力は第2映像出力17−2に表示される。
【0022】
元映像情報21には、元映像データの情報が表示されており、図5においては、フォーマットとしてMPEG2のHD(高精細画像)で記録されていること、モードとしてはTSモードであること、エンコード設定31に関しては、フォーマットがMPEG2のSD(標準画像)で、モードとしてはSPモードであることが表示されている。
【0023】
符号23で示す領域には、コンテンツ(番組)の一般的な情報が表示されており、符号27で示す領域では、再生、録画、早送り、巻き戻しなどを行うためのインタフェースが提供される。このように、第1映像出力と第2映像出力とを別画面に同時にリアルタイム表示させることが可能であるため、実際にフォーマットを変更して録画する前にエンコード後の画質を任意のポイントでリアルタイムに確認することが可能となる。
【0024】
また、エンコード後の確認結果が思わしくない時に再度トライする場合のロスタイムも短くなる。また、事前に画質をある程度把握できるため、生放送でのパラメータ設定の失敗が起こりにくくなる。生放送で最初のパラメータ設定が失敗していても、生で確認しながら途中でパラメータを変更することも可能なため失敗に基づくダメージを軽減できるという利点もある。
【0025】
図6は、本実施の形態によるデジタル映像記録装置におけるエンコード元ソースの選択メニューを示す図である。図6に示すように、本実施の形態によるエンコード元ソース選択メニュー表示画面51は、現在視聴中の番組表示53と、録画番組リスト55と、を有している。録画番組リスト55には、例えば、録画日時欄57と、チャネル欄61と、番組名欄63と、が表示されている。符号65は、番組録画リストから選択された番組を表示する。選択は、カーソルなどにより選択箇所を上下させて変更することができる。この画面から、現在視聴中の番組53又は選択された録画番組リストにより、エンコードする番組を選択して第1デコーダ37によりデコードすることができる。
【0026】
図7は、本実施の形態によるデジタル映像記録装置におけるエンコード画質事前確認画面の表示例を示す図である。図7に示すように、本実施の形態によるエンコード画質事前確認画面71には、図6に示す画面で選択された録画日時とチャネルと番組名とが表示(75)され、次の番組のエンコード画質を事前に確認しますか?というユーザへの確認メッセージとともに、する又はしないの選択を促す表示77がなされる。これにより、エンコード画質の事前確認を行うか否かをまず決めさせることができる。
【0027】
図8は、本実施の形態によるエンコード画質確認画面用OSDの再生・画質確認表示例を示す図である。図8に示すように、本実施の形態によるエンコード画質確認画面用OSDの再生・画質確認表示画面81においては、元画像情報83と、進捗バー85と、再生/録画/巻き戻し・早送りキー87と、実行キー88と、設定変更キー89と、戻るキー90と、エンコード設定表示領域97と、を有している。ここで、再生キーを選択すると、ディスプレイに再生画面が表示され、OSD再生による画質を確認することができる。
【0028】
図9は、図8におけるエンコード画質確認画面用OSDの再生・画質確認表示例を示す図である。図8に示すように、本実施の形態によるエンコード画質確認画面用OSDの再生ポイント変更画面例を示す図である。図9に示す画面で、進捗バー105を見ながら再生ポイントを変更する操作を行うことにより、再生ポイントを変更してエンコード画質を確認することができる。
【0029】
図10は、エンコード画質確認画面用OSDのエンコード設定画面における表示例121を示す図である。図10に示すように、設定変更135を選択すると、エンコード設定表示が符号141で示すように表示される。このエンコード設定表示141は、フォーマットとして選択できる項目と、モードとして選択できる項目とが表示される。図10においては、フォーマットとしてMPEG2 SD141aが、モードとしてSP141bの表示が選択されている。これによりエンコード設定の変更を行うことができる。
【0030】
図11は、エンコード画質確認画面用OSDの実行指示画面における表示例151を示す図である。図11に示すように、実行159を選択して実行させると、図10において設定されたエンコード条件に基づく表示がディスプレイに表示される。このエンコード設定表示151を確認することで、エンコード設定の結果を確認することができる。
【0031】
図12は、本実施の形態によるエンコード実行確認メニューの表示例を示す図である。図12に示すように、エンコード実行確認メニュー171においては、上記のエンコード設定変更も踏まえて、録画日時とチャネルと番組名と、エンコード設定とを再確認し、これでエンコードを実行するかどうかのユーザの選択を促す(する177、しない181)画面が表示される。これで良ければ実行(enter)、変更したい場合には戻る(return)キーを操作する。
【0032】
図13は、エンコード設定メニュー表示画面の表示例191を示す図である。図13に示すように、表示191は、エンコードに使用するモードを設定してくださいというメッセージ193に加えて、フォーマット選択領域195とモード選択領域197と、決定198、戻る199とを有している。この画面に基づいて、例えば、フォーマットとしてMPEG2 SD(195a)が、モードとしてSP(197a)が選択候補として挙げられている。この選択候補で良ければ決定198を操作し、再設定したい場合には戻る199を操作する。
【0033】
次に、2画面を表示させる形式について説明する。図14は、本発明の実施の形態によるデジタル映像記録装置の表示例を示す図である。図14に示すように、2画面表示形式の表示画面201においては、元映像表示用画面203と、エンコード後映像表示用画面205と、が設けられている。その他の構成は、符号207から219までに示すように、上記実施の形態による表示と同様である。このように、元映像とエンコード後映像とを表示させることにより、エンコード結果を元映像と比較して評価することができ、より精度の高い評価を行うことができる。このような評価は、図5に示すように、第1及び第2のデコーダ37、41を備えていることにより可能になる。
【0034】
実際の記録時には、エンコーダからの出力データをメモリ(図1の記録媒体3h)に保存しておくことも可能である。
【0035】
次に、本実施の形態による処理の流れの例について図15及び図16を参照しつつ説明を行う。図15に示すように、処理を開始すると(スタート)、ステップS101において、図6に示す画面例1が表示され、番組リスト又はチューナからエンコード元ソースを選択する。次いで、ステップS102において、図7に示す画面例2が表示され、エンコード画質を事前確認するか否かを選択する。事前確認しない場合には(No)、ステップS110に進み、図13に示す表示画面例8が表示され、メニューでのエンコード設定を行い、後述するステップS108に進む。
【0036】
事前確認する場合には(Yes)、ステップS103に進み、図8に示す表示画面例3が表示され、自動的にデフォルト値又は最後に設定したエンコード設定に基づいてエンコード設定を行う。次いで、ステップS104に進み、図8及び図9に示す表示画面例3、4に基づいて、必要であれば進捗バー(プログレスバー)により再生ポイントを変更しながら再生し、元ソースとエンコードの画質を比較する。ステップS105において、エンコード画質が所望の画質であるか否かを判定し、所望の画質でなければ(No)、ステップS106に進み図10に示す表示画面例5に基づいてエンコード設定を変更し、ステップS104に戻る。所望の画質であれば(Yes)、ステップS107に進み図11に示す表示画面例6に基づいてエンコード実行指示を行い、ステップS108において図12に示す表示画面例7に基づいてエンコード実行最終確認を行う。次いで、ステップS109においてエンコード処理を実行し、処理を終了する。
【0037】
一方、2画面表示の場合について、図15と対比させて要素のみを示すと、図16に示すように、処理を開始し、ステップS101において、図5に示す表示において番組リスト、又はチューナからエンコード元ソースを選択する。その後、ステップS104において、図14に示す表示画面例9において、再生して元ソースとエンコード後との画質を2つの画面を対比させて比較する。ステップS105において、エンコード画質が所望の画質になっているか否かを判断し、エンコード画質がOKでなければ(No)ステップS106に進み、表示画面例5においてエンコード設定を変更し、ステップS104に戻る。エンコード画質がOKであれば(YES)であれば、ステップS109に進みエンコード処理を実行し、処理を終了する。
【0038】
以上のように、本実施の形態によるデジタル映像記録装置によれば、デコーダ1の出力を元映像として確認するとともに、エンコード後の映像をデコーダ2の出力として確認することができる。従って、実際に全ての映像のエンコードを行わなくても事前に任意のポイントでのエンコード後の画質をリアルタイムに確認することを可能とする。また、実際にフォーマットを変更して録画する前にエンコード後の画質を任意のポイントでリアルタイムに確認することが可能となる。また、エンコード後の確認結果が思わしくない時のロスタイムも削減される。事前に画質をある程度把握できるので生放送でのパラメータ設定失敗が軽減される。生放送で最初のパラメータ設定が失敗していても生で確認しながら途中でパラメータを変更することが可能なためダメージを軽減できる。
【0039】
また、ユーザインタフェースから、エンコード時のパラメータと再生ポイントとをユーザが任意に変更できる。さらに、エンコード結果映像を確認しながら記録することの可能である。エンコード形式を任意に変更することができ、また、トランスコードにも対応することが可能である。
【0040】
尚、デコーダを2つ持つため、1入力でリアルタイムに元映像とエンコード結果映像とを比較することができ、従来例のようなストレージを持たなくても良いという利点がある。エンコードデータは記録媒体などに保存しておくことが可能である。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態によるデジタル映像記録装置について図面を参照しつつ説明を行う。図2は、本発明の第2の実施の形態によるデジタル映像記録装置の一構成例であって2記憶媒体対応型の構成例を示す図である。図2に示すように、本実施の形態による2記憶媒体対応型のデジタル映像記録装置は、制御部1と、記録再生部3と、を有しおり、この点は、図1に示す記録再生装置と同様である。図2に示す装置と図1に示す装置との主な違いは、記録媒体として第1の記録媒体3hと第2の記録媒体3iとを有している点である。第1の記録媒体3hは第1のデコーダ3eとの間でデータをやり取りするとともに、エンコーダ3fから第1のデコーダ3eへのデータと同じデータを受ける。一方、第2の記録媒体3iは、第2のデコーダ3gとの間でデータをやり取りするとともに、エンコーダ3fから第2のデコーダ3gへのデータと同じデータを受ける。これにより、第1のディスプレイへの表示映像を第1の記録媒体3hに記録するとともに、第2のディスプレイへの表示映像を第2の記録媒体3iに記録することができる。
【0042】
これにより、プレビュー時に上記2つの経路(ディスプレイ1への経路とディスプレイ2への経路)とを並行して取ることにより元映像出力とエンコード結果映像出力との同時確認を可能とするとともに、実際の記録時は、エンコーダ3fからの出力データを第1及び第2の記録媒体(装置)に保存することができるため、エンコード前の映像とエンコード後の映像との両方を記録媒体に記録する複雑な処理を一度に行うことができるという利点がある。
【0043】
次に、本発明の第3の実施の形態によるデジタル映像記録装置であって、2記録媒体、2チューナ対応のデジタル映像記録装置について図面を参照しつつ説明を行う。図3は、本実施の形態によるデジタル映像記録装置の一構成例を示す図である。図3に示すように、本実施の形態による2記録媒体、2チューナ対応のデジタル映像記録装置は、図2に示す第2の実施の形態によるデジタル映像記録装置に加えて、RF入力2からの入力を受ける第2のチューナ3a’を有している点を特徴とする。第2のチューナ3a’は、第2のデコーダ3gに入力される。本実施の形態によるデジタル映像記録装置では、第1のチューナ3aからの入力を受ける場合には、第1のデコーダ3eからの出力が元映像としてディスプレイ1に表示され、第2のチューナ3a’からの入力を受ける場合には、第2のデコーダ3gからの出力が元映像としてディスプレイ2に表示されるようになっている。本実施の形態によるデジタル映像記録装置によれば、2入力に対応してそれぞれの元映像とエンコード映像とを比較することができるという利点がある。
【0044】
次に、本発明の第3の実施の形態によるデジタル映像記録装置の変形例による映像記録装置であって、2記録媒体、2チューナ対応のデジタル映像記録装置について図面を参照しつつ説明を行う。図4は、本実施の形態によるデジタル映像記録装置の一構成例を示す図である。図4に示すように、本実施の形態による映像記録装置は、RF入力を受けるチューナ3aと、アナログRF入力を受けて選局を行うアナログチューナ3kとを有している点を特徴とする。アナログチューナ3kからの出力信号は、NTSCエンコーダ3lに出力され、NTSCエンコーダ3lからの出力はADコンバータ3jによりデジタル変換され、エンコーダ3fに出力される構成を有している。その後の構成と動作は、図3に示すものと同様である。本実施の形態によるデジタル映像記録装置によれば、2入力に対応して、かつ、その内の一方はデジタル映像、他方はアナログ映像である場合において、それぞれの元映像とエンコード映像とを比較することができるという利点がある。
【0045】
次に、本実施の形態によるデジタル映像記録装置の応用例について説明する。本実施の形態によるデジタル映像記録装置を、多画面(一般的には2画面)表示が可能な表示装置、例えば液晶テレビ受像器に適用すれば(外付け又は内蔵のいずれでも良い)、テレビの表示画面上で、映像出力(元画像)と、映像出力(エンコード結果画像)とを、リアルタイムに比較しながらエンコード設定を適正化し、適正化した設定値に基づいて実際の2番組の同時録画や録画、再生しながらのDVDやメモリカードなどの記録媒体へのダビング作業などを行うことができる。また、異なる画質、例えば、HD映像をSD映像に変換して録画する機能を持つデジタル映像記録/再生装置として利用することができる。尚、デジタル映像記録/再生装置は、記録専用、再生専用、記録及び再生兼用のいずれも含む。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、デジタル映像記録/再生装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるデジタル映像記録装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態によるデジタル映像記録装置の一構成例であって2記憶媒体対応型の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態によるデジタル映像記録装置であって、2記録媒体、2チューナ対応のデジタル映像記録装置の一構成例を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態によるデジタル映像記録装置の変形例による映像記録装置であって、2記録媒体、2チューナ対応のデジタル映像記録装置の一構成例を示す図である。
【図5】本実施の形態によるデジタル映像記録装置の原理図である。
【図6】本実施の形態によるデジタル映像記録装置におけるエンコード元ソースの選択メニューを示す図である。
【図7】本実施の形態によるデジタル映像記録装置におけるエンコード画質事前確認画面の表示例を示す図である。
【図8】本実施の形態によるエンコード画質確認画面用OSDの再生・画質確認表示例を示す図である。
【図9】図8におけるエンコード画質確認画面用OSDの再生・画質確認表示例を示す図である。
【図10】エンコード画質確認画面用OSDのエンコード設定画面における表示例を示す図である。
【図11】エンコード画質確認画面用OSDの実行指示画面における表示例を示す図である。
【図12】本実施の形態によるエンコード実行確認メニューの表示例を示す図である。
【図13】エンコード設定メニュー表示画面の表示例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態によるデジタル映像記録装置の表示例を示す図である。
【図15】本実施の形態による処理の流れの例を示すフローチャート図である。
【図16】図15に対応し、2画面表示方式の場合のフローチャート図である。
【図17】一般的なデジタル映像記録装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図18】特許文献2に記載された映像記録装置の従来の構成例を示す図である。
【図19】他の形態による映像記録装置の従来の構成例を示す図である。
【図20】特許文献2に関連する映像記録装置の従来の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
A…映像記録装置、1…制御部、1a…ユーザI/F部、1b…CPU、3…記録再生部、3a…チューナ、3b…第1ビデオ出力、3c…OSD、3d…第2ビデオ出力、3e…第1デコーダ、3f…エンコーダ、3g…第2デコーダ、3h…記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
元映像データをデコードする第1のデコーダと、
該第2のデコーダの出力をエンコードするエンコーダと、
該エンコーダの出力をデコードする第2のデコーダと、
前記第1のデコーダと前記第2のデコーダとの出力のそれぞれの第1及び第2の出力端子と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
さらに、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とのそれぞれに出力される信号に基づいて表示を行う第1の表示部と第2の表示部とを有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の表示部と前記第2の表示部とは、1つの表示画面上の異なる表示領域であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
さらに、前記第1のデコーダ及び前記第2のデコーダとのそれぞれと信号をやり取りする記録媒体を有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
さらに、前記第1のデコーダ及び前記第2のデコーダとのそれぞれと信号をやり取りする第1の記録媒体及び第2の記録媒体を有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
さらに、前記第1のデコーダに対応する第1の入力端子と、前記第2のデコーダに対応する第2の入力端子と、を有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の入力端子と前記第2の入力端子とのいずれか一方にはアナログ信号が入力され、
アナログ信号が入力される側のエンコーダの全段にアナログ信号をデジタル信号に変換する変換器が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
さらに、前記エンコーダによるエンコード時のパラメータと再生ポイントとの少なくとも一方を設定するユーザインタフェースを有することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の出力端子からの信号に基づくエンコード結果の確認とメモリへの記録とを平行して実行する制御を行うことを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の情報処理装置を備えた映像記録/再生装置。
【請求項11】
請求項1に記載の情報処理装置における情報処理方法であって、
エンコード元ソースを選択するステップと、
エンコード画質を確認し、必要に応じて元ソースとエンコード済み画質とを比較するステップと、
比較するステップに基づいてエンコード実行を行うか否かを決定するステップと
を有する情報処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載のステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−203594(P2006−203594A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−13516(P2005−13516)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】