説明

データ処理システムおよび画像データ処理方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラム

【課題】 簡単な操作で、何等原稿画像を再度読み取る操作を実行することなく、2値化データをサーバ装置に登録できるとともに、画像の視認性が良好でない場合は、オリジナルの多値画像データをサーバ装置に登録することである。
【解決手段】 MFP400で原稿から読み取られる原稿画像の多値画像データを複数のしきい値で2値化した画像データを二値画像データ102として記憶保持し、コンピュータ装置130から画像管理サーバ装置140に対する2値化データの表示要求等に基づいて、MFP400から送信されるしきい値の異なる2値化データを再送要求毎に順次取得して、コンピュータ装置の表示手段に表示する構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ装置と画像処理装置とサーバ装置とが通信して、画像処理装置で読み取られる所定の原稿の2値化データをサーバ装置に備えるデータベースに登録して管理するデータ処理システムおよび画像データ処理方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ装置と画像処理装置とサーバ装置とが通信して、画像処理装置で読み取られる所定の原稿の2値化データをサーバ装置に備えるデータベースに登録して管理するデータ処理システムにおいて、例えば帳票や画像の多値二値変換のための閾値設定方法として、下記特許文献1、2がすでに公開されている。
【0003】
例えば特許文献1では、画像処理部のヒストグラム生成手段は、画像入力部から入力された画像の濃度分布を求めて、濃度ヒストグラムを生成する。第1の算出手段は、その濃度ヒストグラムの相対複雑度を第1の数値として算出する。第2の算出手段は、その濃度ヒストグラムをある濃度値で分割して、二つの相対複雑度の和を第2の数値として、分割する濃度値をとり得る範囲内で変化させ、第2の数値群を算出する。
【0004】
そして、しきい値算出手段は、第1の数値に対する第2の数値の差の絶対値が一定値より小さいときに、分割したその濃度値をしきい値として算出する。画像生成手段は、そのしきい値を用いてしきい値処理をした画像を生成することにより、入力される画像の濃度ヒストグラムの形状に対応して適切なしきい値処理を行うことができる画像処理装置が開示されている(第一の従来技術)。
【0005】
又、特許文献2では、入力画像に対して所定のしきい値に基づいて二値化処理を行う。この二値化処理方法は、入力画像に関するデータをイメージとして表示する工程と、入力画像に基づいて濃度ヒストグラムを作成する工程と、入力画像の濃度ヒストグラムに含まれるピーク中のピーク番号とピーク番号のピーク位置からのオフセット量で表される特徴量に基づいて濃度しきい値を演算する工程と、表示されたイメージに対してユーザが任意の位置を指定する工程と、ユーザがイメージ上で指定した位置の濃度値から得られる特徴量に基づいて、濃度しきい値を設定する工程とを備えることにより、二値化処理のしきい値を所望の領域に基づいて自動的に設定し、さらに複数のしきい値設定を可能にする閾値設定方法が開示されている(第二の従来技術)。
【0006】
さらに証券会社や銀行等の有価証券取引業務で株券等の有価証券の膨大な数の画像データを送付する場合、通信回線の負担を軽減するために白黒の多値(例えば128階調)で読込んだデータを2値化して送信している。二値化のための閾値には、経験に基づいて適当な値が予め設定されている(第三の従来技術)。
【特許文献1】特許2671818号公報
【特許文献2】特開2003−108997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、原稿として読み取られるものが、例えば証券証書のようにそれぞれ画像の配置や画像の色味が異なる場合には、あらかじめ設定されたしきい値で読み取って表示しても、登録者が満足のいく2値化データとならない場合あり、しきい値を変更して、再度2値化処理する場合には、同様の証券証書の読み取りを繰り返す等の指示を操作者が画像入力者に電話で指示したりする負担が発生し、常時画像処理装置側に操作者が待機しないと、タイムリに2値化データ処理を実行できないというネットワーク特有の問題が発生する。
【0008】
さらに、登録可能なしきい値を増やしてしまうと、画像処理装置側に備えるハードディスク等のメモリ占有率が上がってしまい、他の画像処理が効率よく実行できない等の問題も発生する。
【0009】
さらに、画像処理装置側に2値化処理のしきい値の設定を操作者に委ねてしまうと、画像処理に熟知している操作者以外は、同一の処理を何度も繰り返さなければならず、最終的な2値化データ登録処理を完了するまでに相当の時間を要してしまう等の課題があった。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、画像処理装置で原稿から読み取られる原稿画像の多値画像データを複数のしきい値で2値化した画像データを記憶保持し、コンピュータ装置からサーバ装置に対する2値化データの表示要求等に基づいて、画像処理装置から送信されるしきい値の異なる2値化データを再送要求毎に順次取得して、コンピュータ装置の表示手段に表示し、それでも、画像に視認性が良好でないと判定した場合に、コンピュータ装置から再送要求に応じて、画像処理装置であらかじめ記憶されている多値画像データのヒストグラムを算出して、新たな2値化のためのしきい値を決定し、該決定された各2値化データを取得して表示し、該表示でも、視認性が良好でない場合には、読み取られている多値画像データをそのまま取得して表示することにより、画像処理装置で原稿から読み取られた後、2値化された2値化データの視認性が良好でない場合には、簡単な操作で、何等原稿画像を再度読み取る操作を実行することなく、画像処理装置からしきい値の異なる2値化データを取得して短時間に画像の差異を判別して最小の2値化データをサーバ装置に登録できるとともに、画像の視認性が良好でない場合は、オリジナルの多値画像データをサーバ装置に登録することができ、システム全体として、従来に比べて、二値画像データの登録処理効率を格段に向上できる利便性に優れたデータ処理システムおよび画像データ処理方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明のデータ処理システムは以下に示す構成を備える。
【0012】
コンピュータ装置と画像処理装置とサーバ装置とが通信して、画像処理装置で読み取られる所定の原稿の2値化データをサーバ装置に備えるデータベースに登録して管理するデータ処理システムであって、画像処理装置は、所定の原稿から読み取られる多値画像データ、該多値画像データを設定される複数のしきい値に基づいて2値化処理される複数の2値化データ、前記多値画像データおよび複数の2値化データの管理データを記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている2値化データを前記サーバ装置に転送する転送手段とを備え、前記サーバ装置は、前記画像処理装置から取得される2値化データおよび該2値化データの管理データを記憶する第2の記憶手段と、前記コンピュータ装置からの画像登録指示に基づいて、前記画像処理装置から取得している2値化データの登録を確定する確定手段とを備え、コンピュータ装置は、前記第2の記憶手段に記憶される2値化データを取得して表示する表示手段と、前記表示手段に表示される2値化データの変更を要求する第1の指示手段と、前記第1の指示手段に基づいて前記サーバ装置が前記画像処理装置の前記第1の記憶手段に記憶されるしきい値の異なる2値化データを取得して、前記表示手段に表示すべき2値化データを更新する表示制御手段と、前記表示手段に表示される2値化データの前記第2の記憶手段への登録指示を行う第2の指示手段とを備えることを特徴する。
【0013】
上記目的を達成する本発明の画像データ処理方法は以下に示す構成を備える。
【0014】
コンピュータ装置と画像処理装置とサーバ装置とが通信して、画像処理装置で読み取られる所定の原稿の2値化データをサーバ装置に備えるデータベースに登録して管理するデータ処理システムにおけるデータ処理方法において、画像処理装置において、所定の原稿から読み取られる多値画像データ、該多値画像データを設定される複数のしきい値に基づいて2値化処理される複数の2値化データ、前記多値画像データおよび複数の2値化データの管理データを記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている2値化データを前記サーバ装置に転送する転送ステップとを備え、前記サーバ装置において、前記画像処理装置から取得される2値化データおよび該2値化データの管理データを記憶する第2の記憶手段と、前記コンピュータ装置からの画像登録指示に基づいて、前記画像処理装置から取得している2値化データの登録を確定する確定ステップとを備え、コンピュータ装置は、前記第2の記憶手段に記憶される2値化データを取得して表示手段に表示する表示ステップと、前記表示手段に表示される2値化データの変更を要求する第1の指示ステップと、前記第1の指示ステップに基づいて前記サーバ装置が前記画像処理装置の前記第1の記憶手段に記憶されるしきい値の異なる2値化データを取得して、前記表示手段に表示すべき2値化データを更新する表示制御ステップと、前記表示手段に表示される2値化データの前記第2の記憶手段への登録指示を行う第2の指示ステップとを備えることを特徴する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像処理装置で原稿から読み取られた後、2値化された2値化データの視認性が良好でない場合には、簡単な操作で、何等原稿画像を再度読み取る操作を実行することなく、画像処理装置からしきい値の異なる2値化データを取得して短時間に画像の差異を判別して最小の2値化データをサーバ装置に登録できるとともに、画像の視認性が良好でない場合は、オリジナルの多値画像データをサーバ装置に登録することができ、システム全体として、従来に比べて、二値画像データの登録処理効率を格段に向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係るデータ処理システムにおける画像処理装置の構成を説明する断面図であり、リーダ部200及びプリンタ部300の詳細を示す。
【0018】
図1において、リーダ部200では、原稿給送ユニット250に積層された原稿用紙がその積層順に従って、先頭から順次1枚ずつプラテンガラス211上へ給送され、スキャナユニット210で所定の読み取り動作が終了した後、読み取られた原稿用紙は、プラテンガラス211上の排出トレイ219に排出される。
【0019】
また、原稿用紙がプラテンガラス211上に搬送されると、ランプ212を点灯し、次いで光学ユニット213の移動を開始させ、原稿用紙を下方から照射し走査する。そして、原稿用紙からの反射光は、複数のミラー214、215、216、及び、レンズ217を介してCCDイメージセンサ(以下「CCD」と記す)218へ導かれ、走査された原稿画像はCCD218によって読み取られる。さらに、CCD218で読み取られた画像データは、所定の処理が施された後、コントローラユニット2000に転送される。
【0020】
原稿給送部250が原稿流し読み機能を有している場合、原稿給送部250に積層された原稿用紙は、原稿流し読み位置240を一定の速度で通過する。この場合、光学ユニット213は原稿流し読み位置240に移動し、等速で搬送される原稿をランプ212によって照射し、CCD218によって随時読み取ることで画像データを生成し、コントローラユニット2000に転送される。
【0021】
次いで、プリンタ部300では、コントローラユニット2000から出力された画像データに対応するレーザ光が、レーザドライバ321により駆動されるレーザ発行部322から発行され、感光ドラム323にはレーザ光に応じた静電潜像が形成され、現像器324により前記静電潜像の部分に現像剤が付着される。
【0022】
一方、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット311、カセット312、カセット313、カセット314、手差し給紙段315のいずれかから記録用紙が給紙されて転写部325に搬送路331により搬送され、感光ドラム323に付着している現像剤を記録用紙に転写する。画像データが転写された記録用紙は搬送ベルト326によって、定着部327に搬送され、定着部327における加熱・加圧処理により画像データが記録紙に定着される。定着部327を通過した記録紙は搬送路335、搬送路334を通り、排紙装置500に送られる。印字面を反転して排紙装置500に送る場合には、搬送路336、搬送路338まで導かれ、そこから記録紙を逆方向に搬送し、搬送路337、搬送路334を通り、排紙装置370に送られる。
【0023】
また、画像データを記録用紙に両面記録する場合は、定着部327を通過したあと、記録紙は、搬送路336からフラッパ329によって搬送路333に導かれ、その後、記録紙を逆方向に搬送し、フラッパ329によって搬送路338、再給紙搬送路332へ導かれる。再給紙搬送路332へ導かれた記録紙は上述と同様にして搬送路331を通り、転写部325へ給紙される。
【0024】
排紙装置500に送り込まれた用紙は、搬送路401または搬送路403を通って、中間トレイ402または中間トレイ404に蓄えられる。中間トレイ402と404は、ジョブ、束、特定枚数のページ等の単位で用紙を蓄え、交互に用紙が蓄積されていく。片方の中間トレイに用紙が搬入され、ジョブ、束、特定枚数のページの用紙蓄積が完了したら、排紙トレイ421〜432、またはエスケープトレイ408に用紙搬送される。上記片方の中間トレイから排紙トレイ、またはエスケープトレイへの用紙搬送が行われている最中に、さらに次の印刷により本体から用紙が送られてくる場合は、使用していないもう一方の中間トレイへ用紙が搬入され、中間トレイへの用紙の搬入と中間トレイからの用紙の搬出が同時に行われる。
【0025】
このように、中間トレイ402と404はジョブ、束、特定枚数毎に交互に使用され、本実施例においては、印刷物を確認すべき要因がない場合は排紙トレイ421〜432のいずれかへ、印刷物を確認すべき要因がある場合はエスケープトレイ408へ排紙が行われる。
【0026】
搬送路405、406、407へは不図示であるがフラッパ制御にて用紙搬送制御するものとし、例えば中間トレイ402からエスケープトレイ408への搬送時は搬送路405を、中間トレイ402から排紙トレイ421〜432へのいずれかへの搬送時は搬送路406、407を通って用紙が送られる。
【0027】
また、各ユニットは省エネ対策が施されており、それぞれ個別に電源供給を遮断することができ、独立に動作することが可能となっている。
【0028】
図2は、図1に示した画像処理装置と通信可能なホストコンピュータ100の構成を説明するブロック図である。
【0029】
図において、501はCPUで、ROM502に保持された制御プログラムコードに基づいて、CPUバス509に接続されたデバイスを総括的に制御する。503はRAMで、CPU501が使用する一時記憶用メモリとして機能し、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張できるように構成されている。
【0030】
また、RAM503は、印刷用データとして作成された描画オブジェクト格納や、ROM502に保持された制御プログラムによって一時的に使用されるワークメモリ等に用いられる。
【0031】
504はメディアドライブであり、フレキシブルディスク、CD、DVDといった各種メディアとのアクセスインタフェースとなる。505はハードディスク(HDD)であり、各種プログラム、データ等の格納が行われる。506はキーボード・マウスでユーザからの入力を受け付けるインタフェース部であり、507はディスプレイであり、ユーザに情報を伝えるアウトプット部となる。508は、ネットワークを介してプリンタ等の周辺機器と双方向に通信接続するための周辺機器インタフェース部である。
【0032】
509はCPUバスで、アドレス、データ、コントロールバスを含み、ROM502、RAM503、メディアドライブ504、HD505、キーボード・マウス506、ディプレイ507および周辺機器インタフェース部508は、それぞれCPUバス509に接続されたすべてのデバイスにアクセス可能である。
【0033】
図3は、図1に示した複合機能デバイスのハードウエアの全体構成を説明するブロック図である。
【0034】
図3において、コントローラユニット2000は、画像入力デバイスであるスキャナ2070や、画像出力デバイスであるプリンタ2095と接続し、一方ではLAN2011や公衆回線(PSTNまたはISDN)2051と接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行う。
【0035】
CPU2001は、システム全体を制御するコントローラである。RAM2002はCPU2002が動作するためのワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM2003はブートROMであり、システムブートプログラムが格納されている。2004はハードディスクドライブ(HDD)であり、システムソフトウェアや画像データ、さらには本発明の動作の主体となる再送制御プログラムを格納する。
【0036】
操作部I/F2006は、操作部2012とのインタフェース部で、操作部2012に表示する画像データを操作部2012に対して出力する。また、操作部2012から本システム使用者が入力した情報を、CPU2001に伝える役割をする。ネットワーク2010はLAN2011に接続し、情報の入出力を行う。以上のデバイスがシステムバス2007上に配置される。
【0037】
イメージバスI/F2005は、システムバス2007と画像データを高速で転送する画像バス2008を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス2008は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。なお、画像バス2008上には以下のデバイスが配置される。
【0038】
RIP(ラスタイメージプロセッサ)2060は、PDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F部2020は、画像入出力デバイスであるスキャナ2070やプリンタ2095とコントローラ2000を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0039】
スキャナ画像処理部2080は、入力画像データに対して、補正、加工、編集の各種の画像処理を行う。プリンタ画像処理部2090は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換などのデータ処理を行う。
【0040】
画像回転部2030は、画像データの回転を行う。画像圧縮部2040は、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データに対してはJBIG、MMR、MHといった圧縮伸長処理を行う。
【0041】
図4は、本発明の第1実施形態を示すデータ処理システムの一例を示すブロック図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0042】
図1において、400はMFPで、図1に示したリーダ部200とプリンタ部300とから構成され、図3に示すようなコントローラユニット2000と、ネットワーク2010を備え、通信回線150を介して画像管理サーバ140、コンピュータ装置120,130と所定のプロトコルで通信可能に構成されている。なお、画像管理サーバ140とコンピュータ120,130は、ともに図2に示したハードウエア資源を備えている。
【0043】
また、MFP400は、図3に示したハードディスク2004上に、管理データ101、オリジナル証券をスキャナ部200でスキャンされたオリジナルの多値画像データ103、該多値画像データ103に対して、図3に示したスキャナ画像処理部2080で、異なる条件で2値化される二値画像データ102、メッセージデータ105、アプリケーション104が格納されている。また、アプリケーション104には、画像管理サーバ140またはコンピュータ装置120、130と通信するための通信制御プログラム等も記憶されている。
【0044】
さらに、画像管理サーバ140は、管理データベース140Aと画像データベース140Bとをハードディスク等に記憶して、コンピュータ装置120またはコンピュータ装置130からの画像検索要求、画像登録要求に応答するための制御プログラムを記憶している。
【0045】
図5は、図3に示したコントローラユニット2000のスキャナ画像処理部2080における2値化処理例を説明する特性図であり、図6において説明する証券を所定方向からスキャンして得られる画像を所定の閾値で処理した際に得られるヒストグラムである。
【0046】
図6、図7は、図4に示したコンピュータ装置120,130に表示される証券画像エントリ画面の一例を示す図であり、コンピュータ装置120、130が備えるCPU501が制御プログラムを実行することで、図2に示すような、ディスプレイ507上に処理画面として表示される。なお、本画面W1は、画像管理サーバ140に対して登録画像の表示要求に基づいて動作するアプリケーションにより表示される。
【0047】
図6において、B1〜B5はボタンで、確認ウインドウCONFに表示される証券イメージデータの表示状態から、操作者が視覚により判別可能かどうかを確認して、再度画像処理された画像データの再送を要求する場合には、ボタンB1をキーボード・マウス506を操作すること指示する。
【0048】
また、確認ウインドウCONFに表示される証券イメージデータの表示状態の視認性に問題がない場合(例えば細かい文字が判別できるほど鮮明な画像データであると認知できた場合)にボタンB2が指示されて、画像管理サーバ1140の画像データベース140Bに確定登録される。なお、MFP400からスキャンされた証券イメージデータは、最初に、画像データベース140Bに仮登録されるものとする。
【0049】
さらに、証券イメージデータが複数存在する場合には、次の証券イメージを確認するために、ボタンB3が指示される。また、確認ウインドウCONFに表示される証券イメージデータの表示状態が不的確な場合には、ボタンB4が指示される。また、証券イメージデータの裏面を参照したい場合には、ボタンB5が指示される。なお、スキャナ部200では、オリジナルの証券の両面をスキャン可能に構成されている。
【0050】
図7は、図6に示すエントリ画面において、ボタンB1が指示された場合に、ディスプレイ507に表示される画像再送依頼画面W2に対応する。
【0051】
図7において、I1は画像番号で、図4に示した画像データベース140Bに登録されている画像番号が入力される。I2はファイル名で、図4に示した画像データベース140Bに登録されている画像のファイル名が入力される。I3は濃度オプションで、コンボボックスを操作して濃度の濃淡を設定することができる。
【0052】
I4はメッセージ入力で、MFP400の操作部2012に表示可能なメッセージを入力する。I5はバッチ番号、I6はしきい値光学濃度である。
【0053】
B11はボタンで、図4に示した画像データベース140Bに登録されている画像の表示を要求する場合に指示される。B12はボタンで、ファイル名I2等を入力された証券画像データに対する再送要求をMFP400に送信する場合に指示される。なお、送信先、例えばIPアドレス等はあらかじめ登録されている。B13はボタンで、画像送信依頼画面W2を消去する場合に指示される。
【0054】
図8は、本発明に係るデータ処理システムにおける第1の画像処理手順の一例を示すフローチャートであり、図4に示したMFP400、コンピュータ装置120、130、画像管理サーバ140のそれぞれのデータ処理手順に対応する。なお、S401〜S411は、MFP400のCPU2001がハードディスク2004に記憶される制御プログラムをRAM2002にロードして実行されるステップに対応し、S421〜S429は、図4に示した画像管理サーバ140のCPU501がハードディスク505に記憶される制御プログラムをRAM2002にロードして実行されるステップに対応し、S441〜S453は、図4に示したコンピュータ装置120、130のCPU501がハードディスク505に記憶される制御プログラムをRAM2002にロードして実行されるステップに対応する。
【0055】
なお、後述する3つのしきい値を操作部2012あるいは、コンピュータ装置120、130のエントリ画面W1等で設定された値に基づいて予め設定しハードディスク2004等に記憶しておく。なお、記憶先は、ハードディスク2004に限らず、バックアップされるNNVRAMやフラッシュROM等の書き換え可能なメモリデバイスであれば何でもよい。
【0056】
先ず、MFP400において、プラテンに載置される証券証書を白黒多値画像でスキャンする(S401)。なお、MFP400はネットワーク接続機能付のスキャナをパソコンに接続し、パソコンをネットワークに接続したものでも良い。すなわち、S401をスキャナで処理し、スキャンした画像をパソコンのRAMに転送して、後述するS402乃至S411をパソコンで実行させても良い。
【0057】
次に、スキャナ画像処理部2080で、1回のスキャンにつき予め設定した3つのしきい値で二値化して(S402)、設定されている3つのしきい値中の丁度真ん中のしきい値で二値化した画像データを一旦記憶した後(S403)、ネットワーク150を介して画像管理サーバ140に送信する(S404)。
【0058】
例えば光学濃度で「0.30」、「0.4」、「0.5」をしきい値とする3回の二値化処理を繰り返し行ない、光学濃度=0.4を閾値とする二値化画像を送信する。
【0059】
なお、ノンカーボン用紙の文字を読みやすくするために、例えばノンカーボンの青い文字の光学濃度が0.35であった場合、筆圧による光学濃度にある程度のばらつきを考慮して閾値を「0.32」、「0.38」、「0.4」としても良い。
【0060】
次いで、CPU2001は、図4に示した管理データベース101を更新した後(S405)、処理は、画像管理サーバ140へ進む。
【0061】
そして、画像管理サーバ140では、MFP400から送信された最初の二値画像データをNIC508を介して受信したら(S421)、該受信した二値画像データD2をハードディスク505に記憶して、管理データを更新する(S423)そして、二値画像データを、例えばコンピュータ装置130へ送信する(S424)。以後処理は、コンピュータ装置130へ進む。
【0062】
そして、コンピュータ装置130がNIC508を介して二値画像データを受信し(S444)、該受信した二値画像データD2を、図6に示すように、エントリ画面W1内に表示する(S445)。
【0063】
ここで、表示された証券イメージデータが判別しにくいような視認性の低い画像であると操作者が判断した場合は、ボタンB1を指示すると、ステップS446で、ボタンB1の指示が検出された場合は、図7に示す濃度オプションI3の設定値(もっと薄く等(第1のしきい値)に対応する)を含む画像データ再送要求を画像管理サーバに送信する(S447)。なお、画像再要求時には、画像ファイル名と記号、濃度オプション(より濃い画像(二値画像データD1)又は薄い画像(二値画像データD3)の要求)を指定する。
【0064】
一方、ステップS446で、再送ボタン以外のボタンが指示されたと判断した場合は、全画像の登録処理が完了しているかどうかを判断して(S453)、完了していると判断した場合は、処理を終了し、完了していないと判断した場合は、ステップS441へ戻る。
【0065】
そして、ステップS441では、図6に示すエントリ画面W1を表示して、ボタンB2それともボタンB3のいずれかが指示されているか否かをコンピュータ装置130のCPU501が判断して(S442)、それ以外のボタンであると判断した場合は、ステップS446へ進み、ボタンB2それともボタンB3のいずれかが指示されていると判断した場合は、ボタン指示の内容に応じた画像登録要求あるいは次画像送信要求を画像管理サーバ140へ送信する(S443)。以後処理は、画像管理サーバ140へ進む。
【0066】
そして、画像管理サーバ140のCPU501は、コンピュータ装置130から受信した画像登録要求あるいは次画像送信要求をMFP400に送信する(S425)。以後処理は、MFP400へ進む。なお、画像要求時には、画像ファイル名と記号、濃度オプション(より濃い画像又は薄い画像の要求)を指定する。
【0067】
そして、MFP400は、画像管理サーバ140から送信される画像登録要求あるいは次画像送信要求を受信し(S406)、該次画像送信要求に基づいて、管理データベース101を参照して二値画像データ102から検索し(S407)、検索された二値画像データD1、または二値画像データD3を画像管理サーバ140へ送信する(S408)。以後処理は、画像管理サーバ140へ進む。
【0068】
そして、画像管理サーバ140がMFP400から送信された二値画像データD1、または二値画像データD3を受信し(S426)、該受信した二値値画像データD1、または二値画像データD3を画像管理サーバ140の画像データベース140Bに記憶させる(S427)。そして、該記憶された二値値画像データD1、または二値画像データD3をコンピュータ装置130に送信する(S428)。以後処理は、コンピュータ装置130へ進む。
【0069】
そして、コンピュータ装置130は、MFP400から再送信される二値値画像データD1、または二値画像データD3が受信されるを待機しており(S448)、画像管理サーバ140から再送信される二値値画像データD1、または二値画像データD3を受信したら(S449),該受信した画像データを図6に示したエントリ画面W1上に表示する(S450)。そして、エントリ画面W1上でボタンB1が指示されているかどうかをコンピュータ装置130のCPU501が判断し、それ以外のボタンであると判断した場合は、ステップS453へ進む。
【0070】
一方、ステップS451で、ボタンB1が指示されたと判断した場合、すなわち、再送要求がなされたと判断した場合は、図7に示す画像再送依頼画面をディスプレイ507上に表示して濃度オプションI3が指示し、該指示に基づいて再送要求を画像管理サーバ140に送信したら(S452)、ステップS448へ戻る。以後処理は、画像管理サーバ140へ進む。
【0071】
そして、画像管理サーバ140は、コンピュータ装置130からの再送要求をMFP400へ送信する。以後処理は、MFP400へ進む。
【0072】
そして、画像管理サーバ140から送信される再送要求を受信すると(S409)、受信したファイル名等を参照して管理データベース101を検索して(S410)、詳細は後述するしきい値設定処理を実行して(S411)、ステップS408へ戻る。
【0073】
なお、ステップS409は、最初の証券証書の画像データに対するあらかじめ設定されたしきい値に基づく二値画像データD1〜D3がすべて、コンピュータ装置130の操作者が不適切と判断した場合に対応するため、あらたなしきい値の再設定が必要となる。
【0074】
図9は、本発明に係るデータ処理システムにおける第2の画像処理手順の一例を示すフローチャートであり、図4に示したMFP400、コンピュータ装置120、130、画像管理サーバ140のそれぞれのデータ処理手順に対応する。なお、S520〜S535は、MFP400のCPU2001がハードディスク2004に記憶される制御プログラムをRAM2002にロードして実行されるステップに対応する。
【0075】
先ず、再送回数が1回目かどうかをMFP400のCPU2001が判断して(520)、1回目でないと判定した場合は、ステップS531へ進む。
【0076】
一方、ステップS520で、1回目と判定された場合は、要求されている画像ファイルのスキャンデータである多値画像データ103を読み出し、スキャナ画像処理部2080が濃度ヒストグラムを図5に示すように集計して(S521)、RAM2002上に保持する。その後、画像処理部2080は、ピーク値P1、P2を検出(判定)するとともに(S522)、小ピーク値SP1、SP2、SP3を検出(判定)する(S523)。なお、高いほうから1番目の濃度のピーク(ピーク値P1)と2番目の濃度のピーク(ピーク値P2)を記憶する。また、高い濃度のピーク値を地紋の色と仮定する。
【0077】
次に、ピーク値P1、P2とを比較して(S524)、小ピーク値SP1、SP2、SP3を決定する(S525)。
【0078】
これにより、ピーク値P1>ピーク値P2の場合(図6参照)、ピーク値P1より濃度が大きく、かつピーク値P1に最も近い濃度の小ピークを小ピークSP1とし、ピーク値P2より濃度が小さく、かつピーク値P2に最も近い濃度の小ピークを小ピークSP3と、ピーク値P1より濃度が小さく、かつピーク値P2より濃度が大きく、かつピーク値P1に最も近い濃度の小ピークを小ピークSP2とする。
【0079】
次いで、しきい値TH1=ピークP1と小ピークSP1の谷間(最小値)、しきい値TH2=ピークP1と小ピークSP2の谷間(最小値)、しきい値TH3=ピークP2と小ピークSP3の谷間(最小値)とし、しきい値TH2で画像データを二値化する(S526)。
【0080】
次いで、初期のしきい値FTH1〜FTH3(最初のスキャン時に設定されたしきい値としてハードディスク2004に記憶される)としきい値TH1〜TH3とを比較して(S527)、それぞれの再が所定誤差以下かどうかを判定して(S528)、所定誤差以下であると判定した場合は、小ピークを再決定し(S529)、しきい値TH1〜TH3を再決定する(S530)。
【0081】
そして、再送回数が3回目かどうかを判断して(S531)、4回目であると判定した場合は、再送要求されている画像ファイルに対応するオリジナルスキャンデータである多値画像データ103を再送画像に決定し(S532)、本処理を終了する。以後、ステップS408へ戻り、画像管理サーバ140を介してコンピュータ装置130のディスプレイ507上のエントリ画面W1に表示する。
【0082】
一方、ステップS531で、再送回数が4回目でないと判定した場合は、ステップS533へ進み、再送回数が1日目かどうかを判断して、1回目であると判定した場合は、ステップS530で決定されたしきい値TH2でスキャナ画像処理部2080が多値画像データを2値化した2値化データを生成して(S534)、処理を終了する。以後、ステップS408へ戻り、画像管理サーバ140を介してコンピュータ装置130のディスプレイ507上のエントリ画面W1に送信された2値化データを表示する。
【0083】
一方、ステップS533で、2回目あるいは3回目であると判定された場合は、ステップS530で決定されたしきい値TH1、またはしきい値TH3でスキャナ画像処理部2080が多値画像データを2値化した2値化データを生成して(S535)、処理を終了する。以後、ステップS408へ戻り、画像管理サーバ140を介してコンピュータ装置130のディスプレイ507上のエントリ画面W1に送信された2値化データを表示する。
【0084】
これにより、最初に送られた二値化画像データが不適切な場合でも、コンピュータ装置130の操作者が簡単に異なる閾値の二値化画像の再送が行える。
【0085】
さらに、再二値化が必要な場合も迅速に行うことができるので、従来ように電話連絡等が不要になり短いタイムラグでさらたに設定されたしきい値に基づいて2値化された二値画像データを受信できる。
【0086】
また、再二値化した場合もピーク値の検出・大小比較・最小値の検出で済み、閾値の設定が短時間で行えるので全体の処理時間を短縮できる。さらに、人間の介在が必要な再スキャンも不要となり、迅速な画像データ登録処理を効率よく実行できる。
【0087】
〔第2実施形態〕
以下、図10に示すメモリマップを参照して本発明に係るMFP、画像管理サーバ、コンピュータ装置を含むデータ処理システムで読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0088】
図10は、本発明に係る本発明に係るMFP、画像管理サーバ、コンピュータ装置を含むデータ処理システムで読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0089】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0090】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0091】
本実施形態における図8,図9に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0092】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0093】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0094】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0095】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0096】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0097】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0098】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0099】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0100】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0101】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0102】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではなく、以下の実施態様も含まれることはいうまでもない。以下、その実施態様1〜11について説明する。
【0103】
〔実施態様1〕
コンピュータ装置と画像処理装置とサーバ装置とが通信して、画像処理装置で読み取られる所定の原稿の2値化データをサーバ装置に備えるデータベースに登録して管理するデータ処理システムであって、画像処理装置は、所定の原稿から読み取られる多値画像データ、該多値画像データを設定される複数のしきい値に基づいて2値化処理される複数の2値化データ、前記多値画像データおよび複数の2値化データの管理データを記憶する第1の記憶手段(図4に示す二値画像データ102を記憶する図3に示すハードディスク2004)と、前記第1の記憶手段に記憶されている2値化データを前記サーバ装置に転送する転送手段(図3に示すネットワーク2011)とを備え、前記サーバ装置は、前記画像処理装置から取得される2値化データおよび該2値化データの管理データを記憶する第2の記憶手段(図4に示す画像データベース140B、管理データベース140A)と、前記コンピュータ装置からの画像登録指示に基づいて、前記画像処理装置から取得している2値化データの登録を確定する確定手段(図4に示す画像管理サーバ140のCPU)とを備え、コンピュータ装置(図4に示すコンピュータ装置130)は、前記第2の記憶手段に記憶される2値化データを取得して表示する表示手段(図2に示すディスプレイ507)と、前記表示手段に表示される2値化データの変更を要求する第1の指示手段(図6に示すボタンB1)と、前記第1の指示手段に基づいて前記サーバ装置が前記画像処理装置の前記第1の記憶手段に記憶されるしきい値の異なる2値化データを取得して、前記表示手段に表示すべき2値化データを更新する表示制御手段(図2に示すCPU501がハードディスク505から読み出す制御プログラムを実行して表示制御する)と、前記表示手段に表示される2値化データの前記第2の記憶手段への登録指示を行う第2の指示手段(図6に示すボタンB2)とを備えることを特徴するデータ処理システム。
【0104】
〔実施態様2〕
前記画像処理手段は、前記サーバ装置から2値化データの再送要求回数が所定回数を超える場合、前記多値画像データを解析して新たな複数のしきい値を設定する設定手段(図3に示すスキャナ画像処理部2080がハードディスク2004等に記憶される多値画像データのヒストグラムを作成して決定されるしきい値を設定する)と、前記設定手段により設定される複数のしきい値で2値化される再送2値化データを前記第1の記憶手段に更新登録する登録手段(図3に示すスキャナ画像処理部2080がハードディスク2004等に登録する)とを有することを特徴とする実施態様1記載のデータ処理システム。
【0105】
〔実施態様3〕
前記転送手段は、前記再送2値化データの転送が終了した後、前記サーバ装置から要求される2値化データの再送要求を受信した場合、前記多値画像データを前記サーバ装置に転送することを特徴とする実施態様1記載のデータ処理システム。
【0106】
〔実施態様4〕
前記第1の指示手段は、前記表示手段に表示される2値化データの変更を画像ファイル名及びしきい値変更情報とともに要求することを特徴とする実施態様1記載のデータ処理システム。
【0107】
〔実施態様5〕
コンピュータ装置と画像処理装置とサーバ装置とが通信して、画像処理装置で読み取られる所定の原稿の2値化データをサーバ装置に備えるデータベースに登録して管理するデータ処理システムにおける画像データ処理方法であって、画像処理装置において、所定の原稿から読み取られる多値画像データ、該多値画像データを設定される複数のしきい値に基づいて2値化処理される複数の2値化データ、前記多値画像データおよび複数の2値化データの管理データを記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている2値化データを前記サーバ装置に転送する転送ステップ(図8に示すステップS404)とを備え、前記サーバ装置において、前記画像処理装置から取得される2値化データおよび該2値化データの管理データを記憶する第2の記憶手段と、前記コンピュータ装置からの画像登録指示に基づいて、前記画像処理装置から取得している2値化データの登録を確定する確定ステップ(図8に示すステップS423)とを備え、コンピュータ装置は、前記第2の記憶手段に記憶される2値化データを取得して表示手段に表示する表示ステップ(図8に示すステップS445)と、前記表示手段に表示される2値化データの変更を要求する第1の指示ステップ(図8に示すステップS446)と、前記第1の指示ステップに基づいて前記サーバ装置が前記画像処理装置の前記第1の記憶手段に記憶されるしきい値の異なる2値化データを取得して、前記表示手段に表示すべき2値化データを更新する表示制御ステップ(図8に示すステップS450)と、前記表示手段に表示される2値化データの前記第2の記憶手段への登録指示を行う第2の指示ステップ(図8に示すステップS451)とを備えることを特徴する画像データ処理方法。
【0108】
〔実施態様6〕
前記画像処理手段は、前記サーバ装置から2値化データの再送要求回数が所定回数を超える場合、前記多値画像データを解析して新たな複数のしきい値を設定する設定ステップ(図9に示すステップS520〜S526)と、前記設定ステップにより設定される複数のしきい値で2値化される再送2値化データを前記第1の記憶手段に更新登録する登録ステップ(図9に示すステップS534、S535)とを有することを特徴とする実施態様5記載の画像データ処理方法。
【0109】
〔実施態様7〕
前記転送ステップは、前記再送2値化データの転送が終了した後、前記サーバ装置から要求される2値化データの再送要求を受信した場合、前記多値画像データを前記サーバ装置に転送する(図9に示すステップS532、図8に示すステップS408)ことを特徴とする実施態様5記載の画像データ処理方法。
【0110】
〔実施態様8〕
前記第1の指示ステップは、前記表示手段に表示される2値化データの変更を画像ファイル名及びしきい値変更情報とともに要求することを特徴とする実施態様5記載の画像データ処理方法。
【0111】
〔実施態様9〕
実施態様5〜9のいずれかに記載の画像データ処理方法を実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【0112】
〔実施態様10〕
実施態様5〜9のいずれかに記載の画像データ処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0113】
上記各実施形態および実施態様によれば、画像処理装置で原稿から読み取られた後、2値化された2値化データの視認性が良好でない場合には、簡単な操作で、何等原稿画像を再度読み取る操作を実行することなく、画像処理装置からしきい値の異なる2値化データを取得して短時間に画像の差異を判別して最小の2値化データをサーバ装置に登録できるとともに、画像の視認性が良好でない場合は、オリジナルの多値画像データをサーバ装置に登録することができ、システム全体として、従来に比べて、二値画像データの登録処理効率を格段に向上できる。
【0114】
〔実施態様11〕
実施態様1におけるMFP400の代りにスキャナをパソコンに接続し、パソコンをネットワークに接続したものでも良い。すなわち、S401をスキャナで実行して画像を読込み、スキャナでスキャンした画像をパソコンに転送してパソコンのRAMに記憶し、図8のS402乃至S411、及び図9のS520乃至S535をパソコンで実行させても同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明に係るデータ処理システムにおける画像処理装置の構成を説明する断面図である。
【図2】ホストコンピュータの構成を説明するブロック図である。
【図3】図1に示した複合機能デバイスのハードウエアの全体構成を説明するブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示すデータ処理システムの一例を示すブロック図である。
【図5】図3に示したコントローラユニットのスキャナ画像処理部における2値化処理例を説明する特性図である。
【図6】図4に示したコンピュータ装置に表示される証券画像エントリ画面の一例を示す図である。
【図7】図4に示したコンピュータ装置に表示される証券画像エントリ画面の一例を示す図である。
【図8】本発明に係るデータ処理システムにおける第1の画像処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係るデータ処理システムにおける第2の画像処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係るMFP、画像管理サーバ、コンピュータ装置を含むデータ処理システムで読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0116】
102 2値画像データ
103 多値画像データ
130 コンピュータ装置
140 画像管理サーバ
140A 管理データベース
140B 画像データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置と画像処理装置とサーバ装置とが通信して、画像処理装置で読み取られる所定の原稿の2値化データをサーバ装置に備えるデータベースに登録して管理するデータ処理システムであって、
画像処理装置は、
所定の原稿から読み取られる多値画像データ、該多値画像データを設定される複数のしきい値に基づいて2値化処理される複数の2値化データ、前記多値画像データおよび複数の2値化データの管理データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている2値化データを前記サーバ装置に転送する転送手段とを備え、
前記サーバ装置は、
前記画像処理装置から取得される2値化データおよび該2値化データの管理データを記憶する第2の記憶手段と、
前記コンピュータ装置からの画像登録指示に基づいて、前記画像処理装置から取得している2値化データの登録を確定する確定手段とを備え、
コンピュータ装置は、
前記第2の記憶手段に記憶される2値化データを取得して表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される2値化データの変更を要求する第1の指示手段と、
前記第1の指示手段に基づいて前記サーバ装置が前記画像処理装置の前記第1の記憶手段に記憶されるしきい値の異なる2値化データを取得して、前記表示手段に表示すべき2値化データを更新する表示制御手段と、
前記表示手段に表示される2値化データの前記第2の記憶手段への登録指示を行う第2の指示手段とを備えることを特徴するデータ処理システム。
【請求項2】
前記画像処理手段は、
前記サーバ装置から2値化データの再送要求回数が所定回数を超える場合、前記多値画像データを解析して新たな複数のしきい値を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定される複数のしきい値で2値化される再送2値化データを前記第1の記憶手段に更新登録する登録手段とを有することを特徴とする請求項1記載のデータ処理システム。
【請求項3】
前記転送手段は、前記再送2値化データの転送が終了した後、前記サーバ装置から要求される2値化データの再送要求を受信した場合、前記多値画像データを前記サーバ装置に転送することを特徴とする請求項1記載のデータ処理システム。
【請求項4】
前記第1の指示手段は、前記表示手段に表示される2値化データの変更を画像ファイル名及びしきい値変更情報とともに要求することを特徴とする請求項1記載のデータ処理システム。
【請求項5】
コンピュータ装置と画像処理装置とサーバ装置とが通信して、画像処理装置で読み取られる所定の原稿の2値化データをサーバ装置に備えるデータベースに登録して管理するデータ処理システムにおける画像データ処理方法であって、
画像処理装置において、所定の原稿から読み取られる多値画像データ、該多値画像データを設定される複数のしきい値に基づいて2値化処理される複数の2値化データ、前記多値画像データおよび複数の2値化データの管理データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている2値化データを前記サーバ装置に転送する転送ステップとを備え、
前記サーバ装置において、前記画像処理装置から取得される2値化データおよび該2値化データの管理データを記憶する第2の記憶手段と、
前記コンピュータ装置からの画像登録指示に基づいて、前記画像処理装置から取得している2値化データの登録を確定する確定ステップとを備え、
コンピュータ装置は、
前記第2の記憶手段に記憶される2値化データを取得して表示手段に表示する表示ステップと、
前記表示手段に表示される2値化データの変更を要求する第1の指示ステップと、
前記第1の指示ステップに基づいて前記サーバ装置が前記画像処理装置の前記第1の記憶手段に記憶されるしきい値の異なる2値化データを取得して、前記表示手段に表示すべき2値化データを更新する表示制御ステップと、
前記表示手段に表示される2値化データの前記第2の記憶手段への登録指示を行う第2の指示ステップとを備えることを特徴する画像データ処理方法。
【請求項6】
前記画像処理手段は、
前記サーバ装置から2値化データの再送要求回数が所定回数を超える場合、前記多値画像データを解析して新たな複数のしきい値を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにより設定される複数のしきい値で2値化される再送2値化データを前記第1の記憶手段に更新登録する登録ステップとを有することを特徴とする請求項5記載の画像データ処理方法。
【請求項7】
前記転送ステップは、前記再送2値化データの転送が終了した後、前記サーバ装置から要求される2値化データの再送要求を受信した場合、前記多値画像データを前記サーバ装置に転送することを特徴とする請求項5記載の画像データ処理方法。
【請求項8】
前記第1の指示ステップは、前記表示手段に表示される2値化データの変更を画像ファイル名及びしきい値変更情報とともに要求することを特徴とする請求項5記載の画像データ処理方法。
【請求項9】
請求項5〜9のいずれかに記載の画像データ処理方法を実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項10】
請求項5〜9のいずれかに記載の画像データ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−186878(P2006−186878A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380650(P2004−380650)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】