説明

トイレ装置

【課題】原水に含まれるイオンだけを原料に連続式で電気分解しても、原水の水質の変動によって十分に尿石発生防止効果や殺菌効果の強い酸性電解水が得られないことがある。原水に含まれるイオンだけを材料にして、水質の変動によらず常にスケール防止効果や殺菌効果の強い酸性電解水を得ることを目的とする。
【解決手段】イオン交換樹脂などの吸着手段12を用いて目的とするイオン、例えば塩化物イオンを吸着したのちに電気分解して、イオン交換樹脂の再生と濃縮されたイオンの脱着を同時に行う。脱着された塩化物イオンを陽極側電解槽15で電気分解することにより強い殺菌力とスケール防止効果を持つ強酸性電解水を間欠的に便器に供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトイレ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
衛生陶器などの表面に蓄積してゆく強固な汚れの主なものとして尿石があり、その主成分はリン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、炭酸カルシウムである。これらの塩は次のようなプロセスで蓄積する。洗い流されずに便器表面に残留した尿素をバクテリアが分解する過程で、液体のpHが上昇する。水道水および尿由来のカルシウムイオンとリン酸イオン、シュウ酸イオン、炭酸イオンが高pH条件下で沈殿して、便器表面に微細な結晶を生じる。微細な結晶が生じ短部分に微生物がより容易に付着して、上記のプロセスが促進される。その結果、カルシウム塩と有機物とが集合した強い臭気を発生する黄色の尿石となる。
【0003】
また、水道水中に含まれる多価陽イオンは中性〜アルカリ性において、炭酸塩や水酸化物などのスケール汚れを引き起こす。水道水中に溶存する腐植酸、フルボ酸などの天然有機酸は鉄、アルミニウムなどのイオンと強い結合を作って、スケール汚れを引き起こす。
【0004】
そこで、一般には殺菌力のある洗剤または漂白剤(たとえば次亜塩素酸ナトリウムを含む洗剤)や強い酸性の洗剤を用いて、尿石汚れを溶解しながらこすり落とす、または生成を防ぐことがおこなわれる。上記の漂白剤は刺激臭があるため、そのような掃除は不快な作業である。そこで、水道水を連続的に電気分解して遊離塩素を発生させて殺菌および酸性条件によって尿石の付着を抑制する方法が考案された(特許文献1)。この方法は、常に次亜塩素酸イオンを含む弱酸性電解水を衛生陶器や配管に流すことで尿石の発生を防ぐことを意図している。この手法は、消費剤を使わず自動的に行うことができるためメンテナンスの手間を省けるという利点がある。
【特許文献1】特許第3603580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、水道水に含まれる塩化物イオン濃度は360μMであるため、生成する酸性電解水の次亜塩素酸イオン濃度は30μM程度に過ぎない(以下、弱酸性電解水と呼ぶ)。このpH条件では、遊離塩素は主に次亜塩素酸イオンであり、殺菌力は次亜塩素酸に比べると約1/10にすぎない。弱酸性電解水がバクテリアによってpHを高められた尿と混じって部分的に中和されることや、地域によっては塩化物イオン濃度の低い水道水が存在することを考慮すると、水道水の連続電解による方法は尿石防止には不十分である。
【0006】
本発明は前者の課題に対処するため、メンテナンスおよび材料補給をすることなく、よりpHが低くかつ殺菌力の強い酸性電解水を生成して、尿石の付着を完全に抑制して異臭の発生および黄ばみを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の問題を解決するために、本発明のトイレ装置は、吸着槽および脱着手段を有し、原水中の塩化物イオンなど特定イオンを濃縮する。濃縮されたイオンを電気分解用電極により酸化することにより、殺菌作用のある強酸性の洗浄液を供給する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のトイレ装置によれば、尿石およびスケールの付着をほぼ完全に防止することが
できるため、トイレ掃除の頻度および手間を大幅に減らすことができる。また、洗剤や殺菌剤を使わないので環境に負荷を与えない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の請求項1に関わるトイレ装置は、便器と、便器に水を供給する供給管と、供給された水中に含まれる特定の成分を吸着するための吸着槽と、前記吸着槽で吸着した特定成分を濃縮して脱着するための脱着手段と、前記特定成分を酸化または還元して溶液を生成する電解手段と、前記電解手段により生成された溶液を便器の洗浄水として供給する洗浄水供給装置を備えたものである。供給された水に含まれる成分のうち特定の成分を吸脱着によって濃縮し、濃縮した成分を電気分解することによって洗浄力あるいは殺菌力に優れた電解水を間欠的に生成する。間欠的に電解水を便器に供給することによって微生物作用による尿石の生成を防ぎ、かつスケールの生成を防止できるpH条件を作り出す。また、定常的には供給された水に含まれる成分の濃度を定常的に下げるため、供給水に由来するスケールの発生を予防することができる。
【0010】
本発明の請求項2に関わるトイレ装置は、請求項1において、濃縮槽は、供給された水を加圧する加圧手段と、吸着槽は供給された水に含まれる陰イオンを吸着するようにし、前記吸着槽に接して配置されるイオン交換膜と、前記イオン交換膜に接して配置される少なくとも一対の電極と、前記電極により間欠的に水分子を電気分解する電圧印加手段とを有し、洗浄水として次亜塩素酸を含む酸性電解水を生成するものである。陰イオン交換樹脂によって陰イオンを濃縮した後に間欠的に電解することによって、水道水の連続電解よりも殺菌力の強い強酸性電解水を供給するものである。遊離塩素の大部分は次亜塩素酸である。水分子を電解することによって陰イオンを脱着してイオン交換樹脂を再生するため、脱着や樹脂再生のために添加剤を用いる必要がなくメンテナンス性に優れ、また下水処理設備に負荷をかけない。
【0011】
本発明の請求項3に関わるトイレ装置は、吸着槽は供給された水に含まれる陽イオンおよび陰イオンを吸着するようにし、前記吸着槽に接して配置されるイオン交換膜と、前記イオン交換膜に接して配置される少なくとも一対の電極と、前記電極により間欠的に水分子を電気分解する電圧印加手段とを有し、洗浄水として酸性電解水およびアルカリ電解水を生成し、すくなくとも一方の水と他方の水を中和した後に便器から排水するようにしたものである。そして、強酸性電解水を殺菌洗浄目的に用いた後に、同時に生成した強アルカリ性電解水によって中和し、排水管を痛めないようにしてから排水するものである。
【0012】
本発明の請求項4に関わるトイレ装置は、強酸性電解水を生成するときに副次的に生じうる塩素ガスなどを吸着除去するものである。
【0013】
本発明の請求項5に関わるトイレ装置は、強酸性電解水を生成するときに副次的に生じうる塩素ガスなどを分解除去するものである。
【0014】
本発明の請求項6に関わるトイレ装置は、制御手段を備え、前記制御手段により所定の時間帯に洗浄水を供給するようにしたものである。そして、便器内で最も微生物の活動が活発になる時間帯に殺菌洗浄水を供給するものである。
【0015】
本発明の請求項7に関わるトイレ装置は、制御手段を備え、前記制御手段の設定により、任意の時間帯に洗浄水を供給するようにしたものである。そして使用者が所望する時間帯に殺菌洗浄水を供給するものである。
【0016】
本発明の請求項8に関わるトイレ装置は、トイレの使用状態を検知する検知手段と、前記検知手段で検知した使用状態を記憶する記憶手段と、前記記憶手段の記憶したデータに
基づき頻繁に使用される時間帯を統計的に計算する計算手段と、前記計算手段の結果に基づいて一定の時間帯に洗浄水を供給するための制御手段とを備えた洗浄水供給機構を有するものである。そして、トイレの使用頻度が最も少ない時間帯を学習してその時間帯に殺菌洗浄水を供給するものである。
【0017】
本発明の請求項9に関わるトイレ装置は、原水に含まれるイオン濃度と供給水量を近似的に測定して、吸着槽に付加されたイオン量が殺菌洗浄水を生成するのに十分な量を超えた時点で電気分解を開始可能に制御するものである。
【0018】
本発明の請求項10に関わるトイレ装置は、便器の状態変化を検知する検知手段を備え、前記検知手段の検知結果で便器の状態が変化すると洗浄水を生成するようにしたものである。便器内で尿石を生成するような微生物活性またはスケールを生成しやすい条件を検知して、一定の条件を満たした際に殺菌洗浄水を供給するものである。
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1実施例におけるトイレ装置の外観を示すものである。図1において、便器3にはトイレ装置1が載置され、トイレ装置1の本体部2、使用者が着座するための便座4、便蓋5、人体の局部を洗浄するための洗浄ノズル6等から構成されている。本体部2には給水源から洗浄水の給水するための給水管および商用電源から給電するための電気ケーブル(いずれも図示せず)が備えてある。また、トイレ装置1の内部には使用者が肛門の洗浄を行うためのお尻洗浄機能、小用後の女性局部を洗浄するビデ洗浄機能のほか洗浄後の人体局部を乾燥するための乾燥機能、寒冷時にトイレ空間を暖房する部屋暖房機能等(いずれも図示せず)が備えてあり、各々の操作は本体部2の袖部に設けられた操作部7aまたはリモートコントローラ7b(以下、リモコンとする)によってなされる。また、本体部2には使用者の着座を検知する人体検知手段8、タンク9、本体部2の内部には、トイレ装置1の各種機能を制御する制御手段27、洗浄水供給装置10を内臓している。人体検知手段8による人体検知状態時のみ洗浄機能や乾燥機能、便座暖房機能が動作可能なように制御手段27で制御する。この人体検知手段8は、赤外線により使用者の便座12への着座の有無を検知するものであるが、方式としては便座の静電容量を検知するもの、超音波等を用いて使用者の便座への着座を検知するもの、さらにはトイレに入室あるいは退室したことを検知するものや、例えばトイレの照明に連動して使用者の存在を検知する方式等でも可能である。
【0021】
また操作部7aとリモコン7bが操作されると、制御手段27により各種便座装置本体2に備えた人体洗浄ノズル6の駆動や便座暖房、洗浄水供給装置10などを任意に操作できるように各種操作スイッチを配置している。そして、これらによって洗浄供給装置10の動作を操作され、洗浄水を生成するとトイレ装置1より便器3の洗浄用に排水される。
【0022】
また、制御手段27ではカレンダー、計時を行うタイマー、トイレ装置の使用状態を検知して記憶する記憶手段と、記憶手段のデータに基づいて使用頻度を演算する計算手段を有している(図示せず)。例えば、人体検知手段8で、使用者の入室や着座を検知した結果をトイレ装置野の使用状態として使用頻度を演算したり、洗浄機能の使用を状態とし記憶し、使用頻度を演算することなどがかんがえられる。この計算手段による演算結果をもとに、トイレ装置の使用頻度の少ない時間帯を認識できるような学習機能も有して、トイレ装置1の使用状態をパターン化して記憶する。
【0023】
この使用頻度を基に便器の使用履歴から、便器の汚れ状態の変化を類推することも可能であり、さらに、便器の汚れを検知するセンサーをトイレ装置本体部2の便器内側に設け
て、便器表面の状態を検知するようにしてもよい。
【0024】
また、操作部7aとリモコン7bには、洗浄水供給装置10による洗浄水供給のタイミングを設定する設定スイッチを設けており、使用者が洗浄水の供給タイミングを任意に制御できるように構成してある。さらに、

次に図2に、洗浄水供給装置10の概略を示す。洗浄水供給装置10は吸着槽12および隔膜18をはさんで隣接する陽極側電解槽15、陰極側電解槽17および洗浄槽22、排水用リザーバー23から構成される。電極14および16は白金、酸化イリジウム、酸化パラジウムなどから成る。吸着槽12には強酸性の陽イオン交換樹脂および強塩基性の陰イオン交換樹脂が混ぜられて収められる。
【0025】
図1において、トイレ装置1に水道より供給された水は、トイレ装置本体部2内で、洗浄水供給装置10へ供給する水路と人体洗浄用に水を供給する水路に分岐される。そして洗浄水供給装置10へ供給された水に含まれるイオンは吸着槽12に収められるH型の陽イオン交換樹脂およびOH-型の陰イオン交換樹脂によって吸着される。通常はバルブ20が開いていて、バルブ19と21は閉じていて、イオン成分が取り除かれた水が洗浄槽22へと供給される。イオンの総濃度の低い水が洗浄槽に供給されるため洗浄槽へのスケールの付着が恒常的に抑制される。
【0026】
間欠的に電極14,16に直流が加えられて電気分解槽15,17内で電気分解反応が行われる。このとき、吸着槽2内の水分子が電気分解され次の反応が起こる。
【0027】
H2O →H++OH- (1)
生じたHイオンは陽イオン交換樹脂上に吸着された陽イオンを置換することによって陽イオン交換樹脂をH型に再生する。遊離した陽イオンは隔膜18を通過して陰極側電解槽17に移動する。電解槽17では以下の反応(2)が起こり、アルカリ電解水が生成する。
【0028】
2H2O+2e-→2OH-+H2 (2)
また、反応(1)によって生じたOH-イオンは陰イオン交換樹脂をOH-型に再生し、脱着した陰イオンは隔膜18を通過して陽極側電解槽15に移動する。電解槽15では以下の反応が起こり、酸性電解水が生成する。
【0029】
H2O→2H++1/2O2+2e- (3)
2Cl-→Cl2+2e- (4)
Cl2+H2O→HClO+H++Cl- (5)
この際、バルブ19,21が開いて、バルブ20は閉じられる。生成した酸性電解水が洗浄槽22に供給される。また、アルカリ電解水は排水用リザーバー23内で、洗浄槽22から排水された酸性電解水を中和して、配管が痛むのを防ぐ効果をもつ。
【0030】
本実施例のトイレ装置によれば、水道水中の陰イオン特に塩化物イオンを濃縮する効果があるために従来型の水道水電気分解式の洗浄装置を用いたトイレ装置に比べると、pHのより低い酸性電解水が生成できるために、次亜塩素酸イオンに比べて殺菌力が約10倍強い次亜塩素酸が遊離塩素の大部分を占めることが特長である。一例として、0.1mMの塩化物イオン濃度を持つ水道水を原水にして、塩化物イオン濃度が100倍に濃縮されるように通常の通水と電気分解との時間配分を組めば、pH2.5程度の酸性電解水が得られ、20―60ppm程度の有効塩素濃度の次亜塩素酸が生成する。このような洗浄液は、ほぼ全ての微生物をきわめて短時間で死滅させることができる。また、このpH条件においてはリン酸カルシウム、シュウ酸カルシウムなどの尿石成分が沈殿することがなく、ま
た鉄や他の金属の水酸化物が沈殿することもなく衛生陶器などの被洗浄槽を清潔な状態に保つことができる。
【0031】
原水の供給配管に伝導率計25を備えて吸着槽2に供給される水の伝導率を継続的に測定し、伝導率に基づいて近似的に原水に含まれるイオン濃度を計算する。また、吸着槽12を通過した水量を流量計26で測定して、累積の通過水量とイオン濃度の積から吸着されたイオン量を推定する。十分に強い殺菌洗浄力を持つ酸性電解水を生成するために必要なイオン量が吸着された後で、かつトイレの使用頻度が少なく菌が繁殖しやすい時間帯に電気分解を開始するように制御手段27が認識した使用頻度に基づいて、動作タイミングを制御する。
【0032】
本実施の形態のトイレ装置では、水道水を原水として洗浄水を生成する洗浄水供給装置を設けたので、これにより供給された洗浄水は、陽イオンと溶存有機酸を除去することによって、ミネラル質および有機質のスケールの付着を防ぐ効果がある。したがって、スケールの付着を嫌い、かつ比較的多量に消費するような便器洗浄用途に適している。また、電解時はそれまでに吸着されていた溶存有機酸をより高濃度で脱着して、界面活性剤として洗浄用途に供給することができる。このような作用により、石鹸や洗剤を使用することなく天然の界面活性物質を用いて洗浄を行なうことができるため、例えば下水処理設備の整っていない地域などで環境に負荷を与えない洗浄法が可能となる。
【0033】
また、トイレ装置1の使用頻度に応じて、洗浄水供給装置10による洗浄水生成のタイミングを制御手段27がトイレの使用頻度に基づいて間欠的に動作するように制御するので、通常のトイレ使用に支障をきたすことなく、洗浄水の供給ができる。さらに洗浄水を生成するための薬剤投入などのメンテナンスが不必要で、利便性が高い。さらに、便器洗浄した後の排水を、環境に負荷をかけない水性とすることができる。
【0034】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態1におけるトイレ装置の構成図である。図1と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。本実施の形態で、実施の形態1と異なるのは、便器の最下部のトラップにpHメーター28を取り付けて、排水のpHを継続的にモニターするようにした点である。pHメーター28は、便器の汚れの状態を反映する検知手段である。このpHメーター28により測定された排水のpHが8.5を超えて、かつトイレの使用頻度が少なく菌が繁殖しやすい時間帯に電気分解を開始するように、制御手段27による洗浄水供給装置10の動作タイミングを制御する。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の洗浄水供給装置は、通常の水道水を用いて洗浄水を生成するので、特殊な薬品の添加が必要なく、吸着手段のメンテナンスがしやすいうえ、洗浄後排水しても環境負荷がない。
【0036】
実施の形態1の洗浄装置と一般の水道水を用いて洗浄水を生成する場合は、一定の濃度以上の効果的な洗浄水を作成する必要がある場合は、濃縮という過程が必要でインターバルをおいての供給となるので、日常生活において、常に洗浄水を用いる必要がなく、間欠的に使用する場合などの洗浄水の供給に適している。よって、家庭用、業務用、また、公衆使用の便器、手洗い、浴槽、洗濯槽、キッチンシンクなどの水周り品の洗浄に適する。またそれ以外にも、食品工場など大量の水を消費しつつ定期的に殺菌を行なう必要があるような施設において利用価値が高い。また、環境生態学的に保全の必要性が高いとされる湿原の近辺など、溶存有機酸を比較的高濃度に含む地表水が得られる地域において、環境に負荷を与えない洗浄水を必要とする用途において利用価値が高い。具体的には、地域の野菜の集荷センターなどで土汚れの洗浄や、農業用機器や器具の洗浄などに適している。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態1におけるトイレ装置の外観図
【図2】本発明の実施の形態1における洗浄水供給装置の構成図
【図3】本発明の実施の形態2における洗浄水供給装置の構成図
【符号の説明】
【0038】
1 トイレ装置
2 トイレ装置本体部
3 便器
7a リモコン
7b 本体袖部操作部
8 人体検知リモコン
10 洗浄水供給装置
11 ポンプ
12 吸着槽
13 直流電源
14 陽極
15 陽極側電解槽
16 陰極
17 陰極側電解槽
18 隔膜
22 便器
23 排水リザーバー
24 ガス吸着除去剤
25 伝導率計
26 流量計
27 制御手段
28 pHメーター(検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器と、便器に水を供給する供給管と、供給された水中に含まれる特定の成分を吸着するための吸着槽と、前記吸着槽で吸着した特定成分を濃縮して脱着するための脱着手段と、前記特定成分を酸化または還元して溶液を生成する電解手段と、前記電解手段により生成された溶液を便器の洗浄水として供給する洗浄水供給装置を備えたトイレ装置。
【請求項2】
濃縮槽は、供給された水を加圧する加圧手段と、吸着槽は供給された水に含まれる陰イオンを吸着するようにし、前記吸着槽に接して配置されるイオン交換膜と、前記イオン交換膜に接して配置される少なくとも一対の電極と、前記電極により間欠的に水分子を電気分解する電圧印加手段とを有し、洗浄水として次亜塩素酸を含む酸性電解水を生成する請求項1記載のトイレ装置。
【請求項3】
吸着槽は供給された水に含まれる陽イオンおよび陰イオンを吸着するようにし、前記吸着槽に接して配置されるイオン交換膜と、前記イオン交換膜に接して配置される少なくとも一対の電極と、前記電極により間欠的に水分子を電気分解する電圧印加手段とを有し、洗浄水として酸性電解水およびアルカリ電解水を生成し、すくなくとも一方の水と他方の水を中和した後に便器から排水するようにした請求項1あるいは2記載のトイレ装置。
【請求項4】
電解水を作る際に生じるガス成分を吸着する吸着手段を備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトイレ装置。
【請求項5】
電解水を作る際に生じるガス成分を分解するための分解手段を備えた、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトイレ装置。
【請求項6】
制御手段を備え、前記制御手段により所定の時間帯に洗浄水を供給するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載のトイレ装置。
【請求項7】
制御手段を備え、前記制御手段の設定により、任意の時間帯に洗浄水を供給するようにした請求項1〜6のいずれか1項記載のトイレ装置。
【請求項8】
トイレの使用状態を検知する検知手段と、前記検知手段で検知した使用状態を記憶する記憶手段と、前記記憶手段の記憶したデータに基づき頻繁に使用される時間帯を統計的に計算する計算手段と、前記計算手段の結果に基づいて一定の時間帯に洗浄水を供給するための制御手段とを備えた洗浄水供給機構を有する請求項1〜7のいずれか1項記載のトイレ装置。
【請求項9】
供給される水に含まれる洗浄水の目的物質濃度を測定するまたは近似測定する測定手段と、吸着槽を通過した原水の累積量を測定する水量測定手段と、前記濃度測定手段および前記水量測定手段と共同して吸着槽に吸着された目的物質量を算出する計算手段とを備え、原水中の目的成分が洗浄水の生成に必要な量だけ吸着された時点で脱着あるいは電気分解を開始可能とするような方法で電解部分を制御する請求項1〜8のいずれか1項記載のトイレ装置。
【請求項10】
便器の状態変化を検知する検知手段を備え、前記検知手段の検知結果で便器の状態が変化すると洗浄水を生成するようにした請求項1〜9のいずれか1項に記載のトイレ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−332537(P2007−332537A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161804(P2006−161804)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】