説明

トイレ室

【課題】トイレ室内部において光触媒の触媒反応による抗菌作用,防臭作用等を効果的に行わせるようにする。
【解決手段】内部に便器10の設置されたトイレ室において、便器10周りの床26表面に光触媒を保持させるとともに、便器10に、光触媒を活性化する400nm以下の波長の光を照射する光触媒用照射灯28を設け、その照射灯28から床26表面に光を照射させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はトイレ室に関し、詳しくは光触媒の作用で抗菌,防臭等を行わせるための技術手段に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TiOで代表される光触媒の触媒反応に基づく抗菌,防臭等の技術が注目されている。
この光触媒は400nm以下の波長の光、即ち紫外線エネルギーを受けて活性化され、その触媒反応で上記抗菌,防臭等を行うもので、必然的にその光触媒を用いた抗菌,防臭等の技術では、抗菌等を行わせるべき基体表面に保持された光触媒に対して上記波長の光を照射することが必要である。
而して従来にあっては、上記波長の光として太陽光に含まれる紫外線或いは室内の蛍光灯に含まれる紫外線が利用されてきた。
【0003】
この光触媒を用いた抗菌,防臭等の技術をトイレ室に適用した場合、トイレ室内を衛生的に保ち、また臭いのこもりやすいトイレ室内を臭いのない快適な空間となすことができ、望ましい。
【0004】
しかしながらトイレ室内において、光触媒を活性化するための光エネルギーとして上記のように太陽光を利用することは一般に難しく、場所的,時間的な制約が大きい問題があり、また室内の蛍光灯を利用する場合には、蛍光灯に含まれる紫外線量が少ないために光触媒を十分に活性化することが難しく、抗菌,防臭等を十分に行わせられない問題がある。
また細菌が増殖を行う夜間においては、蛍光灯の消灯により抗菌,防臭等を行わせることが難しい問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題を解決すべく案出されたものである。
尚本発明に関係すると思われる技術文献として下記特許文献1,特許文献2,特許文献3がある。
【0006】
【特許文献1】実開平5−16881号公報
【特許文献2】特開平9−78665号公報
【特許文献3】特開平8−66635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上のような事情を背景とし、トイレ室内において光触媒による抗菌,防臭等の作用を効果的に行わせ得て、トイレ室内を衛生的に且つ臭いのない快適な空間と成すことを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
而して請求項1のものは、内部に便器の設置されたトイレ室において、該便器の表面に光触媒を保持させるとともに、該便器の表面に対して光触媒を活性化する400nm以下の波長の光を該便器を使用していないときに照射する光触媒用の照射灯を該便器に設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2のものは、内部に便器の設置されたトイレ室において、便器周りの所定の基体表面に光触媒を保持させるとともに、該基体表面に対して光触媒を活性化する400nm以下の波長の光を照射する光触媒用の照射灯を該便器に設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項3のものは、請求項2において、前記基体が前記便器周りの床であることを特徴とする。
【0011】
請求項4のものは、請求項1,2,3の何れかにおいて、前記便器若しくは基体表面にはAg,Cu,Znの一種若しくは二種以上を抗菌成分として含有する抗菌材が保持されており、該抗菌成分が光触媒として用いられていることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0012】
上記のよう請求項1のものは、便器自体に光触媒用の照射灯を設け、その照射灯から、光触媒を保持させた便器の表面に対して、光触媒を活性化する400nm以下の波長の光を照射するようになしたもので、本発明の場合、比較的暗いトイレ室においても光触媒を活発に触媒反応させ、効果的に抗菌,防臭等の作用を行わせることができる。
これによりトイレ室内を衛生的且つ臭いのない快適な空間となすことが可能となる。
【0013】
トイレ室内において最も臭いが発生やすい個所及び細菌の増殖しやすい個所は、便器であり、ここにおいて本発明はその最も臭いが発生しやすく或いは菌の増殖しやすい個所に対して、可及的に近い位置から光を照射することができるため(便器自体に照射灯が設けられているから)、光触媒を効率的に活性化できる利点がある。
【0014】
例えばトイレ室内の壁に紫外線ランプ等を取り付けて、そこより光を照射するといったことも考えられるが、この場合トイレ室を利用している使用者が人体に有害な紫外線を浴びることとなり、様々な弊害をもたらす。
またこのようにした場合、便器に対して、遠い位置から紫外線が照射されることとなるため、光触媒を活性化する上において効率が悪い問題がある。
【0015】
即ち、光触媒に対して照射される光のエネルギーは距離の二乗に反比例し、照射灯の位置が遠くなればなるほど光触媒に対して加えられる光エネルギーは少なくなってしまう。
【0016】
しかるに本発明においては、便器表面に保持させた光触媒に対して、可及的に近い位置から光を照射できるため、効率的に光触媒を活性化できるのである。
本発明では、照射灯が便器を使用していないときに光を照射するものとされているため、人体に悪影響を及ぼす恐れがない。
【0017】
請求項2のものは、便器周りの所定の基体表面に光触媒を保持させ、そこに便器に設けた照射灯から光を照射するようになしたもので、この場合においてもトイレ室内において臭いが発生しやすく、また菌の増殖しやすい個所に対して可及的に近い位置から光を照射することができるため、光触媒を効率的に活性化することができる。
そしてこれによりトイレ室内を衛生的且つ臭いのない快適な空間となすことができる。
【0018】
請求項3のものは、便器周りの床表面に光触媒を保持させ、その便器周りの床表面に対して、便器に設けた照射灯から光触媒用の光を照射するようになしたもので、この場合、尿等が付着して汚れを特に生じやすく、従って臭いが特に発生しやすく、また細菌が特に増殖しやすい個所に対して、便器から即ち最も近い位置から光を照射でき、光触媒を効率高く活性化できるとともに、汚れや臭い等の特に強い部分を効率的に抗菌,防臭等を行わせることができる。
【0019】
また請求項1〜3の何れにおいても、可及的に近い位置から基体表面に対して照射灯からの光を照射できるため、即ち光触媒を効率高く活性化できるため、基体表面に保持させておくべき光触媒の量を少なくすることができ、これによってコストを低減できるといった利点も得られる。
【0020】
ここで基体表面に光触媒を保持させるに際して、その光触媒としてAg,Cu,Znの一種若しくは二種以上を抗菌成分として含有する抗菌剤を保持させておき、それら抗菌成分を光触媒として働かせるようになすことができる(請求項4)。
【0021】
上記のように光触媒としてはTiOが代表的なものであるが、Ag,Cu,Zn等の抗菌成分も光触媒としての機能を有していることが知られている。
【0022】
そこで本発明ではこれらAg,Cu,Znの一種若しくは二種以上を抗菌成分として含有する抗菌剤を単独で若しくはTiOと合せて基体表面に保持させ、それらを光触媒として働かせるようになしたもので、このようにした場合、照射灯からの光を基体表面に照射している間は勿論、そのような光を照射していない場合においても、上記抗菌剤の作用で効果的に基体表面を抗菌することができる利点が得られる。
【0023】
本発明においては、上記照射灯自身で発光させてその光を照射するようになすこともできるし、或いは別途に設けた光源からの光を光ファイバで照射灯まで導き、そこから基体表面に照射するようになすことが可能である。
【0024】
この場合において、かかる照射灯ないし光源として、UVランプ,ブラックライト等可視光を殆ど出さない専用のものであっても良いし、或いはカーボン電球,タングステン電球,白熱電球,蛍光ランプ,水銀ランプ等300〜400nmの紫外線を含む光線を出すもの、又は400nm以下の波長の光を発する発光ダイオードであっても良いし或いはレーザ光であっても良い。
【0025】
また電源としてはAC電源,DC電源(乾電池)の何れであっても良いし、或いは太陽熱発電又は水道水の流れによって羽根を回転させて発電を行うようになした発電機或いはこれを充電する充電器等を電源として用いることもできる。
【0026】
またトイレ室にあっては、トイレを使用していないとき或いは夜間等に照射灯からの光を照射することも重要であって、便器に人体感知センサを設け、その感知センサが人体を非検知のときに照射灯を点灯させて、これを基体表面に照射するようになすといったことができるし、或いはトイレ室の照明灯を消すのと同時に照射灯を点灯させて、基体表面に光照射するようになすといったこともできる。
或いはタイマにより細菌の増殖する夜間(例えば1時〜6時)に自動的に照射灯を点灯させるようになすこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1はトイレ室内部を示したものであって、図中10は腰掛式の洋風便器である。12,14,16及び18はそれぞれその洋風便器における便器本体,便座,便蓋及び洗浄水タンクである。
20はノズル先端より人体局部に向けて洗浄水を噴出する、便器10の構成体としての局部洗浄装置であって、この局部洗浄装置20は本体ボックス22を有しており、その内部に局部洗浄のための各種機構部を内蔵している。
【0028】
この本体ボックス22は、便座14及び便蓋16を開閉可能に保持する保持体としてのものであって平面形状が略コ字形状をなしており、便器本体12の左右両側部に左右一対の袖部22A,22Bを有している。
尚40は人体感知センサである。
【0029】
24はトイレ室の壁であり、26はトイレ室の床である。床26はタイル床であって多数のタイル26Aから成っている。
ここでタイル26Aの表面には、光触媒を保持する光触媒層が形成されている。この光触媒層は、具体的には次のようにして形成することができる。即ち、タイル26A表面の釉薬層中に光触媒を保持させ、その釉薬層をもって光触媒層となすことができる。
【0030】
但しタイル26A表面に釉薬層がない場合において、タイル素地内部に光触媒を分散状態に含有させておくことで、タイル26A表面に光触媒機能を持たせることもできる。
【0031】
本実施形態においてはゼオライト,リン酸カルシウム,リン酸ジルコニウム,シリカゲル,水溶性ガラス,チタニア等の無機酸化物を担体として、その担体に銀,銅,亜鉛等の抗菌成分を担持させた抗菌剤が光触媒として用いられている。
【0032】
この場合において光触媒全体が上記抗菌剤のみからなっていても良いし、或いはそれら抗菌剤とともにTiOを光触媒として含むようにしても良い。
また上記抗菌金属を担体に担持させた形態でなく、抗菌金属ないしその化合物をそのまま抗菌剤、つまり光触媒として含ませるようにしても良い。
【0033】
上記本体ボックス22の左右一対の袖部22A,22Bのそれぞれには、400nm以下、望ましくは300〜400nmの波長の光を照射する照射灯28が下向きに設けられている。
【0034】
これら照射灯28は、タイル26A表面に保持させた光触媒を活性化するためのもので、便器10周りの床26表面に対して上記波長の光を照射するようにその向き,取付位置が定められている。
【0035】
尚、本実施形態の照射灯28は便器10を使用していないときに光を照射するものとされている。図2,図3,図4はこの照射灯28の照射タイミングの例を示したものである。
図2の例は、便器10の使用後において、使用者が便器10から立ち去ったときこれを人体感知センサ40にて感知し、便器10使用後T時間経過したところで照射灯28を点灯させ、また便器10が再び使用されたときに人体感知センサ40による感知に基づいて照射灯28を消灯させるようにした例である。
尚この人体感知センサ40は、トイレ室内に人が入室したときこれを感知するものであっても良いし、或いはまた便器10に着座した時点でこれを感知するような人体感知センサであっても良い。
【0036】
図3の例は便器10の使用後、タイマにより照射灯28を一定時間T点灯させ、そのT時間経過後自動的にこれを消灯させるようにしたものである。
また図4の例は、同じくタイマにより照射灯28を一定時間T点灯させた後、T時間だけ消灯し、そしてこれを繰返し行わせるようにした例である。
勿論これ以外のタイミングで照射灯28を点灯及び消灯させるようになすこともできる。
【0037】
本実施形態の場合、尿等が付着して汚れを特に生じやすく、従って臭いが特に発生しやすく、また細菌が特に増殖しやすい個所に対して、便器10から、即ち最も近い位置から光を照射でき、光触媒を効率高く活性化できるとともに、汚れや臭い等の特に強い部分を効率的に抗菌,防臭等を行わせることができる。
【0038】
また可及的に近い位置から床26に対して照射灯28からの光を照射できるため、即ち光触媒を効率高く活性化できるため、床26表面に保持させておくべき光触媒の量を少なくすることができ、これによってコストを低減できるといった利点も得られる。
【0039】
図5は本発明の他の実施形態を示したもので、この例では便蓋16の内面に照射灯28が設けられている。本例において照射灯28は、便器本体12における便鉢30内面に向けて上記所定の波長の光を照射するものとされている。
【0040】
一方便鉢30内面には、その全面に亘って表面に光触媒が保持されている。便鉢30内面に光触媒を保持させる手法としては、上記と同様の手法を用いることができる。
【0041】
即ち、便鉢30の内面全面に形成される釉薬層中に光触媒を分散保持させておくことで、便鉢30内面に光触媒の層(釉薬層)を形成することができる。
尚本実施形態においても光触媒として上記と同様のものが用いられている。
【0042】
本実施形態においては、便器10を人が使用していない状態、即ち便蓋16を閉じた状態において、便蓋16の内面に設けた照射灯28からの光が便鉢(基体)30の内面に向けて照射され、これにより便鉢30の内面に保持させた光触媒が活性化されて、酸化還元反応により便鉢30内面を抗菌,脱臭作用する。
【0043】
本実施形態においては、最も汚れやすく且つ臭いの発生しやすい便鉢30内面に対して、可及的に近い位置から光触媒を活性化させるための光が照射されるため、光触媒の触媒反応が効果的に惹起される。
【0044】
しかも本実施形態においては、照射灯28からの光がトイレ室内の人体に当たることないので人体に対する悪影響もない。
また光触媒を効率高く活性化できるため、便鉢30の内面に保持させておくべき光触媒の量を少なくでき、その分コストを低減することができる。
【0045】
尚本実施形態においては便蓋16の開閉タイミングに合わせて照射灯28を消灯及び点灯させるようにすることができるが、場合によって図2,図3,図4のパターンで照射灯28を点灯及び消灯させるようになすこともできる。
【0046】
図6は本発明の更に他の実施形態を示したもので、この実施形態は便器本体12におけるリム32の下面側に複数の照射灯28を設け、その照射灯28からの光を、便鉢30の内面に向けて照射するようになしたものである。
このようにした場合であっても可及的に近い位置から便鉢30内面に光触媒を活性化するための光を照射することができ、以て光触媒を効率高く活性化でき、抗菌,防臭等の作用を効果的に行わせることができる。
【0047】
本実施形態の場合、照射灯28からの光を紫外光又は可視光を含む光となすことで、その光により、リム32に沿った便器本体の周縁部を光によって浮き上がらせることができ、便器12の光による意匠性を高めることができる利点がある。
尚本実施形態においても、照射灯28は便器10の使用時には消灯するものとされている。
【0048】
図7は本発明の更に他の実施形態を示したものである。図示のようにこの実施形態は小便器の例であって、本実施形態では小便器34の上部に便鉢36の内面を照射する照射灯28が設けられている。
尚、便鉢36の内面に光触媒が保持させてある点は上記実施形態と同様である。
またその光触媒の種類も、更に光触媒を保持させる手段についても上記実施形態と同様である。
【0049】
38は人体感知センサ40による人体感知に基づいて自動的に洗浄水を便鉢36内面に供給し、これを洗浄する自動洗浄装置であって、本体ボックス42の内部に電磁弁及びその制御部等が内蔵されている。
【0050】
本実施形態においても、汚れが最も付きやすく且つ臭いの発生しやすい便鉢36内面に対して、可及的に近い位置から光触媒を活性化するための光を照射することができ、従って光触媒を効率高く活性化し得て抗菌,防臭等の作用を効果的に行わせることができる。
【0051】
また本実施形態においても、照射灯28からの光を紫外光又は可視光を含む光とすることで、便鉢36内面を照射灯28からの光によって浮き上がらせることができ、光による意匠効果を高めることができる。
【0052】
本実施形態においても、照射灯28は使用者が小便器34に近づいてこれを使用したとき消灯するものとされている。
その照射灯28の点灯及び消灯タイミングは、例えば図2,図3,図4に示すようなものとなすことができる。
【0053】
図8は本発明の更に他の実施形態を示したもので、この実施形態は壁掛式の小便器41における底部下面、具体的には便鉢44の底部下面に照射灯28を設け、その照射灯28からの光を便器41周りの床26に対して、具体的には小便器41の下の床26に対して照射するようになしたものである。
【0054】
尚、床26は図1に示す床26と同様の構成からなるものであって、その表面には光触媒が保持されている。またその光触媒としては上記と同様のものが用いられている。
【0055】
本実施形態にあっても、最も汚れが付きやすく且つ臭いの発生源となりやすい小便器41周りの床26に対して、可及的に近い位置から照射灯28からの光を照射することができ、従って床26表面に保持させた光触媒を効率高く活性化でき、その光触媒による酸化還元反応に基づいて効果的に抗菌,防臭作用を行わせることができる。
【0056】
更に本実施形態においても、照射灯28からの光を可視光を含む光としておくことによって、便器下の床26を光で照らすことができ、小便器41周りの空間を浮き上がらせることができて、光による意匠効果を高めることができる。
【0057】
本実施形態においても、照射灯28は小便器41を実際に使用するときに消灯するものとされている。またその照射灯28の点灯及び照射タイミングを図2,図3,図4に示すタイミングとなすことができる。
【0058】
上記各実施形態においては、照射灯28自身で発光させてその光を照射するようになすこともできるし、或いは別途に設けた光源からの光を光ファイバで照射灯28まで導き、そこから基体表面に照射するようになすことが可能である。
【0059】
この場合において、かかる照射灯28ないし光源としてUVランプ,ブラックライト等可視光を殆ど出さない専用のものであっても良いし、或いはカーボン電球,タングステン電球,白熱電球,蛍光ランプ,水銀ランプ等300〜400nmの紫外線を含む光線を出すもの、又は400nm以下の波長の光を発する発光ダイオードであっても良いし或いはレーザ光であっても良い。
【0060】
また電源としてはAC電源,DC電源(乾電池)の何れであっても良いし、或いは太陽光発電又は水道水の流れによって羽根を回転させて発電を行うようになした発電機或いはこれを充電する充電器等を電源として用いることもできる。
【0061】
またトイレ室にあっては、トイレを使用していないとき或いは夜間等に照射灯28からの光を照射することも重要であって、上記のように便器に人体感知センサ40を設け、その感知センサ40が人体を非検知のときに照射灯28を点灯させてこれを基体表面に照射するようになすといったことができるし、或いはトイレ室の照明灯を消すのと同時に照射灯28を点灯させて基体表面に光照射するようになすといったこともできる。
或いは細菌の増殖する夜間(例えば1時〜6時)に自動的に照射灯を点灯させるようになすこともできる。
【0062】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態であるトイレ室を便器を中心として示す図である。
【図2】同実施形態における照射灯の点灯,消灯タイミングの例を示す図である。
【図3】同実施形態の照射灯の点灯,消灯タイミングの他の例を示す図である。
【図4】同実施形態の照射灯の点灯,消灯タイミングの更に他の例を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態の図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態の図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態の図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態の図である。
【符号の説明】
【0064】
10,36,41 便器
26 床
28 照射灯
30,36,44 便鉢

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に便器の設置されたトイレ室において、該便器の表面に光触媒を保持させるとともに、該便器の表面に対して光触媒を活性化する400nm以下の波長の光を該便器を使用していないときに照射する光触媒用の照射灯を該便器に設けたことを特徴とするトイレ室。
【請求項2】
内部に便器の設置されたトイレ室において、便器周りの所定の基体表面に光触媒を保持させるとともに、該基体表面に対して光触媒を活性化する400nm以下の波長の光を照射する光触媒用の照射灯を該便器に設けたことを特徴とするトイレ室。
【請求項3】
請求項2において、前記基体が前記便器周りの床であることを特徴とするトイレ室。
【請求項4】
請求項1,2,3の何れかにおいて、前記便器若しくは基体表面にはAg,Cu,Znの一種若しくは二種以上を抗菌成分として含有する抗菌材が保持されており、該抗菌成分が光触媒として用いられていることを特徴とするトイレ室。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−200358(P2006−200358A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41701(P2006−41701)
【出願日】平成18年2月18日(2006.2.18)
【分割の表示】特願平9−247929の分割
【原出願日】平成9年8月27日(1997.8.27)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】