説明

データ処理システム,プログラムおよび印刷デバイス

【課題】表示デバイス内のデータの印刷であっても印刷に適したデータによる印刷物が得られるデータ処理システム,プログラムおよび印刷デバイスを提供すること。
【解決手段】データ処理システム500は,プリンタ100が,出力先を「電子ペーパー」(表示デバイス)とする印刷ジョブを受け取ると,印刷データを受信し(S101),さらに受信した印刷データ基に電子ペーパー300用の表示データを生成する(S111)。そして,プリンタ100と接続する電子ペーパー300に,S111で生成した表示データとその表示データに対応する印刷データとの両方を書き込む(S115)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,表示機能を有する表示デバイスと印刷機能を有する印刷デバイスとを有するデータ処理システムに関する。また,表示デバイスにデータを書き込む処理を行うプログラムに関する。また,表示デバイスにデータを書き込む機能と,表示デバイスに書き込まれたデータを印刷する機能との,少なくとも一方を有する印刷デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年,携帯型の表示デバイスとして,携帯情報端末(PDA)や,電子ペーパーが注目されている。また,デジタルカメラ等で撮影した画像データを記憶し,その画像データを自動的に表示するデジタルフォトフレームが実用化されている。
【0003】
また,表示デバイスと印刷デバイスとを通信可能に接続し,両装置間でデータのやりとりを行うデータ処理システムがある。例えば,特許文献1には,次のような構成のデータ処理システムが開示されている。まず,情報処理装置にて,印刷装置で出力するための印刷ジョブを印刷装置に送信する。その印刷ジョブを受け取った印刷装置では,その印刷ジョブを電子ペーパーで表示可能な表示データに変換し,その表示データを電子ペーパーに送信する。これにより,電子ペーパー向けの表示データを,情報処理装置から印刷装置を経由して電子ペーパーに送信できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−225551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,前記した従来のデータ処理システムには,次のような問題があった。すなわち,電子ペーパーに書き込まれた表示データを印刷装置から印刷する場合,表示データから印刷データを生成することになる。この表示データは,表示デバイス向けに生成されたデータであり,元々印刷装置へ送信された印刷データとは品質が異なることがある。そのため,表示デバイスに記憶された表示データの印刷では,適切なデータによる印刷が実行できない可能性が高い。
【0006】
例えば,表示デバイスが低解像度でモノクロ表示のみの装置であり,印刷装置が高解像度でカラー印刷が可能な装置であったとする。この場合,情報処理装置から,高解像度でカラーの印刷データを出力したとしても,印刷装置にて低解像度でモノクロの表示データに変換して表示デバイスに渡される。そのため,表示デバイスに記憶されているデータを印刷しようとすると,表示デバイス用に変換された表示データを印刷することになる。その結果,品質劣化した印刷物を得ることになってしまう。
【0007】
本発明は,前記した従来のシステムが有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,表示デバイス内のデータの印刷であっても印刷に適したデータによる印刷物が得られるデータ処理システム,プログラムおよび印刷デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題の解決を目的としてなされたデータ処理システムは,表示機能を有する表示デバイスと,印刷機能を有し,表示デバイスに書き込まれているデータを印刷する印刷デバイスと,印刷デバイスにて印刷可能な印刷データを基に,表示デバイスにて表示可能な表示データを生成する表示データ生成部と,表示デバイスに,表示データとその表示データに対応する印刷データとの両方を書き込む書込処理を行う書込部とを備えることを特徴としている。
【0009】
本発明のデータ処理システムは,表示デバイスにて表示可能な表示データを,印刷デバイスにて印刷可能な印刷データを基に生成する。そして,表示デバイスに,表示データとともに,その表示データに対応する印刷データをも書き込む。この「印刷データ」には,例えば,パーソナルコンピュータ(PC)等に保存されている画像データ(例えばJPEGデータ)や,プリンタにて印刷する直前のデータ(例えばPDLデータ)が含まれる。
【0010】
すなわち,本発明のデータ処理システムでは,表示デバイスに,表示データと印刷データとの両方が書き込まれる。そのため,表示デバイスに記憶されているデータを印刷する際には,印刷データを利用することが可能になる。よって,表示デバイスに書き込まれたデータを印刷する場合であっても,印刷に適したデータによる印刷物が得られる。
【0011】
また,本発明のデータ処理システムは,表示デバイスの固有情報を取得する取得部と,取得部が取得した固有情報に応じて,書込部での,少なくとも印刷データの書き込みを制限する制限部とを備えるとよい。個々の表示デバイスを識別可能な固有情報(例えば,製品シリアル番号)を基に,表示デバイスごとに,少なくとも印刷データを所持可能か否かを設定することで,印刷に適したデータによる印刷物が得られる表示デバイスを限定できる。例えば,印刷権限が無いユーザが所有する表示デバイスへの書き込みを制限することにより,当該表示デバイスには印刷データを所持することが不可能となるため,少なくとも印刷データによる印刷を制限することが可能である。よって,安全性が向上する。
【0012】
また,本発明のデータ処理システムは,表示デバイスの記憶部の空き容量が閾値以上か否かを判断する判断部を備え,書込部は,判断部が肯定判断した場合に,書込処理を行い,判断部が否定判断した場合に,表示デバイスに,印刷データと表示データとのいずれか一方を書き込む単独書込処理を行うとよい。判断部が否定判断した場合(つまり,表示デバイスの記憶部の空き容量が閾値より小さい場合),両方のデータを書き込もうとすると書込みエラーとなって処理が中断してしまう可能性が高い。そこで,そのような場合に,一方のデータのみを書き込むことで,処理の中断を発生し難くすることが期待できる。
【0013】
また,上記の単独書込処理では,表示デバイスに,表示データを書き込み,印刷デバイスにて,印刷データを印刷するとよい。すなわち,表示デバイスの空き容量が小さい場合には,表示データのみを表示デバイスに書き込む。つまり,印刷データを表示デバイスに書き込まない。そして,その表示データに対応する印刷データを,印刷デバイスにて印刷出力する。これにより,処理の中断を発生し難くするとともに,表示デバイスおよび印刷結果にて適切な画像を確保することができる。
【0014】
また,本発明のデータ処理システムは,印刷デバイスが印刷不可状態であることを検知する検知部を備え,印刷データを取得した際に,検知部が印刷不可状態を検知していたことを契機に,書込部の書込処理を行うとよい。印刷不可の際に,表示デバイスに表示データと印刷データとの両方を書き込むことで,例えばその表示デバイスを他の印刷デバイスまで持ち運べばその印刷デバイスで印刷を行うことができる。つまり,印刷不可状態となった印刷デバイスが印刷可能状態になるのを待たずに,早期に印刷物が得られる。なお,「印刷不可状態」には,例えば,トナー不足,用紙無し,他ジョブの実行中が挙げられる。
【0015】
また,本発明のデータ処理システムは,表示データの画像内容に,印刷データが記憶されていることを示す付加画像を合成する合成部を備え,書込部は,付加画像が合成された表示データを表示デバイスへの書込み対象とするとよい。付加画像を合成することで,表示デバイスによる表示データの表示中に,その表示データに対応する印刷データが記憶されていることをユーザが把握できる。
【0016】
また,本発明のデータ処理システムは,書込部が表示デバイスへの書き込みができなかった場合に,書き込みができなかったデータを保存する保存部を備えるとよい。すなわち,書き込みが失敗した際に,書き込めなかったデータを保存しておくことで,データの消失を回避することができる。
【0017】
また,本発明のデータ処理システムは,表示デバイスに記憶されているデータの印刷指示を行う指示部と,指示部が表示データの印刷を指示した場合に,印刷対象をその表示データと対応付けられた印刷データに変更する変更部とを備えるとよい。すなわち,本システムでは,印刷対象となるデータを選択する際に,ユーザが表示データを選択したとしても,自動的に印刷データに変更して印刷を行う。これにより,ユーザは,選択対象が表示データであるか印刷データであるかを意識することなく,印刷データによる印刷物が得られる。
【0018】
また,上記の指示部は,表示デバイスに,表示データとその表示データと対応付けられた印刷データとが共存する場合には,その表示データとその印刷データとのいずれか一方のみを選択可能にするとよい。すなわち,表示データと印刷データとの両方を選択可能に表示すると表示内容が煩雑になる。一方のデータのみを選択可能にすることで表示内容を簡素化できる。
【0019】
また,上記のデータ処理システムは,印刷デバイスが印刷データを印刷したことを契機に,その印刷データと対応付けられた表示データを表示デバイスから消去する消去部を備えるとよい。印刷を行った後は印刷物が得られるため,その印刷データに対応する表示データを表示デバイスにて保持する必要がなくなる可能性が高い。そのため,その印刷データに対応する表示データを自動的に削除することで,不要となったデータを表示デバイスから早期になくすことができる。
【0020】
また,上記の表示データは,表示デバイスの表示性能に基づいたデータであることもある。「表示性能に基づいたデータ」とは,例えば,表示デバイスにて表示可能な,解像度,色数,データ量,の少なくとも1つを満たすデータが該当する。
【0021】
また,本発明は,表示機能を有する表示デバイスと通信可能なコンピュータに,印刷データを基に,表示デバイスにて表示可能な表示データを生成する表示データ生成処理と,表示デバイスに,表示データとその表示データに対応する印刷データとの両方を書き込む書込処理とを実行させることを特徴とするプログラムを含んでいる。
【0022】
また,本発明は,印刷機能を有する印刷部と,印刷部で印刷可能な印刷データを取得する印刷データ取得部と,印刷データを基に,表示デバイスにて表示可能な表示データを生成する表示データ生成部と,表示デバイスに,表示データとその表示データに対応する印刷データとの両方を書き込む書込み処理を行う書込部とを備えることを特徴とする印刷デバイスを含んでいる。
【0023】
また,本発明は,印刷機能を有する印刷部と,表示データと,当該表示データと対応付けがなされ,印刷部で印刷可能な印刷データとを記憶する表示デバイスに対し,データ通信を行う通信部と,表示デバイスに記憶されているデータの印刷指示を行う指示部と,指示部が表示データの印刷を指示した場合に,印刷対象をその表示データと対応付けられた印刷データに変更する変更部とを備えることを特徴とする印刷デバイスを含んでいる。
【0024】
また,上記の印刷デバイスの指示部は,表示デバイスに,表示データとその表示データと対応付けられた印刷データとが共存する場合には,その表示データとその印刷データとのいずれか一方のみを選択可能にするとよい。
また,上記の印刷デバイスは,印刷部が印刷データを印刷したことを契機に,表示デバイスに対してその印刷データと対応付けられた表示データの消去を指示する消去部を備えるとよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば,表示デバイス内のデータの印刷であっても印刷に適したデータによる印刷物が得られるデータ処理システム,プログラムおよび印刷デバイスが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態にかかるデータ処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】データ処理システムに含まれるプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】第1の形態にかかる印刷ジョブ受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】電子ペーパー内に記憶されるデータの例を示す図である。
【図5】第2の形態にかかる印刷ジョブ受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】第3の形態にかかる印刷ジョブ受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】表示データと付加画像とを合成した合成画像の概念を示す図である。
【図8】実施の形態にかかる電子ペーパー印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】印刷対象となるデータを選択させる印刷指定画面の例(その1)を示す図である。
【図10】印刷対象となるデータを選択させる印刷指定画面の例(その2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下,本発明にかかるデータ処理システムを具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,表示デバイスである電子ペーパーと,印刷デバイスであるプリンタとを有するデータ処理システムに本発明を適用したものである。
【0028】
[データ処理システムの全体構成]
本形態のデータ処理システム500は,図1に示すように,印刷データを印刷するプリンタ100(印刷デバイスの一例)と,プリンタ100用のプリンタドライバ61が組み込まれ,印刷ジョブをプリンタ100に出力するPC200と,内部メモリ71に記憶された表示データを表示する電子ペーパー300(表示デバイスの一例)とを備えている。
【0029】
データ処理システム500は,プリンタ100とPC200とがネットワーク400に接続されている。そして,PC200で印刷指示された印刷ジョブが,プリンタドライバ61を介してプリンタ100に送信される。印刷ジョブを受信したプリンタ100では,その印刷ジョブについての出力処理を行う。
【0030】
また,プリンタ100は,Bluetooth(登録商標)等の無線通信機能を有している。そのため,データ処理システム500では,電子ペーパー300がプリンタ100と通信可能な範囲内に位置する場合に,プリンタ100にて電子ペーパー300へのデータの書き込みや電子ペーパー300に記憶されているデータの印刷が可能になる。
【0031】
なお,データ処理システム500を構成するプリンタ,PCおよび電子ペーパーはそれぞれ1台に限るものではなく,複数台接続してもよい。また,ネットワーク400には,その他の情報処理装置や印刷装置を接続してもよい。
【0032】
[プリンタの構成]
続いて,プリンタ100の概略構成について説明する。プリンタ100は,図2に示すように,CPU31と,ROM32と,RAM33と,NVRAM(不揮発性RAM)34と,ASIC35と,ネットワークインターフェース36と,USBインターフェース37と,無線通信インターフェース38とを備えた制御部30を備えている。また,制御部30は,画像形成部10,画像読取部20,操作パネル40等と電気的に接続されている。
【0033】
画像形成部10は,用紙に画像を形成するものである。画像形成方式は,公知の技術を適用すればよく,例えば,電子写真方式やインクジェット方式が適用可能である。画像読取部20は,原稿の画像を読み取るものである。また,操作パネル40は,液晶ディスプレイからなる表示部や,スタートキー,ストップキー,テンキー等から構成されるボタン群を備えている。この操作パネル40により動作状況の表示やユーザによる入力操作が可能になっている。
【0034】
ROM32には,プリンタ100を制御するための各種制御プログラムや各種設定,初期値等が記憶されている。RAM33は,各種制御プログラムが読み出される作業領域として,あるいは画像データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。
【0035】
CPU31は,ROM32から読み出した制御プログラムや各種センサから送られる信号に従って,その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら,プリンタ100の各構成要素を,ASIC35を介して制御する。
【0036】
ネットワークインターフェース36は,インターネット等のネットワーク400に接続され,プリンタ100用のプリンタドライバ61が組み込まれたPC200との接続を可能にしている。USBインターフェース37は,USB端子を有するデバイスとの接続を可能にしている。無線通信インターフェース38は,同じく無線通信機能を有するデバイス(本形態では,電子ペーパー300)との接続を可能にしている。そして,ネットワークインターフェース36,USBインターフェース37あるいは無線通信インターフェース38を介して外部デバイスとデータのやりとりを行うことができる。
【0037】
[プリンタの動作]
続いて,プリンタ100の動作について説明する。本形態のプリンタ100では,印刷対象のデータを取得する態様として,主として,画像読取部20で読み取る態様と,PC200等の外部装置から受信する態様と,電子ペーパー300やUSBメモリ等のプリンタ100に接続されているデバイスから直接取得する態様とがある。以下の説明では,このうち,PC200からデータを受信する態様と,電子ペーパー300からデータを直接取得する態様について説明する。なお,プリンタ100によって実行される各処理は,制御部30の各構成要素が動作することによって実現される。
【0038】
[印刷ジョブ受信処理]
[第1の形態]
始めに,PC200からデータ(印刷ジョブ)を受信し,そのデータに対して印刷等を行う印刷ジョブ受信処理(表示データ生成部,書込部,取得部,制限部,検知部,保存部,印刷部,印刷データ取得部の一例)について,図3のフローチャートを参照しつつ説明する。なお,本処理は,印刷ジョブを受信したことを契機に実行される。
【0039】
まず,印刷データを受信する(S101)。すなわち,PC200から送られてきた画情報(例えば,PDLデータ)を取得する。なお,ここで取得する画情報は,PC200にて扱っていた画情報をプリンタ100のスペックに合わせて印刷可能なデータとして生成されたデータである。
【0040】
次に,印刷ジョブに設定された給紙種類の情報を基に,出力先が「電子ペーパー」であるか否かを判断する(S102)。印刷ジョブには,画情報の他,用紙種類,給紙種類,印刷品質等の印刷設定も含まれている。そして,PC200では,給紙種類として,プリンタ100がサポートする給紙装置の他に,「電子ペーパー」を指定することができる。
【0041】
出力先が「電子ペーパー」でなければ(S102:NO),すなわち用紙への印刷指示であれば,印刷可能状態であるか否かを判断する(S103)。印刷不可の状態としては,例えば,用紙切れやトナー切れ等のエラー発生状態,課金等によって印刷制限がかかっている状態が該当する。印刷可能状態であれば(S103:YES),受信した印刷データを用紙に印刷する(S104)。
【0042】
一方,出力先が「電子ペーパー」であれば(S102:YES),あるいは印刷不可状態であれば(S103:NO),電子ペーパー300用の表示データを生成する(S111)。すなわち,受信した印刷データを基に,電子ペーパー300で表示可能な表示データを生成する。
【0043】
なお,生成される表示データは,電子ペーパー300の表示スペック(表示性能)に合致した画像として生成される。すなわち,電子ペーパー300の表示解像度や表示可能色等の表示スペックに応じて,印刷データから表示データに変換される。
【0044】
例えば,電子ペーパー300の表示スペックが低い場合に生成される表示データは,生成元の印刷データと比較して画像品質が劣化することがある。つまり,電子ペーパー300の表示スペックが低い場合に,その表示スペックに適した画像に変換する必要があり,元々の印刷データよりも画像品質が低い表示データが生成される。この場合,品質劣化の態様としては,低解像度になる,画像を構成する色数が少なくなる,データ量が少なくなる等が考えられる。
【0045】
次に,電子ペーパー300と通信可能か否かを判断する(S112)。例えば,プリンタ100が無線通信インターフェース38を介して通信要求信号を発信し,その通信要求信号に対する,電子ペーパー300からの応答信号の有無によって通信可否を判断する。また,応答信号を受信したとしても通信不可を意味する信号であれば通信不可となる。
【0046】
電子ペーパー300との通信が可能の場合には(S112:YES),その電子ペーパー300にアクセスし,その電子ペーパー300固有の識別番号を取得する(S113)。電子ペーパー300には,その個体ごとに識別番号(例えば,製品シリアル番号)が記憶されており,電子ペーパー300はプリンタ100からの要求信号に応じてその識別番号を応答する。
【0047】
次に,電子ペーパー300への印刷データの書き込みが許可されているか否かを判断する(S114)。プリンタ100には,あらかじめ印刷データの書き込みを許可する電子ペーパー300の識別番号が記憶されたテーブルを有しており,S113で取得した識別番号をそのテーブルに照合することで印刷データの書き込み許可ないし不許可を判断する。なお,テーブルは,許可する識別番号を記憶する許可テーブルであっても,不許可の識別番号を記憶する不許可テーブルであってもよい。また,このテーブルは,必ずしもプリンタ100が保持していなくてもよく,プリンタ100と接続するプリンタサーバ等が保持してもよい。
【0048】
印刷データの書き込みが許可されている場合には(S114:YES),表示データと,その表示データに対応する印刷データ(つまり,表示データの生成元となった印刷データ)とを電子ペーパー300に書き込む(S115)。一方,印刷データの書き込みが許可されていない場合には(S114:NO),表示データのみを電子ペーパー300に書き込む(S116)。
【0049】
S115により表示データと印刷データとの両方の書き込みを行うと,電子ペーパー300のメモリ71には,図4に示すように,表示データと印刷データとが共存することになる。なお,図4では,拡張子「dsp」が表示データを,拡張子「pr」が印刷データを意味する。そして,拡張子を除くデータ名が同じデータは,同じ画像から生成され,両データが対応付けられていることを意味する。
【0050】
また,表示データしか存在しないデータ(図4中の「データB.dsp」)は,印刷データの書き込みが許可されていないプリンタから書き込みが行われたことによる。電子ペーパー300ごとに,少なくとも印刷データを所持可能か否か設定することで,印刷に適したデータである印刷データによる印刷物が得られる電子ペーパー300を限定でき,安全性が向上する。例えば,複数のユーザがそれぞれ個別の電子ペーパー300を所有している場合に,ユーザ毎に印刷を制限することができる。
【0051】
一方,電子ペーパー300との通信が不可の場合には(S112:NO),表示データと印刷データとの両方をNVRAM34に保存する(S121)。つまり,電子ペーパー300へのデータの書き込みが失敗した際に,書き込めなかったデータを保存しておく。これにより,データの消失を回避する。また,データを保存しておくことで,書き込みが可能になった際に,データを再取得することなく失敗した書込み処理を完了させることができる。また,ユーザの任意のタイミングで,プリンタ100に保存した印刷データを印刷することができる。
【0052】
S115あるいはS116による電子ペーパー300へのデータ書き込み,あるいはS121でのプリンタ100へのデータ保存が終了した後,本処理を終了する。また,S104での印刷終了後も,本処理を終了する。
【0053】
すなわち,本形態の印刷ジョブ受信処理によれば,出力先に「電子ペーパー」が指定された印刷ジョブを受け取ると,印刷データの書き込みが許可された電子ペーパー300に対し,印刷データとその印刷データから生成された表示データとの両方が書き込まれる。そのため,両方のデータが書き込まれた電子ペーパー300では,表示には表示データを利用し,印刷には印刷データを利用できる。つまり,電子ペーパー300に表示中のデータ(表示データ)を印刷する場合であっても,印刷に適したデータ(表示データに対応する印刷データ)による,適切な印刷物を出力できる。
【0054】
また,例えば表示デバイスの表示スペックが低い場合には表示データが印刷データの品質に対して劣化したデータである可能性が高い。しかしながらその様な場合であっても,印刷に適した高品質なデータによる,高品質の印刷物を出力できる。
【0055】
また,プリンタ100では,印刷不可の際に,印刷データを電子ペーパー300に書き込んでいる。そのため,例えば,その電子ペーパー300を,他のプリンタまで持ち運べばそのプリンタで印刷を行うことができる。つまり,ユーザは,印刷不可状態となったプリンタが印刷可能状態に戻るのを待たずに,早期に印刷物が得られる。
【0056】
なお,本形態では,電子ペーパー300固有の識別番号に基づく印刷データの書き込み許可の有無によって電子ペーパー300にどのデータを書き込むかを決定しているが,この他の条件によって書き込むデータを決定してもよい。例えば,書き込みの制限対象を印刷データに絞らず,表示データの書き込みについても併せて制限してもよい。
【0057】
また,印刷不可状態であったためにS111以降の処理に移行してきた場合には,その印刷不可状態になっている原因が,ハード要因(用紙切れ,トナー不足等)かソフト要因(ユーザ権限,時間制限,課金不足等)かによって決定してもよい。この場合,例えば,ハード要因であれば,リトライを簡略化するために両方のデータを書き込み,ソフト要因であれば印刷制限を厳守するためにデータを書き込まないようにする。
【0058】
[第2の形態]
次に,印刷ジョブ受信処理の応用例について,図5のフローチャートを参照しつつ説明する。第2の形態の印刷ジョブ受信処理(判断部の一例)では,電子ペーパー300のメモリ71の空き容量を基に,電子ペーパー300に書き込むデータを決定する。この点,電子ペーパー300の識別番号を基に,電子ペーパー300に書き込むデータを決定していた第1の形態とは異なる。なお,図5中,第1の形態と同様の処理については,図3と同様のステップ番号を付している。
【0059】
具体的に,本形態の印刷ジョブ受信処理は,出力先が「電子ペーパー」であって,電子ペーパー300と通信可能状態であった場合(S112:YES)の手順が,第1の形態と異なる。すなわち,通信可能状態であった場合には(S112:YES),電子ペーパー300にアクセスし,その電子ペーパー300のメモリ71の空き容量を取得する(S213)。
【0060】
次に,メモリ71の空き容量が閾値以上であるか否かを判断する(S214)。閾値は,データを記憶するために最低限必要なメモリ容量としてあらかじめプリンタ100に設定されている。なお,実際に書き込む予定のデータ(表示データと印刷データ)の合計サイズを計算し,その合計値を閾値としてもよい。
【0061】
空き容量が閾値以上である,すなわちメモリ71にデータを書き込む空きが十分にある場合には(S214:YES),表示データと印刷データとの両方をメモリ71に書き込む(S115)。
【0062】
一方,空き容量が閾値以上でなければ(S214:NO),表示データのみを電子ペーパー300に書き込む(S116)。すなわち,表示データと印刷データとの両方を書き込もうとすると,書込みエラーとなって処理が中断する可能性が高い。そこで,表示データのみを書き込むことにして処理が中断する可能性を低くする。
【0063】
さらに,書き込まれた表示データに対応する印刷データを印刷する(S217)。これにより,少なくとも電子ペーパー300に書き込まれたデータについて,印刷に適したデータによる印刷物を確保することができる。なお,印刷不可状態であれば,S217を省略する。印刷後は,本処理を終了する。
【0064】
なお,空メモリ不足の際に電子ペーパー300に書き込むデータは,表示データと印刷データとのいずれか一方であればよく,印刷データを書き込んでもよい。また,本形態では,書き込むデータを自動的に表示データに決定しているが,電子ペーパー300に書き込む前に,ユーザに表示データと印刷データとのどちらのデータを書き込むかを選択させてもよい。
【0065】
[第3の形態]
次に,印刷ジョブ受信処理の別の応用例について,図6のフローチャートを参照しつつ説明する。第3の形態の印刷ジョブ受信処理(合成部の一例)では,電子ペーパー300に書き込む表示データに付加情報を合成する。なお,図6中,第1の形態と同様の処理については,図3と同様のステップ番号を付している。
【0066】
具体的に,本形態の印刷ジョブ受信処理は,出力先が「電子ペーパー」であって,電子ペーパー300への印刷データの書き込みが許可された状態であった場合(S114:YES)の手順が第1の形態と異なる。すなわち,印刷データの書き込みが許可された状態であった場合には(S114:YES),S111で生成した表示データを基に,印刷データが記憶されていることを示す付加画像が付加された付加情報付き表示データを作成する(S315)。そして,付加情報付き表示データを,印刷データとともに電子ペーパー300に書き込む(S316)。これにより,電子ペーパー300には,付加画像が付加された画像が表示される。
【0067】
すなわち,S315の処理では,図7に示すように,表示データ81と付加画像91とを用意する。そして,表示データ81と付加画像91とを合成し,付加情報付き表示データ82を作成する。S316では,この付加情報付き表示データ82を電子ペーパー300に書き込む。このように付加画像91を合成することで,電子ペーパー300での表示データの表示中に,その表示データに対応する印刷データが記憶されていることをユーザが把握できる。
【0068】
[電子ペーパー印刷処理]
続いて,電子ペーパー300内に記憶されているデータの印刷を行う電子ペーパー印刷処理(指示部,変更部,消去部,通信部の一例)について,図8のフローチャートを参照しつつ説明する。なお,本処理は,電子ペーパー300とプリンタ100とが通信可能な状態にあり,プリンタ100が電子ペーパー300のデータの印刷指示を受け付けたことを契機に実行される。
【0069】
まず,電子ペーパー300にアクセスし,電子ペーパー300に記憶されているデータ情報を取得し,データ一覧をプリンタ100の操作パネル40に表示する(S141)。例えば,電子ペーパー300に図4に示したような表示データないし印刷データが書き込まれている場合には,図9に示すようにそれらのデータを一覧表示し,印刷対象を選択できるような画面を表示する。
【0070】
なお,図4に示した画面では,表示データと,その表示データに対応付けられた印刷データとがともに表示されており,データ数が多くなるほど,操作パネル40での一覧表示は煩雑になる。そこで,表示データとその表示データに対応付けられた印刷データとが共存する場合には,図10に示すように印刷データのみを表示してもよい。これにより,表示が簡素化する。なお,一覧表示するデータは,表示データであってもよい。また,一方のデータの非表示に限らず,例えば一方のデータのグレーアウト表示であってもよい。
【0071】
その後,印刷対象となるデータの選択を受け付ける(S142)。データの選択は,例えば図9に示したような画面からユーザの入力によって行われる。そして,選択されたデータが印刷データであるか否かを判断する(S143)。印刷データであった場合には(S143:YES),その印刷データの印刷を行う(S144)。
【0072】
一方,印刷データではない,すなわち表示データであった場合には(S143:NO),その表示データに対応する印刷データが電子ペーパー300内に有るか否かを判断する(S151)。対応する印刷データがなければ(S151:NO),選択された表示データからその表示データに対応する印刷データを生成する(S161)。S161にて印刷データを生成した後,あるいは対応する印刷データが有る場合には(S151:YES),その印刷データの印刷を行う(S152)。
【0073】
つまり,表示データが選択された際,対応する印刷データが有る場合には,その印刷データに自動的に変更して印刷を行う。これにより,ユーザは,選択対象が表示データであるか印刷データであるかを意識することなく,適切な印刷物が得られる。一方,対応する印刷データが無い場合には,従来と同じように表示データから印刷データを生成して印刷を行う。
【0074】
S144あるいはS152による印刷データの印刷後,その印刷データに対応する表示データが電子ペーパー300に有るか否かを判断する(S145)。対応する表示データが有る場合には(S145:YES),その表示データを電子ペーパー300から消去する(S146)。すなわち,データを印刷した後は,ユーザはそのデータの内容を記録した用紙を得ており,わざわざ電子ペーパー300を介してそのデータを表示するという可能性が低くなる。そこで,表示データを自動的に削除することで,不要となったデータが電子ペーパー300から早期に削除される。これにより,電子ペーパー300に他のデータを書き込み易くできる。
【0075】
S146で表示データを消去した後,あるいは対応する表示データがなかった場合には(S145:NO),印刷対象となった印刷データを消去し(S147),本処理を終了する。なお,表示データや印刷データの自動消去は,オプション機能としてユーザに自動消去を行うか否かを設定させてもよい。
【0076】
以上詳細に説明したように本形態のデータ処理システム500では,プリンタ100が「電子ペーパー」への書き込みが指示された印刷ジョブを受け取った際に,プリンタ100から電子ペーパー300に対して,表示データとその表示データに対応する印刷データとの両方が書き込まれる。そのため,電子ペーパー300に記憶されているデータを印刷する際には,印刷データを利用することが可能になる。よって,電子ペーパー300(表示デバイス)に書き込まれたデータを印刷する場合であっても,印刷に適したデータによる,適切な印刷物が得られる。
【0077】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,印刷デバイスは,プリンタに限らず,MFP,コピー機等,印刷機能を備えるものであれば適用可能である。また,印刷ジョブを出力する情報処理装置についても,PCに限るものではない。例えば携帯情報端末やサーバであってもよい。
【0078】
また,実施の形態では,表示デバイスとして電子ペーパーを用いているが,これに限るものではない。すなわち,表示機能を有し,印刷デバイスからデータの印刷が可能なものであればよい。例えば,ビューワ機能を有するUSBメモリであってもよい。この場合,USBメモリをUSBインターフェース37を介してプリンタ100に接続することで,そのUSBメモリに記憶されているデータの直接印刷が可能になる。この他,例えば,デジタルフォトフレームであってもよい。
【0079】
また,実施の形態では,給紙種類が「電子ペーパー」であるか否かによって電子ペーパー300への書き込み指示を判断しているが,判断対象は給紙種類に限るものではない。例えば,直接的に電子ペーパー300への書き込み指示と用紙への印刷指示とを独立して指示可能であり,各々の選択に応じて判断してもよい。
【0080】
また,実施の形態では,PC200からプリンタ100に対し,プリンタ100にて印刷する直前のデータ(例えばPDLデータ)が印刷データとして送られ,電子ペーパー300に書き込まれるが,印刷データの形式はこれに限るものではない。例えば,PC200に保存されている画像データ(例えばJPEGデータ)やドキュメントデータ(例えばテキストデータ)をそのまま印刷データとして送り,そのまま電子ペーパー300に書き込んでもよい。この場合,電子ペーパー300内の印刷データを印刷する際には,プリンタ100が画像データ等である印刷データをPDLデータ等に変換して印刷する。
【0081】
また,実施の形態では,表示データと印刷データとで拡張子を異ならせ,拡張子を除いたファイル名を同じにすることで,表示データと印刷データとの対応付けを行っているが,両データの対応付け手段はこれに限るものではない。例えば,表示データと印刷データとの対応付けを記憶するデータベースを設けてもよい。
【0082】
また,実施の形態では,PC200がプリンタ100に印刷データを送信し,プリンタ100が印刷データに対応する表示データを生成し,プリンタ100が両データを電子ペーパー300に書き込むシステム構成となっているが,これに限るものではない。例えば,プリンタ100が印刷データを生成し,その印刷データとその印刷データを基に生成した表示データとを,電子ペーパー300に書き込む構成としてもよい。
【0083】
また,例えば,PC200に組み込まれたプリンタドライバ61によって電子ペーパー300への書き込みを実現してもよい。すなわち,PC200で,用紙種類が「電子ペーパー」の印刷指示が入力された場合に,プリンタ100用のプリンタドライバ61では,印刷データと,その印刷データに対応する表示データとの,2つのデータを生成する。そして,その両データをプリンタ100に送信し,プリンタ100を経由して両データを電子ペーパー300に書き込む。あるいは,PC200と電子ペーパー300とが直接通信可能になっている場合には,プリンタ100を介さず,両データを直接電子ペーパー300に書き込んでもよい。このような構成であっても,電子ペーパー300には,表示データとその表示データに対応する印刷データとの両方が書き込まれるため,電子ペーパー300のデータを印刷する際,印刷に適したデータによる印刷が可能になる。
【符号の説明】
【0084】
10 画像形成部
30 制御部
40 操作パネル
61 プリンタドライバ
71 電子ペーパーのメモリ
100 プリンタ
200 PC
300 電子ペーパー
500 データ処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示機能を有する表示デバイスと,
印刷機能を有し,前記表示デバイスに書き込まれているデータを印刷する印刷デバイスと,
前記印刷デバイスにて印刷可能な印刷データを基に,前記表示デバイスにて表示可能な表示データを生成する表示データ生成部と,
前記表示デバイスに,前記表示データとその表示データに対応する前記印刷データとの両方を書き込む書込処理を行う書込部と,
を備えることを特徴とするデータ処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載するデータ処理システムにおいて,
前記表示デバイスの固有情報を取得する取得部と,
前記取得部が取得した前記固有情報に応じて,前記書込部での,少なくとも前記印刷データの書き込みを制限する制限部と,
を備えることを特徴とするデータ処理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載するデータ処理システムにおいて,
前記表示デバイスの記憶部の空き容量が閾値以上か否かを判断する判断部を備え,
前記書込部は,
前記判断部が肯定判断した場合に,前記書込処理を行い,
前記判断部が否定判断した場合に,前記表示デバイスに,前記印刷データと前記表示データとのいずれか一方を書き込む単独書込処理を行うことを特徴とするデータ処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載するデータ処理システムにおいて,
前記単独書込処理では,前記表示デバイスに,前記表示データを書き込み,前記印刷デバイスにて,前記印刷データを印刷することを特徴とするデータ処理システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載するデータ処理システムにおいて,
前記印刷デバイスが印刷不可状態であることを検知する検知部を備え,
前記印刷データを取得した際に,前記検知部が印刷不可状態を検知していたことを契機に,前記書込部の前記書込処理を行うことを特徴とするデータ処理システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載するデータ処理システムにおいて,
前記表示データの画像内容に,前記印刷データが記憶されていることを示す付加画像を合成する合成部を備え,
前記書込部は,前記付加画像が合成された表示データを前記表示デバイスへの書込み対象とすることを特徴とするデータ処理システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載するデータ処理システムにおいて,
前記書込部が前記表示デバイスへの書き込みができなかった場合に,書き込みができなかったデータを保存する保存部を備えることを特徴とするデータ処理システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載するデータ処理システムにおいて,
前記表示デバイスに記憶されているデータの印刷指示を行う指示部と,
前記指示部が表示データの印刷を指示した場合に,印刷対象をその表示データと対応付けられた印刷データに変更する変更部と,
を備えることを特徴とするデータ処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載するデータ処理システムにおいて,
前記指示部は,前記表示デバイスに,表示データとその表示データと対応付けられた印刷データとが共存する場合には,その表示データとその印刷データとのいずれか一方のみを選択可能にすることを特徴とするデータ処理システム。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載するデータ処理システムにおいて,
前記印刷デバイスが印刷データを印刷したことを契機に,その印刷データと対応付けられた表示データを前記表示デバイスから消去する消去部を備えることを特徴とするデータ処理システム。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1つに記載するデータ処理システムにおいて,
前記表示データは,前記表示デバイスの表示性能に基づいたデータであることを特徴とするデータ処理システム。
【請求項12】
表示機能を有する表示デバイスと通信可能なコンピュータに,
印刷データを基に,表示デバイスにて表示可能な表示データを生成する表示データ生成処理と,
前記表示デバイスに,前記表示データとその表示データに対応する前記印刷データとの両方を書き込む書込処理と,
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
印刷機能を有する印刷部と,
前記印刷部で印刷可能な印刷データを取得する印刷データ取得部と,
前記印刷データを基に,表示デバイスにて表示可能な表示データを生成する表示データ生成部と,
前記表示デバイスに,前記表示データとその表示データに対応する前記印刷データとの両方を書き込む書込み処理を行う書込部と,
を備えることを特徴とする印刷デバイス。
【請求項14】
印刷機能を有する印刷部と,
表示データと,当該表示データと対応付けがなされ,前記印刷部で印刷可能な印刷データとを記憶する表示デバイスに対し,データ通信を行う通信部と,
前記表示デバイスに記憶されているデータの印刷指示を行う指示部と,
前記指示部が表示データの印刷を指示した場合に,印刷対象をその表示データと対応付けられた印刷データに変更する変更部と,
を備えることを特徴とする印刷デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載する印刷デバイスにおいて,
前記指示部は,前記表示デバイスに,表示データとその表示データと対応付けられた印刷データとが共存する場合には,その表示データとその印刷データとのいずれか一方のみを選択可能にすることを特徴とする印刷デバイス。
【請求項16】
請求項14または請求項15に記載する印刷デバイスにおいて,
前記印刷部が印刷データを印刷したことを契機に,前記表示デバイスに対してその印刷データと対応付けられた表示データの消去を指示する消去部を備えることを特徴とする印刷デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−25481(P2011−25481A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172474(P2009−172474)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】