説明

トナー像の画像ずれ補正装置、画像形成システム

【課題】電子写真方式の画像形成装置同士を接続した場合において、双方の両画像形成装置のトナー像の画像ずれを補正するトナー像の画像ずれ補正装置を提供すること。
【解決手段】第1の搬送ベルト114と第2の搬送ベルト208との双方に接触可能に且つ回転可能に設けられ、第1の搬送ベルト114で搬送された第1のトナー像と第2の搬送ベルト208で搬送された第2のトナー像とが転写される被転写搬送ベルト303と、被転写搬送ベルト303に転写された第1のトナー像と第2のトナー像とを検出する検出部304と、検出部304の検出情報を用いて、第1のトナー像と前記第2のトナー像との画像ずれ量を検出し、該画像ずれ量から画像ずれを補正可能に第1の画像形成装置1と第2の画像形成装置2の動作を制御させる画像ずれ補正制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置同士を接続した場合において、双方の両画像形成装置のトナー像の画像ずれを補正するトナー像の画像ずれ補正装置、その補正装置を備えた画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置で用いられるトナーは、一般的に、モノクロ画像の場合はブラック1色のみ、フルカラー画像の場合はブラック・マゼンタ・シアン・イエローの基本4色であるが、その他に、画像に光沢感を与えるトナーや、立体感を出すトナー、あるいは、金属色(金・銀など)のトナー、白色のトナー等、特殊なトナーがある。
【0003】
光沢感に関しては、例えば、カラー画像を形成したシート材上に透明トナーのトナー像を追加で転写・定着することで光沢を付与している(例えば特許文献1参照)。
立体感に関しては、例えば、発泡剤を含有したトナーを用いることで点字など立体感のある画像形成を可能にしている(例えば特許文献2参照)。
金属色に関しては、例えば、上述した従来の4色に加えて金属色の現像装置を追加することで金属色の画像形成を可能にしている(例えば特許文献3参照)。
【0004】
これら特殊なトナーを併用するために、特許文献3のように5つ目の現像装置を追加すると、画像形成装置が大型化してしまう。もっとも、これらの特殊トナーの併用を必要としないユーザにとって余計な機能であり望ましくない。
【0005】
そこで、特殊トナーの画像形成装置(第2装置)を基本4色の画像形成装置(第1装置)から独立させて、オプションとして着脱可能にしたものが提案されている(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)。
【0006】
特許文献6では、湿式現像で有色の画像を形成する第1装置の下流に、透明な乾式トナーで光沢を付与する第2装置が連結されたものが開示されている。
また特許文献4、特許文献5、特許文献6では、発泡性トナーなどの特殊トナーで立体感などを付与する第2装置を、オプションとして第1装置の下や横に組み込める構成のものが開示されている。
【0007】
これらのように、特殊トナーの画像形成装置を独立させると、第1装置と第2装置で転写紙や転写フィルム等のシート材上の画像位置がずれるという問題がある。もっとも、透明トナーで光沢感の付与する場合、シート材の全面に均一に透明トナーを付着させる場合が多く、上記のような特殊トナーの画像ずれは問題にされていなかったが、今後は、局所的に光沢感や立体感を付与するなどより高度な要望が増えると予想され、基本4色(第1装置)の画像と特殊トナー(第2装置)の画像とを精度良く位置合わせすることが重要となる。
【0008】
その一方で、基本4色のトナーを用いる単一の画像形成装置でも、色ごとに画像を形成する位置がずれるという問題点があった。その対策として色ずれ補正が広く行われている。例えば、中間転写ベルト上に位置検出用の画像パターンを形成し、その検出結果に基づきトナー像の画像ずれ量を検出し、色ずれ補正を行っている(例えば特許文献7参照)。また、搬送ベルトを有する構成では、搬送ベルト上に同様の画像パターンを形成して画像ずれ量を検出し、色ずれ補正を行うことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特殊トナーを用いる画像形成装置(第2装置)を基本4色のトナーを用いる画像形成装置(第1装置)から独立させて、オプションとして着脱可能にした構成では、中間転写ベルトや搬送ベルトなどの搬送系が装置間で跨っていないことから、特許文献7の技術を用いて、画像ずれ量を検出し、画像ずれ補正を行うことはできない。しかも、透明トナーを始めとした様々な特殊トナーの画像を確実に検出可能にする必要がある。
そこで本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決できるトナー像の画像ずれ補正装置、画像形成システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明にかかるトナー像の画像ずれ補正装置、画像形成システムは、下記の技術的手段を講じた。
請求項1にかかる発明は、第1のトナー像を搬送させる第1の搬送体を備えた第1の画像形成装置により形成される第1のトナー像と、第2のトナー像を搬送させる第2の搬送体を備え前記第1の画像形成装置に併設された第2の画像形成装置により形成される第2のトナー像とで構成されるトナー像の画像ずれを補正させるトナー像の画像ずれ補正装置あって、前記第1の搬送体と前記第2の搬送体との双方に接触可能に且つ回転可能に設けられ、前記第1の搬送体で搬送された前記第1のトナー像と前記第2の搬送体で搬送された前記第2のトナー像とが転写される被転写体と、前記被転写体に転写された前記第1のトナー像と前記第2のトナー像とを検出する検出部と、前記検出部の検出情報を用いて、前記第1のトナー像と前記第2のトナー像との画像ずれ量を検出し、該画像ずれ量から画像ずれを補正可能に、前記第2の画像形成装置の動作を制御、または、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置の双方の動作を制御させる画像ずれ補正制御部と、を備えたトナー像の画像ずれ補正装置を特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1において、前記被転写体に接するように設けられ、前記被転写体から前記第1のトナー像と前記第2のトナー像とを除去可能なクリーニング部を備えたことを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項2において、前記クリーニング部と前記被転写体とが共通のケースで支持されて、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対して着脱可能なカートリッジに構成されていることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3の何れか1項において、前記被転写体と、前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体とが、接触状態から非接触状態可能に構成され、前記画像ずれ補正制御部は、画像ずれ補正動作の実行時に、前記被転写体と前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体とを接触状態にさせ、画像ずれ補正動作の非実行時は、前記被転写体と前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体とが非接触状態にさせる制御を行うことを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項4において、前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体は、前記被転写体との接触状態から非接触状態可能に設けられていることを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項4において、前記被転写体は、前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体との接触状態から非接触状態可能に設けられていることを特徴とする。
請求項7にかかる発明は、請求項4において、前記被転写体と前記第2の搬送体が、夫々、駆動ローラと従動ローラとに掛け渡されたベルト状に構成され、前記被転写体を掛け渡した従動ローラが、前記被転写体と前記第1の搬送体との接触状態から非接触状態可能に移動可能に設けられ、前記第2の搬送体を掛け渡した従動ローラが、前記被転写体と前記第2の搬送体との接触状態から非接触状態可能に移動可能に設けられていることを特徴とする。
請求項8にかかる発明は、請求項4において、前記被転写体が、駆動ローラと複数の従動ローラとに掛け渡されたベルト状に構成され、複数の前記従動ローラは、前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体への接触側とさせると共に、前記第1の搬送体と前記第2の搬送体との接触状態から非接触状態可能に移動可能に設けられていることを特徴とする。
請求項9にかかる発明は、請求項1乃至6の何れか1項において、前記被転写体は、駆動ローラと従動ローラとに掛け渡されたベルト状に構成されていることを特徴とする。
請求項10にかかる発明は、請求項1乃至9の何れか1項に記載のトナー像の画像ずれ補正装置と、前記第1の画像形成装置と、前記第2の画像形成装置とを備えた画像形成システムを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、中間転写ベルトや搬送ベルトなどの搬送系が装置間で跨っていなくても、画像ずれ量を検出し、画像ずれ補正を行うことができる。しかも、透明トナーを始めとした様々な特殊トナーの画像を確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1にかかる画像形成システムの構成を示す模式的な縦断正面図である。
【図2】トナー像の画像ずれ補正動作時における、第1の搬送ベルト及び第2の搬送ベルトと被転写搬送ベルトとの接触状態を示す模式図である。
【図3】第1のトナー像と第2のトナー像が転写された状態の被転写搬送ベルトの部分平面図である。
【図4】実施の形態2にかかる画像形成システムの構成を示す模式的な縦断正面図である。
【図5】実施の形態3にかかる画像形成システムのトナー像の画像ずれ補正動作時における、第1の搬送ベルト及び第2の搬送ベルトと被転写搬送ベルトとの接触状態を示す模式図その1である。
【図6】実施の形態3にかかる画像形成システムのトナー像の画像ずれ補正動作時における、第1の搬送ベルト及び第2の搬送ベルトと被転写搬送ベルトとの接触状態を示す模式図その2である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明にかかる画像形成システムの実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる画像形成システムは、ブラック・マゼンタ・シアン・イエローの基本4色のトナーを用いる上流側の第1の画像形成装置1と、下流側の第2の画像形成装置2と、本発明の要部であるトナー像の画像ずれ補正装置3とを備えて構成される。
【0014】
第1の画像形成装置1は、図1に示すように、画像形成ユニットと、書き込みユニット105と、中間転写ユニットと、転写搬送ユニットと、定着ユニットと、給紙部とを備える。
【0015】
画像形成ユニットは、反時計回りに回転可能に設けられた感光ドラム101と、その周囲に配置された構成体とを備える。この構成体は、感光ドラム101の外周面最低部近傍を感光ドラム101上のトナー像を中間転写ベルト109(後述する)へ転写させる転写位置とし、その転写位置を基準にして、反時計回りに順に、感光ドラム101の周面上の残留トナー、キャリア、紙粉等の不要物を除去させるクリーニング器102と、感光ドラム101の周面から所要の空隙が形成されるように回転可能に設けられ、図示しない帯電バイアス印加手段から直流電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスをかけて感光ドラム101の周面上を一様に帯電させる帯電ローラ103と、重合トナーとキャリアからなる2成分現像剤を搬送させて感光ドラム101の周面上に形成された静電潜像をトナー像に現像させる現像器104とが配設されてなる。
この画像形成ユニットは、横方向に所定の間隔をおいて4つ設けられており、図1において、左から右に向かって順に、イエロートナー像用、マゼンタトナー像用、シアントナー像用、ブラックトナー像用の画像形成ユニットになっている。図1中、感光ドラム101内に、イエロートナー像用画像形成ユニットをY、マゼンタトナー像用画像形成ユニットをM、シアントナー像用画像形成ユニットをC、ブラックトナー像用画像形成ユニットをBとして示す。
【0016】
書き込みユニット105は、画像形成ユニットの上方に設けられており、帯電ローラ103と現像器104との間に形成された開口部を介して、主走査方向の走査光を回転中の感光ドラム101に照射して、画像データに基づいた静電潜像を形成するようになっている。
【0017】
中間転写ユニットは、駆動ローラ106と従動ローラ107と2次転写対向ローラ108とが略逆三角形状に配置されたローラ部に、画像形成ユニットに沿うように掛け渡された時計回りに回転可能な中間転写ベルト109と、その中間転写ベルト109を挟んで各感光ドラム101と対向するように設けられ各感光ドラム101に形成されたトナー像を中間転写ベルト109に転写させる1次転写ローラ110と、2次転写対向ローラ108と従動ローラ107との間に中間転写ベルト109上の残留トナー、キャリア、紙粉等の不要物を除去させるクリーニング器111とを備える。
【0018】
転写搬送ユニットは、2次転写対向ローラ108を左右方向の略中心として左方に設けられた第1の駆動ローラ112と、右方に設けられた第1の従動ローラ113とに掛け渡されシート材を搬送させる反時計回りに回転可能な第1の搬送ベルト114(第1の搬送体)と、その第1の搬送ベルト114及び中間転写ベルト109を挟んで2次転写対向ローラ108と対向するように設けられ中間転写ベルト109に転写されたトナー像を第1の搬送ベルト114上のシート材に転写させる、または、画像ずれ補正の際に第1のトナー像(テストパターン)を転写させる2次転写ローラ115と、所定のタイミングで第1の搬送ベルト114へシート材を送り出すレジストローラ116と、後述する給紙部からのシートをレジストローラ116へ搬送させると共に、後述の定着ユニットでトナー像が定着されたシートを、排出口118を介して装置外へ排出させる搬送ローラ117とを備える。
【0019】
このうち、第1の搬送ベルト114(第1の搬送体)を掛け渡した第1の駆動ローラ112は、図示しない駆動手段により下方に移動可能になっており、第1の搬送ベルト114(第1の搬送体)と後述する被転写搬送ベルト303(被転写体)とが接触可能になっている。なお、通常の画像形成時は、第1の搬送ベルト114と被転写搬送ベルト303とが離れており(非接触状態)、トナー像の画像ずれ補正の際に、第1の搬送ベルト114と被転写搬送ベルト303とが接する(接触状態)ようになっている(図1、図2)。
【0020】
また、第1の駆動ローラ112を、図1において左方に配置し、第1の搬送ベルト114を反時計回りに回転し、中間転写ベルト109を時計回りに回転するように構成したことで、第1の搬送ベルト114の上側がベルト引っ張り側となり、良好な二次転写とシート材搬送(トナー像搬送)が可能となる。なお、第1の駆動ローラ112を、図1において右方に配置して、第1の搬送ベルト114の下側をベルト引っ張り側とした場合、第1の搬送ベルト114の上側が圧縮側となって、良好な二次転写とシート材搬送(トナー像搬送)が期待できない。
【0021】
この第1の搬送ベルト114は、体積抵抗率1010〜1015Ω・cm、表面抵抗率1010〜1015Ω/□の無端ベルトであり、例えば、変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネイト、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した厚さ0.1〜1.0mmの半導電性フィルム基体の外側に、トナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った2層構成のシームレスベルトが挙げられる。転写ベルトの基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。
【0022】
また、2次転写ローラ115としては、金属性ローラか、あるいは芯金の周りに、体積抵抗率1×105Ω・cm〜1×1012Ω・cm、厚さ2mm〜10mm、ゴム硬度10度〜100度の導電性の弾性層が被覆されているものなどが挙げられる。なお、この弾性層は発泡性であってもよい。
【0023】
定着ユニットは、内部に加熱源を備えた定着ローラ119と、その定着ローラ119の長手方向に亘って回転可能に合わされた加圧ローラ120とを備え、第1の搬送ベルト114で搬送されたシート材を受け入れ、そのシート材に熱と圧力を加えることで、未定着の基本色トナー像が溶融・固化してシート材に定着するようになっている。
【0024】
給紙部は、第1の画像形成装置1の下部に配置されシート材Sが収容される給紙トレイ121と、その給紙トレイ121に収容されたシート材Sを1枚ずつ取り出して送り出す給紙ローラ122とを備える。
【0025】
以上のように構成された第1の画像形成装置1の一連の動作を説明する。
感光ドラム101が、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転し、その感光ドラム101の周面が帯電ローラ103によって所定の極性に一様に帯電する。書き込みユニット105から帯電した感光ドラム101の表面に向かって走査光が照射し、これによって感光ドラム101の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光ドラム101に露光される画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。この静電潜像を現像器104がトナー像として可視化する。
【0026】
また、中間転写ベルト109が、図中、時計回りに回転し、各画像形成ユニットにおいて1次転写ローラ110の作用により感光ドラム101から中間転写ベルト109に各色トナー像が順次重ね転写する。このようにして中間転写ベルト109の表面にフルカラーのトナー像が形成される。なお、各画像形成ユニットのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、複数の各画像形成ユニットのいずれか2つまたは3つを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。モノクロプリントの場合は、4個の画像形成ユニットのうち、図の一番右側のブラック用の画像形成ユニットを用いて画像形成を行う。
【0027】
上記の動作と前後して、給紙ローラ122により給紙トレイ121から白色の転写紙からなるシート材の搬送を開始する。搬送を開始したシート材は、中間転写ベルト109上に担持されたトナー像の移動に合わせて、レジストローラ116によって2次転写位置に向けて送り出され、反時計回りに回転している第1の搬送ベルト114に乗って移動し、2次転写ローラ115によって中間転写ベルト109表面のトナー像が転写される。トナー像を担持したシート材は、第1の搬送ベルト114により定着ユニットへ送られ、熱と圧力によってトナー像がシート材に熔融定着され、排出口を介して第2の画像形成装置2に送られる。
【0028】
また、この第1の画像形成装置1は、画像ずれ補正動作の際、各画像形成ユニットを用いて第1のトナー画像を形成し、その第1のトナー画像を中間転写ベルト109に転写し、その中間転写ベルト109上の第1のトナー画像を第1の搬送ベルト114に直接転写するようになっている。この画像ずれ補正動作の詳細は後述する。
【0029】
第2の画像形成装置2は、図1に示すように、画像形成ユニットと、書き込みユニット205と、転写搬送ユニットと、定着ユニットと、トナー像の画像ずれ補正装置3とを備え、第1の画像形成装置1の排出口118を介して排出されたシート材を受け入れ口212を介して受け入れ可能に、第1の画像形成装置1に対して切り離し可能に連結される。この第2の画像形成装置2と、第1の画像形成装置1は、切り離すことで、夫々が独立して画像形成動作が可能になっている。
また、この第2の画像形成装置2で用いられるトナーは、未定着時が白色で定着後に透明となるトナー、または、未定着時と定着後共に白色であるトナー、あるいは、立体感を出すトナー、金属色(金・銀など)のトナー等、特殊トナーである。
【0030】
画像形成ユニットは、感光ドラム201に対して回転方向が逆であること、クリーニング器202、帯電ローラ203、現像器204の配置が逆になっていること以外、上述した第1の画像形成装置1の画像形成ユニットと実質的に同一の構成になっている。特殊トナー像用画像形成ユニットをCLとして示す。
【0031】
書き込みユニット205は、上述した第1の画像形成装置1の書き込みユニット105と実質的に同じものであり、帯電ローラ203と現像器204との間に形成された開口部を介して、主走査方向の走査光を回転中の感光ドラム201に照射して、画像データに基づいた静電潜像を形成するようになっている。
【0032】
転写搬送ユニットは、感光ドラムを左右方向の略中心として左方に設けられた第2の駆動ローラ206と右方に設けられた第2の従動ローラ207とに掛け渡されシート材を搬送させる反時計回りに回転可能な第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)と、その第2の搬送ベルト208を挟んで感光ドラムと対向するように設けられ感光ドラムに形成されたトナー像を第2の搬送ベルト208上のシート材に転写させる転写ニップN(転写部)を形成させる転写ローラ209と、所定のタイミングで第2の搬送ベルト208へシート材を送り出すレジストローラ210と、後述の定着ユニットでトナー像が定着されたシートを、排出口を介して装置外へ排出させる搬送ローラ211とを備え、感光ドラム201に形成された透明や白色等の特殊トナー像を、第2の搬送ベルト208上のシート材(第1の画像形成装置1で第1のトナー像が定着されたシート材)に、直接に転写するようになっている。なお、このうち、第2の搬送ベルト208と転写ローラ209の構成は、上述した第1の画像形成装置1の第1の搬送ベルト114と2次転写ローラ115と実質的に同じものである。
【0033】
このうち、第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)を掛け渡した第2の従動ローラ207は、図示しない駆動手段により下方に移動可能になっており、第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)と後述する被転写搬送ベルト303(被転写体)とが接触可能になっている。なお、通常の画像形成時は、第2の搬送ベルト208と被転写搬送ベルト303とが離れており(非接触状態)、トナー像の画像ずれ補正の際に、第2の搬送ベルト208と被転写搬送ベルト303とが接する(接触状態)ようになっている。
【0034】
定着ユニットは、内部に加熱源を備えた定着体としての定着ローラ213と、その定着ローラ213の長手方向に亘って回転可能に合わされた加圧ローラ214とを備え、第2の搬送ベルト208で搬送されたシート材を受け入れ、そのシート材に熱と圧力を加えることで、未定着の特殊トナー像が溶融・固化してシート材に定着するようになっている。
【0035】
以上のように構成された第2の画像形成装置2の一連の画像形成にかかる動作を説明する。
感光ドラム201が、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転し、その感光ドラム201の周面が帯電ローラ203によって所定の極性に一様に帯電する。書き込みユニット205から帯電した感光ドラム201の表面に向かって走査光が照射し、これによって感光ドラム201の表面に静電潜像が形成される。このとき、感光ドラム201に露光される画像情報は、第1の画像形成装置1で形成されたトナー像に重ね合わせる所望画像の画像情報である。この静電潜像を現像器204が特殊トナーを用いて現像する。
【0036】
上記の動作と前後して、第1の画像形成装置1から排出された基本色トナー像が定着されたシート材を受け入れ、レジストローラ210によってそのシート材の移動をいったん停止、待機させる。
シート材は、感光ドラム201上に担持されたトナー像の移動に合わせて、レジストローラ210によって定着ニップNに向けて第2の搬送ベルト208に送り出され、転写ローラ209によって感光ドラム201上の特殊トナー像が転写される。特殊トナー像を担持したシート材は、定着ユニットへ送られ、熱と圧力によって特殊トナー像(例えば透明または白色)がシート材に熔融定着され、排出口を介して第2の画像形成装置2外に排出される。
【0037】
次に本発明の要部であるトナー像の画像ずれ補正装置3を詳述する。
実施の形態1にかかるトナー像の画像ずれ補正装置3は、図1に示すように、被転写部と、検出部304と、クリーニング部307と、画像ずれ補正制御部とを備える。
【0038】
被転写部は、第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)を掛け渡した第2の従動ローラ207の最下部近傍と対向するように設けられ図示しない駆動モータで回転駆動される第2のトナー像用転写ローラ301と、第1の搬送ベルト114(第1の搬送体)を掛け渡した第1の駆動ローラ112の最下部近傍と対向するように設けられた従動回転可能な第1のトナー像用転写ローラ302と、第1のトナー像用転写ローラ302と第2のトナー像用転写ローラ301とに掛け渡され反時計回り回転可能な非白色の被転写搬送ベルト303(被転写体)とを備えて構成される。
【0039】
この被転写搬送ベルト303と、第1の搬送ベルト114及び第2の搬送ベルト208は、第1の駆動ローラ112と第2の従動ローラ207が下方に移動することでベルト同士が接触し、第1の画像形成装置1で形成された第1の搬送ベルト114上の第1のトナー像が第1のトナー像用転写ローラ302によって被転写搬送ベルト303上に転写されると共に、第2の画像形成装置2で形成された第2の搬送ベルト208上の第2のトナー像が第2のトナー像用転写ローラ301によって被転写搬送ベルト303上に転写されるようになっている。さらに、第1の駆動ローラ112と第2の従動ローラ207が元の位置に戻ることでベルト同士が離れるようになっている。
【0040】
このうち、被転写搬送ベルト303の具体的な構成例としては、上述した第1の搬送ベルト114と同じであり、例えば、体積抵抗率1010〜1015Ω・cm、表面抵抗率1010〜1015Ω/□の無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネイト、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電性を付与する目的で、例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化錫、リチウム塩、四級アンモニウム塩等の各種導電剤を添加した、厚さ0.1〜1.0mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシームレスベルトが挙げられる。位置合わせベルトの基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。
【0041】
検出部304は、被転写搬送ベルト303の下側ベルト表面に検出面が向くように設けられ、発光素子305と拡散反射光をディテクトする受光素子306とを備えた反射型光学センサを備え、搬送中の第1のトナー像と後述する第1の画像形成装置1で形成された第2のトナー像を検出するようになっている。なお、本実施の形態では、図3に示すように、被転写搬送ベルト303の主走査方向の中央部と両端部に夫々に反射型光学センサが設けられている。
【0042】
すなわち、被転写搬送ベルト303上のトナー像の部分と、トナー像から外れた部分とで光沢度が異なっており、被転写搬送ベルト303上にトナーがある部分は、トナーがない部分に比べて乱反射が多い。その変化を読むことにより、被転写搬送ベルト303上のトナー像の位置を知ることができる。なお、本実施形態では拡散反射光をディテクトする構成を示したが、正反射光受光素子を用いて正反射光をディテクトする構成でも良い。
発光素子305としては、LEDや、ピーク発光波長が950nmのGaAs発光ダイオードが挙げられる。受光素子306としては、ピーク分光感度波長が800nmのSiフォトトランジスタ、PD(フォトダイオード)などが挙げられる。
【0043】
クリーニング部307は、検出部304の近傍、且つ、被転写搬送ベルト303の回転下流側に、被転写搬送ベルト303に接するように設けられ、検出部304で検出された被転写搬送ベルト303上の第1のトナー像と第2のトナー像とを掻き取るブレードと、被転写搬送ベルト303を挟んでブレードを受けるように回転可能に設けられたベルトクリーニング対向ローラとを備え、ブレードで掻き取ったトナーを図示しない回収ボトルへ搬送可能に構成されている。
また、このクリーニング部307と被転写部と検出部304は、共通のケースで支持されており、第1の画像形成装置1と第2の画像形成装置2に対して、着脱可能なカートリッジに構成されている。
なお、本実施の形態では、ブレードで第2のトナー像を掻き取るようにしているが、ファーブラシローラ、磁気ブラシクリーニング方式であっても良い。
【0044】
画像ずれ補正制御部は、検出部304の検出情報を用いて、第1のトナー像と第2のトナー像との画像ずれ量を検出し、その画像ずれ量から画像ずれを補正可能に第1の画像形成装置1と第2の画像形成装置2との双方の動作を制御させるようになっており、この画像ずれ補正動作は、連結時おける第1の画像形成装置1と第2の画像形成装置2の主電源投入時、連結時における待機モードへの移行時、連結時における画像形成枚数の所定枚数毎等に適宜実行されるようになっている。この画像ずれ補正制御部による画像ずれ補正動作の詳細は、以下の動作説明をもって代えるものとする。
【0045】
次に、トナー像の画像ずれ補正装置3の一連の動作を説明する。
先ず、第1の画像形成装置1によって第1のトナー像の形成を開始する。すなわち、第1の画像形成装置1の各画像形成ユニットが、夫々、主走査方向に伸びた直線と斜線との一対のトナー像が主走査方向の中央と両端に形成されるように、ブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナー像の画像形成を同時に開始する。
【0046】
これと前後して、第2の画像形成装置2によって第2のトナー像の形成を開始する。すなわち、第2の画像形成装置2の画像形成ユニットが、主走査方向に伸びた直線と斜線との一対のトナー像が主走査方向の中央と両端に形成されるように、特殊トナー像の画像形成を開始する。
この画像形成の開始と共に、中間転写ベルト109は時計回りに回転し、第1の搬送ベルト114と第2の搬送ベルト208は反時計回りに回転し、被転写搬送ベルト303は、時計回りに回転を開始する。
【0047】
また、第1の搬送ベルト114(第1の搬送体)を掛け渡した第1の駆動ローラ112が、図示しない駆動手段により下方に移動して、第1の搬送ベルト114(第1の搬送体)が被転写搬送ベルト303(被転写体)に接触すると共に、第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)を掛け渡した第2の従動ローラ207が、図示しない駆動手段により下方に移動して、第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)が被転写搬送ベルト303(被転写体)に接触する(図2)。
【0048】
第1の画像形成装置1の夫々の感光ドラム上に形成された、ブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナー像は、時計回りに回転している中間転写ベルト109に順に転写されて第1のトナー像を形成する。そして、この中間転写ベルト表面の第1のトナー像は、2次転写ローラ115によって、反時計回りに回転している第1の搬送ベルト114に直接転写される。
これと前後して、第2の画像形成装置2の感光ドラム201上に形成された、特殊トナー像からなる第2のトナー像は、反時計回りに回転している第2の搬送ベルト208に直接転写される。
【0049】
第1の搬送ベルト114に転写された第1のトナー像P1は、第1のトナー像用転写ローラ302によって被転写搬送ベルト303に転写される。続いて、第2の搬送ベルト208に転写された第2のトナー像P1が、第2のトナー像用転写ローラ301によって被転写搬送ベルト303に転写される。被転写搬送ベルト303に転写された状態を図3に示す。
【0050】
検出部304の反射型光学センサは、被転写搬送ベルト303に転写された第1のトナー像と第2のトナー像を検出する。そして、画像ずれ補正制御部が、副走査方向のずれ量と、主走査方向のずれ量を検出して、それぞれの画像ずれ量から画像ずれを補正可能に、第1の画像形成装置1と第2の画像形成装置2の動作を制御する。
【0051】
すなわち、検出部304は、図3に示すように、最初の直線であるブラック色直線像を検出した後、シアン色直線像、マゼンタ色直線像、イエロー色直線像、特殊色直線像を検出する。次いで、ブラック色斜線像、シアン色斜線像、マゼンタ色斜線像、特殊色斜線像を検出する。
【0052】
第1の画像形成装置1と第2の画像形成装置2の各搬送系の搬送速度が一定であることを前提にすると、本来、直線像同士の距離間隔は一定となって検出部304による検出間隔は一定の時間間隔となる。しかしながら、書き込みユニットの副走査方向(搬送方向)のタイミングずれ(画像ずれ)があると、ブラック色直線像を基点とした距離間隔が変化して、検出に時間的なずれが生じることから、副走査方向のずれ量として検出できる。
【0053】
各書き込みユニットの主走査方向のタイミングずれ(画像ずれ)は、斜線像によって検出する。すなわち、例えば、ブラック色斜線像に対してシアン色斜線像が主走査方向(ベルト幅方向)にずれていた場合、反射型光学センサの検出位置における、ブラック色直線像を基点としたシアン色斜線像までの距離間隔が変化して、検出に時間的なずれが生じることから、主走査方向のずれ量として検出できる。もっとも、この主走査方向のずれ量の検出は、副走査方向のずれ量があった場合、副走査方向のずれ量に基づいた時間的なずれを考慮して、純粋な主走査方向のずれ量のみを検出するようになっている。
なお、本実施の形態では、図3に示すように、被転写搬送ベルト303の主走査方向の中央部と両端部に夫々に反射型光学センサを設け、これに対応するように、第1のトナー像及び第2のトナー像を形成して、3箇所の同時検出により検出精度を高めるようにしている。
【0054】
このようにして、第1の画像形成装置1と第2の画像形成装置2における、主走査方向のずれ量と副走査方向のずれ量を検出したら、画像ずれ補正制御部は、それぞれの画像ずれ量を打ち消すように、第1の画像形成装置1の各書き込みユニットの書き込みタイミングと、第2の画像形成装置2の書き込みユニットの書き込みタイミングとを補正する。
【0055】
検出部304の反射型光学センサで検出された後の被転写搬送ベルト303上の第1のトナー像及び第2のトナー像は、クリーニング部307によって清掃・回収される。
そして、第1の搬送ベルト114(第1の搬送体)を掛け渡した第1の駆動ローラ112が、図示しない駆動手段により元の位置に移動して、第1の搬送ベルト114(第1の搬送体)が被転写搬送ベルト303(被転写体)から離れると共に、第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)を掛け渡した第2の従動ローラ207が、図示しない駆動手段により元の位置に移動して、第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)が被転写搬送ベルト303(被転写体)から離れて、一連の動作が終了する。
【0056】
このように実施の形態1にかかる画像形成システムは、中間転写ベルトや搬送ベルトなどの搬送系が装置間で跨っていなくても、夫々の画像ずれ量を被転写搬送ベルト303上で検出するようにしたから、第1の画像形成装置1と第2の画像形成装置2とにおける、トナー像の位置合わせを行うことができる。
【0057】
また、第1の搬送ベルト114(第1の搬送体)を掛け渡した第1の駆動ローラ112と、第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)を掛け渡した第2の従動ローラ207とを、図示しない駆動手段により移動可能にして、トナー像の画像ずれ補正時にのみ、第1の搬送ベルト114(第1の搬送体)と被転写搬送ベルト303(被転写体)とを接触させ、第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)と被転写搬送ベルト303(被転写体)とを接触させるようにしたから、各ベルトの耐久寿命を延ばし、長期に亘って安定したトナー像の画像ずれ補正ができる。
また、特殊トナーのうち、白色トナーや透明トナーの場合、未定着状態では白色であるため、仮に、白いシート材上に白いトナー像を転写させ、その状態でトナー像を光学センサで検出しようとしても、検出が極めて困難となるが、本実施の形態のように非白色である被転写搬送ベルト303に第1のトナー像及び第2のトナー像を転写するから確実に検出できる。
【0058】
また、被転写体として被転写搬送ベルト303を例示したが、ローラ状に構成しても良いものであるが、仮にローラ状とした場合、大きなローラにしなければならず、装置が大型化してしまうため、本実施の形態のようにベルト状にすることが好ましい。
【0059】
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる画像形成システムは、図4に示すように、2次転写対向ローラ108を頂点にして、その2次転写対向ローラ108と駆動ローラ106と従動ローラ107とで三角形状に配置されたローラ部に、中間転写ベルト109を反時計回りに回転可能に掛け渡し、中間転写ベルト109の底辺側に沿うように画像形成ユニットに配置し、中間転写ベルト109の左斜辺の中途部に、被転写搬送ベルト303が接するように第1のトナー像用転写ローラ302を配置し、中間転写ベルト109と被転写搬送ベルト303とを挟んで第1のトナー像用転写ローラ302に対向するように従動ローラ308を配置した例である。この場合、実施の形態1で例示した第1の搬送ベルト114を廃し、中間転写ベルト109が第1の搬送体となる。なお、実施の形態1と共通する構成体は、同一符号を付して、詳細な説明は省略すると共に、感光ドラムまわりの構成体の図示を省略する。
【0060】
また、被転写搬送ベルト303を掛け渡した第1のトナー像用転写ローラ302は、図示しない駆動手段により下方に移動可能になっており、中間転写ベルト(第1の搬送体)と被転写搬送ベルト303(被転写体)とが接触可能になっている。
また、第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)を掛け渡した第2の従動ローラ207は、図示しない駆動手段により下方に移動可能になっており、第2の搬送ベルト208と被転写搬送ベルト303とが接触可能になっている。
通常の画像形成時は、実施の形態1と同様に、夫々、対応するベルト同士は離れており、トナー像の画像ずれ補正の際に、夫々、対応するベルト同士が接するようになっている
【0061】
この実施の形態2にかかる画像形成システムにおける、トナー像の画像ずれ補正の動作は、第1のトナー像が中間転写ベルトから被転写搬送ベルト303へ直接転写される以外、実施の形態1と実質的に同じ動作であるため、その詳細な説明は省略する。
また、図示しないが、感光ドラムを、感光ベルトにして、この感光ベルトを第1の搬送体として構成しても良い。
【0062】
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態1において、第1の搬送ベルト114と被転写搬送ベルト303との接触状態及び非接触状態、第2の搬送ベルト208と被転写搬送ベルト303との接触状態及び非接触状態を形成するための変形例である。
実施の形態1は、第1の搬送ベルト114(第1の搬送体)を掛け渡した第1の駆動ローラ112を、図示しない駆動手段により下方に移動可能にし、第2の搬送ベルト208(第2の搬送体)を掛け渡した第2の従動ローラ207を、図示しない駆動手段により下方に移動可能にして、被転写搬送ベルト303を動かさない構成した。しかし、駆動ローラを動かす構成では、機構部が複雑になって装置が大型化しやすく、コストアップにも繋がる。
【0063】
そこで、実施の形態3では、図5に示すように、第1の搬送ベルト114を掛け渡した第1の駆動ローラ112の位置を固定し、被転写搬送ベルト303を掛け渡した従動回転側である第1のトナー像用転写ローラ302を上下方向に移動可能に構成し、被転写搬送ベルト303を掛け渡した駆動回転側である第2のトナー像用転写ローラ301の位置を固定し、第2の搬送ベルト208を掛け渡した第2の従動ローラ207を上下方向に移動可能に構成している。このように構成することで、装置の大型化とコストアップを回避できる。
【0064】
また、図6に示すように、第2のトナー像用転写ローラ301も、第1のトナー像用転写ローラ302と同様に従動回転するようにし、別途、図示しない駆動手段により回転する駆動ローラ309を、例えば、第2のトナー像用転写ローラ301の下方に設け、これらのローラに被転写搬送ベルト303を掛け渡し、第1のトナー像用転写ローラ302と第2のトナー像用転写ローラ301とを上下方向に移動可能に構成しても良いものである。この場合、駆動ローラ309は、被転写搬送ベルト303を正確に駆動するために、駆動ローラの円周の1/3以上が被転写搬送ベルト303に巻きついていることが好ましい。
【0065】
本実施の形態では、画像ずれ補正制御部が、画像ずれ量を打ち消すように、第1の画像形成装置1の各書き込みユニットの書き込みタイミングと、第2の画像形成装置2の書き込みユニットの書き込みタイミングとを補正するものを例示したが、このものに限定されない。例えば、第1の画像形成装置が第2の画像形成装置と同様に画像形成ユニットが一つの場合や、第1の画像形成装置で単色画像しか出力しない等、第1の画像形成装置で出力されるトナー像自体にトナー像同士の位置ずれ補正が不要の場合、単純に、第1の画像形成装置で出力されるトナー像を基準にして、第2の画像形成装置で出力されるトナー像の位置ずれを検出し、検出した画像ずれ量を打ち消すように、第2の画像形成装置の各書き込みユニットの書き込みタイミングのみ補正するようにしても良いものである。
【0066】
以上、本実施の形態にかかるトナー像の画像ずれ補正装置を備えた画像形成システムを説明したが、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1‥第1の画像形成装置 101‥感光ドラム 102‥クリーニング器 103‥帯電ローラ 104‥現像器 105‥書き込みユニット 106‥駆動ローラ 107‥従動ローラ 108‥2次転写対向ローラ 109‥中間転写ベルト 110‥1次転写ローラ 111‥クリーニング器 112‥第1の駆動ローラ 113‥第1の従動ローラ 114‥第1の搬送ベルト 115‥2次転写ローラ 116‥レジストローラ 117‥搬送ローラ 118‥排出口 119‥定着ローラ 120‥加圧ローラ 121‥給紙トレイ 122‥給紙ローラ 2‥第2の画像形成装置 201‥感光ドラム 202‥クリーニング器 203‥帯電ローラ 204‥現像器 205‥書き込みユニット 206‥第2の駆動ローラ 207‥第2の従動ローラ 208‥第2の搬送ベルト 209‥転写ローラ 210‥レジストローラ 211‥搬送ローラ 212‥受け入れ口 213‥定着ローラ 214‥加圧ローラ 3‥トナー像の画像ずれ補正装置 301‥第2のトナー像用転写ローラ 302‥第1のトナー像用転写ローラ 303‥被転写搬送ベルト 304‥検出部 305‥発光素子 306‥受光素子 307‥クリーニング部 308‥従動ローラ 309‥駆動ローラ S‥シート材 N‥転写ニップ P1‥第1のトナー像 P2‥第2のトナー像
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開2002−341619号公報
【特許文献2】特開2000−131875号公報
【特許文献3】特開2002−229293号公報
【特許文献4】特開2004−361827号公報
【特許文献5】特開2005−156950号公報
【特許文献6】特開2009−109794号公報
【特許文献7】特開2009−075155号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトナー像を搬送させる第1の搬送体を備えた第1の画像形成装置により形成される第1のトナー像と、第2のトナー像を搬送させる第2の搬送体を備え前記第1の画像形成装置に併設された第2の画像形成装置により形成される第2のトナー像とで構成されるトナー像の画像ずれを補正させるトナー像の画像ずれ補正装置あって、
前記第1の搬送体と前記第2の搬送体との双方に接触可能に且つ回転可能に設けられ、前記第1の搬送体で搬送された前記第1のトナー像と前記第2の搬送体で搬送された前記第2のトナー像とが転写される被転写体と、
前記被転写体に転写された前記第1のトナー像と前記第2のトナー像とを検出する検出部と、
前記検出部の検出情報を用いて、前記第1のトナー像と前記第2のトナー像との画像ずれ量を検出し、該画像ずれ量から画像ずれを補正可能に、前記第2の画像形成装置の動作を制御、または、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置の双方の動作を制御させる画像ずれ補正制御部と、
を備えたことを特徴とするトナー像の画像ずれ補正装置。
【請求項2】
前記被転写体に接するように設けられ、前記被転写体から前記第1のトナー像と前記第2のトナー像とを除去可能なクリーニング部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のトナー像の画像ずれ補正装置。
【請求項3】
前記クリーニング部と前記被転写体とが共通のケースで支持されて、前記第1の画像形成装置と前記第2の画像形成装置とに対して着脱可能なカートリッジに構成されていることを特徴とする請求項2に記載のトナー像の画像ずれ補正装置。
【請求項4】
前記被転写体と、前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体とが、接触状態から非接触状態可能に構成され、
前記画像ずれ補正制御部は、画像ずれ補正動作の実行時に、前記被転写体と前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体とを接触状態にさせ、画像ずれ補正動作の非実行時は、前記被転写体と前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体とが非接触状態にさせる制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のトナー像の画像ずれ補正装置。
【請求項5】
前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体は、前記被転写体との接触状態から非接触状態可能に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のトナー像の画像ずれ補正装置。
【請求項6】
前記被転写体は、前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体との接触状態から非接触状態可能に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のトナー像の画像ずれ補正装置。
【請求項7】
前記被転写体と前記第2の搬送体が、夫々、駆動ローラと従動ローラとに掛け渡されたベルト状に構成され、
前記被転写体を掛け渡した従動ローラが、前記被転写体と前記第1の搬送体との接触状態から非接触状態可能に移動可能に設けられ、
前記第2の搬送体を掛け渡した従動ローラが、前記被転写体と前記第2の搬送体との接触状態から非接触状態可能に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のトナー像の画像ずれ補正装置。
【請求項8】
前記被転写体が、駆動ローラと複数の従動ローラとに掛け渡されたベルト状に構成され、
複数の前記従動ローラは、前記第1の搬送体及び前記第2の搬送体への接触側とさせると共に、前記第1の搬送体と前記第2の搬送体との接触状態から非接触状態可能に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のトナー像の画像ずれ補正装置。
【請求項9】
前記被転写体は、駆動ローラと従動ローラとに掛け渡されたベルト状に構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のトナー像の画像ずれ補正装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載のトナー像の画像ずれ補正装置と、前記第1の画像形成装置と、前記第2の画像形成装置とを備えたことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−158596(P2011−158596A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18743(P2010−18743)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】