説明

デバイス収容装置

【課題】デバイスケース内に収容したデバイスの散乱を防止可能なデバイス収容装置を提供する。
【解決手段】デバイスケースを水平移動させるデバイスケース移動手段を備えたデバイス収容装置であって、該デバイスケースの一方の側部の外側に固定的に設けられ、出射光の光路が該デバイスケースの上面から所定距離以内を通過するように位置付けされた発光部と、該発光部に対向して該デバイスケースの他方の側部の外側に固定的に設けられ、該発光部の出射光を受光するように位置付けられた受光部と、該受光部に接続されデバイスの該デバイスケース内への収容状態の正常と異常を判定する判定手段とを含むデバイス収容状態検出機構110を更に具備し、該デバイスケース移動手段によって該デバイスケースが該発光部の出射光の光路の下側を移動する際、該受光部の受光が遮断された場合に、該判定手段がデバイスの収容状態の異常を判定し異常信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスをデバイスケースに収容するデバイス収容装置に関し、特に、デバイスを収容したデバイスケースのデバイス収容状態の異常を検出可能なデバイス収容装置のデバイス収容状態検出機構に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の集積回路が複数形成され、樹脂によってパッケージングされたCSP(Chip Size Package)等の矩形基板は、ダイシング装置などの切削装置によって個々のデバイスへと分割され、デバイスケースに収容された状態で電子機器の組み立て工程に搬送される。搬送された個々のデバイスは組み立て工程において、各種電子機器に実装される。
【0003】
一般に、デバイスケースへのデバイスの収容には専用のデバイス収容装置が用いられるが、特開2000−208445号公報又は特開2006−156777号公報では、切削装置とデバイス収容装置とを一体化した矩形基板の分割装置が提案されている。
【0004】
一般にこれらデバイスが収容されるデバイスケースは複数の升目を有し、デバイス収容装置のピックアップ手段がデバイスを上面から吸着保持し、デバイスケースの各升目にデバイスを位置付けた後、吸着を解除してデバイスをデバイスケースの升目中に収容する。全ての升目にデバイスが収容されたデバイスケースは積層されて一時的に保管され、次の実装工程へと搬出される。
【特許文献1】特開2000−208445号公報
【特許文献2】特開2006−156777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、デバイスをデバイスケースに収容する際、ピックアップ手段とデバイスケースとの位置付け誤差等により、既にデバイスが収容されている升目の上にデバイスの一部が乗り上がった形で別のデバイスが収容されたりすることがあった。
【0006】
デバイスが既に収容されている升目の上にデバイスの一部が乗り上がった形で別のデバイスが収容されると、デバイスケースを積層して一時的に保管する際に、他のデバイスケースを必要以上に押し上げて、収容したデバイスを散乱させてしまう恐れがあるという問題がある。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、デバイスケース内に収容したデバイスを散乱させてしまうことを防止可能なデバイス収容装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、複数の升目を有し該各升目中にデバイスを収容可能なデバイスケースと、デバイスをピックアップして該デバイスケースの各升目中へデバイスを収容するピックアップ手段と、該デバイスケースの各升目が該ピックアップ手段によってデバイスを収容可能とするデバイス収容位置へ位置付けられるように該デバイスケースを水平移動させるデバイスケース移動手段とを備えたデバイス収容装置であって、該デバイスケースの一方の側部の外側に固定的に設けられ、出射光の光路が該デバイスケースの上面から所定距離以内を通過するように位置付けされた発光部と、該発光部に対向して該デバイスケースの他方の側部の外側に固定的に設けられ、該発光部の出射光を受光するように位置付けられた受光部と、該受光部に接続されデバイスの該デバイスケース内への収容状態の正常と異常を判定する判定手段とを含むデバイス収容状態検出機構を更に具備し、該デバイスケース移動手段によって該デバイスケースが該発光部の出射光の光路の下側を移動する際、該受光部の受光が遮断された場合に、該判定手段がデバイスの収容状態の異常を判定し異常信号を出力することを特徴とするデバイス収容装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、デバイスケース内に収容したデバイスを散乱させてしまうことを防止可能なデバイス収容装置が提供される。即ち、対向して配設された発光部と受光部との僅かばかり下側をデバイス収容済みのデバイスケースを移動させることにより、デバイスが既に収容されている升目の上にデバイスの一部が乗り上がった形で別のデバイスが収容された場合には、発光部からの出射光が乗り上がったデバイスによって遮断され受光部で受光されないため、収容不良を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1を参照すると、例えば図2に示すような矩形基板4に格子状に形成された分割予定ライン6を切削して個々のデバイスに分割する矩形基板の分割装置2の斜視図が示されている。図2に示した矩形基板4は、分割予定ライン6によって区画されて複数のデバイスが形成されている。
【0011】
デバイスは、図示の例では第1デバイス列D1〜第8デバイス列D8により構成されており、各デバイス列は三つのデバイスと両端の二つの端材8により構成されている。第1デバイス列D1及び第8デバイス列D8よりも外周側には不要端部(端材)10が形成されている。端材8及び不要端部10は、最終的には廃棄されるものである。
【0012】
矩形基板4の裏面には、デバイス保護用の保護テープTが貼着されている。図1に示した分割装置2を用いて分割予定ライン6を切削することにより、矩形基板4を個々のデバイスに分割することができる。矩形基板4としては、例えばCSP、ガラス基板等がある。
【0013】
図1を再び参照すると、分割装置2は裏面に保護テープTが貼着された矩形基板4を縦横に切削して個々のデバイスに分割する切削担当領域12と、矩形基板4から保護テープTを剥離するテープ剥離担当領域14と、個々のデバイスをデバイスケースに収容するデバイス収容担当領域16とから構成される。
【0014】
切削担当領域12には、複数の矩形基板を収容したカセットが載置されるカセットテーブル18と、カセットテーブル18から矩形基板を搬出する搬出手段20と、回転ベース21の上面に固定され搬出された矩形基板を保持するとともに回転可能なチャックテーブル(保持テーブル)22と、チャックテーブル22に保持された矩形基板を分割予定ライン6に沿って切削して個々のデバイスに分割する切削ブレード24を有する切削手段26と、切削済みの矩形基板を洗浄する洗浄手段28とが設けられており、切削担当領域12では、矩形基板の切削によるダイシング及び切削後の矩形基板の洗浄が行われる。
【0015】
搬出手段20はY軸方向に移動可能であり、カセットテーブル18上に載置されたカセットC1又はC2から矩形基板を搬出する。カセットテーブル18は後述するカセット位置付け手段30とともにZ軸方向に昇降可能となっており、その上に二つのカセットC1,C2が取り外し可能に載置されている。
【0016】
カセットテーブル18の下方には、何れかのカセットに収容された矩形基板が搬出手段20により搬出可能となる位置に選択的に位置付け可能なカセット位置付け手段30が配設され、カセットテーブル18はX軸方向にも移動可能に構成されている。これにより、それぞれのカセットC1,C2中に格納された矩形基板を次々と効率良く搬出することができる。
【0017】
図3に示すように、チャックテーブル22の上方であってカセットテーブル18と搬出手段20との間には、Y軸方向に長尺で断面がL字型の一対の開閉部材32が対向して構成される姿勢矯正手段34が配設されている。
【0018】
一対の開閉部材32の各々は、底部32aと側部32bとから構成され、互いに近づく方向又は離れる方向に移動し、近づいた状態において閉状態を形成し、離れた状態において第1の開状態と第2の開状態を形成する。
【0019】
カセットC1又はカセットC2から矩形基板を搬出する際には、姿勢矯正手段34が第1の開状態となっており、搬出された矩形基板は二つの底部32a上に載置される。即ち、第1の開状態は、矩形基板を搬出できる程度に開いており、且つ、矩形基板が下方に落下しない程度に開いた状態である。
【0020】
一方、第2の開状態は、矩形基板が一対の開閉部材32の間を垂直方向に移動できる程に開いた状態である。一対の開閉部材32が近づいて閉状態となることにより、矩形基板の姿勢が矯正され、一定の位置に位置合わせされて所定の方向を向くようになる。
【0021】
カセットテーブル18が所定の高さに位置付けられると、搬出手段20が+Y軸方向に移動し、把持部36によってカセットC1又はカセットC2に収容された矩形基板を把持する。
【0022】
そして、開閉部材32が第1の開状態となった状態で、搬出手段20が−Y軸方向に移動すると、矩形基板4が裏面に貼着された保護テープTとともに開閉部材32の底部32aの上をスライドする。
【0023】
矩形基板4がチャックテーブル22の真上の位置まで移動されると、搬出手段20の移動を停止させるとともに把持部36による把持状態を解除し、矩形基板4を二つの底部32aの上に載置する。この状態で、一対の開閉部材32が近づいて閉状態となり、矩形基板4の姿勢が矯正される。
【0024】
チャックテーブル22の真上には、第1の搬送手段38が配設されている。第1の搬送手段38は、吸引源に連通した複数の吸着パッド40aが下部に固定された保持部40を備えており、矩形基板4が開閉部材32の底部32a上に載置されると、保持部40が下降して矩形基板4の表面が吸着パッド40aによって吸着される。
【0025】
そして、一対の開閉部材32を第1の開状態とした後に、矩形基板4を吸着した状態で保持部40が上昇して矩形基板4を持ち上げると共に、次に一対の開閉部材32を第2の開状態として保持部40を下降させて矩形基板4をチャックテーブル22に載置し、吸着パッド40aによる吸着を解除すると、矩形基板4の裏面に貼着された保護テープTがチャックテーブル22に吸引保持され、矩形基板4もチャックテーブル22によって保持される。
【0026】
チャックテーブル22は回転可能であると共に、X軸方向に移動可能に構成されており、チャックテーブル22の移動経路の上方には、矩形基板に形成された分割予定ライン6(図2参照)を検出するアライメント手段42が配設されている。
【0027】
チャックテーブル22上に矩形基板4が保持されると、チャックテーブル22が+X軸方向に移動して矩形基板4がアライメント手段42の直下に位置付けられる。アライメント手段42は撮像部44を備えており、アライメント手段42は、撮像部44がY軸方向に移動しながら取得した画像と予め記憶された画像とのパターンマッチング等によって分割予定ライン6を検出する。
【0028】
図1を再び参照すると、アライメント手段42よりも+X軸方向側には、高速回転する切削ブレード24を備え、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能な切削手段26が配設されている。
【0029】
切削手段26は撮像部44と一体に構成されており、撮像部44の+X軸方向の延長線上に切削ブレード24が位置している。アライメント手段42によって分割予定ライン6が検出された時には、その分割予定ライン6と切削ブレード24とのY軸方向の位置合わせが自動的に達成される。
【0030】
このようにして、切削しようとする分割予定ライン6と切削ブレード24とのY軸方向の位置合わせが行われると、次に、チャックテーブル22に保持された矩形基板4が+X軸方向に移動するとともに、切削ブレード24が高速回転しながら切削手段26が下降し、高速回転する切削ブレード24が検出された分割予定ライン6に切り込み、当該分割予定ライン6が切削される。
【0031】
分割予定ラインのピッチずつ切削ブレード24をY軸方向に割り出し送りしながら順次分割予定ライン6を切削していくと、同方向の分割予定ライン6が全て切削される。更に、チャックテーブル22を90度回転させて矩形基板4を90度回転させた後に上記と同様の切削を行うと、全ての分割予定ライン6が切削されて個々のデバイスに分割される。
【0032】
分割の終了した矩形基板4は第2の搬送手段46で洗浄手段28に搬送され、ここで洗浄及びスピン乾燥される。尚、洗浄手段28の詳細構成については特許文献2に開示された内容を本明細書中にリファレンスとして取り込むため、特許文献2を参照されたい。
【0033】
洗浄手段28で洗浄及びスピン乾燥された矩形基板4は、第3の搬送手段48でテープ剥離担当領域14に配置されたテープ剥離機構51に搬送される。
【0034】
図4に示すように、テープ剥離機構51は個々のデバイスに分割後、洗浄及び乾燥された矩形基板4が仮置きされる仮置きテーブル52と、デバイスが載置されてピックアップされるテーブルであるピックアップテーブル54と、矩形基板4の裏面に貼着された保護テープTを剥離しながら仮置きテーブル52からピックアップテーブル54にデバイスを移載するデバイス移載手段56を備えている。
【0035】
仮置きテーブル52の上方には、保護テープTが貼着された切削済みの矩形基板4を+Y軸方向に移動させるプッシャ58が配設されている。プッシャ58よりも+Y軸方向側には、仮置きテーブル52に載置された矩形基板4を上方から押圧して仮置きテーブル52との間で挟み込む押圧ローラ60が配設されている。
【0036】
ピックアップテーブル54は、第1のテーブル54aと第2のテーブル54bとから構成されている。第1のテーブル54aは、仮置きテーブル52と第2のテーブル54bとの間の領域をY軸方向に移動可能に配設され、仮置きテーブル52に近づいたり第2のテーブル54bに近づいたりすることができる。
【0037】
ピックアップテーブル54の上方には、第1のテーブル54aに載置されているデバイスを第2のテーブル54bに移動させるデバイス移動手段62が配設されている。また、第2のテーブル54bよりも+Y軸方向側の下方には、ダイシングされた矩形基板4の外周にある端材8,10(図2参照)を収容する端材収容部64が配設されている。更に、仮置きテーブル52の下方には、廃棄する保護テープTを収容する保護テープ収容部66が配設されている。
【0038】
デバイス移動手段62は、Y軸方向に水平移動する水平移動部68と、水平移動部68によってZ軸方向に昇降可能に支持された昇降部70と、昇降部70の先端に固定され第1のテーブル54aの上又は第2のテーブル54bの上においてデバイスや端材を摺動させて+Y軸方向に押し出す押し出し部72とから構成される。
【0039】
押し出し部72は、第1のテーブル54aに載置されているデバイスを+Y軸方向に押し出して第2のテーブル54bに移動させるデバイス押し出し部72aと、第2のテーブル54bに残存している端材を端材収容部64に廃棄する端材押し出し部72bを有している。
【0040】
このように構成されたテープ剥離機構51において、仮置きテーブル52上に載置された矩形基板4をデバイス移載手段56のプッシャ58で+Y軸方向に押しながら図示しない把持部で矩形基板4の不良端部10を保護テープTとともに把持して下側に引き込むことにより、保護テープTは矩形基板4から剥離され、まず第1デバイス列D1が第1のテーブル54a上に載置される。
【0041】
尚、テープ剥離機構51のテープ剥離動作の詳細については上述した特許文献2に詳細に記載されているため、本明細書中にその内容をリファレンスとして取り組むことにするため、特許文献2を参照されたい。
【0042】
第1のテーブル54a上の第1デバイス列D1は押し出し部72のデバイス押し出し部72aにより+Y軸方向に押し込まれ、第1のテーブル54aから図5に示すように第2のテーブル54bに移載される。
【0043】
図5を参照すると、テープ剥離機構51はピックアップテーブル54の上方に固定的に配設された支持部材74を備えている。支持部材74は、第2のテーブル54b上に載置されたデバイスDをピックアップしてデバイスケース84まで搬送するピックアップ手段76を支持している。
【0044】
ピックアップ手段76は、支持部材74の下面に固定された支持部78と吸着部80を有しており、X軸方向及びZ軸方向に移動可能である。ピックアップ手段76にはCCDカメラ等からなる撮像手段82が取り付けられている。
【0045】
第1ケース枠(良品ケース枠)86中には良品を収容するデバイスケース84が出し入れ可能に収容されており、第2ケース枠(不良品ケース枠)88中には不良品を収容するデバイスケース枠84が出し入れ可能に収容されている。
【0046】
次に図6を参照して、デバイス収容担当領域16の構成について説明する。デバイス収容担当領域16には、デバイスケース格納部90が配設されている。デバイスケース格納部90は、空のデバイスケース84を格納する空デバイスケース格納部92と、良品のデバイスが収容された良品デバイスケース84aを格納する良品デバイスケース格納部94と、不良品のデバイスが収容された不良品デバイスケース84bを格納する不良品デバイスケース格納部96を含んでいる。
【0047】
空デバイスケース格納部92、良品デバイスケース格納部94、不良品デバイスケース格納部96には、それぞれデバイスケース84を垂直方向に重ねて複数枚格納することができる。
【0048】
17はデバイス収容装置であり、空デバイスケース格納部92からデバイスケース84を取り出して、ピックアップ手段76によってピックアップされたデバイスDを収容できる位置であるデバイス収容位置に位置付けるデバイスケース位置付け手段98を備えている。
【0049】
デバイスケース位置付け手段98は、第1ケース枠86を水平移動する第1移動手段106と、第2ケース枠88を水平移動する第2移動手段108を含んでいる。第1ケース枠86と第2ケース枠88は互いに高さを変えて配置されており、第1ケース枠86上を第2ケース枠88がスライド可能に構成されている。
【0050】
空デバイスケース格納部92、良品デバイスケース格納部94、不良品デバイスケース格納部96のそれぞれの直下には、第1の昇降板100、第2の昇降板102、第3の昇降板104がそれぞれ配設されている。第1の昇降板100、第2の昇降板102及び第3の昇降板104上にはそれぞれデバイスケース84を載置することができる。
【0051】
空デバイスケース格納部92に格納された複数のデバイスケース84のうち、最も下側に格納されたデバイスケース84は、突出片92aによって支持されて落下しないようになっており、これによってその上方のデバイスケース84も支持されている。突出片92aは出没自在となっており、没入時にはデバイスケース84の支持状態が解除される。
【0052】
良品デバイスケース格納部94及び不良品デバイスケース格納部96にも、同様の機能を有する突出片94a,96aがそれぞれ配設されており、突出片94aにより積層された複数の良品デバイスケース84aが支持され、突出片96aにより積層された複数の不良品デバイスケース84bが支持されている。
【0053】
110はデバイス収容状態検出機構であり、固定的に配設された第1検出機構112と、第2ケース枠88の一端部下側に取り付けられた第2検出機構114とを含んでいる。
【0054】
第1及び第2検出機構112,114とも発光素子と、発光素子に対向して配置された受光素子と、受光素子に接続されたデバイスの収容状態を判定する判定部とから構成される。
【0055】
第1検出機構112は、第2ケース枠88の一側部の外側に配設され、出射光の光路が第2ケース枠88の上面より僅かばかり高い位置になるように位置付けされた発光素子112aと、第2ケース枠88の他の側部の外側に固定的に配置され、発光素子112aの出射光を受光する受光素子とを含んでいる。
【0056】
第2検出機構114は、第2ケース枠88の一端部下側に取り付けられ、出射光の光路が第1ケース枠86の上面より僅かばかり高い位置になるように位置付けされた発光素子114aと、発光素子114aに対向するように第2ケース枠88の一端部下側に取り付けられた受光素子とを含んでいる。
【0057】
以下、上述したデバイス収容状態検出機構の動作について図7を参照して説明する。第1ケース枠86の各升目中に良品デバイスDが収容され、第2ケース枠88の各升目中に不良品デバイスDが収容されているものとする。
【0058】
図7(A)に示すように、第2移動手段108により第2ケース枠88が矢印Aに示すように水平移動すると、第1検出機構112が固定的に配設されているため、第2ケース枠88中に収容されたデバイスケース84の各升目中に不良品デバイスが綺麗に収容されている場合には、発光素子112aの出射光を受光素子で受光することができるため、受光素子に接続された判定部は正常の収容状態であると判定する。
【0059】
一方、デバイスが既に収容されている升目の上にデバイスの一部が乗り上がった形で別のデバイスが収容された場合には、発光素子112aからの出射光が乗り上がったデバイスによって遮断され、受光素子で受光されないため、受光素子に接続された判定部は収容状態の異常と判定することができる。
【0060】
図7(B)に示すように、第2ケース枠88がA方向に更に水平移動すると、第1ケース枠86と部分的に重なって水平移動されることになる。よって、第1ケース枠86中に収容されたデバイスケース84の各升目中に良品デバイスが綺麗に収容されている場合には、第2検出機構114の発光素子114aから出射された光を受光素子で受光することができ、収容状態良好と判定することができる。
【0061】
一方、デバイスが既に収容されている升目の上にデバイスの一部が乗り上がった形で別のデバイスが収容されている場合には、発光素子114aからの出射光が乗り上がったデバイスによって遮断され、受光素子で受光されないため、デバイス収容状態の異常を検出することができる。異常を検出した場合には異常信号を出力し、ブザー等で警告を発する。
【0062】
上述した実施形態では、第1検出機構112及び第2検出機構114をそれぞれ発光素子と受光素子とから構成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、発光素子に光学的に接続された光ファイバの先端を発光素子112a,114aの代わりに配置し、受光素子に光学的に接続された光ファイバの先端で発光側の光ファイバから出射された光を受光するようにしても良い。
【0063】
尚、第1及び第2ケース枠86,88中へのデバイスケース84の収容プロセス、及び良品デバイスケース格納部94への良品デバイスケース84aの格納動作、不良品デバイスケース格納部96への不良品デバイスケース84bの格納動作については、上述した特許文献2に詳細に開示されている。よって、本明細書では特許文献2の開示内容をリファレンスとして明細書中に取り込むことにするため、これらの動作については特許文献2を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明実施形態に係る矩形基板の分割装置の外観斜視図である。
【図2】矩形基板の一例を示す斜視図である。
【図3】切削担当領域の一部を示す斜視図である。
【図4】テープ剥離担当領域を示す斜視図である。
【図5】第1デバイスケース枠及び第2デバイスケース枠中にそれぞれ収容されたデバイスケース中に良品デバイス及び不良品デバイスを収容する様子を示す斜視図である。
【図6】デバイス収容装置の分解斜視図である。
【図7】デバイス収容状態検出機構の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0065】
2 分割装置
4 矩形基板
6 分割予定ライン
8 端材
10 不要端部
12 切削担当領域
14 テープ剥離担当領域
16 デバイス収容担当領域
17 デバイス収容装置
22 チャックテーブル
24 切削ブレード
26 切削手段
28 洗浄手段
42 アライメント手段
51 テープ剥離機構
52 仮置きテーブル
54 ピックアップテーブル
54a 第1のテーブル
54b 第2のテーブル
76 ピックアップ手段
82 撮像手段
84 デバイスケース
86 第1ケース枠(良品デバイスケース枠)
88 第2ケース枠(不良品デバイスケース枠)
92 空デバイスケース格納部
94 良品デバイスケース格納部
96 不良品デバイスケース格納部
98 デバイスケース位置付け手段
110 デバイス収容状態検出機構
112 第1検出機構
114 第2検出機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の升目を有し該各升目中にデバイスを収容可能なデバイスケースと、デバイスをピックアップして該デバイスケースの各升目中へデバイスを収容するピックアップ手段と、該デバイスケースの各升目が該ピックアップ手段によってデバイスを収容可能とするデバイス収容位置へ位置付けられるように該デバイスケースを水平移動させるデバイスケース移動手段とを備えたデバイス収容装置であって、
該デバイスケースの一方の側部の外側に固定的に設けられ、出射光の光路が該デバイスケースの上面から所定距離以内を通過するように位置付けされた発光部と、
該発光部に対向して該デバイスケースの他方の側部の外側に固定的に設けられ、該発光部の出射光を受光するように位置付けられた受光部と、
該受光部に接続されデバイスの該デバイスケース内への収容状態の正常と異常を判定する判定手段とを含むデバイス収容状態検出機構を更に具備し、
該デバイスケース移動手段によって該デバイスケースが該発光部の出射光の光路の下側を移動する際、該受光部の受光が遮断された場合に、該判定手段がデバイスの収容状態の異常を判定し異常信号を出力することを特徴とするデバイス収容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−147114(P2010−147114A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320374(P2008−320374)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】