説明

トナー、定着装置、画像形成装置

【課題】 スペックダウンすることなく光沢の制御を可能とするトナー、定着装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】 定着装置110の加熱部で加熱されたトナーTを冷却する場合、定着ベルト120の記録媒体Pと接する側における表面粗さがRz(十点平均粗さ)で0.01〜100μmとする。定着装置110でトナー加熱後の冷却により定着面の光沢制御を行う。トナーTのガラス転移温度をTgとするとき、非光沢時(光沢度<15%)にはその冷却温度TcをTc≧(Tg+70℃)、中光沢時(15%≦光沢度≦30%)には(Tg+70)<Tc≦(Tg+20℃)、高光沢時(光沢度>30%)にはTc<(Tg+20℃)とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やファクシミリ、プリンタ等に用いられている電子写真方式に関し、詳細には光沢の制御が可能なトナー、これを用いる定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境の保全のために省資源及び省エネルギーの要求も高まっており、電子写真方式の画像形成においても省エネルギーのために消費電力を抑える動きが活発化している。特に、電力消費の激しい定着分野での低温度定着化が進んでいる。
【0003】
画像形成装置の工夫としては、未定着トナー画像を定着させるために、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。熱ローラ方式の定着装置は、内部にハロゲンランプ等の熱源を有していて所定の温度に温調される定着ローラと、これに圧接する加圧ローラとの回転ローラ対を基本構成としている。そして、これらの回転ローラ対の接触部、いわゆる定着ニップ部に記録媒体を導入して搬送させ、定着ローラ及び加圧ローラからの熱及び圧力により、未定着トナー画像を溶融させて紙等の記録媒体に定着させている。
【0004】
また、フィルム加熱方式の定着装置は、例えば特許文献1や特許文献2等に提案されているように、支持部材に固定支持された加熱体に耐熱性を有する薄肉の定着フィルムを介して記録媒体を密着させ、定着フィルムを加熱体に対して摺動移動させながら加熱体の熱をフィルム材を介して記録媒体に供給するものである。この方式の定着装置は、加熱体として、例えば耐熱性、絶縁性、良熱伝導性等の特性を有するアルミナや窒化アルミニウム等のセラミック基板上に抵抗層を備えたセラミックヒータを使用する。またこの種の定着装置は、定着フィルムとして薄膜で低熱容量のものを用いることができるために、熱ローラ方式の定着装置よりも伝熱効率が高く、ウォームアップ時間の短縮が図れ、クイックスタート化や省エネルギー化が可能になる。
【0005】
電磁誘導加熱方式の定着装置としては、特許文献3に開示されているように、交番磁界により磁性金属部材に発生した渦電流でジュール熱を生じさせ、金属部材を含む加熱体を電磁誘導発熱させる技術が提案されている。
【0006】
以下に電磁誘導加熱方式の定着装置の構成について説明する。図8は従来の電磁誘導加熱方式による定着装置を示す模式図である。この図8に示すように、従来の定着装置は、励磁コイルユニット1800と加熱部である磁性金属部材1900とからなる加熱体2000が装着されたフィルム内面ガイド2100と、磁性金属部材1900を内壁に当接した状態でフィルム内面ガイド2100を包む耐熱性を備えた円筒状のフィルム1700と、磁性金属部材1900の位置でフィルム1700に圧接してこのフィルム1700との間に定着ニップ部Nを形成するとともに当該フィルム17を回転させる加圧ローラ2200とから構成されている。
【0007】
フィルム1700は、膜厚が100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性を有するPTFE、PFA、FEPの等の単層フィルム、あるいはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムが使用される。また、フィルム内面ガイド2100はPEEK、PPS等の樹脂より形成された剛性・耐熱性を有する部材からなり、加熱体2000はこのようなフィルム内面ガイド2100の長手方向の略中央部に嵌め込まれている。
【0008】
加圧ローラ2200は、芯2200aと、その周囲に設けられたシリコーンゴム等の離型性の良い耐熱ゴム層2200bからなり、軸受や付勢手段(何れも図示せず)により所定の押圧力を持ってフィルム1700を挟んで加熱体2000の磁性金属部材1900に圧接するように配設されている。そして加圧ローラ2200は駆動手段(図示せず)により反時計回りに回転駆動される。そして、加圧ローラ2200の回転駆動により加圧ローラ2200とフィルム1700との間に摩擦力が発生してフィルム1700に回転力が作用し、フィルム1700は加熱体2000の磁性金属部材1900に密着しながら摺動回転する。
【0009】
加熱体2000が所定の温度に達した状態において、定着ニップ部Nのフィルム1700と加圧ローラ2200との間に、画像形成部(図示せず)で形成された未定着トナー画像Tを有する記録媒体Pを導入する。記録媒体Pは加圧ローラ2200とフィルム1700とに挟まれて定着ニップ部Nを搬送されることにより磁性金属部材1900の熱がフィルム1700を介して記録媒体Pに付与され、未定着トナー像Tが記録媒体P上に溶融定着される。なお、定着ニップ部Nの出口においては、通過した記録媒体Pはフィルム1700の表面から分離されて排紙トレイ(図示せず)に搬送される。
【0010】
このように電磁誘導加熱方式の定着装置では、渦電流の発生を利用することで、誘導加熱手段としての磁性金属部材1900をフィルム1700を介して記録媒体Pのトナー像Tに近くに配置することができ、フィルム加熱方式の定着装置よりもさらに加熱効率がアップする。ただし、極端な省エネルギーを実現するにはやはりトナーの定着温度低下に負う所が大きい。
【0011】
トナー側の工夫としては、低温度定着を実現するために当然トナーの軟化点あるいは融点を下げざるを得ない。しかし、トナーに使用されている熱可塑性の樹脂の特性として、軟化点あるいは融点が下がると必然的に溶融粘度が下がるという性質がある。この性質は、熱可塑性の樹脂の軟化点あるいは融点は樹脂の分子量、分子量分布、結晶化度、架橋度、分子間力等によって決まり、同一構造の樹脂の軟化点あるいは融点を下げるためには、このうち分子量、架橋度を下げるか、分子量分布を狭くせざるを得ない。
【0012】
ところが、分子量分布は樹脂の保存性の限界から下限が決まってくるので、分子量自体を下げると必然的に狭くなってしまう。一般に分子量を下げると分子鎖は短くなるために絡み合いが緩くなり、溶融粘度は下がる。また、分子量分布が狭くなってもやはり分子鎖の絡み合いが緩くなり、溶融粘度は下がる。さらに分子間の架橋度を下げると、それぞれの分子が動きやすくなるために溶融粘度は下がる。トナーの溶融粘度が低いということは、当然ゴム域状態における粘度の低下も著しく、このようなトナーの系においては一般的な熱ローラ定着はホットオフセットの問題により使用できない。この問題を補助的に解決する方法として定着部材へのオイル塗布があるが、トナーの粘度の低下と共に離型効果の発現は不完全なものとなる。
【0013】
また、このような粘度の低いトナーは、定着時に加熱溶融され溶融粘度が低いがために引き剥がしの際にトナーの一部が定着部材に接着しトナー層が層間剥離状態となる所謂ホットオフセットを起こす。しかし、このような溶融粘度が下がった状態のトナーであっても特許文献4に示されているような方法でオフセットなく定着できるようになった。
【0014】
特許文献4には、フィルムシートを利用した定着部で被定着物に熱を印加した後、フィルムシートと被定着物の密着を保ったまま冷却をかけ、トナーが固化した後に引き剥がすものであり、さらに強制冷却の概念も盛り込まれ、具体的な強制冷却方法として送風、水冷が揚げられている。この系を利用したものに特許文献5に開示されている技術があるが、これは単に冷却をかけるのみではなく、その冷却時の温度を制御することにより、温度のバラツキによる定着時の光沢ムラを抑えるというものである。しかし、この案件では、実際の加熱温度、また制御された冷却の温度が定かではなく、また、使用するトナーの熱特性がどのようなものであるかも不明であり具体性にかけており安定した結果が得られにくい。
【0015】
さらに市場の要求としては、光沢画像だけではなく非光沢画像も用途として強いものがあり、このような装置とトナーの開発が望まれている。従来、カラートナーを用いたフルカラー画像形成方法として、マゼンタトナー、シアントナー及びイエロートナーの3色の有彩色トナーを用いるものや、この3色の有彩色トナーにブラックトナーを加えて4色のトナーを用いるものが提案、実施されているが、これらの画像品質はいずれも高光沢を狙ったものである。またこれらの光沢画像は、デジタルカメラの写真画像のアウトプットや銀塩写真のコピーとしての出力としてはそこそこの画像が得られている。しかし昨今、コンピュータの普及により、ビジネス用途のプレゼンテーション用の画像や作表、グラフの作成、あるいは、CADのアウトプット端末として使用されるにいたって、この高光沢があるがための照り返しによって光って見難いという問題が発生している。
【0016】
この照り返しを避けるためには、光沢を消した画像とすれば良いのであるが、この場合、写真画像の光沢がないために、写真画像の鮮やかさや色調が失われて品位の低いものになってしまう。これら写真用途とビジネス用途を同時に満足するためには、光沢画像と非光沢画像の双方ともに形成可能であることを狙わなくてはならず、場合に応じて光沢、非光沢を使い分けることを可能とする必要がある。
【0017】
従来、画像の光沢を上げるための工夫としては、トナーを充分良く溶かすために定着温度を極端に上げ、線速を落とすなど通常のマシンスペックを下げる方向であった。しかし、充分に溶融したトナーはホットオフセットの問題が発生しやすいという別の問題を生じさせている。
【特許文献1】特開昭63−313182号公報
【特許文献2】特開平1−263679号公報
【特許文献3】特開平8−22206号公報
【特許文献4】特公昭51―29825号公報
【特許文献5】特開平2−162383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上述した従来の不具合を改善すべく鋭意検討してスペックダウンすることなく光沢の制御を可能とすることを目的とする。また本発明は、上述のような熱履歴による現象がトナーの特性と定着装置の構成及び条件で決まるものであることを考慮しつつなしたもので、ホットオフセット等の問題を生じにくい技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の請求項1に係るトナーは、冷却手段を備える定着装置で用いるトナーであって、前記冷却手段による冷却温度範囲に応じて光沢度を調整可能であることを特徴とする。
【0020】
同請求項2に係るものは、冷却手段を備える定着装置で用いるトナーであって、定着面上での加熱後の冷却によりその光沢を制御可能であり、その冷却温度Tcがトナーのガラス転移温度Tgとの関係で、非光沢時(光沢度<15%)にはTc≧(Tg+70℃)、中光沢時(15%≦光沢度≦30%)には(Tg+70℃)<Tc≦(Tg+20℃)、高光沢時(光沢度>30%)にはTc<(Tg+20℃)であることを特徴とする。
【0021】
同請求項3に係るものは、請求項1または2のトナーにおいて、冷却時間が0.005秒以上であることを特徴とする。
【0022】
同請求項4に係るものは、請求項1ないし3のいずれかのトナーにおいて、分子量分布が2山以上であることを特徴とする。
【0023】
同請求項5に係るものは、請求項1ないし4のいずれかのトナーにおいて、DSCピークが2山以上であることを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項6に係る定着装置は、加熱手段と冷却手段とを備える定着装置であって、前記冷却手段が定着させるトナーの光沢度に応じて冷却温度を調整可能であることを特徴とする。
【0025】
同請求項7に係るものは、加熱手段と冷却手段とを備える定着装置であって、定着面の表面粗さがRzで0.01〜100μmであり、加熱後の冷却により前記定着面上でのトナーの光沢制御を行うものであり、その冷却温度Tcがトナーのガラス転移温度Tgとの関係で、非光沢時(光沢度<15%)にはTc≧(Tg+70℃)、中光沢時(15%≦光沢度≦30%)には(Tg+70℃)<Tc≦(Tg+20℃)、高光沢時(光沢度>30%)にはTc<(Tg+20℃)であることを特徴とする。
【0026】
同請求項8に係るものは、請求項6または7の定着装置において、前記冷却手段による冷却時間が0.005秒以上であることを特徴とする。
【0027】
同請求項9に係るものは、請求項6ないし8のいずれかの定着装置において、非光沢モード時には前記冷却手段による冷却を行わないことを特徴とする。
【0028】
同請求項10に係るものは、請求項6ないし9のいずれかの定着装置において、使用するトナーの分子量分布が2山以上であることを特徴とする。
【0029】
同請求項11に係るものは、請求項6ないし10のいずれかの定着装置において、使用するトナーのDSCピークが2山以上であることを特徴とする。
【0030】
同請求項12に係るものは、請求項6ないし11のいずれかの定着装置において、定着面の表面粗さがRz(十点平均粗さ)で0.01〜100μmであることを特徴とする。
【0031】
同請求項13に係るものは、請求項6ないし12のいずれかの定着装置において、前記冷却手段がヒートパイプ、あるいは熱媒を通したローラあるいはペルチェ素子を有することを特徴とする。
【0032】
同請求項14に係るものは、請求項6ないし13のいずれかの定着装置において、加熱方法がハロゲンヒータ、誘導加熱、面状発熱体のうち少なくとも一つを発熱体として使用していることを特徴とする。
【0033】
同請求項15に係るものは、請求項6ないし14のいずれかの定着装置において、前記加熱手段が定着ベルトに転写したトナーを直接加熱するものであることを特徴とする。
【0034】
同請求項16に係るものは、請求項15の定着装置において、前記定着ベルトの材質が含窒素耐熱樹脂であり、該樹脂の一部にシリコン、PFAがグラフトされており、表面にこれらシリコン、PFAが配向していることを特徴とする。
【0035】
同請求項17に係るものは、請求項15または16の定着装置において、前記発熱体と前記定着ベルト表面の温度差を5〜2000℃としたことを特徴とする。
【0036】
本発明の請求項18に係る画像形成装置は、請求項1ないし5のいずれかのトナーを用いる定着装置を備えたことを特徴とする。
【0037】
同請求項19に係るものは、請求項6ないし17のいずれかの定着装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明のトナー、定着装置、画像形成装置は、加熱後冷却をかけることによりスペックダウンすることなく光沢の制御が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下本発明を実施するための最良の形態を、図に示す実施例を参照して説明する。
【実施例1】
【0040】
図1は本発明の実施対象となる画像形成装置の一構成例を示す概略図である。図示の装置は、タンデム型の電子写真方式のカラー画像形成装置の一例であり、本発明の実施がこのようなタイプのものに限定されるものではないが、図中100Y〜100K(Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタ、Kはブラック。以下、同じ。)は像担持体であるドラム状の光導電性感光体であり、この感光体100Y〜100Kの周囲には、現像装置、転写装置、光書き込み装置等の作像系200Y〜200Kを並設し、その下方にベルト状の中間転写体300、2次転写装置500を配してある。この装置は、各感光体100Y〜100K上の画像を作像系200Y〜200Kの1次転写によりいったんベルト状の中間転写体300に画像を順次転写し、その後に中間転写体300上の画像を2次転写装置500により記録媒体Pに一括転写する方式のものである。2次転写装置500には、ローラ形状のものだけではなく転写搬送ベルト形状のものもある。なお、転写後の感光体100Y〜100K上の残留トナーや紙粉等を除去するクリーニング装置や、感光体100Y〜100K上の残留電荷を除電する除電装置等も設けるが、図示は省略してある。
【0041】
また、この画像形成装置には、感光体100Y〜100Kと2次転写装置500の間の転写部に記録媒体Pを給紙する給紙部600及びレジストローラ700と、記録媒体Pに転写されたトナー画像を加熱定着する定着装置110が設けられている。なお、作像系200Y〜200Kが備える現像装置では、例えば結着剤の主成分が樹脂であるトナーを用いる。
【0042】
図2は本発明の実施対象となる定着装置の一構成例を示す概略図である。図示の定着装置110は、図2にも示すように、発熱体を内蔵するヒートローラH1、ガイドローラR2及びテンションローラR3に掛け回した無端の定着ベルト120と、ガイドローラR4、R6、テンションローラR5及び加圧ローラP1に掛け回した同じく無端の加圧ベルト130とを備えており、加圧ベルト130の内側に加圧ベルト130を定着ベルト120に対して押し付け得るように加圧固定板140が設けてある。なお、ヒートローラH1の発熱体は種々公知のものを採用すれば良く、また通電、通電制御等々も公知の形態でよいので図示及び説明を省略する。また加圧固定板140は定着ベルト120の内側に設けても良い。
【0043】
これら例においては、一対のベルト120、130で記録媒体Pを挟み、加熱部位の先端部に位置するヒートローラH1と加圧ローラP1のニップで記録媒体Pを加熱し、記録媒体P及びその上のトナーTを所定温度まで上昇させ、その後ベルト120、130間に密着状態で記録媒体Pを挟みつつ保持、搬送することによりトナーTを冷やす。すなわち加熱後の徐冷をローラに掛け回したベルト120、130を介して行う。加熱後に定着部材表面としての定着ベルト120の表面と記録媒体P上のトナーTが密着状態を維持し、かつこの密着した定着ベルト120がいわば断熱材として働き、トナーTを充分な時間にわたってある所定温度以上で一定時間以上保温する。また、加圧固定板140により記録媒体Pの背面側の加圧ベルト130を押し付けることでこの密着を確実なものとする。
【0044】
加圧固定板140は、その表面形状を記録媒体P側へ凸とし、その表面が自由曲面であることが望ましい。即ち、加圧固定板140の表面Rが全くの平面であると、加圧により定着ベルト120の表面と記録媒体PのトナーTが載っている面の密着を安定的に行うことは難しく、逆にあまりに曲面が急に曲がっていると定着ベルト120の表面と記録媒体Pの面の間に周速差が発生してしまって好ましくないためである。また、加熱部において用いる加圧ローラP1については、なるべく太くないく、熱容量の小さいものが好ましい。ただし、あまり細い径のローラを使用すると、ローラがベントして均一な加圧ができなくなる。
【0045】
また本発明においては、加熱部位の先端部における加熱をヒートローラや定着ベルトを介して行うのではなく、輻射熱等により直接にトナーを加熱することでも可能である。図3は、そのような構成を有し、本発明の実施対象となる定着装置の一構成例を示す概略図である。この例の場合、加熱体Hで転写ローラT1、定着ローラR1や定着ベルト120を必要以上に加熱する必要がなく、通常のローラ定着などより必要のない大質量のローラなどを加熱しないのでより省エネルギー性が高くなる。
【0046】
もちろん本発明においては、従来の方法と同様にハロゲンヒータ、誘導加熱、面状発熱体のいずれも使用することができる。従って、本発明に加え、これらのヒータの熱効率向上方法などを組み合わせることでさらに省エネルギー性を向上させ得る。
【実施例2】
【0047】
また図4は、本発明の実施対象となる画像形成装置の他の構成例を示す概略図である。図示の装置も、タンデム型の電子写真方式のカラー画像形成装置の一例であり、このカラー複写機1は、装置本体中央部に位置する画像形成部1Aと、該画像形成部1Aの下方に位置する給紙部1Bと、画像形成部1Aの上方に位置する図示しない画像読取部を有している。
【0048】
画像形成部1Aには、水平方向に延びる転写面を有する中間転写体としての中間転写ベルト2が配置されており、該中間転写ベルト2の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体3Y、3M、3C、3Bが中間転写ベルト2の転写面に沿って並置されている。
【0049】
各感光体3Y、3M、3C、3Bはそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置4、光書き込み手段としての書き込み装置5、現像装置6、1次転写装置7、及びクリーニング装置8が配置されている。各符号に付記しているアルファベットは、感光体3と同様、トナーの色別に対応している。各現像装置6には、それぞれのカラートナーが収容されている。
【0050】
中間転写ベルト2は、駆動ローラ9と、従動ローラ10に掛け回されて感光体3Y、3M、3C、3Bとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。従動ローラ10と対向する位置には、中間転写ベルト2の表面をクリーニングするクリーニング装置11が設けられている。
【0051】
感光体3Yの表面が帯電装置4により一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体3Y上に静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置6Yによりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置7Yにより中間転写ベルト2上に1次転写される。他の感光体3M、3C、3Bでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が中間転写ベルト2上に順に転写されて重ね合わせられる。
【0052】
転写後感光体3上に残留したトナーはクリーニング装置8により除去され、また、転写後図示しない除電ランプにより感光体3の電位が初期化され、次の作像工程に備えられる。
【0053】
駆動ローラ9の近傍には、実施例に係る定着装置12が設けられている。定着装置12は、中間転写ベルト2上の画像としての未定着トナー像を転写される転写定着部材としての転写定着ベルト13と、該転写定着ベルト13を介して定着ローラ15と加圧ローラ14によってニップNを形成している。定着ベルト13は少なくとも発熱層と表面には離型層がコーティングされている。また、転写定着ベルト13には転写定着ベルト13上の画像を加熱する加熱手段としての誘導加熱源20が設けられている。加圧ローラ14は、芯金14aとゴム等の弾性層14bを有している。
【0054】
給紙部1Bは、記録媒体としての用紙Pを積載収容する給紙トレイ16と、該給紙トレイ16内の用紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙する給紙コロ17と、給紙された用紙Pを搬送する搬送ローラ対18と、用紙Pがいったん停止され、斜めずれを修正された後転写定着ベルト13上の画像の先端と搬送方向の所定位置とが一致するタイミングでニップNに向けて送り出されるレジストローラ対19を有している。
【0055】
感光体3Y、3M、3C、3Bから中間転写ベルト2上に1次転写されたトナー像T(単にトナーともいう)は、図示しないバイアス印加手段により駆動ローラ9に印加されるバイアス(AC、パルスなどの重畳を含む)により定着ベルト13に静電気力で2次的に転写される。また中間転写ベルト2から転写定着ベルト13に転写されたトナー像TはニップNで用紙Pに定着されるまで、転写定着ベルト13上において単独で加熱される。
【0056】
本例では、トナーTのみを予め加熱する過程が十分に得られるので、トナーTと用紙Pを同時に加熱する従来方式に比べて加熱温度を低くできる。実験の結果、転写定着ベルト13の温度は80〜120℃の低温でも十分な画質が得られることが確認された。また本例では、低温定着が可能でウォームアップ時間を短くでき、省エネルギー性を向上させることができ、中間転写体への熱移動を抑制できるので耐久性を向上させることができる。また、低温定着により中間転写体の温度を低減でき、中間転写体側の熱劣化を抑制できる。
【0057】
なお、本実施形態に係る定着装置12はそれ自体が未定着トナー像の被転写機能を有するものであり、未定着トナー像を保持した用紙を単に加熱・加圧する従来の定着装置に対し、「転写型定着装置」として位置付けられるものである。
【実施例3】
【0058】
図5は、図4の画像形成装置に用いる定着装置の変形の実施例を示す。本例に係る定着装置40は、図3の定着装置の定着ベルトに代えて転写定着ローラ41を設けたものである。
【実施例4】
【0059】
図6は、図4の画像形成装置に用いる定着装置の他の変形の実施例を示す。本例に係る定着装置50は、加熱装置として、前記例の誘電加熱源に替え、転写定着ローラ41の外部に設けたハロゲンヒータ等の輻射加熱源51で転写定着ローラ41を加熱するようにしたものである。本発明では、本例のように定着装置の加熱源として誘導加熱装置の他本例のように輻射加熱装置を使用することができる。この場合加熱ベルトの発熱層は、金属材料の他、ポリイミド等の耐熱樹脂材料を使用することができる。
【実施例5】
【0060】
図7も、図4の画像形成装置に用いる定着装置の他の変形の実施例を示す。本例に係る定着装置60は、加熱装置として、前記例の誘電加熱源に替え、転写定着ローラ61に設けたハロゲンヒータ等の輻射加熱源62で転写定着ローラ61を加熱するようにしたものである。
【実施例6】
【0061】
ところで上述した定着装置の加熱部で加熱されたトナーTを冷却する場合、定着ベルト120等の記録媒体Pと接する側における表面粗さがRz(十点平均粗さ)で0.01〜100μmとする。定着装置でトナー加熱後の冷却により定着面の光沢制御を行うが、トナーTのガラス転移温度をTgとするとき、非光沢時(光沢度<15%)にはその冷却温度TcをTc≧(Tg+70℃)、中光沢時(15%≦光沢度≦30%)には冷却温度Tcを(Tg+70)<Tc≦(Tg+20℃)、高光沢時(光沢度>30%)には冷却温度TcをTc<(Tg+20℃)とすれば良い。非光沢時(光沢度<15%)には冷却温度TcがTc≧(トナーTg+70℃)でトナーの溶融粘度が増大し、分離時においてトナーTは液状態から半固体状態に近くなる。このことによりトナーTの凝集力は高まり、ホットオフセットの問題はもちろんクリアーされる。ただし、逆にトナーTの溶融粘度が高くなったために分離時の剥離応力で乱れたトナーT表面のトナーの自己レベリング性が下がり、表面が分離時の乱れた状態のままになるので、乱反射が大きくなり非光沢となる。
【0062】
中光沢時(15%≦光沢度≦30%)にはその冷却温度Tcが(トナーTg+70)<Tc≦(Tg+20℃)であれば良い。トナーTの溶融粘度はさらに増大し、トナーTが非常に硬くなるので、分離時の剥離の応力で表面が荒れにくくなる。従って、トナー表面はあまり荒れた状態とはならず、トナーがレベリングしなくとも正反射の量が増えて中光沢となる。
【0063】
また高光沢時(光沢度>30%)にはその冷却温度TcがTc<(Tg+20℃)であれば良い。ここまで冷却されたトナーTは殆ど固体状態となっているので、定着面に密着していたトナー面は定着面の表面状態そのものがエンボスされた形態でセットされ分離時の剥離応力でトナー表面が乱れることは殆どなくなり、定着面の鏡面が転写され正反射が非常に強くなり、高光沢が発生する。
【0064】
従って、定着ベルト120等の定着面は非常に平滑である必要がある。例えば定着面の表面粗さがRzで100μm以下であれば、トナー表面に光沢が安定して得られる。この表面粗さは平滑であればあるほど良いが、測定上0.01〜100μmであれば問題なく光沢が得られる。従ってより好ましくは50μm以下、さらに好ましくは10μm以下、さらにいっそう好ましくは5μm以下とするのが良い。これらの性質を利用して冷却温度の範囲を限って光沢度の制御が可能であり、望みの光沢を得ることが可能となる。即ち、この冷却温度を可変にすることによりユーザーは好みの光沢を得ることが可能となる。
【0065】
また、冷却時間は長ければ長い程充分な効果が得られるが、装置の大きさには限りがあり、最低でも0.005秒以上であれば良いが、好ましくは0.01秒以上、さらに好ましくは0.1秒以上、さらにより好ましくは1秒以上、これよりさらに好ましくは2秒以上が良く、常識的には10秒以下が適当である。
【0066】
また本発明において、冷却手段は冷却できるのであれば空気吹き付けでも良いが、安定した温度を狙う意味では、ヒートパイプ、熱媒(冷媒)、ペルチェ素子等を挙げることができる。さらに、ジュールトムソン効果を利用したヒートポンプを併用しても良い。ヒートパイプは冷却による熱を放熱部において空冷し、ペルチェ素子においても冷却による熱を放熱部において空冷し、また熱媒(冷媒)においても放熱部で空冷して使用する。もちろんヒートポンプについても同様に放熱部において空冷して使用する。
【0067】
さらに、冷却温度制御を行う系で使用するトナーについては、分子量分布が2山以上であるか、DSCピークが2山以上のトナーであれば、本発明の実施に当たって光沢、非光沢を切り換えて使用する場合、冷却することで急激に光沢、非光沢が顕著に表れることも明らかとなった。これについては、トナーの分子量あるいは、DSCピークが2山以上であることで、冷却によりその境界において急激にトナーの粘度が変化し、固体状態に近づくことが影響していると考えられる。
【0068】
またさらに、本発明において加熱する場合、発熱体と定着ベルトの表面温度の差がある程度なければ熱の供給がうまくいかない。発熱体とベルトの温度差が大きいと熱の移動も速いがオーバーシュートも激しくなり、逆に温度差が小さいと温度変化に対する追従性が極端に悪くなる。本発明において発熱体と定着ベルト表面の温度差は5〜2000℃であれば良く、好ましくは50〜1800℃、さらに好ましくは100〜1500℃、より好ましくは200〜1000℃が良い。
【0069】
なお一般に、トナーは定着温度が低いほど離型性能が悪くなる。従って、図2、図3の実施例のようにベルトを用いて定着を行う構成の場合、ベルト120、130、特に定着ベルト120の材質は、含窒素耐熱樹脂とすることが好ましい。またその樹脂の一部にシリコン、PFAがグラフトされており、表面にこれらシリコン、PFAが配向してあると、よりすぐれた離型性能が得られて好ましい。
【実施例7】
【0070】
種々の実験例を説明する。なお下記の実験例1〜10は、図2の構成と図3の構成のそれぞれで行った。この時の消費電力差は、図2の装置構成の場合に比べ、図3の場合の方が約10%の省電力化が達成できた。
(実験例1)
トナー分子量1山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却なし
光沢度 5%
(実験例2)
トナー分子量1山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 200℃
冷却なし
光沢度 5%
(実験例3)
トナー分子量1山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 140℃
光沢度 10%
(実験例4)
トナー分子量1山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 130℃
光沢度 11%
(実験例5)
トナー分子量1山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 120℃
光沢度 12%
(実験例6)
トナー全体のTg 60℃
トナー分子量1山
トナーDCS1山
定着温度 180℃
冷却温度 110℃
光沢度 15%
(実験例7)
トナー分子量1山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 100℃
光沢度 18%
(実験例8)
トナー分子量1山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 90℃
光沢度 23%
(実験例9)
トナー分子量1山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 80℃
光沢度 30%
(実験例10)
トナー分子量1山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 70℃
光沢度 40%
(実験例11)
トナー分子量1山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 60℃
光沢度 45%
(実験例12)
トナー分子量1山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 50℃
光沢度 45%
(実験例13)
トナー分子量2山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 70℃
光沢度 62%
(実験例14)
トナー分子量2山
トナーDCS1山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 130℃
光沢度 5%
(実験例15)
トナー分子量1山
トナーDCS2山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 130℃
光沢度 4%
(実験例16)
トナー分子量1山
トナーDCS2山
トナー全体のTg 60℃
定着温度 180℃
冷却温度 70℃
光沢度 60%
以上の実験例より、冷却温度幅を制御することによって望みの光沢度を得ることが可能であることが明らかとなった。なお光沢発生の度合いはトナー特性により若干変化するが、制御温度をこれに合わせて可変制御することも可能であり、ユーザーによる設定で好みの光沢を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施対象となる画像形成装置の一構成例を示す概略図である。
【図2】本発明の実施対象となる定着装置の一構成例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施対象となる定着装置のその他の構成例を示す概略図である。
【図4】本発明の実施対象となる画像形成装置の他の構成例を示す概略図である。
【図5】図4の画像形成装置に用いる定着装置の変形の実施例を示す図である。
【図6】図4の画像形成装置に用いる定着装置の他の変形の実施例を示す図である。
【図7】図4の画像形成装置に用いる定着装置の他の変形の実施例を示す図である。
【図8】従来の電磁誘導加熱方式による定着装置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0072】
1:カラー複写機
1A:画像形成部
1B:給紙部
2:中間転写ベルト
3Y、3M、3C、3B:感光体
4:帯電装置
5:書き込み装置
6:現像装置
7:1次転写装置
8:クリーニング装置
9:駆動ローラ
10:従動ローラ
11:クリーニング装置
12:定着装置
13:転写定着ベルト
14:加圧ローラ
15:定着ローラ
16:給紙トレイ
17:給紙コロ
18:搬送ローラ対
19:レジストローラ対
20:誘導加熱源
40:定着装置
41:転写定着ローラ
50:定着装置
51:輻射加熱源
60:定着装置
61:転写定着ローラ
100Y〜100K:感光体
110:定着装置
120:定着ベルト
130:加圧ベルト
140:加圧固定板
200Y〜200K:作像系
300:中間転写体
500:2次転写装置
600:給紙部
700:レジストローラ
H:加熱体
H1:ヒートローラ
R1:定着ローラ
R2:ガイドローラ
R3:テンションローラ
R4、R6:ガイドローラ
R5:テンションローラ
P:記録媒体
P1:加圧ローラ
T:トナー
T1:転写ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却手段を備える定着装置で用いるトナーであって、前記冷却手段による冷却温度範囲に応じて光沢度を調整可能であることを特徴とするトナー。
【請求項2】
冷却手段を備える定着装置で用いるトナーであって、定着面上での加熱後の冷却によりその光沢を制御可能であり、その冷却温度Tcがトナーのガラス転移温度Tgとの関係で、非光沢時(光沢度<15%)にはTc≧(Tg+70℃)、中光沢時(15%≦光沢度≦30%)には(Tg+70℃)<Tc≦(Tg+20℃)、高光沢時(光沢度>30%)にはTc<(Tg+20℃)であることを特徴とするトナー。
【請求項3】
請求項1または2のトナーにおいて、冷却時間が0.005秒以上であることを特徴とするトナー。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかのトナーにおいて、分子量分布が2山以上であることを特徴とするトナー。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかのトナーにおいて、DSCピークが2山以上であることを特徴とするトナー。
【請求項6】
加熱手段と冷却手段とを備える定着装置であって、前記冷却手段が定着させるトナーの光沢度に応じて冷却温度を調整可能であることを特徴とする定着装置。
【請求項7】
加熱手段と冷却手段とを備える定着装置であって、定着面の表面粗さがRzで0.01〜100μmであり、加熱後の冷却により前記定着面上でのトナーの光沢制御を行うものであり、その冷却温度Tcがトナーのガラス転移温度Tgとの関係で、非光沢時(光沢度<15%)にはTc≧(Tg+70℃)、中光沢時(15%≦光沢度≦30%)には(Tg+70℃)<Tc≦(Tg+20℃)、高光沢時(光沢度>30%)にはTc<(Tg+20℃)であることを特徴とする定着装置。
【請求項8】
請求項6または7の定着装置において、前記冷却手段による冷却時間が0.005秒以上であることを特徴とする定着装置。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかの定着装置において、非光沢モード時には前記冷却手段による冷却を行わないことを特徴とする定着装置。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかの定着装置において、使用するトナーの分子量分布が2山以上であることを特徴とする定着装置。
【請求項11】
請求項6ないし10のいずれかの定着装置において、使用するトナーのDSCピークが2山以上であることを特徴とする定着装置。
【請求項12】
請求項6ないし11のいずれかの定着装置において、定着面の表面粗さがRz(十点平均粗さ)で0.01〜100μmであることを特徴とする定着装置。
【請求項13】
請求項6ないし12のいずれかの定着装置において、前記冷却手段がヒートパイプ、あるいは熱媒を通したローラあるいはペルチェ素子を有することを特徴とする定着装置。
【請求項14】
請求項6ないし13のいずれかの定着装置において、加熱方法がハロゲンヒータ、誘導加熱、面状発熱体のうち少なくとも一つを発熱体として使用していることを特徴とする定着装置。
【請求項15】
請求項6ないし14のいずれかの定着装置において、前記加熱手段が定着ベルトに転写したトナーを直接加熱するものであることを特徴とする定着装置。
【請求項16】
請求項15の定着装置において、前記定着ベルトの材質が含窒素耐熱樹脂であり、該樹脂の一部にシリコン、PFAがグラフトされており、表面にこれらシリコン、PFAが配向していることを特徴とする定着装置。
【請求項17】
請求項15または16の定着装置において、前記発熱体と前記定着ベルト表面の温度差を5〜2000℃としたことを特徴とする定着装置。
【請求項18】
請求項1ないし5のいずれかのトナーを用いる定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
請求項6ないし17のいずれかの定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−30248(P2006−30248A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204419(P2004−204419)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】