説明

データ変換装置、データ変換方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 印刷速度を低下させずに、出力予測時間をユーザに知らせてユーザの便宜を図ることができ、また、その出力予想時間に基づいて印刷速度を低下させず原稿情報に最適なプリンタを選択すること。
【解決手段】 原稿情報を送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知部401と、前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を前記送信データに変換する先行変換部403と、変換された送信データに基づいて前記送信データが出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出する算出部406と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、原稿情報を出力装置用の送信データに変換し、変換した送信データファイルを送信するデータ変換装置、データ変換方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものであり、特にユーザの明示の変換指示に先行して原稿情報を変換し、変換されたデータから出力予測時間の算出、最適なプリンタの選択をおこなうデータ変換装置、データ変換方法および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの普及により、ベクトルフォントや自然画、グラフィックス等を含んだ複雑な文書の作成が容易となっている。かかる文書を高画質でプリントするために、プリンタの解像度等は向上の一途をたどっているが、かかる向上は処理すべきデータ量の増大等を招くため、プリント画質とプリントスピードとの間にトレードオフが発生するという問題が生じている。
【0003】特に今日では、ネットワーク上に複数の特性の異なるプリンタを接続して、複数のユーザで共有することが一般的におこなわれている。このため、このような環境下でプリンタを使用する場合、特性の異なるプリンタから印刷する原稿情報に応じて出力時間が短時間となるように、あるいは印刷するデータの種類に応じて最適のプリンタを選択することが必要となる。
【0004】たとえば、特開平3−220624号公報に記載の「プリンタの最適制御方式」では、複数のプリンタを用いて複数の原稿をプリントする場合に、原稿とプリンタの組み合わせごとに所要プリント時間を予測し、全原稿のプリント時間が最小となるように、原稿に対して最適なプリンタを選択することについて開示されている。
【0005】また、特開平6−143755号公報に記載の「ネットワークプリントシステム」では、ユーザが原稿を印刷する際に、ネットワーク上の各プリンタからプリンタの仕様情報を受信し、印刷しようとするデータの内容と受信した仕様情報とを比較して、その中から最適な仕様のプリンタを選択することが記載されている。
【0006】たとえば、各プリンタから白黒印刷のみ可能か、カラー印刷が可能かの仕様情報を受信して、原稿のデータ内容が白黒のデータか、カラーデータかを分析し、白黒ページの原稿は、白黒プリンタを選択し、カラーページの原稿はカラープリンタを選択するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の装置は、ネットワーク上の複数のプリンタから最適のプリンタを選択できる点で優れている。しかしながら、いずれの装置も原稿情報をプリンタで印刷(プリント)する場合に、ユーザはアプリケーションプログラムを用いて、プリンタドライバに対し明示の印刷命令を発行する。そして、プリンタドライバは、ユーザの明示の印刷命令を受けた時点で初めて所定の印刷動作を開始する。すなわち、ユーザによる印刷命令の発行タイミングが、印刷動作の開始の起点となっている。
【0008】このため、特開平6−143755号公報に記載の「ネットワークプリントシステム」では、原稿情報のデータ内容の分析・比較やプリンタの選択は、ユーザによる明示のプリント命令がなされてから実行されることになり、ユーザがあらかじめプリンタを指定した場合よりもかえって印刷速度が低下してしまうという問題があった。
【0009】また、特開平3−220624号公報に記載の「プリンタの最適制御方式」でも同様に、原稿情報のデータ内容の分析、出力予測時間の算出および最適なプリンタの選択は、いずれもユーザによる明示のプリント命令がなされてから実行されることになり、ユーザがあらかじめプリンタを指定した場合よりもかえって印刷速度が低下してしまうという問題があった。
【0010】一方、プリンタ用データは原稿内容を直接含むものであるため、ユーザの明示のプリント命令に先行して原稿情報をプリンタ用データにあらかじめ変換することができれば、プリント命令に先立って原稿内容の分析、出力予測時間の算出、プリンタの選択等をおこなうことが可能である。
【0011】この発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、印刷速度を低下させずに、出力予測時間をユーザに知らせてユーザの便宜を図ることができ、また、印刷速度を低下させず原稿情報に最適なプリンタを選択することが可能なデータ変換装置、データ変換方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するため、請求項1に記載の発明にかかるデータ変換装置は、出力装置に接続され、原稿情報を前記出力装置用の送信データに変換し、変換した送信データを前記出力装置に送信するデータ変換装置において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知手段と、前記処理検知手段による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を前記送信データに変換する先行変換手段と、前記先行変換手段により変換された送信データに基づいて前記送信データが前記出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】この請求項1に記載の発明によれば、ユーザによる原稿情報を送信データに変換する変換指示に先行して、送信データが出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出することができる。
【0014】ここで、送信データに基づいた出力予測時間の算出は、送信データから原稿情報の内容を解析することによりおこなわれる。出力予測時間は、中間描画命令の種類、描画面積、PCの演算性能、プリンタへの転送時間、プリンタドライバの性能等から定められる。このため、PCの演算性能、プリンタへの転送時間、プリンタドライバの性能等を加味してあらかじめ中間描画命令と処理時間との関係を表したテーブルを用意しておけば、送信データの内容から中間描画命令の種類、描画面積を解析して、前記テーブルから出力予測時間を算出することができる。
【0015】このように請求項1に記載の発明によれば、ユーザの変換指示に先行して原稿情報を送信データに変換し、変換された送信データに基づいて出力予測時間を算出しているので、プリント速度を低下させることなく、ユーザに出力予測時間を通知することができる。
【0016】ここで、処理検知手段における「変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理」とは、原稿情報を送信データに変換可能となる処理をいい、具体的には、擬似的に印刷命令を発行可能な状態になるような処理である。
【0017】このような処理としては、たとえば、文書情報ファイルを開いた後印刷命令が発行可能になるコンピュータ環境、印刷環境では「文書情報ファイルを開く処理」をいう。
【0018】文書情報ファイルを開いた後読み込みを開始した後に印刷命令が発行可能になる環境では「文書情報ファイルの読み込み処理」をいう。文書情報ファイルの読み込みが終了して初めて印刷命令が発行可能になる環境では「文書情報ファイルの読み込み終了処理」をいう。
【0019】さらに、読み込んだ文書情報のCRT等の表示装置への表示開始時に印刷命令が発行可能になる環境では「文書情報の表示開始処理」をいい、読み込んだ文書情報の表示装置への表示が終了して初めて印刷命令が発行可能になる環境では「文書情報の表示終了処理」をいう。また、擬似的に印刷命令を発行可能な状態になった後であれば、ユーザがプリンタのプロパティを表示する処理や、印刷メニューを選択する処理としてもよい。
【0020】なお、この発明において、「データ」とは、数値データのほか、数値データを生成するための「命令」も含まれる。すなわち、一般に命令は引数等のデータを伴うので、この発明で「データ」というときは、命令とデータをいう。
【0021】また、請求項2に記載の発明にかかるデータ変換装置は、複数の出力装置に接続され、原稿情報を前記出力装置用の送信データに変換するデータ変換装置において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知手段と、前記処理検知手段による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換する先行変換手段と、前記先行変換手段により変換された送信データに基づいて前記送信データが前記複数の出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された出力予測時間に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0022】この請求項2に記載の発明によれば、複数の出力装置と接続されたデータ変換装置にかかるものであり、先行変換手段によって処理検知手段による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換し、算出手段によって前記先行変換手段により変換された送信データに基づいて出力予測時間を算出し、決定手段によって前記算出手段により算出された出力予測時間の基づいて前記複数の出力装置の中から出力装置を決定するので、ユーザの明示の変換指示に先立って送信データを解析し、算出された出力予測時間に基づいて最適の出力装置を選んでおくことができる。このため、プリント速度を低下させることなく、最適な出力装置を選択することができる。
【0023】なお、複数の出力装置は、データ変換装置に直接接続されているもののほか、ネットワークを介して接続されている場合も含まれる。
【0024】また、請求項3に記載の発明にかかるデータ変換装置は、複数の出力装置に接続され、原稿情報を前記出力装置用の送信データに変換するデータ変換装置において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知手段と、前記処理検知手段による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換する先行変換手段と、前記先行変換手段により変換された送信データおよび前記複数の出力装置の特性に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0025】この請求項3に記載の発明によれば、ユーザによる原稿情報を送信データに変換する変換指示に先行して、決定手段によって送信データと出力装置の特性とに基づいて複数の出力装置の中から送信データに最適な出力装置を決定することができる。
【0026】ここで、「出力装置の特性」には、文字データのみ印刷可能かイメージデータ印刷が可能か、画質、モノクロ印刷のみかカラー印刷可能か等の出力装置に固有な情報のすべてをいう。
【0027】このように、請求項3に記載の発明によれば、ユーザの明示の変換指示に先立って、原稿情報を変換して送信データの内容を解析し、送信データと出力装置の特性に基づいて最適の出力装置を選んでおくことができるので、プリント速度を低下させることなく、原稿情報の印刷に最適な出力装置を選択することができる。
【0028】また、請求項4に記載の発明にかかるデータ変換装置は、請求項3に記載の発明において、前記決定手段が、前記先行変換手段により変換された送信データのうち、当該データの画質に関する内容に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定することを特徴とする。
【0029】この請求項4に記載の発明によれば、ユーザの明示の変換指示に先立って、原稿情報を変換して送信データの内容を解析し、送信データの画質に関する内容と出力装置の特性に基づいて最適の出力装置を選んでおくことができるので、プリント速度を低下させることなく、原稿情報の印刷に最適な出力装置を選択することができる。
【0030】また、請求項5に記載の発明にかかるデータ変換装置は、請求項1〜4に記載の発明において、前記送信データの形式が、前記出力装置に対して非依存型の形式であることを特徴とする。
【0031】この請求項5に記載の発明によれば、送信データの形式が出力装置に対して非依存型の形式であるので、出力装置が異なった場合でも出力予測時間や出力装置の選択に必要な内部的処理を統一的におこなうことができる。すなわち、中間描画命令が出力装置に依存しないので、出力予測時間の算出や出力装置の選択の際に必要とされる送信データ中の中間描画命令と出力時間、出力装置の特性等の対応関係を示すテーブルを統一的に作成・管理することができる。
【0032】また、請求項6に記載の発明にかかるデータ変換方法は、原稿情報を出力装置用の送信データに変換し、変換した送信データを出力装置に送信するデータ変換方法において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知工程と、前記処理検知工程による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を前記送信データに変換する先行変換工程と、前記先行変換工程により変換された送信データに基づいて前記送信データが前記出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出する算出工程と、を含んだことを特徴とする。
【0033】この請求項6に記載の発明によれば、先行変換工程によってユーザの変換指示に先行して原稿情報を送信データに変換し、ユーザの明示の変換指示に先立って算出工程によって変換された送信データに基づいて出力予測時間を算出しているので、プリント速度を低下させることなく、ユーザに出力予測時間を通知することができる。
【0034】また、請求項7に記載の発明にかかるデータ変換方法は、原稿情報を出力装置用の送信データに変換し、変換した送信データを複数の出力装置に送信するデータ変換方法において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知工程と、前記処理検知工程による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を前記送信データに変換する先行変換工程と、前記先行変換工程により変換された送信データに基づいて前記送信データが前記出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出する算出工程と、前記算出工程により算出された出力予測時間に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを出力する出力装置を決定する決定工程と、を含んだことを特徴とする。
【0035】この請求項7に記載の発明によれば、先行変換工程によって処理検知工程による処理の検知に基づいて原稿情報を送信データに変換し、算出工程によって送信データに基づいて出力予測時間を算出し、決定工程によって前記算出工程により算出された出力予測時間の基づいて前記複数の出力装置の中から出力装置を決定するので、ユーザの明示の変換指示に先立って送信データを解析し、算出された出力予測時間に基づいて最適の出力装置を選んでおくことができ、このため、プリント速度を低下させることなく、最適な出力装置を選択することが可能となる。
【0036】また、請求項8に記載の発明にかかるデータ変換方法は、原稿情報を出力装置用の送信データに変換し、変換した送信データを複数の出力装置に送信するデータ変換方法において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知工程と、前記処理検知工程による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換する先行変換工程と、前記先行変換工程により変換された送信データおよび前記出力装置の特性に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定する決定工程と、を含んだことを特徴とする。
【0037】この請求項8に記載の発明によれば、先行変換工程によって処理の検知に基づいて原稿情報を送信データに変換し、ユーザの明示の変換指示に先立って、決定工程によって送信データを解析して出力装置の特性とに基づいて複数の出力装置の中から出力装置を決定するので、プリント速度を低下させることなく、原稿情報の印刷に最適な出力装置を選択することができる。
【0038】また、請求項9に記載の発明にかかるデータ変換方法は、請求項8に記載の発明において、前記決定工程が、前記先行変換工程により変換された送信データのうち、当該データの画質に関する内容に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定することを特徴とする。
【0039】この請求項9に記載の発明によれば、ユーザの明示の変換指示に先立って、原稿情報を変換して送信データの内容を解析し、送信データの画質に関する内容と出力装置の特性に基づいて最適の出力装置を選んでおくことができるので、プリント速度を低下させることなく、原稿情報の印刷に最適な出力装置を選択することができる。
【0040】また、請求項10に記載の発明にかかるデータ変換方法は、請求項6〜9に記載の発明において、前記送信データの形式が、前記出力装置に対して非依存型の形式であることを特徴とする。
【0041】この請求項10に記載の発明によれば、送信データの形式が出力装置に対して非依存型の形式であるので、出力装置が異なった場合でも出力予測時間や出力装置の選択に必要な内部的処理を統一的におこなうことができる。すなわち、中間描画命令が出力装置に依存しないので、出力予測時間の算出や出力装置の選択の際に必要とされる送信データ中の中間描画命令と出力時間、出力装置の特性等の対応関係を示すテーブルを統一的に作成・管理することができる。
【0042】また、請求項11に記載の発明にかかる記録媒体は、請求項5〜8のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことで、そのプログラムを機械読み取り可能となり、これによって、請求項5〜8の動作をコンピュータによって実現することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この発明にかかるデータ変換装置、データ変換方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0044】〔実施の形態1〕
(データ変換処理システムのハードウエア構成)まず、実施の形態1にかかるデータ変換装置を含むデータ変換処理システムのハードウエア構成について説明する。図1R>1は、この発明の実施の形態1にかかるデータ変換装置を含むデータ変換処理システムのシステム構成を示すブロック図である。
【0045】図1に示すように、このデータ変換処理システムは、データ変換装置(コンピュータ)101と表示装置(モニタ)102と出力装置(プリンタ)103とからなる。これは、コンピュータとプリンタとを組み合わせたスタンドアローン型における通常の構成であり、さらにデータ変換装置101にはユーザインタフェースの機能を実現するための表示装置102が接続されている。
【0046】データ変換装置101は、演算処理部111と、記憶部112と、送信部113とを備えている。演算処理部111は、後述するCPU201等によりその機能を実現する。また、記憶部112は、各種プログラムおよびデータを記憶する。具体的には後述するROM202,RAM203,HD205等の記憶媒体および記憶媒体の読み取り装置(たとえばHDD204)等によりその機能を実現する。
【0047】記憶部112は、たとえばOS(オペレーションシステム)、中間ファイルを記録するプログラムであるスプーラ、記録された中間ファイルを読み出すプログラムであるデスプーラ、アプリケーション、マクロ、プリンタドライバ等を記憶しており、演算処理部111がこれらのプログラムを実行する。
【0048】また、この発明における出力装置用の送信データを構成するプリンタ用データも記憶部112に記憶され、送信部113によってプリンタへ送信される。送信部113は、後述するインタフェース部209等によりその機能を実現する。
【0049】ここで、「プリンタドライバ」とは、コンピュータ等の情報処理装置内にある文書データを紙等の媒体上に画像として出力するために、当該文書データをプリンタが解釈可能なデータ(プリンタ用データ)に変換して、プリンタに送信するためのソフトウエアを意味する。
【0050】出力装置(プリンタ)103は、画像を形成するための、図示を省略するプリンタエンジン(画像形成部)、受信部133のほか、データ変換装置101と同様に演算処理部131と、記憶部132とを備えている。
【0051】ここで、演算処理部131は、後述するCPU301等によりその機能を実現する。また、記憶部132は、各種プログラムおよびデータを記憶する。具体的には後述するROM302,RAM303,HD305等の記憶媒体および記憶媒体の読み取り装置(たとえばHDD304)等によりその機能を実現することができる。
【0052】また、受信部133は、データ変換装置101の送信部113より送信された送信データ(プリンタ用データ)を受信する。具体的には、後述するインタフェース部309等によりその機能を実現することができる。送信データを受信した出力装置(プリンタ)103は、記憶部132にその送信データを記憶し、演算処理部131によって最終的なデータを生成し、上記プリンタエンジンへの出力をおこなう。
【0053】なお、上記演算処理部111,131、記憶部112,132は物理的にデータ変換装置101あるいは出力装置103内に存在する必要はなく、仮想的にデータ変換装置あるいは出力装置を構成すればよい。したがって、たとえば演算処理部111,131、記憶部112,132がネットワーク上に存在する構成であってもよい。
【0054】(データ変換装置のハードウエア構成)つぎに、データ変換装置のハードウエア構成について説明する。図2は、実施形態1にかかるデータ変換装置101のハードウエア構成を示すブロック図である。なお、データ変換装置101は、上述のようにコンピュータ単独で構成することができるほか、ネットワークにより接続されたプリンタサーバとローカルコンピュータとによっても構成することができる。
【0055】図2に示すデータ変換装置101において、201はシステム全体を制御するCPUを、202はブートプログラム等を記憶したROMを、203はCPU201のワークエリアとして使用されるRAM203を、204はCPU201の制御にしたがってHD(ハードディスク)205に対するデータのリード/ライトを制御するHDD(ハードディスクドライブ)を、205はHDD204の制御で書き込まれたデータを記憶するHDをそれぞれ示している。
【0056】また、206はCPU201の制御にしたがってFD(フロッピーディスク)207に対するデータのリード/ライトを制御するFDD(フロッピーディスクドライブ)を、207はFDD206の制御で書き込まれたデータを記憶する着脱自在の記憶媒体の一例としてのFDをそれぞれ示している。
【0057】また、209は通信回線210を介してネットワークNETに接続され、そのネットワークNETとの内部インタフェースを司るインタフェース部(I/F)をそれぞれ示している。このネットワークNETには、出力装置103への接続に関するものも含まれる。
【0058】また、211は文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えたキーボードを、212はカーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更、アイコンの選択、移動等をおこなうマウスを示している。また、213は上記各部を接続するためのバスを示している。
【0059】(出力装置(プリンタ)のハードウエア構成)つぎに、出力装置(プリンタ)のハードウエア構成について説明する。図3は、本実施形態にかかる出力装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0060】図3に示す出力装置103において、301はシステム全体を制御するCPUを、302はブートプログラム等を記憶したROMを、303はCPU301のワークエリアとして使用されるRAMを、304はCPU301の制御にしたがってHD(ハードディスク)305に対するデータのリード/ライトを制御するHDD(ハードディスクドライブ)を、305はHDD304の制御で書き込まれたデータを記憶するHDをそれぞれ示している。
【0061】また、306はCPU301の制御にしたがってFD(フロッピーディスク)307に対するデータのリード/ライトを制御するFDD(フロッピーディスクドライブ)を、307はFDD306の制御で書き込まれたデータを記憶する着脱自在の記憶媒体の一例としてのFDをそれぞれ示している。
【0062】また、408はプリンタの操作内容を表示するディスプレイを示している。また、ディスプレイ308は、プリンタの操作指示をおこなうタッチパネル311の機能もあわせ持つようにしてもよい。
【0063】また、309は通信回線310を介してネットワークNETに接続され、そのネットワークNETとの内部インタフェースを司るインタフェース部(I/F)をそれぞれ示している。このネットワークNETには、データ変換装置101への接続に関するものも含まれる。
【0064】また、312は、プリンタの操作指示をおこなうテンキーであり、スタートボタンその他の操作ボタンをも含むものである。ここで、ディスプレイ308にテンキーその他の操作ボタンを表示させ、ディスプレイ308の該当するテンキーに指等で触れることにより、テンキー312の機能を実現するようにしてもよい。
【0065】(データ変換装置の機能的構成)つぎに、データ変換装置101の機能的構成について説明する。図4は、実施の形態1にかかるデータ変換装置101の構成を機能的に示す機能ブロック図である。図4において、データ変換装置101は、処理検知部401と、変換指示部402と、先行変換部403と、擬似命令発行部404と、保持部405と、算出部406と、変換指示検知部407と、出力部408とを含む構成となっている。
【0066】処理検知部401は、変換指示部402による指示に先行して実行される原稿情報に対する処理を検知する。変換指示部402による指示に先行して実行される原稿情報に対する処理とは、実施の形態1においては、たとえばファイルのオープン処理を示す。
【0067】ただし、変換指示部402による指示に先行して実行される原稿情報に対する処理は、上記ファイルのオープン処理に限定されるものではなく、コンピュータ環境や印刷環境に応じて、ファイルの読み込み処理、ファイルの読み込み終了処理、文書情報の表示開始処理、文書情報の表示終了処理、文書内容の変更処理、文書内容変更後の保存処理を前記処理等として検知をするように構成してもよい。
【0068】変換指示部402は、原稿情報を送信データに変換するようにユーザが明示的に指示する指示部である。具体的には、図示を省略した表示画面上に表示される印刷実行ボタン等の押下がこの指示に該当する。
【0069】先行変換部403は、処理検知部401による処理の検知に基づいて原稿情報を送信データ(プリンタ用データ)に変換する。この実施の形態1にかかるデータ変換装置では、送信データは、出力装置103(プリンタ)に依存型の形式のデータであり、このような送信データへの変換については、従来の変換処理の内容と同様なので説明を省略する。
【0070】擬似命令発行部404は、ユーザの明示の変換指示(印刷命令)に先行して、すなわちユーザによる印刷命令とは別個に、アプリケーションに対して印刷命令を発行する。この印刷命令は、後述するマクロにより発行されるようになっている。
【0071】保持部405は、変換された送信データ(プリンタ用データ)を保持する。ここで、保持するとは、具体的には送信データをHD205へ記憶することにより実現する。また、保持部405は、後述する中間描画命令と中間描画命令の印刷処理(所要)時間との対応テーブルをあらかじめ保持している。
【0072】算出部406は、保持部405に保持されている送信データを解析し、この送信データ中の中間描画命令と、中間描画命令と中間描画命令の印刷処理時間との前記対応テーブルとから送信データに対する印刷予測時間を算出し、算出された印刷予測時間の結果を保持部405に格納する。
【0073】変換指示検知部407は、変換指示部402による指示を検知する。すなわち、上記印刷ボタンが押下されたか否かを監視し、押下された場合にその旨を出力部408へ通知するよう所定の信号を出力する。
【0074】出力部408は、変換指示検知部407による指示の検知にしたがって、保持部405に保持された送信データを出力装置103へ出力する。たとえば、図1に示した送信部113によりその機能を実現することができる。また、出力部408は、保持部405に格納された印刷予測時間の結果に関するデータを図1に示した表示装置(モニタ)102へ出力する。表示装置102は、そのデータに基づいて印刷予測時間の結果をオペレータに報知することができる。
【0075】なお、処理検知部401、変換指示部402、先行変換部403、擬似命令発行部404、保持部405、算出部406、変換指示検知部407、出力部408は、それぞれROM202,RAM203またはハードディスク(HD)205、フロッピーディスク(FD)207等の記録媒体に記録されたプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより、各部の機能を実現するようにしてもよい。
【0076】(データ変換処理の内容)つぎに、実施の形態1にかかるデータ変換装置のデータ変換処理の内容について説明する。図5および図6は、実施の形態1にかかるデータ変換装置のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。実施の形態1のデータ変換装置では、プリンタに依存する形式(プリンタ依存型)の中間描画命令からなるプリンタ用データ(送信データ)を生成している。
【0077】実施の形態1にあっては、文書ファイルを開いた後にプリントが開始可能なコンピュータ環境(アプリケーション環境)を想定する。実施の形態1において、出力装置(プリンタ)103は1台しか存在しないが、システムに対しては仮想的に2台存在するように2つの識別名(プリンタA、プリンタB)によって組み込まれている(インストールされている)。
【0078】したがって、プリンタAを指定してプリントする場合にはプリンタドライバAが使用され、プリンタBを指定してプリントする場合にはプリンタドライバBが使用される。1台のプリンタに複数の識別名を与えることは、高機能なOS(オペレーションシステム)が有する一般的な機能であるため、その機能の詳細な説明については省略する。
【0079】また、実施の形態1においては、ユーザによる明示の印刷命令とは別個に、擬似命令発行部(マクロ)404が印刷命令を発行する。図5のフローチャートにおいては、このマクロの印刷命令による処理の手順を示し、図6のフローチャートにおいては、主としてユーザの明示の印刷命令による処理の手順を示している。
【0080】図5のフローチャートにおいて、まず、ファイルがオープンされる(ステップS501)と、処理検知部401としてのファイルオープン検知部はファイルオープンを検知し、擬似命令発行部404へファイルオープン(読み込み開始)を通知する(ステップS502)。ここで、ユーザはアプリケーションプログラムに対してファイルオープンを指示するため、ファイルオープンを検知するのはアプリケーションプログラムである。
【0081】つぎに、擬似命令発行部404は、アプリケーションプログラムへの印刷命令を発行する(ステップS503)。かかる擬似命令発行部404は、アプリケーション内で動作するマクロとして実現することが可能である。
【0082】ここで、マクロとは、アプリケーションの有する個々の機能を一連の定型動作として実行させることが可能なプログラムを示すものである。一般に高機能なアプリケーション(ワープロソフト等)においては、定型動作を所定の言語(たとえば、マイクロソフト社製のプログラミング言語である「Visual Basic for Application」等)で記述しておくことにより、アプリケーション内でマクロを実行させることが可能である。
【0083】そして、マクロの実行開始は、ワードプロセッサを例にとれば、ユーザによる明示の開始指示によるほか、アプリケーションの起動と同時にアプリケーションによって実行させたり、既存文書の読み込み終了と同時にアプリケーションによって実行させたりすることが可能である。
【0084】さらに、文書を開いた後に所定の動作(たとえばプリント)が開始可能なコンピュータ環境(アプリケーション環境)においては、文書を開いた後に該動作のマクロを実行させることが可能である。
【0085】実施の形態1にかかるマクロは、「プリンタAを選択し、開いている文書の全ページをファイル出力としてプリントアウトする」という定型動作を実行し、既存文書のファイルオープン直後に実行可能なマクロとして構成されている。
【0086】したがって、ファイルオープンを検知したアプリケーションが、ファイルオープンの後に当該マクロを実行することにより、ファイル出力としての印刷命令が発行されたことになる(ステップS504)。
【0087】ここで、ファイル出力とは、プリント用データをプリンタに対して送信するのではなく、ハードディスク等の記憶媒体上に記録することを示しており、記録時のファイル名は、読み込み文書と一意に対応させることが可能である。このようにファイル出力されたプリント用データは、読み出し後改めてプリンタに対して送信することにより、プリントアウトが可能となる。
【0088】したがって、プリンタAを選択したファイル出力としての印刷命令は、OSへ送信され、OSはプリンタに依存型の中間描画命令データを発行する(ステップS505)。
【0089】ここで、中間描画命令は、描画対象によって命令名(関数名)が異なり、命令には、描画位置、描画領域、描画面積や描画色等の引数が与えられるのが一般的である。たとえば、マイクロソフト社のWindowsでは、プリンタ依存型の中間描画命令は、Device Driver Interface(DDI)関数である。
【0090】たとえば、プリンタAが円弧の中間描画命令しか処理できないプリンタドライバを有するときにこのプリンタAを用いて楕円をプリントする場合、プリント原稿中の「楕円」は、中間描画命令中では、「円弧中間描画命令」の集合というプリンタ依存型でかつ複数の命令として発行される。そして、プリンタドライバが、当該円弧中間描画命令を「ラスターデータ(ドットデータ)の集合」として展開し、プリンタ用データが生成されることになる。
【0091】したがってこの場合、プリント所要時間は、OSが中間描画命令を発行するまでの相対的に短い時間を除外すれば、(1)中間描画命令がラスターデータに変換される時間、(2)ラスターデータがプリンタに転送される時間、(3)プリンタが印刷する時間、の3つの総和で見積ることができる。
【0092】なお、プリンタの種類によっては、(2)の一部が(3)に含まれる場合もある。ここで、通常PCで作成される原稿は、「矩形領域に対する描画コマンド」の集合として構成される。
【0093】たとえば、図7に示すように、図7(a)の原稿(フローチャートが記載されたもの)は、図7(b)に示す矩形領域の集合として構成され、各領域に対応した中間描画命令の結果、すなわち中間描画命令を展開したラスターデータを、メモリ上に重ね合わせたものがプリント結果となる。言い換えれば、最終的なプリントデータは、各描画領域のラスターデータの集合として与えられる。
【0094】以下、図7に示すような矩形およびその集合を「描画領域」と、描画領域の面積を「描画領域面積」といい、矩形内に実際に描画される図形の面積を「描画面積」という。
【0095】上述の(1)〜(3)の要素は、たとえば簡単に夫々つぎの(1)’〜(3)’の要素の関数として表すことができる。
【0096】(1)’:(1)の変換時間は、中間描画命令の種類(文字描画か、イメージの描画か等)と描画面積、PCの演算能力、プリンタドライバの性能である。なお、中間描画命令全体がいかなる命令から構成されるかは、プリンタに依存する。また、各中間描画命令ごとの処理時間は、おおむね描画面積に比例する。また、中間調処理を実行する場合の処理時間は、命令ごとの描画領域を併合した描画領域におおむね比例する。
【0097】(2)’:(2)の転送時間は、転送路の転送速度と、各描画領域を併合した描画領域(以下、「併合描画領域面積」という)である。より正確には、「転送速度と転送データ量の関数」となるが、簡易には転送データ量を描画領域で代用することができる。ここで、「併合」とは、描画領域どうしが重なっている場合に、当該重なり部分を除外することを意味する。
【0098】(3)’:(3)の印刷時間は、プリンタエンジンの印刷速度と、併合描画領域面積である。したがって、各ユーザの環境ごとに転送速度をあらかじめ設定し、接続されたプリンタごとにPCの演算能力やプリンタドライバの性能を加味して中間描画命令と単位描画面積当たりの処理時間の関係を示した表をあらかじめ用意しておけば、引数として与えられる描画領域、描画面積を用いてプリント所要時間を予測することが可能である。
【0099】なお、文字の場合には、文字ごとやフォントごとに面積を定義することが煩雑になるので、「フォントサイズの二乗」×「太さ」で代用することが可能である。
【0100】この実施の形態1では、このような対応を図8の対応テーブルを示す説明図を用いている。すなわち、ステップS505において、OSがプリンタ依存型の中間描画命令を発行後、プリンタドライバAでは、図8R>8の対応テーブルを参照して、各中間描画命令に対応したプリンタの処理時間予測値を算出する(ステップS506)。
【0101】つぎに、このような処理時間予測値の算出を原稿情報内のすべての中間描画命令に対しておこなったか否かを判断する(ステップS507)。ここで、すべての中間描画命令について算出が終了していない場合(ステップS507否定)は、ステップS505へ移行し、以後、ステップS505〜S507の各処理を繰り返しおこなう。
【0102】そして、ステップS507において、すべての中間描画命令について算出が終了した場合(ステップS507肯定)は、さらに処理時間予測値に中間調処理時間、転送時間、印刷時間を加算して、最終的な印刷予測時間を求める(ステップS508)。この計算結果を保持部405に格納(保持)する(ステップS509)。そして、保持した計算結果は、必要な場合に表示装置102により表示することによりその内容をユーザに報知することができる。
【0103】印刷予測時間は、たとえば、プリントする原稿情報が、一つ文字、一つの矩形、一つのイメージで構成されている場合、次式で表すことができる。
【0104】t1×文字描画面積+t3×矩形描画面積+t7×イメージ描画面積+u×併合描画領域面積(中間調処理に要する時間)+v×併合描画領域面積/転送速度(転送に要する時間)+w×併合描画領域面積+c(印刷に要する時間)
【0105】ここで、「u」は中間調処理をする場合に、PCの演算能力等で決定される定数、「v」は定数、「w」,「c」は、プリンタエンジン速度等で定まる定数である。
【0106】一方ユーザは、文書を開いた後ある時間の経過後に、アプリケーションに対して明示の印刷命令を発行する。すなわち、図6のフローチャートにおいて、まずファイルをオープンし(ステップS601)、その後、ユーザはアプリケーションに対して印刷命令を発行する(ステップS602)。つぎに、アプリケーションはOSに対して印刷命令を発行する(ステップS603)。
【0107】つぎに、OSは、プリンタドライバBに対して印刷命令を発行する(ステップS604)。プリンタドライバBは、プリント用データの生成に先立ち、保持部405を検索し、開いている文書に対応した所定の中間描画命令からなるプリンタ用データがすでに生成されているか否かを判断する(ステップS605)。
【0108】ここで「所定の」とは、「ユーザの明示の印刷命令に反しない」ということを示している。たとえば、上記マクロは表示文書の「全ページの」プリンタ用データを生成したが、ユーザの明示の印刷命令が「最初のページのみ」のプリントを意図していた場合、プリンタドライバBは、読み込んだプリンタ用データのうち「最初のページ」に該当する部分のみをプリンタに対して送信し、この該当部分が「所定の」の意味するところである。
【0109】なお、上記マクロが高画質モードでのプリントアウトをおこなうものであるにもかかわらず、ユーザの明示の印刷命令が通常画質でのプリントを対象としていた場合には、高画質モードでのプリンタ用データを「所定の」とみなすことができる。当然、上記の場合に「所定の」とみなさないようにすることも可能である。
【0110】ステップS605において、すでに生成されている場合(ステップS605肯定)は、当該プリンタ用データを読み込んで、所定のプリンタ用データに基づいてプリンタが解釈可能なデータをプリンタBに対して送信し(ステップS607)、ステップS608へ移行する。
【0111】一方、ステップS605において、文書を開いてからユーザの明示の印刷命令までの時間が短い等の理由で、プリンタ用データがまだ生成されていない場合、あるいはプリンタ用データは生成されていても「所定の」に該当する部分(所定部分)が存在しない場合(ステップS605否定)は、通常の処理によりプリンタ用データを生成した後、プリンタBに対して送信する(ステップS607)。その後、ステップS608において、プリンタはプリントを実行し、一連の処理を終了する。
【0112】ここで、「基づいて」とは「さらに変換が必要ならばその変換をおこなって」ということを示している。実施の形態1では、「所定の」部分の選択が終了した後は、さらに変換する必要がなく、そのままプリンタに送信すればよい。このように、文書を開いた後ユーザの明示の印刷命令により、図6に示す手順で処理がおこなわれることになる。
【0113】この際ユーザは、図5のステップS509において計算結果が保持部405に保持されている場合は、その都度その計算結果をたとえば表示装置(モニタ)102等に表示させ、その内容を確認することができる。それにより、ユーザは印刷予想時間を容易に確認することができる。
【0114】なお、上述した説明においては、プリンタ依存型の中間描画命令に基づいて出力予測時間を算出したが、後述するプリンタ非依存型の中間描画命令に基づいて出力予測時間を算出するようにしてもよい。図9はスプールをしない場合の処理を示すフローチャートであり、図10は、スプールをする場合の処理を示すフローチャートである。
【0115】図9のフローチャートにおいて、まず、ユーザは、アプリケーションへ印刷命令を発行する(ステップS901)。つぎに、アプリケーションは、OSへ印刷命令を発行する(ステップS902)。ここで、「楕円」に関する印刷命令が発行される。
【0116】つぎに、OSは、アプリケーションからの印刷命令(「楕円を印刷せよ」という命令)に基づいて、プリンタドライバへプリンタ依存の第2中間描画命令を発行する(ステップS903)。ここでは、楕円を円弧の集合として、その印刷命令が発行される。
【0117】つぎに、プリンタドライバは、プリンタ用最終データを生成した後、そのデータをプリンタへ送信する(ステップS904)。プリンタに送信するプリンタ用最終データは、点の集合に関するデータである。その後、プリンタは、上記プリンタ用最終データをプリント(印刷)し(ステップS905)、スプールをしない場合の一連の処理を終了する。
【0118】一方、図10のフローチャートにおいて、まず、ユーザは、アプリケーションへ印刷命令を発行する(ステップS1001)。つぎに、アプリケーションは、OSへ印刷命令を発行する(ステップS1002)。ここで、「楕円」に関する印刷命令が発行される。
【0119】つぎに、OSは、プリンタ非依存の第1中間描画命令(「楕円を印刷せよ」という命令)を生成し、スプールする(ステップS1003)。その後、この第1描画命令に基づいて、プリンタドライバへプリンタ依存の第2中間描画命令を発行する(ステップS1004)。ここでは、楕円を円弧の集合として、その印刷命令が発行される。
【0120】つぎに、プリンタドライバは、プリンタ用最終データを生成した後、そのデータをプリンタへ送信する(ステップS1005)。プリンタに送信するプリンタ用最終データは、点(ドット)の集合に関するデータである。その後、プリンタは、上記プリンタ用最終データをプリント(印刷)し(ステップS1006)、スプールをする場合の一連の処理を終了する。なお、上記図9および図10のフローチャートにおいて示した各処理は、以下に説明する実施の形態2、3においても同様に適応されるものである。
【0121】以上説明したように、実施の形態1のデータ変換装置によれば、先行変換部403によってユーザの変換指示に先行して原稿情報を中間描画命令からなるプリンタ用データ(送信データ)に変換し、変換されたプリンタ用データの中間描画命令に基づいて出力予測時間を算出しているので、プリント速度を低下させることなく、ユーザに出力予測時間を通知することができる。
【0122】〔実施の形態2〕さて、上述した実施の形態1では、原稿情報からプリンタ依存型の中間描画命令からなるプリンタ用データを生成し、中間描画命令から印刷予測時間を算出する構成としたが、以下に説明する実施の形態2のように、原稿情報からプリンタに非依存型の中間描画命令(第1中間描画命令)を生成し、このプリンタ非依存型の第1中間描画命令に基づいて印刷予測時間を算出し、さらに、算出した印刷予測時間に基づいて、複数のプリンタの中から一つのプリンタを決定し、そのプリンタを選択するようにしてもよい。
【0123】(データ変換処理システムのハードウエア構成)まず、実施の形態2にかかるデータ変換装置を含むデータ変換処理システムのハードウエア構成について説明する。図11は、この発明の本実施の形態にかかるデータ変換装置を含むデータ変換処理システムのシステム構成を示すブロック図である。
【0124】図11に示すように、このデータ変換処理システムは、データ変換装置(コンピュータ)101と、表示装置(モニタ)102と、複数の出力装置(ネットワークプリンタ)103A、103Bとからなる。複数の出力装置(ネットワークプリンタ)103A、103Bと、データ変換装置101は、ネットワーク1100上で接続されており、データ変換装置101で生成されたプリンタ用データは、後述するように選択されたいずれかのプリンタに対してネットワーク1100を介して送信される。
【0125】なお、データ変換装置101、プリンタ103A,103Bの各内部構成およびハードウエア構成については、実施の形態1と同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0126】(データ変換装置の機能的構成)つぎに、データ変換装置101の機能的構成について説明する。図12は、実施の形態2にかかるデータ変換装置101の構成を機能的に示す機能ブロック図である。図12において、データ変換装置101は、処理検知部1201と、変換指示部1202と、先行変換部1203と、擬似命令発行部1204と、保持部1205と、算出部1206と、変換指示検知部1207と、決定部1208出力部と、1209とを含む構成となっている。
【0127】ここで、処理検知部1201、変換指示部1202、擬似命令発行部1204、保持部1205、算出部1206、変換指示検知部1207については、実施の形態1における処理検知部401、変換指示部402、擬似命令発行部404、保持部405、算出部406、変換指示検知部407と同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0128】先行変換部1203は、処理検知部1201による処理の検知に基づいて原稿情報を送信データ(プリンタ用データ)に変換する。この実施の形態2にかかるデータ変換装置では、送信データは、出力装置103(プリンタ)に非依存型の形式のデータであり、このような送信データへの変換については、従来の変換処理の内容と同様なので、その説明を省略する。
【0129】決定部1208は、算出部1206で算出された印刷予測時間に基づいて前記複数のプリンタの中から一つのプリンタ、たとえばもっとも早く印刷可能なプリンタを決定する。
【0130】出力部1209は、変換指示検知部1207による指示の検知にしたがって、保持部1205に保持された送信データを、決定部1209で選択されたプリンタへ103へ出力する。
【0131】なお、実施の形態2においても、処理検知部1201、変換指示部1202、先行変換部1203、擬似命令発行部1204、保持部1205、算出部1206、変換指示検知部1207、決定部1208、出力部1209は、それぞれ図2に示したROM202、RAM203またはハードディスク(HD)205、フロッピーディスク(FD)207等の記録媒体に記録されたプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより、各部の機能を実現するようにしてもよい。
【0132】(データ変換処理の内容)つぎに、実施の形態2にかかるデータ変換装置のデータ変換処理の内容について説明する。図13および図14は、実施の形態2にかかるデータ変換装置のデータ変換処理手順を示すフローチャートである。実施の形態2のデータ変換装置では、原稿情報を、プリンタに非依存型の形式の第1中間描画命令からなるプリンタ用データ(送信データ)を生成し、スプール処理をおこなっている。
【0133】実施の形態2にあっては、文書ファイルを開いた後にプリントが開始可能なコンピュータ環境(アプリケーション環境)を想定する。また、実施の形態2において、出力装置(プリンタ)103がネットワーク上に複数存在し、夫々2つの識別名(プリンタA,プリンタB)によって組み込まれている(インストールされている)。プリンタ用データは、後述するようにいずれかのプリンタが選択され、選択されたプリンタで印刷される。
【0134】図13のフローチャートにおいては、実施の形態1と同様のマクロの印刷命令による処理の手順を示し、図14のフローチャートにおいては、主としてユーザの明示の印刷命令による処理の手順を示している。
【0135】図13のフローチャートにおいて、ファイルがオープンされる(ステップS1301)と、処理検知部1201としてのファイルオープン検知部はファイルオープンを検知し、擬似命令発行部1204へ読み込み開始を通知する(ステップS1302)。ここで、ユーザはアプリケーションプログラムに対してファイルオープンを指示するため、ファイルオープンを検知するのはアプリケーションプログラムである。
【0136】つぎに、擬似命令発行部1204は、アプリケーションプログラムへの印刷命令を発行する(ステップS1303)。この擬似命令発行部1204は、アプリケーション内で動作する実施の形態1と同様にマクロとして実現することが可能である。
【0137】実施の形態2にかかるマクロは、「プリンタAを選択し、開いている文書の全ページをファイル出力としてプリントアウトする」という定型動作を実行し、既存文書のファイルオープン直後に実行可能なマクロとして構成されている。
【0138】ファイルオープンを検知したアプリケーションが、ファイルオープンの後に当該マクロを実行することにより、ファイル出力としての印刷命令が発行されたことになる(ステップS1304)。そして、プリンタAを選択したファイル出力としての印刷命令は、OSへ送信され、OSはプリンタに非依存型の第1中間描画命令を発行する(ステップS1305)。
【0139】アプリケーションからプリントをおこなう場合、アプリケーションの解放を速くするため、このようにOSがプリンタ非依存型の第1中間描画命令を生成後、第1中間描画命令をHD205等の記憶装置にファイルとしてスプールし、その時点でアプリケーションを解放するのが一般的な手法となっている。
【0140】その後、OSがスプールされた第1中間描画命令ファイルを読み出し、プリンタドライバの能力に応じた形式の第2中間描画命令に変換してプリンタドライバBを呼び出す。そして、プリンタドライバBが、第2中間描画命令に基づいてプリンタ用の最終データを生成する。たとえば、マイクロソフト社のWindowsの場合、第1中間描画命令ファイルは、Enhanced Meta File(EMF)であり、第2中間描画命令は、 Device Driver Interface(DDI)関数である。
【0141】たとえば、実施の形態1において説明したように、プリンタが円弧の中間描画命令しか処理できないプリンタドライバを有するときにこのプリンタを用いて楕円をプリントする場合、プリント原稿中の「楕円」は、第1中間描画命令中では「楕円中間描画命令」のままだが、これではプリンタが楕円描画処理をできないので、第2中間描画命令は「円弧中間描画命令」の集合というプリンタ依存型でかつ複数の命令として発行される。
【0142】そして、プリンタドライバが、当該円弧中間描画命令を「ラスターデータ(ドットデータ)の集合」として展開し、プリンタ用データが生成されることになる。図15は、第1中間描画命令、第2中間描画命令、ラスターデータの夫々の対応関係を示した説明図である。
【0143】したがって、この場合のプリント所要時間は、OSが第1中間描画命令をスプールするまでの相対的に短い時間を除外すれば、(4)第1中間描画命令が第2中間描画命令に返還され、かつ第2中間描画命令がラスターデータに変換される時間、(5)ラスターデータがプリンタに転送される時間、(6)プリンタが印刷する時間、の3つの総和で見積ることができる。
【0144】上述の(4)〜(6)の要素は、たとえば簡単に夫々つぎの(4)’〜(6)’の要素の関数として表すことができる。
【0145】(4)’:(4)の変換時間は、第1中間描画命令の種類(文字描画か、イメージの描画か等)と描画面積、PCの演算能力、プリンタドライバの性能である。なお、第1中間描画命令全体がいかなる第2中間描画命令に展開されるかは、プリンタに依存する。
【0146】(5)’:(5)の転送時間は、転送路の転送速度と、各描画領域を併合した描画領域(以下、「併合描画領域面積」という。)である。
【0147】(6)’:(6)の印刷時間は、プリンタエンジンの印刷速度と、併合描画領域面積である。
【0148】したがって、各ユーザの環境ごとに転送速度をあらかじめ設定し、接続されたプリンタごとにPCの演算能力やプリンタドライバの性能を加味して第1中間描画命令と単位描画面積当たりの処理時間の関係を示した表をあらかじめ用意しておけば、引数として与えられる描画領域、描画面積を用いてプリント所要時間を予測することが可能である。
【0149】ここで、第1中間描画命令はプリンタに非依存であるため、もっとも抽象度が高く、第1中間描画命令の一つが一つ以上の第2中間描画命令に対応する。したがって、第1中間描画命令と処理時間の対応テーブルを参照する回数は、第1中間描画命令に基づいて算出する場合の方が、プリンタ依存型の第2中間描画命令に基づいて算出する場合よりも少なく、スプールするまでの時間を考慮しても高速な場合がある。
【0150】この実施の形態2では、このような対応テーブルとして図16に示す対応テーブルを用いている。すなわち、ステップS1305においてOSがプリンタ非依存型の第1中間描画命令を発行後、プリンタドライバAでは、図16の対応テーブルを参照して、各第1中間描画命令に対応したプリンタの処理時間予測値を算出する(ステップS1306)。
【0151】このような処理時間予測値の算出を原稿情報内のすべての第1中間描画命令に対しておこなったか否かを判断し(ステップS1307)、おこなっていない場合(ステップS1307否定)は、ステップS1305へ移行する。そして、すべての第1中間描画命令について処理時間予測値の算出が終了した場合(ステップS1307肯定)は、第1中間描画命令ファイルを記憶装置にスプールし、さらにプリンタごとに、このようにして求めた処理時間予測値に中間調処理時間、転送時間、印刷時間を加算して、最終的な印刷予測時間を求める(ステップS1308)。
【0152】たとえば、プリントする原稿情報が、一つ文字、一つの矩形、一つのイメージで構成されている場合、印刷予測時間は次式で表される。
t1×文字描画面積+t3×矩形描画面積+t7×イメージ描画面積+u×併合描画領域面積 (中間調処理に要する時間)+v×併合描画領域面積/転送速度 (転送に要する時間)+w×併合描画領域面積+c (印刷に要する時間)
ここで、uは中間調処理をする場合に、PCの演算能力等で決定される定数、vは定数、w,cは、プリンタエンジン速度等で定まる定数である。
【0153】この印刷予測時間は保持部1205に保持される(ステップS1309)。さらに、決定部1208は、複数のプリンタごとの印刷予測時間に基づいてもっとも印刷予測時間の短いプリンタを決定する(ステップS1310)。
【0154】一方、ユーザは、文書を開いた後ある時間の経過後に、アプリケーションに対して明示の印刷命令を発行する。すなわち、図14のフローチャートにおいて、まずファイルをオープンし(ステップS1401)、その後ユーザはアプリケーションに対して印刷命令を発行する(ステップS1402)。つぎに、アプリケーションはOSに対して印刷命令を発行する(ステップS1403)。
【0155】つぎに、OSは、プリンタ非依存型の第1中間描画命令を生成し(ステップS1404)、その命令をスプールする(ステップS1405)。その後、スプールされたプリンタ非依存型の第1中間描画命令に基づいて、プリンタBへプリンタ依存型の第2の中間描画命令を発行する(ステップS1406)。
【0156】このプリンタ非依存型の第2中間描画命令はプリンタBを出力先としてなされ、プリンタドライバBに送信される。プリンタドライバBは、プリント用データの生成に先立ち、保持部1205を検索し、開いている文書に対応した所定の第2中間描画命令からなるプリンタ用データがすでに生成されているか否かを判断する(ステップS1407)。ここで、上記「所定の」とは、実施の形態1と同様の内容である。
【0157】ステップS1407において、すでにプリンタ用データが生成されている場合(ステップS1407肯定)は、当該プリンタ用データを読み込んで、そのプリンタ用データに基づいてプリンタが解釈可能なデータをプリンタBに対して送信し(ステップS1408)、ステップS1410へ移行する。
【0158】一方、ステップS1407において、文書を開いてからユーザの明示の印刷命令までの時間が短い等の理由で、プリンタ用データがまだ生成されていない場合、あるいはプリンタ用データは生成されていても「所定の」に該当する部分(所定部分)が存在しない場合(ステップS1407否定)は、通常の処理によりプリンタ用データを生成した後、プリンタBに対して送信し(ステップS1408)、ステップS1410へ移行する。
【0159】ステップS1410において、プリンタBは、ステップS1408において送信されたプリンタ用データあるいはステップS1409において送信されたプリンタ用データを受信し、それらのデータによりプリントを実行する。このように、文書を開いた後ユーザの明示の印刷命令により、図14に示す手順で処理がおこなわれることになる。
【0160】以上説明したように、実施の形態2のデータ変換装置によれば、先行変換部1203によってユーザの変換指示に先行して原稿情報をプリンタ非依存型の第1中間描画命令からなるプリンタ用データ(送信データ)に変換し、変換されたプリンタ用データの第1中間描画命令に基づいて出力予測時間を算出しているので、プリント速度を低下させることなく、ユーザに出力予測時間を算出することができ、最適なプリンタを選択することが可能となる。
【0161】また、実施の形態2のデータ変換装置によれば、第1中間描画命令の形式が出力装置に対して非依存型の形式であるので、その第1中間描画命令を参照することで、効率的にプリンタの選択をすることができる。
【0162】また、実施の形態2のデータ変換装置によれば、出力装置に対して非依存型の形式であるので、出力装置が異なった場合でも出力予測時間や出力装置の選択に必要な内部的処理を統一的におこなうことができ、出力予測時間の算出や出力装置の選択の際に必要とされる送信データ中の中間描画命令と出力時間、出力装置の特性等の対応関係を示すテーブルを統一的に作成・管理することができる。
【0163】〔実施の形態3〕上述した実施の形態2では、印刷予測時間を求めてこの印刷予測時間に基づいて最適なプリンタを選択する構成としたが、以下に説明する実施の形態3のように、原稿情報からプリンタに非依存型の第1中間描画命令を生成し、第1中間描画命令ごとの画質指数を求めて、この画質指数に基づいて最適のプリンタを選択するように構成するようにしてもよい。
【0164】まず、実施の形態3にかかるデータ変換装置を含むデータ変換処理システムのハードウエア構成、データ変換装置および出力装置(プリンタ)のハードウエア構成は、実施の形態2の場合と同様なので、その説明を省略する。
【0165】(データ変換装置の機能的構成)つぎに、データ変換装置101の機能的構成について説明する。図17は、実施の形態3にかかるデータ変換装置101の構成を機能的に示す機能ブロック図である。図17において、データ変換装置101は、処理検知部1701と、変換指示部1702と、先行変換部1703と、擬似命令発行部1704と、保持部1705と、決定部1706と、変換指示検知部1707と、出力部1708とを含む構成となっている。
【0166】ここで、処理検知部1701、変換指示部1702、擬似命令発行部1704、保持部1705、変換指示検知部1707については、実施の形態1における処理検知部401、変換指示部402、擬似命令発行部404、変換指示部402、保持部405、変換指示検知部407と同様の構成であるので、その説明を省略する。また、出力部1708については、図12に示した実施の形態2の出力部1209と同様であるので、その説明を省略する。
【0167】決定部1706は、第1中間描画命令と画質指数に対応テーブルに基づいて前記複数のプリンタの中から一つのプリンタ、たとえばもっとも早く印刷可能なプリンタを決定する。
【0168】なお、実施の形態2において、処理検知部1701と、変換指示部1702と、先行変換部1703と、擬似命令発行部1704、保持部1705と、決定部1706と、変換指示検知部1707と、出力部1708とは、それぞれ図2に示したROM202,RAM203またはハードディスク(HD)205、フロッピーディスク(FD)207等の記録媒体に記録されたプログラムに記載された命令にしたがってCPU201等が命令処理を実行することにより、各部の機能を実現するようにしてもよい。
【0169】(データ変換処理の内容)つぎに、実施の形態3にかかるデータ変換装置のデータ変換処理の内容について説明する。図18および図19は、実施の形態3にかかるデータ変換装置のデータ変換処理手順を示すフローチャートである。実施の形態3のデータ変換装置では、プリンタに非依存型の形式の第1中間描画命令からなるプリンタ用データ(送信データ)を生成し、スプール処理をおこなっている。
【0170】実施の形態3にあっては、文書ファイルを開いた後にプリントが開始可能なコンピュータ環境(アプリケーション環境)を想定する。また、実施の形態3において、出力装置(プリンタ)103がネットワーク上に複数存在し、夫々2つの識別名(プリンタA,プリンタB)によって組み込まれている(インストールされている)。プリンタ用データは、後述するようにいずれかのプリンタが選択され、選択されたプリンタで印刷される。
【0171】図18のフローチャートにおいては、実施の形態1と同様のマクロの印刷命令による処理の手順を示している。なお、主としてユーザの明示の印刷命令による処理の手順は、図14のフローチャートにおいて示した実施の形態2における処理の手順と同様であるので、その説明を省略する。
【0172】図18のフローチャートにおいて、ファイルがオープンされる(ステップS1801)と、処理検知部1701としてのファイルオープン検知部はファイルオープンを検知し、擬似命令発行部1704へ読み込み開始を通知する(ステップS1802)。ここで、ユーザはアプリケーションプログラムに対してファイルオープンを指示するため、ファイルオープンを検知するのはアプリケーションプログラムである。
【0173】つぎに、擬似命令発行部1704は、アプリケーションプログラムへの印刷命令を発行する(ステップS1803)。この擬似命令発行部1704は、アプリケーション内で動作する実施の形態1と同様にマクロとして実現することが可能である。
【0174】実施の形態3にかかるマクロは、「プリントAを選択し、開いている文書の前ページをファイル出力としてプリントアウトする」という定型動作を実行し、既存文書のファイルオープン直後に実行可能なマクロとして構成されている。
【0175】ファイルオープンを検知したアプリケーションが、ファイルオープンの後に当該マクロを実行することにより、ファイル出力としての印刷命令が発行されたことになる(ステップS1804)。
【0176】プリンタAを選択したファイル出力としての印刷命令は、OSへ送信され、OSはプリンタに非依存型の第1中間描画命令を生成する(ステップS1805)。そして、プリンタドライバAでは、後述する図19R>9の対応テーブルを参照して、各第1中間描画命令に対応した画像指数と描画面積との積を求める(ステップS1806)。
【0177】図19は、第1中間描画命令(画像対象)と第1中間描画命令(画像対象)ごとの画質指数との対応テーブルを示している。ここで、「画質指数」とは、ユーザが主観的に観察した場合の「きれいさ」であり、通常は中間調処理を施してプリントアウトした各描画対象についてプリンタごとに定義される。
【0178】このような画像指数と画像面積との積の算出を原稿情報内のすべての第1中間描画命令に対しておこなったか否かを判断し(ステップS1807)、おこなっていない場合(ステップS1807否定)は、ステップS1805へ移行する。そして、すべての第1中間描画命令について上記算出が終了した場合(ステップS1807肯定)は、第1中間描画命令ファイルを記憶装置にスプールし、さらにプリンタごとに、画素指数と画像面積の総和の積算する(ステップS1808)。
【0179】この算出結果は保持部1705に格納(保持)される(ステップS1809)。さらに、決定部1706は、複数のプリンタごとの前記算出結果に基づいて、もっとも画質の良好であると判断されるプリンタを決定する(ステップS1810)。
【0180】以上説明したように、実施の形態3のデータ変換装置によれば、先行変換部1703によってユーザの変換指示に先行して原稿情報を第1中間描画命令からなるプリンタ用データ(送信データ)に変換し、変換されたプリンタ用データの第1中間描画命令に基づいて画質指数と描画面積の積の総和を求めているので、プリント速度を低下させることなく、印刷画質の最適なプリンタを選択することが可能となる。
【0181】また、実施の形態2のデータ変換装置によれば、出力装置に対して非依存型の形式であるので、出力装置が異なった場合でも出力予測時間や出力装置の選択に必要な内部的処理を統一的におこなうことができ、出力予測時間の算出や出力装置の選択の際に必要とされる送信データ中の中間描画命令と出力時間、出力装置の特性等の対応関係を示すテーブルを統一的に作成・管理することができる。
【0182】なお、上述した実施の形態では出力装置としてプリンタを使用しているが、これに限定されるものではなく、たとえばイメージセッタ、フィルムレコーダ等の画像形成装置を出力装置としてもこの発明の効果は達成される。
【0183】また、実施の形態1〜3で説明した画像処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータまたはマイコン内蔵のプリンタ、ディジタル複写機等で実行することにより実現される。このプログラムは、RAM、ROM、ハードディスク、フロッピーディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、上記記録媒体を介して、あるいは伝送媒体としてネットワークを介して配布することができる。
【0184】
【発明の効果】以上説明したとおり、請求項1に記載された発明によれば、原稿情報を送信データに変換する変換指示に先行して実行される原稿情報に対する処理を検知し、前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を前記送信データに変換し、変換された送信データに基づいて前記送信データが前記出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出するので、ユーザの変換指示に先行して原稿情報を送信データに変換し、変換された送信データに基づいて出力予測時間を算出しているので、これにより、印刷速度を低下させずに、出力予測時間をユーザに知らせてユーザの便宜を図ることが可能なデータ変換装置が得られるという効果を奏する。
【0185】また、請求項2に記載の発明によれば、原稿情報を送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知し、前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換し、変換された送信データに基づいて前記送信データが前記複数の出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出し、算出された出力予測時間に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定するので、ユーザの明示の変換指示に先立って送信データを解析し、算出された出力予測時間に基づいて最適の出力装置を選んでおくことができる。このため、プリント速度を低下させることなく、最適な出力装置を選択することが可能なデータ変換装置が得られるという効果を奏する。
【0186】また、請求項3に記載の発明によれば、原稿情報を送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知し、前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換し、変換された送信データおよび前記複数の出力装置の特性に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定するので、ユーザの明示の変換指示に先立って、原稿情報を変換して送信データの内容を解析し、送信データと出力装置の特性に基づいて最適の出力装置を選んでおくことができ、これにより、プリント速度を低下させることなく、原稿情報の印刷に最適な出力装置を選択することが可能なデータ変換装置が得られるという効果を奏する。
【0187】また、請求項4に記載の発明によれば、変換された送信データのうち、当該データの画質に関する内容に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定するので、ユーザの明示の変換指示に先立って、原稿情報を変換して送信データの内容を解析し、送信データの画質に関する内容と出力装置の特性に基づいて最適の出力装置を選んでおくことができ、これにより、プリント速度を低下させることなく、原稿情報の印刷に最適な出力装置を選択することが可能なデータ変換装置が得られるという効果を奏する。
【0188】また、請求項5に記載の発明によれば、送信データの形式が、出力装置に対して非依存型の形式であるので、出力装置が異なった場合でも出力予測時間や出力装置の選択に必要な内部的処理を統一的におこなうことができ、出力予測時間の算出や出力装置の選択の際に必要とされる送信データ中の中間描画命令と出力時間、出力装置の特性等の対応関係を示すテーブルを統一的に作成・管理することが可能なデータ変換装置が得られるという効果を奏する。
【0189】また、請求項6に記載された発明によれば、原稿情報を送信データに変換する変換指示に先行して実行される原稿情報に対する処理を検知し、前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を前記送信データに変換し、変換された送信データに基づいて前記送信データが前記出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出するので、ユーザの変換指示に先行して原稿情報を送信データに変換し、変換された送信データに基づいて出力予測時間を算出しているので、これにより、印刷速度を低下させずに、出力予測時間をユーザに知らせてユーザの便宜を図ることが可能なデータ変換方法が得られるという効果を奏する。
【0190】また、請求項7に記載の発明によれば、原稿情報を送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知し、前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換し、変換された送信データに基づいて前記送信データが前記複数の出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出し、算出された出力予測時間に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定するので、ユーザの明示の変換指示に先立って送信データを解析し、算出された出力予測時間に基づいて最適の出力装置を選んでおくことができる。このため、プリント速度を低下させることなく、最適な出力装置を選択することが可能なデータ変換方法が得られるという効果を奏する。
【0191】また、請求項8に記載の発明によれば、原稿情報を送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知し、前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換し、変換された送信データおよび前記複数の出力装置の特性に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定するので、ユーザの明示の変換指示に先立って、原稿情報を変換して送信データの内容を解析し、送信データと出力装置の特性に基づいて最適の出力装置を選んでおくことができ、これにより、プリント速度を低下させることなく、原稿情報の印刷に最適な出力装置を選択することが可能なデータ変換方法が得られるという効果を奏する。
【0192】また、請求項9に記載の発明によれば、変換された送信データのうち、当該データの画質に関する内容に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定するので、ユーザの明示の変換指示に先立って、原稿情報を変換して送信データの内容を解析し、送信データの画質に関する内容と出力装置の特性に基づいて最適の出力装置を選んでおくことができ、これにより、プリント速度を低下させることなく、原稿情報の印刷に最適な出力装置を選択することが可能なデータ変換方法が得られるという効果を奏する。
【0193】また、請求項10に記載の発明によれば、送信データの形式が、出力装置に対して非依存型の形式であるので、出力装置が異なった場合でも出力予測時間や出力装置の選択に必要な内部的処理を統一的におこなうことができ、出力予測時間の算出や出力装置の選択の際に必要とされる送信データ中の中間描画命令と出力時間、出力装置の特性等の対応関係を示すテーブルを統一的に作成・管理することが可能なデータ変換方法が得られるという効果を奏する。
【0194】また、請求項11に記載の発明によれば、請求項6〜10のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことで、そのプログラムを機械読み取り可能となり、これによって、請求項6〜10の動作をコンピュータによって実現することが可能な記録媒体が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるデータ変換装置を含むデータ変換処理システムのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1にかかるデータ変換装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1にかかる出力装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1にかかるデータ変換装置の構成を機能的に示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態1にかかるデータ変換装置のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1にかかるデータ変換装置の別のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1にかかるデータ変換装置における描画領域の一例を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態1にかかるデータ変換装置の第1中間描画命令とその処理の所要時間との対応テーブルを示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態1にかかるデータ変換装置のスプールをしない場合の処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1にかかるデータ変換装置のスプールをする場合の処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態2にかかるデータ変換装置を含むデータ変換処理システムのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態2にかかるデータ変換装置の構成を機能的に示すブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態2にかかるデータ変換装置のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態2にかかるデータ変換装置の別のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態2にかかるデータ変換装置の第1中間描画命令、第2中間描画命令、ラスターデータの夫々の対応関係を示した説明図である。
【図16】この発明の実施の形態2にかかるデータ変換装置の第1中間描画命令と第1中間描画命令のプリンタ処理の所要時間との対応テーブルを示す説明図である。
【図17】この発明の実施の形態3にかかるデータ変換装置の構成を機能的に示すブロック図である。
【図18】この発明の実施の形態3にかかるデータ変換装置のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】この発明の実施の形態3にかかるデータ変換装置の第1中間描画命令と第1中間描画命令ごとの画質指数との対応テーブルを示す説明図である。
【符号の説明】
101 データ変換装置(コンピュータ)
102 表示装置(モニタ)
103,103A,103B 出力装置(プリンタ)
111,131 演算処理部
112,132 記憶部
113 送信部
133 受信部
201,301 CPU
202,302 ROM
203,303 RAM
204,304 HDD
205,305 HD
206,306 FDD
207,307 FD
208,308 ディスプレイ
209,309 I/F
210,310 通信回線
211 キーボード
212 マウス
213,313 バス
311 タッチパネル
312 テンキー
401,1201,1701 処理検知部
402,1202,1702 変換指示部
403,1203,1703 先行変換部
404,1204,1704 擬似命令発行部
405,1205,1705 保持部
406,1206 算出部
407,1207,1707 変換指示検知部
408,1209,1708 出力部
1100 ネットワーク
1208,1706 決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 出力装置に接続され、原稿情報を前記出力装置用の送信データに変換し、変換した送信データを前記出力装置に送信するデータ変換装置において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知手段と、前記処理検知手段による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を前記送信データに変換する先行変換手段と、前記先行変換手段により変換された送信データに基づいて前記送信データが前記出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とするデータ変換装置。
【請求項2】 複数の出力装置に接続され、原稿情報を前記出力装置用の送信データに変換するデータ変換装置において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知手段と、前記処理検知手段による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換する先行変換手段と、前記先行変換手段により変換された送信データに基づいて前記送信データが前記複数の出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された出力予測時間に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定する決定手段と、を備えたことを特徴とするデータ変換装置。
【請求項3】 複数の出力装置に接続され、原稿情報を前記出力装置用の送信データに変換するデータ変換装置において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知手段と、前記処理検知手段による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換する先行変換手段と、前記先行変換手段により変換された送信データおよび前記複数の出力装置の特性に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定する決定手段と、を備えたことを特徴とするデータ変換装置。
【請求項4】 前記決定手段は、前記先行変換手段により変換された送信データのうち、当該データの画質に関する内容に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定することを特徴とする請求項3に記載のデータ変換装置。
【請求項5】 前記送信データの形式は、前記出力装置に対して非依存型の形式であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のデータ変換装置。
【請求項6】 原稿情報を出力装置用の送信データに変換し、変換した送信データを出力装置に送信するデータ変換方法において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知工程と、前記処理検知工程による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を前記送信データに変換する先行変換工程と、前記先行変換工程により変換された送信データに基づいて前記送信データが前記出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出する算出工程と、を含んだことを特徴とするデータ変換方法。
【請求項7】 原稿情報を出力装置用の送信データに変換し、変換した送信データを複数の出力装置に送信するデータ変換方法において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知工程と、前記処理検知工程による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換する先行変換工程と、前記先行変換工程により変換された送信データに基づいて前記送信データが前記出力装置によって出力される際の出力予測時間を算出する算出工程と、前記算出工程により算出された出力予測時間に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを出力する出力装置を決定する決定工程と、を含んだことを特徴とするデータ変換方法。
【請求項8】 原稿情報を出力装置用の送信データに変換し、変換した送信データを複数の出力装置に送信するデータ変換方法において、前記原稿情報を前記送信データに変換する変換指示に先行して実行される前記原稿情報に対する処理を検知する処理検知工程と、前記処理検知工程による前記処理の検知に基づいて前記原稿情報を送信データに変換する先行変換工程と、前記先行変換工程により変換された送信データおよび前記複数の出力装置の特性に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定する決定工程と、を含んだことを特徴とするデータ変換方法。
【請求項9】 前記決定工程は、前記先行変換工程により変換された送信データのうち、当該データの画質に関する内容に基づいて前記複数の出力装置の中から前記送信データを送信する出力装置を決定することを特徴とする請求項8に記載のデータ変換方法。
【請求項10】 前記送信データの形式は、前記出力装置に対して非依存型の形式であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載のデータ変換方法。
【請求項11】 前記請求項6〜10のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図15】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図18】
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【公開番号】特開2001−130105(P2001−130105A)
【公開日】平成13年5月15日(2001.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−314419
【出願日】平成11年11月4日(1999.11.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】