説明

データ管理のためのデバイス及び方法

【課題】溶射銃2を有する熱溶射装置のデータ管理のためのシステムを利用可能にすること。
【解決手段】そのシステムは、工程パラメータを検出するため、また熱溶射装置のデータを記憶するために、メモリ4を有する分散配置されたデバイス1を含み、そのデータは、熱溶射装置の識別及び動作データを含み、そのデバイス1は、データを伝送するためのバス・インタフェース6をさらに含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分によれば、熱溶射装置の、特に溶射銃を有する熱溶射装置のデータ管理のためのシステムに関し、また、請求項7の前提部分によれば、熱溶射装置の、特に溶射銃を有する熱溶射装置のデータ管理のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、熱溶射装置などの熱被覆装置が、基材を被覆する目的で、多くの産業の製造所において使用されている。典型的な基材には、例えば、内燃機関のシリンダ滑り面などの曲面を有するワークピース、さらなる表面処理の前に熱溶射によって防食を施される構成要素などの複数の半製品が挙げられるが、さらにまた、被覆物を蒸着によって溶射又は塗布されるウェーハ及びフォイルなどの基本的に平坦な基材が挙げられる。加えて、複数のさらなる用途が当業者には明らかである。例えば、プラズマ溶射、高速フレーム溶射(HVOF)、フレーム溶射及びアーク溶射用の装置は、周知の熱溶射装置に属する。熱溶射装置に共通する事実として、熱溶射装置はそれぞれ、トーチを有する別個の溶射デバイスを含んでおり、その溶射デバイスを以下では溶射銃と呼ぶことにする。英語では、溶射銃は主として銃と称される。溶射銃という用語は、主として、機能を指すものであって、実際の形状を指すものではなく、その形状は、銃又はピストルの形状と異なっていることもある。
【0003】
従来の熱溶射装置における工程パラメータの監視は、この種の監視がなされるとしても、例えば、プラズマ銃及びアーク溶射銃内の電流、電圧若しくは電力、又はガス供給の圧力など、対応する電力又はガス供給で個々に検出される少数の要素に限定される。さらに、銃における電圧を測定するための測定ラインが存在する設計があり、その設計では、溶射銃からの安全距離で熱溶射装置の異なる部品において電圧の変換及び評価が行われる。
【0004】
動作状態が圧力センサによって監視されるプラズマ溶射装置が、書類EP−A−1 635 623に記載されている。記載されたこのプラズマ溶射装置は、プラズマ溶射銃を含んでおり、溶射粉体は、溶射中に搬送ガスによってそのプラズマ溶射銃に供給される。圧力センサは、搬送ガス・ラインに、又は、溶射粉体の供給に使用され、例えば溶射粉体供給の遮断など、誤った動作状態を検出するのに役立つラインに配置されている。
【0005】
さらに高度な工程監視は、熱溶射装置においてこれまでのところ提供されていない。したがって、例えば、溶射銃において且つ/又は溶射銃内で工程パラメータの及び/又は動作条件の検出と記憶を成し遂げる監視は、未だに行われていない。熱溶射に必要な銃により、溶射銃における又は溶射銃内の環境条件は、工程パラメータ及び動作条件を検出し記憶するために電子回路を使用することには、十分に適していないと思われる。要するに、溶射銃内で使用するトーチの種類によっては、高電圧、高電流及び/又は高磁界が発生することがある。加えて、銃によって生じる温度、及び溶射銃の工業的利用における残りの環境条件は、電子部品にとって場合によっては危険なものとなる。さらに、熱溶射装置用の現行の溶射銃は、可能な限り小型に作られており、したがって、工程パラメータを検出し記憶するために利用可能なスペースが、溶射銃内にほとんど存在しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、熱溶射装置の及び/又は熱溶射装置の1つ以上の構成要素の識別及び監視を可能にする、熱溶射装置の、特に溶射銃を有する熱溶射装置のデータ管理のためのシステム及び方法を利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明によれば、請求項1において定義されるシステムによって、また請求項7において定義される方法によって満たされる。
【0008】
熱溶射装置の、特に溶射銃を有する熱溶射装置のデータ管理のための本発明によるシステムは、少なくとも1つの分散配置されたデバイスを含み、そのデバイスはそれぞれ、熱溶射装置の及び/又はその熱溶射装置の1つ以上の構成要素からのデータを記憶するためにメモリを有し、そのデータは、熱溶射装置の及びその構成要素の識別データ及び動作データをそれぞれ含み、そのデバイスは、データを伝送するための、例えばデータを評価ユニットに伝送するためのバス・インタフェースをさらに含んでいる。データが分散的に検出される構成要素には、例えば、溶射銃及び/又は溶射粉体用の容器が挙げられ、その溶射銃及び/又は溶射粉体用の容器は、注入された溶射粉体のデータを記憶するための分散的及び/又は局所的デバイスを備えることができる。溶射粉体の記憶データは、例えば種類及び/又は製品バッチ及び/又は温度及び/又は水分などのデータを含むことができる。有利な変更例において、デバイスはバス・インタフェースを介して電力の供給を受けることができる。別の有利な変更例において、バス・インタフェースは1本以上のデータ・ラインを含み、またさらに有利な実施例において、メモリは、不揮発性メモリとして、例えば電気的消去可能PROM(EEPROM)として形成される。
【0009】
必要に応じて、このシステムは、熱溶射装置において又はその構成要素において工程パラメータ及び/又は動作条件を検出するための、デバイスに接続された少なくとも1つのピックアップ、例えば、電圧及び/又は温度及び/又は圧力及び/又は通過速度及び/又は火炎の存在に対する測定センサをさらに含むことができる。
【0010】
さらに有利な実施例において、そのデバイスは、ハウジング又はハウジング部品によって囲まれており、そのハウジング又はハウジング部品は、熱溶射装置内に且つ/若しくは熱溶射装置に、特に熱溶射装置の上に直に、又は例えば溶射銃などの構成要素のうちの1つに装着することができ、したがって、装着されたデバイスは、使用場所を変更する間にも、熱溶射装置又はその構成要素に永久的に接続された状態を維持する。
【0011】
熱溶射装置の、特に、例えば溶射銃などの1つ以上の構成要素を有する熱溶射装置のデータ管理のための本発明による方法は、熱溶射装置の及び/又はその熱溶射装置の1つ以上の構成要素からのデータが利用可能になされ、分散配置されたデバイスのメモリに記憶されること、そのデータが、熱溶射装置の識別及び動作データを含むこと、並びに、そのデータが、デバイスのバス・インタフェースを介して、例えば評価ユニットに伝送されることを特徴とする。この方法の有利な実施例において、デバイスの電力供給はバス・インタフェースを介して行われる。
【0012】
さらに有利な実施例において、工程パラメータ及び/又は動作条件は、熱溶射装置において且つ/又はその構成要素のうちの1つ以上において、少なくとも1つのピックアップによって検出され、デバイスに送られ、そのデバイスにおいてメモリに記憶される。この接続では、例えば、熱溶射装置において又は溶射銃において電圧及び/又は温度及び/又は圧力及び/又は通過速度及び/又は火炎の存在を検出することができる。
【0013】
さらに有利な実施例において、熱溶射装置は、トーチ、例えばプラズマ溶射用のトーチ又はHVOF溶射用のトーチ又はフレーム溶射用のトーチ又はアーク溶射用のトーチを有する溶射銃を含んでいる。
【0014】
本発明は、溶射銃を有する熱溶射装置と、上述の実施例のうちの1つ以上によるシステムとをさらに含み、その溶射銃は、トーチ、例えばプラズマ溶射銃用のトーチ又はHVOF溶射用のトーチ又はフレーム溶射用のトーチ又はアーク溶射用のトーチを具備することができる。
【0015】
本発明によるシステム及び方法は、溶射銃の識別データ、溶射銃の若しくはその溶射銃の部品の動作時間などの動作データ、又は工程パラメータを、溶射銃内で又は溶射銃において記憶することができるという利点を有している。記憶された識別データにより、各溶射銃を使用場所とは独立して自動的に識別することができ、したがって、溶射銃の交換だけでなく品質保証もまた単純化される。溶射銃内で又は溶射銃において記憶された動作期間は例えば、ノズル又は電極など、摩耗を受ける部品を点検したり交換したりする目的で、点検が間近であることを示すために使用することができる。このシステム及び方法において設けられるバス・インタフェースにより、記憶データはまた、10m以上のより長いラインの長さにわたって伝送することができる。さらに、工程パラメータを溶射銃内で又は溶射銃において検出すると共に記憶することにより、従来技術と比較して、熱溶射法をより良好に監視することが可能となっている。
【0016】
実施例及び変更例の上記の説明は、単に一例として示すものである。さらに有利な実施例を従属請求項及び図面から理解することができる。さらに、本発明の範囲内で、新たな実施例を形成するために、説明した又は図示した実施例及び変更例の個々の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0017】
本発明について、実施例を参照して、また図面を参照して、以下でより詳しく説明することにする。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明による熱溶射装置のデータ管理のための、特に熱溶射装置の溶射銃2のデータ管理のためのシステムの実施例を示す。このシステムは、熱溶射装置の又は溶射銃のデータを記憶するために、メモリ4を有する分散配置されたデバイス1を含んでおり、そのデータは、熱溶射装置の又は溶射銃の識別データ及び動作データを含んでおり、デバイス1は、データを伝送するためのバス・インタフェース9をさらに含んでいる。図1に示すように、このシステムは評価ユニット8をさらに含むことができ、評価ユニット8は、バス・インタフェース6を介してデバイス1に接続されている。図1に示すように、溶射銃は、トーチ2a、例えばプラズマ溶射、高速フレーム溶射(HVOF)、フレーム溶射又はアーク溶射用のトーチを具備することができる。さらに、図1に示すように、溶射銃2は供給ライン9に接続することができ、供給ライン9は、加工を供給するのに役立つものである。利用する溶射方法に応じて、電力供給、ガス供給用の、並びに/又は、溶射粉体及び/若しくはワイヤの供給用の供給ラインを設けることができる。
【0019】
図1に示すように、デバイス1を溶射銃2内に配置することができ、また、必要に応じて、1つ以上の測定センサ3に接続することができ、その測定センサ3によって、溶射銃の近くの物理的パラメータ、例えば、溶射銃内の若しくは溶射銃における、又は溶射銃の近くの温度、或いは、例えば、トーチの供給電圧、又はセンサにおける、特にフレームセンサにおける電圧など、溶射銃内で又は溶射銃において印加された電圧を検出することができる。雑音電圧及び静電気放電(ESD)に対する耐力の高い集積回路を、温度測定用、アナログ・デジタル変換用、及びデータ管理用のデバイス1内に選択すると有利である。必要に応じて、例えば、デバイスを、プラズマ・トーチのトリガ電圧が最大9kV以上に達しうるプラズマ溶射銃と共に使用する場合、さらなるESD保護をデバイス内に設けることができる。
【0020】
有利な設計変更例において、デバイスはバス・インタフェースを介して電力の供給を受けることができる。さらに有利な設計変更例において、バス・インタフェースは、1本、2本、3本、又は3本を超えるデータ・ラインを任意選択により含む。ここでは2本のワイヤ又は心線でもデータ通信には十分であるため、単一のデータ・ラインを使用して、特に簡潔なバス・インタフェースを組み立てることができる。さらに、2本のワイヤをその場その場でデバイス1の電力供給に使用することができ、したがって、デバイス1の電気接続の費用及び複雑性を減じることができる。典型的な配線においては、低電力回路、例えば低電力集積回路と、約10キロビット〜100キロビットの比較的低い伝送速度を有するバス・インタフェースが、デバイス内で使用される。さらに有利な設計変更例においては、メモリが、不揮発性メモリとして、例えば電気的消去可能PROM(EEPROM)として形成される。
【0021】
図2は、本発明による熱溶射装置のデータ管理のための、特に熱溶射装置の溶射銃2のデータ管理のためのシステムの第2の実施例を示す。本発明によるシステムは、分散配置されたデバイス1を含んでおり、第2の実施例は単に、デバイス1の配置において、図1に示す第1の実施例と異なっている。このため、第2の実施例については、設計変更例及び細部に関して第1の実施例の上記の説明を参照して、以下で簡潔に説明するにとどめることにする。デバイス1は、熱溶射装置の又は溶射銃のデータを記憶するためにメモリ4を具備しており、そのデータは、熱溶射装置の及び/又は溶射銃の識別データ及び動作データを含んでおり、デバイス1は、データを伝送するためのバス・インタフェース6をさらに含んでいる。このシステムは、図2に示すように、評価ユニット8をさらに含むことができ、評価ユニット8は、バス・インタフェース6を介してデバイス1に接続されている。さらに、図2に示すように、溶射銃はトーチ2aを具備することができる。
【0022】
図2に示すように、第2の実施例において、デバイス1は、溶射銃2に又は溶射銃2の近くに又は溶射銃2上に直に配置されており、必要に応じて1つ以上の測定センサ3に接続することができ、その測定センサ3によって、物理的パラメータ、例えば溶射銃における又は溶射銃内の温度及び/又は電圧を、溶射銃の近くで検出することができる。有利な設計変更例において、デバイス1はハウジング5によって囲まれており、ハウジング5は、溶射銃2内に又は溶射銃2に又は溶射銃2上に直に装着することができ、したがって、装着されたデバイスは、熱溶射装置の及び/又は溶射銃の使用場所を変更する間にも、溶射銃に永久に連結された状態を維持する。
【0023】
図3は、本発明による熱溶射装置のデータ管理のための、特に溶射銃2を有する熱溶射装置のデータのためのシステムの第3の実施例を示す。本発明によるこのシステムは、熱溶射装置の及び/又は溶射銃のデータを記憶するために、メモリ4を有する分散配置されたデバイス1を含んでおり、そのデータは、熱溶射装置の及び/又は溶射銃の識別データ及び動作データを含んでおり、デバイス1は、データを伝送するためのバス・インタフェース6.1、6.2をさらに含んでいる。図3に示すように、このシステムは評価ユニット8をさらに含むことができ、評価ユニット8は、バス・インタフェース6.1、6.2を介してデバイス1に接続されている。
【0024】
第3の実施例においては、デバイスを1本以上の供給ライン9に取り付けるために、ファスナ要素がデバイス1の付近に設けられており、その供給ラインは、加工の供給を確実にするために溶射銃2に接続されている。必要に応じて、デバイスを1つ以上の測定センサ3.1、3.2に接続することができ、その測定センサ3.1、3.2によって、供給ラインの及び溶射銃の付近における物理的パラメータ、例えば温度及び/又は電圧及び/又は圧力を検出することができる。有利な設計変更例において、デバイス1はハウジング5によって囲まれており、そのハウジング5は、取付け要素によって供給ライン9のうちの1本以上に取り付けることができ、したがって、デバイスは、溶射銃の使用場所が変更されても、その供給ライン9のうちの1本以上に永久的に接続された状態を維持することができる。
【0025】
必要に応じて、バス・コンバータ7を、実際の実施例から独立したバス・インタフェース内に設けることができる。したがって、一例として、バスにデータ・ラインを1本のみ与えて、簡潔な二線式リードを例えばバス・インタフェースの第1の区間6.1において、また例えばRS232規格に従うシリアル・バス・インタフェース接続を第2の区間において使用することが可能である。結果として、評価ユニットへのバス・インタフェースの接続がより簡潔になり、評価ユニットを例えばコンピュータ又はパーソナル・コンピュータで実現することができる。
【0026】
さらなる実施例及び第3の実施例に関する詳細は、第1及び第2の実施例の説明から引用することができる。
【0027】
熱溶射装置の、特に溶射銃2を有する熱溶射装置のデータ管理のための本発明による方法の実施例について、図1から3を用いて以下で説明する。その方法において、熱溶射装置の、より正確には溶射銃のデータが利用可能になされ、分散配置された装置1のメモリ4に記憶され、そのデータは、熱溶射装置の及び/又は溶射銃の識別データ及び動作データを含み、また、そのデータは、デバイス1のバス・インタフェース6、6.1、6.2を介して、例えば評価ユニット8に伝送される。この方法の有利な設計変更例において、デバイスの電力供給はバス・インタフェースを介して行われる。デバイス1に記憶されるデータは、例えば次のデータのうちの1つ以上を含むことができるが、そのデータとはすなわち、シリアル番号、必要に応じて調整しうる器具識別名、熱溶射装置及び/若しくは溶射銃についての情報、例えば溶射銃内の電圧など供給ライン9の及び溶射銃2の付近の物理的パラメータの測定値、デバイス1内の並びに/若しくは溶射銃の及び供給ラインの付近の温度、溶射銃及び供給ライン9内の圧力及び通過速度、最小及び最大測定値、物理的パラメータの測定のための較正情報、トーチ内の火炎の状態などの動作状態情報、溶射銃の及び溶射銃の部品の動作期間、又はサービス情報である。
【0028】
この方法の有利な設計変更例において、デバイス1の電力供給はバス・インタフェース6、6.1、6.2を介して行われる。さらに有利な設計変更例において、供給線の及び溶射銃の付近における物理的パラメータ及び/又は動作状態は、少なくとも1つのピックアップ3、3.1、3.2によって検出され、デバイスに供給され、メモリに記憶される。この接続において、溶射銃における又は溶射銃内の電圧及び/又は温度及び/又は圧力及び/又は通過速度及び/又は火炎の存在を例えば検出することができる。
【0029】
本発明は、溶射銃を有する熱溶射装置と、上述の設計変更例のうちの1つ以上によるシステムとをさらに含み、その溶射銃は、トーチ、例えばプラズマ・トーチ又はHVOFトーチ又はフレーム溶射トーチ又はアーク溶射トーチを具備する。
【0030】
上記の説明に従うシステム及び方法は、溶射銃内での又は溶射銃におけるデータ管理によって、従来技術と比較して、品質保証をより容易にし、溶射工程をより良好に監視することを可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による熱溶射装置のデータ管理のためのシステムの実施例を示す図である。
【図2】本発明による熱溶射装置のデータ管理のためのシステムの第2の実施例を示す図である。
【図3】本発明による熱溶射装置のデータ管理のためのシステムの第3の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1 デバイス
2 溶射銃
2a トーチ
3 測定センサ
4 メモリ
5 ハウジング
6 バス・インタフェース
8 評価ユニット
9 供給ライン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱溶射装置の、特に溶射銃(2)を有する熱溶射装置のデータ管理のためのシステムであって、前記システムが、前記熱溶射装置のデータを記憶するために、メモリ(4)を有する、少なくとも1つの分散配置されたデバイス(1)を含むこと、前記データが、前記熱溶射装置の識別データ及び動作データを含むこと、並びに、前記デバイス(1)が、前記データを伝送するためのバス・インタフェース(6)をさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記デバイス(1)は、前記バス・インタフェース(6)を介して電力の供給を受けることができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記バス・インタフェース(6)は1本以上のデータ・ラインを含む、請求項1又は2の一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記メモリ(4)は不揮発性メモリとして形成される、請求項1から3までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記熱溶射装置において又は前記溶射銃(2)において工程パラメータ及び/又は動作条件を検出するために、前記デバイス(1)に接続された少なくとも1つのピックアップ・センサ(7)、(8)、特に、電圧及び/又は温度及び/又は圧力及び/又は通過速度及び/又は火炎の存在に対する測定センサをさらに含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記デバイス(1)はハウジング(5)によって囲まれ、そのハウジングは、前記熱溶射装置若しくは前記溶射銃(2)内に且つ/又は前記熱溶射装置若しくは前記溶射銃(2)に、特に前記熱溶射装置若しくは前記溶射銃(2)上に直に装着することができ、したがって、装着された前記デバイスは、使用場所を変更する間にも、前記熱溶射装置及び/又は前記溶射銃に永久的に接続された状態を維持する、請求項1から5までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
熱溶射装置の、特に溶射銃(2)を有する熱溶射装置のデータ管理のための方法であって、前記熱溶射装置のデータが利用可能になされ、分散配置されたデバイス(1)のメモリ(4)に記憶されること、前記データが、前記熱溶射装置の識別及び動作データを含むこと、並びに、前記データが、前記デバイス(1)のバス・インタフェース(6)を介して伝送されることを特徴とする方法。
【請求項8】
前記デバイス(1)の前記電力供給は、前記バス・インタフェース(6)を介して行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
工程パラメータ及び/又は動作条件が、前記熱溶射装置において又は前記溶射銃において少なくとも1つのピックアップによって検出され、前記デバイス(1)に送られ、そこで前記メモリ(4)に記憶され、また、特に、前記装置における電圧及び/又は温度及び/又は圧力及び/又は通過速度及び/又は火炎の存在が検出される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
特に、溶射銃がトーチ、例えばプラズマ・トーチ又はHVOFトーチ又はフレーム溶射トーチ又はアーク溶射トーチを有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の、溶射銃を含んだ熱溶射装置及びシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−229616(P2008−229616A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65183(P2008−65183)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(500063790)ズルツァー・メットコ・アクチェンゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】Sulzer Metco AG
【Fターム(参考)】