トラクタ
【課題】従来のトラクタは、エンジンを装備したエンジンルームのボンネットを開放した状態でもエンジンを始動でき、駆動中の場合には継続して運転が可能であったから整備時の安全性に欠ける課題があった。
【解決手段】エンジンは、エンジンルームの上側を覆っているフードが開放された状態にあるときには駆動できないように構成すると共に、エンジンが駆動状態のときにフードが開放されると、エンジンの駆動が停止状態となるように構成したことを特徴とする。また、エンジンルームは、上側に位置するフードを開放すると、左右のサイドカバーの取り外しが可能となり、更に運転席側のリヤカバーは、サイドカバーを、エンジンルームから取り外したときにのみ取り外しが可能となるように構成したことを特徴とする。
【解決手段】エンジンは、エンジンルームの上側を覆っているフードが開放された状態にあるときには駆動できないように構成すると共に、エンジンが駆動状態のときにフードが開放されると、エンジンの駆動が停止状態となるように構成したことを特徴とする。また、エンジンルームは、上側に位置するフードを開放すると、左右のサイドカバーの取り外しが可能となり、更に運転席側のリヤカバーは、サイドカバーを、エンジンルームから取り外したときにのみ取り外しが可能となるように構成したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジンルームをフードと左右サイドカバーからなるボンネットで覆う構成において、開閉の手順、及びボンネットの開閉とエンジンの駆動とを関連させて構成したトラクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からトラクタは、エンジンルームを覆うボンネットを、天井側のフードと左右両側のサイドカバーとによって構成し、後部の運転席側にはリヤカバーを設けてエンジンルームの全周をカバーする構成とし、上記ボンネットを開閉してエンジンのメンテナンスを行う構成となっている。
【0003】
例えば、特開2004−314782号公開特許公報に開示された発明は、その一例であって、各部材ごとに分解可能な構成が示されている。この公報に記載された発明は、特に、図3に示されているように、エンジンルーム14の上方を覆うトラクタのボンネット20を、エンジンルーム14の上側を覆う樹脂製の天板24と、該天板24の左右側部に連結される金属製の左右側板26,26とで構成し、ボンネット20の開閉方向に荷重が加わるようにしてボンネット全体の剛性を高めながら、構成部材の一部を樹脂製として軽量化を図る、と記載されている。
【0004】
特に、上記公報の公知技術は、ボンネット20を樹脂素材の天板24と鉄素材の側板26,26とによって構成することによって、一定の必要な強度を保ちながら軽量化を図ることができて、従来の課題を解決したものと主張されている。
【特許文献1】特開2004−314782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のトラクタは、エンジンを装備したエンジンルームのボンネットを開放した状態でもエンジンの駆動状態の継続や始動が可能であり、整備時の安全性に欠ける課題があった。
【0006】
本件の出願人が特許文献1として提示した公知技術は、エンジンルームを覆うボンネットを開閉することと、エンジンの駆動とを関連させた構成にはなっておらず、メンテナンス時にオープンしたときの安全性が確保できないものとなっている。
【0007】
そして、本件出願の発明は、エンジンルームを覆う各カバーの開放順序を構成上から規制し、最初に上側のフードを開放してエンジンの駆動を停止(始動もできない状態にする。)した後、左右サイドカバーを取り外し、最後にリヤカバーの取り外しができる構成とし、より安全にメンテナンス等ができるものとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車体(1)上に搭載したエンジン(2)は、前部から上側を開閉自由のフード(4)によって覆い、その左右両側を着脱自由に設けたサイドカバー(5),(5)によって覆い、更に運転席(6)側で着脱可能に設けたリヤカバー(7)によって覆ってエンジンルーム(3)内に収納状態にして装備し、前記エンジン(2)は、前記エンジンルーム(3)の上側を覆っている前記フード(4)が開放された状態にあるときには駆動できないように構成すると共に、エンジン(2)が駆動状態のときに前記フード(4)が開放されると、エンジン(2)の駆動が停止状態となるように構成したことを特徴とするトラクタとしたものである。
【0009】
エンジン(2)は、整備、点検等のメンテナンスにあたり、エンジンルーム(3)を開放する場合、フード(4)を開くと、エンジン(2)が駆動できない状態になるから、整備士等の安全を保持できるものとなっている。また、エンジン(2)が駆動状態のときにフード(4)を開くと、エンジン(2)は停止状態となる。
【0010】
つぎに、請求項2に記載した発明は、前記エンジンルーム(3)は、上側に位置する前記フード(4)を開放すると、左右の前記サイドカバー(5),(5)の取り外しが可能となり、更に運転席(6)側のリヤカバー(7)は、前記サイドカバー(5),(5)を、前記エンジンルーム(3)から取り外したときにのみ取り外しが可能となるように構成したことを特徴とする請求項1記載のトラクタとしたものである。
【0011】
エンジンルーム(3)を覆うカバーを開放する場合、まず、エンジン(2)の駆動状態を停止させることができるフード(4)の開放を行った後、サイドカバー(5),(5)の取り外しを可能とし、つぎに、サイドカバー(5),(5)を取り外すことでリヤバー(7)の取り外しを可能にして、安全性を確保したものである。
【発明の効果】
【0012】
まず、請求項1に記載した発明は、エンジンルーム(3)の上側を覆っているフード(4)が開放された状態にあるときには、エンジン(2)は、駆動(駆動中であれば自動停止し、停止中のエンジンは始動ができない構成とし、更にエンジン(2)が駆動中にフード(4)を開放するとエンジン(2)は停止状態となるので、エンジンルーム(3)内の点検等のメンテナンスにあたって、整備士等の安全が保持できる特徴がある。
【0013】
そして、請求項2に記載した発明は、エンジンルーム(3)を開放する順番として、まず、最初に、フード(4)を開放して同時にエンジンを停止し、その後、サイドカバー(5),(5)、続いてリヤカバー(7)の順番で開放できる構成にしているから、メンテナンス時は勿論、開放作業中の安全も確保される特徴がある。
【0014】
このように、請求項2の発明は、請求項1の主要部であるフード(4)を開放すればエンジン(2)の駆動を停止する必須の構成要件を前提とした発明であるから、サイドカバー(5),(5)を取り外す時点ではエンジンが停止しており、各カバーの取外し時と整備時の安全をより確実なものにした特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施例を、図面に基づいて具体的に説明する。
まず、トラクタ10は、図1に示すように、車体1には左右一対の操舵用の前輪11,11と、左右の駆動推進用の後輪12,12とを軸架して走行可能に構成し、前部、及び後部にはそれぞれ作業機を着脱自在に装着できる構成となっている。そして、エンジンルーム3は、車体1の前部に配置してエンジン2を収納状態にして搭載し、前部から上側を開閉自由のフード4によって覆い、その左右両側を着脱自由に設けたサイドカバー5,5によって覆い、更に、後部の運転席6側は、着脱可能に設けたリヤカバー7によって覆った構成としている。
【0016】
そして、実施例の場合、前記フード4は、図2に示すように、エンジンルーム3の前部から上側を覆う形状として前端下部の中心位置に枢着部Pを設けて車体1側に枢着して前方上方に回動して開放できる構成としている。そして、左右両側のサイドカバー5,5は、上縁に沿って数個のねじ孔15を設け上記フード4の内側に沿わせて嵌合し、ねじ止めして取付ける構成となっている。そして、リヤカバー7は、上述の通り、エンジンルーム3の運転席6側に取り付けるが、前記サイドカバー5,5の内側に合わせてねじ16(図3参照)で取り付けられ、サイドカバー5,5を外した後に取り外しができる構成としている。
【0017】
以上述べたように、実施例の場合、エンジンルーム3は、カバーとカバーとを連結した各ねじを外した後、上側に位置する前記フード4を、枢着部Pを回動支点にして上方に開放すると、左右の前記サイドカバー5,5の取外しが可能となり、更に、運転席6側のリヤカバー7は、前記サイドカバー5,5を、取外したときにのみ取外しができるのである。
【0018】
つぎに、エンジン2は、図1に示すように、エンジンルーム3の内側で後部上側の機枠にエンジン制御スイッチ18が設けられ、上側を覆っている前記フード4が開放された状態にあるときにはスイッチOFFになり、駆動できない状態になる構成としている。したがって、実施例の場合、エンジン2は、図4に示す制御機構のブロック図のように、エンジン制御スイッチ18がOFFになると、駆動中であれば自動停止し、停止中であってスタータースイッチ20をON操作しても始動できない構成になっている。図4において、21はコントローラを示している。
【0019】
このように、エンジン制御スイッチ18は、上側で開閉するフード4がエンジンルーム3を覆っているときには上から押圧されてONとなってエンジン2の駆動を可能とし、上方に回動すると押圧力がなくなり、OFFに切り替わってエンジン駆動を許さない構成になっている。これらは、コントローラ21の制御によって行われる。
【0020】
以上述べたように、実施例は、エンジンルーム3の上側を覆っているフード4が開放された状態にあるときには、前記したエンジン制御スイッチ18がOFFとなり、エンジン2が駆動中であれば自動停止し、停止中の場合には始動もできない構成としているから、エンジンルーム3内の点検等のメンテナンスにあたり、整備士等の安全が保持できるものとなっている。
【0021】
そして、実施例の場合、エンジンルーム3を開放する順番として、まず、最初に、フード4を開放して同時にエンジン2を停止させ、その後、サイドカバー5,5を取外し、続いてリヤカバー7を外す順番でエンジンルーム3の開放をする構成としており、開放作業時には、エンジン2が停止しているから、安全性が確保できるものとなっている。
【0022】
つぎに、他の実施例について説明する。
図5、乃至図7に示す実施例は、各車両に取付けるナンバープレートの取付け機構に関する実施例である。
【0023】
従来の構成は、図7に示すように、ナンバープレートAを取付け用プレートBに取付け、その取付け用プレートBをリヤカバーCに溶接して取り付けていた。
それに対して、実施例のナンバープレート25は、図5、及び図6に示すように、下部をL型に加工して取付け部26を形成し、従来の2部品を1部品として一体化し、その取付け部26をリヤフレーム27にねじ28によって取付けた構成としている。
【0024】
このように、実施例は、部品点数を減らして取付け作業工数を少なくし、コストダウンを図ったものである。
そして、従来のナンバープレートAと取付け用プレートBとを、ナンバープレート25の如く一体化することによって、バックランプ29の取付けが容易になった効果もある。
【0025】
つぎに、シートの取付けに関する実施例を、図8、乃至図11に基づいて説明する。
従来、シートを取付けるシートベースDは、図11に示すように、左右に分割され、これにシートを取付ける構成で、シートの取付けに手間を要し、迅速に取付けができない課題があった。そして、シートベースDは、下側に搭載したオイルタンクのタンクレベルゲージ交換用の孔のない構成できわめて不便であった。
【0026】
それに対して、実施例に係るシートベース30は、図8に示すように、一体化して一枚の平板状に形成し、タンクレベルゲージ交換孔31を設けた構成としている。
以上の如く構成された実施例は、シートベース30上に、組み立てたシートサス32を載せて簡単に取付けることができるものとなった。それに加えて、タンクレベルゲージ交換孔31を設けているから、部品の交換が容易になる利点もある。
【0027】
そして、ステー34は、図10に示すように、正面視で凹型形状とし、その両外側の上面でシートサス32を受けて取付けた構成とし、調整ノブ35の周辺に障害物をなくして操作スペースを形成した構成としている。
【0028】
このように、実施例の場合、調整ノブ35は、周囲に操作スペースが確保されているから、調整操作がやり易くなり、シート33の調節が容易にできる特徴がある。
つぎに、サブ・コン(油圧外部取出し装置)38の取付装置について、図12、乃至図15に基づいて実施例を説明する。
【0029】
まず、サブ・コン38は、図13に示すように、トラクタのシートの後部側でフェンダーの外側寄りの位置にブラケットを設けて取付ける構成となっている。
まず、従来の構成は、図12に示すように、一部材のブラケットEによってサブ・コンFが車体Gに取付けられていた。このような従来型の取付け構成によるサブ・コンFは,トラクタのシートにシートベルトを取付けるために、シート幅が広くなっても融通が効かず、取付けスペースの確保ができない課題があった。
【0030】
それに対して、実施例は、従来、一個のブラケットEを、図14、及び図15に示すように、車体39に取付ける基部ブラケット40とサブ・コン38側に接続する先端部ブラケット41との2つに分割して車体39にサブ・コン38を取付ける構成としている。そして、先端部ブラケット41は、車体39側に固定されている基部ブラケット40に対して横方向に移動調節して取付け替えができるように複数個の取付け用の調節孔42,42,42を開口して構成している。
【0031】
このように、サブ・コン38は、図面から解るように、車体39に固着した基部ブラケット40の2個の取付け孔43にボルト・ナット45によって、先端部ブラケット41の取付け用の調節孔42,42を選択して固定する構成としている。
【0032】
したがって、実施例は、サブ・コン38をシートやフエンダーに対する間隔調節が自由にでき、例えば、シートベルトを取付ける場合でも、間隔調整が可能となった特徴がある。なお、基部ブラケット40は、サブ・コン38の操作を容易にするために取付け角度を変更することもできる。
【0033】
つぎに、図16、及び図17に示した実施例を説明する。
実施例は、図面に示すように、前方下部に回動支点Pを設けて上方に回動するフード47の後端部と、運転席前方にあるメーターパネル48との間にバッテリー49を交換するための開閉カバー50を設けた構成としている。実施例の場合、バッテリー49は、図面に示すように、エンジンルームの後部上方に収納され、フード47を開放した後、開閉カバー50を外して、外に取出しができる構成にしている。実施例に係る開閉カバー50は、下側(エンジンルーム内)に支持腕52を垂下させて取付け、エアダクトホース53の位置決めをする機能を持たせた構成としている。
【0034】
更に、開閉カバー50は、フード47の後端部分の下方に位置する部分に凹部形状の受樋部50aに形成してネット55を取り付けて塵の収集部としている。
このように構成することによって、実施例は、フード47を回動し、開閉カバー50を取り外せば、バッテリー49の交換やメンテナンスが容易にできる特徴があり、トラクタの視界を改善した特徴がある。そして、実施例の場合、エアダクトホース53は、開閉カバー50の下側に設けた支持腕52によって位置決めされ、安定した状態に保持されている。
【0035】
更には、受樋部50aの内部に設けたネット55は、フード47を開放したとき、ねじを外して取出して凹部に溜まった塵の排出が簡単にできる利点がある。
つぎに、ロプス68の連結部位におけるガタやビビリ音の防止に関する実施例を、図18、乃至図22に基づいて具体的に説明する。
【0036】
まず、ロプス68は、既に広く知られているように、運転席の後部両側に頑丈な鉄柱を取付けて上方に延長し、走行中のトラクタ転倒等に際してオペレータの安全を確保する目的で構成されている。そして、実施例の場合、ロプス68は、図18に示すように、トラクタ車体69に取付けられた下部ロプス68aの上端部に連結具70を介して上部ロプス68bを連結して上方に延長した構成としている。そして、連結具70は、図面に示すように、左右両側板71,71を前側板80で連結して平面視コ字型に形成して、左右両側板71,71を下部ロプス68aの上端部に固着し、支点ピン72と連結アーム73によって上部ロプス68bを連結して後方から下方に折畳み自由に構成している。
【0037】
そして、連結ピン75は、両側板71,71と上部ロプス68bとを貫通して連結し、ピンの頭76と側板71、及び止めピン77と側板71との間にそれぞれインシュレータ78,78を介装した構成としている。
【0038】
以上のように、実施例は、インシュレータ78,78を両側板71,71の外側に挟むように設けることによって、連結ピン75の両端部と側板71,71との直接の接触をなくし、ガタ防止の効果を発揮して上下の連結が安定した状態になった。
【0039】
つぎに、図20と図22とに示した2つの実施例について説明する。
まず、図20、及び図21の実施例は、連結具70の前側板80に、外側からノブボルト81を貫通させて内側にナット82を螺合し、ねじ込み調節を可能とし、更に、該ナット82と上部ロプス68bとの接合面に押板83を挟んで押圧できる構成としている。なお、押板83は、図面の如く、略逆U型にして上側に迂回して落下しないように挟み込んで支持して設けている。
【0040】
このように構成した実施例は、ノブボルト81をねじ込んで締めることによってナット82、押板83を挟んで上部ロプス68bの表面を押えてガタの発生を防止し、ビビリ音の発生をなくすることができる。
【0041】
つぎに、図22の実施例は、前記前側板80と上部ロプス68bとを合わせてノブボルト81を貫通し、上部ロプス68bの内側にナット82を設けてノブボルト81に螺合し、上記両者を挟んで締め付ける構成としたものである。
【0042】
以上のように構成した実施例は、ガタのない状態に連結しているから、トラクタの走行時に微振動等の発生がほとんどなく、上部ロプス68bの下部と下部ロプス68aの上部とを連結具70を介して一体の状態になって、ビビリ音等の発生もない特徴がある。
【0043】
つぎに、トラクタのレバーガイド90について実施例を説明する。
実施例に係るレバーガイド90は、図23、乃至図26に示すように、前側の前部プレート90aと、上面に配置する上部プレート90bと、運転席側の側面に設ける側部プレート90cとの三つの樹脂製のプレートを、フック91と係合孔92を設けて引っ掛けた接合部と、ねじ93によって締付けて固着する連結手段とによって一体に接続した構成としている。
【0044】
まず、上部プレート90bは、図面に示すように、上面に前後方向や横方向に操作レバーを案内するガイド溝94,95等を形成し、前部の端縁に沿わせて複数個のフック91を形成した構成としている。そして、前部プレート90aは、前部をカバーする円弧形状に成形して、前記上部プレート90bの接合面に合わせた形状とし、複数の前記フック91に対応する位置に係合孔92を開口した構成としている。
【0045】
このようにして、前部プレート90aは、図23、図24、及び図25に示すように、各係合孔92に、上部プレート90bの各フック91を係合して連結し一体状に構成している。
【0046】
つぎに、側部プレート90cは、図26に示すように、外周縁に沿う一定幅を平らな面に形成して前縁、上縁、後縁とにそれぞれねじ孔96を複数個開口し、前記前部プレート90aの後縁にある取付け孔97と、前記上部プレート90bの下端縁の取付け孔97とに、それぞれねじ93によって締め付けて固着する構成としている。
【0047】
以上のように構成したレバーガイド90は、前部プレート90aと、上部プレート90bと、側部プレート90cとの三つの樹脂製のプレートを、別体の取付部材を使用することなく、フック91と係合孔92とねじ23とによって連結して確実に接合した特徴がある。そして、レバーガイド90は、図面に示すように、取付部位が目立つこともなく、外観上の形状も優美になって意匠的価値もあるものとなった。
【0048】
つぎに、図27に示したレバーガイド90は、ロプス仕様トラクタに使用するものであって、後部に形成されているドリンクホルダ98の内部に設けた孔99を、水抜き用の孔として使用する構成とし、100はロプス取付用の孔を示している。
【0049】
そして、図28に示したレバーガイド90は、キャビン仕様トラクタに使用するものであって、前記ドリンクホルダ98の内部に設けた前記孔99を、取付用の孔として使用し、前記ロプス取付用の孔100は不要となる。
【0050】
つぎに、図29、及び図30に示した実施例について説明する。
実施例は、デフロックペダル105の移動に関し、図29に示すように、右側にあるデフロックペダル105を、図30に示すように、左側に移動させて構成したものである。
【0051】
通常、HSTを搭載したトラクタの場合、HSTペダル110が右側に装備されているから、前記デフロックペダル105を左側に移動させて取り付けると、作業中の操作が容易になって運転が楽になる。そのために、実施例は、フロア106の左右両側にある補強金具107を利用して連動軸108を左右に架け渡して設け、該連動軸108の左側にデフロックペダル105を軸装して設け、連杆109等を利用してデフ機構にロック操作可能に連結した構成としている。
【0052】
このように構成すると、HST搭載のトラクタでは、フロア106の前側において、右側にHSTペダル110があった、左側にデフロックペダル105が配置されるから、操作が容易となって楽な運転ができるものとなる。しかも、実施例の場合、フロア106の補強金具197を利用して連動軸108を軸架したから、製作上、低コストで実施できる利点がある。
【0053】
また、右側にブレーキペダルを有するトラクタで、左側にブレーキペダルを移動させたときのパーキングのアームの構成について説明する。パーキングアームは従来の右側を使用し、左側ブレーキ構成とする。即ち、今までの右ブレーキ構成を残しつつ、従来の右側でのパーキングを行い、通常作動させるブレーキペダル系は左側に移動させる構成とする。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】トラクタの側面図
【図2】フード、サイドカバー、リヤカバーの分解図
【図3】図1のS−Sにおける断面図
【図4】制御機構を示すブロック図
【図5】ナンバープレートの取付け状態を示す背面図
【図6】前図5の側面図
【図7】従来型のナンバープレートの取付け状態を示す側面図
【図8】実施例のシートベースの平面図
【図9】シートの取付け状態の側面図
【図10】シートの取付け状態の正面図
【図11】説明のために示した従来のシートベースの平面図
【図12】説明のために示した従来装置の側面図
【図13】トラクタの正面図
【図14】サブ・コンの取付け状態を示す正面図
【図15】サブ・コンの取付け状態を示した側面図
【図16】トラクタの前部、エンジンルームの側面図
【図17】メーターパネルと、開閉カバーとの斜面図
【図18】実施例に係るロプスの側面図
【図19】上下のロプスの連結部位の背面図
【図20】実施例に係るロプスの連結部位の拡大側面図
【図21】実施例に係るロプスの連結部位の拡大側面図
【図22】実施例に係るロプスの連結部位の拡大側面図
【図23】レバーガイドの正面図
【図24】前部プレートと上部プレートとの連結部の側断面図
【図25】前部プレートと上部プレートとの連結状態を示す側部斜面図
【図26】前部プレートと側部プレートとの連結状態の側面図
【図27】ロプス仕様のレバーガイドの上部プレートを示す平面図
【図28】キャビン仕様のレバーガイドの上部プレートを示す平面図。
【図29】デフロックペダルとHSTペダルとを一方側に装備した従来型のフロア斜面図
【図30】デフロックペダルとHSTペダルとを左右両側に分けて配置したフロアの斜面図。
【符号の説明】
【0055】
1 車体
2 エンジン
3 エンジンルーム
4 フード
5 サイドカバー
6 運転席
7 リヤカバー
【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジンルームをフードと左右サイドカバーからなるボンネットで覆う構成において、開閉の手順、及びボンネットの開閉とエンジンの駆動とを関連させて構成したトラクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からトラクタは、エンジンルームを覆うボンネットを、天井側のフードと左右両側のサイドカバーとによって構成し、後部の運転席側にはリヤカバーを設けてエンジンルームの全周をカバーする構成とし、上記ボンネットを開閉してエンジンのメンテナンスを行う構成となっている。
【0003】
例えば、特開2004−314782号公開特許公報に開示された発明は、その一例であって、各部材ごとに分解可能な構成が示されている。この公報に記載された発明は、特に、図3に示されているように、エンジンルーム14の上方を覆うトラクタのボンネット20を、エンジンルーム14の上側を覆う樹脂製の天板24と、該天板24の左右側部に連結される金属製の左右側板26,26とで構成し、ボンネット20の開閉方向に荷重が加わるようにしてボンネット全体の剛性を高めながら、構成部材の一部を樹脂製として軽量化を図る、と記載されている。
【0004】
特に、上記公報の公知技術は、ボンネット20を樹脂素材の天板24と鉄素材の側板26,26とによって構成することによって、一定の必要な強度を保ちながら軽量化を図ることができて、従来の課題を解決したものと主張されている。
【特許文献1】特開2004−314782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のトラクタは、エンジンを装備したエンジンルームのボンネットを開放した状態でもエンジンの駆動状態の継続や始動が可能であり、整備時の安全性に欠ける課題があった。
【0006】
本件の出願人が特許文献1として提示した公知技術は、エンジンルームを覆うボンネットを開閉することと、エンジンの駆動とを関連させた構成にはなっておらず、メンテナンス時にオープンしたときの安全性が確保できないものとなっている。
【0007】
そして、本件出願の発明は、エンジンルームを覆う各カバーの開放順序を構成上から規制し、最初に上側のフードを開放してエンジンの駆動を停止(始動もできない状態にする。)した後、左右サイドカバーを取り外し、最後にリヤカバーの取り外しができる構成とし、より安全にメンテナンス等ができるものとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車体(1)上に搭載したエンジン(2)は、前部から上側を開閉自由のフード(4)によって覆い、その左右両側を着脱自由に設けたサイドカバー(5),(5)によって覆い、更に運転席(6)側で着脱可能に設けたリヤカバー(7)によって覆ってエンジンルーム(3)内に収納状態にして装備し、前記エンジン(2)は、前記エンジンルーム(3)の上側を覆っている前記フード(4)が開放された状態にあるときには駆動できないように構成すると共に、エンジン(2)が駆動状態のときに前記フード(4)が開放されると、エンジン(2)の駆動が停止状態となるように構成したことを特徴とするトラクタとしたものである。
【0009】
エンジン(2)は、整備、点検等のメンテナンスにあたり、エンジンルーム(3)を開放する場合、フード(4)を開くと、エンジン(2)が駆動できない状態になるから、整備士等の安全を保持できるものとなっている。また、エンジン(2)が駆動状態のときにフード(4)を開くと、エンジン(2)は停止状態となる。
【0010】
つぎに、請求項2に記載した発明は、前記エンジンルーム(3)は、上側に位置する前記フード(4)を開放すると、左右の前記サイドカバー(5),(5)の取り外しが可能となり、更に運転席(6)側のリヤカバー(7)は、前記サイドカバー(5),(5)を、前記エンジンルーム(3)から取り外したときにのみ取り外しが可能となるように構成したことを特徴とする請求項1記載のトラクタとしたものである。
【0011】
エンジンルーム(3)を覆うカバーを開放する場合、まず、エンジン(2)の駆動状態を停止させることができるフード(4)の開放を行った後、サイドカバー(5),(5)の取り外しを可能とし、つぎに、サイドカバー(5),(5)を取り外すことでリヤバー(7)の取り外しを可能にして、安全性を確保したものである。
【発明の効果】
【0012】
まず、請求項1に記載した発明は、エンジンルーム(3)の上側を覆っているフード(4)が開放された状態にあるときには、エンジン(2)は、駆動(駆動中であれば自動停止し、停止中のエンジンは始動ができない構成とし、更にエンジン(2)が駆動中にフード(4)を開放するとエンジン(2)は停止状態となるので、エンジンルーム(3)内の点検等のメンテナンスにあたって、整備士等の安全が保持できる特徴がある。
【0013】
そして、請求項2に記載した発明は、エンジンルーム(3)を開放する順番として、まず、最初に、フード(4)を開放して同時にエンジンを停止し、その後、サイドカバー(5),(5)、続いてリヤカバー(7)の順番で開放できる構成にしているから、メンテナンス時は勿論、開放作業中の安全も確保される特徴がある。
【0014】
このように、請求項2の発明は、請求項1の主要部であるフード(4)を開放すればエンジン(2)の駆動を停止する必須の構成要件を前提とした発明であるから、サイドカバー(5),(5)を取り外す時点ではエンジンが停止しており、各カバーの取外し時と整備時の安全をより確実なものにした特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施例を、図面に基づいて具体的に説明する。
まず、トラクタ10は、図1に示すように、車体1には左右一対の操舵用の前輪11,11と、左右の駆動推進用の後輪12,12とを軸架して走行可能に構成し、前部、及び後部にはそれぞれ作業機を着脱自在に装着できる構成となっている。そして、エンジンルーム3は、車体1の前部に配置してエンジン2を収納状態にして搭載し、前部から上側を開閉自由のフード4によって覆い、その左右両側を着脱自由に設けたサイドカバー5,5によって覆い、更に、後部の運転席6側は、着脱可能に設けたリヤカバー7によって覆った構成としている。
【0016】
そして、実施例の場合、前記フード4は、図2に示すように、エンジンルーム3の前部から上側を覆う形状として前端下部の中心位置に枢着部Pを設けて車体1側に枢着して前方上方に回動して開放できる構成としている。そして、左右両側のサイドカバー5,5は、上縁に沿って数個のねじ孔15を設け上記フード4の内側に沿わせて嵌合し、ねじ止めして取付ける構成となっている。そして、リヤカバー7は、上述の通り、エンジンルーム3の運転席6側に取り付けるが、前記サイドカバー5,5の内側に合わせてねじ16(図3参照)で取り付けられ、サイドカバー5,5を外した後に取り外しができる構成としている。
【0017】
以上述べたように、実施例の場合、エンジンルーム3は、カバーとカバーとを連結した各ねじを外した後、上側に位置する前記フード4を、枢着部Pを回動支点にして上方に開放すると、左右の前記サイドカバー5,5の取外しが可能となり、更に、運転席6側のリヤカバー7は、前記サイドカバー5,5を、取外したときにのみ取外しができるのである。
【0018】
つぎに、エンジン2は、図1に示すように、エンジンルーム3の内側で後部上側の機枠にエンジン制御スイッチ18が設けられ、上側を覆っている前記フード4が開放された状態にあるときにはスイッチOFFになり、駆動できない状態になる構成としている。したがって、実施例の場合、エンジン2は、図4に示す制御機構のブロック図のように、エンジン制御スイッチ18がOFFになると、駆動中であれば自動停止し、停止中であってスタータースイッチ20をON操作しても始動できない構成になっている。図4において、21はコントローラを示している。
【0019】
このように、エンジン制御スイッチ18は、上側で開閉するフード4がエンジンルーム3を覆っているときには上から押圧されてONとなってエンジン2の駆動を可能とし、上方に回動すると押圧力がなくなり、OFFに切り替わってエンジン駆動を許さない構成になっている。これらは、コントローラ21の制御によって行われる。
【0020】
以上述べたように、実施例は、エンジンルーム3の上側を覆っているフード4が開放された状態にあるときには、前記したエンジン制御スイッチ18がOFFとなり、エンジン2が駆動中であれば自動停止し、停止中の場合には始動もできない構成としているから、エンジンルーム3内の点検等のメンテナンスにあたり、整備士等の安全が保持できるものとなっている。
【0021】
そして、実施例の場合、エンジンルーム3を開放する順番として、まず、最初に、フード4を開放して同時にエンジン2を停止させ、その後、サイドカバー5,5を取外し、続いてリヤカバー7を外す順番でエンジンルーム3の開放をする構成としており、開放作業時には、エンジン2が停止しているから、安全性が確保できるものとなっている。
【0022】
つぎに、他の実施例について説明する。
図5、乃至図7に示す実施例は、各車両に取付けるナンバープレートの取付け機構に関する実施例である。
【0023】
従来の構成は、図7に示すように、ナンバープレートAを取付け用プレートBに取付け、その取付け用プレートBをリヤカバーCに溶接して取り付けていた。
それに対して、実施例のナンバープレート25は、図5、及び図6に示すように、下部をL型に加工して取付け部26を形成し、従来の2部品を1部品として一体化し、その取付け部26をリヤフレーム27にねじ28によって取付けた構成としている。
【0024】
このように、実施例は、部品点数を減らして取付け作業工数を少なくし、コストダウンを図ったものである。
そして、従来のナンバープレートAと取付け用プレートBとを、ナンバープレート25の如く一体化することによって、バックランプ29の取付けが容易になった効果もある。
【0025】
つぎに、シートの取付けに関する実施例を、図8、乃至図11に基づいて説明する。
従来、シートを取付けるシートベースDは、図11に示すように、左右に分割され、これにシートを取付ける構成で、シートの取付けに手間を要し、迅速に取付けができない課題があった。そして、シートベースDは、下側に搭載したオイルタンクのタンクレベルゲージ交換用の孔のない構成できわめて不便であった。
【0026】
それに対して、実施例に係るシートベース30は、図8に示すように、一体化して一枚の平板状に形成し、タンクレベルゲージ交換孔31を設けた構成としている。
以上の如く構成された実施例は、シートベース30上に、組み立てたシートサス32を載せて簡単に取付けることができるものとなった。それに加えて、タンクレベルゲージ交換孔31を設けているから、部品の交換が容易になる利点もある。
【0027】
そして、ステー34は、図10に示すように、正面視で凹型形状とし、その両外側の上面でシートサス32を受けて取付けた構成とし、調整ノブ35の周辺に障害物をなくして操作スペースを形成した構成としている。
【0028】
このように、実施例の場合、調整ノブ35は、周囲に操作スペースが確保されているから、調整操作がやり易くなり、シート33の調節が容易にできる特徴がある。
つぎに、サブ・コン(油圧外部取出し装置)38の取付装置について、図12、乃至図15に基づいて実施例を説明する。
【0029】
まず、サブ・コン38は、図13に示すように、トラクタのシートの後部側でフェンダーの外側寄りの位置にブラケットを設けて取付ける構成となっている。
まず、従来の構成は、図12に示すように、一部材のブラケットEによってサブ・コンFが車体Gに取付けられていた。このような従来型の取付け構成によるサブ・コンFは,トラクタのシートにシートベルトを取付けるために、シート幅が広くなっても融通が効かず、取付けスペースの確保ができない課題があった。
【0030】
それに対して、実施例は、従来、一個のブラケットEを、図14、及び図15に示すように、車体39に取付ける基部ブラケット40とサブ・コン38側に接続する先端部ブラケット41との2つに分割して車体39にサブ・コン38を取付ける構成としている。そして、先端部ブラケット41は、車体39側に固定されている基部ブラケット40に対して横方向に移動調節して取付け替えができるように複数個の取付け用の調節孔42,42,42を開口して構成している。
【0031】
このように、サブ・コン38は、図面から解るように、車体39に固着した基部ブラケット40の2個の取付け孔43にボルト・ナット45によって、先端部ブラケット41の取付け用の調節孔42,42を選択して固定する構成としている。
【0032】
したがって、実施例は、サブ・コン38をシートやフエンダーに対する間隔調節が自由にでき、例えば、シートベルトを取付ける場合でも、間隔調整が可能となった特徴がある。なお、基部ブラケット40は、サブ・コン38の操作を容易にするために取付け角度を変更することもできる。
【0033】
つぎに、図16、及び図17に示した実施例を説明する。
実施例は、図面に示すように、前方下部に回動支点Pを設けて上方に回動するフード47の後端部と、運転席前方にあるメーターパネル48との間にバッテリー49を交換するための開閉カバー50を設けた構成としている。実施例の場合、バッテリー49は、図面に示すように、エンジンルームの後部上方に収納され、フード47を開放した後、開閉カバー50を外して、外に取出しができる構成にしている。実施例に係る開閉カバー50は、下側(エンジンルーム内)に支持腕52を垂下させて取付け、エアダクトホース53の位置決めをする機能を持たせた構成としている。
【0034】
更に、開閉カバー50は、フード47の後端部分の下方に位置する部分に凹部形状の受樋部50aに形成してネット55を取り付けて塵の収集部としている。
このように構成することによって、実施例は、フード47を回動し、開閉カバー50を取り外せば、バッテリー49の交換やメンテナンスが容易にできる特徴があり、トラクタの視界を改善した特徴がある。そして、実施例の場合、エアダクトホース53は、開閉カバー50の下側に設けた支持腕52によって位置決めされ、安定した状態に保持されている。
【0035】
更には、受樋部50aの内部に設けたネット55は、フード47を開放したとき、ねじを外して取出して凹部に溜まった塵の排出が簡単にできる利点がある。
つぎに、ロプス68の連結部位におけるガタやビビリ音の防止に関する実施例を、図18、乃至図22に基づいて具体的に説明する。
【0036】
まず、ロプス68は、既に広く知られているように、運転席の後部両側に頑丈な鉄柱を取付けて上方に延長し、走行中のトラクタ転倒等に際してオペレータの安全を確保する目的で構成されている。そして、実施例の場合、ロプス68は、図18に示すように、トラクタ車体69に取付けられた下部ロプス68aの上端部に連結具70を介して上部ロプス68bを連結して上方に延長した構成としている。そして、連結具70は、図面に示すように、左右両側板71,71を前側板80で連結して平面視コ字型に形成して、左右両側板71,71を下部ロプス68aの上端部に固着し、支点ピン72と連結アーム73によって上部ロプス68bを連結して後方から下方に折畳み自由に構成している。
【0037】
そして、連結ピン75は、両側板71,71と上部ロプス68bとを貫通して連結し、ピンの頭76と側板71、及び止めピン77と側板71との間にそれぞれインシュレータ78,78を介装した構成としている。
【0038】
以上のように、実施例は、インシュレータ78,78を両側板71,71の外側に挟むように設けることによって、連結ピン75の両端部と側板71,71との直接の接触をなくし、ガタ防止の効果を発揮して上下の連結が安定した状態になった。
【0039】
つぎに、図20と図22とに示した2つの実施例について説明する。
まず、図20、及び図21の実施例は、連結具70の前側板80に、外側からノブボルト81を貫通させて内側にナット82を螺合し、ねじ込み調節を可能とし、更に、該ナット82と上部ロプス68bとの接合面に押板83を挟んで押圧できる構成としている。なお、押板83は、図面の如く、略逆U型にして上側に迂回して落下しないように挟み込んで支持して設けている。
【0040】
このように構成した実施例は、ノブボルト81をねじ込んで締めることによってナット82、押板83を挟んで上部ロプス68bの表面を押えてガタの発生を防止し、ビビリ音の発生をなくすることができる。
【0041】
つぎに、図22の実施例は、前記前側板80と上部ロプス68bとを合わせてノブボルト81を貫通し、上部ロプス68bの内側にナット82を設けてノブボルト81に螺合し、上記両者を挟んで締め付ける構成としたものである。
【0042】
以上のように構成した実施例は、ガタのない状態に連結しているから、トラクタの走行時に微振動等の発生がほとんどなく、上部ロプス68bの下部と下部ロプス68aの上部とを連結具70を介して一体の状態になって、ビビリ音等の発生もない特徴がある。
【0043】
つぎに、トラクタのレバーガイド90について実施例を説明する。
実施例に係るレバーガイド90は、図23、乃至図26に示すように、前側の前部プレート90aと、上面に配置する上部プレート90bと、運転席側の側面に設ける側部プレート90cとの三つの樹脂製のプレートを、フック91と係合孔92を設けて引っ掛けた接合部と、ねじ93によって締付けて固着する連結手段とによって一体に接続した構成としている。
【0044】
まず、上部プレート90bは、図面に示すように、上面に前後方向や横方向に操作レバーを案内するガイド溝94,95等を形成し、前部の端縁に沿わせて複数個のフック91を形成した構成としている。そして、前部プレート90aは、前部をカバーする円弧形状に成形して、前記上部プレート90bの接合面に合わせた形状とし、複数の前記フック91に対応する位置に係合孔92を開口した構成としている。
【0045】
このようにして、前部プレート90aは、図23、図24、及び図25に示すように、各係合孔92に、上部プレート90bの各フック91を係合して連結し一体状に構成している。
【0046】
つぎに、側部プレート90cは、図26に示すように、外周縁に沿う一定幅を平らな面に形成して前縁、上縁、後縁とにそれぞれねじ孔96を複数個開口し、前記前部プレート90aの後縁にある取付け孔97と、前記上部プレート90bの下端縁の取付け孔97とに、それぞれねじ93によって締め付けて固着する構成としている。
【0047】
以上のように構成したレバーガイド90は、前部プレート90aと、上部プレート90bと、側部プレート90cとの三つの樹脂製のプレートを、別体の取付部材を使用することなく、フック91と係合孔92とねじ23とによって連結して確実に接合した特徴がある。そして、レバーガイド90は、図面に示すように、取付部位が目立つこともなく、外観上の形状も優美になって意匠的価値もあるものとなった。
【0048】
つぎに、図27に示したレバーガイド90は、ロプス仕様トラクタに使用するものであって、後部に形成されているドリンクホルダ98の内部に設けた孔99を、水抜き用の孔として使用する構成とし、100はロプス取付用の孔を示している。
【0049】
そして、図28に示したレバーガイド90は、キャビン仕様トラクタに使用するものであって、前記ドリンクホルダ98の内部に設けた前記孔99を、取付用の孔として使用し、前記ロプス取付用の孔100は不要となる。
【0050】
つぎに、図29、及び図30に示した実施例について説明する。
実施例は、デフロックペダル105の移動に関し、図29に示すように、右側にあるデフロックペダル105を、図30に示すように、左側に移動させて構成したものである。
【0051】
通常、HSTを搭載したトラクタの場合、HSTペダル110が右側に装備されているから、前記デフロックペダル105を左側に移動させて取り付けると、作業中の操作が容易になって運転が楽になる。そのために、実施例は、フロア106の左右両側にある補強金具107を利用して連動軸108を左右に架け渡して設け、該連動軸108の左側にデフロックペダル105を軸装して設け、連杆109等を利用してデフ機構にロック操作可能に連結した構成としている。
【0052】
このように構成すると、HST搭載のトラクタでは、フロア106の前側において、右側にHSTペダル110があった、左側にデフロックペダル105が配置されるから、操作が容易となって楽な運転ができるものとなる。しかも、実施例の場合、フロア106の補強金具197を利用して連動軸108を軸架したから、製作上、低コストで実施できる利点がある。
【0053】
また、右側にブレーキペダルを有するトラクタで、左側にブレーキペダルを移動させたときのパーキングのアームの構成について説明する。パーキングアームは従来の右側を使用し、左側ブレーキ構成とする。即ち、今までの右ブレーキ構成を残しつつ、従来の右側でのパーキングを行い、通常作動させるブレーキペダル系は左側に移動させる構成とする。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】トラクタの側面図
【図2】フード、サイドカバー、リヤカバーの分解図
【図3】図1のS−Sにおける断面図
【図4】制御機構を示すブロック図
【図5】ナンバープレートの取付け状態を示す背面図
【図6】前図5の側面図
【図7】従来型のナンバープレートの取付け状態を示す側面図
【図8】実施例のシートベースの平面図
【図9】シートの取付け状態の側面図
【図10】シートの取付け状態の正面図
【図11】説明のために示した従来のシートベースの平面図
【図12】説明のために示した従来装置の側面図
【図13】トラクタの正面図
【図14】サブ・コンの取付け状態を示す正面図
【図15】サブ・コンの取付け状態を示した側面図
【図16】トラクタの前部、エンジンルームの側面図
【図17】メーターパネルと、開閉カバーとの斜面図
【図18】実施例に係るロプスの側面図
【図19】上下のロプスの連結部位の背面図
【図20】実施例に係るロプスの連結部位の拡大側面図
【図21】実施例に係るロプスの連結部位の拡大側面図
【図22】実施例に係るロプスの連結部位の拡大側面図
【図23】レバーガイドの正面図
【図24】前部プレートと上部プレートとの連結部の側断面図
【図25】前部プレートと上部プレートとの連結状態を示す側部斜面図
【図26】前部プレートと側部プレートとの連結状態の側面図
【図27】ロプス仕様のレバーガイドの上部プレートを示す平面図
【図28】キャビン仕様のレバーガイドの上部プレートを示す平面図。
【図29】デフロックペダルとHSTペダルとを一方側に装備した従来型のフロア斜面図
【図30】デフロックペダルとHSTペダルとを左右両側に分けて配置したフロアの斜面図。
【符号の説明】
【0055】
1 車体
2 エンジン
3 エンジンルーム
4 フード
5 サイドカバー
6 運転席
7 リヤカバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(1)上に搭載したエンジン(2)は、前部から上側を開閉自由のフード(4)によって覆い、その左右両側を着脱自由に設けたサイドカバー(5),(5)によって覆い、更に運転席(6)側で着脱可能に設けたリヤカバー(7)によって覆ってエンジンルーム(3)内に収納状態にして装備し、前記エンジン(2)は、前記エンジンルーム(3)の上側を覆っている前記フード(4)が開放された状態にあるときには駆動できないように構成すると共に、エンジン(2)が駆動状態のときに前記フード(4)が開放されると、エンジン(2)の駆動が停止状態となるように構成したことを特徴とするトラクタ。
【請求項2】
前記エンジンルーム(3)は、上側に位置する前記フード(4)を開放すると、左右の前記サイドカバー(5),(5)の取り外しが可能となり、更に運転席(6)側のリヤカバー(7)は、前記サイドカバー(5),(5)を、前記エンジンルーム(3)から取り外したときにのみ取り外しが可能となるように構成したことを特徴とする請求項1記載のトラクタ。
【請求項1】
車体(1)上に搭載したエンジン(2)は、前部から上側を開閉自由のフード(4)によって覆い、その左右両側を着脱自由に設けたサイドカバー(5),(5)によって覆い、更に運転席(6)側で着脱可能に設けたリヤカバー(7)によって覆ってエンジンルーム(3)内に収納状態にして装備し、前記エンジン(2)は、前記エンジンルーム(3)の上側を覆っている前記フード(4)が開放された状態にあるときには駆動できないように構成すると共に、エンジン(2)が駆動状態のときに前記フード(4)が開放されると、エンジン(2)の駆動が停止状態となるように構成したことを特徴とするトラクタ。
【請求項2】
前記エンジンルーム(3)は、上側に位置する前記フード(4)を開放すると、左右の前記サイドカバー(5),(5)の取り外しが可能となり、更に運転席(6)側のリヤカバー(7)は、前記サイドカバー(5),(5)を、前記エンジンルーム(3)から取り外したときにのみ取り外しが可能となるように構成したことを特徴とする請求項1記載のトラクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2010−126108(P2010−126108A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305759(P2008−305759)
【出願日】平成20年11月29日(2008.11.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月29日(2008.11.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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