説明

データ記録システム

【課題】コンテンツの著作権に関する権利情報を検出してから記録する必要がある場合、処理規模が増大し、それに伴い消費電力も増大してしまう。
【解決手段】コンテンツ鍵生成部13からのコンテンツ鍵を機器の固有情報(固有鍵12)で一旦暗号化して記録し、暗号化されたコンテンツの権利情報をコンテンツ権利検出処理部23で検出した後にコンテンツ鍵に施した暗号をコンテンツ鍵復号化部25で復号化して、データ記録部32に再記録する。これにより、コンテンツ権利検出処理を記録時に実施しなくても著作権保護を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像や音声などの情報信号に対して暗号化を施し、著作権保護を行うデータ記録システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像や音声のコンテンツのデジタル化が進み、また、パーソナルコンピュータの発展でデジタルコンテンツを簡単に扱えるようになったため、コンテンツの品質を全く落とすことなく複製することが簡単に出来るようになった。このように複製が簡単に行えることはユーザの使い勝手という点においてはメリットが大きいが、著作権者側にコンテンツに対する正当な対価を払わずともコンテンツの流通を簡単に行えることから、著作権保護が近年大きな問題となっている。
【0003】
このようなことから、デジタルコンテンツを扱う上で著作権の保護を行うための様々な技術や取り決めが提案されている。例えば音楽コンテンツの場合、その一つにSDMI(Secure Digital Music Initiative)という規格がある。
【0004】
SDMI規格では、例えばアナログコンテンツのように、音楽コンテンツを複製してよいかどうか、そのコンテンツの権利情報が明確でないものに関しては、コンテンツに電子透かしが埋め込まれているかどうかを検出し、その検出の結果、複製してもよいと判断できるものだけを扱うように規定している。このようにコンテンツに埋め込まれた権利情報を検出することによって、著作権で保護されていたり、不正に流通してしまったコンテンツを誤って正当なコンテンツとして複製したりすることを防ぐことが目的である。
【0005】
SDMI規格に沿った処理の例は、例えば特許文献1に記載されている。以下、複製時にコンテンツ権利情報を検出し著作権保護を行う従来のデータ記録システムの構成および動作について、図3を用いて説明する。
【0006】
図3は、上記データ記録システムの構成を示す図である。同図において、記録媒体30はセキュリティ機能を持つ記録媒体である。記録部50は、入力されるコンテンツについて、まずコンテンツ権利検出処理部56においてコンテンツに含まれる権利情報を検出し、このコンテンツに関する権利情報を確認する。コンテンツの権利情報を確認した結果、複製不可と判定した場合はこの時点で記録動作を停止する。複製可と判定した場合は、コンテンツ鍵生成部53にて生成したコンテンツ鍵を用い、コンテンツ暗号化部54にてコンテンツを暗号化した上で記録媒体30のデータ記録部33に記録する。
【0007】
なお、SDMI規格の場合、電子透かしによって埋め込まれた権利情報を検出することが規定されている。
【0008】
一方、生成したコンテンツ鍵は、記録部50の相互認証部51と記録媒体30の相互認証部31との間で、お互いに正当な機器同士であることを確認した後、相互認証を完了した後でなければ記録することの出来ないデータ記録部32に記録される。データ記録部32に記録されたコンテンツ鍵は、著作権保護機能を持つ正当な機器でのみ読み取ることが可能であるため、データ記録部33に記録された暗号化されたコンテンツの著作権が守られることになる。
【0009】
なお、コンテンツは、コンテンツ暗号化部54で暗号化される前に、データ圧縮処理などの符号化処理によってデータ量を削減される場合がある。
【0010】
また、コンテンツ鍵をデータ記録部32に記録する際に、記録媒体30が持つ固有情報を相互認証の過程で記録部50が取り出し、その固有情報に基づいてコンテンツ鍵を暗号化した上で記録する場合がある。こうすることで著作権をより強固に守ることが出来る。
【特許文献1】特開2002−175664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のデータ記録システムでは、コンテンツを記録する際に必ずコンテンツ権利検出を行う必要があるが、通常の記録に必要な処理に加えてコンテンツ権利検出処理が増加するため、コンテンツ権利検出処理するためにデータの処理能力を高めたり、ハードウェアを追加したりする必要があり、その結果、消費電力の増加を招く。電池で駆動するような可搬性のある機器においては、この消費電力の増加は利便性の低下につながる。本発明は、前記従来のデータ記録システムにおける消費電力増加による使用者の利便性低下を考慮し、著作権保護を行いつつ録音時の消費電力の増加を抑えたデータ記録システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の発明のデータ記録システムは、コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化記録する記録部と、コンテンツ鍵を用いて暗号化されたコンテンツを復号化し、コンテンツに含まれる権利情報を検出するコンテンツ権利検出部と、暗号化されたコンテンツおよびコンテンツを暗号化するためのコンテンツ鍵を記録する記録媒体とからなるデータ記録システムであって、前記記録部は、コンテンツを暗号化するコンテンツ鍵を生成するコンテンツ鍵生成手段と、前記コンテンツ鍵をデータ記録システム固有の固有鍵で暗号化するコンテンツ鍵暗号化手段と、前記記録媒体の正当性を認証するとともに、前記記録媒体に前記コンテンツ鍵を書き込む第1の相互認証手段と、前記コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化するとともに、前記記録媒体に暗号化後のコンテンツを記録するコンテンツ暗号化手段とを有し、前記コンテンツ権利検出部は、前記記録媒体の正当性を認証するとともに、前記記録媒体に記録されたコンテンツ鍵を読み出す、あるいは前記記録媒体にコンテンツ鍵を書き込む第2の相互認証手段と、前記コンテンツ鍵をデータ記録システム固有の固有鍵で復号化するコンテンツ鍵復号化手段と、前記記録媒体からコンテンツを読み出し、前記復号化されたコンテンツ鍵を用いてコンテンツ暗号を復号化するコンテンツ暗号復号化手段と、前記復号化されたコンテンツに埋め込まれたコンテンツ権利情報を検出するコンテンツ権利検出処理手段とを有し、前記記録媒体は、前記記録部および前記コンテンツ権利検出部の正当性を認証するとともに、相互認証成立後に前記記録部および前記コンテンツ権利検出部との間でコンテンツ鍵を読み書きする第3の相互認証手段と、前記コンテンツ鍵を記録する第1のデータ記録手段と、暗号化されたコンテンツを記録する第2のデータ記録手段を有し、前記コンテンツ権利検出手段にてコンテンツに含まれる権利情報を検出した結果、記録が許可されると判断される場合には、前記コンテンツ鍵復号化手段にて復号化したコンテンツ鍵を再び前記第1のデータ記録手段に記録することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の第2の発明のデータ記録システムは、コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化記録するとともに、コンテンツに含まれる権利情報を検出する記録部と、暗号化されたコンテンツおよびコンテンツを暗号化するためのコンテンツ鍵を記録する記録媒体とからなるデータ記録システムであって、前記記録部は、コンテンツを暗号化するコンテンツ鍵を生成するコンテンツ鍵生成手段と、前記コンテンツ鍵をデータ記録システム固有の固有鍵で暗号化または復号化するコンテンツ鍵暗号化復号化手段と、前記記録媒体の正当性を認証するとともに、前記記録媒体に前記コンテンツ鍵を書き込む第1の相互認証手段と、前記コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化するとともに、前記記録媒体に暗号化後のコンテンツを記録するコンテンツ暗号化手段と、前記記録媒体からコンテンツを読み出し、前記復号化されたコンテンツ鍵を用いてコンテンツ暗号を復号化するコンテンツ暗号復号化手段と、前記復号化されたコンテンツに埋め込まれたコンテンツ権利情報を検出するコンテンツ権利検出処理手段とを有し、前記記録媒体は、前記記録部の正当性を認証するとともに、相互認証成立後に前記記録部との間でコンテンツ鍵を読み書きする第2の相互認証手段と、前記コンテンツ鍵を記録する第1のデータ記録手段と、暗号化されたコンテンツを記録する第2のデータ記録手段とを有し、前記コンテンツ権利検出処理手段にてコンテンツに含まれる権利情報を検出した結果、記録が許可されると判断される場合には、前記コンテンツ鍵暗号化復号化手段にて復号化したコンテンツ鍵を再び前記第1のデータ記録手段に記録することを特徴とするものである。
【0014】
また本発明の第3の発明のデータ記録システムは、第1、第2の発明において、コンテンツ権利検出処理手段は、コンテンツに埋め込まれた電子透かしを検出する電子透かし検出手段であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、コンテンツを記録する時点でのコンテンツ権利検出が不要となり、著作権保護を行いつつ録音時の消費電力の増加を抑えたデータ記録システムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるデータ記録システムの構成を示すブロック図である。始めに、図1を参照しながら、本実施の形態のデータ記録システムの構成について説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態1におけるデータ記録システムは、コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化記録する記録部10と、コンテンツ鍵を用いて暗号化されたコンテンツを復号化し、コンテンツに含まれる権利情報を検出するコンテンツ権利検出部20と、暗号化されたコンテンツおよびコンテンツを暗号化するためのコンテンツ鍵を記録するセキュリティ機能を持つ記録媒体30から構成される。
【0019】
記録部10は、コンテンツを暗号化するコンテンツ鍵を生成するコンテンツ鍵生成部13と、コンテンツ鍵生成部13で生成されたコンテンツ鍵をデータ記録システム固有の固有鍵12で暗号化するコンテンツ鍵暗号化部15と、記録媒体30の正当性を認証するとともに、記録媒体30にコンテンツ鍵を書き込む第1の相互認証部11と、コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化するとともに、記録媒体30に暗号化後のコンテンツを記録するコンテンツ暗号化部14から構成される。
【0020】
また、コンテンツ権利検出部20は、記録媒体30の正当性を認証するとともに、記録媒体30に記録されたコンテンツ鍵を読み出す、あるいは記録媒体30にコンテンツ鍵を書き込む第2の相互認証部21と、コンテンツ鍵をデータ記録システム固有の固有鍵22で復号化するコンテンツ鍵復号化部25と、記録媒体30からコンテンツを読み出し、復号化されたコンテンツ鍵を用いてコンテンツ暗号を復号化するコンテンツ暗号復号化部24と、復号化されたコンテンツに埋め込まれたコンテンツ権利情報を検出するコンテンツ権利検出処理部23から構成される。
【0021】
また、記録媒体30は、記録部10およびコンテンツ権利検出部20の正当性を認証するとともに、相互認証成立後に記録部10およびコンテンツ権利検出部20との間でコンテンツ鍵を読み書きする第3の相互認証部31と、コンテンツ鍵を記録する第1のデータ記録部32と、暗号化されたコンテンツを記録する第2のデータ記録部33から構成される。データ記録部32への読み書きは、相互認証が成立しなければ行うことが出来ない。
【0022】
なお、記録部10の固有鍵12とコンテンツ権利検出部20の固有鍵22は、本実施の形態1におけるデータ記録システム個体において共通のものである。
【0023】
次にその動作について説明する。記録するコンテンツは、コンテンツ暗号化部14において、コンテンツ鍵生成部13で生成されたコンテンツ鍵を用いて暗号化され、記録媒体30のデータ記録部33に記録される。一方、コンテンツの暗号化に使用したコンテンツ鍵は、記録部10の相互認証部11、記録媒体30の相互認証部31を通じて記録媒体30のデータ記録部32に記録される。なお、記録媒体30にコンテンツ鍵を記録する前に、記録部10および記録媒体30がお互いに正当な機器であることを相互に認証しておく。
【0024】
一方、コンテンツ権利検出部20では、まず記録媒体30とお互いに正当な機器であることを相互に認証し、相互認証後、データ記録部32に記録されているコンテンツ鍵を読み出し、記録部10の固有鍵12による暗号化をコンテンツ鍵復号化部25において固有鍵22を用いて復号化する。固有鍵12と固有鍵22は共通であるため、コンテンツ鍵に施された暗号を復号化することが可能である。そして、記録媒体30のデータ記録部33に記録されている暗号化されたコンテンツを読み出し、コンテンツ暗号復号化部24においてコンテンツ鍵を用いて復号化する。そして、復号化されたコンテンツをコンテンツ権利検出処理部23においてコンテンツに埋め込まれた権利情報を検出する。そして検出したコンテンツの権利情報から複製可否を判定し、複製可と判定した場合には、固有鍵22で復号化したコンテンツ鍵を、固有鍵22で暗号化することなく記録媒体30のデータ記録部32に記録する。
【0025】
このように、コンテンツを暗号化したコンテンツ鍵を、さらにデータ記録システム個体に固有の固有鍵で暗号化して記録媒体に記録するため、共通の固有鍵を持つデータ記録システム以外の機器でコンテンツが利用できない。すなわち、コンテンツの権利情報を確認する前のコンテンツの著作権が不当に侵されることなく安全に記録しておくことが出来る。さらに、コンテンツの記録後、別途コンテンツの権利情報を検出できるため、記録時にはコンテンツ権利検出処理を行う必要がない。また、コンテンツの権利情報を検出し、複製可と判定した場合は、単に固有鍵でコンテンツ鍵に施されていた暗号化を復号化した状態のコンテンツ鍵を記録媒体に書き戻すだけという簡単な処理で通常のコンテンツ利用状態にすることが可能である。
【0026】
なお、コンテンツ権利検出処理部は、コンテンツに電子透かしによって埋め込まれたコンテンツの権利情報を検出する手段であっても良いし、他の手段で埋め込まれた情報であれば、それを検出する適切な手段に置き換えて使用しても良い。
【0027】
なお、コンテンツは、コンテンツ暗号化部14で暗号化される前に、データ圧縮処理などの符号化処理によってデータ量を削減してもよい。この場合は、コンテンツ権利検出処理部23の前に、圧縮方法によってはデータ伸張処理を行う必要がある。
【0028】
また、本実施の形態1の処理に加えて、コンテンツ鍵をデータ記録部32に記録する際に、記録媒体30が持つ固有情報を相互認証の過程で記録部10が取り出し、その固有情報に基づいてコンテンツ鍵を暗号化した上で記録してもよい。こうすることで著作権をより強固に守ることが出来る。
【0029】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2によるデータ記録システムの構成を示すブロック図である。始めに、図2を参照しながら、本実施の形態のデータ記録システムの構成について説明する。
【0030】
図2に示すように、本実施の形態2におけるデータ記録システムは、コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化記録するとともに、コンテンツに含まれる権利情報を検出する記録部40と、暗号化されたコンテンツおよびコンテンツを暗号化するためのコンテンツ鍵を記録するセキュリティ機能を持つ記録媒体30から構成される。
【0031】
記録部40は、コンテンツを暗号化するコンテンツ鍵を生成するコンテンツ鍵生成部43と、コンテンツ鍵をデータ記録システム固有の固有鍵42で暗号化または復号化するコンテンツ鍵暗号化復号化部47と、記録媒体30の正当性を認証するとともに、記録媒体30に対してコンテンツ鍵を読み書きする第1の相互認証部41と、コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化するとともに、記録媒体30に暗号化後のコンテンツを記録するコンテンツ暗号化部44と、記録媒体30からコンテンツを読み出し、コンテンツ鍵暗号化復号化部47で復号化されたコンテンツ鍵を用いてコンテンツ暗号を復号化するコンテンツ暗号復号化部45と、復号化されたコンテンツに埋め込まれたコンテンツ権利情報を検出するコンテンツ権利検出処理部46から構成される。
【0032】
また、記録媒体30は、記録部40の正当性を認証するとともに、相互認証成立後に記録部40との間でコンテンツ鍵を読み書きする第2の相互認証部31と、コンテンツ鍵を記録する第1のデータ記録部32と、暗号化されたコンテンツを記録する第2のデータ記録部33から構成される。データ記録部32への読み書きは、相互認証が成立しなければ行うことが出来ない。
【0033】
次にその動作について説明する。記録するコンテンツは、コンテンツ暗号化部44において、コンテンツ鍵生成部43で生成されたコンテンツ鍵を用いて暗号化され、記録媒体30のデータ記録部33に記録される。一方、コンテンツの暗号化に使用したコンテンツ鍵は、記録部40の相互認証部41、記録媒体30の相互認証部31を通じて記録媒体30のデータ記録部32に記録される。なお、記録媒体30にコンテンツ鍵を記録する前に、記録部40および記録媒体30がお互いに正当な機器であることを相互に認証しておく。
【0034】
次に、上記コンテンツの記録動作とは別に次の動作を行う。記録部40は、データ記録部32に記録されているコンテンツ鍵を読み出し、記録部40の固有鍵42を用いて復号化する。そして、記録媒体30のデータ記録部33に記録されている暗号化されたコンテンツを読み出し、コンテンツ暗号復号化部45においてコンテンツ鍵を用いて復号化する。そして、復号化されたコンテンツをコンテンツ権利検出処理部46においてコンテンツに埋め込まれた権利情報を検出する。そして検出したコンテンツの権利情報から複製可否を判定し、複製可と判定した場合には、固有鍵42で復号化したコンテンツ鍵を、固有鍵42で暗号化することなく記録媒体30のデータ記録部32に記録する。
【0035】
このように、記録時には、コンテンツを暗号化したコンテンツ鍵を、さらにデータ記録システム個体に固有の固有鍵で暗号化して記録媒体に記録するため、この固有鍵を持つデータ記録システム以外の機器でコンテンツが利用できない。すなわち、コンテンツの権利情報を確認する前のコンテンツの著作権が不当に侵されることなく安全に記録しておくことが出来る。さらに、コンテンツの記録後、別途コンテンツの権利情報を検出できるため、記録時にはコンテンツ権利検出処理を行う必要がない。また、コンテンツの権利情報を検出し、複製可と判定した場合は、単に固有鍵でコンテンツ鍵に施されていた暗号化を復号化した状態のコンテンツ鍵を記録媒体に書き戻すだけという簡単な処理で通常のコンテンツ利用状態にすることが可能である。
【0036】
なお、コンテンツ権利検出処理部は、コンテンツに電子透かしによって埋め込まれたコンテンツの権利情報を検出する手段であっても良いし、他の手段で埋め込まれた情報であれば、それを検出する適切な手段に置き換えて使用しても良い。
【0037】
なお、コンテンツは、コンテンツ暗号化部44で暗号化される前に、データ圧縮処理などの符号化処理によってデータ量を削減してもよい。この場合は、コンテンツ権利検出処理部46の前に、圧縮方法によってはデータ伸張処理を行う必要がある。
【0038】
また、本実施の形態2の処理に加えて、コンテンツ鍵をデータ記録部32に記録する際に、記録媒体30が持つ固有情報を相互認証の過程で記録部40が取り出し、その固有情報に基づいてコンテンツ鍵を暗号化した上で記録してもよい。こうすることで著作権をより強固に守ることが出来る。
【0039】
また、上記の例では、コンテンツ鍵をデータ記録システムの固有鍵で暗号化して記録媒体に記録しているが、コンテンツ鍵を固有鍵で暗号化するのではなく、コンテンツ鍵をコンテンツの権利情報を検出するまでコンテンツ鍵暗号化復号化部47で保管しておき、コンテンツの権利情報を検出して複製可と判定して初めて記録媒体30のデータ記録部32に記録しても同様の効果が得られる。このときコンテンツ鍵は固有鍵で暗号化しないことに注意する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明にかかるデータ記録システムは、コンテンツの記録時にコンテンツの権利情報を検出する必要がないため、記録時は記録に必要最低限の機能だけを動作させれば良く、機器の規模を小さく出来るため、特に携帯時に電池駆動で記録を行うような機器に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態1における記録再生システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2における記録再生システムの構成を示すブロック図
【図3】従来の記録再生システムの構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0042】
10 記録部
11 相互認証部
12 固有鍵
13 コンテンツ鍵生成部
14 コンテンツ暗号化部
15 コンテンツ鍵暗号化部
20 コンテンツ権利検出部
21 相互認証部
22 固有鍵
23 コンテンツ権利検出処理部
24 コンテンツ暗号復号化部
25 コンテンツ鍵復号化部
30 記録媒体
31 相互認証部
32 データ記録部
33 データ記録部
40 記録部
41 相互認証部
42 固有鍵
43 コンテンツ鍵生成部
44 コンテンツ鍵暗号化部
45 コンテンツ暗号復号化部
46 コンテンツ権利検出処理部
47 コンテンツ鍵暗号化復号化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化記録する記録部と、コンテンツ鍵を用いて暗号化されたコンテンツを復号化し、コンテンツに含まれる権利情報を検出するコンテンツ権利検出部と、暗号化されたコンテンツおよびコンテンツを暗号化するためのコンテンツ鍵を記録する記録媒体とからなるデータ記録システムであって、
前記記録部は、
コンテンツを暗号化するコンテンツ鍵を生成するコンテンツ鍵生成手段と、前記コンテンツ鍵をデータ記録システム固有の固有鍵で暗号化するコンテンツ鍵暗号化手段と、前記記録媒体の正当性を認証するとともに、前記記録媒体に前記コンテンツ鍵を書き込む第1の相互認証手段と、前記コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化するとともに、前記記録媒体に暗号化後のコンテンツを記録するコンテンツ暗号化手段とを有し、
前記コンテンツ権利検出部は、
前記記録媒体の正当性を認証するとともに、前記記録媒体に記録されたコンテンツ鍵を読み出す、あるいは前記記録媒体にコンテンツ鍵を書き込む第2の相互認証手段と、前記コンテンツ鍵をデータ記録システム固有の固有鍵で復号化するコンテンツ鍵復号化手段と、前記記録媒体からコンテンツを読み出し、前記復号化されたコンテンツ鍵を用いてコンテンツ暗号を復号化するコンテンツ暗号復号化手段と、前記復号化されたコンテンツに埋め込まれたコンテンツ権利情報を検出するコンテンツ権利検出処理手段とを有し、
前記記録媒体は、
前記記録部および前記コンテンツ権利検出部の正当性を認証するとともに、相互認証成立後に前記記録部および前記コンテンツ権利検出部との間でコンテンツ鍵を読み書きする第3の相互認証手段と、前記コンテンツ鍵を記録する第1のデータ記録手段と、暗号化されたコンテンツを記録する第2のデータ記録手段とを有し、
前記コンテンツ権利検出手段にてコンテンツに含まれる権利情報を検出した結果、記録が許可されると判断される場合には、前記コンテンツ鍵復号化手段にて復号化したコンテンツ鍵を再び前記第1のデータ記録手段に記録することを特徴とするデータ記録システム。
【請求項2】
コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化記録するとともに、コンテンツに含まれる権利情報を検出する記録部と、暗号化されたコンテンツおよびコンテンツを暗号化するためのコンテンツ鍵を記録する記録媒体とからなるデータ記録システムであって、
前記記録部は、
コンテンツを暗号化するコンテンツ鍵を生成するコンテンツ鍵生成手段と、前記コンテンツ鍵をデータ記録システム固有の固有鍵で暗号化または復号化するコンテンツ鍵暗号化復号化手段と、前記記録媒体の正当性を認証するとともに、前記記録媒体に前記コンテンツ鍵を書き込む第1の相互認証手段と、前記コンテンツ鍵を用いてコンテンツを暗号化するとともに、前記記録媒体に暗号化後のコンテンツを記録するコンテンツ暗号化手段と、前記記録媒体からコンテンツを読み出し、前記復号化されたコンテンツ鍵を用いてコンテンツ暗号を復号化するコンテンツ暗号復号化手段と、前記復号化されたコンテンツに埋め込まれたコンテンツ権利情報を検出するコンテンツ権利検出処理手段とを有し、
前記記録媒体は、
前記記録部の正当性を認証するとともに、相互認証成立後に前記記録部との間でコンテンツ鍵を読み書きする第2の相互認証手段と、前記コンテンツ鍵を記録する第1のデータ記録手段と、暗号化されたコンテンツを記録する第2のデータ記録手段とを有し、
前記コンテンツ権利検出処理手段にてコンテンツに含まれる権利情報を検出した結果、記録が許可されると判断される場合には、前記コンテンツ鍵暗号化復号化手段にて復号化したコンテンツ鍵を再び前記第1のデータ記録手段に記録することを特徴とするデータ記録システム。
【請求項3】
前記コンテンツ権利検出処理手段は、コンテンツに埋め込まれた電子透かしを検出する電子透かし検出手段であることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ記録システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−142810(P2007−142810A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−333889(P2005−333889)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】