データ取得システム
【課題】構内における携帯端末から一度のダウンロード要求のみで、データ容量の大きさに関わらず、最小限のネットワーク負荷と通信コストで確実にデータのダウンロードを行う。
【解決手段】携帯端末2と、基地局3と、サーバ4と、携帯端末の通信可能域にある基地局を選択する交換機5とで構成され、携帯端末がデータ取得要求を基地局及び交換機を介してサーバに送信した際に、サーバが取得要求を受けたデータを交換機及び基地局を経て携帯端末にデータを送信し、携帯端末がデータを取得するシステム1であって、サーバは、携帯端末の移動経路情報を記憶し、携帯端末は、データ取得要求を基地局及び交換機を介してサーバに送信し、サーバは、取得要求を受けたデータ及び移動経路情報を交換機に送信し、交換機は、移動経路情報に基づいて基地局にデータを送信し、基地局はデータを携帯端末に送信する。
【解決手段】携帯端末2と、基地局3と、サーバ4と、携帯端末の通信可能域にある基地局を選択する交換機5とで構成され、携帯端末がデータ取得要求を基地局及び交換機を介してサーバに送信した際に、サーバが取得要求を受けたデータを交換機及び基地局を経て携帯端末にデータを送信し、携帯端末がデータを取得するシステム1であって、サーバは、携帯端末の移動経路情報を記憶し、携帯端末は、データ取得要求を基地局及び交換機を介してサーバに送信し、サーバは、取得要求を受けたデータ及び移動経路情報を交換機に送信し、交換機は、移動経路情報に基づいて基地局にデータを送信し、基地局はデータを携帯端末に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ取得システムに関し、特に、IP−PBX(IP交換機)と、無線LANとに接続された携帯端末装置が移動しながら、コンテンツ、音楽、動画、画像等のデータを確実に取得することができるデータ取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1には、車両等の移動体に搭載される情報通信端末装置として、データのダウンロード時に、GPS機能によって車両の位置を特定し、データサイズ、移動体の現在位置、経路、各AP(Access Point)のデータから、最も迅速にデータをダウンロードすることのできるAPを選択し、そのサービスエリアを通過する経路を案内することで自動的にダウンロードを行う情報通信端末装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、移動車両の車載端末装置からコンテンツのダウンロードを行う際に、車両の位置近傍の無線基地局に応じて、一括ダウンロード方式と分割ダウンロード方式とを使い分ける移動体情報配信システムが提案されている。
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の情報通信端末装置は、情報通信端末装置が最も迅速にデータをダウンロードすることのできる経路へと移動体を案内するが、移動体が情報通信端末装置の案内通りに移動しなければ効果を発揮しない。また、一つのエリア内でダウンロード可能なAPを検索するため、データ容量が大きい場合には、該当するAPが見つからず、効果を発揮することができないという問題があった。
【0005】
また、特許文献2に記載の移動体情報配信システムでは、APの設置密度が高い場合には、分割ダウンロード、設置密度が低い場合には、一括ダウンロードを行うため、設置密度が低いエリアでは、異なるAPのエリア間を跨いだダウンロードを行うことができず、ダウンロードが完了するまで同一エリア内に留まらなければならないという問題があった。
【0006】
そこで、上記問題を解決するため、例えば、特許文献3には、車内に搭載されたカーナビゲーション装置を利用し、データ配信サーバーが移動車両の移動経路を特定し、先読みした移動先のAPに予めデータを分割して転送しておくことでデータを配信するデータ配信システム等が提案されている。
【0007】
また、特許文献4には、無線端末が送信する情報に基づいて、無線端末の未来の移動経路、及び無線基地局と無線端末との通信可能時刻を予測し、データを無線端末に転送する可能性がある無線基地局に対し、予測した通信可能時刻に基づくタイミングでデータ配信制御装置から特定の無線基地局に対して情報を送信する通信制御方法等が提案されている。
【0008】
さらに、特許文献5には、無線端末が送信する情報に基づいて、無線端末の未来の移動経路を予測し、無線端末に送信すべきデータを大きさが等しい複数のデータブロックに分割し、データブロックを無線端末に転送する可能性がある複数の無線基地局に対し、同一のデータブロックをデータ配信制御装置から送信する通信制御方法等が提案されている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−198315号公報
【特許文献2】特開2004−140525号公報
【特許文献3】特開2004−171294号公報
【特許文献4】特開2003−152627号公報
【特許文献5】特開2003−322539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記特許文献3乃至5に記載の移動体情報配信システム等では、電車やバスのように、予め移動体が移動する経路が決まっている車両内及び車両自体からダウンロード要求を行う場合しかデータを取得することができないという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来の移動体情報配信システム等における問題点に鑑みてなされたものであって、構内における携帯端末によってデータのダウンロードを行うにあたって、一度のダウンロード要求のみで、データ容量の大きさに関わらず、最小限のネットワーク負荷と通信コストで、確実にダウンロードを行うことのできるデータ取得システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、携帯端末装置と、該携帯端末装置と通信する基地局と、前記携帯端末装置及び前記基地局と通信するサーバ装置と、前記基地局及び前記サーバ装置と通信し、前記携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機とで構成され、前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信した際に、前記サーバ装置が前記取得要求を受けたデータを前記交換機に送信し、該データを受信した前記交換機が前記基地局に該データを送信し、該データを受信した前記基地局が前記携帯端末装置に該データを送信し、前記携帯端末装置が該データを取得するデータ取得システムであって、前記サーバ装置は、前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、前記携帯端末装置は、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信し、該サーバ装置は、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信し、該交換機は、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信し、該基地局は、該データを前記携帯端末装置に送信することを特徴とする。
【0013】
そして、本発明によれば、サーバ装置が携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信し、該交換機は、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信し、該基地局は、該データを前記携帯端末装置に送信するため、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、一度のダウンロード要求のみで、最小限のネットワーク負荷と通信コストでダウンロードすることができる。
【0014】
前記データ取得システムにおいて、前記交換機は、前記携帯端末装置の前記移動経路情報によれば、該携帯端末装置の移動経路上に複数の基地局が存在する場合には、前記データを複数のデータに分割して前記複数の基地局に送信し、該複数の基地局の各々は、前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、該携帯端末装置は、受信した前記分割データを合成することができる。これによって、データ容量の大きさに関わらず、確実にダウンロードを行うことができる。
【0015】
前記データ取得システムにおいて、前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、該携帯端末装置により入力し、前記サーバ装置に送信してもよく、前記交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測し、前記サーバ装置に送信してもよい。
【0016】
また、前記データ取得システムにおいて、前記携帯端末装置が、該携帯端末装置の移動経路情報と異なる経路を移動した場合には、前記基地局は、前記データ又は前記分割データを、前記携帯端末装置に送信可能となるまで保持し、該携帯端末装置と通信可能となった際に、前記データ又は前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、該データ又は該分割データを削除することができる。これによって、携帯端末装置が移動経路情報と異なる経路を移動した場合でも、確実にデータをダウンロードすることができる。
【0017】
さらに、本発明は、携帯端末装置と、該携帯端末装置と通信する基地局と、前記携帯端末装置及び前記基地局と通信するサーバ装置と、前記基地局及び前記サーバ装置と通信し、前記携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機とで構成され、前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信した際に、前記サーバ装置が前記取得要求を受けたデータを前記交換機に送信し、該データを受信した前記交換機が前記基地局に該データを送信し、該データを受信した前記基地局が前記携帯端末装置に該データを送信し、前記携帯端末装置が該データを取得するデータ取得システムを制御するためのプログラムであって、前記サーバ装置が、前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶するステップと、前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信するステップと、該サーバ装置が、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信するステップと、該交換機が、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信するステップと、該基地局が、該データを前記携帯端末装置に送信するステップとを備えることを特徴とする。
【0018】
このプログラムを用いることにより、上述のように、サーバ装置が携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信し、該交換機は、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信し、該基地局は、該データを前記携帯端末装置に送信するため、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、一度のダウンロード要求のみで、最小限のネットワーク負荷と通信コストでダウンロードすることができる。
【0019】
前記プログラムにおいて、前記交換機が、前記携帯端末装置の前記移動経路情報によれば、該携帯端末装置の移動経路上に複数の基地局が存在する場合には、前記データを複数のデータに分割して前記複数の基地局に送信するステップと、該複数の基地局の各々が、前記分割データを前記携帯端末装置に送信するステップと、該携帯端末装置が、受信した前記分割データを合成するステップとを備えることができる。これによって、データ容量の大きさに関わらず、確実にダウンロードを行うことができる。
【0020】
また、前記プログラムにおいて、前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、該携帯端末装置により入力し、前記サーバ装置に送信するステップを備えてもよく、前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、前記交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測し、前記サーバ装置に送信するステップを備えてもよい。
【0021】
さらに、前記プログラムにおいて、前記携帯端末装置が、該携帯端末装置の移動経路情報と異なる経路を移動した場合には、前記基地局が、前記データ又は前記分割データを、前記携帯端末装置に送信可能となるまで保持し、該携帯端末装置と通信可能となった際に、前記データ又は前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、該データ又は該分割データを削除するステップを備えることができる。これによって、携帯端末装置が移動経路情報と異なる経路を移動した場合でも、確実にデータをダウンロードすることができる。
【0022】
また、本発明は、基地局及び交換機を介してサーバ装置と通信する携帯端末装置であって、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信し、該携帯端末装置の移動経路情報に基づいて前記サーバ装置から前記基地局に送信された前記データを取得することを特徴とする。
【0023】
この携帯端末装置によれば、該携帯端末装置の移動経路情報に基づいて前記サーバ装置から前記基地局に送信された前記データを取得することができるため、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、一度のダウンロード要求のみで、最小限のネットワーク負荷と通信コストでダウンロードすることができる。
【0024】
前記携帯端末装置において、前記データは、複数の基地局に前記交換機から分割して送信されたデータであって、受信した該分割データを合成することができる。これによって、データ容量の大きさに関わらず、確実にダウンロードを行うことができる。
【0025】
また、前記携帯端末装置において、前記移動経路情報を、該携帯端末装置から入力することができる。これによって、より確実にデータをダウンロードすることができる。
【0026】
さらに、本発明は、交換機を介して携帯端末装置とサーバ装置との間の通信を行う基地局であって、前記サーバ装置から前記携帯端末装置の前記移動経路情報に基づいて送信されたデータを前記交換機を介して受信し、受信した該データを記憶し、記憶した該データを前記携帯端末装置に送信し、該データを消去することを特徴とする。この基地局により、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、最小限のネットワーク負荷と通信コストでサーバ装置から携帯端末装置へデータをダウンロードすることができる。
【0027】
また、本発明は、基地局及びサーバ装置と通信し、携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機であって、前記サーバ装置から前記携帯端末装置の前記移動経路情報に基づいて送信されたデータを受信し、受信した該データ及び前記移動経路情報を記憶し、記憶した該データを該移動経路情報に基づいて前記基地局に送信し、該データ及び前記移動経路情報を消去することを特徴とする。この交換機により、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、最小限のネットワーク負荷と通信コストでサーバ装置から携帯端末装置へデータをダウンロードすることができる。
【0028】
前記交換機において、前記データを、前記移動経路情報に基づいて複数の基地局に分割して送信することができる。また、前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、該交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測し、前記サーバ装置に送信することができる。
【0029】
さらに、本発明は、交換機及び基地局を介して携帯端末装置と通信するサーバ装置であって、前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、該携帯端末装置からデータ取得要求を受信すると、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信することを特徴とする。このサーバ装置を用いることにより、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、最小限のネットワーク負荷と通信コストで携帯端末装置へデータをダウンロードすることができる。
【発明の効果】
【0030】
以上のように、本発明によれば、構内における携帯端末によってデータのダウンロードを行うにあたり、一度のダウンロード要求のみで、データ容量の大きさに関わらず、最小限のネットワーク負荷と通信コストで、確実にダウンロードを行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1に示すように、本発明にかかるデータ取得システム1は、大別して、携帯端末装置(以下、「携帯端末」という)2と、携帯端末2と通信する基地局(以下、「AP」という)3と、携帯端末2及びAP3と通信するデータサーバ装置(以下、「サーバ」という)4と、AP3及びサーバ4と通信し、携帯端末2の通信可能域に存在するAP3を選択する交換機(以下、「IP−PBX」という)5とで構成される。
【0033】
携帯端末2は、図2に示すように、データ取得要求を送信する送信部2aと、データを受信する受信部2bと、分割データを合成する合成部2cと、データを表示する表示部2dと、装置全体を制御する制御部2eとで構成される。
【0034】
AP3は、図3に示すように、IP−PBX5(図1参照)からデータを受信する受信部3aと、受信したデータを一時的に記憶する記憶部3bと、携帯端末2にデータを送信する送信部3cと、一時的に記憶されたデータを削除するデータ管理部3dと、装置全体を制御する制御部3eとで構成される。
【0035】
サーバ4は、図4に示すように、データ、携帯端末2の移動経路情報を記憶する記憶部4aと、データや携帯端末2の移動経路情報をIP−PBX5に送信する送信部4bと、装置全体を制御する制御部4cとで構成される。
【0036】
IP−PBX5は、図5に示すように、携帯端末2からデータ取得要求を受信するとともに、サーバ4から移動経路情報を受信する受信部5aと、データを一時的に記憶する記憶部5bと、携帯端末2の移動経路情報に基づいて移動経路を特定する移動経路特定部(以下、「特定部」という)5cと、特定部5cによって特定されたAP3を介して携帯端末2にデータを送信する送信部5dと、装置全体を制御する制御部5eとで構成される。
【0037】
次に、上記本発明にかかるデータ取得システム1の具体的な動作について、図面を参照しながら説明する。
【0038】
図6に示すように、本社11と拠点12とがIP−VPN30により接続されたネットワーク環境において、本社11にデータベース15を有するIP−PBX14及びサーバ16が設置され、拠点12の工場13で動作するAP18、19、20、21、22及び携帯端末17は、IP−PBX14により制御されている。
【0039】
また、携帯端末17には、IP−PBX14及びAP18、19、20、21、22が認識するための端末ID24が、AP18、19、20、21、22には、IP−PBX14が認識するためのAP−ID25、26、27、28、29が各々割り当てられている。
【0040】
また、図7、図8及び図9のデータベース15上には、携帯端末17の端末ID、時刻、所在エリアのAP−IDをキーとした過去の移動経路履歴が記録されているものとする。
【0041】
次に、図6と図12を中心に参照しながら、上記システムの動作について詳細に説明する。
【0042】
まず、ユーザ31が携帯端末17からIP−PBX14に対して、データ32のダウンロードを要求する(ステップS1)。
【0043】
IP−PBX14は、ダウンロード要求を受信後、サーバ16よりデータ32をダウンロードし、データ32を識別するための論理的な識別子としてデータ32にデータIDを割り当て一時的に保存する(ステップS2)。
【0044】
このとき、IP−PBX14は、前提条件で挙げたとおり、ユーザ31の移動速度及び位置情報と、AP18、19、20、21、22の伝送速度を認知しており、AP18のエリア内で携帯端末17がダウンロード可能なデータ容量を計算し(ステップS3)、データ32のデータ容量と、AP18のエリア内でダウンロード可能なデータ容量を比較する(ステップS4)。このとき、AP18に一時保存データが存在する場合には、そのデータの容量をデータ22に上乗せして比較する。
【0045】
その結果、AP18のエリア内で携帯端末17がダウンロード可能なデータ容量が、データ32のデータ容量よりも大きく、AP18のエリア内でダウンロードを完了させることが可能であると判断すると、データ32をAP18経由で携帯端末17に転送する(ステップS5)。データ転送が完了すると、IP−PBX14が保存していたデータ32の一時ファイルを削除する(ステップS6)。
【0046】
一方、AP18のエリア内で携帯端末17が可能なデータ容量が、データ32のデータ容量よりも小さく、AP18のエリア内でのダウンロード完了が不可能であると判断すると、IP−PBX14は、携帯端末17の端末ID、現在のエリアのAP−ID25、現在時刻41をキーとして、データベース5から携帯端末17の時刻別移動経路履歴情報を検索し(ステップS7)、次の移動先APとしてAP19を予測する(ステップS8)。
【0047】
そして、ユーザ31の移動速度及び位置情報と、AP19の伝送速度からAP19のエリア内で携帯端末17が可能なデータ容量を計算し(ステップS9)、データ32のデータ容量と、AP18、19のエリア内でダウンロード可能なデータ容量の合計を比較する(ステップS10、S11)。このとき、AP18、19に一時保存データが存在する場合は、そのデータの容量をデータ32に上乗せして比較する。
【0048】
その結果、AP18、19のエリア内でダウンロード可能なデータ容量の合計がデータ32のデータ容量よりも小さく、AP19のエリア内でダウンロードを完了させることが不可能であると判断すると、IP−PBX14は、携帯端末17の端末ID24、現在のエリアのAP−ID26、現在時刻41をキーとして、データベース15から携帯端末17の時刻別移動経路履歴情報を検索し(ステップS7)、次の移動先APとしてAP20を予測する(ステップS8)。
【0049】
そして、ユーザ31の移動速度及び位置情報とAP20の伝送速度からAP20のエリア内で携帯端末17がダウンロード可能なデータ容量を計算し(ステップS9)、データ32のデータ容量と、AP18、19、20のエリア内でダウンロード可能なデータ容量の合計を比較する(ステップS10、S11)。このとき、AP18、19、20に一時保存データが存在する場合には、そのデータの容量をデータ32に上乗せして比較する。
【0050】
その結果、AP18、19、20のエリア内でダウンロード可能なデータ容量の合計が、データ32のデータ容量より大きくなり、AP20のエリア内でダウンロードを完了させることが可能であると判断すると、IP−PBX14は、データ32をAP18、19、20の各々エリア内でダウンロード可能な分割データ34、35、36に分割し(ステップS12)、各々に対して識別するための分割データID37、38、39を割り当てる(ステップS13)。
【0051】
同時に、IP−PBX14は、データベース15に分割データ情報を登録する(ステップS14)。そして、IP−PBX14は、分割データ34、35、36を各々AP18、19、20に転送する(ステップS15)。このとき、各分割データにおいて、要求端末IDは、端末ID24、元データIDは、データID33、元データの分割数は3となる。AP18、19、20は、受信した分割データのデータ容量をAP情報の一時保存データ総容量に反映させ(ステップS16)、分割データ34、35、36を一時的に保持する(ステップS17)。
【0052】
AP18、19、20は、各々が保持している分割データ情報内の要求端末IDと一致する端末ID24を持つ携帯端末17を自エリア内で認証すると(ステップS18)、携帯端末17に対して分割データを転送する(ステップS19)。携帯端末17は、分割データの元データIDと元データの分割数の確認を行い(ステップS20)、分割データがすべて揃うと元データ32の復元を行う(ステップS21)。
【0053】
携帯端末17は、元データ32の復元が完了すると、IP−PBX14に対して完了通知を送信する(ステップS22)。
【0054】
IP−PBX14は、携帯端末17から完了通知を受信すると、AP18、19、20に対して分割データ34、35、36の削除要求を送信し、分割データの削除要求を受信したAP18、19、20は、各々保持している分割データ34、35、36を削除する(ステップS23)。そして、IP−PBX14が一時的に保持していたデータを削除する(ステップS24)。
【0055】
以上の動作で携帯端末17によるデータ33のダウンロード処理が完了する。
【0056】
次に、本発明にかかるデータ取得システムの第2の実施の形態について説明する。尚、前述の実施形態における移動経路予測工程では、IP−PBX14は、携帯端末17の過去の移動経路情報のみに依存して移動経路を予測しているが、携帯端末17からダウンロード要求を受信した際、IP−PBX14が保持している移動経路情報リストを携帯端末17に提供し、そのリストからユーザに希望する経路を選択し通知してもらうことで、経路を確実に決定することも可能である。
【0057】
本実施形態において、新たに以下に示すデータ及び動作が必要となる。図13は、本実施の形態において、IP−PBX14が保持するデータベース15上に展開されたデータ構成を示す。
【0058】
IP−PBX14は、図11で示したAP−IDをキーとして、拡張情報としてAPの位置キーワードを知ることができる。この位置キーワードは、各APを任意のエリア単位でグループ分けしたものであり、IP−PBX14がAP情報として予め保持するものとする。図6に示すAP18、19、20が工場13内の特定のフロア(例えば、実験室A)に設置されているとすると、AP18、19、20の位置キーワードは、“実験室A”になる。IP−PBX14は、この位置キーワードをユーザ31に問い合わせることで、ユーザ31の移動先を知ることができる。
【0059】
図14は、本発明の実施の形態において、IP−PBX14が保持するデータベース15上に展開されたデータ構成を示す。IP−PBX14は、端末IDをキーとして拡張移動経路履歴情報を検索・参照することができる。
【0060】
図15は、本発明の実施の形態において、IP−PBX14が保持するデータベース15上に展開されたデータ構成を示す。IP−PBX14は、ユーザが現在位置するエリアのAP−IDをキーとしてキーワード別移動経路履歴情報を検索・参照することができる。
【0061】
図16は、本発明の実施の形態において、IP−PBX14が保持するデータベース15上に展開されたデータ構成であり、図15で得られる時刻別移動経路履歴情報の詳細データである。IP−PBX14は、ユーザの位置情報とユーザの選択した位置キーワードに基づいて過去の移動経路履歴情報を検索・参照する。
【0062】
図17は、図12の移動経路予測手段において、本実施の形態を導入した際の動作をフローチャートに示したものである。
【0063】
図13乃至図17を参照しながら、第2の実施の形態における移動経路予測の動作について説明する。尚、その他の動作は、前述の形態と同様であるため省略する。
【0064】
IP−PBX14は、携帯端末17からのダウンロード要求受信時に、ユーザ31に対して位置キーワードリストを送信し、移動先を問い合わせる(ステップS25)。
【0065】
ユーザ31は、位置キーワードリストを受信後、その中から位置キーワードを選択し、IP−PBX14に返信する(ステップS26)。
【0066】
移動先の位置キーワードを受信したIP−PBX14は、ユーザの位置情報と位置キーワードをキーにして、ユーザ31が選択した位置キーワードに対する過去の移動経路履歴情報を検索し(ステップS27)、その結果をユーザ31に送信する(ステップS28)。
【0067】
ユーザ31は、移動経路履歴情報を受信すると、その中から希望する経路を選択し、IP−PBX14に返信する(ステップS29)。
【0068】
以上の操作を、図12のステップS1とステップS2の間に前処理として行うことで、IP−PBX14とユーザ31との間で移動経路に関する意志の統一を図ることができるため、ステップS7、S8の移動経路予測が不要となり、以後のダウンロード処理の確実性が向上し、IPネットワークの負荷とコストを最小限に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明にかかるデータ取得システムの一実施の形態を示す全体構成図である。
【図2】図1のデータ取得システムの携帯端末を示す機能構成図である。
【図3】図1のデータ取得システムのAPを示す機能構成図である。
【図4】図1のデータ取得システムのサーバを示す機能構成図である。
【図5】図1のデータ取得システムのIP−PBXを示す機能構成図である。
【図6】図1のデータ取得システムの具体的な動作を説明するための全体構成図である。
【図7】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された携帯端末の情報管理テーブルである。
【図8】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された携帯端末の移動経路履歴情報管理テーブルである。
【図9】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された携帯端末の時刻別移動経路履歴情報管理テーブルである。
【図10】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された分割データ情報管理テーブルである。
【図11】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開されたアクセスポイント情報管理テーブルである。
【図12】図1のデータ取得システムにおいて、携帯端末からデータのダウンロードを要求した場合の動作を示すフローチャートである。
【図13】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された拡張アクセスポイント情報管理テーブルである。
【図14】本発明の他の実施の形態において、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された拡張携帯端末の情報管理テーブルである。
【図15】本発明の他の実施の形態において、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された携帯端末のキーワード別移動経路履歴情報管理テーブルである。
【図16】本発明の他の実施の形態において、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された携帯端末の拡張移動履歴情報管理テーブルである。
【図17】図1のデータ取得システムにおいて、ユーザによる移動経路決定処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
1 データ取得システム
2 携帯端末
2a 送信部
2b 受信部
2c 合成部
2d 表示部
2e 制御部
3 AP
3a 受信部
3b 記憶部
3c 送信部
3d データ管理部
3e 制御部
4 サーバ
4a 記憶部
4b 送信部
4c 制御部
5 IP−PBX
5a 受信部
5b 記憶部
5c 特定部
5d 送信部
5e 制御部
11 本社
12 拠点
13 工場
14 IP−PBX
15 データベース
16 サーバ
17 携帯端末
18〜22 AP
24 端末ID
25〜29 AP−ID
30 IP−VPN
31 ユーザ
32 データ
33 データID
34〜36 分割データ
37〜39 分割データID
41 時刻
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ取得システムに関し、特に、IP−PBX(IP交換機)と、無線LANとに接続された携帯端末装置が移動しながら、コンテンツ、音楽、動画、画像等のデータを確実に取得することができるデータ取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1には、車両等の移動体に搭載される情報通信端末装置として、データのダウンロード時に、GPS機能によって車両の位置を特定し、データサイズ、移動体の現在位置、経路、各AP(Access Point)のデータから、最も迅速にデータをダウンロードすることのできるAPを選択し、そのサービスエリアを通過する経路を案内することで自動的にダウンロードを行う情報通信端末装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、移動車両の車載端末装置からコンテンツのダウンロードを行う際に、車両の位置近傍の無線基地局に応じて、一括ダウンロード方式と分割ダウンロード方式とを使い分ける移動体情報配信システムが提案されている。
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の情報通信端末装置は、情報通信端末装置が最も迅速にデータをダウンロードすることのできる経路へと移動体を案内するが、移動体が情報通信端末装置の案内通りに移動しなければ効果を発揮しない。また、一つのエリア内でダウンロード可能なAPを検索するため、データ容量が大きい場合には、該当するAPが見つからず、効果を発揮することができないという問題があった。
【0005】
また、特許文献2に記載の移動体情報配信システムでは、APの設置密度が高い場合には、分割ダウンロード、設置密度が低い場合には、一括ダウンロードを行うため、設置密度が低いエリアでは、異なるAPのエリア間を跨いだダウンロードを行うことができず、ダウンロードが完了するまで同一エリア内に留まらなければならないという問題があった。
【0006】
そこで、上記問題を解決するため、例えば、特許文献3には、車内に搭載されたカーナビゲーション装置を利用し、データ配信サーバーが移動車両の移動経路を特定し、先読みした移動先のAPに予めデータを分割して転送しておくことでデータを配信するデータ配信システム等が提案されている。
【0007】
また、特許文献4には、無線端末が送信する情報に基づいて、無線端末の未来の移動経路、及び無線基地局と無線端末との通信可能時刻を予測し、データを無線端末に転送する可能性がある無線基地局に対し、予測した通信可能時刻に基づくタイミングでデータ配信制御装置から特定の無線基地局に対して情報を送信する通信制御方法等が提案されている。
【0008】
さらに、特許文献5には、無線端末が送信する情報に基づいて、無線端末の未来の移動経路を予測し、無線端末に送信すべきデータを大きさが等しい複数のデータブロックに分割し、データブロックを無線端末に転送する可能性がある複数の無線基地局に対し、同一のデータブロックをデータ配信制御装置から送信する通信制御方法等が提案されている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−198315号公報
【特許文献2】特開2004−140525号公報
【特許文献3】特開2004−171294号公報
【特許文献4】特開2003−152627号公報
【特許文献5】特開2003−322539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記特許文献3乃至5に記載の移動体情報配信システム等では、電車やバスのように、予め移動体が移動する経路が決まっている車両内及び車両自体からダウンロード要求を行う場合しかデータを取得することができないという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来の移動体情報配信システム等における問題点に鑑みてなされたものであって、構内における携帯端末によってデータのダウンロードを行うにあたって、一度のダウンロード要求のみで、データ容量の大きさに関わらず、最小限のネットワーク負荷と通信コストで、確実にダウンロードを行うことのできるデータ取得システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、携帯端末装置と、該携帯端末装置と通信する基地局と、前記携帯端末装置及び前記基地局と通信するサーバ装置と、前記基地局及び前記サーバ装置と通信し、前記携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機とで構成され、前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信した際に、前記サーバ装置が前記取得要求を受けたデータを前記交換機に送信し、該データを受信した前記交換機が前記基地局に該データを送信し、該データを受信した前記基地局が前記携帯端末装置に該データを送信し、前記携帯端末装置が該データを取得するデータ取得システムであって、前記サーバ装置は、前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、前記携帯端末装置は、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信し、該サーバ装置は、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信し、該交換機は、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信し、該基地局は、該データを前記携帯端末装置に送信することを特徴とする。
【0013】
そして、本発明によれば、サーバ装置が携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信し、該交換機は、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信し、該基地局は、該データを前記携帯端末装置に送信するため、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、一度のダウンロード要求のみで、最小限のネットワーク負荷と通信コストでダウンロードすることができる。
【0014】
前記データ取得システムにおいて、前記交換機は、前記携帯端末装置の前記移動経路情報によれば、該携帯端末装置の移動経路上に複数の基地局が存在する場合には、前記データを複数のデータに分割して前記複数の基地局に送信し、該複数の基地局の各々は、前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、該携帯端末装置は、受信した前記分割データを合成することができる。これによって、データ容量の大きさに関わらず、確実にダウンロードを行うことができる。
【0015】
前記データ取得システムにおいて、前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、該携帯端末装置により入力し、前記サーバ装置に送信してもよく、前記交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測し、前記サーバ装置に送信してもよい。
【0016】
また、前記データ取得システムにおいて、前記携帯端末装置が、該携帯端末装置の移動経路情報と異なる経路を移動した場合には、前記基地局は、前記データ又は前記分割データを、前記携帯端末装置に送信可能となるまで保持し、該携帯端末装置と通信可能となった際に、前記データ又は前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、該データ又は該分割データを削除することができる。これによって、携帯端末装置が移動経路情報と異なる経路を移動した場合でも、確実にデータをダウンロードすることができる。
【0017】
さらに、本発明は、携帯端末装置と、該携帯端末装置と通信する基地局と、前記携帯端末装置及び前記基地局と通信するサーバ装置と、前記基地局及び前記サーバ装置と通信し、前記携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機とで構成され、前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信した際に、前記サーバ装置が前記取得要求を受けたデータを前記交換機に送信し、該データを受信した前記交換機が前記基地局に該データを送信し、該データを受信した前記基地局が前記携帯端末装置に該データを送信し、前記携帯端末装置が該データを取得するデータ取得システムを制御するためのプログラムであって、前記サーバ装置が、前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶するステップと、前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信するステップと、該サーバ装置が、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信するステップと、該交換機が、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信するステップと、該基地局が、該データを前記携帯端末装置に送信するステップとを備えることを特徴とする。
【0018】
このプログラムを用いることにより、上述のように、サーバ装置が携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信し、該交換機は、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信し、該基地局は、該データを前記携帯端末装置に送信するため、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、一度のダウンロード要求のみで、最小限のネットワーク負荷と通信コストでダウンロードすることができる。
【0019】
前記プログラムにおいて、前記交換機が、前記携帯端末装置の前記移動経路情報によれば、該携帯端末装置の移動経路上に複数の基地局が存在する場合には、前記データを複数のデータに分割して前記複数の基地局に送信するステップと、該複数の基地局の各々が、前記分割データを前記携帯端末装置に送信するステップと、該携帯端末装置が、受信した前記分割データを合成するステップとを備えることができる。これによって、データ容量の大きさに関わらず、確実にダウンロードを行うことができる。
【0020】
また、前記プログラムにおいて、前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、該携帯端末装置により入力し、前記サーバ装置に送信するステップを備えてもよく、前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、前記交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測し、前記サーバ装置に送信するステップを備えてもよい。
【0021】
さらに、前記プログラムにおいて、前記携帯端末装置が、該携帯端末装置の移動経路情報と異なる経路を移動した場合には、前記基地局が、前記データ又は前記分割データを、前記携帯端末装置に送信可能となるまで保持し、該携帯端末装置と通信可能となった際に、前記データ又は前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、該データ又は該分割データを削除するステップを備えることができる。これによって、携帯端末装置が移動経路情報と異なる経路を移動した場合でも、確実にデータをダウンロードすることができる。
【0022】
また、本発明は、基地局及び交換機を介してサーバ装置と通信する携帯端末装置であって、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信し、該携帯端末装置の移動経路情報に基づいて前記サーバ装置から前記基地局に送信された前記データを取得することを特徴とする。
【0023】
この携帯端末装置によれば、該携帯端末装置の移動経路情報に基づいて前記サーバ装置から前記基地局に送信された前記データを取得することができるため、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、一度のダウンロード要求のみで、最小限のネットワーク負荷と通信コストでダウンロードすることができる。
【0024】
前記携帯端末装置において、前記データは、複数の基地局に前記交換機から分割して送信されたデータであって、受信した該分割データを合成することができる。これによって、データ容量の大きさに関わらず、確実にダウンロードを行うことができる。
【0025】
また、前記携帯端末装置において、前記移動経路情報を、該携帯端末装置から入力することができる。これによって、より確実にデータをダウンロードすることができる。
【0026】
さらに、本発明は、交換機を介して携帯端末装置とサーバ装置との間の通信を行う基地局であって、前記サーバ装置から前記携帯端末装置の前記移動経路情報に基づいて送信されたデータを前記交換機を介して受信し、受信した該データを記憶し、記憶した該データを前記携帯端末装置に送信し、該データを消去することを特徴とする。この基地局により、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、最小限のネットワーク負荷と通信コストでサーバ装置から携帯端末装置へデータをダウンロードすることができる。
【0027】
また、本発明は、基地局及びサーバ装置と通信し、携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機であって、前記サーバ装置から前記携帯端末装置の前記移動経路情報に基づいて送信されたデータを受信し、受信した該データ及び前記移動経路情報を記憶し、記憶した該データを該移動経路情報に基づいて前記基地局に送信し、該データ及び前記移動経路情報を消去することを特徴とする。この交換機により、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、最小限のネットワーク負荷と通信コストでサーバ装置から携帯端末装置へデータをダウンロードすることができる。
【0028】
前記交換機において、前記データを、前記移動経路情報に基づいて複数の基地局に分割して送信することができる。また、前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、該交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測し、前記サーバ装置に送信することができる。
【0029】
さらに、本発明は、交換機及び基地局を介して携帯端末装置と通信するサーバ装置であって、前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、該携帯端末装置からデータ取得要求を受信すると、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信することを特徴とする。このサーバ装置を用いることにより、予め携帯端末装置が移動する経路が決定されていなくとも、最小限のネットワーク負荷と通信コストで携帯端末装置へデータをダウンロードすることができる。
【発明の効果】
【0030】
以上のように、本発明によれば、構内における携帯端末によってデータのダウンロードを行うにあたり、一度のダウンロード要求のみで、データ容量の大きさに関わらず、最小限のネットワーク負荷と通信コストで、確実にダウンロードを行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1に示すように、本発明にかかるデータ取得システム1は、大別して、携帯端末装置(以下、「携帯端末」という)2と、携帯端末2と通信する基地局(以下、「AP」という)3と、携帯端末2及びAP3と通信するデータサーバ装置(以下、「サーバ」という)4と、AP3及びサーバ4と通信し、携帯端末2の通信可能域に存在するAP3を選択する交換機(以下、「IP−PBX」という)5とで構成される。
【0033】
携帯端末2は、図2に示すように、データ取得要求を送信する送信部2aと、データを受信する受信部2bと、分割データを合成する合成部2cと、データを表示する表示部2dと、装置全体を制御する制御部2eとで構成される。
【0034】
AP3は、図3に示すように、IP−PBX5(図1参照)からデータを受信する受信部3aと、受信したデータを一時的に記憶する記憶部3bと、携帯端末2にデータを送信する送信部3cと、一時的に記憶されたデータを削除するデータ管理部3dと、装置全体を制御する制御部3eとで構成される。
【0035】
サーバ4は、図4に示すように、データ、携帯端末2の移動経路情報を記憶する記憶部4aと、データや携帯端末2の移動経路情報をIP−PBX5に送信する送信部4bと、装置全体を制御する制御部4cとで構成される。
【0036】
IP−PBX5は、図5に示すように、携帯端末2からデータ取得要求を受信するとともに、サーバ4から移動経路情報を受信する受信部5aと、データを一時的に記憶する記憶部5bと、携帯端末2の移動経路情報に基づいて移動経路を特定する移動経路特定部(以下、「特定部」という)5cと、特定部5cによって特定されたAP3を介して携帯端末2にデータを送信する送信部5dと、装置全体を制御する制御部5eとで構成される。
【0037】
次に、上記本発明にかかるデータ取得システム1の具体的な動作について、図面を参照しながら説明する。
【0038】
図6に示すように、本社11と拠点12とがIP−VPN30により接続されたネットワーク環境において、本社11にデータベース15を有するIP−PBX14及びサーバ16が設置され、拠点12の工場13で動作するAP18、19、20、21、22及び携帯端末17は、IP−PBX14により制御されている。
【0039】
また、携帯端末17には、IP−PBX14及びAP18、19、20、21、22が認識するための端末ID24が、AP18、19、20、21、22には、IP−PBX14が認識するためのAP−ID25、26、27、28、29が各々割り当てられている。
【0040】
また、図7、図8及び図9のデータベース15上には、携帯端末17の端末ID、時刻、所在エリアのAP−IDをキーとした過去の移動経路履歴が記録されているものとする。
【0041】
次に、図6と図12を中心に参照しながら、上記システムの動作について詳細に説明する。
【0042】
まず、ユーザ31が携帯端末17からIP−PBX14に対して、データ32のダウンロードを要求する(ステップS1)。
【0043】
IP−PBX14は、ダウンロード要求を受信後、サーバ16よりデータ32をダウンロードし、データ32を識別するための論理的な識別子としてデータ32にデータIDを割り当て一時的に保存する(ステップS2)。
【0044】
このとき、IP−PBX14は、前提条件で挙げたとおり、ユーザ31の移動速度及び位置情報と、AP18、19、20、21、22の伝送速度を認知しており、AP18のエリア内で携帯端末17がダウンロード可能なデータ容量を計算し(ステップS3)、データ32のデータ容量と、AP18のエリア内でダウンロード可能なデータ容量を比較する(ステップS4)。このとき、AP18に一時保存データが存在する場合には、そのデータの容量をデータ22に上乗せして比較する。
【0045】
その結果、AP18のエリア内で携帯端末17がダウンロード可能なデータ容量が、データ32のデータ容量よりも大きく、AP18のエリア内でダウンロードを完了させることが可能であると判断すると、データ32をAP18経由で携帯端末17に転送する(ステップS5)。データ転送が完了すると、IP−PBX14が保存していたデータ32の一時ファイルを削除する(ステップS6)。
【0046】
一方、AP18のエリア内で携帯端末17が可能なデータ容量が、データ32のデータ容量よりも小さく、AP18のエリア内でのダウンロード完了が不可能であると判断すると、IP−PBX14は、携帯端末17の端末ID、現在のエリアのAP−ID25、現在時刻41をキーとして、データベース5から携帯端末17の時刻別移動経路履歴情報を検索し(ステップS7)、次の移動先APとしてAP19を予測する(ステップS8)。
【0047】
そして、ユーザ31の移動速度及び位置情報と、AP19の伝送速度からAP19のエリア内で携帯端末17が可能なデータ容量を計算し(ステップS9)、データ32のデータ容量と、AP18、19のエリア内でダウンロード可能なデータ容量の合計を比較する(ステップS10、S11)。このとき、AP18、19に一時保存データが存在する場合は、そのデータの容量をデータ32に上乗せして比較する。
【0048】
その結果、AP18、19のエリア内でダウンロード可能なデータ容量の合計がデータ32のデータ容量よりも小さく、AP19のエリア内でダウンロードを完了させることが不可能であると判断すると、IP−PBX14は、携帯端末17の端末ID24、現在のエリアのAP−ID26、現在時刻41をキーとして、データベース15から携帯端末17の時刻別移動経路履歴情報を検索し(ステップS7)、次の移動先APとしてAP20を予測する(ステップS8)。
【0049】
そして、ユーザ31の移動速度及び位置情報とAP20の伝送速度からAP20のエリア内で携帯端末17がダウンロード可能なデータ容量を計算し(ステップS9)、データ32のデータ容量と、AP18、19、20のエリア内でダウンロード可能なデータ容量の合計を比較する(ステップS10、S11)。このとき、AP18、19、20に一時保存データが存在する場合には、そのデータの容量をデータ32に上乗せして比較する。
【0050】
その結果、AP18、19、20のエリア内でダウンロード可能なデータ容量の合計が、データ32のデータ容量より大きくなり、AP20のエリア内でダウンロードを完了させることが可能であると判断すると、IP−PBX14は、データ32をAP18、19、20の各々エリア内でダウンロード可能な分割データ34、35、36に分割し(ステップS12)、各々に対して識別するための分割データID37、38、39を割り当てる(ステップS13)。
【0051】
同時に、IP−PBX14は、データベース15に分割データ情報を登録する(ステップS14)。そして、IP−PBX14は、分割データ34、35、36を各々AP18、19、20に転送する(ステップS15)。このとき、各分割データにおいて、要求端末IDは、端末ID24、元データIDは、データID33、元データの分割数は3となる。AP18、19、20は、受信した分割データのデータ容量をAP情報の一時保存データ総容量に反映させ(ステップS16)、分割データ34、35、36を一時的に保持する(ステップS17)。
【0052】
AP18、19、20は、各々が保持している分割データ情報内の要求端末IDと一致する端末ID24を持つ携帯端末17を自エリア内で認証すると(ステップS18)、携帯端末17に対して分割データを転送する(ステップS19)。携帯端末17は、分割データの元データIDと元データの分割数の確認を行い(ステップS20)、分割データがすべて揃うと元データ32の復元を行う(ステップS21)。
【0053】
携帯端末17は、元データ32の復元が完了すると、IP−PBX14に対して完了通知を送信する(ステップS22)。
【0054】
IP−PBX14は、携帯端末17から完了通知を受信すると、AP18、19、20に対して分割データ34、35、36の削除要求を送信し、分割データの削除要求を受信したAP18、19、20は、各々保持している分割データ34、35、36を削除する(ステップS23)。そして、IP−PBX14が一時的に保持していたデータを削除する(ステップS24)。
【0055】
以上の動作で携帯端末17によるデータ33のダウンロード処理が完了する。
【0056】
次に、本発明にかかるデータ取得システムの第2の実施の形態について説明する。尚、前述の実施形態における移動経路予測工程では、IP−PBX14は、携帯端末17の過去の移動経路情報のみに依存して移動経路を予測しているが、携帯端末17からダウンロード要求を受信した際、IP−PBX14が保持している移動経路情報リストを携帯端末17に提供し、そのリストからユーザに希望する経路を選択し通知してもらうことで、経路を確実に決定することも可能である。
【0057】
本実施形態において、新たに以下に示すデータ及び動作が必要となる。図13は、本実施の形態において、IP−PBX14が保持するデータベース15上に展開されたデータ構成を示す。
【0058】
IP−PBX14は、図11で示したAP−IDをキーとして、拡張情報としてAPの位置キーワードを知ることができる。この位置キーワードは、各APを任意のエリア単位でグループ分けしたものであり、IP−PBX14がAP情報として予め保持するものとする。図6に示すAP18、19、20が工場13内の特定のフロア(例えば、実験室A)に設置されているとすると、AP18、19、20の位置キーワードは、“実験室A”になる。IP−PBX14は、この位置キーワードをユーザ31に問い合わせることで、ユーザ31の移動先を知ることができる。
【0059】
図14は、本発明の実施の形態において、IP−PBX14が保持するデータベース15上に展開されたデータ構成を示す。IP−PBX14は、端末IDをキーとして拡張移動経路履歴情報を検索・参照することができる。
【0060】
図15は、本発明の実施の形態において、IP−PBX14が保持するデータベース15上に展開されたデータ構成を示す。IP−PBX14は、ユーザが現在位置するエリアのAP−IDをキーとしてキーワード別移動経路履歴情報を検索・参照することができる。
【0061】
図16は、本発明の実施の形態において、IP−PBX14が保持するデータベース15上に展開されたデータ構成であり、図15で得られる時刻別移動経路履歴情報の詳細データである。IP−PBX14は、ユーザの位置情報とユーザの選択した位置キーワードに基づいて過去の移動経路履歴情報を検索・参照する。
【0062】
図17は、図12の移動経路予測手段において、本実施の形態を導入した際の動作をフローチャートに示したものである。
【0063】
図13乃至図17を参照しながら、第2の実施の形態における移動経路予測の動作について説明する。尚、その他の動作は、前述の形態と同様であるため省略する。
【0064】
IP−PBX14は、携帯端末17からのダウンロード要求受信時に、ユーザ31に対して位置キーワードリストを送信し、移動先を問い合わせる(ステップS25)。
【0065】
ユーザ31は、位置キーワードリストを受信後、その中から位置キーワードを選択し、IP−PBX14に返信する(ステップS26)。
【0066】
移動先の位置キーワードを受信したIP−PBX14は、ユーザの位置情報と位置キーワードをキーにして、ユーザ31が選択した位置キーワードに対する過去の移動経路履歴情報を検索し(ステップS27)、その結果をユーザ31に送信する(ステップS28)。
【0067】
ユーザ31は、移動経路履歴情報を受信すると、その中から希望する経路を選択し、IP−PBX14に返信する(ステップS29)。
【0068】
以上の操作を、図12のステップS1とステップS2の間に前処理として行うことで、IP−PBX14とユーザ31との間で移動経路に関する意志の統一を図ることができるため、ステップS7、S8の移動経路予測が不要となり、以後のダウンロード処理の確実性が向上し、IPネットワークの負荷とコストを最小限に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明にかかるデータ取得システムの一実施の形態を示す全体構成図である。
【図2】図1のデータ取得システムの携帯端末を示す機能構成図である。
【図3】図1のデータ取得システムのAPを示す機能構成図である。
【図4】図1のデータ取得システムのサーバを示す機能構成図である。
【図5】図1のデータ取得システムのIP−PBXを示す機能構成図である。
【図6】図1のデータ取得システムの具体的な動作を説明するための全体構成図である。
【図7】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された携帯端末の情報管理テーブルである。
【図8】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された携帯端末の移動経路履歴情報管理テーブルである。
【図9】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された携帯端末の時刻別移動経路履歴情報管理テーブルである。
【図10】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された分割データ情報管理テーブルである。
【図11】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開されたアクセスポイント情報管理テーブルである。
【図12】図1のデータ取得システムにおいて、携帯端末からデータのダウンロードを要求した場合の動作を示すフローチャートである。
【図13】図1のデータ取得システムにおいて、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された拡張アクセスポイント情報管理テーブルである。
【図14】本発明の他の実施の形態において、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された拡張携帯端末の情報管理テーブルである。
【図15】本発明の他の実施の形態において、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された携帯端末のキーワード別移動経路履歴情報管理テーブルである。
【図16】本発明の他の実施の形態において、IP−PBXが保持するデータベース上に展開された携帯端末の拡張移動履歴情報管理テーブルである。
【図17】図1のデータ取得システムにおいて、ユーザによる移動経路決定処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
1 データ取得システム
2 携帯端末
2a 送信部
2b 受信部
2c 合成部
2d 表示部
2e 制御部
3 AP
3a 受信部
3b 記憶部
3c 送信部
3d データ管理部
3e 制御部
4 サーバ
4a 記憶部
4b 送信部
4c 制御部
5 IP−PBX
5a 受信部
5b 記憶部
5c 特定部
5d 送信部
5e 制御部
11 本社
12 拠点
13 工場
14 IP−PBX
15 データベース
16 サーバ
17 携帯端末
18〜22 AP
24 端末ID
25〜29 AP−ID
30 IP−VPN
31 ユーザ
32 データ
33 データID
34〜36 分割データ
37〜39 分割データID
41 時刻
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置と、該携帯端末装置と通信する基地局と、前記携帯端末装置及び前記基地局と通信するサーバ装置と、前記基地局及び前記サーバ装置と通信し、前記携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機とで構成され、前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信した際に、前記サーバ装置が前記取得要求を受けたデータを前記交換機に送信し、該データを受信した前記交換機が前記基地局に該データを送信し、該データを受信した前記基地局が前記携帯端末装置に該データを送信し、前記携帯端末装置が該データを取得するデータ取得システムであって、
前記サーバ装置は、前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、
前記携帯端末装置は、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信し、
該サーバ装置は、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信し、
該交換機は、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信し、
該基地局は、該データを前記携帯端末装置に送信することを特徴とするデータ取得システム。
【請求項2】
前記交換機は、前記携帯端末装置の前記移動経路情報によれば、該携帯端末装置の移動経路上に複数の基地局が存在する場合には、前記データを複数のデータに分割して前記複数の基地局に送信し、
該複数の基地局の各々は、前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、
該携帯端末装置は、受信した前記分割データを合成することを特徴とする請求項1に記載のデータ取得システム。
【請求項3】
前記携帯端末装置の前記移動経路情報は、該携帯端末装置により入力され、前記サーバ装置に送信されることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ取得システム。
【請求項4】
前記携帯端末装置の前記移動経路情報は、前記交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測され、前記サーバ装置に送信されることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ取得システム。
【請求項5】
前記携帯端末装置が、該携帯端末装置の移動経路情報と異なる経路を移動した場合には、前記基地局は、前記データ又は前記分割データを、前記携帯端末装置に送信可能となるまで保持し、該携帯端末装置と通信可能となった際に、前記データ又は前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、該データ又は該分割データを削除することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のデータ取得システム。
【請求項6】
携帯端末装置と、該携帯端末装置と通信する基地局と、前記携帯端末装置及び前記基地局と通信するサーバ装置と、前記基地局及び前記サーバ装置と通信し、前記携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機とで構成され、前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信した際に、前記サーバ装置が前記取得要求を受けたデータを前記交換機に送信し、該データを受信した前記交換機が前記基地局に該データを送信し、該データを受信した前記基地局が前記携帯端末装置に該データを送信し、前記携帯端末装置が該データを取得するデータ取得システムを制御するためのプログラムであって、
前記サーバ装置が、前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶するステップと、
前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信するステップと、
該サーバ装置が、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信するステップと、
該交換機が、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信するステップと、
該基地局が、該データを前記携帯端末装置に送信するステップとを備えることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
前記交換機が、前記携帯端末装置の前記移動経路情報によれば、該携帯端末装置の移動経路上に複数の基地局が存在する場合には、前記データを複数のデータに分割して前記複数の基地局に送信するステップと、
該複数の基地局の各々が、前記分割データを前記携帯端末装置に送信するステップと、
該携帯端末装置が、受信した前記分割データを合成するステップとを備えることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、該携帯端末装置により入力し、前記サーバ装置に送信するステップを備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、前記交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測し、前記サーバ装置に送信するステップを備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のプログラム。
【請求項10】
前記携帯端末装置が、該携帯端末装置の移動経路情報と異なる経路を移動した場合には、前記基地局が、前記データ又は前記分割データを、前記携帯端末装置に送信可能となるまで保持し、該携帯端末装置と通信可能となった際に、前記データ又は前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、該データ又は該分割データを削除するステップを備えることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
基地局及び交換機を介してサーバ装置と通信する携帯端末装置であって、
データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信し、
該携帯端末装置の移動経路情報に基づいて前記サーバ装置から前記基地局に送信された前記データを取得することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項12】
前記データは、複数の基地局に前記交換機から分割して送信されたデータであって、
受信した該分割データを合成することを特徴とする請求項11に記載の携帯端末装置。
【請求項13】
前記移動経路情報は、該携帯端末装置から入力されることを特徴とする請求項11又は12に記載の携帯端末装置。
【請求項14】
交換機を介して携帯端末装置とサーバ装置との間の通信を行う基地局であって、
前記サーバ装置から前記携帯端末装置の前記移動経路情報に基づいて送信されたデータを前記交換機を介して受信し、
受信した該データを記憶し、
記憶した該データを前記携帯端末装置に送信し、
該データを消去することを特徴とする基地局。
【請求項15】
基地局及びサーバ装置と通信し、携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機であって、
前記サーバ装置から前記携帯端末装置の前記移動経路情報に基づいて送信されたデータを受信し、
受信した該データ及び前記移動経路情報を記憶し、
記憶した該データを該移動経路情報に基づいて前記基地局に送信し、
該データ及び前記移動経路情報を消去することを特徴とする交換機。
【請求項16】
前記データを、前記移動経路情報に基づいて複数の基地局に分割して送信すること特徴とする請求項15に記載の交換機。
【請求項17】
前記携帯端末装置の前記移動経路情報は、該交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測され、前記サーバ装置に送信されることを特徴とする請求項15又は16に記載の交換機。
【請求項18】
交換機及び基地局を介して携帯端末装置と通信するサーバ装置であって、
前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、
該携帯端末装置からデータ取得要求を受信すると、
前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項1】
携帯端末装置と、該携帯端末装置と通信する基地局と、前記携帯端末装置及び前記基地局と通信するサーバ装置と、前記基地局及び前記サーバ装置と通信し、前記携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機とで構成され、前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信した際に、前記サーバ装置が前記取得要求を受けたデータを前記交換機に送信し、該データを受信した前記交換機が前記基地局に該データを送信し、該データを受信した前記基地局が前記携帯端末装置に該データを送信し、前記携帯端末装置が該データを取得するデータ取得システムであって、
前記サーバ装置は、前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、
前記携帯端末装置は、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信し、
該サーバ装置は、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信し、
該交換機は、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信し、
該基地局は、該データを前記携帯端末装置に送信することを特徴とするデータ取得システム。
【請求項2】
前記交換機は、前記携帯端末装置の前記移動経路情報によれば、該携帯端末装置の移動経路上に複数の基地局が存在する場合には、前記データを複数のデータに分割して前記複数の基地局に送信し、
該複数の基地局の各々は、前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、
該携帯端末装置は、受信した前記分割データを合成することを特徴とする請求項1に記載のデータ取得システム。
【請求項3】
前記携帯端末装置の前記移動経路情報は、該携帯端末装置により入力され、前記サーバ装置に送信されることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ取得システム。
【請求項4】
前記携帯端末装置の前記移動経路情報は、前記交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測され、前記サーバ装置に送信されることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ取得システム。
【請求項5】
前記携帯端末装置が、該携帯端末装置の移動経路情報と異なる経路を移動した場合には、前記基地局は、前記データ又は前記分割データを、前記携帯端末装置に送信可能となるまで保持し、該携帯端末装置と通信可能となった際に、前記データ又は前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、該データ又は該分割データを削除することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のデータ取得システム。
【請求項6】
携帯端末装置と、該携帯端末装置と通信する基地局と、前記携帯端末装置及び前記基地局と通信するサーバ装置と、前記基地局及び前記サーバ装置と通信し、前記携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機とで構成され、前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信した際に、前記サーバ装置が前記取得要求を受けたデータを前記交換機に送信し、該データを受信した前記交換機が前記基地局に該データを送信し、該データを受信した前記基地局が前記携帯端末装置に該データを送信し、前記携帯端末装置が該データを取得するデータ取得システムを制御するためのプログラムであって、
前記サーバ装置が、前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶するステップと、
前記携帯端末装置が、データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信するステップと、
該サーバ装置が、前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信するステップと、
該交換機が、前記移動経路情報に基づいて、前記基地局に前記データを送信するステップと、
該基地局が、該データを前記携帯端末装置に送信するステップとを備えることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
前記交換機が、前記携帯端末装置の前記移動経路情報によれば、該携帯端末装置の移動経路上に複数の基地局が存在する場合には、前記データを複数のデータに分割して前記複数の基地局に送信するステップと、
該複数の基地局の各々が、前記分割データを前記携帯端末装置に送信するステップと、
該携帯端末装置が、受信した前記分割データを合成するステップとを備えることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、該携帯端末装置により入力し、前記サーバ装置に送信するステップを備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記携帯端末装置の前記移動経路情報を、前記交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測し、前記サーバ装置に送信するステップを備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のプログラム。
【請求項10】
前記携帯端末装置が、該携帯端末装置の移動経路情報と異なる経路を移動した場合には、前記基地局が、前記データ又は前記分割データを、前記携帯端末装置に送信可能となるまで保持し、該携帯端末装置と通信可能となった際に、前記データ又は前記分割データを前記携帯端末装置に送信し、該データ又は該分割データを削除するステップを備えることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
基地局及び交換機を介してサーバ装置と通信する携帯端末装置であって、
データ取得要求を前記基地局及び前記交換機を介して前記サーバ装置に送信し、
該携帯端末装置の移動経路情報に基づいて前記サーバ装置から前記基地局に送信された前記データを取得することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項12】
前記データは、複数の基地局に前記交換機から分割して送信されたデータであって、
受信した該分割データを合成することを特徴とする請求項11に記載の携帯端末装置。
【請求項13】
前記移動経路情報は、該携帯端末装置から入力されることを特徴とする請求項11又は12に記載の携帯端末装置。
【請求項14】
交換機を介して携帯端末装置とサーバ装置との間の通信を行う基地局であって、
前記サーバ装置から前記携帯端末装置の前記移動経路情報に基づいて送信されたデータを前記交換機を介して受信し、
受信した該データを記憶し、
記憶した該データを前記携帯端末装置に送信し、
該データを消去することを特徴とする基地局。
【請求項15】
基地局及びサーバ装置と通信し、携帯端末装置の通信可能域に存在する基地局を選択する交換機であって、
前記サーバ装置から前記携帯端末装置の前記移動経路情報に基づいて送信されたデータを受信し、
受信した該データ及び前記移動経路情報を記憶し、
記憶した該データを該移動経路情報に基づいて前記基地局に送信し、
該データ及び前記移動経路情報を消去することを特徴とする交換機。
【請求項16】
前記データを、前記移動経路情報に基づいて複数の基地局に分割して送信すること特徴とする請求項15に記載の交換機。
【請求項17】
前記携帯端末装置の前記移動経路情報は、該交換機により、該携帯端末装置の過去の移動経路より推測され、前記サーバ装置に送信されることを特徴とする請求項15又は16に記載の交換機。
【請求項18】
交換機及び基地局を介して携帯端末装置と通信するサーバ装置であって、
前記携帯端末装置の移動経路情報を記憶し、
該携帯端末装置からデータ取得要求を受信すると、
前記取得要求を受けたデータ及び前記移動経路情報を前記交換機に送信することを特徴とするサーバ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−300566(P2007−300566A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−128770(P2006−128770)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]