説明

トナーコンテナ

【課題】トナーコンテナにおいて、トナーを収容する収容部に対して装着されるカバーが外れることをより確実に防止する。
【解決手段】トナー排出口を閉鎖する際の姿勢である閉鎖姿勢とされたレバー2bに対してカバーを収容部に装着する際の装着方向の前側から当接してカバーの収容部に対する移動を規制する移動規制部3dを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーコンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタ等の画像形成装置では、特許文献1に示すように、画像形成の際に用いられるトナーを収容するトナーコンテナが設置されている。このトナーコンテナは、収容するトナーが消費された際に交換が可能なように画像形成装置に対して脱着可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−91888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、当該トナーコンテナは、トナーを収容する収容部に対してカバーが装着されている場合がある。このカバーにより、例えば、工場にて収容部にトナーを供給する際に用いられる供給孔が保護される。
【0005】
このようなカバーは、容易に取外しが出来ない構造にされていると共にユーザが取り外すものではないが、画像形成装置に装着されていないトナーコンテナをユーザが運搬時や画像形成装置の本体への装着時に強くぶつけたりすることによって収容部から落下する場合も考えられる。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、トナーコンテナにおいて、トナーを収容する収容部に対して装着されるカバーが外れることをより確実に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の発明は、画像形成装置に対して脱着可能とされると共に上記画像形成装置で用いられるトナーを収容するトナーコンテナであって、トナー排出口の開閉を行うレバーを有する共に上記トナーを収容する収容部と、上記収容部の一部を覆って上記収容部に対して装着されたカバーとを備え、上記カバーが、上記トナー排出口を閉鎖する際の姿勢である閉鎖姿勢とされた上記レバーに対して上記カバーを上記収容部に装着する際の装着方向の前側から当接して上記カバーの上記収容部に対する移動を規制する移動規制部を有するという構成を採用する。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記カバーが、当該カバーを上記収容部に装着するにあたり上記レバーと当接した上記移動規制部を上記レバーが通過する領域から移動可能に支持する可撓性支持部を有するという構成を採用する。
【0010】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記レバーは、上記カバーを上記収容部に装着するにあたり上記レバーと当接した上記移動規制部を上記レバーが通過する領域から逃げるように案内する案内部を有するという構成を採用する。
【0011】
第4の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記カバーが、上記トナー排出口を開放する際の姿勢である開放姿勢とされた上記レバーに対して上記カバーを上記収容部に装着する際の装着方向の前側から当接して上記カバーの上記収容部に対する移動を規制する第2移動規制部を有するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カバーが、トナー排出口を閉鎖する際の姿勢である閉鎖姿勢とされたレバーに対して当接する移動規制部を有している。
トナーコンテナが画像形成装置に対して取り外された状態では、トナー排出口が閉鎖されているため、レバーは必ず閉鎖姿勢となっている。このため、トナーコンテナが画像形成装置から取り外されている状態では、移動規制部がレバーに対して常に当接されている。
【0013】
また、本発明によれば、上記移動規制部が、カバーを収容部に装着する際の装着方向の前側からレバーに当接し、これによってカバーの収容部に対する移動が規制される。
このため、移動規制部によってカバーが収容部から外れる方向に移動することが防止される。
【0014】
つまり、本発明では、トナーコンテナが画像形成装置から取り外された状態では、常に移動規制部がレバーに対して当接されてカバーが収容部から外れる方向に移動することが防止される。
このため、本発明によれば、トナーコンテナにおいて、トナーを収容する収容部に対して装着されるカバーが外れることをより確実に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態におけるトナーコンテナの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるトナーコンテナが備えるカバーの正面図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるトナーコンテナが備える収容部の正面図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるトナーコンテナが備えるレバーの斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるトナーコンテナの正面図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるトナーコンテナの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係るトナーコンテナの一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0017】
図1は、本実施形態のトナーコンテナ1の斜視図であり、(a)が収容部2とカバー3とが組みつけられた状態を示し、(b)が収容部2とカバー3とが分解された状態を示している。
また、図2はカバー3の正面図であり、図3は収容部2の正面図である。
【0018】
本実施形態のトナーコンテナ1は、トナーを用いて画像形成を行う画像形成装置(例えば、レーザプリンタ等)に対して脱着可能とされて交換可能とされており、上記トナーを収容すると共に画像形成装置に対してトナーを供給するものである。
そして、トナーコンテナ1は、図1に示すように、収容部2とカバー3とを備えている。
【0019】
収容部2は、実際にトナーを収容する部位であり、内部にトナーを収容する筐体と、当該筐体の内部に収容されると共に当該筐体に収容されたトナーを外部(画像形成装置)に供給するための供給部(スクリューコンベヤーや供給ローラー等)が収容されている。
【0020】
また、収容部2は、外部(画像形成装置)と接続されると共にトナーを排出するトナー排出口2aを備えている。
このトナー排出口2aは、図1に示すように、収容部2のうち、カバー3にて覆われる側に設けられている。
【0021】
そして、本実施形態のトナーコンテナ1において収容部2は、上記トナー排出口2aの開閉を行うレバー2bを備えている。
図4は、レバー2bの斜視図である。この図に示すように、レバー2bは、ユーザが摘む摘み部2cと、レバー2bの回動中心となる軸部2dと、摘み部2cと軸部2dとを連結するアーム部2eと、後述の移動規制突起3d(移動規制部)を案内する案内部2fとを備えている。
【0022】
なお、案内部2fは、摘み部2cの上部に設けられており、カバー3側から収容部2の筐体に向かうに連れて上向く傾斜面2f1を有している。
この案内部2fは、カバー3を収容部2の装着にあたりレバー2bと当接した移動規制突起3dをレバー2bが通過する領域から逃げるように案内するものである。
【0023】
このようなレバー2bは、摘み部2cをユーザが摘むと共に回動することによって、軸部2dを中心として回動して姿勢を変更する。
そして、図1(b)及び図3に示すように、摘み部2cが上方に位置するレバー2bの姿勢が、トナー排出口2aが閉鎖される閉鎖姿勢である。また、閉鎖姿勢から左回転に90°回動された姿勢がトナー排出口2aが開放される開放姿勢である。
【0024】
なお、収容部2には、レバー2bの姿勢と連動せずに、トナーコンテナ1が画像形成装置に装着された場合のみトナー排出口2aを開放する扉部材が設けられており、仮にトナーコンテナ1が画像形成装置に装着されていない状態でレバー2bが回動されてもトナーが漏れでない構成が採用されている。
【0025】
カバー3は、収容部2の前側(画像形成装置に装着された際にユーザ側に向けられる側)を覆って収容部2に対して装着されるものであり、工場にて収容部2にトナーを供給する際に用いられる供給孔を保護している。
【0026】
このカバー3は、図1及び図2に示すように、係止部3aと、摘み部通過孔3bと、アーム部移動領域3cと、移動規制突起3dと、移動規制片3e(第2移動規制部)とを備えている。
【0027】
係止部3aは、収容部2の側面に設けられた突起に対して係止することによってカバー3を収容部2に対して固定するものであり、図1(b)に示すように、カバー3に対して複数設けられている。
【0028】
摘み部通過孔3bは、カバー3を収容部2に対して装着する際にレバー2bの摘み部2cが通過する領域であり、カバー3の正面に設けられている。
なお、摘み部通過孔3bは、レバー2bが閉鎖姿勢である場合に摘み部2cが通過位置に形成されている。
【0029】
アーム部移動領域3cは、摘み部通過孔3bに接続されており、レバー2bが回動される際にレバー2bのアーム部2eが通過するための領域である。
【0030】
移動規制突起3dは、閉鎖姿勢とされたレバー2bに対して当接するものである。図5(収容部2とカバー3とが組み立てられた状態の正面図)及び図6(収容部2とカバー3とが組み立てられた状態の断面図)に示すように、カバー3を収容部2に装着する際の装着方向(矢印方向)の前側(トナーコンテナ1を正面から見た際の後側)から当接し、これによってカバー3の収容部2に対する移動を規制する。
この移動規制突起3dは、外部から力が作用していない場合には、図2に示すように、カバー3の摘み部通過孔3bの上部に露出するように配置されている。
【0031】
この移動規制突起3dは、図6に示すように、カバー3が備える可撓性支持部3fに支持されることによって下方に突出して配置されている。
この可撓性支持部3fは、外力が作用することによって撓む厚さで形成された板状部材であり、カバー3を収容部2に装着するにあたりレバー2bと当接した移動規制突起3dをレバーが通過する領域から上方に移動可能に支持する。
【0032】
移動規制片3eは、アーム部移動領域3cに沿って設けられており、開放姿勢あるいは閉鎖姿勢から開放姿勢に至る姿勢とされたレバー2bに対してカバー3を収容部2に装着する際の装着方向の前側から当接してカバー3の収容部2に対する移動を規制するものである。
【0033】
以上のような構成を有する本実施形態のトナーコンテナ1においては、カバー3が、閉鎖姿勢とされたレバー2bに対して当接する移動規制突起3dを有している。
トナーコンテナ1が画像形成装置に対して取り外された状態では、トナー排出口2aが閉鎖されているため、レバー2bは必ず閉鎖姿勢となっている。このため、トナーコンテナ1が画像形成装置から取り外されている状態では、移動規制突起3dがレバー2bに対して常に当接されている。
【0034】
また、本実施形態のトナーコンテナ1によれば、上記移動規制突起3dが、カバー3を収容部2に装着する際の装着方向の前側からレバー2bに当接し、これによってカバー3の収容部2に対する移動が規制される。
このため、移動規制突起3dによってカバー3が収容部2から外れる方向に移動することが防止される。
【0035】
したがって、本実施形態のトナーコンテナ1では、トナーコンテナ1が画像形成装置から取り外された状態では、常に移動規制突起3dがレバー2bに対して当接されてカバー3が収容部2から外れる方向に移動することが防止される。
このため、本実施形態のトナーコンテナ1によれば、トナーを収容する収容部2に対して装着されるカバー3が外れることをより確実に防止することが可能となる。
【0036】
また、本実施形態のトナーコンテナ1では、可撓性支持部3fは、カバー3を収容部2に装着するにあたりレバー2bと当接した移動規制突起3dをレバー2bが通過する領域から上方に移動可能に支持する。
また、本実施形態のトナーコンテナ1では、案内部2fは、カバー3を収容部2の装着にあたりレバー2bと当接した移動規制突起3dをレバー2bが通過する領域から逃げるように案内する。
このため、カバー3を収容部2に対して装着する際に、移動規制突起3dをレバー2b(摘み部2c)の通過領域から移動させることができ、スムーズにカバー3を収容部2に装着することができる。
なお、案内部2fが移動規制突起3dを通過すると、可撓性支持部3fが元の形状に復帰し、移動規制突起3dがレバー2bに装着方向の前側から当接することとなり、カバー3が抜け難くなる。
【0037】
また、本実施形態のトナーコンテナ1では、移動規制片3eは、アーム部移動領域3cに沿って設けられており、開放姿勢とされたレバー2bに対してカバー3を収容部2に装着する際の装着方向の前側から当接してカバー3の収容部2に対する移動を規制する。
このため、トナーコンテナ1が画像形成装置に対して装着され、レバー2bが開放姿勢とされた場合であっても、カバー3を収容部2から抜け難くすることが可能となる。
【0038】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1……トナーコンテナ、2……収容部、2a……トナー排出口、2b……レバー、2c……摘み部、2d……軸部、2e……アーム部、2f……案内部、2f1……傾斜面、3……カバー、3a……係止部、3b……摘み部通過孔、3c……アーム部移動領域、3d……移動規制突起(移動規制部)、3e……移動規制片(第2移動規制部)、3f……可撓性支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に対して脱着可能とされると共に前記画像形成装置で用いられるトナーを収容するトナーコンテナであって、
トナー排出口の開閉を行うレバーを有する共に前記トナーを収容する収容部と、
前記収容部の一部を覆って前記収容部に対して装着されたカバーとを備え、
前記カバーは、前記トナー排出口を閉鎖する際の姿勢である閉鎖姿勢とされた前記レバーに対して前記カバーを前記収容部に装着する際の装着方向の前側から当接して前記カバーの前記収容部に対する移動を規制する移動規制部を有する
ことを特徴とするトナーコンテナ。
【請求項2】
前記カバーは、当該カバーを前記収容部に装着するにあたり前記レバーと当接した前記移動規制部を前記レバーが通過する領域から移動可能に支持する可撓性支持部を有することを特徴とする請求項1記載のトナーコンテナ。
【請求項3】
前記レバーは、前記カバーを前記収容部に装着するにあたり前記レバーと当接した前記移動規制部を前記レバーが通過する領域から逃げるように案内する案内部を有することを特徴とする請求項1または2記載のトナーコンテナ。
【請求項4】
前記カバーは、前記トナー排出口を開放する際の姿勢である開放姿勢とされた前記レバーに対して前記カバーを前記収容部に装着する際の装着方向の前側から当接して前記カバーの前記収容部に対する移動を規制する第2移動規制部を有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のトナーコンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−173352(P2012−173352A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32447(P2011−32447)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】